JP2000268404A - デジタルバーサタイルディスク用基板およびその製造方法 - Google Patents

デジタルバーサタイルディスク用基板およびその製造方法

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JP2000268404A JP11066625A JP6662599A JP2000268404A JP 2000268404 A JP2000268404 A JP 2000268404A JP 11066625 A JP11066625 A JP 11066625A JP 6662599 A JP6662599 A JP 6662599A JP 2000268404 A JP2000268404 A JP 2000268404A
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Munehiro Chiyousa
宗廣 長佐
Masaya Okamoto
正哉 岡本
Yasuhiro Ishikawa
康弘 石川
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】射出成形時の転写性にすぐれ、金型からの離型
性と強度にすぐれた、デジタルバーサタイルディスク
(DVD))の提供。 【解決手段】炭素数14〜30の脂肪酸モノグリセリド
を0.015〜0.05重量%含有する芳香族ポリカー
ボネート樹脂組成物からなり、該芳香族ポリカーボネー
ト樹脂が、末端基の30モル%以上がp−クミルフェノ
キシ基及び/又はp−tert−オクチルフェノキシ基
であり、粘度平均分子量(Mv)が10,000〜1
7,000であるデジタルバーサタイルディスク(DV
D)用基板。基板の厚みは、通常0.6mm以下であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ビームの集光に
より情報の記録、再生あるいは記録、再生、消去などを
行う高密度の光記録媒体に用いられる樹脂製基板に関
し、さらに詳しくは、成形性、物性にすぐれたデジタル
バーサタイルディスク用基板、該基板用樹脂組成物、該
基板の製造方法およびテジタルバーサタイルディスクに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザ光の照射により情報の記録
・再生を行う光ディスクとしては、光磁気ディスク、追
記型光ディスク、デジタルオーディオディスク(コンパ
クトディスク:CD)、光学式ビディオディスク(レー
ザーディスク(登録商標))などが知られている。これ
らのうち、コンパクトディスクやレーザーディスクは、
再生専用の光ディスクであり、一方、追記型光ディス
ク、光磁気ディスクは、ユーザーによって情報の書き込
みが任意に行えるRAM(Randam Access
Memory)型の光ディスクであり、各種記録媒体
として急速に普及してきている。
【0003】これらの記録媒体としては、高密度記録容
量(4.7GB)のDVD−ROM(読み出し専用デジ
タルビデオディスク)の規格が統一されて以来、DVD
の高密度な情報記録性、音声の高品質性、画像の高精細
性などから注目されてきている。DVDは、たとえば、
再生専用のDVD−ROMでは、プレピット方式、追記
型のDVD−Rでは色素記録方式、書き換え型のDVD
−RAMでは相変化方式が採用されている。なお、その
後、DVDは、ビデオだけでなく、オーディオ、コンピ
ューターなどの記録媒体など広い分野への展開が図られ
ており、順次規格化ないし規格化の検討がなされてきて
いる。本発明は、これら広範囲の光記録媒体を意味す
る、デジタルバーサタイルディスク(Digital・
Versatile・Disc)に関するものであり、
以下本明細書では、デジタルバーサタイルディスクとし
てDVDの用語を用いる。
【0004】DVDでは、CDに対して照射レーザー光
の波長を780nmから635〜650nmと短波長化
するとともに、対物レンズの開口数NAを0.45から
0.52あるいは0.6に増大すること、さらに、基板
の厚さを1.2mmから0.6mmに半減することによ
り、レーザ光がディスク基板を透過する距離を短くする
ことで高密度記録が図られている。
【0005】ここで、DVD用基板としては、ポリカー
ボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ガラスな
どが用いられるが、射出成形によって微細な成形が容易
で、大量生産に適することなどから樹脂が主として用い
られている。しかしながら、基板厚みが、1.2mmか
ら0.6mmに半減して薄くなったことにより、基板の
耐衝撃性が重要になってきている。したがって、この耐
衝撃性などの強度、さらには透明性、耐熱性、低吸水性
などの点から芳香族ポリカーボネートが用いられてい
る。
【0006】本出願人は、すでに、(1)ポリカーボネ
ート・ポリオルガノシロキサン共重合体ないし該共重合
体とポリカーボネート樹脂からなるデジタルビデオディ
スク基板(特開平9−265663号公報)、(2)特
定の末端基を有し、粘度平均分子量が10,000〜1
7,000であるデジタルビデオディスク基板(特開平
9−320110号公報)、(3)粘度平均分子量1
0,000〜17,000で、重量平均分子量(Mw)
/(Mn)値が2.3以上のポリカーボネートからなる
デジタルビデオディスク基板(WO97/36292号
公報)を提案している。
【0007】他方、DVDに適した基板として、(4)
全芳香族ジヒドロキシ成分の少なくとも20モル%が
1,1−ビス(ヒドロキシフェニル)−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサンである芳香族ポリカーボネート
樹脂より形成され、各種特性が規定された光ディスク基
板(特開平8−293128号公報)、(5)フルオレ
ン含有芳香族ジオールに由来する構成単位10〜60モ
ル%と、フェニル基が結合した炭素原子にさらに結合し
たフェニル基を有する前記以外の芳香族ジオールに由来
する構成単位90〜40モル%とからなる芳香族ポリカ
ーボネート樹脂を含有する樹脂組成物からなる光ディス
ク用基板(特開平10−310692号公報)が提案さ
れている。
【0008】これらは、極めて特殊なポリカーボネート
樹脂を用いるものであり、汎用性に劣るとともに、高価
になるものである。しかも、光ディスク一般に関するも
のであり、デジタルビデオディスクの一般記載はあるも
のの、具体的に評価の対象とされているのは、基板厚み
が1.2mmのものであり、0.6mm基板の具体的な
開示は見られない。
【0009】さらに、(6)特開平9−208684号
公報には、粘度平均分子量(Mv)が13,000〜2
0,000のポリカーボネート樹脂であって、該ポリカ
ーボネート樹脂中に含まれる分子量が1,000以下の
低分子量成分が1重量%未満であり、かつ分子量が2,
000〜5.000のポリカーボネートオリゴマーが少
なくとも10重量%である高流動性ポリカーボネート樹
脂およびこの樹脂がビデオディスク(DVD)などの光
記録媒体を製造するのに好適な転写性、ハイサイクル成
形性を有し、スタンパーへの付着物を少なくできる樹脂
であることが開示されている。しかしながら、具体的に
は1.2mmの基板を成形温度320℃、金型温度90
℃で成形した場合の評価が具体的に示されているに過ぎ
ない。
【0010】また、(7)特開平10−60105号公
報、特開平11−35671号公報には、炭素数14〜
30の脂肪酸モノグリセリドを0.06〜0.1重量%
とカーボネート繰り返し単位が1〜4の低分子量体を
3.5〜8重量%とを含有する光ディスク基板用ポリカ
ーボネート樹脂組成物および炭素数14〜30の脂肪酸
モノグリセリドを0.06〜0.1重量%含有する場合
を除く光ディスク基板用ポリカーボネート樹脂組成物が
開示されている。
【0011】しかしながら、脂肪酸モノグリセリドの添
加量が0.06重量%以上の場合、金型離型性が良好に
なることは当然であるが、光学的性質、特に、曇り現象
や高温、高湿下での加速劣化試験において、ポリカーボ
ネート樹脂の加水分解による分子量の低下、偏光白濁欠
陥の発生が促進される傾向が見られる。このことは、D
VDとしての、情報記録の信頼性の低下を意味し、実用
上満足できない場合が考えられる。また、本公報には、
樹脂温度380℃、金型温度120℃と比較的高温成形
条件で、0.6mmの基板の成形例において、成形にお
けるスタンパ転写性、離型性についての評価結果は示さ
れているが、ポリカーボネート樹脂の分子量はもちろ
ん、複屈折や強度については、何ら記載されていない。
【0012】また、炭素数14〜30の脂肪酸モノグリ
セリドの含有量が、0.06重量%未満では離型性が十
分でなく、高速成形性、製品歩留りが低下する問題があ
る。さらに、これら組成物のポリカーボネート樹脂は、
モノマーを比較例的多く含むものであり、長期安定性に
おいて問題が生じるおそれがある。また、その製造工程
も低分子量体の分離、乾燥、さらに再添加など複雑とな
り、高純度のポリカーボネート樹脂の製造が複雑、かつ
高価になるものである。さらに、前記(6)、(7)に
記載の公報には、ポリカーボネート樹脂の末端基の影響
については何ら開示されていない。
【0013】DVD用基板は、前記したように、120
mm径、厚み0.6mmの基板を、2枚張り合わせるこ
とにより、DVDとしての強度とともに、両面記録によ
る、記録密度の向上が図られている。しかし、さらなる
記録密度の向上手段が提案されてきている。すなわち、
DVD−ROMから、DVD−R、DVD−RAMにな
るに従い、ピット深さが深くなる傾向にあり、これらの
ピット形状を転写・賦形するためには、さらなる溶融流
動性の向上、成形温度の上昇、成形金型温度の上昇が必
要となる。これらの問題点の解決のために、光学的特性
や強度の安定化が市場より要望されてきている。また、
基板の成形性、生産性の向上、製品歩留りの向上、品質
の安定などその要求は厳しさを増してきている状況であ
る。
【0014】特に、ピット形状の精細化にともなう、基
板の成形性の向上、中でも転写性と基板の離型性を合わ
せ解決することが求められている。基板の離型性や強度
が不十分であると、見かけ上問題なく離型した場合にあ
っても、微小なバリの金型内への残存、これが次サイク
ルの成形時に基板に取り込まれ、異物として不良品発生
の原因となり、製品歩留りの悪化となる場合がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、射出成形時
の転写性にすぐれ、金型からの離型性と強度にすぐれ、
0.6mmの基板を、製品歩留りよく容易に成形するこ
とができ、しかもすぐれた特性を有するDVD(デジタ
ルバーサタイルディスク)を製造することが可能な、ポ
リカーボネート樹脂組成物、該組成物を成形してなるD
VD用基板、製造方法およびDVDを提供することを目
的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者は、比較的高温
樹脂温度、高温金型温度において、0.6mmの薄肉基
板を射出成形する場合において、スタンパ転写性、金型
離型性、成形サイクルなどの成形性と得られた基板の各
種特性との関係について鋭意検討した。その結果ポリカ
ーボネート樹脂として、特定の末端基を有し、離型剤の
種類と配合量を特定する場合にこれらの問題点が解決で
きることを見いだし本発明を完成したものである。
【0017】すなわち、本発明は、 (1)炭素数14〜30の脂肪酸モノグリセリドを0.
015〜0.05重量%含有する芳香族ポリカーボネー
ト樹脂組成物からなり、該芳香族ポリカーボネート樹脂
は、末端基の30モル%以上がp−クミルフェノキシ基
及び/又はp−tert−オクチルフェノキシ基であ
り、粘度平均分子量(Mv)が10,000〜17,0
00であるデジタルバーサタイルディスク用基板。 (2)基板の厚みが、0.6mm以下である上記(1)
記載のデジタルバーサタイルディスク用基板 (3)芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量
(Mv)が、12,000〜15,000である上記
(1)または(2)記載のデジタルバーサタイルディス
ク用基板 (4)脂肪酸モノグリセリドがステアリン酸モノグリセ
リドである上記(1)〜(3)のいずれかに記載のデジ
タルバーサタイルディスク用基板 (5)炭素数14〜30の脂肪酸モノグリセリドを0.
015〜0.05重量%含有する芳香族ポリカーボネー
ト樹脂組成物からなり、該芳香族ポリカーボネート樹脂
は、末端基の30モル%以上がp−クミルフェノキシ基
及び/又はp−tert−オクチルフェノキシ基であ
り、粘度平均分子量(Mv)が10,000〜17,0
00であるデジタルバーサタイルディスク用基板成形用
ポリカーボネート樹脂組成物。 (6)請求項5記載のデジタルバーサタイルディスク用
基板成形用ポリカーボネート樹脂組成物を樹脂温度34
0〜400℃、金型温度80〜130℃の条件で射出成
形するデジタルバーサタイルディスク用基板の製造方
法。 (7)基板の厚みが、0.6mm以下である上記(6)
記載のデジタルバーサタイルディスク用基板の製造方
法。 (8)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のデジタル
バーサタイルディスク用基板2枚を張り合わせて用いた
デジタルバーサタイルディスクを提供するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂は、末端基の
30モル%以上がp−クミルフェノキシ基及び/又はp
−tert−オクチルフェノキシ基であリ、粘度平均分
子量(Mv)が10,000〜17,000のものであ
る。芳香族ポリカーボネート樹脂の基本構造としては、
特に制限はなく種々のものが挙げられる。通常、2価フ
ェノールとカーボネート前駆体との反応により製造され
る芳香族ポリカーボネートを用いることができる。すな
わち、2価フェノールとホスゲンなどのカーボネート前
駆体とを溶液法により反応させ、または2価フエノール
とジフェニルカーボネートなどとをエステル交換法によ
り反応させて製造されたものを使用することができる。
【0019】2価フェノールとしては、様々なものが挙
げられるが、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン〔ビスフェノールA〕、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキ
シド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ケトンなどが挙げられる。この他の2価フェノール
としては、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール等
が挙げられる。これらの2価フェノールは、それぞれ単
独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよ
い。
【0020】特に好ましい2価フエノールとしては、ビ
ス(ヒドロキシフェニル)アルカン系、特にビスフェノ
ールAあるいはビスフェノールAを主原料としたもので
ある。また、カーボネート前駆体としては、カルボニル
ハライド、カルボニルエステル、またはハロホルメー
ト、具体的にはホスゲン、2価フェノールのジハロホー
メート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネートなどが挙げられる。
【0021】なお、ポリカーボネート樹脂は、分岐構造
を有していてもよく、分岐剤としては、1,1,1−ト
リス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α’,
α”−トリス(4−ビドロキシフェニル)−1,3,5
−トリイソプロピルベンゼン、フロログリシン、トリメ
リット酸、イサチンビス(o−クレゾール)などがあ
る。
【0022】また、本発明に用いる芳香族ポリカーボネ
ート樹脂としては、ポリカーボネート部とポリオルガノ
シロキサン部を有する共重合体、あるいはこの共重合体
を含有する芳香族ポリカーボネート樹脂であってもよ
い。また、テレフタル酸などの2官能性カルボン酸、ま
たはそのエステル形成誘導体などのエステル前駆体の存
在下でポリカーボネートの重合を行うことによって得ら
れるポリエステル−ポリカーボネート樹脂であってもよ
い。
【0023】本発明で用いる、芳香族ポリカーボネート
樹脂は、特定の末端基と粘度平均分子量(Mv)を有す
るところに特徴がある。芳香族ポリカーボネート樹脂の
末端基の調整方法としては、通常ポリカーボネートの製
造時に、末端停止剤として各種フェノール類を用いて行
うことができる。ここでフエノール類としては、フェノ
ール、ジメチルフェノール、p−tert−ブチルフェ
ノール、2,6−ジメチル−4−tert−ブチルフェ
ノール、p−tert−オクチルフェノール、p−クミ
ルフェノールなどが用いられる。したがって、芳香族ポ
リカーボネート樹脂としては、末端停止剤が反応した末
端基、2価フェノールとしてのビスフェノールA末端を
有することになる。本発明では、これら全末端基の30
モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましく
は90モル%以上が、p−クミルフェノール及び/又は
p−tert−オクチルフェノールが反応したp−クミ
ルフェノキシ基及び/又はp−tert−オオクチルフ
ェノキシ基であることを必須とするものである。
【0024】したがって、本発明に用いる芳香族ポリカ
ーボネート樹脂は、p−クミルフェノキシ基を有する芳
香族ポリカーボネート樹脂、p−tert−オクチルフ
ェノキシ基を有する芳香族ポリカーボネート樹脂、ある
いは他のフェノキシ基類を有する芳香族ポリカーボネー
ト樹脂との混合物であって、芳香族ポリカーボネート樹
脂の全末端基の内、p−クミルフェノキシ基及び/又は
p−tert−オクチルフェノキシ基が30モル%以上
になるように選定されるものである。
【0025】本発明で用いる芳香族ポリカーボネート樹
脂としては、例えば、主鎖が、一般式(I)
【0026】
【化1】
【0027】(式中、R1 及びR2 は、それぞれハロゲ
ン原子、炭素数1〜6のアルキル基又はフエニル基を示
し、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、Zは
単結合,炭素数1〜20のアルキレン基若しくはアルキ
リデン基、炭素数5〜20のシクロアルキレン基若しく
はシクロアルキリデン基,−O−,−S−,−SO−,
SO2 −,又は−CO−を示し、p 及びq は、それぞれ
0〜4の整数、n は繰り返し数を示す。)で表される構
造を有するとともに、一般式(II)
【0028】
【化2】
【0029】(式中、R3 は、ハロゲン原子、炭素数1
〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を
示し、r は0〜5の整数を示す。)で表される末端基ま
たは水酸基を有し、且つその末端基の少なくとも30モ
ル%が、式(III)及び/又は式(IV)
【0030】
【化3】
【0031】
【化4】
【0032】で表されるものである。本発明で用いる芳
香族ポリカーボネート樹脂は、前記一般式(I)におい
て、R1 及びR2 は、それぞれハロゲン原子、炭素数1
〜6のアルキル基又はフエニル基を示す。ここで、ハロ
ゲン原子としては、塩素,臭素,フッ素,ヨウ素原子が
挙げられ、炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖
状,分岐状,環状のいずれであってもよく、例えばメチ
ル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n
−ブチル基,イソブチル基,tert−ブチル基,アミ
ル基,イソアミル基,ヘキシル基,イソヘキシル基,シ
クロヘキシル基などが挙げられる。このR 1 及びR
2 は、互いに同一でも異なっていてもよい。また、R1
またはR2 がそれぞれ複数ある場合は、複数のR1 また
はR2 は同一でも異なっていてもよい。p 及びq は、そ
れぞれ0 〜4 の整数である。
【0033】そして、Zは単結合,炭素数1〜20のア
ルキレン基若しくはアルキリデン基、炭素数5〜20の
シクロアルキレン基若しくはシクロアルキリデン基,−
O−,−S−,−SO−,SO2 −,又は−CO−を示
し、p 及びq は、それぞれ0〜4の整数、n は繰り返し
数を示す。ここで、炭素数1〜20のアルキレン基若し
くはアルキリデン基としては、たとえばメチレン基,エ
チレン基,プロピレン基,ブチレン基,ペンチレン基,
ヘキシレン基,エチリデン基,イソプロピリデン基など
が挙げられる。また、炭素数4〜20のシクロアルキレ
ン基若しくはシクロアルキリデン基としては、たとえば
シクロペンチレン基,シクロヘキシレン基,シクロヘキ
シリデン基などが挙げられる。n は、芳香族ポリカーボ
ネート樹脂の粘度平均分子量が10,000〜17,0
00の範囲にあるような数である。
【0034】さらに、本発明で用いる芳香族ポリカーボ
ネート樹脂は、前記一般式(II)で示される末端基ま
たは水酸基を有するものであり、一般式(II)におい
て、R3 はハロゲン原子,炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数6〜20のアリール基を示す。ハロゲン原子
としては、塩素,臭素,フッ素,ヨウ素原子が挙げら
れ、炭素数1〜20のアルキル基としては、直鎖状,分
岐状,環状のいずれであってもよく、例えばメチル基,
エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチ
ル基,イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブ
チル基,ペンチル基,ヘキシル基,オクチル基,デシル
基,ドデシル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基
などが挙げられる。一方、炭素数6〜20のアリール基
としては、芳香環上に置換基を有しないものでもよく、
低級アルキル基などの適当な置換基を有するものであっ
てもよい。たとえば、フエニル基,トリル基,キシリル
基,ナフチル基,メチルナフチル基などが挙げられる。
r は0 〜5 の整数を示し、R3が複数ある場合は、複数
のR3 は同一でも異なっていてもよい。また、この一般
式(II)で表わされる末端基は一種含まれていてもよ
く、2種以上含まれていてもよい。
【0035】すなわち、前記一般式(III)及び/又
は(IV)で表されるp−クミルフエノキシ基及び/又
はp−tert−オクチルフエノキシ基は、全末端基に
対して30モル%以上であることが必要である。また、
他の末端基としては、p−tert−ブチルフエノキシ
基及び/又はフエノキシ基が好適であり、少量の水酸基
が含まれていてもよい。
【0036】さらに、本発明で用いる芳香族ポリカーボ
ネートは、その粘度平均分子量(Mv)が、10,00
0〜17,000、好ましくは12,000〜15,0
00、より好ましくは12,500〜14,500を満
足するものである。ここで粘度平均分子量(Mv)が、
10,000未満であると、強度、特に耐衝撃性が不十
分となり、0.6mmと薄い基板の成形が困難となると
ともに、基板自体の強度も実用上不十分となる。また、
17,000を越えると耐衝撃強度は十分となるが、
0.6mmという薄い基板の成形、微小凹凸であるスタ
ンパーの転写性が低下するとともに、基板の複屈折など
の光学的性質が低下し、デジタルバーサタイルディスク
(DVD)用基板としての性能を満足することが困難と
なる。
【0037】ここで、本発明における芳香族ポリカーボ
ネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)は、塩化メチレン
100ccに芳香族ポリカーボネート樹脂約0.7gを
20℃で溶解した溶液をウベローデ粘度計を用いて測定
した比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものであ
る。 (ηsp)/C= [η] +0.45× [η] 2 C [η] =1.23×10-50.83 (但し、 [η] は極限粘度、Cはポリマー濃度であ
る。)
【0038】このため、耐衝撃性などの機械的物性と成
形性・光学的特性などの物性と相反する要求を共に満足
することが必要となる。したがって、耐衝撃性などの基
板特性が満足される範囲で、粘度平均分子量(Mv)の
低い芳香族ポリカーボネート樹脂の選択が好ましい。こ
こにおいて、本発明で用いる特定末端基を有する芳香族
ポリカーボネート樹脂は、一般的に用いられるフェノキ
シ基またはp−tert−ブチルフェノキシ基のポリカ
ーボネートに比較して、粘度平均分子量すなわち溶融粘
度と実用物性としての落錘衝撃強度の関係において、か
なり低い粘度平均分子量においても十分な落錘衝撃強度
を保持する。また、後記の添加剤の選定と添加量と相ま
って、光学特性にすぐれた基板を高サイクルで成形する
ことを可能にするものである。
【0039】本発明に用いられる芳香族ポリカーボネー
ト樹脂としては、全末端基中に占める水酸基基の割合が
1モル%以下、好ましくは0.3モル%以下であること
が好ましい。また、芳香族ポリカーボネート樹脂中の塩
素やナトリウムあるいは微粒子不純物(塩化メチレン不
溶成分)などは可能な限り洗浄、濾過、遠心分離などの
精製・除去手段、溶融混練脱気工程などにより低減した
ものが好ましい。また、芳香族ポリカーボネート樹脂と
しては、アセトン溶媒でのソックスレー抽出成分である
低分子量成分が、通常10重量%以下であることが好ま
しい。
【0040】本発明のDVD用基板は、前記特定の末端
基を有する芳香族ポリカーボネート樹脂であって、炭素
数14〜30の脂肪酸モノグリセリドを特定範囲で含有
するものである。ここで、炭素数14〜30の脂肪酸モ
ノグリセリドとしては、炭素数が14〜30の脂肪酸と
グリセリンのモノエステル化合物であり、たとえば、パ
ルミチン酸モノグリセリド、ステアリン酸モノグリセリ
ド、アラキン酸モノグリセリド、ベヘン酸モノグリセリ
ド、モンタン酸モノグリセリドなどが挙げられ、これら
の混合物を用いることもできる。脂肪酸モノグリセリド
としては、離型性効果の点より、ステアリン酸モノグリ
セリド、ベヘン酸モノグリセリドが好ましく、特に、ス
テアリン酸モノグリセリドが好ましい。
【0041】これらの、脂肪酸モノグリセリドとして
は、ナトリウム、塩素などの不純物の含有量が低いもの
の使用が、DVD用基板が、記録媒体として用いられる
場合の長期安定性、特に高温高湿度下での安定性の見地
から好ましい。たとえば、ナトリウム含有量が、重量と
して30ppm以下、特に20ppm以下であることが
好ましい。
【0042】この脂肪酸モノグリセリドの含有量として
は、0.015〜0.05重量%、好ましくは0.02
0〜0.04重量%の範囲である。ここで、脂肪酸モノ
グリセリドの含有量が0.015未満であると、離型性
に劣り、また、0.05重量%を越えると、基板の曇り
の発生など光学的特性が低下する場合がある。特にDV
D用基板の性能向上、成形サイクルの短縮による生産性
向上のため、340℃以上の高温樹脂成形、80℃以
上、特に90℃〜130℃の高温金型の成形条件の場合
において、成形性と基板の特性を両立させるために、前
記範囲の含有量とすることが重要である。
【0043】また、本発明のDVD用基板には、本発明
の目的が損なわれない範囲で、所望により各種安定剤、
着色剤などを含有することができる。安定剤としては、
亜リン酸エステル、リン酸エステルなどのリン系安定剤
が好ましく用いられる。亜リン酸エステルとしては、た
とえば、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェ
ニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブ
チルフェニル)ホスファイト、トリノリルホスアァイ
ト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイ
ト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペン
タエリスリトールジホスファイト、トリシクロヘキシル
ホスファイト、モノブチルジフエニルホスファイト、モ
ノオクチルジフエニルホスファイト、ビス(2.6−ジ
−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス
(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホ
スファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチ
ルフェニル)−4,4−ジフエニレンホスフォナイトな
どの亜リン酸のトリエステル、ジエステル、モノエステ
ルなどが挙げられる。中でも、トリスノニルフェニルホ
スファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフ
ェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリト
ールジホスファトなどが好ましい。
【0044】リン酸エステルとしては、トリメチルホス
フェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフ
ェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホス
フェート、トリクレジルホスフェート、トリス(ノニル
フェニル)ホスフェート、2−エチルフェニルジフェニ
ルホスフェートなどが挙げられる。これらリン系安定剤
は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせてもちい
てもよい。
【0045】これらリン系安定剤の含有量は、リン原子
に換算して、0.001〜0.02重量%の範囲が適当
である。ここで、含有量が0.001重量%未満では安
定化効果である、樹脂安定性への寄与が少なく、また、
0.02重量%を越えると、DVDとしたときの基板の
長期における劣化の原因となる場合がある。したがっ
て、これらリン系安定剤の含有量は、ペレットの製造
時、DVD用基板の成形時の熱安定性を確保するための
最低限度の添加量とすることが好ましい。
【0046】本発明のDVD用基板は、前記特定の末端
基を有する芳香族ポリカーボネート樹脂に特定の脂肪酸
モノグリセリドを所定量配合し、必要により他の添加剤
成分を加えて溶融混練することにより、まずDVD用基
板成形用樹脂組成物ペレットを製造する。ついで、これ
を成形原料として、射出成形、射出圧縮成形などによ
り、DVD用基板を成形することができる。この場合、
金型に超音波を作用させることもできる。
【0047】射出成形条件としては、樹脂温度が340
〜400℃、好ましくは350〜390℃、金型温度8
0〜140℃、好ましくは90〜130℃である。これ
らの温度条件で、直径120mm、厚み0.6mmの金
型キャビティにスタンパーを有する成形金型に溶融樹脂
を射出することにより成形される。成形サイクルは、通
常3〜10秒、好ましくは3〜9秒である。
【0048】本発明のDVD用基板は、一般的に直径1
20mm、厚みが0.6mmである。この0.6mmの
単板である成形基板を2枚張り合わることによって、光
記録媒体としてのDVDとして用いられるものである。
DVDとしては、前記したように、DVD−ROM、D
VD−R、DVD−RAMなどがあり、本発明のDVD
用基板はこららの各種基板として用いられる。
【0049】
【実施例】芳香族ポリカーボネート樹脂の製造 PC−A:5重量%水酸化ナトリウム水溶液400リッ
トルに、ビスフェノールA60kgを溶解し、ビスフェ
ノールAの水酸化ナトリウム水溶液を調整した。この室
温のビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液を、1
38リットル/時間の流量で、また、塩化メチレンを6
9リットル/時間の流量で、径10mm、長さ10mの
管型反応器にオリフィス板を通して導入し、これにホス
ゲンを並流して10.7kg/時間の流量で吹き込み、
3時間連続的に反応させた。なお、反応液の排出温度を
25℃、排出液のpHは10〜11になるように調整し
た。得られた反応液を静置し、水相を分離除去し、塩化
メチレン相(220リットル)を採取し、ポリカーボネ
ートオリゴマーを得た。
【0050】このオリゴマー10リットルに、p−クミ
ルフェノール166.7gを溶解させ、これに、水酸化
ナトリウム水溶液(NaOH:75g,水:1.0リツ
トル)とトリエチルアミン1.17ミリリットルを加
え、300rpmで常温で30分攪拌した。ついで、塩
化メチレン8リットルおよびビスフェノールAの水酸化
ナトリウム水溶液(ビスフェノールA:607g,Na
OH:320g,水:5リットル)を加え、500rp
mで常温にて1時間攪拌した。その後、塩化メチレン5
リツトルおよび水5リットルを加え、500rpmで室
温にて10分間攪拌した。攪拌停止後、静置分離し有機
相を得た。この有機相を0.03規定の水酸化ナトリウ
ム水溶液5リットルでアルカリ洗浄、0.2規定の塩酸
5リットルで酸洗浄および水5リットルで水洗(二回)
を順次行った。塩化メチレンを留去し、乾燥してフレー
ク状の芳香族ポリカーボネート樹脂(A)を得た。な
お、NMR測定により末端基の略100モル%が、p−
クミルフエノキシ基であった。
【0051】PC−B:前記PC−Aの製造において、
p−クミルフェノール166.7gの代わりに、p−t
ert−オクチルフェノール162.0gを用いた以外
は、同様な方法により芳香族ポリカーボネート樹脂
(B)を得た。末端基の略100モル%がp−tert
−オクチルフェノキシ基であった。 PC−C:前記PC−Aの製造において、p−クミルフ
ェノール166.7gの代わりに、p−tert−ブチ
ルフェノール141.7gとp−tert−ブチルフェ
ノール17.7gを用いた以外は、同様な方法により芳
香族ポリカーボネート樹脂(C)を得た。末端基は、略
p−クミルフェノキシ基:85モル%、p−tert−
ブチルフェノノキシ基:15モル%であった。
【0052】PC−D:前記PC−Aの製造において、
p−クミルフェノール166.7gの代わりに、p−t
ert−ブチルフェノール118.0gを用いた以外
は、同様な方法により芳香族ポリカーボネート樹脂
(D)を得た。末端基の略100モル%が、p−ter
t−ブチルフェノキシ基であった。以下、本発明を実施
例および比較例により、詳細に説明するが、本発明はこ
れら実施例に限定されるものではない。
【0053】実施例1〜6、比較例1〜3 第1表に示す、芳香族ポリカーボネート樹脂に、0.0
25重量%のステアリン酸モノグリセリド及び0.00
4重量%のトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェ
ニル)ホスファイトを加えドライブレンドして、255
℃で二軸押出成形機にて溶融混練し、DVD用基板を成
形するための芳香族ポリカーボネート樹脂組成物ペレッ
トを得た。このペレットを用いて、成形金型〔直径:1
20mm、厚み:0.6mm、ピット深さ:140nm
のDVD−ROM用スタンパー〕を用い、樹脂温度:3
70℃、金型温度:100℃、成形サイクル:5.3秒
の条件でDVD用基板を成形した。
【0054】第1表、第2表に、下記により評価した成
形性、基板としての評価結果を示す。 1.転写性:成形品(DVD用基板)のピット(凹部)
の深さ(nm)/スタンパーのピット(凸)部高さ(1
40nm)×100を示し、内周(リードインから外周
側へ約1mm離れたデータエリア)と外周(リードアウ
トから内周側へ約1mm離れたデータエリア)、それぞ
れ4箇所での平均値を用いた。なお、測定はセイコー電
子工業株式会社製:走査型プローブ顕微鏡システムを用
いた。 2.離型性:成形状況を目視観察した。 〇:全く問題なく離型。△:やや問題がある。 なお、ここでやや問題が有るとは、基板あるいはスプル
ーの離型不良によりロボットが金型から基板の取り出し
に失敗し成形機が停止することを指す。
【0055】3.落錘衝撃強度(基板強度):成形後2
4時間経過後の基板を、荷重3.76kg、速度5m/
秒、受台長径50mmの条件で、基板の半径18mmの
箇所を打撃して、落錘衝撃強度:エネルギー(J)を求
めた。 4.複屈折:オーク社製ダブルリフラクションメジャー
メントシステムADR−2000を用いて測定した。基
板の半径23mmから58mmの測定範囲での、MIN
値とMAX値を示す。 6.Tansiential Tilt、Radial
Tilt 株式会社小野測器:LM1200光ディスク機械特性測
定装置にて測定し、基板の半径芳香でのMAX値を用い
た。
【表1】
【表2】
【0056】実施例7〜9、比較例4〜6 芳香族ポリカーボネート樹脂として、PC−Aを用い、
ステアリン酸モノグリセリドの配合量を変化してDVD
用基板を成形する成形用樹脂組成物ペレットを実施例1
に準じて得た。ついで、実施例1と同一条件で、DVD
用基板を1,000枚連続成形し、歩留(傷検査機での
良品の割合)を検査した。また、基板を温度:90℃、
湿度:90%の恒温恒湿条件下で、1,000時間加速
劣化試験した後の、粘度平均分子量を測定して評価し
た。その評価結果を第3表に示す。なお、成形性は実施
例1の評価法で行った。第3表より、ステアリン酸モノ
グリセリドの含有量が特定範囲において、成形性と耐久
性をともに満足するものであることが明らかである。
【表3】
【0057】
【発明の効果】本発明の、デジタルバーサタイルデスク
(DVD)用基板は、特定の末端構造を有する芳香族ポ
リカーボネート樹脂に特定の添加剤を特定量含有したも
のであり、連続成形性にすぐれ、且つ強度、光学的特性
を満足し、0.6mmの基板において、極めて実用性の
高いDVD用の基板として好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/26 521 G11B 7/26 521

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数14〜30の脂肪酸モノグリセリ
    ドを0.015〜0.05重量%含有する芳香族ポリカ
    ーボネート樹脂組成物からなり、該芳香族ポリカーボネ
    ート樹脂は、末端基の30モル%以上がp−クミルフェ
    ノキシ基及び/又はp−tert−オクチルフェノキシ
    基であり、粘度平均分子量(Mv)が10,000〜1
    7,000であるデジタルバーサタイルディスク用基
    板。
  2. 【請求項2】 基板の厚みが、0.6mm以下である請
    求項1記載のデジタルバーサタイルディスク用基板
  3. 【請求項3】 芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均
    分子量(Mv)が、12,000〜15,000である
    請求項1または2記載のデジタルバーサタイルディスク
    用基板
  4. 【請求項4】 脂肪酸モノグリセリドがステアリン酸モ
    ノグリセリドである請求項1〜3のいずれかに記載のデ
    ジタルバーサタイルディスク用基板
  5. 【請求項5】 炭素数14〜30の脂肪酸モノグリセリ
    ドを0.015〜0.05重量%含有する芳香族ポリカ
    ーボネート樹脂組成物からなり、該芳香族ポリカーボネ
    ート樹脂は、末端基の30モル%以上がp−クミルフェ
    ノキシ基及び/又はp−tert−オクチルフェノキシ
    基であり、粘度平均分子量(Mv)が10,000〜1
    7,000であるデジタルバーサタイルディスク用基板
    成形用ポリカーボネート樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のデジタルバーサタイルデ
    ィスク用基板成形用ポリカーボネート樹脂組成物を樹脂
    温度340〜400℃、金型温度80〜130℃の条件
    で射出成形するデジタルバーサタイルディスク用基板の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 基板の厚みが、0.6mm以下である請
    求項6記載のデジタルバーサタイルディスク用基板の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜4のいずれかに記載のデジタ
    ルバーサタイルディスク用基板2枚を張り合わせて用い
    たデジタルバーサタイルディスク。
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