JPH10279349A - 耐プラズマ性に優れたアルミナセラミックス - Google Patents

耐プラズマ性に優れたアルミナセラミックス

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JPH10279349A
JPH10279349A JP10023489A JP2348998A JPH10279349A JP H10279349 A JPH10279349 A JP H10279349A JP 10023489 A JP10023489 A JP 10023489A JP 2348998 A JP2348998 A JP 2348998A JP H10279349 A JPH10279349 A JP H10279349A
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alumina
plasma
plasma resistance
alumina ceramic
silica glass
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JP10023489A
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Moriyoshi Kanamaru
守賀 金丸
Mutsuhisa Nagahama
睦久 永浜
Atsushi Hisamoto
淳 久本
Toshihisa Nozawa
俊久 野沢
Narimasa Sugiyama
成正 杉山
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SHINKO KOBELCO TOOL KK
Kobe Steel Ltd
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SHINKO KOBELCO TOOL KK
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単結晶引き上げ法の様な特殊な方法ではなく
一般的な焼結法を採用することを前提とし、半導体や液
晶ディスプレイ等の製造プロセスにおいて優れた耐プラ
ズマ性を発揮するアルミナセラミックスを提供する。 【解決手段】 シリカガラスを含む粒界相を有するアル
ミナセラミックスであって、上記粒界相にアルミニウム
を含有させる。本発明のアルミナセラミックスは、粒界
相にシリカガラスを含むアルミナセラミックス材料を窒
素中で焼結することにより得ることができ、この場合、
上記粒界層にはアルミニウム及び窒素が含まれる。また
耐プラズマ性を向上させる上では、アルミナ結晶の平均
粒径を2μm以下とすることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐プラズマ性に優れ
たアルミナセラミックスに関し、詳細には半導体や液晶
ディスプレイ等の製造プロセスに適用されるエッチング
装置,スパッタリング装置やCVD装置等の真空プロセ
ス装置の構成要素の様に、プラズマに曝される環境下で
用いられる部品(例えば、静電チャックやクランプリン
グ等のサセプター周辺部品)等の構成材料として好適な
アルミナセラミックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体製造プロセスや液晶ディス
プレイ製造プロセスにおいては、腐食性ガスや高密度の
プラズマが多用されている。特にエッチング装置ではフ
ッ素系プラズマ等の様な腐食性の高いプラズマが使用さ
れていることから、エッチング装置内に装備される部品
には高い耐食性が要求される。そこでAl23 ,Al
N,SiC等といったセラミックス材料の焼結体を部品
として適用した技術(例えば、特開平7−183277
号公報など)も多く提案されているが、腐食性ガスに対
する抵抗性は有しているものの耐プラズマ性は十分では
なく、特にフッ素系プラズマは非常に低い圧力及び低エ
ネルギー状態で高いイオン密度を有することから、この
フッ素系プラズマには十分な抵抗性を有するものではな
かった。
【0003】特開平8−231266号公報には、アル
ミナセラミックスの粒径分布を、約15〜30μmの間
に中心を有する単モードに制御することにより、上記フ
ッ素系プラズマに対する耐プラズマ性の向上を図る技術
が開示されている。しかしながら、この方法によって
も、従来例に比較して初期エッチング速度を30%程度
低減しているに留まり、十分に耐プラズマ性が改善され
ているとは言い難いものであった。また、この技術によ
れば、アルミナ以外にSiO2 ,CaO,MgOからな
る混合物をバインダーとして約0.2〜0.5%含むも
のであり、粒界相のバインダー量が十分でない高純度の
アルミナセラミックスでは、耐プラズマ性に劣ることも
示されている。但し、半導体製造プロセスではシリコン
ウエハへの異物のコンタミネーションを防止するという
観点からプロセス全体の高純度化が進んでおり、CaO
やMgOをバインダーとして存在させることはこの高純
度化を図る上で望ましくない。
【0004】尚、この様なセラミックスよりも耐プラズ
マ性に優れる材料として単結晶アルミナも提案されてい
る(特開平7−29959号)。しかしながら、単結晶
アルミナを得る為には、溶融物からの単結晶引き上げ法
という特殊な方法を用いることが必要であり、この単結
晶引き上げ法は生産工程が長時間を要し、しかも生産性
が低いという問題を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に着
目してなされたものであって、上記単結晶引き上げ法の
様な特殊な方法ではなく一般的な焼結法を採用すること
を前提とし、半導体や液晶ディスプレイ等の製造プロセ
スにおいて優れた耐プラズマ性を発揮するアルミナセラ
ミックスを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明のアルミナセラミックスとは、シリカガラスを含む粒
界相を有するアルミナセラミックスであって、上記粒界
相にアルミニウムが含有されていることを要旨とするも
のであり、この様な耐プラズマ性に優れたアルミナセラ
ミックスは、粒界相にシリカガラスを含むアルミナセラ
ミックス材料を窒素中で焼結することにより得ることが
でき、この場合、上記粒界層にはアルミニウム及び窒素
が含まれる。ここでいうシリカガラスとは、シリカ(S
iO2 )のみからなる場合だけでなく、シリカ中にアル
カリ金属(Na等)やアルカリ土類金属(Ca等),重
金属(Yなど)等が存在する場合も含む。また上記粒界
相は非晶質状態のシリカガラスを主体とするものである
が、更に結晶相を含む場合もある。
【0007】本発明のアルミナセラミックスは粒界相の
シリカガラスにアルミニウムを含むものであるが、更に
窒素等の元素を含む場合もあり、特にフッ素系プラズマ
に対する耐プラズマ性に優れている。尚、本発明におい
てフッ素系プラズマとは、フッ素プラズマだけではな
く、フルオロカーボン(例えばCF4 やC48 等)や
その他のフッ素含有ガス等が電離したプラズマを総称し
てフッ素系プラズマという。
【0008】また耐プラズマ性を向上させる上では、ア
ルミナ結晶の平均粒径を、2μm以下とすることが望ま
しい。本発明において、平均粒径は、以下のフルマンの
式を用いて算出すればよい。 dm =(4/π)NL /NS 但し、dm は平均粒径、NL は顕微鏡観察表面上の任意
の直線上に存在する単位長さ当りのアルミナ粒子数、N
S は任意の単位面積内に含まれるアルミナ粒子数であ
る。
【0009】更に、本発明のアルミナセラミックスの純
度は99.9%以上であることが望ましく、また相対密
度は99.0%以上が望ましい。
【0010】この様な本発明のアルミナセラミックス
は、静電チャックやサセプター等に代表される真空プロ
セス装置の構成部品として好適である。例えば図1に示
される静電チャックにおいて、アルミナセラミックスは
絶縁体(誘電体)1に用いれば良い。
【0011】
【発明の実施の形態】アルミナセラミックスをプラズマ
で照射した時の損傷機構は、物理的損傷と化学的損傷に
大別される。物理的損傷は、プラズマ中の荷電粒子がア
ルミナセラミックス部品にかかっているバイアス電位で
加速され、アルミナセラミックスをスパッタリングする
ことで進行する損傷機構であり、アルミナセラミックス
表面に窪みや穴が存在するとその窪み等を起点にして損
傷がクレータ状に拡がる。
【0012】一方、プラズマによるアルミナセラミック
スの化学的損傷はアルミナセラミックスの粒界相で生じ
るものである。例えば化学的活性の高いフッ素系プラズ
マがアルミナセラミックスに照射されると、アルミナセ
ラミックス粒界に存在するシリカガラスや結晶相(以
下、シリカガラス等という)を腐食し、シリカガラス等
がSiF4 となりガス成分として揮発し、三重点粒界に
ピット状の腐食孔が形成される。このような化学的損傷
によりピット状の腐食孔が形成されると、この腐食孔を
起点にして前記物理的損傷を受け、プラズマによる損傷
が一段と進行する。このような化学的損傷はフッ素系プ
ラズマに限らず、粒界のシリカガラス等を腐食しうる他
のハロゲン系プラズマ中においても同様のメカニズムで
発生しているものと考えられる。
【0013】本発明者らは、まずアルミナセラミックス
が受ける物理的損傷を低減させることを目的として、セ
ラミックスの密度に着目し種々実験を重ねた。その結
果、相対密度が98.5%であるアルミナセラミックス
と相対密度が99.9%の高密度アルミナセラミックス
との間には、物理的損傷に対する抵抗性の上で有為な差
があることを見出した。この差は、相対密度98.5%
のアルミナセラミックスの場合に存在するアルミナセラ
ミックス表面のポアが起点となって働いた物理的損傷に
起因するものである。即ち、密度が低く組織中にポアを
有するアルミナセラミックスは、表面のポアを起点に損
傷が進行するのである。一方、相対密度99.9%まで
高密度化したアルミナセラミックスには、物理的損傷の
起点となりうるポアがほとんど存在しないために、相対
密度98.5%のアルミナセラミックスに比べ良好な耐
プラズマ性を示したものと考えられる。但し、セラミッ
クスの高密度化による向上効果は15%程度であり(後
述する実施例1の欄における比較例1と比較例2の差に
相当する)、プラズマ損傷による重量減少率は満足でき
る程度ではなかった。
【0014】そこで、本発明者らは耐フッ素系プラズマ
性のより一層の向上を目指し、化学的損傷の改善に取り
組んだ。上述した様にセラミックス粒界にはシリカガラ
ス等が存在し、それが化学的活性の高いフッ素系のプラ
ズマに腐食される。そして、その結果、形成されたピッ
ト状の腐食孔を起点に激しい物理的損傷を受ける。従っ
て、アルミナセラミックスの耐フッ素系プラズマ性の飛
躍的向上にはこの化学的腐食性の改善が不可欠である。
【0015】化学的腐食性を改善するためには、粒界に
存在するシリカガラス等をフッ素系プラズマで照射して
も揮発しない性質に変える必要がある。そのためには、
弗化しても揮発しない元素をシリカガラス等の中に溶解
する方法が考えられる。例えばNaやCaといったアル
カリ(土類)金属や重金属等の金属元素を予めシリカガ
ラス等に溶解させれば、シリカガラス等が弗化しても気
体とはならず固体として残存することからピットが形成
されることはない。
【0016】しかしながら、半導体プロセスの高純度化
のニーズから、前記金属元素の添加は不適切である。そ
こで、半導体プロセス上問題とならない元素の溶解を前
提として更に実験を重ねた結果、通常シリカガラス等に
Alは溶解しないが、シリカガラスを含む粒界相に窒素
を溶解(混入)させるとアルミナセラミックスの主成分
であるAlがシリカガラスを含む粒界相に多量に溶解す
ることを突き止め、本発明に想到した。従って、本発明
に係るアルミナセラミックスは、シリカガラスを含有す
る粒界相にAlを含むことを特徴とするものであり、A
lが多量に溶解したシリカガラス等は、フッ素系プラズ
マで照射されても揮発しなくなることから、非常に優れ
た耐プラズマ性を発揮するものである。
【0017】このような耐フッ素系プラズマ性に優れた
アルミナセラミックスは窒素中で焼結することにより得
ることができ、上記アルミナセラミックスのシリカガラ
ス等を含む粒界相には、窒素とAlとを有している。窒
素中で焼結するとは、窒素ガスの存在下で焼結するとい
うことであり、窒素成分がシリカガラス等の中に溶解
(混入)する雰囲気であればよい。尚、上記粒界相は、
厚さが数十Å程度と極めて薄く、直接その成分組成を確
認することは困難であるが、模擬試験を行い、シリカガ
ラスとアルミナセラミックスを圧接させて窒素雰囲気下
で焼結した試験片を調べることにより、シリカガラスの
表面に窒素とAlが存在していることを本発明者らは確
認している。
【0018】また実際のプラズマ損傷の過程では、化学
的損傷によりピット状の腐食孔が形成されるとそこを起
点にクレータ状の物理的損傷が進行するものであり、こ
の物理的損傷はピット状腐食孔が小さいほど進行が遅い
という知見を本発明者らは得た。
【0019】そこで本発明者らは、化学的損傷により生
じるピット状腐食孔の大きさを低減することにより、物
理的損傷の進行を抑制するという観点から、耐プラズマ
性の向上について研究を重ねた。その結果、アルミナの
粒径をある一定サイズ以下に制御することで、ピット状
腐食孔の大きさを低減することができ、耐プラズマ性を
大幅に改善できることを突き止めた。その理由は、以下
の様に考えられる。
【0020】アルミナセラミックスの粒界相は、粒界を
形成する結晶粒の数により、2粒子粒界と三重点に大別
でき、バインダーのシリカガラス等はそのいずれかに存
在する。2粒子粒界に存在するバインダーの厚さは、ア
ルミナの組織や結晶粒径にほとんど依存することなく一
定であることから、バインダーの量が一定であれば、、
アルミナが粒成長して2粒子粒界の体積率が低下する
と、2粒子粒界のバインダー量は減少することとなり、
三重点に存在するバインダー量が増える。即ち、アルミ
ナが粒成長すると三重点のガラス相サイズが大きくな
り、化学的腐食により一層大きなピット状腐食孔が形成
され易くなって物理的損傷の進行が早くなるものと考え
られる。
【0021】従って、アルミナ粒径は小さい程望ましい
が、具体的には、アルミナ粒径を2.0μm以下に制御
することが望ましく、1.0μm以下であればより望ま
しい。
【0022】またアルミナの純度は、添加するバインダ
ーの量により決定されるが、バインダー量が多過ぎる
と、三重点に存在するバインダー量が多くなり易いの
で、99.9%以上が望ましく、99.99%以上であ
ればより望ましい。
【0023】本発明は、単結晶引き上げ法等の特別な方
法を採用しないことを前提とするものであり、焼結法も
公知の方法を用いることが可能であるが、物理的損傷を
防止するために相対密度を高める上で、熱間静水圧焼結
処理を施すことが望ましい。また化学的損傷によるピッ
ト状腐食孔以外の物理的損傷起点として、ポアが考えら
れ、このポアを起点とする物理的損傷を防止するために
は、そのアルミナセラミックスの密度は99.0%以上
が望ましく、99.9%以上であればより望ましい。
【0024】また、アルミナセラミックスの表面は一般
的にダイヤモンド砥石等で加工されるが、そのダイヤモ
ンド砥石の粒径に対応した加工傷がセラミックス表面に
残る。セラミックス表面を加工した後に残る研削傷も同
様に物理的損傷の起点となりうるものであり、大きな研
削傷が多く残ると、プラズマによる物理的損傷を激しく
受けることとなる。従って、ダイヤモンド砥石の粒径は
できるだけ小さいことが望ましく、セラミックス表面に
研削傷が残らぬ様に鏡面に仕上げることが好ましい。
【0025】本発明に係る上記セラミックスは、半導体
や液晶ディスプレイ等の製造プロセスに適用される真空
プロセス装置の構成要素であり、プラズマに曝される環
境下で用いられる部品に好適であり、具体的には静電チ
ャック,サセプター,クランプリング,ノズル,ヒータ
ープレート,シールド環,ウエハボード,チャンバ壁等
として採用することができる。例えば、図1に示すよう
に、絶縁体(誘電体)1,導入端子2,内部電極3から
なる静電チャックの場合には、上記絶縁体(誘電体)1
の部分に本発明のアルミナセラミックスを用いればよ
い。
【0026】以下、本発明を実施例によって更に詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の主旨に徴して設計変更することは
いずれも本発明の技術的範囲内に含まれるものである。
【0027】
【実施例】実施例1 まず、純度99.99%の高純度アルミナ粉末(Na,
Ca等は夫々10ppm程度で、不純物量は合計100
ppm以下;平均粒径 約0.2μm)を平板にプレス
成形し、大気中1500℃で焼結してアルミナセラミッ
クスを得た。このアルミナセラミックスは相対密度9
8.5%を有していた(比較例1)。尚、上記アルミナ
セラミックスの相対密度は、理論密度を3.98g/c
3 とし、純水を用いるアルキメデス法で実際の密度を
測定して下記(1)式により求めた。 ρr =ρm /ρt ×100 … (1) ρr :相対密度(%) ρm :測定密度(g/cm3 ) ρt :理論密度(g/cm3
【0028】次に、比較例1と同様の方法で焼結したア
ルミナセラミックスを用いて、更に1400℃,150
0気圧のArガス圧下で熱間静水圧焼結(以下、HIP
という)処理し、相対密度99.9%の緻密な焼結体で
あるアルミナセラミックスを得た(比較例2)。
【0029】更に、純度99.99%の上記高純度アル
ミナ粉末を平板にプレス成形し、1気圧の窒素雰囲気下
1600℃で焼結した。得られたアルミナセラミックス
を1400℃、1500気圧の窒素ガス圧下でHIP処
理し、相対密度99.9%の緻密な焼結体であるアルミ
ナセラミックス(本発明例1)を得た。尚、上記窒素ガ
スの純度は99.99%であった。
【0030】上記の比較例1,2及び本発明例1のアル
ミナセラミックスを、15×15×厚さ2mmの板状に
切り出し、片面を3μmのダイヤモンド砥石で研磨し、
表面粗度Ra:0.3μmの鏡面に仕上げた。次にアセ
トン,硫酸,硝酸中にて洗浄した後、真空チャンバ内に
セットし、以下に示すエッチング条件にてプラズマ腐食
試験を実施した。
【0031】 [エッチング条件] ガス :C48 /Ar=200/200sccm ガス圧 :30mTorr TopRF :1800W(13.56MHz) BiasRF:200W,Vpp=1000V(700kHz) サセプタ温度:27℃ 腐食時間 :100分間
【0032】試料の損傷程度は腐食試験前後の重量減少
量で評価した。試験片の重量は約1.6gでその精密な
重量を精密電子天秤(Sartorius 製,型式 R200D)で
0.01mg単位まで測定した。腐食試験による重量減
少率は下記(2)式で求めた。 R=(Wb −Wa )/Wb ×100…(2) R :重量減少率 (%) Wb :腐食試験前の重量 (g) Wa :腐食試験後の重量 (g)
【0033】結果は図2に示す。大気中で焼結され、9
8.5%の相対密度のアルミナセラミックスの比較例1
に比べ、HIP処理により相対密度を99.9%にまで
高めたアルミナセラミックスの比較例2は、フッ素系プ
ラズマ照射後の重量減少が約15%も低減された。さら
に窒素中で焼結した本発明例1のアルミナセラミックス
は、大気中で焼結されたアルミナセラミックスの比較例
1と比べるとその重量減少量が約63%近く低減され、
また比較例2と比べると重量減少量が約56%低減され
ており、大幅な耐プラズマ性向上効果が見られた。
【0034】比較例1と比較例2の差はセラミックス焼
結体内に残るポアを起点とする物理的損傷の差に対応し
ている。比較例2のアルミナセラミックスは密度が高
く、プラズマ損傷の起点となりうるポアが少ないため、
低密度の比較例より優れた耐プラズマ性を示した。一
方、本発明例1と比較例1の差は、上記したポアを起点
とした物理的損傷の差に加え、化学的損傷の差が現れて
いる。本発明例1のアルミナセラミックスの粒界はフッ
素系プラズマに対する化学的腐食特性が向上しているた
め、プラズマの化学的腐食プロセスでも粒界にピット状
の腐食孔が形成されず、従ってそれに引き続いておこる
物理的腐食も抑制されて、大幅な改善効果が見られた。
【0035】また本発明例1のセラミックスはクレータ
状の損傷痕が全く見られないことを走査型電子顕微鏡
(5000倍)で確認した。
【0036】実施例2 まず、純度99.99%の上記高純度アルミナ粉末を平
板にプレス成形し、大気中1500℃で表1に示す種々
の焼結時間(2〜50時間)の焼結を行い5種類のアル
ミナセラミックス(No.1〜5)を得た。得られたア
ルミナセラミックスの相対密度は前記アルキメデス法で
求めると共に、アルミナ結晶を顕微鏡観察しその平均粒
径を前記フルマンの式により求めた。結果は表1に示
す。
【0037】
【表1】
【0038】次に、上記のNo.1〜5のアルミナセラ
ミックスを用いて、1400℃,1500気圧のArガ
ス圧下で2〜50時間のHIP処理を行い、No.11
〜15のアルミナセラミックスを得た。HIP処理後の
アルミナ結晶の粒径は表2に併記する。
【0039】
【表2】
【0040】更に、No.1〜5及びNo.11〜15
のアルミナセラミックスを、15×15×厚さ2mmの
板状に切り出し、片面を3μmのダイヤモンド砥石で研
磨し、表面粗度Ra:0.3μmの鏡面に仕上げた。次
にアセトン,硫酸,硝酸中にて洗浄した後、真空チャン
バ内にセットし、実施例1と同様のエッチング条件でプ
ラズマ腐食試験を実施した。
【0041】耐プラズマ性を試料の損傷程度により評価
することを目的として、腐食試験前後の重量減少量を実
施例1と同様にして算出した。結果は表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】HIP処理前のアルミナセラミックスであ
るか、HIP処理後のアルミナセラミックスであるかに
かかわらず、アルミナ結晶の平均粒径が2.0μm以下
のアルミナセラミックス(No.1〜4及びNo.11
〜14)は、アルミナ結晶の平均粒径が2.0μmを超
えているアルミナセラミックス(No.5及びNo.1
5)よりプラズマ照射後の重量減少率が大幅に少なく、
耐プラズマ性が非常に優れていることが分かる。また、
No.1〜5とNo.11〜15のアルミナセラミック
スを比較することにより、HIP処理を施して相対密度
を高めることにより耐プラズマが向上することが分か
る。
【0044】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されているの
で、半導体や液晶ディスプレイ等の製造プロセスにおい
て優れた耐プラズマ性を発揮するアルミナセラミックス
が提供できることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアルミナセラミックスの使用例として
好適な静電チャックの一例を示す説明図である。
【図2】本発明例と比較例について行われたプラズマ照
射試験におけるプラズマ損傷による重量減少率を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 絶縁体(誘電体) 2 導入端子 3 内部電極
フロントページの続き (72)発明者 久本 淳 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 野沢 俊久 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 杉山 成正 兵庫県明石市魚住町金ヶ崎西大池179−1 神鋼コベルコツール株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカガラスを含む粒界相を有するアル
    ミナセラミックスであって、 上記粒界相にアルミニウムが含有されていることを特徴
    とする耐プラズマ性に優れたアルミナセラミックス。
  2. 【請求項2】 前記粒界相にアルミニウム及び窒素が含
    有されている請求項1に記載のアルミナセラミックス。
  3. 【請求項3】 シリカガラスを含む粒界相を有するアル
    ミナセラミックスであって、 窒素中で焼結されてなることを特徴とする耐プラズマ性
    に優れたアルミナセラミックス。
  4. 【請求項4】 アルミナ結晶の平均粒径が2μm以下で
    あることを特徴とする耐プラズマ性に優れたアルミナセ
    ラミックス。
  5. 【請求項5】 純度が99.9%以上である請求項1〜
    4のいずれかに記載のアルミナセラミックス。
  6. 【請求項6】 相対密度が99.0%以上である請求項
    1〜5のいずれかに記載のアルミナセラミックス。
  7. 【請求項7】 フッ素系プラズマに対する耐プラズマ性
    に優れる請求項1〜6のいずれかに記載のアルミナセラ
    ミックス。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のアルミ
    ナセラミックスを用いてなる静電チャック。
JP10023489A 1997-02-05 1998-02-04 耐プラズマ性に優れたアルミナセラミックス Withdrawn JPH10279349A (ja)

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