JP2005314708A - 加熱剥離型粘着シート - Google Patents

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Akihisa Murata
秋桐 村田
Toshiyuki Oshima
俊幸 大島
Toshimitsu Okuno
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Abstract

【解決手段】 基材の片面又は両面に、熱膨張性微小球含有のアクリル系粘着層を有してなり、前記粘着層の厚みが熱膨張性微小球の最大粒径よりも大きいことを特徴とする加熱剥離型粘着シート。基材と粘着層の間にゴム状有機弾性層を有していてもよい。粘着層がその加熱による発泡又は膨張処理により山状凸部の連峰構造を形成するのが好ましい。ゴム状有機弾性層は粘着性物質からなるのが好ましい。
【効果】 本発明によれば、粘着層の表面を平滑化して加熱処理前における安定した接着力を達成することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、接着強度に優れると共に、任意な時に加熱処理により被着体より簡単に剥離できる加熱剥離型粘着シートに関する。
従来、加熱処理で接着力が低下ないし喪失するようにした加熱剥離型粘着シートとしては、基材上に単に発泡剤含有の粘着層を設けたものが知られていた(特公昭50−13878号公報、同51−24534号公報、特開昭56−61468号公報、同56−61469号公報、同60−252681号公報等)。これらは、粘着層に含有させた発泡剤を発泡させて接着力を低下させ被着体より容易に剥離できるようにしたもので、例えば製造ライン上の電子部品の仮固定やリサイクルラベル等の各種の分野で利用されている。
しかしながら、従来の加熱剥離型粘着シートでは、発泡処理前の接着力と発泡処理による接着力の低下性とをバランスさせにくい問題点があった。ちなみに発泡処理前の接着力を500gf/20mm以上等と高めに設定した場合には、発泡処理による接着力の低下が不充分で被着体より剥離することが困難であったり、反対に被着体よりの剥離性を優先させた場合には発泡処理前の接着力に乏しくて前記した仮固定の電子部品の位置ズレや脱落問題等を生じることなどの問題点があった。
特公昭50−13878号公報 特公昭51−24534号公報 特開昭56−61468号公報 特開昭56−61469号公報 特開昭60−252681号公報
本発明は、加熱処理前における安定した接着力を達成できる加熱剥離型粘着シートを得ることを課題とする。
本発明は、基材の片面又は両面に、熱膨張性微小球含有のアクリル系粘着層を有してなり、前記粘着層の厚みが熱膨張性微小球の最大粒径よりも大きいことを特徴とする加熱剥離型粘着シートを提供するものである。
本発明によれば、粘着層の表面を平滑化して加熱処理前における安定した接着力を達成することができる。また、平均粒径が18μm以上で、かつその90%以上が粒径10μm以上のものであるという条件を満たす熱膨張性微小球を用いることにより被着体に対する発泡前の接着力を高く設定した場合にも、加熱による粘着層の発泡及び/又は膨張処理で接着面積を安定して減少させることができ、接着力を安定して低下させることができて、被着体に対する発泡前の強力な接着力と加熱処理後の接着力の低下ないし喪失による容易な剥離性との両立など、目的とする強弱の接着力の設定と容易な剥離性とが両立した加熱剥離型粘着シートを得ることができる。前記において、基材と粘着層の間にゴム状有機弾性層を配置した場合には、発泡前の強力な接着力と発泡後の容易な剥離性とをより容易に達成することができる。すなわち粘着層を発泡及び/又は膨張させるための処理温度において粘着層の発泡及び/又は膨張する力がゴム状有機弾性層の弾性率による抗力に勝って粘着層がうねり構造ないし波形構造に三次元的に変形して山状凸部の連峰構造を形成し、その結果、加熱処理による接着面積の減少が効率的に達成されて、発泡前の接着力を500gf/20mm以上に設定した場合にも発泡等の処理により10gf/20mm以下の接着力に安定して低下させることができて容易な剥離性が確実に実現される。
本発明の加熱剥離型粘着シートの例を図1に示した。1が基材、2がゴム状有機弾性層、3が粘着層である。なお4は、セパレータである。
熱膨張性微小球含有の粘着層は、基材の片面又は両面に設けることができ、また必要に応じてのゴム状有機弾性層も基材の片面又は両面に介在させることができる。また本発明においては、基材を粘着層又はゴム状有機弾性層より容易に剥離できるタイプとすることもできるし、基材と粘着層又はゴム状有機弾性層とが強接着した固着タイプとすることもできる。なお基材の片側に熱膨張性微小球含有の粘着層を有し、他面に普通の接着層を有する加熱剥離型粘着シートとすることもできる。
基材は、粘着層等の支持母体となるもので、一般にはプラスチックのフィルムやシートが用いられるが、例えば紙や布、不織布や金属箔、あるいはそれらのプラスチックラミネート体やプラスチック同士の積層体などの適宜な薄葉体を用いうる。基材の厚さは、500μm以下、就中1〜300μm、特に5〜250μmが一般的であるがこれに限定されない。なお基材は、導電体層や磁性体層を有して、又は/及び導電粉や磁性粉を含有して高周波を介し誘導加熱できるものであってもよい。
前記した基材剥離タイプの加熱剥離型粘着シートは、例えば低接着性の基材を用いて形成することができる。低接着性の基材は例えば、シリコーン系樹脂やフッ素系樹脂等で代表される剥離剤をコーティングする方式、ポリエチレンやポリプロピレンの如き無極性ポリマーからなる接着力の弱い基材を用いる方式などの公知の方式により得ることができる。
基材固着タイプの加熱剥離型粘着シートは、例えば強接着性の基材を用いて形成することができる。強接着性の基材は例えば、クロム酸処理やオゾン暴露、火炎暴露や高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等により表面を酸化させる化学的又は物理的処理による方式、ポリエステルの如き極性の高いポリマー等からなる接着力の強い基材を用いる方式などの公知の方式により得ることができる。
粘着層は、被着体に接着した粘着シートを加熱処理により被着体より簡単に剥離できるようにするために、熱膨張性微小球(マイクロカプセル)を含有するものとされる。これにより任意な時に粘着層を加熱して、その熱膨張性微小球を発泡及び/又は膨張処理することにより粘着層と被着体との接着面積を減少させて粘着シートを剥離することができる。マイクロカプセル化されていない発泡剤では、良好な剥離性を安定して達成することができない。
前記の熱膨張性微小球としては、例えばイソブタンやプロパンやペンタンの如く容易にガス化して熱膨張性を示す適宜な物質をコアセルベーション法や界面重合法等で殻形成物質内に内包させたものを用いることができ、その殻は例えば塩化ビニリデン・アクリロニトリル共重合体やポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールやポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリルやポリ塩化ビニリデン、ポリスルホンなどの如く熱溶融性物質や熱膨張で破壊する適宜な物質からなっていればよい。なおかかる熱膨張性微小球には、例えばマイクロスフェア(商品名、松本油脂社製)などの市販品もある。
本発明において熱膨張性微小球としては、加熱処理による安定した接着力の低下を達成する点などより、平均粒径が18μm以上で、かつ90%以上が粒径10μm以上のものが用いられる。熱膨張性微小球の好ましい平均粒径は、目的とする粘着層の厚さにもよるが、一般には厚さが300μm以下、就中5〜200μm、特に20〜150μmの粘着層を形成する場合、19〜100μm、就中20〜50μmである。前記粒径条件の達成は、例えば遠心力型風力分級機などの適宜な分級機を用いて達成することができる。
前記の平均粒径が18μm未満、また粒径10μm以上のものの含有率が90%未満では、加熱処理による粘着層の変形度が小さくて接着力の低下性に乏しくなる。なお粘着層は、熱膨張性微小球の平均粒径よりも厚い層、就中、熱膨張性微小球の最大粒径物よりも厚い層として形成することが、粘着層の表面を平滑化して加熱処理前における安定した接着力を達成する点などより好ましい。
前記において粘着層の厚さが過大であると、加熱処理後の剥離時に凝集破壊が生じて被着体を汚染する糊残りが生じやすくなり、かかる点より粘着層の厚さは500μm以下、就中300μm以下であることが好ましい。一方、粘着層の厚さが過小では、加熱処理による粘着層の変形度が小さくて接着力の低下性に乏しくなり、かかる点より粘着層の厚さは5μm以上、就中10μm以上、特に20μm以上であることが好ましい。
加熱処理による粘着層の接着力の低下性などの点より好ましく用いうる熱膨脹性微小球は、5倍以上、就中7倍以上、特に10倍上の体積膨脹率となるまで発泡により破裂しないものである。熱膨張性微小球の配合量は、粘着層の膨脹倍率や接着力の低下性などに応じて適宜に決定しうるが、一般には粘着層を形成するベースポリマー100重量部あたり、1〜150重量部、就中10〜130重量部、特に25〜100重量部とされる。
粘着層は、加熱時に熱膨張性微小球の発泡及び/又は膨張を許容する粘着剤にて形成でき、加熱時に熱膨張性微小球の発泡及び/又は膨張を可及的に拘束しないものが好ましく用いられる。従って粘着層の形成には、例えばゴム系やアクリル系、ビニルアルキルエーテル系やシリコーン系、ポリエステル系やポリアミド系、ウレタン系やスチレン・ジエンブロック共重合体系、融点が約200℃以下の熱溶融性樹脂を配合してクリープ特性を改良したものなどの公知の粘着剤(例えば特開昭56−61468号公報、特開昭61−174857号公報、特開昭63−17981号公報、特公昭56−13040号公報など)の1種又は2種以上を用いることができる。なお粘着剤は、架橋剤や粘着性付与剤、可塑剤や充填剤、老化防止剤などの適宜な添加剤を配合したものであってもよい。
一般には、天然ゴムや各種の合成ゴムをベースポリマーとするゴム系粘着剤、メチル基やエチル基、プロピル基やブチル基、アミル基やヘキシル基、ヘプチル基やシクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基やイソオクチル基、イソデシル基やドデシル基、ラウリル基やトリデシル基、ペンタデシル基やヘキサデシル基、ヘプタデシル基やオクタデシル基、ノナデシル基やエイコシル基の如き炭素数が20以下のアルキル基を有するアクリル酸やメタクリル酸等のエステルからなるアクリル酸系アルキルエステルの1種又は2種以上を用いたアクリル系重合体をベースポリマーとするアクリル系粘着剤などが用いられる。本発明ではアクリル系粘着剤を使用する。
なお前記のアクリル系重合体は、必要に応じ凝集力や耐熱性や架橋性等の改質などを目的に、例えばアクリル酸やメタクリル酸、カルボキシエチルアクリレートやカルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸やマレイン酸、フマール酸やクロトン酸の如きカルボキシル基含有モノマー、あるいは無水マレイン酸や無水イタコン酸の如き酸無水物モノマー、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルや(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチルや(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチルや(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシラウリルや(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレートの如きヒドロキシル基含有モノマー、スチレンスルホン酸やアリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸や(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレートや(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸の如きスルホン酸基含有モノマー、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートの如き燐酸基含有モノマー、(メタ)アクリルアミドやN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミドやN−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドの如き(N−置換)アミド系モノマー、(メタ)アクリル酸アミノエチルや(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルの如き(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキル系モノマー、(メタ)アクリル酸メトキシエチルや(メタ)アクリル酸エトキシエチルの如き(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー、N−シクロヘキシルマレイミドやN−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミドやN−フェニルマレイミドの如きマレイミド系モノマー、N−メチルイタコンイミドやN−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミドやN−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミドやN−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミドの如きイタコンイミド系モノマー、N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミドやN−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドの如きスクシンイミド系モノマー、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニル、N−ビニルピロリドンやメチルビニルピロリドン、ビニルピリジンやビニルピペリドン、ビニルピリミジンやビニルピペラジン、ビニルピラジンやビニルピロール、ビニルイミダゾールやビニルオキサゾール、ビニルモルホリンやN−ビニルカルボン酸アミド類、スチレンやα−メチルスチレン、N−ビニルカプロラクタムの如きビニル系モノマー、アクリロニトリルやメタクリロニトリルの如きシアノアクリレート系モノマー、(メタ)アクリル酸グリシジルの如きエポキシ基含有アクリル系モノマー、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールや(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコールや(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールの如きグリコール系アクリルエステルモノマー、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルやフッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートや2−メトキシエチルアクリレートの如きアクリル酸エステル系モノマー、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートや(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートやネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートやトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートやジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレートやポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートの如き多官能モノマー、イソプレンやブタジエン、イソブチレンやビニルエーテル等の適宜なモノマー成分の1種又は2種以上を共重合したものなどであってもよい。
加熱前における大きい接着力と加熱による接着力の大きな低下を達成する点などより好ましく用いうる粘着剤は、常温〜150℃における動的弾性率が5万〜1000万dyn/cm2のポリマーをベースポリマーとするものである。
粘着層の形成は、例えば粘着剤に必要に応じ溶媒を用いて熱膨張性微小球を混合し、その混合物を必要に応じゴム状有機弾性層を介して基材上に塗布する方式や、それに準じてセパレータ上に形成した粘着層を基材上に移着する方式などの適宜な方式で行うことができる。
基材と粘着層の間に必要に応じて配置するゴム状有機弾性層は、加熱剥離型粘着シートを被着体に接着する際にその表面が被着体の表面形状に良好に追従して大きい接着面積を提供する働きと、被着体より剥離するために粘着層を加熱して発泡及び/又は膨張させる際に加熱剥離型粘着シートの面方向における発泡及び/又は膨張の拘束を少なくして粘着層が山状凸部の連峰構造ないしうねり構造ないし波形構造の三次元的に変形することを助長する働きをするものである。
ゴム状有機弾性層は、前記働きの点などより、ASTM D−2240のD型ショアーによるショアーD型硬度に基づいて50以下、就中40以下の天然ゴムや合成ゴム、又はゴム弾性を有する合成樹脂により形成することが好ましい。厚さは、500μm以下、就中5〜300μm、特に20〜150μmが一般的である。
前記の合成ゴム又は合成樹脂としては、例えばニトリル系やジエン系やアクリル系などの合成ゴム、ポリオレフィン系やポリエステル系の如き熱可塑性エラストマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体やポリウレタン、ポリブタジエンや軟質ポリ塩化ビニルなどのゴム弾性を有する合成樹脂があげられる。なお、ポリ塩化ビニルの如く本質的には硬質系のポリマーであっても可塑剤や柔軟剤等の配合剤との組合せでゴム弾性をもたせたものも本発明においては用いうる。また上記の粘着層で例示した粘着剤などの粘着性物質などもゴム状有機弾性層の形成に好ましく用いうる。
ゴム状有機弾性層の形成は、例えば前記した形成材の溶液を基材上に塗布する方式や、前記形成材からなるフィルム等を基材と接着する方式などの適宜な方式で行ってよい。なお本発明においてゴム状有機弾性層は、天然ゴムや合成ゴム又はゴム弾性を有する合成樹脂を主成分とする粘着性物質で形成されていてもよく、またかかる成分を主体とする発泡フィルム等で形成されていてもよい。
本発明の加熱剥離型粘着シートは、上記したように例えば粘着層と必要に応じてのゴム状有機弾性層からなる複合体を別個に形成して、それと基材とを接着する方式などによっても形成しうるものであるが、得られた加熱剥離型粘着シートは、接着時には被着体に予め設定した接着力で接着でき、接着状態を解きたいときには被着体に強固に接着している場合にも加熱処理により容易に剥離ないし分離できるものである。
従って本発明の加熱剥離型粘着シートは、適宜な物品等からなる被着体の2体以上を永久的に接着しておく用途に用いることも可能であるが、好ましい用途は被着体を所定期間接着して接着目的達成後、その接着状態を解くことが要求される、あるいは望まれる用途である。
前記の用途としては種々のものがある。ちなみにその例としては、2体以上の物品、例えばポリマーからなる物品と金属、繊維又は紙等からなる物品とのリサイクルを目的とした接着複合物の形成、各種の電気装置又は電子装置やディスプレイ装置等の組立工程における部品の搬送用や仮止め用等のキャリヤテープや仮止め材又は固定材、金属板やプラスチック板、ガラス板等の汚染損傷防止を目的とした表面保護材やマスキング材などの用途があげられる。
なお加熱剥離型粘着シートを被着体より容易に剥離できるようにするための加熱処理条件は、被着体の表面状態や熱膨張性微小球の種類等による接着面積の減少性、基材や被着体の耐熱性等の条件により決められるが、一般的な条件は100〜250℃、1〜90秒間(ホットプレート等)又は5〜15分間(熱風乾燥器等)である。かかる加熱条件で通例、粘着層の熱膨張性微小球が膨脹又は/及び発泡して粘着層が膨脹変形し、接着力が低下ないし喪失する。なお加熱処理は、使用目的に応じて適宜な段階で行うことができる。
(参考例1)
平均粒径13.4μmのマイクロスフェアF−50D(積算10%粒径7.1μm)を遠心力型風力分級機にて分級処理して平均粒径が19.9μmでその90%以上が粒径10μm以上の熱膨張性微小球を得(積算10%粒径11.4μm)、その50部をアクリル系粘着剤100部(固形分)に混合して厚さ100μmのポリエステルフィルムの片面に塗布し乾燥させて厚さ40μmのアクリル系粘着層を形成して加熱剥離型粘着シートを得た。
なお前記のアクリル系粘着剤は、アクリル酸ブチル50部、アクリル酸エチル50部及びアクリル酸5部からなるアクリル系共重合体A100部のトルエン溶液に、テルペン系粘着付与剤15部とポリウレタン系架橋剤5部を配合して調製したものである。
(参考例2)
前記アクリル系共重合体A100部のトルエン溶液に、テルペン系粘着付与剤25部とポリウレタン系架橋剤3部を配合してなるアクリル系粘着性物質をポリエステルフィルムの片面に塗布し乾燥させて厚さ35μmのゴム状有機弾性層を形成しその上にアクリル系粘着層を設けたほかは参考例1に準じて加熱剥離型粘着シートを得た。なおアクリル系粘着層は、別個セパレータ上に形成してそれをゴム状有機弾性層上に移着する方式により形成した。
(実施例1)
アクリル酸ブチル100部、アクリル酸ビニル5部及びアクリル酸3部からなるアクリル系共重合体B100部のトルエン溶液にフェノール系粘着付与剤40部とポリウレタン系架橋剤2部を配合してなるアクリル系粘着性物質をレーヨン製不織布に塗布し乾燥させて厚さ50μmのゴム状有機弾性層を設け、その上にセパレータ上に形成した、アクリル系共重合体B100部のトルエン溶液にポリウレタン系架橋剤5部を配合してなるアクリル系粘着剤100部(固形分)に参考例1と同じ分級処理した熱膨張性微小球100部を混合した厚さ50μmのアクリル系粘着層を移着して加熱剥離型粘着シートを得た。
(参考例3)
ポリエステルフィルムに代えて厚さ50μmの上質紙を用いたほかは参考例2に準じて加熱剥離型粘着シートを得た。
(比較例1)
熱膨張性微小球として、分級処理前のマイクロスフェアF−50D(平均粒径13.4μm、積算10%粒径7.1μm)を用いたほかは参考例1に準じて加熱剥離型粘着シートを得た。
(比較例2)
アクリル酸エチル70部、アクリル酸2−エチルヘキシル30部及びメタクリル酸メチル5部からなるアクリル系共重合体C100部のトルエン溶液に、テルペン系粘着付与剤10部とポリウレタン系架橋剤0.8部と分級処理前のマイクロスフェアF−50D30部を配合してなるアクリル系粘着剤を厚さ38μmのポリエステルフィルム上に塗布して厚さ40μmのアクリル系粘着層を形成して加熱剥離型粘着シートを得た。
(比較例3)
テルペン系粘着付与剤の配合量を4部とし、ポリウレタン系架橋剤の配合量を4部としたほかは比較例2に準じて加熱剥離型粘着シートを得た。
評価試験
実施例、比較例、参考例で得た幅20mmの加熱剥離型粘着シートを、厚さ0.5mmのステンレス板(SUS304,BA仕上げ)に接着し、JIS Z 0237に準拠して180度ピール接着力(剥離速度300mm/分、23℃)を測定する方式で、加熱前(初期)の接着力及び熱風乾燥器中で130℃、10分間の加熱処理したのちの接着力を調べた。その結果を次表に示した。
なお実施例及び参考例において、加熱処理後の剥離におけるステンレス板を調べたところいずれの場合にも糊残りは認められなかった。また参考例2と比較例1の加熱剥離型粘着シートの加熱処理後における断面を含む状態を拡大写真に撮影して観察したところ、参考例2ではゴム状有機弾性層と発泡及び/又は膨張状態の粘着層とからなる複合体が一体的に三次元的に変形してうねりないし山状凸部の連峰構造を形成していることが確認できた。
一方、比較例1の場合には、粘着層に熱膨張性微小球の発泡及び/又は膨張状態の大小に基づく小さい凹凸は形成されていたが、うねり構造の形成は認められなかった。
実施例の断面図
符号の説明
1:基材
2:ゴム状有機弾性層
3:粘着層
4:セパレータ

Claims (4)

  1. 基材の片面又は両面に、熱膨張性微小球含有のアクリル系粘着層を有してなり、前記粘着層の厚みが熱膨張性微小球の最大粒径よりも大きいことを特徴とする加熱剥離型粘着シート。
  2. 請求項1において、基材と粘着層の間にゴム状有機弾性層を有する加熱剥離型粘着シート。
  3. 請求項1又は2において、粘着層がその加熱による発泡又は膨張処理により山状凸部の連峰構造を形成する加熱剥離型粘着シート。
  4. 請求項2又は3において、ゴム状有機弾性層が粘着性物質からなる加熱剥離型粘着シート。
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