JP2002197737A - 光学記録媒体の製造方法 - Google Patents

光学記録媒体の製造方法

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JP2002197737A
JP2002197737A JP2000397023A JP2000397023A JP2002197737A JP 2002197737 A JP2002197737 A JP 2002197737A JP 2000397023 A JP2000397023 A JP 2000397023A JP 2000397023 A JP2000397023 A JP 2000397023A JP 2002197737 A JP2002197737 A JP 2002197737A
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sheet
light
peeling
substrate
protective sheet
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JP2000397023A
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Yoshio Shirai
良男 白井
Minoru Kikuchi
稔 菊地
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板をシートに貼り合わせて光透過層を形成
する際、基板と光透過層との間への微小な異物の混入を
防止するとともに、接着むらを低減する。 【解決手段】 シート4から保護シート4bを剥離する
とともに、第2の保護シート4bおよび接着層2bを除
電する。貼り合わせ装置を用いて、ディスク基板1とシ
ート4とを貼り合わせて、表面に第1の保護シート4a
を設けた光ディスクを製造する。光ディスクから第1の
保護シート4aを剥離するとともに、第1の保護シート
4aおよび光透過性シート2aを除電する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光学記録媒体の
製造方法に関し、特に、ディスク基板にシートを貼り合
わせて光透過層を形成する場合に用いられるシートに適
用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報記録の分野において、光学情
報記録方式に関するさまざまな研究、開発が進められて
いる。この光学情報記録方式は、非接触で記録および/
または再生を行うことができるとともに、磁気記録方式
に比して一桁以上高い記録密度を達成可能であるという
利点を有している。また、この光学情報記録方式は、再
生専用型、追記型、書き換え可能型などのそれぞれのメ
モリ形態に対応可能であるという、さらなる利点をも有
する。そのため、安価な大容量ファイルの実現を可能と
する方式として、産業用から民生用まで幅広い用途への
適用が考えられている。
【0003】その中でも、特に再生専用型のメモリ形態
に対応した光ディスクである、ディジタルオーディオデ
ィスク(DAD)や光学式ビデオディスクなどは広く普
及している。
【0004】ディジタルオーディオディスクなどの光デ
ィスクは、情報信号を示すピットやグルーブなどの凹凸
パターンが形成された透明基板の光ディスク基板上に、
アルミニウム(Al)合金膜などの金属薄膜からなる反
射膜と、さらにこの反射膜を大気中の水分(H2O)や
酸素(O2)から保護するための保護膜が反射膜上に設
けられた構成を有する。そして、この光ディスクにおけ
る情報信号の再生時には、光ディスク基板側から凹凸パ
ターンに向けてレーザ光などの再生光を照射し、この再
生光による入射光と戻り光との反射率の差によって情報
信号を検出する。
【0005】そして、このような光ディスクを製造する
際には、まず、射出成形法により凹凸パターンを有する
光ディスク基板を形成する。次に、真空蒸着法により、
光ディスク基板上に金属薄膜からなる反射膜を形成す
る。次に、さらにその上層に紫外線硬化樹脂を塗布する
ことにより保護膜を形成する。
【0006】さて、上述したような光学情報記録方式に
おいては、近年、さらなる高記録密度化が要求されてい
る。そして、この高記録密度化の要求に対応するため
に、光学ピックアップの再生光の照射時に用いられる対
物レンズの開口数(NA)を大きくすることによって、
再生光のスポット径の小径化を図る技術が提案された。
従来のディジタルオーディオディスクの再生時に用いら
れる対物レンズのNAが0.45であるのに対し、この
従来のディジタルオーディオディスクの6〜8倍の記録
容量を有するDVD(Digital Versatile Disc)などの
光学式ビデオディスクの再生時に用いられる対物レンズ
のNAを0.60程度として、スポット径の小径化を図
る。
【0007】このような対物レンズにおける高NA化を
進めていくと、照射される再生光を透過させるために、
光学記録媒体におけるディスク基板を薄くする必要が生
じる。これは、光学ピックアップの光軸に対してディス
ク面の垂直からずれる角度(チルト角)の許容量が小さ
くなるためであり、このチルト角がディスク基板の厚さ
による収差や複屈折の影響を受け易いためである。した
がって、ディスク基板を薄くすることによって、チルト
角がなるべく小さくなるようにする。例えば、上述した
ディジタルオーディオディスクにおいては、基板の厚さ
は1.2mm程度とされている。これに対し、DVDな
どのディジタルオーディオディスクの6〜8倍の記録容
量を有する光学式ビデオディスクにおいては、基板の厚
さは0.6mm程度とされている。
【0008】そして、今後のさらなる高記録密度化の要
求を考慮すると、基板のさらなる薄型化が必要になる。
そこで、基板の一主面に凹凸を形成して情報信号部と
し、この情報信号部上に、反射膜と光を透過可能な薄膜
からなる光透過層とを順次積層し、光透過層側から再生
光を照射することにより情報信号の再生を行うように構
成された光学記録媒体が提案されている。このような、
光透過層側から再生光を照射して情報信号の再生を行う
ようにした光学記録媒体においては、光透過層の薄膜化
を図ることによって対物レンズの高NA化に対応するこ
とができる。
【0009】ところが、この光透過層の薄膜化を行う
と、光ディスクの製造に一般に用いられる、熱可塑性樹
脂を用いた射出成形法による光透過層の形成が困難にな
る。すなわち、従来の技術において、複屈折を小さく保
ちつつ、良好な透明性が維持された、0.1mm程度の
光透過層を形成することは、非常に困難である。
【0010】そこで、光透過層を、紫外線硬化樹脂によ
り形成する方法が考案された。しかしながら、光透過層
を紫外線硬化樹脂により形成する場合、光透過層を基板
表面において均一な膜厚にすることは非常に困難であ
る。そのため、情報信号の再生を安定して行うことが難
しくなってしまう。
【0011】また、膜厚が0.1mm程度で、熱可塑性
樹脂からなるシートを、接着層を用いたローラー圧着に
より基板表面に貼り付けることにより、光透過層を形成
する方法も考えられた。ところが、この方法では、圧着
時のシートの変形や接着層の読み出し面側へのはみ出し
が発生してしまう。これにより、やはり、光透過層を均
一な膜厚に形成することは困難であり、さらに情報信号
の再生を安定して行うことは、より困難になってしま
う。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者は、
上述した問題に対処するために、鋭意検討を行った。そ
の結果、一方の面に感圧性粘着剤が被着された熱可塑性
樹脂からなる光透過性シートを、基板に貼り合わせるこ
とにより、0.1mm程度の光透過層を形成する方法を
知見するに至った。この光透過層の形成においては、光
透過性シートを貼り合わせる際に、弾性体からなるパッ
ドと金属からなる平面ステージとを用いる。そして、感
圧性粘着剤が被着された光透過性シートは、平面ステー
ジ上に、感圧性粘着剤が被着された側がディスク基板に
向くようにして載置され、パッドにより、感圧性粘着剤
を介して、基板と光透過性シートとが圧着され、ディス
ク基板上に光透過層が形成される。
【0013】本発明者は上述の方法を採用して、種々の
光ディスクにおいて光透過層を形成した。ところが、こ
のようにして形成される光ディスクにおいて、光透過層
とディスク基板との接着面に接着むらが生じてしまうこ
とが確認された。
【0014】そこで、本発明者は、さらに、この光透過
層とディスク基板との間に生じる接着むらについて種々
検討を行った。その結果、光透過性シートを載置するプ
レス面にディスク基板を近づけるに伴って、光透過性シ
ートの部分が接触してしまい、これによって、ディスク
基板の一主面と光透過性シートの接着面の全面とが、同
時に接着されないようになる。そのため、光透過層とデ
ィスク基板とを貼り合わせる際に、接着が早い部分と遅
い部分とが存在してしまい、その結果、むらが生じてし
まうことを知見するに至った。
【0015】また、本発明者の知見によれば、このよう
な光透過層とディスク基板との間の接着むらは、特に、
光透過層側からレーザ光を照射することにより情報信号
の記録および/または再生を行うようにした光学記録媒
体においては、レーザ光に対する透過性にむらが生じる
原因となる。これにより、光学記録媒体の記録/再生特
性を悪化させてしまい、その信頼性を損なうことにな
り、良品の光学記録媒体を製造する妨げとなる。そのた
め、光透過層とディスク基板との間における接着むらの
発生を抑制可能な技術の開発が急務となった。
【0016】さらに、本発明者は、上述の光学記録媒体
において、光透過層とディスク基板との間、すなわち、
ディスク基板の情報信号部と光透過層の接着層との間
に、異物が挟まれて混入する場合があることを知見し
た。そこで、本発明者は、その異物の混入を防止するた
めに、ディスク基板上に光透過層を貼り合わせる前に、
情報信号部の表面をクリーニングし、異物除去を行う方
法を想起するに至った。そして、この異物除去により、
ディスク基板と光透過層との間の異物の混入を低減する
ことが可能となった。
【0017】しかしながら、ディスク基板に対して、光
透過層側からレーザ光を照射することにより情報信号の
記録/再生を行うようにした光学記録媒体においては、
採用されるレーザ光が短波長化されるとともに、対物レ
ンズが高NA化されている。そのため、光透過層とディ
スク基板との間に、ほんの微小な異物がわずかに混入し
た場合であっても、その異物が存在する部分でレーザ光
の反射率が異なってしまい、最終製品としての光ディス
クは不良品となってしまう。ところが、上述のような情
報信号部の表面の異物除去を行っても、光透過性シート
とディスク基板との間に微小な異物がわずかに混入して
しまい、レーザ光の反射率が他の領域と異なってしまう
場合がある。これにより、最終製品としての光学記録媒
体を良品とするために、ほんの微小な異物がわずかでも
混入させないようにすることができる技術の開発が求め
られていた。
【0018】したがって、この発明の目的は、基板をシ
ートに貼り合わせることにより基板上に光透過層を形成
する際に、基板と光透過層との間に微小な異物が混入す
ることを防止することができるとともに、接着むらを低
減することができ、これによって、基板と光透過層とを
均一に貼り合わせることができ、製造歩留まりを向上さ
せるとともに、記録/再生時に用いられる対物レンズの
高NA化に対応可能で、小複屈折、透明性良好で均一な
膜厚の光透過層を有する光学記録媒体を製造可能な、光
学記録媒体の製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来技術が
有する上述の課題を解決すべく、鋭意検討を行った。以
下にその概要を説明する。
【0020】まず、本発明者は、微小な異物が混入して
しまう原因について検討を行う過程において、ディスク
基板に光透過性シートを貼り合わせる前の段階に着目し
た。そして、この光透過性シート自体に異物の混入原因
があるということを想起した。
【0021】すなわち、このような光透過性シートは、
通常、ポリカーボネート(PC)などからなるシートを
平面円環状に打ち抜くことにより形成されるが、打ち抜
かれる前の状態では、このシートはロール状に巻かれた
状態で維持されている。このようにシートがロール状に
巻かれていることにより、光透過性シートの少なくとも
一面には保護シートがラミネートされている。そして、
この保護シートがラミネートされた状態で平面円環状に
打ち抜かれ、ディスク基板に貼り合わせられるシートが
形成される。そのため、ディスク基板に光透過性シート
を貼り合わせる前、または貼り合わせた後に、この保護
シートを剥離する必要がある。
【0022】また、光透過性シートにあらかじめ粘着剤
が被着されている場合には、光透過性シートを保護する
ため保護シートと、粘着剤を保護するための保護シート
とが、それぞれ光透過性シート側と粘着剤側とにそれぞ
れラミネートされる。そのため、ディスク基板の一主面
と光透過性シートとを貼り合わせるときには、貼り合わ
せ前に、少なくとも粘着剤側の保護シートを剥離する必
要が生じる。
【0023】本発明者は、この剥離の段階に着目した。
すなわち、本発明者は、情報信号部における異物除去を
行った場合でも、ディスク基板と光透過性シートとの間
に異物が混入してしまうとすれば、この保護シートの剥
離の段階で異物が付着してしまい、その結果、ディスク
基板と光透過層との間に異物が混入してしまうのではな
いかと言うことを想起するに至った。
【0024】そして、この異物の混入に関して、本発明
者が、さらなる実験およびこれに伴う検討を行った結
果、保護シートの剥離の際に、光透過性シートや粘着剤
または保護シートに静電気が帯電してしまい、この静電
気によって異物が付着してしまうことを知見するに至っ
た。したがって、保護シートが設けられたシートを用い
てディスク基板上に光透過層を形成する場合、ディスク
基板と光透過層との間に異物が混入してしまうのを防止
するためには、保護シートの剥離の際に、少なくともこ
の保護シートに対して除電処理を行うことが望ましい。
【0025】この発明は、以上の検討に基づいて案出さ
れたものである。
【0026】上記目的を達成するために、この発明は、
基板の一主面に、情報信号を記録可能に構成された情報
信号部と、少なくとも情報信号部に照射されるレーザ光
を透過可能な光透過層とが順次積層されて設けられ、基
板に対して情報信号部の存在する側から情報信号部にレ
ーザ光を照射することにより、情報信号部に対して情報
信号を記録可能および/または再生可能に構成され、光
透過層が、少なくとも、レーザ光を透過可能な光透過性
シートと、光透過性シートを基板の一主面に接着するレ
ーザ光を透過可能な接着層とからなり、光透過性シート
を、接着層を介して、基板の一主面に貼り合わせること
により、基板の一主面上に光透過層を形成するようにし
た光学記録媒体の製造方法であって、光透過性シートの
少なくとも一方の面に保護シートが被着されてシートが
構成され、シートから保護シートを剥離する際に、少な
くともシートに対して除電処理を行うようにしたことを
特徴とするものである。
【0027】この発明において、典型的には、除電処理
を、保護シートにイオンを照射することにより行うよう
にする。また、この発明において、除電処理の他の例
は、保護シートに接地された導電体を接触することによ
り行う。
【0028】この発明において、典型的には、シート
が、光透過性シートと、接着層と、光透過性シートに接
して設けられた第1の保護シートと、接着層に接して設
けられた第2の保護シートとから構成され、光透過性シ
ートと基板の一主面との貼り合わせの前に、第2の保護
シートを剥離する工程と、少なくとも接着層に対して除
電処理を行う工程とを有する。また、このとき、第2の
保護シートの剥離は、剥離開始から剥離終了までの間、
継続して行うようにする。また、この発明において、典
型的には、基板に、接着層を介して光透過性シートを貼
り合わせた後、第1の保護シートを剥離する工程と、少
なくとも光透過性シートに対して除電処理を行う工程と
を有する。そして、この第1の保護シートの剥離を、剥
離開始から剥離終了までの間、継続して行うようにす
る。
【0029】この発明において、典型的には、シート
は、光透過性シートと、光透過性シートの第1の面に接
して設けられた第1の保護シートと、光透過性シートの
第2の面に接して設けられた第2の保護シートとから構
成されている。そして、光透過性シートと基板の一主面
との貼り合わせの前に、第2の保護シートを剥離する工
程と、少なくとも光透過性シートに対して除電処理を行
う工程とを有する。このとき、第2の保護シートの剥離
を、剥離開始から剥離終了までの間、継続して行うよう
にする。また、基板の一主面上に接着層を構成する接着
剤を塗布した後、接着剤を介して、第2の保護シートが
剥離されたシートを基板の一主面に貼り合わせるように
する。また、この接着剤は、典型的には、紫外線硬化樹
脂からなり、具体的には、アクリレート系、チオール
系、エポキシ系、シリコン系などの紫外線硬化樹脂を用
いることが可能である。また、この発明において、接着
層として選択された材料においては、好適な硬化方法を
選択するようにする。また、この発明において、基板
に、接着層を介して光透過性シートを貼り合わせた後、
第1の保護シートを剥離する工程と、第1の保護シート
の除電処理を行う工程とを有する。このとき、好適に
は、第1の保護シートの剥離を、剥離開始から剥離終了
までの間、継続して行うようにする。
【0030】この発明において、好適には、保護シート
の剥離を、剥離開始から剥離終了までの間、継続して行
うようにする。
【0031】この発明において、好適には、シートにお
ける面のうちのディスク基板の一主面に貼り合わせる側
の面に設けられた保護シートを、シートと基板の一主面
とを貼り合わせる前に剥離する。このとき、少なくとも
光透過性シートの除電を行うようにする。
【0032】この発明において、典型的には、保護シー
トと光透過性シートとが第2の接着層を介して互いに接
着されてシートが構成され、保護シートと光透過性シー
トとの間の接着力に比して、保護シートとの接着力が大
きい第3の接着層を、保護シートの露出面に付着させ
て、保護シートの剥離を行うようにする。また、この発
明において、少なくとも一面に第3の接着層が被着され
たフィルムを用い、第3の接着層が被着された面を保護
シートの露出面に接着させ、フィルムをシートの面に対
して90°以上180°以下の方向に引くことにより、
保護シートをシートから剥離させるようにする。
【0033】この発明において、典型的には、基板およ
び光透過性シートは、光透過性を有する熱可塑性樹脂か
らなる。特に、光透過性シートは、具体的に芳香族ポリ
カーボネートからなり、そのポリカーボネートの粘度平
均分子量は、3×104以上12×104以下である。ま
た、この発明において、典型的には、保護シートは、典
型的には、ポリエチレン系樹脂、具体的には、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレ
ート(PEN)などからなる。
【0034】この発明において、接着層に用いられる材
料は、典型的には、感圧性粘着剤(PSA)であるが、
そのほかにも紫外線硬化樹脂などの他の材料を用いるこ
とも可能である。
【0035】この発明において、典型的には、基板が平
面円環形状を有するとともに、シートが平面円環形状を
有する。そして、この発明において、光透過性シートと
基板を貼り合わせて、基板上に光透過層を形成するため
に、典型的には、基板上に接着層を塗布した後、この接
着層を介して光透過性シートを載置するか、感圧性粘着
剤が被着された光透過性シートに、基板を押圧する。ま
た、この発明において、接着層を硬化させた後に基板か
ら光透過性シートが剥離しないようにするために、好適
には、平面円環形状を有するシートの内径を、平面円環
形状を有する基板の内径より大きく構成するとともに、
平面円環形状を有するシートの外径を、平面円環形状を
有する基板の外径以下に構成する。また、光透過層の表
面に、平面円環状にクランプ基準面を設定する場合に
は、平面円環形状を有するシートの内径を、このクラン
プ基準面により決定されるクランプ領域の最内周以下に
する。
【0036】この発明において、製造される光学記録媒
体における反りや歪みを最小限にするために、好適に
は、光透過性シートは、基板に用いられる材料と同種の
材料から構成される。また、光透過性シートの厚さは、
典型的には、基板の厚さより小さくなるように構成さ
れ、具体的には、30μm以上150μm以下から選ば
れる。また、この発明において、典型的には、基板およ
び光透過性シートは、光透過性を有する熱可塑性樹脂か
らなり、具体的には、ポリカーボネート(PC)やシク
ロオレフィンポリマーなどの低吸水性の樹脂が用いられ
る。なお、基板に用いられる材料としては、例えばアル
ミニウム(Al)などの金属からなる基板や、ガラス基
板、あるいは、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミ
ド、ポリフェニレンサルファイド、PETなどの樹脂か
らなる基板を用いることも可能である。
【0037】この発明において、典型的には、光透過性
シートは、少なくとも情報信号の記録/再生に用いられ
る、GaN系半導体レーザ(発光波長400nm帯、青
色発光)、ZnSe系半導体レーザ(発光波長500n
m帯、緑色)、またはAlGaInP系半導体レーザ
(発光波長635〜680nm程度、赤色)などから照
射されるレーザ光を、透光可能な非磁性材料からなり、
具体的には、ポリカーボネートなどの、光透過性を有す
る熱可塑性樹脂からなる。また、この発明において、好
適には、保護シートは、ポリエチレンテレフタレート
(PET)やPENからなり、具体的には、このPET
の少なくとも一面に第2の粘着剤が被着されている。ま
た、この第2の粘着剤が被着された面を光透過性シート
の一面に接着させることにより、基板上に載置されるシ
ートが製造される。
【0038】この発明は、好適には、2個のレンズを直
列に組み合わせることによりNAを0.85程度にまで
高めた対物レンズを用いて、情報の記録を行うように構
成された、DVR(Digital Video Recording system)な
どの光透過層を有する光学記録媒体に適用することがで
き、発光波長が650nm程度の半導体レーザを用い
た、いわゆるDVR−redや、発光波長が400nm
程度の半導体レーザを用いた、いわゆるDVR−blu
eなどの光学記録媒体に適用することが可能である。こ
の場合、光学記録媒体はカートリッジに納められている
ものが好ましいが、必ずしもカートリッジに納められて
いる必要はない。
【0039】上述のように構成されたこの発明による光
学記録媒体の製造方法によれば、ディスク基板とシート
とを貼り合わせる前に、シートにラミネートされている
保護シートおよび光透過性シートに対して、除電処理を
行うようにしてことにより、少なくとも基板と光透過性
シートとの貼り合わせの際に、光透過性シートに静電気
が帯電する状態を避けることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態
の全図においては、同一または対応する部分には同一の
符号を付す。
【0041】まず、この発明の第1の実施形態による光
ディスクについて説明する。図1に、この第1の実施形
態による光ディスクを示す。
【0042】図1に示すように、この第1の実施形態に
よる光ディスクにおいては、ディスク基板1が、レプリ
カ基板1aの中心部にセンターホール1bが形成され、
凹凸が形成された一主面に情報信号部1cが設けられて
いる。また、このディスク基板1上に光透過層2が設け
られている。この光透過層2は、光透過性シート2aが
接着層2bを介して接着されて構成されており、その中
央部に貫通孔2cが設けられている。
【0043】また、光透過層2の光透過性シート2a側
の主面における貫通孔2cの周辺には、円環状にクラン
プ領域3が設定されている。このクランプ領域3におけ
る光透過層2の光透過性シート2a側の主面には、記録
再生装置のスピンドル(いずれも図示せず)に光ディス
クを載置する際のクランプ基準面3aが設定されてい
る。ここで、光透過性シート2aが接着層2bを介して
ディスク基板1上に接着されて構成されているととも
に、光透過層2の一主面上の部分にクランプ基準面3a
が設定されることを考慮すると、貫通孔2cの径は、デ
ィスク基板1のセンターホール1bの径以上に選ばれ、
例えば15mm以上に選ばれる。ここで、この円環状の
クランプ領域3の最内周径は、例えば23mmであり、
最外周径は、例えば33mmである。なお、このクラン
プ基準面3aを光透過層2の光透過性シート2a側の主
面から構成することを考慮すると、貫通孔2cの径は、
クランプ領域3の最内周以下、具体的には例えば22m
m以下である。また、クランプし回転させる際に生じる
摩擦力を増加させる必要がある場合には、クランプ基準
面3aを粗面化することも可能である。この粗面化はク
ランプ基準面3aに選択的に行われ、具体的には、表面
粗さRaが例えば30nm以上、好ましくは120nm
以上になるように粗面化される。
【0044】次に、以上のように構成されたこの第1の
実施形態による光ディスクの製造方法について説明す
る。図2に、この光ディスクにおける製造プロセスのフ
ローチャートを示し、図3に、ディスク基板を示す。
【0045】すなわち、図2に示すステップST1にお
いて、図3に示すディスク基板1を製造する。まず、レ
プリカ基板1aを、所定のスタンパを用いた射出成形法
により作製する。このレプリカ基板1aの厚さは、例え
ば0.6〜1.2mmである。また、レプリカ基板1a
の材料としては、例えばポリカーボネートやシクロオレ
フィンポリマー(例えば、ゼオネックス(登録商標))
などの低吸水性の樹脂が用いられる。なお、この第1の
実施形態による光ディスクにおいては、ディスク基板1
に対して光透過層2が設けられた側からレーザ光を照射
することによって、情報信号の記録/再生を行うように
するものである。そのため、レプリカ基板1aとして
は、透過性を有するか否かを考慮する必要がないので、
例えばAlなどの金属からなる基板を用いることも可能
であり、ガラス基板、または、ポリオレフィン、ポリイ
ミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリ
エチレンテレフタレートなどの樹脂からなる基板を用い
ることも可能である。また、クランプ基準面3aを基板
材料から構成する必要がある場合には、センターホール
1bの周辺部分が盛り上がったレプリカ基板1aを用い
ることも可能である。以上のようにレプリカ基板1aを
製造した後、ステップST2に移行する。
【0046】図2に示すステップST2においては、図
3に示すレプリカ基板1aの一主面に形成された凹凸部
上に、記録膜や反射膜などを形成することによって、情
報信号部1cを形成する。この情報信号部1cは、反射
膜、光磁気材料からなる膜、相変化材料からなる膜、ま
たは有機色素膜などから構成される。これらのうち、反
射膜の材料としては、例えばAlやAl合金などが用い
られる。具体的には、最終製品としての光ディスクが再
生専用(ROM(Read Only Memory))の光ディスクであ
る場合、情報信号部1cは、例えばAlやAl合金など
からなる反射層を少なくとも有する単層膜または積層膜
から構成される。他方、最終製品としての光ディスクが
書き換え可能型光ディスクである場合には、情報信号部
1cは、光磁気材料からなる膜や相変化材料からなる膜
を少なくとも有する、単層膜または積層膜から構成され
る。また、最終製品としての光ディスクが、追記型光デ
ィスクの場合には、有機色素材料からなる膜や相変化材
料からなる膜を少なくとも有する、単層膜または積層膜
から構成される。
【0047】ここで、この第1の実施形態によるディス
ク基板1は、具体的には、レプリカ基板1aとして、例
えば、厚さが1.1mmで円盤状のPC基板を用い、こ
のPC基板の直径(外径)を例えば120mm、センタ
ーホール1bの開口径(内口径)を例えば15mmとす
る。また、情報信号部1cとして、レプリカ基板1aの
凹凸が形成された領域上に、膜厚が100nmのAl合
金からなる反射層、膜厚が18nmの、硫化亜鉛(Zn
S)と酸化シリコン(SiO2)との混合物(ZnS−
SiO2)からなる第1の誘電体層、膜厚が24nmの
GeInSbTe合金層からなる相変化記録層、および
膜厚が100nmのZnS−SiO2からなる第2の誘
電体層が順次積層された積層膜が用いられる。また、こ
の情報信号部1cを構成する積層膜としては、必ずしも
上述の積層膜に限定されない。
【0048】次に、図2に示すステップST3におい
て、シート準備工程に移行する。ここで、まず、この第
1の実施形態による光透過層2を形成する際に用いられ
るシートについて説明する。図4に、このシートを示
す。
【0049】図4に示すように、この第1の実施形態に
よる光透過層2の形成に用いられるシート4は、光透過
性シート2aと、この光透過性シート2aの一面に被着
された感圧性粘着剤(PSA)からなる接着層2bと、
光透過性シート2aにおける接着層2bの被着された面
とは反対側の面にラミネートされた第1の保護シート4
aと、接着層2bの側にラミネートされた第2の保護シ
ート4bとから構成される。このシート4は、ディスク
基板1と同様に、平面円環状に打ち抜かれて形成された
構造を有し、中央部に貫通孔2cが形成されている。こ
こで、このシート4の寸法の一例を挙げると、シート4
の直径(外径)は、ディスク基板1の外径以下にされ、
例えば119mmとし、貫通孔2cの径(内孔径)は、
センターホール1bの開口径以上、かつ、クランプ領域
3の最内周(例えば23mm径)以下になるようにし
て、例えば22mmとする。
【0050】このようなシート4における光透過性シー
ト2aは、例えば、少なくとも記録/再生に用いられる
レーザ光を透過可能な光学特性を満足した、光透過性を
有する熱可塑性樹脂からなる。この熱可塑性樹脂は、耐
熱寸法安定性、熱膨張率、または吸湿膨張率などがレプ
リカ基板1aに近い材料が選ばれ、具体的には、例えば
ポリカーボネート(PC)や、ポリメチルメタクリレー
ト(ポリメタクリル酸メチル)などのメタクリル樹脂で
ある。また、光透過性シート2aの厚さは、好適には6
0〜100μmの範囲から選ばれ、より好適には70〜
100μmの範囲に選ばれる。この第1の実施形態にお
いては、ディスク基板1の主面に、感圧性粘着剤からな
る接着層2bを介して光透過性シート2aを貼り合わせ
ることを考慮すると、光透過性シート2aの厚さは、例
えば70μmに選ばれる。なお、この光透過性シート2
aの厚さは、情報信号の記録/再生に用いられるレーザ
光の波長や、光透過層2の所望とする膜厚を考慮して決
定される。
【0051】また、シート4における接着層2bは、例
えばメタクリル樹脂などからなる感圧性粘着剤(PS
A)から構成される。また、この接着層2bの厚さは、
例えば20〜30μmに選ばれ、この第1の実施形態に
おいては、例えば30μmである。なお、この接着層2
bの厚さは、後述する光透過層の膜厚を考慮して決定さ
れる。
【0052】また、シート4における第1の保護シート
4aおよび第2の保護シート4bは、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレ
ート(PEN)などからなる。これらのうち、第1の保
護シート4aの光透過性シート2a側の面には、微粘着
性の接着剤(図示せず)が塗布、被着されている。そし
て、この微粘着性の接着剤からなる層を介して、光透過
性シート2aと第1の保護シート4aとが互いに接着さ
れている。ここで、微粘着性の接着剤は、光透過性シー
ト2aとの接着力に比して、第1の保護シート4aとの
接着力が大きい接着材料からなる。したがって、光透過
性シート2aと第1の保護シート4aとの剥離は、微粘
着性の接着剤からなる層と光透過性シート2aとの界面
における剥離となる。また、第1の保護シート4aの厚
さは、例えば40μmである。
【0053】次に、上述のように構成されたシート4と
ディスク基板1とを貼り合わせる方法について説明す
る。ここで、まず、シート4における第1の保護シート
4aおよび第2の保護シート4bの剥離の際に用いられ
る除電装置について説明する。図5に、除電装置の原理
の一例および除電装置の図を示す。
【0054】図5Aに示すように、除電装置において
は、電極ホルダ11に、多針状や鋸歯状の放電電極12
が設けられている。そして、その前方に、所定の間隔を
おいて放電用接地電極13が配置され、さらにその前方
に、メッシュ状電極14が配置されている。この放電用
接地電極13は、板状または棒状あるいは線状の金属導
体からなり、接地されている。また、メッシュ状電極1
4は金属網からなり、これも接地されている。また、電
極ホルダ11の後方にはファン15が設けられている。
【0055】放電電極12には、電極ホルダ11に保持
された高電圧電源または外部の高電圧電源から交流高電
圧または正負の直流高電圧を印加され、放電用接地電極
13との間の放電により正負のイオンが生成される。な
お、このとき生成されるイオンは、必ずしも正負等量で
ある必要はない。
【0056】生成された正負のイオンは、ファン15の
送風によってエアーと共にメッシュ状電極14の網目を
通る。このとき、一部のイオンは、接地されているメッ
シュ状電極14に吸収されるが、安定した正負のイオン
は、メッシュ状電極14の網目を通過してエアーととも
に、例えばシート4のような除電対象物16に吹きつけ
られるとともに、帯電している除電対象物16の異極性
の電位により引き寄せられて、これを除電する。
【0057】また、メッシュ状電極14を通過して、そ
れと除電対象物16との間を浮遊する一部のイオンもメ
ッシュ状電極14に吸収される。その通過した後に吸収
されるイオン、及び通過時に吸収されるイオンは、除電
対象物16にとって過剰なイオンであるので、除電対象
物16の帯電部分を除電するに必要なイオンのみが除電
対象物16の電荷と中和反応することとなる。この場
合、メッシュ状電極14は平面的な広がりがあるメッシ
ュ状であるため、それに吸収されるイオンの量は、除電
対象物16の帯電電位の部分的な差に応じて部分的に異
なるので、帯電している除電対象物16の除電に作用す
る正負のイオンは、除電対象物16自体の電荷との間
で、正負のイオンバランスが部分的にも(帯電状況に応
じて)自然にとれていることになる。その結果、除電対
象物16は、元の帯電状況の如何を問わず、ムラなくし
かも逆帯電することなく除電される。
【0058】また、図5Bに示すように、この除電装置
10においては、上述のようにして生成されたイオンを
吐出するイオンエアー吐出スリット17が設けられてい
るとともに、イオンエアーにおける風量を調節するため
の風量調節つまみ18が設けられている。また、生成さ
れたイオンを検出するためのイオン検出センサー部19
が設けられている。そして、除電処理は、この除電装置
10を用いて行われる。
【0059】以上のように構成された除電装置10を用
いた、ステップST3におけるシート準備工程において
は、まず、シート4を除電対象物16とし、その第2の
保護シート4bの側を除電装置10のイオンエアーが吹
きつけられる側に向ける。そして、第2の保護シート4
bの露出面に、第2の保護シート4bと接着層2bとの
間の粘着力より大きい粘着力を有する粘着剤が被着され
た粘着シート(図示せず)を接着させる。そして、この
粘着シートをシート4の面に対して、継続的に、90°
〜180°の方向に引き、静止することなく第2の保護
シート4bを剥離させるとともに、除電装置10におい
て生成されたイオンエアーを第2の保護シート4bに吹
きつける。このとき、イオンエアーは、第2の保護シー
ト4bのみならず、接着層2bにも吹きつけられる。こ
れにより、第2の保護シート4bがシート4から、剥離
開始から剥離終了まで継続的に剥離されるとともに、第
2の保護シート4bおよび接着層2bに対して除電処理
が行われる。
【0060】以上のようにして第2の保護シート4bが
剥離され、除電された状態のシート4(以下、この第1
の実施形態における製造方法において、「シート4」と
称する)が得られる。そして、このシート4を貼り合わ
せ装置に搬送し、ステップST4に移行する。
【0061】ステップST4においては、上述のように
構成されたディスク基板1とシート4との貼り合わせを
行う。ここで、このディスク基板1とシート4との貼り
合わせに用いられる、この第1の実施形態による貼り合
わせ装置について説明する。図6に、この貼り合わせ装
置を示す。
【0062】図6に示すように、この貼り合わせ装置に
おいては、平面ステージ21と可動ステージ22とが、
互いに対向した位置に設置されて構成されている。平面
ステージ21は、シート4を載置するためのものであ
り、シート4を載置可能に構成されている。すなわち、
平面ステージ21における可動ステージ22に対向した
部分には、平面ステージ21に対して突出および埋没す
る方向に移動可能な上下動ピン23が設けられている。
この上下動ピン23の径は、上述したシート4の貫通孔
2cの径に等しくなるように構成されている。そして、
シート4の貫通孔2cを上下動ピン23に嵌め合わせる
ことにより、シート4を平面ステージ21上に載置可能
に構成されている。また、この上下動ピン23の上部に
は、円柱状に突出した基板位置出しピン24が設けられ
ている。この基板位置出しピン24の径は、上述したデ
ィスク基板1のセンターホール1bの径にほぼ等しくな
るように構成されており、ディスク基板1の中心を合わ
せつつ、このディスク基板1を上下動ピン23で支持可
能に構成されている。このように構成された平面ステー
ジ21においては、平面ステージ21上に上下動ピン2
3に嵌合させて、シート4を載置可能に構成され、基板
位置出しピン24に嵌合させてディスク基板1を上下動
ピン23により支持可能に構成されている。また、平面
ステージ21におけるシート4の載置部分の近傍に、デ
ィスク基板1とシート4とを互いに平行な状態に保持す
る、平行維持手段(図示せず)が設けられている。ま
た、可動ステージ22の平面ステージ21に対向する部
分の面上に、例えばシリコーンゴムなどの弾性体から構
成されるパッド25が設けられている。このパッド25
は、例えば、球体を所定の平面により分割したときの一
方の部分からなる部分球体形状または円錐形状を有し、
この部分球体形状または円錐形状における平面の部分
が、平面ステージ21に対向する可動ステージ22の一
面に固着されている。
【0063】次に、以上のように構成された貼り合わせ
装置20を用いた、ディスク基板1とシート4との貼り
合わせ方法について説明する。
【0064】すなわち、まず、シート4を、その貫通孔
2cを上下動ピン23に嵌め合わせるようにして、平面
ステージ21上に載置する。このとき、シート4は、一
方の面の接着層2b側が可動ステージ22に対向するよ
うに載置する。その後、ディスク基板1を、基板位置出
しピン24に嵌め合わせつつ上下動ピン23に支持され
るように載置する。このとき、ディスク基板1は、その
情報信号部1cが設けられた一主面が接着層2bに対向
するように、上下動ピン23に支持されて載置される。
【0065】次に、可動ステージ22を平面ステージ2
1に向けて移動させる(図6中、下方)。そして、パッ
ド25により、まず基板位置出しピン24を押圧し、続
いてディスク基板1を介して上下動ピン23を平面ステ
ージ21中に進入させる。これにより、図4に示すよう
に、ディスク基板1の情報信号部1cが設けられた側の
一主面と、シート4の接着層2bとが圧着される。この
圧着が安定した後、図3に示す可動ステージ22を平面
ステージ21から離れる方向に開放させる。その後、所
定の搬送装置(図示せず)を用いて、圧着されたディス
ク基板1とシート4とを平面ステージ21から搬出す
る。
【0066】以上により、図7に示すように、レプリカ
基板1aの一主面に情報信号部1cが設けられ、この情
報信号部1cを覆う領域に、接着層2b、光透過性シー
ト2a、および第1の保護シート4aが順次積層され
た、シート4が貼り合わせられる。これにより、表面に
第1の保護シート4aが残された光ディスクが製造され
る。その後、ステップST5に移行する。
【0067】ステップST5においては、再度除電装置
10を用いて、第1の保護シート4aの剥離を行う。す
なわち、まず、第1の保護シート4aが表面に残された
状態の光ディスクを、図5に示す除電装置10の除電対
象物16の位置に搬送し、第1の保護シート4a側をイ
オンエアーが吹きつける側に向ける。
【0068】次に、第1の保護シート4aの露出面に、
第1の保護シート4aと光透過性シート2aとの間の接
着剤の粘着力より大きい粘着力を有する粘着剤が被着さ
れた粘着シート(図示せず)を接着させる。ここで、こ
の粘着シートにおける第1の保護シート4aとの間の粘
着力は、例えば9.8×10-1N/20mm(100g
f/20mm)(180°剥離強度)である。そして、
この粘着シートを光ディスクの面に対して、継続的に9
0°〜180°の方向に引き、静止することなく第1の
保護シート4aを剥離させるとともに、除電装置10に
おいて生成されたイオンエアーを、第1の保護シート4
aおよび光透過性シート2aに吹きつける。これによ
り、第1の保護シート4aが光ディスクから剥離される
とともに、第1の保護シート4aおよび光透過性シート
2aの除電が行われる。このとき、第1の保護シート4
aは、図示省略した微粘着の接着剤が付着した状態で、
剥離開始から剥離終了まで継続して剥離される。すなわ
ち、剥離面が、光透過性シートと微粘着の接着剤からな
る層との界面としたままで、静止することなく剥離が行
われ、さらに、第1の保護シート4aおよび光透過性シ
ート2aに対して除電処理が行われる。
【0069】以上により、図1に示す、レプリカ基板1
aの凹凸が形成された一主面上に、情報信号部1cと、
接着層2bおよび光透過性シート2aからなる光透過層
2とが設けられた光ディスクが製造される。なお、この
光ディスクをクランプし、回転させる場合において、ク
ランプ基準面3aを滑りにくくするために、グロー放電
やサンドブラスト処理により、クランプ基準面3aを粗
面化するようにしても良い。
【0070】次に、以上のように構成された光ディスク
をチャッキング部によってクランプする場合について説
明する。図8に、この第1の実施形態によるチャッキン
グ部を示す。
【0071】図8に示すように、この第1の実施形態に
よるチャッキング部30は、回転軸31の上部に、ディ
スク載置テーブル32と、センター位置出しピン33
と、磁性体金属板34とが順次連結されて設けられてい
る。
【0072】回転軸31は、図示省略したモータに連結
されており、回転軸31の長手方向に垂直な断面におけ
る中心の周りで自転可能に構成されている。
【0073】また、ディスク載置テーブル32は、光デ
ィスクを載置するためのものである。光ディスクは、ク
ランプ領域3における光透過層2の主面、すなわちクラ
ンプ基準面3aに接触しつつ載置される。また、このデ
ィスク載置テーブル32における光ディスクを載置する
上面は、円環形状を有し、その最内周の径は例えば26
mm、最外周の径は例えば32mmである。また、ディ
スク載置テーブル32の内部には、例えば永久磁石(図
示せず)が埋設されており、具体的には、永久磁石が、
ポリイミドなどの樹脂により覆われて構成されている。
【0074】また、センター位置出しピン33は、光デ
ィスクの中心の位置出しを行うためのものである。ま
た、このセンター位置出しピン33は、光ディスクのセ
ンターホール(ディスク基板1のセンターホール1b)
に挿入可能で、その中心が回転軸31の自転中心とほぼ
一致するように、構成されている。
【0075】また、磁性体金属板34は、磁性体からな
り、ディスク載置テーブル32上に載置された光ディス
クを、ディスク基板1側からクランプするためのもので
ある。ここで、磁性体金属板34におけるディスク載置
テーブル32の載置面に平行な面に沿った断面は、円環
形状を有し、この円環形状の最内周は例えば26mm、
最外周は例えば32mmである。
【0076】そして、永久磁石が埋設され光透過層2側
に接触したディスク載置テーブル32と、ディスク基板
1側に接触した磁性体金属板34とにより、光ディスク
をそのクランプ領域3において挟み込み、クランプする
ように構成されている。また、このディスク載置テーブ
ル32と磁性体金属板34とによって光ディスクを挟み
込むときの力、すなわちクランプ力は、例えば2Nであ
る。
【0077】以上のように構成されたチャッキング部に
より光ディスクがクランプされる。また、情報信号部1
cに対する記録/再生は、例えば、図示省略した半導体
レーザから2群レンズなどを通過したレーザ光L1を、
光ディスクの光透過層2側から情報信号部1cに照射す
ることにより行われる。
【0078】以上のようにして構成され製造された光デ
ィスクに関し、本発明者は、従来の製造方法により製造
された光ディスクとの第1の比較を行った。すなわち、
本発明者は、この第1の実施形態による保護シートの除
電を行う工程を経て製造された光ディスクを10枚用意
するとともに、従来におけると同様に、除電を行わずに
製造された光ディスクを10枚用意し、それらの光ディ
スクのうち、ディスク基板1と光透過層2との間に異物
が混入した枚数の検査を行った。その結果、従来の、第
2の保護シート4bの剥離時に除電を行わなわずに製造
された光ディスクにおいて、10枚中5枚に異物の混入
が確認されたのに対し、この第1の実施形態における第
2の保護シート4bの剥離時に除電を行った場合におい
ては、異物が混入した光ディスクが10枚中0枚、すな
わち異物の混入がほとんど生じないことが確認された。
これは、本発明者の鋭意検討による知見によれば、第2
の保護シート4bを剥離する際に除電を行わないと、接
着層2bに静電気が帯電し、接着層2bの表面に大気中
の微小な異物が吸着してしまうことが原因である。そし
て、この微小な異物は、最終的に光透過層2の欠陥とな
ってしまい、光ディスクの不良となってしまう。したが
って、この第1の実施形態による光ディスクの製造方法
によれば、光ディスクにおける光透過層2に生じる欠陥
を防止可能であることが確認された。
【0079】また、本発明者は、上述の第1の比較にお
けると同様に、この第1の実施形態による光ディスクを
10枚用意するとともに、従来の光ディスクを10枚用
意し、それらの光ディスクのうち、光透過層2にしわが
生じた光ディスクの枚数の検査を行った。その結果、従
来の製造方法により製造された光ディスクにおいて、1
0枚中4枚にしわの発生が確認されたのに対し、この第
1の実施形態による製造方法により製造された光ディス
クにおいては、異物が混入した光ディスクが10枚中0
枚、すなわち光透過層2にはしわがほとんど生じないこ
とが確認された。これは、本発明者の鋭意検討による知
見によれば、第2の保護シート4bを剥離する際に除電
を行わないと、光透過性シート2aに静電気が帯電して
しまい、ディスク基板1との貼り合わせ時に、帯電した
光透過性シート2aが部分的にディスク基板1に吸着し
てしまうことが原因である。この光透過層2に生じるし
わは、光ディスクにおける不良となってしまう。したが
って、この第1の実施形態による光ディスクの製造方法
によれば、光ディスクにおける光透過層2に生じるしわ
を防止可能であることが確認された。
【0080】さらに、本発明者は、シート4において、
接着層2b側にラミネートされた第2の保護シート4b
の剥離を、剥離開始から剥離終了までの間、停止するこ
となく継続して行った場合と、途中で停止を繰り返して
断続的に行った場合とについて、それぞれ剥離実験を行
った。その結果を図9に示す。図9Aは、剥離を停止す
ることなく継続して行った場合のシート4の平面図(接
着層2b側)であり、図9Bは、剥離を、途中で停止を
繰り返して断続的に行った場合のシート4の平面図(接
着層2b側)である。
【0081】図9から、剥離を途中で停止を繰り返して
断続的に行った場合に、剥離縞が生じてしまい、剥離を
途中で停止することなく継続的に行った場合に、剥離縞
が生じないことが確認された。したがって、シート4か
ら第2の保護シート4bを剥離する際には、剥離開始か
ら剥離終了まで停止することなく、継続的に剥離を行う
ことが望ましいことが分かる。
【0082】さらに、本発明者は、上述の剥離実験によ
る2通りの剥離方法における、光ディスクの光透過層の
膜厚への影響についての測定を行った。すなわち、上述
の2通りの剥離方法により第2の保護シート4bが剥離
されたシート4を用いて、それぞれ2種類の光ディスク
を複数枚製造し、これらの光ディスクの半径22〜55
mmにおける、最大の膜厚と最小の膜厚との差(膜厚
差)を測定した。その結果、図10Aに示すシート4を
用いた場合に膜厚差が1.2μmであったのに対し、図
10Bに示すシート4を用いた場合には、膜厚差が1.
6μmとなってしまった。通常、膜厚差が1.5μm以
上になってしまうことは、情報信号の記録/再生時にお
ける対物レンズとの関係から、あまり好ましくないが、
第2の保護シート4bの剥離を途中で停止することなく
行うようにしていることにより、膜厚差を好ましい範囲
内にすることができる。すなわち、シート4から第2の
保護シート4bを剥離させる場合、その剥離を途中で停
止することなく継続的に行うようにすることによって、
光ディスクにおける膜厚差を低減することができ、膜厚
差を好ましい範囲内におさめることが可能であることが
確認された。
【0083】以上説明したように、この第1の実施形態
によれば、シート4から第2の保護シート4bを剥離す
る際に、第2の保護シート4bに対してイオンエアーを
吹きつけて、第2の保護シート4bの除電を行うように
していることにより、シート4とディスク基板1とを貼
り合わせる際に、光透過層2とディスク基板1との間に
異物が混入するのを防止することができるとともに、光
透過層2に接着しわが発生するのを防止することができ
る。したがって、ディスク基板1と光透過層2とを互い
に均一に貼り合わせることができ、製造歩留まりを向上
させるとともに、記録/再生時に用いられる対物レンズ
の高NA化に対応可能で、小複屈折、透明性良好で均一
な膜厚の光透過層を有する光学記録媒体を製造すること
ができる。
【0084】また、この第1の実施形態による他の例
を、図10に示す。図10に示すように、第2の保護シ
ート4bの剥離の際の除電は、例えば、接地された導線
や接地された金属片などの、接地された導電体を用いて
行うことも可能である。
【0085】すなわち、図10Aに示すように、シート
4を剥離する段階(図2中、ステップS1)において、
接地された導電体35を第2の保護シート4bに接触さ
せることにより、第2の保護シート4bを除電するとと
もに接着層2bを除電する。
【0086】次に、図10Bに示すように、図6に示す
貼り合わせ装置を用いて、ディスク基板1とシート4と
の貼り合わせを行い(図2中、ステップST4)、第1
の保護シート4aが表面に設けられた光ディスクを製造
する。
【0087】その後、図10Cに示すように、光ディス
クから第1の保護シート4aを剥離するとともに、この
第1の保護シート4aに、接地された導電体35を接触
させて第1の保護シート4aの除電を行う(図2中、ス
テップST5)。これにより、光透過性シート2aの除
電も同時に行う。
【0088】以上のようにしても、この第1の実施形態
による光ディスクを製造することができる。
【0089】次に、この発明の第2の実施形態による光
ディスクについて説明する。図11に、この第2の実施
形態による光ディスクを示す。また、図12にディスク
基板を示し、図13にシートを示す。
【0090】図11に示すように、この第2の実施形態
による光ディスクにおいては、情報信号部1cが設けら
れたディスク基板1の一主面上に、光透過性シート41
aと接着層41bとからなる光透過層41が設けられて
構成されている。なお、この第2の実施形態によるディ
スク基板1は、図12に示すように第1の実施形態にお
けると同様のディスク基板1である。
【0091】また、図13に示すように、この第2の実
施形態に用いられるシート42は、光透過性シート41
aと、この光透過性シート41aの両面にラミネートし
て設けられた第1の保護シート42aおよび第2の保護
シート42bとから構成されている。また、このシート
42は、ディスク基板1と同様に、平面円環状に打ち抜
かれて形成された構造を有するとともに、その中心に貫
通孔41cが形成されている。ここで、このシート42
の寸法においては、直径(外径)は、レプリカ基板1a
の外径(例えば120mm)以下の例えば119mmと
し、貫通孔41cの径(内孔径)は、センターホール1
bの口径(具体的には、例えば15mm)以上にすると
ともに、クランプ領域3の最内周径(例えば23mm)
以下とし、具体的には例えば22mmとする。
【0092】また、光透過性シート41aは、例えば、
少なくとも紫外線を透過可能な光学特性を満足するとと
もに、情報信号の記録/再生に用いられるレーザ光を透
過可能な光学特性を満足した熱可塑性樹脂からなる。こ
の熱可塑性樹脂は、具体的には、例えばPCや、または
ポリメチルメタクリレート(ポリメタクリル酸メチル)
などのメタクリル樹脂である。また、この第2の実施形
態においては、光透過性シート41aの厚さは例えば9
5μmである。なお、光透過性シート41aの厚さは、
最終的に形成される光透過層41の膜厚(例えば100
μm程度)を考慮して決定される。
【0093】また、シート42における第1の保護シー
ト42aおよび第2の保護シート42bは、例えば、P
ETやPENなどからなる。また、第1の保護シート4
2aの光透過性シート41a側の面、および第2の保護
シート42bの光透過性シート41a側の面には、微粘
着性の接着剤(図示せず)が塗布、被着されている。そ
して、この微粘着性の接着剤からなる層を介して、光透
過性シート41aと第1の保護シート42aとが互いに
接着されているとともに、光透過性シート41aと第2
の保護シート42bとが互いに接着されている。ここ
で、微粘着性の接着剤は、光透過性シート41aとの接
着力に比して、第1の保護シート4aや第2の保護シー
ト42bとの接着力が大きい接着材料からなる。したが
って、光透過性シート41aと第1の保護シート42a
との剥離、および光透過性シート41aと第2の保護シ
ート42bとの剥離は、微粘着性の接着剤からなる層
(図示せず)と光透過性シート41aとの界面における
剥離となる。また、第1の保護シート4aの厚さは、例
えば40μmである。
【0094】次に、この第2の実施形態による光ディス
クの製造方法について説明する。なお、この第2の実施
形態によるディスク基板1の製造方法については、第1
の実施形態におけると同様であるので説明を省略する。
【0095】まず、第1の実施形態におけると同様に、
ディスク基板1上に貼り合わせる側の保護シート、すな
わち第2の保護シート42bを、途中で停止することな
くシート42から剥離する。これとともに、この第2の
保護シート42bの剥離の際に、図5に示す除電装置1
0を用いて、第2の保護シート42bおよび光透過性シ
ート41aの除電を行う。この第2の保護シート42b
の剥離により、第1の保護シート42aが一方の面に残
される。その後、この第2の保護シート42bが剥離さ
れたシート42を、ディスク基板1の情報信号部1cが
形成された一主面上に貼り合わせる。この貼り合わせ工
程を図14に示す。
【0096】すなわち、図14Aに示すように、この第
2の実施形態によるシート42の貼り合わせ工程におい
ては、まず、ディスク基板1の情報信号部1cが形成さ
れた一主面上に、紫外線硬化樹脂43を供給し、塗布す
る。紫外線硬化樹脂43の供給は、紫外線硬化樹脂供給
部44のノズル口からディスク基板1の一主面上におけ
る内周側に、例えば円環状になるようにして行われる。
このとき、紫外線硬化樹脂43を吐出する紫外線硬化樹
脂供給部44とディスク基板1とが相対的に回転され
る。このとき、紫外線硬化樹脂43としては、例えば、
粘度が0.1Pa・s(100cps)のものが用いら
れる。
【0097】次に、図14Bに示すように、ディスク基
板1のセンターホール1bと、シート42の中心の貫通
孔41cとの位置合わせを行った後、紫外線硬化樹脂4
3が供給されたディスク基板1の一主面上に、平面円環
状のシート42を載置する。
【0098】次に、図14Cに示すように、ディスク基
板1およびシート42を、回転軸を中心として面内方向
(図14C中、M方向)に回転させる。これにより、デ
ィスク基板1上の紫外線硬化樹脂43がディスク基板1
とシート42との間に行き渡る。また、余分な紫外線硬
化樹脂43は振り切られる。ここで、これらのディスク
基板1とシート42の回転速度は、例えば83.3s-1
(5000rpm)であり、回転時間は、例えば20s
である。
【0099】紫外線硬化樹脂43をディスク基板1とシ
ート42の光透過性シート41aとの間で行き渡らせ、
余分な紫外線硬化樹脂43を振り切った後、図14Dに
示すように、紫外線を発光可能に構成されているととも
に、この紫外線をディスク基板1に照射可能に構成され
た紫外線光源45の照射範囲内に、ディスク基板1を載
置する。このとき、ディスク基板1は、そのシート42
の接着された側が紫外線光源45の設置側に対向するよ
うに配置される。その後、紫外線を、紫外線光源45か
ら第1の保護シート42aおよび光透過性シート41a
を順次介して、ディスク基板1の一主面上の紫外線硬化
樹脂43に照射する。このときの積算強度は、例えば5
00mJ/cm2とする。この紫外線の照射により、デ
ィスク基板1とシート42との間において、紫外線硬化
樹脂43が硬化し、紫外線硬化樹脂43からなる接着層
41bが形成される。
【0100】以上により、ディスク基板1表面の情報信
号部1cの上層に、接着層41bを介して、シート42
の光透過性シート41a側が接着される。
【0101】このとき、紫外線硬化樹脂43の塗布位置
(供給位置)が最適な位置よりも外周側になった場合、
ディスク基板1とシート42との界面に気泡が入る可能
性がある。そこで、紫外線硬化樹脂43の塗布位置を最
適な位置よりも内周側にする。これによって、気泡の混
入を防ぐことができる。ところが、紫外線硬化樹脂43
の塗布位置を内周側にすると、シート42の中心の位置
出しを行うシート中心位置出しピン(図示せず)とシー
ト42の貫通孔41cとの隙間から、紫外線硬化樹脂4
3が上方に噴出する場合がある。このとき、噴出し漏れ
出た紫外線硬化樹脂43は、第1の保護シート42a上
に付着し、紫外線が照射された段階で硬化される。
【0102】次に、第1の実施形態におけると同様に、
第1の保護シート42aと光透過性シート41aとの間
の粘着力より大きい粘着力を有する粘着剤が被着された
粘着シート(図示せず)を用いて、第1の保護シート4
2aを、途中で停止することなく継続的に、光透過性シ
ート41aから剥離する。ここで、第1の保護シート4
2aは、硬化した紫外線硬化樹脂43が付着した状態で
剥離されるので、光透過性シート41aの露出面におい
て、紫外線硬化樹脂43による汚れを防止することがで
きる。
【0103】この第2の実施形態によれば、光透過性シ
ート41aの両面に設けられた第1の保護シート42a
および第2の保護シート42bを剥離する際に、これら
に対して除電処理を行うようにしていることにより、第
1の実施形態におけると同様の効果を得ることができ
る。また、この第2の実施形態においては、接着層41
bとして紫外線硬化樹脂を用いているので、接着層41
bの膜厚を5nm程度と薄くすることができるが、この
接着層41bの薄膜化による悪影響、すなわち光透過性
シート41aに異物が付着することによる光透過層41
への影響が大きくなるのを、大幅に抑えることができ、
より良好な光学特性を満足した光透過層41を形成する
ことができる。
【0104】さらに、この第2の実施形態においては、
紫外線硬化樹脂43を介して積層されたディスク基板1
とシート42とを面内方向に回転させて紫外線硬化樹脂
43をディスク基板1とシートとの間に行き渡らせるた
め、圧着などを行う必要がなく、均一な厚さの光透過層
を短時間で容易に形成することができるので、生産性の
向上を図ることができる。そして、このような均一な膜
厚の光透過層41を有する光学記録媒体においては、安
定した再生特性が得られる。さらには、非常に薄い接着
層41bを形成することができるため、レプリカ基板1
aの初期の反りや経時変化による変形が抑えられ、長時
間にわたって安定した特性を確保することができる。
【0105】以上、この発明の実施形態について具体的
に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定され
るものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の
変形が可能である。
【0106】例えば、上述の実施形態において挙げた数
値、材料、情報信号部の構成はあくまでも例に過ぎず、
必要に応じてこれと異なる数値、材料、情報信号部の構
成を用いることも可能である。
【0107】また、例えば上述の第1の実施形態および
第2の実施形態においては、第1の保護シート4a,4
2aをシート4,42から剥離するとともに、シート
4,42の除電処理を行うようにしているが、必ずしも
剥離と除電処置とを同時に行う必要はなく、剥離と除電
処理とを別の工程により行うことも可能である。すなわ
ち、シート4,42から第1の保護シート4a,42a
を剥離した後、シート4,42の除電処理を行うことも
可能である。
【0108】また、上述の第1の実施形態においては、
情報信号部1cの部分を構成する反射膜の材料としてA
lを用いたが、反射層の材料としては、Al以外にも、
Al合金、銀(Ag)、Ag合金、銅(Cu)、Cu合
金などを用いることも可能である。また、上述の第1の
実施形態においては、相変化記録層として、GeInS
bTe合金からなるものを用いたが、相変化記録層とし
てはGeSbTe合金などのその他の材料を用いること
も可能である。
【0109】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、光透過性シートの少なくとも一方の面に保護シート
が被着されてシートが構成され、シートから保護シート
を剥離する際に、除電処理を行うようにしていることに
より、基板をシートに貼り合わせることにより基板上に
光透過層を形成する際に、シートに微小な異物が吸着す
ることを防止し、基板と光透過層との間に微小な異物が
混入するのを防止することができるとともに、接着むら
を低減することができる。したがって、基板と光透過層
とを互いに均一に貼り合わせることができ、製造歩留ま
りを向上させるとともに、記録/再生時に用いられる対
物レンズの高NA化に対応可能で、小複屈折、透明性良
好で均一な膜厚の光透過層を有する光学記録媒体を製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態による光ディスクを
示す断面図である。
【図2】この発明の第1の実施形態による光ディスクの
製造プロセスを示すフローチャートである。
【図3】この発明の第1の実施形態によるディスク基板
を示す断面図である。
【図4】この発明の第1の実施形態によるシートを示す
断面図である。
【図5】この発明の第1の実施形態による除電装置を示
す原理図および正面図である。
【図6】この発明の第1の実施形態による貼り合わせ装
置を示す略線図である。
【図7】この発明の第1の実施形態による貼り合わせ直
後の光ディスクを示す断面図である。
【図8】この発明の第1の実施形態による光ディスクを
クランプするチャッキング部を示す断面図である。
【図9】この発明の第1の実施形態による保護シートの
剥離と、この方法を採用しなかった場合のシートの剥離
とを比較した例を示す平面図である。
【図10】この発明の第1の実施形態の他の例による光
ディスクの製造方法を説明するための断面図である。
【図11】この発明の第2の実施形態による光ディスク
を示す断面図である。
【図12】この発明の第2の実施形態によるディスク基
板を示す断面図である。
【図13】この発明の第2の実施形態によるシートを示
す断面図である。
【図14】この発明の第2の実施形態による光透過性シ
ートとディスク基板との貼り合わせ方法を説明するため
の略線図である。
【符号の説明】
1・・・ディスク基板、1a・・・レプリカ基板、1b
・・・センターホール、1c・・・情報信号部、2,4
1・・・光透過層、2a,41a・・・光透過性シー
ト、2b,41b・・・接着層、2c,41c・・・貫
通孔、3・・・クランプ領域、3a・・・クランプ基準
面、4,42・・・シート、4a,42a・・・第1の
保護シート、4b,42b・・・第2の保護シート、1
0・・・除電装置、20・・・貼り合わせ装置、21・
・・平面ステージ、22・・・可動ステージ、23・・
・上下動ピン、24・・・基板位置出しピン、25・・
・パッド、35・・・導電体、43・・・紫外線硬化樹
脂、L1・・・レーザ光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D029 LA02 LB01 LB13 LB17 LC25 RA30 RA38 5D121 AA04 AA07 EE28 EE29 FF03 FF13 FF18 GG02 GG05

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の一主面に、情報信号を記録可能に
    構成された情報信号部と、少なくとも上記情報信号部に
    照射されるレーザ光を透過可能な光透過層とが順次積層
    されて設けられ、 上記基板に対して上記情報信号部の存在する側から上記
    情報信号部に上記レーザ光を照射することにより、上記
    情報信号部に対して情報信号を記録可能および/または
    再生可能に構成され、 上記光透過層が、少なくとも、上記レーザ光を透過可能
    な光透過性シートと、上記光透過性シートを上記基板の
    一主面に接着する上記レーザ光を透過可能な接着層とか
    らなり、 上記光透過性シートを、上記接着層を介して、上記基板
    の一主面に貼り合わせることにより、上記基板の一主面
    上に上記光透過層を形成するようにした光学記録媒体の
    製造方法であって、 光透過性シートの少なくとも一方の面に保護シートが被
    着されてシートが構成され、 上記シートから上記保護シートを剥離する際に、少なく
    とも上記シートに対して除電処理を行うようにしたこと
    を特徴とする光学記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記除電処理を、上記保護シートにイオ
    ンを照射することにより行うようにしたことを特徴とす
    る請求項1記載の光学記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記除電処理を、上記保護シートに、接
    地された導電体を接触することにより行うようにしたこ
    とを特徴とする請求項1記載の光学記録媒体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 上記シートが、上記光透過性シートと、
    上記接着層と、上記光透過性シートに接して設けられた
    第1の保護シートと、上記接着層に接して設けられた第
    2の保護シートとから構成され、上記光透過性シートと
    上記基板の一主面との貼り合わせの前に、上記第2の保
    護シートを剥離する工程と、少なくとも上記接着層に対
    して上記除電処理を行う工程とを有することを特徴とす
    る請求項1記載の光学記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記第2の保護シートの剥離を、剥離開
    始から剥離終了までの間、継続して行うようにすること
    を特徴とする請求項4記載の光学記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記基板に、上記接着層を介して上記光
    透過性シートを貼り合わせた後、上記第1の保護シート
    を剥離する工程と、少なくとも上記光透過性シートに対
    して、上記除電処理を行う工程とを有することを特徴と
    する請求項4記載の光学記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記第1の保護シートの剥離を、剥離開
    始から剥離終了までの間、継続して行うようにしたこと
    を特徴とする請求項6記載の光学記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記シートが、上記光透過性シートと、
    上記光透過性シートの第1の面に接して設けられた第1
    の保護シートと、上記光透過性シートの第2の面に接し
    て設けられた第2の保護シートとから構成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の光学記録媒体の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 上記光透過性シートと上記基板の一主面
    との貼り合わせの前に、上記第2の保護シートを剥離す
    る工程と、少なくとも上記光透過性シートに対して上記
    除電処理を行う工程とを有することを特徴とする請求項
    8記載の光学記録媒体の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記第2の保護シートの剥離を、剥離
    開始から剥離終了までの間、継続して行うようにするこ
    とを特徴とする請求項9記載の光学記録媒体の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 上記基板の一主面上に上記接着層を構
    成する接着剤を塗布した後、上記接着剤を介して、上記
    第2の保護シートが剥離されたシートを上記基板の一主
    面に貼り合わせるようにしたことを特徴とする請求項9
    記載の光学記録媒体の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記接着剤が紫外線硬化樹脂からなる
    ことを特徴とする請求項11記載の光学記録媒体の製造
    方法。
  13. 【請求項13】 上記基板に、上記接着層を介して上記
    光透過性シートを貼り合わせた後、上記第1の保護シー
    トを剥離する工程と、上記第1の保護シートの上記除電
    処理を行う工程とを有することを特徴とする請求項9記
    載の光学記録媒体の製造方法。
  14. 【請求項14】 上記第1の保護シートの剥離を、剥離
    開始から剥離終了までの間、継続して行うようにしたこ
    とを特徴とする請求項13記載の光学記録媒体の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 上記保護シートの剥離を、剥離開始か
    ら剥離終了までの間、継続して行うようにしたことを特
    徴とする請求項1記載の光学記録媒体の製造方法。
  16. 【請求項16】 上記光透過性シートにおける面のうち
    の上記ディスク基板の一主面に貼り合わせる側の面に設
    けられた保護シートを、上記光透過性シートと上記基板
    の一主面とを貼り合わせる前に、剥離するようにしたこ
    とを特徴とする請求項1記載の光学記録媒体の製造方
    法。
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