JP2002304783A - 光ディスクの製造装置および光ディスクの製造方法 - Google Patents

光ディスクの製造装置および光ディスクの製造方法

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JP2002304783A
JP2002304783A JP2001110543A JP2001110543A JP2002304783A JP 2002304783 A JP2002304783 A JP 2002304783A JP 2001110543 A JP2001110543 A JP 2001110543A JP 2001110543 A JP2001110543 A JP 2001110543A JP 2002304783 A JP2002304783 A JP 2002304783A
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JP
Japan
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disk substrate
sheet
outer peripheral
disk
substrate
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JP2001110543A
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English (en)
Inventor
Minoru Kikuchi
稔 菊地
Yoshio Shirai
良男 白井
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板とシートとの貼り合わせ時のブロッキン
グを防ぎ、気泡欠陥や接着ムラが抑制された光ディスク
を製造する。 【解決手段】 シート4をシート位置出しピン14aに
嵌合しつつ、シート載置面13aに載置する。ディスク
基板外周支持部15のディスク基板載置面15a側の一
端がシート位置出しピン14の方向を向くように、その
他端を軸として、ディスク基板外周支持部15を旋回さ
せる。ディスク基板1を基板位置出しピン14bに嵌合
しつつ、ディスク基板載置面14cにディスク基板1の
内周部を載置する。ブラケット12aをシート保持部1
3に向けて移動させ、ディスク基板1の一主面を内周部
から外周部に向けて徐々にシート4に接着させるととも
に、ディスク基板外周支持部15を徐々に回旋させ、デ
ィスクディスク基板1の外周部とシート4の外周部とが
接着する直前に、ディスク基板外周支持部15の支持を
外す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光ディスクの製
造装置および光ディスクの製造方法に関し、特に、ディ
スク基板に光透過性シートを貼り合わせることによって
光透過層を形成するようにした光ディスクの製造に適用
して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報記録の分野において、光学情
報記録方式に関するさまざまな研究、開発が、各所で進
められている。この光学情報記録方式は、非接触で記録
および/または再生を行うことができるとともに、磁気
記録方式に比して一桁以上高い記録密度を達成可能であ
るという利点を有している。また、この光学情報記録方
式は、再生専用型、追記型、書換可能型などのそれぞれ
のメモリ形態に対応可能であるという、さらなる利点を
も有する。そのため、安価な大容量ファイルの実現を可
能とする方式として、産業用から民生用まで幅広い用途
への適用が考えられている。
【0003】その中でも特に、再生専用型のメモリ形態
に対応した光ディスクであるディジタルオーディオディ
スク(DAD)や光学式ビデオディスクなどは、現在広
く普及している。
【0004】ディジタルオーディオディスクなどの光デ
ィスクは、情報信号を示すピットやグルーブなどの凹凸
パターンが形成された光透過性を有するディスク基板上
に、アルミニウム(Al)膜などの金属薄膜からなる反
射膜と、さらにこの反射膜を大気中の水分(H2O)や
酸素(O2)から保護するための保護膜とが設けられた
構成を有する。そして、この光ディスクにおける情報信
号の再生時には、ディスク基板側から凹凸パターンに向
けてレーザ光などの再生光を照射し、この再生光による
入射光と戻り光との反射率の差によって情報信号を検出
する。
【0005】そして、このような光ディスクを製造する
際には、まず、射出成形法により凹凸パターンを有する
ディスク基板を形成する。次に、真空蒸着法により、光
ディスク基板上に金属薄膜からなる反射膜を形成する。
次に、この反射膜の上層に紫外線硬化樹脂を塗布するこ
とにより保護膜を形成する。
【0006】近年、このような光学情報記録方式におい
ては、さらなる高記録密度化が要求されている。そし
て、この高記録密度化の要求に対応するために、光学ピ
ックアップの再生光の照射時に用いられる対物レンズの
開口数(NA)を大きくすることによって、再生光のス
ポット径の小径化を図る技術が提案された。
【0007】すなわち、例えば従来のDADの再生時に
用いられる対物レンズのNAが0.45であるのに対
し、この従来のDADの6〜8倍の記録容量を有するD
VD(Digital Versatile Disc)といった光学式ビデオ
ディスクでは再生時に用いられる対物レンズのNAを
0.60程度として、スポット径の小径化が図られる。
【0008】このような対物レンズにおける高NA化を
進めていくと、照射される再生光を透過させるために、
光ディスクにおけるディスク基板を薄くする必要が生じ
る。これは、光学ピックアップの光軸に対してディスク
面の垂直からずれる角度(チルト角)の許容量が小さく
なるためであり、さらに、このチルト角がディスク基板
の厚さによる収差や複屈折の影響を受け易いためであ
る。したがって、ディスク基板を薄くすることによっ
て、チルト角がなるべく小さくなるようにする。例え
ば、上述したDADにおいては、基板の厚さは1.2m
m程度とされている。これに対し、DADの6〜8倍の
記録容量を有するDVDなどの光学式ビデオディスクに
おいては、基板の厚さは0.6mm程度とされている。
【0009】そして、今後のさらなる高記録密度化の要
求を考慮すると、基板のさらなる薄型化が必要になる。
そこで、基板の一主面に凹凸を形成して情報信号部と
し、この情報信号部上に、反射膜と、光を透過可能な薄
膜からなる光透過層とを順次積層し、光透過層側から再
生光を照射することにより情報信号の再生を行うように
構成された光ディスクが提案されている。このような、
光透過層側から再生光を照射して情報信号の再生を行う
ようにした光ディスクにおいては、光透過層の薄膜化を
図ることによって対物レンズの高NA化に対応すること
ができる。
【0010】ところが、光透過層の薄膜化を行うと、光
ディスクの製造に一般に用いられる、熱可塑性樹脂を用
いた射出成形法により光透過層を形成することが困難に
なる。すなわち、従来の技術を採用して、複屈折を小さ
く保ちつつ、良好な透明性が維持された、0.1mm程
度の光透過層を形成することは、非常に困難である。
【0011】そこで、光透過層を、紫外線硬化樹脂によ
り形成する方法が考案された。ところが、光透過層を紫
外線硬化樹脂により形成する場合、光透過層を基板表面
において均一な膜厚にすることは非常に困難である。そ
のため、情報信号の再生を安定して行うことが困難にな
ってしまう。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで、さらに、弾性
体からなるパッドと金属からなる平面ステージとを有し
て構成される貼り合わせ装置を用い、光透過性シートと
基板とをプレスすることによって、光透過層を貼り合わ
せる方法が提案された。ここで、この貼り合わせ装置に
ついて、図面を参照しつつ、以下に具体的に説明する。
【0013】すなわち、図10に示すように、従来の貼
り合わせ装置においては、固定ステージ101と可動ス
テージ102とが、互いに対向した位置に設置されて構
成されている。
【0014】固定ステージ101は、シート103を載
置するためのものであり、シート103を載置可能に構
成されている。すなわち、固定ステージ101における
可動ステージ102に対向した部分には、固定ステージ
101に対して突出および埋没する方向に移動可能な上
下動ピン105が設けられている。この上下動ピン10
5の径は、上述したシート103の貫通孔103aの径
に等しくなるように構成されている。そして、シート1
03の貫通孔103aを上下動ピン105に嵌め合わせ
ることにより、シート103を固定ステージ101上に
載置可能に構成されている。また、この上下動ピン10
5の上部には、円柱状に突出した基板位置出しピン10
6が設けられている。この基板位置出しピン106の径
は、上述したディスク基板104のセンターホール10
4aの径にほぼ等しくなるように構成されており、ディ
スク基板104の中心を合わせつつ、このディスク基板
104を上下動ピン105で支持可能に構成されてい
る。このように構成された固定ステージ101において
は、シート103を、上下動ピン105に嵌合させて載
置可能に構成され、ディスク基板104を、基板位置出
しピン106に嵌合させつつ上下動ピン105の段差部
分により支持可能に構成されている。
【0015】また、可動ステージ102の固定ステージ
101に対向する部分の面上に、例えばゴムなどの弾性
体から構成されるパッド107が設けられている。この
パッド107は、円錐形状を有し、その円錐形状の平面
側が可動ステージ102における固定ステージ101に
対向する面に固着されている。
【0016】以上のようにして構成された貼り合わせ装
置を用いてディスク基板104とシート103との貼り
合わせを行う場合、まず、シート103を、その貫通孔
103aを上下動ピン105に嵌合させて、固定ステー
ジ101上に載置する。このとき、シート103は、接
着面103b側の面が可動ステージ102に対向するよ
うに載置する。その後、ディスク基板104を、そのセ
ンターホール104aを基板位置出しピン106に嵌合
させて上下動ピン105の段差部分に載置する。このと
き、ディスク基板104は、その情報信号部が設けられ
た記録面104bが粘着層の設けられた接着面103b
に対向するように、上下動ピン105に支持される。
【0017】次に、可動ステージ102を固定ステージ
101に向けて移動させる(図10中、下方)。そし
て、パッド107により、まず基板位置出しピン106
を押圧し、続いてディスク基板104を介して上下動ピ
ン105を固定ステージ101中に進入させる。これに
より、ディスク基板104とシート103とのクリアラ
ンスは徐々に小さくなり、最終的に、ディスク基板10
4とシート103とが圧着され、記録面104bと接着
面103bとが接着される。この圧着が安定した後、可
動ステージ102を固定ステージ101から離れる方向
に開放させる。その後、所定の搬送装置(図示せず)を
用いて、圧着されたディスク基板104とシート103
とを固定ステージ101から搬出する。
【0018】以上により、ディスク基板104とシート
103とが貼り合わされ、ディスク基板104の記録面
104b上に光透過層が設けられた光ディスクが製造さ
れる。
【0019】しかしながら、上述した従来の貼り合わせ
装置を用いて光ディスクを製造する場合、ディスク基板
104が反った状態になっていると、ディスク基板10
4をシート103の接着層側に圧着させる際に接着むら
が発生してしまう。また、ディスク基板104が、上下
動ピン105および基板位置出しピン106からなるデ
ィスク基板保持機構に載置され、保持されたときに、斜
めに載置されてしまうと、ディスク基板104をシート
103の接着面103b側に圧着させる前に正しくない
位置で接着する、いわゆるブロッキング現象が発生して
しまう。このようなブロッキング現象が発生すると、デ
ィスク基板104とシート103との間において、接着
むらが発生したり、接着界面に気泡が巻き込まれたりす
るといった問題が生じてしまう。
【0020】そこで、本発明者は、種々鋭意検討を行
い、従来の貼り合わせ装置に、さらにディスク基板10
4の外周部、かつシート103の外周より外側に位置す
る部分で仮想的な正多角形の頂点の位置に、外周ピンが
設けられた貼り合わせ装置を想起した。ところが、この
ような外周ピンが設置される位置は、ディスク基板10
4の外径より小さく、かつシート103の外径より大き
くなる位置にしなければならない。換言すると、シート
103の外径は、ディスク基板104の外径より、少な
くとも外周ピンがディスク基板104を支持する幅の分
だけ小さくしなければならない。この小さくなる領域
は、ディスク基板104の一主面のうちでシート103
に覆われない領域となる。そして、この領域は、記録領
域として使用できない領域になってしまう。
【0021】近年の光ディスクにおける高記録密度化、
大容量化、ランド/グルーブの狭小化を考慮すると、記
録領域として使用できない領域は、外周ピンがディスク
基板104を支持する幅の分だけであっても、記録容量
に大きな影響を及ぼしてしまう。
【0022】以上のことから、ディスク基板104の外
径とシート103の外径とを等しい大きさとして、それ
らを互いに貼り合わせることができるとともに、さら
に、この貼り合わせの際においても、ブロッキング現象
の発生を防止することができる技術の開発が求められて
いた。
【0023】したがって、この発明の目的は、ディスク
基板とシートとを貼り合わせることにより、ディスク基
板上に光透過層が形成された光ディスクにおいて、ブロ
ッキング現象を防止して、光透過層の形成時にしわや接
着むらが生じたり、ディスク基板と光透過層との間に気
泡が混入したりすることを防止することができ、これに
よって、薄型化され、小複屈折で、透明性良好で厚さも
均一な光透過層を有し、対物レンズの高NA化に十分対
応可能で、高信頼性を有しつつ大容量化可能な光ディス
クを製造することができる、光ディスクの製造装置およ
び光ディスクの製造方法を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の第1の発明は、ディスク基板における、
情報信号を記録可能および/または再生可能に構成され
た情報信号部が設けられた一主面を、少なくとも、情報
信号の記録および/または再生に用いられるレーザ光を
透過可能に構成された光透過性シートと、光透過性シー
トをディスク基板の一主面に接着可能に構成されている
とともにレーザ光を透過可能に構成された接着層とから
なるシートに、接着層を介して貼り合わせ可能に構成さ
れた光ディスクの製造装置であって、シートを保持可能
に構成されたシート保持手段と、ディスク基板の外周部
を支持可能に構成されたディスク基板外周支持手段と、
ディスク基板を押圧可能に構成された押圧手段とを有
し、押圧手段が、ディスク基板の一主面とは反対側の他
主面を、押圧可能に構成され、ディスク基板外周支持手
段のディスク基板の外周部に接する部分が、ディスク基
板の外周より外側に移動可能に構成されていることを特
徴とするものである。
【0025】この第1の発明において、典型的には、押
圧手段は、ディスク基板の他主面を、他主面の中央部か
ら外周部に向けて順次押圧可能に構成されている。そし
て、具体的には、押圧手段は、円錐形状を有する弾性体
からなるパッドを有するとともに、シート保持手段は、
シートを載置可能に構成されたシート載置面を有し、円
錐形状を有するパッドの曲面部分がシート載置面に対向
するように構成されている。このとき、このパッドを構
成する弾性体のゴム硬度が、5度以上70度以下であ
る。
【0026】この第1の発明において、典型的には、デ
ィスク基板外周支持手段は、複数のディスク基板外周支
持部から構成されている。そして、これらのディスク基
板外周支持部は、ディスク基板の外周部をシートの外周
部に接着させる直前に、ディスク基板の外周より外側に
移動可能に構成されている。好適には、ディスク基板の
中心部より外周部に向かって、ディスク基板の一主面を
シートに順次接着させるにつれて、ディスク基板外周支
持部をディスク基板の外周の外側に向けて移動させ、デ
ィスク基板の一主面の外周部とシートの外周部とを接着
させる直前に、ディスク基板の支持を解除可能に構成さ
れている。
【0027】この第1の発明において、典型的には、複
数のディスク基板外周支持部は、ディスク基板を、ディ
スク基板の中心をその中心とした仮想的な円に内接する
正多角形の頂点の位置において支持可能に構成されてい
る。
【0028】この第1の発明において、典型的には、デ
ィスク基板外周支持部は、回旋動作可能に構成されてい
る。具体的には、ディスク基板外周支持部は、回旋動作
によりディスク基板の一主面に沿って、ディスク基板の
外周より外側に移動可能に構成されている。また、好適
には、複数のディスク基板外周支持部のそれぞれにおけ
る回旋動作の方向は、互いに同一方向である。
【0029】この第1の発明において、典型的には、少
なくともシートをシート保持部に保持する際に、ディス
ク基板外周支持部は、回旋動作を行うことにより、シー
トに接触しない位置まで移動可能に構成される。また、
典型的には、ディスク基板外周支持部に、ディスク基板
を載置する際に、ディスク基板外周支持部が回旋動作に
より、ディスク基板を載置可能な位置で待機するように
構成されている。
【0030】この第1の発明において、典型的には、デ
ィスク基板外周支持部は、直線動作可能に構成されてい
る。具体的には、ディスク基板外周支持部は、直線動作
によりディスク基板の一主面に沿って、ディスク基板の
外周より外側に移動可能に構成されている。
【0031】この第1の発明において、典型的には、シ
ートをシート保持部に保持する際に、ディスク基板外周
支持部は、直線動作により、シートと接触しない位置で
待機するように構成されている。また、典型的には、デ
ィスク基板外周支持部に、ディスク基板を載置する際
に、直線動作により、ディスク基板を載置可能な位置で
待機するように構成されている。
【0032】この第1の発明において、典型的には、デ
ィスク基板外周支持部は、少なくともディスク基板の外
周部を支持する部分が、ディスク基板の外周部に平面的
に接する外周支持平面を有する。そして、好適には、外
周支持平面部は、棒形状を有し、ディスク基板外主支持
部の一端に外周支持平面が設けられ、ディスク基板の外
周部を支持した状態において、棒状の外周支持部の長手
方向が、ディスク基板の中心方向に沿うように構成され
ている。また、典型的には、シート載置手段は、シート
を載置する平面を有し、平面と外周支持平面部とを平行
に維持可能であるとともに、外周支持平面のそれぞれ
を、シート載置平面からほぼ同一の高さに維持可能に構
成に構成されている。
【0033】この第1の発明において、典型的には、シ
ート保持手段は、ディスク基板保持部を備え、ディスク
基板保持部が、ディスク基板を、ディスク基板の一主面
がシートに対向するように保持可能に構成されている。
好適には、シート保持手段により保持されたシートと、
ディスク基板保持部により保持されたディスク基板とを
互いにほぼ平行にすることができるように構成されてい
る。
【0034】この第1の発明において、典型的には、デ
ィスク基板保持部は、ディスク基板を、ディスク基板の
中央部において保持可能に構成されている。好適には、
ディスク基板は、中央に開口を有し、ディスク基板保持
手段は、ディスク基板の開口に嵌合可能に構成され、デ
ィスク基板の開口をディスク基板保持手段に嵌合させる
ことにより、シートに対するディスク基板の貼り合わせ
位置を規定可能に構成されている。
【0035】この第1の発明において、典型的には、シ
ート保持手段は、平面ステージからなり、平面ステージ
がシートを平面状に維持しつつ固定可能に構成されてい
る。また、具体的には、平面ステージは、シートを吸着
する吸着部を有する。好適には、これらの吸着部は、複
数の吸引孔からなり、吸引孔の内部を減圧排気可能に構
成されている。あるいは、これらの吸着部は、真空吸着
可能に構成されている。
【0036】この第1の発明において、典型的には、デ
ィスク基板外周支持手段は、ディスク基板の外周部とシ
ートの外周部との貼り合わせ直前まで、ディスク基板の
外周部を支持可能に構成されている。
【0037】この第1の発明において、典型的には、デ
ィスク基板が平面円環形状を有するとともに、シートが
平面円環形状を有する。また、好適には、ディスク基板
外周支持手段は、少なくとも押圧手段による押圧前にお
いて、ディスク基板の外周部とシートの外周部との間隔
を1mm以上5mm以下に保ちつつ、ディスク基板を支
持可能に構成されている。ここで、好適には、ディスク
基板保持手段は、ディスク基板の外周から中心に向けて
0.3mm以上1.0mm以下までの領域を部分的に支
持可能に構成されている。
【0038】この第1の発明において、ディスク基板と
シートとの間への気泡の混入を低減するために、典型的
には、シート保持手段とディスク基板保持手段と押圧手
段とは、減圧可能なチャンバ内に設置されている。
【0039】この発明の第2の発明は、ディスク基板の
一主面上に、情報信号を記録可能および/または再生可
能に構成された情報信号部と、情報信号の記録および/
または再生に用いられるレーザ光を透過可能に構成され
た光透過層とが順次積層されて設けられ、光透過層が、
少なくとも、レーザ光を透過可能な光透過性シートと、
光透過性シートをディスク基板の一主面に接着させるレ
ーザ光を透過可能な接着層とからなり、シートを、シー
ト保持手段にシートの接着層側が表面になるように保持
し、ディスク基板の一主面がシートの接着層側に対向す
るように、ディスク基板の外周部を、ディスク基板外周
支持手段により支持し、ディスク基板の一主面とは反対
の面を、押圧手段により中心部から外周部に向かって順
次押圧し、ディスク基板の外周部とシートの外周部とが
貼り合わされる直前に、ディスク基板外周支持手段によ
るディスク基板の支持を解除するようにしたことを特徴
とするものである。
【0040】この第2の発明において、ディスク基板
は、平面円環形状を有するとともに、シートが平面円環
形状を有する。また、好適には、押圧の開始時におい
て、ディスク基板の外周部とシートの外周部との間隔
を、1mm以上5mm以下にする。
【0041】この第2の発明において、典型的には、押
圧手段は、ディスク基板を押圧するのに伴って、ディス
ク基板支持手段がディスク基板の一主面に平行な面内
で、ディスク基板の外周側に移動する。
【0042】この第2の発明において、典型的には、シ
ート保持手段によりシートを吸着固定し、好適には、シ
ートの吸着固定を真空吸着により行うようにする。
【0043】この第2の発明において、ディスク基板の
一主面に、シートを安定して定着するために、シートを
ディスク基板の一主面の全面に貼り合わせた圧着状態
を、1秒以上60秒未満の間維持し、好適には、シート
をディスク基板の一主面における全面に貼り合わせた圧
着状態を、1秒以上40秒以下の間維持するようにす
る。
【0044】この第2の発明において、ディスク基板の
シートへの押圧における力は、典型的には、4.9×1
Pa以上2.94×106Pa以下である。
【0045】この第2の発明において、典型的には、少
なくとも、シートとディスク基板との周辺における雰囲
気の圧力を、4×102Pa以上2×10Pa以下と
する。また、シートとディスク基板との間に気泡が混入
するのを効率よく防止するために、シートとディスク基
板との貼り合わせは、減圧下や真空中で行うようにする
ことが望ましいが、通常の大気圧下でディスク基板とシ
ートとを貼り合わせた後、加圧脱法処理を行うことによ
り、シートとディスク基板との間の気泡を排出すること
も可能である。
【0046】この発明において、典型的には、接着層は
感圧性粘着剤(PSA)からなるが、紫外線硬化樹脂な
どを用いることも可能である。
【0047】この発明において、製造される光ディスク
における反りや歪みを最小限にするために、好適には、
光透過性シートは、基板に用いられる材料と同種の材料
から構成される。また、光透過性シートの厚さは、典型
的には、基板の厚さより小さくなるように構成され、具
体的には、30μm以上150μm以下から選ばれる。
また、この発明において、ディスク基板は、具体的に
は、ポリカーボネート(PC)やシクロオレフィンポリ
マーなどの低吸水性の樹脂が用いられ、また、光透過性
シートは、好適には、ディスク基板と同じ材料から構成
される。なお、基板に用いられる材料としては、例えば
アルミニウム(Al)などの金属からなる基板や、ガラ
ス基板、あるいは、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリ
アミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)などの樹脂からなる基板を用い
ることも可能である。また、光透過性シートは、典型的
には、ポリカーボネート樹脂からなるが、その他の樹脂
材料から構成することも可能である。
【0048】この発明において、シート保持手段におけ
る載置面上に異物が存在した場合でも、その異物により
光透過性シートに影響が及ぼされるのを防止するため
に、好適には、シートを、光透過性シートと、接着層
と、光透過性シートの接着層が設けられた側とは反対側
の面に設けられた光透過性シートを保護する保護層とか
ら構成する。また、この保護層は、好ましくはポリエチ
レンテレフタレート(PET)シートやポリエチレンナ
フタレート(PEN)シートなどからなる。より具体的
には、このPETシートやPENシートなどの保護フィ
ルムの少なくとも一方の面に第2の粘着剤が被着され、
この第2の粘着剤が被着された面を光透過性シートの一
面に接着させて、ディスク基板に貼り合わせられるシー
トが構成される。
【0049】この発明において、典型的には、光透過性
シートは、少なくとも情報信号の記録/再生に用いられ
る、GaN系半導体レーザ(発光波長400nm帯、青
色発光)、ZnSe系半導体レーザ(発光波長500n
m帯、緑色)、またはAlGaInP系半導体レーザ
(発光波長635〜680nm程度、赤色)などから照
射されるレーザ光を、透過可能な非磁性材料からなり、
具体的には、ポリカーボネートなどの光透過性を有する
熱可塑性樹脂からなる。
【0050】この発明は、好適には、DVR(Digital V
ideo Recording system)などの、薄い光透過層を有する
光ディスクに適用することができ、発光波長が650n
m程度の半導体レーザを用いて情報信号の記録や再生を
行うように構成された、いわゆるDVR−redや、発
光波長が400nm程度の半導体レーザを用いて情報信
号の記録や再生を行うように構成された、いわゆるDV
R−blueなどの光ディスクに適用することが可能で
ある。このDVRは、好ましくは、2個のレンズを直列
に組み合わせることによりNAを0.85程度にまで高
めた対物レンズを用いて、情報信号を記録可能に構成さ
れており、具体的には、片面で22GB程度の記憶容量
を有する。また、このDVRなど、この発明の適用が好
ましい光ディスクは、好適にはカートリッジに納められ
ているが、この発明の適用は、必ずしもカートリッジに
納められているものに限定されるものではない。
【0051】上述のように構成されたこの発明による光
ディスクの製造装置および光ディスクの製造方法によれ
ば、シートを保持可能に構成されたシート保持手段と、
ディスク基板の外周を保持可能に構成されたディスク基
板外周保持手段と、ディスク基板を押圧可能に構成され
た押圧手段とを有し、押圧手段が、一主面がシートに向
けられたディスク基板の外周部を支持し、シート保持手
段が、シートを、シートの接着層側が表面になるように
保持し、ディスク基板外周支持手段が、シートの接着層
側に対向するように一主面が向けられたディスク基板
を、ディスク基板の一主面側の外周部により支持し、押
圧手段が、ディスク基板の一主面とは反対の面を、中心
部から外周部に向かって順次押圧し、ディスク基板外周
支持部が、ディスク基板の外周部とシートの外周部が貼
り合わされる直前に、ディスク基板の一主面に沿って抜
き出されるため、ディスク基板とシートとを圧着させる
際に、ディスク基板外周支持部により、ディスク基板の
外周部が支持されているので、ディスク基板の外周部と
シートの外周部との間のクリアランスを、押圧の終了直
前まで十分な大きさに確保することができる。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態
の全図においては、同一または対応する部分には同一の
符号を付す。
【0053】まず、この発明の第1の実施形態による光
ディスクについて説明する。図1に、この第1の実施形
態による光ディスクを示す。
【0054】図1に示すように、この第1の実施形態に
よる光ディスクにおいては、ディスク基板1が、レプリ
カ基板1aの中心部にセンターホール1bが形成され、
凹凸が形成された一主面に情報信号部1cが設けられて
いる。また、このディスク基板1上に光透過層2が設け
られている。この光透過層2は、光透過性シート2aが
粘着層2bを介して接着されて構成されており、その中
央部に貫通孔2cが設けられている。
【0055】また、光透過層2の光透過性シート2a側
の主面における貫通孔2cの周辺において、円環状にク
ランプ領域3が設定されている。ここで、この円環状の
クランプ領域3の最内周径は、例えば23mmであり、
最外周径は、例えば33mmである。このクランプ領域
3における光透過層2の光透過性シート2a側の主面に
は、記録再生装置のスピンドル(いずれも図示せず)に
光ディスクをクランプしたり載置したりする際の、クラ
ンプ基準面3aが設定されている。このように、光透過
性シート2aが、粘着層2bを介してディスク基板1の
一主面上に接着されている点を考慮すると、貫通孔2c
の径は、ディスク基板1のセンターホール1bの径以上
に選ばれ、例えば15mm以上に選ばれる。また、クラ
ンプ基準面3aを光透過層2の光透過性シート2a側の
主面から構成することを考慮すると、貫通孔2cの径
は、クランプ領域3の最内周以下、具体的には例えば2
3mm以下である。
【0056】次に、以上のように構成されたこの第1の
実施形態による光ディスクの製造方法について説明す
る。図2に、この第1の実施形態による光ディスクの製
造プロセスのフローチャートを示し、図3にディスク基
板、図4にシートを示す。
【0057】まず、図2に示すステップST1におい
て、図3に示すディスク基板1を製造する。
【0058】すなわち、まず、図3に示すように、レプ
リカ基板1aを、所定の凹凸が設けられたスタンパを用
いた射出成形法や、凹凸が直接形成された金型を用いた
射出成形法により作製する。また、このレプリカ基板1
aの厚さは、例えば0.6〜1.2mmである。また、
レプリカ基板1aの材料としては、例えばポリカーボネ
ート(PC)やシクロオレフィンポリマー(例えば、ゼ
オネックス(登録商標))などの低吸水性の樹脂が用い
られる。なお、この第1の実施形態による光ディスク
は、ディスク基板1に対して薄い光透過層2が設けられ
た側からレーザ光を照射することにより、情報信号の記
録/再生を行うように構成されている。そのため、レプ
リカ基板1aとしては、透過性を有するか否かを考慮す
る必要がないので、例えばAlなどの金属からなる基板
を用いることも可能である。また、レプリカ基板1aと
して、ガラス基板、または、ポリオレフィン、ポリイミ
ド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエ
チレンテレフタレートなどの樹脂からなる基板を用いる
ことも可能である。このようにレプリカ基板1aを製造
した後、図2に示すステップST2に移行する。
【0059】ステップST2においては、図3に示すよ
うに、レプリカ基板1aの一主面に形成された凹凸部上
に、記録膜や反射膜などを形成することによって、情報
信号部1cを形成する。この情報信号部1cは、反射
膜、光磁気材料からなる膜、相変化材料からなる膜、ま
たは有機色素膜などが設けられて構成される。これらの
うち、反射膜の材料としては、例えばAlやAl合金な
どが用いられる。具体的には、最終製品としての光ディ
スクが再生専用型(ROM(Read Only Memory))光ディ
スクである場合、情報信号部1cとしては、例えばA
l、Al合金、またはAg合金などからなる反射層を少
なくとも有する単層膜または積層膜が設けられて構成さ
れる。他方、最終製品としての光ディスクが書換可能型
光ディスクである場合には、情報信号部1cは、TbF
eCo系合金、TbFeCoSi系合金、またはTbF
eCoCr系合金などの光磁気材料からなる膜や、Ge
SbTe合金、GeInSbTe合金、またはAgIn
SbTe合金などの相変化材料からなる膜を少なくとも
有する、単層膜または積層膜が設けられて構成される。
また、最終製品としての光ディスクが、追記型光ディス
クの場合には、GeTe系材料などの相変化材料からな
る膜、またはシアニン色素やフタロシアニン色素などの
有機色素材料からなる膜を少なくとも有する、単層膜ま
たは積層膜から構成される。
【0060】ここで、この第1の実施形態によるディス
ク基板1においては、具体的には、レプリカ基板1aと
して、例えば、平面円環形状を有し厚さが1.1mmの
PC基板を用い、このPC基板の直径(外径)を例えば
120mm、センターホール1bの開口径(内口径)を
例えば15mmとする。また、情報信号部1cとして、
レプリカ基板1aの凹凸が形成された領域上に、膜厚が
例えば100nmのAl合金からなる反射層、膜厚が例
えば18nmの、硫化亜鉛(ZnS)と酸化シリコン
(SiO2)との混合物(ZnS−SiO2)からなる第
1の誘電体層、膜厚が例えば24nmのGeSbTe合
金からなる相変化記録層、および膜厚が例えば100n
mのZnS−SiO2からなる第2の誘電体層が順次積
層された積層膜が用いられる。以上のようにして、レプ
リカ基板1aの一主面に情報信号部1cを形成すること
により、ディスク基板1を製造した後、図2に示すステ
ップST3に移行する。
【0061】ステップST3においては、図4に示すシ
ート4を、粘着層2bを介してディスク基板1の一主面
に貼り合わせ可能な状態とする、ディスク基板とシート
との準備工程を行う。ここで、この第1の実施形態によ
る光透過層2を形成する際に用いられるシートについて
説明する。
【0062】図4に示すように、この第1の実施形態に
よる光透過層2の形成に用いられるシート4は、光透過
性シート2aと、この光透過性シート2aの一面に被着
された感圧性粘着剤(PSA)からなる粘着層2bとか
ら構成される。このシート4は、ディスク基板1におけ
ると同様に、平面円環状に打ち抜かれた構造を有し、中
央部に貫通孔2cが形成されている。ここで、このシー
ト4の寸法においては、シート4の直径(外径)がディ
スク基板1の外径とほぼ同じ、またはそれ以下に選ば
れ、具体的には、例えば120mmとし、貫通孔2cの
径(内孔径)は、センターホール1bの開口径以上、か
つ、クランプ領域3の最内周径(例えば23mm径)以
下の範囲から選ばれ、例えば23mmとする。
【0063】このようなシート4における光透過性シー
ト2aは、例えば、少なくとも記録/再生に用いられる
レーザ光を透過可能な光学特性を満足した、光透過性を
有する熱可塑性樹脂からなる。この熱可塑性樹脂として
は、耐熱寸法安定性、熱膨張率、または吸湿膨張率など
の物性値がレプリカ基板1aに近い材料が選ばれ、具体
的には、例えばポリカーボネート(PC)や、ポリメチ
ルメタクリレート(ポリメタクリル酸メチル)などのメ
タクリル樹脂などが選ばれる。また、光透過性シート2
aの厚さは、好適には60〜100μmの範囲から選ば
れ、より好適には70〜100μmの範囲から選ばれ
る。この第1の実施形態においては、光透過性シート2
aが、ディスク基板1の一主面に感圧性粘着剤(PS
A)からなる粘着層2bを介して貼り合わせられること
を考慮すると、光透過性シート2aの厚さは、例えば7
0μmに選ばれる。なお、この光透過性シート2aの厚
さは、情報信号の記録/再生に用いられるレーザ光の波
長や、光透過層2の所望とする膜厚を考慮して決定され
る。
【0064】また、粘着層2bを構成するPSAは、例
えばメタクリル樹脂などである。また、この粘着層2b
の厚さは、例えば30μmであるが、粘着層2bの厚さ
や、感圧性粘着剤として用いられる材料は、光透過層2
の所望とする膜厚や、情報信号の記録/再生に用いられ
るレーザ光の波長を考慮して決定される。また、図示省
略したが、シート4が保管されている際には、このシー
ト4の粘着層2bの面には、これを保護する保護フィル
ムがラミネートされている。
【0065】そして、ステップST3において、上述の
ように構成されたシート4を、ディスク基板1との貼り
合わせに用いることができる状態にする。すなわち、ま
ず、別のプロセスのステップS1において、粘着層2b
にラミネートされた上述の保護フィルムを剥離する。そ
して、この保護フィルムが剥離された状態のシート4
を、ディスク基板1とシート4との貼り合わせ装置にま
で搬送し、所定の位置に載置する。
【0066】ここで、この第1の実施形態による貼り合
わせ装置について説明する。図5に、この貼り合わせ装
置を示す。
【0067】図5に示すように、この第1の実施形態に
よる貼り合わせ装置においては、固定ステージ11と押
圧部12とが、互いに対向した位置に設置されるととも
に、複数のディスク基板外周支持部15がディスク基板
1の外周部を支持可能な位置に設置されて構成されてい
る。
【0068】固定ステージ11は、図5に示すように、
シート保持部13と、シート保持部13の押圧部12に
対向した面上に設けられた位置出しピン14とから構成
される。シート保持部13は、金属平板などの平面ステ
ージからなる。このシート保持部13におけるシート4
を載置するシート載置面13aには、複数個の真空吸引
孔(図示せず)が設けられている。これらの真空吸引孔
は、それらの内部を真空排気可能に構成されている。す
なわち、シート保持部13におけるシート載置面13a
上に、シート4を、平面性を保ちつつ吸着固定すること
ができるように構成されている。
【0069】また、位置出しピン14は、2段円柱形状
を有し、シート保持部13上に備えられたシート位置出
しピン14aと、シート位置出しピン14aの上面に設
けられた基板位置出しピン14bとから構成される。こ
のシート位置出しピン14aの径は、上述したシート4
の貫通孔2cの径にほぼ等しくなるように構成されてい
る。そして、この貫通孔2cをシート位置出しピン14
aに嵌め合わせることにより、シート4をシート保持部
13上に載置可能に構成されている。また、シート位置
出しピン14aは、シート保持部13に対して突出およ
び埋没する方向に移動可能に構成されている。すなわ
ち、シート保持部13には、この位置出しピン14aを
格納可能な空間が設けられている。この空間内におい
て、シート位置出しピン14aを突出可能に構成された
コイルバネ(図示せず)が、シート位置出しピン14a
の下部に連結されて設けられている。そして、シート位
置出しピン14aをシート載置面13aに垂直な方向に
押し込むことにより、シート位置出しピン14aをシー
ト保持部13内に埋没させることができるように構成さ
れている。
【0070】また、基板位置出しピン14bの径は、上
述したディスク基板1のセンターホール1bの径にほぼ
等しくなるように構成されている。そして、ディスク基
板1のセンターホール1bを基板位置出しピン14bに
嵌合させたときには、ディスク基板載置面14cによっ
て、ディスク基板1の内周部、すなわちセンターホール
1bの周辺を支持可能に構成されている。以上のよう
に、位置出しピン14は、ディスク基板1のセンターホ
ール1bを貫通可能な径を有する基板位置出しピン14
bと、シート4の貫通孔2cを貫通可能な径を有するシ
ート位置出しピン14aとからなる。すなわち、位置出
しピン14は、シート載置面13aに平行な断面が同心
円となる2段円柱状に構成され、これにより、ディスク
基板1とシート4との中心位置出し可能に構成されてい
る。
【0071】以上のようにして、貼り合わせ装置10の
固定ステージ11が構成されている。
【0072】一方、図5に示すように、押圧部12は、
ブラケット12aと、このブラケット12aのシート載
置面13aに対向した面上に固定されたパッド12bと
から構成されている。このパッド12bは、例えば、球
体を所定の平面により分割したときの一方の部分からな
る部分球体形状、もしくは円錐形状を有し、その曲率半
径は例えば120mmである。また、パッド12bにお
ける部分球体形状または円錐形状における頂点は、シー
ト保持部13における位置出しピン14の中心軸上に、
ほぼ重なるように配置可能に構成されている。また、パ
ッド12bは、例えばシリコーンゴムなどの弾性体から
構成され、そのゴム硬度としては、5〜70度、好まし
くは20〜60度の範囲から選ばれ、この第1の実施形
態においては、ゴム硬度は例えば60度に選ばれる。こ
こで、パッド12bを構成する弾性体としては、シリコ
ーンゴムのほかに、ウレタンゴム、SBR、クロロプレ
ンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴムなどを挙げることが
できる。また、押圧部12のブラケット12aのパッド
12bが固定された面とは反対側の面に、エアシリンダ
ーなどのプレス機構(図示せず)が接合されている。そ
して、このプレス機構により、位置出しピン14および
後述するディスク基板外周支持部15によって固定され
たディスク基板1を押圧可能に構成されている。
【0073】また、ディスク基板外周支持部15は、デ
ィスク基板1とシート4とのクリアランスを形成するた
めのものであり、ディスク基板1を支持可能な位置に複
数備えられている。このディスク基板外周支持部15
は、ディスク基板1の外周部を、支持可能に構成されて
いる。すなわち、ディスク基板外周支持部15は、重力
方向(図5中、下方向)に向かって傾斜した棒形状を有
し、この傾斜方向の一端には、ディスク基板1を載置す
るための外周支持平面15aが備えられている。
【0074】これらの外周支持平面15aのそれぞれ
は、シート載置面13aと平行に維持されるとともに、
シート載置面13aから同一高さに維持される。すなわ
ち、ディスク基板外周支持部15は、ディスク基板1の
外周部をシート載置面13aから一定の高さに支持可能
に構成されている。
【0075】さらに、外周支持平面15aには、不純物
を出さない潤滑剤、この第1の実施形態においては、フ
ッ素系のコーティング剤などの潤滑剤が塗布されてい
る。これにより、ディスク基板1の外周部を支持した外
周支持平面15aを、ディスク基板1の一主面に傷など
をつけずに、ディスク基板1の外周の外側に移動させる
ことができる。
【0076】図6は、ディスク基板外周支持部15が設
けられた貼り合わせ装置10のシート保持部13の平面
図を示す。図6に示すように、ディスク基板外周支持部
15は、シート載置面13aに垂直な軸iを中心として
回旋動作可能に構成されている。ここでは図示を省略す
るが、ディスク基板外周支持部15の外周支持平面15
aが備えられた一端と反対側の他端には、ディスク基板
外周支持部15を回旋動作させるための駆動部が備えら
れている。ディスク基板外周支持部の回旋軸iのそれぞ
れは、位置出しピン14の軸から等距離になるように構
成されている。また、図6に示すように、ディスク基板
外周支持部15の一端に設けられた外周支持平面15a
が位置出しピン14の中心軸を向いた状態において、デ
ィスク基板1の外主部を支持可能に構成されている。好
ましくは、ディスク基板外周支持部15のそれぞれが、
ディスク基板1を、ディスク基板1の中心をその中心と
した仮想的な円に内接する正多角形(正n角形)の頂点
の位置において支持可能に配置されている。ここで、こ
の第1の実施形態においては、ディスク基板外周支持部
15のそれぞれが、ディスク基板1を、ディスク基板1
の中心をその中心とした仮想的な円に内接する正8角形
の各頂点の位置において支持可能に配置されるように設
けられている。
【0077】図7は、ディスク基板1の外周部を支持し
た外周支持平面15aの部分を拡大したものを示す。図
7に示すように、外周支持平面15aは、シート載置面
13aと平行な平面であり、ディスク基板1を載置した
時の、シート載置面13aからディスク基板外周支持部
15の外周支持平面15aまでの高さhは、1.0mm
以上の範囲、具体的には、1.0〜5.0mmの範囲か
ら選ばれ、この第1の実施形態においては、例えばh=
2.0mmに選ばれる。
【0078】また、外周支持平面15aの幅Rは、0.
5〜3.0mmの範囲に選ばれ、この発明の一実施形態
においては、例えば1.0mmに選ばれる。そして、外
周支持平面15aにおけるディスク基板1を支持する領
域の幅Δrは、0.3mm以上、かつ外周支持平面15
aの幅R以下、具体的には、0.3〜1.0mmの範囲
に選ばれ、この第1の実施形態においては、Δr=0.
5mmに選ばれる。
【0079】また、ディスク基板外周支持部15の一端
に設けられた外周支持平面15aとは、反対側の面(シ
ート載置面13aと対向した面)もまた、シート載置平
面13aと平行な平面であり、この平面の幅R′は、
0.5〜3.0mmの範囲から選ばれ、この第1の実施
形態においては、1.5mmに選ばれる。そして、この
平面から外周支持平面15aまでの距離、すなわちディ
スク基板外周支持部15の一端の厚さΔdは、0.3〜
0.9mmの範囲から選ばれ、この第1の実施形態にお
いては、例えばΔd=0.5mmに選ばれる。
【0080】さらに、ディスク基板外周支持部15のシ
ート載置面13aに対する傾斜角は、例えば10°〜6
0°の範囲から選ばれ、この第1の実施形態において
は、30°に選ばれる。
【0081】以上のようにして、この第1の実施形態に
よるディスク基板1とシート4との貼り合わせ装置10
が構成されている。なお、この貼り合わせ装置10が、
減圧可能な真空チャンバ内に設置するようにしてもよ
い。そして、このように貼り合わせ装置10を真空チャ
ンバ内に設ける場合においては、真空チャンバを、その
内部の圧力、すなわち貼り合わせ時におけるディスク基
板1とシート4の周辺の圧力として、4.0×102
2.0×104Paの範囲内、好ましくは1.0×103
〜8.0×103Paの範囲内で、制御可能に構成する
ことが望ましい。
【0082】そして、図2に示すステップST3におけ
る準備工程においては、まず、図6に示すように、貼り
合わせ装置10におけるディスク基板外周支持部15を
回旋させ、シート保持部13に載置されるシート4と接
触しない位置で待機させる。
【0083】次に、シート4を、粘着層2b側が押圧部
12を向くようにしつつ、その貫通孔2cがシート位置
出しピン14aに嵌合されるようにして、シート載置面
13a上に載置する。このシート4の載置とともに、シ
ート保持部13に設けられた真空吸着孔(図示せず)内
を真空引きする。これにより、シート4を、シート載置
面13a上に平面状を保った状態で吸着させることがで
きる。すなわち、一般に、シート4は、少なくともディ
スク基板1との貼り合わせ以前の段階の平面円環状に打
ち抜かれる前段階において、ロール状に巻き取られてい
ることが多い。そのため、シート4をシート載置面13
a上に載置する場合、そのロール状に巻かれている状態
が現出し、巻きぐせなどのくせが出てしまう。そのた
め、シート載置面13a上でシート4を吸着することに
よって、シート4を平面状に固定することができる。
【0084】次に、ディスク基板外周支持部15を、そ
の一端に備えられた外周支持平面15aが位置出しピン
14の中心軸を向くように、回旋させる。
【0085】次に、ディスク基板1を、貼り合わせ装置
10のシート保持部13上に搬送する。そして、このデ
ィスク基板1における情報信号部1cが設けられた一主
面側がシート4を向くようにして、そのセンターホール
1bを基板位置出しピン14bに嵌め合わせる。これに
より、ディスク基板1における内周部がディスク基板載
置面14c上に載置され、外周部(ディスク基板の外周
からΔrの部分)がディスク基板外周支持部15の外周
支持平面15aに載置される。このとき、ディスク基板
1が多少斜めに傾いて載置されたり、ディスク基板が反
っていたりする場合であっても、ディスク基板1の外周
部がディスク基板外周支持部15の外周支持平面15a
上で支持されるため、ディスク基板1とシート4との間
にはクリアランスが形成され、ディスク基板1の一主面
とシート4の粘着層2bとが接触してしまうのを防止す
ることができ、ブロッキング現象の防止を図ることがで
きる。
【0086】以上により、それぞれのシート4およびデ
ィスク基板1は、ディスク基板1の情報信号部1cが設
けられた一主面と、シート4の粘着層2bとが互いに対
向するように載置され、準備工程が終了する。その後、
ステップST4に移行する。
【0087】ステップST4においては、貼り合わせ装
置10を用いて、ディスク基板1とシート4との貼り合
わせを行う。
【0088】すなわち、まず、押圧部12をディスク基
板1に近づける方向に移動させる。そして、押圧部12
のパッド12bを、その頂点部から基板位置出しピン1
4bの上端、そしてディスク基板1の情報信号部1cが
設けられた側とは反対側の面(他主面)に接触させ、頂
点から順次外周側に向かって、押圧部分を広げていく。
なお、貼り合わせ装置を真空チャンバ内に設置した場
合、真空チャンバ内の圧力を、4.0×102〜2.0
×104Paの範囲内、好ましくは1.0×103〜8.
0×103Paの範囲内の圧力、具体的には、例えば2
666Pa(20mmHg)とする。
【0089】このとき、位置出しピン14においては、
押圧部12により基板位置出しピン14bが押圧される
とともに、ディスク基板1を介してシート位置出しピン
14aが押圧され、シート保持部13内に押し込まれて
いく。これに伴い、ディスク基板1の一主面が、シート
4の粘着層2bに、センターホール1b周辺から外周部
に向けて順次接着され、貼り合わせられていく。ここ
で、この押圧時の押圧力は、4.90×104〜2.9
4×106Paの範囲内に選ばれ、この第1の実施形態
においては、具体的に、例えば4.90×105Pa
(5kgf/cm2)程度である。
【0090】また、このとき、ディスク基板1の一主面
がシート4の粘着層2bに順次接着されていくにつれ
て、ディスク基板外周支持部15を徐々に回旋させるこ
とにより、外周支持平面15aをディスク基板1の外周
の外側に向けて徐々に移動させる。そして、ディスク基
板1の外周部とシート4の外周部との接着の直前に、デ
ィスク基板1の外周部が外周支持平面15からはずれる
ことにより、ディスク基板1の支持が解除される。これ
により、ディスク基板1の外周部とシート4の外周部と
のクリアランスを、ディスク基板1の一主面の全面がシ
ート4に接着される直前まで確保できる。なお、このと
き、この発明の第1の実施形態においては、ディスク基
板1を支持するディスク基板外周支持部15をすべて、
互いに同一方向に回旋させる。そして、ディスク基板1
の外周部がディスク基板外周支持部15からはずれ、デ
ィスク基板1の一主面の全面がシート4に接着された状
態において、パッド12bは、ブラケット12aの形状
に沿ってほぼ平板状態になり、ディスク基板1とシート
4とが貼り合わされ、圧着状態となる。このとき、この
圧着状態においては、押圧力を4.9×105Pa(5
kgf/cm2)とするとともに、この圧着状態を、1
s以上60s未満の間、好ましくは1s以上40s以下
の間、この第1の実施形態においては、例えば20sの
間保持する。これにより、ディスク基板1とシート4と
の圧着が安定する。
【0091】圧着が安定した後、シート保持部13にお
ける真空吸着孔の真空状態を開放することにより、シー
ト4の吸着固定を解除する。そして、押圧部12を固定
ステージ11から離れる方向に、徐々に開放させる。そ
の後、所定の搬送装置(図示せず)を用いて、粘着層2
bを介して圧着されたディスク基板1およびシート4を
固定ステージ11から搬出する。
【0092】以上により、図1に示す、レプリカ基板1
aの凹凸が形成された一主面に、情報信号部1cと、粘
着層2bおよび光透過性シート2aからなる光透過層2
とが設けられた光ディスクが製造される。
【0093】ここで、本発明者は、この第1の実施形態
による貼り合わせ装置を用いて製造した光ディスク(実
施例A)と、この第1の実施形態による貼り合わせ装置
を真空チャンバ(貼り合わせ時の到達真空度:2666
Pa(20mmHg))内に設置して製造した光ディスク
(実施例B)と、従来の貼り合わせ装置を用いて製造し
た光ディスク(比較例)とを、それぞれ200枚ずつ製
造した。そして、これらの光ディスクを、ディスク欠陥
検査機(Dr.Schenk社製:VCD-120-CTLN)を用いて検査
した。そして、光ディスクの光透過層表面に径が50μ
m以上の気泡が存在する光ディスクの枚数を調べるとと
もに、目視により、ブロッキング現象による接着むらの
発生している光ディスクの枚数を調べた。なお、観測領
域は、光ディスクのデータ記録領域として用いられる半
径が22〜58.5mmの帯状領域である。
【0094】その結果を、以下の表1に示す。なお、以
下の表1における「良品枚数」とは、気泡欠陥と接着む
らのいずれの欠陥をも検出されない光ディスクの枚数で
ある。
【0095】
【表1】
【0096】表1から、径が50μm以上の気泡欠陥に
おいては、従来の貼り合わせ装置を用いて製造された光
ディスク(比較例)において、200枚中86枚検出さ
れたのに対し、この第1の実施形態による貼り合わせ装
置を用いて製造された光ディスク(実施例A)におい
て、200枚中6枚のみが検出されたに過ぎず、さら
に、真空チャンバ内に設置された貼り合わせ装置を用い
て製造された光ディスク(実施例B)においては、20
0枚中、気泡欠陥が検出された光ディスクは全く存在し
ないことが確認された。
【0097】また、表1から、ブロッキング現象による
接着むらにおいては、従来の貼り合わせ装置を用いて製
造された光ディスクにおいて、200枚中52枚検出さ
れたのに対し、この第1の実施形態による貼り合わせ装
置を用いて製造された光ディスクにおいては、200枚
中9枚のみが検出されたに過ぎず、さらに、真空チャン
バ内に設置された貼り合わせ装置を用いて製造された光
ディスクにおいて、200枚中4枚しか検出されないこ
とが確認された。
【0098】また、気泡欠陥および接着むらのいずれも
存在しない光ディスクを抽出したところ、表1に示すよ
うに、比較例において200枚中74枚(良品率、3
7.0%)であり、実施例Aにおいて200枚中190
枚(良品率、95.0%)であり、実施例Bにおいて2
00枚中196枚(良品率、98.0%)であった。
【0099】すなわち、比較例における光ディスクに比
して、実施例Aにおける光ディスクでは、ディスク基板
外周支持部15によりブロッキング現象に起因する接着
むらの発生が少ないことが確認され、実施例Bにおける
光ディスクでは、さらに、貼り合わせを真空中で行うよ
うにしていることにより、気泡の入り込みを防止するこ
とができることが確認された。
【0100】以上説明したように、この発明の第1の実
施形態によれば、ディスク基板1をシート4に圧着させ
ることにより、ディスク基板1上にシート4を貼り合わ
せるようにした光ディスクの製造において、ディスク基
板1の外周部を、ディスク基板外周支持部15によって
支持し、そのセンターホール1bから外周部に向けて、
シート4に順次貼り合わせるようにしていることによ
り、ディスク基板1には、シート4が存在する方向に向
いた力が作用しつつ外周方向に向いた力も作用し、外周
部のクリアランスを十分に保ちつつ、ディスク基板1と
シート4との間の空気を外周方向に抜きながら、貼り合
わせを行うことができる。そのため、ディスク基板1と
シート4との間に気泡が混入するのを防止することがで
きるとともに、ディスク基板1の外周部が、圧着前にシ
ート4に接触することがないため、接着むらが生じるの
を防止することができる。また、これらの貼り合わせを
真空中で行うようにした場合、気泡の混入をより低減す
ることができ、気泡混入の防止効果をより向上させるこ
とができる。したがって、接着むらや気泡混入が少な
く、薄型化され、小複屈折で、透明性良好で厚さも均一
な光透過層を有し、対物レンズの高NA化に対応可能
な、高信頼性を有する光ディスクを製造することができ
る。
【0101】また、この発明の実施形態においては、デ
ィスク基板1の一主面がシート4の粘着層2bに順次接
着されていくにつれて、ディスク基板外周支持部15を
徐々に外周部に向けて移動させ、ディスク基板1の外周
部とシート4の外周部との接着の直前に、ディスク基板
1の外周部がディスク基板外周支持部15からはずれ、
ディスク基板外周支持部15による支持が解除されるた
め、ディスク基板1の一主面上に、ディスク基板1の直
径と等しい直径のシート4を貼り合わせることができ
る。従って、粘着層2bが被着された光透過性シート2
aを貼り合わせることにより、光透過層2を形成するよ
うにした光ディスクにおいて、従来、光透過層を形成す
ることができなかった領域にも光透過層を形成すること
ができるので、記録領域の面積を広げることができ、情
報信号部1cにおけるランドやグルーブの狭小化を行う
ことなく、光ディスクにおける記憶容量を増加させるこ
とができる。
【0102】次に、この発明の第2の実施形態による貼
り合わせ装置について説明する。上述した第1の実施形
態による光ディスク製造装置10では、ディスク基板外
周支持部15が回旋動作する場合について示したが、こ
の第2の実施形態においては、直線動作する場合につい
て説明する。なお、この発明の第2の実施形態による光
ディスクについては、第1の実施形態におけると同様で
あるので、説明を省略する。
【0103】図8は、ディスク基板外周支持部15が設
けられた貼り合わせ装置10のシート保持部13の平面
図を示す。なお、図8において、第1の実施形態による
貼り合わせ装置10と共通する部分には同一の符号を付
し、詳細な説明を省略する。ディスク基板外周支持部1
5′は、直線動作可能に構成されている。この第2の実
施形態においては、ディスク基板外周支持部15′は、
位置出しピン14の軸に向かう直線に沿って直線動作可
能に構成されている。したがって、この発明の第2の実
施形態においては、シート4をシート載置面13aに載
置させる際には、図8に示すように、ディスク基板外周
支持部15′を直線動作させ、シート保持部13に載置
されるシート4と接触しない位置で待機させる。また、
ディスク基板1を、ディスク基板載置面14cに載置す
る際には、図8に示すように、ディスク基板外周支持部
15′を直線動作させ、ディスク基板1を載置可能な位
置で待機させる。そして、ディスク基板1の一主面がシ
ート4の粘着層2bに順次接着されていくにつれて、デ
ィスク基板外周支持部15′を徐々に外周の外側に移動
させ、ディスク基板1の外周部とシート4の外周部との
接着の直前に、ディスク基板外周支持部15′がディス
ク基板1の外周部からはずれるようにする。
【0104】この第2の実施形態において、その他の貼
り合わせ装置の構成、およびディスク基板1とシート4
との貼り合わせ方法に関しては、第1の実施形態におけ
るとほぼ同様であるので、説明を省略する。なお、この
貼り合わせ装置は、減圧可能な真空チャンバ内に設置す
るようにしてもよい。そして、このように貼り合わせ装
置を真空チャンバ内に設ける場合においては、真空チャ
ンバを、その内部の圧力、すなわち貼り合わせ時におけ
るディスク基板1とシート4の周辺の圧力として、4.
0×102〜2.0×104Paの範囲内、好ましくは
1.0×103〜8.0×103Paの範囲内で、制御可
能に構成することが望ましい。この第2の実施形態にお
いては、例えば2666Pa(20mmHg)に制御す
る。
【0105】ここで、本発明者は、この第2の実施形態
による貼り合わせ装置を用いて製造した光ディスク(実
施例A′)と、この第2の実施形態による貼り合わせ装
置を真空チャンバ(貼り合わせ時の到達真空度:266
6Pa(20mmHg))内に設置して製造した光ディス
ク(実施例B′)と、従来の貼り合わせ装置を用いて製
造した光ディスク(比較例)とを、それぞれ200枚ず
つ製造した。そして、これらの光ディスクを、ディスク
欠陥検査機(Dr.Schenk社製:VCD-120-CTLN)を用いて
検査した。そして、光ディスクの光透過層表面に径が5
0μm以上の気泡が存在する光ディスクの枚数を調べる
とともに、目視により、ブロッキング現象による接着む
らの発生している光ディスクの枚数を調べた。なお、観
測領域は、光ディスクのデータ記録領域として用いられ
る半径が22〜58.5mmの帯状領域である。
【0106】その結果を、以下の表2に示す。なお、以
下の表2における「良品枚数」とは、気泡欠陥と接着む
らのいずれの欠陥をも検出されない光ディスクの枚数で
ある。
【0107】
【表2】
【0108】表2から、径が50μm以上の気泡欠陥に
おいては、従来の貼り合わせ装置を用いて製造された光
ディスク(比較例)において、200枚中86枚検出さ
れたのに対し、この第2の実施形態による貼り合わせ装
置を用いて製造された光ディスク(実施例A′)におい
て、200枚中5枚のみが検出されたに過ぎず、さら
に、真空チャンバ内に設置された貼り合わせ装置を用い
て製造された光ディスク(実施例B′)においては、2
00枚中、気泡欠陥が検出された光ディスクは全く存在
しないことが確認された。
【0109】また、表1から、ブロッキング現象による
接着むらにおいては、従来の貼り合わせ装置を用いて製
造された光ディスクにおいて、200枚中52枚検出さ
れたのに対し、この第2の実施形態による貼り合わせ装
置を用いて製造された光ディスクにおいては、200枚
中11枚のみが検出されたに過ぎず、さらに、真空チャ
ンバ内に設置された貼り合わせ装置を用いて製造された
光ディスクにおいて、200枚中5枚しか検出されない
ことが確認された。
【0110】また、気泡欠陥および接着むらのいずれも
存在しない光ディスクを抽出したところ、表1に示すよ
うに、比較例において200枚中74枚(良品率、3
7.0%)であり、実施例Aにおいて200枚中187
枚(良品率、93.5%)であり、実施例Bにおいて2
00枚中195枚(良品率、97.5%)であった。
【0111】すなわち、比較例における光ディスクに比
して、実施例A′における光ディスクでは、ディスク基
板外周支持部15′によりブロッキング現象に起因する
接着むらの発生が少ないことが確認され、実施例B′に
おける光ディスクでは、さらに、貼り合わせを真空中で
行うようにしていることにより、気泡の入り込みを防止
することができることが確認された。
【0112】以上説明したように、この発明の第2の実
施形態によれば、ディスク基板1をシート4に圧着させ
ることにより、ディスク基板1上にシート4を貼り合わ
せるようにした光ディスクの製造において、ディスク基
板1の外周部を、ディスク基板外周支持部15′によっ
て支持し、そのセンターホール1bから外周部に向け
て、シート4に順次貼り合わせるようにしていることに
より、ディスク基板1には、シート4が存在する方向に
向いた力が作用しつつ外周方向に向いた力も作用し、外
周部のクリアランスを十分に保ちつつ、ディスク基板1
とシート4との間の空気を外周方向に抜きながら、貼り
合わせを行うことができる。そのため、ディスク基板1
とシート4との間に気泡が混入するのを防止することが
できるとともに、ディスク基板1の外周部が、圧着前に
シート4に接触することがないため、接着むらが生じる
のを防止することができる。また、これらの貼り合わせ
を真空中で行うようにした場合、気泡の混入をより低減
することができ、気泡混入の防止効果をより向上させる
ことができる。したがって、接着むらや気泡混入が少な
く、薄型化され、小複屈折で、透明性良好で厚さも均一
な光透過層を有し、対物レンズの高NA化に対応可能
な、高信頼性を有する光ディスクを製造することができ
る。
【0113】また、この発明の第2の実施形態において
は、ディスク基板1の一主面がシート4の粘着層2bに
順次接着されていくにつれて、ディスク基板外周支持部
15′を徐々に外周部に向けて移動させ、ディスク基板
1の外周部とシート4の外周部との接着の直前に、ディ
スク基板1の外周部がディスク基板外周支持部15′か
らはずれ、ディスク基板外周支持部15′による支持が
解除されるため、ディスク基板1の一主面上に、ディス
ク基板1の直径と等しい直径のシート4を貼り合わせる
ことができる。従って、粘着層2bが被着された光透過
性シート2aを貼り合わせることにより、光透過層2を
形成するようにした光ディスクにおいて、従来、光透過
層を形成することができなかった領域にも光透過層を形
成することができるので、記録領域の面積を広げること
ができ、情報信号部1cにおけるランドやグルーブの狭
小化を行うことなく、光ディスクにおける記憶容量を増
加させることができる。
【0114】次に、この発明の第3の実施形態による貼
り合わせ装置について説明する。なお、この発明の第3
の実施形態による光ディスクについては、第1の実施形
態におけると同様であるので、説明を省略する。図9
は、この発明の第3の実施形態による貼り合わせ装置2
0の略線図を示す。なお、図9において、上述した第1
の実施形態による貼り合わせ装置10と共通する部分に
は同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0115】図9に示すように、この第3の実施形態に
よる貼り合わせ装置20においては、基板位置出しピン
12cがパッド12bのシート保持部13に対向した曲
面の頂点に設けられている。この基板位置出しピン12
cは、円柱形状を有し、この径は、上述したディスク基
板1のセンターホール1bの径にほぼ等しくなるように
構成されている。すなわち、ディスク基板1のセンター
ホール1bを、この基板位置出しピン12cに嵌め合わ
せることにより、ディスク基板1をパッド12b上の所
定位置に載置可能に構成されている。また、基板位置出
しピン12cのシート保持部13と対向する面には、部
分球体が滑らかに接合されている。これにより、ディス
ク基板1が所定の位置に保持されていない場合にも、セ
ンターホール1bを、この部分球体の曲面に沿って、基
板位置出しピン12cに嵌め合わすことが可能である。
ここで、基板位置出しピン12cがパッド12bに対し
て突出および埋没する方向に移動可能に構成してもよ
い。すなわち、基板位置出しピン12cの下方に基板位
置出しピン12cを納めるための空間を形成し、この形
成された空間内に、例えばコイルバネなどの弾性体を備
えるような構成にしてもよい。
【0116】この第3の実施形態において、その他の貼
り合わせ装置20の構成、およびディスク基板1とシー
ト4との貼り合わせ方法に関しては、第1の実施形態に
おけるとほぼ同様であるので、説明を省略する。なお、
この第3の実施形態においては、ディスク基板外周支持
部15は、ディスク基板1を外周部のみにより支持可能
に構成されている。
【0117】また、この貼り合わせ装置20は、減圧可
能な真空チャンバ内に設置するようにしてもよい。そし
て、このように貼り合わせ装置20を真空チャンバ内に
設ける場合においては、真空チャンバを、その内部の圧
力、すなわち貼り合わせ時におけるディスク基板1とシ
ート4の周辺の圧力として、4.0×102〜2.0×
104Paの範囲内、好ましくは1.0×103〜8.0
×103Paの範囲内で、制御可能に構成することが望
ましい。この第3の実施形態においては、例えば266
6Pa(20mmHg)に制御する。
【0118】上述した第3の実施形態においては、ディ
スク基板外周支持部15が、第1の実施形態旋と同様
に、回旋動作する構成について示したが、第2の実施形
態と同様に、直線動作する構成にしてもよい。
【0119】以上説明したように、この発明の第3の実
施形態によれば、ディスク基板1をシート4に圧着させ
ることにより、ディスク基板1上にシート4を貼り合わ
せるようにした光ディスクの製造において、ディスク基
板1の外周部を、ディスク基板外周支持部15によって
支持し、そのセンターホール1bから外周部に向けて、
シート4に順次貼り合わせるようにしていることによ
り、ディスク基板1には、シート4が存在する方向に向
いた力が作用しつつ外周方向に向いた力も作用し、外周
部のクリアランスを十分に保ちつつ、ディスク基板1と
シート4との間の空気を外周方向に抜きながら、貼り合
わせを行うことができる。そのため、ディスク基板1と
シート4との間に気泡が混入するのを防止することがで
きるとともに、ディスク基板1の外周部が、圧着前にシ
ート4に接触することがないため、接着むらが生じるの
を防止することができる。また、これらの貼り合わせを
真空中で行うようにした場合、気泡の混入をより低減す
ることができ、気泡混入の防止効果をより向上させるこ
とができる。したがって、接着むらや気泡混入が少な
く、薄型化され、小複屈折で、透明性良好で厚さも均一
な光透過層を有し、対物レンズの高NA化に対応可能
な、高信頼性を有する光ディスクを製造することができ
る。
【0120】また、この発明の第3の実施形態において
は、ディスク基板1の一主面がシート4の粘着層2bに
順次接着されていくにつれて、ディスク基板外周支持部
15を徐々に外周部に向けて移動させ、ディスク基板1
の外周部とシート4の外周部との接着の直前に、ディス
ク基板1の外周部がディスク基板外周支持部15からは
ずれ、ディスク基板外周支持部15による支持が解除さ
れるため、ディスク基板1の一主面上に、ディスク基板
1の直径と等しい直径のシート4を貼り合わせることが
できる。従って、粘着層2bが被着された光透過性シー
ト2aを貼り合わせることにより、光透過層2を形成す
るようにした光ディスクにおいて、従来、光透過層を形
成することができなかった領域にも光透過層を形成する
ことができるので、記録領域の面積を広げることがで
き、情報信号部1cにおけるランドやグルーブの狭小化
を行うことなく、光ディスクにおける記憶容量を増加さ
せることができる。
【0121】以上、この発明の実施形態について具体的
に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定され
るものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の
変形が可能である。
【0122】例えば、上述の実施形態において挙げた数
値、材料、情報信号部1cの積層構造、光ディスクの種
類はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる
数値、材料、情報信号部1cの積層構造、光ディスクの
種類を用いてもよい。
【0123】また、例えば上述の実施形態においては、
図6に示すように、ディスク基板外周支持部15が、デ
ィスク基板1に内接する正8角形の各頂点の位置を支持
する例について示したが、正4角形、正5角形、若しく
は正16角形の各頂点の位置を支持するようにしてもよ
い。
【0124】また、上述の実施形態においては、情報信
号部1cの部分を構成する反射膜の材料としてAlを用
いたが、反射層の材料としては、Al以外にも、Al合
金、銀(Ag)、Ag合金、銅(Cu)、Cu合金など
を用いることも可能である。また、上述の一実施形態に
おいては、相変化記録層として、GeSbTe合金から
なるものを用いたが、相変化記録層としてはGeInS
bTe合金などのその他の材料を用いることも可能であ
る。
【0125】また、上述の実施形態においては、シート
4を光透過性シート2aと粘着層2bとから構成した
が、シート4の光透過性シート2a側に、光透過性シー
ト2aを保護する、PETやPENからなる第2の保護
フィルムを設けてシート4を構成するようにしても良
い。このように、第2の保護フィルムを設けることによ
り、シート載置面13a上にシート4を載置して吸着固
定した場合でも、光透過性シート2aにシート載置面1
3a上の異物などが直接接触することを防止することが
できるので、光透過性シート2aに傷などが発生するの
を防止することができる。また、このとき、この第2の
保護フィルムにおける光透過性シート2a側の面には、
微粘着性の接着剤(図示せず)が被着されており、この
微粘着性の接着剤からなる層を介して、光透過性シート
2aと第2の保護フィルムとが互いに接着されている。
ここで、微粘着性の接着剤は、光透過性シート2aとの
接着力に比して、第2の保護フィルムとの接着力が大き
い接着材料から構成して、光透過性シート2aと第2の
保護フィルムとの剥離を、微粘着性の接着剤からなる層
と光透過性シート2aとの界面における剥離になるよう
にする。また、上述の保護フィルムや、第2の保護フィ
ルムの厚さは、それぞれ40μm程度であるが、この数
値に限定されるものでないことは言うまでもない。
【0126】また、上述の実施形態による光ディスク
を、そのクランプ領域3においてクランプし回転させる
際に、摩擦力を増加させる必要がある場合、クランプ基
準面3aを滑りにくくするために、グロー放電やサンド
ブラスト処理により、選択的に、クランプ基準面3aを
粗面化するようにしても良い。このとき、この粗面化は
クランプ基準面3aに選択的に行われ、具体的には、表
面粗さRaが例えば30nm以上、好ましくは120n
m以上になるように粗面化される。
【0127】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ディスク基板の一主面を、少なくとも光透過性シー
トおよび接着層からなるシートに圧着して、接着層を介
してシートとディスク基板とを貼り合わせる際に、ディ
スク基板の外周部を、ディスク基板外周支持部により支
持した後、押圧手段によりディスク基板を押圧してシー
トに圧着して、ディスク基板の一主面にシートを貼り合
わせるようにしていることにより、光透過層の形成時
に、しわや接着むらが生じたり、接着層とディスク基板
との間に気泡が混入したりすることを防止することがで
きる。したがって、薄型化され、小複屈折で、透明性良
好で厚さも均一な光透過層を有し、対物レンズの高NA
化に十分対応可能な、高信頼性を有する光ディスクを製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態による光ディスクを
示す断面図である。
【図2】この発明の第1の実施形態による光ディスクの
製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図3】この発明の第1の実施形態によるディスク基板
を示す断面図である。
【図4】この発明の第1の実施形態によるシートを示す
断面図である。
【図5】この発明の第1の実施形態による貼り合わせ装
置を示す略線図である。
【図6】この発明の第1の実施形態による貼り合わせ装
置におけるシート保持部を示す平面図である。
【図7】この発明の第1の実施形態による貼り合わせ装
置のディスク基板外周支持部の詳細を示す断面図であ
る。
【図8】この発明の第2の実施形態による貼り合わせ装
置におけるシート保持部を示す平面図である。
【図9】この発明の第3の実施形態による貼り合わせ装
置を示す略線図である。
【図10】従来の弾性体パッドを用いた貼り合わせ装置
を示す略線図である。
【符号の説明】
1・・・ディスク基板、1a・・・レプリカ基板、1b
・・・センターホール、1c・・・情報信号部、2・・
・光透過層、2a・・・光透過性シート、2b・・・粘
着層、2c・・・貫通孔、3・・・クランプ領域、3a
・・・クランプ基準面、4・・・シート、10・・・貼
り合わせ装置、11・・・固定ステージ、12・・・押
圧部、12a・・・ブラケット、12b・・・パッド、
13・・・シート保持部、13a・・・シート載置面、
14a・・・シート位置出しピン、12c,14b・・
・基板位置出しピン、14c・・・ディスク基板載置
面、15・・・ディスク基板外周支持部、15a・・・
外周支持平面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D121 AA07 FF01 FF11 FF18

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスク基板における、情報信号を記録
    可能および/または再生可能に構成された情報信号部が
    設けられた一主面を、少なくとも、上記情報信号の記録
    および/または再生に用いられるレーザ光を透過可能に
    構成された光透過性シートと、上記光透過性シートを上
    記ディスク基板の一主面に接着可能に構成されていると
    ともに上記レーザ光を透過可能に構成された接着層とか
    らなるシートに、上記接着層を介して貼り合わせ可能に
    構成された光ディスクの製造装置であって、 上記シートを保持可能に構成されたシート保持手段と、
    上記ディスク基板の外周部を支持可能に構成されたディ
    スク基板外周支持手段と、上記ディスク基板を押圧可能
    に構成された押圧手段とを有し、 上記押圧手段が、上記ディスク基板の一主面とは反対側
    の他主面を、押圧可能に構成され、 上記ディスク基板外周支持手段の上記ディスク基板の外
    周部に接する部分が、上記ディスク基板の外周より外側
    に移動可能に構成されていることを特徴とする光ディス
    クの製造装置。
  2. 【請求項2】 上記押圧手段が、上記ディスク基板の他
    主面を、上記他主面の中央部から外周部に向けて順次押
    圧可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載
    の光ディスクの製造装置。
  3. 【請求項3】 上記押圧手段が、円錐形状を有する弾性
    体からなるパッドを有するとともに、上記シート保持手
    段が、上記シートを載置可能に構成されたシート載置面
    を有し、上記円錐形状を有するパッドの曲面部分が上記
    シート載置面に対向するように構成されていることを特
    徴とする請求項2記載の光ディスクの製造装置。
  4. 【請求項4】 上記弾性体のゴム硬度が、5度以上70
    度以下であることを特徴とする請求項3記載の光ディス
    クの製造装置。
  5. 【請求項5】 上記ディスク基板外周支持手段が、複数
    のディスク基板外周支持部から構成されることを特徴と
    する請求項1記載の光ディスクの製造装置。
  6. 【請求項6】 上記ディスク基板の外周部を上記シート
    の外周部に接着させる直前に、上記ディスク基板外周支
    持部を、上記ディスク基板の外周より外側に移動可能に
    構成されていることを特徴とする請求項5記載の光ディ
    スクの製造装置。
  7. 【請求項7】 上記ディスク基板の中心部より外周部に
    向かって、上記ディスク基板の一主面を上記シートに順
    次接着させるにつれて、上記ディスク基板外周支持部を
    上記ディスク基板の外周の外側に向けて移動させ、上記
    ディスク基板の一主面の外周部と上記シートの外周部と
    を接着させる直前に、上記ディスク基板の支持を解除可
    能に構成されていることを特徴とする請求項6記載の光
    ディスクの製造装置。
  8. 【請求項8】 上記複数のディスク基板外周支持部が、
    上記ディスク基板を、上記ディスク基板の中心をその中
    心とした仮想的な円に内接する正多角形の頂点の位置に
    おいて支持可能に構成されていることを特徴とする請求
    項5記載の光ディスクの製造装置。
  9. 【請求項9】 上記ディスク基板外周支持部が、回旋動
    作可能に構成されていることを特徴とする請求項5記載
    の光ディスクの製造装置。
  10. 【請求項10】 上記ディスク基板外周支持部が、上記
    回旋動作により上記ディスク基板の一主面に沿って、上
    記ディスク基板の外周より外側に移動可能に構成されて
    いることを特徴とする請求項9記載の光ディスクの製造
    装置。
  11. 【請求項11】 上記複数のディスク基板外周支持部の
    それぞれにおける上記回旋動作の方向が、互いに同一方
    向であることを特徴とする請求項9記載の光ディスクの
    製造装置。
  12. 【請求項12】 少なくとも上記シートを上記シート保
    持部に保持する際に、上記ディスク基板外周支持部が、
    上記回旋動作を行うことにより、上記シートに接触しな
    い位置まで移動可能に構成されることを特徴とする請求
    項9記載の光ディスクの製造装置。
  13. 【請求項13】 上記ディスク基板外周支持部に、上記
    ディスク基板を載置する際に、上記ディスク基板外周支
    持部が上記回旋動作により、上記ディスク基板を載置可
    能な位置で待機するように構成されていることを特徴と
    する請求項9記載の光ディスクの製造装置。
  14. 【請求項14】 上記ディスク基板外周支持部が、直線
    動作可能に構成されていることを特徴とする請求項5記
    載の光ディスクの製造装置。
  15. 【請求項15】 上記ディスク基板外周支持部が、上記
    直線動作により上記ディスク基板の一主面に沿って、上
    記ディスク基板の外周より外側に移動可能に構成されて
    いることを特徴とする請求項14記載の光ディスクの製
    造装置。
  16. 【請求項16】 上記シートを上記シート保持部に保持
    する際に、上記ディスク基板外周支持部が、上記直線動
    作により、上記シートと接触しない位置で待機するよう
    に構成されていることを特徴とする請求項14記載の光
    ディスクの製造装置。
  17. 【請求項17】 上記ディスク基板外周支持部に、上記
    ディスク基板を載置する際に、上記直線動作により、上
    記ディスク基板を載置可能な位置で待機するように構成
    されていることを特徴とする請求項14記載の光ディス
    クの製造装置。
  18. 【請求項18】 上記ディスク基板外周支持部が、少な
    くとも上記ディスク基板の外周部を支持する部分が上記
    ディスク基板の外周部に平面的に接する外周支持平面を
    有することを特徴とする請求項5記載の光ディスクの製
    造装置。
  19. 【請求項19】 上記ディスク外周支持部が棒形状を有
    し、上記ディスク基板外主支持部の一端に上記外周支持
    平面が設けられ、上記ディスク基板の外周部を支持した
    状態において、上記棒形状の外周支持部の長手方向が、
    上記ディスク基板の中心方向に沿うように構成されてい
    ることを特徴とすることを特徴とする請求項18記載の
    光ディスクの製造装置。
  20. 【請求項20】 上記シート載置手段が、上記シートを
    載置する平面を有し、上記ディスク基板外周支持部が、
    上記平面と上記外周支持平面とを平行に維持可能である
    とともに、上記外周支持平面のそれぞれを上記シート載
    置平面からほぼ同一の高さに維持可能に構成に構成され
    ていることを特徴とする請求項18記載の光ディスクの
    製造装置。
  21. 【請求項21】 上記シート保持手段がディスク基板保
    持部を備え、上記ディスク基板保持部が、上記ディスク
    基板を、上記ディスク基板の一主面が上記シートに対向
    するように保持可能に構成されている特徴とする請求項
    1記載の光ディスクの製造装置。
  22. 【請求項22】 上記シート保持手段により保持された
    上記シートと、上記ディスク基板保持部により保持され
    た上記ディスク基板とを互いにほぼ平行にすることがで
    きるように構成されていることを特徴とする請求項21
    記載の光ディスクの製造装置。
  23. 【請求項23】 上記ディスク基板保持部が、上記ディ
    スク基板を、上記ディスク基板の中央部において保持可
    能に構成されていることを特徴とする請求項21記載の
    光ディスクの製造装置。
  24. 【請求項24】 上記ディスク基板が中央に開口を有
    し、上記ディスク基板保持手段が、上記ディスク基板の
    開口に嵌合可能に構成され、上記ディスク基板の上記開
    口を上記ディスク基板保持手段に嵌合させることによ
    り、上記シートに対する上記ディスク基板の貼り合わせ
    位置を規定可能に構成されていることを特徴とする請求
    項21記載の光ディスクの製造装置。
  25. 【請求項25】 上記シート保持手段が平面ステージか
    らなり、上記平面ステージが上記シートを平面状に維持
    しつつ固定可能に構成されていることを特徴とする請求
    項1記載の光ディスクの製造装置。
  26. 【請求項26】 上記平面ステージが上記シートを吸着
    する吸着部を有することを特徴とする請求項25記載の
    光ディスクの製造装置。
  27. 【請求項27】 上記吸着部が複数の吸引孔からなり、
    上記吸引孔の内部を減圧排気可能に構成されていること
    を特徴とする請求項26記載の光ディスクの製造装置。
  28. 【請求項28】 上記吸着部が、真空吸着可能に構成さ
    れていることを特徴とする請求項26記載の光ディスク
    の製造装置。
  29. 【請求項29】 上記ディスク基板外周支持手段が、上
    記ディスク基板の外周部と上記シートの外周部との貼り
    合わせ直前まで、上記ディスク基板の外周部を支持可能
    に構成されていることを特徴とする請求項1記載の光デ
    ィスクの製造装置。
  30. 【請求項30】 上記ディスク基板が平面円環形状を有
    するとともに、上記シートが平面円環形状を有すること
    を特徴とする請求項1記載の光ディスクの製造装置。
  31. 【請求項31】 上記ディスク基板外周支持手段が、少
    なくとも上記押圧手段による押圧前において、上記ディ
    スク基板の外周部と上記シートの外周部との間隔を1m
    m以上5mm以下に保ちつつ、上記ディスク基板を支持
    可能に構成されていることを特徴とする請求項30記載
    の光ディスクの製造装置。
  32. 【請求項32】 上記ディスク基板保持手段が、上記デ
    ィスク基板の外周から中心に向けて0.3mm以上1.
    0mm以下までの領域を部分的に支持可能に構成されて
    いることを特徴とする請求項30記載の光ディスクの製
    造装置。
  33. 【請求項33】 上記シート保持手段と上記ディスク基
    板保持手段と上記押圧手段とが、減圧可能なチャンバ内
    に設置されていることを特徴とする請求項1記載の光デ
    ィスクの製造装置。
  34. 【請求項34】 上記接着層が感圧性粘着剤からなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光ディスクの製造装置。
  35. 【請求項35】 上記シートが、上記光透過性シート
    と、上記接着層と、上記光透過性シートの上記接着層が
    設けられた側とは反対側の面に設けられた上記光透過性
    シートを保護する保護層とから構成されていることを特
    徴とする請求項1記載の光ディスクの製造装置。
  36. 【請求項36】 ディスク基板の一主面上に、 情報信号を記録可能および/または再生可能に構成され
    た情報信号部と、 上記情報信号の記録および/または再生に用いられるレ
    ーザ光を透過可能に構成された光透過層とが順次積層さ
    れて設けられ、 上記光透過層が、少なくとも、上記レーザ光を透過可能
    な光透過性シートと、上記光透過性シートを上記ディス
    ク基板の上記一主面に接着させる上記レーザ光を透過可
    能な接着層とからなり、 上記シートを、シート保持手段に上記シートの上記接着
    層側が表面になるように保持する工程と、 上記ディスク基板の一主面が上記シートの上記接着層側
    に対向するように、上記ディスク基板の外周部を、ディ
    スク基板外周支持手段により支持する工程と、 上記ディスク基板の上記一主面とは反対の面を、押圧手
    段により中心部から外周部に向かって順次押圧する工程
    と、 上記ディスク基板の外周部と上記シートの外周部とが貼
    り合わされる直前に、上記ディスク基板外周支持手段に
    よる上記ディスク基板の支持を解除する工程と、 により上記ディスク基板の一主面に上記シートを貼り合
    わせることを特徴とする光ディスクの製造方法。
  37. 【請求項37】 上記ディスク基板が平面円環形状を有
    するとともに、上記シートが平面円環形状を有すること
    を特徴とする請求項36記載の光ディスクの製造方法。
  38. 【請求項38】 上記押圧の開始時において、上記ディ
    スク基板の外周部と上記シートの外周部との間隔を、1
    mm以上5mm以下にすることを特徴とする請求項37
    記載の光ディスクの製造方法。
  39. 【請求項39】 上記押圧手段が上記ディスク基板を押
    圧するのに伴って、上記ディスク基板支持手段が上記デ
    ィスク基板の一主面に平行な面内で、上記ディスク基板
    の外周側に移動することを特徴とする請求項36記載の
    光ディスクの製造方法。
  40. 【請求項40】 上記シート保持手段により上記シート
    を吸着固定するようにしたことを特徴とする請求項36
    記載の光ディスクの製造方法。
  41. 【請求項41】 上記シートの吸着固定を真空吸着によ
    り行うようにしたことを特徴とする請求項40記載の光
    ディスクの製造方法。
  42. 【請求項42】 上記シートを上記ディスク基板の一主
    面の全面に貼り合わせた圧着状態を、1秒以上60秒未
    満の間維持するようにしたことを特徴とする請求項36
    記載の光ディスクの製造方法。
  43. 【請求項43】 上記シートを上記ディスク基板の一主
    面における全面に貼り合わせた圧着状態を、1秒以上4
    0秒以下の間維持することを特徴とする請求項36記載
    の光ディスクの製造方法。
  44. 【請求項44】 上記ディスク基板の上記シートへの押
    圧における力が、4.9×10Pa以上2.94×1
    6Pa以下であることを特徴とする請求項36記載の
    光ディスクの製造方法。
  45. 【請求項45】 上記接着層が感圧性粘着剤からなるこ
    とを特徴とする請求項36記載の光ディスクの製造方
    法。
  46. 【請求項46】 上記シートが、上記光透過性シート
    と、上記接着層と、上記光透過性シートの上記接着層が
    設けられた側とは反対側の面に設けられた上記光透過性
    シートを保護する保護層とから構成されていることを特
    徴とする請求項36記載の光ディスクの製造方法。
  47. 【請求項47】 少なくとも、上記シートと上記ディス
    ク基板との周辺における雰囲気の圧力を、4×102
    a以上2×10Pa以下とすることを特徴とする請求
    項36記載の光ディスクの製造方法。
  48. 【請求項48】 上記シートと上記ディスク基板との貼
    り合わせを、真空中で行うようにしたことを特徴とする
    請求項36記載の光ディスクの製造方法。
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