JP5088991B2 - 易開封性包装袋 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、開封予定線に沿って形成された切目線の箇所を直線状に引き裂いて開封することができる易開封性包装袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、多層構成の積層フィルムからなる包装袋において積層フィルムの1つの層に連続した直線状の切目を形成した構成の易開封性包装袋が知られている。
しかしながら、積層フィルムの1つの層に連続した直線状の切目を形成した構成の場合、1つの層に切目を入れるために、包装袋の強度が低下したり、ガスバリヤー性が低下したりする欠点があるとともに、1つの層に切目を入れた際に切目が形成された端縁間に隙間が生じたり、切目が形成された部分の端縁同志が重なったりする不都合が生じやすく外観が悪くなるという欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡単に切目線を形成することができ且つ直線引裂性に優れた易開封性包装袋を提供することである。
【0004】
外層と熱接着性樹脂層を有する積層フィルムからなり対向する側端熱接着部が形成された包装袋において、前記包装袋の前記側端熱接着部と直角方向の全長にわたって、前記積層フィルムの前記熱接着性樹脂層のみに前記熱接着性樹脂層の厚さの範囲内であって前記熱接着性樹脂層を貫通しない深さに形成された傷痕からなる切目線が形成されるとともに、前記切目線の両端の前記側端熱接着部に切込が形成された構成からなり、前記積層フィルムは、前記包装袋を構成する表面側積層フィルムと裏面側積層フィルムとからなり、前記裏面側積層フィルムのみに前記切目線が形成されることにより、包装袋を作製するための外層と熱接着性樹脂層を有する積層フィルムを製造した後に、スリット工程、製袋工程、充填包装工程等にて、積層フィルムの熱接着性樹脂層のみに切目線を形成することができるので、切目線を形成するための特別な工程を必要とせず、易開封性包装袋を容易に製造することができるものである。また、傷痕からなる切目線を積層フィルムの熱接着性樹脂層のみに熱接着性樹脂層の厚さの範囲内あって前記着性樹脂層を貫通しない深さに形成された構成とすることにより、積層フィルムの熱接着性樹脂層に突出刃を使用して簡単に切目線を形成することができるので製造工程が簡略化できるとともに、熱接着性樹脂層を貫通する切目線ではないので包装袋の強度、ガスバリヤー性を低下させることがない。また、切目線が形成された箇所で積層フィルムの端縁同士が重なったり端縁間に隙間が生じたりすることがないので、切目が形成された箇所の外観が悪くならず包装袋の意匠性を損なうことがない。
【0005】
上記の易開封性包装袋において、前記切目線が隣接して複数本平行に形成された構成とすることにより、包装袋を構成する表面側及び裏面側の積層フィルムに形成された切目線の位置が多少ずれた場合でも、表裏の積層フィルムに形成された複数の切目線に沿って積層フィルムを引き裂くことができる
【0006】
上記の易開封性包装袋において、前記包装袋がピロータイプ袋であって、合掌熱接着部と平行方向に前記切目線が形成されている構成とすることにより、合掌熱接着部と平行に積層フィルムを引き裂いて縦方向に包装袋を開封することができるので、スティック状の製品の包装袋の場合に内容物の取り出しが容易となる
【0007】
上記の易開封性包装袋において、前記ピロータイプ袋が両側端に折込部を有するガセットピロータイプ袋であって、前記折込部の内端より内側の位置に前記切目線が形成されている構成とすることにより、切目線に沿って包装袋を折込部の内端より内側の位置にて合掌熱接着部と平行に引き裂いて縦方向に大きく開封することができるので、比較的大きい個包装された内容物を外装した包装袋の場合でも、包装袋を縦方向に大きく開封できるので内容物の取り出しがきわめて容易となる
【0008】
上記の易開封性包装袋において、前記切込が前記切目線と直角方向に形成されたジグザグ状断裁線である構成とすることにより、ピロータイプ袋に内容物を充填して端縁熱接着部を形成して密封した後に断裁する際の切刃の形状をジグザグ状としておくことにより、ジグザグ状断裁線を切込として使用できるので、別工程にて切込を形成する手間を省くことができる
【0009】
上記の易開封性包装袋において、前記積層フィルムが、前記外層と前記熱接着性樹脂層間に中間層を備えた構成とすることにより、耐ピンホール性、ガスバリヤー性、強度の優れた包装袋とすることができるので、液体包装用、真空包装用、高温加熱殺菌用に適した易開封性包装袋として使用できる
【0010】
外層と熱接着性樹脂層を有する積層フィルムからなり対向する側端熱接着部が形成され、かつ前記包装袋の前記側端熱接着部と直角方向の全長にわたって、前記積層フィルムの前記熱接着性樹脂層のみに傷痕からなる切目線が形成されるとともに、前記切目線の両端の前記側端熱接着部に切込が形成された構成からなる易開封性包装袋の製造方法であって、前記切目線が、積層フィルムを作製した後に前記積層フィルムの前記熱接着性樹脂層のみに前記熱接着性樹脂層の厚さの範囲内であって前記熱接着性樹脂層を貫通しない深さに形成された構成であり、前記積層フィルムは、前記包装袋を構成する表面側積層フィルムと裏面側積層フィルムとからなり、前記裏面側積層フィルムのみに前記切目線が形成されることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を引用して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の第1実施形態の平面図、図2は図1におけるI−I拡大断面図、図3は本発明の第2実施形態の図2に対応する断面図、図4は本発明の第3実施形態の図2に対応する断面図、図5は積層フィルムに傷痕を形成する方法を示す概略図、図6は本発明の第4実施形態を示す平面図、図7は本発明の第5実施形態を示す平面図、図8は図7におけるI−I拡大断面図、図9は本発明の第6実施形態を示す平面図であって、2a,2b は側端熱接着部、3は底熱接着部、4は切目線、5a, 5bは切込、6は突出刃、7は金属ロール、8はファスナー、10, 10' は積層フイルム、11は外層、12は中間層、13は熱接着性樹脂層、14は合掌熱接着部、15は端縁熱接着部、16は折込部をそれぞれ表す。
【0012】
本発明の第1実施形態は、図1、図2に示すとおり、外層11と中間層12と熱接着性樹脂層13が積層された4角形状の2枚の積層フィルム10を熱接着性樹脂層13面を重ね合わせて、下端縁をV字状に内方に折り込んで底熱接着部3を形成するとともに、両側に対向する側端熱接着部2a, 2bを形成することにより作製された自立性袋であって、袋の上部に平行な開封予定線に沿って側端熱接着部2a, 2bと直交する方向に切目線4が形成され、切目線4の両端の側端熱接着部2aおよび側端熱接着部2bにそれぞれ切込5aおよび切込5bが形成された構成である。切目線4が形成された箇所の断面形状は、図2に示すように、袋を構成する外層11と中間層12と熱接着性樹脂層13からなる表裏2枚の積層フィルム10の外層11に外層11の厚さの範囲内の深さを有する切目線4が形成され、それぞれの切目線4が上下方向に重なるようにされている。
【0013】
本発明の第2実施形態の切目線4が形成された箇所の断面形状は、図3に示すとおりであり、積層フィルム10' が外層11と熱接着性樹脂層13が積層された2層構成である点で異なる以外は、包装袋の形状及び積層フィルム10' の外層11に外層11の厚さの範囲内の深さを有する切目線4が形成されている構成は、第1実施形態と同じである。第2実施形態において、外層11と熱接着性樹脂層13からなる積層フィルム10' の熱接着性樹脂層13に熱接着性樹脂層13の厚さの範囲内の深さを有する切目線を形成した構成とすることもできる。
【0014】
本発明の第3実施形態の切目線4が形成された箇所の断面形状は、図4に示すとおりであり、外層11と中間層12と熱接着性樹脂層13が積層された積層フィルム10からなり、積層フィルム10を構成する熱接着性樹脂層13に熱接着性樹脂層13の厚さの範囲内の深さを有する切目線4が形成されている点で異なる以外は、包装袋の形状等は第1実施形態と同じである。
【0015】
本発明の第4実施形態は、図6に示すとおり、4方シール袋であって、袋の上端縁に側端熱接着部2a, 2bと直交する方向に全巾にわたって直線状の切目線4が形成されるとともに切目線4の両端の側端熱接着部2a,2b にそれぞれ切込5a,5b が形成され、切目線4より内側に切目線4に平行にプラスチックのファスナー8が取り付けられた構成である。第4実施形態では、外層11と中間層12と熱接着性樹脂層13からなる積層フィルム10又は外層11と熱接着性樹脂層13からなる積層フィルム10' が使用でき、切目線4は積層フィルム10,10'の外層11面又は熱接着性樹脂層13面に形成することができる。なお、第1〜第4実施形態においては、切目線4は包装袋を構成する表面側及び背面側の積層フィルム10,10'にそれぞれ1本づつ形成されている構成とされているが、隣接して複数本平行に切目線4を形成した構成とすることもできる。隣り合う切目線の間隔は1.0〜3.0mmとするのが好ましく、1.0mm以下では隣り合う切目線が重なるおそれがあり、3.0mm以上では表裏の切目線の位置がずれた場合の引き裂き開封性が悪くなる。上記のように隣接して複数本平行に切目線4を形成することにより、表面側及び背面側の積層フィルムに形成される切目線の位置が多少ずれた場合でも、包装袋の引き裂き開封性が悪くなることがない。
【0016】
本発明の第5実施形態は、図7に示すとおり、合掌熱接着部14と側端熱接着部15にて形成されたピロータイプ袋であって、一方の側端の近傍に合掌熱接着部14と平行に2本の切目線4が所定間隔をおいて形成されている構成である。切目線4の両端部には特に切込は形成せず端縁のジグザグ状の断裁線が切込の働きをしているものであり、ジグザグ状の断裁線の箇所から切目線4に沿って包装袋を簡単に引き裂いて開封することができる。
【0017】
第5実施形態の切目線4が形成された箇所の断面形状は、図8に示すように、ピロータイプ袋を形成する合掌熱接着部14が設けられた背面の積層フィルム及び反対側の正面の積層フィルムにそれぞれ隣接させて2本の切目線が形成されている。この構成とすることにより、正面および背面の積層フィルムに形成された切目線4が完全に重ならずに少々横にずれた場合でも、ピロータイプ袋を切目線4に沿って容易に引き裂いて開封することができる。
【0018】
本発明の第6実施形態は、図9に示すとおり、合掌熱接着部14と側端熱接着部15にて形成され両側端に内方への折込部16,16 を備えたガセットピロータイプ袋であって、一方の側端の折込部16の内端より内側の位置に合掌熱接着部14と平行に切目線4が形成されている構成である。この構成とすることにより、ガセットピロータイプ袋を切目線4に沿って引き裂くことにより縦方向に大きく開封することができるので、比較的大きい個包装した内容物を外装したガセットピロータイプ袋の場合でも、内容物の取り出しがきわめて容易となる。第6実施形態において複数の切目線を形成した構成としてもよい。第5、第6実施形態でも、外層11と中間層12と熱接着性樹脂層13からなる積層フィルム10又は外層11と熱接着性樹脂層13からなる積層フィルム10' が使用できるとともに、切目線4は積層フィルム10,10'の外層11面又は熱接着性樹脂層13面に形成することができる。
【0019】
第1〜第6実施形態において、積層フィルム10,10'の外層11ないしは熱接着性樹脂層13に形成される傷痕からなる切目線4の深さは、外層11ないしは熱接着性樹脂層13の厚さの範囲内で任意の深さに形成すればよいが、外層11又は熱接着性樹脂層13の厚さの1/2ないしは2/3の深さとするのが好ましい。また、包装袋を構成する表面側及び裏面側となる積層フィルムにそれぞれ重なるように切目線4を形成しているが、包装袋の裏面側となる積層フィルムのみに切目線を形成した構成とすることもできる。その場合は切目線4が表面側から見えないので包装袋の意匠性を損なうことがない。
【0020】
積層フィルム10,10'の外層11ないしは熱接着性樹脂層13に傷痕からなる切目線4を形成する方法としては、外層11と中間層12と熱接着性樹脂層13からなる積層フィルム10ないしは外層11と熱接着性樹脂層13からなる積層フィルム10' をラミネーションにより作製した後に、例えば、第1実施形態の場合、図5に示すように、積層フィルム10を金属ロール7の表面に沿って走行させながら、積層フィルム10の外層11面に突出刃6を一定加重をかけた状態で接触させることにより、積層フィルム10の表面に傷痕からなる切目線4を形成することができる。突出刃6にかける加重により切目線4の深さを変化させることができる。また、基準面から突出する突出刃6の高さを微調整することができる切目線形成用装置を使用して、突出刃6の高さを外層11ないしは熱接着性樹脂層13の厚さの範囲内に調整して任意の深さの切目線を形成することもできる。
【0021】
積層フィルム10,10'を構成する基材層11としては、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)、2軸延伸ナイロン(ON)、金属酸化物蒸着2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(VMPET)等が使用できる。中間層12としては、アルミニウム箔(AL)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)、2軸延伸ナイロン(ON)、アルミニウム蒸着2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(ALVMPET)、金属酸化物蒸着2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(VMPET)、金属酸化物蒸着2軸延伸ナイロン(VMON)等が使用できる。熱接着性樹脂層13としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アルミニウム蒸着未延伸ポリプロピレン(VMCPP)等が使用できる。外層11と中間層12と熱接着性樹脂層13はウレタン系接着剤を使用したドライラミネーション(DL)又はポリエチレンの押出ラミネーション(EC)により積層することができるが、ドライラミネーシヨンにより積層する方が積層フィルム10,10'が引裂きやすくなるので好ましい。
【0022】
外層11と熱接着性樹脂層13からなる2層構成の積層フィルム10' としては、OPP/DL/CPP、OPP/EC/CPP、OPP/DL/LLDPE、OPP/DL/VMCPP、PET/DL/LLDPE、PET/EC/LLDPE、PET/DL/VMCPP、ON/DL/LLDPE、ON/DL/CPP、ON/EC/LLDPE等であり、積層フィルムの下線を付した外層にその厚さの範囲内で任意の深さの切目線が形成される。熱接着性樹脂層13としてCPPを使用する場合には熱接着性樹脂層13に切目線を形成した構成としてもよい。
【0023】
外層11と中間層12と熱接着性樹脂層13からなる3層構成の積層フィルム10' としては、PET/EC/AL/DL/LLDPE、PET/DL/AL/DL/CPP、PET/DL/VMPET/DL/LLDPE、PET/DL/VMPET/DL/CPP、PET/DL/ALVMPET/DL/CPP、PET/DL/EVOH/DL/LLDPE、PET/DL/ON/DL/CPP、OPP/EC/AL/EC/LLDPE、OPP/DL/AL/DL/CPP、OPP/DL/VMPET/DL/CPP、OPP/DL/ALVMPET/DL/CPP、PET/EC/AL/EC/LLDPE、PET/DL/VMPET/DL/LLDPE、PET/DL/VMPET/DL/CPP、PET/DL/ALVMPET/EC/LLDPE、PET/DL/EVOH/DL/LLDPE、PET/DL/ON/DL/LLDPE、ON/EC/AL/EC/LLDPE、ON/DL/VMPET/DL/CPP、ON/DL/ALVMPET/DL/LLDPE、ON/DL/ALVMPET/EC/LLDPE、ON/DL/EVOH/DL/LLDPE等である。積層フィルム10' の下線を付した外層に外層の厚さの範囲内で任意の深さの切目線を形成される。熱接着性樹脂層がCPPの場合に熱接着性樹脂層に切目線を形成した構成としてもよい。
【0024】
実施例1
12μ厚さの酸化珪素蒸着層が形成された2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルムの酸化珪素蒸着層面にグラビア印刷にて絵柄を印刷し、絵柄印刷面にウレタン系接着剤を使用して15μ厚さの2軸延伸ナイロンフイルムを積層し、更に2軸延伸ナイロンフイルム面に60μ厚さの未延伸ポリプロピレンフイルムをドライラミネーシヨンにより積層して積層フィルムを作製した。
次いで、作製した積層フィルムの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルム面に、印刷された絵柄層に見当を合わせた所定位置に流れ方向に直線状の傷痕を2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルムの厚さの2/3の深さに達するように形成した。
上記で作製した傷痕からなる切目線を形成した積層フイルムを切目線の位置が表裏一致するように2枚重ね合わせて、常用の製袋方法により、切目線が包装袋の開封予定位置にくるように製袋して、図1に示す側端熱接着部に切込が形成された自立性袋を作製した。
得られた自立性袋は、切込の部分から袋を引き裂くことにより袋を構成する積層フィルムを直線状に引き裂いて容易に開封することができた。
【0025】
【発明の効果】
外層と熱接着性樹脂層を有する積層フィルムからなり対向する側端熱接着部が形成された包装袋において、包装袋の側端熱接着部と直角方向の全長にわたって、積層フィルムの外層ないしは熱接着性樹脂層に傷痕からなる切目線が形成されるとともに、切目線の両端の側端熱接着部に切込が形成された構成とすることにより、包装袋を作製するための外層と熱接着性樹脂層を有する積層フィルムを製造した後に、スリット工程、製袋工程、充填包装工程等にて、積層フィルムの外層ないしは熱接着性樹脂層に切目線を形成することができるので、切目線を形成するための特別な工程を必要とせず、易開封性包装袋を容易に製造することができるものである。
【0026】
上記の易開封性包装袋において、切目線が、積層フィルムを作製した後に、積層フィルムの外層ないしは熱接着性樹脂層に外層ないしは熱接着性樹脂層の厚さの範囲内の深さに形成された構成とすることにより、積層フィルムの外層ないしは熱接着性樹脂層に突出刃を使用して簡単に切目線を形成することができるので製造工程が簡略化できるとともに、外層ないしは熱接着性樹脂層を貫通する切目線ではないので包装袋の強度、ガスバリヤー性を低下させることがない。また、切目線が形成された箇所で積層フィルムの端縁同志が重なったり端縁間に隙間が生じたりすることがないので、切目が形成された箇所の外観が悪くならず包装袋の意匠性を損なうことがない。
【0027】
上記の易開封性包装袋において、前記切目線が隣接して複数本平行に形成された構成とすることにより、包装袋を構成する表面側及び裏面側の積層フィルムに形成された切目線の位置が多少ずれた場合でも、表裏の積層フィルムに形成された複数の切目線に沿って積層フィルムを引き裂くことができる。
【0028】
上記の易開封性包装袋において、包装袋がピロータイプ袋であって、合掌熱接着部と平行方向に切目線が形成されている構成とすることにより、合掌熱接着部と平行に積層フィルムを引き裂いて縦方向に包装袋を開封することができるので、スティック状の製品の包装袋の場合に内容物の取り出しが容易となる。
【0029】
上記の易開封性包装袋において、ピロータイプ袋が両側端に折込部を有するガセットピロータイプ袋であって、折込部の内端より内側の位置に切目線が形成されている構成とすることにより、切目線に沿って包装袋を折込部の内端より内側の位置にて合掌熱接着部と平行に引き裂いて縦方向に大きく開封することができるので、比較的大きい個包装された内容物を外装した包装袋の場合でも、包装袋を縦方向に大きく開封できるので内容物の取り出しがきわめて容易となる。
【0030】
上記の易開封性包装袋において、切込が切目線と直角方向に形成されたジグザク状断裁線である構成とすることにより、ピロータイプ袋に内容物を充填して端縁熱接着部を形成して密封した後に断裁する際の切刃の形状をジグザク状としておくことにより、ジグザク状断裁線を切込として使用できるので、別工程にて切込を形成する手間を省くことができる。
【0031】
上記の易開封性包装袋において、積層フィルムを外層と熱接着性樹脂層間に中間層を備えた構成とすることにより、耐ピンホール性、ガスバリヤー性、強度の優れた包装袋とすることができるので、液体包装用、真空包装用、高温加熱殺菌用に適した易開封性包装袋として使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す平面図。
【図2】図1におけるI−I拡大断面図。
【図3】本発明の第2実施形態の図2に対応する断面図。
【図4】本発明の第3実施形態の図2に対応する断面図。
【図5】積層フィルムに傷痕を形成する方法を示す概略図。
【図6】本発明の第4実施形態を示す平面図。
【図7】本発明の第5実施形態を示す平面図。
【図8】図7におけるI−I拡大断面図。
【図9】本発明の第6実施形態を示す平面図。
【符号の説明】
2a, 2b 側端熱接着部
3 底熱接着部
4 切目
5a, 5b 切込
6 突出刃
7 金属ロール
8 ファスナー
10, 10' 積層フイルム
11 外層
12 中間層
13 熱接着性樹脂層
14 合掌熱接着部
15 端縁熱接着部
16 折込部

Claims (7)

  1. 外層と熱接着性樹脂層を有する積層フィルムからなり対向する側端熱接着部が形成された包装袋において、前記包装袋の前記側端熱接着部と直角方向の全長にわたって、前記積層フィルムの前記熱接着性樹脂層のみに前記熱接着性樹脂層の厚さの範囲内であって前記熱接着性樹脂層を貫通しない深さに形成された傷痕からなる切目線が形成されるとともに、前記切目線の両端の前記側端熱接着部に切込が形成された構成からなり、
    前記積層フィルムは、前記包装袋を構成する表面側積層フィルムと裏面側積層フィルムとからなり、前記裏面側積層フィルムのみに前記切目線が形成されることを特徴とする易開封性包装袋。
  2. 前記切目線が隣接して複数本平行に形成された構成からなることを特徴とする請求項1記載の易開封性包装袋。
  3. 前記包装袋がピロータイプ袋であって、合掌熱接着部と平行方向に前記切目線が形成されていることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の易開封性包装袋。
  4. 前記ピロータイプ袋が両側端に折込部を有するガセットピロータイプ袋であって、前記折込部の内端より内側の位置に前記切目線が形成されていることを特徴とする請求項3記載の易開封性包装袋。
  5. 前記切込が前記切目線と直角方向に形成されたジグザグ状断裁線であることを特徴とする請求項3または4のいずれかに記載の易開封性包装袋。
  6. 前記積層フィルムが、前記外層と前記熱接着性樹脂層間に中間層を備えた構成からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の易開封性包装袋。
  7. 外層と熱接着性樹脂層を有する積層フィルムからなり対向する側端熱接着部が形成され、かつ前記包装袋の前記側端熱接着部と直角方向の全長にわたって、前記積層フィルムの前記熱接着性樹脂層のみに傷痕からなる切目線が形成されるとともに、前記切目線の両端の前記側端熱接着部に切込が形成された構成からなる易開封性包装袋の製造方法であって、前記切目線が、積層フィルムを作製した後に前記積層フィルムの前記熱接着性樹脂層のみに前記熱接着性樹脂層の厚さの範囲内であって前記熱接着性樹脂層を貫通しない深さに形成された構成であり、前記積層フィルムは、前記包装袋を構成する表面側積層フィルムと裏面側積層フィルムとからなり、前記裏面側積層フィルムのみに前記切目線が形成されることを特徴とする易開封性包装袋の製造方法。
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