JP4581211B2 - 生物学的脱窒装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は上向流汚泥床(USB:Upflow Sludge Blanket)方式の生物学的脱窒装置に係り、特に、脱窒反応塔内の脱窒菌の粒状化汚泥(グラニュール)の浮上、流出を防止すると共に、脱窒反応塔内での残留有機物の酸化分解も可能とした生物学的脱窒装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
反応塔内に脱窒菌を高濃度で保持することができ、これにより処理効率の向上、装置の小型化が可能な生物学的脱窒装置として、グラニュールを利用したUSB方式の生物学的脱窒装置が提案されている。
【0003】
USB方式の生物学的脱窒装置は、脱窒菌の付着担体を用いることなく、反応塔内に脱窒菌を高濃度の粒状に凝集させたグラニュールの汚泥床を形成し、原水(有機性廃水)を反応塔下部から導入してこのグラニュールと接触させて原水中の硝酸性窒素、亜硝酸性窒素を分解し、脱窒処理水を反応塔上部の固気液分離部から取り出すものである。
【0004】
この際、脱窒反応に必要な有機物(通常メタノール)を原水に注入するが、脱窒反応を速やかに完了させるためには、理論上必要な有機物量よりも過剰に注入する必要があり、一般には理論量の約1.2倍(N濃度の約3倍)程度の有機物量となるように注入する。脱窒反応塔内において、原水に注入した有機物は脱窒された硝酸性窒素、亜硝酸性窒素の量に見合った量だけ消費されるが、原水中には前述の如く理論量より過剰の有機物を注入しているため、脱窒処理水中には脱窒反応で消費されなかった余剰の有機物が残留しており、BOD、CODが高く、当該水をこのまま放流することができない。従って、このような生物学的脱窒装置にあっては、脱窒反応で除去されずになお残留するメタノール等の有機物を除去する目的で、脱窒反応塔の後段に再曝気槽を設ける必要があり、この再曝気槽の容量が脱膣反応塔に比べて非常に大きいことが問題となっていた。
【0005】
この問題を解決するために、特許第2540150号公報には、反応塔内のグラニュール汚泥床の中間位置に散気手段を設けて酸素を吹き込むことにより、汚泥床の散気手段下部を脱窒部とし、上部を脱窒部で除去されなかった残留有機物の酸化分解部とし、この酸化分解部で残留有機物を除去するようにした生物学的脱窒装置が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなUSB方式生物学的脱窒装置における脱窒反応では、基質の汚泥への転換率が高いため、反応塔内の脱窒菌グラニュールは肥大化し易い。グラニュールが肥大化すると、反応によって生成する窒素ガスをグラニュール内部に包含しやすくなる。そして、窒素ガスを内包することにより比重が低下したグラニュールは浮上し、反応塔上部に堆積するようになり、本来、反応塔下部で汚泥床を形成すべきグラニュールの多くが反応塔上部に移行すると、反応塔下部から導入された原水中の硝酸性窒素、亜硝酸性窒素を反応塔内にて効率よくグラニュールと接触させて処理することができなくなり、処理が不安定となる。また、浮上したグラニュールが処理水とともに流出することによって、反応塔内に脱窒菌を高濃度で保持することができなくなり、処理効率が低下する。
【0007】
従って、生物学的脱窒装置の処理効率を安定に維持し、高水質の処理水を得るためには、この反応塔内のグラニュールの浮上、流出を防止する必要がある。
【0008】
しかし、特許第2540150号公報に記載される装置では、残留有機物の問題は解決されるが、浮上グラニュールの問題が考慮されていないため、グラニュール汚泥床の内部を曝気することで、グラニュールが過度に微細化されて多量に巻き上げられる結果、反応塔上部の固気液分離部の負荷が著しく増加する。そして、このために、固気液分離が困難となってグラニュールが処理水中に流出し、処理水SS濃度が高くなるという問題がある。
【0009】
また、グラニュール汚泥床内の汚泥の一部を有機物の酸化分解に供するため、脱窒反応のみを行わせる従来のUSB方式の生物学的脱膣装置に比べ、許容される窒素負荷量が低下するため、装置自体を大きくしなければならないという問題もある。
【0010】
本発明は上記従来の問題点を解決し、反応塔内で肥大化して浮上し易くなったグラニュールの沈降性を改善すると同時に、反応塔の固気液分離部の負荷を著しく増加させることなく、従って、処理水SS濃度を高めることなく、かつ高い窒素除去効率を維持しながら残留有機物の酸化分解を行うことが可能な生物学的脱窒装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の生物学的脱窒装置は、硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素を含む有機性排水を反応塔の下部から導入し、該反応塔内で脱窒菌が高濃度に凝集したグラニュールと接触させ、該反応塔上部より処理水を取り出す生物学的脱窒装置において、該反応塔内のグラニュールの汚泥床の上方に流体を供給する流体供給手段を設けると共に、該反応塔内の該流体供給手段による流体供給部の上部又は下部に、細孔を有する仕切板を設け、該仕切板上に微生物固定化担体を装填した生物学的脱窒装置であって、該流体供給手段が酸素含有ガスを吹き込む散気管であり、該仕切板の細孔が、前記粒状化汚泥の粒径よりも大きく、前記微生物固定化担体の粒径よりも小さいことを特徴とする。
【0012】
本発明では、ガスを内包することにより汚泥床の上部に浮上したグラニュールを、流体供給手段で供給される流体により物理的攪乱を与えることで微細化し、気泡を剥離させて沈降性を改善する。
【0013】
この流体供給手段を汚泥の内部に設けるとグラニュールが過度に微細化されて巻き上げられ、処理水中にSSとして流出するようになるが、汚泥床の上部に設けることにより、浮上グラニュールのみを選択的に破砕して再び沈降させることができる。
【0014】
この流体供給手段として酸素含有ガスを供給する散気管を設けた場合には、散気による物理的攪乱でグラニュールを効果的に微細化し、気泡を剥離させて沈降させると共に、反応塔の散気管よりも上方部分を再曝気槽として機能させ、残留有機物の酸化分解を行うことができる。即ち、この場合には、反応塔の散気管よりも上方の部分を浮上グラニュールの破砕のみならず、脱窒処理水の再曝気のための部分として有効に利用することができる。
【0015】
さらに、流体供給手段による流体供給部の上部又は下部に、細孔を有する仕切板を設け、この仕切板上に微生物固定化担体を設けた場合には、この担体に固定された微生物により効率的な好気性生物処理を行える。
【0016】
なお、以下において、反応塔内の流体供給手段による流体供給部よりも上方の部分を「汚泥破砕部」と称す場合がある。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の生物学的脱窒装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
図1は参考例に係る生物学的脱窒装置の実施の形態を示す系統図である。
【0019】
1は、脱窒反応塔であり、下部は下方に縮径する円錐形状部となっており、その上部が円筒状となっている。原水(硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素を含む有機性排水)は反応塔1の下部から塔内に導入されて塔内を上向流で流れ、処理水は塔上部から取り出される。この反応塔1の内部にはグラニュールの汚泥床2が形成される。グラニュールの汚泥床2は通常、反応塔容積の4〜6割を占め、図示した如く反応塔1の下部に形成される。図1の装置では、この汚泥床2の原水が上向流で通水されている状態における汚泥床2の上部界面2Aよりも上方の位置に空気を散気する散気管3が設けられている。なお、反応塔1の上部には従来の脱窒反応塔と同様、固気液分離手段4が設けられている。5は原水の貯槽(調整槽)、6は原水槽、7は処理水槽、8は隔壁である。
【0020】
原水は貯槽5からポンプPにより原水槽6に供給され、原水槽6の底部からポンプPにより反応塔1に供給される。この原水槽6は反応塔1の処理水が流入する処理水槽7と隔壁8の下部で繋がった構造とされており、原水は処理水により希釈されて反応塔1に供給される。USB方式の生物学的脱窒装置では、非常に沈降速度の高いグラニュールを用いているため、反応塔1内の通水量が少なすぎると、グラニュールが沈降、圧密し、その結果、グラニュール汚泥床2が閉塞して処理効率が低下することがある。また、反応塔1内の通水量が多すぎると、固気液分離手段4での流速が高くなってしまい、効率の良い固気液分離ができなくなるという別の問題を招く。安定かつ効率的な脱窒処理を行うためには、原水の流量変動によらず反応塔1への通水量を適切な範囲で一定に保つことが望ましく、原水槽6と処理水槽7とを下部で伝通させることにより、通水量を一定に保つことが容易にできる。反応塔内のLV(線流速)は0.5〜10m/hrであり、特に2〜6m/hrが好ましい。
【0021】
反応塔1に導入された原水は、反応塔1内の汚泥床2内を上向流で流通する過程で脱窒菌により脱窒処理され、脱窒処理水は反応塔1の上部の固気液分離手段4で分離され、処理水槽7に流入する。
【0022】
この過程で、汚泥床2から浮上したグラニュールは、散気管3からの散気による物理的攪乱作用で微細化され、浮上したグラニュールに内包または付着していた気泡が剥離される結果、沈降性が改善されて再び沈降する。脱窒菌は酸素に晒されても死滅することはないため、この散気により、脱窒菌の活性が損なわれることはない。
【0023】
また、この散気により、散気管3の上部で脱窒処理水中の残留有機物が酸化分解され、有機物濃度が低減されるため、脱窒反応塔1の後段に通常設けられる再曝気槽を不要とするか、或いはその負荷を低減して再曝気槽の必要容量を大幅に低減することができる。
【0024】
このような本発明の生物学的脱窒装置において、脱窒処理される原水性状としては、NO−N濃度:50〜1000mg−N/Lのものが挙げられ、メタノール等の水素供与体は原水NO−N濃度等に応じてN濃度の2〜3.5倍量を調整用貯槽、原水槽又は反応塔下部の配管に添加される。また、PO−P濃度は0.5〜30mg−P/Lとなるように、必要に応じてPとしてメタノール添加量の0.5〜1%程度のリン酸、リン酸塩等が添加される。また、Ca濃度は1mg/L以上であることがグラニュールの安定維持のために好ましい。
【0025】
また、脱窒反応塔1の運転条件や通水条件及び装置仕様等としては次のような条件を採用するのが好ましい。
[脱窒反応塔運転条件及び塔仕様]
N負荷:2〜15kg−N/m/day、特に4〜8kg−N/m/day
BOD負荷:4〜45kg/m/day、特に10〜24kg/m/day(汚泥破砕部におけるBOD負荷:0〜4kg/m/day)
散気管位置:汚泥床上部界面位置の上方、すなわち反応塔中、塔底部より塔高の50〜90%、特に65〜80%の位置
汚泥床上部界面位置:反応塔中、塔底部より塔高の20〜70%、特に40〜60%の位置
散気管と汚泥界面との距離:10〜50cm
汚泥床内汚泥濃度:20,000〜100,000mg/L、特に20,000〜60,000mg/L
[脱窒反応塔通水条件]
SV(原水あたり):0.125〜1hr、特に0.25〜0.67hr
LV(循環流含む):0.5〜10m/hr、特に2〜6m/hr
pH:6.5〜9.0、特に6.5〜7.8
水温:15〜35℃、特に20〜30℃
【0026】
また、散気管3からの散気量は、過度に少ないと、浮上グラニュールの破砕による沈降性の改善が図れず、残留有機物の酸化分解も十分に行われないが、過度に大きいと、微細化汚泥の流出の問題が生じるため、0.1〜2m/m−塔容量・minとするのが好ましい。
【0027】
なお、図1では、散気管3から酸素含有ガスとして空気を供給しているが、その他酸素又は酸素富化空気を用いても良い。ただし、コスト、作業性の面からは空気を散気するのが好ましい
【0028】
発明において、脱窒反応塔の後段に再曝気槽を設ける場合にはこの再曝気槽の後段に、沈殿槽を設けて汚泥を分離し、分離汚泥を再曝気槽に戻すことが好ましい。また、脱窒反応塔の汚泥破砕部で酸化分解を行い再曝気槽を設けない場合には、反応塔の後段に沈殿槽を設けて汚泥を分離し、分離汚泥を反応塔に返送するようにするのが好ましい。
【0029】
本発明に係る散気管は、反応塔1内の汚泥破砕部で対流が生じるように図2(a)に示す如く、反応塔1の一半側にのみ設けたり、図2(b)に示す如く、反応塔1の中心部分のドラフト内に設けても良い。
【0030】
即ち、図2(a)では、散気管3Aは反応塔1の一半側にのみ、好ましくは、反応塔1の直径の1/5〜2/3程度の長さにわたって設けられており、散気管3Aの上部の上昇流が他半側で下向流となる対流を生じる。また、図2(b)の散気管3Bは、反応塔1の中央部分に設けられた、反応塔1の直径の1/5〜2/3程度の直径を有するドラフト3M内にのみ散気するように設けられており、ドラフト3M内の上昇流がその外周領域で下向流となる対流が生じる。
【0031】
このように汚泥破砕部に対流を発生させることにより、破砕されたグラニュールが反応塔の下部の汚泥床部分に流入して沈み込むようになり、汚泥床がより一層安定する。
【0032】
本発明においては、図3(a),(b)(図3(b)は図3(a)の仕切板部分の拡大図である。)に示す如く、散気管3の上方に細孔11Aを有する仕切板11を設け、この仕切板11の上に微生物担持担体12を装填する
【0033】
この場合、仕切板11の細孔11Aはグラニュールの粒径(通常1〜3mm)よりも大きく、担体の粒径(通常3〜30mm)よりも小さく、好ましくは2〜20mmとされる。このような仕切板11を設けて担体12を装填することにより、散気管3の上方の好気部に微生物を高濃度に担持して、脱窒処理水中の残留有機物を効率的に酸化分解することが可能となる。なお、仕切板11の細孔11Aはグラニュールの粒径よりも大きく担体の粒径よりも小さいため、仕切板11によりグラニュールの流動が阻害されることはなく、また、担体12が仕切板11から落下することもない。
【0034】
この担体12としては、スポンジ、セルロース、PVA(ポリビニルアルコール)、PP(ポリプロピレン)等よりなる比重1〜1.3、粒径3〜30mm程度のものが好ましく、その装填量は、反応塔1の散気管3上部の汚泥破砕部10の容積に対して5〜50%特に10〜30%とするのが好ましい。
【0035】
なお、仕切板11は図3に示す如く、散気管3の上方の5〜80cm程度の位置に設けるのが好ましいが、散気管3の下方に設けても良い。これは、散気管3の上方に設けた方が、散気(又は散水)による洗浄効果で、担体やグラニュール汚泥の沈積による仕切板11の細孔11Aの閉塞が防止されるためである。
【0036】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0037】
参考例1
図1に示す装置を用いて、水道水にメタノールを1,400mg/L、KNOを500mg−N/L、HPOを14mg−P/Lとなるように添加して調整した合成排水(30℃、pH6.5)を原水として処理を行った。透明塩化ビニル製円筒反応塔1は、直径12cm、直胴部の長さは85cm、反応塔下部円錐部の高さは12cmであり、容積は10Lである。
【0038】
貯槽5内の原水はポンプPにより原水槽6に4L/hrの流量で供給され、原水槽6の底部からポンプPによりLVが4m/hrの上向流となるように、45L/hrの流量で反応塔1の下部に供給される。原水槽6は、処理水が反応塔1からオーバーフローして送られる処理水槽7と隔壁8下部で繋がっており、原水は処理水により希釈されて反応塔1に供給される。
【0039】
反応塔1には、塔下部から75cmの高さ位置に空気を250mL/minで通気する散気管3が設けられ、上部には固気液分離手段4が設けられている。
【0040】
反応塔1には、ステンレス鋼の酸洗排水の脱窒処理槽から得られた浮遊性の脱窒汚泥を種汚泥として投入し、上記原水により流量0.17L/hr(硝酸性窒素負荷0.2kg−N/m/day)から立ち上げ、徐々に流量を上げて15日後に流量4.2L/hr(硝酸性窒素負荷5.0kg−N/m/day)として、以後、90日間同条件で連続処理を行った。
【0041】
その間、反応塔1では下部のポートからグラニュールが形成する汚泥床2の界面が反応塔1の下部より60cmを超えないように適宜汚泥の引抜きを行った。
【0042】
処理開始後30日以降の処理水の平均水質を表1に示した。
【0043】
比較例1
参考例1において、散気管を反応塔1の下部から30cmの高さ位置に設け、高さ60cmの汚泥床の中間位置に散気するようにしたこと以外は同様にして処理を行い、同様に処理開始後30日以降の処理水の平均水質を表1に示した。
【0044】
比較例2
参考例1において、散気管の代りに攪拌翼を設けた反応塔を用いたこと以外は同様にして処理を行い、処理開始後30日以降の処理水の平均水質を調べ、結果を表1に示した。
【0045】
実施例
参考例1において、図3に示す如く、散気管の上方5cmの位置に直径5mmの細孔を有する仕切板を設け、仕切板上に10mm角のスポンジ担体(比重1.12)を1L(汚泥破砕部容積の30%)装填したこと以外は同様にして処理を行い、処理開始後30日以降の処理水の平均水質を調べ、結果を表1に示した。
【0046】
【表1】
Figure 0004581211
【0047】
表1より明らかなように、汚泥床の中部の散気(比較例1)では汚泥床内のグラニュールの半分しか脱膣反応に寄与しないため、窒素除去効率が低下する。また、BODの低減を図ることはできるが、汚泥の流出でSSが悪化する。攪拌翼による攪拌(比較例2)では、高い窒素除去効率を保ちながら、汚泥の流出は防止できるが、BODを低減することはできない。
【0048】
これに対して、汚泥床の上部を散気することにより(参考例1)、高い窒素除去効率を保ちながら、汚泥の流出を抑えた上で、さらにBODの低減を図ることができる。特に、散気管の上方に細孔を有する仕切板を設け担体を装填することにより(実施例)、BODの除去を効率的に行うことができる。
【0049】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の生物学的脱窒装置によれば、脱窒菌グラニュールの汚泥床の上部に設けた流体供給手段により、浮上グラニュールを効率的に破砕してその沈降性を高め、汚泥の流出を防止することにより、脱窒反応塔内に汚泥を高濃度に保持し、高い脱窒効率で反応を行うことができる。また、過度に微細化された汚泥の流出の問題もなく、処理水SSを良好なものとすることができる。
【0050】
しかも、流体として酸素を含有する流体を供給することで、反応塔内の流体供給手段の上方を残留有機物の酸化分解部とすることができ、後段の再曝気槽を不要とするか、或いはその負荷を大幅に軽減して再曝気槽容量を小さくした上で、良好な水質の処理水を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例に係る生物学的脱窒装置を示す系統図である。
【図2】 参考例に係る生物学的脱窒装置の反応塔を示す系統図である。
【図3】 図3(a)は本発明の生物学的脱窒装置の反応塔の実施の形態を示す系統図であり、図3(b)は図3(a)の要部拡大図である。
【符号の説明】
1 反応塔
2 汚泥床
3 散気管
4 固気液分離手段
5 貯槽
6 原水槽
7 処理水槽
8 隔壁
10 汚泥破砕部
11 仕切板
12 微生物担持担体

Claims (3)

  1. 硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素を含む有機性排水を反応塔の下部から導入し、該反応塔内で脱窒菌が高濃度に凝集した粒状化汚泥と接触させ、該反応塔上部より処理水を取り出す生物学的脱窒装置において、
    該反応塔内の粒状化汚泥の汚泥床の上方に流体を供給する流体供給手段を設けると共に、
    該反応塔内の該流体供給手段による流体供給部の上部又は下部に、細孔を有する仕切板を設け、該仕切板上に微生物固定化担体を装填した生物学的脱窒装置であって、
    該流体供給手段が酸素含有ガスを吹き込む散気管であり、
    該仕切板の細孔が、前記粒状化汚泥の粒径よりも大きく、前記微生物固定化担体の粒径よりも小さいことを特徴とする生物学的脱窒装置。
  2. 請求項1において、前記仕切板は、前記散気管の上方の5〜80cmの位置に設けられていることを特徴とする生物学的脱窒装置。
  3. 請求項1又は2において、前記反応塔のN負荷が2〜15kg−N/m /dayであり、前記散気管は、塔底部より塔高の50〜90%の位置に設けられており、前記汚泥床上部界面位置は、反応塔中、塔底部より塔高の20〜70%の位置であり、散気管と汚泥界面との距離が10〜50cmであることを特徴とする生物学的脱窒装置。
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