JP4580543B2 - 易開封包装袋 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、側端の折目部に形成された傷痕群の箇所から引き裂いて簡単に開封することのできるピロータイプ袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、合掌熱接着部と直角方向に引き裂いて開封することのできるピロータイプ袋としては、例えば、実公平6−47783号公報に記載されているような、包装袋用ラミネートフィルムからなるピロータイプ袋において、開封のために切る方向に対して山折りした折り曲げ部に位置する表面側プラスチックフィルムに開封用粗面が形成されるとともに、外側に突出した端部の切る方向に対して山折りした折り曲げ部に位置する表面側プラスチックフィルムに開封用粗面が形成された構成の易開封包装袋が知られている。しかしながら、この構成の包装袋においては、開封のために切る方向に対して山折りした折り曲げ部及び外側に突出した端部の切る方向に対して山折りした折り曲げ部において、包装袋の全長にわたって表面側プラスチックフィルムに開封用粗面が形成されており、開封用粗面の形成された面積が大きくなるため、包装袋用ラミネートフィルムがガスバリヤー性の基材層と熱接着性樹脂層からなる構成の包装袋の場合には、包装袋のガスバリヤー性が低下するという欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、側端の折目部に形成された傷痕群の箇所から積層フィルムを引き裂いて簡単に開封でき、且つ袋のガスバリヤー性が低下しない易開封包装袋を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
基材層と熱接着性樹脂層とを有する積層フィルムからなり合掌熱接着部と端縁熱接着部により形成されたピロータイプ袋において、一方の側端の折目部の端縁熱接着部の近傍の領域に積層フィルムの基材層を貫通する折目部傷痕群が形成され、前記折目部傷痕群から前記合掌熱接着部と直角方向に延びる線上にあって、前記合掌熱接着部の内端より前記折目部傷痕群側の領域における前記ピロータイプ袋の前面及び背面の積層フィルムにそれぞれ基材層を貫通する中央部傷痕群が形成された構成からなり、折目部傷痕群から合掌熱接着部と直角方向に中央部傷痕群まで積層フィルムを引き裂き、次いで中央部傷痕群から端縁熱接着部の方向に引き裂くことにより、ピロータイプ袋の端縁熱接着部の折目部傷痕群がある側の角部を角状に切り取って開口を形成する構成とすることより、折目部傷痕群が形成された箇所から合掌熱接着部と直角方向にピロータイプ袋を引き裂いて袋の巾方向に部分的に開封することができる。この包装袋の場合、傷痕群を形成する面積が狭く且つ積層フィルムの基材層を貫通し熱接着性樹脂層を貫通しない傷痕群であるため包装袋のガスバリヤー性の低下を小さくできるとともに、ピンホールが発生しにくく外観が悪くならない易開封包装袋とすることができる。また、包装袋の端縁熱接着部の近傍を袋の巾方向の部分的に引き裂いて開封することができるので、スティック状のスナック食品等を包装に使用すると簡単に内容物を取り出すことができる。
【0005】
また、折目部傷痕群から合掌熱接着部と直角方向に延びる線上にあって、合掌熱接着部の内端より折目部傷痕群側の領域においてピロータイプ袋の前面及び背面の積層フィルムにそれぞれ基材層を貫通する中央部傷痕群が形成された構成からなり、折目部傷痕群から合掌熱接着部と直角方向に中央部傷痕群まで積層フィルムを引き裂き、次いで中央部傷痕群から端縁熱接着部の方向に引き裂くことにより、ピロータイプ袋の端縁熱接着部の折目部傷痕群がある側の角部を角状に切り取って開口を形成することにより、その開口から内容物を簡単に取り出すことができる。
【0006】
上記の易開封包装袋において、傷痕群を形成する傷痕が引裂き方向に伸びる直線状である構成とすることにより、傷痕群が形成された領域から容易に積層フィルムを引裂くことができる。
【0007】
上記の易開封包装袋において、折目部傷痕群を形成する傷痕が引き裂き方向に略平行な直線状であり、前記中央部傷痕群を形成する傷痕が引裂方向と一定の角度をなす斜め直線状である構成からなることを特徴とするものである
【0008】
上記の易開封包装袋において、基材層が、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートと、金属蒸着層又は金属酸化物蒸着層を有する2軸延伸ポリエチレンテレフタレート又は2軸延伸ポリプロピレンとの積層体からなり、熱接着性樹脂層が、熱溶融押出しされたポリプロピレン又はポリエチレンからなる構成とすることにより、スナック食品等を包装するためのガスバリヤー性および開封性の優れたピロータイプの易開封包装袋とすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を引用して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の第1実施形態を示す平面図、図2は図1のI−I拡大断面図、図3は本発明の第2実施形態を示す平面図、図4は図3におけるI−I拡大断面図、図5は本発明の第3実施形態を示す平面図、図6は図5におけるI−I拡大断面図、図7は実施形態の傷痕の形状を示す拡大平面図であり、1は合掌熱接着部、2a, 2bは端縁熱接着部、3aは折目部傷痕群、3b, 3cは中央部傷痕群、4,4'は傷痕、10は積層フィルム、11は基材層、12は熱接着性樹脂層を表す。
【0010】
本発明の第1実施形態は図1、2に示すとおりである。平面形状は、図1に示すとおり、基材層11と熱接着性樹脂層12を有する積層フィルム10からなり、合掌熱接着部1と端縁熱接着部2a,2b により形成されるピロータイプ袋であって、端縁熱接着部2aの近傍における一方の折目部の所定領域に折目部傷痕群3aが形成された構成である。第1実施形態における折目部傷痕群3aを形成する位置は端縁熱接着部2aの内端から10〜20mm内側の位置に、13〜20mm角程度の大きさで形成するのが好ましい。
【0011】
第1実施形態の折目部傷痕群3aが形成された部分の合掌熱接着部1に直角方向の断面は、図2に示すとおりであり、一方の折目部の所定領域に積層フィルム10の基材層11を貫通する状態で折目部傷痕群3aが形成されている。第1実施形態では、折目部傷痕群3aの箇所から合掌熱接着部1に直角方向に合掌熱接着部1の内端の近傍まで積層フィルム10を引き裂いて、ピロータイプ袋の巾方向の略半分だけ開封することができるので、開封した部分から棒状の内容物等を簡単に取り出すことができる。
【0012】
本発明の第2実施形態は図3、4に示すとおりである。平面形状は、図3に示すとおり、基材層11と熱接着性樹脂層12を有する積層フィルム10からなり、合掌熱接着部1と端縁熱接着部2a,2b により形成されるピロータイプ袋であって、端縁熱接着部2aの近傍における一方の折目部の所定領域に折目部傷痕群3aが形成されるとともに、折目部傷痕群3aから合掌熱接着部1と直角方向に延びる線上にあって合掌熱接着部1の内端よりも折目部傷痕群3a側の領域に中央部傷痕群3bが形成された構成である。中央部傷痕群3bを形成する位置は合掌熱接着部1の内端に隣接する位置に13〜20mm角程度の大きさで形成するのが好ましい。
【0013】
折目部傷痕群3a及び中央部傷痕群3bが形成された部分の合掌熱接着部1に直角方向の断面は、図4に示すとおりであり、一方の折目部の所定領域に積層フィルム10の基材層11を貫通する状態で折目部傷痕群3aが形成されるとともに、合掌熱接着部1の内端より折目部傷痕群3a側の位置にピロータイプ袋の前面及び背面を形成する積層フィルム10にそれぞれ基材層11を貫通する中央部傷痕群3bが形成されている。第2実施形態では、折目部傷痕群3aの箇所から合掌熱接着部1に直角方向に中央部傷痕群3bの箇所まで積層フィルム10を引き裂き、次いで中央部傷痕群3bの箇所から端縁熱接着部2aの方向に引き裂くことにより、ピロータイプ袋の端縁熱接着部2aの折目部傷痕群3aがある側の角部を角状に切り取って開口を形成することができるので、形成さた開口から棒状の内容物等を簡単に取り出すことができる。
【0014】
本発明の第3実施形態は図5、6に示すとおりである。平面形状は、図5に示すとおり、基材層11と熱接着性樹脂層12を有する積層フィルム10からなり、合掌熱接着部1と端縁熱接着部2a,2b により形成されるピロータイプ袋であって、端縁熱接着部2aの近傍における一方の折目部の所定領域に傷痕群3aが形成されるとともに、折目部傷痕群3aから合掌熱接着部1と直角方向に延びる線上にあって合掌熱接着部1の内端を跨ぐ領域に中央部傷痕群3cが形成された構成である。中央部傷痕群3cを形成する位置は合掌熱接着部の内端を跨ぐ位置に13〜20mm角程度の大きさで形成するのが好ましい。
【0015】
折目部傷痕群3a及び中央部傷痕群3cが形成された部分の合掌熱接着部1に直角方向の断面は、図6に示すとおりであり、一方の折目部の所定領域において積層フィルム10の基材層11を貫通する状態で傷痕群3aが形成されるとともに、合掌熱接着部1の内端を跨ぐ領域に、折目部傷痕群3aが形成された折目から離れた方の積層フィルム10の基材層11に中央部傷痕群3cが形成されている。第3実施形態では、折目部傷痕群3aの箇所から合掌熱接着部1に直角方向に中央部傷痕群3bの箇所まで積層フィルム10を引き裂き、次いで中央部傷痕群3bの箇所から合掌熱接着部1に直角方向に引き裂いて、端縁熱接着部2aが形成されたピロータイプ袋の端部を切り取って袋の全巾に開口を形成することができるので、形成された開口から棒状の内容物等を簡単に取り出すことができる。
【0016】
第1〜第3実施形態において、折目部傷痕群3a及び中央部傷痕群3b,3c の形成する面積が小さく且つ積層フィルムの基材層11を貫通する状態で形成されているので、ガスバリヤー性の基材層11と熱接着性樹脂層12からなる構成の積層フィルム10の場合でも、ピロータイプ袋のガスバリヤー性の低下を最小限に抑えることができる。なお、積層フィルム10の基材層11に貫通する折目部傷痕群3a及び中央部傷痕群3b,3c を形成するには、基材層11に貫通する傷痕群3a及び傷痕群3b,3c を形成した後に熱接着性樹脂層12を積層することにより行うことができる。
【0017】
第1〜第3実施形態における折目部傷痕群3a及び中央部傷痕群3b,3c を構成する傷痕4の形状は図7(イ)、(ロ)に示すとおりである。図7(イ)は傷痕4が引裂方向に平行な直線状に形成されている形状であり、図7(ロ)は傷痕4'が引裂方向と一定の角度をなす斜め直線状に形成されている形状である。傷痕4,4'の長さ及び形成される間隔としては、0.6〜1.0mm程度とするのが好ましい。上記の形状の傷痕4,4'からなる傷痕群を形成することにより、開封する方向に簡単に積層フィルム10を引き裂いてピロータイプ袋を開封できる。
【0018】
第1〜第2実施形態のように、端縁熱接着部の近傍においてピロータイプ袋の巾方向に部分的に引き裂いて開封するか、ないしは第3実施形態のように端縁熱接着部の近傍においてピロータイプ袋の全巾にわたって引き裂いて開封することより、スティック状のスナック菓子等を包装する袋に使用した場合には、端縁熱接着部の近傍にて開口を形成することができるので、包装された内容物を簡単に取り出すことができきわめて便利である。
【0019】
積層フィルム10の基材層11としては、アルミニウム蒸着層又はシリカ蒸着層を有する2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(VMPET)、アルミニウム蒸着層又はシリカ蒸着層を有する2軸延伸ポリプロピレン(VMOPP)、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)等の単体ないしはそれらの積層体が使用できる。熱接着性樹脂層12としては、低密度ポリエチレン(PE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリプロピレン(CPP)等が使用できる。積層フィルム10の構成としては、PET12μm/ドライラミネーション(DL)/VMPET12μm/CPP20μm、PET12μm/DL/VMOPP15μm/CPP20μm、PET12μm/DL/VMPET12μm/ポリエチレン(PE)20μm、PET12μm/DL/VMOPP15μm/PE20μm等である。上記の積層フィルムにおいて、下線を付した層に傷痕群が形成される。内面のPP又はPEは熱溶融押出しにより形成される。包装袋の絵柄は外側のPETフィルムの内面に印刷により形成される。
【0020】
【発明の効果】
基材層と熱接着性樹脂層とを有する積層フィルムからなり合掌熱接着部と端縁熱接着部により形成されたピロータイプ袋において、一方の側端の折目部の端縁熱接着部の近傍の領域に積層フィルムの基材層を貫通する折目部傷痕群が形成された構成とすることより、折目部傷痕群が形成された箇所から合掌熱接着部と直角方向にピロータイプ袋を引き裂いて袋の巾方向に部分的に簡単に開封することができる。この包装袋の場合、傷痕群を形成する面積が狭く且つ積層フィルムの基材層を貫通し、熱接着性樹脂層を貫通しない傷痕群であるため包装袋のガスバリヤー性の低下を小さくできるとともに、ピンホールが発生しにくく外観が悪くならない易開封包装袋とすることができる。また、包装袋の端縁熱接着部の近傍を袋の巾方向に部分的に引き裂いて開封することができるので、スティック状のスナック食品等を包装に使用すると簡単に内容物を取り出すことができる。
【0021】
また、折目部傷痕群から合掌熱接着部と直角方向に延びる線上にあって、合掌熱接着部の内端より折目部傷痕群側の領域においてピロータイプ袋の前面及び背面の積層フィルムにそれぞれ基材層を貫通する中央部傷痕群が形成された構成とすることにより、折目部傷痕群が形成された箇所から中央部傷痕群が形成された箇所まで合掌熱接着部と直角方向に積層フィルムを引き裂き、次いで中央部傷痕群の箇所から端縁熱接着部の方向に引き裂くことにより、端縁熱接着部が形成された包装袋の角部を角状に切り取って開口を形成することができるので、その開口から内容物を簡単に取り出すことができる。
【0023】
上記の易開封包装袋において、傷痕群を形成する傷痕が引裂き方向に伸びる直線状である構成とすることにより、傷痕群が形成された領域から容易に積層フィルムを引裂くことができる。
【0024】
上記の易開封包装袋において、基材層が、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートと、金属蒸着層又は金属酸化物蒸着層を有する2軸延伸ポリエチレンテレフタレート又は2軸延伸ポリプロピレンとの積層体からなり、熱接着性樹脂層が、熱溶融押出しされたポリプロピレン又はポリエチレンからなる構成とすることにより、スナック食品等を包装するためのガスバリヤー性および開封性の優れたピロータイプの易開封包装袋とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す平面図。
【図2】図1におけるI−I拡大断面図。
【図3】本発明の第2実施形態を示す平面図。
【図4】図3におけるI−I拡大断面図。
【図5】本発明の第3実施形態を示す平面図。
【図6】図5におけるI−I拡大断面図。
【図7】実施形態の傷痕の形状を示す拡大平面図。
【符号の説明】
1 合掌熱接着部
2a, 2b 端縁熱接着部
3a 折目部傷痕群
3b, 3c 中央部傷痕群
4,4' 傷痕
10 積層フィルム
11 基材層
12 熱接着性樹脂層

Claims (4)

  1. 基材層と熱接着性樹脂層とを有する積層フィルムからなり合掌熱接着部と端縁熱接着部により形成されたピロータイプ袋において、一方の側端の折目部の前記端縁熱接着部の近傍の領域に前記積層フィルムの基材層を貫通する折目部傷痕群が形成され、前記折目部傷痕群から前記合掌熱接着部と直角方向に延びる線上にあって、前記合掌熱接着部の内端より前記折目部傷痕群側の領域における前記ピロータイプ袋の前面及び背面の積層フィルムにそれぞれ基材層を貫通する中央部傷痕群が形成された構成からなり、前記折目部傷痕群から前記合掌熱接着部と直角方向に前記中央部傷痕群まで前記積層フィルムを引き裂き、次いで前記中央部傷痕群から前記端縁熱接着部の方向に引き裂くことにより、前記ピロータイプ袋の前記端縁熱接着部の前記折目部傷痕群がある側の角部を角状に切り取って開口を形成することを特徴とする易開封包装袋。
  2. 前記傷痕群を形成する傷痕が引き裂き方向に略平行な直線状である構成からなることを特徴とする請求項1記載の易開封包装袋。
  3. 前記折目部傷痕群を形成する傷痕が引き裂き方向に略平行な直線状であり、前記中央部傷痕群を形成する傷痕が引裂方向と一定の角度をなす斜め直線状である構成からなることを特徴とする請求項1記載の易開封包装袋。
  4. 前記基材層が、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートと、金属蒸着層又は金属酸化物蒸着層を有する2軸延伸ポリエチレンテレフタレート又は2軸延伸ポリプロピレンとの積層体からなり、前記熱接着性樹脂層が、熱溶融押出しされたポリプロピレン又はポリエチレンである構成からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の易開封包装袋。
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