JP4577271B2 - 光記録媒体基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高密度記録媒体である、光記録媒体や光磁気記録媒体(以下、併せて「光記録媒体」という。)用の基板(光記録媒体基板)の製造方法に関する。特に、有機色素を情報記録層に用いた、追記型光記録媒体基板や、それを用いた光記録媒体の製造方法に関する。
光記録媒体は、低価格で大記録容量の情報記録媒体として、様々な記録方法のものが流通し、そして年々、その生産量が増加している。具体的には例えば、CD−ROM、CD−DA、V−CD、DVD−ROM、DVD−Video、DVD−Audio等の再生専用光記録媒体や、CD−R、DVD−R等の追記型光記録媒体、そしてCD−RW、MO、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW等の、書換可能型光記録媒体等が知られている。
特に追記型光記録媒体は、急速な普及に伴い低価格化が進み、その信号特性や生産性の向上要求が厳しくなっており、とりわけ、光記録媒体用の基板(光記録媒体基板)の生産性が重要視されてきている。
光記録媒体基板は通常、透明であり、その材料としては、熱可塑性非晶質樹脂であるポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、非晶質ポリオレフィン樹脂等が用いられている。中でも強度、耐熱性、寸法安定性、価格等の面からポリカーボネート樹脂が最も多く使用されている。
ポリカーボネート樹脂の中でも、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとからエステル交換反応(エステル交換法)により得られるポリカーボネート樹脂は、従来法(界面法)の様にホスゲンガスや有機溶媒を用いずに得られることから、周辺環境への負荷が小さいという特長がある。またエステル交換法は、界面法に比べて製造工程が簡素化されており、安定した品質のポリカーボネート樹脂が得られるという大きなメリットがある。
そして更にエステル交換法は、その反応で生成した副生成物であるフェノール等を原料モノマーの製造原料として使用できるので産業上有利であるなど、環境対応、安定品質、低価格といった多くのメリットがある。この為、エステル交換法により得られたポリカーボネート樹脂を、光記録媒体基板用樹脂に用いる検討が進み、近年ではこのエステル交換法で製造されたポリカーボネート樹脂(エステル交換法ポリカーボネート樹脂)の使用が拡大しつつある。
一方で、エステル交換法ポリカーボネート樹脂、とりわけ芳香族ポリカーボネート樹脂は、溶融粘度が高く、射出成形時の流動性に劣るという性質を有する。従って、このエステル交換法芳香族ポリカーボネート樹脂を用いて、情報信号となるピットやグルーブを形成した光記録媒体用基板を射出成形すると、ピット、グルーブの転写性が低下する場合がある。また、この基板内部に歪が発生して複屈折が大きくなり、信号再生のエラーの原因となるという問題もあった。
これらの問題に対しては、エステル交換法芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量を下げて流動性を増加させる方法が挙げられる。しかし粘度平均分子量の著しい低下は、基板強度の低下を招くという問題があった。更に、エステル交換法ポリカーボネート樹脂を用いて製造した射出成形樹脂成形体は、界面法にて得られたポリカーボネート樹脂に比べて、負の極性に帯電しやすいという問題があった。
光記録媒体基板表面が負に帯電すると、空気中の埃等の微粒子付着や、追記型光記録媒体の色素の濡れ性低下等が問題となる。これに対しては、数種類の帯電防止剤を添加する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
一方で、従来から光記録媒体の製造工程において、基板等の帯電を除去する方法も、いくつか提案されている。具体的には例えば、金型から取り出された後で除電バーやイオナイザにて基板表面を除電する方法が提案されている(例えば特許文献2参照)。また基板表面の帯電の極性と逆の極性のイオンを含むエアーを吹き付けて除電させる方法が提案されている(例えば特許文献3参照)。更に正の極性のイオン化エアーを基板表面と平行方向に吹き付ける方法が提案されている(例えば特許文献4参照)。
特開平11−279396号公報 特開平 7−57307号公報 特開平10−177744号公報 特開2003−85835号公報
しかしながら、特許文献1に記載の様な、ポリカーボネートへの帯電防止剤の添加は、ポリカーボネート樹脂の透明性低下や、高温・高湿度下での長時間使用時において樹脂が分解しやすくなるという問題があった。そして特許文献2、3には、光記録媒体の製造方法における色素の塗布性改良や、エステル交換法ポリカーボネートに特有の、負の帯電に関する課題について記載も示唆もなかった。また特許文献4に記載の方法では、光記録媒体製造における塗布後の色素特性改良は、不十分なままであった。
本発明の目的は、特にエステル交換法ポリカーボネート樹脂からなる光記録媒体基板の製造方法において、この基板上に設ける情報記録層、とりわけ追記型光記録媒体の情報記録層である色素層を設ける際の塗布不良を抑制した、光記録媒体基板の製造方法、及び追記型光記録媒体の製造方法を提供することにある。
本発明者らはまず、エステル交換法ポリカーボネート樹脂を用いた光記録媒体基板の製造方法において、この光記録媒体基板用樹脂成形体の表面を詳しく分析した。その結果、表面の大部分は負に帯電してはいるが、局所的に正に帯電している部分があることを見出し、この正の残存電荷が、色素塗布不良の原因であることを見出した。
そしてこの様な状態の光記録媒体基板用樹脂成形体表面から、正の帯電を除電する方法について鋭意検討した結果、特定以下の平均分子量を有するエステル交換法ポリカーボネート樹脂からなる光記録媒体基板用樹脂成形体表面に、イオン発生器より発生した、プラスイオン及びマイナスイオンの両方を接触させることによって、この正の帯電を除去できることを見出した。
更にこの除電の際に用いるイオン発生器としては、1つまたは複数の電極針からなる電極針部から、プラスイオン及びマイナスイオンを周期的に交互に発生させるイオン発生器を用いること、好ましくはイオン発生器として、1つの電極針からプラスイオンとマイナスイオンとを周期的に交互に発生させるものを用いることによって、正の帯電をも除去できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明の要旨は、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとからエステル交換法によって得られる、粘度平均分子量25000以下の芳香族ポリカーボネート樹脂を成形してなる光記録媒体基板用樹脂成形体を、プラスイオン及びマイナスイオンを周期的に交互に発生させる電極針部を有するイオン発生器より発生した、プラスイオン及びマイナスイオンと、クリーン度10000以下の条件下で冷却流体と共に、接触させることを特徴とする、光記録媒体基板の製造方法、及びこれにより得られた光記録媒体基板上に情報記録層を設けることを特徴とする、光記録媒体の製造方法に関する。
本発明の製造方法により得られる、エステル交換法ポリカーボネート樹脂からなる光記録媒体基板は、界面法により得られたものと同等レベルに帯電除去がなされており、色素塗布不良等を抑制し、情報記録層の形成を良好に行えるという特徴を有する。そして本発明は、追記型光記録媒体基板のみならず、ROM型光記録媒体基板や書換型光記録媒体基板の製造方法においても有効であり、各々の光記録媒体における信号特性や生産性が良好とことが期待される。
更には、エステル交換法ポリカーボネート樹脂を用いて優れた特性の光記録媒体基板が容易に製造可能となることで、より周辺環境への負荷を低減した、且つ安定品質、低価格の光記録媒体基板、及び光記録媒体を提供することが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
芳香族ポリカーボネート
本発明に用いる芳香族ポリカーボネートは、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとからエステル交換法により得られる芳香族ポリカーボネート樹脂であり、エステル交換法(又は溶融法)芳香族ポリカーボネート樹脂とも言われるものである。そしてその粘度平均分子量(以下、「Mv」ということがある。)が25000以下であることを特長とする。
この粘度平均分子量が25000を超える高いものであると、特に射出成形により得られる、光記録媒体基板用樹脂成形体の複屈折が著しく増加してしまう。逆に粘度平均分子量が低すぎても、光記録媒体基板用樹脂成形体や、光記録媒体基板としての十分な強度を有し得ない場合がある。
よって本発明に用いるエステル交換法芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、中でも10000以上、特に14000以上であることが好ましい。またこの粘度平均分子量は、中でも23000以下、特に18000以下であることが好ましい。
ここで、本発明における粘度平均分子量は、オストワルド粘度計を用い、塩化メチレンを溶媒とする溶液の20℃における極限粘度(η)を測定し、Schnellの粘度式([η]=1.23×10−40.83)から算出される値である。尚、本発明に用いるエステル交換法芳香族ポリカーボネート樹脂は、複数種のポリカーボネート樹脂を併用した混合物であってもよく、その際の粘度平均分子量は、この混合物全体について求めた値である。
本発明に用いる芳香族ポリカーボネートは、原料として芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを用い、エステル交換触媒の存在下、エステル交換反応によって、得ることができる。芳香族ジヒドロキシ化合物としては、具体的には例えば、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。
中でも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「ビスフェノールA」と略す)を用いることが好ましい。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は一種または任意の割合で二種以上を併用してもよい。
炭酸ジエステルとしては、具体的には例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート等の脂肪族カーボネート類;ジフェニルカーボネート及びビフェニルフェニルカーボネート等の芳香族カーボネート類;等が挙げられる。中でも、ジフェニルカーボネートを用いることが好ましく、これらの炭酸ジエステルは、一種または任意の割合で二種以上を併用してもよい。
本発明に用いる芳香族ポリカーボネートは、エステル交換法、特に芳香族ジヒドロキシ化合物としてビスフェノールAを、また炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネートを用いて、エステル交換法によりえられたものであることが好ましい。
エステル交換法における原料のモル比は適宜選択して決定すればよいが、小さすぎると、得られた芳香族ポリカーボネート樹脂の末端水酸基含有量が増加し、ポリマーの熱安定性が悪化する傾向がある。また逆に、このモル比が大き過ぎても、エステル交換反応速度が低下し、所望する分子量の芳香族ポリカーボネートの製造が困難となる傾向がある。よって、原料のモル比は、例えばジフェニルカーボネート/ビスフェノールAのモル比は、通常、1.001〜1.3であり、中でも1.02〜1.2であることが好ましい。
エステル交換法においては、通常、エステル交換触媒が用いられる。エステル交換触媒としては、従来公知の任意のものを使用できる。中でも好ましいもとしては、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物が挙げられる。更に、補助的に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物等を併用してもよい。
この触媒量としては、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、通常、1×10−7〜9×10−7モル用いる。触媒量が少な過ぎると、所定の分子量、及び末端水酸基含有量を示すポリカーボネート樹脂の製造に必要な重合活性が得難い傾向があり、逆に多すぎても、得られる芳香族ポリカーボネート樹脂の色相が悪化し、そしてまた分岐が増加し、ポリマーの成形性が損なわれる傾向がある。よってこの触媒量としては、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、中でも1.5×10−7〜8×10−7モル、特に2×10−7〜7×10−7モルであることが好ましい。
アルカリ金属化合物としては、具体的には例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸セシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸セシウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素セシウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、フェニル化ホウ素カリウム、フェニル化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素セシウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸セシウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、リン酸水素2セシウム、フェニルリン酸2ナトリウム、フェニルリン酸2カリウム、フェニルリン酸2リチウム、フェニルリン酸2セシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウムのアルコレート、フェノレート、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2リチウム塩、2セシウム塩等が挙げられる。
またアルカリ土類金属化合物としては、具体的には例えば、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等が挙げられる。
塩基性ホウ素化合物としては、具体的には例えば、テトラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピルホウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホウ素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホウ素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジルホウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホウ素、ベンジルトリフェニルホウ素、メチルトリフェニルホウ素、ブチルトリフェニルホウ素等のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、マグネシウム塩、ストロンチウム塩等が挙げられる。
塩基性リン化合物としては、具体的には例えば、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、四級ホスホニウム塩等が挙げられる。
塩基性アンモニウム化合物としては、具体的には例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
アミン系化合物としては、具体的には例えば、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリン等が挙げられる。
エステル交換反応は、一般には2段階以上の多段工程で実施される。具体的には例えば、第1段目の反応は、93〜1.33kPaの減圧下、120〜260℃、好ましくは180〜240℃にて、0.1〜5時間、好ましくは0.1〜3時間反応させる。次いで反応系の減圧度を上げながら反応温度を高め、最終的には133Pa以下の減圧下、240〜320℃の温度で重縮合反応を行う製造方法が挙げられる。
反応の形式は、バッチ式、連続式、又は、バッチ式と連続式の組み合わせのいずれでもよく、使用する装置は、槽型、管型又は塔型いずれの形式の反応器であってもよい。
また、本発明に用いる芳香族ポリカーボネートの製造に際しては、反応後にエステル交換触媒を失活させるため、酸性化合物又はその前駆体、具体的には例えば、スルホン酸化合物又はその前駆体を、失活剤として添加することが好ましい。この様な触媒失活剤としては、中でもp−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸ブチル等が好ましく、これらは単独で、又は2種以上を任意の割合で使用してもよい。
エステル交換触媒に対して用いる触媒失活剤の量は適宜選択して決定すればよいが、具体的には例えば、上述した様な酸性化合物又はその前駆体の場合には、重縮合反応に使用した塩基性エステル交換触媒の中和量に対して、0.1〜50倍モル、中でも0.5〜30倍モル添加することが好ましい。
触媒失活剤の添加時期は重縮合反応後であれば任意であり、添加方法にも特に制限はない。触媒失活剤の性状や所望の条件に応じて、直接添加する方法や、適当な溶媒に溶解して添加する方法、ペレットやフレーク状のマスターバッチを使用する方法等が挙げられる。
本発明に用いる芳香族ポリカーボネートには、本発明の効果を損なわない範囲で、従来公知の任意の樹脂添加剤、具体的には例えば、安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤等を含有していてもよい。
本発明においては、上述した様な、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとからエステル交換法によって得られる、粘度平均分子量25000以下の芳香族ポリカーボネート樹脂を、射出成形して光記録媒体基板用樹脂成形体を得る。そしてこの樹脂成形体に、イオン発生器より発生した、プラスイオン及びマイナスイオン(以下、単に、「プラスイオン及びマイナスイオン」ということがある。)と接触させ、光記録媒体基板を製造することを特長とする。
光記録媒体基板用樹脂成形体の形成
本発明において、上述した様な芳香族ポリカーボネート樹脂を用いた、光記録媒体、例えばCD−RやDVD−R等の追記型光記録媒体等の基板製造方法としては、従来公知の任意の方法を使用できる。具体的には例えば、芳香族ポリカーボネート樹脂を射出成形によって、所定のスタンパーに予め刻印されているサブミクロンの大きさの、複数の溝、ピット、グルーブ等の凹凸形状が、この光記録媒体基板表面に転写され、これら凹凸形状が同心円状に配置された面(以下、信号面と言うことがある。)を有する、円盤状の光記録媒体基板用樹脂成形体を製造する方法が挙げられる。
中でも本発明においては、この様な射出成形による光記録媒体基板用樹脂成形体の製造方法において、射出成形金型から光記録媒体基板用樹脂成形体を剥離する際に生ずる帯電をも効果的に除電出来、その効果が顕著となる。
イオン発生器とプラスイオン及びマイナスイオンとの接触
本発明においては、この様にして得られた光記録媒体基板用樹脂成形体を、プラスイオン及びマイナスイオンを周期的に交互に発生させる電極針部を有するイオン発生器より発生した、プラスイオン及びマイナスイオンと接触させ、光記録媒体基板を製造する。この接触の時期は、該光記録媒体基板用樹脂成形体の信号面上に、情報記録層(以下、単に「記録層」と言うことがある。)や反射膜、保護層、耐傷性・耐擦性層等を形成する前であれば、特に制限はない。
そして、本発明では、射出成形等の樹脂成形行程後における、光記録媒体基板用樹脂成形体の冷却ステージにおいて、光記録媒体基板用樹脂成形体に対して、冷却流体と共にプラスイオン及びマイナスイオンを接触させる。
ここで冷却流体としては、具体的には例えば、空気、窒素等が挙げられ、これらの流体は通常、微粒子等が除去された、清浄化された流体であり、この様な接触も、クリーンブース内などの清浄環境下にて行われる。具体的には例えば、FED規格(FED−STD−209E)のクリーン度クラス10000以下の条件下で、イオン発生器より発生したプラスイオン及びマイナスイオンをと接触させる、中でもクラス1000以下、特にクラス100以下であることが好ましい。
冷却流体と共に、プラス、マイナス両方のイオンを接触させる方法は任意であり、特に制限はない。具体的には例えば、冷却ステージの略全体にダウンブロー方式にて供給される冷却用エアー等の冷却流体と共に、プラスイオン及びマイナスイオンを接触させる方法が挙げられる。また、コンプレッサーから供給される冷却流体をフレキシブルチューブ等の移送管によって、光記録媒体基板用樹脂成形体の近傍へ供給される冷却流体とともに用いてもよい。
中でも、コンプレッサーから供給される冷却流体をフレキシブルチューブ等の移送管によって冷却流体を除電装置内に導入し、プラス、マイナスのイオンを含む冷却流体として、除電装置放出口から光記録媒体基板用樹脂成形体表面へ供給する方法が、除電効果が高いので好ましい。この様な除電装置としては、例えばキーエンス社製SJ−R060等が挙げられる。
本発明においては、光記録媒体基板用樹脂成形体に対し、プラスイオン及びマイナスイオンを接触させる為の導入角度は任意であり、適宜選択して決定すればよい。中でも、光記録媒体基板用樹脂成形体の信号面と略平行にプラスイオン及びマイナスイオンを導入し、接触させることが好ましい。この様な、プラスイオン及びマイナスイオンの導入は、具体的には例えば、以下の様な方法により行うことが出来る。
射出成形機等の樹脂成形機から分離された光記録媒体基板用樹脂成形体は、クリーンブース内の冷却ステージに、基板表面が水平面方向又は垂直方向に保持される。通常は冷却ステージの設置面積を小さくするため、基板表面が垂直方向に保持される。冷却ステージ上に、垂直に保持されている基板表面に対して平行に、その上部から冷却流体と共にプラスイオン及びマイナスイオンを導入、接触させる。この様な方法によって、光記録媒体基板用樹脂成形体の”反り”を低減しつつ、効率的に除電することができる。
本発明に用いるイオン発生器は特に制限はなく、プラスイオン及びマイナスイオンを周期的に交互に発生させる電極針部を有するものであれば、従来公知の任意のものから適宜選択して決定すればよい。イオン発生器としては、直流方式(DC方式)と交流方式(AC方式)とに大別される。
DC方式は、高い電圧を掛け続けられるため単位時間当たりのイオン発生量が多く、1つの発生器、つまりイオンを放出する1つの電極針からは、プラスかマイナスのいずれか一種のイオンのみを発生させるものである。よってDC方式のイオン発生器を用いる際には、プラス、マイナスのいずれかのイオン量が多すぎて帯電を助長しない為に、イオンバランスが良好となる様に、二つ以上の電極針からなる電極針部を有し、プラスイオン及びマイナスイオンを周期的に交互に発生させる電極針部としたものを有するイオン発生器を用いればよい。
一方、AC方式は、交流電圧を1つの電極針に印加するので、1つの電極針からプラスとマイナス両方のイオンを放出するものである。その為、プラスとマイナスの両方の帯電を除電でき、更にはイオンバランスが良好なので、帯電を助長する恐れが少ないので好ましい。尚、AC方式は、一般的に単位時間当たりのイオン発生量がDC方式に比べて少なく、除電速度が遅いので、印加電圧や用いる電極針数を適宜増加させて、除電を行えばよい。
またAC方式には、パルスAC方式がある。パルスAC方式では直流の電圧を交互に印加する方法を採用し、印加電圧を矩形波とするものである。これによってAC方式にて用いる交流電圧(正弦波)よりも単位時間当たりのイオン発生量が多くなり、プラス、マイナス両方のイオンを交互に発生させるためイオンバランスが良いものとなる。
本発明に用いるイオン発生器としては、上述した様な、従来公知の任意のものから適宜選択して決定すればよいが、中でも、除電特性や電極構造の設計が容易なことから、パルスAC方式のイオン発生器を用いることが好ましい。本発明に用いるイオン発生器としてパルスAC方式を用いる際には、具体的には例えば、この電極針を略直線上に配列した電極バーを、複数用いることが好ましい。これによって、バーの長手方向におけるイオンバランスが良く、効率的に光記録媒体基板用樹脂成形体の除電が行える。
本発明に用いるパルスAC方式のイオン発生器は、イオン発生に要する出力電圧や、このイオンを光記録媒体基板用樹脂成形体へ接触させる際の冷却流体の流量や圧力、樹脂成形体との距離等は、適宜選択して決定すればよいが、一般的には、出力電圧は1〜20kv、パルス波長は1〜100Hz、冷却流体流量は1〜100m/min、冷却流体圧力は0.01〜1MPa、基板面とイオン発生器の距離は0.1〜1m、そしてこの様な除電時間(イオン発生器より発生したプラスイオン及びマイナスイオンと接触している時間。)は1秒〜5分である。
本発明においては、上述の様に、光記録媒体基板用樹脂成形体に対してイオン発生器より発生したプラスイオン及びマイナスイオンを接触させて除電を行い、光記録媒体基板を得る。次いで信号面上に、情報記録層(以下、単に「記録層」と言うことがある。)や反射膜、保護層、耐傷性・耐擦性層、更にDVD−Rなどの場合には、先述の基板と反対側面の最外層に、透明基板を再度設けるなどして、光記録媒体を製造する。
本発明の光記録媒体基板の製造方法は、任意の光記録媒体に用いる基板の製造に適用することが出来る。光記録媒体としては、具体的には例えば、基板上に色素記録層、反射層、そして保護層、耐殺性層等がこの順に積層された追記型光記録媒体であるCD−Rが挙げられる。またCD−Rと同様の構成を有し、反射層の上に保護層からなる積層体と透明基板(ダミー板)とを、記録層が内側となるように貼り合わせた、追記型光記録媒体であるDVD−R、DVD+Rが挙げられる。
更に、記録層として相変化型記録層を有し、光記録媒体の両面に基板を有する書換可能型光記録媒体であるDVD−RやDVD+Rが挙げられる。本発明の製造方法は、中でも、記録層に色素層を用いる追記型光記録媒体基板の製造方法に用いることで、その効果が顕著となるので好ましい。具体的には、基板上に色素層を形成する際の色素塗布不良を抑制し、記録層の形成を良好に行えるという効果が顕著となる。
以下に、記録層に色素層を用いた追記型光記録媒体を例に挙げて、本発明の光記録媒体の製造方法について説明する。
本発明の光記録媒体の製造方法において用いる光記録媒体基板は、通常、厚さが0.5〜1.5mmであり、具体的には例えば、CD−Rでは1.2mm、DVD−Rでは0.6mmとなる様に成形すればよい。成形方法は任意だが、通常、射出成形にて製造される。この射出成形時に、信号面側に溝及び/またはピットを成形する。この様にして得られた光記録媒体基板用樹脂成形体を、先述の様に除電したものを光記録媒体基板とし、この基板上に記録層である色素層を形成する。
記録層の形成(色素の塗布)
一般的に、記録層に色素を用いる追記型光記録媒体の製造方法においては、色素を基板の信号面上に直接塗布することで、記録層を形成する。この色素の塗布方法は任意であり、従来公知の任意の方法から適宜選択して決定すればよい。通常、スピンコート法を利用して、有機色素を有機溶媒に溶解させた色素溶液を、信号面に形成されたグルーブを充満するように塗布する方法が挙げられる。
スピンコート法は、一般に、塗布液付与装置(ディスペンスノズル)、スピナーヘッド、飛散防止壁、そして排気装置等から構成されてなる、従来公知の任意のスピンコート装置を用いて行えばよい。具体的には例えば、スピナーヘッド上に光記録媒体基板を静置し、次いでスピナーヘッドを駆動モータにより回転させながら、該基板の内周部の表面に、好ましくは、グルーブの最内周縁より2〜3mm内方の位置に、塗布液付与装置のノズルから塗布液を供給する。基板上に供給された塗布液は遠心力により外周側に放射状に流延し、塗布膜を形成すればよい。
色素層の厚さは適宜選択して決定すればよいが、通常、CD−Rで10〜5000nm、DVD−Rで10〜3000nmである。
スピンコート操作の間、飛散防止壁の上方に設けた開口部(気体導入部)から空気等の乾燥気体を導入し、その気体を該塗布膜上に流通させ、スピンコート装置の下方から排気する。この気体の流通によって、塗布膜から溶媒が除去され、塗布膜は乾燥される。また必要に応じてベーキングと呼ばれる乾燥オーブンに基板を投入して残存溶媒を除去し、記録層を形成すればよい。
追記型光記録媒体の記録層である色素層に用いる色素としては、レーザー光波長域、具体的には例えば300〜850nmに吸収領域のある色素であれば、制限はなく、適宜選択して決定すればよい。具体的には例えば、アゾ色素、シアニン色素、フタロシアニン色素、アズレニウム色素、スクアリリウム色素、ポリメチン色素、ピリリウム色素、チオピリリウム色素、インドアニリン色素、ナフトキノン色素、アントラキノン色素、トリアリルメタン色素、アミニウム色素、ジイモニウム色素、アゾ系配位子化合物と金属とからなる金属キレート系色素、金属錯体等、及びこれらの混合物が挙げられる。
中でも、信号の感度に優れ、溶媒に溶解しやすく、耐光性が良好であり、高品質の追記型光記録媒体が得られることから、アゾ系、シアニン系、及びフタロシアニン系等の色素が好ましい。
色素溶液用の有機溶媒は適宜選択して決定すればよいが、具体的には例えば、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等のエステル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン、ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素、ジメチルホルムアミド等のアミド、シクロヘキサン等の炭化水素、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール、2,2,3,3−テトラフロロプロパノール等のフッ素系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類等が挙げられる。
これらの溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して、単独または二種以上を適宜併用することができる。中でも2,2,3,3−テトラフロロプロパノール、オクタフロロペンタノール、ジブチルエーテル等のフッ素系溶剤を用いることが好ましい。
そして記録層上に反射層を設ける。反射層はAg、Au、Al等の金属をスパッタ法等の、従来公知の任意の方法により設ければよい。また反射層上に保護膜を、更には耐傷性層を設けてもよい。CD−Rの場合は単板で形成されるが、DVD−Rの場合は上述した保護層上に接着剤層等を介して更に透明基板を貼り合わせればよい。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されない。また原料、除電装置には以下のものを用いた。
1.エステル交換法ポリカーボネート樹脂
三菱エンジニアリングプラスチックス社製 ノバレックスM7020AD2、Mv:16000
2.除電装置と冷却条件等
除電装置(a):キーエンス社製「SJ−R060」(パルスAC方式)除電バー(長手方向に、プラス、マイナス両イオンを周期的に交互に発生する電極針を配置したもの)。各条件は、出力電圧:7.0 kv、パルス波長:10Hz(矩形波)、エアー流量:40m/分、エアー圧力:0.2MPa、樹脂成形体(円盤状樹脂成形体端部)と除電バーとの距離:0.3m、除電時間:60秒とした。
除電装置(b):ヒューグルエレクトロニクス社製「Model442」、ダブルDC方式除電バー(長手方向に、プラスイオンのみを発生する電極針と、マイナスオンのみを発生する電極針とを、交互に配置したもの)。各条件は、出力電圧:±6.0kv、エアー流量:40m/分、樹脂成形体(円盤状樹脂成形体端部)と除電バーとの距離:0.3m、除電時間:60秒とした。
3.冷却条件等
除電装置(a)(パルスAC方式)を用いる際には、光記録媒体基板用樹脂成形体は、冷却ステージ(クリーンブース)内にて、ほぼ垂直に静置させた状態で、除電バーの長手方向へ水平移動させた。イオン発生器は、クリーンブース内にて該樹脂成形体の移動経路の直上に、その長手方向を移動方向に沿って水平に設置した。そして冷却エアーは、フレキシブルチューブにて除電バーに供給し、除電バーから、プラス、マイナスのイオンと共にダウンブローさせ、水平移動している光記録媒体基板用樹脂成形体へ接触させた。
除電装置(b)(ダブルDC方式)を用いる際にも、光記録媒体基板用樹脂成形体は、クリーンブース内にて、ほぼ垂直に静置させた状態で、除電バーの長手方向へ水平移動させた。そしてイオン発生器は、クリーンブース内にて該樹脂成形体の移動経路の直上に、その長手方向を移動方向に沿って水平に設置し、クリーンブース上部より供給されるダウンブロー冷却エアーと共に、除電バーより発生するプラス、マイナスのイオンを該樹脂成形体表面に接触させた。
(実施例1、比較例1、2)
ポリカーボネート樹脂を、グルーブ深さ150nm、ピッチ0.74μmの光記録媒体製造用金型(スタンパー)を装備した射出成形機(住友重機社製、型式:SD40)を用いて、シリンダー温度380℃、金型温度128℃、成形サイクル6.0secの条件下で厚さ0.6mm、直径120mmの、透明な、円盤状の光記録媒体基板用樹脂成形体を得た。
次いでこの樹脂成形体を金型から取り出し、クリーン度クラス10000の室内にて、冷却、色素塗布を行った。まず、この室内に設置された、上部に除電装置が設置されたクリーンブース内(クリーンブース内のクリーン度はクラス100。)にて、冷却・除電し、または除電せずに冷却を行い、グルーブを有する光記録媒体基板を製造した。
次いで得られた光記録媒体基板を200rpmにて回転させながら、グルーブの最内周から3mm内方の内周部上に、アゾ系色素(三菱化学メディア社製:PDS−1861)のオクタフロロペンタノール5%溶液をノズルから滴下した。溶液滴下後、基板の回転数を5000rpmに上げ、基板上に供給された塗布液を円盤状の基板外周側に放射状に流延し、グルーブを充満した塗布液層を形成した。次いで、この塗布液層を設けた光記録媒体基板を、95℃に保たれた乾燥オーブンに投入して15分間静置し、残存溶媒を除去し、色素記録層を形成させた。
以上の方法で得られた、色素層を設けた光記録媒体基板について、下記各項目の評価を実施した。結果は表−1に示した。
(1)明欠陥の有無:色素塗布後の基板に形成された色素記録層を目視で観察し、部分的に色素が薄くなっている部分を明欠陥とし、その有無を調べた。
(2)塗布部内周の真円度:色素塗布後の基板に形成された色素記録層内周部を目視で観察し、真円形状の部分的な乱れの有無を調べた。
Figure 0004577271
表1より、本発明の光記録媒体基板は、色素塗布時に明欠陥や真円乱れがなく、光記録媒体基板として好適であることが判る。しかし、同じエステル交換法ポリカーボネート樹脂製光記録媒体基板でも、その基板用樹脂成形体をDC方式除電機で除電した場合(比較例1)には、真円乱れによる外観不良が存在するため、記録媒体基板としては適さないことが判る。
更に、除電しない場合(比較例2)では、真円乱れに加えて明欠陥が存在してしまい、信号特性に影響を及ぼすために光記録媒体基板として適さないことがわかる。

Claims (4)

  1. 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとからエステル交換法によって得られる、粘度平均分子量25000以下の芳香族ポリカーボネート樹脂を成形してなる光記録媒体基板用樹脂成形体を、プラスイオン及びマイナスイオンを周期的に交互に発生させる電極針部を有するイオン発生器より発生した、プラスイオン及びマイナスイオンと、クリーン度10000以下の条件下で冷却流体と共に、接触させることを特徴とする、光記録媒体基板の製造方法。
  2. イオン発生器が、電極針と、電極針に印加する電源とを有し、1つの電極針からプラスイオンとマイナスイオンとが周期的に交互に発生するものであることを特徴とする、請求項1に記載の光記録媒体基板の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法により得られた光記録媒体基板上に情報記録層を設けることを特徴とする、光記録媒体の製造方法。
  4. 光記録媒体が追記型光記録媒体であることを特徴とする請求項に記載の光記録媒体の製造方法。
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