JP3331887B2 - 担体膨張相廃水処理装置 - Google Patents

担体膨張相廃水処理装置

Info

Publication number
JP3331887B2
JP3331887B2 JP32877596A JP32877596A JP3331887B2 JP 3331887 B2 JP3331887 B2 JP 3331887B2 JP 32877596 A JP32877596 A JP 32877596A JP 32877596 A JP32877596 A JP 32877596A JP 3331887 B2 JP3331887 B2 JP 3331887B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carrier
reaction tank
biological reaction
phase
expansion phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP32877596A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10165975A (ja
Inventor
正行 小島
民夫 五十嵐
直道 森
裕紀 中村
正隆 河西
Original Assignee
日立プラント建設株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日立プラント建設株式会社 filed Critical 日立プラント建設株式会社
Priority to JP32877596A priority Critical patent/JP3331887B2/ja
Publication of JPH10165975A publication Critical patent/JPH10165975A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3331887B2 publication Critical patent/JP3331887B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Landscapes

  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は担体膨張相廃水処理
装置に係り、特に下水や工場廃水中に含まれるBOD成
分、アンモこア性窒素等を低減する担体膨張相廃水処理
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の環境汚染防止の一貫として、下水
等の廃水を処理する下水処理場から排出される処理水の
水質を向上させることが要求されている。廃水中のBO
D、アンモニア性窒素を低減する水処理方法の1つとし
て、生物反応槽内に微生物を包括固定化した担体又は結
合した担体を6〜20容量%収納し、生物反応槽の底部
全面から空気を曝気し、生物反応槽内に好気性雰囲気を
形成すると共に、曝気されたエアにより担体を均一に浮
遊、流動せしめる方式が採用されている。この方式で
は、BOD成分は主に水中に浮遊する活性汚泥によって
好気性雰囲気下で酸化分解され、アンモニア性窒素は担
体に担持された硝化細菌と活性汚泥中の硝化細菌によっ
て好気性雰囲気下で亜硝酸又は硝酸にまで酸化されるよ
うに設計されている。
【0003】ところで、都市部では下水処理場の敷地が
狭隘なため、生物反応槽の深さを深くすることにより、
同じ敷地面積でも好気的な反応を行うための反応槽容量
を大きくすることのできる深槽式の廃水処理装置が用い
られている。しかし、空気を曝気することによって生物
反応槽内に好気的雰囲気を形成する場合、通常の曝気装
置(ブロアー)の吐出圧力は7000ミリ水柱程度であ
って、水深が大きくなってこれ以上の吐出圧力を必要と
する場合は、特別な仕様の曝気装置が必要となり、曝気
量当りの消費電力が増大する。標準的な下水処理場で
は、曝気装置の消費電力は全施設の使用電力の半分くら
いに達し、これ以上消費電力が増えることは運転費が過
剰となる。
【0004】このため、曝気装置を配設する水深が5m
以内となるように生物反応槽を上下槽に仕切り、曝気装
置を有する生物反応槽の上槽のみで好気的な生物処理を
行ことが提案されている。また、深槽型の生物反応槽内
に縦方向に上下の開口した仕切板により生物反応槽内に
旋回水路を形成し、曝気装置からのエアで廃水を旋回し
易くすることにより、曝気装置の吐出圧力が大きくなら
ないようにすることが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、生物反応槽を
上下2槽にすると、反応槽容量を大きくするために生物
反応槽を深槽にしても、生物反応槽の上部のみでしか好
気的な生物処理を行うことができないために好気的な生
物処理の容量不足が生じ、処理水の水質を向上させるこ
とができないという欠点がある。更に、廃水中に曝気さ
れたエアは、水圧が大きいほど廃水中に溶解し易く、好
気的な生物処理に使用される効率が良くなる。しかし、
生物反応槽を上下2槽にすると、曝気装置を配設する水
深が5m以内であるために、廃水中に溶解しずらく生物
処理に使用される効率が悪いと共に、溶解しなかった微
細な気泡が担体表面に多量に付着する。これにより、担
体の見掛け比重が小さくなり、生物反応槽の液面近傍に
担体が密集し、廃水と担体との接触効率が悪くなるとい
う欠点がある。特に、担体を分離するスクリーンを備え
た処理水の放流口に担体が集まり易いために、スクリー
ンを閉塞してしまい処理水の流れを阻害するという欠点
がある。
【0006】また、生物反応槽内に仕切板を設けると、
担体が旋回しやくなる反面、担体が生物反応槽内で旋回
することにより担体が生物反応槽の内壁に擦れるため、
短期間で担体が磨耗するという欠点がある。本発明はこ
のような事情に鑑みてなされたもので、深槽式であって
も好気的な生物処理のための容量を大きくとれるので処
理水の水質を向上でき、曝気に要する消費電力を削減で
きると共に担体の流出を防止するスクリーンを必要とせ
ず、更には担体の磨耗を低減できる担体膨張相廃水処理
装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
する為に、廃水の流入口と被処理液の排出口とを備えた
深槽型の生物反応槽と、前記生物反応槽内の上部に空気
の曝気相を形成する曝気手段と、前記曝気相と前記生物
反応槽の底部とを連通する連通管を介して前記曝気相で
酸素を含有した液を生物反応槽の底部に送給し、前記生
物反応槽内の底部から所定の線速度を有する上向流を発
生させることによって生物反応槽の下部に微生物を担持
した担体がわずかに浮上する担体膨張相を形成し、前記
担体膨張相と前記曝気相との間に、担体膨張相を通過し
た後の上向流の線速度が担体の自然沈降速度よりも遅い
静止水相を形成する循環手段と、を備えたことを特徴と
する。
【0008】本発明によれば、生物反応槽の下部に硝化
細菌を含んだ微生物を担持した担体が収納される。そし
て、生物反応槽の上部の曝気相で酸素を十分に含んだ液
を連通管を介して生物反応槽の底部に循環し、生物反応
槽の底部から所定の線速度で上向流として流して担体膨
脹相を形成する。また、上向流を前記所定の線速度に設
定することにより、担体膨脹相と曝気相との間の水域
に、担体が十分に自然沈降する流速城の静止水相を形成
する。
【0009】そして、この担体膨張相では、好気性雰囲
気で廃水中の主としてアンモニア性窒素の硝化処理が行
われ、アンモニア性窒素が亜硝酸態窒素又は硝酸態窒素
に酸化される。また、前記曝気相では、好気性雰囲気で
廃水中の主としてBOD成分の酸化処理が行われ、BO
D成分が酸化分解される。また、生物反応槽で処理され
た処理液を曝気相の領域から排出すれば、排出口にスク
リーンを設けなくても担体が処理液に同伴して生物反応
槽から流出することがない。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る担体膨張相
廃水処理装置の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明の担体膨張相廃水処理装置の第1の実施
の形態を説明する断面図である。
【0011】図1に示すように、第1の実施の形態に係
る担体膨張相廃水処理装置10は、主として、下水等の
廃水が原水流入管12を介して流入すると共に多数の担
体14が収納される生物反応槽16と、生物反応槽16
内にエアを曝気する曝気装置18と、生物反応槽16の
上部の液を底部に循環する循環装置20と、で構成され
る。
【0012】生物反応槽16は、深さが通常7〜15m
程度の深槽に形成される。生物反応槽16内には、硝化
細菌を含む微生物を担持した多数の包括固定化担体14
又は結合担体14が収納される。この担体14の比重
は、静止状態の廃水中で沈降可能であり且つ生物反応槽
16内に形成される上向流によりわずかに浮上可能な
1.02〜1.2の範囲に形成される。また、担体14
の粒径は0.5〜5mmのサイコロ状又は球状に形成さ
れる。この生物反応槽16には、原水供給管12を介し
てアンモニア性窒素及びBOD成分を含有する廃水の原
水が流入すると供に、原水供給管12の途中に原水分岐
配管22が接続される。この原水分岐配管22は、バル
ブ24を介して後記する連通管26の上部に接続され
る。また、生物反応槽16の水面近傍には、生物反応槽
16で処理された処理液が越流するトラフ28が設けら
れ、トラフ28に越流した処理水は、処理水配管30を
介して固液分離槽32に送水される。固液分離槽32で
は、処理水に同伴して流出した活性汚泥等(廃水に含有
して生物反応槽に流入)の固形物を沈降分離し、戻し配
管34を介して生物反応槽16に戻される。
【0013】曝気装置18は、生物反応槽16内の上部
に横方向に配設された複数の散気管36と、散気管36
にエアを供給するエア配管38と、図示しないブロアー
(送風機)とで構成され、散気管36に設けられた多数
のエアノズルからエア40が上向きに曝気される。これ
により、生物反応槽16の上部に酸素が十分に溶解した
液の領域である曝気相42が形成される。
【0014】循環装置20は、主として、生物反応槽1
6の上部(曝気相)と底部を連通する連通管26と、連
通管26の途中に設けられ循環水量の制御可能な循環ポ
ンプ44とで構成される。そして、曝気相42において
エア40が曝気された液は、連通管26を流れて生物反
応槽16の底部に送水され、生物反応槽16の底部から
上向きな上向流を形成する。この上向流は所定の線速度
を有するように循環ポンプ44の循環量が制御される。
これにより、生物反応槽16の底部に沈殿していた多数
の担体14が、上向流によりわずかに浮上する担体膨張
相46を形成し、生物反応槽16の下部に多数の担体1
4が集合状態で浮遊した領域である担体膨張相46が形
成される。この担体膨張相46の膨張高さは、生物反応
槽16の有効深さ(実際に貯水される深さ)の60%以
下にすると良く、更に好ましくは40%程度が良い。こ
の担体を膨張させるための上向流の線速度は、担体膨張
相46を通過する時の線速度において0.5〜7cm/
秒に維持すると良く、好ましくは1〜6cm/秒が良
い。比重が1.02〜1.2、粒径が0.5〜5mmの担
体を静止した水中におくと、充填密度はほぼ60〜70
%になるので、担体の存在領域を2倍に膨脹させると、
担体の密度は30〜35%になる。担体膨張相46は、
生物反応槽16の有効深さの60%以下、好ましくは4
0%以下であるので、生物反応槽16全体に換算する
と、担体密度は12〜21%となる。
【0015】また、上向流をこの線速度の範囲に維持す
ることにより、担体膨脹相46と曝気相42との間の水
域に、担体14が十分に自然沈降する流速城である静止
水相48を形成することができる。即ち、静止水相48
では、担体膨張相46に比べて担体14の体積分だけ単
位断面積当たりの空間が増大し、上向流の線速度が減少
するので、担体14の沈降速度が上向流の線速度よりも
大きくなり自然沈降する。
【0016】また、連通管26の途中に設けられた循環
ポンプ44の吸水側には、エア供給管50の吐出口が設
けられる。これにより、エア供給管50から吐出された
エアは循環ポンプ44内で気泡が微細化して液中に溶解
され易くなる。更に、生物反応槽16の底部にも下部エ
ア配管52の吐出口が設けられる。これらエア供給管5
0及び下部エア配管52は、曝気装置だけではエア不足
が生じた場合に使用すると良い。
【0017】次に、上記の如く構成された担体膨張相廃
水処理装置の第1の実施の形態の作用について説明す
る。原水供給管12を介して生物反応槽16に流入した
廃水の原水は、曝気相において曝気装置18によりエア
40が十分曝気された後、連通管26を流れて生物反応
槽16の底部に送られる。廃水が連通管下向流として下
降する際に、廃水には大きな水圧が付与されるので、廃
水中のエアの溶解を促進し、廃水中の溶存酸素(以下、
DOという)濃度を高める。廃水が連通管26を下降す
る時に、エア供給管50からエアを供給すると更にDO
濃度を高めることができる。
【0018】次に、エアが十分に溶解されて生物反応槽
16の底部に送られた廃水は、上向流となって生物反応
槽16内を上昇する。この上向流の線速度が、担体膨張
相46を通過する時の線速度において0.5〜7cm/
秒、好ましくは1〜6cm/秒に維持することにより生
物反応槽の下部に適切な膨張高さを有する担体膨張相4
6を形成し、担体膨脹相46の上側の水域に担体14が
十分に自然沈降する流速城である静止水相48を形成す
る。これにより、上向流に乗って担体膨張相46から静
止水相48に上昇してきた一部の担体14は、静止水相
48での上向流の線速度の低下によって上昇の勢いが弱
められ、担体膨張相46の領域まで自然沈降する。
【0019】即ち、本発明の担体膨張相廃水処理装置1
0は、生物反応槽16の下部から上部にかけて、好気性
雰囲気で担体14と廃水を接触させてアンモニア性窒素
の硝化処理を行う担体膨張相46、担体14を自然沈降
させて担体14の流出を防止する静止水相48、曝気装
置18を有し廃水中の主としてBOD成分の酸化分解を
行う曝気相42を形成することにより以下の効果を得る
ことができる。
【0020】生物反応槽16の上部(曝気相)と下部
(担体膨張相)に好気性雰囲気を形成し、且つ曝気相4
2で主としてBOD成分を分解し、担体膨張相46で主
としてアンモニア性窒素を硝化処理するようにしたの
で、深槽式の生物反応槽16であっても好気的な生物処
理を行うための容量を大きくとることができる。従っ
て、処理水の水質を向上させることができる。
【0021】また、曝気相42でエア曝気した廃水を
連通管26を介して担体膨張相46に循環させると共
に、水深の浅いところで曝気した時に廃水中へのエアの
溶解性が小さくなる不具合を、連通管26内を廃水が下
降する際に加わる大きな水圧により液中へのエアの溶解
を促進することで解消した。また、生物反応槽16の下
部に形成される担体膨張相46にも十分な好気性雰囲気
を形成することができる。これにより、曝気装置18を
生物反応槽16の上部、例えば、水面から7メートル以
内の水深の位置に配設することができるので、低い吐出
圧力のブロアーを使用することができ、消費電力の大幅
な低減を行うことができる。
【0022】また、担体14が存在する担体膨張相4
6で曝気するよりも担体14のない曝気相42で曝気し
た方が液中に溶解する酸素の溶解量が高くなるので、曝
気相42でエアを溶解した廃水を担体膨張相46に循環
することで、担体膨張相46で曝気しなくても担体膨張
相46に十分な量のエアを供給することができる。も
し、エア量が不足する場合は、エア供給管50や下部エ
ア配管52から、不足分だけを補充する補助的なエア供
給を付加することができる。
【0023】また、生物反応槽16の下部に担体膨張
相46を形成すると共に、処理水を生物反応槽の上部に
形成した曝気相42の領域から排出するようにし、且つ
担体膨張相46と曝気相42の間に静止水相48を形成
したので、生物反応槽16から担体14を流出をせるこ
となく担体膨張相46に保持することができる。従っ
て、従来のようにトラフに担体の流出を防止するスクリ
ーンを必要しない。
【0024】担体14が生物反応槽16内で激しく流
動しない担体膨張相46を形成することにより、担体1
4が生物反応槽16の内壁に擦れて磨耗することがな
い。従って、担体14の寿命を長くすることができる。
次に、図2に従って本発明の担体膨張相廃水処理装置1
0の第2の実施の形態を説明する。尚、第1の実施の形
態で説明した装置、部材には同符号を付すと共に、その
説明は省略する。
【0025】第2の実施の形態は、生物反応槽16に隣
接させて生物反応槽16と同じ深さの深槽式の嫌気槽5
4を設け、生物反応槽16の硝化処理により生成された
硝酸態窒素を脱窒処理するようにしたものである。この
嫌気槽54には、脱窒細菌を含む微生物、例えば活性汚
泥が収納されると共に、その底部には周面全体に液の吸
込スリット56Aを有し、上面に液の吹出口56Bを有
する水中攪拌器56が設けられる。生物反応槽16と嫌
気槽54の間には、生物反応槽16の曝気相48に取水
口を有すると共に、嫌気槽54に配設された前記水中攪
拌器56の側面近傍に開口した水路58がある。
【0026】また、生物反応槽16の上部と下部を連通
する連通管26は、生物反応槽16内の中央部に立設さ
れる。そして、連通管26の曝気相42の領域に取水口
26Aが形成され、生物反応槽16の底部近傍に位置す
る連通管排水口には、周面全体に液の吹出スリット60
Aを有し、上面に液の取水口60Bを有する水中攪拌器
60が連結される。連通管26の途中には、連通管26
内にエア供給可能なエア供給管50が設けられる。生物
反応槽16に設置する水中攪拌器60は、嫌気槽54に
設置した水中攪拌器56よりも巾広に形成され、水中攪
拌器60から吹き出された廃水が生物反応槽16の横断
面全体の上向流となるようにした。これにより第1の実
施の形態における循環ポンプを省略している。尚、第1
の実施の形態の場合も、循環ポンプの代わりに水中攪拌
器を設けることができる。
【0027】また、第2の実施の形態の場合は、廃水が
原水供給管12を介して嫌気槽54に流入する。更に、
嫌気槽54の上部から生物反応槽16への循環配管62
が配設され、循環配管62の途中にはポンプ64が設け
られる。また、循環配管62の途中から処理水配管66
が分岐している。本発明の第2の実施の形態によれば、
第1の実施の形態と同様の効果を得ることができると共
に、生物反応槽16の硝化処理により生成された硝酸態
窒素を嫌気槽54において脱窒処理により窒素ガスに確
実に変換して除去することができる。また、嫌気槽54
での脱窒処理により生物反応槽16で残存したBOD成
分も低減される。
【0028】次に、図3に従って本発明の担体膨張相廃
水処理装置10の第3の実施の形態を説明する。尚、第
1及び第2の実施の形態で説明した装置、部材には同符
号を付すと共に、その説明は省略する。第3の実施の形
態は、生物反応槽16の横に生物反応槽16と同じ深さ
の深槽式の嫌気槽54を設け、生物反応槽16の静止水
相48から取水した被処理液を嫌気槽54に送水すると
共に、嫌気槽54内の液を曝気装置18にエアを供給す
るエア配管38に設けられたエジェクター68に送水す
るようにしたものである。即ち、嫌気槽54の底部に
は、周面全体に被処理液の吹出スリット70Aを有し、
上面に液の取水口70Bを有する水中攪拌器70が設け
られる。そして、生物反応槽16の静止水相48の領域
に取水口72Aが配設され、水中攪拌器70の取水口7
0B近傍に排出口が配設された第1の送水管72が設け
られる。従って、水中攪拌器70が作動して取水口70
Bから液が吸い込まれると、第1の送水管72内には生
物反応槽16から嫌気槽54への流れが形成される。こ
れにより、溶存酸素の減少した静止水相48の液を嫌気
槽54に送水することができるので、嫌気槽54での嫌
気性雰囲気を維持することができる。
【0029】また、曝気装置18にエアを供給するエア
配管38の途中にエジェクター68が設けられると供
に、嫌気槽54内に取水口を有し、排出口がエジェクタ
ー68に連通される第2の送水管74が設けられる。こ
れにより、嫌気槽54から生物反応槽16へ液を戻すた
めの動力として曝気装置18のエアを利用することがで
きると供に嫌気槽54で嫌気性雰囲気にある液にエジェ
クター68でエアを溶解してから生物反応槽16に送水
するので、生物反応槽16の好気性雰囲気を維持するこ
とができる。この場合、散気管36のエアノズルはエア
を噴出するというよりもエアが溶解した液を吐出する形
になるので、エアノズルの詰まりを考慮して吐出孔を大
きめにすると良い。
【0030】また、第3の実施の形態では、処理水の越
流するトラフを設けずに、連通管26の途中に処理水の
抜出し配管76を接続させて処理水を抜き出すようにし
た。本発明の第3の実施の形態によれば、本発明の第2
の実施の形態と同様の効果を得ることができると共に、
生物反応槽16と嫌気槽54との間で液を循環させて
も、生物反応槽16の好気性雰囲気及び嫌気槽54の嫌
気性雰囲気を維持することができる。
【0031】次に、図4に従って本発明の担体膨張相廃
水処理装置10の第4の実施の形態を説明する。第4の
実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、生物
反応槽16全体を好気性雰囲気にする場合である。尚、
第1の実施の形態で説明した装置、部材には同符号を付
すと共にその説明は省略する。第4の実施の形態は、生
物反応槽16の曝気相48に設けた曝気装置を省略する
代わりに、連通管26の途中に加圧式のエア溶解装置7
8を配設し、原水供給管12を先ずエア溶解装置78に
供給することによりエアが十分に溶解された廃水を生物
反応槽16の底部に送水するようにした。
【0032】エア溶解装置78は密閉した加圧容器80
で形成されると共に、加圧容器80には圧縮エア供給管
82と原水供給管12が連通される。そして、加圧容器
80内の廃水中に圧縮エアがバブリングされることによ
り加圧容器80内の内圧が大きくなり、廃水に溶解され
る酸素量が増加する。また、生物反応槽16の底部近傍
には、担体14が通過しないメッシュのスクリーン84
が生物反応槽16を横断する方向に配設され、生物反応
槽16の底部に原水の分配領域86を形成する。加圧容
器80内で酸素が十分に溶解された原水は、分配領域8
6に流入され、スクリーン84で生物反応槽16の横断
面全体に分配された上向流となって上昇する。
【0033】また、生物反応槽16の静止水相48に
は、断面菱形をした複数の整流部材88が生物反応槽1
6の横方向に複数段配設される。これにより、気泡等が
付着して軽くなった担体14が上向流に乗って担体膨張
相46から静止水相48に上昇してきても、担体14
は、静止水相48での上向流の線速度の低下と、整流部
材88に当たって気泡が剥離し上昇の勢いが弱められ
る。これにより、担体14を担体膨張相46の領域まで
確実に自然沈降させることができる。
【0034】また、処理水を越流させるトラフ90は生
物反応槽16の中央部横方向に配設される。トラフ90
は、底部が開口91した外枠92と、外枠92内に設け
られ上下端が解放された内枠94とで構成されると共
に、内枠94に処理水配管96が連通される。また、ト
ラフ90底部の開口91の下方近傍には、断面菱形をし
た阻流部材96が開口91に沿って配設される。これに
より、生物反応槽16内を上昇する上向流は阻流部材9
6より左右に別れるのでトラフ90底部の開口91から
の流入を阻止する。従って、トラフ90内に越流した液
がトラフ90底部の開口91から流れ出る流れが形成さ
れるので、仮に担体14がトラフ90に越流してもトラ
フ90底部の開口91から生物反応槽内に戻すことがで
きる。
【0035】本発明の第4の実施の形態によれば、廃水
中へのエアの溶解を加圧状態で行うことにより担体膨張
相46でのDO濃度を第1の実施の形態よりも高めるこ
とができるので、特にBOD成分の濃度が小さくアンモ
ニア性窒素の濃度が大きな廃水に効果的である。次に、
図5に従って本発明の第5の実施の形態について説明す
る。
【0036】第5の実施の形態は、生物反応槽16内に
形成される酸素量の少ない静止水相48を積極的に嫌気
性にして脱窒処理に活用するようにしたものである。こ
の為に、原水供給管12を連通管26に連通させて静止
水相に酸素量の少ない原水を供給すると良い。即ち、生
物反応槽16の静止水相48には、断面がくの字形状に
形成される共に、脱窒細菌を含む微生物、例えば活性汚
泥が付着された複数の固定担体部材100が、生物反応
槽16内の横方向に並列配置される。また、固定担体部
材100の下側には、脱窒細菌の栄養源である炭素源、
例えばメタノール等を供給する炭素源供給管102が配
設される。この場合、廃水中のBOD成分の濃度が大き
い場合には、図中点線で示したように、廃水の一部を炭
素源供給管102に連結するバイパス管104を配設し
て、廃水中のBOD成分を脱窒細菌の栄養源としても良
い。これにより、担体膨張相46でのアンモニア性窒素
の硝化処理により生成された硝酸態窒素は、静止水相4
8で脱窒処理されて窒素ガスに変換され、廃水中から除
去される。静止水相48に固定担体部材100を配設す
ることにより、前述した整流部材と同様に担体14の沈
降を促進させることもできる。
【0037】また、生物反応槽16の水面近傍に設けら
れたトラフ28と曝気相42とは担体流出防止部材10
6により仕切られる。この担体流出防止部材106は、
トラフ28を囲むと共にその下端に開口108を有する
囲い枠110と、囲い枠110とトラフ28との間に立
設された下降流形成板112により形成される下降水路
114とで構成される。また、囲い枠110下端の開口
108の下方近傍には、断面三角形をした阻流部材11
6が開口108に沿って配設される。これにより、生物
反応槽16内を上昇する上向流は阻流部材116より図
中右方向に流れを変えるので囲い枠110下端の開口1
08からの流入を阻止する。これにより、生物反応槽1
6内で処理された処理水は、囲い枠110を越流して下
降流路114に流入し、下降流路114を下降流となっ
て下降して開口108から流れ出る流れを形成するの
で、仮に担体14が囲い枠110内に越流しても囲い枠
110下端の開口108から生物反応槽16内に戻すこ
とができる。
【0038】本発明の第5の実施の形態によれば、第1
の実施の形態と同様の効果を得ることができると共に、
静止水相48を脱窒処理セクションとして有効活用する
ことができる。
【0039】
【実施例】以下の本発明の担体膨張相廃水処理装置の実
施例について説明する。 (実施例1)実施例1は、図1に示した担体膨張相廃水
処理装置を用いて行った実施例である。
【0040】廃水の原水として下水2次処理水を用い、
深さl0mの生物反応槽で処理した。原水のアンモニア
性窒素(NH4 ‐N)濃度は、8〜12mg/l であり、
生物反応槽における滞留時間を2時間とした。硝化細菌
を固定化した担体は、ポリエチレングリコ−ルを主成分
とする材料を用いて作成したものである。担体は、大き
さ3mm角のサイコロ状で、比重が1.08のものを使
用した。添加する担体の容積は、生物反応槽の容積の1
0%とした。このとき、生物反応槽内に液の流れがない
静止状態では、担体膨張相の高さは1.5mとなる。生
物反応槽へのエアの供給は、水面から深さ5mの位置に
配設した曝気装置からのみ行い、曝気相でエアを溶解し
た液の一部を生物反応槽の底部に循環し、生物反応槽内
に上向流を形成するようにした。この時の担体膨張相を
通過する上向流の線速度を0.2〜3cm/秒の間で変化
させたときの処理水のNH4 ‐N濃度、及び担体膨張相
の最上部におけるDO濃度をそれぞれ図6、図7に示
す。尚、曝気相のDO濃度は6.5mg/l になるように
した。
【0041】図6及び図7から分かるように、担体膨張
相を通過する処理水の線速度を0.5cm/sec以上、好ま
しくはlcm/秒以上とすることにより、担体膨張相へD
O濃度の高い液を供給することが可能であり、これによ
りNH4 ‐N濃度の低い、即ち硝化処理が十分進行した
処理水を得ることができた。図8の線Aは、前述した比
重1.08、大きさ3mm角の担体を使用して担体膨張
相を通過する上向流の線速度と担体膨張相の膨張高さと
の関係を調べた結果である。
【0042】図8から分かるように、線Aで示される担
体の場合、線速度が0.3cm/秒以上になると、膨張高
さは静止状態での高さ1.5m(図8の点線で示した高
さ)から増加しはじめ、線速度が3cm/secのときの膨張
高さが約4mに達した。この時点では、曝気相へ上昇す
る担体は認められなかった。ここで、担体の比重と大き
さを変えた場合の線速度と担体膨張相の膨張高さの関係
について調べた結果を図8の線B、線C、線Dに示す。
線Bは比重が1.02で3mm角の担体の場合、線Cは
比重が1.05で0.5mm角の担体の場合、線Dは比
重が1.2で3mm角の担体の場合である。担体の比重
は、活性汚泥と同時に固定化する比重調整剤の比重及び
濃度を変化させて調整した。また、形状はすべて角型
(サイコロ状)である。
【0043】図8から分かるように、線B及び線Cで示
される担体は、上向流の線速度の増加に伴って担体膨張
相の膨張高さが急カーブで大きくなる。このことは、線
速度を大きくして処理水のNH4 ‐N濃度を下げる場合
に担体膨張相から曝気相へ移行する担体が多くなること
を意味する。従って、処理水のNH4 ‐N濃度の低減と
担体膨張相から曝気相への担体の移行防止という観点か
ら担体の比重と大きさを決定する場合、担体の比重が
1.02の場合には大きさを3mm以上、比重が1.0
5の場合には大きさを0.5mm以上とすることが必要
である。そして、上記の如く比重と大きさで形成された
担体は、処理水のNH4 ‐N濃度を満足できる程度まで
低減するのに最低限必要な線速度0.5cm/秒におい
て膨張高さが2.5m以下に維持され、曝気相へ移行す
る担体も認められなかった。
【0044】ところで、一般に担体の硝化速度に対し
て、担体表面積が大きな影響を示し、担体が小さいほど
単位体積当りの表面積が大きくなり、高い硝化速度が得
られることから担体の大きさは最大でも5mmが限度で
ある。一方、担体の成形の点からみると、比重が1.2
を越え、大きさが0.5mm未満の担体、及び、比重が
1.02未満の坦体は、製造上の難点がある上に、図8
の線B、Cから分かるように、担体膨張相から曝気相へ
上昇する担体を完全になくすことが困難である。
【0045】また、線Dのように担体の比重1.2、大
きさ3mmにして線速度を大きくしても膨張高さが大き
くなりにくい場合でも、線速度が8cm/secを越え
ると膨張高さが4mを越えて担体膨張相から曝気相へ移
行する担体が認められた。即ち、水深が10mの生物反
応槽の場合には担体膨張相の膨張高さは6m以下、好ま
しくは4m以下にすることが必要である。このことは、
膨張高さが6mを越えると、担体膨張相と曝気相との間
に殆ど静止水相の領域を形成できなくなり、担体が担体
膨張相から曝気相に移行すると生物反応槽から流出して
しまう可能性が大きくなるからである。このことから、
担体膨張相の高さは生物反応槽の水深の60%以下、好
ましくは40%以下が良い。この担体膨張相の膨張高さ
の上限を上向流の線速度で見た場合、線速度の上限は安
全を考慮して7cm/秒であることが良く、好ましくは
6cm/秒が良い。
【0046】従って、以上の結果を踏まえると、担体
は、比重が1.02〜1.2、大きさが0.5〜5mm
とすることが必要である。また、上向流の線速度は、処
理水の水質向上と担体膨張相から担体の移行防止の観点
から0.5〜7cm/秒、好ましくはl〜6cm/秒が良
い。 (実施例2)実施例2は、図1に示した担体膨張相廃水
処理装置を用いてアンモニア性窒素濃度の高い廃水につ
いて行った実施例である。
【0047】使用した廃水の原水は、余剰汚泥の処理過
程で排出される汚泥処理液を用い、この原水は、BOD
濃度が100mg/l、NH4 ‐N濃度が20mg/l程度であ
る。生物反応槽における滞留時間を7時間とした。実施
例1と同様に、硝化細菌を固定化した担体は、ポリエチ
レングリコ−ルを主成分とする材料を用いて製作したも
のである。担体は、比重が1.2で大きさ3mmの角型
である。添加する担体の容積は、生物反応槽容積の15
%とした。このとき、静止状態では、担体膨張相の高さ
は2.2mとなった。生物反応槽への空気の供給は、水
面から深さ5mの位置に配設した曝気装置のみから行
い、曝気相でエアを溶解した液の一部を生物反応槽の底
部に循環し、生物反応槽内に上向流を形成するようにし
た。担体膨張相を通過する液の線速度を2〜8cm/秒で
変化させたときの処理水のNH4 ‐N濃度、及び担体膨
張相の最上部におけるDO濃度をそれぞれ図9、図10
に示す。尚、曝気相でのDO濃度は6.5mg/Lに保っ
た。
【0048】図9、図10から分かるように、担体膨張
相を通過する上向流の線速度を6cm/秒以上とすること
により、高濃度のアンモニア性窒素を硝化処理するのに
十分なDO濃度の液を担体膨張相へ供給することが可能
であり、これにより硝化処理が90%程度進行した処理
水を得ることができた。また、上向流の線速度を7cm/
秒以下にすれば、比重が1.2で大きさが3mmの担体
が担体膨張相から曝気相に移行する危険もない。 (実施例3)実施例3は、図3に示した担体膨張相廃水
処理装置を用いて下水中の窒素成分を硝化・脱窒処理し
た実施例である。
【0049】嫌気槽と生物反応槽はいずれも深さ10m
である。嫌気槽には活性汚泥を投入し、滞留時間を3.
5時間とした。生物反応相には、比重1.08、大きさ
3mm角の担体を10%容積で充填し、曝気相で酸素を
溶解した液の一部を担体膨張相の下側に導いた。担体反
応相の滞留時間は2.5時間とした。担体膨張相を通過
する上向流の線速度は2cm/秒とし、静止水相の被処
理液を嫌気槽へ送水すると共に、その送水量が嫌気槽に
供給される廃水の原水量の3倍量になるようにした。ま
た、嫌気槽の液の一部は曝気装置のエア配管に設けられ
たエジェクターに送水されエアと共に曝気装置から生物
反応槽に戻されるようにした。曝気相から流出する液
は、図示しない固液分離槽に導かれ、活性汚泥を分離し
て処理水が得られる。沈殿した汚泥の一部は嫌気糟に返
送された。水温は15〜25℃の範囲で変動した。
【0050】図11に、窒素(T−N)負荷と処理水T
−N及び処理水のNH4 ‐N濃度との関係を示す。窒素
負荷は、嫌気槽と生物反応槽の合計容積当りで示した。
窒素負荷が0.15kg/m3 /日まで、処理水T‐N
が10mg/L 以下を満足する結果が得られた。尚、処
理水のNH4 ‐N濃度は常にlmg/L 以下を満足し、
生物反応槽での安定した硝化性能が確認された。 (実施例4)実施例4は、図5に示した担体膨張相廃水
処理装置を用いて下水2次処理水を硝化・脱窒処理した
実施例である。
【0051】廃水の原水のNH4 ‐N濃度は、8〜12
mg/L 程度であり、10mの生物反応槽で、滞留時間
を4時間とした。担体は、比重が1.05、大きさ3m
mの角型である。添加する担体の容積は、生物反応槽の
全容積当たり15%とし、後記する硝化処理セクション
当たりで約45%になるようにした。生物反応糟への空
気の供給は、水面から深さ3.3mの位置に設けた曝気
装置から行い、曝気相でエアを溶解した液の一部を担体
膨張相の下側に導いた。担体膨張相を通過する上向流の
線速度を0.5cm/秒とした。
【0052】また、静止水相に脱窒細菌を含む微生物が
付着した固定担体部材を配設すると共に、炭素源として
メタノールを、水面から6mの深さの位置に配設した炭
素源供給管から静止水相に供給した。固定担体部材に付
着した微生物濃度は、後記する脱窒処理セクションの容
積当たり約20000mg/L であり、生物反応槽の全
容積に対しては6600mg/L の濃度になるようにし
た。
【0053】これにより、生物反応槽は、その底部から
担体膨張相の硝化処理セクション、静止水相の脱窒処理
セクション、曝気相の好気処理セクションで構成し、各
セクションの容積割合が1:1:1になるようにした。
図12にメタノール添加量(原水当たりの濃度)と処理
水の水質の関係を示す。図12から分かるように、メタ
ノ−ル添加量が25〜30mg/L のとき、NH4 ‐N
濃度及びNO3 −N濃度のいずれもlmg/L 以下を満
足する良い結果が得られた。 (実施例5)実施例5は、実施例4で説明した担体膨張
相廃水処理装置を用いて都市ゴミの埋め立て地から発生
する浸出水を処理したものである。浸出水のNH4 ‐N
濃度は500〜600mg/L と高濃度であるが、BO
D成分の濃度は200mg/L であり、BOD/N比が
0.2〜0.4と低いものを使用した。この為、炭素源
供給管からはメタノールを添加した。
【0054】各セクションの窒素負荷をそれぞれ0.9
kg-N/m3 ・日、水温12°Cで運転した結果、処理
水のNH4 ‐N濃度を2mg/L 以下に、また総窒素濃
度(T−N)を50mg/L 以下にでき、90%以上の
高い窒素除去率を得ることができた。
【0055】
【発明の効果】上記説明したように本発明の担体膨張相
廃水処理装置によれば、上記の如く構成したので以下の
効果を奏することができる。深槽式の生物反応槽であっ
ても好気的な生物処理を行うための容量を大きくとるこ
とができる。従って、処理水の水質を向上させることが
できる。
【0056】また、低い吐出圧力の曝気装置を使用する
ことができ、消費電力の大幅な低減を図ることができ
る。また、生物反応槽の下部に担体膨張相を形成すると
共に、担体膨張相と曝気相の間に静止水相を形成したの
で、生物反応槽から担体の流出をせることなく担体膨張
相に保持することができる。従って、従来のように処理
水の排出口に担体の流出を防止するスクリーンを必要し
ない。
【0057】また、担体が生物反応槽内で激しく旋回し
ない担体膨張相を形成することにより、担体の寿命を長
くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の担体膨張相廃水処理装置の第1の実施
の形態を説明する断面図
【図2】本発明の担体膨張相廃水処理装置の第2の実施
の形態を説明する断面図
【図3】本発明の担体膨張相廃水処理装置の第3の実施
の形態を説明する断面図
【図4】本発明の担体膨張相廃水処理装置の第4の実施
の形態を説明する断面図
【図5】本発明の担体膨張相廃水処理装置の第5の実施
の形態を説明する断面図
【図6】上向流の線速度と処理水のアンモニア性窒素濃
度との関係を説明する説明図
【図7】上向流の線速度と処理水の担体膨張相の上部に
おける溶存酸素(DO)濃度の関係を説明する説明図
【図8】担体の比重と大きさを変えた場合の上向流の線
速度と担体膨張相の膨張高さとの関係を説明する説明図
【図9】高濃度のアンモニア性窒素濃度が廃水を処理し
た場合の上向流の線速度と処理水のアンモニア性窒素濃
度との関係を説明する説明図
【図10】高濃度のアンモニア性窒素濃度が廃水を処理
した場合の上向流の線速度と処理水の担体膨張相の上部
における溶存酸素濃度の関係を説明する説明図
【図11】窒素負荷と処理水の総窒素濃度及びアンモニ
ア性窒素濃度の関係を説明する説明図
【図12】本発明の担体膨張相廃水処理装置で硝化・脱
窒処理を行った時の、メタノール添加量と処理水の総窒
素濃度との関係を説明する説明図
【符号の説明】
10…担体膨張相廃水処理装置 12…原水供給管 14…担体 16…生物反応槽 18…曝気装置 20…循環装置 26…連通管 28、90…トラフ 40…気泡 42…曝気相 44…循環ポンプ 46…担体膨張相 48…静止水相 54…嫌気槽 56、60、70…水中攪拌器 68…エジェクター 88…整流部材 96、116…阻流部材 100…固定担体部材 106…担体流出防止部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河西 正隆 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日立プラント建設株式会社内 審査官 増田 亮子 (56)参考文献 特開 昭62−61699(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 3/28 - 3/34 C02F 3/02 - 3/10

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】廃水の流入口と被処理液の排出口とを備え
    た深槽型の生物反応槽と、 前記生物反応槽内の上部に空気の曝気相を形成する曝気
    手段と、 前記曝気相と前記生物反応槽の底部とを連通する連通管
    を介して前記曝気相で酸素を含有した液を生物反応槽の
    底部に送給し、前記生物反応槽内の底部から所定の線速
    度を有する上向流を発生させることによって生物反応槽
    の下部に微生物を担持した担体がわずかに浮上する担体
    膨張相を形成し、前記担体膨張相と前記曝気相との間
    に、担体膨張相を通過した後の上向流の線速度が担体の
    自然沈降速度よりも遅い静止水相を形成する循環手段
    と、 を備えたことを特徴とする担体膨張相廃水処理装置。
  2. 【請求項2】前記生物反応槽に隣接させて活性汚泥を有
    する嫌気槽を設け、前記生物反応槽と前記嫌気槽との間
    で液を循環するようにしたことを特徴とする請求項1の
    担体膨張相廃水処理装置。
  3. 【請求項3】前記生物反応槽に隣接させて活性汚泥を有
    する嫌気槽を設け、前記生物反応槽の静止水相から取水
    した液を前記嫌気槽に送水すると共に、前記嫌気槽から
    の液を前記曝気手段にエアを供給するエア配管に設けら
    れたエジェクターに送水することを特徴とする請求項1
    の担体膨張相廃水処理装置。
  4. 【請求項4】前記生物反応槽内の静止水相に、脱窒細菌
    を含む微生物が付着した固定担体部材を設けると供に前
    記脱窒細菌に炭素源を供給する供給手段を設けたことを
    特徴とする請求項1の担体膨張相廃水処理装置。
  5. 【請求項5】前記上向流の所定の線速度は、前記担体膨
    張エリアを通過する時の線速度において0.5〜7cm
    /秒になるようにすることを特徴とする請求項1、2、
    3又は4の担体膨張相廃水処理装置。
  6. 【請求項6】前記担体は、比重が1.02〜1.2、粒
    径が0.5〜5mmであることを特徴とする請求項1、
    2、3、4又は5の担体膨張相廃水処理装置。
  7. 【請求項7】前記生物反応槽の深さは7〜15mであ
    り、担体膨張相の深さは前記生物反応槽の水深の60%
    以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5
    又は6の担体膨張相廃水処理装置。
  8. 【請求項8】前記連通管の下端部には、前記連通管内の
    液を吸込んで周囲に吹き出す水中攪拌器が設けられてい
    ることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は
    7の担体膨張相廃水処理装置。
JP32877596A 1996-12-09 1996-12-09 担体膨張相廃水処理装置 Expired - Fee Related JP3331887B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32877596A JP3331887B2 (ja) 1996-12-09 1996-12-09 担体膨張相廃水処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32877596A JP3331887B2 (ja) 1996-12-09 1996-12-09 担体膨張相廃水処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10165975A JPH10165975A (ja) 1998-06-23
JP3331887B2 true JP3331887B2 (ja) 2002-10-07

Family

ID=18214002

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32877596A Expired - Fee Related JP3331887B2 (ja) 1996-12-09 1996-12-09 担体膨張相廃水処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3331887B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4300554B2 (ja) * 2003-01-17 2009-07-22 スエヒロシステム株式会社 ゲル状粒子の供給方法及び装置
JP4884737B2 (ja) * 2005-09-20 2012-02-29 シャープ株式会社 液体処理装置
JP5092619B2 (ja) * 2007-08-13 2012-12-05 栗田工業株式会社 排水の生物処理方法
CN107381808B (zh) * 2017-07-12 2020-09-22 北京工业大学 一种污水自动循环的一体化高效脱氮装置及方法
CN114873726B (zh) * 2022-06-20 2023-02-24 咸宁职业技术学院 一种多级厌氧污泥床反应器

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10165975A (ja) 1998-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2002301606B2 (en) Batch Style Wastewater Treatment Apparatus Using Biological Filtering Process and Wastewater Treatment Method Using The Same
US6592762B2 (en) Process for treating BOD-containing wastewater
US6413427B2 (en) Nitrogen reduction wastewater treatment system
CZ311694A3 (en) Process and apparatus for treatment of waste water or sewage containing nitrogenous compounds
KR100273913B1 (ko) 생물학적반응에의한하폐수처리장치및방법
CA1081378A (en) Continuous fermentation process and apparatus
KR100428047B1 (ko) 역유입 슬러지를 이용한 오폐수 정화장치 및 방법
KR100856442B1 (ko) 초미세 버블을 이용한 폐수 처리장치의 호기성 생물반응기
JP4409532B2 (ja) 畜産廃水及び糞尿等のような高濃度の窒素を含む汚廃水の処理装置及びその処理方法
JP3331887B2 (ja) 担体膨張相廃水処理装置
US6214228B1 (en) Liquid effluent treatment plant and process
US20070205152A1 (en) Process for biological purification of waste water with simultaneous decomposition of organic and nitrogen-containing compounds
JP3731806B2 (ja) 有機性排水の処理方法及び装置
US5961826A (en) Biological waste water treatment system having a sedimentation tank vertically combined with an aeration tank therein
JP4581211B2 (ja) 生物学的脱窒装置
JPH0839100A (ja) 台所廃水及び生ゴミの同時処理方法
JPH10296283A (ja) 担体併用生物反応槽の担体分離方法
KR20020075046A (ko) 고농도 유기폐수의 처리방법
JP2709357B2 (ja) 好気性廃水処理装置
JP2000070989A (ja) 廃水の窒素除去方法および装置
KR100636293B1 (ko) 무동력 내부순환을 이용한 질소·인 처리장치 및 방법
RU2136614C1 (ru) Устройство для биологического удаления из сточных вод органических веществ, соединений азота и фосфора
KR102638000B1 (ko) 탈질 질소를 이용하여 탈기 및 슬러지 농축을 가능하게 하는 하폐수처리장치
JPS6218232B2 (ja)
JP4524897B2 (ja) 生物学的脱窒装置

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080726

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090726

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090726

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100726

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees