JP4580629B2 - 粘着剤組成物及びそれを用いた再剥離性粘着シート - Google Patents

粘着剤組成物及びそれを用いた再剥離性粘着シート Download PDF

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Description

本発明は、それに含まれる熱膨張性微小球が、特定の温度で加熱膨張して粘着性が低下又は消滅する粘着剤組成物、及びこの粘着剤組成物を用いた、被着体から容易に剥離可能な再剥離性粘着シート、並びにこの再剥離性粘着シートを使用した被着体加工方法に関し、更に詳しくは、140℃程度の温度条件下においては粘着性は消失等しないが、160℃以上に加熱すると粘着性が低下又は消失する粘着剤組成物、及びこの粘着剤組成物を用いた、被着体に糊残り等の汚染を生じさせることなく容易に剥離可能な再剥離性粘着シート、並びにこの再剥離性粘着シートを使用した被着体加工方法に関する。
適度な粘着力で被着体に貼り付けることができるとともに、使用目的を終え不要となった後には簡単に剥離することのできる再剥離性粘着シートは、フレキシブルプリント基板(FPC)製造工程における裏打用シート、並びに半導体ウェハの切断工程、及び積層セラミックコンデンサーの小片化加工工程における仮止めシート等として、電気・電子業界において広く用いられている。このような再剥離性シートとしては、基材上に紫外線硬化型のオリゴマーを含有した粘着剤層を設けたもの(例えば、特許文献1参照)や、微粘着性粘着剤を基材上に塗布したもの(例えば、特許文献2参照)、更には、基材上に熱膨張性微小球を含有する粘着剤層を設けた粘着シート(例えば、特許文献3〜6参照)等が提案され用いられている。
近年、電気・電子業界における製品の高性能化、高機能化、多品種化の傾向に伴い、使用される再剥離性粘着シートにも高耐熱性、高接着性、及び高信頼性等の優れた諸特性を具備することが要求されつつある。例えば、FPC製造工程においては、得られるFPCの薄膜化、及びプリントされる配線の高精度化の要求が高まるとともに、コスト削減、生産時間短縮等の要求もあるため、これらの要求に応えることを目的として、エッチングからカバーレイフィルム積層工程までの一貫使用が可能である裏打用のフィルム・シート開発の要望がある。
しかし、従来用いられてきた、特許文献1等において開示された紫外線硬化型再剥離性粘着シートは、高温加熱後は被着体からの剥離性に問題があった。一方、特許文献2等において開示された微粘着型再剥離性粘着シートは、高温加熱後における再剥離性は有するものの剥離力が上昇してしまうため、薄膜状であるとともにより高精度に配線のなされたFPCの、剥離時における平面性の維持、及び寸法安定性に問題があった。また、特許文献3〜6等において開示された熱発泡シートは、140℃以上に加熱した後には剥離力がほとんど消失してしまうため、FPCの剥離時において発生するストレスは小さいが、140℃以上の温度条件下においても有効な粘着性を維持して連続使用できるものではなかった。
特開平9−291258号公報 特開2001−106998号公報 特開平11−302614号公報 特開2000−351947号公報 特開2002−69422号公報 特開2003−160765号公報
本発明は、所定の基材表面に配設した場合に、常温ではもちろん、140℃程度の温度条件下においても十分な粘着性を有するが、160℃以上に加熱すると粘着性が低下又は消失する粘着剤組成物を提供することをその課題とする。
また、本発明は、被着体に貼り付けた場合、常温ではもちろん、140℃程度の温度条件下においても十分被着体との粘着性を確保でき、しかも160℃以上に加熱すれば、被着体に損傷等を与えず、かつ、糊残り等の汚染を生じさせることなく、被着体から容易に剥離可能な再剥離性粘着シート、及びこの再剥離性粘着シートを使用した被着体加工方法を提供することをその課題とする。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、所定の温度以上で気化する物質を、弾性を有する殻内に内包させてなる熱膨張性微小球を含み、その弾性率が所定の数値範囲内である粘着剤組成物、及びこれを用いた再剥離性粘着シート、並びにこれを用いた被着体加工方法により、上記課題を解決する本発明をなすに至った。即ち、本発明によれば以下に示す粘着剤組成物、再剥離性粘着シート、及び被着体加工方法が提供される。
[1]弾性を有する殻、及び該殻の内部に180℃以上で気化する物質を備えた熱膨張性微小球と、粘着剤と、粘着付与樹脂と、架橋剤とを含んでなり、該180℃以上で気化する物質は、n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、3−エチルペンタン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、2,3,3−トリメチルブタン、n−オクタン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、4−メチルヘプタン、2,2−ジメチルヘキサン、2,3−ジメチルヘキサン、2,4−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン、3,3−ジメチルヘキサン、3,4−ジメチルヘキサン、3−エチルヘキサン、2,2,3−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,3,4−トリメチルペンタン、2−メチル−3−エチルペンタン、3−メチル−3−エチルペンタン、及び2,2,3,3−テトラメチルブタンから選択される物質であり、該粘着剤が、その重量平均分子量が3万〜100万、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2〜30のアクリル系粘着剤であり、該アクリル系粘着剤は、10以上の酸価を有する、該架橋剤と反応し得るものであり、かつ、該アクリル系粘着剤が、アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも1種の単量体(A)と、該架橋剤と反応し得る官能基を有する単量体(B)との共重合体であって、該アクリル系粘着剤のガラス転移温度が、−50〜0℃であり、該粘着付与樹脂が、その軟化点が170〜200℃のキシレン系粘着付与樹脂であり、該架橋剤が、ビスフェノール系エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、及び1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンから選択されるエポキシ系架橋剤であり、かつ、下記測定方法(1)によって測定される粘着剤組成物からなる試料シートの140℃における弾性率が5.0×10〜1.0×10Paである粘着剤組成物。
測定方法(1):試料となる該粘着剤組成物をシリコンシート上に塗工・乾燥後に剥離させることにより得られる、厚さ0.1mm×幅3mm×長さ15mmの試料シートを使用し、TMA引張モード法により、荷重−0.2〜−0.5gの条件で前記弾性率を測定する。
[2]該アクリル系粘着剤を構成する該共重合体は、該単量体(A)と該単量体(B)の比が、質量比で92:8〜98:2の範囲である[1]に記載の粘着剤組成物。
]100質量部の該粘着剤に対して、該熱膨張性微小球が5〜50質量部、該粘着付与樹脂が5〜100質量部、及び該架橋剤が0.1〜5.0質量部、それぞれ配合されてなる前記[1]又は2]に記載の粘着剤組成物。
]フィルム状又はシート状の基材と、該基材の少なくとも一方の面上に配設される前記[1]〜[]のいずれかに記載の粘着剤組成物を含む粘着層とを備えてなる再剥離性粘着シート。
]該基材が、該粘着層から剥離可能である前記[]に記載の再剥離性粘着シート。
]シート状又は板状の被着体の少なくとも一方の面に、粘着性及び剥離性を有する裏打用シートを貼着した状態で該被着体について所定の加工を行った後に、該裏打用シートを剥離して、該所定の加工がなされた被着体(加工済み被着体)を得ることを含む被着体加工方法において、該裏打用シートとして、前記[]又は[]に記載の再剥離性粘着シートを用いる被着体加工方法。
]該被着体が、その表面上に導電体層が形成されてなるものであり、かつ、該所定の加工が、少なくとも該導電体層をパターン化する工程を含む、フレキシブルプリント基板(FPC)を製造するための加工である前記[]に記載の被着体加工方法。
]該所定の加工が、切断加工である前記[]に記載の被着体加工方法。
本発明の粘着剤組成物は、所定の基材表面に配設した場合に、常温ではもちろん、140℃程度の温度条件下においても十分な粘着性を有するが、160℃以上に加熱すると粘着性が低下又は消失するという効果を奏するものである。また、本発明の再剥離性粘着シートは、140℃程度の温度条件下においても被着体との粘着性が十分に確保されるものであり、しかも160℃以上に加熱すれば、被着体に損傷等を与えず、かつ、糊残り等の汚染を生じさせることなく、被着体から容易に剥離可能であるという効果を奏するものである。また、本発明の被着体加工方法によれば、140℃程度の温度条件下においても被着体を高精度に加工可能であるとともに、加工完了後には160℃以上に加熱すれば被着体から容易に剥離可能な再剥離性粘着シートを用いるため、被着体加工の高精度化と加工効率の向上とを図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜、設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。本発明の粘着剤組成物は、弾性を有する殻、及び殻の内部に180℃以上で気化する物質を備えた熱膨張性微小球と、粘着剤と、粘着付与樹脂と、架橋剤とを含んでなり、かつ、140℃における弾性率が5.0×104〜1.0×106Paであるものである。以下、その詳細について説明する。
本発明の粘着剤組成物の140℃における弾性率は、5.0×104〜1.0×106Paである。5.0×104Paより弾性率が低いと、熱膨張性微小球の膨張前の140℃を超える加熱条件下において密着力及び保持力が極端に低下する傾向にあり、1.0×106Paより高いと、被着体との追従性が低下するために好ましくない。なお、熱膨張性微小球の膨張前の140℃を超える加熱条件下における、十分な密着力及び保持力の発揮、及び被着体との追従性維持の観点からは、本発明の粘着剤組成物の140℃における弾性率は、9.0×104〜8.0×105Paであることが好ましく、1.1×105〜7.5×105Paであることが更に好ましい。
なお、本発明にいう「弾性率」とは、試料となる粘着剤組成物を所定の基材上に塗工・乾燥後に剥離させることにより得られる、厚さ0.1mm×幅3mm×長さ15mmの試料シートを使用し、TMA引張モード法により、荷重−0.2〜−0.5gの条件で測定した値(Pa)をいう。なお、弾性率の測定方法の詳細については後述する。
本発明の粘着剤組成物に含まれる熱膨張性微小球は、弾性を有する殻に180℃以上で気化する物質(以下、「気化物質」と記す)を内包させてなる微小球である。殻に内包される気化物質としては、例えばn−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、3−エチルペンタン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、2,3,3−トリメチルブタン、n−オクタン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、4−メチルヘプタン、2,2−ジメチルヘキサン、2,3−ジメチルヘキサン、2,4−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン、3,3−ジメチルヘキサン、3,4−ジメチルヘキサン、3−エチルヘキサン、2,2,3−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,3,4−トリメチルペンタン、2−メチル−3−エチルペンタン、3−メチル−3−エチルペンタン、2,2,3,3−テトラメチルブタン等の、所定の温度まで加熱することにより容易にガス化して膨張する物質、又はこれらの物質の混合物を挙げることができる。なお、n−ヘプタン、n−オクタンの大気圧下における沸点は、それぞれ98.4℃、125.7℃であるが、本発明にいう「180℃以上で気化する物質」とは、大気圧下において180℃以上で気化する物質のみをいうものではなく、弾性を有する殻に内包された状態において180℃以上で気化する物質を含むものとする。また、本発明においては、気化物質が気化する温度は、185℃以上であることが好ましく、190℃以上であることが更に好ましい。気化物質が気化する温度の上限については特に限定されないが、実質的な取扱い性等を考慮すると、250℃以下であればよい。
前述の気化物質を内包する殻としては、例えば熱溶融性物質、熱膨張により破壊する物質等により形成されたものを挙げることができる。殻を形成する物質としては、例えば、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、又はポリスルホン等が挙げられる。なお、熱膨張性微小球の具体例としては、マイクロスフェア(商品名(松本油脂製薬社製))等の市販品をはじめとする、160℃以上に加熱処理することにより適度に膨張するものを挙げることができる。このような熱膨張性微小球を構成要素として含む本発明の粘着剤組成物を所定の基材表面に配設して再剥離性粘着シートとし、所定の被着体に貼着した場合を想定すると、140℃程度の温度条件下においては十分な粘着性を発揮するが、160℃以上に加熱すると熱膨張性微小球が膨張し、被着体との接触面積が低下してその粘着性が低下又は消失するという効果を奏する。また、プレス等の圧力をかけることにより、160℃以上の温度での使用も可能である。なお、その粘着性を効率よく低下又は消失させるため、熱膨張性微小球を構成する殻は、これに内包される気化物質の体積膨張率が5倍以上、好ましくは7倍以上、更に好ましくは10倍以上となるまで破裂しない適度な強度を有するものであることが好ましい。熱膨張性微小球の大きさは、平均粒径で10〜50μmの範囲から適宜選択するのがよい。
本発明の粘着剤組成物に含まれる粘着剤は、熱膨張性微小球の膨張前の高温条件下での保持力、強粘着力を発揮する点でアクリル系粘着剤である。アクリル系粘着剤の重量平均分子量は、3万〜100万であ、熱膨張性微小球の膨張後の剥離性、及び常温付近での粘着力の面から、30万〜60万であることが更に好ましい。アクリル系粘着剤の重量平均分子量が3万より小さくなると、熱膨張性微小球の膨張前においても被着体への粘着性が低下し易くなる場合があり、100万を超えると被着体に糊残りが生じる場合がある。
本発明の粘着剤組成物を構成する粘着剤の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)、2〜30の範囲である。(Mw/Mn)比が2未満であると、熱膨張性微小球の膨張前においても被着体との粘着力が低くなる場合があり、30を超えると、熱膨張性微小球の膨張前の高温条件下において被着体との十分な粘着力を得難く、糊残り等を起こす場合があるために好ましくない。常温付近、及び熱膨張性微小球の膨張前の高温条件下における被着体との粘着性の面から、(Mw/Mn)比は2〜25であることが更に好ましい。
また、粘着剤は、10以上の酸価を有し、架橋剤と反応し得るものである。酸価が10未満であると、粘着剤と架橋剤が反応することによる十分な架橋密度が得られないために、熱膨張性微小球の膨張前の高温条件下における十分な粘着力及び凝集力が発揮されず、熱膨張性微小球の膨張後における剥離性の低下や熱膨張性微小球の膨張前の高温条件下における保持力の低下等の不具合が発生する場合がある。更に、高温での被着体との粘着性及び熱膨張性微小球膨張後の剥離性の面から、粘着剤の酸価は10〜50であることが好ましい。なお、本発明にいう、粘着剤の「酸価」とは、試料(粘着剤)1g中に含まれる遊離脂肪酸や樹脂酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数であり、JIS K 5407に準じて測定される、下記式(1)により算出される値をいう。
酸価=(A×f×5.611)/S …(1)
(但し、上記式(1)中、Aは0.1mol/lの水酸化カリウム−エチルアルコール溶液の使用量(ml)、fは0.1mol/lの水酸化カリウム−エチルアルコール溶液のファクター、Sは試料の使用量(g)を示す。)
粘着剤として用いられるアクリル系粘着剤は架橋剤と反応し得るものであり、具体的には、アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルの単量体と、架橋剤と反応し得る官能基を有する単量体との共重合体を挙げることができる。このアクリル酸アルキルエステル、及びメタクリル酸アルキルエステルを構成するアルキルエステルとしては、例えばメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、s−ブチルエステル、t−ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、イソオクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、イソデシルエステル、ドデシルエステル、トリデシルエステル、ペンタデシルエステル、オクタデシルエステル、ノナデシルエステル、エイコシルエステル等が挙げられる。架橋剤と反応し得る官能基を有する単量体としては、その官能基がカルボキシル基であるアクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクロトン酸が挙げられ、また、その官能基がヒドロキシル基であるアクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸ヒドロキシヘキシル、メタクリル酸ヒドロキシヘキシル、アクリル酸ヒドロキシオクチル、メタクリル酸ヒドロキシオクチル、アクリル酸ヒドロキシデシル、メタクリル酸ヒドロキシデシル、アクリル酸ヒドロキシラウリル、及びメタクリル酸ヒドロキシラウリル等が挙げられる。
これらの単量体は単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、架橋剤と反応し得る官能基を有する単量体との比は、質量比で92:8〜98:2の範囲であることが好ましい。この比の範囲より、架橋剤と反応し得る官能基を有する単量体の比が少ないと、熱膨張性微小球が膨張したとき被着体との剥離性が損なわれる場合があり、この比の範囲より、架橋剤と反応し得る官能基を有する単量体の比が過剰になると、被着体との粘着力が乏しくなる場合がある。被着体との粘着性及び剥離性の面から、更に好ましい(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、架橋剤と反応し得る官能基を有する単量体との比は、質量比で93:7〜95:5である。
更に、所望により上述してきた単量体以外の単量体を併用してもよい。具体的にはスチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド、ポリエチレングリコールアクリレート、N−ビニルピロリドン、及びテトラフルフリルアクリレート等が挙げられる。
この粘着剤は、前述のアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルの単量体と、架橋剤と反応し得る官能基を有する単量体とをラジカル共重合させることによって得ることができる。この場合の共重合法はよく知られており、乳化重合法、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、及び光重合法等が挙げられる。また、粘着剤のガラス転移温度は−50〜0℃の範囲であることが好ましい。ガラス転移温度が0℃を超えると被着体との粘着力が低下する場合があり、−50℃未満であると、加熱処理後の剥離時に糊残りを起こし易くなり、良好な剥離性が得られない場合がある。被着体との粘着性及び加熱処理後の剥離性の面から、粘着剤のガラス転移温度は−40〜0℃であることが更に好ましい。
本発明の粘着剤組成物においては、粘着剤は架橋剤で架橋されている。ここで、架橋剤としてはエポキシ系架橋剤等が用いられる熱膨張性微小球が膨張する温度に加熱した後における、被着体からの剥離性、及び糊残り防止の面から、エポキシ系架橋剤を用いることが好ましい。エポキシ系架橋剤としては、例えば、ビスフェノール系エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、及び1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等が挙げられ、常温での被着体との粘着性、及び熱膨張性微小球膨張後の剥離性の面で特に多官能性のものが好ましく、4官能のエポキシ系架橋剤が更に好ましい。4官能のエポキシ系架橋剤としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。このエポキシ系架橋剤は、架橋反応速度が遅くなる傾向にあり、反応が不十分の場合、粘着剤組成物の凝集力が低くなり、被着体表面に糊残り等が発生することがある。このため、架橋反応を促進するために、本発明の粘着剤組成物にアミン等の触媒を添加することが好ましい。また、同じく架橋反応を促進するため、粘着剤の構成成分としてアミン系官能基を持つ単量体を用いることや、前述の架橋剤に加えてアジリジン系架橋剤を併用すること等が好ましい。特に、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン等の、触媒効果を有する3級アミンを含有させたものを架橋剤として用いることが好ましい。
本発明の粘着剤組成物を構成する架橋剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明の粘着剤組成物においては、100質量部の粘着剤に対し、熱膨張性微小球を5〜50質量部配合させることが好ましい。100質量部の粘着剤に対する、熱膨張性微小球の配合量が5質量部よりも少ないと、熱膨張性微小球が膨張した後における被着体からの剥離性が低下する場合があり、50質量部を超えると、常温付近での被着体との粘着力が低下する場合がある。被着体との粘着性、及び剥離性の面から、熱膨張性微小球の配合割合は、100質量部の粘着剤に対して5〜20質量部であることが更に好ましい。
また、本発明の粘着剤組成物においては、100質量部の粘着剤に対し、架橋剤を0.1〜5.0質量部配合させることが好ましい。100質量部の粘着剤に対する、架橋剤の配合量が0.1質量部よりも少ないと、被着体に糊残り等が発生したり、被着体との剥離性が損なわれたりする場合があり、5.0質量部を超えると、常温付近での被着体との粘着力が低下する場合がある。被着体への汚染防止、被着体との粘着性、及び剥離性の面から、架橋剤の配合割合は、100質量部の粘着剤に対して0.2〜3.0であることが更に好ましい。
本発明の粘着剤組成物を構成する粘着付与樹脂の軟化点は、170〜200℃であ、高温での被着体との密着性をコントロールすることが可能となる。粘着付与樹脂は、キシレン系粘着付与樹脂であり、その軟化点が170〜190℃であるものが更に好ましい。軟化点が高いこれらの粘着付与樹脂を用いた本発明の粘着剤組成物は、被着体への汚染、糊残りが少ないばかりでなく、140℃の環境下での被着体との密着性に優れるものである。しかも熱膨張性微小球膨張後は、被着体から容易に剥離可能となるために好ましい。
本発明の粘着剤組成物においては、100質量部の粘着剤に対し、粘着付与樹脂を5〜100質量部配合させることが好ましい。100質量部の粘着剤に対する、粘着付与樹脂の配合量が5質量部よりも少ないと、常温〜140℃の範囲で被着体との粘着力が低下する場合があり、100質量部を超えると、被着体への貼り付け性が低下する場合がある。被着体との粘着性、及び貼り付け性の面から、粘着付与樹脂の配合割合は、100質量部の粘着剤に対して5〜50質量部であることが更に好ましい。
次に、本発明の再剥離性粘着シートについて説明する。本発明の再剥離性粘着シートは、フィルム状又はシート状の基材と、この基材の少なくとも一方の面上に配設される、上述してきたいずれかの粘着剤組成物を含む粘着層とを備えてなるものである。以下、その詳細について説明する。
本発明の再剥離性粘着シートを構成する基材の材質については特に制約されず、再剥離性粘着シートの利用分野に応じて適宜選択すればよい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、セロハン、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、芳香族ポリアミド、若しくはポリスルホン等の合成樹脂、又はガラス、金属、セラミック等の材質を挙げることができる。なお、基材は透明であっても、これを構成する材質に各種顔料や染料を配合して着色したものであってもよく、更にはその表面がマット状に加工されていてもよい。
本発明の再剥離性粘着シートを、140℃を超える温度条件下に長時間さらす分野で使用する場合には、再剥離性粘着シート自体の寸法変化やカール発生等の問題を極力回避すべく、その加熱収縮率が0.5%以下の基材を用いることが好ましく、0.2%以下の基材を用いることが更に好ましい。ここで、本発明にいう加熱収縮率とは、JIS C 2318にて定義される値をいう。通常は、ポリエチレンテレフタレートフィルム及びポリエチレンナフタレートフィルムのうちから加熱収縮率が0.2%以下のものを基材として選択することが好ましい。基材の厚さは、再剥離性粘着シートの利用分野に応じて適宜選択すればよいが、通常12〜250μmである。被着体への追従性や搬送性の面から25〜125μmが好ましい。
また、本発明の再剥離性粘着シートを構成する基材には、公知の添加剤、具体的には耐熱安定剤、耐酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等を含有させことができる。また、基材と粘着層との密着性を向上させるために、基材に表面処理を施すこと、及び/又は基材と粘着層との間に接着性を有する中間層を設けることが好ましい。基材に施す表面処理としては、例えばコロナ放電処理・グロー放電処理等の放電処理、プラズマ処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理・電子線処理・放射線処理等の電離活性線処理、サンドマット処理・ヘアライン処理等の粗面化処理、化学薬品処理、易接着層塗布処理等を挙げることができる。また、基材と粘着層との間に設ける中間層としては、例えば、熱膨張性微小球を含有しない粘着層等の基材との密着性が、熱膨張性微小球含有粘着層よりも高いものを用いることができる。この中間層の厚さは1〜100μmであることが好ましく、基材との密着性、生産性の点から10〜50μmであることが更に好ましい。
また、基材が、粘着層から剥離可能であること、即ち、粘着層から容易に剥離可能な基材を用いることもでき、これにより、被着体に貼り付けた後に基材を剥離させ、粘着層単独で用いることもできる。粘着層から容易に剥離可能な基材の材質としては特に限定されるものではなく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリアリレート等の各種樹脂、ポリエチレンラミネート紙、ポリブチレンラミネート紙、クリーコート紙、樹脂コート紙、又はグラシン紙等の各種紙材等を挙げることができる。また、接着層との接合面に、離型処理が施された基材を用いることができる。基材に施される離型処理の代表例としては、シリコーン系樹脂、長鎖アルキル系樹脂、フッ素系樹脂等の離型剤の塗布による離型剤層の形成が挙げられる。
本発明の再剥離性粘着シートを、被着体に貼り付けた後に基材を剥離させて粘着層単独とすることにより、例えばFPC等をはじめとする基板の製造工程において、基板(被着体)の薄膜化に好適に対応することができる。また、基材を剥離させて粘着層単独にした後は、高温条件下で作業した場合であっても、基材の寸法変化の影響がなくなるため、高精度な配線基板等の製造工程用の裏打用シートとして好適に用いることができる。
次に、本発明の再剥離性粘着シートを作製する方法について概説する。まず、フィルム状又はシート状の基材の面上に粘着剤層を形成するには、上述してきた本発明のいずれかの粘着剤組成物を適当な溶剤に溶解又は分散させて、固形分濃度が20〜50質量%程度の粘着層形成塗工液を調製する。次いで、この粘着層形成塗工液を、基材の面上に直接、又は適当な中間層を介して、常法に従って塗布した後、乾燥することにより粘着層を形成して、再剥離性粘着シートを作製することができる。なお、粘着層形成塗工液を塗布する基材の面には、所定の表面処理が施されていてもよい。形成する粘着層の厚さは、15〜100μmとすればよい。粘着層の厚さが100μmよりも厚いと、加熱処理後の剥離時に凝集破壊が起こり易くなるため、良好な剥離性が得られなくなる場合があり、15μmよりも薄いと、被着体との十分な粘着力が得られなくなる場合がある。
なお、粘着層中に残存する揮発分の量(以下、「残存揮発分量」と記す)によっては、粘着層と基材との粘着性や熱膨張性微小球が膨張する温度以上に加熱した後における、被着体からの剥離性、糊残り性に悪影響を及ぼす場合がある。従って、粘着層中の残存揮発分量は、4質量%以下とすることが好ましく、2質量%以下とすることが更に好ましい。なお、所望とする残存揮発分量とするためには、粘着層形成塗工液を調製するための溶剤の量や、塗工後の乾燥時間等を調整すればよい。粘着層形成塗工液には、従来慣用されている各種添加剤、例えば界面活性剤、潤滑剤、安定剤、粘度調整剤、染料等を添加することができる。
本発明の再剥離性粘着シートは、加工対象となる被着体に貼着して積層体(積層体A)を構成すれば、その被着体を加工するための裏打用シートとして使用することができる。また、粘着層から剥離可能な基材を用いて、粘着層の両面に被着体を貼り合わせた積層体(積層体B)や、同じく粘着層から剥離可能な基材を用いて、粘着層の一方の面に被着体、他方の面に支持体、又は適当な治具等を貼り合わせた積層体(積層体C)を構成し、被着体の加工に使用することができる。
次に、本発明の被着体加工方法について説明する。本発明の被着体加工方法は、シート状又は板状の被着体の少なくとも一方の面に、粘着性及び剥離性を有する裏打用シートを貼着した状態で被着体について所定の加工を行った後に、裏打用シートを剥離して、加工済み被着体を得ることを含む被着体加工方法において、裏打用シートとして、上述してきたいずれかの再剥離性粘着シートを用いる被着体加工方法である。以下、その詳細について説明する。
本発明の被着体加工方法の、加工の対象となる被着体としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、セロハン、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、芳香族ポリアミド、ポリスルホン、液晶ポリマー等の耐熱性を有する合成樹脂製のフィルムやシート、ガラス、金属、又はセラミックからなるシート等が挙げられる。また、これらの被着体を構成する材料のうちの数種類を積層した積層複合体を被着体として使用することもできる。
本発明の被着体加工方法によれば、これまで述べてきたいずれかの再剥離性粘着シートを用いるため、特に薄膜状の被着体を、裏打ちして適度な定形性を維持しつつ140℃程度の温度条件下においても高い精度で加工可能である。また、加工完了後には160℃以上に加熱して被着体から容易に剥離可能である。従って、例えば、FPCの製造、半導体ウェハの切断、積層セラミックコンデンサーの小片化、メッキ、スパッタリング等による被着体表面上への導電層の形成等を行うことができる。
また、本発明の被着体加工方法においては、被着体が、銅張り積層板(CCL)をはじめとする、その表面上に導電体層が形成されてなるものであり、かつ、再剥離性粘着シートに貼着された状態の被着体に対して行う所定の加工が、少なくとも導電体層をパターン化する工程を含む、FPCを製造するための加工であることが好ましい。即ち、本発明の被着体加工方法では、これまで述べてきたいずれかの再剥離性粘着シートを用いるため、被着体上に高精度なパターン配線を効率よく形成することができる。
次に、被着体表面の導電体層をパターン化する工程を含む、FPCを製造するための加工の一例について概説する。まず、FPCを製造するための加工を実施するに先立ち、裏打用シートとして本発明の再剥離性粘着シートを用い、前述の積層体A、B、又はCを構成する。加工対象となる基板(被着体)は、例えば銅張り積層板(CCL)等であり、その樹脂面を、再剥離性粘着シートに貼付することにより、積層体A、B、又はCを構成することができる。なお、再剥離粘着シートの粘着層と基材との間に、各種フィルム、シート、樹脂板等を挟みこんで積層体Dを構成してもよい。
その後、被着体の表面上に配設された導電体層をパターン化する。パターン化は、従来公知の片面構造のFPCを製造するための各種の方法により実施すればよく、具体例としては以下に示す写真法、又は印刷法等を挙げることができる。パターン化完了後は、160℃以上に加熱することにより再剥離性粘着シートを剥離させれば、加工が施された被着体に過剰の負荷をかけることなく加工済み被着体であるFPCを得ることができる。
[写真法]:まず、導電体層の表面全体に、液状の感光剤を塗布・乾燥する、又は感光性のドライフィルムを貼着する。次いで、導体パターン部分のみを露光させるとともに現像して、露光した箇所に耐エッチング性皮膜を残す。次に、エッチング液により、露出した導体の不要部分(導体パターン部分以外の部分)を溶解・除去する。その後、エッチングレジスト層を剥離・除去し、導体パターン部分を形成・露出させ、露出した導体パターン部分の表面にカバーレイフィルムを貼り合わせるとともに、150℃前後で加熱プレスしてカバーレイフィルムを硬化させることにより、導電体層をパターン化する。
[印刷法]:まず、導電体層の表面に、耐エッチング性インキをスクリーン印刷により印刷(塗布)・乾燥する。次に、エッチング液により、露出した導体の不要部分(導体パターン部分以外の部分)を溶解・除去する。その後、エッチングレジスト層を剥離・除去し、導体パターン部分を形成・露出させ、露出した導体パターン部分の表面にカバーレイフィルムを貼り合わせるとともに、150℃前後で加熱プレスしてカバーレイフィルムを硬化させることにより、導電体層をパターン化する。
なお、再剥離性粘着シートの粘着層から基材を剥離させ、粘着層の両面に加工対象となる被着体を貼り合わせた積層体Bを使用すれば、二つの被着体の加工を一度に行うことが可能であり、加工コスト削減の面で有利である。また、基材を剥離させているため、加工時における薄膜化が可能になるとともに、高温作業時に基材の熱収縮を考慮する必要がなくなるために好ましい。
また、本発明の被着体加工方法においては、再剥離性粘着シートに貼着された状態の被着体に対して行う所定の加工が、切断加工であることが好ましい。即ち、本発明の被着体加工方法では、これまで述べてきたいずれかの再剥離性粘着シートを用いるため、切断加工がなされた被着体に過剰の負荷をかけることなく裏打用シートとして用いた再剥離性粘着シートを剥離することができ、切断加工された加工済み被着体を得ることができる。
切断加工を実施するに先立ち、裏打用シートとして本発明の再剥離性粘着シートを用い、前述の積層体A、B、又はCを構成する。加工対象となる被着体は、例えばセラミックシート、半導体ウェハ等である。なお、再剥離粘着シートの粘着層と基材との間に、各種フィルム、シート、樹脂板等を挟みこんで積層体Dを構成してもよい。次に、積層体A、B、C、又はDの被着体について、これらを小片化する等の切断加工をする。切断加工完了後は、160℃以上に加熱することにより再剥離性粘着シートを剥離させれば、加工が施された被着体に過剰の負荷をかけることなく加工済み被着体を得ることができる。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、再剥離性粘着シートの物性値の測定方法、及び評価方法を以下に示す。
[弾性率]
再剥離性粘着シートを構成する粘着層(粘着剤組成物)の常温(20℃)、及び140℃における弾性率(Pa)を測定した。具体的には、試料となる粘着剤組成物を所定のシリコーンシート上に塗工・乾燥後に剥離させることにより、厚さ0.1mm×幅3mm×長さ15mmの試料シートを作製し、この試料シートの長手方向の一方の端部を固定式チャックにより、他方の端部を可動式チャックによりそれぞれ担持し、TMA4000S(MAC SCIENCE社製)を用いてTMA引張モード法により、各設定温度条件下、−0.2〜−0.5gの荷重を負荷して測定した。
[初期剥離力(SUS)]
被着体として、SUS304板をJIS K 0237に従って処理したものを使用し、その表面に、80℃のホットプレート上で20mm幅の再剥離性粘着シートを貼り付けてサンプルを用意した。このサンプルを放冷後、室温(23℃)にて180°剥離力を測定し、得られた値を25mm幅の再剥離性粘着シートを用いた場合の値(N/25mm)に換算した。
[加熱後剥離力(SUS)]
前述の「初期剥離力(SUS)」で用意したサンプルを140℃のホットプレート上に載置し、JIS K 0237に従って180°剥離力を測定し、得られた値を25mm幅の再剥離性粘着シートを用いた場合の値(N/25mm)に換算した。
[剥離性(SUS)]
被着体としてSUS304板を使用し、その表面に再剥離性粘着シートを貼り付けた後、140℃のホットプレート上で5分間加熱してから一旦室温に戻し、次いで、200℃のホットプレート上で2分間加熱した。放冷後、室温(23℃)にて、再剥離性粘着シートの粘着層が被着体から剥離しているか否かを評価した。評価基準は、放冷後、何も力を加えずに被着体より再剥離性粘着シートが剥離した場合を◎、再剥離性粘着シートに指を触れた後、被着体より剥離した場合を○、再剥離性粘着シートに力を加え、剥離した場合を△、被着体より剥離困難である場合を×とした。
[汚染性(SUS)]
前述の「剥離性(SUS)」の評価において、再剥離性粘着シートを剥離した被着体の表面の汚染性を評価した。評価基準は、被着体に変色、糊残りが認められない場合を○、被着体に変色又は糊残りが認められた場合を×とした。
[初期剥離力(CCL)]
被着体として、銅張り積層板(CCL)(1F1 RN50(東レ社製))を使用し、そのポリイミドフィルム(PI)側の面に、80℃のホットプレート上で、JIS K 0237に従って20mm幅の粘着シートを貼り付けてサンプルを用意した。このサンプルを放冷後、室温(23℃)にて180°剥離力を測定し、得られた値を25mm幅の再剥離性粘着シートを用いた場合の値(N/25mm)に換算した。
[加熱後剥離力(CCL)]
前述の「初期剥離力(CCL)」で用意したサンプルを140℃のホットプレート上に載置し、JIS K 0237に従って180°剥離力を測定し、得られた値を25mm幅の再剥離性粘着シートを用いた場合の値(N/25mm)に換算した。
[剥離性(CCL)]
被着体としてCCL(1F1 RN50(東レ社製))を使用し、そのポリイミド(PI)側の表面に再剥離性粘着シートを貼り付けた後、140℃のホットプレート上で5分間加熱してから一旦室温に戻し、次いで、200℃のホットプレート上で2分間加熱した。放冷後、室温(23℃)にて、再剥離性粘着シートが被着体から剥離しているか否かを評価した。評価基準は、放冷後、何も力を加えずに被着体より再剥離性粘着シートが剥離した場合を◎、再剥離性粘着シートに指を触れた後、被着体より剥離した場合を○、再剥離性粘着シートに力を加え、剥離した場合を△、被着体より剥離困難である場合を×とした。
[汚染性(CCL)]
前述の「剥離性(CCL)」の評価において、再剥離性粘着シートを剥離した被着体の表面の汚染性を評価した。評価基準は、被着体に変色、糊残りが認められない場合を○、被着体に変色又は糊残りが認められた場合を×とした。
[平面性]
前述の「剥離性(CCL)」の評価において、再剥離性粘着シートを剥離した被着体の平面性を目視観察することにより行った。評価基準は、加工前の平面性と同等である場合を○、平面性が悪化し、カールが認められる場合を×とした。
(実施例1)
熱膨張性微小球(松本油脂製薬社製、平均粒径30μm、DSC法によるガス気化温度193℃)8.1質量部、アクリル系粘着剤(Mw=35万、Mn=7万、ガラス転移温度−7℃、酸価21)100質量部、キシレン系粘着付与樹脂(軟化点170℃)11質量部、エポキシ系架橋剤(N,N,N’N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン)0.36質量部、及びトルエン11質量部を均一に混合、溶解し、粘着層形成塗工液を調製した。この粘着層形成塗工液を、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートシート上にベーカー式アプリケーターにて塗布し、130℃にて十分乾燥することにより、厚さ50μmの粘着層が形成された再剥離性粘着シートを作製した。この再剥離性粘着シートの物性値の測定結果、及び各種特性の評価結果を表1に示す。
(実施例2)
熱膨張性微小球を、平均粒径33μm、DSC法によるガス気化温度217℃のものとしたこと以外は、全て実施例1と同様にして再剥離性粘着シートを作製した。この再剥離性粘着シートの物性値の測定結果、及び各種特性の評価結果を表1に示す。
(実施例3)
アクリル系粘着剤を、Mw=30万、Mn=3.8万、ガラス転移温度−6.7℃、酸価47としたこと以外は、全て実施例1と同様にして再剥離性粘着シートを作製した。この再剥離性粘着シートの物性値の測定結果、及び各種特性の評価結果を表1に示す。
(実施例4)
アクリル系粘着剤を、Mw=53万、Mn=4.8万、ガラス転移温度−35.7℃、酸価21のものとしたこと以外は、全て実施例1と同様にして再剥離性粘着シートを作製した。この再剥離性粘着シートの物性値の測定結果、及び各種特性の評価結果を表1に示す。
(実施例5)
アクリル系粘着剤を、Mw=27万、Mn=1万、ガラス転移温度−31.2℃、酸価46のものとしたこと以外は、全て実施例1と同様にして再剥離性粘着シートを作製した。この再剥離性粘着シートの物性値の測定結果、及び各種特性の評価結果を表1に示す。
(実施例6)
粘着付与樹脂を、軟化点150℃のロジンペンタエリスリトールエステルとしたこと以外は、全て実施例1と同様にして再剥離性粘着シートを作製した。この再剥離性粘着シートの物性値の測定結果、及び各種特性の評価結果を表1に示す。
(実施例7)
粘着付与樹脂を、軟化点150℃のジペンテンフェノール共重合体としたこと以外は、全て実施例1と同様にして再剥離性粘着シートを作製した。この再剥離性粘着シートの物性値の測定結果、及び各種特性の評価結果を表1に示す。
(実施例8)
架橋剤を、エポキシ系架橋剤(1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン)0.36質量部としたこと以外は全て実施例1と同様にして再剥離性粘着シートを作製した。この再剥離性粘着シートの物性値の測定結果、及び各種特性の評価結果を表1に示す。
(比較例1)
アクリル系粘着剤(Mw=30万、Mn=3.8万、ガラス転移温度−7℃)100質量部、ビスフェノールAエポキシアクリレートオリゴマー(共栄社化学社製)9.8質量部、オリゴマービスコート#540(大阪有機化学社製)6.8質量部、光重合開始剤ベンジルジメチルケタール(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.8質量部、イソシアネ−ト系架橋剤コロネートL(日本ポリウレタン工業社製)1.57質量部、トルエン10質量部、及びメチルエチルケトン6質量部を均一に混合、溶解し、粘着層形成塗工液を調製した。この粘着層形成塗工液を、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートシート上にベーカー式アプリケーターにて塗布し、100℃にて十分乾燥することにより、厚み17μmの粘着層が形成された紫外線硬化型再剥離性粘着シートを作製した。この紫外線硬化型再剥離性粘着シートの物性値の測定結果、及び各種特性の評価結果を表1に示す。
(比較例2)
アクリル系粘着剤(Mw=39万、Mn=6.2万、ガラス転移温度−42℃、酸価8以下)100質量部、イソシアネ−ト系架橋剤D−170N(武田薬品社製)1.35質量部、トルエン20質量部、及びメチルイソブチルケトン20質量部を均一に混合、溶解し、粘着層形成塗工液を調製した。この粘着層形成塗工液を、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートシート上にベーカー式アプリケーターにて塗布し、140℃にて十分乾燥することにより、厚み7μmの粘着層が形成された微粘着型再剥離性粘着シートを作製した。この微粘着型再剥離性粘着シートの物性値の測定結果、及び各種特性の評価結果を表1に示す。
(比較例3)
熱膨張性微小球を、平均粒径17μm、TMA法によるガス気化温度114℃のものとしたこと以外は、全て実施例1と同様にして再剥離性粘着シートを作製した。この再剥離性粘着シートの物性値の測定結果、及び各種特性の評価結果を表1に示す。
(比較例4)
アクリル系粘着剤を、Mw=39万、Mn=6.2万、ガラス転移温度−42℃、酸価8以下のものとしたこと以外は、全て実施例1と同様にして再剥離性粘着シートを作製した。この再剥離性粘着シートの物性値の測定結果、及び各種特性の評価結果を表1に示す。
(比較例5)
粘着付与樹脂を、テルペンジフェノール(室温で液状のもの)YP−90LL(ヤスハラケミカル社製)としたこと以外は、全て実施例1と同様にして再剥離性粘着シートを作製した。この再剥離性粘着シートの物性値の測定結果、及び各種特性の評価結果を表1に示す。
Figure 0004580629
(実施例9)
実施例1で得られた再剥離性粘着シートと、銅張り積層板 1F1 RN50(東レ社製)のPI面とを、80℃加熱条件下でロールラミネートした。次に、銅張り積層板の銅箔面に、ドライフィルムをラミネートし、その後、露光、現像(1%炭酸ナトリウム溶液、30℃×60秒)、エッチングにより所定の回路を加工形成(塩化第二鉄溶液、45℃)し、レジスト剥離(2%NaOH溶液、45℃×60秒)を行った。加工形成された回路上に、更にカバーレイフィルムをラミネートした後、170℃、50kg/cm2、15分間の熱プレス加工を行ってカバーレイフィルムを硬化させることにより積層体を作製した。この積層体の再剥離性粘着シートについて、剥離性、汚染性、薬液染み込み、及び平面性の評価を行った。結果を表2に示す。なお、「薬液染み込み」の評価は、再剥離性粘着シートを剥離させた被着体を目視観察することより行った。評価基準は、染み込み跡が認められない場合を○、染み込み跡が認められる場合を×とした。以下、同様である。
(実施例10)
実施例2で得られた再剥離性粘着シートを用いたこと以外は、全て実施例9と同様にして積層体を作製した。この積層体の再剥離性粘着シートについて、剥離性、汚染性、薬液染み込み、及び平面性の評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例6)
比較例2で得られた微粘着型再剥離性粘着シートを用いたこと以外は、全て実施例9と同様にして積層体を作製した。この積層体の微粘着型再剥離性粘着シートについて、剥離性、汚染性、薬液染み込み、及び平面性の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0004580629
(実施例11)
実施例1で得られた再剥離性粘着シートと、積層セラミックグリーンシートとを貼り合わせて固定し、積層セラミックグリーンシートのバインダー軟化点以上の温度(50〜90℃)に加熱した状態で、積層セラミックグリーンシートを昇降ブレードを用いて切断して小片化した。次いで、200℃のホットプレート上で2分間加熱し、室温まで放冷後、再剥離性粘着シートを剥離させて、小片化されたセラミックコンデンサーを得た。このとき、小片化されたセラミックコンデンサーからの再剥離性粘着シートの剥離性、及び汚染性を評価した。結果を表3に示す。なお、剥離性の評価は、力をかけずにセラミックコンデンサーから剥離できた場合を○、強く力をかけて剥離できた場合、又は強く力をかけても剥離できなかった場合を×とした。以下、同様である。
(比較例7)
比較例1で得られた紫外線硬化型再剥離性粘着シートを用いたこと以外は、全て実施例11と同様にして小片化されたセラミックコンデンサーを得た。このとき、小片化されたセラミックコンデンサーからの紫外線硬化型再剥離性粘着シートの剥離性、及び汚染性を評価した。結果を表3に示す。
Figure 0004580629
表1に示すように、実施例1〜8の再剥離性粘着シートは、比較例1〜5の再剥離性粘着シートに比べて、被着体がSUS、又はCCLのいずれの場合においても140℃加熱後の剥離力が高く、十分な粘着力が維持されるものであることが明らかである。また、剥離性、及び汚染性の評価結果から、200℃まで加熱すれば余剰の力を負荷することなく簡単に被着体から剥離させることが可能であり、かつ、被着体の表面に糊残り等の不具合を生じさせないことが明らかである。従って、本発明の再剥離性粘着シートの優位性を確認することができた。
また、表1に示すように、実施例1〜8、及び比較例4,5の再剥離性粘着シートを構成する粘着層(粘着剤組成物)の、それぞれの140℃における弾性率(Pa)を比較すると、その値が5.0×104〜1.0×106である粘着層(粘着剤組成物)が配設されてなる実施例1〜8の再剥離性粘着シートは、比較例4,5の再剥離性粘着シートに比べて剥離性が良好であり、特に、被着体の表面に糊残り等の不具合を生じさせないことが明らかである。
表2に示すように、実施例9,10では、裏打用シートとして用いた再剥離性粘着シートの剥離性、汚染性、薬液染み込み、及び平面性の評価結果がいずれも良好(○)であったのに対し、比較例6では、使用した微粘着型再剥離性粘着シートの剥離性が十分でなく(△)、かつ平面性が良好ではない(×)ことが明らかである。また、表3に示すように、実施例11で使用した再剥離性粘着シートは、比較例7で使用した紫外線硬化型再剥離性粘着シートに比してその剥離性が良好(○)であり、汚染性も良好(○)であることが明らかである。従って、本発明の再剥離性粘着シートを用いた被着体加工方法の優位性を確認することができた。
本発明の粘着剤組成物は、所定の基材表面に配設した場合に、140℃程度の温度条件下においては十分な粘着性を有するが、160℃以上に加熱すると粘着性が低下又は消失するものであるため、特に140℃前後の使用温度域において有効に粘着性が発揮されることが要求される再剥離性粘着シートの粘着層を構成する組成物として好適である。
また、本発明の再剥離性粘着シートは、被着体に貼り付けた場合、140℃の環境においても十分被着体との粘着性を確保でき、しかも140℃を超える高温加熱下での作業後も、被着体から剥離させる際には被着体に損傷等を与え難く、糊残り等の汚染を生じさせないものであるため、特に、FPC等をはじめとする被着体の製造工程において用いられる裏打用シートとして好適である。
また、本発明の被着体加工方法は、特に、FPC等をはじめとする、高精度に配線のなされた基板(被着体)を製造するための加工方法として好適である。

Claims (8)

  1. 弾性を有する殻、及び該殻の内部に180℃以上で気化する物質を備えた熱膨張性微小球と、粘着剤と、粘着付与樹脂と、架橋剤とを含んでなり、
    該180℃以上で気化する物質は、n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、3−エチルペンタン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、2,3,3−トリメチルブタン、n−オクタン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、4−メチルヘプタン、2,2−ジメチルヘキサン、2,3−ジメチルヘキサン、2,4−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン、3,3−ジメチルヘキサン、3,4−ジメチルヘキサン、3−エチルヘキサン、2,2,3−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,3,4−トリメチルペンタン、2−メチル−3−エチルペンタン、3−メチル−3−エチルペンタン、及び2,2,3,3−テトラメチルブタンから選択される物質であり、
    該粘着剤が、その重量平均分子量が3万〜100万、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2〜30のアクリル系粘着剤であり、
    アクリル系粘着剤は、10以上の酸価を有する、該架橋剤と反応し得るものであり、かつ、該アクリル系粘着剤が、アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも1種の単量体(A)と、該架橋剤と反応し得る官能基を有する単量体(B)との共重合体であって、該アクリル系粘着剤のガラス転移温度が、−50〜0℃であり、
    該粘着付与樹脂が、その軟化点が170〜200℃のキシレン系粘着付与樹脂であり、
    該架橋剤が、ビスフェノール系エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、及び1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンから選択されるエポキシ系架橋剤であり、かつ、
    下記測定方法(1)によって測定される粘着剤組成物からなる試料シートの140℃における弾性率が5.0×10〜1.0×10Paである粘着剤組成物。
    測定方法(1):試料となる該粘着剤組成物をシリコンシート上に塗工・乾燥後に剥離させることにより得られる、厚さ0.1mm×幅3mm×長さ15mmの試料シートを使用し、TMA引張モード法により、荷重−0.2〜−0.5gの条件で前記弾性率を測定する。
  2. 該アクリル系粘着剤を構成する該共重合体は、該単量体(A)と該単量体(B)の比が、質量比で92:8〜98:2の範囲である請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 100質量部の該粘着剤に対して、該熱膨張性微小球が5〜50質量部、該粘着付与樹脂が5〜100質量部、及び該架橋剤が0.1〜5.0質量部、それぞれ配合されてなる請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。
  4. フィルム状又はシート状の基材と、該基材の少なくとも一方の面上に配設される請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着剤組成物を含む粘着層とを備えてなる再剥離性粘着シート。
  5. 該基材が、該粘着層から剥離可能である請求項4に記載の再剥離性粘着シート。
  6. シート状又は板状の被着体の少なくとも一方の面に、粘着性及び剥離性を有する裏打用シートを貼着した状態で該被着体について所定の加工を行った後に、該裏打用シートを剥離して、該所定の加工がなされた被着体(加工済み被着体)を得ることを含む被着体加工方法において、
    該裏打用シートとして、請求項4又は5に記載の再剥離性粘着シートを用いる被着体加工方法。
  7. 該被着体が、その表面上に導電体層が形成されてなるものであり、かつ、該所定の加工が、少なくとも該導電体層をパターン化する工程を含む、フレキシブルプリント基板(FPC)を製造するための加工である請求項6に記載の被着体加工方法。
  8. 該所定の加工が、切断加工である請求項6に記載の被着体加工方法。
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