JP4579390B2 - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置、詳しくは、回転可能な接触帯電手段を具備した電子写真画像形成装置、及びこれを具備したプロセスカートリッジに関する。ここで、電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成するものである。電子写真画像形成装置としては、例えば電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えばレーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置、及びワードプロセッサ等が含まれる。
【0002】
又、ここで、プロセスカートリッジとは、少なくとも電子写真感光体及び帯電手段を一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを画像形成装置本体に対して着脱可能とするものである。
【0003】
【従来の技術】
従来から、例えば電子写真方式を採用する画像形成装置において、電子写真感光体等の被帯電体表面を帯電させるための装置として、帯電部材を被帯電体表面に直接接触させて被帯電体表面を帯電させる、いわゆる接触帯電手段が広く知られている。
【0004】
図8にこのような接触帯電手段を用いた画像形成装置、ここではレーザビームプリンタを示す。このプリンタにおいて、有機感光層を有し、矢印の方向に所定のプロセス速度をもって回転駆動される被帯電体としての電子写真感光体(感光ドラム)101が、まず、接触帯電手段としての帯電ローラ102によって、その表面が一様に帯電される。
【0005】
次に、画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザビーム103による走査露光が施され、感光ドラム101上に静電潜像が形成される。この静電潜像は、感光ドラム101に対向配置された現像手段104により、トナー像として、現像、可視化される。この現像手段104は、矢印の方向に回転駆動される現像剤担持体である現像スリーブ104aを有するとともに、負極性に帯電されたトナー104bを内包している。その現像方法としては、例えばジャンピング現像法が用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられる。
【0006】
可視化されたトナー像は、感光ドラム101と、感光ドラム101に圧接されるとともに、矢印の方向に回転駆動される転写ローラ105とで形成される転写部位106において、所定のタイミングで搬送されてくる記録媒体としての転写材Pの表面に転写される。この転写材Pは定着手段107へと搬送され、永久画像として定着された後、機外へと排出される。
【0007】
尚、転写工程が終了した感光ドラム101の表面に若干量残存する転写残留トナーは、クリーニング手段108により除去される。このクリーニング手段108は、感光ドラム101の表面に対し、いわゆるカウンタ方向に当接するウレタンゴムからなる弾性部材を有するクリーニングブレード108aを備えている。
【0008】
ここで感光ドラム101について詳述する。感光ドラム101は、例えばアルミニウム等からなるシリンダの外周面に有機感光層が形成されるとともに、シリンダの長手方向一端部には、駆動伝達手段が配設されている。駆動伝達手段としては、樹脂からなり、その中央部に設けられた、捩じれた略三角柱状突起のカップリング部材が、画像形成装置内部に配置されたモータからの回転駆動力の伝達を受けるためのギアの中央部に設けられた、捩じれた略三角形の穴と嵌合する構成のもの(特開平8−328449号公報等参照)や、ハス歯ギア等が知られている。このような駆動伝達手段を用いることにより、従来の平歯ギアと比較して感光ドラム駆動の安定化が可能となり、ピッチムラ等の発生を低減し、特にハーフトーン画像における高品質化が図られる。
【0009】
次に帯電ローラ102について詳述する。帯電ローラ102は、例えば導電性芯金と、この導電性芯金の外周面に被覆された弾性層、更にその外周面に被覆された抵抗層、更にその外周面に被覆された保護層とから構成される。そしてこの芯金の両端部は、各々軸受により軸受されるとともに、更にこの軸受が各々バネにより感光ドラム101の方向に付勢されることにより、帯電ローラ102は感光ドラム101に加圧接触される。そしてこの帯電ローラ102に対して、高圧電源から、接点、バネ、軸受、芯金等の部材を介して、例えば直流成分に交流成分が重畳された振動電圧が印加されることにより、感光ドラム101の表面が所定の電位に帯電される。
【0010】
尚、上記両軸受はプラスチック材料で形成されており、このうちの少なくとも帯電ローラ102に給電する側の軸受は、その成型時において、プラスチック材料中にカーボンファイバ等を分散させることにより、その抵抗値が103〜104[Ω・cm]となるように導電性を持たせている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
さて、上記のような接触帯電手段に関しては、従来から、感光ドラムの回転軸と帯電ローラの回転軸とが、所定の角度をもって交差する位置関係にある、即ち交差角を設けた構成が提示されている。この主たる目的は、(1)感光ドラム表面に対する帯電ローラの当接圧を、その長手方向において均一化すること、(2)帯電ローラの長手方向における配設位置を一定化すること、にある。
【0012】
ここで後者について詳述すると、レーザビームプリンタ等のパーソナルユース化が進んでいる近年にあっては、装置本体の更なる小型化が要求されている。このような状況にあっては、例えば最大通紙幅が216[mm]の場合、帯電ローラの長さ(幅)も極力短く抑える必要があり、例えば220[mm]程度とすることが望ましい。しかしながらこの場合、最大通紙幅に対する帯電ローラの配設位置がずれると、いずれかの長手方向端部で帯電不良が生じ、その結果として、出力される用紙の端部付近に帯電不良に起因するカブリや、紙コバ汚染といった不具合が生じてしまうこととなる。そこで感光ドラムと帯電ローラとに交差角を設けることにより、帯電ローラが長手方向への推力を得て、所定の配設位置へと移動することとなり、上記不具合の発生を防止できる。
【0013】
しかしながら、この際に新たに問題となるのは、交差角により帯電ローラが所定の配設位置へと移動するまでに要する時間を如何に短縮できるか、である。即ち、この移動に大きな時間を要するようであれば、例えば画像形成装置がホストコンピュータ等からの指示を受け、画像形成工程を開始する以前に、帯電ローラを所定の配設位置へと移動させられず、その結果、前述したようなカブリや、紙コバ汚染といった不具合を生じさせることとなる。このことは、近年のいわゆるファーストプリントタイムが短い画像形成装置等にあっては、大きな問題である。
【0014】
従って、本発明の目的は、帯電手段を予め設定された長手方向の所定位置へと自動的に瞬時に移動させることができる画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る画像形成装置およびプロセスカートリッジにて達成される。要約すれば、本発明は、回転可能な被帯電体と、前記被帯電体に接触して前記被接触帯電体を所定の電位に帯電させる回転可能な帯電手段とを有し、前記被帯電体の回転軸と、前記帯電手段の回転軸とが所定の角度をもって交差する画像形成装置において、
前記被帯電体は長手方向一端部に回転駆動を伝達するカップリング部材を有し、
前記カップリング部材は、前記被帯電体に回転駆動を伝達すると共に、前記被帯電体が長手方向の所定方向に移動する力を与え、
前記帯電手段も前記所定方向と同方向に移動するように、前記被帯電体の回転軸と前記帯電手段の回転軸とを交差させることを特徴とする画像形成装置である。
【0017】
本発明による他の態様によれば、画像形成装置本体に着脱可能であって、回転可能な被帯電体と、前記被帯電体に接触して前記被接触帯電体を所定の電位に帯電させる回転可能な帯電手段とを有し、前記被帯電体の回転軸と、前記帯電手段の回転軸とが所定の角度をもって交差するプロセスカートリッジにおいて、
前記被帯電体は長手方向一端部に回転駆動を伝達するカップリング部材を有し、
前記カップリング部材は、前記被帯電体に回転駆動を伝達すると共に、前記被帯電体が長手方向の所定方向に移動する力を与え、
前記帯電手段も前記所定方向と同方向に移動するように、前記被帯電体の回転軸と前記帯電手段の回転軸とを交差させることを特徴とするプロセスカートリッジが提供される。
【0018】
上記各発明の一実施態様によると、前記カップリング部材は、中央部に、前記カップリング部材に駆動を伝達するための多角形の捩れた穴と嵌合する、捩れた多角柱の突起を有する。
【0019】
他の実施態様によると、前記カップリング部材は、中央部に、前記カップリング部材に駆動を伝達するための多角柱の捩れた突起と嵌合する、捩れた多角形の穴を有する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像形成装置及びプロセスカートリッジを図面に則して更に詳しく説明する。
【0022】
実施例1
本発明の第1実施例について図1〜図7により説明する。
【0023】
まず、本実施例の画像形成装置について図1を参照して説明する。
【0024】
本実施例の画像形成装置は、被帯電体としての電子写真感光体(以下、「感光ドラム」という)1を備えており、感光ドラム1は、OPC等の感光材料がアルミニウム等のシリンダ状の基体の外周面に形成されており、その外径は30[mm]である。感光ドラム1は、図中矢印方向に約50[mm/sec]の周速度をもって回転駆動され、まず、その表面が帯電手段としての帯電ローラ2によって、暗部電位VDとして約−550[V]に一様に帯電される。この帯電ローラ2には、例えば−560[V]の直流電圧に、周波数350[Hz]、ピーク間電圧2200[V]の交流電圧を重畳した振動電圧が印加される。
【0025】
次に画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザビーム3による走査露光が施され、明部電位VLとして約−120[V]の静電潜像が形成される。このように形成された静電潜像は、感光ドラム1に対向配置された現像手段である現像装置4により、トナー像として、現像、可視化される。
【0026】
現像装置4は、図中矢印の方向に回転駆動される現像剤担持体としての現像スリーブ4aを有するとともに、負極性に帯電された現像剤(トナー)4bを内包しており、現像スリーブ4aに対して、現像バイアスとして、例えば−350[V]の直流電圧に、周波数2000[Hz]、ピーク間電圧1800[V]の交流電圧を重畳した振動電圧が印加されている。現像方法としては、例えばジャンピング現像法が用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられる。
【0027】
可視化された感光ドラム1上のトナー像は、感光ドラム1と、感光ドラム1に圧接されるとともに、図中矢印の方向に回転駆動される転写ローラ5とによって形成される転写部位6において、転写ローラ5に対してトナー4bの正規の帯電極性とは逆極性の電圧(転写バイアス)が印加されつつ、所定のタイミングをもって転写部位6に搬送されてくる記憶媒体たる転写材Pの表面に静電転写される。
【0028】
転写ローラ5は、SUS等の金属製芯金の外周面に、例えばエピクロルヒドリンゴムに導電材を分散した発泡ゴムを被覆し、その外径を16[mm]に成型することにより得られる。
【0029】
尚、転写工程が終了した感光ドラム1表面に若干量残存する転写残留トナーは、クリーニング装置7により除去される。このクリーニング装置7は、板金等から成る支持部材の先端部に、ウレタンゴム等から成る弾性部材を有するクリーニングブレード7aを具備しており、弾性部材の先端部を感光ドラム1表面に対して、いわゆるカウンタ方向で所定の押圧力をもって当接させることにより、転写残留トナーを感光ドラム1の表面から除去する。
【0030】
その後、転写材Pは定着装置8へと搬送され、永久画像として定着された後、機外へと排出される。
【0031】
本実施例においては、感光ドラム1、帯電ローラ2、現像装置4、およびクリーニング装置7が一体化されたプロセスカートリッジ10を形成しており、このプロセスカートリッジ10は装着手段30を介して画像形成装置本体に着脱可能となっている。
【0032】
ここで図2により、感光ドラム1について詳述する。
【0033】
感光ドラム1は、例えばアルミニウム等からなるシリンダ1aの外周面に有機感光層1bが形成されるとともに、シリンダ1aの長手方向一端部には、駆動伝達部材としてのカップリング部材1cが設けられている。カップリング部材1cは、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート等の樹脂から形成され、その中央部に捩じれた略三角柱状の突起1dが設けられている。一方、画像形成装置内部には、不図示のモータからの回転駆動力の伝達を受けるためのギア9が配設されており、このギア9の中央部には捩じれた略三角形の穴9aが設けられており、この穴9aにカップリング部材1cの突起1dが嵌合するように構成されている。
【0034】
これらの突起1dと穴9aが嵌合した状態でギア9が回転すると、突起1dが穴9aの方向へ引き込まれた状態、つまり、感光ドラム1が駆動側(ギア側)に捻じり寄った状態で、ギア9の回転が感光ドラム1に伝達される。尚、感光ドラム1の側から見て、感光ドラム1の回転方向Aに対して、突起1dの捻れ方向は突起1dの根元から先端に向かって反対方向、穴9aの捻れ方向は穴9aの入口から内部へ向かって反対方向である。
【0035】
尚、本実施例において、突起1dの形状を三角柱状としたが、これに限定されず、多角柱状とすることもできる。このとき、対応する穴9aの形状も多角形とする。
【0036】
次に、図3と図4を参照しつつ、本実施例の帯電ローラ2について説明する。
【0037】
図3において、帯電ローラ2は、SUS等からなる導電性芯金2aの外周面に、弾性層2bを形成し、その外周面に、抵抗層2cと保護層2dとからなるチューブを被覆、形成した構成となっており、その外径は12[mm]である。尚、弾性層2bと抵抗層2cとの間にいわゆる接着層は有していない。
【0038】
弾性層2bは、カーボン等を分散含有したEPDMスポンジからなり、帯電ローラ2の感光ドラム1表面への良好な当接状態を確保する。更にその外周面に形成された抵抗層2cは、カーボン等を分散含有したウレタンゴムからなり、例えば感光ドラム1表面にピンホールが存在するような場合にあっても、ここへのリーク電流を抑制し、電圧の急降下を防止する。更にその外周面に形成された保護層2dは、カーボン等を分散含有したメチルメトキシ化ナイロンからなり、弾性層2b、抵抗層2cの組成物質が感光ドラム1表面に付着し、これを変質させることを防止する。
【0039】
そして図4に示すように帯電ローラ2は、その中心を貫通する芯金2aの両端部が各々軸受11により軸受され、更にこの両軸受11が、軸受11とプロセスカートリッジ10との間に縮設されたバネ12により感光ドラム1の方向に付勢され、感光ドラム1に対して所定の圧力で接触している。尚、帯電ローラ2は、積極的な駆動手段は持たず、感光ドラム1の回転により従動回転するよう構成されている。
【0040】
次に、感光ドラム1と帯電ローラ2との交差角について、図5を参照しつつ説明する。図5は、感光ドラム1と帯電ローラ2を、帯電ローラ2の上方から見た図である。
【0041】
感光ドラム1は前述したように、その回転軸B−B’を中心として矢印A方向に回転しつつ、駆動側(ギア側)、即ち矢印X方向に移動し、所定の配設位置で回転を継続する。これに対し、感光ドラム1に当接する帯電ローラ2の回転軸C−C’は、感光ドラム1の回転軸B−B’に対し、交差角θ=0.25°の傾きをもっており、その傾きの方向としては、帯電ローラ2の上方から見た際に、感光ドラム1の駆動側に位置する帯電ローラ2の端部21が、感光ドラム1の非駆動側に位置する帯電ローラ2の端部22よりも感光ドラム1の回転方向下流側となるように構成されている。これにより、感光ドラム1の回転に伴い、これに従動して矢印Y方向に回転する帯電ローラ2も、感光ドラム1と同様に感光ドラム1の駆動側、即ち矢印X方向に移動することとなる。
【0042】
ここで、本実施例に示したように、(1)回転に伴う感光ドラム1の移動方向と帯電ローラ2の移動方向とが同方向である場合と、(2)回転に伴う感光ドラム1の移動方向と帯電ローラ2の移動方向(矢印Z方向)とが逆方向である場合とにおける、帯電ローラ2が長手方向の所定配設位置に到達するまでに要する時間に関する比較実験結果を下記の表1に示す。尚、後者については、図6に示すように、帯電ローラ2の上方から見た際に、感光ドラム1の駆動側に位置する帯電ローラ2の端部21が、感光ドラム1の非駆動側に位置する帯電ローラ2の端部22よりも感光ドラム1の回転方向上流側となるように構成したプロセスカートリッジ10を用いて行い、交差角θの絶対値としては、公差の上下限を考慮し、0.1°、0.4°とした。
【0043】
【表1】
【0044】
尚、交差角θが大きすぎると、帯電ローラ2が移動した際に、その芯金2a端面が当接する軸受11端面が削れ易くなってしまい好ましくない。又、初期における感光ドラム1の長手方向における組付け位置としては、いずれもほぼ中央とし、帯電ローラ2の組み付け位置としては、帯電ローラ2の芯金一端面が、本来移動させたい方向とは逆方向に位置する軸受11端面に当接するよう組み付け、帯電ローラ2の移動すべき距離としては、およそ3[mm]とした。
【0045】
これによれば、いずれの場合にあっても、感光ドラム1は瞬時に駆動側へと移動し、(1)感光ドラム1の移動方向と帯電ローラ2の移動方向とが同方向である場合には、帯電ローラ2もほぼ瞬時に自動的に所定の配設位置へと移動した。
これに対して、(2)感光ドラム1の移動方向と帯電ローラ2の移動方向とが逆方向である場合には、交差角θを大きく設定しても帯電ローラ2が所定の配設位置へと移動するのにかなりの時間を要してしまった。
【0046】
このことは、画像形成装置がホストコンピュータ等からの指示を受け、画像形成工程を開始する以前に、帯電ローラ2を所定の配設位置へと移動させられない場合があることを意味し、その結果、出力される用紙の端部付近に帯電不良に起因するカブリや、紙コバ汚染といった不具合を生じさせることとなる。更に後者にあっては、ハーフトーン画像を出力した際に、部分的にではあるものの、斜め方向の微小黒スジ画像が発生した。そしてこれに対応する帯電ローラ2表面を観察したところ、その表面に、微小な傷やヨレが確認された。
【0047】
以上説明したように、回転に伴う感光ドラムの移動方向と帯電ローラの移動方向とを同方向とすることにより、感光ドラム、及び帯電ローラをほぼ瞬時に自動的に確実に所定の配設位置へと移動させることが可能となり、長手方向端部での帯電不良や、帯電ローラ表面の傷、ヨレ、伸び等に起因する帯電ムラ等の発生を防止することが可能となり、大幅なコストアップ、装置の大型化を誘発せずに、画像形成装置の品質を飛躍的に向上、安定化させることが可能となる。
【0048】
尚、本実施例においては、駆動伝達部材として、感光ドラム端部に配設されたカップリング部材に突起を、また画像形成装置内部に配設されたギアに穴を設けた場合を用いて説明したが、各々逆に設けてもよい。
【0049】
また、本実施例においては、感光ドラムと帯電ローラとが一体化されたプロセスカートリッジを用いて説明したが、これらが別体で構成されていても良いことは言うまでもない。
【0050】
実施例2
以下に、本発明に係る第2実施例について図7を参照しつつ説明する。尚、第1実施例に示した部材と同一の部材には同符号を付し説明は省略する。
【0051】
本実施例においては、第1実施例に示した、樹脂からなり、その中央部に捩じれた略三角柱の突起1dが設けられているカップリング部材1cに代わり、ハス歯ギア13が感光ドラム1の一端部にかしめにより結合されており、ハス歯ギア13は、画像形成装置内部に配設された不図示のモータからの回転駆動力の伝達を受けるためのハス歯ギアから駆動力が伝達された際に、感光ドラム1を非駆動側、即ち矢印Z方向へと移動させる推力を発生させるような傾斜角の歯を有している。
【0052】
更には、感光ドラム1と帯電ローラ2との交差角として、感光ドラム1に当接する帯電ローラ2の回転軸C−C’は、感光ドラム1の回転軸B−B’に対し、交差角θ=0.25°の傾きをもっており、その傾きの方向としては、帯電ローラ2の上方から見た際に、感光ドラム1の駆動側に位置する帯電ローラ2の端部21が、感光ドラム1の非駆動側に位置する帯電ローラ2の端部22よりも感光ドラム1の回転方向上流側となるように構成されている。これにより、感光ドラム1の回転に伴い、これに従動回転する帯電ローラ2も、感光ドラム1と同様に感光ドラム1の非駆動側に移動することとなる。
【0053】
以上のような構成とすることにより、回転に伴う感光ドラムの移動方向と帯電ローラの移動方向とが同方向となり、第1実施例に記したと同様に、感光ドラム、及び帯電ローラをほぼ瞬時に自動的に確実に所定の配設位置へと移動させることが可能となり、長手方向端部での帯電不良や、帯電ローラ表面の傷、ヨレ、伸び等に起因する帯電ムラ等の発生を防止することが可能となり、大幅なコストアップ、装置の大型化を誘発せずに、画像形成装置の品質を飛躍的に向上、安定化させることが可能となる。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の画像形成装置およびプロセスカートリッジによれば、帯電手段を予め設定された、長手方向の所定位置へと自動的に瞬時に移動させることが可能となるとともに、帯電手段の表面に傷等の損傷を生じることも防止できる。従って、大幅なコストアップ、装置の大型化を誘発せずに、画像形成装置及びプロセスカートリッジの品質を飛躍的に向上、安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施例を示す概略図である。
【図2】本発明に係る感光ドラムの一実施例を示す要部構成図である。
【図3】本発明に係る帯電ローラの一実施例を示す断面図である。
【図4】図3に示した帯電ローラの長手方向端部を示す構成図である。
【図5】本発明に係る感光ドラムと帯電ローラの位置関係における一実施例を示す平面図である。
【図6】図5の実施例に係る比較例を示す平面図である。
【図7】本発明に係る感光ドラムと帯電ローラの位置関係における他の実施例を示す平面図である。
【図8】従来の画像形成装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム(電子写真感光体・被帯電体)
1c カップリング部材(駆動伝達部材)
1d 突起
2 帯電ローラ(帯電手段)
9a ギアの穴
13 ハス歯ギア
Claims (6)
- 回転可能な被帯電体と、前記被帯電体に接触して前記被接触帯電体を所定の電位に帯電させる回転可能な帯電手段とを有し、前記被帯電体の回転軸と、前記帯電手段の回転軸とが所定の角度をもって交差する画像形成装置において、
前記被帯電体は長手方向一端部に回転駆動を伝達するカップリング部材を有し、
前記カップリング部材は、前記被帯電体に回転駆動を伝達すると共に、前記被帯電体が長手方向の所定方向に移動する力を与え、
前記帯電手段も前記所定方向と同方向に移動するように、前記被帯電体の回転軸と前記帯電手段の回転軸とを交差させることを特徴とする画像形成装置。 - 前記カップリング部材は、中央部に、前記カップリング部材に駆動を伝達するための多角形の捩れた穴と嵌合する、捩れた多角柱の突起を有することを特徴とする請求項1の画像形成装置。
- 前記カップリング部材は、中央部に、前記カップリング部材に駆動を伝達するための多角柱の捩れた突起と嵌合する、捩れた多角形の穴を有することを特徴とする請求項1の画像形成装置。
- 画像形成装置本体に着脱可能であって、回転可能な被帯電体と、前記被帯電体に接触して前記被接触帯電体を所定の電位に帯電させる回転可能な帯電手段とを有し、前記被帯電体の回転軸と、前記帯電手段の回転軸とが所定の角度をもって交差するプロセスカートリッジにおいて、
前記被帯電体は長手方向一端部に回転駆動を伝達するカップリング部材を有し、
前記カップリング部材は、前記被帯電体に回転駆動を伝達すると共に、前記被帯電体が長手方向の所定方向に移動する力を与え、
前記帯電手段も前記所定方向と同方向に移動するように、前記被帯電体の回転軸と前記帯電手段の回転軸とを交差させることを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 前記カップリング部材は、中央部に、前記カップリング部材に駆動を伝達するための多角形の捩れた穴と嵌合する、捩れた多角柱の突起を有することを特徴とする請求項4のプロセスカートリッジ。
- 前記カップリング部材は、中央部に、前記カップリング部材に駆動を伝達するための多角柱の捩れた突起と嵌合する、捩れた多角形の穴を有することを特徴とする請求項4のプロセスカートリッジ。
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