JP2021073365A - 粘着テープ - Google Patents
粘着テープ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021073365A JP2021073365A JP2021019687A JP2021019687A JP2021073365A JP 2021073365 A JP2021073365 A JP 2021073365A JP 2021019687 A JP2021019687 A JP 2021019687A JP 2021019687 A JP2021019687 A JP 2021019687A JP 2021073365 A JP2021073365 A JP 2021073365A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- point
- adhesive tape
- pressure
- sensitive adhesive
- acrylate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Adhesive Tapes (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Abstract
Description
1つの実施形態においては、上記B点から上記C点に至るまでの時間が、200秒以上である。
1つの実施形態においては、上記B点時の温度が、50℃〜250℃である。
1つの実施形態においては、上記熱膨張性微小球が、樹脂から形成される殻と該殻内に含まれる有機溶媒とから構成され、該殻の厚みが、1μm〜15μmである。
1つの実施形態においては、上記熱膨張性微小球が、樹脂から形成される殻と該殻内に含まれる有機溶媒とから構成され、該樹脂のガラス転移温度が50℃〜250℃である。
1つの実施形態においては、上記熱膨張性微小球が、樹脂から形成される殻と該殻内に含まれる有機溶媒とから構成され、外殻を形成する樹脂が、イソボルニルアクリレート由来の構成単位、メタクリロニトリル由来の構成単位、アクリルニトリル由来の構成単位、メチル(メタ)アクリレート由来の構成単位、塩化ビニリデン由来の構成単位、および(メタ)アクリル酸由来の構成単位からなる群から選択される少なくとも一種を含む。
1つの実施形態においては、上記有機溶媒の沸点が、−50℃〜100℃である。
1つの実施形態においては、上記粘着剤層のナノインデンテーション法による弾性率が、0.1MPa〜500MPaである。
1つの実施形態においては、上記粘着剤層を構成する粘着剤のゲル分率が、30重量%〜99重量%である。
図1は、本発明の1つの実施形態による粘着テープの概略断面図である。この粘着テープ100は、基材10と、基材10の少なくとも一方の面(図示例では片面)に配置された粘着剤層20とを備える。
粘着テープを加温し(加熱速度:3℃/分)、所定の温度となったときに、粘着テープが変形(膨張)し始める。この時点が、上記「変形開始点」である。当該変形開始点を、便宜上、A点とする。なお、粘着テープの変形は、主に、粘着剤層に含まれる熱膨張性微小球の膨張・収縮に依存する。
A点経過後、加熱を続けると、粘着テープ(実質的には熱膨張性微小球)は膨張を続け、その後、収縮し始める。例えば、殻と、該殻内に含まれる有機溶媒とから構成される熱膨張性微小球を用いる場合、該熱膨張性微小球は、所定温度までは有機溶媒の揮発により膨張し、有機溶媒がすべて揮発した時点で収縮し始める。収縮し始めた点が、膨張して粘着テープの変形量が最大となる点である。この点を、便宜上、C点とする。
さらに、A点からC点に至るまでの間で、変形量が、C点における変形量X(図示例では100μm)の半分となる点(膨張して変形する際の変形量が最大変形量の半分となる時点、図示例では50μm)をB点とする。
本発明においては、A点からB点に至るまでの時間が、45秒〜200秒である。
なお、上記熱機械分析における分析条件は下記のとおりである。
<分析条件>
装置名:Seiko Instruments Inc.社製、商品名「TMA/SS150」
測定モード:膨張法、粘着剤層をプローブ側とする
試料サイズ:5mm角
プローブ:1mmφ
プローブ荷重:0N
測定温度範囲:室温(25℃±5℃)〜250℃
加温速度:3℃/分
上記粘着剤層は、熱膨張性微小球を含む。実用的には、粘着剤層は、粘着剤をさらに含む。
上記熱膨張性微小球としては、加熱により粘着剤層表面を凹凸にするほどに膨張し得る微小球である限りにおいて、任意の適切な熱膨張性微小球を用いることができる。上記熱膨張性微小球としては、例えば、殻と、該殻内に含まれる揮発性物質(代表的には、有機溶媒)とから構成された微小球が用いられ得る。
1/(273+Tg)=Σ(Wi/(273+Tgi))
単量体から形成される単重合体のガラス転移温度としては、アクリロニトリル単重合体(AN):97℃、メチルメタクリレート単重合体(MMA):102℃、メタクリロイルニトリル単重合体(MAN):120℃、塩化ビニリデン単重合体:75℃、イソボルニルアクリレート単重合体:97℃である。また、これら以外の単重合体のガラス転移温度としては、「Polymer Handbook」(第4版、John Wiley & Sons,Inc、1999年)に記載された値を使用することができる。なお、この文献中、複数のTgの値が記載されている場合は、「conventional」の値を採用する。
熱膨張性微小球の含有割合(重量%)=熱膨張性微小球の重量/粘着剤層の重量×100
上記粘着剤層を構成する粘着剤としては、本発明の効果が得られる限りにおいて、任意の適切な粘着剤が用いられ得る。上記粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、スチレン−ジエンブロック共重合体系粘着剤、活性エネルギー線硬化型粘着剤等が挙げられる。中でも好ましくは、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤またはシリコーン系粘着剤であり、より好ましくはアクリル系粘着剤である。
(i)粘着剤層を、溶媒に投入し、粘着剤層中の溶媒可溶分を上記溶媒に溶解させる溶液試料を調製する。
溶媒としては、極性等を考慮して、クロロホルム(CHCl3)、塩化メチレン(CH2Cl2)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、メタノール、エタノール、トルエンおよび水等から選択されるいずれか1種の溶媒または2種以上を任意の比率で含む混合溶媒を用いることができる。
典型的には、粘着剤層0.2g程度に溶媒30mL程度を加え、室温から用いる溶媒の沸点程度までの温度域で30分〜12時間程度撹拌する。必要に応じて、例えば分析対象成分の抽出効率が低い場合等には、上記溶液を分取した後の試料に、分取した溶液と概ね同量の溶媒を新たに加えて撹拌し、その溶液を分取する操作を1回または複数回繰り返して溶液試料を調製してもよい。
(ii)上記溶液試料から溶媒を、蒸発等の方法により、溶媒を除去し、溶媒可溶性ポリマーを取り出すことができる。
なお溶媒可溶性ポリマーには未反応架橋剤の低分子量分など測定対象とならない溶媒可溶分が含まれることがある。その際には、前記溶液試料をポリマー成分のみ不溶な溶媒に投入する方法(再沈殿法)や、前記溶液試料を用いたゲル濾過クロマトグラフィーで分子量分画(分取液体クロマトグラフィ法)するなどして測定対象のみからなる溶媒可溶性ポリマーを調整する。
上記アクリル系粘着剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1種または2種以上を単量体成分として用いたアクリル系ポリマー(ホモポリマーまたはコポリマー)をベースポリマーとするアクリル系粘着剤等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル等の(メタ)アクリル酸C1−20アルキルエステルが挙げられる。なかでも、炭素数が4〜18の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく用いられ得る。
上記粘着剤は、必要に応じて、任意の適切な添加剤を含み得る。該添加剤としては、例えば、架橋剤、粘着付与剤、可塑剤、顔料、染料、充填剤、老化防止剤、導電材、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、剥離調整剤、軟化剤、界面活性剤、難燃剤、酸化防止剤等が挙げられる。
23℃における上記粘着剤層のナノインデンテーション法による弾性率は、好ましくは0.1MPa〜500MPaであり、より好ましくは0.5MPa〜400MPaである。1つの実施形態においては、外弾性率が0.8MPa〜50MPaである粘着剤層が用いられる。粘着剤層の弾性率が0.1MPa未満の場合には、加熱時に熱膨張性微小球外に拡散した有機溶媒が速やかに粘着剤層を透過するため、B点からC点に至るまでの時間が短くなるおそれがある。一方、弾性率が500MPaを超える場合、熱膨張性微小球の膨張を阻害する、熱膨張性微小球が膨張した際には粘着剤層が破壊される等のおそれがある。粘着剤層の弾性率は、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が80℃以上となるモノマー由来の構成単位の導入、架橋度の調整等により制御することができる。なお、ナノインデンテーション法による弾性率とは、粘着剤層表面から3μm程度内側で、かつ、熱膨張微小球の存在しない箇所(熱膨張微小球の殻表面から1μm以上離れた箇所)を測定対象として、圧子を粘着剤層に押し込んだときの、圧子への負荷荷重と押し込み深さとを負荷時、除荷時にわたり連続的に測定し、得られた負荷荷重−押し込み深さ曲線から求められる。本明細書において、ナノインデンテーション法による弾性率とは、測定条件を負荷・除荷速度:1000nm/s、押し込み深さ:800nmとして上記のように測定した弾性率をいう。
上記粘着剤層は、本発明の効果が得られる限りにおいて、任意の適切なその他の成分をさらに含み得る。その他の成分としては、例えば、ビーズが挙げられる。該ビーズとしては、例えば、ガラスビーズ、樹脂ビーズ等が挙げられる。粘着剤層にこのようなビーズを添加すれば、粘着剤層の弾性率を向上させることができ、より精度良く被加工物を加工することができる粘着テープが得られ得る。ビーズの平均粒子径は、例えば0.01μm〜50μmである。ビーズの添加量は、粘着剤層100重量部に対して、例えば10重量部〜200重量部、好ましくは20重量部〜100重量部である。
上記基材としては、例えば、樹脂シート、不織布、紙、金属箔、織布、ゴムシート、発泡シート、これらの積層体(特に、樹脂シートを含む積層体)等が挙げられる。樹脂シートを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)、ポリイミド(PI)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、フッ素系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等が挙げられる。不織布としては、マニラ麻を含む不織布等の耐熱性を有する天然繊維による不織布;ポリプロピレン樹脂不織布、ポリエチレン樹脂不織布、エステル系樹脂不織布等の合成樹脂不織布等が挙げられる。金属箔としては、銅箔、ステンレス箔、アルミニウム箔等が挙げられる。紙としては、和紙、クラフト紙等が挙げられる。
本発明の粘着テープは、任意の適切な方法により製造することができる。本発明の粘着テープは、例えば、基材上に直接、粘着剤および熱膨張性微小球を含む粘着剤層形成用組成物を塗工する方法、または任意の適切な基体上に粘着剤層形成用組成物を塗工し形成された塗工層を基材に転写する方法等が挙げられる。粘着剤層形成用組成物は、任意の適切な溶媒を含み得る。また、粘着剤を含む組成物により粘着剤塗工層を形成した後、該粘着剤塗工層に熱膨張性微小球を振りかけた後、ラミネーター等を用いて、該熱膨張性微小球を該塗工層中に埋め込んで、熱膨張性微小球を含む粘着剤層を形成してもよい。
本発明の粘着テープは、電子部品を製造する際に、電子部品材料を仮固定するためのシートとして、好適に用いられ得る。1つの実施形態においては、本発明の粘着テープは、電子部品材料を切断する際の仮固定シートとして用いられる。該電子部品材料としては、例えば、セラミックコンデンサ材料が挙げられる。本発明の粘着テープ上で、セラミックコンデンサ材料等の電子部品材料を仮固定すれば、該材料の位置ずれを防止することができ、その結果、優れた精度で該材料を切断することができる。上記切断工程における切断方法としては、任意の適切な切断方法が採用され得る。
(1)粘着剤のベースポリマーの水酸基価測定
(前処理)
(i)粘着剤層の粘着剤2gをクロロホルム300mlに加えて還流を1日間行った。得られた溶液からゴミなど夾雑物をろ過して取り除きろ液を回収した。
(ii)上記(i)で調製したクロロホルム溶液をメタノール10Lに1時間かけて滴下し、得られた沈殿物を回収した。
(iii)上記(ii)の操作により得られた沈殿物をクロロホルム300mlに溶解した。この溶液をメタノール10Lに1時間かけて滴下し、得られた沈殿物を回収した。
(iv)上記(iii)の操作により得られた沈殿物を、再度、クロロホルム300mlに溶解した。この溶液をメタノール10Lに1時間かけて滴下し、得られた沈殿物を回収した。
(v)(iv)で得られた沈殿物をGPCで測定し、重量平均分子量が2000以下の低分子量分が無いことを確認して、該沈殿物(ベースポリマー)を水酸基価の測定用試料とした。
(v’) なお、沈殿物に重量平均分子量2000以下の低分子量化合物が含まれる場合には、該低分子量化合物が含まれなくなるまで上記(iv)の操作を、繰り返した。
上記GPC測定は、東ソー社製の商品名「HLC−8120GPC」を用い、分子量の標準物質としてポリスチレンを用い、以下の条件にて行った。
<GPCの測定条件>
・サンプル濃度:0.2重量%(テトラヒドロフラン溶液)
・サンプル注入量:10μl
・溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
・流量(流速):0.6mL/min
・カラム温度(測定温度):40℃
・カラム:商品名「TSKgelSuperHM−H/H4000/H3000/H2000」(東ソー株式会社製)
・検出器:示差屈折計(RI)
・標準ポリスチレン:東ソー社製 Tsk gel標準ポリスチレンF−288、同F−40、同F−4、同A−5000、同A−500
(水酸基価の測定)
水酸基価は、JIS K 0070−1992(アセチル化法)に準じて評価した。無水酢酸約25gを取り、ピリジンを加え、全量を100mLにして充分に撹拌し、アセチル化試薬を作製した。
平底フラスコに試料としてのベースポリマー約2gを精秤採取し、アセチル化試薬5mL及びピリジン10mLを加え、空気冷却管を装着した。100℃で70分間加熱後、放冷し、冷却管上部から溶剤としてトルエン(粘着剤がトルエン難溶性の場合にはテトラヒドロフラン)35mLを加え撹拌後、水1mLを加え撹拌し、無水酢酸を分解する。分解を完全にするため再度10分間加熱し放冷した。
エタノール5mLで冷却管を洗い取り外し、溶剤としてピリジン50mLを加え撹拌した。この溶液に0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液をホールピペットを用いて25mL加え、0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液で電位差滴定を行い以下の式より水酸基価を算出した。
水酸基価(mgKOH/g)=(B−C)×f×28.05/S+D
B:空試験に用いた0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の量(mL)
C:試料に用いた0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の量(mL)
f:0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
S:試料の採取量(g)
D:酸価
粘着剤層の粘着剤約0.1gをサンプリングして精秤し(試料の重量)、該サンプルをメッシュ状シート(商品名「NTF−1122」、日東電工株式会社製)で包んだ後、約50mlのトルエン中に室温で1週間浸漬させた。その後、溶剤不溶分(メッシュ状シートの内容物)をトルエンから取り出し、70℃で約2時間乾燥させ、乾燥後の溶剤不溶分を秤量し(浸漬・乾燥後の重量)、下記式(a)よりゲル分率(重量%)を算出する。また、比較例4においては、当該測定前に、紫外線500mJ/cm2を照射して粘着剤を紫外線硬化させた。紫外線の照射には、日東精機株式会社製の「UM810」を用いた。
ゲル分率(重量%)=[(浸漬・乾燥後の重量)/(試料の重量)]×100 (a)
粘着テープを5mm×5mmに切断して、測定サンプルを得た。該測定サンプルを、測定装置のプローブ側と接触するようにして、測定装置に取り付けた。次いで、室温から所定の加温速度にて加温して、温度−変位量(長さ)曲線を得た。
温度−変位量曲線に基づき、変形開始点(A点)から、膨張して変形する際の変形量が最大変形量の半分となる時点(B点)に至るまでの時間、B点から粘着テープの変形量が最大となる点(C点)に至るまでの時間、A点時の温度、B点時の温度、およびC点時の温度を求めた。
<分析条件>
装置名:Seiko Instruments Inc.社製、商品名「TMA/SS150」
測定モード:膨張法、粘着剤層をプローブ側とする
試料サイズ:5mm角
プローブ:1mmφ
プローブ荷重:0N
測定温度範囲:室温(25℃±5℃)〜250℃
加温速度:3℃/分
粘着テープを5cm×5cmに切断して、測定サンプルを得た。該測定サンプルを、C点温度に設定したホットプレート上で60±5秒間加熱した。加熱後、レーザー顕微鏡(オリンパス製LEXT OLS−4000、画像倍率432倍、測定面積640×640μm(サンプリングレート0.625μm))を用いて、粘着剤層の算術平均高さSaを測定した。
粘着テープを、ミクロトームにて厚み方向に切断し、切断面表面をナノインデンターで弾性率を測定した。
より詳しくは、粘着剤層表面から3μm程度離れ、かつ、熱膨張微小球の存在しない場所(熱膨張微小球の殻表面から1μm以上離れた粘着剤)の切断面表面を測定対象とした。
測定対象に探針(圧子)を押し当てることで得られる変位―荷重ヒステリシス曲線を、測定装置付帯のソフトウェア(triboscan)で数値処理することで弾性率を得た(10回測定の平均値)。
ナノインデンター装置ならびに測定条件は下記のとおりである。
<装置および測定条件>
装置:ナノインデンター;Hysitron Inc社製 Triboindenter
測定方法:単一押し込み法
測定温度:23℃
押し込み速度:約1000nm/sec
押し込み深さ:約800nm
探針:ダイヤモンド製、Berkovich型(三角錐型)
実施例記載の粘着テープの粘着剤層側に、粘着テープ(日東電工株式会社製、No.315)の粘着面をハンドローラーで貼り合わせた。次に、実施例記載の粘着テープの基材側に両面テープ(日東電工株式会社製、No.5000N)を貼り合わせ、10mm×70mmの短冊片を作成した。この後、両面テープの他面を2mm厚のSUS板を貼り合わせて試験体を作成した。
得られた試験体の粘着テープを、180°ピール、50mm/mmで引き剥がした。
その結果、粘着テープのみが剥離した場合、すなわち、投錨破壊していない場合は、合格(表中、〇)とし、粘着テープとともに粘着剤層が引き剥がされた場合、投錨破壊した場合は、その際の剥離力を測定した。
なお、粘着テープをSUS板に直接張り合わせた場合の粘着力は5N/10mmであることから、上記試験の合格品は、5N/10mm以上の投錨力があるといえる。
4インチのシリコンミラーウェハ(ベアウェハ、オリエンテーションフラット付き)のミラー面全面に粘着テープをハンドローラーで貼りつけ、室温で1時間放置した。
それぞれの粘着テープのB点温度±5℃としたホットプレート上に上記粘着テープを貼りあわせたウェハを設置(ホットプレート板面と粘着テープが貼りあわされていないウェハ面が接触するよう設置)し、10秒±1秒間加熱した。
ホットプレート上より粘着テープ付きウェハを取り出した後、粘着テープが自然剥離するよう粘着テープ付きウェハを配置(粘着テープ面を下側にしてウェハをひっくり返した)して粘着テープを除去した。なお粘着テープが自然落下せずウェハから除去されない場合は、そのままの状態で粘着テープをピンセットでつまんで除去した。また、比較例4においては、当該操作前に、紫外線500mJ/cm2照射して粘着剤を紫外線硬化させた。紫外線の照射には、日東精機株式会社製の「UM810」を用いた。
粘着テープ除去後のミラー面の中央1x1mm面内を光学顕微鏡(オリンパス光学社製、対物レンズ5倍率、接眼レンズ10倍率)で観察し、ウェハ表面上の糊残り(粘着テープを貼りあわせる前の新品ウェハには見られなかったほぼ点状(粒状)または不定形の像)の個数を数えた。
表中、糊残り個数が0〜500個は◎、500〜1000個は〇、1000〜5000個は△、5000個以上は×とした。
4インチのシリコンミラーウェハ(ベアウェハ、オリエンテーションフラット付き)のミラー面全面に粘着テープをハンドローラーで貼りつけ、室温で1時間放置した。
それぞれの粘着テープのB温度±5℃にしたホットプレート上に上記粘着テープを貼りあわせたウェハを設置(ホットプレート板面と粘着テープが貼りあわされていないウェハ面が接触するよう設置)し、210±10秒間加熱した。
ホットプレート上より粘着テープ付きウェハを取り出した後、粘着テープが自然剥離するよう粘着テープ付きウェハを配置(粘着テープ面を地面側にしてウェハをひっくり返した)して粘着テープを除去した。なお粘着テープが自然落下せずウェハから除去されない場合は、そのままの状態で粘着テープをピンセットでつまんで除去した。また、比較例4においては、当該操作前に、紫外線500mJ/cm2を照射して粘着剤を紫外線硬化させた。紫外線の照射には、日東精機株式会社製の「UM810」を用いた。
粘着テープ除去後のミラー面の中央1x1mm面内を光学顕微鏡(オリンパス光学社製 対物レンズ5倍率、接眼レンズ10倍率)で観察し、ウェハ表面上の糊残り(粘着テープを貼りあわせる前の新品ウェハには見られなかったほぼ点状(粒状)または不定形の像)の個数を数えた。
表中、糊残り個数が0〜500個は◎、500〜1000個は〇、1000〜5000個は△、5000個以上は×とした。
塩化ナトリウム150gと、シリカ有効成分20重量%であるコロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名「スノーテックス」)70gと、ポリビニルピロリドン1gと、ジエタノールアミンとアジピン酸の縮合物0.5gとを、蒸留水600gに加えた後、得られた混合物のpHを2.8〜3.2に調整して水性溶液を得た。
上記水性溶液に、殻の材料となる油系添加剤として、アクリロニトリル80gと、メチルメタクリレート40gと、塩化ビニリデン130gとを加えた。さらに、架橋剤としてのエチレングリコールジメタクリレート1gを加え、反応溶液を得た。
上記反応溶液をホモミキサー(特殊機化工業社製、商品名「TKホモミキサー」)付き耐圧反応容器に加え、さらに、殻に内包されることを意図した有機溶媒としてイソブタン(沸点:−11.7℃)70gと、開始剤(ジイソプロピルオキシジカーボネート)5gとを耐圧反応容器に加えた。
ホモミキサーを所定の初期攪拌条件(攪拌速度:6000rpm、攪拌時間:2分間)で回転させて前記混合物を撹拌した後、80rpmで攪拌しながら60℃に加温して24時間反応を行った。反応後の反応溶液をろ過することで得られる固形分を窒素気流下室温1週間放置することで熱膨張性微小球を得た。
なお、得られた熱膨張性微小球は、島津製作所製の商品名「SALD−2000J」で計測したところ、平均粒径が12.5μmであった。また、X線CT(ZEISS社製 Xradia520versa(測定条件:管電圧60KV 管電流83μA、ピクセルサイズ0.20μm/pixel))により、熱膨張微小球内の溶媒はイソブタンであり、熱膨張性微小球の重量に対して、13重量%含むことがわかった。また、上記X線CTにより測定したところ、熱膨張性微小球の殻の厚みは、2.8μmであった。
水性溶液調製時のコロイダルシリカの配合量、油系添加剤(アクリロニトリル、メタクリロイルニトリル、イソボニルメタクリレート、メチルメタクリレート、塩化ビニリデン)の配合量、殻に内包されることを意図した有機溶媒(イソブタン、イソペンタン(沸点:27.7℃)、石油エーテル、イソオクタン(沸点:99℃))、および、重合時の初期撹拌条件を表1に記載のとおりとしたこと以外は、製造例1と同様にして、熱膨張性微小球B〜Kを作製した。また、製造例1と同様にして、熱膨張性微小球の平均粒径、含有有機溶媒量、殻の厚みを測定した。結果を表1に示す。
アクリル系コポリマー(エチルアクリレート(EA)、メチルメタクリレート(MMA)、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)、および2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)のコポリマー、EA構成単位:MMA構成単位:2EHA構成単位:HEA構成単位=60:5:30:5(重量比);重量平均分子量:350000:水酸基価:24)100重量部と、粘着付与剤(ヤスハラケミカル社製、商品名「YSポリスタS145」)20重量部と、イソシアネート系架橋剤(東ソー社製、商品名「コロネートL」)3重量部と、熱膨張性微小球Aを30重量部と、トルエン210重量部とを混合し、粘着剤層形成用組成物を調製した。なお、アクリル系コポリマーの重量平均分子量は、上記評価(1)で説明した方法により測定した。
基材としてのPETフィルム(厚さ:50μm)上に、上記粘着剤層形成用組成物を塗布し、乾燥して、粘着テープ(粘着剤層(厚さ:30μm)/基材)を得た。なお、粘着剤のゲル分率は、85%であった。
得られた粘着テープを上記評価(3)〜(8)に供した。結果を表2に示す。
アクリル系コポリマーの組成、および粘着剤層形成用組成物の組成を表2に示す組成としたこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。得られた粘着テープを上記評価(3)〜(8)に供した。結果を表2に示す。なお、表2中、「架橋剤テトラッドC」は、三菱ガス化学社製のエポキシ系架橋剤(商品名「テトラッドC」)であり、「DPHA」は、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村工業化学社製)であり、「イルガキュア184」は、BASFジャパン株式会社製の光開始剤(商品名「イルガキュア184」)である。
20 基材
100 粘着テープ
Claims (11)
- 基材と、該基材の少なくとも一方の面に配置された粘着剤層とを備える粘着テープであって、
該粘着剤層が、熱膨張性微小球を含み、
該熱膨張性微小球が、樹脂から形成される殻と該殻内に含まれる有機溶媒とから構成され、
該殻を形成する樹脂が、イソボルニル(メタ)アクリレート由来の構成単位、メタクリロニトリル由来の構成単位、アクリルニトリル由来の構成単位、メチル(メタ)アクリレート由来の構成単位、塩化ビニリデン由来の構成単位、および(メタ)アクリル酸由来の構成単位からなる群から選択される少なくとも一種を含み、
該粘着テープを熱機械分析において、加熱速度3℃/分で加熱した際、変形開始点をA点とし、該A点経過後膨張して該粘着テープの変形量が最大となる点をC点とし、A点からC点に至るまでの間で変形量がC点における変形量の半分となる点をB点としたとき、
A点からB点に至るまでの時間が、45秒〜200秒である、
粘着テープ。 - 前記B点から前記C点に至るまでの時間が、200秒以上である、請求項1に記載の粘着テープ。
- 前記B点時の温度が、50℃〜250℃である、請求項1または2に記載の粘着テープ。
- 前記殻の厚みが、1μm〜15μmである、
請求項1から3のいずれかに記載の粘着テープ。 - 前記樹脂のガラス転移温度が50℃〜250℃である、
請求項1から4のいずれかに記載の粘着テープ。 - 前記有機溶媒の沸点が、−50℃〜100℃である、請求項1から5のいずれかに記載の粘着テープ。
- 前記粘着剤層のナノインデンテーション法による弾性率が、0.1MPa〜500MPaである、請求項1から6のいずれかに記載の粘着テープ。
- 前記粘着剤層を構成する粘着剤のゲル分率が、30重量%〜99重量%である、請求項1から7のいずれかに記載の粘着テープ。
- 前記有機溶媒の沸点(bp)と、前記殻を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)との差の絶対値が0℃〜150℃である、請求項1から8のいずれかに記載の粘着テープ。
- 前記粘着剤層が、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤またはシリコーン系粘着剤を含む、請求項1から9のいずれかに記載の粘着テープ。
- 前記粘着剤層の厚さが、5μm〜300μmである、請求項1から10のいずれかに記載の粘着テープ。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021019687A JP2021073365A (ja) | 2021-02-10 | 2021-02-10 | 粘着テープ |
JP2022193287A JP2023014329A (ja) | 2021-02-10 | 2022-12-02 | 粘着テープ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021019687A JP2021073365A (ja) | 2021-02-10 | 2021-02-10 | 粘着テープ |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017036540A Division JP6908395B2 (ja) | 2017-02-28 | 2017-02-28 | 粘着テープ |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022193287A Division JP2023014329A (ja) | 2021-02-10 | 2022-12-02 | 粘着テープ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021073365A true JP2021073365A (ja) | 2021-05-13 |
Family
ID=75802468
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021019687A Pending JP2021073365A (ja) | 2021-02-10 | 2021-02-10 | 粘着テープ |
JP2022193287A Pending JP2023014329A (ja) | 2021-02-10 | 2022-12-02 | 粘着テープ |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022193287A Pending JP2023014329A (ja) | 2021-02-10 | 2022-12-02 | 粘着テープ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JP2021073365A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003160765A (ja) * | 2001-11-26 | 2003-06-06 | Somar Corp | 再剥離性粘着シート |
JP2005097386A (ja) * | 2003-09-24 | 2005-04-14 | Somar Corp | 粘着剤組成物及びそれを用いた再剥離性粘着シート |
JP2015160936A (ja) * | 2014-02-28 | 2015-09-07 | ソマール株式会社 | 粘着シート及び加工済み被着体の製造方法 |
-
2021
- 2021-02-10 JP JP2021019687A patent/JP2021073365A/ja active Pending
-
2022
- 2022-12-02 JP JP2022193287A patent/JP2023014329A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003160765A (ja) * | 2001-11-26 | 2003-06-06 | Somar Corp | 再剥離性粘着シート |
JP2005097386A (ja) * | 2003-09-24 | 2005-04-14 | Somar Corp | 粘着剤組成物及びそれを用いた再剥離性粘着シート |
JP2015160936A (ja) * | 2014-02-28 | 2015-09-07 | ソマール株式会社 | 粘着シート及び加工済み被着体の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2023014329A (ja) | 2023-01-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6908395B2 (ja) | 粘着テープ | |
KR100767890B1 (ko) | 전자부품용 가열박리형 점착 시트, 전자부품의 가공방법및 전자부품 | |
WO2014142192A1 (ja) | 粘着シート | |
TW201329221A (zh) | 熱傳導性材料 | |
WO2014142193A1 (ja) | 粘着シート | |
CN105102565A (zh) | 粘合片 | |
WO2022123932A1 (ja) | 粘着シート | |
JP2024015347A (ja) | 粘着テープ | |
JP2024015346A (ja) | 粘着テープ | |
JP2021073365A (ja) | 粘着テープ | |
JP2005101628A (ja) | 電子部品用加熱剥離型粘着シートおよび電子部品の加工方法並びに電子部品 | |
JP2016196568A (ja) | 粘着テープ、物品、物品の解体方法、電子機器及び電子機器の解体方法 | |
JP2016089021A (ja) | 導電性粘着剤組成物及び導電性粘着シート | |
TWI809659B (zh) | 附襯墊之雙面黏著片材 | |
WO2022123931A1 (ja) | 粘着シート | |
JP2021175789A (ja) | 粘着シート | |
CN116917431A (zh) | 带衬垫的双面粘合片 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210210 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220120 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220222 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220419 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20220906 |
|
C60 | Trial request (containing other claim documents, opposition documents) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60 Effective date: 20221202 |
|
C116 | Written invitation by the chief administrative judge to file amendments |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C116 Effective date: 20221213 |
|
C22 | Notice of designation (change) of administrative judge |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22 Effective date: 20221213 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221214 |