JP2005336011A - 耐食性ガラス部材およびその製造方法並びにそれを用いた装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハロゲン系ガスに対して十分な耐食性を有し、加工性が良く、Al汚染の少なく、パーティクル発生の要因となる選択的な腐食を低減させた耐食性ガラス部材の提供を目的とする。
【解決手段】ハロゲン系ガスに曝される部分が、Alを50〜1000重量ppm含有し、ガラス表面を溶融処理してなる耐食性ガラス部材であり、このような部材はシリカ粉末と遷移アルミナ粉末及び/又はアルミナ−シリカ複合酸化物粉末とを混合したのち、溶融することにより製造することができる。
【選択図】選択図なし

Description

本発明は、半導体製造やフラットパネルディスプレイ製造の分野において、ハロゲン系ガスを利用する装置で使用される耐食性ガラス部材およびその製造方法並びにこの耐食性ガラス部材を具備した半導体製造装置およびフラットパネルディスプレイ製造装置に関する。
半導体製造分野やフラットパネルディスプレイ製造分野において、基板上の自然酸化膜や不純物の除去、装置内壁の堆積膜の除去などの洗浄プロセスは、無くてはならない重要な要素技術のひとつである。とくに近年、素子の微細化/高集積化が進むいっぽうで、生産性の向上/製造コスト低減も求められており、プロセスの高精度化やin−situ洗浄によるスループットの向上が可能なドライ洗浄プロセスの重要性がますます増加している。
なかでも、ハロゲン系ガスを用いた非プラズマ型のドライ洗浄技術は、プラズマ型のドライ洗浄において見られるようなイオン入射を伴わないため、素子や部材へのダメージが少ない洗浄方法として注目を集めている。非プラズマ型のドライ洗浄に用いられるハロゲン系ガスとしては、たとえば、HF,F,NF,ClFなどが知られている。
半導体製造装置やフラットパネルディスプレイ製造装置には、純度が高く耐熱性に優れた石英ガラス製部材が多く用いられている。しかしながら、石英ガラスはHF、Fなどのハロゲン系ガスに侵され易いため、ドライ洗浄工程における部材の消耗が著しいという問題があった。
また、ハロゲン系ガスによるドライ洗浄は、イオン入射を伴わないエッチングプロセスであるため、イオン入射を伴うプラズマ型のエッチングプロセスと較べて、部材表面に存在するキズや組成ムラ等に起因した選択的な腐食が起こりやすいという、ハロゲン系ガスを用いたエッチングプロセスに特有の問題があった。選択的な腐食は、部材表面の荒れや、さらにはパーティクルの発生原因ともなるため、極力抑える必要がある。
従来、耐食性向上はうたっていないものの、高純度合成石英ガラス中に、Siに対しAlを1〜1000ppmドープしたAlドープ石英ガラス(例えば特許文献1参照)や、アルミニウムを少なくとも5ppm以上含有し、且つOH基を100ppm以上含有する合成石英ガラス(例えば特許文献2参照)などが開示されている。これらの従来技術は、合成石英ガラスに耐熱性を付与する目的でAlを添加しているため、ハロゲン系ガスに対して十分な耐久性を有しているか不明であった。また、合成石英ガラスという高価な材料を使用しており、製造コストが高額になるという問題点があった。
その他に、ガラス形成物質の主体がSiOであるガラスにおいて、アルミニウムが0.05原子%(すなわち674重量ppm)〜10原子%含有されている、あるいはアルミニウムが0.01〜10原子%及び窒素が10原子%以下(0を含まない)含有されているプラズマ耐食性ガラスなどが開示されている(例えば特許文献3参照)。
しかしながら、前記特許は、主にフッ素プラズマ耐久性の付与を目的としているため、本発明の目的であるハロゲン系ガス耐食性用途に関する適応可能性は不明であった。また、ガラス中の窒素は、イオン入射を伴わないエッチング条件下では耐食性向上に寄与せず、特にClやBrを含むエッチングガスに対しては、むしろ耐食性が低下してしまうという問題点が有った。
また、いずれの従来技術も選択的な腐食に起因する、部材表面の荒れやパーティクル発生という、ハロゲン系ガスを用いたエッチングプロセス特有の問題に対しては、何ら有効な解決手段を与えていなかった。
特開平3−193637号公報(請求項1参照)
特開平6−37027号公報(請求項1参照) 特開平11−228172号公報(請求項1および2参照)
ハロゲン系ガスを用いた非プラズマ型のドライ洗浄技術は、半導体製造やフラットパネルディスプレイ製造分野において重要なプロセスであるにもかかわらず、これまでハロゲン系ガスを利用する装置に好適に利用できる耐食性ガラス部材は存在しないというのが現状であった。
本発明は、上述問題点を鑑みなされたものであり、ハロゲン系ガスに対して十分な耐食性を有し、かつ合成石英のような高価な原料を使用せずに、耐食性ガラス部材およびその製造方法を提供することを目的としている。また、部材表面の荒れや、パーティクルの発生要因となる選択的な腐食を低減させた耐食性ガラス部材およびその製造方法の提供を目的としている。また、これらの耐食性ガラス部材を備えた半導体製造装置およびフラットパネルディスプレイ製造装置の提供を目的としている。
本発明者らは、かかる課題を解決するために鋭意検討した結果、ハロゲン系ガスに曝される部分が、Alを50〜1000重量ppm含有し、ガラス表面を溶融処理してなるシリカガラスとすることにより、ハロゲン系ガスを利用する装置に好適に利用できる耐食性ガラスを提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、上述の耐食性ガラスの任意に選択された50μm×50μmの領域におけるAlの濃度をEPMA(X線マイクロアナライザー)を用いて定量したとき、得られた定量値の変動係数が20%以下とすることにより、パーティクル発生の要因となる選択的な腐食をより軽減し、さらには耐食性をも向上できることを見出した。
前述のごとき耐食性ガラスは、シリカ粉末と遷移アルミナ粉末または/およびアルミナ−シリカ複合酸化物粉末とを混合・溶融することにより、好適に製造することが可能である。
また、耐食性ガラス中のSiおよびAl以外の金属不純物の含有量を、各1重量ppm以下、好ましくは各0.1重量ppm以下とすることにより、ハロゲン系ガスを利用する装置に利用したとき、当該装置内に配置される製品への汚染が非常に少ない耐食性ガラスを提供できることを見出した。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の耐食性ガラス部材は、ハロゲン系ガスを用いた非プラズマ型のドライ洗浄処理が行なわれる半導体製造装置、フラットパネルディスプレイ製造装置やフッ素ケミカル分野等において用いることが出来る。とくにハロゲン系ガスに曝され、かつイオン入射に曝されない用途、たとえば、熱CVD装置用の配管、チューブ、ボート、フィン、ベルジャーなどに好適に使用される。
非プラズマ型のドライ洗浄用ガスとしては、ハロゲン系ガスが使用される。ハロゲン系ガスとして、F、Cl、Br、HF、HCl、HBr、NF、CF、SF、ClF、CClなどが知られているが、比較的容易にラジカルを生成しやすい、F、NF、ClFなどがとくに多く用いられている。また、HFガスは、ラジカルは生成しにくいものの、HOやCHOH等の共存下ではSiO等のエッチング速度が速いためドライエッチングガスとして多く用いられている。本発明の耐食性ガラス部材は、これらハロゲン系ガスに対して高い耐食性を有するため上述のごとき用途に好適に使用されるのである。このような高い耐食性を実現しているのは、いうまでもなくシリカ中に含まれるAlの働きによるものである。
本発明者らによれば、Alの含有量を50重量ppm以上、好ましくは90重量ppm以上とすることにより、良好な耐食性が得られる。
逆に、Al含有量が多すぎる場合は次に述べるような好ましからざる現象を引き起こす。すなわち、ガラスの軟化温度を低下させ耐熱性の悪化を招く。また、放出されるAl量が増加し製品歩留まりを低下させる。またさらには、カーボン治具や、アルミナ、ジルコニア、ムライト等の耐火物との反応性が高くなるため、通常の石英ガラス製造工程で多用される成形、管引き、ブローイング、リサイジング等の処理が難しくなるという製造上好ましくない現象も引き起こす。
本発明者らによれば、Alの含有量を1000重量ppm以下、好ましくは500重量ppm以下とすることにより、これらの問題が少ない耐食性ガラスを得ることが出来る。
更に、パーティクルの発生要因となる選択的な腐食を抑え、耐食性を向上させるため、ガラス表面をわずかに溶融させる。ガラス表面の溶融により、石英ガラス製品の製造工程における切断、研削、研磨等により発生するガラス表面のキズを起点にした選択的な腐食を低減できるという第一の効果と、Alがガラス表面に濃縮されハロゲン系ガス耐食性が更に向上するという第二の効果を得ることが出来る。ガラス表面の溶融は、目視観察だけでは確認しにくい小さなキズや潜傷も取り除くことが可能である。
この目的を達成するためのガラス表面の溶融処理方法としては、酸水素炎やプラズマ炎、もしくは電気炉内での加熱等によるガラス表面の溶融処理、すなわちファイアーポリッシュ処理などが利用できる。
なお、ファイアーポリッシュ処理を施したガラス表面には歪が残留している場合がある。この歪は耐食性を悪化させるため、適切な条件でアニール処理を施しておくことが好ましい。
また、耐食性ガラス部材中のSiおよびAl以外の金属不純物も、ガラス中から放出されて製品に悪影響を及ぼすため、その含有量を低く抑えることが好ましい。SiおよびAl以外の金属不純物としては、例えば、Li,Na,K等のアルカリ金属,Mg,Ca等のアルカリ土金属,Ti,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn等を例示することができる。本発明者らによれば金属不純物濃度を各々1重量ppm以下、好ましくは各々0.1重量ppm以下とすることにより不純物汚染の少ない耐食性ガラス部材が得られる。
本発明の目的であるハロゲン系ガスによるエッチングのように、イオン入射を伴わないエッチング条件下においては、ガラス中の窒素は耐久性向上に寄与しない上に、ClやBrなどがエッチングガス中に存在する場合、むしろ耐食性を悪化させてしまうため、窒素の含有量は極力低く抑えることが好ましい。これは、−Si−N−の結合力が−Si−O−の結合力より弱く、窒素原子がハロゲン原子やそのラジカルと置換し、揮発性のSiFを生成し易いためである。
以下、本発明の製造方法につき説明する。
本発明の耐食性ガラスは、シリカ原料とアルミ含有原料とを容器に入れ十分混合したのち、溶融することにより得られる。シリカ原料とアルミ含有原料との混合は、シリカ原料とアルミ含有原料が十分に混ざり合うようにすればよい。混合方法としては、回転ポットミルなどが利用可能であり、混合時間としては、1〜24時間が好ましい。溶融法としては、酸水素炎溶融法、プラズマ溶融法、電気溶融法等が利用可能である。
本発明の耐食性ガラスに使用されるシリカ原料は、混合が容易となるよう粉末を用いるのが好ましい。シリカ原料としては、珪石や水晶の他に、高純度アルコキシドの加水分解物より作製されたシリカ、SiClの熱分解により生成したシリカ、VAD法により得られたスートなどが使用可能であるが、原料コストの点からは珪石や水晶や高純度アルコキシドの加水分解物より作製されたシリカを用いることが好ましく、その平均一次粒径としては、50〜500μmが好ましい。高純度アルコキシドの加水分解物より作製されたシリカ粉末は、不純物含有量が低いため、耐食性ガラス部材中の不純物量を低く抑えられるため好ましい。
本発明の耐食性ガラスに使用されるアルミ含有原料としては、シリカとの混合が容易となるよう粉末を用いるのが好ましく、粒径を細かくすることにより更に分散性が向上するために、平均一次粒径として0.005〜1μmとするのが好ましい。また、アルミ含有原料には、例えば、最も一般的なα−アルミナだけでなく、γ−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナなどに代表される遷移アルミナや、ムライト、アルミノ・シリケートガラスに代表されるアルミナ−シリカ複合酸化物などが使用可能であるが、なかでもα−アルミナと較べてシリカとの反応性が高く、より高いAlの分散性が得られる遷移アルミナやアルミナ−シリカ複合酸化物をアルミ原料として使用することが好ましい。
また、その他にアンモニウム・ミョウバン熱分解法あるいは有機アルミニウム加水分解法により得られたアルミナ等も使用可能である。
このようにして得られたガラスインゴットを所定の形状に加工することにより、本発明の耐食性ガラス部材が得られる。またこれらの耐食性部材を用いることにより、ハロゲン系ガスを好適に利用可能な半導体製造装置またはフラットパネルディスプレイ製造装置が得られる。
本発明の耐食性ガラス部材は、シリカ中のAl含有量が適正に保たれているため、ハロゲン系ガスを利用する装置用の部材として十分な耐食性を有し、かつ耐熱性、加工性、低不純物汚染などの特性を併せ持つ。
また、本発明の耐食性ガラスは、ハロゲン系ガスに曝露される部分に、溶融処理を施すことにより、ガラス表面にAlの濃縮層が形成されるため、更に耐食性が向上するという効果を有する。また、ガラス表面のキズが取り除かれているため、選択的な腐食が抑えられ、結果としてパーティクルの発生が少ないという効果をも同時に有する。
上述のような耐食性ガラスは、例えば、シリカ粉末と遷移アルミナ粉末または/およびアルミナ−シリカ複合酸化物粉末とを混合したのち、溶融することにより製造することができ、Alがシリカ中に均一に分散されているため、選択的な腐食が抑えられ、パーティクルの発生が少ない。
また、シリカ原料として珪石または/および水晶粉末を用いることにより、合成石英ガラスなどの高価なシリカ原料を用いることなく安価に、本発明の耐食性ガラス部材を提供できる。
また、シリカ原料として高純度アルコキシドの加水分解物を用いた場合は、耐食性ガラス部材中のSiおよびAl以外の金属不純物の含有量を、各々0.1重量ppm以下に抑えることができ、製品への汚染の少ない耐食性ガラス部材を提供できる。
本発明の耐食性ガラス部材は、ハロゲン系ガスを好適に利用できる半導体製造装置またはフラットパネルディルプレイ製造装置を提供できる。
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
粒径200μmの水晶粉末、およびθ−アルミナ粉末を所定量はかり取り、これを容器に入れ十分攪拌・混合したのち、電気溶融炉にて溶融しガラスとした。得られたガラス中のAl含有量を、ICP発光分光法により求めた。さらに得られたガラスを切り出し、砥粒を用いて鏡面研磨を施したのち、酸水素炎バーナーによりガラス表面をファイアーポリッシュした。その後、Fガス気流中に250℃、20時間曝露し、Fガス曝露前後でのガラスの重量変化からエッチング速度を算出した。なお、使用したFガスはKF・2HFの溶融塩電解により発生させたものであり、約10vol%のHFガスを含んでいる。また、表面粗さ計によりエッチング後の表面粗さを測定し、SEMによりエッチング後の表面性状を観察した。
表1に、ファイアーポリッシュを施した各ガラスサンプルのAl含有量、ファイアーポリッシュした合成石英ガラス(サンプルNo.※1)のエッチング速度を1.00とした時の相対エッチング速度、エッチング面の表面粗さ(Ra)、SEMによる表面性状観察結果および耐熱性評価結果を示す。なお、表面粗さは、ファイアーポリッシュ処理により生じる、長周期うねり成分を除去した値を用いている。図1に、ファイアーポリッシュ処理を施した各ガラスサンプルのAl含有量と相対エッチング速度との関係をプロットした。
Figure 2005336011
表1および図1から、ファイアーポリッシュ処理により耐食性が向上し、かつエッチング後の表面の荒れが軽減されていることが判る。この効果は、Al含有量が90重量ppm以上で特に顕著である。
Al含有量450重量ppmのサンプルについて、砥粒研磨とファイアーポリッシュ処理を行なったサンプルのエッチング後のSEM観察結果を、各々図2および図3に示す。
ファイアーポリッシュ処理により、選択的な腐食が大幅に軽減されていることが判る。
また、Al含有量450重量ppmのサンプルについて、砥粒研磨とファイアーポリッシュ処理を行なったサンプルのEPMAによる表面Al濃度の定量結果を図4に示す。
ファイアーポリッシュ処理により、表面Al濃度が上昇していることが判る。
比較例
Al含有量450重量ppmのサンプルについて、アルミ含有原料にα−アルミナを用いた以外は、実施例1の試料と同様の手順で耐食性ガラス部材を製造し、任意に選択された50μm×50μmの領域5点におけるAlの濃度をEPMAを用いて測定し、変動係数を算出した。また、Fガス曝露試験を行ない、エッチング速度、およびエッチング面の表面粗さ(Ra)を測定した。
表3に変動係数、合成石英ガラス(サンプルNo.※1)のエッチング速度を1.00とした時の相対エッチング速度を示す。
α−アルミナを用いた場合は、θ−アルミナを用いた場合に較べ、場所によるAl含有量のバラツキが大きく、さらに耐食性および表面粗さ(Ra)が悪化することが判る。
Figure 2005336011
各種ガラスサンプルのAl含有量とFガスによるエッチング速度の関係を示した図である。 砥粒研磨を施したガラスサンプルの、Fガスによるエッチング後の表面の状態を示す図(SEM)である。 ファイアーポリッシュを施したガラスサンプルの、Fガスによるエッチング後の表面の状態を示す図(SEM)である。 砥粒研磨またはファイアーポリッシュを施したガラスサンプルの、表面Al濃度(EPMA)を示した図である。

Claims (11)

  1. ハロゲン系ガスを利用する装置に用いられる耐食性ガラス部材であって、ハロゲン系ガスに曝される部分が、Alを50〜1000重量ppm含有し、ガラス表面を溶融処理してなることを特徴とする耐食性ガラス部材。
  2. ハロゲン系ガスが、HF、F、NF、ClFのうち少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項1に記載の耐食性ガラス部材。
  3. 耐食性ガラス中のSiおよびAl以外の金属不純物の含有量が各々1重量ppm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐食性ガラス部材。
  4. 耐食性ガラス部材のSiおよびAl以外の金属不純物の含有量が各々0.1重量ppm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐食性ガラス部材。
  5. 耐食性ガラス部材の任意に選択された50μm×50μmの領域におけるAlの濃度をEPMA(X線マイクロアナライザー)を用いて定量したとき、得られた定量値の変動係数が20%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の耐食性ガラス部材。
  6. シリカ粉末とアルミ含有原料とを混合し、溶融・ガラス化することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の耐食性ガラス部材の製造方法。
  7. シリカ粉末が、珪石および/または水晶であることを特徴とする請求項6に記載の耐食性ガラス部材の製造方法。
  8. シリカ粉末が、高純度アルコキシドの加水分解物から製造されたものである請求項6に記載の耐食性ガラス部材の製造方法。
  9. アルミ含有原料が、遷移アルミナ粉末および/またはアルミナ−シリカ複合酸化物粉末であることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の耐食性ガラス部材の製造方法。
  10. 請求項1〜5のいずれかに記載の耐食性ガラス部材を備えた半導体製造装置。
  11. 請求項1〜5のいずれかに記載の耐食性ガラス部材を備えたフラットパネルディスプレイ製造装置。
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