JP4524897B2 - 生物学的脱窒装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は上向流汚泥床(USB:Upflow Sludge Blanket)方式の生物学的脱窒装置に係り、特に、脱窒反応塔内の脱窒菌粒状化汚泥(グラニュール)の浮上、流出による塔内汚泥濃度の低下を防止して、反応塔内に脱窒菌を高濃度に保持して効率的な脱窒処理を行う生物学的脱窒装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
反応塔内に脱窒菌を高濃度で保持することができ、これにより処理効率の向上、装置の小型化が可能な生物学的脱窒装置として、グラニュールを利用したUSB方式の生物学的脱窒装置が提案されている。
【0003】
USB方式の生物学的脱窒装置は、脱窒菌の付着担体を用いることなく、反応塔内に脱窒菌を高濃度の粒状に凝集させたグラニュールの汚泥床を形成し、原水(有機性廃水)を反応塔下部から導入してこのグラニュールと接触させて原水中の硝酸性窒素、亜硝酸性窒素を分解し、脱窒処理水を反応塔上部の固気液分離部から取り出すものである。
【0004】
この際、脱窒反応に必要な有機物(通常メタノール)を原水に注入するが、脱窒反応を速やかに完了させるためには、理論上必要な有機物量よりも過剰に注入する必要があり、一般には理論量の約1.2倍(N濃度の約3倍)程度の有機物量となるように注入する。脱窒反応塔内において、原水に注入した有機物は脱窒された硝酸性窒素、亜硝酸性窒素の量に見合った量だけ消費されるが、原水中には前述の如く理論量より過剰の有機物を注入しているため、脱窒処理水中には脱窒反応で消費されなかった余剰の有機物が残留しており、BOD、CODが高く、当該水をこのまま放流することができない。従って、脱窒処理水は後段の曝気槽内で残留有機物を生物学的に酸化分解した後に放流する。
【0005】
特公平7−115032号公報には、脱窒槽の後段の曝気槽での酸化分解効率を高めるために、脱窒槽下部よりグラニュールを取り出し、後段の曝気槽に移送し、曝気槽から流出した汚泥を分離して脱窒槽に返送する生物学的脱窒装置が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このようなUSB方式生物学的脱窒装置における脱窒反応では、基質の汚泥への転換率が高いため、反応塔内の脱窒菌グラニュールは肥大化し易い。グラニュールが肥大化すると、反応によって生成する窒素ガスをグラニュール内部に包含しやすくなる。そして、窒素ガスを内包することにより比重が低下したグラニュールは浮上し、反応塔上部に堆積するようになり、本来、反応塔下部で汚泥床を形成すべきグラニュールの多くが反応塔上部に移行すると、反応塔下部から導入された原水中の硝酸性窒素、亜硝酸性窒素を反応塔内にて効率よくグラニュールと接触させて処理することができなくなり、処理が不安定となる。また、浮上したグラニュールが処理水とともに流出することによって、反応塔内に脱窒菌を高濃度で保持することができなくなり、処理効率が低下する。
【0007】
従って、生物学的脱窒装置の処理効率を安定に維持し、高水質の処理水を得るためには、この反応塔内のグラニュールの浮上、流出を防止する必要がある。
【0008】
特公平7−115032号公報記載のものでは、グラニュールは脱膣反応塔下部から引き抜かれ、曝気槽内で曝気によって幾分細分化されて返送されるものの、脱窒反応塔内のグラニュールの肥大化、浮上、流出に伴う、処理効率の低下を充分に防止し得るものではない。
【0009】
本発明は上記従来の問題点を解決し、脱窒反応塔内のグラニュールの浮上、流出による塔内汚泥濃度の低下を防止して反応塔内の脱窒菌保持濃度を高く維持し、安定かつ効率的な脱窒処理を行うことができる生物学的脱窒装置を提供することを目的とする
【0010】
【課題を解決するための手段】
明の生物学的脱窒装置は、硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素を含む排水を反応塔下部から導入して該反応塔内で脱窒菌が高濃度に凝集したグラニュールと接触させ、処理水を該反応塔上部より取り出す生物学的脱窒装置において、該反応塔の後段に、該反応塔の浮上グラニュールを破砕するための手段を有する曝気槽と、該曝気槽で破砕されたグラニュールを分離する汚泥分取手段と、該汚泥分取手段で分離されたグラニュールを前記反応塔に返送する手段とを設けた生物学的脱窒装置であって、該汚泥分取手段が破砕されたグラニュールと浮遊汚泥と処理水とを分離する手段であって、水面積負荷の異なる少なくとも2段の沈殿池よりなることを特徴とする。
【0011】
本発明の生物学的脱窒装置では、脱窒反応塔の浮上グラニュールを破砕してグラニュールの沈降性を十分に高めた上で反応塔に返送するため、反応塔内のグラニュールの粒径分布を安定化させてグラニュールの肥大化の促進を予防し、ひいては反応塔内のグラニュールの浮上、流出及びそれによる汚泥濃度の低下を効果的に防止することができる。
【0012】
特に、本発明では、グラニュールの破砕手段を曝気槽に設け、曝気槽に浮上グラニュールを導入しながら破砕することにより、曝気槽の槽内汚泥濃度が高められ、有機物酸化効率を向上させることができる。尚、曝気槽内でグラニュールを破砕した場合、曝気槽では破砕によりグラニュールが微細化して気泡が剥離されて沈降性の改善したグラニュール汚泥と浮遊汚泥が共存する。一方、反応塔において、上向流通水する流入水中に、グラニュール以外のSS(浮遊性固形物)が多いと、SSに伴われてグラニュールが流出したり、SSの方が沈殿してグラニュールが流出してしまったり、SSによってグラニュールが破壊されてしまったりする。従って、反応塔にはグラニュールを選択的に返送するのが望ましい。そこで、本発明では、曝気槽の後段の汚泥分取手段でグラニュールを分取し、分離したグラニュールを反応塔に返送する。これにより、反応塔内のグラニュール汚泥床が良好に維持される。
【0013】
この場合、破砕されたグラニュールと浮遊汚泥と処理水とを分離する汚泥分取手段としては、例えば、水面積負荷の異なる少なくとも2つの沈殿池よりなるものが挙げられる。即ち、前段の第1の沈殿池の水面積負荷(線流速、LV)は浮遊汚泥の沈降速度よりも大きくグラニュールの沈降速度よりも小さいものとする。これにより、第1の沈殿池において、沈降性の良いグラニュールのみが沈降し、浮遊汚泥は処理水と共に流出する。沈降したグラニュールは脱窒反応塔に返送する。そして、後段の第2の沈殿池の水面積負荷は浮遊汚泥の沈降速度よりも小さいものとし、この第2の沈殿池で浮遊汚泥を沈降分離して処理水を流出させ、分離した浮遊汚泥を曝気槽に返送する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
図1は、参考例に係る生物学的脱窒装置を示す系統図であり、図2,3は本発明の生物学的脱窒装置の実施の形態を示す系統図である。図1〜3において、同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。
【0016】
図1において、1は脱窒反応塔であり、下部は下方に縮径する円錐形状部となっており、その上部が円筒状となっている。原水(硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素を含む有機性排水)は反応塔1の下部から塔内に導入されて塔内を上向流で流れ、処理水は塔上部から取り出される。この反応塔1の内部にはグラニュールの汚泥床2が形成される。汚泥床2は通常反応塔容積の4〜6割を占め、図示した如く反応塔1の下部に形成される。反応塔1の上部には固気液分離手段3が設けられている。4は原水槽、5は脱窒処理水槽、6は隔壁、7は破砕装置である。
【0017】
原水は原水槽4に供給され、原水槽4の底部から反応塔1に供給される。この原水槽4は反応塔1の脱窒処理水が流入する脱窒処理水槽7と隔壁6の下部で繋がった構造とされており、原水は処理水により希釈されて反応塔1に供給される。
【0018】
USB方式の生物学的脱窒装置では、非常に沈降速度の高いグラニュールを用いているため、反応塔1内の通水量が少なすぎると、グラニュールが沈降、圧密し、その結果、グラニュール汚泥床2が閉塞して処理効率が低下することがある。また、反応塔1内の通水量が多すぎると、固気液分離手段3での流速が高くなってしまい、効率の良い固気液分離ができなくなるという別の問題を招く。安定かつ効率的な脱窒処理を行うためには、原水の流量変動によらず反応塔1への通水量を適切な範囲で一定に保つことが望ましく、原水槽4と脱窒処理水槽7とを下部で伝通させることにより、通水量を一定に保つことが容易にできる。反応塔内のLV(線流速)は0.5〜10m/hrであり、特に2〜6m/hrが好ましい。
【0019】
反応塔1に導入された原水は、反応塔1内の汚泥床2内を上向流で流通する過程で脱窒菌により脱窒処理され、脱窒処理水は反応塔1上部の固気液分離手段3で分離され、処理水槽5に流入する。
【0020】
この生物学的脱窒装置では、この脱窒処理を行うことで、汚泥床2から浮上したグラニュールを反応塔1の上部から取り出し破砕装置7で破砕して反応塔1の下部に戻す。
【0021】
この破砕装置7としては、散気による攪乱、攪拌翼等による攪拌、カッター等による剪断、超音波による振動付与等の手段を採用することができる。
【0022】
このように反応塔1内で浮上して反応塔1から流出したグラニュールを破砕して気泡を剥離させてその沈降性を改善し、再び反応塔1に戻すことにより、反応塔1内の汚泥の沈降性を高め、汚泥保持濃度を高く維持することができる。
【0023】
この破砕装置7に供給するのは反応塔上部に浮上、堆積したグラニュールであり、供給量に特に制限はない。反応塔1の上部に、処理水と共に流出するグラニュールを掻き集めるためのスキマー等を反応塔1の上部に設けても良い。また、処理水と共に流出して処理水槽5内で浮上しているグラニュールをスキマー等で掻き集めて破砕装置で破砕した後反応塔に戻すようにしても良い。
【0024】
また、グラニュールの過度の肥大化、生成ガスの内包による浮上を予め防ぐために、グラニュールを反応塔の下部、中部、上部といった任意の位置から連続的に引き抜いて破砕装置に供給し、破砕した後反応塔に循環するようにしても良い。この場合、引き抜くグラニュールの量は1日あたり、反応塔内に保持されるグラニュールの1/20〜1/5である。
【0025】
図2に示す生物学的脱窒装置は、反応塔1から流出したグラニュールを破砕する手段を曝気槽8内に設けたものである。即ち、流出グラニュールは曝気槽8内において散気管8Aからの散気による攪乱で破砕され、第1沈殿池9で分離されて反応塔1に返送される。
【0026】
原水は貯槽11からポンプPにより原水槽4に供給され、図1の生物学的脱窒装置と同様に原水槽4の底部からポンプPにより反応塔1に導入されて脱窒処理され、処理水は浮上グラニュールと共に反応塔1の上部から脱窒処理水槽5に送給される。処理水槽5内の処理水は浮上グラニュールと共に曝気槽8に送給され、散気管8Aによる散気で残留有機物が酸化分解されると共に、グラニュールが破砕される。破砕されて微細化されたグラニュールと浮遊汚泥を含む曝気処理水は次いで第1沈殿池9に送給される。
【0027】
この第1沈殿池9はその水面積負荷(線流速、LV)が浮遊汚泥の沈降速度よりも大きくグラニュールの沈降速度よりも小さく、通常2m/hr以上、好ましくは2〜8m/hrに設定されており、沈降性の良いグラニュールのみが選択的に沈降する。この第1沈殿池9で沈降分離されたグラニュールはポンプPにより反応塔1の下部に返送される。図2では、原水を反応塔1に導入する配管にグラニュールを返送しているが、反応塔1に直接返送するようにしても良い。
【0028】
第1沈殿池9から浮遊汚泥と共に流出する処理水は、次いで第2沈殿池10に送給される。この第2沈殿池10は、その水面積負荷が浮遊汚泥の沈降速度よりも小さく、通常0.5m/hr以下、特に0.2〜0.5m/hrに設定されており、浮遊汚泥が沈降する。第2沈殿池10で沈降分離された浮遊汚泥はポンプPにより曝気槽8に返送され、浮遊汚泥が分離された処理水は系外へ排出される。
【0029】
なお、図2の生物学的脱窒装置では、曝気槽8内の散気管8Aでグラニュールの破砕を行うが、更に攪拌翼12やカッター付の破砕ポンプ等のグラニュールの破砕のための他の手段を設けることが好ましい。
【0030】
図3に示す生物学的脱窒装置は、脱窒処理水槽5内にグラニュールの破砕手段としての散気管5Aを設けて曝気槽としての機能も付与したものであり、反応塔1の上部から処理水と共に処理水槽5に流入した浮上グラニュールは、散気管5Aによる散気により破砕される。処理水槽内のグラニュールの破砕手段は、散気管に限らず、カッター、撹拌翼、その他の手段を併用しても良い。
【0031】
破砕されて微細化したグラニュールを含む脱窒処理水は、次いで第1沈殿池9に流入し、グラニュールが沈降分離され、分離されたグラニュールは反応塔1に返送される。グラニュールが分離された脱窒処理水は次いで曝気槽8に送給されて残留有機物の酸化分解が行われる。曝気槽8からの浮遊汚泥を含む曝気処理水は次いで第2沈殿池10に流入し、浮遊汚泥が沈降分離される。第2沈殿池10で沈降分離された浮遊汚泥は曝気槽8に返送され、浮遊汚泥が分離された処理水は系外へ排出される。
【0032】
なお、この生物学的脱窒装置において、脱窒処理水槽5底部に、破砕されて沈降したグラニュールを引き抜いて脱窒反応塔1に返送するグラニュール返送ラインを設けることにより、第1沈殿池の機能を脱窒処理水槽の内部に持たせて、第1沈殿池を省略しても良い。
【0033】
このような本発明の生物学的脱窒装置において、脱窒処理される原水性状としては、NO−N濃度:50〜1000mg−N/Lのものが挙げられ、メタノール等の水素供与体は原水NO−N濃度等に応じてN濃度の2〜3.5倍量を調整用貯槽、原水槽又は反応塔下部の配管に添加される。また、PO−P濃度は0.5〜30mg−P/Lとなるように、必要に応じてPとしてメタノール添加量の0.5〜1%程度のリン酸又はリン酸塩が添加される。また、Ca濃度は1mg/L以上であることがグラニュールの安定維持のため好ましい。
【0034】
また、脱窒反応塔1の運転条件や通水条件及び装置仕様等としては次のような条件を採用するのが好ましい。
[脱窒反応塔運転条件及び塔仕様]
N負荷:2〜15kg−N/m/day、特に4〜8kg−N/m/day
BOD負荷:4〜45kg/m/day、特に10〜24kg/m/day
汚泥床上部界面位置:反応塔中、塔底部より塔高の20〜70%、特に40〜60%の位置
汚泥床内汚泥濃度:20,000〜100,000mg/L、特に20,000〜60,000mg/L
[脱窒反応塔通水条件]
SV(原水あたり):0.125〜1hr、特に0.25〜0.67hr
LV(循環流含む):0.5〜10m/hr、特に2〜6m/hr
pH:6.5〜9.0、特に6.5〜7.8
水温:15〜35℃、特に20〜30℃
【0035】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0036】
実施例1
図2に示す装置を用いて排水の処理を行った。
【0037】
被処理水として、水道水にメタノール1,400mg/L、KNO500mg−N/L、HPO14mg−P/Lとなるように調整した合成排水(30℃、pH6.5)を用い、ポンプPにより原水槽(容量2L)4に4L/hrの流量で供給し、原水槽4の底部からはポンプPにより上向流速が4m/hrとなるように、45L/hrの流量で反応塔1の下部に供給した。原水槽4は、反応塔1からオーバーフローした水が流入する脱窒処理水槽(容量1L)5と隔壁6の下部で繋がっており、原水は脱窒処理水により希釈されて反応塔1に供給される。反応塔1は円筒状反応塔であり、直径12cm、直胴部の長さは70cm、反応塔下部円錐部の高さは12cmであり、容積は10Lである。反応塔1の上部には、脱窒反応により生成するガスと、ガスに伴われて巻き上げられるグラニュールと、脱窒処理水とを分離する固気液分離手段3が設けられている。脱窒処理水槽5をオーバーフローした脱窒処理水は曝気槽8に流入する。曝気槽8は容積4Lであり、2L/minで曝気した。曝気槽8をオーバーフローした汚泥混合液は第1沈殿池9に流入する。第1沈殿池9は直径3.2cm、直胴部の長さ30cmの円筒形であり、水面積負荷(線流速、LV)は5m/hrである。第1沈殿池9の底部からポンプPにより100mL/hrの流量で分離したグラニュールを引き抜き、反応塔1の底部に返送した。第1沈殿池9のオーバーフロー水は第2沈殿池10に流入する。第2沈殿池10は直径12cm、直胴部の長さ30cmの円筒形であり、水面積負荷は8m/day(0.33m/hr)である。第2沈殿池10の底部からポンプPにより4L/hrの流量で汚泥を引き抜き、曝気槽8に返送する。
【0038】
ステンレス鋼の酸洗排水の脱窒処理装置から得られた浮遊性の脱窒汚泥を反応塔1の種汚泥として投入し、上記原水により流量0.17L/hr(硝酸性窒素負荷0.2kg−N/m/day)から立ち上げ、徐々に流量を上げて15日後に流量4.2L/hr(硝酸性窒素負荷5.0kg−N/m/day)として、以後、90日間同条件で連続処理を行った。その間、反応塔1では下部のポートから、グラニュールにより形成される汚泥床の界面が反応塔下部より60cmを超えないように、また、第2沈殿池10の返送ラインからは曝気槽8の汚泥濃度が4,000mg/L程度であるように、適宜汚泥の引き抜きを行った。
【0039】
定常運転開始後1ヶ月前後経過した時点から、反応塔1にてグラニュールの浮上が見られ、脱窒処理水中に流出するようになった。浮上グラニュールの粒径は最大5.4mm、平均3.2mmであり、反応塔1内のグラニュールの平均粒径2.2mmに比べ明らかに大きく、また、浮上グラニュールの切断面を実体顕微鏡により観察したところ、グラニュール内部に空隙が見られ、肥大化したグラニュールが内部にガスを包含し浮上する傾向が見られた。浮上流出したグラニュールは処理水槽5を経て曝気槽8に流入するが、曝気槽8内のグラニュールの粒径は最大3.6mm、平均1.8mmであり、肥大化したグラニュールが曝気、撹拌による剪断力により微細化されていた。微細化されたグラニュールは第1沈殿池9で沈降分離され、反応塔1に返送されたため、処理期間を通じて反応塔1内のグラニュール汚泥床の界面は反応塔1の下部より45cmを下回ることはなかった。反応塔1での硝酸性窒素除去率は処理期間を通じ常に97%以上であった。
【0040】
このように、本発明では、脱窒反応塔で肥大化し浮上流出したグラニュールを破砕して、沈降性を改善させた後、脱窒反応塔に選択的に返送することにより、脱窒反応塔内の脱窒菌濃度の低下を防止し、安定した排水処理が可能となった。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の生物学的脱窒装置によれば、脱窒反応塔内のグラニュールの浮上、流出による塔内汚泥濃度の低下を防止して反応塔内の脱窒菌保持濃度を高く維持し、安定かつ効率的な脱窒処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例に係る生物学的脱窒装置を示す系統図である。
【図2】 本発明の生物学的脱窒装置の実施の形態を示す系統図である。
【図3】 本発明の生物学的脱窒装置の別の実施の形態を示す系統図である。
【符号の説明】
1 脱窒反応塔
2 汚泥床
3 固気液分離手段
4 原水槽
5 脱窒処理水槽
7 破砕装置
8 曝気槽
9 第1沈殿池
10 第2沈殿池

Claims (1)

  1. 硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素を含む排水を反応塔下部から導入して該反応塔内で脱窒菌が高濃度に凝集したグラニュールと接触させ、処理水を該反応塔上部より取り出す生物学的脱窒装置において、
    該反応塔の後段に、該反応塔の浮上グラニュールを破砕するための手段を有する曝気槽と、該曝気槽で破砕されたグラニュールを分離する汚泥分取手段と、該汚泥分取手段で分離されたグラニュールを前記反応塔に返送する手段とを設けた生物学的脱窒装置であって、
    該汚泥分取手段が破砕されたグラニュールと浮遊汚泥と処理水とを分離する手段であって、水面積負荷の異なる少なくとも2段の沈殿池よりなることを特徴とする生物学的脱窒装置。
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