JP2002220252A - 石英ガラス及びその製造方法 - Google Patents
石英ガラス及びその製造方法Info
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Abstract
材料として、プラズマ耐食性、特にF系プラズマガスに
対する耐食性に優れた石英ガラス及びその製造方法を提
供する。 【解決手段】 金属元素を含有しプラズマ耐食性を増大
した石英ガラスであり、該金属元素の濃度が0.1〜2
0wt%、OH濃度が100〜2000ppm、石英ガ
ラス体中の泡と異物の含有量が100cm3当たりの投
影面積で100mm2未満で、可視光線の内部透過率が
50%/cm以上であるようにした。
Description
られかつプラズマ耐食性に優れた石英ガラス及びその製
造方法に関する。
造においては、近年における大口径化の増大とともにエ
ッチング工程などにおいてプラズマ反応装置を用いるこ
とによって処理効率を向上させることが行われている。
例えば、半導体ウェーハのエッチング工程においては、
プラズマガス、例えばフッ素(F)系プラズマガスを用
いたエッチング処理が行われる。
プラズマガス雰囲気中に置くと、石英ガラス表面でSi
O2とF系プラズマガスが反応して、SiF4が生成し、
これは、沸点が−86℃である為容易に昇華し、石英ガ
ラスは多量に腐食して、減肉したり面荒れが進行し、F
系プラズマガス雰囲気では、治具としての使用に適さな
かった。
製造におけるプラズマ反応、特にF系プラズマガスを用
いるエッチング処理に対しては耐食性、即ちプラズマ耐
食性に大きな問題が生じていた。そこで、アルミニウム
やアルミニウム化合物を石英ガラス部材表面に被覆して
プラズマ耐食性を向上させる提案(特開平9−9577
1号、特開平9−95772号、特開平10−1394
80号)や、石英ガラスに対してアルミニウムを含有せ
しめることによってプラズマ耐食性を向上させたプラズ
マ耐食性ガラスについての提案がなされている(特開平
11−228172号公報)。
スのプラズマ耐食性をさらに向上させるべく種々研究を
進めているが、その一環として、石英ガラス粉にアルミ
ナ粉を5wt%混合したものを、真空下で加熱溶融して
石英ガラスを作成し、プラズマ耐食性を調査した。する
と、全くドープしていない石英ガラス部材に比べてエッ
チング速度が40%〜50%低下した。
泡が確認され、また特に、表面部分において、腐食部分
と非腐食部分の差違が大きくなり面荒れが増大するほ
か、微小結晶部分が発生して、時間とともにその部分か
ら剥がれが多発し、微小窪みの形成とともに、パーティ
クルの発生が増大して、ウェーハ面上に付着して、ウェ
ーハ不良が増大するなどの問題が生じた。また、これら
の泡や窪みは、エッチングを促進させる為、ドープ金属
の濃度が増大しても、比較的エッチング耐食性が向上し
なかった。
生成するAlF3の沸点は1290℃で、SiF4よりも
はるかに高温である為、SiF4部分が多量に腐食する
一方で、AlF3部分は表面における昇華が少なく、エ
ッチング量の差違が拡大した為と推定される。また、ド
ープアルミニウムが局所集中していると、隣接するSi
O2部分と明らかにエネルギー状態が異なる為、均衡が
崩れて、そこの部分よりSiO2は、低エネルギーであ
る結晶状態へ変態し易くなる。
として確認される。形成された結晶部分は、熱膨張度が
石英ガラスと異なる為、温度変化によって剥離しやす
い。また、局所的に集中した金属元素は、単体では、沸
点がSiO2より低いので、SiO2の溶融加熱時には気
体となって泡を形成する。表面近傍の泡部分は、温度変
化によって破裂し易い。以上述べたこれらは全て、パー
ティクルの発生原因となる。また、泡や凹部分は、プラ
ズマガスの集中を受けエッチング速度が増大しやすいの
で、ガラス全体のエッチング量も増大し、使用可能時間
が減少してしまう。
たもので、半導体製造に用いられるプラズマ反応用治具
材料として、プラズマ耐食性、特にF系プラズマガスに
対する耐食性に優れた石英ガラス及びその製造方法を提
供することを目的とする。
に、本発明の石英ガラスは、金属元素を含有しプラズマ
耐食性を増大した石英ガラスであり、該金属元素の濃度
が0.1〜20wt%、OH濃度が100〜2000p
pm、石英ガラス体中の泡と異物の含有量が100cm
3当たりの投影面積で100mm2未満で、可視光線の内
部透過率が50%/cm以上であることを特徴とする。
b、Pm、Pr、Nd、Ce、Tb、Gd、Ba、M
g、Y、Tm、Dy、Ho、Er、Cd、Co、Cr、
Cs、Zr、Al、In、Cu、Fe、Bi、Ga及び
Tiからなる群から選択された1種又は2種以上を用い
ることができる。これらの金属元素のうちでZrが特に
好適である。
物となったときの沸点が高く、エッチングが進まない。
上記金属元素は、沸点或いは昇華温度の高い順に記載し
てあり、例えばSmFの沸点は、2427℃でありTi
Fの昇華温度は、284℃である。
は昇華温度は低すぎて、エッチングが進んでしまう。上
記金属元素の含有濃度は0.1〜20wt%の範囲が好
ましい。0.1wt%未満では、エッチング耐性の向上
がなく、20wt%を超えると、いかなる条件において
も、泡と異物が多発し、治具として使用に耐えるもので
はない。
ラス粉と金属元素化合物を混合した粉体を、ベルヌイ法
により、雰囲気中の水素/酸素の分子量比が2〜10の
範囲である加熱領域で溶融堆積させることを特徴とす
る。上記水素/酸素の分子量比は、さらに好ましくは4
〜10、最も好ましくは6〜10の範囲である。上記金
属元素化合物としては、酸化ジルコニウム及び/又は硝
酸ジルコニルが好適である。
て、石英粉と金属酸化物粉を混合したものをベルヌイ法
で溶融堆積する方法がある。この方法の場合、加熱雰囲
気を水素過多にすることにより、金属酸化物が効果的に
還元分解され、酸化物状態での粒子固まりがなく、効果
的に熱エネルギーが供給されて金属元素の石英粉表面へ
の均一分散が効果的に進む。これにより、光散乱が抑制
されて透明な、泡、異物の発生のない、ガラス体が得ら
れる。
水素ガスを使う場合は、水素/酸素の分子量比が2〜1
0の範囲であることが効果的である。2未満では、酸素
過多となり還元されず、10を超えると火炎が不安定に
なる。
合しても全く問題ない。Zrを含有金属元素として考え
る場合、酸化物の融点が最も高いため、従来の方法で
は、いかなる手法をとっても白濁したり、泡、異物が多
発したが、ベルヌイ法でこの雰囲気条件を選択すること
により、極めて容易に透明体とすることが可能となっ
た。
酸化ジルコニウム、または、硝酸ジルコニウムが好適で
ある。金属元素濃度は、0.1wt%未満では、耐プラ
ズマ性に効果が無く、20wt%を超えると、いかなる
手法をとっても泡、異物の発生を抑制することができな
かった。水素過多雰囲気で加熱を行う為、ガラス体中は
必然的にOH濃度が高くなり100〜2000ppmと
なった。
た金属元素の濃度が0.1〜20wt%で、OH濃度が
100〜2000ppmで、石英ガラス体中の泡と異物
の含有量が100cm3当たりの投影面積で100mm2
未満で、可視光線の透過率が50%/cm以上である石
英ガラスを得ることができる。
は、表面粗さが0.01〜10μmの範囲になるよう
に、精密研削、ファイアポリッシュ、或いは、フロスト
溶液に漬けるなどの処理を施される。これらの加工方法
によると、加工後の表面の微小クラックなどが除かれる
為、プラズマエッチングプロセスでの初期パーティクル
発生を抑制することができる。
法起因によるOHが高濃度に残留する。OHが100p
pm以上存在するとガラス体内部から拡散しようとする
ドープ金属或いは、石英ガラス体を通過拡散しようとす
るアルカリ金属などをホールドする効果が高まり、ウェ
ーハへの汚染を防止できる。
かけて製造された石英ガラス体は、吸蔵ガスが予め放出
されていて、1000℃以下では、2mol/m3以下
のガスしか放出されなくなる。エッチングプロセスは、
数100℃の温度域での工程であるので、実際のガス放
出量はこれより少なく、放出ガスがウェーハに触れたり
プラズマガス状態に影響を及ぼす現象を抑制される。
これらの実施例は例示的に示されるもので、限定的に解
釈されるべきでないことはいうまでもない。
石英粒子28500gと、粒径1〜20μmのZrO2
粉1500gを混合し、酸水素火炎中に50g/min
の速度で、1rpmで回転するターゲットインゴット上
に溶融落下させ、200mmφ×400mの石英ガラス
インゴットを作成した。使用するガス条件は、H2が6
00リットル/min、O2が100リットル/min
とした。
ットして、N2雰囲気中にて1kgの圧力下で、180
0℃に1HR保持して、400mmφ×100mmに成
形した。得られたガラス成形体から350mmφ×20
mm(厚さ)の円盤を切り出し、上下面を研削加工し
た。
濃度は300ppmであった。ガラス体中の泡と異物の
含有量は100cm3当たりの投影面積で20mm2で、
可視光線の透過率が80%/cm以上であった。
プルで室温から1000℃までの温度領域で放出ガスの
定性と定量をしたところ、CO、H2O、O2、H2のガ
スが総量で、0.4mol/m3発生した。同様に切り
出したサンプルのAl濃度を蛍光X線分析で測定すると
3.0wt%であった。
×3mmを切り出し、表面粗さをRa3.0μmに研削
したサンプルで、50sccm、CF4+O2(20%)
のプラズマガス中で、30mtorr、1kw、10H
Rのエッチング試験を行った。試験前後の質量変化から
エッチング速度を算出し、30nm/minの結果を得
た。
エッチング後、サンプルのプラズマ照射面に同面積のS
iウェーハを載せ、ウェーハの接触面の凹凸をレーザー
散乱で検出し、パーティクルカウンターにて0.3μm
以上のパーティクル個数を計測した。パーティクル個数
は、10個であった。
石英粒子25000gと、粒径1〜20μmのZrO
(NO3)2・2H2O粉5000gを混合し、酸水素火
炎中に50g/minの速度で、1rpmで回転するタ
ーゲットインゴット上に溶融落下させ、200mmφ×
400mmの石英インゴットを作成した。
ル/min、O2が100リットル/minとした。作
成されたインゴットを加熱処理炉中にセットして、N2
雰囲気中にて1kgの圧力下で、1800℃に1HR保
持して、400mmφ×100mmに成形した。得られ
たガラス成形体から350mmφ×20mm(厚さ)の
円盤を切り出し、上下面を研削加工した。
濃度は300ppmであった。石英ガラス体中の泡と異
物の含有量は100cm3当たりの投影面積で20mm2
で、可視光線の内部透過率が80%/cmであった。同
様に切り出したサンプルのAl濃度を蛍光X線分析で測
定すると3.0wt%であった。
英粒子30000gを混合し、カーボン鋳型に充填し、
真空雰囲気において、1800℃、1HRの加熱処理を
行い、400mmφ×100mmの透明石英ガラス体を
作成した。切り出したサンプルのAl濃度を蛍光X線分
析で測定すると、0.0wt%であった。また、実施例
1と同様のサンプルを作成し、プラズマエッチングテス
トを行ったところ、エッチング速度は、120nm/m
inであった。それ以外の評価結果は実施例1と同じで
あった。
英粒子28500gとZrO2粉1500gを混合し、
カーボン鋳型に充填し、真空雰囲気において、1800
℃、1HRの加熱処理を行い、400mmφ×100m
mの透明ガラス体を作成した。透明ガラス体内部には、
泡と異物がそれぞれ、多数確認されて、含有量が100
cm3当たりの投影面積で20mm2で、可視光線の内部
透過率が40%/cmであった。切り出したサンプルの
Zr濃度を蛍光X線分析で測定すると3.0wt%であ
った。また、実施例1と同様のサンプルを作成し、同様
の評価を行ったところ、エッチング速度は、64nm/
minで、パーティクルの発生は300個に達した。そ
れ以外の評価結果は、実施例1と同じであった。
英粒子17000gとZrO2粉13000gを混合
し、実施例1と同様な方法で透明石英ガラス体を作成し
た。この石英ガラス体は白濁した。切り出したサンプル
のAl濃度を蛍光X線分析で測定すると21wt%であ
った。また、実施例1と同様のサンプルを作成し、同様
の評価を行ったところ、エッチング速度は、50nm/
minであったが、パーティクルの発生は800個に達
した。それ以外の評価結果は実施例1と同じであった。
ティクル発生量は、50個以下の場合Siウェーハの使
用可能部分は、90%以上であり、200個を超える
と、50%以下となり収率が低下した。またエッチング
速度が、100nm/min以上のときは、100HR
程度の使用時間で、0.6mmのエッチング深さまで達
し、部材として使用できないが、50nm/min以下
になると、使用時間が2倍となり効果が確認され、特に
20nm/min以下となれば、非常に経済効果が大き
くなった。
は、半導体製造に用いられるプラズマ反応用治具材料と
して、プラズマ耐食性、特にF系プラズマガスに対する
耐食性に優れているという効果を有している。また、本
発明方法は、プラズマ耐食性に優れた石英ガラスを効率
よく製造できるという利点を有している。
Claims (4)
- 【請求項1】 金属元素を含有しプラズマ耐食性を増大
した石英ガラスであり、該金属元素の濃度が0.1〜2
0wt%、OH濃度が100〜2000ppm、石英ガ
ラス体中の泡と異物の含有量が100cm3当たりの投
影面積で100mm2未満で、可視光線の内部透過率が
50%/cm以上であることを特徴とする石英ガラス。 - 【請求項2】 前記金属元素がZrであることを特徴と
する請求項1記載の石英ガラス。 - 【請求項3】 石英ガラス粉と金属元素化合物を混合し
た粉体を、ベルヌイ法により、雰囲気中の水素/酸素の
分子量比が2〜10の範囲である加熱領域で溶融堆積さ
せることを特徴とする石英ガラスの製造方法。 - 【請求項4】 前記金属元素化合物が、酸化ジルコニウ
ム及び/又は硝酸ジルコニルである請求項3記載の石英
ガラスの製造方法。
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Cited By (4)
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JP2002356346A (ja) * | 2001-03-26 | 2002-12-13 | Tosoh Corp | 高耐久性石英ガラス、これを用いた部材及び装置 |
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JP2012224544A (ja) * | 2012-08-10 | 2012-11-15 | Shinetsu Quartz Prod Co Ltd | ドープ石英ガラスの製造方法 |
CN103508661A (zh) * | 2013-09-25 | 2014-01-15 | 晶海洋半导体材料(东海)有限公司 | 一种新型多晶铸锭用石英陶瓷坩埚的制备工艺 |
-
2001
- 2001-01-16 JP JP2001008084A patent/JP2002220252A/ja active Pending
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US7365037B2 (en) * | 2004-09-30 | 2008-04-29 | Shin-Etsu Quartz Products Co., Ltd. | Quartz glass having excellent resistance against plasma corrosion and method for producing the same |
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