JP4583548B2 - 遊技機 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシンなどで代表される遊技機に関する。詳しくは、遊技媒体が入賞しない、または、入賞しにくい第1の状態と該第1の状態に比べて入賞発生頻度が向上した第2の状態とに変化可能な可変入賞手段とを備えた遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機として従来から一般的に知られているものに、たとえば、パチンコ遊技機、コイン遊技機またはスロットマシン等のように、所定条件が成立した場合に、第1の状態に比べて入賞発生頻度が向上した第2の状態に変化可能な可変入賞手段を備えたものがある。
【0003】
そして、たとえば、可変入賞手段の一例として、パチンコ遊技機における可変入賞球装置の一種である電動チューリップがある。この電動チューリップにおいては、所定条件として、たとえば、ゲートを遊技球が通過して普通図柄が変動し、当たり図柄で停止した場合に可動片が開放状態となるものがある。この種の電動チューリップの開放においては、特別遊技状態か否かによって開放時間が延長されるものがある。開放時間が延長された場合においては、遊技球が電動チューリップに入賞する確率が向上するため、遊技者には景品遊技球を多く獲得するチャンスが与えられ、遊技の面白味が増す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記可変入賞球装置においては、さらに、特別遊技状態か否かによって開放回数が増加するものがある。このようなパチンコ遊技機においては、可変入賞球装置の開放回数にあわせ高入賞遊技状態継続信号を出力するように制御すると、可変入賞球装置の開放した回数を情報として出力することになる。そのため、可変入賞球装置の開放回数と、可変入賞球装置を開放可能な高入賞遊技状態にするための所定条件が成立した回数とが同一ではないため、所定条件が成立した回数を計数することができない。
【0005】
この発明は上述の問題に鑑みてなされたものであって、可変入賞球装置有利状態にするための所定条件が成立した回数を計数することができる遊技機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、複数種類の識別情報を可変開始させた後、表示結果を導出表示させる可変表示装置と、遊技者にとって有利な第1の状態と、遊技者にとって不利な第2の状態とに変化可能な可変入賞球装置を備え、前記可変表示装置の表示結果が特定の表示態様となった場合に可変入賞球装置を前記第1の状態とすることが可能な有利状態となる遊技機であって、
前記可変入賞球装置が所定の通常遊技状態よりも前記有利状態になりやすい特別遊技状態に制御可能な遊技制御手段と、
前記遊技制御手段が出力したコマンドに応じて前記可変表示装置を制御する表示制御手段とを含み、
前記遊技制御手段は、
前記有利状態に制御するか否かを決定する有利状態決定手段と、
前記有利状態決定手段の決定結果を示す決定結果コマンドを出力するとともに、前記複数種類の識別情報を可変開始させてから表示結果を導出表示させるまでの変動時間を示す変動開始コマンドを前記複数種類の識別情報を可変開始させるときに出力した後、該出力の後においては可変開始させた識別情報の可変表示を制御するためのコマンドを出力せず、前記変動時間が経過したときに確定コマンドを出力するコマンド出力手段とを含み、
前記表示制御手段は、前記変動開始コマンドが示す変動時間内において前記複数種類の識別情報の可変表示を行ない、前記確定コマンドに応じて、前記決定結果コマンドに基づいた表示結果を停止表示させる表示制御を行ない、
前記遊技制御手段は、前記通常遊技状態においては前記可変入賞球装置を前記第2の状態から前記第1の状態に1回変化させて前記有利状態を終了させる一方、前記特別遊技状態においては前記可変入賞球装置を前記第2の状態から前記第1の状態に複数回変化させてから前記有利状態を終了させることが可能であり、
前記遊技機は、前記可変入賞球装置が前記第2の状態から前記第1の状態に変化することで前記有利状態となったときに出力を開始し、前記可変入賞球装置が前記第1の状態から前記第2の状態に変化することで前記有利状態が終了したときに出力を停止する有利状態中信号を生成する信号生成手段を含み、
前記信号生成手段によって生成される前記有利状態中信号は、前記特別遊技状態における前記有利状態中、前記可変入賞球装置が前記第2の状態から前記第1の状態に複数回変化する間も出力状態が維持される。
【0010】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記遊技制御手段は、前記特別遊技状態中に前記有利状態となった場合に、前記可変入賞球装置への入賞数が所定数となった場合には、それ以後において、前記可変入賞球装置を前記第1の状態にすることなく前記有利状態を終了する。
【0014】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の発明の構成に加えて、前記表示制御手段は、前記コマンドの受信エラーが発生した場合に受信エラーを表示する制御を行なう。
【0015】
【作用】
請求項1に記載の本発明によれば、以下の作用がある。本発明の遊技機は、複数種類の識別情報を可変開始させた後、表示結果を導出表示させる可変表示装置と、遊技者にとって有利な第1の状態と、遊技者にとって不利な第2の状態とに変化可能な可変入賞球装置を備える。遊技制御手段の働きにより、前記可変入賞球装置が所定の通常遊技状態よりも前記有利状態になりやすい特別遊技状態に制御される。遊技制御手段が含む有利状態決定手段の働きにより、前記有利状態に制御するか否かが決定される。さらに、遊技制御手段が含むコマンド出力手段の働きにより、前記有利状態決定手段の決定結果を示す決定結果コマンドが出力されるとともに、前記複数種類の識別情報を可変開始させてから表示結果を導出表示させるまでの変動時間を示す変動開始コマンドが前記複数種類の識別情報を可変開始させるときに出力される。さらに、コマンド出力手段の働きにより、その出力の後においては可変開始させた識別情報の可変表示を制御するためのコマンドが出力されず、前記変動時間が経過したときに確定コマンドが出力される。表示制御手段の働きにより、前記変動開始コマンドが示す変動時間内において前記複数種類の識別情報の可変表示が行なわれ、前記確定コマンドに応じて、前記決定結果コマンドに基づいた表示結果を停止表示させる表示制御が行なわれる。遊技制御手段の働きにより、前記通常遊技状態においては前記可変入賞球装置が前記第2の状態から前記第1の状態に1回変化して前記有利状態が終了する一方、前記特別遊技状態においては前記可変入賞球装置が前記第2の状態から前記第1の状態に複数回変化してから前記有利状態が終了する。信号生成手段の働きにより、前記可変入賞球装置が前記第2の状態から前記第1の状態に変化することで前記有利状態となったときに出力が開始され、前記可変入賞球装置が前記第1の状態から前記第2の状態に変化することで前記有利状態が終了したときに出力が停止される有利状態中信号が生成される。さらに、前記信号生成手段によって生成される前記有利状態中信号は、前記特別遊技状態における前記有利状態中、前記可変入賞球装置が前記第2の状態から前記第1の状態に複数回変化する間も出力状態が維持される。
【0019】
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、前記特別遊技状態中に前記有利状態となった場合に、前記可変入賞球装置への入賞数が所定数となった場合には、それ以後において、前記可変入賞球装置が前記第1の状態になることなく前記有利状態が終了する。
【0023】
請求項3に記載の本発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明の作用に加えて、前記表示制御手段の働きにより、前記コマンドの受信エラーが発生した場合に受信エラーを表示する制御が行われる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機やスロットマシンなどであってもよく、遊技媒体が入賞しない、または、入賞しにくい第1の状態と該第1の状態に比べて入賞発生頻度が向上した第2の状態とに変化可能な可変入賞手段を備えた遊技機であれば、すべてに適用することが可能である。
【0025】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機1およびこれに対応して設置されたカードユニット50の正面図である。
【0026】
カードユニット50には、カード利用可表示ランプ161が設けられており、カードユニット50が使用可能な状態にある旨が、このカード利用可表示ランプ161の点灯または点滅により遊技者に知らされる。このカードユニット50は、遊技機設置島に設置されている複数台のパチンコ遊技機1の間に挿入された状態で設置されており、左右どちらの遊技機に接続されているかが連結台方向表示器163により表示される。
【0027】
遊技者がカード残高の記録されたプリペイドカードをカード挿入口165に挿入すると、そのプリペイドカードに記録されているカード残高が読取られる。次に、遊技者が所定の貸玉操作を行なうことにより、予め入力設定されている貸出単位額分の残高が減額されるとともに、その貸出単位額分の打玉がパチンコ遊技機1の打球供給皿3に貸出される。
【0028】
カードユニット50には端数表示スイッチ162が設けられている。この端数表示スイッチ162を押圧操作することにより、たとえば、カード残高やエラーが発生した場合のエラーコードなどの情報がパチンコ遊技機1に設けられた情報表示器(図示省略)に表示される。図中166はカードユニット錠であり、このカードユニット錠166に所定のキーを挿入して解錠操作することにより、カードユニット50の前面側を開成できるように構成されている。
【0029】
パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。このガラス扉枠2の後方には、遊技盤6が着脱自在に取付けられている。また、ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3から溢れた玉を貯留する余剰玉受皿4と、遊技者が打球操作するための操作ノブ5とが設けられている。操作ノブ5を遊技者が操作することにより、打球供給皿3内に貯留されているパチンコ玉を1個ずつ発射することができる。遊技領域7の中央には、識別情報の一例となる特別図柄を可変開始させる可変表示装置8が設けられている。この可変表示装置8には、打玉の通過ゲート11aの通過に伴って普通図柄が可変開始される普通図柄用可変表示器10と、通過記憶表示器10aと、始動記憶表示器18とが設けられている。さらに、可変表示装置8の下方には、可動片15が左右に設けられ、始動入賞領域として機能する始動用可変入賞球装置の一例となる普通電動役物14と、開閉板20の傾動により打玉の入賞可能な開放状態となる可変入賞球装置19とが設けられている。また、一般入賞口として、可変表示装置8の上部には入賞口24aが、可変入賞球装置19の左右には入賞口24d,24eが、遊技領域7の下方左右には入賞口24b,24cが、それぞれ設けられている。また、26は、打込まれた打玉がいずれの入賞口や可変入賞球装置にも入賞しなかった場合にアウト玉として回収するアウト口であり、25は、装飾ランプである。
【0030】
遊技領域7の外周には枠ランプ(遊技効果LED28aおよび遊技効果ランプ28b,28c)と、賞球の払出し時に点灯する賞球ランプ51と、玉切れ中に点灯するランプ玉切れランプ52とが設けられており、遊技領域7の上部の左右にはステレオ音の音声などの効果音を発生するためのスピーカ27,27が設けられている。
【0031】
図2は、遊技盤6の正面図である。図示しない打球発射装置から発射された打玉は、打球レール69に沿って上方に向かい、打球流出部36に設けられている逆流防止部材74を越えて遊技領域7に流入する。逆流防止部材74は、遊技領域7に流入した打玉が打球レール69側に逆流することを防止するために設けられている。また、打玉が打球レール69から逆流防止部材74へ向かう位置には光電センサ63aが、逆流防止部材74から遊技領域7へ向かう位置には光電センサ63bが、それぞれ設けられている。これら光電センサ63a,63bは、遊技領域7に流入する打玉を逆流防止部材74の前後位置で検出する発射検出スイッチ63である。なお、光電センサ63a,63bは、固定的に設けられていてもよいが、遊技盤6には光電センサ装着部のみを設け、検査時には光電センサ63a,63bを装着し、遊技機稼働時(出荷時)には光電センサ63a,63bを取外すようにしてもよい。
【0032】
可変表示装置8は、複数種類の特別図柄を可変表示可能なCRT表示機で構成されている。可変表示装置8の中央の可変表示部9では始動入賞が発生したことを条件として複数種類の特別図柄が上から下に向かってスクロール表示される。
その後、所定時間が経過して可変表示が終了した結果、予め複数種類定められた特定の表示態様のうちのいずれか(たとえば、大当り図柄のゾロ目が停止表示)となれば大当りとなる。大当りとなれば、可変入賞球装置19の開閉板20が傾動して大入賞口が開口する。これにより、打玉を大入賞口に入賞させることが可能な遊技者にとって有利な第1の状態に制御され、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り状態)となる。
【0033】
可変入賞球装置19の大入賞口内部には可変入賞球装置19に入賞した玉を検出するカウントスイッチ23が設けられている。また、大入賞口内は、特定入賞領域と通常入賞領域とに区分されており、特定入賞領域には、V入賞を検出するVカウントスイッチ22が設けられている。特定入賞領域に入賞した入賞玉はVカウントスイッチ22により検出された後、カウントスイッチ23により検出される。一方、通常入賞領域に入賞した通常入賞玉は大入賞口内においてはカウントスイッチ23のみにより検出される。可変入賞球装置19に入賞した入賞玉がカウントスイッチ23により検出される毎に15個の賞球が払出される。
【0034】
可変入賞球装置19の第1の状態は、大入賞口に進入した打玉の数が所定個数(たとえば9個)に達した場合、または所定期間(たとえば30秒間)経過した場合のうちのいずれか早い方の条件が成立した場合に一旦終了して開閉板20が閉成する。これにより、可変入賞球装置19は打玉を入賞させることが不可能な遊技者にとって不利な第2の状態に制御される。そして、可変入賞球装置19が第1の状態となっている期間中に進入した打玉が特定入賞領域に特定入賞し、Vカウントスイッチ22により検出されたことを条件として、再度、可変入賞球装置19を第1の状態にする繰返し継続制御が実行される。この繰返し継続制御の実行上限回数はたとえば16回と定められている。繰返し継続制御において、可変入賞球装置19が第1の状態にされている状態がラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御の実行上限回数が16回の場合には、第1ラウンドから第16ラウンドまでの16ラウンド分、可変入賞球装置19が第1の状態にされ得る。
【0035】
可変表示装置8の左側方部分および右側方部分には、それぞれワープ入口11が設けられている。このワープ入口11に進入した打玉は、可変表示装置8の裏面側を通って下方に流下してワープ出口13から再度遊技領域7に放出される。
このため、ワープ出口13から放出された打玉は、普通電動役物14に比較的入賞しやすい状態となる。可変表示装置8の左側方部分に設けられたワープ入口11に進入した打玉の通過経路には通過ゲート11aが設けられている。
【0036】
通過ゲート11aに進入した打玉は、ゲートスイッチ12で検出される。打玉がゲートスイッチ12で検出されることを条件として、普通図柄用可変表示器10が可変開始される。なお、普通図柄用可変表示器10が可変表示している最中にさらに打玉がゲートスイッチ12で検出された場合には、「4」を記憶数の上限として通過球が記憶されてその記憶数が通過記憶表示器10aにおいてLEDの点灯数により表示される。
【0037】
普通図柄用可変表示器10は7セグメント表示器で構成されており、普通図柄と称される識別情報が可変表示される。普通図柄用可変表示器10では、普通図柄の可変表示が開始してから所定の可変表示期間(変動時間)が経過した後に、その表示結果が導出表示される。そして、その表示結果が予め定められた特別の表示態様(たとえば7)となれば「当り」となる。普通図柄用可変表示器10に「当り」の表示結果が導出されると、普通電動役物14に設けられた左右1対の可動片15が1回開成する。これにより普通電動役物14が開放状態となって打玉がより始動入賞しやすくなる遊技者にとって有利な高入賞状態となる。普通電動役物14が開放状態にある際に打玉が8つ始動入賞すれば、可動片15が元の位置まで閉成して打玉が始動入賞しにくい遊技者にとって不利な普通入賞状態に戻る。また、普通電動役物14が開放状態となってから所定の開放時間が経過すれば、始動入賞が発生しなくとも可動片15が元の位置まで閉成して開放状態は終了する。
【0038】
普通電動役物14に入賞した始動入賞玉は遊技盤6に設けられた始動口スイッチ17により検出される。始動入賞玉が始動口スイッチ17で検出されると5個の賞球が払出されるとともに、その検出出力に基づいて可変表示装置8が可変開始される。可変表示装置8が可変表示中に始動口スイッチ17により検出された始動入賞は、「4」を記憶数の上限として記憶されてその記憶数が始動記憶表示器18においてLEDの点灯数により表示される。なお、この始動記憶数が所定数に達した場合には、特別図柄の変動時間が短縮される特別図柄変動短縮状態(特別図柄時短状態)となる。
【0039】
また、一般入賞口24(24a,24b,24c,24d,24e)に入賞した入賞玉は、遊技盤6に設けられた各入賞口スイッチ240(240a,240b,240c,240d,240e)により検出され、これに基づいて10個の賞球が払出される。
【0040】
可変表示装置8に表示された大当りの結果が特定の確変図柄(たとえば数字図柄の「7」)により構成されるものである場合には、その大当りに基づく特定遊技状態の終了後に、通常時(通常遊技状態)に比べて大当りが発生する確率が高く変動した確率変動状態となる。以下、確変図柄による大当りを確変大当りという。
【0041】
通常遊技状態中に一旦、確変大当りが発生すると、その確変大当りによる大当り制御が終了してから、少なくとも予め定められた確変継続回数だけ大当りが発生するまでの期間のうち、大当り制御がなされる特定遊技状態を除く遊技状態において、確率変動状態に継続制御される。
【0042】
また、確率変動状態中に確変大当りが発生すれば、その確変大当り以降、改めて確変継続回数が計数され、その後、少なくとも確変継続回数だけ大当りが発生するまで確率変動状態に繰返し制御される。そして、確変継続回数に達した大当りが確変図柄以外の非確変図柄によるものであった場合には、確率変動の生じていない通常遊技状態に戻る。
【0043】
したがって、確率変動状態の継続制御に制限を設けない場合には、少なくとも確変継続回数に達した大当りが確変大当りである限り、無制限に確率変動状態に繰返し制御されることになる。そこで、このパチンコ遊技機1の場合には、ある程度、確率変動状態が繰り返して制御されると、一旦、確率変動状態への継続制御を終了させるべく、確率変動状態中に確変大当りが連続的に発生する回数について上限回数が設定されている。そして、この上限回数に基づいて大当りの表示態様が強制的に非確変大当りとされた場合には、その時点で確率変動状態の継続制御が終了する。なお、確変図柄での大当りを禁止する制限が行なわれることは、リミッタの作動と呼ばれる。
【0044】
確率変動状態となれば、これに付随して普通図柄の当り確率が高くなるとともに、その検出出力によって可変開始される普通図柄用可変表示器10の可変表示期間(変動時間)が短縮されるようになる。さらに、確率変動状態に付随して、普通図柄の当りによって普通電動役物14が開放される回数が1回から2回に増加するともに、1回の開放時間が0.2秒から1.4秒に延長されるようになる。
図3は、パチンコ遊技機1の制御に用いられる各種制御基板およびそれに関連する構成要素を示すブロック図である。
【0045】
図3には、制御基板として、遊技制御基板31、賞球玉貸基板(賞球玉貸基板)37、ランプ制御基板35、表示制御基板40、音声制御基板70および発射制御基板91が示されている。
【0046】
賞球玉貸基板37、ランプ制御基板35、表示制御基板40、音声制御基板70および発射制御基板91には、図示しないマイクロコンピュータ等が搭載されており、賞球玉貸基板CPUや入出力回路が設けられている。
【0047】
賞球玉貸基板37には、図3に示すように、発射制御基板91、玉払出装置(賞球装置59a、玉貸装置59b)、カードユニット50、および、入賞玉集合樋に設けられた入賞玉検出スイッチ61が接続される。ランプ制御基板35には、遊技効果LED28a、賞球ランプ51、玉切れランプ52および遊技効果ランプ28b,28cが接続される。発射制御基板91には、操作ノブ(打球操作ハンドル)5と、打球ハンマー(図示省略)を駆動する駆動モータ94とが接続される。駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。
音声制御基板70にはスピーカ27が接続される。表示制御基板40には特別図柄用の可変表示装置8が接続される。
【0048】
遊技制御基板31は、遊技制御プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路33と、各種スイッチからの信号が入力されるスイッチ回路58と、ソレノイド回路42と、ランプ・LED回路60と、情報出力回路64と、初期リセット回路45とを含み、さらに遊技制御基板31には試験用コネクタ47が設けられている。
【0049】
スイッチ回路58、ソレノイド回路42、ランプ・LED回路60、情報出力回路64の各回路に入出力される信号は、その信号伝送経路の途中から分岐して試験用コネクタ47に延長されたプリント配線によって試験用コネクタ47にも入力される。このため、試験用コネクタ47を経由して、各種入賞スイッチや発射検出スイッチ63(光電センサ63a,63b)の検出状態、可変入賞球装置19や可動片15を有する普通電動役物14等の作動状態、普通図柄用可変表示器10の作動状態、始動記憶数や通過記憶数、遊技状態(大当り状態、確率変動状態)等を外部でチェックできる。
【0050】
基本回路33は、遊技制御用のマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラム等を記憶するROM33b、ワークメモリとして使用されるRAM33c、制御用のプログラムに従って制御動作を行なうCPU33aおよびI/Oポート部33dを含む。基本回路33は、電源投入時にリセットされる。また、基本回路33は、定期的(たとえば、2ms毎)に割込み処理を実行し、割込み処理が実行される毎に、ゲーム制御用のプログラムが所定位置から再度実行される。
【0051】
初期リセット回路45は、電源投入時に基本回路33をリセットする回路である。基本回路33は、初期リセット回路45から送られてきた初期リセットパルスに応答してパチンコ遊技機1を初期化する。
【0052】
スイッチ回路58は、各種スイッチからの信号を基本回路33に与える回路である。スイッチ回路58には、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、入賞口スイッチ240a〜240e、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、発射検出スイッチ63(光電センサ63a,63b)、賞球カウントスイッチ60(60a、60b)、満タンスイッチ402が接続される。なお、満タンスイッチ402は、余剰玉受皿4の満タンを検出するスイッチである。また、賞球カウントスイッチ60(60a、60b)は、賞球装置59aに設けられており、賞球の払出しを検出するスイッチである。この賞球カウントスイッチ60は、賞球装置59aの2条の払出通路の各々に個別に設けられているために、60a、60bの2種類ある。
【0053】
基本回路33は試験用コネクタ47と接続されており、各種の試験用信号を出力ポート33dを介して試験用コネクタ47へ出力する。たとえば、基本回路33は、確率変動状態となれば、その全期間にわたって後述の特別図柄変動時間短縮状態信号や普通図柄変動時間短縮状態信号、普通図柄確率変動状態信号、普通電動役物開放延長信号等を試験用コネクタ47へ出力する。また、基本回路33は、普通図柄の可変表示結果が当りとなれば、普通図柄当り信号を試験用コネクタ47へ出力する。よって、これらの信号を試験用信号として試験用コネクタ47において取出すことが可能となる。
【0054】
ソレノイド回路42は、普通電動役物14の可動片15を動作させるソレノイド16と可変入賞球装置19の開閉板20を開閉するソレノイド21とを基本回路33からの指令に従って駆動する回路である。基本回路33からソレノイド回路42に入力される指令信号は、試験用コネクタ47側にも入力され、普通電動役物14や可変入賞球装置19の開放状態を示す試験用信号として試験用コネクタ47から出力される。
【0055】
ランプ・LED回路60は、始動記憶表示器18、通過記憶表示器10aの点灯および滅灯を行なうとともに7セグメントLEDによる普通図柄用可変表示器10と装飾ランプ25とを駆動する回路である。基本回路33からランプ・LED回路60に入力される指令信号は、試験用コネクタ47側にも入力され、始動記憶表示器18や通過記憶表示器10aの点灯状態により示される始動記憶数および通過記憶数を示す試験用信号や普通図柄用可変表示器10の変動状態を示す試験用信号として試験用コネクタ47から出力される。
【0056】
情報出力回路64は、基本回路33から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示部9の可変表示に利用された始動入賞玉の個数を示す有効始動情報、特別図柄の確率変動が生じたことを示す確変情報(確率変動情報)、賞球の払出数を示す賞球情報等の遊技情報をホール管理コンピュータに対して出力する回路である。基本回路33から情報出力回路64に入力される指令信号は、試験用コネクタ47側にも入力され、大当り状態や確率変動状態、賞球の払出数等を示す試験用信号として試験用コネクタ47から出力される。
【0057】
遊技制御基板31の基本回路33から賞球玉貸基板37、ランプ制御基板35、音声制御基板70および表示制御基板40には、指令情報の一例となるコマンドが伝送される。各制御基板では、このコマンドに基づく制御が行なわれる。
【0058】
たとえば、基本回路33は、大当りあるいは入賞等の発生に基づき、所定のランプ制御コマンドをランプ制御基板35へ出力する。ランプ制御基板35では、ランプ制御コマンドに基づいて上記電気的装飾部品の点灯制御が行なわれる。
【0059】
また、基本回路33は、大当りあるいは入賞等の発生に基づき、所定の音声制御コマンドを音声制御基板70へ出力する。音声制御基板70では、遊技制御基板31より入力されるコマンドに基づいて所定の効果音をスピーカ27から出力させるための制御が行なわれる。
【0060】
さらに、基本回路33は、特別図柄用の可変表示装置8を表示制御するために必要な各種の表示制御コマンドを出力バッファ回路を介して表示制御基板40へ出力する。表示制御基板40では、この表示制御コマンドが入力バッファ回路を介して表示制御用CPUに入力される。表示制御用CPUは、この表示制御コマンドに基づいて、出力回路を介して所定画像を可変表示部9に表示させるための表示制御を行なう。
【0061】
表示制御コマンドのうち、特別図柄の表示制御に関わるものとして、特別図柄の変動を開始させるタイミングで出力される特別図柄変動開始コマンドや、最終的に停止表示する(表示結果として導出表示する)確定図柄を指定する表示制御コマンド等がある。表示制御基板40の表示制御用CPUは、遊技制御基板31から送信された特別図柄変動開始コマンドに基づいて、可変表示装置8を可変開始させてから指定された確定図柄による表示結果を導出表示するまでの変動時間(可変表示時間)、リーチ表示の必要性の有無およびリーチの種類を独自に決定し、特別図柄の可変表示中における演出方法を定める。
【0062】
表示制御基板40には試験用コネクタ41が設けられている。この試験用コネクタ41には、表示制御用CPU40aより特別図柄の図柄や色等に関する信号が入力される。これにより、試験用コネクタ47から特別図柄および普通図柄(表示制御基板40で普通図柄を制御する場合)に関する試験用信号を取り出すことが可能となる。試験信号としては、図柄が変動中であることを示す図柄変動中信号、図柄変動後確定中であることを示す確定信号、確定時に表示される図柄の種類を示す信号等がある。
【0063】
また、基本回路33は、賞球コマンドを出力回路を介して賞球玉貸基板37へ出力する。賞球玉貸基板37では、この賞球コマンドが入力回路を介して玉貸制御用CPUに入力される。この賞球コマンドには、賞球の払出制御に関する指令情報としてのコマンド(たとえば、賞球数指定信号)と、貸玉の払出制御に関する指令情報としてのコマンド(たとえば、玉貸し禁止コマンド、玉貸し禁止解除コマンド等)が含まれる。玉貸制御用CPUは、この賞球コマンドに基づいて出力回路を介して賞球装置59aの賞球モータと、玉貸し装置59bの玉貸モータとの双方を個別に制御する。たとえば、基本回路33が余剰玉受皿4の満タン状態を検知した場合には玉貸し禁止コマンドと玉貸し禁止解除コマンドとが玉貸制御用CPUに入力され、これに基づいて玉貸制御用CPUは、賞球装置59aによる賞球の払出しと玉貸し装置59bによる貸玉の払出しを停止させる。
【0064】
基本回路33から各制御基板に対して入力されるコマンド信号は、その信号伝送経路の途中から分岐して試験用コネクタ47に延長されたプリント配線によって試験用コネクタ47にも入力される。このため、試験用コネクタ47を経由して、コマンド内容を外部でチェックできる。
【0065】
基本回路33は、賞球装置59aに設けられた賞球カウントスイッチ60a,60bからの検出信号に基づいて払出された賞球数を計数し、予定数の賞球の払出しが行なわれているか否かを判断する。そして、賞球の払出数が不足しているにもかかわらず、所定期間が経過しても賞球カウントスイッチ60a,60bから検出信号が入力されなくなった場合には、エラーが発生したものと判断し、エラー報知用のコマンドを音声制御基板70や表示制御基板40に出力する。これにより、音声制御基板70によって制御されるスピーカ27からは所定の報知音が発生し、表示制御基板40によって制御される可変表示装置8では所定のエラー表示がなされる。これにより、パチンコ遊技機1はエラー状態となる。このエラー報知用のコマンドは、試験用コネクタ47側にも入力され、遊技機エラー信号として試験用コネクタ47から出力される。
【0066】
基本回路33のRAM33cには、上記各入賞検出用スイッチ(240、17、23)の検出信号に対応して払出すべき賞球個数を記憶可能なカウンタ(カウンタA,B,C)が設けられている。カウンタAには、カウントスイッチ23の検出信号、すなわち、払出数=15個に対応する検出信号がまとめて記憶される。カウンタBには、始動口スイッチ17の検出信号、すなわち、払出数=5個に対応する検出信号が記憶される。カウンタCには、各入賞口スイッチ240の検出信号、すなわち、払出数=10個に対応する検出信号が記憶される。基本回路33は、各入賞検出用スイッチの検出信号に基づいて、対応するカウンタを加算更新する。
【0067】
賞球玉貸基板37の玉貸制御用CPUは、入賞玉検出スイッチ61の検出信号の入力に基づいて、賞球数要求信号を出力回路を介して遊技制御基板31へ出力する。この賞球数要求信号は、入力ポート(I/Oポート部)33dを介してCPU33aに入力される。基本回路33は、この賞球数要求信号の入力を待って、RAM33cに設けられたカウンタ(カウンタA,B,C)の記憶値に応じた賞球個数信号を出力回路を介して賞球玉貸基板37へ出力する。玉貸制御用CPUは、賞球モータを駆動し、入力回路を介して入力された賞球個数信号に対応する数の賞球を払出す制御を行なう。
【0068】
賞球装置59aおよび玉貸し装置59bには、玉の払出通路が個別に設けられており、賞球装置59aの払出通路からは賞球が払出され、玉貸し装置59bの払出通路からは貸玉が払出される。このように、賞球装置59aおよび玉貸し装置59bのそれぞれの払出通路は個別に設けられているのであるが、それらの払出通路は、玉の流下上手側において1本の通路から分岐したものである。つまり、パチンコ遊技機1の裏面側に設けられた玉タンクから供給されるパチンコ玉を誘導する通路が2つに分岐して賞球装置59aおよび玉貸し装置59bへ向かうように構成されているのである。
【0069】
特に、賞球装置59a内には、並列する2条の払出通路(払出通路A,B)が形成されており、両通路の間には、両通路A,Bから交互に賞球を繰出すための賞球繰出用スクリュー(図示省略)およびその賞球繰出用スクリューを駆動する賞球モータが設けられている。賞球装置59aでは、賞球玉貸基板37から与えられる駆動信号により、賞球モータが駆動されて賞球の払出しが行なわれる。
【0070】
一方、玉貸し装置59bには、貸玉を払出すための1条の貸玉通路が形成され、その貸玉通路から貸玉を繰出すための貸玉繰出用スクリュー(図示省略)と、その貸玉繰出用スクリューを駆動する玉貸モータとが設けられている。玉貸し装置59bでは、賞球玉貸基板37から与えられる駆動信号により、玉貸モータが駆動されて貸玉の払出し(貸出し)が行なわれる。
【0071】
さらに、賞球装置59aの内部には、賞球繰出用スクリューが所定角度回転したことを検出するための賞球モータ位置スイッチと、賞球繰出用スクリューで繰出された後、払出通路から払出される賞球を払出通路の下手側で検出するための賞球カウントスイッチ60a,60bとが設けられている。賞球カウントスイッチ60aは、払出通路Aに対応して設けられ、払出通路Aから払出される賞球を検出する。一方、賞球カウントスイッチ60bは、払出通路Bに対応して設けられ、払出通路Bから払出される賞球を検出する。賞球装置59aでは、賞球繰出用スクリューが所定角度だけ回転して賞球モータ位置スイッチが1回ON/OFFするごとに賞球装置59aの2条の払出通路から賞球が交互に1つずつ払出される。さらに、賞球装置59aには、玉切れを検出可能な賞球切れ検出スイッチが設けられており、この賞球切れ検出スイッチにより賞球装置59aの玉切れ状態が検出される。
【0072】
同様に、玉貸し装置59bの玉貸機構部分には、玉貸モータ位置スイッチと、玉貸カウントスイッチと、貸玉切れ検出スイッチとが設けられている。
【0073】
上記、賞球モータ位置スイッチ、賞球切れ検出スイッチ、玉貸モータ位置スイッチ、玉貸カウントスイッチおよび貸玉切れ検出スイッチは、賞球玉貸基板37に接続されている。一方、賞球カウントスイッチ60a,60bは、遊技制御基板31のスイッチ回路58に接続されている。
賞球玉貸基板37の玉貸制御用CPUは、賞球モータ位置スイッチからの検出信号に基づいて、払出された賞球数を計数し、払出された賞球数が予定数に達した場合には賞球の払出しを終える。賞球玉貸基板37には、賞球カウントスイッチ60a,60bの検出信号が入力されないために、玉貸制御用CPUは、賞球モータ位置スイッチからの検出信号を利用して賞球数を計数するのである。なお、賞球が予定通りに払出されたか否かの最終的な判断は賞球カウントスイッチ60a,60bの検出信号が入力される遊技制御基板31側で行なわれる。このため、玉貸制御用CPUが予定数の賞球の払出しが終了したと判断した場合であっても、遊技制御基板31側のCPU33aにより賞球が不足すると判断された場合には、パチンコ遊技機1がエラー状態になる。
【0074】
また、賞球玉貸基板37の玉貸制御用CPUは、発射制御基板91に対して打玉の発射状態を制御するための発射制御信号を与える。
【0075】
図4は、普通電動役物14の開閉動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0076】
図4(A)には、大当り中信号(特別図柄大当り信号)が示されている。この大当り中信号を参照することにより、T1の時点で特定遊技状態(大当り状態)が終了した後、T2の時点で再度大当りが発生し特定遊技状態(大当り状態)に移行していることがわかる。T1〜T2の間においては、T2の時点で大当りが発生するまで、始動入賞に基づく特別図柄の変動が繰返される。なお、ここでは、T1の時点で終了する特定遊技状態を引き起こした大当りは、確変大当りとする。
【0077】
図4(C)には、普通図柄確変状態信号(普図確変信号)および普通図柄変動時間短縮状態信号(普図変動時間短縮状態信号)が示されている。この実施の形態では、特別図柄の確率変動状態となれば、それに付随してその確率変動状態の全期間にわたって、普通図柄の当り確率が向上されるとともにその期間中に検出された通過ゲート11aの通過に基づく普通図柄の変動時間が短縮される。
【0078】
具体的には、打玉が通過ゲート11aを通過した時点が確率変動状態に制御されている期間であれば、その通過に基づく普通図柄の判定(図14を用いて詳述する)において高確率で普通図柄の表示結果が当りに事前決定され、かつ、普通図柄の判定の後において開始される普通図柄の変動時間が短縮されるのである。
普通図柄の確率変動状態の期間と普通図柄の変動時間短縮状態の期間とが、図4(C)の普通図柄確変状態信号および普通図柄変動時間短縮状態信号によって示される。
【0079】
図4(D)には、普通電動役物開放延長信号(普電役開放延長信号)が示されている。この実施の形態では、確率変動状態となれば、それに付随して普通電動役物14の開放時間が延長され、かつ、その開放回数が増加されるようになる。
【0080】
具体的には、確率変動状態に制御されている期間中に検出された打玉の通過ゲート11aの通過に基づいて、前述した普通図柄の当り判定がなされた場合には、その当りに基づく普通電動役物14の開放時間が延長され、かつ、その開放回数が増加される。
【0081】
図4(E)には、普通図柄を始動させるためのゲートスイッチ12の検出出力(普図始動出力)が示されている。図4(B)の信号状況と照らし合わせると容易に理解されるように、時刻t1では確率変動状態以外での検出出力が示され、時刻t2では確率変動状態における検出出力が示されている。
【0082】
図4(F)には、普通図柄の変動状況が示されている(普図変動)。図示するように、図4(E)のt1およびt2のそれぞれの検出出力に基づいて普通図柄の変動が開始されている。t1の時点では確率変動状態ではないために、普通図柄の変動時間を短縮させる期間に該当せず(図4(C)の普通図柄変動時間短縮状態信号オフ)、普通図柄の変動時間は29.1秒となる。なお、このt1の検出出力に基づいて普通図柄の判定(当りとするか否か)がなされる際には、通常確率で当りとすることが決定される。そのことがt1の時点で図4(C)の普通図柄確率変動状態信号がオフ状態となっていることによって示されている。一方、t2の時点では確率変動状態に移行しているために、普通図柄の変動時間を短縮させる期間に突入しており(図4(C)の普通図柄変動時間短縮状態信号オン)、その変動時間が5.1秒に短縮される。なお、このt2の検出出力に基づく普通図柄の判定(当りとするか否か)がなされる際には、高確率で当りとすることが決定される。そのことがt2の時点で図4(C)の普通図柄確率変動状態信号がオン状態となっていることによって示されている。
【0083】
図4(G)には、普通図柄の変動の終了に対応して普通電動役物が停止状態から作動状態へ変化することが示されている。
【0084】
図4(H)には、普通電動役物作動中信号(普電役作動中信号)が示されている。普通電動役物作動中信号は、普通電動役物14を作動させる(ソレノイド16を励磁して可動片15を開く)ことが可能な状態(所定遊技状態)であることを示す信号であり、この実施の形態では、この信号が出力されている期間中報知が行なわれる。また、図4(I)には、普通電動役物用のソレノイド16(普電役ソレノイド)の作動状態が示されている。上記普通電動役物作動中信号は、本発明の有利状態中信号を示すものであり、本実施の形態においては、有利状態となっている期間中継続して出力される信号形式を示したが、有利状態の期間を特定可能な信号形式であれば、有利状態の開始時および有利状態の終了時にのみ出力される信号形式であってもよく、また、有利状態を示すDATA信号がHIGHとなっている期間にINT信号がHIGHとなった以後は有利状態であることが特定され、有利状態ではないことを示すDATA信号がHIGHとなっている期間にINT信号がHIGHとなった以後は非有利状態であることが特定されるような信号形式であってもよい。
【0085】
図4(F)に示された普通図柄の変動結果がともに当りであればそれぞれ普通電動役物14を開放させる制御が開始され、図4(H)に示すように、その旨を示す普通電動役物作動中信号がオフ状態からオン状態とされる。さらに、図4(I)に示すようにソレノイド16の励磁制御が開始され、普通電動役物14が開放状態とされる。ところが、普通図柄の変動を開始させる条件が成立した時点t1とt2とでは、遊技状態が異なるために励磁制御の内容が異なっている。
【0086】
すなわち、t1の時点では確率変動状態ではないために、ソレノイド16の励磁時間が0.2秒とされ、かつ、励磁回数が1回とされている。このため、ソレノイド16によって作動する普通電動役物14は、0.2秒間開放された後閉成される。一方、t2の時点では確率変動状態に移行しているために、ソレノイド16の励磁時間が1.4秒に延長され、かつ、その励磁回数が2回に増加されている。このため、図4(I)に示すように、普通電動役物14は、1.4秒間開放された後一旦閉成され、再度1.4秒間開放される。図4(H)に示す普通電動役物作動中信号は、ソレノイド16の励磁制御が終了するまでの間オン状態とされる。たとえば、ソレノイド16の励磁時間が1.4秒、かつ、その励磁回数が2回の場合には、図示するようにソレノイド16の2回目の励磁が終了するまでオン状態に維持される。この普通電動役物作動中信号により、普通電動役物14が作動する状態にあるか否かを把握できるとともに、その信号のオン期間の長さによって、開放時間が延長され、かつ、開放回数が増加した状態で普通電動役物14が作動しているか否かを特定できる。
【0087】
<普通電動役物14の入賞個数と開閉動作の説明>
普通電動役物14は、上述した通り普通図柄用可変表示器10へ始動入賞した時点が確率変動状態ではない場合は、ソレノイド16の励磁時間が0.2秒とされ、かつ、励磁回数が1回とされ、普通図柄用可変表示器10へ始動入賞した時点が確率変動状態の場合は、ソレノイド16の励磁時間が1.4秒に延長され、かつ、その励磁回数が2回に増加される。しかし、普通電動役物14が作動中に8個の打玉が普通電動役物14に入賞した場合には、普通電動役物14の作動が解除される。
【0088】
図5は、確率変動状態でない場合の普通電動役物14の入賞個数と開閉動作を説明するためのタイミングチャートである。図5を参照して、図5(A)には、普通図柄を始動させるためのゲートスイッチ12の検出出力(普図始動出力)が示されている。図5(B)には、普通図柄の変動状況が示されている(普図変動)。図示するように、図5(A)のゲートスイッチ12の検出出力に基づいて普通図柄の変動が開始されている。ここでは確率変動状態ではないために、普通図柄の変動時間を短縮させる期間に該当せず(図4(C)の普通図柄変動時間短縮状態信号オフ)、普通図柄の変動時間は29.1秒となる。
【0089】
図5(C)には、普通図柄の変動の終了に対応して普通電動役物が停止状態から作動状態へ変化することが示されている。図5(D)には、普通電動役物作動中信号(普電役作動中信号)が示されている。図5(E)には、特別図柄を始動させるための始動口スイッチ17の検出出力(入賞検出)が示されている。ここでは、始動口スイッチ17で入賞玉が検出されない例を示している。また、図5(F)には、普通電動役物用のソレノイド16(普電役ソレノイド)の作動状態が示されている。
【0090】
図5(B)に示された普通図柄の変動結果が当りであれば普通電動役物14を開放させる制御が開始され、図5(D)に示すように、普通図柄の変動結果が当たりである旨を示す普通電動役物作動中信号がオフ状態からオン状態とされる。
さらに、図5(F)に示すように、ソレノイド16の励磁制御が開始され、普通電動役物14が0.2秒の間、開放状態とされる。
【0091】
図6は、確率変動状態にある場合の普通電動役物14の入賞個数と開閉動作との関係を説明するための第1のタイミングチャートである。図6を参照して、図6(A)には普通図柄を始動させるためのゲートスイッチ12の検出出力(普図始動出力)が、図6(B)には普通図柄の変動状況が、図6(C)には普通図柄の変動の終了に対応して普通電動役物が停止状態から作動状態へ変化することが示されている。図6(D)には普通電動役物作動中信号(普電役作動中信号)が、図6(E)には特別図柄を始動させるための始動口スイッチ17の検出出力(入賞検出)が、図6(F)には普通電動役物用のソレノイド16(普電役ソレノイド)の作動状態がそれぞれ示されている。なお、普通電動役物作動中信号がONである期間に対応してランプ等による報知が行われる。
【0092】
図示するように、図6(A)のゲートスイッチ12の検出出力に基づいて普通図柄の変動が開始されている。ここでは確率変動状態のために、普通図柄の変動時間を短縮させる期間に該当し(図4(C)の普通図柄変動時間短縮状態信号オン)、普通図柄の変動時間は5.1秒となる。ここでは、始動口スイッチ17で入賞玉が検出されない例を示している。
【0093】
図6(B)に示された普通図柄の変動結果が当りであれば普通電動役物14を開放させる制御が開始され、図6(D)に示すように、普通図柄の変動結果が当たりである旨を示す普通電動役物作動中信号がオフ状態からオン状態とされる。
さらに、図6(F)に示すように、ソレノイド16の励磁制御が開始され、普通電動役物14が2回開成状態となる。1回の開成状態は、1.4秒である。なお、始動口スイッチ17において7個以下の入賞玉が検出される場合と、入賞玉が検出さない場合とのソレノイド16の動作は同じである。
【0094】
図7は、確率変動状態にある場合の普通電動役物14の入賞個数と開閉動作との関係を説明するための第2のタイミングチャートである。図7を参照して、図7(A)には普通図柄を始動させるためのゲートスイッチ12の検出出力(普図始動出力)が、図7(B)には普通図柄の変動状況が、図7(C)には普通図柄の変動の終了に対応して普通電動役物14が停止状態から作動状態へ変化することが示されている。図7(D)には普通電動役物作動中信号(普電役作動中信号)が、図7(E)には特別図柄を始動させるための始動口スイッチ17の検出出力(入賞検出)が、図7(F)には、普通電動役物用のソレノイド16(普電役ソレノイド)の作動状態がそれぞれ示されている。
【0095】
この図7に示す例では、確率変動状態のために、普通図柄の変動時間を短縮させる期間に該当し(図4(C)の普通図柄変動時間短縮状態信号オン)、普通図柄の変動時間は5.1秒となる。また、普通電動役物14が1回開成状態となる制御が終了する前に、始動口スイッチ17において8個の入賞玉が検出される例を示している。
【0096】
図7(B)に示された普通図柄の変動結果が当りであれば普通電動役物14を開放させる制御が開始され、図7(D)に示すように、普通図柄の変動結果が当りとなり普通電動役物が作動中である旨を示す普通電動役物作動中信号がオフ状態からオン状態となる。さらに、図7(F)に示すように、ソレノイド16の励磁制御が開始され、普通電動役物14が開放状態とされる。そして、始動口スイッチ17で8個の入賞玉が検出されると、ソレノイド16が非励磁(OFF)に制御され、普通電動役物14が閉成状態とされるとともに、普通電動役物作動中信号(普電役作動中信号)がOFFとなる。
【0097】
このように、入賞個数で作動を終了する場合には、確率変動状態にあるにも係わらず、普通電動役物14が1回しか開放状態とならない場合が生じるが、普通電動役物作動中信号がOFFとなることにより報知が行なわれないので、故障したのかとの誤解を招く惧れがない。
【0098】
図8は、確率変動状態にある場合の普通電動役物14の入賞個数と開閉動作との関係を説明するための第3のタイミングチャートである。図8を参照して、図8(A)には普通図柄を始動させるためのゲートスイッチ12の検出出力(普図始動出力)が、図8(B)には普通図柄の変動状況が、図8(C)には普通図柄の変動の終了に対応して普通電動役物が停止状態から作動状態へ変化することが、図8(D)には普通電動役物作動中信号(普電役作動中信号)が、図8(E)には特別図柄を始動させるための始動口スイッチ17の検出出力(入賞検出)が、図8(F)には、普通電動役物用のソレノイド16(普電役ソレノイド)の作動状態がそれぞれ示されている。
【0099】
この図8に示す例では、確率変動状態のために、普通図柄の変動時間を短縮させる期間に該当し(図4(C)の普通図柄変動時間短縮状態信号オン)、普通図柄の変動時間は5.1秒となる。また、普通電動役物14が開成状態に2回される制御が終了する前に、始動口スイッチ17で8個の入賞玉が検出される例を示している。
【0100】
図8(B)に示された普通図柄の変動結果が当りであれば普通電動役物14を開放させる制御が開始され、図8(D)に示すように、普通図柄の変動結果が当りである旨を示す普通電動役物作動中信号がオフ状態からオン状態とされる。さらに、図8(F)に示すように、ソレノイド16の励磁制御が開始され、普通電動役物14が開放状態とされる。そして、始動口スイッチ17で8個の入賞玉が検出されると、ソレノイド16が非励磁(OFF)に制御され、普通電動役物14が閉成状態とされるとともに、普通電動役物作動中信号(普電役作動中信号)がOFFとなる。
【0101】
<普通電動役物の作動中表示>
次に、普通電動役物14が作動中における普通図柄用可変表示器10の表示状態を説明する。図9は、普通電動役物14が作動中における普通図柄用可変表示器10の表示状態を示す図である。図9(A)は、普通電動役物14が作動中における入賞個数が6個の場合における普通図柄用可変表示器10の表示状態を示し、図9(B)は、普通電動役物14が作動中における入賞個数が7個の場合の普通図柄用可変表示器10の表示状態を示し、図9(C)は、普通電動役物14が作動中における入賞個数が8個の場合の普通図柄用可変表示器10の表示状態を示す。図9(A)〜(C)を参照して明らかなように、普通図柄用可変表示器10には普通電動役物作動中信号がONのときに普通電動役物14に入賞可能な打玉の個数の残数が表示され、その残数は8個から順に入賞した打玉の数に伴って減少する。
【0102】
すなわち、普通電動役物14が作動中における入賞個数が6個の場合には、普通図柄用可変表示器10に入賞可能な残数「2」が表示される。普通電動役物14が作動中における入賞個数が7個の場合には、普通図柄用可変表示器10に入賞可能な残数「1」が表示される。普通電動役物14が作動中における入賞個数が8個の場合、または、時間の経過により普通電動役物動作中信号がOFFとなった場合には、普通図柄用可変表示器10に「0」が表示される。
【0103】
このように、普通図柄用可変表示器10で普通電動役物作動中信号がONのときに、普通電動役物14に入賞可能な打玉の個数の残数が表示されるため、遊技者は普通図柄用可変表示器10を見ることにより、普通電動役物14が作動中か否か、また、後いくつの打玉を普通電動役物14に入賞させることができるのかを直ちに判断することができる。また、普通図柄用可変表示器10に残数「8」〜「1」のいずれかが表示されている場合には、普通電動役物14が作動中であることを認識することができ、普通図柄用可変表示器10に「0」が表示されている場合には、普通電動役物14が作動中でないことを認識することができる。
さらに、普通電動役物14が作動中に打玉が8個入賞した場合に普通電動役物14の作動状態が解除されることを知ることができる。
【0104】
次に、普通図柄用可変表示器10を普通電動役物14の近傍に設けた例を示す。図10は普通図柄用可変表示器10を普通電動役物14の近傍に設けた例を示す図である。図10を参照して、普通電動役物14の下部に7セグメントLEDによる普通図柄用可変表示器10が設けられる。このように、普通電動役物14の周辺に普通図柄用可変表示器10を設けるようにすれば、普通電動役物14が作動中の状態であることを遊技者が判断しやすくなる。
【0105】
また、普通図柄用可変表示器10を可変表示装置8とは別に設けるようにしたが、図11に示すように、可変表示装置8の可変表示部9に普通図柄表示領域を設けて、普通図柄表示領域で上述した普通図柄用可変表示器10が表示する内容を表示するようにしてもよい。この場合には、普通図柄用可変表示器10は不要となる。
【0106】
また、図9においては、7セグメントを用いて数字により入賞可能な個数の残数を表示したが、普通電動役物14の周辺部に点灯するランプを8個設け、残数に応じた個数のランプを点灯させるようにしてもよい。
【0107】
図11は、可変表示装置8の可変表示部9に普通図柄表示領域を設けた例を示す図である。図11を参照して、可変表示部9の右上の一区画に普通図柄表示領域100が設けられている。普通図柄表示領域100には、普通図柄の表示部101が設けられている。なお、図では、普通図柄を一桁の数字「7」を表示しているが、例えば「7−」などの2桁の表示も可能である。
【0108】
また、図11においては、普通図柄の表示部101内に数字により入賞可能な個数の残数を表示してもよいし、残数を示すマークを表示する領域を設け、残数に応じた個数のマークを表示することにより、残数を遊技者に知らせるようにしてもよい。
【0109】
このように、可変表示装置8の可変表示部9に普通図柄表示領域を設けることによっても、普通電動役物14が作動中の状態を表示することができる。また、別に普通図柄用可変表示器10を設ける必要がなく、簡単な構成とすることができる。
【0110】
図12は、このパチンコ遊技機1の制御に用いられる各種ランダムカウンタを示す図である。図12には、C_RND1、C_RND_L、C_RND_C、C_RND_R、C_RND_RCHA、C_RND_RCH、C_RND_NR、およびC_RND2の8種類のランダムカウンタが示されている。
【0111】
C_RND1は、始動記憶がある場合にその始動記憶に基づく特別図柄の可変表示の結果を大当りとするか否かを決定するために用いられるランダムカウンタである。このランダムカウンタは、後述するタイマ割込毎(具体的には0.002秒毎)に1ずつ加算更新され、0から加算更新されてその上限である293まで加算更新された後再度0から加算更新される。
【0112】
C_RND_L、C_RND_C、C_RND_Rは、可変表示部9に最終的に停止表示される停止図柄(確定図柄)の種類を決定するために用いられるランダムカウンタである。
【0113】
C_RND_Lは左図柄決定用であり、0から加算されてその上限である14まで加算されると再度0から加算される。C_RND_Lは、前述したタイマ割込毎すなわち0.002秒毎に1ずつ加算される。なお、表示結果がはずれとなるリーチ状態を表示する場合には、このC_RND_Lによって左図柄と右図柄とが決定されることにより、リーチ図柄が定められる。
【0114】
C_RND_Cは、中図柄決定用のランダムカウンタであり、0から加算されてその上限である14まで加算されると再度0から加算される。C_RND_Cは、前述したタイマ割込毎すなわち0.002秒毎、および、割込処理余り時間毎に1ずつ加算される。
【0115】
C_RND_Rは、右図柄決定用のランダムカウンタであり、0から加算されてその上限である14まで加算された後再度0から加算される。C_RND_Rは、前述のC_RND_Cの桁上げごとに1ずつ加算される。
【0116】
C_RND_RCHAは、C_RND1の抽出値に基づいてはずれとすることが決定された場合において、そのはずれの表示結果が導出表示される途中にリーチ状態を表示させるか否かを決定するために用いられるランダムカウンタである。C_RND_RCHAは、0から加算されてその上限である1530まで加算されると再度0から加算される。C_RND_RCHAは、前述したタイマ割込毎すなわち0.002秒毎、および、割込処理余り時間毎に1ずつ加算される。
【0117】
C_RND_RCHおよびC_RND_NRは、変動パターンを決定するために用いられるランダムカウンタである。特に、C_RND_RCHはリーチ状態を表示する場合に用いられるランダムカウンタであり、C_RND_NRはリーチ状態を表示しない場合に用いられるランダムカウンタである。リーチ状態の表示の必要性の有無に応じて、C_RND_RCHおよびC_RND_NRのうちいずれか一方のカウンタ値が抽出されてその値に基づいて変動パターンが定められ、その定められた変動パターンを特定可能な変動パターンデータを含む特別図柄変動開始コマンドが遊技制御基板31から表示制御基板40へ出力される。C_RND_RCHの0〜7の各値に対応する変動パターンデータと、C_RND_RCHの0〜2の各値に対応する変動パターンデータとは、基本回路33内に記憶されている。
【0118】
C_RND_RCHは0から加算されてその上限である7まで加算された後再度0から加算される。また、C_RND_NRは0から加算されてその上限である2まで加算された後再度0から加算される。C_RND_RCHおよびC_RND_NRは、前述したタイマ割込毎すなわち0.002秒毎、および、割込処理余り時間毎に1ずつ加算される。
【0119】
C_RND2は、通過記憶がある場合にその通過記憶に基づく普通図柄の可変表示の結果を当りとするか否かを決定するために用いられるランダムカウンタである。このランダムカウンタは、0.002秒毎に1ずつ加算更新され、3から加算更新されてその上限である13まで加算更新された後再度3から加算更新される。
【0120】
図13は、始動記憶がある場合にその始動記憶に基づく特別図柄の可変表示の結果を大当りとするか否かを決定する処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0121】
始動入賞があれば、C_RND1のカウント値が抽出される。C_RND1の抽出値は特別図柄判定用バンクに格納される。ここで、特別図柄判定用バンクは、始動入賞に応じて抽出されたC_RND1の抽出値のデータを一時的に格納するための記憶領域をいい、基本回路33のRAM33cの作業領域に設けられている。始動入賞は最大4つまで記憶されるため、特別図柄判定用バンクは、バンク0〜バンク3の4つの記憶領域を有するシフトレジスタにより構成されている。特別図柄判定用バンクにおいては、始動入賞が検出された時点で、特別図柄判定用バンク0,1,2,3の順序で、始動入賞に対応するC_RND1の抽出値のデータが記憶されていく。
【0122】
具体的に、始動入賞に応じたC_RND1の抽出値は、最大4つ記憶されるが、最も古いタイミングでの抽出値が特別図柄判定用バンク0に記憶され、始動入賞に応じて、バンク1,2,3の順に抽出値が記憶されていく。特別図柄判定用バンク0〜3のうちのバンク0に記憶されている抽出値が、大当りを発生させるか否かの判定に用いられる。そして、バンク0の判定が済むと、バンク0の記憶データがクリアされるとともに、バンク1,2,3のそれぞれの記憶データが、1バンクずつバンク0に向けてシフトされる。そして、そのような大当りの判定とデータのシフトとが繰返し実行されることにより、始動入賞記憶に応じた大当りの判定が行なわれるのである。
【0123】
なお、始動入賞が検出されるのと同時にC_RND_Lのカウント値も抽出され、その抽出値は左図柄判定用バンクに格納される。左図柄判定用バンクについても特別図柄判定用バンクと同様に基本回路33のRAM33cの作業領域に設けられており、左図柄判定用バンク0〜左図柄判定用バンク3の4つの記憶領域を有するシフトレジスタにより構成されている。そして、左図柄判定用バンクにおいては、始動入賞が検出された時点で、左図柄判定用バンク0,1,2,3の順序で、始動入賞に対応するC_RND_Lの抽出値のデータが記憶されていく。
【0124】
次に、特別図柄判定用バンクに格納された抽出値を判定するための大当り判定用の特別図柄判定値が設定される。ここで、高確率時(確率変動状態)でない通常時(通常遊技状態)においては、特別図柄判定値として「7」が設定される。
一方、高確率時では、特別図柄判定値として「7」,「11」,「79」の3つが設定される。
【0125】
次に、設定された特別図柄判定値と抽出値とが比較され、通常時では、抽出値が「7」のときには大当りとすることが決定され、それ以外の時にははずれとすることが決定される。一方、高確率時では、抽出値が「7」,「11」,「79」のうちのいずれかのときには大当りとすることが決定され、それ以外の時にははずれとすることが決定される。
【0126】
大当りとすることが決定された場合には、左図柄判定用バンクに格納されているC_RND_Lの値が参照され、ゾロ目で停止させる大当り図柄がその抽出値に基づいて決定される。一方、はずれとすることが決定された場合には、C_RND_C、C_RND_Rの値が抽出され、それらの抽出値と左図柄判定用バンクに格納されているC_RND_Lとに基づいて可変表示部9に最終的に停止させるはずれ図柄が決定される。ここで、この決定されたはずれ図柄が偶然ゾロ目の図柄であった場合には、C_RND_Cの抽出値に「1」が加算され、強制的にはずれ図柄とされる。
【0127】
図13を用いて説明した以上の処理は、特別図柄の可変表示を開始させる前に事前に行なわれる。
【0128】
図14は、通過記憶がある場合にその通過記憶に基づく普通図柄の可変表示の結果を当りとするか否かを決定する処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0129】
通過記憶があれば、まず、ランダムカウンタC_RND2のカウント値が抽出され、普通図柄判定用バンクに格納される。ここで、普通図柄判定用バンクは、特別図柄判定用バンクと同様に、バンク0〜バンク3の4つの記憶領域を有するシフトレジスタにより構成されている。
【0130】
次に、その抽出値を判定するための当り判定用の普通図柄判定値が設定される。ここで、高確率時(確率変動状態)でない通常時(通常遊技状態)においては、普通図柄判定値として「3」,「7」,「11」が設定される。一方、高確率時では、普通図柄判定値として「3」〜「12」が設定される。
【0131】
次に、設定された普通図柄判定値と普通図柄判定用バンク内の抽出値とが比較され、通常時では、抽出値が「3」,「7」,「11」のうちのいずれかのときには当りとすることが決定され、それ以外の時にははずれとすることが決定される。一方、高確率時では、抽出値が「3」〜「12」のうちのいずれかのときには当りとすることが決定され、それ以外の時にははずれとすることが決定される。
【0132】
当りとすることが決定された場合には、当り図柄が一津に「7」に決定される。一方、はずれとすることが決定された場合には、はずれ図柄が一津に「−」に決定される。
【0133】
図14を用いて説明した以上の処理は、普通図柄の可変表示を開始させる前に事前に行なわれる。次に、基本回路33により実行される処理の一部をフローチャートを参照して説明する。
【0134】
図15は、基本回路33により実行される遊技制御メイン処理および割り込み処理を示すフローチャートである。図15においては、(a)に遊技制御メイン処理が示され、(b)に割り込み処理が示されている。
【0135】
図15の(a)を参照して、遊技制御メイン処理においては、まず、スタックポインタの指定アドレスをセットするためのスタックセット処理が行なわれる(S1)。次いで、初期化処理が行なわれる(S2)。初期化処理では、RAM33cにエラーが含まれているか判定され、エラーが含まれている場合には、RAM33cを初期化することおよび各種フラグの初期設定などの処理が行なわれる。さらに、初期化処理では、後述する割り込み処理を実行するタイミングを規定するタイマ割り込み時間(たとえば0.002秒)をCPU33aに設定する処理がなされる。これにより、電源投入等によるリセット後の最初の割り込み処理の実行タイミング規定のための計時が開始される。
【0136】
次に、停止図柄を決定する等のための表示用乱数更新処理が行なわれる(S3)。このパチンコ遊技機1においては、可変表示装置8の可変表示での特別図柄の停止図柄が乱数(ランダムカウンタのカウンタ値)に基づいて決定される。このS3では、そのように停止図柄を決定するための表示用乱数が更新される。表示用乱数更新処理は、無限ループにより繰返し実行され続けるが、後述する割り込み処理が起動された場合には、表示用乱数更新処理を構成するプログラムのうちの実行中の位置で一時停止され、その割り込み処理が終了すると一時停止したプログラムの位置から実行が再開される。
【0137】
次に、図15の(b)を参照して、割り込み処理は、CPU33aにより管理されるタイマ割り込み用のタイマの計時値が設定値(S2またはS13で設定されるタイマ割り込み時間)になるごとに実行が開始される。
【0138】
割り込み処理においては、まず、ランプ制御基板35および音声制御基板70に音声発生やLED点灯制御用の所定のコマンドを送信するための処理が行なわれるとともに、情報出力回路64を介してホール管理用コンピュータに大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを送信するためのデータ出力処理が行なわれる(S4)。次に、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断をし、その結果に応じて必要ならば警報を発生させるためのエラー処理が行なわれる(S5)。次に、遊技制御に用いられる各種の判定用乱数を示す各ランダムカウンタを更新する判定用乱数更新処理が行なわれる(S6)。
【0139】
次に、特別図柄プロセス処理が行なわれる(S7)。特別図柄プロセス処理では、複数種類の処理のうちの1つが特別図柄プロセスフラグの値に従って選択されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中において更新される。次に、普通図柄プロセス処理が行なわれる(S8)。普通図柄プロセス処理では、7セグメントLEDによる普通図柄用可変表示器10を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0140】
次に、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23等の状態を入力し、各入賞口や可変入賞球装置に対する入賞があったか否か等を判定するスイッチ処理が行なわれる(S9)。始動口スイッチ17により始動入賞が検出された場合には、このスイッチ処理において、始動記憶処理が実行される。具体的には、始動口スイッチ17により始動入賞が検出されると、そのタイミングで大当り判定用のランダムカウンタのカウンタ値が抽出され、始動記憶用の特別図柄判定用バンクにその抽出値が記憶される。これにより始動記憶がなされる。前述したように始動記憶用の特別図柄判定用バンクは、バンク0〜バンク3の4つ構成されており、この4つのバンクによって最大4つの始動記憶を可能にしている。よって、始動入賞が検出された際にすべてのバンクに記憶がある場合には、その始動入賞が無効とされる。
【0141】
次に、S3と同様の表示用乱数更新処理が行なわれる(S10)。次に、賞球玉貸制御用CPU37aとの間の入賞球信号処理が行なわれる(S11)。すなわち、基本回路33は、賞球玉貸基板37の玉貸制御用CPUより賞球数要求信号が入力されると、玉貸制御用CPUに対して出力すべき賞球コマンド(賞球数指定信号)を選択する。次に、選択した賞球コマンドを出力するための賞球コマンド出力処理が行なわれる(S12)。玉貸制御用CPUは、この賞球数指定信号に基づいて賞球装置59aを駆動制御する。
【0142】
次に、タイマ割り込み時間設定処理が行なわれる(S13)。S13においては、前述したようなタイマ割り込み時間(たとえば0.002秒)をS2の場合と同様に設定する処理が実行される。S13の後、この割り込み処理が終了する。これにより、この割り込み処理の終了時にS13によってタイマ割り込み時間が設定され、次の割り込み処理の実行タイミングを規定するための計時が開始されることとなる。したがって、割り込み処理が終了するごとにタイマ割り込みのための時間が計時され、その後タイマ割り込み時間が経過するごとに割り込み処理が実行されることとなる。この割り込み処理が終了すると、前述したメイン処理のプログラムの実行が、一時停止していた位置から再開される。
【0143】
図16は特別図柄プロセス処理を説明するためのフローチャートである。特別図柄プロセス処理は、図15(b)のS7で実行される処理である。この特別図柄プロセス処理においては、特別図柄プロセスフラグの値に応じてS300〜S305のうちのいずれかの処理が実行された後、S306の表示制御データ処理が実行される。特別図柄プロセス処理が実行されることにより、特別図柄の変動が制御されるとともに、大当り状態における制御が行なわれる。ここで、特別図柄プロセスフラグとは、各特別図柄の可変表示を実行する際に実行するプロセスを指定するフラグをいう。特別図柄の可変表示動作は、複数のプロセスに分けられており、特別図柄プロセスフラグのデータにより指定されるプロセスに応じた状態に制御される。
【0144】
特別図柄変動待ち処理(S300)は、始動入賞があるか否か(始動記憶があるか否か)を判定し、始動記憶がない場合にはデモンストレーション画面を表示させるための指令情報を設定し、始動記憶がある場合には特別図柄プロセスフラグを更新して特別図柄判定処理に移行可能とする処理である。この特別図柄変動待ち処理の詳細な処理内容についての説明を省略する。
【0145】
特別図柄判定処理(S301)は、始動記憶に関連するデータを抽出し、大当りとするか否かなどを事前決定する処理である。詳細については、図17を用いて後述する。
【0146】
図柄変動設定処理(S302)は、停止図柄や変動パターンを設定する処理である。詳細については図18を用いて後述する。
【0147】
大当り開始処理(S303)は、大当りの発生に基づく特定遊技状態(大当り状態)を開始するための準備をする処理である。詳細については図19を用いて後述する。
【0148】
大当り中処理(S304)は、2ラウンド以降の各ラウンドを制御する処理である。詳細については図20を用いて後述する。
【0149】
大当り終了処理(S305)は、大当り終了表示のための制御を行なうとともに、確変図柄による確変大当りであった場合にはその後に遊技状態の確率変動状態に移行させるために必要な制御を行なう処理である。詳細については図21を用いて後述する。
【0150】
表示制御データ処理(S306)は、各処理(S300〜S305)において設定された表示制御用のコマンドデータを表示制御基板40へ出力する処理である。この表示制御データ処理の詳細については説明を省略する。
【0151】
図17は、特別図柄判定処理を説明するためのフローチャートである。特別図柄判定処理においては、まず、確率変動フラグがオンされているか、すなわち、パチンコ遊技機1が高確率状態に制御されている最中であるか否かが判断される(SA1)。高確率状態に制御されている場合には、高確率時すなわち確変状態にある場合の特別図柄判定値データを大当り判定用データとしてセットする処理を行なわれる(SA3)。確変状態にある場合の特別図柄判定値データとは、具体的には、「7」,「11」,「79」である。
【0152】
一方、高確率状態に制御されていない場合には、低確率時すなわち高確率状態にない通常時の特別図柄判定値データを大当り判定用データとしてセットする処理が行なわれる(SA2)。通常時の特別図柄判定値データとは、具体的には「7」である。
【0153】
SA2またはSA3の後、大当りフラグをクリアする処理が行なわれる(SA4)。これにより、前回の大当り状態の記憶がクリアされる。次に、特別図柄判定用バンク0に記憶された大当り判定用乱数が、SA2またはSA3でセットした特別図柄判定値データと一致するか否かが判断される(SA5)。SA5において、高確率時特別図柄判定値データにより判定がなされる場合には、複数の特別図柄判定値のうちの選択された1つの特別図柄判定値データを用いて1回の判定が行なわれる。高確率時特別図柄判定値データを構成する複数の特別図柄判定値のそれぞれは、判定に用いられる順序が予め定められており、最初の順番の特別図柄判定値から順にSA5での判断に用いられる。SA5での判断に用いられる特別図柄判定値が、後述するSA7の処理により順次更新されていくことにより、高確率時特別図柄判定値データのすべてについての判定が行なわれる。
【0154】
SA5により特別図柄判定用バンク0のC_RND1の記憶データが特別図柄判定値と一致すると判断された場合は、大当りを発生させる場合であり、後述するSA6に進む。一方、SA5により特別図柄判定用バンク0のC_RND1の記憶データが特別図柄判定値ではないと判断された場合は、次の順序の特別図柄判定値のデータをSA5での判定に用いられる特別図柄判定値として設定する処理がなされる(SA7)。ここで、低確率時特別図柄判定値データおよび高確率時特別図柄判定値データのそれぞれは、特別図柄判定値の他に判定終了コードと呼ばれるデータを含んでいる。低確率時特別図柄判定値データがSA5での判定のために設定されている場合には、SA7において、常に判定終了コードが設定される。一方、高確率時特別図柄判定値データがSA5での判定のために設定されている場合にSA5で最後の順序の特別図柄判定値を用いた判定がなされた後には、SA7において、判定終了コードが設定される。
【0155】
SA7の後、SA7で設定された特別図柄判定値のデータが判定終了コードであるか否かの判断がなされる(SA8)。ここで判定終了コードではないと判断された場合には、SA7により設定された次の特別図柄判定値を用いて大当りの判定を行なうため、SA5に戻る。これにより、高確率時の場合には、複数の特別図柄判定値による大当りの判定が繰返し行なわれる。
【0156】
SA5により特別図柄判定用バンク0のC_RND1の記憶データが特別図柄判定値と一致すると判断された場合は、大当りを発生させるため、大当りフラグを設定する処理がなされる(SA6)。次にリーチフラグを設定する処理がなされる(SA11)。ここでリーチフラグとは、リーチ状態が表示される場合に設定されるフラグをいう。このリーチフラグの設定により、最終的な表示結果が導出表示される前には、リーチ状態が表示される。
【0157】
SA8により判定終了コードであると判断された場合には、特別図柄判定値を用いた大当りの判定がすべて終了し、はずれにすることが決定される。この場合には、以下のSA9、SA10においてはずれの表示結果を導出表示する前にリーチ状態を表示するか否かが決定される。
【0158】
まず、C_RND_RCHAのカウンタ値が抽出され(SA9)、続いてその抽出値に基づいて、リーチ状態を表示するか否かが決定される(SA10)。たとえば、C_RND_RCHAの抽出値が「0」〜「104」のいずれかである場合にはリーチ状態を表示することが決定され、「105」〜「1530」のいずれかである場合には、リーチ状態を表示しないことが決定される。そして、リーチ状態を表示することが決定された場合には、リーチフラグが設定される(SA11)。
【0159】
SA11でリーチフラグが設定された後、または、SA10でNOと判断された後、特別図柄プロセスフラグの値が図柄変動処理に移行できる値に更新され(SA12)、処理が終了する。
【0160】
図18は図柄変動設定処理を説明するためのフローチャートである。この図柄変動設定処理においては、まず、出力タイマが設定済みであるか否かが判断される(SC1)。出力タイマは、特別図柄の変動パターン(可変表示期間等)を指定するコマンドデータが出力データ格納領域にセットされた後に、後述するSC7においてセットされる。出力タイマが設定されていない場合には、リーチフラグが設定されているか否かが判断される。リーチフラグは図17に示すSA11で設定される。リーチフラグが設定されていると判断された場合には、リーチ変動振分用ランダムカウンタC_RND_RCHAの値が抽出され(SC3)、リーチフラグが設定されていないと判断された場合にはノーマル変動振分用ランダムカウンタC_RND_NRの値が抽出される(SC4)。その後、SC3またはSC4のいずれかで抽出されたランダムカウンタの値に基づいて、変動パターンが設定される(SC5)。遊技制御基板31の基本回路33において設定される変動パターンは、表示の演出態様を具体的に特定するものではなく、単に可変表示期間およびリーチ状態の表示の必要性の有無を指定するものである。表示制御基板40は、この変動パターンを受信した際に、その変動パターンに応じた演出態様を独自に決定する。
【0161】
次に、設定された変動パターンを特定可能な変動パターンデータが出力データ格納領域にセットされる(SC6)。出力データ格納領域は、表示制御基板40に対して出力するコマンドデータを格納する領域である。この出力データ格納領域にセットされたコマンドデータは、図16のS306に示した表示制御データ処理において表示制御基板40に対して出力される。次に、変動パターンに対応した出力タイマがセットされる(SC7)。たとえば、変動パターンによって特定される可変表示期間が29.1秒の場合には、その可変表示期間に対応した時間が出力タイマとしてセットされる。遊技制御基板31は、出力データ格納領域にセットされた変動パターンデータが表示制御基板40に対して出力された時点からこの出力タイマの減算更新を開始し、出力タイマのタイマ値が0となった時点で後述するSC17によりプロセスフラグを更新して大当り開始処理または特別図柄変動待ち処理に移行する。
【0162】
変動パターンに対応した出力タイマがセットされた後、大当りフラグおよびリミッタ作動フラグがともにセットされているか否かが判断される(SC8)。ここで、リミッタ作動フラグは、確率変動のリミッタを作動させる必要が生じた場合に後述の図21のSD13において設定されるフラグである。大当りフラグがセットされなおかつリミッタ作動フラグがセットされている場合には、確変大当りが発生しないように制御する必要があり、このためにリミッタ作動時の特別図柄テーブルが設定される(SC10)。一方、大当りフラグとリミッタ作動フラグとのうち少なくとも一方がセットされていない場合には、確変大当りが発生しないように制御する必要がないために、通常時の特別図柄テーブルが設定される(SC9)。
【0163】
ここで、特別図柄テーブルは、停止図柄決定用のランダムカウンタ(C_RND_L、C_RND_C、C_RND_R)のカウント値と特別図柄の種類との対応関係を定めたテーブルである。通常時の特別図柄テーブルには、確変図柄を含む全種類の特別図柄が停止図柄決定用のランダムカウンタのカウント値に対応づけされている。一方、通常時の特別図柄テーブルには、確変図柄を含む全種類の特別図柄が停止図柄決定用のランダムカウンタのカウント値に対応づけされている。一方、リミッタ作動時の特別図柄テーブルには、確変図柄を除く特別図柄が停止図柄決定用のランダムカウンタのカウント値に対応づけされている。
【0164】
SC9またはSC10で特別図柄テーブルが設定された後、その設定された特別図柄テーブルから特別図柄データが抽出される(SC11)。具体的には、大当りフラグが設定されている場合には、すでに左図柄判定用バンク0に格納されているC_RND_Lの抽出値と、SC9またはSC10で設定された特別図柄テーブルとに基づいて、大当り図柄が決定される。一方、大当りフラグが設定されていない場合には、C_RND_C、C_RND_Rのカウント値が抽出され、それらの抽出値およびすでに左図柄判定用バンク0に格納されているC_RND_Lの抽出値と、通常時の特別図柄テーブルとに基づいて、はずれ図柄が決定される。なお、大当りフラグが設定されておらず、リーチフラグが設定されている場合には、C_RND_Lの抽出値によって左右図柄が決定される。このSC11で決定された停止図柄は、可変表示結果として最終的に導出表示される確定図柄とされる。
【0165】
次に、SC11で定められた確定図柄データが、出力データ格納領域にセットされる(SC12)。次に、特別図柄判定用バンクのデータおよび左図柄判定用バンクのデータをシフトさせる処理が実行される(SC13)。すなわち、バンク0のデータが廃棄され、バンク1〜3のそれぞれのデータが1つ先のバンクにシフトされる。これにより、特別図柄判定用バンクの場合には、次のデータ(新たにバンク0にシフトされたC_RND1の抽出値)が大当り判定の処理に用いられる状態になる。
【0166】
次に、特別図柄判定用バンク3の記憶データがクリアされる(SC14)。これは、SC13によるデータのシフトにより、データのシフト前の特別図柄判定用バンク3の記憶データを保持する必要がなくなったためであり、これにより、新たな始動入賞に応じたC_RND1の抽出値を特別図柄判定用バンク3に記憶させることが可能になる。
【0167】
次に、左図柄判定用バンク3の記憶データをクリアする処理がなされる(SC15)。これは、SC13によるデータのシフトにより、データのシフト前の左図柄判定用バンク3の記憶データを保持する必要がなくなったためであり、これにより、新たな始動入賞に応じたC_RND_Lの抽出値を左図柄判定用バンク3に記憶させることが可能になる。
【0168】
次に、出力タイマのタイマ値が0になっているか否かが判断される(SC16)。出力タイマのタイマ値が0になっていない場合には、変動パターンに対応した可変表示期間が終了していないために可変表示装置8において特別図柄の変動が継続されているものと判断できる。したがって、この場合にはプロセスフラグを更新する処理を行なうことなく、図柄変動設定処理が終了される。これにより、再度、特別図柄プロセス処理(図16参照)が実行された場合には、この図柄変動設定処理が再度実行され、SC1において出力タイマが設定済みであると判断されて再度SC16において出力タイマのタイマ値が0であるか否かが判断される。そして、出力タイマのタイマ値が0になっている場合には可変表示装置8における特別図柄の可変表示が終了して表示結果が導出表示されているものと判断できるために、プロセスフラグの値が大当り開始処理または特別図柄変動待ち処理を実行できる値に更新される(SC17)。具体的には、大当りフラグが設定されている場合には、プロセスフラグの値が大当り開始処理を実行できる値に更新され、大当りフラグが設定されていない場合には特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄変動待ち処理を実行できる値に更新される。
【0169】
図19は、大当り開始処理を説明するためのフローチャートである。大当り開始処理においては、まず、出力タイマが設定されているか否かが判断される(SF1)。ここでの出力タイマは、大当り開始時に表示する大当り開始画面の継続表示時間を計時するタイマである。出力タイマが設定済みでないと判断された場合には、その大当り開始画面を表示すべきことを表示制御基板40に対して指令するための大当り開始時表示データ(コマンドデータ)が出力データ格納領域にセットされる(SF2)。次に、その大当り画面の継続表示時間を計時するための出力タイマがセットされる(SF3)。次に、遊技状態が大当り状態であることを示す大当り中フラグがセットされる(SF4)。次に、確率変動フラグが設定されている場合には、その確率変動フラグが一旦クリアされる(SF5)。ここで確率変動フラグが一旦クリアされることにより、大当り状態中においては、大当り確率が通常確率とされる。なお、このSF5で一旦クリアされた確率変動フラグは、大当り終了時に後述するSD7において再度設定される。
【0170】
次に、SF3で設定された出力タイマのタイマ値が0となっているか否かが判断される(SF6)。出力タイマのタイマ値が0になっていない場合には、一旦処理が終了する。これにより、次に図16に示した表示制御データ処理(S306)が実行され、SF2で出力データ格納領域にセットされた大当り開始時表示データが表示制御基板40に対して出力される。表示制御基板40は、出力された大当り開始時表示データに基づいて、可変表示部9に大当り開始画面を表示させる。その後、再度特別図柄プロセス処理が実行された場合には、プロセスフラグが更新されていないために再度大当り開始処理に移行し、出力タイマが設定済みであるか否かが判断される(SF1)。出力タイマが設定済みの場合には、出力タイマが0であるか否かがSF6によって再度判断される。この時点で出力タイマが0となっている場合には、大当り開始画面の継続表示時間が経過しているためにSF6でYESの判断がなされる。この場合には、1ラウンド目の表示を指令するための1ラウンドデータが出力データ格納領域にセットされ(SF7)、続いて出力タイマがセットされる(SF8)。次に、大入賞口を開放させるためのソレノイド21を励磁するために、大入賞口ソレノイドONがセットされる(SF9)。次に、プロセスフラグの値が、大当り中処理を実行できる値に更新され(SF10)、処理が終了する。
【0171】
図20は、大当り中処理を説明するためのフローチャートである。大当り中処理においては、まず、入賞個数カウンタがロードされる(SE1)。入賞個数カウンタは、大当り中の各ラウンドにおける大入賞口への打玉の入賞個数を計数するカウンタである。次に、ロードされた入賞個数カウンタのカウント値に基づいて、大入賞口への入賞個数が最大値以上となっているか否かが判断される(SE2)。入賞個数が最大値に達していない場合には、各ラウンドにおける予定された開放時間が終了したか否かが判断される(SE3)。予定された開放時間が終了していない場合には、プロセスフラグが更新されることなく、処理が一旦終了する。一方、大入賞口への入賞個数が最大値以上となっているかもしくは予定された開放時間が終了していると判断された場合には、SE2もしくはSE3においてYESの判断がなされ、現在のラウンドが最終ラウンドであるか否かが判断される(SE4)。最終ラウンドでない場合には、そのラウンドにおいてV入賞が検出されているか否かが判断される(SE5)。V入賞が検出されている場合には、次のラウンドに移行する条件が成立しているために、次ラウンドデータがセットされ(SE6)、続いて出力タイマがセットされる(SE7)。
【0172】
一方、現在のラウンドが最終ラウンドであると判断された場合、もしくはV入賞が検出されていないと判断された場合には、大当り状態を終了させるべく、大入賞口ソレノイドONがリセットされ(SE8)、大当り中フラグがリセットされ(SE9)、プロセスフラグの値が大当り終了処理を実行できる値に更新される(SE10)。
【0173】
図21は、大当り終了処理を説明するためのフローチャートである。大当り終了処理においては、まず、出力タイマが設定済みであるか否かが判断される(SD1)。ここでの出力タイマは、大当りが終了したことを遊技者に報知するための大当り終了報知用画面の継続表示時間を計時するタイマである。出力タイマが設定されていない場合には、大当り終了の報知用画面を表示すべきことを指令するコマンドデータである大当り終了時表示データが出力データ格納領域にセットされる(SD2)。その後、その大当り終了報知用画面の継続表示時間を計時する出力タイマがセットされる(SD3)。次に、出力タイマのタイマ値が0であるか否かが判断される。出力タイマのタイマ値が0でない場合には、プロセスフラグの値が更新されることなく、一旦処理が終了する。これにより、次に図16に示した表示制御データ処理(S306)が実行されることによって、SD2で出力データ格納領域にセットされた大当り終了時表示データが表示制御用基板40に対して出力される。次に、特別図柄プロセス処理が再度実行された際にはプロセスフラグが更新されていないためにこの大当り終了処理が再度実行される。
そして、SD1において出力タイマが設定済みであると判断され、SD4において出力タイマのタイマ値が0であるか否かが判断される。そして、出力タイマのタイマ値が0である場合には、可変表示装置8において大当り終了の報知を画面が消去されているために、SD5〜SD14の以下の処理を実行する。
【0174】
まず、左停止図柄の図柄データがロードされる(SD5)。次に、ロードされた左停止図柄データに基づいて、その左停止図柄が確変図柄であるか否かが判断される(SD6)。確変図柄であると判断された場合には、確率変動フラグが設定される(SD7)。これにより、確率変動状態に移行する。次に、確変継続回数を計数する確変カウンタのカウント値が加算更新(+1)される(SD8)。
次に、確変カウンタのカウント値が最大継続回数以上であるか否かが判断される(SD9)。ここで、確変カウンタとは、確率変動を伴う大当りの継続回数をカウントするカウンタである。前述したように、このパチンコ遊技機1では、確率変動を伴う大当りの継続回数が、所定回数(最大継続回数)を越えないように制御される。したがって、確変カウンタのカウント値が最大継続回数以上であると判断された場合には、リミッタ作動させるためにリミッタ作動フラグがセットされる(SD13)。リミッタ作動フラグがセットされた後もしくは確変カウンタのカウント値が最大継続回数以上となっていないと判断された後、プロセスフラグの値が特別図柄変動待ち処理を実行できる値に更新される(SD14)。
【0175】
一方、SD6で左停止図柄が確変図柄でないと判断された場合には、確率変動フラグがクリアされ(SD10)、確率カウンタがクリアされ(SD11)、続いてリミッタ作動フラグがクリアされる(SD12)。その後、プロセスフラグがSD14において更新され、大当り終了処理が終了する。
【0176】
次に、図22〜図30を用いて普通図柄プロセス処理を説明する。
図22は、普通図柄プロセス処理を説明するためのフローチャートである。普通図柄プロセス処理は図15のS8で実行される処理である。この普通図柄プロセス処理においては、まず、ゲート11aを遊技球が通過したか否か、すなわち、ゲートスイッチ12がオンしたか否かが判別される(S100)。ゲートスイッチ12がオンしていればゲートスイッチ通過処理を行なってから、また、ゲートスイッチ12がオンでなければゲートスイッチ通過処理を行なわずに普通図柄プロセスフラグの値に応じて、普通図柄通常処理(S102)、普通図柄判定処理(S103)、普通図柄変動処理(S104)、普通図柄停止処理(S105)および普通電動役物作動処理(S106)のうちのいずれかの処理が実行される。普通図柄プロセスフラグとは、図22のS102〜S106のいずれの処理を実行するかを示すフラグである。ゲートスイッチ通過処理(S101)は、ゲートスイッチ12を遊技球が通過した時点における普通図柄判定用の乱数を決定する処理であり、図23を用いて後述する。普通図柄通常処理(S102)は、ゲートを遊技球が通過したか否かで普通図柄プロセス処理を更新するか否かを決定する処理であり、図24を用いて後述する。普通図柄判定処理(S103)は、普通図柄始動用の追加記憶がある場合に、その記憶に関連するデータを呼出して普通図柄の当り外れを事前に決定する処理であり、詳細については図25を用いて後述する。普通図柄変動処理(S104)は、当たりか外れかに応じて普通図柄の変動時間を決定するための処理であり、詳細については図26を用いて後述する。普通図柄停止処理(S105)は、当たりか外れかに応じて普通図柄プロセス処理を更新するか否か、また、普通電動役物14を開放する処理を行なうか否かを決定する処理であり、図27を用いて後述する。普通電動役物作動処理(S106)は、開放時間の終了に応じて普通電動役物14の開放を終了するか否かを決定する処理であり、詳細については図28を用いて後述する。
【0177】
図23は、ゲートスイッチ通過処理を説明するためのフローチャートである。
ゲートスイッチ通過処理においては、図22のS100においてゲートスイッチ12がオンしたと判別された後、まず、ゲート通過カウンタの値が4以上であるか否かが判別される。ゲート通過カウンタの値が4以上であるとは、所定の一時期に4個以上の遊技球がゲート11aを通過したことを意味する。また、4個以上のゲート通過があっても、前回までの普通図柄の変動が終了となっていない場合には、普通図柄の始動記憶として記憶されている遊技球の数が4個以上にはならないように設定されている。
【0178】
したがって、S107において、ゲート通過カウンタの値が4以上であれば、この処理を終了するが、ゲート通過カウンタの値が4未満であれば、ゲートスイッチ12がオンするまでS107の判別を繰り返す、すなわち、一時期に4個以上の遊技球のゲート通過記憶がある場合には、ゲート通過記憶を更新せずに処理を進め、ゲート通過記憶が4よりも小さくなってからゲート通過カウンタを加算する処理に移る。また、S107において、ゲート通過カウンタの値が4よりも小さければ、S108に進み、ゲート通過カウンタの値を1加算してから、普通図柄判定用カウンタの値を格納するための普通図柄判定用バッファをセットする(S109)。普通図柄判定用カウンタの値とは、いかなる普通図柄を導出表示するかを示す値である。次に、遊技球がゲートを通過した時点での普通図柄判定用カウンタの値を抽出(S111)して、普通図柄判定用カウンタの値を普通図柄判定用バッファに格納する(S111)。
【0179】
図24は、普通図柄通常処理を説明するためのフローチャートである。普通図柄通常処理においては、まず、ゲート通過記憶があるか否かが判別される(S112)。ゲート通過記憶がなければ、すなわち、ゲート通過カウンタの記憶値が「0」であればこの処理を終了するが、ゲート通過記憶があれば、すなわち、ゲート通過カウンタの記憶値が「0」以外であればS113に進み、プロセスを順次更新して普通図柄判定処理(S103)を実行するための設定を行なう。
【0180】
図25は、普通図柄判定処理を説明するためのフローチャートである。普通図柄判定処理においては、まず、普通図柄にはずれ図柄が表示されることを示す普通図柄はずれフラグをセット(S114)してから、普通図柄はずれ図柄をセットする(S115)。これにより、通常、可変表示部10にはずれ図柄が表示されるように設定される。次に、図23のS110で説明した普通図柄判定用バッファ1に格納されている遊技球がゲートを通過した時点において抽出された普通図柄判定用カウンタの値と、図14で示したC RND2の値が「3」となる普通図柄の当たり判定値1(3)とを比較する(S116)。
【0181】
普通図柄判定用バッファ1に格納されている遊技球がゲートを通過した時点において抽出された普通図柄判定用カウンタの値が当たり判定値1(3)よりも小さければ、すなわち、「ハズレ」と判定された場合にはS122に進むが、普通図柄判定用バッファ1に格納されている遊技球がゲートを通過した時点において抽出された普通図柄判定用カウンタの値が当たり判定値1(3)よりも大きければS118に進み、普通図柄判定用バッファ1に格納されている遊技球がゲートを通過した時点において抽出された普通図柄判定用カウンタの値と、図14で示したC RND2の値が「13」となる普通図柄の当たり判定値2(13)とを比較する(S119)。
【0182】
S119において、普通図柄判定用バッファ1に格納されている遊技球がゲートを通過した時点において抽出された普通図柄判定用カウンタの値が当たり判定値2(13)よりも大きければ、すなわち、「ハズレ」と判定された場合にはS122に進むが、普通図柄判定用バッファ1に格納されている遊技球がゲート11aを通過した時点において抽出された普通図柄判定用カウンタの値が当たり判定値2(13)よりも小さければS120に進み、可変表示器10に当たり図柄[7]が表示されることを示す普通図柄当たりフラクをセット(S120)してから、普通図柄に当たり図柄「7」をセットする(S121)。以上のように、抽出されたカウンタ値が「3」〜「12」以外の値であれば「ハズレ」とする。
【0183】
次に、ゲート通過カウンタの値、すなわち、ゲートを通過し遊技球の記憶値の残数を1減算して(S122)から、普通図柄を導出表示するための普通図柄制御コマンドの出力を設定する(S123)。次に、普通図柄判定用バッファに格納された遊技球がゲートを通過した時点での普通図柄の当たり判定カウンタの値を、普通図柄判定用バッファ0〜3の値を順次の番号の小さいものへシフトして(S124)から、普通図柄判定用バッファ4にはずれ判定値(13)を格納する(S125)。次に、図21のSD7で示す確率変動フラグが設定されているか否かに対応した普通図柄の変動時間を設定する(S126)。次に、普通図柄プロセスを更新(S127)して、普通図柄変動処理(S104)を実行する。
【0184】
図26は、普通図柄変動処理を説明するためのフローチャートである。普通図柄変動処理においては、まず、変動時間が終了したか否かが判別され(S128)、変動時間が終了していなければ、変動時間が終了するまで判別を繰り返すが、変動時間が終了していれば表示結果としての普通図柄の確定表示時間である普通図柄停止時図柄表示時間1(398)、すなわち、0.796秒を設定する(S129)。次に、普通図柄判定用カウンタの値が当たり判定値の範囲内であったときに設定される当たりフラグ設定されているか、普通図柄判定用カウンタの値が当たり判定値の範囲外であったときに設定されるはずれフラグが設定されているかが判別され(S130)、当たりフラグが設定されていれば、当たりの場合に普通図柄を確定表示する時間である普通図柄停止時図柄表示時間2(298)、すなわち、0.596秒を設定する(S131)が、はずれフラグが設定されていれば、普通図柄停止時図柄表示時間1(398)が設定されたままS132に進む。すなわち、普通図柄が当たりかはずれかにより、可変表示が終了した後に停止した図柄が表示される表示結果として普通図柄を確定表示する時間が異なる。次に、普通図柄確定表示コマンド出力設定がなされ(S132)、プロセスを更新(S133)して、普通図柄停止処理(S105)を実行する。
【0185】
図27は、普通図柄停止処理を説明するためのフローチャートである。普通図停止定処理においては、まず、普通図柄の確定表示時間である普通図柄停止表示時間が終了したか否かが判別される(S134)。次に、普通図柄停止表示時間が終了していなければS134の判別を繰り返すが、普通図柄停止表示時間が終了していれば普通図柄に当たりフラグが設定されているかはずれフラグが設定されているかが判別される(S135)。はずれフラグが設定されていれば普通図柄プロセスを普通図柄通常処理へ更新する(S137)が、当たりフラグが設定されていれば、まず、低確率時普通電動役物開放時間(100)を設定する。すなわち、普通入賞がなければ普通電動役物が0.2秒間開放されるように設定される。次に、高確率状態か否かが判別される(S138)。確率変動により当たりが発生し易い高確率状態、すなわち、本発明の特別遊技状態となっていれば高確率時電動役物開放時間(2900)、すなわち、5.8秒が設定され(S139)、普通電動役物14が1.4秒×2回開放する。また、高確率状態でなければ低確率時普通電動役物開放時間(100)を設定したままS140に進む。次に、普通電動役物作動ソレノイド出力ビットをセット(S140)してから、設定された開放データに基づき、開放時間を設定する(S141)。次に、電動役物作動中情報ONに設定する。次に、プロセスを更新し(S143)、普通電動役物作動処理(S106)を実行する。
【0186】
図28は、普通電動役物作動処理を説明するためのフローチャートである。普通電動役物作動処理においては、まず、図29を用いて後述する普通電動役物入賞カウント処理を行なった(S144)後、図30を用いて後述する普通電動役物開放パターン処理を行なう(S145)。次に、普通電動役物の開放が終了したか否かが判別され(S146)、普通電動役物の開放が終了していれば、普通電動役物の開放が終了していなければ、終了が確認されるまで普通電動役物の開放が終了したか否かの判別を繰り返すが、普通電動役物作動中情報OFFを設定する(S147)してから、プロセスを更新し(S148)、普通図柄通常処理(S102)を実行する。
【0187】
図29は、図28のS144に示す普通電動役物入賞カウント処理を説明するためのフローチャートである。普通電動役物入賞カウント処理においては、まず、S149においては第1種始動口スイッチ(始動口スイッチ17)がONであるか否かが判別され(S149)、始動入賞がなければ始動入賞があるまでS149の判別を繰り返す。また、第1種始動口スイッチがONであれば普通電動役物入賞個数カウンタ1を加算(S150)してから、普通電動役物入賞個数カウンタの値が最大値である8以上となっているか否かが判別され(S151)、普通電動役物入賞個数カウンタの値が7以下であれば、8以上になるまで普通電動役物入賞個数カウンタの値の判別を繰り返すが、8以上になれば普通電動役物の開放の終了を設定(S152)し、普通電動役物開放パターン処理(S145)を実行する。
【0188】
図30は、図28のS145に示す普通電動役物開放パターン処理を説明するためのフローチャートである。普通電動役物開放パターン処理においては、まず、普通電動役者14を0.2秒×1回(所定遊技状態の場合は1.4秒×2回)開放するようにソレノイドを作動させるためのソレノイド1単位開放回数の残数の記憶値であるソレノイドON時間を1減算する。次に、ソレノイドON時間の記憶値が「0」か否かの判別が行われる(S154)。ソレノイドON時間が「0」でなければ「0」になるまでソレノイドON時間の判別を繰り返すが、「0」になれば、次回の開放をする必要があるか否かが判別される(S155)。次回の開放をする必要がなければ、すなわち、ソレノイド1単位開放回数の残数が0であれば普通電動役物の開放の終了を設定(S159)し、次回の開放をする必要があれば普通電動役物開放時間を1減算して(S156)、開放時間が「0」か否かが判別され(S157)、開放時間が「0」であれば普通電動役物開放処理の終了を設定し、開放時間が「0」でなければ2回目ソレノイドON時間を設定する(S158)。これにより、普通電動役物14の2回目の開放が行われる。
【0189】
上記本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、本発明の所定条件の成立、すなわち、ゲートスイッチ12が遊技球を検出した場合には、普通電動役物14に遊技球が8回入賞した場合に普通電動役物14の高入賞状態を終了するという本発明の第1の終了条件を変更することなく、本発明の第2の終了条件として、特別遊技状態か否か、すなわち、普通図柄の当たり確率が高くなるとともに、普通図柄変動時間短縮状態(5.1秒で普通図柄変動終了)となっているか否かに応じて普通電動役物14の高入賞状態を終了することを選択する、すなわち、普通図柄の変動時間が0.2秒または1.4秒×2回のうちいずれかに応じて普通電動役物14の開放を終了することを選択する。そして、図28のS146,S147Sおよび図29のS151,S152に示すように、第1の終了条件および第2の終了条件のうちいずれか早い方の成立により普通電動役物14の作動を停止する。
【0190】
そのため、特別遊技状態となり普通電動役物14が開放される継続時間が0.2秒×1回から1.4秒×2回に延長された場合にも、普通電動役物14に入賞した遊技球が8個に達すれば、高入賞状態としての普通電動役物14の開放が終了して通常入賞状態となることにより、過剰な入賞による過剰な景品遊技媒球の払出が発生することを防止することができる。
【0191】
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、特別遊技状態の継続中、すなわち、確率変動期間中にゲートスイッチ12が遊技球を検出した場合に、普通電動役物14が断続的に2回開放するように設定されているため、1回の開放が継続して行われる場合に比べて遊技の面白味が増す。
【0192】
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、普通電動役物14が作動状態であるときに、第1の終了条件が成立した場合、すなわち、普通電動役物14に遊技球が8回入賞した場合には、普通電動役物14は開放状態を2回繰り返すことなく作動が停止するように設定されているため、高入賞状態において過剰な入賞があることにより、過剰な景品遊技媒球の払出が発生することを防止することができる。
【0193】
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、普通図柄用可変表示器10は、大当たり信号OFFの状態において普通図柄の始動検出、すなわち、ゲートスイッチ12が遊技球を検出した場合に、特定の図柄を導出表示するため、普通図柄の変動を遊技者は視覚的にとらえて楽しむことができる。
【0194】
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、特別遊技状態か否かに応じて、普通図柄の変動時間として29.1秒および5.1秒のうちいずれかを選択可能に設定されているため、遊技者は、可変表示時間の変化により特別遊技状態となるか否かを判別でき、また、特別遊技状態となる過程を楽しむことができる。
【0195】
さらに、本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、普通電動役物作動中信号がONとなってからOFFとなるまで、すなわち、普通電動役物14の開放してから閉じるまでの期間中継続して能動化されて出力されるように設定されているため、1回の普通電動役物作動中信号ON状態に対して普通電動役物14の開放が2回行われても、1回の普通電動役物作動中信号しか出力されないように設定されている。その結果、管理コンピュータのおいては、普通電動役物作動中信号が発生した回数を正確に計数することができる。
【0196】
また、さらに、本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、ゲートスイッチ12により遊技球が検出された場合には、特別遊技状態か否かに応じて、第2の終了条件として設定された、0.2秒または1.4秒×2回の普通図柄の変動時間により決まる終了条件のうちからいずれかの終了条件を選択するため、1.4秒×2回の普通図柄の変動時間が選択される特別遊技状態になることを期待しながら遊技を行なうことにより、遊技の面白味が増す。
【0197】
なお、本実施の形態においては、普通図柄確率変動と普通図柄変動時間短縮とが同時に発生する例のパチンコ遊技機を示したが、普通図柄確率変動と普通図柄変動時間短縮とがそれぞれ独立して発生するパチンコ遊技機において、普通図柄確率変動および普通図柄変動時間短縮のうちいずれか一方の成立期間中に遊技球のゲート通過があった場合に、上記第2の終了条件を複数の態様から選択するようにしてもよい。
【0198】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態における遊技機においては、図3に示したように、遊技制御基板31にランプ・LED回路60を設けて、遊技制御基板で普通図柄用可変表示10、始動記憶表示器18、通過記憶表示器10a、および装飾クランプ25を点灯制御するようにした。第2の実施の形態における遊技機は、遊技制御基板31で行なう点灯制御をランプ制御基板35で行なうようにしたものである。第1の実施の形態における部材と同一または相当する部材については同一の符号を付し、ここでの説明は繰返さない。
【0199】
以下、第2の実施の形態における遊技機について説明する。図31は、第2の実施の形態における遊技制御基板31およびランプ制御基板35における信号送受信部分を示すブロック図である。この実施の形態では、遊技効果LED28a、遊技効果ランプ28b,28c、賞球ランプ51、玉切れランプ52、可変表示器10、始動記憶表示器18、装飾ランプ25、未払出賞球有りランプ29等の点灯/消灯を指示するランプ制御コマンドが遊技制御基板31から出力される。
【0200】
ランプ制御基板35には、制御用CPU351、ROM352、RAM353等が設けられている。図示のように、制御用CPU351は、CPU33aが搭載された遊技制御基板31とは別の基板に搭載されている。これにより、遊技制御基板31のコンパクト化が図られている。
【0201】
ランプ制御コマンドは、主基板(遊技制御基板)31の出力ポート(出力ポートE,F)575,576から出力される。出力ポート575は制御コマンドデータとしての8ビット×2ビットのデータを出力し、出力ポート576は1ビットのINT信号(ストローブ信号)を出力する。ランプ制御基板35において、遊技制御基板31から出力されるランプ制御コマンドが、入力バッファ回路355を介してランプ制御用CPU351に入力される。なお、ランプ制御用CPU351がI/Oポートを内蔵していない場合には、入力バッファ回路355とランプ制御用CPU351との間に、I/Oポートが設けられる。
【0202】
ランプ制御用CPU351は、各ランプ制御コマンドに応じて定義されているランプの点灯/消灯パターンに従い、各ランプ・LEDに対して点灯/消灯信号を出力する。なお、点灯/消灯パターンは、ROM352に記憶されている。
【0203】
入力バッファ回路355として、たとえば、汎用のCMOS−ICである74HC244が用いられる。74HC244のイネーブル端子には、常にローレベル(GNDレベル)が与えられている。よって、各バッファの出力レベルは、入力レベルすなわち遊技制御基板31からの信号レベルに確定している。したがって、ランプ制御基板35側から遊技制御基板31側に信号が伝わる余地はない。
たとえ、ランプ制御基板35内の回路に不正改造が加えられたとしても、不正改造によって出力される信号が遊技制御基板31側に伝わることはない。たとえば、ランプ制御基板35において、遊技制御基板31の遊技制御用マイコン33aに大当りを生じさせるための不正信号を与えるような改造を行なったとしても、不正信号を遊技制御基板31側に伝えることはできない。なお、入力バッファ回路355の入力側にノイズフィルタを設けてもよい。
【0204】
さらに、遊技制御基板31において、出力ポート575,576の外側にバッファ回路62が設けられている。バッファ回路62として、たとえば、汎用のCMOS−ICである74HC244が用いられる。イネーブル端子には常にローレベル(GNDレベル)が与えられている。このような構成によれば、外部から遊技制御基板31の内部に入力される信号が阻止されるので、ランプ制御基板35から遊技制御基板31に信号が与えられる可能性がある信号ラインをより確実になくすことができる。
【0205】
さらに、図31に示された構成では、ランプ制御基板35において、リセットスイッチ360の出力が入力ポートに導入されている。ランプ制御用CPU351は、エラー発生後にリセットスイッチ360が押圧されたことを検出すると、制御をエラー発生前の状態に戻す。
【0206】
エラーとして、たとえば遊技制御基板31から受信したランプ制御コマンドが異常であった(未定義コマンドなど)場合がある。ランプ制御用CPU351がエラー発生後でもランプ制御コマンドを受信して記憶するように構成されていれば、リセットスイッチ360の押圧に基づいて、記憶している受信コマンドに基づく表示制御を行なうことによって、エラー発生が遊技演出に及ぼす影響を小さくすることができる。
【0207】
なお、図31では図示を省略しているが、実際には、ランプ制御用CPU351の内蔵出力ポートと各ランプ・LEDとの間にはドライバ回路が挿入されている。
【0208】
<その他のランプ制御コマンドの説明>
次に、図32〜図34を参照して、その他のランプ制御コマンドについて説明する。上述した共通コマンド以外のその他のランプ制御コマンドには、特別図柄の始動記憶表示器18(図1参照)のLEDを制御するためのコマンド、普通図柄の始動を記憶するための通過記憶表示器10a(図1参照)を制御するためのコマンド、普通図柄可変表示器10(図1参照)を表示制御するためのコマンドなどがある。
【0209】
普通図柄用可変表示器10を表示制御するためのランプ制御コマンドには、普通電動役物14の作動中状態を表示するためのランプ制御コマンドと、普通図柄の変動開始と変動停止とを指示するためのランプ制御コマンドとがある。
【0210】
普通図柄の変動開始と変動停止とを指示するためのランプ制御コマンドは、図32を参照して、普通図柄用可変表示器10を表示制御するためのランプ制御コマンドのMODEデータは「85H」であり、EXTデータは「00H」〜「02H」のうちのいずれかである。これらのEXTデータのうち、変動開始コマンド「00H」により普通図柄の変動開始が指定され、変動停止コマンド「01H」により普通図柄の変動を停止させて結果を当りとすることが指定され、変動停止コマンド「02H」により普通図柄の変動を停止させて結果を外れとすることが指定される。なお、当りに対応する図柄の種類、および外れに対応する図柄の種類についてはランプ制御基板35側に記憶されており、ランプ制御基板35は遊技制御基板31からのこれらの制御コマンドを受けて自ら記憶している当り図柄または外れ図柄を表示させる。しかしながら、これに代えて、遊技制御基板31が普通図柄の種類までを特定できるように、変動停止に対応する制御コマンドの種類を増やしてもよい。また、変動開始コマンドにより変動を開始し(変動時間を指定)、その後、普通図柄の停止図柄を指定するコマンドを送出し、変動の停止時期には停止コマンドを出力するようにしてもよい。
【0211】
図33は、普通図柄の変動コマンドと変動停止コマンドの出力タイミングを説明するためのタイミングチャートである。特別図柄の変動パターンと同様、普通図柄についても、その変動を開始させるタイミングで変動開始コマンド「85H00H」が遊技制御基板31から出力される。ランプ制御基板35は、この変動開始コマンドを受けて普通図柄の変動を開始させる。その後、所定時間が経過すると、遊技制御基板31から変動停止コマンド「85H XXH」が出力される。これを受けて、ランプ制御基板35は、普通図柄の変動を停止させ、当りまたは外れの結果を導出表示させる。
【0212】
なお、ここでは、普通図柄はランプ制御基板によって制御されるように構成したが、表示制御基板80により制御されるように構成してもよい。この場合には、表示制御コマンドとして普通図柄の変動開始コマンドおよび変動停止コマンドが表示制御基板80から出力されることになる。
【0213】
図34を参照して、特別図柄の始動記憶表示器18を制御するためのコマンドのMODEデータは「10H」であり、EXTデータは「00H」〜「04H」のうちのいずれかである。これらのEXTデータのうち、「00H」により4つの始動記憶表示用ランプ(LED)をすべて消灯させることが指定され(始動記憶数=0)、「01H」により始動記憶数=1に対応して左端のLEDを1つだけ点灯させることが指定され、「02H」により始動記憶数=2に対応して左側2つのLEDを点灯させ右側2つのLEDを消灯させることが指定され、「03H」により始動記憶数=3に対応して右端のLED以外の3つのLEDを点灯させることが指定され、「04H」により4つのLEDすべてを点灯させることが指定される。普通図柄用の始動記憶表示器のMODEデータは「11H」であり、EXTデータは特別図柄用のランプ制御コマンドと同一である。
【0214】
なお、始動記憶表示器(特別図柄用/普通図柄用)を制御するためのランプ制御コマンドについては、4つの各LEDに対応した制御コマンドを設けて、各LED別のランプ制御コマンドによって各LEDの点灯/消灯を指定するようにしてもよい。
【0215】
さらに、コマンドのMODEデータが「04H」のランプ表示コマンドは、普通電動役物14の作動中状態を表示するためのランプ制御コマンドである、MODEデータが「04H」のランプ表示コマンドは、EXTデータが「04H」〜「06H」のいずれかである。EXTデータ「04H」により普通図柄用可変表示器10に「2」を表示させることが指定され、EXTデータ「05H」により普通図柄用可変表示器10に「1」を表示させることが指定され、EXTデータ「05H」により普通図柄用可変表示器10に「1」を表示させることが指定される。EXTデータが「04H」のランプ制御コマンドは、普通図柄用可変表示器10の表示結果が当りとなり、普通電動役物14が作動中となった場合に出力される。EXTデータが「05H」のランプ制御コマンドは、普通電動役物14へ1個の入賞があった場合に出力される。EXTデータが「06H」のランプ制御コマンドは、普通電動役物14へ2個の入賞があった場合、または、入賞普通電動役物14の開放動作が行なわれなくなって、普通電動役物動作中信号がOFFとなった場合に出力される。
【0216】
前述の説明では、普通電動役物の作動中に入賞した個数を表示する例を示したが、以下に開放回数を表示する例について述べる。
【0217】
なお、MODEデータが「04H」でEXTデータが「04H」のランプ制御コマンドを上述のEXTデータ「85H」でEXTデータが「01H」のランプ制御コマンドに置き換えてもよい。普通図柄用可変表示器10が変動を停止して当りとなった場合には、普通電動役物14が作動中となるので、これと同時、または、所定の時間経過後に普通図柄用可変表示器10を「2」の表示に切替えることができる。これにより、普通電動役物14が作動中の状態であることを普通図柄用可変表示器10で表示することができる。
【0218】
第1の実施の形態において、普通電動役物14の作動中状態を普通図柄用可変表示器10を2つのLEDからなる状態表示器で代用する変形例を示した。この2つのLEDからなる状態表示器を用いて普通電動役物14の作動中状態を表示する場合には、EXTデータ「04H」により状態表示器の2つのLEDを点灯させることが指定され、EXTデータ「05H」により状態表示器の1つのLEDを点灯させることが指定され、EXTデータ「06H」により状態表示器の2つのLEDを消灯させることが指定される。
【0219】
なお、低確率設定時(低確中)においては、1回の普通電動役物の開放中であることを示す「1」が表示され、高確率設定時(高確中)においては、最初の普通電動役物の開放中であることを示す「2」が表示され、次の普通電動役物の開放時には2回目の普通電動役物の開放中であることを示す「1」が表示され、普通電動役物の閉鎖時には「0」が表示される。
【0220】
[第3の実施の形態]
図35は、実施の形態3における普通図柄に関する表示制御コマンドの出力タイミングを説明するためのタイミングチャートである。この実施の形態3についても、その変動を開始させるタイミングで普通図柄変動開始コマンドが遊技制御基板31から出力される。
【0221】
その後、遊技制御基板31から左図柄用の普通図柄指定コマンド「60H XX(XXは、00または01)H」が出力され、続いて、右図柄用の普通図柄指定コマンド「61H XXH」が出力される。表示制御用CPU101は、これを受けて、2桁の普通図柄の変動結果を認識する。
【0222】
普通図柄の変動が開始してから、普通図柄変動開始コマンドによって指定される可変表示時間Txが経過した時点で、普通図柄変動停止コマンド「70H 00H」が出力される。これを受けて、表示制御用CPU101は、普通図柄の変動を停止させ、2種類の普通図柄指定コマンドに従う当りまたははずれの結果を導出表示させる。
【0223】
[第4の実施の形態]
次に、図36〜図38を参照して、実施の形態4を説明する。この実施の形態4は、普通図柄の表示態様および普通図柄の受信エラー表示態様に関する変形例である。
【0224】
図36は、普通図柄の表示態様を説明するための説明図である。また、図37および図38は、図36に示された普通図柄の表示制御を実現するための普通図柄制御処理2を説明するためのフローチャートである。
【0225】
この実施の形態4においては、図36の最右欄に示されるように、クロス(×)とサークル(○)との2種類の普通図柄が2桁で表示される。したがって、表示結果としては、「○×」、「×○」、「××」、「○○」の4通りがある。このうち、たとえば、「○○」が小当り(当り)である。
【0226】
この普通図柄は、特別図柄とは区画されて表示される。また、普通図柄の表示制御に用いられるコマンドは、図35のタイミングチャートに従って遊技制御基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ33a(図3参照)から表示制御基板80の表示制御用CPU(図示せず)に送信される。すなわち、まず、普通図柄の変動を開始させるタイミングで普通図柄変動開始コマンドが送信される。次に、左図柄用の普通図柄指定コマンド(普通図柄指定コマンド1)と右図柄用の普通図柄指定コマンド(普通図柄指定コマンド2)がその順で出力され、最後に、普通図柄変動停止コマンドが出力される。
【0227】
普通図柄の表示結果が当りになった場合には、当り状態になるが、当り状態の具体例としては、大当り状態において繰返し継続制御される特別可変入賞球装置とは別の普通可変入賞球装置(たとえば、普通電動役物15)が開放されるもの、あるいは、大当り状態において繰返し継続制御される可変入賞球装置がごく短い期間だけ開放されるもの、のいずれであってもよい。
【0228】
図36を参照して、コマンド受信状況に対応する図柄の表示態様(動作内容)について、図示の「状況1〜状況6」の順に説明する。「コマンド受信状況」欄には、各コマンドの受信状況が○または×の記号により示されている。なお、○は受信有を示し、×は受信無を示す。
【0229】
(状況1)
普通図柄変動開始コマンド、普通図柄指定コマンド(1,2)、普通図柄変動停止コマンド、の順で、各コマンドが受信できた場合には、普通図柄は正常に変動を開始し、普通図柄変動開始コマンドにより指定される可変表示時間経過後に、普通図柄指定コマンド(1,2)により指定される図柄で停止する。
【0230】
(状況2)
普通図柄変動開始コマンドが受信できたものの、ノイズその他の影響によって、普通図柄指定コマンド(1,2)が共に欠落して受信できず、普通図柄変動開始コマンドの次に普通図柄変動停止コマンドが受信された場合には、普通図柄変動開始コマンドが受信されたタイミングで普通図柄が変動を開始し、普通図柄変動停止コマンド受信時に、たとえば、左図柄をクロス「×」、右図柄をサークル「○」として、それら2種類の図柄が同時に点滅する。なお、このような点滅表示を行なうための設定を設定1と呼ぶ。
【0231】
(状況3)
普通図柄変動開始コマンドが受信できたものの、ノイズその他の影響によって、普通図柄指定コマンド(1,2)のうち一方しか受信できず、その後に普通図柄変動停止コマンドが受信された場合には、普通図柄変動開始コマンドが受信されたタイミングで普通図柄が変動を開始し、普通図柄変動停止コマンド受信時に、前記一方の普通図柄指定コマンドに対応する側の図柄は当該一方の普通図柄指定コマンドが指定する種類の図柄で点滅表示され、受信されていない他方の普通図柄指定コマンドに対応する側の図柄は前回受信された普通図柄指定コマンドが指定する種類の図柄(停止図柄メモリ内に記憶)が点滅表示される。なお、このような点滅表示を行なうための設定を設定2と呼ぶ。
【0232】
(状況4)
ノイズその他の影響によって、普通図柄変動開始コマンドが受信できず、普通図柄指定コマンド(1,2)と普通図柄変動停止コマンドとが受信された場合には、普通図柄変動停止コマンド受信時に、普通図柄指定コマンド(1,2)が指定する種類の図柄が点灯表示される。この場合、普通図柄変動停止コマンドが受信されるまで図柄は変動せず、普通図柄変動停止コマンドが受信されたタイミングで、普通図柄指定コマンド(1,2)が指定する種類の図柄に切替表示される。なお、このような表示を行なうための設定を設定3と呼ぶ。
【0233】
(状況5)
ノイズその他の影響によって、普通図柄変動開始コマンドおよび普通図柄指定コマンド(1,2)が受信できず、普通図柄変動停止コマンドのみが受信された場合には、普通図柄変動停止コマンド受信時に、たとえば、左図柄をクロス「×」、右図柄をサークル「○」として、それら2種類の図柄が同時に点滅する。なお、このような点滅表示を行なうための設定を設定4と呼ぶ。
【0234】
(状況6)
ノイズその他の影響によって、普通図柄変動開始コマンドと、普通図柄指定コマンド1,2のうちの一方の普通図柄指定コマンドしか受信できなかった場合には、図柄は変化しない。つまり、普通図柄は変動を開始せず、また、受信できた前記一方の普通図柄指定コマンドは無視される。なお、このような表示を行なうための設定を設定5と呼ぶ。
【0235】
次に、図37および図38を参照して、上記設定1〜設定5を行なうために必要な処理内容について説明する。なお、以下の処理は、普通図柄制御処理と同様、表示制御基板側の表示制御用CPUによって実行される。
【0236】
以下に説明する普通図柄制御処理2においては、制御用のフラグとして、フラグA、フラグB1、フラグB2、および、フラグCが用いられる。フラグAは、普通図柄変動開始コマンドの受信によって0から1に更新される。フラグB1は普通図柄指定コマンド1の受信によって0から1に更新される。フラグB2は普通図柄指定コマンド2の受信によって0から1に更新される。そして、フラグCは普通図柄変動停止コマンドの受信によって0から1に更新される。
【0237】
よって、フラグ(A,B1,B2,C)の状態を確認することで、コマンドの受信状況をチェックできる。たとえば、普通図柄変動開始コマンドにより指定された可変表示時間が経過した時点で、フラグ(A,B1,B2,C)の値が(1,1,1,1)であれば、各コマンドが正常に受信されており、図36に示した「状況1」であることがわかる。あるいは、(1,0,0,1)であれば、普通図柄指定コマンド1,2が欠落しており、図36に示した「状況2」であることがわかる。以下、図面に基づいて説明する。
【0238】
まず、普通図柄変動開始コマンドが受信されたか否かが判断され(S901)、普通図柄変動開始コマンドが受信されたと判断された場合にはフラグAが1にセットされ(S902)、続いて、その普通図柄変動開始コマンドで指定された可変表示時間で普通図柄を変動させるための設定がなされる(S903)。なお、この時、普図変動タイマの値が、普通図柄変動開始コマンドにより指定される可変表示時間に設定される。次に、普図変動タイマが更新(減算更新)される。
【0239】
S901でNOと判断された場合には、普通図柄指定コマンドが受信されたか否かが判断される(S905)。普通図柄指定コマンド1,2のうち、いずれかが受信されたと判断された場合には、そのコマンドに応じて、フラグB1またはB2が1にセットされる(S906)。その後、停止図柄メモリにその受信されたコマンドによって指定される図柄が記憶される(S907)。続いて、普通図柄の変動設定がされているか否かが判断され(S907a)、S903の変動設定がされている場合にはS904に進み、そうでない場合には処理が終了する。
【0240】
S905でNOと判断された場合には、普通図柄変動停止コマンドが受信されたか否かが判断される(S908)。普通図柄変動停止コマンドが受信されたと判断された場合には、フラグCが1にセットされ(S909)、その後、後述するS910に進む。
【0241】
一方、普通図柄変動停止コマンドが受信されていないと判断された場合には、普通図柄の変動設定がされているか否かが判断され(S918a)、S903の変動設定がされていない場合には処理が終了するが、変動設定がされている場合には、普図変動タイマがタイムアップしているか否かが判断される(S918b)。
【0242】
そして、タイムアップしていない場合にはS904に進むが、タイムアップしている場合、すなわち、既定時間であるにも拘らず普通図柄変動停止コマンドが受信できていない場合には、S910に進む。
【0243】
S910では、フラグ(A,B1,B2,C)が判定され、判定結果に応じて各処理に移行する(S911〜S916)。
【0244】
すなわち、フラグ(A,B1,B2,C)=(1,1,1,1)である場合には、普通図柄変動停止コマンドに従い普通図柄の変動を停止させて普通図柄指定コマンド(1,2)に対応する図柄種類で確定表示をさせる設定がされる(S911)。この状況は、図36の状況1に対応する。
【0245】
フラグ(A,B1,B2,C)=(1,0,0,1)である場合には、設定1の表示設定が行なわれる(S912)。これにより、図36の状況2に示す表示制御がなされる。
【0246】
フラグ(A,B1,B2,C)=(1,1,0,0)または(1,0,1,0)である場合には、設定2の表示設定が行なわれる(S915)。これにより、図36の状況3に示す表示制御がなされる。
【0247】
フラグ(A,B1,B2,C)=(0,1,1,1)である場合には、設定3の表示設定が行なわれる(S913)。これにより、図36の状況4に示す表示制御がなされる。
【0248】
フラグ(A,B1,B2,C)=(0,0,0,1)である場合には、設定4の表示設定が行なわれる(S914)。これにより、図36の状況5に示す表示制御がなされる。
【0249】
フラグ(A,B1,B2,C)=(0,1,0,0)または(0,0,1,0)である場合には、設定5となる(S916)。これにより、図36の状況6となる。すなわち、特に、図柄を変化させるような制御は実行されない。
【0250】
上記各処理の後、フラグ(A,B1,B2,C)がすべて0に更新され(S919)、処理が終了する。
【0251】
以上、説明したように、実施の形態4においては、コマンドの受信状況に応じて図柄の表示態様が変化する。特に、図36の「状況2〜状況5」のような受信エラーが発生している場合には、その受信エラー状況に応じて図柄が点滅表示される。なお、ここでは、普通図柄は画像表示装置の一例となる可変表示装置8の可変表示部9に表示されるものとしたが、これに限られるものではなく、可変表示装置8の可変表示部9とは異なる普通図柄用ランプ部96に表示されるように構成してもよい。
【0252】
[第5の実施の形態]
次に、図39〜図41を参照して、実施の形態5を説明する。この別実施の形態5では、普通図柄用ランプ部96の各種変形例と、普通図柄指定コマンドの構成の各種変形例とを説明する。
【0253】
図39および図40は、普通図柄用ランプ部96の各種変形例とランプパターンとを説明するための説明図である。図39(a)〜(d)、図40(a),(b)には、普通図柄用ランプ部96の平面図と各々に対応するランプパターンを示すタイミングチャートとが示されている。
【0254】
なお、普通図柄用ランプ部96の表面を覆うカバー98は、各普通図柄用ランプ部96の平面図には示されておらず、図39の(1)〜(4)にまとめて示されている。カバー98と本体との対応関係については、後述する。
【0255】
普通図柄用ランプ部96のランプパターンとして、ここでは、「走行パターン」と「伸縮パターン」とを説明する。「走行パターン」とは、普通図柄用ランプ部96上で光が左から右に流れるように走行することで普通図柄が変動するパターンである。一方、「伸縮パターン」とは、普通図柄用ランプ部96上で光のラインが左から右に次第に伸びてゆき、その後、左方向にラインが縮んでゆくように変化することで普通図柄が変動するパターンである。
【0256】
「走行パターン」については図39(a)〜(d)に示され、「伸縮パターン」については図40(a),(b)に示されている。
【0257】
まず、図39(a)を参照して、「走行パターン1」で普通図柄を変動させる普通図柄用ランプ部96について説明する。この普通図柄用ランプ部96には、同一色で発光する4つのLED97a,97b,97c,97dが水平方向に並んで設けられている。なお、以下の普通図柄用ランプ部96の説明においては、図面に向かって左側のLEDから順に、第1ランプ、第2ランプ、第3ランプ…ともいう。
【0258】
「走行パターン1」においては、普通図柄の変動を開始させる普通図柄変動開始コマンドが送信されると、図示のように、第1ランプ(LED97a)、第2ランプ(LED97b)、第3ランプ(LED97c)、第4ランプ(LED97d)、第1ランプ(LED97a)…の順に繰り返し点滅し、普通図柄用ランプ部96上で光が走行する。そして、所定の変動時間経過後、第1ランプ〜第4ランプのうちのいずれか1つのみが点灯状態となり、他のランプは消灯状態となる。
【0259】
この普通図柄用ランプ部96には表面を覆うカバー98が設けられるのであり、たとえば、図39の(1)あるいは(2)をカバー98として用いることができる。
【0260】
図39の(1),(2)に示されたカバー98には、普通図柄用ランプ部96に内蔵された各LED97a〜97dに対応して、円形の透明部材92が4つ設けられており、各々の透明部材によって普通図柄が構成されている。図39(a)の普通図柄用ランプ部96の場合、これら4つの普通図柄92のうち、最も左側に位置する普通図柄が当り図柄であり、普通図柄の変動が停止した際に、その当り図柄が点灯していると当りになり、他の図柄が点灯していると外れになる。
【0261】
特に、図39の(1)に示された当り図柄は、枠が装飾されており、それが当り図柄であることを遊技者が認識し易いように工夫されている。一方。図39の(2)に示された各普通図柄92にはそれが当り図柄であるか外れ図柄であるかを示す文字が付されており、当り図柄および外れ図柄を遊技者が認識し易いように工夫されている。
【0262】
次に、図39(b)を参照して、「走行パターン2」で普通図柄を変動させる普通図柄用ランプ部96について説明する。この普通図柄用ランプ部96には、青色で発光する1つのLED97aと、赤色で発光する3つのLED97b,97c,97dとがその順で左側から順に並ぶように設けられている。
【0263】
「走行パターン2」においては、前述した「走行パターン1」と同様、普通図柄の変動を開始させる普通図柄変動開始コマンドが送信されると、図示のように、第1ランプ、第2ランプ、第3ランプ、第4ランプ、第1ランプ…の順に繰り返し点滅し、所定の変動時間経過後、第1ランプ〜第4ランプのうちのいずれか1つのみが点灯状態となり、他のランプは消灯状態となる。
【0264】
この普通図柄用ランプ部96には、たとえば、図39の(1)あるいは(2)をカバー98として用いることができ、4つの普通図柄92のうち、最も左側の青色で発光する普通図柄が当り図柄となり、その他の赤色で発光する普通図柄が外れ図柄となる。
【0265】
次に、図39の(c)を参照して、「走行パターン3」で普通図柄を変動させる普通図柄用ランプ部96について説明する。この普通図柄用ランプ部96には、6つのLED97a〜97fが内蔵されている。ここで、LED(97a,97b)、LED(97c,97d)、LED(97e,97f)がグループ(第1〜第3グループ)を構成しており、普通図柄変動開始コマンドが送信されると、図示のタイミングチャートに示されるように、第1グループ、第2グループ、第3グループ、第1グループ…の順に各グループのLEDが対となって同時に点滅することを繰り返す。そして、所定の変動時間経過後、第1グループ〜第3グループのうちのいずれか1つのグループのLEDのみが点灯状態となり、他のグループのLEDは消灯状態となる。
【0266】
この普通図柄用ランプ部96には、たとえば、図39の(3)あるいは(4)をカバー98として用いることができる。
【0267】
図39の(3),(4)に示されたカバー98には、図39の(1),(2)に示されたカバー98と同様、普通図柄用ランプ部96に内蔵された各LED97a〜97fに対応して、円形の透明部材が設けられており、各グループのLEDに対応する透明部材によって普通図柄が構成されている。図39の(b)の普通図柄用ランプ部96の場合、左側の1組の普通図柄92が当り図柄であり、普通図柄の変動が停止した際に、その当り図柄が点灯していると当りになり、他の図柄が点灯していると外れになる。
【0268】
特に、図39の(3)に示された当り図柄は、図39の(1)と同様に枠が装飾されている。一方、図39の(4)に示された普通図柄には、図39の(2)と同様に当り図柄であるか外れ図柄であるかを示す文字が付されている。
【0269】
次に、図39の(d)を参照して、「走行パターン4」で普通図柄を変動させる普通図柄用ランプ部96について説明する。この普通図柄用ランプ部96には、図39の(c)に示された普通図柄用ランプ部96と同様、第1〜第3グループを構成する6つのLED97a〜97fが内蔵されている。ただし、第1グループのLED(97a,97b)は青色で発光し、第2および第3グループのLED(97c,97d)、LED(97e,97f)は赤色で発光する。各LEDの
発光タイミングは、発光色が異なる点を除いて「走行パターン3」と同様である。
【0270】
この普通図柄用ランプ部96には、たとえば、図39の(3)あるいは(4)をカバー98として用いることができる。図39の(d)の普通図柄用ランプ部96の場合、左側の1組の普通図柄92が当り図柄であり、普通図柄の変動が停止した際に、その当り図柄が青色点灯していると当りになり、他の図柄が赤色点灯していると外れになる。
【0271】
次に、図39の(a)を参照して、「伸縮パターン1」で普通図柄を変動させる普通図柄用ランプ部96について説明する。この普通図柄用ランプ部96の構成は、図39(a)に示したものと同様である。
【0272】
「伸縮パターン1」においては、普通図柄の変動を開始させる普通図柄変動開始コマンドが送信されると、タイミングチャートに示されるように、第1ランプ(LED97a)、第2ランプ(LED97b)、第3ランプ(LED97c)、第4ランプ(LED97d)の順に点灯し、その後、逆に、第4ランプ、第3ランプ、第2ランプ、第1ランプの順で消灯することを繰返す。そして、所定の変動時間経過後、「全ランプ消灯状態、(第1ランプ点灯、第2〜第3ランプ消灯)状態、(第1,第2ランプ点灯、第3,第4ランプ消灯)状態、(第1〜第3ランプ点灯、第4ランプ消灯)状態、全ランプ点灯状態」のうちのいずれかの状態となって光の変動が停止される。このうち、たとえば、「全ランプ点灯状態」であれば普通図柄の当りであり、それ以外であれば外れとなる。なお、カバー98としては、たとえば、図39の(4)に示したカバー98から「当り」「外れ」の文字を削除したものを使用することができる。
【0273】
次に、図40(b)を参照して、「伸縮パターン2」で普通図柄を変動させる普通図柄用ランプ部96について説明する。この普通図柄用ランプ部96の構成は、図39(c)に示したものと同様であり、LED(97a,97b)、LED(97c,97d)、LED(97e,97f)がグループ(第1〜第3グループ)を構成しており、各々のグループ毎に点灯または消灯する。
【0274】
「伸縮パターン2」においては、普通図柄の変動を開始させる普通図柄変動開始コマンドが送信されると、タイミングチャートに示されるように、第1および第2ランプ、第3および第4ランプ、第5および第6ランプの順に点灯し、その後、逆に、第5および第6ランプ、第3および第4ランプ、第1および第2ランプの順で消灯することを繰返す。そして、所定の変動時間経過後、「全ランプ消灯状態、(第1および第2ランプ点灯、第3〜第6ランプ消灯)状態、(第1〜第4ランプ点灯、第5および第6ランプ消灯)状態、全ランプ点灯状態」のうちのいずれかの状態となって光の変動が停止される。このうち、たとえば、「全ランプ点灯状態」であれば普通図柄の当りであり、それ以外であれば外れとなる。
なお、カバー98としては、たとえば、図39(2)に示したカバー98から「当り」「外れ」の文字を削除したものを使用することができる。
【0275】
次に、図41を参照して、図39、図40を用いて説明した普通図柄用ランプ部96のランプパターンを用いる場合に適用可能な普通図柄指定コマンドの構成について説明する。
【0276】
図41(a)〜(d)には、各種の普通図柄指定コマンドの構成例が示されている。このうち、(a)には、はずれ/当りのみを指定する形態の普通図柄指定コマンドが示されている。この形態の普通図柄指定コマンドは、図39〜図40のうちのいずれに示した普通図柄用ランプ部96のパターンにも適用可能である。この普通図柄指定コマンドを受信した制御手段(ランプ制御基板35の制御用CPU351、または表示制御基板80の表示制御用CPU101)は、指定された結果となるように各LED97を独自に制御する。
【0277】
(b)には、各ランプ(LED97a〜LED97f)の点灯状態を直接指定することで、遊技制御側のCPU56が事前決定した普通図柄の表示結果が導出表示されるようにする普通図柄指定コマンドが示されている。この形態の普通図柄指定コマンドは、図39〜図40のうちのいずれに示した普通図柄用ランプ部96のパターンにも適用可能である。ただし、図39(a),(b)、図40(a)の場合には、第5、第6ランプ用の普通図柄指定コマンドは不要である。
【0278】
たとえば、図39(a)のパターンに適用する場合には、普通図柄の表示結果を当りにする際に、「第1ランプ点灯、その他のランプ消灯」を指定するために「61h01h」、および、「62h00h」、「63h00h」、「64h00h」が送信される。一方、表示結果をはずれとする際には、第1ランプ消灯を指定する「61h00h」が送信される。さらに、「61h〜64h」のMODEデータのうちのいずれか1つに対応するEXTデータが点灯を指定する「01h」として送信され、その他のMODEデータに対応するEXTデータが消灯を指定する「00h」として送信される。
【0279】
(c)には、図39(b),(d)のパターンに適用可能な普通図柄指定コマンドが示されている。この普通図柄指定コマンドでは、青色発光するLED(ランプ)の点灯状態と、赤色発光するLED(赤ランプ)の点灯状態とが指定される。ここで、指定内容欄において「いずれか点灯」とあるのは、普通図柄のうち任意の1の普通図柄に対応する赤ランプを点灯させ、その他の普通図柄に対応する赤ランプを消灯させることを意味する。
【0280】
たとえば、図39(b)の場合には、青色発光するLED97aの点灯状態がモードデータ「60h」によって指定され、赤色発光するLED97b〜97dの点灯状態がモードデータ「60h」によって指定される。また、図43(d)の場合には、青色発光するLED97a,97bの点灯状態がモードデータ「60h」によって指定され、赤色発光するLED97c〜97fの点灯状態がモードデータ「60h」によって指定される。
【0281】
具体的には、表示結果を当りとする場合には、「60h01h」と「61h00h」とが送信され、表示結果をはずれとする場合には、「60h00h」と「61h01h」とが送信される。特に、「61h01h」が送信された場合には、図39(b)の普通図柄用ランプ部96では、赤色発光するLED97b〜97dのうちの任意の1つのLEDが点灯状態とされ、その他のLEDが消灯状態とされる。同様に、図43(d)の普通図柄用ランプ部96では、赤色発光するLED97b〜97fのうちの任意の1つのグループのLEDが点灯状態とされ、その他のグループのLEDが消灯状態とされる。
【0282】
(d)には、図39(d)、図40(b)のパターンに適用可能な普通図柄指定コマンドが示されている。この普通図柄指定コマンドでは、LEDのグループ別にLEDの点灯状態を直接指定することで、遊技制御側のCPU56が事前決定した普通図柄の表示結果が導出表示されるようにする普通図柄指定コマンドが示されている。
【0283】
たとえば、表示結果を当りとする場合には、「61h01h」と「62h00h」と「63h00h」とが送信される。また、表示結果をはずれとする場合には、「61h00h」と「62h01h」と「63h00h」とが送信されるか、または、「61h00h」と「62h00h」と「63h01h」とが送信される。
【0284】
次に、以上説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 普通電動役物14は、始動入賞領域を構成するが、始動入賞領域を構成しない電動役物をさらに設け、その電動役物が確率変動状態に付随して開放時間が延長されるようにしてもよい。すなわち、請求項1に示される「入賞状態可変手段」は、始動入賞領域を構成する電動役物に限定されるものではない。
【0285】
(2) 実施の形態で示した普通電動役物14が作動している期間中に行なう報知は、効果音によるものでもよい。この場合には、作動している全期間に効果音を発するようにしてもよい。また、作動開始時と終了時にのみ効果音を発するようにしてもよい。さらに、打玉が普通電動役物14に入賞し、始動口スイッチ17により検出された時に音を発生させれば、入賞数を数え易くなる。
【0286】
(3) 可変入賞手段の所定遊技状態とは、打玉が入賞しやすい開成状態に変化可能な状態である。実施の形態においては、可変入賞手段の所定遊技状態は、図4〜図8において、普通電動役物作動中信号(C)がONとなっている期間における普通電動役物ソレノイド(F)の状態で示される。第2の状態は、図4〜図8において、普通電動役物作動中信号(C)がOFFとなっている期間における普通電動役物ソレノイド(F)の状態で示される。
【0287】
(4) 高入賞状態が複数回繰り返すとは、実施の形態におけるパチンコ遊技機1では入賞状態可変手段の開閉動作を2回としたが、これに限られるわけでなく、2回以上としてもよい。
【0288】
(5) 前記特別条件が成立した場合の前記所定遊技状態が発生し易い特別遊技状態の一例として確率変動状態を挙げ、確率変動状態の全期間にわたって、普通図柄の当り確率が高くなるとともに、その期間に検出された打玉の通過ゲート11aの通過に基づく普通図柄の変動時間が短縮されるものとした。また、確率変動状態の全期間にわたって、普通図柄の当り確率が高くなるとともに、その期間に検出された打玉の通過ゲート11aの通過に基づく普通図柄の変動時間が短縮されるものとした。
【0289】
また、確率変動状態に制御されている期間中に検出された打玉の通過ゲート11aの通過に基づいて、普通図柄の当り判定がなされた場合には、その当りに基づく普通電動役物14の開放時間が延長され、かつ、その開放回数が増加されるものとした。
【0290】
しかしながら、これに代えて、確率変動状態中は普通図柄の当り確率および変動時間は元のままであって、普通電動役物14の開放時間の延長または開放回数の増加のうちのいずれか一方がなされるようにしてもよい。逆に確率変動状態中は普通図柄の当り確率は向上しかつ変動時間は短縮され、普通電動役物14の開放時間や開放回数は変化しないように構成してもよい。
【0291】
さらに、確率変動状態のうちの全期間ではなく一定期間(たとえば、確率変動状態に移行してから所定時間が経過するまでの間)においてのみ、普通図柄の当り確率が向上されるようにしたり、その一定期間中に検出された打玉の通過ゲート11aの通過に基づいて、普通図柄の当り判定がなされた場合に、その当りに基づく普通電動役物14の開放時間が延長され、かつ、その開放回数が増加されるようにしてもよい。
【0292】
(6) 本発明は、クレジット式のパチンコ遊技機にも適用可能である。クレジット式のパチンコ遊技機は、たとえば、以下のように構成されている。遊技機の玉貯留皿(上皿、下皿)の底部が遊技機設置島内の玉通路に連通しており、玉抜きレバーの操作により(あるいは、遊技機の玉貯留皿が所定量の玉で満たされたことを条件に自動的に)、遊技機の玉貯留皿(上皿、下皿)に貯留された玉が玉貯留皿の底部から排出されて遊技機設置島内の玉通路に案内され、所定位置に設けられた玉検出器によってその排出玉が検出される。遊技機の所定位置には、玉検出器の検出に基づいてクレジットを加算更新して表示するクレジット表示器が設けられ、玉貯留皿からの玉の排出と引換えにしてクレジット数が加算更新される。遊技者が遊技を終了し、すべての貯留玉をクレジットに変換した場合には、その後の所定操作によって、所定のクレジット数特定用カードにクレジットが記録され、所定位置からそのクレジット数特定用カードが遊技者に排出される。
遊技者は、そのクレジット数特定用カードにより特定されるクレジットを用いて景品交換等を行なう。
【0293】
(7) 第1種のパチンコ遊技機の他、第2種や第3種のパチンコ遊技機にも適用可能である。たとえば、第2種のパチンコ遊技機には一般的に始動入賞領域が3つ設けられるが、それら全てまたはいずれかの始動入賞領域を普通電動役物とその作動中の状態を示す作動報知手段とで構成するようにしてもよい。さらに、可動片を有する普通電動役物を複数、遊技領域に設け、その普通電動役物のうちに始動入賞領域として機能する入賞領域Aと、始動入賞領域として機能しない一般入賞領域Bとが含まれるように構成した場合には、入賞領域Aへの入賞に基づいて始動入賞信号が出力されるようにし、一般入賞領域Bへの入賞に基づいて普通電動役物入賞信号(始動入賞信号でない)が出力されるようにしてもよい。
【0294】
また、本発明でいう「入賞」とは、遊技領域内のパチンコ玉が所定の入賞領域に進入して再度遊技盤面に放出されるといういわゆる「通過」をも含む広い概念である。
【0295】
(8) リーチ状態とは、表示状態が変化可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せとなった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特定遊技状態)となる遊技機において、前記複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が前記特定の表示態様の組合せとなる条件を満たしている表示状態をいう。
【0296】
また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、可変表示装置の可変表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、前記特定の表示態様となる表示条件から外れていない表示態様をいう。そして、たとえば、前記特定の表示態様の組合せが揃った状態を維持しながら複数の前記可変表示部による可変表示を行なう状態もリーチ状態に含まれる。
【0297】
また、リーチ状態とは、可変表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、前記表示結果が導出表示される以前に決定されている前記複数の可変表示部の表示結果の少なくとも一部が前記特定の表示態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0298】
(9) ゲートスイッチ10aにより打玉が検出された時点が図4(C)によって示される普通図柄の確率変動状態の期間(普通図柄の変動時間短縮状態の期間)であった場合に、その検出に基づいて導出表示される普通図柄用可変表示器10の表示結果が高い確率で当りとされるようにし、また、その検出に基づく普通図柄用可変表示器10の可変表示期間を短縮するようにした。しかしながら、これに代えて、その検出に基づいて通過記憶1がなされた場合、その通過記憶1を消化できる時点(たとえば、その通過記憶1の前に記憶されていた通過記憶0が可変表示のために消化されてその通過記憶1に基づいて普通図柄用可変表示器10を可変開始できるようになった時点)が図4(C)によって示される普通図柄の確率変動状態の期間(普通図柄の変動時間短縮状態の期間)であった場合に、その通過記憶1に基づいて導出表示される普通図柄用可変表示器10の表示結果が高い確率で当りとされるようにし、また、その検出に基づく普通図柄用可変表示器10の可変表示期間を短縮するようにしてもよい。
【0299】
(10) 普通電動役物14が作動中である場合に、普通図柄用可変表示器10で「8」〜「2」、「1」、または「0」を表示することにより、普通電動役物14が作動中に入賞した打玉の数を示すようにした。また、その変形例として8つのLEDを設けた状態表示部で、点灯するLEDの数により、普通電動役物14が作動中に入賞した打玉の数を示すようにしてもよい。しかしながら、普通電動役物14が作動中であることを報知するものであれば、例えば1つのLEDの点灯により作動中を、消灯により作動中でない旨を示すようにしてもよい。
【0300】
(11) 前述した実施形態においては、特別遊技状態の一例として、確率変動状態を示したが、これに限らず、特別遊技状態としては、確率変動状態を含め、以下のようなものを単独または組合わせて用いてもよい。▲1▼普通図柄の変動が開始してから表示結果が導出表示されるまでの変動時間を短縮する時間短縮制御が行なわれる遊技状態、▲2▼普通図柄の当りの発生確率を向上させる普通図柄当り確率向上制御が行なわれる遊技状態、▲3▼特別図柄の変動が開始してから表示結果が導出表示されるまでの変動時間を短縮する変動時間短縮制御が行なわれる遊技状態、▲4▼始動入賞口14に設けられた左右一対の可動片15(電動チューリップ)の開放回数を増加させる開放回数増加制御が行なわれる遊技状態、▲5▼可動片15の開放時間を延長させる開放時間延長制御が行なわれる遊技状態。
【0301】
(12) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0302】
【課題を解決するための手段の具体例】
(1) 普通電動役物14により、遊技者にとって有利な第1の状態(開放状態、すなわち、普通電動役物ソレノイドON状態)と、遊技者にとって不利な第2の状態(閉成状態、すなわち、普通電動役物ソレノイドがOFF状態)とに変化可能な可変入賞球装置が構成されている。パチンコ遊技機1は、該可変入賞球装置を、断続的に複数回前記第1の状態とすることが可能な有利状態(普通電動役物14の作動中信号がON)にするとともに、所定の終了条件の成立により前記有利状態を終了する(図4(E)〜図4(H))。さらに、本発明のパチンコ遊技機1は、前記有利状態となってから前記終了条件が成立するまでの有利状態期間を識別可能とする有利状態中信号を出力可能である(図4(H)の普通電動役物作動中信号ON:図27のS135,S142および図28のS146,S147)。
【0303】
なお、所定の終了条件は、普通電動役物14への入賞回数が8回となったこと、または、普通役物14の開放時間が0.2秒×1回または1.4秒×2回となったことにより成立する。
【0304】
(2) 前記有利状態中信号は、前記有利状態となってから前記終了条件(普通電動役物14に8回入賞があったこと、または、普通電動役物14の所定の開放時間が終了すること)が成立するまでの有利状態期間中継続して出力される。
【0305】
(3) パチンコ遊技機1は、前記可変入賞球装置が前記有利状態になりやすい特別遊技状態(確率変動状態または時間短縮状態)に制御可能である。また、パチンコ遊技機1は、前記有利状態中に前記可変入賞球装置への入賞数が所定数(普通電動役物14への入賞回数が8回)となったこと、または、前記有利状態となってから所定期間が経過したこと(普通役物14の開放時間が0.2秒×1回または1.4秒×2回)のうち、いずれかが成立した場合に、前記有利状態を終了させる(図28のS146,S147Sおよび図29のS151,S152)とともに、前記特別遊技状態中においては、前記特別遊技状態でない場合に対して、前記所定数を変更することなく、前記所定期間のみを長くする制御を行なう(普通役物14の開放時間が0.2秒×1回から1.4秒×2回、図27のS136〜S141)。
【0306】
第1の状態になる条件は、図4に示すように、ゲートスイッチ12が遊技球を検出して、普通図柄始動検出がONとなることである。有利状態とは、図4〜図8に示すように、普通図柄変動の終了により普通電動役物作動中信号がONとなっている場合である。特別遊技状態とは、図4の(b)に示すように、普通図柄確率変動信号および普通図柄変動時間短縮信号のうち少なくともいずれか一方がONとなっている状態である。また、普通電動役物14に遊技球が8回入賞した場合に入賞が所定数となる。
【0307】
(4) 前記特別遊技状態中に前記有利状態となった場合には、前記可変入賞球装置を断続的に複数回開放することが可能である(普通電動役者ソレノイドが2回ON状態、すなわち、普通電動役物14の開閉を2開繰り返す:図4(I)および図30のS153〜S159)。
【0308】
(5) 前記特別遊技状態中に前記有利状態となった場合(たとえば、普通電動役物14の入賞検出が8回あった場合)に、前記可変入賞球装置への入賞数が前記所定数となった場合には、それ以後において、前記可変入賞球装置を開放することなく前記有利状態を終了する(普通電動役物14の開閉を1回で終了する)ように設定されている(図7(E),(F)および図29のS151,S152)。
【0309】
(6) 主基板31により、遊技の進行を制御する遊技制御手段が構成されている。普通図柄用可変表示器10により、可変表示を開始した後、識別情報を導出表示可能な可変表示装置が構成されている。表示制御基板40により、前記遊技制御手段が出力した指令信号に応じて前記可変表示装置を制御する表示制御手段が構成されている。前記遊技制御手段は、前記特別遊技状態か否かに応じて、複数種類の可変表示時間(29.1秒および5.1秒)のうちから選択した図27のS135,S136,S138,S139)可変表示時間を識別可能な指令信号を、可変表示を開始するタイミングで、前記表示制御手段が読取可能に1回のみ出力する。
【0310】
(7) 前記遊技制御手段は、識別情報を指定する指令信号(85H 01H,85H 02H)を出力する(図25のS114〜S121)。
【0311】
(8) 前記遊技制御手段は、可変表示を終了するタイミングで前記識別情報の確定表示を指令する指令信号を出力する(図26のS129〜S132)。
【0312】
(9) 表示制御基板40により表示制御手段が構成されている。前記表示制御手段は、前記指令信号の受信エラーが発生した場合(未定義エラーを受信した場合)に受信エラー(遊技機エラー)を表示する制御を行なう。
【0313】
【課題を解決するための手段の具体例の効果】
請求項1に関しては、前記可変入賞球装置が前記第2の状態から前記第1の状態に変化することで前記有利状態となったときに出力を開始し、前記可変入賞球装置が前記第1の状態から前記第2の状態に変化することで前記有利状態が終了したときに出力を停止する有利状態中信号が生成され、しかも、前記信号生成手段によって生成される前記有利状態中信号は、前記特別遊技状態における前記有利状態中、前記可変入賞球装置が前記第2の状態から前記第1の状態に複数回変化する間も出力状態が維持されるため、1回の有利状態に対して可変入賞球装置が第1の状態と第2の状態とに複数回変化しても、1回の有利状態中信号しか生成されない。その結果、有利状態中信号と有利状態となるための所定条件の成立が1対1に対応するため、有利状態を発生させるための所定条件が成立した回数を計数することができる。
さらに、前記コマンド出力手段は、前記有利状態決定手段の決定結果を示す決定結果コマンドを出力するとともに、前記複数種類の識別情報を可変開始させてから表示結果を導出表示させるまでの変動時間を示す変動開始コマンドを前記複数種類の識別情報を可変開始させるときに出力し、その後においては可変開始させた識別情報の可変表示を制御するためのコマンドを出力せず、前記変動時間が経過したときに確定コマンドを出力する。一方、表示制御手段は、前記変動開始コマンドが示す変動時間内において前記複数種類の識別情報を可変表示させ、前記確定コマンドに応じて、前記決定結果コマンドに基づいた表示結果を停止表示させる。その結果、遊技制御手段の負担が軽減される。
【0317】
請求項2に関しては、請求項1に関する効果に加えて、特別遊技状態中に有利状態となった場合に、可変入賞球装置への入賞数が所定数となった場合には、それ以後において、可変入賞球装置を第1の状態にすることなく有利状態を終了することにより、所定回数の入賞数が発生すれば可変入賞球装置が第2の状態に変化するため、第1の状態における過剰な入賞による過剰な景品遊技媒体の払出が発生することを防止することができる。
【0321】
請求項3関しては請求項1または請求項2関する効果に加えて、表示制御手段は、コマンドの受信エラーが発生した場合に受信エラーを表示する制御を行なうため、エラーが発生していることを知覚することにより、エラーに対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機およびこれに対応して設置されたカードユニットの正面図である。
【図2】遊技盤の正面図である。
【図3】パチンコ遊技機の制御に用いられる各種制御基板およびそれに関連する構成要素を示すブロック図である。
【図4】普通電動役物14の開閉動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】確率変動状態でない場合の普通電動役物14の入賞個数と開閉動作との関係を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】確率変動状態にある場合の普通電動役物14の入賞個数と開閉動作との関係を説明するための第1のタイミングチャートである。
【図7】確率変動状態にある場合の普通電動役物14の入賞個数と開閉動作との関係を説明するための第2のタイミングチャートである。
【図8】確率変動状態にある場合の普通電動役物14の入賞個数と開閉動作との関係を説明するための第3のタイミングチャートである。
【図9】普通電動役物14が作動中における普通図柄用可変表示器10の表示状態を示す図である。
【図10】普通図柄用可変表示器10を普通電動役物14の近傍に設けた例を示す図である。
【図11】可変表示装置8の可変表示部9に普通図柄表示領域を設けた例を示す図である。
【図12】遊技制御に用いられる各種ランダムカウンタを説明するための説明図である。
【図13】特別図柄に関するランダムカウンタの抽出値に基づいて大当りとするか否かを事前決定するための処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図14】普通図柄に関するランダムカウンタの抽出値に基づいて当りとするか否かを事前決定するための処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図15】遊技制御のメイン処理と割込処理とを説明するためのフローチャートである。
【図16】特別図柄プロセス処理を説明するためのフローチャートである。
【図17】特別図柄判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図18】図柄変動設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図19】大当り開始処理を説明するためのフローチャートである。
【図20】大当り中処理を説明するためのフローチャートである。
【図21】大当り終了処理を説明するためのフローチャートである。
【図22】普通図柄プロセス処理を説明するためのフローチャートである。
【図23】ゲートスイッチ通過処理を説明するためのフローチャートである。
【図24】普通図柄通常処理を説明するためのフローチャートである。
【図25】普通図柄判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図26】普通図柄変動処理を説明するためのフローチャートである。
【図27】普通図柄停止処理を説明するためのフローチャートである。
【図28】普通電動役物作動処理を説明するためのフローチャートである。
【図29】普通電動役物カウント処理を説明するためのフローチャートである。
【図30】普通電動役物開放パターン処理を説明するためのフローチャートである。
【図31】第2の実施の形態における遊技制御基板およびランプ制御基板における信号送受信部分を示すブロック図である。
【図32】ランプ制御コマンドを説明するための第1の図である。
【図33】第2の実施の形態における普通図柄の変動コマンドと変動停止コマンドの出力タイミングとを説明するためのタイミングチャートである。
【図34】第2の実施の形態におけるランプ制御コマンドを説明するための第2の図である。
【図35】第3の実施の形態における普通図柄用の制御コマンドの出力タイミングを説明するためのタイミングチャートである。
【図36】第4の実施の形態における普通図柄の表示態様を説明するための説明図である。
【図37】第4の実施の形態における普通図柄制御処理2を説明するためのフローチャートである。
【図38】第4の実施の形態における普通図柄制御処理2を説明するためのフローチャートである。
【図39】第5の実施の形態における普通図柄用ランプ部の各種変形例とランプパターンとを説明するための説明図である。
【図40】第5の実施の形態における普通図柄用ランプ部の各種変形例とランプパターンとを説明するための説明図である。
【図41】第5の実施の形態における普通図柄指定コマンドの構成を説明するための説明図である。
【符号の説明】
10 普通図柄用可変表示器、12 ゲートスイッチ、14 普通電動役物、17 始動口スイッチ、31 主基板(遊技制御基板)、40 表示制御基板。

Claims (3)

  1. 複数種類の識別情報を可変開始させた後、表示結果を導出表示させる可変表示装置と、遊技者にとって有利な第1の状態と、遊技者にとって不利な第2の状態とに変化可能な可変入賞球装置を備え、前記可変表示装置の表示結果が特定の表示態様となった場合に可変入賞球装置を前記第1の状態とすることが可能な有利状態となる遊技機であって、
    前記可変入賞球装置が所定の通常遊技状態よりも前記有利状態になりやすい特別遊技状態に制御可能な遊技制御手段と、
    前記遊技制御手段が出力したコマンドに応じて前記可変表示装置を制御する表示制御手段とを含み、
    前記遊技制御手段は、
    前記有利状態に制御するか否かを決定する有利状態決定手段と、
    前記有利状態決定手段の決定結果を示す決定結果コマンドを出力するとともに、前記複数種類の識別情報を可変開始させてから表示結果を導出表示させるまでの変動時間を示す変動開始コマンドを前記複数種類の識別情報を可変開始させるときに出力した後、該出力の後においては可変開始させた識別情報の可変表示を制御するためのコマンドを出力せず、前記変動時間が経過したときに確定コマンドを出力するコマンド出力手段とを含み、
    前記表示制御手段は、前記変動開始コマンドが示す変動時間内において前記複数種類の識別情報の可変表示を行ない、前記確定コマンドに応じて、前記決定結果コマンドに基づいた表示結果を停止表示させる表示制御を行ない、
    前記遊技制御手段は、前記通常遊技状態においては前記可変入賞球装置を前記第2の状態から前記第1の状態に1回変化させて前記有利状態を終了させる一方、前記特別遊技状態においては前記可変入賞球装置を前記第2の状態から前記第1の状態に複数回変化させてから前記有利状態を終了させることが可能であり、
    前記遊技機は、前記可変入賞球装置が前記第2の状態から前記第1の状態に変化することで前記有利状態となったときに出力を開始し、前記可変入賞球装置が前記第1の状態から前記第2の状態に変化することで前記有利状態が終了したときに出力を停止する有利状態中信号を生成する信号生成手段を含み、
    前記信号生成手段によって生成される前記有利状態中信号は、前記特別遊技状態における前記有利状態中、前記可変入賞球装置が前記第2の状態から前記第1の状態に複数回変化する間も出力状態が維持されることを特徴とする、遊技機。
  2. 前記遊技制御手段は、前記特別遊技状態中に前記有利状態となった場合に、前記可変入賞球装置への入賞数が所定数となった場合には、それ以後において、前記可変入賞球装置を前記第1の状態にすることなく前記有利状態を終了することを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記表示制御手段は、前記コマンドの受信エラーが発生した場合に受信エラーを表示する制御を行なうことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の遊技機。
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