JP2019123802A - 調色試験塗板用クリヤー塗料組成物、及びこれを用いた調色方法 - Google Patents

調色試験塗板用クリヤー塗料組成物、及びこれを用いた調色方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019123802A
JP2019123802A JP2018005180A JP2018005180A JP2019123802A JP 2019123802 A JP2019123802 A JP 2019123802A JP 2018005180 A JP2018005180 A JP 2018005180A JP 2018005180 A JP2018005180 A JP 2018005180A JP 2019123802 A JP2019123802 A JP 2019123802A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color
toning
paint
clear
color matching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018005180A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7001322B2 (ja
Inventor
博 清水
Hiroshi Shimizu
博 清水
健史 川西
Takeshi Kawanishi
健史 川西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP2018005180A priority Critical patent/JP7001322B2/ja
Publication of JP2019123802A publication Critical patent/JP2019123802A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7001322B2 publication Critical patent/JP7001322B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】調色試験塗板作成に要する時間と労力を省くことができ、下層に位置する調色塗膜の測色データを精度よく測定できるようなクリヤー塗膜を形成するのに適するクリヤー塗料組成物及び該クリヤー塗料組成物を用いた調色方法を提案する。【解決手段】複数の原色塗料を含む原材料を混合して目標色に色合わせした調色塗料の配合の合否を判定するために試験的に作成する調色用試験塗板のトップコートに用いられるクリヤー塗料組成物であって、該クリヤー塗料組成物が、バインダー樹脂成分(A)及び有機溶剤(B)を含み、有機溶剤(B)中に占めるエステル系有機溶剤の量が70質量%以上であり、不揮発分濃度が10%以上、形成塗膜のゲル分率が10%以下である、調色用試験塗板のためのクリヤー塗料組成物、調色塗膜の上に該クリヤー塗料組成物を塗装し、該クリヤー塗膜を介して測色計にて測色する工程を含む、調色方法。【選択図】なし

Description

本発明は調色作業の経過で作り出される調色試験塗板に適したクリヤー塗料組成物及びこれを用いた調色方法に関する。
自動車外板の補修塗装では、損傷部をパテやサーフェーサーで埋めた後に、損傷部周囲を中心に調色塗料を広く塗装している。調色塗料の塗装では、塗装する部分の色を周囲の色と一致させ、違和感のない外観に仕上げることが重要となる。
このため、損傷部周囲をターゲット色とした塗料の調色作業が必要である。調色塗料は、複数の原色塗料、着色顔料ペースト、光輝性顔料ペースト、艶調整剤等の着色材や添加剤等(原色と記する場合がある)を種々の比率にて混合せしめるものであって、通常、塗料販売店、自動車補修工場、調色工場等で調色作業を行ない調製するものである。
複雑な塗色の自動車が多くなった近年、自動車補修塗装の分野では調色作業にカラーセンサーとコンピューターを用いることが一般的になってきている。
コンピューター調色法(コンピューターカラーマッチングCCM)は、各原色の特性値をあらかじめコンピューターに入力しておき、一方、補修対象となる自動車ボデーをカラーセンサーで測色して種々のデータを取り、原色の配合率計算をコンピューターで行い、その結果得られた配合率に基づいて原色塗料を秤量・混合して調色塗料を作成する方法である。このようにして得られた調色塗料を試験用基材に塗装して硬化乾燥させ調色試験塗板を作成する。調色試験塗板の出来がよくない場合は調色試験塗板をカラーセンサーで測色して種々のデータを取り、コンピューターで計算して修正配合を得て、調色試験塗板の作成、比色、合否判定する作業を繰り返して行う。
このようにコンピューター調色法において所望の調色塗料を効率よく得るためには、ターゲット色及び調色試験塗板を精度よく測色し、適切な色データを取得することが重要である。
調色試験塗板、特にメタリック色の試験塗板を正確に測色するためには、調色塗料を塗装するだけでなく、調色塗膜の上にクリヤー塗料を塗り重ねて乾燥させる必要がある。一般に補修塗装現場では、この塗り重ね用のクリヤー塗料として補修塗装現場にある2液型のウレタンクリヤーを用いている。このため2液(主剤と硬化剤)を計量混合する手間がある上に塗装と乾燥に時間がかかるので、調色塗料の合否を確認するために試験的に作成している塗板であるにも関わらず、クリヤー塗料塗装工程に多くの手間と時間を割いている。
調色試験塗板作成に要する時間を削減する方法として、特許文献1には調色後のメタリック塗面Aと目標色のメタリック塗面Bとを比較するにあたり、該塗面Aを有機溶剤であらかじめ湿潤しておくことを特徴とする調色判定方法を開示している。この方法によれば、時間をかけずにメタリック塗面の光沢をクリヤー塗料が上塗りされたような外観にすることができる。しかしながらこの方法では、目標色によっては、正確な調色塗料配合を得ることができない場合があった。
また特許文献2には、指触乾燥された着色塗料塗膜の上に、この塗膜を溶解しない液体を塗布し、この上に無色透明で固体状の薄膜を載せ、その薄膜を介して着色塗料塗膜の色を測定することによって調色作業を行う方法が記載されている。しかしながらメタリック色の調色塗膜に関してこの方法を用いると、薄膜を載せたことによってメタリック塗膜にムラが発生してしまうという問題がある。
特開平9−178559号公報 特開2001−336981号公報
本発明の目的は、調色試験塗板作成に要する時間と労力を省くことができ、下層に位置する調色塗膜の測色データを精度よく測定できるようなクリヤー塗膜を形成するのに適するクリヤー塗料組成物及び該クリヤー塗料組成物を用いた調色方法を提案することにある。
本発明者らは上記した課題に対して鋭意検討した結果、調色試験塗板のトップコートに用いるクリヤー塗料組成物として、組成物中に占めるバインダー樹脂成分と揮発成分の割合を調整し、そしてゲル分率がでない、もしくは特定範囲であるような塗膜を形成するような塗料を使用した場合に、目標色と一致・近似する測色データが得られ、精度の高い調色配合が得られることを見出した。
すなわち本発明は、
項1
複数の原色塗料を含む原材料を混合して目標色に色合わせした調色塗料の配合の合否を判定するために試験的に作成する調色用試験塗板のトップコートに用いられるクリヤー塗料組成物であって、
該クリヤー塗料組成物が、バインダー樹脂成分(A)及び有機溶剤(B)を含み、有機溶剤(B)中に占めるエステル系有機溶剤の量が70質量%以上であり、
不揮発分濃度が10%以上、形成塗膜のゲル分率が10%以下である、調色用試験塗板のためのクリヤー塗料組成物。
項2
バインダー樹脂成分(A)が、アクリル樹脂及びセルロース誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む、項1記載のクリヤー塗料組成物。
項3
有機溶剤(B)中に占める第1石油類及び第2石油類の合計量が90質量%以上である項1または2記載のクリヤー塗料組成物。
項4
硬化剤を含まない項1ないし3のいずれか1項に記載のクリヤー塗料組成物。
項5
1液型である項1ないし4のいずれか1項に記載のクリヤー塗料組成物。
項6
エアゾール缶内に収容される項1ないし5のいずれか1項に記載のクリヤー塗料組成物。
項7
試験用基材に、調色塗料を塗装する工程、前記工程で得られた調色塗膜の上に項1ないし6のいずれか1項に記載のクリヤー塗料組成物を塗装する工程、該調色塗膜を、前記工程で得られたクリヤー塗膜を介して測色計にて測色する工程を含む、調色方法。
項8
目標色となる補修対象物を測色計にて測色して目標色の色データを取得する工程(1)、工程(1)で取得した色データに基づいて、調色塗料用原材料の色データと該色データに基づいた色あわせロジックが登録されたコンピューターにより原材料の配合比率を演算する工程(2)、工程(2)で得られた原材料の配合比率に基づいて調色塗料を作成する項7に記載の調色方法。
項9
補修対象物を測色計にて測色して目標色の色データを取得する工程(1)、
工程(1)で取得した色データに基づいて、調色塗料用原材料の色データと該色データに基づいた色あわせロジックが登録されたコンピューターにより原材料の配合比率を演算する工程(2)、
工程(2)で得られた原材料の配合比率に基づいて第1の調色塗料を作成する工程(3)、
試験用基材に、工程(3)で得られた第1の調色塗料を塗装し、調色塗膜を形成する工程(4)、
工程(4)で得られた調色塗膜の上に請求項1ないし6のいずれか1項に記載のクリヤー塗料組成物を塗装する工程(5)、
工程(4)で得られた調色塗膜を、工程(5)で得られたクリヤー塗膜を介して測色計にて測色する工程(6)、
工程(1)及び工程(6)で取得した色データに基づいて、コンピューターにより修正用の調色塗料のための配合比率を演算する工程(7)を含み、
工程(5)で得られた試験塗板が合格になるまで、調色塗料作成工程、調色塗膜形成工程、調色塗膜の上に請求項1ないし6のいずれか1項に記載のクリヤー塗料組成物を塗装する工程、コンピューターによる修正用の調色塗料のための配合比率を演算する工程を繰り返し行う、調色方法。
に関する。
本発明のクリヤー塗料組成物を調色用試験塗板のトップコートとすることによって、複雑な塗色であっても精度の高い色データを取得することができる。その結果、所望の調色塗料を得ることができる。本発明のクリヤー塗料組成物を調色作業に用いることによって、目標色に行き着くまでの調色作業の工数を少なくすることができ、作業者が要する時間と労力を大きく削減することができる。
本発明のクリヤー塗料組成物は、複数の原色塗料を混合して目標色に色合わせした調色塗料の配合の合否を判定するために試験的に作成する調色用試験塗板のトップコートに用いられるものであり、バインダー樹脂成分(A)及び有機溶剤(B)を含む組成物である。
<バインダー樹脂成分(A)>
バインダー樹脂成分(A)としては、塗料分野で通常使用できる塗膜形成能を有する樹脂である限り特に制限なく使用することができる。該樹脂成分(A)としては、メタリック色を用いた調色用試験塗板の外観と乾燥性の点から、重量平均分子量が10,000〜100,000、好ましくは20,000〜100,000の範囲内の樹脂を含むことが好適である。
本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(東ソー(株)社製、「HLC8120GPC」)で測定した重量平均分子量をポリスチレンの重量平均分子量を基準にして換算した値である。カラムは、「TSKgel G−4000H×L」、「TSKgel G−3000H×L」、「TSKgel G−2500H×
L 」、「TSKgel G−2000H×L」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1cc/分、検出器;RIの条件で行ったものである。
樹脂の具体例としてはアクリル樹脂、セルロース誘導体、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂などの1種又は上記樹脂を2種以上含む混合樹脂を挙げることができる。なかでも、アクリル樹脂及びセルロース誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂を好適に使用することができる。
アクリル樹脂としては、(メタ)アクリロイル化合物及び必要に応じてその他の重合性不飽和化合物を共重合成分とする樹脂を挙げることができる。
共重合成分となる化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート(ラウリル(メタ)アクリレート)、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等のアルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレート;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有重合性不飽和化合物;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウム塩、スルホエチルメタクリレート及びそのナトリウム塩やアンモニウム塩等のスルホン酸基含有重合性不飽和化合物;2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート等のリン酸基含有重合性不飽和化合物などの酸基含有重合性不飽和化合物;2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの炭素数2〜8個のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;Nーメチロールアクリルアミド;アリルアルコール;炭素数2〜8個のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン変性アクリル化合物;ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレンポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート等の水酸基含有重合性不飽和化合物;ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族環含有重合性不飽和化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基を有する重合性不飽和化合物;N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシプロピル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメトキシ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノアルコキシ(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有重合性不飽和化合物;パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィン等のフッ素化アルキル基を有する重合性不飽和化合物;マレイミド基等の光重合性官能基を有する重合性不飽和化合物;N−ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル等のビニル化合物;アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテレフタレート、ジビニルベンゼン等の重合性不飽和基を1分子中に少なくとも2個有する重合性不飽和化合物;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン類との付加物等の含窒素重合性不飽和化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有重合性不飽和化合物;2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等のイソシアナト基含有重合性不飽和化合物;分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート;アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ホルミルスチロール、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)等のカルボニル基含有重合性不飽和化合物等が挙げられる。これらの重合性不飽和化合物はそれぞれ単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記重合性不飽和化合物類の共重合反応は既知の方法で行なうことができ、例えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−バレロニトリル)等のアゾ系化合物;ベンゾイルパーオキシド等の過酸化物;過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩などのラジカル重合触媒を用いて有機溶剤中で行なわれる。
バインダー樹脂成分(A)がアクリル樹脂を含む場合において、特にメタリック色の調色用試験塗板の顔料配向性の観点から、該アクリル樹脂が水酸基を含有していることが適している。
水酸基を含有する場合におけるアクリル樹脂の水酸基価としては、5〜200mgKOH/g、好ましくは30〜150mgKOH/gの範囲内が適している。
セルロース誘導体は、セルロースを構成単位として含有する化合物であり、例えば、セルロースの水酸基を脂肪酸又は硝酸等の酸によりエステル化したセルロースのエステル化物、該セルロースのエステル化物に重合性不飽和基を導入して得られる重合性不飽和基含有セルロースエステル化物を他の重合性不飽和化合物と反応してなるセルロース変性共重合体等を挙げることができる。
セルロースのエステル化物としては例えば、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート等が挙げられる。これらのうちセルロースアセテートブチレートが好適に使用できる。
セルロースアセテートブチレート(以下CABと略すことがある)は、セルロースの部分アセチル化物をさらにブチルエステル化して得られるものであり、具体的には、例えば、具体的には、例えば「CAB−381−0.5」、「CAB−381−0.1」、「CAB−381−2.0」、「CAB−381−20」、「CAB−551−0.2」、「CAB−551−0.01」、「CAB−553−0.4」、「CAB−531−1」、「CAB−500−5」、「CAB−321−0.1」、「Solus2100」、「Solus2300」(以上、米国イーストマン ケミカル社製、商品名)などの市販品が例示でき、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
バインダー樹脂成分(A)が、アクリル樹脂及びセルロース誘導体を共に含む場合、両者の使用割合としてはアクリル樹脂とセルロース誘導体合計質量100質量部を基準にしてアクリル樹脂が5〜95質量部、特に50を超えて70質量部の範囲内にすることが好ましい。
<有機溶剤(B)>
本発明のクリヤー塗料組成物に用いられる有機溶剤(B)としては、通常の塗料用溶剤を使用でき、具体的には、
酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸2エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル系有機溶剤;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、エチルアミルケトン、ジイソブイチルケトン、メチルヘキシルケトン、イソホロンなどのケトン系有機溶剤;
n−ブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−ペンタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、n−トリデカン、n−テトラデカン、n−ペンタデカン、n−ヘキサデカン、n−ヘプタデカン等の直鎖状アルカン;
2−メチルブタン、2,2−ジメチルプロパン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、2,2,3−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、3,4−ジエチルヘキサン、2,6−ジメチルオクタン、3,3−ジメチルオクタン、3,5−ジメチルオクタン、4,4−ジメチルオクタン、3−エチル−3−メチルヘプタン、2−メチルノナン、3−メチルノナン、4−メチルノナン、5−メチルノナン、2−メチルウンデカン、3−メチルウンデカン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン等の分岐状アルカン;
シクロペンタン、t−デカリン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、1,2−ジメチルシクロヘキサン、1,3−ジメチルシクロヘキサン、1,4−ジメチルシクロヘキサン、プロピルシクロヘキサン、イソプロピルシクロヘキサン、1,2−メチルエチルシクロヘキサン、1,3−メチルエチルシクロヘキサン、1,4−メチルエチルシクロヘキサン、1,2,3−トリメチルシクロヘキサン、1,2,4−トリメチルシクロヘキサンおよび1,3,5−トリメチルシクロヘキサン等の環状アルカン等の脂肪族炭化水素系有機溶剤;
トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素系有機溶剤;
ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノtert−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノtert−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル等のエーテル系有機溶剤、メタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、セカンダリーブタノール、イソブタノール、n−ブタノール、2−エチルヘキサノール、n−オクタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系有機溶剤を挙げることができる。
本発明では、調色用試験塗板の仕上がり性、特に光輝性顔料の配向性の観点から、有機溶剤(B)中に占めるエステル系有機溶剤の含有量が70%以上にあるものであり、特に80%以上であることが好ましい。
また、調色用試験塗板の乾燥性の観点から、有機溶剤(B)中に占める第1石油類と第2石油類の合計量が90質量%以上であることが適しており、特に第1石油類と第2石油類の合計量100質量部に占める第1石油類の量が10〜95質量部、30〜80質量部の範囲内にあると尚よい。
第1石油類とは、消防法に規定されている第4類の第1石油類に属する有機溶剤であり、1気圧における引火点が21℃未満の有機溶剤であり、第2石油類は引火点が21℃以上70℃未満の有機溶剤をいう。
上記有機溶剤(B)は、バインダー樹脂(A)における重合溶媒、希釈溶媒として、或いはクリヤー塗料組成物製造における希釈用として配合することができる。
<クリヤー塗料組成物>
本発明のクリヤー塗料組成物は、不揮発分濃度が10質量%以上にあり、好ましくは10〜70質量%、特に15〜35質量%の範囲内にあることが好ましい。
本発明ではクリヤー塗料組成物の不揮発分濃度が10質量%以上にあることによって、特に調色が難しいとされているメタリック色の調色用試験塗板の色調、光沢、顔料配向性が良好であり、測色を正確に行うことができるものである。
本明細書において不揮発分濃度とはクリヤー塗料組成物全量に占める不揮発性物質の質量割合(%)である。不揮発性物質としては、樹脂バインダー(A)及び必要に応じて配合される添加剤などを挙げることができる。不揮発分濃度は、例えば、試料3グラムを105℃の乾燥機の中に3時間静置して乾燥させ、乾燥後の試料の質量を乾燥前の試料の質量で除することによって測定することができる。
不揮発性物質中に含まれるバインダー樹脂成分(A)の量としては、70質量%以上であることが好ましく、80〜95質量%であることが更に好ましい。
上記添加剤としては、可塑剤、表面調整剤、レオロジーコントロール剤、表面調整剤等を使用できる。
これらのうち可塑剤としては、バインダー樹脂成分(A)との相溶性が良好であり、メタリック色の調色塗膜上に塗装した場合においても、顔料配向性に優れた調色用試験塗板が得られることから液状エステル系可塑剤がよい。液状エステル系可塑剤としては、25℃で液状であり、重量平均分子量が、500以上で且つ10,000未満の範囲内にあり、好ましくは800〜5,000の範囲内の樹脂を挙げることができる。
液状エステル系可塑剤の具体例としては、ポリエステル系可塑剤、アクリル系可塑剤等が挙げられ、単独で使用してもよいし組み合わせて使用してもよい。
液状エステル系可塑剤を使用する場合は、バインダー樹脂成分(A)100質量部を基準にして25質量部以下、好ましくは5〜20質量部の範囲内にするとよい。
表面調整剤としては、例えばシリコーン系表面調整剤、フッ素系表面調整剤、アクリル系表面調整剤等が挙げられ、単独で使用してもよいし組み合わせて使用してもよい。表面調整剤の量としてはバインダー樹脂成分(A)100質量部を基準として3.0質量部以下、好ましくは0.05〜1.5質量部の範囲内が適当である。
また、本発明においては、クリヤー塗料組成物から形成される塗膜がゲル分率が出ないものであるか、もしくはゲル分率が10%以下にあるものである。ゲル分率が10%以下となるクリヤー塗膜を形成するようなクリヤー塗料組成物をトップコートとして用いることによって、メタリック色のような調色が難しいとされている色であっても、仕上がり性に優れた調色用試験塗板の作成と測色を容易に短時間で行うことが出来、調色工程に要する全体の時間を削減することに繋がるという効果がある。
ゲル分率とは、一般には塗膜の硬化性を表すものであるが、本明細書では溶剤抽出残分を意味し、次のようにして測定するものとする。
ポリプロピレン板に、クリヤー塗料組成物を乾燥膜厚が30μmとなるようにアプリケーターを用いて塗装し、60℃で5分間乾燥させ、ポリプロピレン板から塗膜を剥離し、金網の中に入れ、質量を測定する。この塗膜入り金網をアセトン溶剤中に1日放置した後、超音波装置で1時間程、振動させ、溶解させる。
その後、残存塗膜入り金網を取り出し、105℃×1時間で乾燥後、質量を測定し、以下の式により算出するものとする。
ゲル分率(%)=残存塗膜入り金網の質量×100/塗膜入り金網の質量
本発明において、ゲル分率を上述の範囲内とするには、クリヤー塗料組成物中に硬化剤をできる限り少なく含むことが必要であり、好ましくは含まないことが必要である。特にクリヤー塗料組成物が硬化剤を含まない場合、本発明クリヤー塗料組成物の塗料形態を1液型とすることができ、調色用試験塗板の作成、測色を行う時間の短縮化に加えて、主剤と硬化剤を計量混合する手間も省くことが可能となる。
本発明における硬化剤とは、バインダー樹脂成分(A)に含まれる官能基と反応可能な官能基を分子中に少なくとも2個有する化合物であり、具体例としては、ポリイソシアネート化合物、メラミン化合物等の化合物を挙げることができる。
上記本発明のクリヤー塗料組成物を収容するための容器としては、材質、形状など特に制限はなく従来公知のものを使用できるが、エアゾール缶内に収容されると調色用試験塗板の作成を簡便に行うことができ、便利である。
<調色方法>
本発明方法は、試験用基材に、調色塗料を塗装する工程、前記工程で得られた調色塗膜の上に上記クリヤー塗料組成物を塗装する工程、該調色塗膜を、前記工程で得られたクリヤー塗膜を介して測色計にて測色する工程を含む、調色方法、である。
<試験用基材>
本発明方法で用いる試験用基材としては、基板としては、調色用試験塗板を作成するのに使用されうる被塗物であれば特に制限なく使用でき、金属板、紙、プラスチックフィルムなどを使用することができる。
調色用試験塗板の大きさとしては1辺の長さが5〜20cm程度であることが一般的である。
<調色塗料>
本発明における調色塗料は、着色顔料及び光輝性顔料(アルミニウム粉、光輝性マイカ粉、光輝性グラファイト、金粉、銅粉など)のうちの少なくとも1種を含有する塗料であり、複数の原色塗料を含む原材料を混合して目標色に色合わせした塗料をいう。調色塗料の原材料としては、原色塗料以外に、着色顔料ペースト、光輝性顔料ペースト、艶調整剤および添加剤等を挙げることができる。
調色塗料の配合組成となる原色塗料の種類や比率は、公知の調色方法、例えば目測調色法、計量調色法、コンピューター調色法により求めることが可能であるが、目標色がメタリック塗色、真珠光沢調である場合など複雑な色の場合は、コンピューター調色法を用いることが望ましい。
<調色用試験塗板の作成>
本発明では試験用基材に上記調色塗料を隠蔽膜厚以上の膜厚となるように塗装する。
調色塗料塗装後は常温で放置しておいてもよいが、場合によっては熱風を当てて強制的に乾燥させてもよい。そして得られた調色塗膜の上に、本発明クリヤー塗料組成物を塗装する。クリヤー塗料組成物の乾燥膜厚としては10〜80μm、特に20〜60μm程度であることが好適であり、塗膜の乾燥条件、即ち塗膜に含まれる溶剤などを揮発させる条件としては、雰囲気温度を20〜80℃で、2〜5分間が好ましい。このようにして調色塗膜の上にクリヤー塗膜を塗り重ねてなる調色用試験塗板が完成する。
<調色用試験塗板の測色方法>
次に、調色塗膜の色データを得るために、調色用試験塗板をクリヤー塗膜側から、つまりクリヤー塗膜を介して調色塗膜を測色計にて測色する。
測色計としては、メタリック塗装やパールカラー塗装の色彩を測定し、色データを取得することができる計測器であれば、測定原理、測定値から色データに導くまでの計算方法などに特に制限はなく、従来公知のものを使用することができる。特に、被測色物の表面を照射する照射光源を備えていることが好ましく、単角度測色計、多角度測色計、ミクロ光輝感測定器などを挙げることができる。
<補修対象物>
補修対象物を目標色とした場合は、補修対象物を測色計にて測色して目標色の色データを取得することができる。補修対象物としては、塗料による塗膜が設けられたものであればよく、具体例としては自動車、トラック、オートバイ、電車、モノレール等の車両や工業製品などを挙げることができる。塗膜としては単層であっても複層であってもよいが、特にメタリック色、真珠光沢色などの光輝性顔料含有塗膜の上にクリヤー塗膜が設けられた複層塗膜である場合に本発明の効果を最大限に発揮することができる。
補修対象物を測色計にて測色することによって得られた色データを、調色塗料用原材料の色データと該色データに基づいた色あわせロジックが登録されたコンピューターに入力することで、原色塗料などの原材料の配合比率を取得する。
このようにして得られた配合比率に基づいて、補修対象物を目標色とする第1の調色塗料を作成することができる。
<調色塗料の配合比率修正>
補修対象物を測色することによって得た第1の調色塗料と本発明クリヤー塗料組成物を用いて作成した調色用試験塗板が不合格となった場合は第1の調色塗料の配合比率の微調整が必要である。
合否の判定は、補修対象物と調色用試験塗板を人間の目で対比して行ってもよいし、両者を測色計などの機器で測定し、測定結果の差を以って判断してもよいし、人間の目による判断と機器による測定を組み合わせて行ってもよい。
修正用に2回目に作成する第2の調色塗料のための配合比率は、目標色となる補修対象物の色データと、第1の調色塗料と本発明クリヤー塗料組成物を用いて作成した調色用試験塗板を測色して得られた色データをコンピューターに入力し、演算することによって取得することができる。
本発明において、2回目以降に作成した調色用試験塗板が不合格となった場合、第2の調色塗料用の配合比率を取得した方法と同様の手順にて、試験塗板が合格になるまで修正用の調色塗料を作成、調色用試験塗板の作成、測色、配合比率演算を繰り返し行う。
上記本発明のクリヤー塗料組成物による塗膜が設けられた調色用試験塗板は短時間に作成でき、かつ精度よく調色塗膜の色を測色することができ、ターゲット色に至るまでの調色回数を少なくすることができる。また、本発明のクリヤー塗料組成物は調色用試験塗板専用に用いられるものであるが、調色塗料を塗装しセッティング後、本発明とは異なる、ゲル分率が10%を超えるようなクリヤー塗料組成物を塗装し乾燥させて得た複層塗膜の塗色と良好な色一致性を示すことができる。従って、塗装作業者は調色塗料調製時には本発明のクリヤー塗料組成物を、実際の塗装のトップコートには本発明とは異なるクリヤー塗料組成物を別々に使い分けることによって、塗装に要する労力を結果的に大幅に削減することができる。
<クリヤー塗料組成物の製造>
実施例1〜3及び比較例1〜3
下記表1の配合組成にてクリヤー塗料組成物(A−1)〜(A−6)を作成した。尚、表1においてバインダ樹脂成分の表記は不揮発分表示である。
Figure 2019123802
<クリヤー塗料組成物の評価試験>
(*)ゲル分率:明細書記載の方法にて測定した。
(*)乾燥時間:鋼板に、クリヤー塗料組成物(A−1)〜(A−6)を乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装し、60℃雰囲気下で静置し、指で触って塗膜が指につかなくなるまでの時間(指蝕乾燥時間)を測定した。時間が短いほど良好である。
<各クリヤー塗料組成物を用いた調色作業性評価>
以下の手順にて実施例1〜3及び比較例1〜3のクリヤー塗料組成物を調色用試験塗板のトップコートとして用い、シルバーメタリック色の自動車車体色(車体パーツ(A)と記する)をターゲットとしたコンピューター調色法を2回実施した。
各クリヤー塗料組成物の調色クリヤーとしての乾燥性と、2回目のコンピューター調色法により得られた調色用試験塗板2の目視評価の結果を以って、各クリヤー塗料組成物を用いた調色作業性を評価した。
<原材料及び使用したコンピューターカラーマッチングシステム>
調色塗料の原材料には関西ペイント社製「レタンPGハイブリッドエコ」の原色を使用した。
ターゲットである車体パーツ(A)、第1回及び第2回のコンピューター調色により得られる調色用試験塗板1、及び2の測定は、関西ペイント社製の多角度測色計「AIカラーセンサー」を用いて、鏡面反射軸と受光軸のなす角度が25度、45度、75度の3角度条件で測定した。測色値は自動的に、関西ペイント(株)製「AIカラーナビ」に取込まれ、過去に作成した塗色の配合と測色値が搭載されたデータベースより近似色検索を行うものである。つまり関西ペイント(株)製「AIカラーナビ」に搭載されている複数の原色塗料の色特性が登録されているデータベースを利用した色合わせ計算ロジックを作動させて調色を行った。
実施例4
まず、ターゲットである車体パーツ(A)を「AIカラーセンサー」を用いて、25°、45°及び75°の3角度条件にて測色を行った。その結果は下記表1に示すとおりであった。
Figure 2019123802
次に、自動的に関西ペイント(株)製の多角度測色計「AIカラーセンサー」から取込まれた表2の測色値を関西ペイント(株)製「AIカラーナビ」を用いて、近似配合を検索し、色合わせ計算ロジックを作動させて表3のとおり、第1回目の調色候補配合を取得した。
Figure 2019123802
表3記載のシルバーメタリック塗色の塗料(1)を大きさが10cm×10cmの基板(ブリキ板)上に乾燥膜厚が約20μmとなるようにスプレー塗装を行った。20℃で5分間放置して指触乾燥させた後、実施例1のクリヤー塗料組成物(A−1)をスプレーにより乾燥膜厚が30μmとなるように塗装し、試験塗板と測色計が接触できるように60℃で指蝕乾燥するまで乾燥させ、第1回調色試験塗板を得た。
上記の第1回調色用試験塗板について、関西ペイント(株)製の多角度測色計「AIカラーシステム」を用いて、25°、45°及び75°の3角度条件にて測色を行った。その結果を下記表4に示す。
Figure 2019123802
表4の測色値に基づき、関西ペイント(株)社製「AIカラーナビ」を用いて、色合わせ計算ロジックを再度作動させ、第2回の調色候補配合を取得した。第2回の調色配合表は省略するが第1回の調色配合表の修正配合である。
次に前記第2回の調色候補配合に基づき作成したシルバーメタリック塗色の塗料(2)を大きさが10cm×10cmの基板(ブリキ板)上に乾燥膜厚が約20μmとなるようにスプレー塗装を行った。20℃で5分間放置して指触乾燥させた後、実施例1のクリヤー塗料組成物(A−1)をスプレーにより乾燥膜厚が30μmとなるように塗装し、60℃で指蝕乾燥するまで乾燥させ、第2回調色試験塗板を得た。
前記の第2回調色試験塗板について、関西ペイント(株)製の多角度測色計「AIカラーセンサー」を用いて、25°、45°及び75°の3角度条件にて測色を行った。その結果は下記表5に示すとおりであった。
Figure 2019123802
実施例5〜6、及び比較例4〜6
クリヤー塗料組成物(A−2)〜(A−6)を調色試験塗板のトップコートとして用いる以外は上記実施例4と同様の手順にして、車体パーツ(A)をターゲットとした第1回調色候補配合及び第2回調色候補配合を入手し、第1回調色試験塗板、第2回の調色試験塗板を作成した。
<評価試験>
(*) 乾燥性
調色用試験塗板に使用するクリヤー塗料組成物としての乾燥性を、下記基準にて評価した。
◎:クリヤー塗料塗装後、すぐに測色計で測色することができ、乾燥性非常に良好。
○:クリヤー塗料塗装後、測色計で測色できるまでにやや時間を要し、乾燥性良好。
△:クリヤー塗料塗装後、測色計で測色できるまでに要する時間が長いので、乾燥性やや不良。
×:クリヤー塗料塗装後、測色計で測色できるまでに要する時間が極めて長いので、乾燥性不良。
(*) 目視評価
第2回調色試験塗板をターゲット色である車体パーツ(A)に近づけて比較し、下記基準にて目視評価を行った。
(*)色調
◎:色調が良好に一致している、
○:色調にわずかな差が認められるが実用レベル、
△:色調に明らかな差が認められる、
×:色調の差が極めて目立つ。
(*)光沢
◎:光沢が良好に一致している、
○:光沢にわずかな差が認められるが実用レベル、
△:光沢に明らかな差が認められる、
×:光沢の差が極めて目立つ。
(*)光輝性顔料配向性
◎:光輝性顔料配向性が良好に一致している、
○:光輝性顔料配向性にわずかな差が認められるが実用レベル、
△:光輝性顔料配向性に明らかな差が認められる、
×:光輝性顔料配向性の差が極めて目立つ。
Figure 2019123802
Figure 2019123802

Claims (9)

  1. 複数の原色塗料を含む原材料を混合して目標色に色合わせした調色塗料の配合の合否を判定するために試験的に作成する調色用試験塗板のトップコートに用いられるクリヤー塗料組成物であって、
    該クリヤー塗料組成物が、バインダー樹脂成分(A)及び有機溶剤(B)を含み、有機溶剤(B)中に占めるエステル系有機溶剤の量が70質量%以上であり、
    不揮発分濃度が10%以上、形成塗膜のゲル分率が10%以下である、調色用試験塗板のためのクリヤー塗料組成物。
  2. バインダー樹脂成分(A)が、アクリル樹脂及びセルロース誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む、請求項1記載のクリヤー塗料組成物。
  3. 有機溶剤(B)中に占める第1石油類及び第2石油類の合計量が90質量%以上である請求項1または2記載のクリヤー塗料組成物。
  4. 硬化剤を含まない請求項1ないし3のいずれか1項に記載のクリヤー塗料組成物。
  5. 1液型である請求項1ないし4のいずれか1項に記載のクリヤー塗料組成物。
  6. エアゾール缶内に収容される請求項1ないし5のいずれか1項に記載のクリヤー塗料組成物。
  7. 試験用基材に、調色塗料を塗装する工程、前記工程で得られた調色塗膜の上に請求項1ないし6のいずれか1項に記載のクリヤー塗料組成物を塗装する工程、該調色塗膜を、前記工程で得られたクリヤー塗膜を介して測色計にて測色する工程を含む、調色方法。
  8. 目標色となる補修対象物を測色計にて測色して目標色の色データを取得する工程(1)、工程(1)で取得した色データに基づいて、調色塗料用原材料の色データと該色データに基づいた色あわせロジックが登録されたコンピューターにより原材料の配合比率を演算する工程(2)、工程(2)で得られた原材料の配合比率に基づいて調色塗料を作成する請求項7に記載の調色方法。
  9. 補修対象物を測色計にて測色して目標色の色データを取得する工程(1)、
    工程(1)で取得した色データに基づいて、調色塗料用原材料の色データと該色データに基づいた色あわせロジックが登録されたコンピューターにより原材料の配合比率を演算する工程(2)、
    工程(2)で得られた原材料の配合比率に基づいて第1の調色塗料を作成する工程(3)、
    試験用基材に、工程(3)で得られた第1の調色塗料を塗装し、調色塗膜を形成する工程(4)、
    工程(4)で得られた調色塗膜の上に請求項1ないし6のいずれか1項に記載のクリヤー塗料組成物を塗装する工程(5)、
    工程(4)で得られた調色塗膜を、工程(5)で得られたクリヤー塗膜を介して測色計にて測色する工程(6)、
    工程(1)及び工程(6)で取得した色データに基づいて、コンピューターにより修正用の調色塗料のための配合比率を演算する工程(7)を含み、
    工程(5)で得られた試験塗板が合格になるまで、調色塗料作成工程、調色塗膜形成工程、調色塗膜の上に請求項1ないし6のいずれか1項に記載のクリヤー塗料組成物を塗装する工程、コンピューターによる修正用の調色塗料のための配合比率を演算する工程を繰り返し行う、調色方法。
JP2018005180A 2018-01-16 2018-01-16 調色試験塗板用クリヤー塗料組成物、及びこれを用いた調色方法 Active JP7001322B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018005180A JP7001322B2 (ja) 2018-01-16 2018-01-16 調色試験塗板用クリヤー塗料組成物、及びこれを用いた調色方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018005180A JP7001322B2 (ja) 2018-01-16 2018-01-16 調色試験塗板用クリヤー塗料組成物、及びこれを用いた調色方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019123802A true JP2019123802A (ja) 2019-07-25
JP7001322B2 JP7001322B2 (ja) 2022-01-19

Family

ID=67397951

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018005180A Active JP7001322B2 (ja) 2018-01-16 2018-01-16 調色試験塗板用クリヤー塗料組成物、及びこれを用いた調色方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7001322B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60199086A (ja) * 1984-03-23 1985-10-08 Nitto Electric Ind Co Ltd エアゾ−ル型感圧性接着剤組成物
JPS62244473A (ja) * 1986-04-17 1987-10-24 Kansai Paint Co Ltd 複層塗膜形成方法
JPH09134991A (ja) * 1995-11-07 1997-05-20 Soken Chem & Eng Co Ltd リードフレームメッキマスキング用粘着テープ
JPH10202186A (ja) * 1997-01-17 1998-08-04 Nippon Paint Co Ltd 光輝性塗膜の欠陥を補修する方法
JP2001174333A (ja) * 1999-12-22 2001-06-29 Kansai Paint Co Ltd 複層塗膜の補修塗装方法
JP2001221690A (ja) * 2000-02-04 2001-08-17 Kansai Paint Co Ltd コンピュータ調色装置及びこの装置を用いた塗料の調色方法
JP2002113419A (ja) * 2000-10-11 2002-04-16 Nippon Paint Co Ltd メタリック塗膜の補修方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60199086A (ja) * 1984-03-23 1985-10-08 Nitto Electric Ind Co Ltd エアゾ−ル型感圧性接着剤組成物
JPS62244473A (ja) * 1986-04-17 1987-10-24 Kansai Paint Co Ltd 複層塗膜形成方法
JPH09134991A (ja) * 1995-11-07 1997-05-20 Soken Chem & Eng Co Ltd リードフレームメッキマスキング用粘着テープ
JPH10202186A (ja) * 1997-01-17 1998-08-04 Nippon Paint Co Ltd 光輝性塗膜の欠陥を補修する方法
JP2001174333A (ja) * 1999-12-22 2001-06-29 Kansai Paint Co Ltd 複層塗膜の補修塗装方法
JP2001221690A (ja) * 2000-02-04 2001-08-17 Kansai Paint Co Ltd コンピュータ調色装置及びこの装置を用いた塗料の調色方法
JP2002113419A (ja) * 2000-10-11 2002-04-16 Nippon Paint Co Ltd メタリック塗膜の補修方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7001322B2 (ja) 2022-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU743304B2 (en) Process for producing scratch resistant coatings and its use, in particular for producing multilayered coats of enamel
CN106459301B (zh) 用于水性涂料组合物的粘合增进剂
JP4836542B2 (ja) 塗料組成物
JP5674592B2 (ja) 多成分系のベースコート塗料、調色方法及び補修塗装方法
EP2886565B1 (en) Aqueous bicomponent baking type automobile finishing varnish with improved acid etching resistance and preparation method thereof
CN108368244A (zh) 羧基官能的聚醚基反应产物和包含所述反应产物的水性底涂料
JP6443883B2 (ja) 多成分型有機溶剤系の下塗り塗料組成物及びこれを用いた補修塗装方法
JP2020111723A (ja) 水性多液型ポリウレタン塗料組成物
JP2017082197A (ja) 有機溶剤系下塗り塗料組成物
WO2023203867A1 (ja) 水性多液型ポリウレタン塗料組成物
JP6150293B2 (ja) クリヤー塗料組成物及びこれを用いた補修塗装方法
JP7001322B2 (ja) 調色試験塗板用クリヤー塗料組成物、及びこれを用いた調色方法
JPH06102769B2 (ja) 被覆用組成物、支持体上に保護的および/または装飾的多層被覆を製造する方法および前記被覆の施された支持体
KR102213401B1 (ko) 프라이머 및 탑 코트로 이루어진 코팅을 생성하는 방법
CN108299937A (zh) 混层控制剂
CN105750178B (zh) 抗划伤性漆膜的点状修补方法
JPH0138824B2 (ja)
KR102188899B1 (ko) 프라이머 및 탑 코트로 이루어진 코팅 물질 조합물
CN110036076A (zh) 用于面漆的具有丙烯酸系树脂和三聚氰胺树脂作为主要树脂的漆料组合物
JP2002020694A (ja) カラープライマー及びこれを用いた補修塗装方法
JPH0331382A (ja) 被覆材料、被覆物の製造方法および被覆された基体
JP5979766B2 (ja) 多成分型有機溶剤系の下塗り用塗料組成物及びこれを用いた補修塗装方法
KR20190110742A (ko) 자동차 보수용 고점도 프라이머-서페이서 도료 조성물 및 이를 사용한 자동차 보수 방법
JP5053508B2 (ja) 被覆用樹脂組成物
JP2009155396A (ja) クリヤー塗料組成物及び複層塗膜形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200910

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210507

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210428

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210705

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211223

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211223

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7001322

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150