JP3862408B2 - 帯電ローラクリーニング装置及び画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電ローラの表面をクリーニングする帯電ローラクリーニング装置に関するものであり、例えば複写機やプリンタなどの画像形成装置に適用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真の帯電装置としては、コロナ帯電器が使用されてきたが、近年、これに代って接触帯電装置が実用化されてきている。
【0003】
これは、低オゾン、低電力を目的としており、中でも特に帯電部材として導電ローラを用いたローラ帯電方式が、帯電の安定性という点で好ましく、広く用いられている。
【0004】
ローラ帯電では、導電性の弾性ローラを被帯電体に加圧当接させ、これに電圧を印加することによって放電により被帯電体への帯電を行う。
【0005】
具体的には、放電開始電圧(OPC感光体に対して帯電ローラを加圧当接させた場合には、約550V)に、必要とされる感光体表面電位VdをたしたDC電圧を印加することで帯電を行うDC帯電方式、環境・耐久変動等による電位の変動を改善する目的として、必要とされる感光体表面電位Vdに相当するDC電圧に放電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を持つAC成分を重畳した電圧を接触帯電部材に印加する事で帯電を行うAC帯電方式がある。
【0006】
しかし、このような接触ローラ帯電方式においても、感光ドラムに接触させるという性格上、クリーニングブレードをすり抜けてくる微粉トナー、外添剤などにより帯電ローラ表層が汚染され、特に低温低湿環境において付着物の抵抗UPによる帯電不良が発生し、濃度ムラや白部へのトナーの付着(カブリ)などが発生する場合があった。
【0007】
そこで、このような帯電ローラの表層汚染への対策として、従来技術においては、帯電ローラの表層離型性の改良や、トナー処方の改良(微粉トナーのカット、帯電ローラの表層離型性を補助する外添剤を混合するなど)、あるいは、図11,12に示したように、帯電ローラ102表層に固定配置したウレタンスポンジ、高密度ブラシ等のクリーニング部材130,131を当接させたり、また、当接させると共に、さらにウレタンスポンジ、高密度ブラシ等のクリーニング部材130,131を帯電ローラ102長手方向に往復運動させるなどにより、画像出力上問題のないレベルまで改善されてきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術の場合には、下記のような問題が生じていた。
【0009】
近年の市場の高画質化の要求により、トナーが小粒径化し、微粉トナーの割合も増加し、それに伴い帯電ローラの汚染の度合いも悪化してきた。
【0010】
また、長寿命化、カラー化などの要求により、帯電ローラ及び感光ドラムを含むユニットの目標耐久寿命値が伸びており(カラー化により1枚の出力を得るための動作時間は長くなる)、それにより付着物の堆積量が大きくなり、以前の耐久枚数では発生しなかった画像不良の耐久後半で顕在化してくるようになった。
【0011】
また、帯電ローラ102表層に固定配置したウレタンスポンジ、高密度ブラシ等のクリーニング部材130,131を当接させることにより帯電ローラ表層の付着物を除去している場合、耐久後半でウレタンスポンジの骨格部分や高密度ブラシ先端による摺擦キズ起因によるタテスジムラが発生してしまうことがあった。
【0012】
また、ウレタンスポンジや高密度ブラシなどのクリーニング部材を、その構成上、帯電ローラ表面に対してある程度侵入させる必要があり、図13の様に侵入量δ=0.5〜1.5mm程度で当接させると、接触ニップ幅が5mm程度にまで大きくなってしまい、耐久後半において帯電ローラ表層から除去した汚染物が接触ニップ内に蓄積して、それが帯電ローラもしくはクリーニング部材に固着し、最終的には固着物による摺擦キズを引き起こしてしまうこともあった。
【0013】
また、侵入量の微妙の変化により汚染物の掻き取りムラや摺擦キズを起こしてしまうので、帯電ローラ全域において均一に当接させるためには部材寸法や支持部材位置に高い精度が要求されるという問題もあった。
【0014】
耐久後半でのウレタンスポンジの骨格部分や高密度ブラシ先端による摺擦キズの対策として、ウレタンスポンジ、高密度ブラシ等のクリーニング部材130,131を当接させながら帯電ローラ102長手方向に往復運動させ、ウレタンスポンジの骨格部分や高密度ブラシ先端を移動させるようにする場合においても、接触ニップ内に蓄積する汚染物は完全にはなくならず、また構成される部品の精度においても同様の高精度を要求されていた。
【0015】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、簡易な構成で、長期にわたって安定したクリーニングを可能とする帯電ローラクリーニング装置及び画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にあっては、被帯電体表面を帯電処理する帯電ローラの表面をクリーニングする帯電ローラクリーニング装置において、撓み変形自在な可撓部材を備え、前記可撓部材を撓ませることによる反発力によって、前記可撓部材の自由端が前記帯電ローラと非接触となるように、前記可撓部材と前記帯電ローラとを面接触させ、前記可撓部材は前記帯電ローラの略軸方向に対し往復運動して摺動し、前記帯電ローラの軸と略平行な回転揺動中心に対して前記可撓部材を回転揺動させることによって、前記帯電ローラの表面に対する前記可撓部材の侵入量を変化させて前記帯電ローラの表面に対する前記可撓部材の面接触位置を変化させることを特徴とする。
【0017】
したがって、可撓部材を撓ませることによる反発力によって、可撓部材を帯電ローラに対して面接触させるので、軽圧かつ均一に帯電ローラに接触させることができ、帯電ローラに対する接触面積も小さくすることができ、また面接触のため帯電ローラ表面を傷つけてしまうこともなく、面接触部の摺動により効果的にクリーニングすることができる。そして、帯電ローラの表面に対する可撓部材の接触位置を変化させるため、帯電ローラの接触ニップ内の汚染物を接触ニップ外に吐き出すことができる。
【0019】
また、可撓部材と帯電ローラの面接触部が軸方向に摺動してクリーニングされる。
【0020】
前記可撓部材を、帯電ローラと略平行な軸を揺動軸として揺動させる揺動手段を設けるとよい。
【0021】
したがって、可撓部材の帯電ローラ表面への接触部が変わり、面接触部内の除去した汚染物が積極的に外部に出される。
【0022】
前記可撓部材は可撓性を有したフィルム状部材であるとよい。
【0023】
前記フィルム状部材の表面に、前記可撓部材の支持部材の回転軸と略垂直な方向に延びる複数の細かい溝を施すとよい。
【0024】
したがって、可撓部材と帯電ローラの面接触部が軸方向に摺動した場合に、より効果的にクリーニングされる。
【0025】
前記可撓部材は可撓性を有したブラシシートであるとよい。
【0026】
また、上記目的を達成するために本発明の画像形成装置にあっては、画像を担持する像担持体と、該像担持体に接触しながら像担持体表面を一定電位に帯電処理する帯電ローラと、帯電処理された像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、像担持体上に形成された静電潜像を現像処理する現像手段と、を備え、上記の帯電ローラクリーニング装置によって前記帯電ローラの表面をクリーニングすることを特徴とする。
【0027】
さらに、上記目的を達成するために本発明のプロセスカートリッジにあっては、上記の画像形成装置に備えられる、前記帯電ローラクリーニング装置と、像担持体と、帯電ローラとを一体的に収容し、画像形成装置の本体に対して着脱自在に装着することを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0029】
(参考例)
まず、本発明の実施の形態を説明するに先立って、図1〜図5を参照して、参考例に係る帯電ローラクリーニング装置及び画像形成装置及びプロセスカートリッジについて説明する。
【0030】
なお、参考例及び本実施の形態では画像形成装置の一例としてレーザプリンタを例に説明する。
【0031】
まず、図1を参照して、画像形成装置全体について説明する。図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置(レーザプリンタ)の概略構成断面図である。
【0032】
本実施の形態に係る画像形成装置(レーザプリンタ)はパーソナルコンピューターやワークステーション等のホストと接続されており(図示せず)、ホストからのプリント要求によりビデオインターフェースを介して画像データを受け取る。
【0033】
この画像データを基に、本実施の形態に係る画像形成装置(レーザプリンタ)は、従来技術と同様に、イエローY、マゼンタM、シアンC、黒Kの4色に分解した画像データにより順次各色をトナー像形成し、それらを中間転写体上に重ね合わせて、紙などの転写材に一括転写してフルカラー画像を得るものである。
【0034】
101は所定の周速度(80mm/s)を持って矢印Aの方向に回転駆動される第1の像担持体としての被帯電体である感光ドラム(外径100mmのアルミ製シリンダー上に有機感光材料による感光層を形成したもの)であり、まず、その表面が帯電手段である帯電ローラ102により(約−600Vに)一様に帯電される。
【0035】
次に第1色目(Y)の画像データに応じてON/OFF制御された露光手段(静電潜像形成手段)103による走査が施され、第1色目の静電潜像が形成される(露光部電位は約−100V)。
【0036】
この第1色目の静電潜像は、第1色目のYトナー(極性−)を内包した第1の現像手段104aにより現像、可視化される。
【0037】
この可視化された第1のトナー像は、感光ドラム101に所定の押圧力をもって圧接され、感光ドラム101の周速度と略等速の速度(80mm/s)をもって矢印Bの方向に回転駆動される第2の像担持体としての中間転写体105(アルミ製シリンダー上に、NBRゴム等からなる導電弾性層の表面にカーボン、フッ素樹脂等を分散したウレタン樹脂からなる離型性を有する表層を形成し、抵抗値を105 〜1010Ω・cm程度とし、外径を153mmとしたもの)とのニップ部において、中間転写体105表面に転写(1次転写)される。
【0038】
この際、中間転写体105に対しては、トナーの帯電極性(−)とは逆極性で、予め一意的に設定された電圧VI tr(+100V)が印加される。
【0039】
1次転写の際に転写されずに感光ドラム上に残ったトナーは、感光ドラムに圧接されたクリーニング手段であるクリーニングブレード108により掻き取られ廃トナー容器109に回収される。
【0040】
そして、上記工程を残りの3色(M,C,K)についても同様に繰り返し、その都度、第2の現像手段104b、第3の現像手段104c、第4の現像手段104dに各々内包された色の異なる現像剤によるトナー像を中間転写体105表面に順次静電転写、積層することによりカラー画像が形成される。
【0041】
このカラー画像は、中間転写体105と、これに所定のタイミングで圧接され、中間転写体の周速度と略等速の速度をもって回転される接離可能な転写手段としての転写ローラ106とのニップ部に於いて、給紙部より搬送されてくる転写材107表面に一括転写(2次転写)される。
【0042】
この際、転写ローラ106に対しては、トナーの帯電極性とは逆極性で、予め一意的に設定された電圧Vtr(+1000V)が印加される。
【0043】
その後この転写材107は定着手段112に搬送され4色のトナー像は永久定着され、排紙部より機外に排出され所望のプリント画像が得られる。
【0044】
また、2次転写の際に転写されずに中間転写体105上に残ったトナーはトナー電荷制御部材113により帯電極性を制御された後、中間転写体105と感光ドラムとの電位差により感光ドラム側に戻され、感光ドラム上に配設されたクリーニングブレード108により掻き取られ廃トナー容器109に回収される。
【0045】
上記感光ドラム101及び帯電ローラ102、クリーニングブレード108、廃トナー容器109、また後記する帯電ローラクリーニング部材120は一つのプロセスカートリッジ(感光ドラムカートリッジ110)として、画像形成装置に対して着脱自在に構成されている。
【0046】
また、イエローY、マゼンタM、シアンC、黒Kの各現像手段104a,104b,104c,104dはそれぞれ一つのプロセスカートリッジ(現像カートリッジ)として、その消耗度合いにより別々に交換可能となっている。
【0047】
それぞれのプロセスカートリッジの寿命は、感光ドラムカートリッジがフルカラー標準原稿のプリントで10,000枚、カラーカートリッジがそれぞれ標準原稿プリント5,000枚、黒カートリッジが標準原稿プリント10,000枚に設定されている。
【0048】
次に、参考例に係る帯電ローラクリーニング装置について特に図2〜図5を参照して説明する。図2〜図5は参考例に係る帯電ローラクリーニング装置の説明図であり、図2,図4および図5は帯電ローラと帯電ローラクリーニング装置との関係を示した概略構成図であり、図3は帯電ローラクリーニング装置の概略斜視図である。
【0049】
帯電ローラ102は、芯金102a、弾性層102b、表面層102cからなり、不図示の軸受け及び加圧バネにより加圧され感光ドラム101に圧接接触し、感光ドラム101の回転に伴い従動回転する。
【0050】
帯電ローラ102近傍には、帯電ローラ表層を汚染する付着物(クリーニングブレードをすり抜けてくる微粉トナー、外添剤など)を清掃除去する、帯電ローラクリーニング装置を構成する帯電ローラクリーニング部材120が配設されている。
【0051】
参考例に係る帯電ローラクリーニング部材120は、帯電ローラ102の長手方向(軸方向)に対し平行に配置され、且つ同長手方向に対し一定量の往復運動Dをする支持部材121と、可撓性を持つフィルム状部材であり該支持部材に一端を固定され自由端側近傍のフィルム面において帯電ローラ102との接触ニップを形成するよう配置された可撓部材としてのクリーニングフィルム122と、画像形成装置の駆動モーターからギア列を介して支持部材を長手方向に対し一定量の往復運動をさせる不図示の駆動手段と、から構成されている。
【0052】
クリーニングフィルム122には、フィルム厚50μmのポリイミドを主成分とする樹脂フィルムを用いており、帯電ローラ102に対して侵入量2.0mm(図5参照;帯電ローラ102表面とクリーニングフィルム122当接面の自由状態断面直線との距離の最大値δにて定義)、支持部材121の固定端からl=約6mmの位置(図3)でニップ幅n=約0.5mmで当接する。
【0053】
また、レシプロ手段による支持部材の往復運動は、感光ドラムの回転駆動と連動して約2秒に1回の割合で幅約5mm往復運動するように設定されている。
【0054】
このような構成により、感光ドラムカートリッジのフルカラープリント10,000枚の寿命耐久を行ったところ、帯電ローラの汚染による不良画像は発生しなかった。
【0055】
また、帯電ローラの接触ニップを形成するよう配置された帯電ローラクリーニング部材を長手方向に一定量の往復運動させることにより、帯電ローラの表面とクリーニングフィルムとを面接触させながら摺動させることで帯電ローラ表面の微粉トナーなどによる汚染を効果的に抑制し、それによる不良画像を防止することができる。
【0056】
さらに、可撓部材(クリーニングフィルム)を撓ませた反発力によって当接力を得ているので、接触ニップを0.5mm程度に抑えることが出来、且つ侵入量の振れに対して当接圧の変化が少なく帯電ローラ全域において均一に軽圧で当接させることが出来るため、耐久寿命の長い感光ドラムカートリッジにおいても、帯電ローラクリーニング部材が掻き取った汚染物は接触ニップ内に滞留することなく、帯電ローラクリーニング部材自体や帯電ローラクリーニング部材の接触ニップに固着する汚染物の摺擦による帯電ローラ表面のキズを画像上影響のない程度にとどめることができる。
【0057】
また、クリーニング部材を構成する部品の精度にも従来に比べ、それほど高精度を要求されない。
【0058】
なお、帯電ローラクリーニング部材は、上述の様に樹脂フィルムをそのまま使用したものの他に、樹脂フィルムをグラインダー法やサンドブラスト法、ケミカルエッチング法、微粒子分散法などにより適度に粗くしたものも良い。
【0059】
フィルム材料としては、ポリイミドのほか、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレートなどの樹脂、PTFE、PVDFなどのフッ素樹脂などから選ぶことが出来る。
【0060】
また、フィルム膜厚、フィルム侵入量、クリーニング部材を長手方向に往復運動させる往復量、周期等は、上述の設定に制限されるものではなく、帯電ローラの寿命や使用するトナーの特性、感光ドラムをクリーニングする手段の性能などにより、適宜最適値を選択すればよい。
【0061】
フィルム膜厚、フィルム侵入量に関しては、それぞれ10〜1000μm、0.5〜5mmの範囲が好ましい。
【0062】
(第1の実施の形態)
図6〜図9には、本発明の第1の実施の形態が示されている。本実施の形態では、可撓部材を揺動可能にすると共に表面に細かい溝を施した構成を示している。
【0063】
その他の構成および作用については参考例と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0064】
画像形成装置の画像形成プロセス等の基本的な構成は上述の参考例と同一であるので、その説明は省略する。
【0065】
また、感光ドラムカートリッジの耐久寿命はフルカラー標準原稿のプリントで15,000枚に設定されている。
【0066】
図6〜図9は本発明の第1の実施の形態に係る帯電ローラクリーニング装置の説明図であり、図6,図8および図9は帯電ローラと帯電ローラクリーニング装置との関係を示した概略構成図であり、図7は帯電ローラクリーニング装置の概略斜視図である。
【0067】
本実施の形態では、上述の参考例に対し、より長い寿命を要求される帯電ローラにおいても良好な帯電性能を維持することを目的として、帯電ローラクリーニング部材を、支持部材を回転軸とした回転方向に一定角度揺動運動する機構(揺動手段)と、クリーニングフィルムとして表面に帯電ローラの回転方向と並行に(支持部材の長手方向(軸方向)と垂直に)細かい溝を形成したものである。
【0068】
本発明の実施の形態の特徴である帯電ローラクリーニング部材123は、帯電ローラ102の長手方向に対し平行に配置され、且つ同長手方向に対し一定量の往復運動D及び同長手方向を回転軸とした回転方向に一定角の揺動運動Eをする支持部材124と、可撓性を持つフィルム状部材であり支持部材124に一端を固定され自由端側近傍のフィルム面において帯電ローラ102との接触ニップを形成するよう配置されたクリーニングフィルム125と、画像形成装置の駆動モーターからギア列を介して支持部材を長手方向に対し一定量の往復運動をさせる駆動手段(不図示)と、から構成されている。
【0069】
そして、クリーニングフィルム125は、表面に帯電ローラの回転方向と平行に細かい溝(溝と垂直の方向でRz≒5μm)を形成されたフィルム厚50μmのポリイミドを主成分とする樹脂フィルムを用いており、前記した支持部材124の揺動運動Eにより帯電ローラ102に対して侵入量δ=2.0mm、δ′=1.0mm(図5,9参照)、支持部材124の固定端からl=約6mm、l′=約6.8mmの位置(図7)でニップ幅n,n′=約0.5mmで当接する。
【0070】
また、レシプロ手段による支持部材の往復運動Dは、上述の参考例の場合と同様に感光ドラムの回転駆動と連動して約2秒に1回の割合で幅約5mm往復運動するように設定されている。
【0071】
このような構成により、感光ドラムカートリッジのフルカラープリント15,000枚の寿命耐久を行ったところ、帯電ローラの汚染による不良画像は発生しなかった。
【0072】
また、帯電ローラクリーニング部材の摺擦起因によるタテスジムラも発生しなかった。
【0073】
上記のように、帯電ローラ近傍に、帯電ローラの長手方向に対し平行な支持部材からクリーニングフィルムを垂らし、フィルム自由端側近傍のフィルム面において帯電ローラとの接触ニップを形成するよう配置された帯電ローラクリーニング部材を長手方向に一定量の往復運動させることにより、帯電ローラ表面の微粉トナーなどによる汚染を効果的に抑制し、それによる不良画像を防止することができる。
【0074】
また、接触ニップを0.5mm程度に抑えることが出来、且つ侵入量の振れに対して当接圧の変化が少なく帯電ローラ全域において均一に軽圧で当接させることが出来、さらに、長手方向を回転軸とした回転方向に一定量の往復運動させることをより積極的に接触ニップ内の汚染物を接触ニップ外に吐き出すことが出来るため、より一層耐久寿命の長い感光ドラムカートリッジにおいても、帯電ローラクリーニング部材が掻き取った汚染物は接触ニップ内に滞留することなく、帯電ローラクリーニング部材自体や帯電ローラクリーニング部材の接触ニップに固着する汚染物の摺擦による帯電ローラ表面のキズを画像上影響のない程度にとどめることができる。
【0075】
また、クリーニング部材を構成する部品の精度にも従来に比べそれほど高精度を要求されない。
【0076】
クリーニングフィルム表面に形成された、帯電ローラの回転方向と平行な細かい溝は、クリーニング部材の長手方向の往復運動によるクリーニング効果を助けつつ、帯電ローラ回転方向に掻き取った汚染物を吐き出しやすくすると言う効果がある。
【0077】
(第2の実施の形態)
図10には、本発明の第2の実施の形態が示されている。上記第1の実施の形態では、可撓部材を表面に細かい溝を形成したクリーニングフィルムとした構成を示したが、本実施の形態では、可撓部材をブラシシートとした構成を示している。
【0078】
その他の構成および作用については第1の実施の形態と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0079】
図10は本発明の第2の実施の形態に係る帯電ローラクリーニング装置の説明図であり、帯電ローラクリーニング部材の概略構成斜視図を示している。
【0080】
画像形成装置の画像形成プロセス等の基本構成は上述の参考例と同一であるので省略する。
【0081】
また、感光ドラムカートリッジの耐久寿命は上述の第1の実施の形態と同様にフルカラー標準原稿のプリントで15,000枚に設定されている。
【0082】
本実施の形態においても上述の第1の実施の形態と同様に、より長い寿命を要求される帯電ローラにおいても良好な帯電性能を維持することを目的として、第1の実施の形態の構成におけるクリーニングフィルムの代わりに、支持部材に繊維方向が帯電ローラ長手方向に対し垂直になるように固定したブラシシートを用いたものである。
【0083】
本実施の形態の帯電ローラクリーニング部材126は、帯電ローラ102の長手方向に対し平行に配置され、且つ同長手方向に対し一定量の往復運動Dと、同長手方向を回転軸とした回転方向に一定角の揺動運動Eをする支持部材127と、ブラシシートの繊維固定端を支持部材にブラシシート繊維方向が帯電ローラ長手方向に対し垂直になるように固定し、繊維自由端近傍の繊維側面において該ローラ状部材との接触ニップを形成するよう配置されたクリーニングブラシ128と、画像形成装置の駆動モーターからギア列を介して支持部材を長手方向に対し一定量の往復運動をさせる駆動手段(不図示)と、から構成されている。
【0084】
クリーニングブラシ128は、直径100μm程度の導電性レーヨン樹脂繊維を平行に配列し厚さ1mm程度に形成したブラシシートを用いており、前記した支持部材127の揺動運動により帯電ローラ120に対して侵入量δ=2.0mm、δ′=1.0mm、支持部材124の固定端からl=約6mm、l′=約6.8mmの位置(図10)でニップ幅n,n′=約0.5mmで当接する。このように、揺動運動によって帯電ローラ102に対する侵入量を変化させることによって、帯電ローラ102の表面に対するブラシシートの接触位置は上述のlとl’に示すように変化する。
【0085】
また、レシプロ手段による支持部材の往復運動Dは、感光ドラムの回転駆動と連動して約10秒に1回の割合で幅約7mm往復運動するように設定されている。
【0086】
このような構成により、感光ドラムカートリッジのフルカラープリント15,000枚の寿命耐久を行ったところ、帯電ローラの汚染による不良画像は発生しなかった。
【0087】
また、帯電ローラクリーニング部材の摺擦起因によるタテスジムラも発生しなかった。
【0088】
上記のように、帯電ローラ近傍に、ブラシシートの繊維固定端をブラシシート繊維方向が帯電ローラ長手方向に対し垂直になるように支持部材に固定し、繊維自由端近傍の繊維側面において該ローラ状部材との接触ニップを形成するよう配置されたクリーニング部材を長手方向に一定量の往復運動をさせることにより、上述の第1の実施の形態と同様に帯電ローラ表面の微粉トナーなどによる汚染を効果的に抑制し、それによる不良画像を防止することができる。
【0089】
また、ブラシシートを用いた系においても接触ニップを0.5mm程度に抑えるとともに繊維方向が帯電ローラ回転方向と並行に配置されていること、且つ侵入量の振れに対して当接圧の変化が少なく帯電ローラ全域において均一に軽圧で当接させることが出来ること、長手方向を回転軸とした回転方向に一定量の往復運動させることをより積極的に接触ニップ内の汚染物を接触ニップ外に吐き出すことが出来ることのため、耐久寿命の長い感光ドラムカートリッジにおいても、帯電ローラクリーニング部材が掻き取った汚染物は接触ニップ内に滞留することなく、帯電ローラクリーニング部材自体や帯電ローラクリーニング部材の接触ニップに固着する汚染物の摺擦による帯電ローラ表面のキズを画像上影響のない程度にとどめることができる。
【0090】
また、クリーニング部材を構成する部品の精度にも従来に比べそれほど高精度を要求されない。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の帯電ローラクリーニング装置は、撓み変形自在な可撓部材を撓ませることによる反発力によって、この可撓部材を帯電ローラの表面に対して面接触させるので、軽圧かつ均一に帯電ローラに接触させることができ、帯電ローラに対する接触面積も小さくすることができ、また面接触のため帯電ローラ表面を傷つけてしまうこともなく、また、可撓部材と帯電ローラとの面接触部を摺動させながら帯電ローラの表面をクリーニングするので、効果的にクリーニングすることができ、簡易な構成で、長期にわたって安定したクリーニングが可能となる。そして、帯電ローラの表面に対する可撓部材の接触位置を変化させるため、帯電ローラの接触ニップ内の汚染物を接触ニップ外に吐き出すことができる。
【0092】
駆動手段によって、可撓部材を帯電ローラの略軸方向に往復移動させることで、可撓部材と帯電ローラの面接触部を軸方向に摺動させてクリーニングできる。
【0093】
揺動手段によって、可撓部材を帯電ローラと略平行な軸を揺動軸として揺動させれば、可撓部材の帯電ローラ表面への接触部が変わり、面接触部内の除去した汚染物を積極的に外部に出すことができる。
【0094】
可撓部材を、可撓性を有したフィルム状部材とすることができ、また、このフィルム状部材の表面に、面接触部の摺動方向と略垂直な複数の細かい溝を施せば、一層効果的にクリーニングすることができる。
【0095】
可撓部材を可撓性を有したブラシシートとすることもできる。
【0096】
また、本発明の画像形成装置に、上述のように長期にわたって安定したクリーニングが可能な帯電ローラクリーニング装置を適用することで、画像品質の向上にもつながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成断面図である。
【図2】図2は参考例に係る帯電ローラクリーニング装置の説明図である。
【図3】図3は参考例に係る帯電ローラクリーニング装置の説明図である。
【図4】図4は参考例に係る帯電ローラクリーニング装置の説明図である。
【図5】図5は参考例に係る帯電ローラクリーニング装置の説明図である。
【図6】図6は本発明の第1の実施の形態に係る帯電ローラクリーニング装置の説明図である。
【図7】図7は本発明の第1の実施の形態に係る帯電ローラクリーニング装置の説明図である。
【図8】図8は本発明の第1の実施の形態に係る帯電ローラクリーニング装置の説明図である。
【図9】図9は本発明の第1の実施の形態に係る帯電ローラクリーニング装置の説明図である。
【図10】図10は本発明の第2の実施の形態に係る帯電ローラクリーニング装置の説明図である。
【図11】図11は従来技術に係る帯電ローラクリーニング装置の説明図である。
【図12】図12は従来技術に係る帯電ローラクリーニング装置の説明図である。
【図13】図13は従来技術に係る帯電ローラクリーニング装置の説明図である。
【符号の説明】
101 感光ドラム
102 帯電ローラ
103 露光手段
104 現像手段
105 中間転写体
120,123,126 帯電ローラクリーニング部材
121,124,127 支持部材
122,125 クリーニングフィルム
128 クリーニングブラシ
Claims (6)
- 被帯電体表面を帯電処理する帯電ローラの表面をクリーニングする帯電ローラクリーニング装置において、
撓み変形自在な可撓部材を備え、
前記可撓部材を撓ませることによる反発力によって、前記可撓部材の自由端が前記帯電ローラと非接触となるように、前記可撓部材と前記帯電ローラとを面接触させ、
前記可撓部材は前記帯電ローラの略軸方向に対し往復運動して摺動し、
前記帯電ローラの軸と略平行な回転揺動中心に対して前記可撓部材を回転揺動させることによって、前記帯電ローラの表面に対する前記可撓部材の侵入量を変化させて前記帯電ローラの表面に対する前記可撓部材の面接触位置を変化させることを特徴とする帯電ローラクリーニング装置。 - 前記可撓部材は可撓性を有したフィルム状部材であることを特徴とする請求項1に記載の帯電ローラクリーニング装置。
- 前記フィルム状部材の表面に、前記可撓部材の支持部材の回転軸と略垂直な方向に延びる複数の細かい溝を施したことを特徴とする請求項2に記載の帯電ローラクリーニング装置。
- 前記可撓部材は可撓性を有したブラシシートであることを特徴とする請求項1に記載の帯電ローラクリーニング装置。
- 画像を担持する像担持体と、該像担持体に接触しながら像担持体表面を一定電位に帯電処理する帯電ローラと、帯電処理された像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、像担持体上に形成された静電潜像を現像処理する現像手段と、を備え、
請求項1〜4のいずれか一つに記載の帯電ローラクリーニング装置によって前記帯電ローラの表面をクリーニングすることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5に記載の画像形成装置に備えられる、前記帯電ローラクリーニング装置と、像
担持体と、帯電ローラとを一体的に収容し、画像形成装置の本体に対して着脱自在に装着することを特徴とするプロセスカートリッジ。
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