JP2006082053A - 窒素含有排水の処理方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】窒素含有排水をANAMMOX細菌により嫌気的アンモニア酸化処理して脱窒するに当たり、反応装置の立ち上げ時、長期運転停止後の再開時、又は処理負荷の低下時における反応槽内の担体やグラニュール汚泥のマッドボールの生成、槽内の偏流等に起因する処理活性の低下、処理水質の低下を防止して、高負荷運転への移行を速やかに行う。
【解決手段】装置の立ち上げ時、長期運転停止後の運転再開時、低負荷運転時、又は低負荷運転後の高負荷運転開始時に、反応槽内下部に、不活性ガス又は嫌気的アンモニア酸化処理で発生するガスを、連続的に又は間欠的に導入して槽内を撹拌することにより、担体やグラニュール汚泥を流動化させ、活性低下、水質低下の原因となる担体やグラニュール汚泥のマッドボールの生成及び槽内の偏流の発生を防止する。
【選択図】図1
【解決手段】装置の立ち上げ時、長期運転停止後の運転再開時、低負荷運転時、又は低負荷運転後の高負荷運転開始時に、反応槽内下部に、不活性ガス又は嫌気的アンモニア酸化処理で発生するガスを、連続的に又は間欠的に導入して槽内を撹拌することにより、担体やグラニュール汚泥を流動化させ、活性低下、水質低下の原因となる担体やグラニュール汚泥のマッドボールの生成及び槽内の偏流の発生を防止する。
【選択図】図1
Description
本発明は、窒素含有排水を、アンモニア態窒素を電子供与体とし亜硝酸態窒素を電子受容体とする独立栄養性脱窒細菌により嫌気的アンモニア酸化処理する方法及び装置に係り、特に装置の立ち上げ時、長期運転停止後の運転再開時、低負荷運転時、又は低負荷運転後の高負荷運転開始時における反応槽の処理能力の低下を防止して、高負荷運転への移行を速やかに行うための方法及び装置に関する。
排水中に含まれるアンモニア態窒素は河川、湖沼及び海洋などにおける富栄養化の原因物質の1つであり、排水処理工程で効率的に除去する必要がある。排水中の窒素成分を生物学的に除去する技術として、微生物を利用した生物学的な硝化・脱窒法が知られている。この方法では、排水中のアンモニア態窒素を好気的な反応槽において生物学的に酸化し、その酸化物である亜硝酸態窒素及び硝酸態窒素を嫌気的な状態下で、酸素受容体である有機物の存在により窒素ガスに還元(脱窒)する。酸素受容体である有機物は、メタノール、酢酸などの生分解性有機物を人為的に添加する場合と、排水中に含まれるBOD成分を利用する場合がある。しかし、このような従来の硝化・脱窒法では、脱窒工程においては有機物の添加が必要であり、また、硝化工程においては多量の酸素(曝気)が必要であるため、ランニングコストが高いという欠点がある。
これに対して、近年、アンモニア態窒素を電子供与体とし、亜硝酸態窒素を電子受容体とする独立栄養性微生物(自己栄養細菌。以下「ANAMMOX細菌」と称す場合がある。)を利用し、アンモニア態窒素と亜硝酸態窒素とを反応させて脱窒する方法(ANAMMOX法)が提案された。この方法であれば、有機物の添加は不要であるため、従属栄養性の脱窒菌を利用する方法と比べて、コストを低減することができる。また、独立栄養性の微生物は収率が低く、汚泥の発生量が従属栄養性微生物と比較すると著しく少ないので、余剰汚泥の発生量を抑えることができる。更に、従来の硝化脱窒法で観察されるN2Oの発生がなく、環境に対する負荷を低減できるといった特長もある。
このANAMMOX細菌を利用する生物脱窒プロセスは、Strous,M,et al.,Appl.Microbiol.Biotechnol.,Vol.50,p.589-596(1998)に報告されており、以下のような反応でアンモニア態窒素を1.3倍当量の亜硝酸態窒素と反応させて窒素ガスに分解させる。
NH4 ++1.32NO2 -+0.066HCO3 -+0.13H+
→1.02N2+0.26NO3 -+0.066CH2O0.5N0.15+2.03H2O …(1)
NH4 ++1.32NO2 -+0.066HCO3 -+0.13H+
→1.02N2+0.26NO3 -+0.066CH2O0.5N0.15+2.03H2O …(1)
従って、アンモニア態窒素含有排水の処理に当っては、例えば、予め排水を亜硝酸化槽に導入してアンモニア態窒素の一部を亜硝酸態窒素に酸化して、反応当量にほぼ等しい亜硝酸態窒素を生成させた後、ANAMMOX反応槽に導入して上記反応で脱窒を行う方法が採用されている。
このANAMMOX反応槽の形式として、砂や合成樹脂、ゲルなどの微生物が付着するのに適した担体を充填したカラムに、上向流又は下向流で原水を通水し、担体表面で窒素化合物とANAMMOX細菌を接触させて脱窒反応を進行させる方式が用いられる。
また、原水を反応槽の下部より上向流で注入し、菌の付着担体を用いることなく、汚泥を粒状化させて粒径0.5〜数mmのグラニュール汚泥の汚泥床を形成させ、反応槽中に高濃度で汚泥を保持して高負荷処理を行うUSB(Upflow Sludge Bed;上向流汚泥床)方式も提案されている(特開2003−39093号公報、特開2003−24988号公報)。
特開2003−39093号公報
特開2003−24988号公報
Strous,M,et al.,Appl.Microbiol.Biotechnol.,Vol.50,p.589-596(1998)
このようなANAMMOX反応槽においては、一般に、脱窒反応で生成する窒素ガスの上昇流や処理水の循環流を利用した撹拌作用で槽内の担体やグラニュール汚泥の流動化が行われているが、窒素負荷の低下や、脱窒能力の低下により、反応で発生するガス量が減少したときには、槽内の担体やグラニュール汚泥が殆ど流動していない状態となってしまう。また、反応槽への溶存酸素の流入があると、原水中のSSに含まれる前段の亜硝酸化槽由来の硝化菌が増殖し、これがANAMMOX細菌にからみついて、担体又はグラニュール同士が結合する。その結果、槽内で原水流の偏流が発生したり、担体又はグラニュールが結合したマッドボールの内部に包括されたANAMMOX汚泥が局所的に失活し、槽内の活性を低下させ、更なる活性の低下や処理水質の悪化を招いてしまうという問題があった。
従って、本発明は、窒素含有排水をANAMMOX細菌により嫌気的アンモニア酸化処理して脱窒するに当たり、特にANAMMOX反応装置の立ち上げ時、長期運転停止後の運転再開時、又は処理負荷の低下時における反応槽内の担体やグラニュール汚泥のマッドボールの生成、槽内の偏流等に起因する処理活性の低下、処理水質の低下を防止して、高負荷運転への移行を速やかに行うための方法及び装置に関する。
本発明(請求項1)の窒素含有排水の処理方法は、窒素含有排水を反応槽に供給し、該反応槽内の、アンモニア性窒素を電子供与体とし亜硝酸性窒素を電子受容体とする脱窒細菌の作用により嫌気的アンモニア酸化処理する方法において、装置の立ち上げ時、長期運転停止後の運転再開時、低負荷運転時、又は低負荷運転後の高負荷運転開始時に、該反応槽内下部にガスを連続的に又は間欠的に導入して、槽内を撹拌することを特徴とする。
請求項2の窒素含有排水の処理方法は、請求項1において、前記反応槽は、その内部に、前記脱窒細菌が担体粒子表面に生物膜を形成したもの、又は前記脱窒細菌が自己造粒によりグラニュールになったものを保有することを特徴とする。
請求項3の窒素含有排水の処理方法は、請求項1又は2において、前記ガスが不活性ガス及び/又は嫌気的アンモニア酸化処理で発生するガスであることを特徴とする。
本発明(請求項4)の窒素含有排水の処理装置は、窒素含有排水を、アンモニア性窒素を電子供与体とし、亜硝酸性窒素を電子受容体とする脱窒細菌の作用により嫌気的アンモニア酸化処理する装置において、該脱窒細菌を保有する反応槽と、該反応槽内の下部にガスを導入して槽内を撹拌する撹拌手段とを備えてなり、該反応槽は、その内部に、前記脱窒細菌が担体粒子表面に生物膜を形成したもの、又は前記脱窒細菌が自己造粒によりグラニュールになったものを保有しており、かつ、前記撹拌のためのガスが不活性ガス又は嫌気的アンモニア酸化処理で発生するガスであることを特徴とする。
本発明によれば、窒素含有排水をANAMMOX細菌により嫌気的アンモニア酸化処理して脱窒するに当たり、反応槽内をガスで撹拌して担体やグラニュール汚泥を流動化させることにより、装置の立ち上げ時、長期運転停止後の運転再開時、又は処理負荷の低下時における反応槽内下部での担体やグラニュール汚泥のマッドボールの生成、槽内の偏流等を防止することができる。このため、これらに起因する処理活性の低下、処理水質の低下を防止して、高負荷処理にて高水質の処理水を得ることができる。
本発明は、特にANAMMOX細菌が担体粒子表面に生物膜を形成したもの、又は前記ANAMMOX細菌が自己造粒によりグラニュールになったもの(以下、これらを「グラニュール汚泥等」と総称する場合がある。)を保有する反応槽に対して有効である。即ち、例えば、グラニュール汚泥を保有するUSB反応槽において、反応槽下部からグラニュール全体を撹拌させるような強度でガスの吹き込みを行うと、生物膜に対して過大な剪断力が働いて、生物膜を剥離させる可能性がある。担体の表面に生物膜を形成したものでも同様である。従って、このような反応槽では、従来において、ガス吹き込みによる撹拌は行われていなかった。本発明では、このような反応槽において、定常的な散気ではなく、担体やグラニュール汚泥のマッドボールが生成し易く、また槽内に偏流が発生し易い、装置の立ち上げ時、長期運転停止後の運転再開時、低負荷運転時、又は低負荷運転後の高負荷運転開始時において、このような生物膜の剥離を過度に生じさせない程度のガス撹拌を行うことにより、処理活性の低下、処理水質の低下を防止する。
また、反応槽に吹き込むガスは窒素ガス等の不活性ガス或いは嫌気的アンモニア酸化処理で発生するガスを利用することが好ましい。
以下に図面を参照して本発明の窒素含有排水の処理方法及び装置の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の窒素含有排水の処理方法及び装置の実施の形態を示す系統図である。
図1の処理装置は、反応槽として、内部にANAMMOX細菌のグラニュール汚泥床が形成されたUSB反応槽1を有し、この反応槽1の底部に原水の流入配管2が接続されている。反応槽1の上部には気液固分離装置3が設けられ、この気液固分離装置3から、処理水の排出配管4と、処理水の一部を循環水として原水流入配管2に戻す循環配管5が引き出されている。また、反応槽1の下部には、不活性ガスの散気管6が設けられている。Pはポンプである。
この装置において、原水は、配管5からの循環水と共に配管2よりUSB反応槽1の底部に導入される。USB反応槽1に導入された原水は、ANAMMOX細菌のグラニュール汚泥床を上向流で上昇する間に、ANAMMOX細菌により生物脱窒処理され、処理水が配管4より系外へ排出される。また、処理水の一部は配管5より原水導入配管2に循環される。
本発明においては、このようなUSB反応槽1において、装置の立ち上げ時、長期運転停止後の運転再開時、低負荷運転時、又は低負荷運転後の高負荷運転開始時(即ち、原水流入量が低減したり、原水の窒素濃度が低減して槽負荷が低減した後、再び原水流入量が増加したり、原水の窒素濃度が増加して槽負荷が増大したとき)に、散気管6から酸素を実質的に含まない不活性ガス、好ましくは窒素ガスを連続的又は間欠的に吹き込んで、槽内のグラニュール汚泥を流動化させる。このガス撹拌は、前述の如く、グラニュール表面の生物膜の剥離を抑制した条件で行うことが好ましく、このために、ガスの吹き込み量を適宜調整することが好ましい。このガス吹き込み量は、反応槽の容量、型式、グラニュール汚泥の粒径、グラニュール汚泥量、その他の処理条件によって異なるが、グラニュール汚泥等の容量に対して0.01〜0.5m3−ガス/m3−グラニュール汚泥等/hr程度とすることが好ましい。ガス吹き込み量がこの範囲よりも少ないと十分な撹拌作用を得ることができず、多いと生物膜の剥離を生じ易い。
また、本発明においては、装置の立ち上げ時、長期運転停止後の運転再開時、低負荷運転時、又は低負荷運転後の高負荷運転開始時という限られた期間においてのみガス撹拌を行うことに特徴を有し、反応槽が定常運転に安定した場合にはガスの吹き込みによる撹拌を停止する。この定常運転に安定した状態とは、例えば、処理水質が目標水質に達して安定した状態であり、具体的には処理水の窒素濃度が、目標とする窒素濃度の1.1倍以下で7日以上安定した状態をさす。
本発明において、処理対象となる原水は、アンモニア性窒素及び亜硝酸性窒素を含む水であり、有機物及び有機性窒素を含むものであってもよいが、これらは脱窒処理前に予めアンモニア性窒素になる程度まで分解しておくことが好ましく、また、溶存酸素濃度が高い場合には、必要に応じて溶存酸素を除去しておくことが好ましい。原水は無機物を含んでいてもよい。また、原水はアンモニア性窒素を含む液と亜硝酸性窒素を含む液を混合したものであってもよい。例えば、アンモニア性窒素を含む排水をアンモニア酸化微生物の存在下に好気性処理を行い、アンモニア性窒素の一部、好ましくはその約1/2を亜硝酸に部分酸化したものを原水とすることができる。更には、アンモニア性窒素を含む排水の一部をアンモニア酸化微生物の存在下に好気性処理を行い、アンモニア性窒素を亜硝酸に酸化し、アンモニア性窒素を含む排水の残部と混合したものを原水としても良い。
一般的には、下水、し尿、嫌気性消化脱離液等のアンモニア性窒素、有機性窒素及び有機物を含む排水が処理対象となる場合が多いが、この場合、これらを好気性又は嫌気性処理して有機物を分解し、有機性窒素をアンモニア性窒素に分解し、さらに部分亜硝酸化或いは、一部についての亜硝酸化を行った液を原水とすることが好ましい。
原水のアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素の割合はモル比でアンモニア性窒素1に対して亜硝酸性窒素0.5〜2、特に1〜1.5とするのが好ましい。原水中のアンモニア性窒素及び亜硝酸性窒素の濃度はそれぞれ5〜1000mg/L、5〜200mg/Lであることが好ましいが、処理水を循環して希釈すればこの限りではない。
原水の生物脱窒条件としては、例えば反応槽内液の温度が10〜40℃、特に20〜35℃、溶存酸素濃度が0〜2.5mg/L、特に0〜0.2mg/L、BOD濃度が0〜50mg/L、特に0〜20mg/L、窒素負荷が0.1〜10kg−N/m3・day、特に1〜5kg−N/m3・dayの範囲とするのが好ましい。
グラニュール汚泥を形成する場合、微生物だけではグラニュール形成に期間を要するので、核となる物質を添加し、その核の周りにANAMMOX細菌の生物膜を形成させることが望ましい。この場合、核として、例えば微生物グラニュールや非生物的な担体を挙げることができる。
核として用いられる微生物グラニュールとしては、メタン菌グラニュール等の嫌気性微生物や従属栄養性脱窒菌グラニュール等を挙げることができる。メタン菌グラニュールは、UASB(Upflow Anaerobic Sludge
Blanket;上向流嫌気性汚泥床)法もしくはEGSB(Expanded Granule Sludge Bed;展開粒状汚泥床)法でメタン発酵が行われているメタン発酵槽で使用されているものを適用できる。また、従属栄養性脱窒グラニュールは、USB方式の通常の脱窒槽で利用されるものを適用できる。これらのグラニュールはそのままの状態で、又はその破砕物として用いることができる。独立栄養性脱窒微生物はこのような微生物グラニュールに付着しやすく、グラニュールの形成に要する時間が短縮される。また、核として非生物的な材料を用いるよりも経済的である。
Blanket;上向流嫌気性汚泥床)法もしくはEGSB(Expanded Granule Sludge Bed;展開粒状汚泥床)法でメタン発酵が行われているメタン発酵槽で使用されているものを適用できる。また、従属栄養性脱窒グラニュールは、USB方式の通常の脱窒槽で利用されるものを適用できる。これらのグラニュールはそのままの状態で、又はその破砕物として用いることができる。独立栄養性脱窒微生物はこのような微生物グラニュールに付着しやすく、グラニュールの形成に要する時間が短縮される。また、核として非生物的な材料を用いるよりも経済的である。
核として用いられる非生物的な材料としては、例えば、活性炭、ゼオライト、ケイ砂、ケイソウ土、焼成セラミック、イオン交換樹脂等、好ましくは活性炭、ゼオライト等よりなる、粒径50〜200μm、好ましくは50〜100μmで、平均比重1.01〜2.5、好ましくは1.1〜2.0の担体を挙げることができる。
このようにして形成されるANAMMOX細菌のグラニュール汚泥は、平均粒径が0.25〜3mm、好ましくは0.25〜2mm、より好ましくは0.25〜1.5mm程度、平均比重が1.01〜2.5、好ましくは1.1〜2.0であることが望ましい。グラニュールの粒度が小さいほど比表面積が大きくなるので、高い汚泥濃度を維持し、脱窒処理を効率よく行う点で好ましい。
図1に示す処理装置は、本発明の実施の形態の一例であって、本発明の要旨を超えない限り、何ら図示のものに限定されるものではない。例えば、反応槽への撹拌用のガスは、図1に示す如く、散気管から反応槽内に吹き込む他、原水の流入配管2に吹き込んでも良い。また、撹拌用ガスは、窒素ガス等の不活性ガスの他、反応槽内での脱窒反応で発生する排ガスを用いても良く、この場合には、反応槽上部に排ガス回収手段を設け、回収したガスを反応槽底部にブロワで循環させれば良い。
以下に比較例及び実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
比較例1
図1に示すUSB反応槽(グラニュール充填高さ4m、直径0.3mの円筒形で、ANAMMOX細菌が増殖するまでの担体としてメタン生成細菌主体のグラニュールを投入したもの)により、約350mg−N/Lのアンモニア態窒素と約300mg−N/Lの亜硝酸態窒素を含む原水を2.6m3/dの流入量で反応槽に導入して処理を行った(ただし、散気管からのガス導入は行わなかった。)。
図1に示すUSB反応槽(グラニュール充填高さ4m、直径0.3mの円筒形で、ANAMMOX細菌が増殖するまでの担体としてメタン生成細菌主体のグラニュールを投入したもの)により、約350mg−N/Lのアンモニア態窒素と約300mg−N/Lの亜硝酸態窒素を含む原水を2.6m3/dの流入量で反応槽に導入して処理を行った(ただし、散気管からのガス導入は行わなかった。)。
上記の運転条件で処理水の亜硝酸態窒素濃度が2mg−N/L以下で4週間、安定運転ができていることを確認したが、その後、通水量のみを1m3/dにした低負荷運転を4週間行った。このときの処理水の亜硝酸態窒素濃度は2mg−N/L以下であった。しかし、その後、再び通水量を2.6m3/dに戻したところ、処理水質は悪化し、処理水中の亜硝酸態窒素濃度は10〜20mg−N/Lとなっていた。
実施例1
比較例1での処理水質が悪化した運転条件において、反応槽の底部に設けた散気管から窒素ガスを0.2m3/h(グラニュール汚泥量に対する窒素ガス吹き込み量は1.1m3/m3/h)で導入し、間欠的なガスバブリングによる撹拌を30分毎に10分間ずつ行った。このときの運転条件は比較例1と同様とし、ガス導入中も通水は継続した。
比較例1での処理水質が悪化した運転条件において、反応槽の底部に設けた散気管から窒素ガスを0.2m3/h(グラニュール汚泥量に対する窒素ガス吹き込み量は1.1m3/m3/h)で導入し、間欠的なガスバブリングによる撹拌を30分毎に10分間ずつ行った。このときの運転条件は比較例1と同様とし、ガス導入中も通水は継続した。
この結果、ガス導入前では20mg−N/Lあった処理水の亜硝酸態窒素濃度は徐々に低下し、間欠的なガスバブリングによる撹拌開始から3日後には2mg−N/L以下まで低下して安定した。これは、反応槽下部で発生していたと考えられるグラニュールのマッドボール、或いは偏流が、ガス撹拌によるグラニュールの流動によって解消されたためであると推定される。
処理水の亜硝酸態窒素濃度が7日間2mg−N/L以下であることを確認したところで、ガスの導入を停止した。その後は反応によって発生するガスにより反応槽内は引き続き撹拌されており、処理水の亜硝酸態窒素は2mg−N/L以下で安定した。
1 USB反応槽
3 気液固分離装置
6 散気管
3 気液固分離装置
6 散気管
Claims (4)
- 窒素含有排水を反応槽に供給し、該反応槽内の、アンモニア性窒素を電子供与体とし亜硝酸性窒素を電子受容体とする脱窒細菌の作用により嫌気的アンモニア酸化処理する方法において、
装置の立ち上げ時、長期運転停止後の運転再開時、低負荷運転時、又は低負荷運転後の高負荷運転開始時に、該反応槽内下部にガスを連続的に又は間欠的に導入して、槽内を撹拌することを特徴とする窒素含有排水の処理方法。 - 請求項1において、前記反応槽は、その内部に、前記脱窒細菌が担体粒子表面に生物膜を形成したもの、又は前記脱窒細菌が自己造粒によりグラニュールになったものを保有することを特徴とする窒素含有排水の処理方法。
- 請求項1又は2において、前記ガスが不活性ガス及び/又は嫌気的アンモニア酸化処理で発生するガスであることを特徴とする窒素含有排水の処理方法。
- 窒素含有排水を、アンモニア性窒素を電子供与体とし亜硝酸性窒素を電子受容体とする脱窒細菌の作用により嫌気的アンモニア酸化処理する装置において、
該脱窒細菌を保有する反応槽と、該反応槽内の下部にガスを導入して槽内を撹拌する撹拌手段とを備えてなり、
該反応槽は、その内部に、前記脱窒細菌が担体粒子表面に生物膜を形成したもの、又は前記脱窒細菌が自己造粒によりグラニュールになったものを保有しており、かつ、前記撹拌のためのガスが不活性ガス又は嫌気的アンモニア酸化処理で発生するガスであることを特徴とする窒素含有排水の処理装置。
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