JP2003033795A - 生物脱窒装置及び生物脱窒方法 - Google Patents

生物脱窒装置及び生物脱窒方法

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JP2003033795A
JP2003033795A JP2001224780A JP2001224780A JP2003033795A JP 2003033795 A JP2003033795 A JP 2003033795A JP 2001224780 A JP2001224780 A JP 2001224780A JP 2001224780 A JP2001224780 A JP 2001224780A JP 2003033795 A JP2003033795 A JP 2003033795A
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nitrite nitrogen
denitrification
gas
reaction tank
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Akishi Hori
晃士 堀
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Kurita Water Industries Ltd
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Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 亜硝酸性窒素を含有する原水を、電子供与体
の存在下に亜硝酸性窒素を電子受容体とする脱窒微生物
の作用により生物脱窒するに当たり、脱窒槽の原水流入
部の局部的な亜硝酸性窒素濃度の上昇に起因する脱窒微
生物の失活を防止して高負荷処理を可能とする。 【解決手段】 脱窒微生物が担体表面に生物膜を形成し
たもの、又は、前記脱窒微生物が自己造粒によりグラニ
ュールを形成したものを内蔵するUSB反応槽10内
の、原水注入管11Aからの原水注入点付近を散気管2
0のガスバブリングで撹拌する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、亜硝酸性窒素を含
有する原水を、電子供与体の存在下に亜硝酸性窒素を電
子受容体とする脱窒微生物の作用により生物脱窒する装
置及び方法に係り、特にこの生物脱窒処理において、脱
窒槽の原水流入部の局部的な亜硝酸性窒素濃度の上昇に
起因する脱窒微生物の失活ないし活性低下を防止して、
高負荷処理を可能とする生物脱窒装置及び生物脱窒方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、下水、工場排水、汚泥消化脱離
液、埋立浸出水、屎尿等の窒素含有排水の窒素除去方法
としては、硝化細菌によりアンモニア性窒素を亜硝酸性
窒素や硝酸性窒素に酸化し、次にメタノール等の電子供
与体を添加しつつ脱窒細菌の働きにより亜硝酸性窒素や
硝酸性窒素を窒素ガスに還元して水中から窒素を除去す
る方法が知られている。
【0003】この方法は、アンモニア性窒素を窒素ガス
に酸化するために必要な酸化力よりも過剰の酸素を必要
とするため、必要酸素量が多く、多量の酸素を微生物に
供給するためのエネルギーを多く必要とする。また、脱
窒反応のための電子供与体としてメタノール等の有機物
を添加するためのコストがかかり、またこの有機物を摂
取して増殖した脱窒細菌が余剰汚泥となるため、廃棄物
の量が多く、そのための処分コストが高くつく。特に、
硝酸性窒素は亜硝酸性窒素に比べてより酸化された状態
にあるため、これを還元するための電子供与体もより多
く必要であり、発生する余剰汚泥量も多い。
【0004】このような窒素除去方法におけるコストを
削減するために、アンモニア性窒素を酸化させて主に亜
硝酸性窒素を生じさせ、硝酸性窒素は極力生じさせない
硝化方法が種々検討されている。脱窒工程の前段にこの
ような硝化方法を用いれば、酸素供給に要するエネルギ
ーを低減させることができ、また脱窒工程で必要な電子
供与体の量が少なくなるために有機物の添加コスト、及
び発生する余剰汚泥量を低下させることができる。
【0005】また、近年、無酸素条件下でアンモニア性
窒素を電子供与体、亜硝酸性窒素を電子受容体として両
者を反応させ、窒素ガスを生成することができる独立栄
養性の脱窒微生物群を利用した脱窒方法が知られるよう
になった (Microbiology 142(1996), p2187-2196等) 。
以下ではこの反応をANAMMOX反応と呼び、この反
応に関与する微生物群をANAMMOX菌と呼ぶ。この
方法によれば、亜硝酸性窒素の持つ酸化力を用いてアン
モニア性窒素を酸化することができるため、理論量と同
程度の酸素消費量で窒素除去を行うことができ、エネル
ギーを節約することができる。また、メタノール等の有
機物を添加する必要がないため、そのコストを節約でき
る。この微生物は独立栄養細菌であり、有機物を利用し
て脱窒を行う脱窒細菌に比べると、還元する亜硝酸性窒
素当たりに発生する余剰汚泥量が5分の1以下であり、
廃棄物の発生量を大幅に低減することができる。この反
応に関与する電子受容体としての亜硝酸性窒素は排水中
のアンモニア性窒素を一部酸化することで得ることがで
き、また、他系統から導入しても良く、別途薬品を用い
ても良い。
【0006】反応槽の型式としては、砂や合成樹脂、ゲ
ルなどの微生物が付着するのに適した担体を充填したカ
ラムに、上向流又は下向流で原水を通水し、担体表面で
窒素化合物と微生物を接触させて脱窒反応を進行させる
方式が用いられる。ここで用いる担体は、比表面積が大
きいものが好適であり、特に粒径0.1〜10mm程度
の顆粒状、或いはひも状、筒状、歯車状などの形状が知
られている。担体は水中で緩やかに流動されることが好
ましく、脱窒により発生するガスや、外部から注入する
ガス、撹拌機などにより流動される。
【0007】また、水中に浮遊状態で生育する脱窒微生
物を利用することもでき、生育した微生物を固液分離す
ることにより系外へ流出する微生物量を少なくし、系内
の微生物濃度を高めることで反応槽容積当たりの反応速
度を高めることも好んで行われる。この場合、用いられ
る固液分離手段には、沈殿、浮上、遠心分離、濾過など
従来公知の各種の方法が適用可能である。
【0008】また、原水を反応槽の下部より上向流で注
入させ、菌の付着担体を用いることなく、汚泥をブロッ
ク化又は粒状化させて粒径0.5〜数mmのグラニュー
ル汚泥の汚泥床を形成させ、反応槽中に高濃度で微生物
を保持して高負荷処理を行うUSB (Upflow Sludge Be
d:上向流汚泥床)方式も知られている。
【0009】図4は従来のUSB反応槽を示す概略的な
断面図である。原水は適宜希釈水と混合され、USB反
応槽10底部の原水注入管11より反応槽10に注入さ
れる。12は原水注入ポンプ、13は流量調節バルブ、
14は流量計、15は希釈水注入管、16は希釈水注入
ポンプである。原水注入管11としては内径8〜100
mm程度のものが用いられ、反応槽内に下向きに0〜4
5度で5〜50mm程度の原水噴出口が設けられる。噴
出口からの原水の噴出速度は0.5〜5m/secに設
定される。配管内の流速は最大部で2〜5m/sec程
度とされる。原水を均一に散布するために、図5に示し
たように、原水注入管11をループに組むことも好んで
行われる。このような原水注入管11は、反応槽10の
底面積に応じて複数組が設けられることもあるが、その
脱窒槽高さ方向の位置は同位置とされる。
【0010】反応槽10内の上昇流速は0.2〜30m
/hr、好ましくは0.5〜20m/hrとなるように
原水の通水量が設定され、必要に応じて処理水の一部を
循環することにより、上記上昇流速を維持する。
【0011】反応槽10の上部にはガスを分離して静置
液面を形成し、この静置部でグラニュールを沈降分離し
て処理水を得るためのGSS(気固液分離器)17が設
けられる。静置部の上部には処理水排出のための処理水
集水トラフ18が設けられ、処理水は処理水排出管19
から排出される。GSS17は必要に応じて複数組が設
けられる。なお、17AはGSS17の沈殿部を示し、
17BはGSS17のガストラップ部を示す。
【0012】このようなUSB反応槽10にかけられる
容積負荷は、亜硝酸性窒素として0.5〜20kg−N
/m/dayであり、好ましくは1〜10kg−N/
/dayである。
【0013】ところで、亜硝酸性窒素を電子受容体とし
たANAMMOX菌を用いる脱窒方法は、前段の硝化工
程における酸素消費量削減効果、脱窒のために添加する
電子供与体添加量削減効果、余剰汚泥発生量削減効果が
あるが、一方で亜硝酸性窒素が高濃度に存在するとAN
AMMOX菌の働きを阻害し、脱窒反応が生じなくなる
という問題がある。
【0014】このような阻害は亜硝酸性窒素濃度50〜
200mg/L程度から生じ、高濃度ほど阻害作用が大
きくなると言われている。しかしながら、脱窒反応槽内
は完全な押し出し流れではなく、流入した亜硝酸性窒素
は、脱窒反応により既に亜硝酸性窒素濃度の低下した槽
内液と速やかに混合することから、従来においては、流
入水中の亜硝酸性窒素濃度は50〜200mg/L或い
はそれ以上でも、槽内に注入されると同時に速やかに拡
散・希釈されて濃度が低下し、特に問題は生じないもの
と考えられていた。
【0015】なお、ANAMMOX脱窒槽内では脱窒反
応によりpHが上昇するため、必要に応じて原水pH、
槽内pHが調整される。pH調整については、槽内pH
が6〜9、好ましくは7〜8.5に保たれる方法であれ
ばその手法は問わず、また調整に用いる酸も塩酸、硫
酸、炭酸等の従来公知のものを用いることができる。以
下ではpH調整の記述は省略する。また、原水中に微生
物の成育に必要な塩類(金属塩や炭酸根、りん酸塩、亜
硝酸性窒素、アンモニア性窒素等)や有機物が不足する
場合には適宜前もって添加しても良いし、槽内に直接添
加しても良い。その添加手段は従来公知のものを用いる
ことができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明者がANAMM
OX菌を担持させたグラニュールを充填したUSB反応
槽を用いて、このような亜硝酸性窒素利用型脱窒プロセ
スによる脱窒処理を試みたところ、原水の亜硝酸性窒素
濃度が300mg−N/L以上になると、脱窒能力が低
下し、ANAMMOX菌の増殖速度も著しく低下する問
題が生じた。
【0017】このとき使用したUSB型反応槽は、図4
に示すようなグラニュール充填高さ4m、直径0.4m
の円筒形であり、ANAMMOX菌が増殖するまでの担
体としてメタン生成細菌主体のグラニュールを投入した
ものであり、反応槽内のグラニュール充填部の上部に
は、ガスを分離して静置液面を確保し、液中のグラニュ
ールを沈降させて反応槽内へ戻し、上澄みを処理水とし
て排出するための分離器(GSS)が設けてある。
【0018】脱窒能力低下の問題が生じたときに、原水
注入口である反応槽下部の亜硝酸性窒素濃度を測定した
ところ、80〜100mg−N/Lであり、一方、原水
注入点より1m離れた地点では、亜硝酸性窒素濃度は5
0mg−N/L以下に低下していることが見出された。
このとき、原水注入点付近ではガスが殆ど発生しておら
ず、グラニュールも殆ど流動していない状態であったの
に対し、この原水注入点から1m以上上方の領域では断
続的に上昇する気泡により、グラニュールも断続的に緩
やかに撹拌される状態であった。このことから、原水注
入点付近では、ガスによる撹拌効果が低く、槽内が押し
出し流れに近い状態になっているために、原水中の亜硝
酸性窒素が高濃度のまま存在し、このことがANAMM
OX菌を阻害してさらにガス発生を低下させ、撹拌を悪
化させるという悪循環を生じていることが示唆された。
【0019】そこで本発明者は、USB反応槽の処理水
の一部を循環し、原水中の高濃度亜硝酸性窒素を処理水
で希釈することで、希釈後の亜硝酸性窒素濃度を280
mg−N/L以下として通水したところ、ANAMMO
X菌は次第に増殖し、脱窒能力も増加していくことが確
認された。脱窒能力の増加に合わせて、投入する窒素負
荷を増加したところ、今度は固液分離部で分離されずに
処理水へ流出するグラニュールが増加し、USB反応槽
内部のグラニュール保持量が低下する問題が生じた。こ
の結果、グラニュール保持量低下により、USB反応槽
内部のANAMMOX菌量も低下し、これに合わせて投
入する負荷を再び下げる必要が生じた。この原因を調べ
たところ、窒素負荷の増大に伴い通水量が増大し、US
B反応槽内部の上昇流速が2m/hr以上となり、固液
分離部の上昇流速が3m/hr以上となったことによっ
て、沈降速度の遅いグラニュールが沈降分離されずに、
処理水へ流出するようになったものと思われた。グラニ
ュールの流出を軽減するためにはUSB反応槽の上昇流
速を1.5m/hr以下とする必要があった。
【0020】このようにUSB反応槽の上昇流速は1.
5m/hrの上限があり、原水流入部の亜硝酸性窒素濃
度は250mg−N/L以下にする必要があるために、
この反応槽に流入させる亜硝酸性窒素の上限は1.1k
g−N/m/day、即ち、単位底面積当たり9.0
kg−N/dayに制限されることが明らかとなった。
ここで、グラニュール高さ4mであるから、グラニュー
ル充填部容積当たりの亜硝酸性窒素負荷は2.2kg−
N/m/dayが上限となることが判明した。
【0021】このような制限は阻害濃度の低い亜硝酸性
窒素を導入する場合において特有の問題であり、例えば
硝酸性窒素を脱窒するUSB反応槽などにおいては、硝
酸性窒素に殆ど阻害性が無いために、このような問題は
生じていなかった。
【0022】また、この時に流出した沈降速度の遅いグ
ラニュールを観察すると、その多くは粒径が3mm以上
に肥大しており、また空隙が多く緻密さに欠けるグラニ
ュールであった。また流出したグラニュールの中には、
浮力を有しており、静置しても沈降しないグラニュール
も多く観察された。
【0023】本発明は、このようなANAMMOX菌を
利用したUSB反応槽における問題点を解決し、原水注
入部の局部的な亜硝酸性窒素濃度の上昇に起因するAN
AMMOX菌の失活ないし活性低下を防止して高負荷処
理を行うことができる生物脱窒装置及び生物脱窒方法を
提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の生物脱窒装置
は、亜硝酸性窒素を含有する原水の流入管と処理液の流
出管を有し、電子供与体の存在下に亜硝酸性窒素を電子
受容体とする脱窒微生物の作用により生物脱窒する脱窒
槽を有する生物脱窒装置であって、該脱窒槽には、前記
脱窒微生物が担体表面に生物膜を形成したもの、又は、
前記脱窒微生物が自己造粒によりグラニュールを形成し
たものが内蔵され、前記原水の流入管からの該脱窒槽内
への原水注入口付近を撹拌する撹拌手段が設けられてい
ることを特徴とする。
【0025】本発明の生物脱窒方法は、亜硝酸性窒素を
含有する原水を、脱窒槽に供給し、該脱窒槽内の亜硝酸
性窒素を電子受容体とする脱窒微生物の作用により電子
供与体の存在下に脱窒処理する生物脱窒方法であって、
該脱窒槽は、亜硝酸性窒素を含有する原水の流入管と処
理液の流出管を有し、該脱窒槽には、前記脱窒微生物が
担体表面に生物膜を形成したもの、又は、前記脱窒微生
物が自己造粒によりグラニュールを形成したものが内蔵
されており、前記原水の流入管からの該脱窒槽内への原
水注入口付近を撹拌することを特徴とする。
【0026】なお、以下において、原水流入管を設けた
位置を「注入点」と称す場合がある。また、ANAMM
OX菌が担体表面に生物膜を形成したもの、及びANA
MMOX菌が自己造粒によりグラニュールを形成したも
のを「グラニュール」と総称する場合がある。
【0027】以下に本発明による作用機構を詳細に説明
する。
【0028】本発明者がUSB反応槽を用いたANAM
MOX反応による脱窒処理について検討した結果、図4
に示す従来のUSB反応槽で亜硝酸性窒素を含む原水を
USB反応槽の下部から流入させた場合、USB反応槽
内では図6のA1に示すように、底部から一定の高さH
1までの領域では、亜硝酸性窒素の濃度が阻害作用が強
く現れる濃度C以上の濃度となり、ANAMMOX菌
が有効に働くことができず、更には失活してしまう。し
かしH1以上の高さ領域では拡散・希釈作用により亜硝
酸性窒素濃度は低下し、阻害を示さない濃度となるため
に、脱窒反応が進行する。従って、H1より下流(反応
槽上部)では脱窒により生じた窒素ガスの分圧が高ま
り、また窒素ガスの微細気泡が生じ、これらの窒素ガス
が水流により下流(反応槽上方)へ移送されるに従っ
て、窒素ガスが集合し、粗大気泡が生じ、G1付近の地
点からは明らかにガスの発生が認められるようになる。
【0029】なお、ここでCはANAMMOX菌に対
して阻害を示す亜硝酸性窒素濃度であり、槽内のpHや
アンモニア性窒素濃度、温度などの環境により左右され
るが、概ね50〜200mg−N/Lである。なお、亜
硝酸性窒素濃度が高くなるにつれ徐々に阻害作用が強く
なるため、厳密に一点の濃度を特定するのは好ましくな
い。ここでは本発明の作用を説明するためにある一点の
濃度Cを仮定したが、現実にはある程度の幅を持つ範
囲である。従って、高さH1などの値も厳密に一点を定
められるものではなく、ある程度の幅を持つ範囲であ
る。
【0030】この反応槽を連続運転するに従い、亜硝酸
性窒素濃度の分布は図6のA2に示すように、上流側の
高濃度域が拡大し、C以上の濃度である領域(例えば
図6ではH2)が拡大することが判明した。この現象
は、A1の状態であったときにH1までの高さの微生物
が失活した結果、反応槽入口付近の脱窒機能が働かなく
なり、結局亜硝酸性窒素の注入点が図6のI2の地点に
移動したことと同様の状況となるためであると考えられ
た。このとき、窒素ガスの発生が認められる位置もより
下流のG2に移動しており、ガスの発生位置が亜硝酸性
窒素の注入点から遠ざかっていることから、上流側(反
応槽下部)における水の流れがガスにより乱される効果
は少なくなり、上流側(反応槽下部)で一層亜硝酸性窒
素が拡散せずに高濃度のまま留まりやすい環境になって
いることが分かった。
【0031】以上のことから、反応槽内に、亜硝酸性窒
素を含有する原水の注入点付近で局部的に亜硝酸性窒素
が高濃度の領域ができると、その領域の微生物が失活
し、その結果、亜硝酸性窒素が高濃度である領域がより
一層拡大し、新たにその周囲の微生物を失活させ、徐々
に亜硝酸性窒素が高濃度なために脱窒反応が阻害される
領域が広がることが分かった。また、脱窒反応の阻害に
より窒素ガスが発生し始める領域が遠ざかり、このこと
がさらに亜硝酸性窒素の拡散を妨げることも分かった。
【0032】本発明ではこのような反応槽内の局部的な
亜硝酸性窒素濃度の上昇を防止するために、脱窒槽内の
原水注入点付近を撹拌することで、このような濃度勾配
による問題を解消する。
【0033】また、本発明によれば次のような効果も奏
される。
【0034】本発明者が検討したところ、グラニュール
内部に十分なANAMMOX菌が増殖している場合、グ
ラニュール内部への基質の拡散による浸透が律速とな
る。例えば、アンモニア性窒素が十分に存在し、亜硝酸
性窒素濃度が10mg−N/Lの状態では、亜硝酸性窒
素の浸透する深さはグラニュール表面から0.3〜0.
6μm程度であり、これより内側にあるANAMMOX
菌には亜硝酸性窒素が到達しないためにANAMMOX
菌が有効に働くことができない。これに対して亜硝酸性
窒素濃度が50mg−N/Lの状態では、亜硝酸性窒素
の浸透する深さはグラニュール表面から1〜2mm程度
となり、グラニュール内部のANAMMOX菌まで有効
に利用され、グラニュール当たりの脱窒能力は2倍程度
まで向上する。このようにグラニュール内部のANAM
MOX菌が増殖すると、グラニュールの内側から応力が
かかるために、グラニュールは均一な球形に成長するこ
とができず、表面にひび割れが生じて応力を吸収しなが
ら成長する結果、空隙が多く緻密さに欠けるグラニュー
ルが生ずることが判明した。また、グラニュール内部ま
で基質が浸透することは、内部で窒素ガスが発生するこ
とを意味するため、ここで発生した窒素ガスがグラニュ
ール内部に生じた空隙に溜まることによって、グラニュ
ールに浮力が生じて浮上し易くなる。
【0035】図4に示す従来のUSB反応槽による連続
試験においても、原水の注入点付近には2〜3mmの比
較的粒径の大きいグラニュールが多く分布しており、こ
れは注入点付近の高濃度の亜硝酸性窒素環境下でグラニ
ュールが成長した結果であると考えられた。なお、それ
以上の大きさのグラニュールは、内部に気泡を抱いて浮
力が生じ、反応槽上部へ上昇して浮上することが観察さ
れた。この結果、亜硝酸性窒素濃度の高い領域に新たな
グラニュールが流入し、このグラニュールは肥大して気
泡を抱いて上昇するというサイクルが繰り返されるた
め、原水の注入点付近は肥大グラニュールの生産場所に
なっていることが明らかになった。
【0036】このような肥大グラニュールが生成されな
いようにするためには、反応槽内の亜硝酸性窒素濃度を
好ましくは30mg−N/L以下、特に好ましくは10
mg−N/L以下とするのが良く、このためには本発明
に従って、原水の注入点付近をガスのバブリング等によ
り撹拌することが有効である。
【0037】USB反応槽においては、担体の種類や、
反応槽の形状により槽内流速の上限、微生物保持量の上
限が異なるために、限界となる負荷はUSB反応槽の仕
様や運転条件により異なるが、いずれの場合も、本発明
に従って、原水の注入点付近を撹拌することで、高負荷
時に生ずる局部的亜硝酸性窒素濃度の上昇の問題、即
ち、局部的脱窒能力の失活とその経時的拡大、及び生物
膜の肥大やそれに伴う浮上の問題を回避することがで
き、従来に比べて著しく高い負荷や高濃度の亜硝酸性窒
素の流入に対応することができる。
【0038】なお、このような作用効果はANAMMO
X菌以外の他の脱窒細菌を用いた場合でも同様であり、
また他の脱窒細菌に対して亜硝酸性窒素が阻害を及ぼす
濃度範囲もほぼ同様であることから、ANAMMOX菌
以外の脱窒細菌を用いた場合にも本発明は有効に適用す
ることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下に本発明の生物脱窒装置及び
生物脱窒方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0040】本発明は、亜硝酸性窒素を電子受容体とす
る脱窒微生物を生物膜の形で保持する反応槽に適用さ
れ、特にこの脱窒微生物がアンモニア性窒素を電子供与
体として脱窒反応を行うANAMMOX微生物である時
に一層効果を発揮する。
【0041】このような脱窒微生物で処理する亜硝酸性
窒素を含有する液としては、下水、工場排水、汚泥消化
脱離液、埋立浸出水、屎尿等の排水中の窒素化合物を原
料に亜硝酸性窒素を生成させた液、特に排水中の有機性
窒素又はアンモニア性窒素の全部又は一部を酸化させて
亜硝酸性窒素を生成させた液が挙げられる。また、排水
中の硝酸性窒素の全部又は一部を還元させて亜硝酸性窒
素を生成させたものであっても良く、外部から工業薬品
等の形で亜硝酸性窒素を添加したものでも良い。原水の
亜硝酸性窒素濃度を低減するための希釈水としては、原
水や処理水を用いても良いし、排水のうち、特に亜硝酸
性窒素濃度の低い部分を用いても良い。また、反応槽の
中間部から取り出した亜硝酸性窒素濃度の低い水を用い
ても良く、工業用水や水道水、井戸水等を用いても良
い。
【0042】これらの希釈水と亜硝酸性窒素を含有する
原水とは、反応槽(脱窒槽)に入る前に混合しておくの
が望ましいが、反応槽に入った直後に混合されても良い
し、予めUSB反応槽の上流側から希釈水を流しておい
て、濃厚な亜硝酸性窒素含有液のみを注入しても良い。
【0043】本発明において、このような亜硝酸性窒素
を含む原水の注入点付近を撹拌する方法としては、ガス
バブリングによる方法や撹拌羽による方法、水流による
方法などの任意の方法を採用することができるが、特に
ANAMMOX菌を担体に担持させた方式の場合には、
この生物膜が剥離しないような撹拌手段であることが望
ましい。
【0044】例えば、UASB方式のようにグラニュー
ルとしてANAMMOX菌を増殖させたものの場合、生
物膜に対して過大な剪断力が働くと、生物膜を剥離させ
たり、担体を破損させたりする可能性があるため、ガス
バブリングや水流を用いて適度に撹拌するのが好適であ
る。
【0045】撹拌の好適な強度については、反応槽の形
状や槽内の平均流速、充填する担体等に応じて異なるた
め一概には言えないが、原水の注入点から0.1m以内
の領域で濃度比10倍を超えるような領域が生じない撹
拌強度、より好ましくは注入点から0.1m以内の領域
で濃度比4倍を超えるような領域が生じない程度の撹拌
強度とすることが好ましい。このような撹拌状態になっ
ているかどうかは、実際に槽内の各点で水質をサンプリ
ングし、必要に応じてトレーサーを投入して槽内の混合
状態を調べることで知ることができる。
【0046】撹拌手段として、特にガスバブリングを行
う際には、脱窒微生物の反応を阻害しないように酸素を
殆ど含まないガスを用いることが望ましく、酸素分圧が
0〜4kPa、より好ましくは0〜0.5kPa、更に
好ましくは0〜0.1kPaのガスを用いるのが好まし
い。このようなガスとして窒素ガス等を用いることがで
きるが、特に脱窒反応により生じた窒素ガスを用いるの
が好適であり、脱窒反応槽上部から排出されるガスを導
いて、必要に応じて硫化水素などの腐食性ガスや水分な
どを除去した後にブロワ等で昇圧して反応槽内に吹き込
むのが好ましい。
【0047】また、原水の注入点の下方で、脱窒反応が
起こる反応槽形状である場合には、この下方で発生した
脱窒ガスを直接利用して撹拌を行うことも可能である。
【0048】バブリングの強度は反応槽の底面積あたり
0.1〜100(Nm−ガス)/(m−底面)/h
rが好ましく、特に0.3〜50Nm/m/hrが
好ましく、1〜30Nm/m/hrが最も好まし
い。このガスの少なくとも一部は、注入した亜硝酸性窒
素とANAMMOX微生物が接触する点の好ましくは0
〜20cm、より好ましくは0〜10cmの位置を通過
するようにすることが好ましい。
【0049】ガスを吹き込む装置は微細気泡を発生させ
る散気装置でも良く、配管に孔を開けたものでも良く、
配管の端部を槽内に開口させたものでも良く、また箱型
の散気管にスリットを設けたものでも良い。
【0050】特に、撹拌方法を、後述の図2に示す如
く、ガスリフト管内にガスを吹き込む方式とする場合に
は、ガスの吐出口は直径5〜100mm、より好ましく
は10〜40mmとするのが良く、また槽内にガスを吹
き込む散気装置のガス吐出口は直径1〜20mm、より
好ましくは2〜10mmとするのが良い。
【0051】ガス吐出口は汚泥や微生物の発生やスケー
ルの発生等により目詰まりすることがあるため、ガス配
管内に洗浄水や高圧ガスを供給し、内部の目詰まりを解
消する手段を備えることが好ましい。この場合、注入し
た洗浄水が粗大な目詰まり物質と共に速やかに配管外に
排出されるよう、散気孔の下方50〜1000mm、望
ましくは200〜700mmの位置の配管に、この洗浄
時の排出用開口を設け、ガスを注入した際にはこの水位
差により水封されてこの開口からガスが漏れることはな
く、一方洗浄水を注入した場合には洗浄水がこの開口か
ら速やかに排出される構造とするのがよい。
【0052】また、ガス吐出口の内部に汚泥が入り込み
堆積するのを防ぐために、吐出口の少なくとも一部は下
向き、又は斜め下向きとするのがよい。
【0053】ガスが吐出口から吐出する速度は3〜30
Nm/m/sec程度、特に7〜15Nm/m
/sec程度が採用される。これは複数のガス吐出口か
らほぼ均等にガスを吐出するための吐出速度である。ま
た吐出口にガスを供給するヘッダ管の管内流速は1〜2
0m/sec、好ましくは2〜10m/secが採用さ
れる。この範囲よりも管内流速が低いと供給管が太くな
り、材料費や配管工事費が増加する。この範囲よりも管
内流速が高いと、管内の圧力損失が上がり、各ガス吐出
口に供給するガス圧力が大幅に変わり、その結果、均一
にガスを吐出させることが困難になる。
【0054】生物膜の付着した担体又はグラニュールを
担持する反応槽で、本発明による撹拌効果を効果的に発
揮させるためには、この撹拌水流を利用して生物膜の付
着した担体が槽内を移動するようにすることがより好ま
しい。生物膜の付着した担体が移動することで、比較的
基質濃度の高い領域で増殖した生物膜の付着した担体と
比較的基質濃度の低い領域で増殖した生物膜の付着した
担体が入れ替わることことになり、反応槽内全体で比較
的均一な増殖状態の生物膜が得られることになる。
【0055】このようにすることで、部分的に肥大した
生物膜が形成され、この生物膜の内部に空洞ができ、浮
力が生じて水面上に生物膜が浮き上がるトラブルや、剥
離した生物膜が後段の流路で目詰まりを起こすトラブル
や、肥大した生物膜が担体間の流路を塞いで流路抵抗を
増大させたりショートパスを生じさせるなどのトラブル
を防止することができる。
【0056】また、担体間には原水由来のSSや反応槽
内で生じた菌体などのSSや粗大な固形物等が補足され
ることが多く、特に担体の流動が生じ難い装置や積極的
に濾過機能を持たせた生物膜濾過装置などではこの傾向
が激しい。このようにSSが担体間に補足されると、流
路抵抗が上昇したり、ショートパスが生じるなどの障害
が生じる。また担体と担体間に補足されたSSがお互い
に接着され、1辺数cm〜数十cmのブロック状の固ま
りが生じ、ショートパスを促進したり、またこのブロッ
クの内部に脱窒により生じたガスなどの気泡を抱き込ん
で浮力を生じ、水面に浮上して汚泥を流出させる障害も
生じる。
【0057】これに対し、上述したように担体を槽内で
流動させることで、担体間に補足されたSSを開放さ
せ、ブロック化の現象を抑制することもできる。また、
例えば常時基質の行き届かない下流部分などで、部分的
にあまり生物膜が付着していない担体が生じることもな
くなり、より多くの生物膜を保持することができるよう
になり、装置の窒素除去能力の余裕率が向上し、負荷が
急増した場合に迅速に対応することが可能となる。また
余裕率が高い状態で脱窒微生物を保持することができる
ために、この余裕分の生物膜を例えば担体ごと移送して
他の脱窒反応槽の立ち上げに利用したり脱窒能力の増強
に利用したりすることも可能となる。このような使用方
法は特に増殖が遅く、自然界での存在量も少なく、脱窒
能力の立ち上げに場合によっては1年間程度の期間を要
する、ANAMMOX菌を利用した脱窒装置の場合に特
に好ましい。
【0058】このように担体、特にグラニュールを効率
的に移動させるためには、反応槽内でグラニュールが上
流側(反応槽下部)に移動する流れとグラニュールが下
流側(反応槽上部)に移動する流れを形成させることが
好ましい。このためには、例えば後述の図3に示すよう
な、反応槽の片側のみをバブリングして上向流を生じさ
せ、反対側を下降部とするような旋回流方式や、この旋
回流を促進するために上向流発生部分と下向流発生部分
を仕切板(バッフル板)で区分けした方式などがよい。
バブリングを行う部分を水槽中央部としてこの部分に上
向流を形成し、その周囲の反応槽の壁面側に下向流を形
成したり、この反対とすることもできる。ここで上向流
や下向流を生じさせる手段はバブリング以外にもポンプ
や撹拌機を用いることもできる。また上昇部又は下降部
を反応槽の内側又は外側に設けたパイプなどの流路とし
ても良く、このような流路内をガスリフト作用などによ
りグラニュールと槽内液の混層流として流通させること
も好ましい。この場合には、グラニュールや担体に付着
した生物膜の破損を抑えるために、ガスリフト作用を利
用した手段を採用することが特に好ましく、ポンプを用
いる場合には粗大な固形物を送液するのに適したスネー
クポンプやチューブポンプを用いるのが特に好ましい。
【0059】このようにグラニュールを移動させる速度
は、反応槽内の微生物が1日当たり0.2回転以上、即
ち5日以下の期間で1回転する程度であれば良く、最大
では1日200回転させても良い。これよりも遅い移動
速度では、担体の移動速度に比べて生物膜の成長速度の
方が相対的に大きくなるために生物膜の均一な成長とい
う目的が達せられなくなり、またこれよりも速い移動速
度では多くの場合、生物膜の剥離や担体の破損が多くな
るという問題が生じる。特に好ましいグラニュールの移
動速度は、1日につき1回転以上、100回転以下であ
り、更に好ましくは1日2回転以上40回転以下であ
る。なお、1回転に要する時間とは、グラニュールが反
応槽内を上昇(又は下降)した後下降(上昇)し、再び
元の位置に戻るまでの平均的な時間を指す。
【0060】本発明に係る注入点付近を撹拌するための
撹拌手段と、このようなグラニュールを移動させるため
の手段とは併用するのが効率的であるが、別々に設けて
も良い。
【0061】このような注入点付近の撹拌や、グラニュ
ールの移動は、一般的には連続的に行われるが、間欠的
に行うことも可能であり、間欠撹拌により動力の節減、
生物膜の剥離抑制を図ることができる。
【0062】特に、撹拌直後の濃度勾配が解消された状
態は、注入点付近の亜硝酸性窒素濃度が、撹拌を行わず
に通水した場合に比べて低濃度になっているため、高濃
度の亜硝酸性窒素が注入されても比較的早期に拡散され
るため、再び微生物に阻害を生じるような亜硝酸性窒素
濃度に達するまで時間がかかる。このため、間欠撹拌で
あっても十分な効果を得ることができる。
【0063】間欠撹拌を行う場合、休止時間は反応槽の
形状や負荷、通水速度にもよるが、好ましくは1〜60
分間、より好ましくは1〜10分間、更に好ましくは1
〜5分間が好ましい。また、撹拌を行う時間は1〜60
分間程度、好ましくは3〜20分間程度が好適である。
この撹拌時間が短すぎると十分に槽内の濃度勾配を解消
することができず、また長いと間欠撹拌を行う意味が無
く、撹拌動力を節約したり生物膜の剥離を抑制したりす
る効果が薄くなる。このような場合には、間欠撹拌では
なく連続撹拌にした方が、装置構成がシンプルになりコ
スト的に有利である。
【0064】本発明の第1の効果は注入する原水の亜硝
酸性窒素濃度が50〜100000mg/Lのとき、特
に300〜10000mg/Lであるような、比較的高
濃度の原水を反応槽に注入する場合、注入点付近で局所
的に亜硝酸性窒素濃度が上昇し脱窒微生物が阻害を受け
ることを防止する点にある。
【0065】従って、このような濃度範囲の原水に対し
て、本発明は特に有効である。
【0066】即ち、このような阻害を避けるためには、
希釈水を導入するなどして注入する亜硝酸性窒素の濃度
を下げることが考えられるが、その結果、希釈水の導入
にコストがかかったり、通水量が増大し、反応槽の通水
線速度などが律速となって負荷が制限されるなどのデメ
リットが生ずる。
【0067】本発明によればこのようなデメリットを回
避しつつ高濃度の亜硝酸性窒素の注入に対応することが
可能となる。
【0068】また、本発明の第2の効果は、反応槽内の
濃度勾配を抑制して均一な濃度に近づけたり、または反
応槽内の種々の濃度条件下にグラニュールを順次移動さ
せることで、均一な成育状況の生物膜を増殖させ、肥大
した生物膜が剥離することによるトラブルを防止した
り、負荷の増加に対する装置の余裕率を大きく取った
り、また他の脱窒装置に汚泥を供給することを可能に
し、運搬コストも低減させる点にある。この効果に対し
ては特に注入される原水の亜硝酸性窒素濃度の制限はな
く、亜硝酸性窒素濃度1〜100000mg/Lの原水
に対して適用できるが、通常は10〜10000mg/
L、より好ましくは20〜5000mg/Lの原水に対
して好適に適用される。
【0069】特に、希薄な排水の場合には、微生物に対
してより多くの被処理水と接触させるために、流下方向
の平均流速を高くとることが多く行われるが、このよう
な場合には一層濃度勾配が生じ易く、特に本発明は有効
である。一方で、窒素は有機性窒素やアンモニア性窒素
として排出されることが多く、亜硝酸性窒素が排出され
ることは比較的少ない。有機性窒素は生物反応により容
易にアンモニア性窒素に分解されるが、希薄な排水の場
合、アンモニア性窒素を効率良く亜硝酸性窒素に変換す
ることは技術的に難易度を増すため、このような場合は
工業薬品などを亜硝酸性窒素として利用するか、特に濃
厚なアンモニア性窒素、例えば200〜500000m
g/Lのアンモニア性窒素を用意して適宜希釈し、硝化
細菌により、100〜2000mg/L程度の亜硝酸性
窒素を生成させることが有利である。従って、本発明の
第2の効果は、原水中のアンモニア性窒素濃度又は有機
性窒素濃度が0〜200mg/Lの排水に対しても有効
に発揮される。
【0070】本発明においては、原水の注入点は1点に
限らず、後述の図2に示すように2点、或いはそれ以
上、例えば2〜3点設けることもできるが、多くの場
合、1点のみで十分な効果を得ることができる。
【0071】また、被処理液流路の断面方向、即ち、U
SB反応槽内の横断面において、注入点からの原水の吐
出口は、その断面の広さに応じて好ましくは0.2〜2
m、特に好ましくは0.4〜4mの間隔で設けるのが好
ましい。
【0072】原水注入管としては、一端が開口したパイ
プや、側面に開孔を設けたパイプ等、従来公知の任意の
ものを用いることができる。
【0073】各注入点における原水(或いは希釈された
原水)の吐出速度は、好ましくは0.1〜10m/se
cが良く、より好ましくは0.5〜5m/sec、特に
好ましくは1〜2m/secが良い。この流速は各注入
点ないし噴出口から意図した通りの流量を注入するため
に重要であり、流速が低いと、意図しない特定の注入点
ないし噴出口から特に多く液が注入される一方、他の注
入点ないし噴出口からは殆ど液が注入されないという問
題が生ずる。また、スライムやスケールの付着により吐
出面積が変わり、それに応じて注入流量が意図せずに変
更される問題が生ずる。一方、流速が高すぎる場合、液
の注入に大きな圧力が必要となり、この圧力を生み出す
ための注入ポンプが高価になったり、その駆動動力を多
く必要とするなどの問題を生ずる。また吐出口付近にお
いて、槽内液と混合する前の高濃度の亜硝酸性窒素と微
生物が接触しやすくなり、微生物の活性が低下したり、
生物膜が物理的に破壊されたり、破壊されないまでも微
生物の存在量が著しく偏る問題が生ずる。
【0074】さらに、注入点付近の微生物は槽内液と十
分に混合する前の高濃度亜硝酸性窒素が接触し、活性が
低下する危険があるため、原水注入管の吐出口付近を透
水性部材で覆うことで、高濃度亜硝酸性窒素が多くの微
生物に接触する前に槽内液と拡散・混合させることが有
効である。この場合、透水性部材としては、微生物担体
が通過しにくいものが好ましく、目開き0.1〜2mm
程度のウェッジワイヤースクリーンやメッシュ、不織布
や濾布などの布、多孔質セラミック、メンブレンフィル
ター等任意のものが利用できる。
【0075】これらの透水性部材は、亜硝酸性窒素1k
g−N/dayの注入量当たり、好ましくは0.005
〜0.2m、更に好ましくは0.01〜0.05m
の接触面積となるように設けるのが好ましい。
【0076】本発明は、砂や合成樹脂、ゲルなど任意の
微生物担体を用いた場合にも効果を発揮するが、特に槽
内の流速を低くとる必要がある担体を用いた装置に有効
であり、このような担体は水に近い比重を持つ場合が多
い。従って、本発明は水に対する比重が0.5〜2.0
の担体を用いる反応槽に適用したときに効果が高く、特
に水に対する比重が0.8〜1.3の担体を用いる反応
槽に適用したときに効果が高い。
【0077】担体が流出する心配の少ない固定床方式の
場合や、浮遊状態の担体をスクリーンやメッシュなどで
流出防止する場合には、本発明の代わりに希釈水量又は
処理水循環水量を増加させることで同様の効果がある
が、その場合にも本発明を用いることで、希釈水の節約
や、循環ポンプのコストの節約を行うことができる。
【0078】これらの担体を用いた反応槽の場合、設置
面積を低減するために縦方向に長い反応槽が好まれる場
合があり、その場合通水方向は上向流又は下向流となる
場合が多いが、本発明は特に上下流方向の長さが長い反
応槽に用いる場合に好適であり、好ましくは3〜30
m、より好ましくは4〜15mの反応部長さを持つ反応
槽に対して効果を発揮する。
【0079】グラニュール以外の他の担体を用いる脱窒
装置では、必ずしも上向流である必要はなく、GSSも
設置するのが好ましい場合と設置の必要がない場合があ
り、担体の種類やGSSの設置の有無は本発明を限定す
る要因とはならない。
【0080】また、担体を流動状態で用いたり、担体を
用いずに0.1μm以下のフロック状に増殖する菌体を
用いて脱窒反応を行わせる場合にも、水槽内が押し出し
流れに近い状態であったり、直列2槽以上、特に直列3
槽以上に分割してある場合には本発明を好適に適用する
ことができる。
【0081】次に図面を参照して本発明の生物脱窒装置
の実施の形態を説明する。
【0082】図1〜3は本発明の生物脱窒装置の実施の
形態を示す系統図である。図1〜3において、図4に示
す部材と同一機能を奏する部材には同一符号を付してあ
る。
【0083】図1の生物脱窒装置は、原水注入管(流入
管)11の下部にガス撹拌用の散気管20が設けられ、
この散気管20からのガスの散気で原水の注入点付近を
撹拌するように構成されている点が図4に示す従来の装
置と異なり、その他は図4の装置と同様の構成とされて
いる。
【0084】この撹拌用のガスはブロワ21より散気管
20に送り込まれる。ガスの散気量は、ガス流量計2
2、ガス流量調整バルブ23により調整される。24は
開閉バルブである。
【0085】図2の生物脱窒装置は、図1の装置に、更
に仕切板31を介してガスリフト管30が反応槽10の
一側部に設けられている。そして、散気管20を分岐さ
せて、散気管20Aで原水注入管の下方から散気し、散
気管20Bでガスリフト管30内に撹拌ガスを吹き込む
ように構成されている。また、原水の流入管11を分岐
させて、USB反応槽10の高さ方向に2箇所注入点を
設けてある。32は飛散防止カバーである。
【0086】散気管20Bから散気されたガスは、その
上昇流で槽内液と共に槽底部のグラニュールをガスリフ
ト管30内を上昇させて液面上まで持ち上げる。液面上
でガスは放散され、槽内液とグラニュールは、槽内を流
下して汚泥床上に戻される。このように、グラニュール
が反応槽10内の底部から汚泥床の上部に循環されこと
で槽内汚泥が均質化される。
【0087】このガスリフト管30内は、0.1〜0.
7m/sec程度の流速の上昇流が形成され、槽内液が
激しく混合されているため、このガスリフト管30内に
高濃度の亜硝酸性窒素を含む原水を直接注入すること
は、原水を槽内液で希釈して、亜硝酸性窒素濃度を急速
に阻害濃度以下に低減するために有効である。従って、
図2の装置では、原水注入管11Aからの原水が直接ガ
スリフト管30に注入されるように構成されている。た
だし、この場合には、十分に処理されていない亜硝酸性
窒素が処理水にショートパスする恐れがあるため、図示
の如く仕切板31を設けてガスリフト管30を上昇した
液は反応槽10の下部まで戻されるように構成される。
【0088】なお、下側の原水注入管11Bの反応槽1
0内の部分には、下向きの枝管11bが設けられてい
る。このように枝管11bを設けることで、仮に原水注
入管11Bが詰まったとしても、枝管11bの内部に留
まり、原水注入管11Bの主管の流れを妨げないため、
他の枝管から均一に原水を散布することができる。
【0089】各原水注入管11A,11Bから注入する
原水流量はそれぞれ流量計14A,14Bと流量調節バ
ルブ13A,13Bで調整可能となっている。また、散
気管20A,20Bからのガス量は、ガス流量計22
A,22B、ガス流量調整バルブ23A,23Bにより
調整される。
【0090】図3の生物脱窒装置においては、反応槽1
0内の原水注入部とガス吐出部を反応槽の一半側に寄せ
ると共に、GSS17を他半側に設け、仕切板40を設
けることにより、反応槽10内にガスリフト部40Aと
グラニュールの下降部40Bを形成した。
【0091】この場合、GSS17で分離すべきガス量
が多くなると、GSSの沈殿部17Aが乱され、固液分
離性能が悪くなる場合があるため、図3の装置では、撹
拌用に吹き込んだガスがGSSの取水口から離れた位置
で分離されるように、また、注入原水による上昇流と撹
拌用に吹き込んだガスのガスリフト作用で担体又はグラ
ニュールが円滑に上昇するように、仕切板40を設け、
原水注入管11の注入枝管11a及び散気管20のガス
吐出口を仕切板40で仕切られた反応槽10内の一半側
に設けている。
【0092】この仕切り板40の下部では、グラニュー
ルが円滑に横方向に移動する必要があるため、仕切り板
40の近傍も撹拌ガスで撹拌されるようにガスの吐出口
が設けられている。また、反応槽10内の他半側はデッ
ドスペースができるのを防止するために、少量の原水を
注入すると共に、撹拌ガスが吹き込まれるように構成さ
れている。
【0093】なお、図1〜3の生物脱窒装置は、本発明
の実施の形態の一例を示すものであって、何ら本発明を
限定するものではない。
【0094】撹拌用ガスとしては、前述の如く、脱窒処
理で生成する脱窒排ガスが好ましく用いられるが、散気
管は必ずしも原水注入管の下方である必要はない。ま
た、ガス撹拌用の散気管を省略するために、原水注入管
とガス撹拌用の散気管とを兼用しても良い。即ち、原水
注入管に撹拌用のガスを吹き込んでも良い。
【0095】また、図2の装置において、ガスリフト管
のみによる撹拌を行ってもよく、ガスの散気による撹拌
とを併用しても良い。
【0096】また、ガスリフト管の代りにグラニュール
や担体の移送に適したスネークポンプやチューブポンプ
を用いても同様の効果を得ることができるが、この場合
には、ガスを分離する必要がないため、ポンプの吐出液
を水面上とする必要はなく、グラニュールの充填部の比
較的上部、例えばグラニュール界面の上下2m以内、好
ましくは1m以内の位置に吐出させれば良い。
【0097】また、図1〜3では、1種類の原水を注入
しているが、アンモニア性窒素を含む水と亜硝酸性窒素
を含む水とを各々別の注入管で反応槽に注入しても良
い。
【0098】本発明によれば、脱窒反応速度を高くとる
ことができるため、亜硝酸性窒素の容積負荷を担体充填
部の見掛け容積当たり0.1〜50kg−N/m/d
ay、より好ましくは0.5〜30kg−N/m/d
ayとすることができる。
【0099】
【実施例】以下に比較例及び実施例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0100】比較例1 図4に示す従来のUSB反応槽(グラニュール充填高さ
4m,直径0.4mの円筒形でANAMMOX菌が増殖
するまでの担体としてメタン生成細菌主体のグラニュー
ルを投入したもの)により、700mg−N/Lのアン
モニア性窒素と600mg−N/Lの亜硝酸性窒素を含
む原水を、1m/dayの処理水で希釈しながら、反
応槽に導入して処理を行った。
【0101】運転開始時には、40L/dayで通水を
開始し、亜硝酸性窒素が除去されて処理水の亜硝酸性窒
素濃度が5mg−N/L以下になったのを確認してから
徐々に原水の流入量を増加した。この結果、約3ヶ月間
後に0.8m/dayの原水を処理できるようにな
り、グラニュール充填容積当たり亜硝酸性窒素1kg/
/dayの処理能力を持つようになった。このとき
にアンモニア性窒素は約0.77kg/m/day除
去されており、また硝酸性窒素が約0.17kg/m
/day生じていたため、窒素の除去能力としては1.
6kg/m/dayであった。亜硝酸性窒素の除去量
に対するアンモニア性窒素の除去量と硝酸性窒素の生成
量は負荷に関わらずほぼ一定であったため、以降は亜硝
酸性窒素の除去量のみを表記する。
【0102】この状態の時に、反応槽から流出するグラ
ニュールはわずかであり、反応槽内のグラニュール量に
顕著な変化は見られなかった。このため、ANAMMO
X菌が増殖したことによる微生物量の増加は、担体とし
て用いたメタン細菌主体のグラニュールの自己消化によ
る減少、及びわずかに流出したグラニュール量とほぼ釣
り合っていると思われた。
【0103】また、流出したグラニュールは前述のよう
に粒径3mm以上で球が崩れた不均一な形をしていた。
このようなグラニュールは反応槽下部の原水注入点付近
及びグラニュール充填部の最上部に多く、前述の作用で
原水注入点付近でグラニュールが肥大化し、その後に浮
力を生じて上層部に上昇し、特に浮力の大きなグラニュ
ールが流出していると思われた。
【0104】その後、原水の通水量を1m/dayに
増加したところ、処理水中に亜硝酸性窒素は10mg−
N/L程度残留するようになり、1週間程度は徐々に減
少する傾向が見られたが、その後漸増し、3週間後には
処理水中に亜硝酸性窒素は20mg−N/L付近に達し
た。反応槽内の亜硝酸性窒素の濃度分布を測定すると、
図5に示したように、原水注入点付近は亜硝酸性窒素濃
度が100mg−N/L付近となっており、このため原
水注入点付近のANAMMOX菌が失活し始めたことが
処理水質悪化の原因と判断された。
【0105】このため、希釈水量を1.2m/day
に増加し、また流入点付近の失活したグラニュールを分
散させるために窒素ガスを1Nm/hrの流量で反応
槽下部から10分間程度送り込むことで反応槽内を撹拌
した。この操作以降、処理水の亜硝酸性窒素濃度は減少
し、1週間後には5mg−N/L以下となった。
【0106】以降は、原水量を増加するごとに希釈水量
をその1.2倍に増加することで、通水量を徐々に上げ
ることができ、2ヶ月後には原水通水量を2m/da
y(上昇流速1.5m/hr)まで上げることができ
た。このときグラニュール充填部当たりの亜硝酸性窒素
の除去能力は2.4kg−N/m/dayであった。
【0107】更に通水量を上げていったところ、反応槽
から流出するグラニュールの量が多くなり、特に原水通
水量が2.7m/day付近(上昇流速2m/hr)
に達したところで、再び処理水中の亜硝酸性窒素濃度が
15mg−N/L程度となった。引き続きこの条件で運
転を続けたところ、グラニュールの流出によってグラニ
ュール充填部高さが徐々に減少する傾向が見られ、また
処理水の亜硝酸性窒素濃度は10日後に約25mg−N
/Lまで増加した。
【0108】このときの槽内の様子を観察すると、気泡
の上昇により巻き上げられたグラニュールの一部が沈降
せずに上昇し、更にGSSの沈殿部で一部は沈殿するも
のの一部は沈降せずに流出していた。このため、反応槽
内部及びGSS沈殿部の上昇流速が、通水量の増加と共
に速くなったことにより、沈殿せずに流出するグラニュ
ールの量が増加したものと思われた。
【0109】実施例1 比較例1の問題を解決するために、図1に示す如く、原
水の注入管と同じ高さに散気管を設け、この散気管から
窒素ガスを1NL/min(0.5Nm/m /h
r)で反応槽下部に導入し、ガスバブリングによる撹拌
を行った。また、希釈水の導入を停止して、原水通水量
を2m/day(上昇流速0.67m/hr)とし
た。
【0110】なお、散気管のガス吐出口の直径は2mm
であり、吐出速度は5.3Nm/m/sec、散気
管内のガス流速は5.3m/secであった。
【0111】この結果、反応槽下部の亜硝酸性窒素濃度
は40〜80mg/Lとなったが、この濃度が経時的に
増加する傾向はなく、処理水の亜硝酸性窒素が5mg/
L以下まで安定的に除去された。これは、亜硝酸性窒素
濃度50mg/L以上は阻害の懸念のある濃度であった
が、その中でも低いレベルで推移していたこと、また、
グラニュールが緩やかに流動したために、反応槽下部の
高濃度亜硝酸性窒素に接しているグラニュールと、より
上部の、亜硝酸性窒素濃度が50mg/L以下で増殖し
ている領域のグラニュールとが適宜入れ替わっているこ
とによる効果であると推定された。
【0112】しかし、このままの状態これ以上負荷をか
けるのは失活の危険があると考え、ガスバブリングをす
る位置を反応槽の側部約4分の1以内に集中させ、また
ガス流量を2.1NL/min(1Nm/m/h
r)に増加し、原水もこの領域にのみ投入するようにし
た。この結果、少なくとも反応槽の下部では、原水とガ
スの吐出を集中した側のグラニュールが全体に上方に移
動する様子が観察された。このときのグラニュールの移
動速度は1日1〜4回転程度であった。また、この部分
の亜硝酸性窒素濃度も30〜50mg/Lと低下した
め、原水の通水量を徐々に増大したところ、約1ヶ月後
には3m/dayの通水を行えるようになった。この
ときの反応槽下部の亜硝酸性窒素濃度は30〜60mg
/L程度であり、処理水の亜硝酸性窒素は5mg/L以
下で安定した。
【0113】この結果から希釈水を導入することなく、
亜硝酸性窒素の除去速度3.6kg−N/m/da
y、アンモニア性窒素の除去速度2.7kg−N/m
/day、硝酸性窒素の生成速度0.7kg−N/m
/dayの処理結果が得られ、窒素の除去速度として
5.6kg−N/m/dayを得ることができた。
【0114】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の生物脱窒装
置及び生物脱窒方法においては、原水注入部の局部的な
亜硝酸性窒素濃度の上昇に起因する脱窒微生物の失活を
防止して高負荷処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生物脱窒装置の実施の形態を示す概略
的な断面図である。
【図2】本発明の生物脱窒装置の他の実施の形態を示す
概略的な断面図である。
【図3】本発明の生物脱窒装置の別の実施の形態を示す
概略的な断面図である。
【図4】従来のUSB反応槽を示す概略的な断面図であ
る。
【図5】USB反応槽の原水注入管の一例を示す平面図
である。
【図6】従来のUSB反応槽によるUSB反応槽内の亜
硝酸性窒素濃度の分布を示すグラフである。
【符号の説明】
10 USB反応槽 11,11A,11B 原水注入管 15 希釈水注入管 17 GSS 18 処理水集水トラフ 19 処理水排出管 20,20A,20B 散気管 30 ガスリフト管 31 仕切板 40 仕切板 40A ガスリフト部 40B 下降部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜硝酸性窒素を含有する原水の流入管と
    処理液の流出管を有し、電子供与体の存在下に亜硝酸性
    窒素を電子受容体とする脱窒微生物の作用により生物脱
    窒する脱窒槽を有する生物脱窒装置であって、 該脱窒槽には、前記脱窒微生物が担体表面に生物膜を形
    成したもの、又は、前記脱窒微生物が自己造粒によりグ
    ラニュールを形成したものが内蔵され、 前記原水の流入管からの該脱窒槽内への原水注入口付近
    を撹拌する撹拌手段が設けられていることを特徴とする
    生物脱窒装置。
  2. 【請求項2】 前記撹拌手段は、ガスの散気手段である
    ことを特徴とする請求項1に記載の生物脱窒装置。
  3. 【請求項3】 亜硝酸性窒素を含有する原水を、脱窒槽
    に供給し、該脱窒槽内の亜硝酸性窒素を電子受容体とす
    る脱窒微生物の作用により電子供与体の存在下に脱窒処
    理する生物脱窒方法であって、 該脱窒槽は、亜硝酸性窒素を含有する原水の流入管と処
    理液の流出管を有し、 該脱窒槽には、前記脱窒微生物が担体表面に生物膜を形
    成したもの、又は、前記脱窒微生物が自己造粒によりグ
    ラニュールを形成したものが内蔵されており、 前記原水の流入管からの該脱窒槽内への原水注入口付近
    を撹拌することを特徴とする生物脱窒方法。
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