JP4432300B2 - 光学記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光学記録媒体の製造方法に関し、特に、ディスク基板上に光透過層を形成する際に貼り合わせに用いられるシートに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報記録の分野において、光学情報記録方式に関するさまざまな研究、開発が進められている。この光学情報記録方式は、非接触で記録および/または再生を行うことができるとともに、磁気記録方式に比して一桁以上高い記録密度を達成可能であるという利点を有している。また、この光学情報記録方式は、再生専用型、追記型、書換可能型などのそれぞれのメモリ形態に対応可能であるという、さらなる利点をも有する。そのため、安価な大容量ファイルの実現を可能とする方式として、産業用から民生用まで幅広い用途への適用が考えられている。
【0003】
その中でも、特に再生専用型のメモリ形態に対応した光ディスクである、ディジタルオーディオディスク(DAD)や光学式ビデオディスクなどは広く普及している。
【0004】
ディジタルオーディオディスクなどの光ディスクは、情報信号を示すピットやグルーブなどの凹凸パターンが形成された透明基板の光ディスク基板上に、アルミニウム(Al)膜などの金属薄膜からなる反射膜と、さらにこの反射膜を大気中の水分(H2O)や酸素(O2)から保護するための保護膜が反射膜上に設けられた構成を有する。そして、この光ディスクにおける情報信号の再生時には、光ディスク基板側から凹凸パターンに向けてレーザ光などの再生光を照射し、この再生光による入射光と戻り光との反射率の差によって情報信号を検出する。
【0005】
そして、このような光ディスクを製造する際には、まず、射出成形法により凹凸パターンを有する光ディスク基板を形成する。次に、真空蒸着法により、光ディスク基板上に金属薄膜からなる反射膜を形成する。次に、さらにその上層に紫外線硬化樹脂を塗布することにより保護膜を形成する。
【0006】
さて、上述したような光学情報記録方式においては、近年、さらなる高記録密度化が要求されている。そこで、この高記録密度化の要求に対応するために、光学ピックアップの再生光の照射時に用いられる対物レンズの開口数(NA)を大きくすることによって、再生光のスポット径の小径化を図る技術が提案された。すなわち、従来のディジタルオーディオディスクの再生時に用いられる対物レンズのNAが0.45であるのに対し、この従来のディジタルオーディオディスクの6〜8倍の記録容量を有するDVD(Digital Versatile Disc)などの光学式ビデオディスクの再生時に用いられる対物レンズのNAを0.60程度として、スポット径の小径化を図る技術が提案された。
【0007】
このような対物レンズにおける高NA化を進めていくと、照射される再生光を透過させるために、光学記録媒体におけるディスク基板を薄くする必要が生じる。これは、光学ピックアップの光軸に対してディスク面の垂直からずれる角度(チルト角)の許容量が小さくなるためであり、このチルト角がディスク基板の厚さによる収差や複屈折の影響を受けやすいためである。したがって、ディスク基板を薄くすることによって、チルト角がなるべく小さくなるようにする。たとえば、上述したディジタルオーディオディスクにおいては、基板の厚さは1.2mm程度とされている。これに対し、DVDなどのディジタルオーディオディスクの6〜8倍の記録容量を有する光学式ビデオディスクにおいては、基板の厚さは0.6mm程度とされている。
【0008】
そして、今後のさらなる高記録密度化の要求を考慮すると、基板のさらなる薄型化が必要になる。そこで、基板の一主面に凹凸を形成して情報信号部とし、この情報信号部上に、反射膜と光を透過可能な薄膜からなる光透過層とを順次積層し、光透過層側から再生光を照射することにより情報信号の再生を行うように構成された光学記録媒体が提案されている。このような、光透過層側から再生光を照射して情報信号の再生を行うようにした光学記録媒体においては、光透過層の薄膜化を図ることによって対物レンズの高NA化に対応することができる。
【0009】
ところが、この光透過層の薄膜化を行うと、光ディスクの製造に一般に用いられる、熱可塑性樹脂を用いた射出成形法による光透過層の形成が困難になる。すなわち、従来の技術において、複屈折を小さく保ちつつ、良好な透明性が維持された、0.1mm程度の光透過層を形成することは、非常に困難である。そこで、光透過層を、紫外線硬化樹脂により形成する方法が考案された。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光透過層を紫外線硬化樹脂により形成する場合、光透過層を基板表面において均一な膜厚にすることは非常に困難である。そのため、情報信号の再生を安定して行うことが難しくなってしまう。
【0011】
また、膜厚が0.1mmで、熱可塑性樹脂からなる光透過性シートに離型フィルムをラミネートしたシート、または光透過性シートを2枚の離型フィルムで挟み込んだシートと、感圧性粘着層を2枚のフィルムで挟み込んだシートとを用い、ローラー圧着により基板表面に貼り付けて、光透過層を形成する方法も考えられた。
【0012】
ところが、この方法では、圧着時のシートの変形や接着層の読み出し面側へのはみ出しが発生したり、光透過性シートと感圧性粘着層との間や、感圧性粘着層と基板との間に異物が混入しやすくなったりする。これにより、やはり、光透過層を均一な膜厚に形成するとともに、高信頼性を有する光透過層を形成することが困難となり、さらに情報信号の再生を安定して行うことは、より困難になってしまう。
【0013】
そこで、あらかじめ、光透過性シートの一面に感圧性粘着層を設け、反対側の面にプロテクタを設けた3層構造で平面円環状の貼り合わせ用シートをディスク基板に貼り合わせる方法を想起した。そして、この3層構造の貼り合わせ用シートを供給する際には、搬送効率などを考慮して、幅広で帯状の剥離シートの一面に並べて供給する方法が考えられた。
【0014】
すなわち、図36に示すように、ハーフ抜きシート100は、3層構造の貼り合わせ用シート101が、幅広で帯状の剥離シート102の一面に、感圧性粘着層103、光透過性シート104およびプロテクタ105が順次積層した状態で構成される。そして、貼り合わせ用シート101を貼り合わせの位置まで搬送する際には、剥離シート102が、その長手方向に沿って送られることにより、それぞれの貼り合わせ用シート101が移動し、順次供給される。
【0015】
また、このようなハーフ抜きシート100は、保管時にはロール状に巻かれている。そのため、図37に示すように、巻き取られた状態では、剥離シート102と、3層構造で平面円環状の貼り合わせ用シート101とにおいて、貼り合わせ用シート101の分だけ段差が発生する。さらに、ハーフ抜きシート100が、段差が生じた状態で巻かれていると、巻き締まりによる圧力の影響により、ハーフ抜きシート100に形状変化が発生する。この形状変化により、膜厚異常や表面性異常などの問題が発生する。
【0016】
さらに、ハーフ抜きシート100をロール状に巻き上げた状態で長時間放置しておくと、剥離シート102の剛性と感圧性粘着層103の剛性との差により、自然剥離する可能性がある。特に、図38に示すように、平面円環形状を有するハーフ抜きシート100においては、貼り合わせ用シート101の外周端部101a(外周エッジ部、図38A中波線部、図38B中円内部)において、剥離することが多い。そして、この貼り合わせ用シート101の外周端部101aに界面剥離が生じた状態では、感圧性粘着層103の粘着力変化、貼り合わせ用シート101における剥がれ模様の発生や膜厚の変化、異物混入などのさまざまな問題が発生する。
【0017】
また、このようなハーフ抜きシート100の製造は、次のように行われる。すなわち、図39に示すように、まず、剥離シート102上に感圧性粘着層103、光透過性シート104およびプロテクタ105を順次積層して設ける。次に、剥離シート102の膜厚dの分だけ刃先に段差が存在する、打ち抜き刃によって所定の部分を打ち抜く。具体的には、内周打ち抜き刃106によって、プロテクタ105、光透過性シート104、感圧性粘着層103および剥離シート102をすべて打ち抜く、いわゆる全抜きが行われるとともに、外周打ち抜き刃107によって、プロテクタ105、光透過性シート104および感圧性粘着層103を切断し、剥離シート102を残す、いわゆるハーフ抜きが行われる。その後、不要部分を剥離して、ハーフ抜きシート100が製造される。
【0018】
ところが、このようにして製造されたハーフ抜きシート100においては、打ち抜き寸法精度が劣っている場合がある。そこで、本発明者がハーフ抜きシート100において、この打ち抜き寸法精度が劣っている原因について検討を行ったところ、次のようなことを知見するに至った。
【0019】
すなわち、内周打ち抜き刃106の刃先は、外周打ち抜き刃107の刃先に比べて、剥離シート102の厚さdの分だけ突出している。そのため、これらの内周打ち抜き刃106と外周打ち抜き刃107とを用いて、打ち抜きや切断を行う際には、まず、最初に貼り合わせ用シート101の内周部の位置に内周打ち抜き刃106が接触して、そこに圧力が加えられる。この加圧により、貼り合わせ用シート101における外周部が若干浮き上がる。そして、この外周部が若干浮き上がった不安定な状態のときに、外周打ち抜き刃107がプロテクタ105に接触する。その結果、外周部の打ち抜き寸法精度が悪くなってしまう。
【0020】
また、本発明者は、ハーフ抜きの場合においては、この打ち抜き寸法精度が悪化するのみならず、次のような問題が生じることも知見した。すなわち、図40に示すように、内周打ち抜き刃106と外周打ち抜き刃107との刃先の寸法がずれていることにより、上述したように貼り合わせ用シート101の外周部に位置する部分が不安定な状態で外周打ち抜き刃107が接触する。そのため、外周打ち抜き刃107による貼り合わせ用シート101の外周部の切断における切断能力が低下する可能性がある。切断能力が低下すると、感圧性粘着層103の感圧性粘着剤103aが外周部からはみ出してしまう。このはみ出した感圧性粘着剤103aは、光透過層の表面性異常や、膜厚異常や、製造装置への付着などによる問題の発生原因になってしまう。
【0021】
また、ハーフ抜きシート100を用いることを前提として、光学記録媒体の製造装置、具体的には貼り合わせ装置を設計する場合、ハンドリングや前後のプロセスの影響を考慮するため、図41に示すように、平面円環状の貼り合わせ用シート101の周辺の4方向に、貼り合わせに用いられない余白が必要になる。具体的には、貼り合わせ用シート101の外径φ0を120mmとした場合、その剥離シート102の長手方向に垂直な方向に沿った貼り合わせ用シート101の両側の余白d0を10mm程度にする必要があるため、剥離シート102の幅L0は、140mmとする必要がある。また、2枚の貼り合わせ用シート101の外周端同士の間隔l0は、30mm程度必要になるため、貼り合わせ用シート101の部材ピッチp0は、150mm程度になる。上述したように、貼り合わせ用シート101は、複数層の原反シートを、剥離シート102を残してハーフ抜きすることにより平面円環状に形成された後、この貼り合わせ用シート101以外の部分は廃棄されてしまう。そのため、この廃棄される部分の面積が広くなるに従い、貼り合わせ用シート101の製造の効率が低くなってしまう。
【0023】
したがって、この発明の目的は、光学記録媒体用シートを用いて製造される光学記録媒体を、高効率で高信頼性に製造することができる光学記録媒体の製造方法を提供することにある。
【0024】
また、この発明のさらなる他の目的は、光学記録媒体用シートとディスク基板とを貼り合わせることにより製造される光透過層における、ディスク基板の外周からのはみ出しを防止し、光透過層の剥離や情報信号部の露出を防止することができる光学記録媒体の製造方法を提供することにある。
【0031】
上記目的を達成するために、この発明は
ディスク基板と、
ディスク基板の一主面上に設けられた、情報信号を記録可能および/または再生可能に構成された情報信号部と、
情報信号の記録および/または再生に用いられるレーザ光を透過可能に構成された光透過層とを有し、
光透過層が、少なくとも、レーザ光を透過可能な光透過性シートと、レーザ光を透過可能で、光透過性シートをディスク基板の一主面に接着させる接着層とからなる光学記録媒体の製造方法において、
光透過性シートと接着層とを少なくとも有するとともに、ディスク基板の外径より大きい外径を有する光学記録媒体用シートを供給する工程と、
光学記録媒体用シートを、接着層の面とディスク基板の一主面と対向させて互いに貼り合わせる工程と、
光学記録媒体用シートをディスク基板の形状に接着層側からトリミングする工程とを有する
ことを特徴とするものである。
【0032】
の発明において、典型的には、光学記録媒体用シートは、矩形状を有する。
【0033】
の発明において、典型的には、光学記録媒体用シートのトリミングを、カッター刃、バイト、レーザカッター、超音波カッターまたはプレス金型を用いて行うようにする。
【0034】
の発明において、典型的には、光学記録媒体用シートは、光透過性シートと、接着層と、接着層の側に設けられた剥離可能な第1の保護シートとからなる。また、好適には、第1の保護シートに識別用マークが設けられている。他の方法としては、第1の保護シートが目視可能な色に着色されている。また、この発明において、好適には、光透過性シートにおける接着層が設けられた面とは反対側の面に、光透過性シートから剥離可能に構成された第2の保護シートが設けられており、この第2の保護シートは、具体的には、ポリエチレン系樹脂からなるが、その他の材料を用いることも可能である。また、好適には、この第2の保護シートに、第1の保護シートと識別可能で目視可能な識別用マークが設けられている。また、第1の保護シートに第1の識別用マークが設けられているとともに、第2の保護シートに第2の識別用マークが設けられ、第1の識別用マークと第2の識別用マークとが互いに識別可能である。また、他の方法として、好適には、第2の保護シートは、第1の保護シートと識別可能で目視可能な色に着色されている。また、好適には、第1の保護シートが、目視可能な色に着色されているとともに、第2の保護シートが、第1の保護シートにおける色と識別可能で目視可能な色に着色されている。
【0035】
の発明において、典型的には、光学記録媒体用シートが、光透過性シートと、接着層と、接着層の側に設けられた剥離可能な第3の保護シートと、光透過性シートの接着層が設けられた側とは反対側の面に設けられたハードコート層とからなる。また、第3の保護シートに識別用マークが設けられている。また、他の方法として、第3の保護シートが目視可能な色に着色されている。また、この発明において、典型的には、ハードコート層の表面に、剥離可能に構成された第4の保護シートが設けられており、この第4の保護シートは、典型的には、ポリエチレン系樹脂からなるが、その他の材料を用いることも可能である。また、この発明において、好適には、第4の保護シートに、第3の保護シートと識別可能で目視可能な識別用マークが設けられている。また、この発明において、より好適には、第3の保護シートに第3の識別用マークが設けられているとともに、第4の保護シートに第4の識別用マークが設けられ、第3の識別用マークと第4の識別用マークとが互いに識別可能である。また、この発明において、他の方法としては、第4の保護シートは、第3の保護シートと識別可能で目視可能な色に着色されている。また、より好適には、第3の保護シートは、目視可能な色に着色されているとともに、第4の保護シートも、第3の保護シートにおける色と識別可能で目視可能な色に着色されている。
【0036】
の発明において、この光学記録媒体用シートを用いて、光学記録媒体の光透過層を形成する際に、製造される光ディスクの光透過層表面に傷が付くのを防止するために、典型的には、光透過性シートの第1の接着層が設けられた側とは反対側に、ハードコート層が設けられている。また、この発明において、典型的には、光透過性シートの、ハードコート層が設けられた側に第2の保護シートが設けられており、好適には、この第2の保護シートは、ポリエチレン系樹脂からなる。また、この発明において、保護シートの剥離後にハードコート層、光透過性シートおよび第1の接着層が波状になるのを防止するために、典型的には、第1の保護シートと第1の接着層との接着力は、ハードコート層と第2の保護シートとの接着力より小さく、この接着力の大小関係の前提のもとで、第2の保護シートの剥離に要する力の大きさは、0.15N/5cm以上2.00N/5cm以下、第1の保護シートの剥離に要する力の大きさは、0.10N/5cm以上1.00N/5cm以下である。また、ハードコート層は、形成を容易に行うとともに、通常使用される装置を流用することによって、コストの増加を抑制するために、具体的には、紫外線硬化樹脂からなるが、ダイヤモンド状炭素(ダイヤモンドライクカーボン、DLC)などから構成することも可能である。
【0045】
この発明において、製造される光学記録媒体における反りや歪みを最小限にするために、好適には、光透過性シートは、基板に用いられる材料と同種の材料から構成される。また、光透過性シートの厚さは、典型的には、基板の厚さより小さくなるように構成され、具体的には、30μm以上150μm以下から選ばれる。また、この発明において、典型的には、基板および光透過性シートは、光透過性を有する熱可塑性樹脂からなり、具体的には、ポリカーボネート(PC)やシクロオレフィンポリマーなどの低吸水性の樹脂が用いられる。なお、基板に用いられる材料としては、たとえばアルミニウム(Al)などの金属からなる基板や、ガラス基板、あるいは、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、PETなどの樹脂からなる基板を用いることも可能である。
【0046】
この発明において、典型的には、光透過性シートは、少なくとも情報信号の記録/再生に用いられる、GaN系半導体レーザ(発光波長400nm帯、青色発光)、ZnSe系半導体レーザ(発光波長500nm帯、緑色)、またはAlGaInP系半導体レーザ(発光波長635〜680nm程度、赤色)などから照射されるレーザ光を、透光可能な非磁性材料からなり、具体的には、ポリカーボネートなどの、光透過性を有する熱可塑性樹脂からなる。また、この発明において、好適には、保護フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなり、具体的には、このPETの少なくとも一面に第2の粘着剤が被着されている。また、この第2の粘着剤が被着された面を光透過性シートの一面に接着させることにより、基板上に載置されるシートが製造される。
【0047】
この発明は、好適には、2個のレンズを直列に組み合わせることによりNAを0.85程度にまで高めた対物レンズを用いて、情報の記録を行うように構成された、DVR(Digital Video Recording system)などの光透過層を有する光学記録媒体や、この光学記録媒体の製造に用いられるシートなどに適用することができ、発光波長が650nm程度の半導体レーザを用いた、いわゆるDVR−redや、発光波長が400nm程度の半導体レーザを用いた、いわゆるDVR−blueなどの光学記録媒体に適用することが可能である。
【0049】
述のように構成されたこの発明による光学記録媒体の製造方法によれば、ディスク基板とこのディスク基板の情報信号部が設けられた一主面を被覆可能なシートとを貼り合わせた後、このシートをディスク基板の外周に合わせてトリミングしていることにより、シートとディスク基板とを同じ径にすることができるとともに、ディスク基板の外周からシートがはみ出しや情報信号部の露出を防止することができる。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
【0052】
まず、この発明の第1の実施形態による光学記録媒体用シートについて説明する。図1に、この第1の実施形態による光学記録媒体用シートを示し、図2に、光学記録媒体用シートの他の例を示す。
【0053】
図1Aに示すように、この第1の実施形態による光学記録媒体用シート1は、平面円環形状に打ち抜かれた構成を有しており、その中央部に貫通孔1aが設けられている。また、図1Bに示すように、この光学記録媒体用シート1においては、光透過性シート2の一面に、たとえば感圧性粘着剤(PSA)からなる接着層3が被着されている。また、光透過性シート2の接着層3が被着された側とは反対側の面に、プロテクタ4がラミネートされている。また、接着層3の光透過性シート2とは反対側の面に、離型フィルム5がラミネートされている。また、図2に示すように、光透過性シート2の接着層3が設けられた側とは反対側の面に、さらにハードコート層6を設け、このハードコート層6の表面にプロテクタ4を設けて光学記録媒体用シート1を構成することも可能である。この光学記録媒体用シート1のハードコート層6についての詳細は後述する。
【0054】
ここで、この第1の実施形態による光学記録媒体用シート1の寸法においては、光学記録媒体用シート1の直径(外径)が後述する光ディスクのディスク基板(図示せず)の外径とほぼ同じ、またはそれ以下に選ばれ、具体的には、たとえば120mmである。また、貫通孔2cの径(内孔径)は、ディスク基板のセンターホール(図示せず)の開口径以上、かつ、光ディスクをクランプする際に用いられるクランプ領域の最内周径(たとえば23mm径)以下の範囲から選ばれ、たとえば23mmである。
【0055】
また、後述するように、この光学記録媒体用シート1は、光ディスクのディスク基板に貼り合わせられる。このとき、離型フィルム5やプロテクタ4を剥離し忘れる場合がある。すなわち、プロテクタ4を剥離し忘れると、プロテクタ4が光透過層の上層に積層されるようになるため、記録/再生のレーザ光の照射による焦点(フォーカス)が合わずに、記録/再生を行うことができなくなってしまう。また、離型フィルム5を剥離し忘れると、接着層3が露出しないため、貼り合わせ自体ができず、場合によっては貼り合わせるための装置にそのまま残ってしまう場合がある。
【0056】
そこで、この第1の実施形態による光学記録媒体用シート1においては、プロテクタ4および離型フィルム5の少なくとも一方のフィルムの露出面に識別用のマークが施されている。すなわち、図3Aに示すように、光学記録媒体用シート1の離型フィルム5の露出面の部分に、たとえば油性マジックなどを用いたマーキングが施されている。これにより、離型フィルム側識別用マーク5aが描かれている。このとき、マーキングを行う際の色としては、目視可能なあらゆる色を用いることができる。また、図3Bに示すように、光学記録媒体用シート1のプロテクタ4の露出面の部分に、たとえば油性マジックなどを用いてマーキングを施す事も可能である。これにより、プロテクタ側識別用マーク4aが描かれており、このときに用いられる色としては、離型フィルム5におけると同様に、目視可能なあらゆる色を用いることができる。なお、これらのプロテクタ側識別用マーク4aや離型フィルム側識別用マーク5aのマーキングは、原反シートの製造段階で行う場合と、接着層3の製造段階で行う場合と、打ち抜き工程で行う場合とのいずれの場合で行っても良い。また、プロテクタ4や離型フィルム5自体への着色は、典型的には、原反シートの製造において色付きのプロテクタ用シートや離型フィルム用シートを用いることによって行うが、原反シートのプロテクタ4や離型フィルム5の段階で全面に着色を施すことも可能である。
【0057】
また、図3Cに示すように、プロテクタ4の露出面の側にプロテクタ側識別用マーク4bをマーキングするとともに、離型フィルム5の露出面の側に離型フィルム側識別用マーク5bをマーキングすることも可能である。この場合、少なくとも光透過性シート2および接着層3は、いずれも光を透過するいわゆる無色透明であるとともに、それらの膜は非常に薄い。そのため、プロテクタ側識別用マーク4bと離型フィルム側識別用マーク5bとが互いに同色であると、プロテクタ4と離型フィルム5との区別が付かなくなってしまう可能性がある。そのため、プロテクタ側識別用マーク4bと離型フィルム側識別用マーク5bとは、互いに識別可能な異なる色を使用するのが望ましい。
【0058】
また、プロテクタ4や離型フィルム5に識別用マークを描く方法以外にも、図4Aに示すように、離型フィルム5自体を任意の目視可能で認識可能な色で着色しておく方法もある。また、図4Bに示すように、同様に、プロテクタ4自体を任意の目視可能で認識可能な色で着色しておくようにすることも可能である。このとき、離型フィルム5と識別するために、図4Cに示すように、離型フィルム5自体の色とプロテクタ4自体の色とは互いに識別可能な色にする必要がある。すなわち、離型フィルム5とプロテクタ4とは、互いに異なる色に着色されたシートを用いることが可能である。
【0059】
このような構成を有する光学記録媒体用シート1において、光透過性シート2は、たとえば少なくとも記録/再生に用いられるレーザ光を透過可能な光学特性を満足した、光透過性を有する熱可塑性樹脂からなる。この熱可塑性樹脂としては、耐熱寸法安定性、熱膨張率、または吸湿膨張率などが、後述するレプリカ基板におけると近い材料が選ばれ、具体的には、たとえばポリカーボネート(PC)や、ポリメチルメタクリレート(ポリメタクリル酸メチル)などのメタクリル樹脂などが選ばれる。また、光透過性シート2の厚さは、好適には60〜100μmの範囲から選ばれ、より好適には70〜100μmの範囲から選ばれる。この第1の実施形態においては、光透過性シート2が、後述するディスク基板の一主面に感圧性粘着剤(PSA)からなる接着層3を介して貼り合わせられることを考慮すると、光透過性シート2の厚さは、たとえば70μmに選ばれる。なお、この光透過性シート2の厚さは、情報信号の記録/再生に用いられるレーザ光の波長や、光ディスクの光透過層の所望とする膜厚を考慮して決定される。
【0060】
また、接着層3を構成するPSAは、たとえばメタクリル樹脂などである。また、この接着層3の厚さは、たとえば30μmであるが、接着層3の厚さや、感圧性粘着剤として用いられる材料は、後述する光ディスクの光透過層の所望とする膜厚や、情報信号の記録/再生に用いられるレーザ光の波長を考慮して決定される。
【0061】
以上のように構成された光学記録媒体用シート1は、ポールマガジンに、枚葉に積み上げられて保管される。すなわち、図5に示すように、ポール7aが垂直に設けられた積載用ポールマガジン7を用い、複数枚の光学記録媒体用シート1が、その貫通孔1aをポール7aに嵌合させつつ積み上げて、保管される。
【0062】
次に、この第1の実施形態による光学記録媒体用シート1の製造方法について説明する。図5に、この光学記録媒体用シート1の打ち抜き装置を示し、図6に、この打ち抜き装置を用いて打ち抜かれる原反シートを示す。
【0063】
まず、光学記録媒体用シート1の打ち抜き装置について説明する。図5に示すように、この第1の実施形態による打ち抜き装置においては、原反シート8が巻き付けられているシート供給部11、原反シート8の余剰部分を回収するためのシートかす回収部12、原反シート8から平面円環形状に光学記録媒体用シート1を打ち抜くためのシート打ち抜き用プレス機13、および打ち抜かれて形成された光学記録媒体用シート1を、その貫通孔1aを積載用ポールマガジン7のポール7aに嵌合させて積載するための、シートピックアップ14から構成される。また、原反シート8は、図7に示すように、光学記録媒体用シート1の積層構造を有するとともに、帯状のシートからなる。
【0064】
そして、この原反シート8から、打ち抜き装置を用いて光学記録媒体用シート1を打ち抜く際には、まず、シート供給部11から原反シート8を、テンションを張った状態で、図6中矢印方向に送り出す。そして、シート打ち抜き用プレス機13における打ち抜き刃13aの位置において、原反シート8が部分的に円環状に打ち抜かれる。これにより、平面円環形状の光学記録媒体用シート1が形成される。ここで、図7に示す、この原反シート8から光学記録媒体用シート1を打ち抜く場合のそれぞれの寸法の一例を挙げると、光学記録媒体用シート1の外径φ1が120mmであり、原反シート8の幅L1が130mm、光学記録媒体用シート1の外周と原反シート8の側部との間、いわゆる余白の幅d1が5mm、光学記録媒体用シート1同士の外周の間隔l1が5mmであり、部材ピッチp1が125mmとなる。このシート原反8から得られる光学記録媒体用シート1の量は、従来の原反シート(図41参照)の場合に比して、30%向上させることが可能である。これは、全抜き枚葉形式であるため、従来のディスク基板との貼り合わせに用いられていた貼り合わせ用シートなどの搬送を考慮する必要がないためである。
【0065】
上述のように光学記録媒体用シート1を打ち抜いた後、この光学記録媒体用シート1を、シートピックアップ14を用いてピックアップし、打ち抜き時に形成された貫通孔1aを、積載用ポールマガジン7のポール7aに嵌合させつつ、順次積載させる。他方、原反シート8から光学記録媒体用シート1が打ち抜かれた残った原反シート8の余剰部分、いわゆるシートかすが、シートかす回収部12に巻き付けられ、回収される。
【0066】
以上のようにして、所望とする図1に示す光学記録媒体用シート1が形成される。
【0067】
ところが、本発明者は、この光学記録媒体用シート1の打ち抜きの際に、次のような問題が生じることを知見した。すなわち、本発明者は、この打ち抜き装置におけるシート打ち抜き用プレス機13により、原反シート8を打ち抜く際に、接着層3を構成する感圧性粘着剤の、切断部の外側へのはみ出しが生じてしまうことを知見した。このような全抜き枚葉形式の光学記録媒体用シート1の打ち抜きにおいて、感圧性粘着剤が外部にはみ出してしまうと、次のような種々の不具合が生じる。
【0068】
すなわち、まず第1に、全抜きの光学記録媒体用シート1は、積載用ポールマガジン7に積載されるため、ディスク基板との貼り合わせの際に、光学記録媒体用シート1を1枚だけピックアップしようとしても、複数の光学記録媒体用シート1が密着してしまう。また、第2に、はみ出した感圧性粘着剤が貼り合わせ装置やその他の装置に付着してしまうと、これらの装置における不具合の原因になってしまう。また、第3に、はみ出した感圧性粘着剤が光学記録媒体用シート1の表面に再付着してしまうことによって、このシートの表面形状が微小変形してしまい、光ディスクの光透過層としての特性劣化を引き起こしてしまう。また、第4に、原反シート8から打ち抜かれた光学記録媒体用シート1が、この原反シート8に再度接着してしまい、打ち抜かれない状態と同様の状態が引き起こされてしまう。
【0069】
そこで、本発明者は種々検討を重ねた結果、原反シート8から光学記録媒体用シート1が打ち抜かれる際の打ち抜き方向に着目した。すなわち、図1に示すような感圧性粘着剤を挟むように複数の複合材料からなる積層膜を打ち抜く場合、そのうち抜き方向は、図8に示すように、打ち抜き刃13aが原反シート8に対して、プロテクタ4が設けられた側から行われている。このとき、原反シート8は、プロテクタ4、光透過性シート2、接着層3、および離型フィルム5の順に切断される。このとき、打ち抜き刃13aが接着層3に到達する前に、プロテクタ4と光透過性シート2とを切断することになる。このように接着層3を切断する前の段階で、切断しなければならない厚さが増加すればするほど、打ち抜き刃13aのばらつきが生じてしまう。この打ち抜き刃13aにばらつきが生じることによって、光学記録媒体用シート1に対する打ち抜き刃13aの圧力にもばらつきが生じてしまい、接着層3から感圧性粘着剤がはみ出してしまうという現象が生じてしまうと考えられる。さらに、本発明者は、上述のような検討に伴う実験によって、プロテクタ4側から打ち抜きを行うと、感圧性粘着剤のはみ出しのみならず、接着層3と離型フィルム5との間において界面剥離が生じることもあわせて知見した。一般に、光学特性、外観上および物理上におけるさまざまな特性を確保するために、光学記録媒体用シート1を構成する各層間における剥離は好ましくない。特に、接着層3と離型フィルム5との間に界面剥離が生じると、接着層3が空気に接触することによる接着強度の変化や、接着層3の面に対する異物の付着などの不具合が生じる可能性が増加してしまう。
【0070】
そこで、図9に示すように、この第1の実施形態においては、原反シート8を打ち抜く際に、接着層3を切断するまでの切断長さがより短い方からの切断を選択し、具体的には、打ち抜き刃13aによる切断を離型フィルム5側からプロテクタ4に向かって行うようにする。
【0071】
ここで、本発明者は、図8に示すようなプロテクタ4側から打ち抜きを行って100枚の光学記録媒体用シート1を形成した場合(第1の比較例)と、図9に示すような離型フィルム5側から打ち抜きを行って100枚の光学記録媒体用シート1を形成した場合(第1の実施例)とにおいて、それらに対する外観検査を行った。以下の表1にその比較結果を示す。なお、この表1において、「浮き」とは、離型フィルム5と接着層3との界面での剥離による気泡の混入が確認された場合であり、「エッジ形状」とは、平面円環状に打ち抜きを行った後の切断部分にバリなどが存在する場合である。
【0072】
【表1】
Figure 0004432300
【0073】
表1から、第1の比較例による光学記録媒体用シート1において、感圧性粘着剤のはみ出しが100枚中8枚(8%)生じているのに対し、第1の実施例による光学記録媒体用シート1においては、感圧性粘着剤のはみ出しは100枚中1枚(1%)しか生じていないことが分かる。また、第1の比較例による光学記録媒体用シート1において、浮きが100枚中12枚(12%)生じており、エッジ形状が不良であるのが100枚中3枚(3%)生じているのに対し、第1の実施例による光学記録媒体用シート1においては、いずれも生じていないことが分かる。また、良品数にいたっては、第1の比較例による光学記録媒体用シート1の良品数が100枚中77枚(77%)であるのに対し、第1の実施例による光学記録媒体用シート1の良品数は100枚中99枚(99%)であることが分かる。すなわち、不良品の発生が100枚中23枚から100枚中1枚に減少し、発生率は1/23倍と、約95%も減少していることが分かる。また、本発明者が目視で確認したところによると、離型フィルム5側から打ち抜いた場合には、エッジからの粘着剤のはみ出しが全く発生していないのみならず、離型フィルム5と接着層3との界面剥離も発生していないことが分かる。他方、プロテクタ4側から打ち抜いた場合には、エッジからの粘着剤のはみ出しが多くなるのみならず、光学記録媒体用シート1への粘着剤の再付着や、シート同士の密着によるシート供給時の不具合や、このシートが接触する装置における粘着剤の付着が確認された。さらに、本発明者により、離型フィルム5と接着層3との界面における微小な剥離も発生していることが確認され、これによる微小な空気溜まりが発生していることも確認された。
【0074】
以上のように、打ち抜き装置を用いて枚葉で全抜きの光学記録媒体用シート1を形成した後、この光学記録媒体用シート1を用いたディスク基板との貼り合わせを行う。そして、この貼り合わせにより光ディスクの光透過層を形成することによって光ディスクを製造する。以下に、この光ディスクの製造方法について、具体的に説明する。
【0075】
まず、この第1の実施形態による光ディスクの製造装置システムについて説明する。図10に、この光ディスクの製造装置システムを示す。
【0076】
図10に示すように、この第1の実施形態による製造装置システムは、貼り合わせ装置21、基板供給装置22、シート供給装置23および光ディスク搬出装置24から構成されている。そして、シート供給装置23から光学記録媒体用シート1が供給可能に構成され、基板供給装置22からディスク基板が供給可能に構成され、これらの光学記録媒体用シート1とディスク基板とが貼り合わせ装置21において貼り合わせ可能に構成され、この貼り合わせにより製造された光ディスクが光ディスク搬出装置24によって搬出可能に構成されている。
【0077】
貼り合わせ装置21は、回転手段25上に、離型フィルム剥離部26と基板供給部27と貼り合わせ部28とプロテクタ剥離部29とが、回転方向に順次並べて設けられて構成されている。離型フィルム剥離部26は、供給された光学記録媒体用シート1の離型フィルム5を剥離するためものである。また、基板供給部27は、基板供給装置22から供給されたディスク基板を載置するためのものである。また、貼り合わせ部28は、光学記録媒体用シート1とディスク基板との貼り合わせを行うためのものである。また、プロテクタ剥離部29は、貼り合わせにより製造された光ディスクからプロテクタ4を剥離するためのものである。
【0078】
また、基板供給装置22は、回転手段30上に基板積載ポール供給部31と補充用基板積載ポール供給部32とが設けられて構成されている。基板積載ポール供給部31は、基板搬送アーム33によって、貼り合わせ装置21の基板供給部27に供給されるディスク基板を載置しておくためのものである。すなわち、この基板積載ポール供給部31に積載されたディスク基板のうちの少なくとも1枚のディスク基板が、基板搬送アーム33の一端でピックアップされ、その後、このアームを回転させることによって、ディスク基板が基板供給部27まで搬送される。また、補充用基板積載ポール供給部32は、基板積載ポール供給部31のディスク基板の残枚数が少なくなったとき、または全てのディスク基板が貼り合わせ装置21の基板供給部27に搬送されてなくなったときに、回転手段30を回転させることによって、システム全体を停止させることなく新たに基板積載ポール供給部31として、ディスク基板を供給可能にするためのものである。
【0079】
また、シート供給装置23は、回転手段34上にシート積載ポール供給部35と補充用シート積載ポール供給部36とが設けられて構成されている。シート積載ポール供給部35は、シート搬送アーム37によって、貼り合わせ装置21の離型フィルム剥離部26に供給される光学記録媒体用シート1を載置しておくためのものである。すなわち、このシート積載ポール供給部35に積載された複数枚の光学記録媒体用シート1のうちの少なくとも1枚の光学記録媒体用シート1が、シート搬送アーム37の一端でピックアップされ、その後、このシート搬送アーム37を回転させることによって、光学記録媒体用シート1が離型フィルム剥離部26まで搬送される。また、補充用シート積載ポール供給部36は、シート積載ポール供給部35における光学記録媒体用シート1の残枚数が少なくなったとき、または全ての光学記録媒体用シート1が貼り合わせ装置21の離型フィルム剥離部26に搬送されてなくなってしまったときに、回転手段34を回転させることによって、システム全体を停止させることなく、新たにシート積載ポール供給部35として、光学記録媒体用シート1を供給可能にするためのものである。
【0080】
また、光ディスク搬出装置24は、製造された光ディスクを外部に搬出するためのものであり、コンベア38上にディスク排出用ポール39が並べて設けられている。そして、貼り合わせ装置21において、貼り合わせが行われた後の光学記録媒体用シート1から、プロテクタ剥離部29においてプロテクタ4が剥離された光ディスクが、ディスク搬送アーム40の一端でピックアップされて、ディスク排出用ポール39に供給される。この供給された光ディスクは、コンベア38の流れにより外部に搬出される。
【0081】
以上のようにして構成された製造装置システムのうち、ディスク基板と光学記録媒体用シート1との貼り合わせが行われる貼り合わせ部28の詳細について説明する。図11に、この貼り合わせ部28の詳細を示す。
【0082】
図11に示すように、この第1の実施形態による貼り合わせ部28においては、平面ステージ41と可動ステージ42とが、互いに対向した位置に設置されて構成されている。
【0083】
平面ステージ41は、シート供給装置23から供給された光学記録媒体用シート1を載置するためのものである。そして、平面ステージ41は、光学記録媒体用シート1を載置可能に構成されている。すなわち、平面ステージ41における可動ステージ42に対向した部分に、平面ステージ41に対して突出および埋没する方向に移動可能な上下動ピン43が設けられている。この上下動ピン43の径は、上述した光学記録媒体用シート1の貫通孔1aの径に等しくなるように構成されている。そして、光学記録媒体用シート1の貫通孔1aを上下動ピン43に嵌め合わせることにより、光学記録媒体用シート1を平面ステージ41上に載置可能に構成されている。また、この上下動ピン43の上部には、円柱状に突出した基板位置出しピン44が設けられている。この基板位置出しピン44の径は、ディスク基板45のセンターホール45aの径にほぼ等しくなるように構成されている。そして、基板位置出しピン44によって、ディスク基板45を、その中心を合わせつつ、上下動ピン43との段差部分において、支持可能に構成されている。このように構成された平面ステージ41においては、平面ステージ41上に上下動ピン43に嵌合させて、光学記録媒体用シート1を載置可能に構成されているとともに、ディスク基板45を基板位置出しピン44に嵌合させて上下動ピン43との段差部分において支持可能に構成されている。
【0084】
また、可動ステージ42の平面ステージ41に対向する部分の面上に、たとえばシリコーンゴムなどの弾性体から構成されるパッド46が設けられている。このパッド46は、たとえば、球体を所定の平面により分割したときの一方の部分からなる部分球体形状または円錐形状を有し、この部分球体形状または円錐形状における平面の部分が、平面ステージ41に対向する可動ステージ42の一面に固着されている。
【0085】
以上のようにして、この第1の実施形態における光学記録媒体用シート1とディスク基板との貼り合わせに用いられる貼り合わせ部28が構成されている。なお、上述した製造装置システムの貼り合わせ装置21における、離型フィルム剥離部26、基板供給部27、およびプロテクタ剥離部29においては、貼り合わせ部28の可動ステージ42およびパッド46以外の部分から構成されている。すなわち、貼り合わせ装置21の回転手段25上には、平面ステージ41が円周上に並べて設けられている。
【0086】
また、図12に示すように、この貼り合わせ部28の平面ステージ41における光学記録媒体用シート1の載置部分の近傍に、たとえば、複数の柱状のピンなどからなる平行維持手段47を設けることも可能である。このような平行維持手段47を設けることにより、ディスク基板45と光学記録媒体用シート1とを互いに平行な状態に保持することができるとともに、貼り合わせ前に、所望としない段階でディスク基板45と光学記録媒体用シート1とが接触するのを防ぐことができ、ブロッキング現象を防止することが可能となる。
【0087】
次に、この発明の第1の実施形態による製造方法により製造される光ディスクについて説明する。ここでは、第1の光ディスクと第2の光ディスクとの2種類の光ディスクについて説明する。
【0088】
すなわち、図13に示すように、この第1の実施形態による第1の光ディスク50において、ディスク基板45は、中央部にセンターホール45aが形成されたレプリカ基板45bの一主面に、凹凸が設けられているとともに、この一主面に情報信号部45cが設けられている。また、第1の光ディスク50においては、ディスク基板45上に光透過層51が設けられている。この光透過層51は、光学記録媒体用シート1の主要部分を構成する光透過性シート2および接着層3からなる。また、その中央部に貫通孔1aが設けられている。
【0089】
また、光透過層51の光透過性シート2側の主面における貫通孔1aの周辺には、円環状にクランプ領域52が設定されている。このクランプ領域52における光透過層51の光透過性シート2側の主面には、記録再生装置のスピンドル(図示せず)に第1の光ディスク50を載置する際のクランプ基準面52aが設定されている。ここで、光透過性シート2が接着層3を介してディスク基板45上に接着されて構成されているとともに、光透過層51の一主面上の部分にクランプ基準面52aが設定されることを考慮すると、貫通孔1aの径は、ディスク基板45のセンターホール45aの径以上に選ばれ、たとえば15mm以上に選ばれる。また、円環状のクランプ領域52の最内周径は、たとえば23mmであり、最外周径は、たとえば33mmである。そして、このクランプ基準面52aを光透過層51の光透過性シート2側の主面の部分から構成することを考慮すると、貫通孔1aの径は、クランプ領域52の最内周以下、具体的にはたとえば22mm以下である。また、クランプし回転させる際に生じる摩擦力を増加させる必要がある場合には、クランプ基準面52aを粗面化することも可能である。この粗面化はクランプ基準面52aに対して選択的に行われ、具体的には、表面粗さRaがたとえば30nm以上、好ましくは120nm以上になるように粗面化される。
【0090】
以上のようにして、この第1の実施形態による第1の光ディスク50が構成されている。
【0091】
次に、この第1の実施形態による第2の光ディスクについて説明する。図14に、この第2の光ディスク53を示す。
【0092】
図14に示すように、この第2の光ディスク53においては、第1の光ディスク50の光透過性シート2の表面に、さらにハードコート層6が設けられている。すなわち、光透過層51は、光透過性シート2と、この光透過性シート2のディスク基板45に貼り合わせる面に被着された接着層3、および光透過性シート2の接着層3が設けられた側とは反対側の面に設けられたハードコート層6とから構成される。このハードコート層6は、潤滑性を有するとともに高硬度の材料からなり、具体的には、紫外線硬化樹脂(UVレジン)やダイヤモンドライクカーボン(DLC)などからなる。また、この第2の光ディスク53に設定されたクランプ領域52におけるハードコート層6表面にはクランプ基準面52aが設定されている。このクランプ基準面52aの少なくとも一部は粗面化されており、具体的には、表面粗さRaがたとえば30nm以上、好ましくは120nm以上に構成されている。そのほかの光ディスクの構成については、第1の光ディスク50におけると同様であるので、説明を省略する。
【0093】
次に、以上のように構成されたこの第1の実施形態による第1の光ディスク50および第2の光ディスク53の製造方法について説明する。
【0094】
まず、図15に示すように、レプリカ基板45bの成形と、このレプリカ基板45bの一主面上における積層膜の成膜とを順次行うことにより、ディスク基板45を製造する。このディスク基板45においては、レプリカ基板45bの中央部にセンターホール45aが形成されているとともに、ディスク基板45の一主面に凹凸の溝トラックが形成されており、この一主面に形成された凹凸の溝トラックと積層膜とにより情報信号部45cが構成されている。
【0095】
レプリカ基板45bは、所定のスタンパを用いた射出成形法により作製されたものである。このレプリカ基板45bの厚さは、たとえば0.6〜1.2mmである。また、レプリカ基板45bの材料としては、たとえばポリカーボネートやシクロオレフィンポリマー(たとえば、ゼオネックス(登録商標))などの低吸水性の樹脂が用いられる。なお、レプリカ基板45bとして、たとえばAlなどの金属からなる基板や、ガラス基板、あるいは、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、PETなどの樹脂からなる基板を用いることも可能である。また、レプリカ基板45bの一主面に形成された凹凸部上に、記録膜や反射膜などが成膜されており、これにより情報信号部45cが形成されている。この情報信号部45cは、反射膜、光磁気材料からなる膜、相変化材料からなる膜、または有機色素膜などからなる。これらのうち、反射膜の材料としては、たとえばAl合金、Ag合金などが用いられる。
【0096】
具体的には、最終製品としての光ディスクが再生専用(ROM(Read Only Memory))の光ディスクである場合、情報信号部45cは、たとえばAl合金などからなる反射層を少なくとも有する単層膜または積層膜から構成される。他方、最終製品としての光ディスクが書換可能型光ディスクである場合には、情報信号部45cは、光磁気材料からなる膜や相変化材料からなる膜を少なくとも有する、単層膜または積層膜から構成され、追記型光ディスクの場合には、有機色素材料からなる膜や相変化材料からなる膜を少なくとも有する単層膜もしくは積層膜から構成される。また、レプリカ基板45bとして、センターホール45a周辺のクランプ領域の部分が他の部分に比して厚くなるように構成された基板を用いることも可能である。
【0097】
ここで、この第1の実施形態によるディスク基板45は、具体的には、レプリカ基板45bとして、たとえば、厚さが1.1mmで円盤状のPC基板を用い、このPC基板の直径(外径)をたとえば120mm、センターホール45aの開口径(内口径)をたとえば15mmとする。また、情報信号部45cとして、レプリカ基板45bの凹凸が形成された領域上に、膜厚が100nmのAl合金からなる反射層、膜厚が18nmの、硫化亜鉛(ZnS)と酸化シリコン(SiO2)との混合物(ZnS−SiO2)からなる第1の誘電体層、膜厚が24nmのGeInSbTe合金層からなる相変化記録層、および膜厚が140nmの、ZnS−SiO2からなる第2の誘電体層が順次積層された積層膜が用いられる。
【0098】
以上のようにしてディスク基板45を製造した後、光学記録媒体用シート1をディスク基板45の一主面に貼り合わせ可能な状態とするための、シート準備工程を行う。
【0099】
すなわち、まず、光学記録媒体用シート1に形成された離型フィルム側識別用マーク5a(図3A参照)や離型フィルム5に着色された色(図4A参照)を目印として、図10に示すシート供給装置23のシート積載ポール供給部35から、シート搬送アーム37を用いて、光学記録媒体用シート1を離型フィルム剥離部26まで搬送し、離型フィルム5が露出するように離型フィルム剥離部26に載置する。その後、この離型フィルム剥離部26において、光学記録媒体用シート1から離型フィルム5を剥離させることにより、接着層3を露出させる。
【0100】
次に、離型フィルム5が剥離された光学記録媒体用シート1を、その貫通孔1aが上下動ピン43に嵌合するように、平面ステージ41上に載置する。このとき、光学記録媒体用シート1は、そのプロテクタ4が平面ステージ41の載置面に接するように載置される。次に、貼り合わせ装置21の回転手段25を回転させて、基板供給部27の位置まで移動させる。次に、基板搬送アーム33を用いて基板積載ポール供給部31に積載されたディスク基板45を基板供給部27まで搬送する。そして、ディスク基板45は、基板位置出しピン44に嵌め合わされつつ上下動ピン43に支持されるように載置される。このとき、ディスク基板45は、その情報信号部45cが設けられた一主面が接着層3に対向するように、上下動ピン43に支持されて載置される。また、このときのディスク基板45と光学記録媒体用シート1との位置関係を図16に示す。
【0101】
次に、図10に示す回転手段25を回転させることにより、ディスク基板45と光学記録媒体用シート1とを貼り合わせ部28の位置まで移動させる。そして、図11または図12に示す貼り合わせ部28において、貼り合わせを行う。
【0102】
すなわち、可動ステージ42を平面ステージ41に向けて移動させる(図11中および図12中、下方)。そして、パッド46により、まず基板位置出しピン44を押圧し、続いてディスク基板45を介して上下動ピン43を平面ステージ41中に進入させる。これにより、図17に示すように、ディスク基板45の情報信号部45cが設けられた側の一主面と、光学記録媒体用シート1の接着層3とが圧着される。この圧着が安定した後、図11および図12に示す可動ステージ42を平面ステージ41から離れる方向に開放させる。
【0103】
以上により、図18に示すように、レプリカ基板45bの一主面に情報信号部45cが設けられ、この情報信号部45cを覆う領域に、接着層3と光透過性シート2とからなる光透過層51が設けられ、さらにプロテクタ4が設けられた状態となる。その後、図10に示す回転手段25を回転させることによりプロテクタ剥離部29まで移動させる。
【0104】
次に、プロテクタ剥離部29において、プロテクタ4におけるプロテクタ側識別用マーク4a(図3B参照)や所定の色(図4B参照)のマークを目印として、プロテクタ4におけるディスク基板45側とは反対側の面に、プロテクタ4と光透過性シート2との間の微粘着性接着剤の粘着力より大きい粘着力を有する粘着剤が被着された粘着シート(図示せず)を接着させる。ここで、この粘着シートにおけるプロテクタ4との間の粘着力は、たとえば9.8×10-1N/20mm(100gf/20mm)(180°剥離強度(JIS Z-0237))である。そして、図19に示すように、この粘着シート(図示せず)をディスク基板45の面に対して、90°〜180°の方向に引く。これにより、プロテクタ4が光透過性シート2から剥離される。このとき、プロテクタ4は、図示省略した微粘着性接着剤が付着した状態で剥離される。すなわち、剥離面は、光透過性シート2と微粘着性接着剤からなる層との界面となる。
【0105】
以上により、図13に示す、レプリカ基板45bの凹凸が形成された一主面上に、情報信号部45cと、接着層3および光透過性シート2からなる光透過層51とが設けられた、この第1の実施形態による所望とする光ディスクが製造される。その後、図10に示すディスク搬送アーム40により平面ステージ41からピックアップされ、ディスク排出用ポール39に搬送され、光ディスク自体の製造が終了する。その後、必要に応じて、所定のカートリッジなどに格納することにより、最終製品としての光学記録媒体が製造される。また、第2の光ディスク53を製造する場合においても、上述した第1の光ディスク50の製造プロセスにおいて用いられる光学記録媒体用シート1を、図2に示す光学記録媒体用シート1を用いることによって製造可能であるため、説明を省略する。
【0106】
以上のようなこの第1の実施形態による光ディスクの製造方法において、本発明者は、光学記録媒体用シート1のプロテクタ4における識別用マークや着色に関する実験を行った。すなわち、従来の識別用マークや着色が施されていない光学記録媒体用シート1(第2の比較例)と、この第1の実施形態による、識別用マークが設けられた光学記録媒体用シート1と、着色が施された光学記録媒体用シート1とを、それぞれ用いて、それぞれ200枚の光ディスクを製造した際に、特に、プロテクタ4が剥離されなかったことによって、検査機にトラブルが発生した場合の光ディスクの枚数を計測した。以下の表2に、その実験結果を示す。
【0107】
【表2】
Figure 0004432300
【0108】
表2から、全抜き枚葉シートの光学記録媒体用シート1を使用した場合、第2の比較例においては、200枚中14枚のディスクにプロテクタ4の剥離ミスによる検査機トラブルが発生しているのに対し、マーク付きの光学記録媒体用シート1を用いた場合、および色付きの光学記録媒体用シート1を用いた場合においては、検査機トラブルが全く生じていないことが分かる。すなわち、光ディスクの製造において、プロテクタ4に識別マークを設けたり、着色を施したりすることによって、光ディスクの製造プロセスにおける装置のトラブルを防止可能になることが分かる。
【0109】
以上説明したように、この第1の実施形態によれば、光ディスクの製造プロセスにおいて、光透過層51を形成する際に供給される光学記録媒体用シート1を、全抜き枚葉形式で供給するようにしていることにより、ハーフ抜きシートにおいて生じる種々の問題点を回避することができる。すなわち、光学記録媒体用シート1の外周端における剥離を防止することができ、これによって、接着層3の接着力変化、剥がれ模様、膜厚変化、静電気の発生による異物の付着や混入を防止することができ、また、全抜き枚葉で積載用ポールマガジン7に保管されるため、巻き締まりによる形状変化の発生を回避することができ、さらに、光学記録媒体用シート1を1枚ずつ搬送することができるので、離型フィルム5による貼り合わせ用のシートを搬送する必要がなく、原反シート8から得られる光学記録媒体用シート1を効率良く製造することができる。
【0110】
また、上述の第1の実施形態によれば、全抜き枚葉形式で光学記録媒体用シート1を打ち抜く際に、離型フィルム5の側から打ち抜くようにしていることにより、打ち抜き刃13aのばらつきを防止することができ、これによる圧力のばらつきを防止することができるので、離型フィルム5と接着層3との界面での剥離による気泡の混入や、切断部分におけるバリの発生などを防止することができ、これにより、寸法精度を向上させることができるとともに、接着層3の感圧性粘着剤のはみ出しを防止することができる。
【0111】
また、上述のこの発明の第1の実施形態による光学記録媒体用シート1によれば、プロテクタ4および/または離型フィルム5に識別用マークを設けるか、または全体に着色を施すようにしていることにより、離型フィルム5とプロテクタ4との識別を容易に行うことができるので、離型フィルム5やプロテクタ4を剥離し忘れるといった剥離ミス、プロテクタ4と離型フィルム5とを相互に取り違える誤認による剥離ミスなどを防止することができる。また、ディスク基板45に光学記録媒体用シート1を貼り合わせた後に、プロテクタ4を剥離し忘れることを防止することができるので、プロテクタ4の剥離ミスによる光ディスクの初期化ミス、すなわち、プロテクタ4を剥離し忘れることにより、光透過層51の厚さがプロテクタ4の膜厚を有する厚さになってしまい、光透過層51として所望の厚さとならず、これにより初期化に用いるレーザ光の焦点(フォーカス)が合わないために光ディスクの初期化ができない、という問題を回避することができるので、初期化がされないことにより検査工程で評価されなければならない項目が全て測定されなかったり、検査機の動作にトラブルが発生したりするのを回避することができる。したがって、効率よく光ディスクを製造することができ、信頼性の高い検査を行うことが可能となる。
【0112】
ここで、本発明者は、以上の第1の実施形態による製造方法に基づいて製造された第1の光ディスク50および第2の光ディスク53に関して、次のような問題が生じる可能性について検討を行った。
【0113】
すなわち、上述した平面円環状の光学記録媒体用シート1を用いて光ディスクを製造する場合、まず、図20に示すように、原反シート8から光学記録媒体用シート1を打ち抜く。次に、図21に示すように、光学記録媒体用シート1から離型フィルム5を剥離する。その後、図22に示すように、離型フィルム5が剥離された光学記録媒体用シート1を、ディスク基板45の情報信号部45cが設けられた一主面と対向させた後、図23に示すようにディスク基板45と光学記録媒体用シート1とを貼り合わせ、続けて図24に示すようにプロテクタ4を剥離する。
【0114】
ところが、このようにして製造する場合に、たとえば、光学記録媒体用シート1の外周端がディスク基板45の外周端よりもはみ出た場合(図24中、円a内)、次のような不具合が生じる可能性がある。すなわち、はみ出した光学記録媒体用シート1の接着層3の部分にダストや異物が付着したり、光ディスクが収納されるカートリッジ(図示せず)の内壁との衝突が繰り返されて、ディスク基板45から剥離したり変形したりする可能性や、はみ出した光学記録媒体用シート1の部分に手などが触れてしまい、過剰な圧力が加えられて光学記録媒体用シート1が剥離したり変形したりする可能性などが考えられる。このような剥離や変形が生じてしまうと、この外周部分において情報信号の記録や再生ができなくなる可能性が生じる。
【0115】
また、さらに、ディスク基板45の情報信号部45cの外周端が光学記録媒体用シート1の外周端からはみ出した場合(図24中、円b内)には、さらなる不具合が生じる可能性がある。すなわち、情報信号部45cのうちの光学記録媒体用シート1によって覆われていない部分が大気中の水分によって腐食したり、覆われていない部分に異物が付着したり、これにより傷が生じたりする可能性が生じる。このような腐食異物の付着や傷が生じてしまうと、この外周部分において情報信号の記録や再生ができなくなる可能性が生じる。そして、これを回避するために情報信号部45cの外周端をより内周側に設計してしまうと、記録容量の低減を引き起こしてしまう。
【0116】
このような光学記録媒体用シート1のはみ出しや、情報信号部45cの露出を防止するためには、貼り合わせの際に偏芯がないようにすればよい。しかしながら、偏芯をなくすためには、さまざまな外乱があるため制御が困難である。すなわち、成形されるレプリカ基板45bの外径のばらつき(具体的には、0.1mm程度)、光学記録媒体用シート1を打ち抜く打ち抜き刃(金型)の設計寸法公差(具体的には、0.1mm程度)やロット間寸法のばらつき(具体的には、0.05mm程度)、光学記録媒体用シート1を連続して打ち抜いた場合の寸法ばらつき(具体的には、0.05mm程度)、貼り合わせ部28における貼り合わせ位置出し精度(具体的には、0.07mm程度)、および情報信号部45cの成膜領域の外径ばらつき(具体的には、0.05mm程度)などのばらつきがどうしても生じてしまう。そして、これらのばらつきを最小限にする方法が種々考えられているが、やはり、これらのばらつきは生じてしまい、全てのばらつきの制御は困難である。
【0117】
そこで、上述した問題が生じる可能性をできる限り低減するための一つの方法としての、第2の実施形態による光ディスクの製造方法を、以下に説明する。なお、この第2の実施形態において、製造に用いられる光学記録媒体用シート1および製造される光ディスクに関しては、それぞれ第1の実施形態におけると同様であるので、説明を省略する。
【0118】
この第2の実施形態による光ディスクの製造方法においては、図25Aに示すように、第1の実施形態における原反シート8と同様の積層構成を有する原反シート61を裁断することにより、外周が矩形状で、円形の貫通孔62aを有す矩形シート62を形成する。ここで、この矩形シート62の寸法の一例を挙げると、原反シート61の長手方向に垂直な幅L2をたとえば125mm、長手方向に沿った長さL2′をたとえば125mmとして、矩形シート62を正方形とし、その貫通孔62aの径、すなわち内径をたとえば23mmとする。その後、図25Bに示すように、第1の実施形態におけると同様に、矩形シート62から離型フィルム5を剥離する。
【0119】
次に、矩形シート62を図11または図12に示すと同様の貼り合わせ部に搬送し、その平面ステージ41上に載置する。このとき、矩形シート62は、そのプロテクタ4が平面ステージ41の載置面に接するように載置される。次に、ディスク基板45を搬送して、基板位置出しピン44に嵌め合わせつつ上下動ピン43に支持されるように載置する。このとき、ディスク基板45は、その情報信号部45cが設けられた一主面が接着層3に対向するように、上下動ピン43に支持されて載置される。また、このときのディスク基板45と矩形シート62との位置関係を図26に示す。すなわち、図26に示すように、矩形シート62とディスク基板45とを、それらの接着層3と情報信号部45cとを対向させつつ、貫通孔62aとセンターホール45aとの中心OO′を一致させて、互いに位置出しを行う。
【0120】
次に、図11または図12に示す可動ステージ42を平面ステージ41に向けて移動させる(図11、図12中、下方)。そして、パッド46により、まず基板位置出しピン44を押圧し、続いてディスク基板45を介して上下動ピン43を平面ステージ41中に進入させる。これにより、図27に示すように、ディスク基板45の情報信号部45cが設けられた側の一主面と、光学記録媒体用シート1の接着層3とが圧着される。
【0121】
その後、矩形シート62のディスク基板45からはみ出た部分のトリミング(切断)を行う。ここで、この第2の実施形態によるトリミングの方法について、以下に説明する。
【0122】
すなわち、図28に示すように、まず、ディスク基板45と矩形シート62とを貼り合わせた状態において、ディスク基板45とほぼ同じ径の円形状の打ち抜き刃63aを有するプレス金型63を、接着層3側から矩形シート62に押し当て、この矩形シート62を円形状に打ち抜く。これにより、矩形シート62が、ディスク用シート部62bとシート余部62cとが分離される。
【0123】
以上により、図29に示すように、レプリカ基板45bの一主面に情報信号部45cが設けられ、この情報信号部45cを覆う領域に、平面円環状の光透過層51が設けられ、さらにプロテクタ4が設けられる。その後、プロテクタ4におけるプロテクタ側識別用マーク4a(図3B参照)や所定の色(図4B参照)のマークを目印として、プロテクタ4におけるディスク基板45側とは反対側の面に、プロテクタ4と光透過性シート2との間の微粘着性接着剤の粘着力より大きい粘着力を有する粘着剤が被着された粘着シート(図示せず)を接着させる。その後、図30に示すように、この粘着シート(図示せず)を引きはがす方向に引くことにより、プロテクタ4が光透過性シート2から剥離される。このとき、プロテクタ4は、図示省略した微粘着性接着剤が付着した状態で剥離される。すなわち、剥離面は、光透過性シート2と微粘着性接着剤からなる層との界面となる。
【0124】
以上により、レプリカ基板45bの凹凸が形成された一主面上に、情報信号部45cと、接着層3および光透過性シート2からなる光透過層51とが設けられた所望とする第1の光ディスク50が製造される。その後、必要に応じて、所定のカートリッジなどに格納することにより、最終製品としての光学記録媒体が製造される。
【0125】
また、上述のトリミングの方法としては、次のような方法を用いることも可能である。
【0126】
すなわち、図31に示すように、カッター刃やバイトなどの、器具を直接接触させた状態で所定の方向に移動させることにより切断を行う、接触型の切断手段(接触型切断手段64)を用いる方法を採用して、矩形シート62を接着層3の側からディスク基板45の外周に沿って切断することも可能である。そして、この接触型切断手段64を用いてトリミングを行うことにより、矩形シート62を、ディスク用シート部62bとシート余部62cとに分離させ、その後、プロテクタ4を剥離することによって所望とする光ディスクを製造する。
【0127】
また、図32に示すように、超音波カッターやレーザカッターなどの、器具を直接接触させずに、超音波やレーザ光を照射し、照射状態で所定の方向に移動させることにより切断を行う、いわゆる非接触型の切断手段(非接触型切断手段65)を用いる方法を採用して、矩形シート62を接着層3の側からディスク基板45の外周に沿って切断することも可能である。そして、この非接触型切断手段65を用いてトリミングを行うことにより、矩形シート62を、ディスク用シート部62bとシート余部62cとに分離させ、その後、プロテクタ4を剥離することによって所望とする光ディスクを製造する。
【0128】
本発明者は、この第2の実施形態による光ディスクの製造方法を採用して光透過層51を製造した光ディスクと、平面円環状のシートを貼り合わせて光透過層を形成した光ディスクとを製造し、これらの光ディスクに対して種々実験を行った。すなわち、ディスク基板45と矩形シート62とを貼り合わせた後にトリミングを行うことにより光透過層51が形成された光ディスク(第2の実施例)を5枚製造するとともに、平面円環状のシートとディスク基板45とを貼り合わせて光透過層を形成した光ディスクのうちで、平面円環状のシートがディスク基板45の外周端から300μm程度はみ出した光ディスク(第3の比較例)を5枚選別した。なお、第3の比較例による光ディスクにおいては、シートがはみ出した一端とは反対側の他端に情報信号部45cが露出している。
【0129】
そして、5枚の第2の実施例による光ディスクと、5枚の第3の比較例による光ディスクとをそれぞれカートリッジに組み込んだ。その後、これらのカートリッジを水平状態に保ちつつ、前後左右の4方向に、2時間振動を与え、カートリッジの内壁に光ディスクの外周を、多数回衝突させた。その後、このカートリッジから、第2の実施例による光ディスクおよび第3の比較例による光ディスクをそれぞれ取り出し、外周の外観検査を行った。その後、これらの5枚の第2の実施例による光ディスク、および5枚の第3の比較例による光ディスクを、それぞれ、温度が85℃、湿度が80%の恒温恒湿槽内に1000時間投入して加速試験を行い、腐食発生の状態を観察した。以下の表3に、それらの衝突実験および加速試験の実験結果を示す。
【0130】
【表3】
Figure 0004432300
【0131】
表3から、外周外観検査において、第3の比較例による光ディスクにおいて5枚中3枚の光ディスクが不良であるのに対し、第2の実施例による光ディスクにおいて5枚の光ディスクのいずれにも生じていないことが確認された。この第3の比較例による光ディスクのうちの不良となった3枚の光ディスクにおいては、シートがもっともはみ出していた部分で、シートの局所的剥離が観察された。また、表3から、腐食検査において、第3の比較例による光ディスクにおいて5枚中4枚の光ディスクが不良であるのに対し、第2の実施例による光ディスクにおいて5枚の光ディスクのいずれにも腐食が生じていないことが確認された。なお、この第3の比較例による光ディスクのうちの不良となった4枚の光ディスクにおいては、情報信号部45cの露出した部分において、腐食の発生が確認された。
【0132】
以上説明したように、この第2の実施形態によれば、ディスク基板45と、このディスク基板45を被覆可能な矩形シート62を互いに中心を合わせて貼り合わせを行った後、プレス金型63、接触型切断手段64、または非接触型切断手段65を用いて、矩形シート62をディスク基板45の外周に沿ってトリミングするようにしていることにより、ディスク基板45上に光透過層51を形成して光ディスクを形成する際に、光透過性シート2、接着層3がディスク基板45の外周からはみ出すのを防止することができる。したがって、光ディスクにおける光透過層51の剥離や、情報信号部45cの腐食の発生を防止することができるので、記録/再生時に用いられる対物レンズの高NA化に対応可能で、小複屈折、透明性良好で均一な膜厚の光透過層を、高い信頼性を有しつつ製造することができる。
【0133】
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0134】
たとえば、上述の実施形態において挙げた数値や、シートの材料や、シートの積層構造はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値、シートの材料、シートの積層構造を用いてもよい。
【0135】
また、上述の第1の実施形態においては、光学記録媒体用シート1を打ち抜く原反シート8として、光学記録媒体用シート1の1枚の外径より若干大きい幅を有する帯状のシートを用いているが、図33に示すように、帯状の幅を大きくし、対角線的に光学記録媒体用シート1を打ち抜くことができるような原反シート8を用いることも可能であり、この場合、原反シート8から打ち抜く光学記録媒体用シート1の密度を増加させることができるので、より効率よく光学記録媒体用シート1を得ることができる。
【0136】
また、上述の第2の実施形態においては、原反シート61を裁断して矩形シート62を形成し、この矩形シート62をディスク基板45に貼り合わせているが、原反シート61自体にディスク基板45を貼り合わせた後に、トリミングを行うようにすることも可能である。
【0137】
また、上述の実施形態においては、光透過性シート2、接着層3、プロテクタ4および離型フィルム5の4層構造のシートと、光透過性シート2、接着層3、プロテクタ4、離型フィルム5およびハードコート層6の5層構造のシートとについて説明したが、これらの積層構造以外のシートを用いることも可能である。具体的には、図34に示すように、光透過性シート2、接着層3および離型フィルム5からなる、プロテクタ4が設けられていない3層構造のシート70や、図35に示すように、光透過性シート2、接着層3、離型フィルム5およびハードコート層6からなる、プロテクタ4が設けられていない4層構造のシート71などを用いることが可能であり、これらのシート70,71を用いる場合には、上述の第1および第2の実施形態において、プロテクタ4の剥離プロセスが不要になり、工程数が減少する。
【0139】
以上説明したように、この発明による光学記録媒体の製造方法によれば、ディスク基板とこのディスク基板の情報信号部が設けられた一主面を被覆可能なシートとを貼り合わせた後、このシートをディスク基板の外周に合わせてトリミングしていることにより、シートとディスク基板とを同じ径にすることができるとともに、ディスク基板の外周からシートがはみ出しや情報信号部の露出を防止することができるので、光ディスクの光透過層の変形や、膜厚ばらつきを低減することができるとともに、情報信号部の腐食を防止して、高い信頼性を維持することができる。これによって、記録/再生時に用いられる対物レンズの高NA化に対応可能で、小複屈折、透明性良好で均一な膜厚の光透過層を有する光学記録媒体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態による光学記録媒体用シートを示す平面図および断面図である。
【図2】この発明の第1の実施形態による光学記録媒体用シートのハードコート層が設けられた例を示す平面図および断面図である。
【図3】この発明の第1の実施形態による光学記録媒体用シートの離型フィルムおよびプロテクタに設けられた識別用マークの例を示す平面図である。
【図4】この発明の第1の実施形態による光学記録媒体用シートの離型フィルムおよびプロテクタへの着色の例を示す平面図である。
【図5】この発明の第1の実施形態による光学記録媒体用シートを保管する際の積載用ポールマガジンを示す側面図である。
【図6】この発明の第1の実施形態による原反シートから光学記録媒体用シートを打ち抜く際に用いられる打ち抜き装置を示す略線図である。
【図7】この発明の第1の実施形態による光学記録媒体用シートが打ち抜かれる原反シートを示す平面図である。
【図8】この発明の第1の実施形態による光学記録媒体用シートの打ち抜きの問題点を説明するための断面図である。
【図9】この発明の第1の実施形態による光学記録媒体用シートの打ち抜き方向を説明するための断面図である。
【図10】この発明の第1の実施形態によるディスク基板と光学記録媒体用シート1との貼り合わせを行う際に用いられる装置システムを示す略線図である。
【図11】この発明の第1の実施形態による貼り合わせ部を示す略線図である。
【図12】この発明の第1の実施形態による貼り合わせ部の他の例を示す略線図である。
【図13】この発明の第1の実施形態による第1の光ディスクを示す断面図である。
【図14】この発明の第1の実施形態による第2の光ディスクを示す断面図である。
【図15】この発明の第1の実施形態によるディスク基板を示す断面図である。
【図16】この発明の第1の実施形態による光ディスクの貼り合わせプロセスを説明するための斜視図である。
【図17】この発明の第1の実施形態による光ディスクの貼り合わせプロセスを説明するための斜視図である。
【図18】この発明の第1の実施形態によるプロテクタ剥離前の貼り合わせ状態を示す断面図である。
【図19】この発明の第1の実施形態による光ディスクの貼り合わせプロセスを説明するための斜視図である。
【図20】この発明の第2の実施形態において解決される問題点を説明するための光ディスクのの製造方法を説明するための原反シートの平面図である。
【図21】この発明の第2の実施形態において解決する問題点を説明するための光ディスクの製造方法を説明するための光学記録媒体用シートを示す断面図である。
【図22】この発明の第2の実施形態において解決する問題点を説明するための光ディスクの製造方法を説明するための光学記録媒体用シートおよびディスク基板を示す断面図である。
【図23】この発明の第2の実施形態において解決する問題点を説明するための貼り合わせ後の光ディスクを示す断面図である。
【図24】この発明の第2の実施形態において解決する問題点を説明するためのプロテクタを剥離した後の光ディスクを示す断面図である。
【図25】この発明の第2の実施形態による光ディスクの製造方法を説明するための矩形シートの平面図および断面図である。
【図26】この発明の第2の実施形態による光ディスクの製造方法を説明するための矩形シートとディスク基板との、断面図および平面図である。
【図27】この発明の第2の実施形態による光ディスクの製造方法を説明するための矩形シートとディスク基板との断面図および平面図である。
【図28】この発明の第2の実施形態による光ディスクの製造方法における、プレス金型を用いた矩形シートのトリミング方法を説明するための断面図および平面図である。
【図29】この発明の第2の実施形態による光ディスクの製造方法を説明するための矩形シートとディスク基板との断面図および平面図である。
【図30】この発明の第2の実施形態による光ディスクの製造方法を説明するためのプロテクタ剥離時の光ディスクとプロテクタとの断面図および平面図である。
【図31】この発明の第2の実施形態による光ディスクの製造方法における、接触型切断手段を用いた矩形シートのトリミング方法を説明するための断面図および平面図である。
【図32】この発明の第2の実施形態による光ディスクの製造方法における、非接触型切断手段を用いた矩形シートのトリミング方法を説明するための断面図および平面図である。
【図33】この発明の第1の実施形態による光学記録媒体用シートを原反シートから打ち抜く方法の他の例を示す平面図である。
【図34】この発明の実施形態による、3層構造の光学記録媒体用シートおよび矩形シートを示す断面図である。
【図35】この発明の実施形態による、4層構造の光学記録媒体用シートおよび矩形シートを示す断面図である。
【図36】従来技術によるハーフ抜きの光学記録媒体用シートの供給方法を説明するための断面図である。
【図37】従来技術によるハーフ抜きの光学記録媒体用シートの問題点を説明するための断面図である。
【図38】従来技術によるハーフ抜きの光学記録媒体用シートの問題点を説明するための断面図である。
【図39】従来技術による光学記録媒体用シートのハーフ抜き方法を説明するための断面図である。
【図40】従来技術による光学記録媒体用シートのハーフ抜き方法の問題点を説明するための断面図である。
【図41】従来技術による光学記録媒体用シートのハーフ抜きの場合の問題点を説明するためのシートの平面図である。
【符号の説明】
1・・・光学記録媒体用シート、1a・・・貫通孔、2・・・光透過性シート、2c,62a・・・貫通孔、3・・・接着層、4・・・プロテクタ、4a,4b・・・プロテクタ側識別用マーク、5・・・離型フィルム、5a,5b・・・離型フィルム側識別用マーク、6・・・ハードコート層、7・・・積載用ポールマガジン、7a・・・ポール、8,61・・・原反シート、11・・・シート供給部、12・・・シートかす回収部、13・・・シート打ち抜き用プレス機、13a・・・打ち抜き刃、14・・・シートピックアップ、21・・・貼り合わせ装置、22・・・基板供給装置、23・・・シート供給装置、24・・・光ディスク搬出装置、25・・・回転手段、26・・・シート剥離部、26・・・離型フィルム剥離部、27・・・基板供給部、28・・・貼り合わせ部、29・・・プロテクタ剥離部、30,34・・・回転手段、31・・・基板積載ポール供給部、32・・・補充用基板積載ポール供給部、33・・・基板搬送アーム、35・・・シート積載ポール供給部、36・・・補充用シート積載ポール供給部、37・・・シート搬送アーム、38・・・コンベア、39・・・ディスク排出用ポール、40・・・ディスク搬送アーム、41・・・平面ステージ、42・・・可動ステージ、43・・・上下動ピン、44・・・基板位置出しピン、45・・・ディスク基板、45a・・・センターホール、45b・・・レプリカ基板、45c・・・情報信号部、46・・・パッド、47・・・平行維持手段、50・・・第1の光ディスク、51・・・光透過層、52・・・クランプ領域、52a・・・クランプ基準面、53・・・第2の光ディスク、62・・・矩形シート、62b・・・ディスク用シート部、62c・・・シート余部、63・・・プレス金型、63a・・・打ち抜き刃、64・・・接触型切断手段、65・・・非接触型切断手段、70,71・・・シート

Claims (23)

  1. ディスク基板と、
    上記ディスク基板の一主面上に設けられた、情報信号を記録可能および/または再生可能に構成された情報信号部と、
    上記情報信号の記録および/または再生に用いられるレーザ光を透過可能に構成された光透過層とを有し、
    上記光透過層が、少なくとも、上記レーザ光を透過可能な光透過性シートと、上記レーザ光を透過可能で、上記光透過性シートを上記ディスク基板の上記一主面に接着させる接着層とからなる光学記録媒体の製造方法において、
    上記光透過性シートと上記接着層とを少なくとも有するとともに、上記ディスク基板の外径より大きい外径を有する光学記録媒体用シートを供給する工程と、
    上記光学記録媒体用シートを、上記接着層の面と上記ディスク基板の一主面と対向させて互いに貼り合わせる工程と、
    上記光学記録媒体用シートを上記ディスク基板の形状に上記接着層側からトリミングする工程とを有する光学記録媒体の製造方法。
  2. 上記ディスク基板が平面円環形状を有することを特徴とする請求項記載の光学記録媒体の製造方法。
  3. 上記光学記録媒体用シートが矩形状を有することを特徴とする請求項記載の光学記録媒体の製造方法。
  4. 上記光学記録媒体用シートのトリミングを、カッター刃、バイト、レーザカッター、超音波カッターまたはプレス金型を用いて行うようにすることを特徴とする請求項記載の光学記録媒体の製造方法。
  5. 上記光学記録媒体用シートが、上記光透過性シートと、上記接着層と、上記接着層の側に設けられた剥離可能な第1の保護シートとからなることを特徴とする請求項記載の光学記録媒体の製造方法。
  6. 上記第1の保護シートに識別用マークが設けられていることを特徴とする請求項記載の光学記録媒体の製造方法。
  7. 上記第1の保護シートが目視可能な色に着色されていることを特徴とする請求項記載の光学記録媒体の製造方法。
  8. 上記光透過性シートにおける上記接着層が設けられた面とは反対側の面に、上記光透過性シートから剥離可能に構成された第2の保護シートが設けられていることを特徴とする請求項記載の光学記録媒体の製造方法。
  9. 上記第2の保護シートがポリエチレン系樹脂からなることを特徴とする請求項記載の光学記録媒体の製造方法。
  10. 上記第2の保護シートに、上記第1の保護シートと識別可能で目視可能な識別用マークが設けられていることを特徴とする請求項記載の光学記録媒体の製造方法。
  11. 上記第1の保護シートに第1の識別用マークが設けられているとともに、上記第2の保護シートに第2の識別用マークが設けられ、上記第1の識別用マークと上記第2の識別用マークとが互いに識別可能であることを特徴とする請求項記載の光学記録媒体の製造方法。
  12. 上記第2の保護シートが、上記第1の保護シートと識別可能で目視可能な色に着色されていることを特徴とする請求項記載の光学記録媒体の製造方法。
  13. 上記第1の保護シートが、目視可能な色に着色されているとともに、上記第2の保護シートが、上記第1の保護シートにおける色と識別可能で目視可能な色に着色されていることを特徴とする請求項記載の光学記録媒体の製造方法。
  14. 上記光学記録媒体用シートが、上記光透過性シートと、上記接着層と、上記接着層の側に設けられた剥離可能な第3の保護シートと、上記光透過性シートの上記接着層が設けられた側とは反対側の面に設けられたハードコート層とからなることを特徴とする請求項記載の光学記録媒体の製造方法。
  15. 上記第3の保護シートに識別用マークが設けられていることを特徴とする請求項14記載の光学記録媒体の製造方法。
  16. 上記第3の保護シートが目視可能な色に着色されていることを特徴とする請求項14記載の光学記録媒体の製造方法。
  17. 上記ハードコート層の表面に、剥離可能に構成された第4の保護シートが設けられていることを特徴とする請求項14記載の光学記録媒体の製造方法。
  18. 上記第4の保護シートがポリエチレン系樹脂からなることを特徴とする請求項17記載の光学記録媒体の製造方法。
  19. 上記第4の保護シートに、上記第3の保護シートと識別可能で目視可能な識別用マークが設けられていることを特徴とする請求項17記載の光学記録媒体の製造方法。
  20. 上記第3の保護シートに第3の識別用マークが設けられているとともに、上記第4の保護シートに第4の識別用マークが設けられ、上記第3の識別用マークと上記第4の識別用マークとが互いに識別可能であることを特徴とする請求項17記載の光学記録媒体の製造方法。
  21. 上記第4の保護シートが、上記第3の保護シートと識別可能で目視可能な色に着色されていることを特徴とする請求項17記載の光学記録媒体の製造方法。
  22. 上記第3の保護シートが、目視可能な色に着色されているとともに、上記第4の保護シートが、上記第3の保護シートにおける色と識別可能で目視可能な色に着色されていることを特徴とする請求項17記載の光学記録媒体の製造方法。
  23. 上記接着層が感圧性粘着剤からなることを特徴とする請求項記載の光学記録媒体の製造方法。
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