JP2002193634A - プラズマ耐食性に優れた石英ガラス及び石英ガラス治具 - Google Patents

プラズマ耐食性に優れた石英ガラス及び石英ガラス治具

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JP2002193634A JP2000395988A JP2000395988A JP2002193634A JP 2002193634 A JP2002193634 A JP 2002193634A JP 2000395988 A JP2000395988 A JP 2000395988A JP 2000395988 A JP2000395988 A JP 2000395988A JP 2002193634 A JP2002193634 A JP 2002193634A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体製造に用いられるプラズマ反応用治具
材料として、プラズマ耐食性、特にF系プラズマガスに
対する耐食性に優れた石英ガラス及び石英ガラス治具を
提供する。 【解決手段】 金属元素を含有しプラズマ耐食性を増大
した石英ガラスであり、該石英ガラス中の泡と異物の含
有量が100cm3当りの投影面積で100mm2未満、
OH濃度が100〜2000ppm、表面粗さRaが
0.01〜10μm、及び室温から1000℃までの放
出ガス量が2mol/m3以下であるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造に用い
られかつプラズマ耐食性に優れた石英ガラス及び石英ガ
ラス治具に関する。
【0002】
【関連技術】半導体の製造、例えば半導体ウェーハの製
造においては、近年における大口径化の増大とともにエ
ッチング工程などにおいてプラズマ反応装置を用いるこ
とによって処理効率を向上させることが行われている。
例えば、半導体ウェーハのエッチング工程においては、
プラズマガス、例えばフッ素(F)系プラズマガスを用
いたエッチング処理が行われる。
【0003】しかし、従来の石英ガラスを、例えばF系
プラズマガス雰囲気中に置くと、石英ガラス表面でSi
2とF系プラズマガスが反応して、SiF4が生成し、
これは、沸点が−86℃である為容易に昇華し、石英ガ
ラスは多量に腐食して、減肉したり面荒れが進行し、F
系プラズマガス雰囲気では、治具としての使用に適さな
かった。
【0004】このように、従来の石英ガラスは、半導体
製造におけるプラズマ反応、特にF系プラズマガスを用
いるエッチング処理に対しては耐食性、即ちプラズマ耐
食性に大きな問題が生じていた。そこで、アルミニウム
やアルミニウム化合物を石英ガラス部材表面に被覆して
プラズマ耐食性を向上させる提案(特開平9−9577
1号、特開平9−95772号、特開平10−1394
80号)や、石英ガラスに対してアルミニウムを含有せ
しめることによってプラズマ耐食性を向上させたプラズ
マ耐食性ガラスについての提案がなされている(特開平
11−228172号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、石英ガラ
スのプラズマ耐食性をさらに向上させるべく種々研究を
進めているが、その一環として、石英ガラス粉にアルミ
ナ粉を5wt%混合したものを、真空下で加熱溶融して
石英ガラスを作成し、プラズマ耐食性を調査した。する
と、全くドープしていない石英ガラス部材に比べてエッ
チング速度が40%〜50%低下した。
【0006】しかし、ガラス体内部および表面部に微小
泡が確認され、また特に、表面部分において、腐食部分
と非腐食部分の差違が大きくなり面荒れが増大するほ
か、微小結晶部分が発生して、時間とともにその部分か
ら剥がれが多発し、微小窪みの形成とともに、パーティ
クルの発生が増大して、ウェーハ面上に付着して、ウェ
ーハ不良が増大するなどの問題が生じた。また、これら
の泡や窪みは、エッチングを促進させる為、ドープ金属
の濃度が増大しても、比較的エッチング耐食性が向上し
なかった。
【0007】というのも、F系プラズマガスと反応して
生成するAlF3の沸点は1290℃で、SiF4よりも
はるかに高温である為、SiF4部分が多量に腐食する
一方で、AlF3部分は表面における昇華が少なく、エ
ッチング量の差違が拡大した為と推定される。また、ド
ープアルミニウムが局所集中していると、隣接するSi
2部分と明らかにエネルギー状態が異なる為、均衡が
崩れて、そこの部分よりSiO2は、低エネルギーであ
る結晶状態へ変態し易くなる。
【0008】この結晶部分は、目視では微小な白い異物
として確認される。形成された結晶部分は、熱膨張度が
石英ガラスと異なる為、温度変化によって剥離しやす
い。また、局所的に集中した金属元素は、単体では、沸
点がSiO2より低いので、SiO2の溶融加熱時には気
体となって泡を形成する。表面近傍の泡部分は、温度変
化によって破裂し易い。以上述べたこれらは全て、パー
ティクルの発生原因となる。また、泡や凹部分は、プラ
ズマガスの集中を受けエッチング速度が増大しやすの
で、ガラス全体のエッチング量も増大し、使用可能時間
が減少してしまう。
【0009】本発明は、上記した知見に基づいてなされ
たもので、半導体製造に用いられるプラズマ反応用治具
材料として、プラズマ耐食性、特にF系プラズマガスに
対する耐食性に優れた石英ガラス及び石英ガラス治具を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為、
本発明のプラズマ耐食性に優れた石英ガラスは、金属元
素を含有しプラズマ耐食性を増大した石英ガラスであ
り、該石英ガラス体中の泡と異物の含有量が100cm
3当りの投影面積で100mm2未満、OH濃度が100
〜2000ppm、表面粗さRaが0.01〜10μ
m、及び室温から1000℃までの放出ガス量が2mo
l/m3以下であることを特徴とする。
【0011】上記金属元素としては、Sm、Eu、Y
b、Pm、Pr、Nd、Ce、Tb、Gd、Ba、M
g、Y、Tm、Dy、Ho、Er、Cd、Co、Cr、
Cs、Zr、Al、In、Cu、Fe、Bi、Ga及び
Tiからなる群から選択された1種又は2種以上を用い
ることができる。
【0012】これらの金属元素は、Siに比べて、弗化
物となったときの沸点が高く、エッチングが進まない。
沸点或いは昇華温度の高い順に記載してあり、例えばS
mFの沸点は、2427℃でありTiFの昇華温度は、
284℃である。
【0013】これら以外の金属元素の弗化物の沸点また
は昇華温度は低すぎて、エッチングが進んでしまう。上
記金属元素の含有濃度は0.1〜20wt%の範囲が好
ましい。0.1wt%未満では、エッチング耐性の向上
がなく、20wt%を超えると、いかなる条件において
も、泡と異物が多発し、治具として使用に耐えるもので
はない。
【0014】また、上記石英ガラスに対する可視光線の
内部透過率が50%/cm以上であるのが好適である。
【0015】本発明のプラズマ耐食性に優れた石英ガラ
ス治具は、上記した本発明の石英ガラスにより作成さ
れ、表面から所定深さまでの厚さを有するとともに上記
金属元素を0.1〜20wt%含有する金属元素含有層
を形成したことを特徴とする。この金属元素含有層の厚
さは少なくとも5mmが好適である。
【0016】また、通常の石英ガラス治具の場合、プラ
ズマガスと接触し腐食する深さは、現行の一般的な使用
条件ではほぼ1〜2mm程度、最大でも5mm程度であ
り、石英ガラス治具として当初の形状と特性を保つこと
ができるので、上記した金属元素を0.1〜20wt%
含有する金属元素含有量の厚さを少なくとも5mmとし
て、エッチング耐性を向上させておくことは、本発明の
プラズマ耐食性に優れた石英ガラスを石英ガラス治具と
して使用する場合の好ましい条件である。
【0017】なお、金属元素含有層における金属元素の
含有の態様としては、石英ガラス治具中にドープされて
いてもよいし、及び/又は表面に塗布後、加熱拡散させ
てもよいものである。
【0018】本発明の石英ガラス治具においては、少な
くともプラズマ腐食性ガスに接触する表面が、精密研削
処理、加熱溶融処理、又は加熱溶融処理及び化学的エッ
チング処理を受けた面であるのが好ましい。
【0019】本発明のプラズマ耐食性に優れた石英ガラ
スの製造方法としては、次の4つの方法を採用すること
ができる。第1の製造方法は、酸水素火炎を用いるイン
ゴットの作成法であるベルヌイ法で、石英粉からプラズ
マ耐食性に優れた石英インゴットを作成する方法であ
り、金属元素粉或いはその化合物粉を、石英粉に混合
し、加熱溶融落下させ石英インゴットを作成する際、該
石英インゴット表面温度を、1800℃以上で好ましく
は3000℃以下に加熱する。
【0020】第2の製造方法は、ベルヌイ法で石英粉か
らプラズマ耐食性に優れた石英インゴットを作成する方
法であり、石英粉を加熱溶融落下させ石英インゴットを
作成すると同時に、金属元素或いはその化合物を純水、
酸性溶液、塩基性溶液または有機溶媒に溶解させ作成し
た溶液を、該石英インゴットの成長表面に連続的に滴下
する。
【0021】石英ガラスに金属元素或いはその化合物を
粉体でドープする場合は、SiO2粉の中で当該金属元
素粉或いは化合物粉体が、原子または分子レベルに分解
され均一に拡散され混合されるように、十分な熱エネル
ギーを与えながら、加熱溶融を行う必要がある。
【0022】この為、金属元素のドープ時の形態は、気
体または液体であることがこのましい。粉体で混合する
場合は、粉体の粒度はできる限り小さいことが好まし
く、特に金属元素はSiO2ネットワーク中で酸化物と
して存在し集中し易いので、酸化物の融点ができるだけ
低温であるものがよい。
【0023】通常、製法として最も一般的な、石英粉と
ドープ金属元素粉を混合して、加熱炉で溶融する方法
は、可能な高温度域に限界があり、2000℃以上の処
理は非常に困難である。
【0024】製法として、ベルヌイ法を採用する場合
は、粉体に与える熱エネルギー密度を均一に且つ大きく
供給できるので、泡、異物のより少ない石英ガラス体を
形成することが可能である。使用した金属酸化物の融点
が2500℃程度のものまでなら、形成されるインゴッ
ト表面温度をその温度付近以上に調整するなどして、金
属酸化物の溶融拡散を可能とすることができる。
【0025】粉体は、金属粉、酸化物、硝酸化合物、塩
化物、その他の化合物を石英粉に混合する。また、粉体
のかわりに、金属元素が原子または分子レベルで均一に
溶解した溶液を、形成中のインゴットの成長面上に液状
で滴下したり、気化ガスで、或いはキャリアガスにのせ
てインゴットの成長面上に吹き付けるなどするドープ手
法は非常に有効である。溶液としては、金属粉を酸性或
いはアルカリ性溶液に溶解させたもの、硝酸化合物を純
水に溶解した溶液や、塩素化合物をエタノールなどに溶
解した溶液や、有機金属化合物の溶液或いはその固体を
有機溶媒に溶解して作成した溶液なども使用される。
【0026】第3の製造方法は、予め用意された多孔質
SiO2体を、金属元素の密度が(0.1〜10mo
l)/22.4リットルの範囲の雰囲気中に静置し、加
熱処理する。
【0027】この第3の製造方法は、一般的には、ガス
状態のト゛ーフ゜物質を多孔質体中に拡散ト゛ーフ゜させる方法と
してCVD法と定義される。この第3の方法において
は、金属元素の気体密度が、(0.1〜10mol)/
22.4リットルの濃度範囲の気体中に、多孔質SiO
2体を静置し加熱処理する。十分に多孔質体中に気体が
拡散するまで処理を継続した後、降温させることによ
り、多孔質体中に、酸化物の状態ではあるが、均一に局
所集中せずに残留する。気体密度を上げることが残留す
る酸化物濃度を上げることになるので、加熱温度はでき
るだけ低く、圧力は高いほうが効果的である。この加熱
温度は、金属元素或いはその化合物の沸点、昇華点及び
分解点以上であり、処理圧力が、1〜10気圧の範囲が
好適である。
【0028】第4の製造方法は、全体の粒径分布が、
0.01〜1000μmの範囲にあり、且つ、そのうち
0.01〜5μmの範囲の粒子群の重量比が1〜50w
t%である石英ガラス粉体と、純水、酸性溶液、塩基性
溶液または有機溶媒に溶解可能な金属元素或いはその化
合物を、純水、酸性溶液、塩基性溶液または有機溶媒中
で混合溶解してスラリーを作成し、該スラリーを乾燥固
化させた後に、真空下で加熱溶融する。このような製法
は、一般的に、スリップキャスト法と定義される。
【0029】石英粉を純水に溶解して、そこに、金属元
素の水溶液を混合してスラリーを作成し、乾燥、真空加
熱で透明固体を形成する方法においては、乾燥固化させ
る為に石英粉の粒度分布として、5μm以下の粒子群を
1〜100wt%、好ましくは1〜50wt%の範囲で
混合する必要がある。この粒子群は同じ石英粉を細かく
破砕したものでもよいし、四塩化珪素を火炎加水分解し
て作成したヒュームドシリカを使用してもよい。
【0030】金属元素の水溶液としては、金属粉を酸性
或いはアルカリ性溶液に溶解させたものや、硝酸化合物
を純水に溶解したものや、塩素化合物をエタノールなど
の有機溶媒に溶解したもの、有機金属化合物或いはそれ
を有機溶媒に溶解して作成した溶液が使用される。特
に、硝酸化合物を純水に溶解した溶液を使用した場合、
得られた石英ガラス体中の泡が少なく好適である。
【0031】本発明のプラズマ耐食性に優れた石英ガラ
ス治具の好適な製造方法としては、純水、酸性溶液、塩
基性溶液または有機溶媒に溶解可能な金属元素或いはそ
の化合物を純水、酸性溶液、塩基性溶液または有機溶媒
中で混合溶解して作成された溶液を、予め用意された石
英ガラス治具表面に塗布し、その後、その表面を加熱溶
融する方法をあげることができる。
【0032】特に、石英ガラス治具表面の金属元素濃度
を高めることに着目した場合、石英ガラス治具表面に、
金属元素溶液を塗布して、その後、加熱溶融する手法が
有効である。金属元素溶液は、金属元素粉を酸性或いは
アルカリ性溶液に溶解させたものや、金属元素の硝酸化
合物を純水に溶解したものや、金属元素の塩素化合物を
エタノールなどの有機溶媒に溶解したもの、金属元素を
含む有機金属化合物或いはそれを有機溶媒に溶解して作
成した溶液でよく、これを、石英ガラス治具表面にたら
したり、刷毛で塗ったり、スプレーで吹きかける。な
お、金属元素溶液としては、金属元素を含む硝酸化合物
或いはそれを純水に溶解して作成した溶液が特に好適で
ある。
【0033】その後、火炎溶融、電気加熱、アーク溶融
などの手法で、表面を溶融して、金属元素を焼付ける。
この場合、石英ガラス治具は、既に、金属元素をドープ
したものであると、全体的に金属元素の濃度は高いもの
であり好ましい。また、形成された高濃度に金属元素を
含有した表面との適合が良く、処理後冷めてくるとき
に、クラックなどが入りずらい。
【0034】上記予め用意された石英ガラス治具として
は、従来公知の石英ガラス治具を用いることもできる
が、上述した本発明のプラズマ耐食性に優れた石英ガラ
スの製造方法によって、製造されたものが好適に用いら
れる。
【0035】金属元素の局所的集中を測る手段として
は、EPMA(Electron Probe MicroAnalysis)で面分布
を測定できるほか、その部分は、結晶性を示すので、X
線回折または、偏向顕微鏡でも判断可能である。
【0036】金属元素を0.1〜20wt%の範囲で含
有する石英ガラスは、従来は、泡、異物が多発するもの
しか得られなかったが、本発明においては、泡、異物の
発生が抑制され、透明性もよく、内部透過率が50%/
cm以上の石英ガラスを得ることができる。
【0037】本発明の石英ガラス体は、表面粗さが0.
01〜10μmの範囲になるように、精密研削処理、加
熱溶融処理、或いは、フロスト処理(加熱溶融処理+化
学的エッチング処理)を施される。これらの表面状態で
は、機械加工後の表面の微小クラックなどが除かれるの
で、プラズマエッチングによる初期パーティクル発生を
抑制することができる。
【0038】精密研削処理はガラス体表面を機械で精密
研削する方法で表面クラックの形成が少ない利点があ
る。加熱溶融処理は酸水素、アセチレンなどのガス燃焼
や、アーク電源などの電気的熱源を使用して、表面加熱
を行い表面クラックを溶融除去する方法である。
【0039】フロスト処理は、加熱溶融処理を行った面
に対してHF溶液と酢酸とフッ化アンモニウムと純水の
混合溶液(10〜50wt%のHF溶液でも可)に漬け
て表層をエッチング除去すると同時に均し面を形成する
方法である。また、以上述べてきたような製法で作成さ
れた石英ガラス体中には、製法起因によるOHが高濃度
に残留する。
【0040】本発明の石英ガラスのOH濃度は100〜
2000ppmである。OH濃度が100ppm以上で
あると石英ガラス体を通過拡散しようとするアルカリ金
属などをホールドする効果が高まり、ウェーハへの外部
からの汚染を防止できる。しかし、OH濃度が2000
ppmを超えると粘度が低下しすぎて変形し易くなり好
ましくない。
【0041】また、本発明の石英ガラスの室温から10
00℃までの放出ガス量は2mol/m3以下である。上
記手法で得られた石英ガラス体は、1000℃以上の高
温範囲で製造されるので、予め、吸蔵ガスが放出され
て、1000℃以下で放出されるガスの総和は、2mo
l/m3以下となる。エッチングプロセスは、数100℃
の温度域で行われるので、実際のガス放出量はこれより
少なく、このように微量な放出ガスならば、ウェーハに
触れて品質に影響したり、プラズマガス状態に影響を及
ぼすことはない。
【0042】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的
に説明するが、これらの実施例を限定的に解釈すべきで
ないことはいうまでもない。
【0043】(実施例1)粒径100〜500μmの石
英粒子28500gとAl23粉1500gを混合し、
酸水素火炎中に50g/minの速度で、1rpmで回
転するターゲットインゴット上に溶融堆積させ、200
mmφ×400mmの石英インゴットを作成した。使用
するガス条件は、H2が300l/min、O2が100
l/minとした。
【0044】作成されたインゴットを加熱処理炉中にセ
ットして、N2雰囲気中にて1kg/cm2の圧力下で、
1800℃に2HR保持して、400mmφ×100m
mに成形した。得られた石英ガラス成形体から350m
mφ×20mm(厚さ)の石英ガラス円盤を切り出し、
上下面を研削加工した。表面のRa値は2.0μmで、
石英ガラス円盤のOH濃度は、300ppmであった。
【0045】また、同じ石英ガラス成形体から切り出し
たサンプルで室温から1000℃までの温度領域で放出
ガスの定性と定量をしたところ、Co、H2O、O2、H
2のガスが総量で、0.4mol/m3発生した。石英ガ
ラス円盤の内部の泡、異物は、100cm3当りの投影
面積で10mm2で、可視光線の内部透過率が85%/c
mであった。
【0046】Al濃度を蛍光X線分析で測定すると3.
0wt%であった。30φ×3mmのサンプルを切り出
し、表面粗さをRa2.0μmに研削したサンプルで、
50sccm、CF4+O2(20%)のプラズマガス中
で、30mtorr、1kw、10HRのエッチング試
験を行った。試験前後の質量変化からエッチング速度を
算出し、30nm/minの結果を得た。
【0047】また、パーティクルの発生量については、
エッチング後、サンプルのプラズマ照射面に同面積のS
iウェーハを載せ、ウェーハの接触面の凹凸をレーザー
散乱で検出し、パーティクルカウンターにて0.3μm
以上のパーティクル個数を計測した。パーティクル個数
は、10個であった。
【0048】(実施例2)粒径が100〜500μmの
石英粒子22500gと、粒径が0.01〜4μmの熱
分解シリカ粒子6000gと硝酸アルミニウム2100
gと純水4500gを混合し、スラリーを作成する。こ
のスラリーを40℃の大気中で8日間乾燥させ、500
℃の大気中に4HR保持した後、真空雰囲気において、
1800℃、1HRの加熱処理を行い、380φ×25
mmの透明石英ガラス体を得た。得られた石英ガラス体
から350φ×20mm(厚さ)の石英ガラス円盤を切
り出し、上下面を研削加工した。表面のRa値は3.0
μmで、石英ガラス円盤のOH濃度は300ppmであ
った。同様に切り出したサンプルのAl濃度を蛍光X線
分析で測定すると3.0wt%であった。その他の結果
は、実施例1と同じであった。
【0049】(実施例3)350φ×20mm(厚さ)
の石英ガラス治具の表面上に、硝酸アルミニウム水溶液
を塗布し、この面を酸水素火炎によって溶融し、滑らか
な透明溶融面を形成した。この石英ガラス治具の表面の
Ra値は0.2μmで、OH濃度は300ppmであっ
た。この石英ガラス治具の溶融面のAl濃度を蛍光X線
分析で測定すると5.0wt%であった。その他の結果
は実施例1と同じであった。
【0050】(比較例1)粒径100〜500μmの石
英粒子30000gを混合し、カーボン鋳型に充填し、
真空雰囲気において、1800℃、1HRの加熱処理を
行い、400φ×100mmの透明石英ガラス体を作成
した。切り出したサンプルのAl濃度を蛍光X線分析で
測定すると0.0wt%であった。また、実施例1と同
様のサンプルを作成し、プラズマエッチングテストを行
ったところ、エッチング速度は、120nm/minで
あった。その他の評価結果は実施例1と同じであった。
【0051】(比較例2)粒径100〜500μmの石
英粒子27000gとAl23粉300gを混合し、カ
ーボン鋳型に充填し、真空雰囲気において、1800
℃、1HRの加熱処理を行い、400φ×100mmの
透明石英ガラス体を作成した。透明石英ガラス体内部に
は、泡と異物がそれぞれ、多数確認され、100cm3
当りの投影面積で300mm2で可視光線の内部透過率
が15%/cmであった。切り出したサンプルのAl濃
度を蛍光X線分析で測定すると5.0wt%であった。
また、実施例1と同様のサンプルを作成し、同様の評価
を行ったところ、エッチング速度は、64nm/min
で、パーティクルの発生は300個に達した。
【0052】(比較例3)粒径100〜500μmの石
英粒子17000gとAl23粉1300gを混合し、
実施例1と同様の方法で透明石英ガラス体を作成した。
この透明石英ガラス体内部には、泡と異物がそれぞれ、
多数確認され、100cm3当りの投影面積で300m
2で可視光線の内部透過率が15%/cmであった。切
り出したサンプルのAl濃度を蛍光X線分析で測定する
と21wt%であった。また、実施例1と同様のサンプ
ルを作成し、同様の評価を行ったところ、エッチング速
度は、40nm/minで、パーティクルの発生は80
0個に達した。
【0053】上記した各実施例及び比較例において、パ
ーティクル発生量は、50個以下の場合Siウェーハの
使用可能部分は、90%以上であり、200個を超える
と、50%以下となり収率が低下した。また、エッチン
グ速度が、120nm/min以上のときは、100H
R程度の使用時間で、1.0mmのエッチング深さまで
達し、部材として使用できないが、50nm/min以
下になると、使用時間が2倍となり効果が確認され、特
に20nm/min以下となれば、非常に経済効果が大
きくなる。
【0054】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明の石英ガラス
及び石英ガラス治具は、半導体製造に用いられるプラズ
マ反応用治具材料として、プラズマ耐食性、特にF系プ
ラズマガスに対する耐食性に優れているという著大な効
果を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤ノ木 朗 福島県郡山市田村町金屋字川久保88番地 信越石英株式会社石英技術研究所内 Fターム(参考) 4G062 AA18 BB02 DA08 DB01 DB02 DB03 DB04 DC01 DD01 DE01 DF01 EA01 EA10 EB01 EC01 ED01 ED02 ED03 ED04 EE01 EF01 EG01 EG02 EG03 EG04 FA01 FA02 FA03 FA04 FA10 FB01 FB02 FB03 FB04 FC01 FC02 FC03 FC04 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FJ02 FJ03 FJ04 FK01 FL01 FL02 FL03 FL04 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH02 HH03 HH04 HH05 HH06 HH07 HH09 HH11 HH12 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK02 KK03 KK04 KK05 KK06 KK07 KK08 KK10 MM23 NN35 NN40

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属元素を含有しプラズマ耐食性を増大
    した石英ガラスであり、該石英ガラス中の泡と異物の含
    有量が100cm3当りの投影面積で100mm2未満、
    OH濃度が100〜2000ppm、表面粗さRaが
    0.01〜10μm、及び室温から1000℃までの放
    出ガス量が2mol/m3以下であることを特徴とするプ
    ラズマ耐食性に優れた石英ガラス。
  2. 【請求項2】 前記金属元素が、Sm、Eu、Yb、P
    m、Pr、Nd、Ce、Tb、Gd、Ba、Mg、Y、
    Tm、Dy、Ho、Er、Cd、Co、Cr、Cs、Z
    r、Al、In、Cu、Fe、Bi、Ga及びTiから
    なる群から選択された1種又は2種以上である請求項1
    記載のプラズマ耐食性に優れた石英ガラス。
  3. 【請求項3】 前記金属元素の濃度が0.1〜20wt
    %である請求項1又は2記載のプラズマ耐食性に優れた
    石英ガラス。
  4. 【請求項4】 前記石英ガラスに対する可視光線の内部
    透過率が50%/cm以上である請求項1〜3のいずれ
    か1項記載のプラズマ耐食性に優れた石英ガラス。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載され
    た石英ガラスにより作成され、表面から所定の深さまで
    の厚さを有するとともに前記金属元素を0.1〜20w
    t%含有する金属元素含有層を形成したことを特徴とす
    るプラズマ耐食性に優れた石英ガラス治具。
  6. 【請求項6】 前記金属元素含有層の厚さが少なくとも
    5mmであることを特徴とする請求項5記載のプラズマ
    耐食性に優れた石英ガラス治具。
  7. 【請求項7】 少なくともプラズマ腐食性ガスに接触す
    る表面が、精密研削処理、加熱溶融処理、又は加熱溶融
    処理及び化学的エッチング処理を受けた面である請求項
    5又は6記載のプラズマ耐食性に優れた石英ガラス治
    具。
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