JP2004255269A - 脱窒方法及び脱窒装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ANAMMOX細菌による脱窒処理に当たり、低濃度排水の処理における活性低下を防止して、高い処理能力を維持する。
【解決手段】脱窒槽2から流出する処理水中の重炭酸イオン濃度を測定し、この重炭酸イオン濃度が5mg−C/L以上となるように、脱窒槽2に炭酸塩、重炭酸塩又は炭酸ガスを添加制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンモニア性窒素を含有する原水を、アンモニア性窒素を電子供与体とし、亜硝酸性窒素を電子受容体とする独立栄養性脱窒細菌により亜硝酸性窒素の存在下に脱窒処理する方法及び装置に係り、特に、この独立栄養性脱窒細菌による脱窒反応に必要な無機炭素源の添加量を的確に制御して効率的な脱窒処理を行う方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
排液中に含まれるアンモニア性窒素は河川、湖沼及び海洋などにおける富栄養化の原因物質の一つであり、排液処理工程で効率的に除去する必要がある。一般に、排水中のアンモニア性窒素は、アンモニア性窒素をアンモニア酸化細菌により亜硝酸性窒素に酸化し、更にこの亜硝酸性窒素を亜硝酸酸化細菌により硝酸性窒素に酸化する硝化工程と、これらの亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素を従属栄養性細菌である脱窒菌により、有機物を電子供与体として利用して窒素ガスにまで分解する脱窒工程との2段階の生物反応を経て窒素ガスにまで分解される。
【0003】
しかし、このような従来の硝化脱窒法では、脱窒工程において電子供与体としてメタノールなどの有機物を多量に必要とし、また硝化工程では多量の酸素が必要であるため、ランニングコストが高いという欠点がある。
【0004】
これに対して、近年、アンモニア性窒素を電子供与体とし、亜硝酸性窒素を電子受容体とする独立栄養性微生物(自己栄養細菌)を利用し、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素とを反応させて脱窒する方法が提案された。この方法であれば、有機物の添加は不要であるため、従属栄養性の脱窒菌を利用する方法と比べて、コストを低減することができる。また、独立栄養性の微生物は収率が低く、汚泥の発生量が従属栄養性微生物と比較すると著しく少ないので、余剰汚泥の発生量を抑えることができる。更に、従来の硝化脱窒法で観察されるNOの発生がなく、環境に対する負荷を低減できるといった特長もある。
【0005】
この独立栄養性脱窒細菌(以下「ANAMMOX細菌」と称す場合がある。)を利用する生物脱窒プロセスは、Strous, M, et al., Appl. Microbiol. Biotechnol., 50, p.589−596 (1998)に報告されており、以下のような反応でアンモニア性窒素とその約1.3倍量の亜硝酸性窒素が反応して窒素ガスに分解されると考えられている。
【0006】
【化1】
Figure 2004255269
【0007】
ANAMMOX細菌は独立栄養細菌であるので、上記(1)式に示すように反応には1当量のアンモニア態窒素に対して0.066当量の無機炭素、即ち重炭酸塩(HCO )が必要である。従って、従来においては、反応系には上記理論式に見合う量の無機炭素源が添加されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、理論値に従った無機炭素源を添加した場合、低濃度の排水処理においては、活性が低下し、処理性能を維持できないという問題があった。
【0009】
本発明は上記従来の問題点を解決し、ANAMMOX細菌による脱窒処理に当たり、低濃度排水の処理においても、高い処理能力を維持することができる脱窒方法及び脱窒装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の脱窒方法は、アンモニア性窒素を含む原水を、脱窒槽に供給し、該脱窒槽内のアンモニア性窒素を電子供与体とし、亜硝酸性窒素を電子受容体とする脱窒細菌の作用により亜硝酸性窒素の存在下に脱窒処理する脱窒方法において、前記脱窒槽内の重炭酸イオン濃度が5mg−C/L以上となるように炭酸塩、重炭酸塩及び炭酸ガスのいずれか1種以上を前記脱窒槽に添加することを特徴とする。
【0011】
本発明の脱窒装置は、アンモニア性窒素を電子供与体とし、亜硝酸性窒素を電子受容体とする脱窒細菌を保有し、アンモニア性窒素を含む原水を亜硝酸性窒素の存在下に脱窒処理する脱窒槽と、該脱窒槽から流出する処理水中の重炭酸イオン濃度を測定する重炭酸イオン濃度測定手段と、該測定手段の重炭酸イオン濃度値に基づいて、前記脱窒槽に炭酸塩、重炭酸塩又は炭酸ガスのいずれか1種以上を添加する無機炭素源添加手段とを具備することを特徴とする。
【0012】
本発明者は、ANAMMOX細菌による脱窒処理において、低濃度排水の場合、無機炭素源の理論量を添加しても、活性が低下し、処理性能を維持できない理由について、鋭意研究を重ねた結果、無機炭素不足が原因であることをつきとめた。即ち、低濃度排水処理においては、無機炭素の不足によって反応が進行しない状態に陥り、理論上では足りているにもかかわらず、脱窒不良となる。この理由の詳細は明らかではないが、ANAMMOX細菌は重炭酸イオンに対して親和性が低く、5mg−C/L未満の重炭酸イオンでは、菌体の増殖に利用できないためと考えられる。
【0013】
本発明では、この問題を解決するために、脱窒槽内に残留する重炭酸イオン濃度を5mg−C/L以上の一定値以上に維持することにより、低濃度排水であっても安定に脱窒処理を行うことを可能とする。例えば、450mg−N/Lの亜硝酸性窒素を処理する場合、前記(1)式から算出した必要とされる重炭酸イオンの理論量は20mg−C/Lである。従って、この場合は、重炭酸イオン濃度が必要量より5mg−C/Lを上乗せした25mg−C/L以上となるように、炭酸塩、重炭酸塩、又は炭酸ガスを脱窒槽に添加して、脱窒槽に残留する重炭酸イオン濃度を5mg−C/L以上とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の脱窒方法及び脱窒装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
図1,2は、本発明の脱窒装置の実施の形態を示す系統図である。
【0016】
図1,2において、アンモニア性窒素を含む原水はまず硝化槽1に導入され、原水中のアンモニア性窒素がアンモニア酸化細菌により曝気下亜硝酸性窒素に酸化される。硝化槽1の流出液(硝化液)は脱窒槽2に導入され、撹拌下、ANAMMOX細菌によるANAMMOX反応でアンモニア性窒素及び亜硝酸性窒素が除去される。
【0017】
前述の如く、ANAMMOX反応では、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素とがモル比1:1.32で反応するため、ANAMMOX細菌による脱窒を行う脱窒槽2の流入水はこのような割合でアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素とを含むことが好ましい。図1,2の装置では、脱窒槽2の流入水中のアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素の割合がANAMMOX反応当量となるように、原水の全量を硝化槽1に導入し、原水中のアンモニア性窒素の一部、好ましくは約1/2を亜硝酸性窒素に酸化し、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素を含む硝化液を脱窒槽2に導入する。
【0018】
本発明において、処理対象となる原水は、アンモニア性窒素を含む水であり、有機物及び有機性窒素を含むものであっても良いが、これらは脱窒処理前に予めアンモニア性窒素になる程度まで分解しておくことが好ましい。原水は無機物を含んでいても良い。一般的には、下水、し尿、嫌気性消化脱離液等のアンモニア性窒素、有機性窒素及び有機物を含む排水が処理対象となる場合が多いが、この場合、これらを好気性又は嫌気性処理して有機物を分解し、有機性窒素をアンモニア性窒素に分解した後、硝化槽1に導入することが好ましい。
【0019】
図1の脱窒槽2には、NaHCO貯槽5内の重炭酸ナトリウム水溶液がポンプ5Pにより添加され、ANAMMOX反応に必要な重炭酸イオンが供給される。この装置では、脱窒槽2から流出する処理水(脱窒液)の重炭酸イオン濃度を重炭酸イオン濃度測定装置3で測定し、この結果に基いて重炭酸イオン濃度制御装置4により、バルブ5Vの開閉又は開度を制御して脱窒槽2に添加する重炭酸ナトリウム水溶液の添加量を制御する。
【0020】
また、図2の脱窒槽2には、COボンベ6内の炭酸ガスが添加され、ANAMMOX反応に必要な重炭酸イオンが供給されるが、この装置でも、脱窒槽2から流出する処理水の重炭酸イオン濃度を重炭酸イオン濃度測定装置3で測定し、この結果に基いて重炭酸イオン濃度制御装置4により、バルブ6Vの開閉又は開度を制御して脱窒槽2に添加する炭酸ガスの添加量を制御する。
【0021】
図1,2においては、このようにして脱窒処理水の重炭酸イオン濃度を測定することにより、脱窒槽2内の残留重炭酸イオン濃度が5mg−C/L以上となるように、即ち、重炭酸イオン濃度測定装置3の測定値が5mg−C/L以上となるように、脱窒槽2に重炭酸ナトリウム水溶液又は炭酸ガスを添加する。
【0022】
この重炭酸イオン濃度が5mg−C/L未満であると、脱窒槽2内の無機炭素量不足によるANAMMOX細菌の活性低下が起こり、処理水中に亜硝酸性窒素及びアンモニア性窒素が残留するようになる。この重炭酸イオン濃度の制御値は、5mg−C/L以上であれば良く、この制御値を過度に高くすることは、添加薬品コストの高騰を招き好ましくない。一般的には、脱窒処理水中の重炭酸イオン濃度が5〜60mg−C/Lとなるように添加制御を行うことが好ましい。図1,2においては、脱窒処理水の重炭酸イオン濃度を測定し、その値に基づいて、脱窒槽に重炭酸ナトリウム又は炭酸ガスを添加する、いわゆるフィードバック制御であるが、脱窒槽に流入する亜硝酸性窒素濃度に基づいて、前記(1)式から重炭酸イオンの理論量を求め、これに5mg−C/Lを上乗せした炭酸塩、重炭酸塩又は炭酸ガスを脱窒槽に添加する、いわゆるフィードフォワード制御としてもよい。
【0023】
なお、脱窒槽に添加する重炭酸イオン源としては、炭酸ガス、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム等の重炭酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩を用いることができ、これらの1種又は2種以上を添加することができる。また、炭酸ガスは、ボイラ排ガスや発酵槽のバイオガスのような炭酸ガスを含む排ガスであっても良い。
【0024】
図1において、硝化槽1及び脱窒槽2には、各々硝化菌及び脱窒菌(ANAMMOX細菌)のグラニュール汚泥が保持されているため、各槽の後段の沈殿槽が不要となっている。
【0025】
図3は、グラニュール汚泥を用いたエアリフト型の硝化槽の一例を示す図であって、エアリフト反応槽10の下部に原水流入配管11および空気供給配管12が連絡し、上部に処理水(硝化液)排出配管13が連絡している。反応槽10内には上下両端が開口したドラフトチューブ14が設けられ、下端開口部には散気板15が設けられて空気供給配管12からの空気がドラフトチューブ14内に散気するように構成されている。ドラフトチューブ14の上端開口部付近から反応槽10の内径が大きくなり、固液分離部10Aが形成され、その下部が反応部10Bを構成する。固液分離部10Aにはドラフトチューブ14の上端開口部を覆うように、ガス分離板16Aを有するガス捕集器16が設けられている。
【0026】
図3の硝化槽で硝化を行うには、原水流入配管11から原水(アンモニア性窒素含有水)を反応槽10下部に導入するとともに、空気供給配管12から空気を送り、散気板15からドラフトチューブ14内に散気する。空気の上昇に伴ってドラフトチューブ14内には上昇流が発生し、ドラフトチューブ14内液はグラニュール汚泥17、空気18及び浮遊活性汚泥と混合され、上端開口部を通ってドラフトチューブ14外に流出するとともに、下端開口部からドラフトチューブ14外液がドラフトチューブ14内に流入する。このようにしてドラフトチューブ14内に上昇流、ドラフトチューブ14外に下降流が形成され、反応槽10内液はドラフトチューブ14の内外を循環する。この間に、グラニュール汚泥17、空気18および浮遊活性汚泥と接触し、グラニュール汚泥17の表面に生物膜を形成した硝化菌により硝化が行われる。
【0027】
ドラフトチューブ14内の液は上昇流となって上端開口部から流出するが、固液分離部10Aの内径は広くなっているので上昇流の流速は小さくなり、このためグラニュール汚泥17は自重により沈降し、ドラフトチューブ14外液側に移行して反応部10Bを循環する。空気18はガス分離板16Aによりガス捕集器16に捕集され、空気排出配管19から排出される。グラニュール汚泥17が沈降分離されるとともに空気18が分離された処理水は処理水配管13から排出される。
【0028】
図3の硝化槽では、グラニュール汚泥17の表面に硝化菌を多量に保持するとともにSRTを長くして、効率良く硝化を行うことができ、しかも沈殿槽等の固液分離装置を省略することができる。
【0029】
図4はグラニュール汚泥を用いたUSB(Upflow Sludge Bed;上向流汚泥床)方式の脱窒槽を示す図であって、USB反応槽20内は、内部にANAMMOX細菌のグラニュール汚泥床21が形成され、底部に原水の流入配管22が接続されている。反応槽20の上部には気液固分離装置23が設けられ、この気液固分離装置23から、処理水(脱窒液)の排出配管24と処理水の一部を循環水として原水流入配管22に戻す循環配管25が引き出されている。
【0030】
このUSB反応槽20では、原水(硝化液)は、配管25からの循環水と共に配管22からUSB反応槽20の底部に導入される。USB反応槽20に導入された原水は、ANAMMOX細菌のグラニュール汚泥床21を上向流で上昇する間に、ANAMMOX細菌により脱窒処理され、処理水が配管24より系外へ排出される。また、処理水の一部は配管25より原水導入配管22に循環される。
【0031】
このUSB反応槽20からはグラニュール汚泥を引き抜き、破砕した後反応槽20に戻すことによりグラニュール汚泥の浮上を防止することが好ましい。この破砕手段としては、グラニュール汚泥を機械的に破砕することができるものであれば良く、回転刃付きのカッターポンプ、ホモジナイザー、グラインダーポンプ等を用いることができる。破砕のためのグラニュール汚泥の引き抜きは、連続的に行っても良く、間欠的に行っても良い。また、引き抜き量や破砕の程度についてもグラニュール汚泥の浮上を防止し得る程度であれば良く、処理条件、原水性状、反応槽の仕様等に応じて適宜決定される。また、浮上してしまったグラニュールを水面付近で捕捉して破砕することも有効である。
【0032】
一般的には、反応槽内のグラニュール汚泥床を構成するグラニュール汚泥の粒径が0.25〜2.0mmとなるように必要に応じてグラニュール汚泥の引き抜き、破砕を行うのが好ましい。
【0033】
脱窒条件としては、例えば反応槽内液の温度が10〜40℃、特に20〜35℃、pHが5〜9、特に6〜8、溶存酸素濃度が0〜2.5mg/L、特に0〜0.2mg/L、BOD濃度が0〜50mg/L、特に0〜20mg/L、窒素負荷が0.1〜10kg−N/m・day、特に1〜5kg−N/m・dayの範囲とするのが好ましい。
【0034】
グラニュール汚泥はANAMMOX細菌を造粒したものであっても良いが、グラニュール汚泥を形成する場合、微生物だけではグラニュール形成に期間を要するので、核となる物質を添加し、その核の周りにANAMMOX細菌の生物膜を形成させることが望ましい。この場合、核として、例えば微生物グラニュールや非生物的な担体を挙げることができる。
【0035】
核として用いられる微生物グラニュールとしては、メタン菌グラニュール等の嫌気性微生物や従属栄養性脱窒菌グラニュール等を挙げることができる。メタン菌グラニュールは、UASB(Upflow Anaerobic Sludge Blanket;上向流嫌気性汚泥床)法もしくはEGSB(Expanded Granule Sludge Bed;展開粒状汚泥床)法でメタン発酵が行われているメタン発酵槽で使用されているものを適用できる。また、従属栄養性脱窒グラニュールは、USB方式の通常の脱窒槽で利用されるものを適用できる。これらのグラニュールはそのままの状態で、又はその破砕物として用いることができる。独立栄養性脱窒細菌はこのような微生物グラニュールに付着しやすく、グラニュールの形成に要する時間が短縮される。また、核として非生物的な材料を用いるよりも経済的である。
【0036】
核として用いられる非生物的な材料としては、例えば、活性炭、ゼオライト、ケイ砂、ケイソウ土、焼成セラミック、イオン交換樹脂等、好ましくは活性炭、ゼオライト等よりなる、粒径50〜200μm、好ましくは50〜100μmで、平均比重1.01〜2.5、好ましくは1.1〜2.0の担体を挙げることができる。
【0037】
このようにして形成されるANAMMOX細菌のグラニュール汚泥は、平均粒径が0.25〜3mm、好ましくは0.25〜2mm、より好ましくは0.25〜1.5mm程度、平均比重が1.01〜2.5、好ましくは1.1〜2.0であることが望ましい。グラニュールの粒度が小さいほど比表面積が大きくなるので、高い汚泥濃度を維持し、脱窒処理を効率よく行う点で好ましい。
【0038】
図4のようなUASB方式の反応槽やEGSB方式の反応槽内でANAMMOX細菌のグラニュール汚泥を原水の上向流で展開させてグラニュール汚泥床を形成することにより、原水とグラニュール汚泥との接触効率を高くすることができ、好ましい。
【0039】
なお、処理水の一部は循環水として、反応槽の原水導入側へ戻す。この場合、UASB方式であれば循環水量は原水量の0.5〜10倍とし、反応槽内の上向流速(原水と循環水との合計の流速)を0.5〜2m/hrとするのが好ましい。また、EGSB方式であれば循環水量は原水量の0.5〜20倍とし、反応槽内の上向流速(原水と循環水の合計の流速)を2〜15m/hrとしてグラニュール汚泥床を展開させて通液する。
【0040】
図1,2は、本発明の脱窒装置の実施の形態の一例を示すものであって、本発明はその要旨を超えない限り、何ら図示のものに限定されるものではない。
【0041】
例えば、図1,2の脱窒装置では、原水を硝化槽1に導入し、アンモニア性窒素を含む原水中のアンモニア性窒素の一部を亜硝酸性窒素に酸化し、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素を含む硝化液を脱窒槽2に導入しているが、アンモニア性窒素を含む原水の一部、好ましくは約1/2を硝化槽1に導入してアンモニア性窒素を含む亜硝酸性窒素に酸化し、亜硝酸性窒素を含む硝化液と、アンモニア性窒素を含む原水の残部とを脱窒槽2に導入するようにしても良い。また、硝化槽1を設けず、アンモニア性窒素を含む原水を直接脱窒槽に導入し、別途、亜硝酸性窒素、或いは亜硝酸性窒素を含む排水を脱窒槽に添加することにより、脱窒槽にANAMMOX反応当量となるようにアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素を導入するようにすることもできる。
【0042】
また、硝化槽及び脱窒槽の型式には特に制限はない。前述の如く、グラニュール法や、固定床、流動床、担体添加法等の生物膜式の反応槽であれば、後段の固液分離のための沈殿槽を省略することができる。汚泥懸濁式の反応槽であれば、その流出水を沈殿槽や膜分離装置で固液分離して分離汚泥を該槽に返送することで系内に汚泥を保持することができる。また、脱窒槽はエアの代りに窒素ガスを用いたガスリフト型反応槽であっても良い。
【0043】
なお、本発明において、脱窒槽の流出液は次いで更に脱窒槽に導入して、メタノール等の有機物を添加し、撹拌下、ANAMMOX反応で生成した硝酸や残留する亜硝酸性窒素を脱窒細菌により嫌気条件下で窒素ガスに分解する脱窒処理を行っても良い。また、脱窒槽の流出液は更に再曝気槽に導入して、残留するBOD成分を好気処理しても良い。
【0044】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0045】
実施例1
容積3Lの反応槽(脱窒槽)を用いて、アンモニア性窒素及び亜硝酸性窒素の各濃度が450mg−N/Lの合成排水を10L/dayの条件で通水して処理した。通水に先立ち、予め運転を続けていた反応槽からANAMMOX細菌のグラニュール24000mg/Lを取り出し、2つの反応槽(反応槽▲1▼,▲2▼)にそれぞれ1.5Lずつ投入した。この通水条件で流入水中の亜硝酸性窒素を全て処理するために必要な重炭酸イオン量は前記式(1)より算出すると20mg−C/Lである。
【0046】
各反応槽において、各々次のような通水試験を行い、その結果を図5及び図6に示した。
【0047】
通水開始より、最初の10日間は重炭酸イオン濃度30mg−C/Lの原水を通水していた。その結果、図5及び図6に示した通り、流入した亜硝酸性窒素はほぼ全て処理できており、このときの処理水中の重炭酸イオン濃度は約10mg−C/Lであり、理論必要量の20mg−C/Lの重炭酸イオンが消費されていることを確認した。
【0048】
しかし、10日目から反応槽▲1▼には12mg−C/L、反応槽▲2▼には23mg−C/Lの重炭酸イオン濃度の原水を流入させた。この日よりどちらの反応槽においても処理水中の亜硝酸濃度が増加し、処理能力が低下傾向になった。各処理水の重炭酸イオン濃度を解析した結果、反応槽▲1▼、反応槽▲2▼ともに処理水中に約5mg−C/Lの重炭酸イオンが残留したまま流出しており、反応に必要な量の炭酸塩が消費できていないことがわかった。この結果より、系内に利用できる重炭酸イオンが残留しているにもかかわらず、それを利用していない、つまりANAMMOX細菌は5mg−C/L以下の重炭酸イオンに対しては親和性がなく、菌体の増殖に利用できないことが確認できた。
【0049】
そこで、28日目より両反応槽について、図1に示すように、脱窒反応槽から流出する処理水の重炭酸イオン濃度のモニタリングを行い、その濃度が5mg−C/L未満であれば炭酸水素ナトリウム(NaHCO)を反応槽に添加する装置を用いて、重炭酸イオン濃度の制御を行った。その結果、処理能力は回復し、20日間の間、処理水の亜硝酸性窒素濃度が1mg−N/L以下の安定運転が継続できた。
【0050】
同様に、図2に示すように、脱窒槽から流出する処理水の重炭酸イオン濃度のモニタリングを行い、その濃度が5mg−N/L未満であれば、炭酸ガスを反応槽に曝気する装置を用いて、重炭酸イオン濃度の制御を行った場合においても、処理水の亜硝酸性窒素濃度は1mg−N/L以下で継続して安定運転できることを確認した。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の脱窒方法及び脱窒装置によれば、ANAMMOX細菌による脱窒処理に当たり、無機炭素不足による活性低下を引き起こすことなく、長期に亘り安定な処理を継続し、良好な脱窒処理水を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の脱窒装置の実施の形態を示す系統図である。
【図2】本発明の脱窒装置の他の実施の形態を示す系統図である。
【図3】エアリフト型の硝化槽の一例を示す系統図である。
【図4】USB型の脱窒槽の一例を示す系統図である。
【図5】実施例1における処理水(脱窒液)の亜硝酸性窒素濃度の経時変化を示すグラフである。
【図6】実施例1における処理水(脱窒液)の重炭酸イオン濃度の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 硝化槽
2 脱窒槽
3 重炭酸イオン濃度測定装置
4 重炭酸イオン濃度制御装置
5 NaHCO貯槽
6 COボンベ
10 エアリフト反応槽
14 ドラフトチューブ
17 グラニュール汚泥
20 USB反応槽
21 グラニュール汚泥床

Claims (2)

  1. アンモニア性窒素を含む原水を、脱窒槽に供給し、該脱窒槽内のアンモニア性窒素を電子供与体とし、亜硝酸性窒素を電子受容体とする脱窒細菌の作用により亜硝酸性窒素の存在下に脱窒処理する脱窒方法において、
    前記脱窒槽内の重炭酸イオン濃度が5mg−C/L以上となるように炭酸塩、重炭酸塩及び炭酸ガスのいずれか1種以上を前記脱窒槽に添加することを特徴とする脱窒方法。
  2. アンモニア性窒素を電子供与体とし、亜硝酸性窒素を電子受容体とする脱窒細菌を保有し、アンモニア性窒素を含む原水を亜硝酸性窒素の存在下に脱窒処理する脱窒槽と、
    該脱窒槽から流出する処理水中の重炭酸イオン濃度を測定する重炭酸イオン濃度測定手段と、
    該測定手段の重炭酸イオン濃度値に基づいて、前記脱窒槽に炭酸塩、重炭酸塩又は炭酸ガスのいずれか1種以上を添加する無機炭素源添加手段と
    を具備することを特徴とする脱窒装置。
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