JPH09134991A - リードフレームメッキマスキング用粘着テープ - Google Patents

リードフレームメッキマスキング用粘着テープ

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JPH09134991A
JPH09134991A JP7288949A JP28894995A JPH09134991A JP H09134991 A JPH09134991 A JP H09134991A JP 7288949 A JP7288949 A JP 7288949A JP 28894995 A JP28894995 A JP 28894995A JP H09134991 A JPH09134991 A JP H09134991A
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lead frame
plating
masking
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adhesive tape
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JP7288949A
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Kazuo Tonegawa
一 男 利根川
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Soken Kagaku KK
Soken Chemical and Engineering Co Ltd
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Soken Kagaku KK
Soken Chemical and Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明のリードフレームメッキマスキン
グ用粘着テープは、支持体と粘着剤層との積層体であ
り、この粘着剤は、種々のアクリル系単量体の中から、
炭素数8のアルコールとアクリル酸とのエステルを選択
的し、粘着剤がこのエステルから誘導される繰り返し単
位を50重量%以上有する重量平均分子量が30万以上
のアクリル系共重合体を含有すると共に、この粘着剤の
ゲル分率を30%未満に調整している。 【効果】 このリードフレームメッキマスキング用粘着
テープは、上記のように特定のアクリル系共重合体を選
択的に使用することで、接着性と剥離性とが、リードフ
レームメッキの際のマスキング用粘着剤として好適な値
を示すようにバランスしている。従って、メッキの際に
テープが剥離することなく、しかもメッキ後な基板上に
接着剤を残存させることなくこのテープを剥離すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は電子部品に設けられている
リードフレームあるいはリードフレーム用に打ち抜きま
たはエッチング前の金属板をメッキ処理する際のメッキ
しない部分に貼着してこの部分がメッキされないように
するためのマスキング用の粘着テープに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】近年、電子機器の小型化に伴い基
板上に電子部品を集積しこの部分を樹脂などで密閉した
集積部品が広汎に使用されている。こうした電子部品が
集積された部分は樹脂などで密閉されるので、基板上に
形成された配線パターンが腐食等により劣化することは
ないが、こうした集積部品の外周に位置しこの集積部品
を相互に接合するリードフレームは、空気等と常に接触
するために、腐食しやすく、従って、このリードフレー
ムは、長期間電気的特性が維持できるように導電性が高
くかつ耐腐食性のよい金等の金属でメッキされるのが一
般的である。
【0003】周知の通り、金等の金属は高価であるため
に、こうした電子部品のメッキの際には、メッキが不要
な部分はマスキングしてリードフレーム部分をメッキす
る方法が採られている。このマスキングには、一方の面
に粘着剤層が形成されたマスキングシート使用されてい
る。
【0004】しかしながら、上記のようにしてリードフ
レームをメッキする場合、被メッキ物を単にメッキ液に
浸漬するだけではなく、均一なメッキ層を形成するため
にアルカリ水溶液で洗浄した後、メッキ液に浸漬する。
従って、マスキングする粘着テープは高い接着力を有す
ると共に、アルカリ性の洗浄液および酸性のメッキ液へ
浸漬することによっても、この接着力が変動しないよう
にする必要がある。即ち、アルカリあるいは酸によって
粘着力が変動すると、マスキングテープの端部からアル
カリ洗浄液あるいはメッキ液が侵入し、メッキを必要と
しない部分にまでメッキ層が形成されてしまう。こうし
てマスキングテープの端部から侵入したメッキ液は、隣
接する配線パターンを短絡するようにメッキ層を形成す
ることが多く、誤作動の原因ともなる。
【0005】殊に、昨今の集積部品においては、配線パ
ターンの幅が狭くなってきており、マスキングテープの
端部からの僅かなメッキ液の侵入によってもメッキ不良
を生じ易くなってきている。
【0006】従って、リードフレームのメッキの分野で
は、従来にも増して精度の高いマスキングが必要になっ
てきている。ところで、リードフレームのメッキが終了
した後、マスキングテープは剥離され、この非メッキ部
分に種々の回路が形成される。従って、メッキ層を形成
した後マスキングテープを剥離した面には、清浄である
必要があり、マスキングテープの接着剤は、剥離したマ
スキングテープと共に全部が除去される必要がある。ま
た、最近では回路の高集積化に伴い、配線パターンを形
成する金属の薄層化が著しく、配線パターンの強度(基
板に対する密着性)が低くなっている。従って、マスキ
ングテープを剥離する際に、接着剤の接着強度が高すぎ
ると、配線パターンに損傷を及ぼすことがある。従っ
て、マスキングテープを剥離することからすれば、接着
強度は低いことが好ましい。
【0007】このように昨今のマスキングテープでは、
メッキ精度を向上させるために接着剤の耐酸性、耐アル
カリ性は従来よりも高くする必要があるが、全体の接着
強度は剥離の際に配線パターンが損傷を受けないように
ある程度低くする必要がある。また、マスキングテープ
の接着剤が剥離の際に基板面に残存しないようにする必
要がある。
【0008】しかしながら、従来は、リードフレームを
メッキするための専用のマスキングテープは特別には製
造されておらず、例えば一般的な接着テープ、塗装の際
に使用されるマスキングテープ等が代用されていた。
【0009】回路の集積化が低い状態では、このような
代用品でも充分なマスキング効果があったが、集積度が
高くなるに従って、耐酸性、耐アルカリ性、接着剤の残
存、剥離の際の回路パターン等の損傷が問題になってき
ている。
【0010】例えば、塗装用のマスキングテープは、耐
溶剤性等の特性には優れているけれども、耐アルカリ性
および耐酸性については考慮されていない。また、通常
使用されている粘着テープでは、耐酸性、耐アルカリ性
等の特性が充分でないことが多く、またこうした粘着テ
ープは剥離することを想定していないので、接着強度が
高すぎて、メッキ後剥離する際に配線パターンが損傷を
受けやすく、さらに、基板面に粘着剤が残留しやすい。
【0011】こうした状況下に例えば特開平5-863
46号公報には、酸やアルカリ水溶液中におけるメッ
キ、エッチング、脱脂等に用いるマスキング用感圧接着
剤が開示されている。この感圧接着剤は、重量平均分子
量が15万〜200万であり30〜95%のゲル分率を
有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマー
に油性フェノール系樹脂を配合して耐アルカリ性、耐酸
性を向上させると共に、剥離した際に接着剤の残留が少
ないのである。
【0012】そして、この公報の実施例2には、アクリ
ル酸エチル70重量部、アクリル酸2-エチルヘキシル3
0重量部、アクリル酸3重量部からなるモノマーを重合
させて重量平均分子量が80万のアクリル系ポリマーを
調製し、これに油溶性フェノール樹脂10重量部および
架橋剤であるトルエンジイソシアネート1重量部を配合
した感圧接着剤の溶液を、PETフィルム上に乾燥厚が
20μmになるように塗布して加熱乾燥した接着フィル
ムが開示されている。しかし、このフィルムにおける感
圧接着剤であるアクリル系ポリマーのゲル分率は85%
と高いため、この接着フィルムは、貼り合わせ端部の剥
がれが発生しやすい。
【0013】また、特開平5-9450号公報には、炭
素数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルを主成分とするモノマー混合物を共重合
して得られるポリマー混合物であって、この組成物を支
持体上に塗工した接着テープの鋼板に対する接着力が2
5gf/25mm以上であり、球転法によるボールナンバーが
10以上であるマスキングテープ用アクリル系感圧接着
剤組成物の発明が開示されている。ここで炭素数4〜1
2のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルと
しては、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、2-
エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、n-
オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n-
ノニルアクリレート、イソノニルアクリレート、デシル
アクリレート、ラウリルアクリレートが例示列挙されて
おり、さらにメタクリル酸アルキルエステルとしては、
上記アクリル酸アルキルエステルのメタ体の他に、ドデ
シルメタクリレート、イソテトラデキルメタクリレー
ト、セチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート
が例示列挙されている。そしてこのような炭素数4以上
のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルの使用量は1.5〜90重量%であることが記載さ
れている。
【0014】しかしながら、このマスキングテープは、
主として塗装の際のマスキングテープであり、酸性溶液
およびアルカリ溶液に浸漬した場合の接着強度、およ
び、回路パターンとの接着強度等の特性において、メッ
キの際のマスキングテープとしての特性を満足していな
い。
【0015】
【発明の目的】本発明は、高集積化された回路基板にお
いて、リードフレームあるいはリードフレーム用金属板
をメッキする際の非メッキ部分をマスキングするための
粘着テープを提供することを目的としている。
【0016】さらに詳しくは、本発明は、リードフレー
ムあるいはリードフレーム用金属板のメッキ工程におけ
るマスキング性と、この工程後の工程におけるマスキン
グテープの除去性との両者の特性を満足することができ
るリードフレームあるいはリードフレーム用金属板をメ
ッキする際のマスキング用の粘着テープを提供すること
を目的としている。
【0017】
【発明の概要】本発明のリードフレームあるいはリード
フレーム用金属板のメッキマスキング用粘着テープは、
支持体と、該支持体の一方の面に敷設された粘着剤層か
らなり、メッキ液に浸漬された電子部品のリードフレー
ムあるいはリードフレーム用金属板を部分的にメッキす
る際に、非メッキ部分がメッキ液と接触しないように非
メッキ部分に貼着するリードフレームおよびリードフレ
ーム用金属板のマスキング用粘着テープであって、該粘
着剤が、炭素数8のアルコールとアクリル酸とのエステ
ルから誘導される繰り返し単位を50重量%以上有し、
かつ重量平均分子量30万以上のアクリル系共重合体を
含有すると共に、該粘着剤のゲル分率が30%未満であ
ることを特徴としている。
【0018】本発明のリードフレームあるいはリードフ
レーム用金属板のメッキマスキング用粘着テープ(以下
単に「リードフレームメッキマスキング用粘着テープ」
あるいは「マスキングテープ」と記載することもある)
は、上記のように粘着剤が、炭素数8のアルコールとア
クリル酸とのエステルから誘導される繰り返し単位を5
0重量%以上有するアクリル系共重合体を主成分として
おり、さらにこのアクリル系共重合体のゲル分率は30
%未満と低い値を示す。即ち、本発明者は、リードフレ
ームをメッキする際におけるマスキングテープによる非
メッキ部分の保護性と、メッキ工程後にマスキングテー
プを除去する際における剥離性(剥離の容易性、接着剤
の残存性、回路パターンへの損傷の有無等)とを考慮し
て粘着力を選定した結果、種々のアクリレートの中で炭
素数8のアルコールとアクリル酸とのエステルを主成分
(50重量%以上)として使用して合成された粘着剤
が、保護性と剥離性とのバランスが最もよいとの知見を
得た。従来から2-エチルヘキシルアクリレートのような
炭素数8のアルコールとアクリル酸とのエステルを共重
合させた粘着剤は使用されているが、従来は他の用途、
例えば通常の粘着テープ、塗装のマスキングテープ等を
転用して使用することが多く、リードフレームをメッキ
する際のマスキングテープ専用に保護性と剥離性とが考
察されたことはない。上述のように、リードフレームが
配置される集積回路部品においては、回路の高密度化が
進んでおり、リードフレームの間隔も100μmオーダ
ーから数十μmオーダーになってきており、さらに非メ
ッキ部分である配線パターンも高密度化および薄膜化し
てきている。こうした高密度化された回路基板をマスキ
ングしながらリードフレームをマスキングする粘着テー
プに、従来のように一般的な粘着テープあるいは塗装の
マスキングテープを転用したとしても、リードフレーム
を極めて高い精度でメッキするのは難しく、また、メッ
キ後のマスキングテープの剥離の際に非メッキ部への粘
着剤の残留、非メッキ部である回路パターン部への損傷
等を低減することはできない。
【0019】本発明者は、リードフレームをメッキする
際のマスキングテープに要求される特性である、耐酸
性、耐アルカリ性等に対する保護性(換言すれば、マス
キング性)が良好であり、かつ、このテープを除去する
際の除去の容易性がよく、粘着剤の残留がなくおよび配
線パターンの損傷のないという保護性と除去性とのバラ
ンスがよいという特性は、粘着剤として、炭素数8のア
ルコールとアクリル酸とから誘導されるアクリル酸アル
キルエステルを主成分として共重合させたアクリル系共
重合体を用いることにより達成が可能となるとの知見を
得、この知見に基づいて完成されたものである。
【0020】
【発明の具体的説明】次の本発明のリードフレームある
いはリードフレーム用金属板のメッキマスキング用粘着
テープについて具体的に説明する。
【0021】図1に本発明のリードフレームメッキマス
キング用粘着テープの断面構造を模式的に示す。図1に
示すように、本発明のマスキングテープ1は、支持体2
と、この支持体の一方の面に積層された粘着剤層3とか
らなる。
【0022】この粘着剤層3は、炭素数8のアルコール
とアクリル酸とのエステルから誘導される繰り返し単位
を50重量%以上有するアクリル系共重合体を含有す
る。即ち、この粘着剤層3はアクリル系モノマーの共重
合体で形成されており、この共重合体を形成するアクリ
ル系モノマーの50重量%以上が、炭素数が8のアルコ
ールとアクリル酸とのエステルをから誘導される重合性
モノマーである。
【0023】このアクリル系共重合体を構成する繰り返
し単位を形成する重合性モノマーである炭素数8のアル
コールとアクリル酸とのエステルには、2-エチルヘキシ
ルアアルコール、イソオクチルアルコールでおよびn-オ
クチルアルコールがあり、これらは単独であるいは組み
合わせて使用することができる。従って、このようなア
ルコールから誘導されたエステルである重合性モノマー
は、2-エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアク
リレートおよびn-オクチルアクリレートであり、これら
は単独であるいは組み合わせて使用することができる。
特に本発明では2-エチルヘキシルアクリレートを使用す
ることが好ましい。
【0024】本発明のシート1の粘着層3を形成するア
クリル系共重合体は、上記炭素数8のアルコールとアク
リル酸とのエステルから誘導される繰り返し単位を50
重量%以上有していることが必要であり、さらにこの繰
り返し単位を65重量%以上有していることが好まし
く、80重量%以上有していることが特に好ましい。即
ち、本発明の粘着剤層を形成するアクリル系共重合体
は、例えば2-エチルヘキシルアクリレートのような重合
性モノマーの単独重合体であってもよいし、また、この
重合性モノマーを2種類以上組み合わせて共重合させた
共重合体であってもよく、さらにこれらの単量体と他の
単量体との共重合体であってもよい。
【0025】上記炭素数8のアルコールとアクリル酸と
のエステルと共重合可能な他の単量体の例としては、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ノルマルブチル、(メタ)アク
リル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸-tert-ブチ
ル、(メタ)アクリル酸イソノニルおよび(メタ)アク
リル酸ラウリルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル;アクリル酸、メタクリル酸、α-エチルアクリル
酸、クロトン酸、α−メチルクロトン酸、α−エチルク
ロトン酸、イソクロトン酸、チグリン酸、アンゲリカ
酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン
酸、メサコン酸、グルタコン酸およびジヒドロムコン酸
等のカルボキシル基を有する単量体;アクリルアミド、
tert-ブチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基を有
する単量体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アク
リル酸ヒドロキシブチル、エチレングリコールモノアリ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル
およびグリセリンモノアリルエーテル等の水酸基を有す
る単量体;N-メチロール(メタ)アクリルアミドおよび
N-ブチロール(メタ)アクリルアミド等のN-アルキロー
ル基を有する単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル、
アリルグリシジルエーテル等びグリシジル基を有する単
量体;ビニルクロライド、ビニルブロマイド、アリルク
ロライド、アリルブロマイド、2,3-ジブロモプロピル
(メタ)アクリレート、2,3-ジクロロプロピル(メタ)
アクリレート、2-クロロエチル(メタ)アクリレート、
3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、クロロメチルスチレン、2-ブロモエチル(メタ)ア
クリレートおよびフッ化ビニル等のハロゲン原子を有す
る基を有する単量体;アルコキシアルキルシラン(メト
キシメチルシラン等)、ビニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシランおよび6-メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン等のアルコキシシリル基を有する
単量体を挙げることができる。
【0026】上記のような他の単量体の中でも、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、2-
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、
またはスチレンのいずれかの単量を共重合させることが
好ましい。
【0027】本発明のマスキングテープにおいて、粘着
層を形成するアクリル系共重合体中に、上記の他の単量
体は、50重量%以下、好ましくは35重量%以下、特
に好ましくは20重量%以下の量で共重合させることが
できる。
【0028】また、このアクリル系共重合体には、上記
の他の単量体の他に、多官能単量体が結合していてもよ
い。ここで使用することができる多官能単量体の例とし
ては、多価カルボキシル基、多価カルボン酸無水物、ポ
リイソシアネート化合物、エポキシ化合物、金属キレー
ト化合物、アミン化合物、ヒドラジン誘導体、イミダゾ
ール誘導体金属錯体(金属配位子)およびアミノ基等を
挙げることができる。
【0029】特にポリグリシジルアミン、ポリイソシア
ネート化合物が好ましく、ポリグリシジルアミンの例と
しては、N,N-ジグリシジルアニリン、N,N-ジグリシジル
トルイジン、m-N,N-ジグリシジルアミノフェニルグリシ
ジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、N,N,
N',N'-テトラグリシジルアミノジフェニルメタンおよび
N,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン等
を挙げることができ、またポリイソシアネート化合物の
例としては、トリレンジイソシアネート、キシリレんジ
イソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイ
ソシアネートを挙げることができる。
【0030】上記の多官能単量体は、アクリル系共重合
体100重量部に対して通常は0.001〜1.0重量
部、好ましくは0.005〜0.5重量部の範囲内の量で
使用することができる。上記の範囲を逸脱して多官能単
量体を多量に使用するとアクリル系共重合体のゲル分率
が高くなり、本発明の組成では良好な接着強度が発現せ
ず、貼り合わせた端部の剥がれが発生しやすくなる。
【0031】さらに、このアクリル系共重合体には、重
量平均分子量が1000以上の高分子量単量体が共重合
していてもよい。このような高分子量の単量体は、マク
ロモノマーと称されており、本発明では一般にマクロモ
ノマーと認識されている高分子単量体を使用することが
できる。
【0032】このようなマクロモノマーの具体例を以下
に示す。本発明で使用されるマクロモノマーは、例え
ば、下記の式[I]で表される化合物を挙げることがで
きる。
【0033】
【化1】
【0034】上記の式[I]において、RはCH3または
Hを表し、「−□−□−□−□・・・」はメタクリレート
から誘導される繰り返し単位を主構成単位とする(共)
重合体ユニット、イソブチルアクリレートから誘導され
る繰り返し単位を主構成単位とする(共)重合体ユニッ
ト、スチレンから誘導される繰り返し単位を主構成単位
とする(共)重合体ユニット、アクリロニトリルから誘
導される繰り返し単位を主構成単位とする(共)重合体
ユニット、または、スチレンから誘導される繰り返し単
位とアクリロニトリルから誘導される繰り返し単位とを
主構成単位とする共重合体ユニットのいずれかの重合体
ユニットを表す。また、Xは2価の結合基を表す。
【0035】このマクロモノマーには、通常その末端に
1個の(メタ)アクリロイル基が導入されており、この
(メタ)アクリロイル基は、アルキル(メタ)アクリレ
ートと反応性を有するので、この(メタ)アクリロイル
基に結合したマクロモノマーを形成するセグメントが、
アクリル系共重合体中における側鎖を形成する。
【0036】上記のようなマクロモノマーを製造する方
法に特に制限はなく、例えば (1)マクロモノマーのポリマー連鎖部分を構成するリビ
ングポリマーアニオンをまず製造し、これにメタクリル
酸クロリド等を作用させる方法; (2)メルカプト酢酸のような連鎖移動剤の存在下に、メ
チルメタクリレート等のラジカル重合性モノマーを重合
させ、端末にカルボキシル基を有するオリゴマーを得た
後、メタクリル酸グリシジルなどを用いてマクロモノマ
ー化する方法; (3)カルボキシル基を含むアゾ系重合開始剤の存在下
に、メチルメタクリレート等の重合性モノマーを重合さ
せ、末端にカルボキシル基を有するオリゴマーを得た
後、メタクリル酸グリシジルでマクロモノマー化する方
法等、任意の方法を利用してマクロモノマーを製造する
ことができる。
【0037】上記のような方法を利用してマクロモノマ
ーを製造することにより前記式[I]において、Xで表
される2価の結合基としては、例えば、下記に示すよう
な基が導入される。
【0038】
【化2】
【0039】上記のような結合基を有するマクロモノマ
ーの具体的な例としては下記の化合物を挙げることがで
きる。
【0040】
【化3】
【0041】ただし上記式において[・・・・・・]は、ポリ
スチレン鎖、ポリメチルメタクリレート鎖、ポリスチレ
ンアクリルニトリルのように端部にメタクリロイル基を
表す。
【0042】このアクリル系共重合体のゲル分率は30
%未満であることが必要であり、さらにこのゲル分率が
25%以下であることが好ましく、20%以下であるこ
とが特に好ましい。
【0043】また、このアクリル系共重合体の重量平均
分子量は、30万以上であることが必要であり、さらに
45万〜120万の範囲内にあることが好ましい。即
ち、本発明で使用するアクリル系共重合体は、一般に使
用されているアクリル系共重合体の中でも、比較的高い
重量平均分子量を有している。
【0044】このように本発明のマスキングテープの粘
着層を構成するアクリル系共重合体は、炭素数8のアル
コールとアクリル酸とから形成されるアクリル酸アルキ
ルエステルを主成分とした共重合体であり、しかもこの
この共重合体のゲル分率は30%未満と低く、また重量
平均分子量が通常の場合30万以上と高い値を示してい
る。
【0045】本発明のマスキングテープの粘着層を形成
するアクリル系共重合体において、炭素数8のアルコー
ルとアクリル酸から形成されるアクリル酸アルキルエス
テルのアルキル鎖が、テープ支持体と回路パターンとの
間にバランスの取れた接着強度を発現させる。例えば炭
素数6のアルキル鎖を有するアクリレートでは、剥離の
際に基板表面に残留する接着剤の量が多くなり、また、
例えば炭素数12のアルキル鎖を有するアクリレートで
は洗浄工程あるいはメッキ工程でマスキングテープ端部
からの液剤の侵入が著しく、メッキの仕上がりが悪い。
即ち、マスキングテープとして従来から種々のアクリレ
ートが使用されてきたけれども、リードフレームのマス
キングに限ってみれば、炭素数8のアルコールとアクリ
ル酸から形成されるアクリル酸アルキルエステル、特に
は2-エチルヘキシルメタクリレートを50重量%の重量
で共重合させた共重合体は、例えば炭素数6、炭素数
7、炭素数9あれるいは炭素数10等のアルキル鎖を有
するアクリル酸アルキルエステルが共重合したアクリル
系共重合体とは異なる挙動を示すのである。この理由に
ついては明確には不明であるが、炭素鎖の長さが、リー
ドフレームの際に要求される接着強度と耐薬品性とが、
こうした炭素数8のアルコールとアクリル酸から形成さ
れるアクリル酸アルキルエステルを50重量%以上共重
合させたアクリル共重合体を主成分として使用すること
で最もバランスがよくなると考えられる。即ち、本発明
者の実験によれば、この炭素数8のアルコール以外のア
ルコールとアクリル酸から形成されるアクリル酸アルキ
ルエステルを50重量%以上の量で共重合させたアクリ
ル共重合体を使用しても、リードフレームのメッキの際
のマスキングテープとしては、マスキング性、剥離性、
耐薬品性、粘着剤の残留等の特性にすべてを満足する組
成を得ることはできなかった。
【0046】さらにこのアクリル系共重合体のゲル分率
が、本発明で規定する範囲内にあることにより、マスキ
ングシートの耐酸性あるいは耐アルカリ性が非常に良好
になり、およそリードフレームをメッキする一連の工程
でこのマスキングテープが晒される環境下では、マスキ
ングテープの端部からの処理液の侵入(端部の接着強度
の低下)は観察されなかった。
【0047】本発明のマスキングテープは、粘着層を形
成する粘着性成分が、上記アクリル系共重合体を主成分
とするものである。具体的には、粘着層を形成する粘着
性成分は、粘着層を形成する成分100重量部に対し
て、上記アクリル系共重合体を通常は55〜100重量
部、好ましくは65〜100重量部、さらに好ましくは
75〜100重量部の量で含有している。従って、この
粘着層は、このアクリル系共重合体を単独で使用して形
成することもできるし、他の粘着性成分を配合した粘着
剤組成物で形成してもよい。従って、他の粘着性成分
は、通常は0〜45重量部、好ましくは0〜35重量
部、さらに好ましくは0〜25重量部である。
【0048】上記のような量でアクリル系共重合体を使
用することにより、このアクリル系共重合体の特性が損
なわれず、リードフレームメッキマスキング用粘着テー
プの粘着層に要求される上記のような特性が発現する。
【0049】上記特定のアクリル系共重合体と共に使用
して粘着層を形成することができる他の粘着剤成分とし
ては、スチレン樹脂、酢酸ビニル系樹脂、プロピオン酸
ビニル系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、石油系粘着付
与剤、テルペン系粘着付与剤、キシレン系粘着付与剤、
重合ロジン系粘着付与剤、水添ロジン系粘着付与剤、ニ
トロセルロース、塩素化オレフィンおよび可塑剤等を挙
げることができる。
【0050】さらに、この粘着層を形成する組成物中に
は、安定剤、着色剤および難燃剤等従来から粘着層に配
合されている各種成分を配合することができる。これら
の成分の配合量は、成分の種類によってもことなるが、
この層を形成する粘着性成分100重量部に対して、通
常は0.1〜30重量部程度である。
【0051】本発明のリードフレームメッキマスキング
用粘着テープ1は、上記のような粘着剤からなる粘着層
3が、支持体2上に設けられている。このような支持体
2は、一連のメッキ工程において使用される薬剤に侵さ
れることがない素材のフィルムが使用される。こうした
支持体1を形成することができる素材の例としては、各
種の紙、布、不織布、ポリエチレンおよびポリプロピレ
ンのようなポリオレフィン;ポリ塩化ビニルのような塩
素化ビニル樹脂;ポリエチレンテレフタレートのような
ポリエステル樹脂;フッ素樹脂並びにナイロンを挙げる
ことができる。これらの素材は単独であっても複合され
ていてもよい。特に本発明においては、ポリエチレンテ
レフタレートフィルムを使用することが好ましい。この
ポリエチレンテレフタレートはメッキ工程における薬品
に侵されにくく、かつ粘着層を形成する上記特定のアク
リル系共重合体との親和性が良好である。
【0052】本発明のリードフレームメッキマスキング
用粘着テープ1は、支持体2の一方の面に、上記特定の
アクリル系共重合体を主成分とする粘着剤からなる粘着
層3を設けることにより形成することができる。
【0053】本発明のマスキングテープにおいて粘着層
を形成する特定のアクリル系共重合体は、水性媒体中
で、乳化重合、ソープフリー乳化重合、シード重合など
の重合法により製造することができ、また、有機溶媒中
でも溶解あるいは分散重合などにより製造することがで
きる。
【0054】本発明のマスキングテープを製造するに
は、こうして得られた上記特定のアクリル系共重合体を
反応液から分離して新たに有機溶媒に溶解するなどして
製造することもできるが、例えば有機溶媒中で溶解重合
により製造した場合、この反応に使用した液を必要によ
り粘度調整して使用することもできる。
【0055】本発明のリードフレームメッキマスキング
用粘着テープ1において、支持体2の厚さは通常は6〜
150μm、好ましくは20〜80μmの範囲内にあ
り、また、上記特定のアクリル系共重合体を主成分とす
る粘着剤からなる粘着層3の厚さは、乾燥厚さで、通常
は3〜100μm、好ましくは20〜60μm程度であ
る。マスキングを行う回路パターンの厚さは、通常80
〜300μm程度である。
【0056】なお、この支持体の粘着層が付設される面
の表面は粗面化されていることが好ましい。本発明のリ
ードフレームメッキマスキング用粘着テープ1は、例え
ば次のようにして使用することができる。
【0057】図2および図3は、本発明のリードフレー
ムメッキマスキング用粘着テープ1を、基板14の周縁
部にリードフレーム12が形成された基板の中心部11
に貼着した状態を概念的に示す斜視図である。
【0058】図2および図3において、メッキをする対
象はリードフレーム12であり、基板14の中心部近傍
がメッキ部であり、この非メッキ部には、この部分がメ
ッキ液などと接触しないようにリードフレームメッキマ
スキング用粘着テープ1が貼着してある。
【0059】リードフレームメッキマスキング用粘着テ
ープ1の下にある配線パターンは、幅が0.1〜2mmμ
m程度であり、厚さが80〜300μmである。このよ
うな配線パターンにメッキされないように、この配線パ
ターンの上にリードフレームメッキマスキング用粘着テ
ープ1に貼着してこのテープ1によってはマスキングさ
れていない部分12にメッキする。
【0060】なお、メッキする工程の前には、上記のよ
うにマスキングされた基板を、リードフレームの部分を
洗浄するためにアルカリ水溶液中に浸漬した後、水洗す
る洗浄工程に付す。
【0061】こうしてアルカリ水溶液で洗浄した後、こ
の基板をメッキ液に浸漬してリードフレームの部分にメ
ッキをする。メッキ法には種々の方法があるが、このよ
うなリフレームの選択的メッキには、無電解メッキ法を
採用することが多い。
【0062】こうして所定時間メッキ液に浸漬した基板
は、リードフレーム部分12がメッキされた基板は、次
の工程に付すべく、メッキ液から引き上げられ、リード
フレームメッキマスキング用粘着テープは剥離される。
【0063】なお、上記はリードフレームは、 銅、4-2合金等の厚さ0.1〜0.5mm程度の板を打ち
抜き成形またはエッチングして不要部分を除去し、その
後部分的にメッキを行って製造するか、 メッキしてから打ち抜き又はエッチング成形してソー
ドフレームを形成することのより製造される。本発明の
マスキングテープは、いずれの方法でフレームを製造す
る際にも使用することができる。
【0064】
【発明の効果】本発明のリードフレームメッキマスキン
グ用粘着テープは、炭素数8のアルコールとアクリル酸
とのアルキルエステルを50重量%以上の量で共重合さ
せたゲル分率が30%未満のアクリル系共重合体を主成
分として使用して、支持体の一方の面に粘着層を形成し
ている。
【0065】2-エチルヘキシルアクリレートのようなア
ルキル基の炭素数が8個のアクリレートが特定量共重合
したゲル分率が30%よりも低いアクリル系共重合体を
粘着剤の主成分として使用することにより、リードフレ
ームをメッキする際のマスキングテープとして必要な耐
薬品性を有すると共に、接着強度および剥離性が、マス
キングテープとして、最も適したバランスを示すように
なる。
【0066】従って、本発明のマスキングテープを使用
することにより、所定のメッキ部分を非メッキ部分と区
別して極めて高い精度で選択的にメッキすることがで
き、接着強度と剥離性のバランスとがロードフレームを
メッキする際のマスキングテープとして最も適してい
る。この本発明のマスキングテープを使用することによ
りマスキング部を完全に保護することができ、さらに、
マスキングテープを剥離する際に配線パターンに損傷を
与えることがなく、しかも基板上に粘着剤が残留しな
い。
【0067】
【実施例】次に本発明の実施例を示して本発明をさらに
具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定
されるものではない。
【0068】
【実施例1】炭素数が8である2-エチルヘキシルアルコ
ールとアクリル酸とのエステル化合物である、2-エチル
ヘキシルアクリレート(2EHA)94重量%と、(2-
ヒドロキシエチルメタクリレート(2HEMA)1重量
%と、メチルメタクリレート(MMA)5重量%を共重
合させて重量平均分子量43万、ガラス転移温度(Tg)
−49℃、ゲル分率0%のアクリル系共重合体を得た。
【0069】このアクリル系共重合体の酢酸メチル溶液
を、厚さ83μmのポリエチレンテレフタレートフィル
ム上に、乾燥厚さが35μmになるように塗布して本発
明のリードフレームメッキマスキング用粘着テープを製
造した。
【0070】このテープを図2および図3に示すよう
に、周囲にリードフレームが形成されている基板の周囲
の非メッキ部分に貼着して下記に示すアルカリ洗浄水に
2分間浸漬後、水洗して下記に示す組成の無電解メッキ
液に浸漬して3分間かけてリードフレーム部分に無電解
メッキを行った。
【0071】得られた基板を観察したところ、メッキ工
程を含む上記工程中でのマスキングテープの剥離はみら
れなかった。さらに、マスキングテープを剥離した調べ
たところ、非メッキ部分に粘着剤は残留しておらず、し
かもマスキングテープの剥離によってこの部分の回路パ
ターンが損傷を受けることもなかった。
【0072】
【実施例2】実施例1において、アクリル系共重合体に
硬化剤としてポリイソシアネート合物(日本ポリウレタ
ン工業(株)製、商品名コロネートL:トリレンジイソシ
アネート系硬化剤)を0.1重量部加えた以外は同様に
してリードフレームメッキマスキング用粘着テープを製
造した。こうして得られた粘着テープのゲル分率は20
%であった。このテープを実施例1と同様に使用して無
電解メッキ行った。
【0073】得られた基板を観察したところ、メッキ工
程を含む上記工程中でのマスキングテープの剥離はみら
れなかった。さらに、マスキングテープを剥離して調べ
たところ、非メッキ部分に粘着剤は残留しておらず、し
かもマスキングテープの剥離によってこの部分の回路パ
ターンが損傷を受けることもなかった。
【0074】
【実施例3〜7、比較例1〜7】実施例1において、ア
クリル系共重合体モノマーの配合量を表1に示すように
変えた以外は同様にしてアクリル系共重合体を製造し
た。この共重合体の物性を表1に示す。実施例3、5お
よび6で製造したアクリル系共重合体を用いたマスキン
グテープでは、得られた基板に、メッキ工程を含む上記
工程中でのマスキングテープの剥離はみられなかった。
さらに、マスキングテープを剥離して調べたところ、非
メッキ部分に粘着剤は残留しておらず、しかもマスキン
グテープの剥離によってこの部分の回路パターンが損傷
を受けることもなかった。
【0075】実施例4および7においては、表1に示す
ように、多官能性エポキシ系硬化剤(綜研化学(株)製、
商品名:硬化剤E-AX)を固体重量比で、それぞれ0.0
15/100の量で添加し、実施例1と同様にして粘着テープ
を製造し、これを使用してリードフレームのメッキを行
った。接着テープの接着剤層のゲル分率はそれぞれ12
%および18%であり、メッキ中の剥離、メッキ後の剥
離による糊残り共に発生しなかった。
【0076】しかし、比較例1、2、6のアクリル系共
重合体を使用したマスキングテープは、メッキ工程中で
テープが剥離した。また比較例2のマスキングテープは
工程終了後に剥離したところ、粘着剤が基板表面に多量
に残留した。
【0077】比較例3は、実施例4のアクリル系共重合
体に添加した硬化剤を増量した以外は実施例と同様に粘
着テープを製造し、これを使用してリードフレームのメ
ッキを行った、接着テープの粘着剤層のゲル分率は53
%であり、比較例4は実施例5のアクリル共重合体の分
子量を下げ21万にした以外は、実施例5と同様に粘着
テープを製造し、これを使用してリードフレームのメッ
キを行った。メッキ工程終了後、マスキングテープを剥
離したところ、すべてのシードフレームに糊が残った。
【0078】比較例5は、比較例4の糊残りを改善すべ
く、比較例4のアクリル共重合体に添加する硬化剤(E
−AX)量を増加した以外は比較例4と同様にしてリー
ドフレームのメッキを行った。
【0079】硬化剤の増量によってもり糊残りの改善は
不完全であり、かつメッキ中にエッジに剥がれが生じ
た。上記のアクリル共重合体の組成(仕込量)および硬
化剤、得られた接着剤の性状ならびにこれの接着剤を使
用した際の不良率を表1に示す。
【0080】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のリードフレームマスキング用テ
ープの断面を模式的に示す断面図である。
【図2】図2は本発明のリードフレームマスキング用テ
ープを基板に貼着した状態を模式的に示す斜視図であ
る。
【図3】図3は本発明のリードフレームマスキング用テ
ープを基板に貼着した状態を模式的に示す斜視図であ
る。
【符号の説明】 1・・・リードフレームマスキング用テープ(マスキング
テープ) 2・・・支持体 3・・・粘着層 11・・・基板の中心部 12・・・リードフレーム 14・・・基板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体と、該支持体の一方の面に敷設され
    た粘着剤層からなり、メッキ液に浸漬された電子部品の
    リードフレームあるいはリードフレーム用金属板を部分
    的にメッキする際に、非メッキ部分がメッキ液と接触し
    ないように非メッキ部分に貼着するリードフレームおよ
    びリードフレーム用金属板のマスキング用粘着テープで
    あって、 該粘着剤が、炭素数8のアルコールとアクリル酸とのエ
    ステルから誘導される繰り返し単位を50重量%以上有
    し、かつ重量平均分子量30万以上のアクリル系共重合
    体を含有すると共に、該粘着剤のゲル分率が30%未満
    であることを特徴とするリードフレームおよびリードフ
    レーム用金属板のメッキマスキング用粘着テープ。
  2. 【請求項2】炭素数8のアルコールが、2-エチルヘキシ
    ルアルコール、イソオクチルアルコールでおよびn-オク
    チルアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも一種
    類のアルコールであることを特徴とする請求項第1項記
    載のリードフレームおよびリードフレーム用金属板のメ
    ッキマスキング用粘着テープ。
  3. 【請求項3】上記炭素数8のアルコールとアクリル酸と
    のエステルと共重合してアクリル系共重合体を形成する
    他のモノマーが、メチル(メタ)アクリレート、エチル
    (メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
    (メタ)アクリル酸、2-ヒドロキシエチル(メタ)アク
    リレート、酢酸ビニルおよびスチレンよりなる群から選
    ばれる少なくとも一種類の単量体であることを特徴とす
    る請求項第1項記載のリードフレームおよびリードフレ
    ーム用金属板のメッキマスキング用粘着テープ。
  4. 【請求項4】上記アクリル系共重合体のガラス転移温度
    (Tg)が、−40℃以下であることを特徴とする請求項
    第1項記載のリードフレームメッキマスキング用粘着テ
    ープ。
  5. 【請求項5】上記アクリル系共重合体が、エポキシ化合
    物、キレート化合物、ポリイソシアネート化合物および
    メラミン化合物よりなる群から選ばれる多官能化合物に
    よる架橋構造が形成されていることを特徴とする請求項
    第1項乃至第3項のいずれかの項記載のリードフレーム
    およびリードフレーム用金属板のメッキマスキング用粘
    着テープ。
  6. 【請求項6】上記アクリル系共重合体中に、重量平均分
    子量1000以上の高分子量単量体が共重合しているこ
    とを請求項第1項記載のリードフレームおよびリードフ
    レーム用金属板のメッキマスキング用粘着テープ。
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