JP2003036564A - 光ディスクの製造装置および光ディスクの製造方法 - Google Patents

光ディスクの製造装置および光ディスクの製造方法

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JP2003036564A
JP2003036564A JP2001289980A JP2001289980A JP2003036564A JP 2003036564 A JP2003036564 A JP 2003036564A JP 2001289980 A JP2001289980 A JP 2001289980A JP 2001289980 A JP2001289980 A JP 2001289980A JP 2003036564 A JP2003036564 A JP 2003036564A
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sheet
substrate
disc
disk
holding means
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JP2001289980A
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English (en)
Inventor
Minoru Kikuchi
稔 菊地
Yoshio Shirai
良男 白井
Takehiko Fukushima
剛彦 福島
Mitsuhiro Abe
光浩 阿部
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスク基板とシートとの貼り合わせ時のブ
ロッキング現象を防止して、光透過層のしわや接着む
ら、気泡混入を防止するとともに、耐腐食性を向上させ
る。 【解決手段】 まず、埋没/突出する複数のピンからな
るディスク外周支持部15を、バネにより引き込むかプ
ッシュリングを押すことで埋没させた後、シート保持部
13にシート4を載置する。外周支持部15を突出さ
せ、外周支持部15上端で基板1の外周部を支持する。
ディスク基板1を押圧して外周支持部15を斜めに埋没
させる。ディスク基板1とシート4との間隔が1mm程
度になると、支持が解除され互いに圧着する。また、上
部がテーパ状の外周支持部を用い、テーパ面で基板1の
外周端を支持し、押圧に伴って支持部を外側に広げ、圧
着直前までクリアランスを確保しつつ基板1とシート4
とを貼り合わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光ディスクの製
造装置および光ディスクの製造方法に関し、特に、ディ
スク基板に光透過性シートを貼り合わせることによって
光透過層を形成するようにした光ディスクの製造に適用
して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報記録の分野において、光学情
報記録方式に関するさまざまな研究、開発が、各所で進
められている。この光学情報記録方式は、非接触で記録
および/または再生を行うことができるとともに、磁気
記録方式に比して一桁以上高い記録密度を達成可能であ
るという利点を有している。また、この光学情報記録方
式は、再生専用型、追記型、書換可能型などのそれぞれ
のメモリ形態に対応可能であるという、さらなる利点を
も有する。そのため、安価な大容量ファイルの実現を可
能とする方式として、産業用から民生用まで幅広い用途
への適用が考えられている。
【0003】その中でも特に、再生専用型のメモリ形態
に対応した光ディスクであるディジタルオーディオディ
スク(DAD)や光学式ビデオディスクなどは、現在広
く普及している。
【0004】ディジタルオーディオディスクなどの光デ
ィスクは、情報信号を示すピットやグルーブなどの凹凸
パターンが形成された光透過性を有するディスク基板上
に、アルミニウム(Al)膜などの金属薄膜からなる反
射膜と、さらにこの反射膜を大気中の水分(H2O)や
酸素(O2)から保護するための保護膜とが設けられた
構成を有する。そして、この光ディスクにおける情報信
号の再生時には、ディスク基板側から凹凸パターンに向
けてレーザ光などの再生光を照射し、この再生光による
入射光と戻り光との反射率の差によって情報信号を検出
する。
【0005】そして、このような光ディスクを製造する
際には、まず、射出成形法により凹凸パターンを有する
ディスク基板を形成する。次に、真空蒸着法により、光
ディスク基板上に金属薄膜からなる反射膜を形成する。
次に、この反射膜の上層に紫外線硬化樹脂を塗布するこ
とにより保護膜を形成する。
【0006】近年、このような光学情報記録方式におい
ては、さらなる高記録密度化が要求されている。そし
て、この高記録密度化の要求に対応するために、光学ピ
ックアップの再生光の照射時に用いられる対物レンズの
開口数(NA)を大きくすることによって、再生光のス
ポット径の小径化を図る技術が提案された。
【0007】すなわち、例えば従来のDADの再生時に
用いられる対物レンズのNAが0.45であるのに対
し、この従来のDADの6〜8倍の記録容量を有するD
VD(Digital Versatile Disc)といった光学式ビデオ
ディスクでは再生時に用いられる対物レンズのNAを
0.60程度として、スポット径の小径化が図られる。
【0008】このような対物レンズにおける高NA化を
進めていくと、照射される再生光を透過させるために、
光ディスクにおけるディスク基板を薄くする必要が生じ
る。これは、光学ピックアップの光軸に対してディスク
面の垂直からずれる角度(チルト角)の許容量が小さく
なるためであり、さらに、このチルト角がディスク基板
の厚さによる収差や複屈折の影響を受け易いためであ
る。したがって、ディスク基板を薄くすることによっ
て、チルト角がなるべく小さくなるようにする。例え
ば、上述したDADにおいては、基板の厚さは1.2m
m程度とされている。これに対し、DADの6〜8倍の
記録容量を有するDVDなどの光学式ビデオディスクに
おいては、基板の厚さは0.6mm程度とされている。
【0009】そして、今後のさらなる高記録密度化の要
求を考慮すると、基板のさらなる薄型化が必要になる。
そこで、基板の一主面に凹凸を形成して情報信号部と
し、この情報信号部上に、反射膜と、光を透過可能な薄
膜からなる光透過層とを順次積層し、光透過層側から再
生光を照射することにより情報信号の再生を行うように
構成された光ディスクが提案されている。このような、
光透過層側から再生光を照射して情報信号の再生を行う
ようにした光ディスクにおいては、光透過層の薄膜化を
図ることによって対物レンズの高NA化に対応すること
ができる。
【0010】ところが、光透過層の薄膜化を行うと、光
ディスクの製造に一般に用いられる、熱可塑性樹脂を用
いた射出成形法により光透過層を形成することが困難に
なる。すなわち、従来の技術を採用して、複屈折を小さ
く保ちつつ、良好な透明性が維持された、0.1mm程
度の光透過層を形成することは、非常に困難である。
【0011】そこで、光透過層を、紫外線硬化樹脂によ
り形成する方法が考案された。ところが、光透過層を紫
外線硬化樹脂により形成する場合、光透過層を基板表面
において均一な膜厚にすることは非常に困難である。そ
のため、情報信号の再生を安定して行うことが困難にな
ってしまう。
【0012】そこで、さらに、弾性体からなるパッドと
金属からなる平面ステージとを有して構成された貼り合
わせ装置を用い、光透過性シートと基板とをプレスする
ことによって、光透過層を貼り合わせる方法が提案され
た。ここで、この貼り合わせ装置について、図面を参照
しつつ、以下に具体的に説明する。
【0013】すなわち、図19に示すように、従来の貼
り合わせ装置においては、固定ステージ101と可動ス
テージ102とが、互いに対向した位置に設置されて構
成されている。
【0014】固定ステージ101は、シート103を載
置するためのものであり、シート103を載置可能に構
成されている。すなわち、固定ステージ101における
可動ステージ102に対向した部分には、固定ステージ
101に対して突出および埋没する方向に移動可能な上
下動ピン105が設けられている。この上下動ピン10
5の径は、上述したシート103の貫通孔103aの径
に等しくなるように構成されている。そして、シート1
03の貫通孔103aを上下動ピン105に嵌め合わせ
ることにより、シート103を固定ステージ101上に
載置可能に構成されている。また、この上下動ピン10
5の上部には、円柱状に突出した基板位置出しピン10
6が設けられている。この基板位置出しピン106の径
は、上述したディスク基板104のセンターホール10
4aの径にほぼ等しくなるように構成されており、ディ
スク基板104の中心を合わせつつ、このディスク基板
104を上下動ピン105で支持可能に構成されてい
る。このように構成された固定ステージ101において
は、シート103を、上下動ピン105に嵌合させて載
置可能に構成され、ディスク基板104を、基板位置出
しピン106に嵌合させつつ上下動ピン105の段差部
分により支持可能に構成されている。
【0015】また、可動ステージ102の固定ステージ
101に対向する部分の面上に、例えばゴムなどの弾性
体から構成される円錐パッド107が設けられている。
この円錐パッド107は、円錐形状を有し、その円錐形
状の平面側が可動ステージ102における固定ステージ
101に対向する面に固着されている。
【0016】以上のようにして構成された貼り合わせ装
置を用いてディスク基板104とシート103との貼り
合わせを行う場合、まず、シート103を、その貫通孔
103aを上下動ピン105に嵌合させて、固定ステー
ジ101上に載置する。このとき、シート103は、接
着面103b側の面が可動ステージ102に対向するよ
うに載置する。その後、ディスク基板104を、そのセ
ンターホール104aを基板位置出しピン106に嵌合
させて上下動ピン105の段差部分に載置する。このと
き、ディスク基板104は、その情報信号部が設けられ
た記録面104bが粘着層の設けられた接着面103b
に対向するように、上下動ピン105に支持される。
【0017】次に、可動ステージ102を固定ステージ
101に向けて移動させる(図19中、下方)。そし
て、円錐パッド107により、まず基板位置出しピン1
06を押圧し、続いてディスク基板104を介して上下
動ピン105を固定ステージ101中に進入させる。こ
れにより、ディスク基板104とシート103とのクリ
アランスは徐々に小さくなり、最終的に、ディスク基板
104とシート103とが圧着され、記録面104bと
接着面103bとが接着される。この圧着が安定した
後、可動ステージ102を固定ステージ101から離れ
る方向に開放させる。その後、所定の搬送装置(図示せ
ず)を用いて、圧着されたディスク基板104とシート
103とを固定ステージ101から搬出する。
【0018】以上により、ディスク基板104とシート
103とが貼り合わされ、ディスク基板104の記録面
104b上に光透過層が設けられた光ディスクが製造さ
れる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の貼り合わせ装置を用いて光ディスクを製造する
場合、ディスク基板104が反った状態になっている
と、ディスク基板104をシート103の接着層側に圧
着させる際に接着むらが発生してしまう。また、ディス
ク基板104が、上下動ピン105および基板位置出し
ピン106からなるディスク基板保持機構に載置され、
保持されたときに、斜めに載置されてしまうと、ディス
ク基板104をシート103の接着面103b側に圧着
させる前に正しくない位置で接着する、いわゆるブロッ
キング現象が発生してしまう。このようなブロッキング
現象が発生すると、ディスク基板104とシート103
との間において、接着むらが発生したり、接着界面に気
泡が巻き込まれたりするといった問題が生じてしまう。
【0020】そこで、本発明者は、種々鋭意検討を行
い、従来の貼り合わせ装置に、さらにディスク基板10
4の外周部、かつシート103の外周より外側に位置す
る部分で仮想的な正多角形の頂点の位置に、外周ピンが
設けられた貼り合わせ装置を想起した。ここで、外周ピ
ンが設けられた貼り合わせ装置について、図面を参照し
つつ、以下に具体的に説明する。
【0021】すなわち、図20Aに示すように、外周ピ
ンが設けられた貼り合わせ装置においては、固定ステー
ジ201と可動ステージ202とが、互いに対向した位
置に設置されて構成されている。
【0022】固定ステージ201は、ディスク基板20
3の凹凸が形成された一主面に接着される、平面円環状
のシート204を載置するためのものであり、このシー
ト204を載置可能に構成されている。また、固定ステ
ージ201における円錐パッド208に対向した部分に
は、固定ステージ201に対して突出する方向および埋
没する方向に移動可能な上下動ピン205が設けられて
いる。この上下動ピン205の径は、シート204の貫
通孔204aの径に等しくなるように構成されている。
そして、シート204の貫通孔204aを上下動ピン2
05に嵌め合わせることにより、シート204を固定ス
テージ201上に載置可能に構成されている。また、こ
の上下動ピン205の上部には、円柱状に突出した基板
位置出しピン206が設けられている。この基板位置出
しピン206の径は、ディスク基板203のセンターホ
ール203aの径にほぼ等しくなるように構成されてお
り、このディスク基板203を、その中心(センターホ
ール203a)を合わせつつ、上下動ピン205で支持
可能に構成されている。
【0023】また、図20Bに示すように、ディスク基
板203における外周部で、シート204の外側には、
固定ステージ201に対して突出する方向および埋没す
る方向に移動可能な外周ピン207が設けられている。
外周ピン207は、固定ステージ201のシート204
を載置する面において、仮想的な正多角形の頂点の位置
にそれぞれ設けられている。この外周ピン207は、デ
ィスク基板203を、その外周部において支持するため
のものである。
【0024】このように構成された固定ステージ201
においては、シート204を、固定ステージ201上で
上下動ピン205に嵌合させつつ載置可能に構成され、
センターホール203aを基板位置出しピン206に嵌
合させて、ディスク基板203を上下動ピン205およ
び外周ピン207により支持可能に構成されている。
【0025】また、可動ステージ202の固定ステージ
201に対向する部分の面上に、例えばゴムなどの弾性
体から構成される円錐パッド208が設けられている。
この円錐パッド208は、円錐形状を有し、その円錐形
状の平面側が可動ステージ202における固定ステージ
201に対向する面に固着されている。
【0026】以上のようにして構成された貼り合わせ装
置を用いてディスク基板203とシート204との貼り
合わせを行う場合、まず、シート204を、その貫通孔
204aを上下動ピン205に嵌め合わせるようにし
て、固定ステージ201上に載置する。このとき、シー
ト204は、一方の面の粘着層(図示せず)側が円錐パ
ッド208に対向するように載置される。その後、ディ
スク基板203を、基板位置出しピン206に嵌め合わ
せつつ上下動ピン205および外周ピン207に支持さ
れるように載置する。このとき、ディスク基板203
は、ピットやグルーブなどの凹凸および記録層(図示せ
ず)が設けられた一主面が、シート204の粘着層に対
向するように、上下動ピン205および外周ピン207
に支持されて載置される。
【0027】次に、円錐パッド208を固定ステージ2
01に向けて移動させる(図20A中、下方)。そし
て、円錐パッド208により、ディスク基板203の中
央部から基板位置出しピン206を押圧し、ディスク基
板203を介して上下動ピン205および外周ピン20
7を固定ステージ201中に埋没させる。これにより、
ディスク基板203の一主面に、センターホール203
aから外周に向けて、シート204が圧着される。この
圧着が安定した後、円錐パッド208を固定ステージ2
01から離れる方向に開放させる。その後、所定の搬送
装置(図示せず)を用いて、圧着されたディスク基板2
03とシート204とを固定ステージ201から搬出す
る。
【0028】以上により、ディスク基板203の一主面
に、シート204が貼り合わせられ、ディスク基板20
3の記録層が形成された一主面上に光透過層が設けられ
た光ディスクが形成される。
【0029】ところが、このような外周ピン207が設
置される位置は、ディスク基板203の外径より小さ
く、かつシート204の外径より大きくなる位置にしな
ければならない。換言すると、シート204の外径は、
ディスク基板203の外径より、少なくとも外周ピン2
07がディスク基板203を支持する幅の分だけ小さく
しなければならない。この小さくなる領域は、ディスク
基板203の一主面のうちでシート204に覆われない
領域となる。そして、本発明者の知見によれば、この領
域は、記録領域として使用できない領域になるのみなら
ず、ディスク基板203とシート204との外周部に生
じる段差によって、その部分に腐食が発生する。
【0030】近年の光ディスクにおける高記録密度化、
大容量化、ランド/グルーブの狭小化を考慮すると、記
録領域として使用できない領域は、外周ピンがディスク
基板104を支持する幅の分だけであっても、記録容量
に大きな影響を及ぼしてしまう。また、高い信頼性を確
保するためには、光ディスクにおける腐食の防止や、腐
食耐性の向上を図る必要がある。
【0031】以上のことから、ディスク基板203の外
径とシート204の外径とを等しい大きさとして、それ
らを互いに貼り合わせて耐腐食性の向上を図ることがで
きるとともに、さらに、この貼り合わせの際において
も、ブロッキング現象の発生を防止することができる技
術の開発が求められていた。
【0032】したがって、この発明の目的は、ディスク
基板とシートとを貼り合わせることにより、ディスク基
板上に光透過層が形成された光ディスクにおいて、ブロ
ッキング現象を防止して、光透過層の形成時にしわや接
着むらが生じたり、ディスク基板と光透過層との間に気
泡が混入したりすることを防止するとともに、製造され
る光ディスクにおける腐食耐性の向上を図ることによっ
て、薄型化され、小複屈折で、透明性良好で厚さも均一
な光透過層を有し、対物レンズの高NA化に十分対応可
能で、高信頼性を有しつつ大容量化可能な光ディスクを
製造することができる、光ディスクの製造装置および光
ディスクの製造方法を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の第1の発明は、ディスク基板における、
情報信号を記録可能および/または再生可能に構成され
た情報信号部が設けられた一主面を、少なくとも、情報
信号の記録および/または再生に用いられるレーザ光を
透過可能に構成された光透過性シートと、光透過性シー
トをディスク基板の一主面に接着可能に構成されている
とともにレーザ光を透過可能に構成された接着層とから
なるシートに、接着層を介して貼り合わせ可能に構成さ
れた光ディスクの製造装置であって、シートを保持可能
に構成されたシート保持手段と、ディスク基板を保持可
能に構成されたディスク基板保持手段と、ディスク基板
を押圧可能に構成された押圧手段とを有し、シート保持
手段に、ディスク基板の外周部を支持可能に構成された
ディスク基板支持部が設けられ、ディスク基板支持部
が、シート保持手段に対して埋没可能および突出可能に
構成されているとともに、ディスク基板支持部の突出方
向が、ディスク基板保持手段寄りに傾斜していることを
特徴とするものである。
【0034】この第1の発明において、典型的には、デ
ィスク基板支持手段は、複数のピンから構成されてい
る。そして、これらの複数のピンは、典型的には、ディ
スク基板保持手段の中心と同心の仮想的な円周に沿って
設けられ、好適には、この仮想的な円周に内接する正多
角形の頂点の位置に設けられる。また、具体的には、複
数のピンは、それぞれシート保持手段の中心点に対し
て、点対称の位置に設けられている。また、これらの複
数のピンは、シート保持手段のシートを載置する領域よ
り外側に設けられ、これらの複数のピンが突出した状態
において、ディスク基板を支持する部分が、シートを載
置する領域上方より内側になるように構成される。ま
た、この第1の発明において、典型的には、複数のピン
の上端によってディスク基板を支持可能に構成され、こ
れらの複数のピンにおけるディスク基板を支持する一端
とシートの載置面との距離は、ディスク基板を載置可能
な状態で、1.0mm以上5.0mm以下になるように
構成されている。また、好適には、これらの複数のピン
は、シート保持手段におけるシートの載置面と同一平面
をなす位置まで埋没可能に構成されている。また、この
第1の発明において、複数のピンの上端によってディス
ク基板を支持可能に構成され、複数のピンの上端が、デ
ィスク基板の外周から、内側に0.3mm以上1.0m
m以下までの領域を支持するように構成されている。
【0035】この第1の発明において、典型的には、シ
ート保持手段に対して埋没可能および突出可能に構成さ
れたディスク基板支持部を、押し込み可能に構成された
支持部押圧手段を有する。また、この第1の発明におい
て、好適には、この支持部押圧手段は、ディスク基板支
持部をシート保持手段に対して埋没させるように構成さ
れた同心円状のプッシュリング部と、プッシュリング部
をディスク基板の貼り合わせ方向に沿った方向に移動さ
せるシリンダー部と、プッシュリング部をシート保持手
段に対してほぼ水平状態に保持可能に構成された水平保
持部とを有する。
【0036】この発明の第2の発明は、ディスク基板に
おける、情報信号を記録可能および/または再生可能に
構成された情報信号部が設けられた一主面を、少なくと
も、情報信号の記録および/または再生に用いられるレ
ーザ光を透過可能に構成された光透過性シートと、光透
過性シートをディスク基板の一主面に接着可能に構成さ
れているとともにレーザ光を透過可能に構成された接着
層とからなるシートに、接着層を介して貼り合わせ可能
に構成された光ディスクの製造装置であって、シートを
保持可能に構成されたシート保持手段と、ディスク基板
を保持可能に構成されたディスク基板保持手段と、ディ
スク基板を押圧可能に構成された押圧手段とを有し、シ
ート保持手段に、ディスク基板の外周端を支持可能に構
成されたディスク基板支持部が設けられ、ディスク基板
支持部のディスク基板を支持する部分がテーパ形状を有
し、ディスク基板支持部が、シート保持手段に対してデ
ィスク基板の外周外側の向きに移動可能に構成されてい
ることを特徴とするものである。
【0037】この第2の発明において、典型的には、デ
ィスク基板支持手段は、複数のピンから構成されてい
る。そして、これらの複数のピンは、典型的には、ディ
スク基板保持手段の中心と同心の仮想的な円周に沿って
設けられ、好適には、この仮想的な円周に内接する正多
角形の頂点の位置に設けられる。また、具体的には、複
数のピンは、それぞれシート保持手段の中心点に対し
て、点対称の位置に設けられている。また、この第2の
発明において、複数のピンは、その下部がシート保持手
段のシートを載置する領域より外側に設けられており、
その上部には、テーパ形状の面部が設けられ、このテー
パ形状の面部によって、ディスク基板の外周端を支持可
能に構成されている。そして、この第2の発明におい
て、具体的には、複数のピンにおけるディスク基板を支
持する部分とシートの載置面との距離は、0.5mm以
上1.0mm以下になるように構成されている。また、
この第2の発明において、具体的には、複数のピンにお
けるテーパ形状の面部が、シートが保持される側に突き
出したかさ状の部分からなり、かさ状の部分の下端と、
シート保持手段におけるシートを載置する面との間隔
が、0.15mm以上0.30mm以下である。また、
シートが保持される側に突き出したかさ状の部分の少な
くとも下端は、外部から力を加えない状態において、シ
ートの外周端の上方より内側になるように構成されてい
る。
【0038】この第2の発明において、ディスク基板を
押圧して、ディスク基板とシートとを圧着させる際に、
最後の段階でそれらの外周端を接着するために、典型的
には、複数のピンは、シート保持手段に保持されたシー
トの半径方向に沿って、シートの外周外側に向けて移動
可能に構成されている。そして、押圧によって、複数の
ピンに力が作用することにより、これらの複数のピンが
シートの外側に、ディスク基板から外れるように移動
し、ディスク基板の外周端とシートと外周端とが圧着さ
れる直前に、支持が解除されるように構成されている。
【0039】この第2の発明において、シート保持手段
にシートを載置する際に、その載置の妨げにならないよ
うに、複数のピンにおけるテーパ形状の部分の下端がシ
ートの載置される領域より外側に位置させるためなどの
理由により、必要に応じて、外部からの操作により複数
のピンを移動させるために、シート保持手段に、複数の
ピンをシートの半径方向に移動可能に構成されたピン制
御機構が設けられている。そして、複数のピンは、それ
らの上部におけるテーパ状の面部の下端がシートを載置
する領域上方より外側になるように、シートの外周外側
に向かって移動可能に構成されている。
【0040】これらの第1および第2の発明において、
ディスク基板とシートとの間への気泡の混入を低減する
ために、典型的には、少なくともシート保持手段とディ
スク基板保持手段と押圧手段とは、減圧可能なチャンバ
内に設置されている。
【0041】これらの第1および第2の発明において、
典型的には、シート保持手段は、シートを平面状に維持
可能に構成された平面ステージからなる。
【0042】これらの第1および第2の発明において、
典型的には、シート保持手段により保持されたシート
と、ディスク基板保持手段により保持されたディスク基
板とを互いにほぼ平行にすることができるように構成さ
れている。
【0043】これらの第1および第2の発明において、
典型的には、ディスク基板保持手段は、ディスク基板
を、ディスク基板の中央部において保持可能に構成され
ている。また、この第1の発明において、典型的には、
ディスク基板は中央に開口を有し、ディスク基板保持手
段は、その開口をはめ込むことにより、ディスク基板を
保持するように構成されている。
【0044】これらの第1および第2の発明において、
典型的には、押圧手段は、ディスク基板の中央部から外
周部に向けて順次押圧可能に構成されている。そして、
具体的には、押圧手段は、円錐形状を有する弾性体から
なるパッドを有し、円錐形状を有するパッドの曲面部分
が固定ステージのシートの載置面に対向するように構成
されており、このパッドを構成する弾性体のゴム硬度
は、典型的には、5度以上70度以下であり、好適に
は、20度以上60度以下である。
【0045】これらの第1および第2の発明において、
典型的には、シート保持手段が吸着部を有し、この吸着
部により、シートをシート保持手段に吸着固定可能に構
成されている。また、好適には、吸着部はシートを真空
吸着可能に構成されている。また、吸着部は、複数の排
気可能な吸引孔から構成され、これらの吸引孔の内部を
排気することにより、シートをシート保持手段に吸着固
定可能に構成されている。
【0046】この発明の第3の発明は、ディスク基板の
一主面上に、情報信号を記録可能および/または再生可
能に構成された情報信号部と、情報信号の記録および/
または再生に用いられるレーザ光を透過可能に構成され
た光透過層とが順次積層されて設けられ、光透過層が、
少なくとも、レーザ光を透過可能な光透過性シートと、
光透過性シートをディスク基板の一主面に接着させるレ
ーザ光を透過可能な接着層とからなり、ディスク基板
を、少なくとも光透過性シートと接着層とからなるシー
トに押圧することにより、シートとディスク基板とを貼
り合わせる工程を有する光ディスクの製造方法であっ
て、シート保持手段により、シートを、シートの接着層
側が表面になるように保持し、ディスク基板を、ディス
ク基板保持手段によりディスク基板の一主面がシートの
接着層側に対向するように保持するとともに、ディスク
基板の外周部を、シート保持手段に備えられたディスク
基板保持手段の中心寄りに傾斜したディスク基板支持部
により支持し、押圧手段により、ディスク基板の一主面
とは反対側の面を押圧することによって、貼り合わせを
行うようにしたことを特徴とするものである。
【0047】この第3の発明において、典型的には、押
圧の開始時におけるディスク基板の外周部とシートの外
周部との間隔を、1.0mm以上5.0mm以下にす
る。
【0048】この第3の発明において、典型的には、シ
ートをシート保持手段によって保持する前に、シート保
持手段に対して埋没可能および突出可能に構成されたデ
ィスク基板支持部を、支持部押圧手段により押し込むよ
うにする。また、この第3の発明において、好適には、
支持部押圧手段が、ディスク基板支持部をシート保持手
段に対して埋没させるように構成されたプッシュリング
部と、プッシュリング部をディスク基板の貼り合わせ方
向に沿った方向に移動させるシリンダー部とを有して構
成され、支持部押圧手段によりディスク基板支持部をシ
ート保持手段に対して押し込むようにする。
【0049】この発明の第4の発明は、ディスク基板の
一主面上に、情報信号を記録可能および/または再生可
能に構成された情報信号部と、情報信号の記録および/
または再生に用いられるレーザ光を透過可能に構成され
た光透過層とが順次積層されて設けられ、光透過層が、
少なくとも、レーザ光を透過可能な光透過性シートと、
光透過性シートをディスク基板の一主面に接着させるレ
ーザ光を透過可能な接着層とからなり、ディスク基板
を、少なくとも光透過性シートと接着層とからなるシー
トに押圧することにより、シートとディスク基板とを貼
り合わせる工程を有する光ディスクの製造方法であっ
て、シート保持手段により、シートを、シートの接着層
側が表面になるように保持し、ディスク基板保持手段に
より、ディスク基板を、ディスク基板の一主面がシート
の接着層側に対向するように保持し、ディスク基板保持
手段に備えられた、ディスク基板を支持する部分がテー
パ形状を有するとともにシート保持手段に対してディス
ク基板の外周外側に向けて移動可能に構成されたディス
ク基板支持部により、ディスク基板の外周を支持し、押
圧手段によりディスク基板の一主面とは反対側の面を押
圧することにより、貼り合わせを行うようにしたことを
特徴とするものである。
【0050】この第4の発明において、典型的には、押
圧の開始時におけるディスク基板の外周端とシートの外
周端との間隔を、0.5mm以上1.0mm以下にす
る。
【0051】この第3および第4の発明において、典型
的には、ディスク基板が平面円環形状を有するととも
に、シートが平面円環形状を有し、ディスク基板をシー
トに圧着する際には、ディスク基板の中心部より外周部
に向かって順次接着させるようにする。
【0052】この第3および第4の発明において、典型
的には、シート保持手段によりシートを吸着固定し、好
適には、このシートの吸着固定を真空吸着により行うよ
うにする。
【0053】この第3および第4の発明において、ディ
スク基板の一主面上に、シートを安定して圧着するため
に、押圧手段によりシートをディスク基板の一主面に貼
り合わせた圧着状態を、典型的には、1秒以上60秒未
満の間維持し、好適には、1秒以上40秒以下の間維持
するようにする。
【0054】この第3および第4の発明において、押圧
手段によりディスク基板をシートに圧着する際の押圧力
は、典型的には、4.90×104Pa以上2.94×
106Pa以下とし、好適には、1.47×105Pa以
上1.47×106Pa以下とする。
【0055】この第3および第4の発明において、典型
的には、少なくとも、シートとディスク基板との周辺に
おける雰囲気の圧力を、4×102Pa以上2×104
a以下とし、好適には、103Pa以上8×103Pa以
下とする。また、シートとディスク基板との間に気泡が
混入するのを効率よく防止するために、シートとディス
ク基板との貼り合わせは、減圧下や真空中で行うように
することが好ましいが、通常の大気圧下でディスク基板
とシートとを貼り合わせた後、加圧脱泡処理を行うこと
により、シートとディスク基板との間の気泡を排出する
ことも可能である。
【0056】この発明において、典型的には、接着層は
感圧性粘着剤(PSA)からなるが、紫外線硬化樹脂な
どを用いることも可能である。
【0057】この発明において、製造される光ディスク
における反りや歪みを最小限にするために、好適には、
光透過性シートは、基板に用いられる材料と同種の材料
から構成される。また、光透過性シートの厚さは、典型
的には、基板の厚さより小さくなるように構成され、具
体的には、30μm以上150μm以下から選ばれる。
また、この発明において、ディスク基板は、具体的に
は、ポリカーボネート(PC)やシクロオレフィンポリ
マーなどの低吸水性の樹脂が用いられ、また、光透過性
シートは、好適には、ディスク基板と同じ材料から構成
される。なお、基板に用いられる材料としては、例えば
アルミニウム(Al)などの金属からなる基板や、ガラ
ス基板、あるいは、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリ
アミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)などの樹脂からなる基板を用い
ることも可能である。また、光透過性シートは、典型的
には、ポリカーボネート樹脂からなるが、その他の樹脂
材料から構成することも可能である。
【0058】この発明において、シート保持手段におけ
る載置面上に異物が存在した場合でも、その異物により
光透過性シートに影響が及ぼされるのを防止するため
に、好適には、シートを、光透過性シートと、接着層
と、光透過性シートの接着層が設けられた側とは反対側
の面に設けられた光透過性シートを保護する保護層とか
ら構成する。また、この保護層は、好ましくはポリエチ
レンテレフタレート(PET)シートやポリエチレンナ
フタレート(PEN)シートなどからなる。より具体的
には、このPETシートやPENシートなどの保護フィ
ルムの少なくとも一方の面に第2の粘着剤が被着され、
この第2の粘着剤が被着された面を光透過性シートの一
面に接着させて、ディスク基板に貼り合わせられるシー
トが構成される。
【0059】この発明において、典型的には、光透過性
シートは、少なくとも情報信号の記録/再生に用いられ
る、GaN系半導体レーザ(発光波長400nm帯、青
色発光)、ZnSe系半導体レーザ(発光波長500n
m帯、緑色)、またはAlGaInP系半導体レーザ
(発光波長635〜680nm程度、赤色)などから照
射されるレーザ光を、透過可能な非磁性材料からなり、
具体的には、ポリカーボネートなどの光透過性を有する
熱可塑性樹脂からなる。
【0060】この発明は、好適には、DVR(Digital V
ideo Recording system)などの、薄い光透過層を有する
光ディスクに適用することができ、発光波長が650n
m程度の半導体レーザを用いて情報信号の記録や再生を
行うように構成された、いわゆるDVR−redや、発
光波長が400nm程度の半導体レーザを用いて情報信
号の記録や再生を行うように構成された、いわゆるDV
R−blueなどの光ディスクに適用することが可能で
ある。このDVRは、好ましくは、2個のレンズを直列
に組み合わせることによりNAを0.85程度にまで高
めた対物レンズを用いて、情報信号を記録可能に構成さ
れており、具体的には、片面で22GB程度の記憶容量
を有する。また、このDVRなど、この発明の適用が好
ましい光ディスクは、好適にはカートリッジに納められ
ているが、この発明の適用は、必ずしもカートリッジに
納められているものに限定されるものではない。
【0061】上述のように構成されたこの発明による光
ディスクの製造装置および光ディスクの製造方法によれ
ば、シートを保持可能に構成されたシート保持手段と、
ディスク基板を保持可能に構成されたディスク基板保持
手段と、ディスク基板を押圧可能に構成された押圧手段
とを有し、シート保持手段が、ディスク基板の外周部を
支持可能に構成されたディスク基板支持部を有し、この
ディスク基板支持部が、シート保持手段のシートの載置
面に対して埋没可能および突出可能に構成されていると
ともに、ディスク基板支持部の突出方向が、ディスク基
板保持手段の中央部に向けて傾斜していることにより、
ディスク基板とシートとを圧着させる際に、ディスク基
板支持部により、ディスク基板の外周部が支持されてい
るので、ディスク基板の外周部とシートの外周部との間
のクリアランスを、押圧の終了直前まで十分な大きさに
確保することができる。
【0062】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態
の全図においては、同一または対応する部分には同一の
符号を付す。
【0063】まず、この発明の第1の実施形態による光
ディスクについて説明する。図1に、この第1の実施形
態による光ディスクを示す。
【0064】図1に示すように、この第1の実施形態に
よる光ディスクにおいては、ディスク基板1が、レプリ
カ基板1aの中心部にセンターホール1bが形成され、
凹凸が形成された一主面に情報信号部1cが設けられて
いる。また、このディスク基板1上に光透過層2が設け
られている。この光透過層2は、光透過性シート2aが
粘着層2bを介して接着されて構成されており、その中
央部に貫通孔2cが設けられている。
【0065】また、光透過層2の光透過性シート2a側
の主面における貫通孔2cの周辺において、円環状にク
ランプ領域3が設定されている。ここで、この円環状の
クランプ領域3の最内周径は、例えば23mmであり、
最外周径は、例えば33mmである。このクランプ領域
3における光透過層2の光透過性シート2a側の主面に
は、記録再生装置のスピンドル(いずれも図示せず)に
光ディスクをクランプしたり載置したりする際の、クラ
ンプ基準面3aが設定されている。このように、光透過
性シート2aが、粘着層2bを介してディスク基板1の
一主面上に接着されている点を考慮すると、貫通孔2c
の径は、ディスク基板1のセンターホール1bの径以上
に選ばれ、例えば15mm以上に選ばれる。また、クラ
ンプ基準面3aを光透過層2の光透過性シート2a側の
主面から構成することを考慮すると、貫通孔2cの径
は、クランプ領域3の最内周以下、具体的には例えば2
3mm以下である。
【0066】次に、以上のように構成されたこの第1の
実施形態による光ディスクの製造方法について説明す
る。図2に、この第1の実施形態による光ディスクの製
造プロセスのフローチャートを示し、図3にディスク基
板、図4にシートを示す。
【0067】まず、図2に示すステップST1におい
て、図3に示すディスク基板1を製造する。
【0068】すなわち、まず、図3に示すように、レプ
リカ基板1aを、所定の凹凸が設けられたスタンパを用
いた射出成形法や、凹凸が直接形成された金型を用いた
射出成形法により作製する。また、このレプリカ基板1
aの厚さは、例えば0.6〜1.2mmである。また、
レプリカ基板1aの材料としては、例えばポリカーボネ
ート(PC)やシクロオレフィンポリマー(例えば、ゼ
オネックス(登録商標))などの低吸水性の樹脂が用い
られる。なお、この第1の実施形態による光ディスク
は、ディスク基板1に対して薄い光透過層2が設けられ
た側からレーザ光を照射することにより、情報信号の記
録/再生を行うように構成されている。そのため、レプ
リカ基板1aとしては、透過性を有するか否かを考慮す
る必要がないので、例えばAlなどの金属からなる基板
を用いることも可能である。また、レプリカ基板1aと
して、ガラス基板、または、ポリオレフィン、ポリイミ
ド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエ
チレンテレフタレートなどの樹脂からなる基板を用いる
ことも可能である。このようにレプリカ基板1aを製造
した後、図2に示すステップST2に移行する。
【0069】ステップST2においては、図3に示すよ
うに、レプリカ基板1aの一主面に形成された凹凸部上
に、記録膜や反射膜などを形成することによって、情報
信号部1cを形成する。この情報信号部1cは、反射
膜、光磁気材料からなる膜、相変化材料からなる膜、ま
たは有機色素膜などが設けられて構成される。これらの
うち、反射膜の材料としては、例えばAlやAl合金な
どが用いられる。具体的には、最終製品としての光ディ
スクが再生専用型(ROM(Read Only Memory))光ディ
スクである場合、情報信号部1cとしては、例えばAl
などからなる反射層を少なくとも有する単層膜または積
層膜が設けられて構成される。他方、最終製品としての
光ディスクが書換可能型光ディスクである場合には、情
報信号部1cは、TbFeCo系合金、TbFeCoS
i系合金、またはTbFeCoCr系合金などの光磁気
材料からなる膜や、GeInSbTe合金などの相変化
材料からなる膜を少なくとも有する、単層膜または積層
膜が設けられて構成される。また、最終製品としての光
ディスクが、追記型光ディスクの場合には、GeTe系
材料などの相変化材料からなる膜、または有機色素材料
からなる膜を少なくとも有する、単層膜または積層膜か
ら構成される。
【0070】ここで、この第1の実施形態によるディス
ク基板1においては、具体的には、レプリカ基板1aと
して、例えば、平面円環形状を有し厚さが1.1mmの
PC基板を用い、このPC基板の直径(外径)を例えば
120mm、センターホール1bの開口径(内口径)を
例えば15mmとする。また、情報信号部1cとして、
レプリカ基板1aの凹凸が形成された領域上に、膜厚が
例えば100nmのAl合金からなる反射層、膜厚が例
えば18nmの、硫化亜鉛(ZnS)と酸化シリコン
(SiO2)との混合物(ZnS−SiO2)からなる第
1の誘電体層、膜厚が例えば24nmのGeInSbT
e合金からなる相変化記録層、および膜厚が例えば14
0nmのZnS−SiO2からなる第2の誘電体層が順
次積層された積層膜が用いられる。以上のようにして、
レプリカ基板1aの一主面に情報信号部1cを形成する
ことにより、ディスク基板1を製造した後、図2に示す
ステップST3に移行する。
【0071】ステップST3においては、図4に示すシ
ート4を、粘着層2bを介してディスク基板1の一主面
に貼り合わせ可能な状態とする、ディスク基板とシート
との準備工程を行う。ここで、この第1の実施形態によ
る光透過層2を形成する際に用いられるシートについて
説明する。
【0072】図4に示すように、この第1の実施形態に
よる光透過層2の形成に用いられるシート4は、光透過
性シート2aと、この光透過性シート2aの一面に被着
された感圧性粘着剤(PSA)からなる粘着層2bとか
ら構成される。このシート4は、ディスク基板1におけ
ると同様に、平面円環状に打ち抜かれた構造を有し、中
央部に貫通孔2cが形成されている。ここで、このシー
ト4の寸法においては、シート4の直径(外径)がディ
スク基板1の外径とほぼ同じ、またはそれ以下に選ば
れ、具体的には、例えば120mmとし、貫通孔2cの
径(内孔径)は、センターホール1bの開口径以上、か
つ、クランプ領域3の最内周径(例えば23mm径)以
下の範囲から選ばれ、例えば23mmとする。
【0073】このようなシート4における光透過性シー
ト2aは、例えば、少なくとも記録/再生に用いられる
レーザ光を透過可能な光学特性を満足した、光透過性を
有する熱可塑性樹脂からなる。この熱可塑性樹脂として
は、耐熱寸法安定性、熱膨張率、または吸湿膨張率など
がレプリカ基板1aにおけると近い材料が選ばれ、具体
的には、例えばポリカーボネート(PC)や、ポリメチ
ルメタクリレート(ポリメタクリル酸メチル)などのメ
タクリル樹脂などが選ばれる。また、光透過性シート2
aの厚さは、好適には60〜100μmの範囲から選ば
れ、より好適には70〜100μmの範囲から選ばれ
る。この第1の実施形態においては、光透過性シート2
aが、ディスク基板1の一主面に感圧性粘着剤(PS
A)からなる粘着層2bを介して貼り合わせられること
を考慮すると、光透過性シート2aの厚さは、例えば7
0μmに選ばれる。なお、この光透過性シート2aの厚
さは、情報信号の記録/再生に用いられるレーザ光の波
長や、光透過層2の所望とする膜厚を考慮して決定され
る。
【0074】また、粘着層2bを構成するPSAは、例
えばメタクリル樹脂などである。また、この粘着層2b
の厚さは、例えば30μmであるが、粘着層2bの厚さ
や、感圧性粘着剤として用いられる材料は、光透過層2
の所望とする膜厚や、情報信号の記録/再生に用いられ
るレーザ光の波長を考慮して決定される。また、図示省
略したが、シート4が保管されている際には、このシー
ト4の粘着層2bの面には、これを保護する保護フィル
ムがラミネートされている。
【0075】そして、ステップST3において、上述の
ように構成されたシート4を、ディスク基板1との貼り
合わせに用いることができる状態にする。すなわち、ま
ず、別のプロセスのステップS1において、粘着層2b
にラミネートされた上述の保護フィルムを剥離する。そ
して、この保護フィルムが剥離された状態のシート4
を、ディスク基板1とシート4との貼り合わせ装置にま
で搬送し、所定の位置に載置する。
【0076】ここで、この第1の実施形態による貼り合
わせ装置について説明する。図5に、この貼り合わせ装
置を示す。
【0077】図5に示すように、この第1の実施形態に
よる貼り合わせ装置においては、固定ステージ11と押
圧部12とが、互いに対向した位置に設置されて構成さ
れている。
【0078】固定ステージ11は、シート4を載置する
ためのものであり、シート4を載置可能に構成されてい
る。すなわち、固定ステージ11における押圧部12に
対向した部分には、金属平板などの平面ステージからな
るシート保持部13が設けられている。このシート保持
部13におけるシート4を載置するシート載置面13a
には、複数個の真空吸引孔(図示せず)が設けられてい
る。これらの真空吸引孔は、それらの内部を真空排気可
能に構成されている。これにより、シート保持部13に
おけるシート載置面13a上に、シート4を、平面性を
保ちつつ吸着固定することができるように構成されてい
る。
【0079】また、固定ステージ11には、シート保持
部13に対して突出および埋没する方向に移動可能な、
2段円柱形状を有するディスク基板保持部14が設けら
れている。このディスク基板保持部14の径は、上述し
たシート4の貫通孔2cの径にほぼ等しくなるように構
成されている。そして、この貫通孔2cをディスク基板
保持部14に嵌め合わせることにより、シート4をシー
ト保持部13上に載置可能に構成されている。また、シ
ート保持部13には、このディスク基板保持部14を格
納可能な空間が設けられている。この空間内において、
ディスク基板保持部14を突出可能に構成されたコイル
バネ(図示せず)が、ディスク基板保持部14の下部に
連結されて設けられている。そして、ディスク基板保持
部14をシート載置面13aに垂直な方向に押し込むこ
とにより、ディスク基板保持部14をシート保持部13
内に埋没させることができるように構成されている。
【0080】また、このディスク基板保持部14の上部
には、円柱状に突出した基板位置出しピン14aが設け
られている。この基板位置出しピン14aの径は、上述
したディスク基板1のセンターホール1bの径にほぼ等
しくなるように構成されている。そして、ディスク基板
1のセンターホール1bを基板位置出しピン14aに嵌
合させたときには、ディスク基板載置面14bによっ
て、ディスク基板1の内周部、すなわちセンターホール
1bの周辺を支持可能に構成されている。以上のよう
に、ディスク基板保持部14は、ディスク基板1のセン
ターホール1bを貫通可能な径を有する小径部(基板位
置出しピン14a)と、シート4の貫通孔2cを貫通可
能な径を有する大径部とからなる。すなわち、ディスク
基板保持部14は、シート載置面13aに平行な断面が
同心円となる2段円柱状に構成され、これにより、ディ
スク基板1とシート4との中心位置出し可能に構成され
ている。
【0081】また、シート保持部13の外周側には、デ
ィスク基板1の外周部を支持可能に構成され、同心円状
に並べられた複数のピンから構成されたディスク外周支
持部15が設けられている。このディスク外周支持部1
5は、ディスク基板1とシート4とのクリアランスを形
成するためのものである。特に、このディスク外周支持
部15は、ディスク基板1の外周部を持ち上げるように
して支持可能に構成されており、そのディスク基板1を
支持する上端面は、シート載置面13aとほぼ平行にな
るように設けられている。
【0082】ディスク外周支持部15は、ディスク基板
保持部14が設けられた方向に向け、かつシート載置面
13aに対して傾斜した方向に、突出可能および埋没可
能に設けられている。すなわち、シート保持部13に
は、ディスク外周支持部15を埋設可能な空間が形成さ
れている。そして、この空間内において、コイルバネ1
6が、ディスク外周支持部15の下部に連結されて設け
られている。これにより、ディスク外周支持部15は、
通常時においてシート載置面13aより上部に突出した
状態に維持可能となる。他方、ディスク外周支持部15
が突出した向きとは反対側の向きに押された場合に、シ
ート保持部13の内部に埋没させることができるように
構成されている。すなわち、コイルバネ16により、デ
ィスク外周支持部15がシート載置面13aに対して、
ディスク基板保持部14の中央部に向けて傾斜した方向
(図5中、矢印a)に、埋没/突出可能に構成されてい
る。なお、コイルバネ16のバネ定数は、好適には1.
0N/mであるが、必ずしも、この値に限定されるもの
ではなく、ピンの本数や後述する押圧力に応じて、適切
な値のものが用いられる。また、このコイルバネ16と
同様の弾性を有するその他のものを用いることも可能で
ある。
【0083】また、シート保持部13内には空間17が
設けられている。この空間17の内部には、ディスク基
板1の貼り合わせ方向とほぼ平行な方向(図5中、矢印
b方向)に移動可能に構成された外周支持部移動機構1
8が設けられている。この外周支持部移動機構18の外
周部には、コイルバネ16が連結されている。ここで、
このコイルバネ16は、ディスク外周支持部15に連結
された一端とは反対側の他端に連結されている。そし
て、ディスク外周支持部15を、上方から力を加えるこ
となくシート保持部13内に埋没させる際には、外周支
持部移動機構18をコイルバネ16において引力が生じ
る方向(図5中、矢印b下方)に移動させる。これによ
り、コイルバネ16に引っ張り力が生じ、ディスク外周
支持部15が引っ張られてシート保持部13内に埋没さ
せることができる。このようにして、ディスク外周支持
部15の上端をシート載置面13aに対して引き込むこ
とができるように構成されている。また、必要に応じ
て、シート載置面13aと同一面とすることできるよう
に構成されている。
【0084】また、上述したように、ディスク外周支持
部15は複数のピンから構成されている。ここで、ディ
スク外周支持部15が設けられたシート保持部13の平
面図を図6に示す。図6に示すように、ディスク外周支
持部15を構成する複数のピンは、その上面が例えば円
形状または楕円形状を有するとともに、ディスク基板保
持部14の中心をその中心とした半径r1の仮想的な円
周上に設けられている。また、このディスク外周支持部
15を構成する複数のピンが並べられた仮想的な円の半
径r1は、少なくともシート4の半径r0(例えば、r0
=60mm)より大きい。また、ディスク外周支持部1
5における個々のピンは、好ましくは、この円に内接す
る正多角形(正n角形)の頂点の位置に設けられる。こ
こで、この第1の実施形態においては、複数のピンは、
その中心が半径r1=61mmの仮想的な円に内接した
正8角形の各頂点の位置に配置されるように、それぞれ
設けられている。
【0085】また、ディスク外周支持部15を構成する
ピンの部分を拡大したものを、図7に示す。図7に示す
ように、ディスク外周支持部15を構成する個々のピン
での上端の円または楕円における直径または長径(R)
は、例えば1.0mmである。また、このディスク外周
支持部15が、ディスク基板1を載置する状態で突出し
た時の、ディスク外周支持部15の上端のシート載置面
13aからの高さhは、1.0mm以上の範囲、具体的
には、1.0〜5.0mmの範囲から選ばれ、この第1
の実施形態においては、例えばh=2.0mmに選ばれ
る。また、ディスク外周支持部15の上端におけるディ
スク基板1を支持する領域の幅Δrは、0.3mm以
上、かつピンの直径または長径R以下、この第1の実施
形態においては、0.3〜1.0mmの範囲に選ばれ、
具体的には、例えばΔr=0.5mmに選ばれる。そし
て、ディスク基板1におけるディスク外周支持部15に
よって支持される領域は、ディスク基板1の外周からΔ
rの領域となり、半径r2の円より外側の帯状領域にう
ちのピンの部分となる。また、ディスク外周支持部15
は、ディスク基板保持部14が設置された向きで、シー
ト載置面13aから例えば63°(=arctan(2/1))の
角度をなす方向に、傾斜して設けられている。この傾斜
角は、ディスク基板1とシート4とにおける必要とする
クリアランスや、ディスク外周支持部15の上端におけ
るディスク基板1を支持する領域の幅などにより決定さ
れるものであり、必ずしもこの角度に限定されるもので
はないが、傾斜している状態では、0°よりも大きな角
度で、少なくとも90°未満(0°<θ<90°)であ
る必要があり、好ましくは、50°〜70°(50°<
θ<70°)である。
【0086】以上のようにして、貼り合わせ装置の固定
ステージ11が構成されている。
【0087】一方、図5に示すように、押圧部12は、
ブラケット12aと、このブラケット12aのシート載
置面13aに対向した面上に固定されたパッド12bと
から構成されている。このパッド12bは、例えば、球
体を所定の平面により分割したときの一方の部分からな
る部分球体形状、もしくは円錐形状を有し、その曲率半
径は例えば120mmである。また、パッド12bにお
ける部分球体形状または円錐形状における頂点は、シー
ト保持部13におけるディスク基板保持部14および基
板位置出しピン14aの中心軸上に、ほぼ重なるように
配置可能に構成されている。また、パッド12bは、例
えばシリコーンゴムなどの弾性体から構成され、そのゴ
ム硬度としては、5〜70度、好ましくは20〜60度
の範囲から選ばれ、この第1の実施形態においては、ゴ
ム硬度は例えば60に選ばれる。ここで、パッド12b
を構成する弾性体としては、シリコーンゴムのほかに、
ウレタンゴム、SBR、クロロプレンゴム、アクリルゴ
ム、フッ素ゴムなどを挙げることができる。また、押圧
部12のブラケット12aのパッド12bが固定された
面とは反対側の面に、エアシリンダーなどのプレス機構
(図示せず)が接合されている。そして、このプレス機
構により、ディスク基板保持部14およびディスク外周
支持部15によって固定されたディスク基板1を押圧可
能に構成されている。
【0088】以上のようにして、この第1の実施形態に
よるディスク基板1とシート4との貼り合わせ装置10
が構成されている。なお、この貼り合わせ装置10は、
減圧可能な真空チャンバ内に設置するようにしてもよ
い。そして、このように貼り合わせ装置10を真空チャ
ンバ内に設ける場合においては、真空チャンバを、その
内部の圧力、すなわち貼り合わせ時におけるディスク基
板1とシート4の周辺の圧力として、4.0×102
2.0×104Paの範囲内、好ましくは1.0×103
〜8.0×103Paの範囲内で、制御可能に構成する
ことが望ましい。
【0089】そして、図2に示すステップST3におけ
る準備工程においては、まず、図5に示すように、貼り
合わせ装置10における外周支持部移動機構18を、空
間17内で、コイルバネ16に引っ張り力を生じさせる
方向(図5中、下方)に移動させる。そして、ディスク
外周支持部15を、少なくともその上端がシート4の載
置に支障のない程度まで、シート保持部13中に引き込
ませる。
【0090】次に、シート4を、粘着層2b側が押圧部
12を向くようにしつつ、その貫通孔2cがディスク基
板保持部14に嵌合されるようにして、シート載置面1
3a上に載置する。このシート4の載置とともに、シー
ト保持部13に設けられた真空吸着孔(図示せず)内を
真空引きする。これにより、シート4を、シート載置面
13a上に平面状を保った状態で吸着させることができ
る。すなわち、一般に、シート4は、少なくともディス
ク基板1との貼り合わせ以前の段階の平面円環状に打ち
抜かれる前段階において、ロール状に巻き取られている
ことが多い。そのため、シート4をシート載置面13a
上に載置する場合、そのロール状に巻かれている状態が
現出し、巻きぐせなどのくせが出てしまう。そのため、
シート載置面13a上でシート4を吸着することによっ
て、シート4を平面状に固定することができる。
【0091】次に、外周支持部移動機構18を、コイル
バネ16に反発力を生じさせる方向(図5中、上方)に
移動させる。これにより、ディスク外周支持部15がコ
イルバネ16に押されて、通常の高さh、この第1の実
施形態においては、例えばh=2mmまで突出される。
【0092】次に、ディスク基板1を、貼り合わせ装置
10のシート保持部13上に搬送する。そして、このデ
ィスク基板1における情報信号部1cが設けられた一主
面側がシート4を向くようにして、そのセンターホール
1bを基板位置出しピン14aに嵌め合わせる。これに
より、ディスク基板1における内周部がディスク基板載
置面14b上に載置され、外周部(ディスク基板の外周
からΔrの部分)がディスク外周支持部15の上端上に
載置される。このとき、ディスク基板1が多少斜めに傾
いて載置されたり、ディスク基板が反っていたりする場
合であっても、ディスク基板1の外周部がディスク外周
支持部15の上端上で支持されるため、ディスク基板1
とシート4との間にはクリアランスが形成され、ディス
ク基板1の一主面とシート4の粘着層2bとが接触して
しまうのを防止することができ、ブロッキング現象の防
止を図ることができる。
【0093】以上により、それぞれのシート4およびデ
ィスク基板1は、ディスク基板1の情報信号部1cが設
けられた一主面と、シート4の粘着層2bとが互いに対
向するように載置され、準備工程が終了する。その後、
ステップST4に移行する。
【0094】ステップST4においては、貼り合わせ装
置10を用いて、ディスク基板1とシート4との貼り合
わせを行う。
【0095】すなわち、まず、押圧部12をディスク基
板1に近づける方向に移動させる。そして、押圧部12
のパッド12bを、その頂点部から基板位置出しピン1
4aの上端、そしてディスク基板1の情報信号部1cが
設けられた側とは反対側の面(他主面)に接触させ、頂
点から順次外周側に向かって、押圧部分を広げていく。
なお、貼り合わせ装置を真空チャンバ内に設置した場
合、真空チャンバ内の圧力を、4.0×102〜2.0
×104Paの範囲内、好ましくは1.0×103〜8.
0×103Paの範囲内の圧力、具体的には、例えば2
666Pa(20mmHg)とする。
【0096】このとき、ディスク基板保持部14におい
ては、押圧部12により基板位置出しピン14aが押圧
されるとともに、ディスク基板1を介してディスク基板
保持部14が押圧され、シート保持部13内に押し込ま
れていく。これに伴い、ディスク基板1の一主面が、シ
ート4の粘着層2bに、センターホール1b周辺から外
周部に向けて順次接着され、貼り合わせられていく。こ
こで、この押圧時の押圧力は、4.90×104〜2.
94×106Paの範囲内に選ばれ、この第1の実施形
態においては、具体的に、例えば4.90×105Pa
(5kgf/cm2)程度である。
【0097】また、このとき、図7に示すディスク外周
支持部15においては、押圧部12によるディスク基板
1の押圧により、ディスク基板1の外周部を介してディ
スク外周支持部15が押圧される。そして、このディス
ク外周支持部15がシート保持部13内に徐々に押し込
まれていく。このように、ディスク外周支持部15が押
し込まれ、クリアランスhが減少していくのに伴い、そ
の上端のディスク基板1の外周部を支持する領域、すな
わち支持する幅Δrが減少し、ディスク基板1の外周部
から外側に移動していく。そして、ディスク基板1の外
周部における支持される領域の幅Δrが0になったと
き、すなわち、この第1の実施形態においては、シート
4とディスク基板1とのクリアランスhがほぼ1mm程
度になったときに、ディスク基板1の一主面がシート4
の粘着層2bに一気に接着される。この接着された段階
で、パッド12bは、ブラケット12aの形状に沿って
ほぼ平板形状になり、ディスク基板1とシート4とが貼
り合わせられ、圧着状態となる。このとき、この圧着状
態においては、押圧力を4.90×105Pa(5kg
f/cm2)とするとともに、この圧着状態を、1s以
上60s未満の間、好ましくは1s以上40s以下の
間、この第1の実施形態においては、例えば20sの間
保持する。これにより、ディスク基板1とシート4との
圧着が安定する。
【0098】圧着が安定した後、シート保持部13にお
ける真空吸着孔の真空状態を開放することにより、シー
ト4の吸着固定を解除する。そして、押圧部12を固定
ステージ11から離れる方向に、徐々に開放させる。そ
の後、所定の搬送装置(図示せず)を用いて、粘着層2
bを介して圧着されたディスク基板1およびシート4を
固定ステージ11から搬出する。
【0099】以上により、図1に示す、レプリカ基板1
aの凹凸が形成された一主面に、情報信号部1cと、粘
着層2bおよび光透過性シート2aからなる光透過層2
とが設けられた光ディスクが製造される。
【0100】ここで、本発明者は、この第1の実施形態
による貼り合わせ装置を用いて製造した光ディスク(第
1の実施例)と、この第1の実施形態による貼り合わせ
装置を真空チャンバ(貼り合わせ時の到達真空度:26
66Pa(20mmHg))内に設置して製造した光ディ
スク(第2の実施例)と、従来の貼り合わせ装置を用い
て製造した光ディスク(第1の比較例)とを、それぞれ
200枚ずつ製造した。そして、これらの光ディスク
を、ディスク欠陥検査機(Dr.Schenk社製:VCD-120-CTL
N)を用いて検査した。そして、光ディスクの光透過層
表面に径が50μm以上の気泡が存在する光ディスクの
枚数を調べるとともに、目視により、ブロッキング現象
による接着むらの発生している光ディスクの枚数を調べ
た。なお、観測領域は、光ディスクのデータ記録領域と
して用いられる半径が22〜58.5mmの帯状領域で
ある。
【0101】その結果を、以下の表1に示す。なお、以
下の表1における「良品枚数」とは、気泡欠陥と接着む
らのいずれの欠陥をも検出されない光ディスクの枚数で
ある。
【0102】
【表1】
【0103】表1から、径が50μm以上の気泡欠陥に
おいては、第1の比較例による光ディスクにおいて20
0枚中86枚検出されたのに対し、第1の実施例による
光ディスクにおいて200枚中3枚のみが検出されたに
過ぎず、さらに、第2の実施例による光ディスクにおい
ては、200枚中、気泡欠陥が検出された光ディスクは
全く存在しないことが確認された。
【0104】また、表1から、ブロッキング現象による
接着むらにおいては、従来の貼り合わせ装置を用いて製
造された光ディスクにおいて、200枚中52枚検出さ
れたのに対し、この第1の実施形態による貼り合わせ装
置を用いて製造された光ディスクにおいては、200枚
中9枚のみが検出されたに過ぎず、さらに、真空チャン
バ内に設置された貼り合わせ装置を用いて製造された光
ディスクにおいて、200枚中3枚しか検出されないこ
とが確認された。
【0105】また、気泡欠陥および接着むらのいずれも
存在しない光ディスクを抽出したところ、表1に示すよ
うに、第1の比較例による光ディスクにおいて200枚
中74枚(良品率、37.0%)であり、第1の実施例
による光ディスクにおいて200枚中189枚(良品
率、94.5%)であり、第2の実施例による光ディス
クにおいて200枚中197枚(良品率、98.5%)
であった。
【0106】すなわち、第1の比較例による光ディスク
に比して、第1の実施例による光ディスクでは、ディス
ク外周支持部15によりブロッキング現象に起因する接
着むらの発生が少ないことが確認され、第2の実施例に
よる光ディスクでは、さらに、貼り合わせを真空中で行
うようにしていることにより、気泡の入り込みを防止す
ることができることが確認された。
【0107】以上説明したように、この第1の実施形態
によれば、ディスク基板1をシート4に圧着させること
により、ディスク基板1上にシート4を貼り合わせるよ
うにした光ディスクの製造において、ディスク基板1の
外周部を、シート保持部13の中央に向けて傾斜した複
数のピンから構成されるディスク外周支持部15によっ
て支持し、そのセンターホール1bから外周部に向け
て、シート4に順次貼り合わせるようにしていることに
より、ディスク基板1には、シート4が存在する方向に
向いた力が作用しつつ外周方向に向いた力も作用し、外
周部のクリアランスを十分に保ちつつ、ディスク基板1
とシート4との間の空気を外周方向に抜きながら、貼り
合わせを行うことができる。そのため、ディスク基板1
とシート4との間に気泡が混入するのを防止することが
できるとともに、ディスク基板1の外周部が、圧着前に
シート4に接触することがないため、接着むらが生じる
のを防止することができる。また、これらの貼り合わせ
を真空中で行うようにした場合、気泡の混入をより低減
することができ、気泡混入の防止効果をより向上させる
ことができる。したがって、接着むらや気泡混入が少な
く、薄型化され、小複屈折で、透明性良好で厚さも均一
な光透過層を有し、対物レンズの高NA化に対応可能
な、高信頼性を有する光ディスクを製造することができ
る。
【0108】また、この第1の実施形態においては、デ
ィスク外周支持部15を複数のピンから構成し、これら
の複数のピンを、ディスク基板1の直径より大きい直径
を有する仮想的な円周上に並べ、ディスク基板保持部1
4の中心側に向けて傾斜させるようにしていることによ
り、押圧部12によりディスク基板1が押圧されるのに
伴って、このディスク外周支持部15がディスク基板1
の外周部から外側に逃げ、貼り合わせの途中の段階にお
いて、ディスク外周支持部15による支持が解除される
ため、ディスク基板1の一主面上に、ディスク基板1の
直径と等しい直径のシート4を貼り合わせることができ
る。そのため、粘着層2bが被着された光透過性シート
2aを貼り合わせることにより、光透過層2を形成する
ようにした光ディスクにおいて、従来、光透過層を形成
することができなかった領域(光ディスク外周)にも光
透過層を形成することができるので、光ディスクの外周
における腐食を防止することができるのみならず、記録
領域の面積を広げることができるので、情報信号部1c
におけるランドやグルーブの狭小化を行うことなく、光
ディスクにおける記憶容量を増加させることができる。
具体的には、この第1の実施形態による光ディスクのよ
うな片面記録型の光ディスクにおいて、記憶容量が22
GB程度の場合、0.5GB(512MB)程度の記憶
容量の増加を図ることができる。
【0109】次に、この発明の第2の実施形態について
説明する。なお、この第2の実施形態による光ディス
ク、ディスク基板1およびシート4については、第1の
実施形態におけると同様であるので説明を省略する。
【0110】まず、この第2の実施形態による貼り合わ
せ装置について説明する。図8に、この第2の実施形態
による貼り合わせ装置20を示す。
【0111】図8に示すように、この第2の実施形態に
よる貼り合わせ装置においては、固定ステージ21と押
圧部22とが、互いに対向した位置に設置されて構成さ
れている。
【0112】固定ステージ21は、シート4を載置する
ためのものであり、シート4を載置可能に構成されてい
る。すなわち、固定ステージ21における押圧部22に
対向した部分には、金属平板などの平面ステージからな
るシート保持部23が設けられている。このシート保持
部23におけるシート4を載置するシート載置面23a
には、複数個の真空吸引孔(図示せず)が設けられてい
る。これらの真空吸引孔は、それらの内部を真空排気可
能に構成されている。これにより、シート保持部23に
おけるシート載置面23a上に、シート4を、平面性を
保ちつつ吸着固定することができるように構成されてい
る。
【0113】また、固定ステージ21には、シート保持
部23に対して突出および埋没する方向に移動可能な、
2段円柱形状を有するディスク基板保持部24が設けら
れている。このディスク基板保持部24の径は、上述し
たシート4の貫通孔2cの径にほぼ等しくなるように構
成されている。そして、この貫通孔2cをディスク基板
保持部24に嵌め合わせることにより、シート4をシー
ト保持部23上に載置可能に構成されている。また、シ
ート保持部23には、このディスク基板保持部24を格
納可能な空間が設けられている。この空間内において、
ディスク基板保持部24を突出可能に構成されたコイル
バネ(図示せず)が、ディスク基板保持部24の下部に
連結されて設けられている。そして、ディスク基板保持
部24をシート載置面23aに垂直な方向に押し込むこ
とにより、ディスク基板保持部24をシート保持部23
内に埋没させることができるように構成されている。
【0114】また、このディスク基板保持部24の上部
には、円柱状に突出した基板位置出しピン24aが設け
られている。この基板位置出しピン24aの径は、上述
したディスク基板1のセンターホール1bの径にほぼ等
しくなるように構成されている。そして、ディスク基板
1のセンターホール1bを基板位置出しピン24aに嵌
合させたときには、ディスク基板載置面24bによっ
て、ディスク基板1の内周部、すなわちセンターホール
1bの周辺を支持可能に構成されている。以上のよう
に、ディスク基板保持部24は、ディスク基板1のセン
ターホール1bを貫通可能な径を有する小径部(基板位
置出しピン24a)と、シート4の貫通孔2cを貫通可
能な径を有する大径部とからなる。すなわち、ディスク
基板保持部24は、シート載置面23aに平行な断面が
同心円となる2段円柱状に構成され、これにより、ディ
スク基板1とシート4との中心位置出し可能に構成され
ている。
【0115】また、シート保持部23の外周部には、デ
ィスク基板1をその外周端で支持可能に構成され、シー
ト4を載置する領域の外側で、複数のピンが円周状に並
べて構成されたディスク外周支持部25が設けられてい
る。このディスク外周支持部25は、ディスク基板1と
シート4とのクリアランスを形成するためのものであ
る。特に、このディスク外周支持部25は、ディスク基
板1を押圧しない限り、ディスク基板1の外周端がシー
ト4に接触しないように支持可能に構成されている。ま
た、ディスク外周支持部25のうちのディスク基板1を
支持する部分は、ディスク外周支持部25を構成するそ
れぞれのピンの上部に形成された、シート載置面23a
に対して所定の角度をなすテーパ形状に形成されたテー
パ面部25aである。
【0116】ディスク外周支持部25における複数のピ
ンは、それぞれディスク基板保持部24が設けられた方
向、すなわちシート4の半径方向に沿って移動可能に構
成されている。
【0117】すなわち、シート保持部23内には、ディ
スク外周支持部25における複数のピンを移動させるた
めの空間が形成されている。そして、この空間内におい
て、ディスク外周支持部25におけるそれぞれのピンの
下部に連結されて、コイルバネ26が設けられている。
これにより、ディスク外周支持部25におけるそれぞれ
のピンは、通常時において、その下部がシート載置面2
3aの領域外周より外側で、かつ、テーパ面部25aが
シート載置面23aの領域外周上方より内側になるよう
な状態、いわゆるかさになるように維持することができ
るように構成されている。他方、ディスク外周支持部2
5におけるそれぞれのピンに対し、シート載置面23a
の外周外側の向きに力が作用した場合に、シート4の半
径方向に沿って外側の向きに移動可能に構成されてい
る。すなわち、コイルバネ26によって、複数のピンか
らなるディスク外周支持部25が、シート4の半径方向
(図8中、矢印a)に沿って、拡大/縮小するように移
動可能に構成されている。なお、コイルバネ26のバネ
定数は、好適には1.0N/mであるが、必ずしも、こ
の値に限定されるものではなく、ピンの本数や後述する
押圧力に応じて、適切な値のものが用いられる。また、
このコイルバネ26と同様の弾性を有するその他の弾性
体を用いることも可能である。
【0118】また、シート保持部23内には空間27が
設けられている。この空間27の内部には、ディスク基
板1の貼り合わせ方向とほぼ平行な方向(図8中、矢印
b方向)に移動可能に構成された外周支持部移動機構2
8が設けられている。そして、この外周支持部移動機構
28の外周部にコイルバネ26が連結されている。ここ
で、コイルバネ26は、ディスク外周支持部25に連結
された一端とは反対側の他端に連結されている。そし
て、ディスク外周支持部25に対して、シート載置面2
3a外周外側に向けて力を作用させることなくディスク
外周支持部25をシート載置面23aの外側の向きに移
動させる際には、外周支持部移動機構28をコイルバネ
26において引力が生じる方向(図8中、矢印b下方)
に移動させる。これにより、コイルバネ26に引っ張り
力が生じ、ディスク外周支持部25が引っ張られて、デ
ィスク基板保持部24に対してシート載置面23aの外
側の向きに移動させることが可能となる。
【0119】また、上述したように、ディスク外周支持
部25は複数のピンから構成されている。ここで、ディ
スク外周支持部25が設けられたシート保持部23の平
面図を図9に示す。
【0120】図9に示すように、ディスク外周支持部2
5を構成する複数のピンは、その上部が例えば矩形状を
有しているとともに、内周側のかさ状に構成された部分
からなるテーパ面部25aが形成されている。また、こ
れらの複数のピンは、ディスク基板保持部24の中心を
その中心とした半径r3の仮想的な円周上に設けられて
いる。また、このディスク外周支持部25を構成する複
数のピンが並べられた仮想的な円の半径r3は、少なく
ともシート4の半径r0(例えば、r0=60mm)より
大きい。また、ディスク外周支持部25における個々の
ピンは、好ましくは、この円に内接する正多角形(正n
角形)の頂点の位置に設けられる。ここで、この第2の
実施形態においては、複数のピンは、その中心が半径r
3=65mmの仮想的な円に内接した正6角形の各頂点
の位置に配置されるように、それぞれ設けられている。
【0121】また、ディスク外周支持部25を構成する
ピンの部分を拡大したものを、図10に示す。図10に
示すように、ディスク外周支持部25を構成する個々の
ピンの上部のテーパ面部25aのテーパ角Θは、ディス
ク基板1とシート4との間の所望とするクリアランス
や、ディスク外周支持部25が外側に移動する際の円滑
な移動の観点から決定される。すなわち、このテーパ角
Θは、10°〜80°の範囲、好ましくは、30°〜6
0°の範囲から選ばれ、この第2の実施形態において
は、例えば45°に選ばれる。
【0122】また、このディスク外周支持部25を構成
するピンにおいて、テーパ面部25aが形成されている
かさ状部分の下端のシート載置面23aからの高さ
0′は、シート4の厚さに基づいて決定され、具体的
には、シート4の厚さが0.1mm程度の場合に0.1
5〜0.3mmの範囲から選ばれ、この第2の実施形態
においては、例えばh0′=0.2mmに選ばれる。ま
た、ディスク基板1のテーパ面部25aによって支持さ
れる部分は、ディスク基板1の一主面側の外周端の部分
となる。
【0123】以上のようにして、貼り合わせ装置20の
固定ステージ21が構成されている。
【0124】一方、図8に示すように、押圧部22は、
ブラケット22aと、このブラケット22aのシート載
置面23aに対向した面上に固定されたパッド22bと
から構成されている。このパッド22bは、例えば、球
体を所定の平面により分割したときの一方の部分からな
る部分球体形状、もしくは円錐形状を有し、その曲率半
径は例えば120mmである。また、パッド22bにお
ける部分球体形状または円錐形状における頂点は、シー
ト保持部23におけるディスク基板保持部24および基
板位置出しピン24aの中心軸上に、ほぼ重なるように
配置可能に構成されている。また、パッド22bは、例
えばシリコーンゴムなどの弾性体から構成され、そのゴ
ム硬度としては、5〜70度、好ましくは20〜60度
の範囲から選ばれ、この第2の実施形態においては、ゴ
ム硬度は例えば60に選ばれる。ここで、パッド22b
を構成する弾性体としては、シリコーンゴムのほかに、
ウレタンゴム、SBR、クロロプレンゴム、アクリルゴ
ム、フッ素ゴムなどを挙げることができる。また、押圧
部22のブラケット22aのパッド22bが固定された
面とは反対側の面に、エアシリンダーなどのプレス機構
(図示せず)が接合されている。そして、このプレス機
構により、ディスク基板保持部24およびディスク外周
支持部25によって固定されたディスク基板1を押圧可
能に構成されている。
【0125】以上のようにして、この第2の実施形態に
よるディスク基板1とシート4との貼り合わせ装置20
が構成されている。なお、この貼り合わせ装置20は、
減圧可能な真空チャンバ内に設置するようにしてもよ
い。そして、このように貼り合わせ装置20を真空チャ
ンバ内に設ける場合においては、真空チャンバを、その
内部の圧力、すなわち貼り合わせ時におけるディスク基
板1とシート4の周辺の圧力として、4.0×102
2.0×104Paの範囲内、好ましくは1.0×103
〜8.0×103Paの範囲内で、制御可能に構成する
ことが望ましい。
【0126】次に、以上のように構成された貼り合わせ
装置20を用いた、ディスク基板1とシート4との貼り
合わせ方法について説明する。なお、この貼り合わせ
は、図2に示すフローチャートに基づいて行われる。
【0127】すなわち、まず、図2に示すステップST
1において、第1の実施形態におけると同様に、図3に
示すレプリカ基板1aを製造した後、ステップST2に
おいて、レプリカ基板1aの一主面に情報信号部1cを
形成する。これによりディスク基板1が製造される。そ
の後、ステップST3に移行する。
【0128】ステップST3においては、図4に示すシ
ート4を、粘着層2bを介してディスク基板1の一主面
に貼り合わせ可能な状態とする、ディスク基板とシート
との準備工程を行う。すなわち、まず、別のプロセスの
ステップS1において、粘着層2bにラミネートされた
保護フィルムを剥離する。そして、この保護フィルムが
剥離された状態のシート4を、ディスク基板1とシート
4との貼り合わせ装置20に搬送する。他方、図8に示
す貼り合わせ装置20においては、外周支持部移動機構
28を、空間27内で、コイルバネ26に引っ張り力を
生じさせる方向(図8中、下方)に移動させる。そし
て、ディスク外周支持部25を、少なくともその上端が
シート4の載置に支障のない程度まで、ディスク基板保
持部24に対して外側に移動させる。
【0129】その後、シート4を、粘着層2b側が押圧
部22を向くようにしつつ、その貫通孔2cがディスク
基板保持部24に嵌合されるようにして、シート載置面
23a上に載置する。このシート4の載置とともに、シ
ート保持部23に設けられた真空吸着孔(図示せず)内
を真空引きする。これにより、シート4を、シート載置
面23a上に平面状を保った状態で吸着させることがで
きる。すなわち、一般に、シート4は、少なくともディ
スク基板1との貼り合わせ以前の段階の平面円環状に打
ち抜かれる前段階において、ロール状に巻き取られてい
ることが多い。そのため、シート4をシート載置面23
a上に載置する場合、そのロール状に巻かれている状態
が現出し、巻きぐせなどのくせが出てしまう。そのた
め、シート載置面23a上でシート4を吸着することに
よって、シート4を平面状に固定することができる。
【0130】次に、外周支持部移動機構28を、コイル
バネ26に反発力を生じさせる方向(図8中、上方)に
移動させる。これにより、ディスク外周支持部25が、
コイルバネ26に押され、ディスク基板保持部24に対
して内側の向きに移動され、通常の位置(半径r3の位
置)まで戻される。
【0131】次に、ディスク基板1を、貼り合わせ装置
20のシート保持部23上に搬送する。そして、このデ
ィスク基板1における情報信号部1cが設けられた一主
面側がシート4を向くようにして、そのセンターホール
1bを基板位置出しピン24aに嵌め合わせる。これに
より、ディスク基板1における内周部がディスク基板載
置面24b上に載置されるとともに、外周端の部分がデ
ィスク外周支持部25のテーパ面部25a上に載置され
る。このとき、ディスク基板1が多少斜めに傾いて載置
されたり、ディスク基板が反っていたりする場合であっ
ても、ディスク基板1の外周端がディスク外周支持部2
5のテーパ面部25a上で支持される。そのため、ディ
スク基板1とシート4との間に所定のクリアランスが形
成され、ディスク基板1の一主面とシート4の粘着層2
bとが接触してしまうのを防止することができ、ブロッ
キング現象の防止を図ることができる。
【0132】以上により、それぞれのシート4とディス
ク基板1とが、ディスク基板1の情報信号部1cが設け
られた一主面と、シート4の粘着層2bとが互いに対向
するように載置され、準備工程が終了する。その後、ス
テップST4に移行する。
【0133】ステップST4においては、貼り合わせ装
置20を用いて、ディスク基板1とシート4との貼り合
わせを行う。
【0134】すなわち、まず、押圧部22をディスク基
板1に近づける方向に移動させる。そして、押圧部22
のパッド22bを、その頂点部から基板位置出しピン2
4aの上端、そしてディスク基板1の情報信号部1cが
設けられた側とは反対側の面(他主面)に接触させ、頂
点から順次外周側に向かって、押圧部分を広げていく。
なお、貼り合わせ装置を真空チャンバ内に設置した場
合、真空チャンバ内の圧力を、4.0×102〜2.0
×104Paの範囲内、好ましくは1.0×103〜8.
0×103Paの範囲内の圧力、具体的には、例えば2
666Pa程度とする。
【0135】このとき、ディスク基板保持部24におい
ては、押圧部22により基板位置出しピン24aが押圧
されるとともに、ディスク基板1を介してディスク基板
保持部24が押圧され、シート保持部23内に押し込ま
れていく。これに伴い、ディスク基板1の一主面が、シ
ート4の粘着層2bに、センターホール1b周辺から外
周部に向けて順次接着され、貼り合わせられていく。こ
こで、この押圧時の押圧力は、4.90×104〜2.
94×106Paの範囲内に選ばれ、この第2の実施形
態においては、具体的に、例えば4.90×105Pa
(5kgf/cm2)程度である。
【0136】また、このとき、図10に示すディスク外
周支持部25においては、押圧部22によるディスク基
板1の押圧により、ディスク基板1の外周端を介してデ
ィスク外周支持部25のテーパ面部25aが押圧され
る。そして、このテーパ面部25aに作用した力によっ
て、ディスク外周支持部25がディスク基板保持部24
に対して外側に移動されていく。このように、ディスク
外周支持部25が外側に移動していくのに伴い、ディス
ク基板1とシート4との間のクリアランスが減少してい
く。そして、ディスク基板1の外周端が、かさ状のテー
パ面部25aの下端に達したとき、すなわち、この第2
の実施形態においては、シート4とディスク基板1との
クリアランスh0′がほぼ0.2mm程度になったとき
に、ディスク基板1の一主面がシート4の粘着層2bに
一気に接着される。この接着された段階で、パッド22
bは、ブラケット22aの形状に沿ってほぼ平板形状に
なり、ディスク基板1とシート4とが貼り合わせられ、
圧着状態となる。このとき、この圧着状態においては、
押圧力を4.90×105Pa(5kgf/cm2)とす
るとともに、この圧着状態を、1s以上60s未満の
間、好ましくは1s以上40s以下の間、この第2の実
施形態においては、例えば20sの間保持する。これに
より、ディスク基板1とシート4との圧着が安定する。
【0137】圧着が安定した後、シート保持部23にお
ける真空吸着孔の真空状態を開放することにより、シー
ト4の吸着固定を解除する。そして、押圧部22を、固
定ステージ21から離れる方向に徐々に開放させる。そ
の後、所定の搬送装置(図示せず)を用いて、粘着層2
bを介して圧着されたディスク基板1およびシート4を
固定ステージ21から搬出する。
【0138】以上により、図1に示す、レプリカ基板1
aの凹凸が形成された一主面に、情報信号部1cと、粘
着層2bおよび光透過性シート2aからなる光透過層2
とが設けられた光ディスクが製造される。
【0139】ここで、本発明者は、この第2の実施形態
による貼り合わせ装置を用いて製造した光ディスク(第
3の実施例)と、従来の貼り合わせ装置を用いて製造し
た光ディスク(第2の比較例)とを、それぞれ10枚ず
つ製造した。そして、これらの光ディスクに対して、雰
囲気温度を80℃、雰囲気湿度を85%、放置時間を1
000時間とした加速試験を行い、光ディスクにおける
腐食発生を観測し、耐腐食性についての検査を行った。
【0140】この耐腐食性の実験結果を、以下の表2に
示す。なお、以下の表2における「腐食発生数」とは、
少なくとも1箇所に腐食の発生が確認された光ディスク
の枚数である。
【0141】
【表2】
【0142】すなわち、第2の比較例による光ディスク
に比して、第3の実施例による光ディスクでは、腐食が
全く発生していないことが確認された。また、第1の実
施形態におけると同様に、ディスク外周支持部25が設
けられていることにより、ブロッキング現象に起因する
接着むらの発生や、気泡の入り込みをも防止することが
できることが確認された。また、第2の比較例による光
ディスクに発生した腐食は、すべて、光ディスクの外周
部、特にシートに覆われていない領域から発生している
ことも確認された。
【0143】この第2の実施形態によれば、貼り合わせ
装置20に、押圧時にシート4の外周外側に移動するデ
ィスク外周支持部25を設けていることにより、第1の
実施形態におけると同様の効果を得ることができる。
【0144】次に、この発明の第3の実施形態について
説明する。なお、この第3の実施形態における光ディス
ク、ディスク基板1およびシート4については、第1の
実施形態におけると同様であるので説明を省略し、図面
に関しては、それぞれ図1、図3および図4を用いる。
また、この第3の実施形態による光ディスクの製造方法
については、第1の実施形態におけると同様のプロセス
であり、以下の説明において、図2を用いる。
【0145】この第3の実施形態による光ディスクの製
造方法においては、まず、図2に示すステップST1お
よびステップST2を順次経て、図3に示すディスク基
板1を製造した後、ステップST3に移行し、ディスク
基板とシートとの準備工程を行う。
【0146】ステップST3においては、まず、別のプ
ロセスのステップS1において、粘着層2bにラミネー
トされた上述の保護フィルムを剥離した後、保護フィル
ムが剥離された状態のシート4を、ディスク基板1とシ
ート4との貼り合わせ装置にまで搬送し、所定の位置に
載置する。
【0147】ここで、この第3の実施形態による光ディ
スクの製造に用いる貼り合わせ装置について説明する。
図11に、この貼り合わせ装置の側面図を示し、図12
にその平面図を示す。なお、図11および図12におい
ては、固定ステージのみを示し、押圧部は第1の実施形
態における押圧部12と同様であるので図示省略する。
また、図13および図14に、図12のA−A線に沿っ
た断面図を示し、図15および図16に図12のB−B
線に沿った断面図を示す。
【0148】図11に示すように、固定ステージ31
は、シート4を載置するためのものであり、シート4を
載置可能に構成されている。すなわち、固定ステージ3
1における押圧部(図示せず)に対向した部分には、金
属平板などの平面ステージからなるシート保持部32が
設けられている。このシート保持部32におけるシート
4を載置するシート載置面32aには、複数個の真空吸
引孔(図示せず)が設けられている。これらの真空吸引
孔は、それらの内部を真空排気可能に構成されている。
これにより、シート保持部32におけるシート載置面3
2a上に、シート4を、平面性を保ちつつ吸着固定する
ことができるように構成されている。
【0149】また、固定ステージ31には、シート保持
部32に対して突出および埋没する方向に移動可能な、
2段円柱形状を有するディスク基板保持部33が設けら
れている。このディスク基板保持部33の径は、上述し
たシート4の貫通孔2cの径にほぼ等しくなるように構
成されている。そして、この貫通孔2cをディスク基板
保持部33に嵌め合わせることにより、シート4をシー
ト保持部32上に載置可能に構成されている。また、シ
ート保持部32には、このディスク基板保持部33を格
納可能な空間が設けられている。この空間内において、
ディスク基板保持部33を突出可能に構成されたコイル
バネ(図11中、図示せず)が、ディスク基板保持部3
3の下部に連結されて設けられている。そして、ディス
ク基板保持部33をシート載置面32aに垂直な方向に
押し込むことにより、ディスク基板保持部33をシート
保持部32内に埋没可能に構成されている。
【0150】また、このディスク基板保持部33の上部
には、円柱状に突出した基板位置出しピン33aが設け
られている。この基板位置出しピン33aの径は、上述
したディスク基板1のセンターホール1bの径にほぼ等
しくなるように構成されている。そして、ディスク基板
1のセンターホール1bを基板位置出しピン33aに嵌
合させたときには、ディスク基板載置面33bによっ
て、ディスク基板1の内周部、すなわちセンターホール
1bの周辺を支持可能に構成されている。以上のよう
に、ディスク基板保持部33は、ディスク基板1のセン
ターホール1bを貫通可能な径を有する小径部(基板位
置出しピン33a)と、シート4の貫通孔2cを貫通可
能な径を有する大径部とからなる。すなわち、ディスク
基板保持部33は、シート載置面32aに平行な断面が
同心円となる2段円柱状に構成され、これにより、ディ
スク基板1とシート4との中心位置出し可能に構成され
ている。
【0151】また、シート保持部32の外周側には、デ
ィスク基板1の外周部を支持可能に構成され、同心円状
に並べられた複数のピンから構成されたディスク外周支
持部34が設けられている。このディスク外周支持部3
4は、ディスク基板1とシート4とのクリアランスを形
成するためのものである。特に、このディスク外周支持
部34は、ディスク基板1の外周部を持ち上げるように
して支持可能に構成されている。このディスク外周支持
部34におけるディスク基板1を支持する上端は、ピン
の外周円側部からなるが、シート載置面32aとほぼ平
行になるような形状にすることも可能である。
【0152】また、固定ステージ31の上部にプッシュ
リング35が設けられているとともに、下部にピンシリ
ンダー部36が設けられている。なお、これらのプッシ
ュリング35およびピンシリンダー部36に関する詳細
は後述する。
【0153】また、図12に示すように、ディスク外周
支持部34を構成する複数のディスク外周支持ピン34
aは、その上面が例えば円形状または楕円形状を有する
とともに、ディスク基板保持部33の中心をその中心と
した仮想的な円周上に設けられている。また、ディスク
外周支持部34における個々のディスク外周支持ピン3
4aは、好ましくは、この円に内接する正多角形(正n
角形)の頂点の位置に設けられる。ここで、この第3の
実施形態においては、複数のディスク外周支持ピン34
aは、その中心が半径61mmの仮想的な円に内接した
正12角形の各頂点の位置に配置されるように、それぞ
れ設けられている。また、同様に、シリンダー部36お
よび水平保持部37が、それぞれ、この仮想的な円に内
接した正3角形の各頂点の位置で互いに位相のずれた位
置に、配置されて設けられている。
【0154】また、図13および図14に示すように、
ディスク外周支持部34は、ディスク基板保持部33が
設けられた方向で、シート載置面32aに対して傾斜し
た方向に、突出可能および埋没可能に設けられている。
このディスク外周支持部34は、内周に向かって斜めに
突出可能で、ディスク基板1の外周部を直接支持可能に
構成されたディスク外周支持ピン34aと、ディスク外
周支持ピン34aの運動を円滑にするためのブッシュ3
4bと、ディスク外周支持ピン34aを突出させるため
のスプリング34cとから構成される。そして、このス
プリング34cにより、ディスク外周支持部34は、通
常時においてシート載置面32aより上部に突出した状
態に維持可能となる。他方、ディスク外周支持部34が
突出する向きとは反対側の向きに押された場合には、シ
ート保持部32の内部に埋没させることができるように
構成されている。すなわち、ディスク外周支持部34の
ディスク外周支持ピン34aは、スプリング34cによ
り、シート載置面32aに対して、ディスク基板保持部
33の中央部に向けて傾斜した方向(図13、図14
中、矢印a)に、埋没/突出可能に構成されている。な
お、スプリング34cのバネ定数は、好適には1.0N
/mであるが、必ずしも、この値に限定されるものでは
なく、ディスク外周支持ピンの本数や後述する押圧力に
応じて、適切な値のものが用いられる。また、このスプ
リング34cと同様の弾性を有するその他のものを用い
ることも可能である。
【0155】また、上述したように固定ステージ31の
上部に、プッシュリング35が、ディスク外周支持部3
4上のディスク外周支持ピン34aの上端に接して設け
られている。このプッシュリング35は、図12に示す
ように、円環形状を有し、内径が、円形状の載置面を有
するシート載置面32aの外径より大きくなるように構
成されている。
【0156】また、このプッシュリング35自体を、デ
ィスク外周支持ピン34aをシート保持部32に対して
押し込む方向(図13および図14中、上下方向)に移
動可能に構成された複数のピンシリンダー部36が設け
られている。このピンシリンダー部36は、図12に示
すように、プッシュリング35の円環の部分に結合され
て設けられており、この第3の実施形態においては、さ
らに、ディスク基板保持部33の中心をその重心とした
仮想的な正三角形の頂点の位置に設けられている。
【0157】また、図13および図14に示すように、
プッシュリング35の円環面をシート載置面32aに対
して平行に維持可能に構成された、水平保持部37が設
けられている。この水平保持部37は、図15および図
16に示すように、プッシュリング35の下部に接続さ
れたリニアシャフト37aと、リニアブッシュ37bと
から構成されている。そして、これらのリニアシャフト
37aとリニアブッシュ37bとにより、ピンシリンダ
ー部36によるプッシュリング35の移動の際に、この
プッシュリング35とシート載置面32aとの平行状態
を維持し、プッシュリング35の水平性を保持すること
ができるように構成されている。
【0158】そして、図14および図16に示すよう
に、プッシュリング35が下がり、ディスク外周支持ピ
ン34aをシート載置面32aより下方に埋没させた状
態にするには、まず、ピンシリンダー部36のシリンダ
ーをエア制御により下方に引き込む。これに伴って、シ
リンダーに連結されたプッシュリング35の上部がシー
ト載置面32aの高さよりも下方向に移動する。これに
より、プッシュリング35に接したディスク外周支持ピ
ン34aが押し込まれ、シート載置面32aより下方に
埋没される。そして、シート載置面32a上にシート4
を載置可能な状態となる。
【0159】また、図13および図15に示すように、
プッシュリング35が上がり、ディスク外周支持ピン3
4aをシート載置面32aより上方に突出させた状態に
するには、まず、ピンシリンダー部36のシリンダーを
エア制御により上方に引き上げる。これに伴って、プッ
シュリング35に押し込まれていたディスク外周支持ピ
ン34aが解放されるとともに、スプリング34cの復
元力によりシート載置面32aより上方に突出される。
そして、ディスク基板1をディスク基板保持部33上に
載置した際に、ディスク基板1の外周部がディスク外周
支持ピン34aの上部によって支持される。これによ
り、ディスク基板1とシート4とのクリアランスが保た
れる。
【0160】また、ディスク外周支持部34を構成する
ディスク外周支持ピン34aの部分を拡大したものを、
図17に示す。図17に示すように、ディスク外周支持
ピン34aの上端における円または楕円における直径ま
たは長径(R)は、例えば3.0mmである。そして、
このディスク外周支持ピン34aの上端の側部にディス
ク基板1の外周端が載置される。また、このディスク外
周支持部34が突出し、ディスク基板1が載置された状
態では、ディスク基板1とシート4とのクリアランス
h″は、1.0mm以上の範囲、具体的には、1.0〜
5.0mmの範囲から選ばれ、この第3の実施形態にお
いては、例えばh″=2.0mmに選ばれる。
【0161】また、ディスク外周支持部34は、ディス
ク基板保持部33が設置された向きで、シート載置面3
2aから例えば63°(=arctan(2/1))の角度をなす
方向に、傾斜して設けられている。この傾斜角φは、デ
ィスク基板1とシート4とにおける必要とするクリアラ
ンスや、ディスク外周支持部34の上端におけるディス
ク基板1を支持する領域の幅などにより決定されるもの
であり、必ずしもこの角度に限定されるものではない
が、傾斜している状態では、0°よりも大きな角度で、
少なくとも90°未満(0°<φ<90°)である必要
があり、好ましくは、50°〜70°(50°<φ<7
0°)である。
【0162】以上のようにして、貼り合わせ装置の固定
ステージ31が構成されている。
【0163】一方、押圧部は、第1の実施形態における
と同様に構成される。すなわち、図5に示すように、押
圧部は、ブラケットaと、このブラケットaのシート載
置面32aに対向した面上に固定されたパッドとから構
成されている。このパッドは、例えば、球体を所定の平
面により分割したときの一方の部分からなる部分球体形
状、もしくは円錐形状を有し、その曲率半径は例えば1
20mmである。また、パッドにおける部分球体形状ま
たは円錐形状における頂点は、シート保持部32におけ
るディスク基板保持部33および基板位置出しピン33
aの中心軸上に、ほぼ重なるように配置可能に構成され
ている。また、パッドは、例えばシリコーンゴムなどの
弾性体から構成され、そのゴム硬度としては、5〜70
度、好ましくは20〜60度の範囲から選ばれ、この第
3の実施形態においては、ゴム硬度は例えば60に選ば
れる。ここで、パッドを構成する弾性体としては、シリ
コーンゴムのほかに、ウレタンゴム、SBR、クロロプ
レンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴムなどを挙げること
ができる。また、押圧部のブラケットaのパッドが固定
された面とは反対側の面に、エアシリンダーなどのプレ
ス機構(図示せず)が接合されている。そして、このプ
レス機構により、ディスク基板保持部33およびディス
ク外周支持部34によって固定されたディスク基板1を
押圧可能に構成されている。
【0164】以上のようにして、この第3の実施形態に
よるディスク基板1とシート4との貼り合わせ装置が構
成されている。なお、この貼り合わせ装置は、減圧可能
な真空チャンバ内に設置するようにしてもよい。そし
て、このように貼り合わせ装置を真空チャンバ内に設け
る場合においては、真空チャンバを、その内部の圧力、
すなわち貼り合わせ時におけるディスク基板1とシート
4の周辺の圧力として、4.0×102〜2.0×104
Paの範囲内、好ましくは1.0×103〜8.0×1
3Paの範囲内で、制御可能に構成することが望まし
い。
【0165】そして、図2に示すステップST3におけ
る準備工程においては、まず、図14および図16に示
すように、固定ステージ31におけるピンシリンダー部
36のシリンダーをエア制御により下方に引き込み、プ
ッシュリング35を、その上部がシート載置面32aの
高さよりも下方になるように移動させる。その結果、プ
ッシュリング35に接したディスク外周支持ピン34a
は、プッシュリング35により押し込まれ、少なくとも
その上端がシート4の載置に支障のない程度まで、シー
ト保持部32中に引き込ませる。
【0166】次に、シート4を、粘着層2b側が押圧部
を向くようにしつつ、その貫通孔2cがディスク基板保
持部33に嵌合されるようにして、シート載置面32a
上に載置する。このシート4の載置とともに、シート保
持部32に設けられた真空吸着孔(図示せず)内を真空
引きする。これにより、シート4を、シート載置面32
a上に平面状を保った状態で吸着させることができる。
すなわち、一般に、シート4は、少なくともディスク基
板1との貼り合わせ以前の段階の平面円環状に打ち抜か
れる前段階において、ロール状に巻き取られていること
が多い。そのため、シート4をシート載置面32a上に
載置する場合、そのロール状に巻かれている状態が現出
し、巻きぐせなどのくせが出てしまう。そのため、シー
ト載置面32a上でシート4を吸着することによって、
シート4を平面状に固定することができる。
【0167】次に、図13および図15に示すように、
ピンシリンダー部36のシリンダーをエア制御により上
方に引き上げると、このピンシリンダー部36に連結さ
れたプッシュリング35が上方に移動する。このように
プッシュリング35を上方に移動させると、プッシュリ
ング35により押されていたディスク外周支持ピン34
aが解放され、スプリング34cにより上方向に突出さ
れる。これにより、ディスク外周支持ピン34aが、そ
の上端をシート載置面32aより上方として、突出さ
れ、ディスク基板1を載置可能となる。
【0168】次に、ディスク基板1を、貼り合わせ装置
のシート保持部32上に搬送する。そして、このディス
ク基板1における情報信号部1cが設けられた一主面側
がシート4を向くようにして、そのセンターホール1b
を基板位置出しピン33aに嵌め合わせる。これによ
り、ディスク基板1における内周部がディスク基板載置
面33b上に載置され、外周部がディスク外周支持部3
4の上端上に載置される。このとき、ディスク基板1が
多少斜めに傾いて載置されたり、ディスク基板が反って
いたりする場合であっても、ディスク基板1の外周部が
ディスク外周支持部34の上端上で支持されるため、デ
ィスク基板1とシート4との間にはクリアランスが形成
され、ディスク基板1の一主面とシート4の粘着層2b
とが接触してしまうのを防止することができ、ブロッキ
ング現象の防止を図ることができる。なお、この第3の
実施形態においては、クリアランスh″=2mmであ
る。
【0169】以上により、それぞれのシート4およびデ
ィスク基板1が、ディスク基板1の情報信号部1cが設
けられた一主面と、シート4の粘着層2bとが互いに対
向するように載置され、準備工程が終了する。その後、
ステップST4に移行する。
【0170】ステップST4においては、貼り合わせ装
置を用いて、ディスク基板1とシート4との貼り合わせ
を行う。
【0171】すなわち、まず、押圧部をディスク基板1
に近づける方向に移動させる。そして、押圧部のパッド
を、その頂点部から基板位置出しピン33aの上端、そ
してディスク基板1の情報信号部1cが設けられた側と
は反対側の面(他主面)に接触させ、頂点から順次外周
側に向かって、押圧部分を広げていく。なお、貼り合わ
せ装置を真空チャンバ内に設置した場合、真空チャンバ
内の圧力を、4.0×102〜2.0×104Paの範囲
内、好ましくは1.0×103〜8.0×103Paの範
囲内の圧力、具体的には、例えば2666Pa(20m
mHg)とする。
【0172】このとき、ディスク基板保持部33におい
ては、押圧部により基板位置出しピン33aが押圧され
るとともに、ディスク基板1を介してディスク基板保持
部33が押圧され、シート保持部32内に押し込まれて
いく。これに伴い、ディスク基板1の一主面が、シート
4の粘着層2bに、センターホール1b周辺から外周部
に向けて順次接着され、貼り合わせられていく。ここ
で、この押圧時の押圧力は、4.90×104〜2.9
4×106Paの範囲内に選ばれ、この第3の実施形態
においては、具体的に、例えば4.90×105Pa
(5kgf/cm2)程度である。
【0173】また、このとき、図17に示すディスク外
周支持部34においては、押圧部によるディスク基板1
の押圧により、ディスク基板1の外周端を介してディス
ク外周支持部34が押圧される。これにより、ディスク
外周支持部34はシート保持部32内に徐々に押し込ま
れる。そして、クリアランスh″が減少していくのに伴
い、その上端のディスク基板1の外周端を支持する部分
が、後退し、ディスク基板1の外側に向かって移動して
いく。この移動に伴って、ディスク基板1の外周端がデ
ィスク外周支持ピン34aから外れたときに、ディスク
基板1の一主面がシート4の粘着層2bに一気に接着さ
れる。この接着された段階で、パッドは、ブラケットa
(いずれも、図5参照)の形状に沿ってほぼ平板形状に
なり、ディスク基板1とシート4とが貼り合わせられ、
圧着状態となる。この圧着状態においては、押圧力を
4.90×105Pa(5kgf/cm2)とするととも
に、この圧着状態を、1s以上60s未満の間、好まし
くは1s以上40s以下の間、この第3の実施形態にお
いては、例えば20sの間保持する。これにより、ディ
スク基板1とシート4との圧着が安定する。
【0174】圧着が安定した後、シート保持部32にお
ける真空吸着孔の真空状態を開放することにより、シー
ト4の吸着固定を解除する。そして、押圧部を固定ステ
ージ31から離れる方向に、徐々に開放させる。その
後、所定の搬送装置(図示せず)を用いて、粘着層2b
を介して圧着されたディスク基板1およびシート4を固
定ステージ31から搬出する。
【0175】以上により、図1に示す、レプリカ基板1
aの凹凸が形成された一主面に、情報信号部1cと、粘
着層2bおよび光透過性シート2aからなる光透過層2
とが設けられた光ディスクが製造される。
【0176】ここで、本発明者は、この第3の実施形態
による貼り合わせ装置を用いて製造した光ディスク(第
4の実施例)と、この第3の実施形態による貼り合わせ
装置を真空チャンバ(貼り合わせ時の到達真空度:26
66Pa(20mmHg))内に設置して製造した光ディ
スク(第5の実施例)と、従来の貼り合わせ装置を用い
て製造した光ディスク(第3の比較例(第1の比較例と
同様の光ディスク))とを、それぞれ200枚ずつ製造
した。そして、これらの光ディスクを、ディスク欠陥検
査機(Dr.Schenk社製:VCD-120-CTLN)を用いて検査し
た。そして、光ディスクの光透過層表面に径が50μm
以上の気泡が存在する光ディスクの枚数を調べるととも
に、目視により、ブロッキング現象による接着むらの発
生している光ディスクの枚数を調べた。なお、観測領域
は、光ディスクのデータ記録領域として用いられる半径
が22〜58.5mmの帯状領域である。
【0177】その結果を、以下の表3に示す。なお、以
下の表3における「良品枚数」とは、気泡欠陥と接着む
らのいずれの欠陥をも検出されない光ディスクの枚数で
ある。
【0178】
【表3】
【0179】表3から、径が50μm以上の気泡欠陥に
おいては、第3の比較例による光ディスクにおいて20
0枚中86枚検出されたのに対し、第4の実施例による
光ディスクにおいて200枚中2枚のみが検出されたに
過ぎず、さらに、第5の実施例による光ディスクにおい
ては、200枚中、気泡欠陥が検出された光ディスクは
全く存在しないことが確認された。
【0180】また、表3から、ブロッキング現象による
接着むらにおいては、従来の貼り合わせ装置を用いて製
造された、第3の比較例による光ディスクにおいて、2
00枚中52枚検出されたのに対し、この第3の実施形
態による貼り合わせ装置を用いて製造された第4の実施
例による光ディスクにおいて、200枚中10枚のみが
検出されたに過ぎず、さらに、真空チャンバ内に設置さ
れた貼り合わせ装置を用いて製造された、第5の実施例
による光ディスクにおいては、200枚中4枚しか検出
されないことが確認された。
【0181】また、気泡欠陥および接着むらのいずれも
存在しない光ディスクを抽出したところ、表3に示すよ
うに、第3の比較例による光ディスクにおいて200枚
中74枚(良品率、37.0%)であり、第4の実施例
による光ディスクにおいて200枚中190枚(良品
率、95.0%)であり、第5の実施例による光ディス
クにおいて200枚中196枚(良品率、98.0%)
であった。
【0182】すなわち、第3の比較例による光ディスク
に比して、第4の実施例による光ディスクでは、ディス
ク外周支持部34によりブロッキング現象に起因する接
着むらの発生が少ないことが確認され、第5の実施例に
よる光ディスクでは、さらに、貼り合わせを真空中で行
うようにしていることにより、気泡の入り込みを防止す
ることができることが確認された。
【0183】以上説明したように、この第3の実施形態
によれば、ディスク基板1をシート4に圧着させること
により、ディスク基板1上にシート4を貼り合わせるよ
うにした光ディスクの製造において、ディスク基板1の
外周端を、シート保持部32の中央に向けて傾斜した複
数のディスク外周支持ピン34aから構成されるディス
ク外周支持部34によって支持し、そのセンターホール
1bから外周部に向けて、シート4に順次貼り合わせる
ようにしていることにより、ディスク基板1には、シー
ト4が存在する方向に向いた力が作用しつつ外周方向に
向いた力も作用し、外周部のクリアランスを十分に保ち
つつ、ディスク基板1とシート4との間の空気を外周方
向に抜きながら、貼り合わせを行うことができるので、
第1の実施形態におけると同様の効果を得ることができ
る。また、この第3の実施形態においては、ディスク外
周支持部34を複数のディスク外周支持ピン34aから
構成し、これらの複数のディスク外周支持ピン34a
を、ディスク基板1の外径より大きい直径を有する仮想
的な円周上に並べ、ディスク基板保持部33の中心側に
向けて傾斜させるようにしていることにより、従来、光
透過層を形成することができなかった領域(光ディスク
外周)にも光透過層を形成することができるので、やは
り、第1の実施形態におけると同様の効果を得ることが
できる。
【0184】以上、この発明の実施形態について具体的
に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定され
るものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の
変形が可能である。
【0185】例えば、上述の実施形態において挙げた数
値、材料、情報信号部1cの積層構造、光ディスクの種
類はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる
数値、材料、情報信号部1cの積層構造、光ディスクの
種類を用いてもよい。
【0186】また、例えば上述の第1および第3の実施
形態においては、シート保持部32に設けられたディス
ク外周支持部34を構成する個々のピンの配置を、それ
ぞれ図6および図12に示すような配置とし、第2の実
施形態においては、シート保持部23に設けられたディ
スク外周支持部25を構成する個々のピンの配置を、図
9に示すような配置としたが、図18Aに示すように、
シート保持部14,23、32に設けられたディスク外
周支持部15,25,34を構成する個々のピンを、デ
ィスク基板保持部14,24,33および基板位置出し
ピン14a,24a,33aの中心をその中心とした仮
想的な円に内接する正4角形の頂点の位置に配置するよ
うにしても良く、図18Bに示すように、個々のピンを
正5角形の頂点の位置に配置するようにしても良く、図
18Cに示すように、個々のピンを正16角形の頂点の
位置に配置するようにしても良い。また、第1の実施形
態によるディスク外周支持部34を構成する個々のピン
の配置を、図9に示すような配置にしても良く、第2の
実施形態によるディスク外周支持部25を構成する個々
のピンを、図6に示すような配置にしても良い。
【0187】また、上述の実施形態においては、情報信
号部1cの部分を構成する反射膜の材料としてAl合金
を用いたが、反射層の材料としては、Al合金以外に
も、Al、銀(Ag)、Ag合金、銅(Cu)、Cu合
金などを用いることも可能である。また、上述の実施形
態においては、相変化記録層として、GeInSbTe
合金からなるものを用いたが、相変化記録層としてはG
eSbTe合金などのその他の材料を用いることも可能
である。
【0188】また、上述の実施形態においては、シート
4を光透過性シート2aと粘着層2bとから構成した
が、シート4の光透過性シート2a側に、光透過性シー
ト2aを保護する、PETやPENからなる第2の保護
フィルムを設けてシート4を構成するようにしても良
い。このように、第2の保護フィルムを設けることによ
り、シート載置面13a,23a,32a上にシート4
を載置して吸着固定した場合でも、光透過性シート2a
にシート載置面13a,23a,32a上の異物などが
直接接触することを防止することができるので、光透過
性シート2aに傷などが発生するのを防止することがで
きる。また、このとき、この第2の保護フィルムにおけ
る光透過性シート2a側の面には、微粘着性の接着剤
(図示せず)が被着されており、この微粘着性の接着剤
からなる層を介して、光透過性シート2aと第2の保護
フィルムとが互いに接着されている。ここで、微粘着性
の接着剤は、光透過性シート2aとの接着力に比して、
第2の保護フィルムとの接着力が大きい接着材料から構
成して、光透過性シート2aと第2の保護フィルムとの
剥離を、微粘着性の接着剤からなる層と光透過性シート
2aとの界面における剥離になるようにする。また、上
述の保護フィルムや、第2の保護フィルムの厚さは、そ
れぞれ40μm程度であるが、この数値に限定されるも
のでないことは言うまでもない。
【0189】また、上述の第1〜第3の実施形態による
光ディスクを、そのクランプ領域3においてクランプし
回転させる際に、摩擦力を増加させる必要がある場合、
クランプ基準面3aを滑りにくくするために、グロー放
電やサンドブラスト処理により、選択的に、クランプ基
準面3aを粗面化するようにしても良い。このとき、こ
の粗面化はクランプ基準面3aに選択的に行われ、具体
的には、表面粗さRaが例えば30nm以上、好ましく
は120nm以上になるように粗面化される。
【0190】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ディスク基板の一主面を、少なくとも光透過性シー
トおよび接着層からなるシートに圧着して、接着層を介
してシートとディスク基板とを貼り合わせる際に、ディ
スク基板の外周部や外周端を、ディスク基板保持手段の
中央部に向けて傾斜したディスク基板支持部や、テーパ
形状の面部を有し押圧によってディスク基板の外周外側
に移動するディスク基板支持部により支持した後、押圧
手段によりディスク基板を押圧してシートに圧着して、
ディスク基板の一主面にシートを貼り合わせるようにし
ていることにより、光透過層の形成時に、しわや接着む
らが生じたり、接着層とディスク基板との間に気泡が混
入したりすることを防止することができるとともに、デ
ィスク基板の寸法とシートの寸法を等しくして貼り合わ
せを行うことができる。したがって、薄型化され、小複
屈折で、透明性良好で厚さも均一な光透過層を有し、対
物レンズの高NA化に十分対応可能で、耐腐食性が向上
された高信頼性を有する光ディスクを製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態による光ディスクを
示す断面図である。
【図2】この発明の第1の実施形態による光ディスクの
製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図3】この発明の第1の実施形態によるディスク基板
を示す断面図である。
【図4】この発明の第1の実施形態によるシートを示す
断面図である。
【図5】この発明の第1の実施形態による貼り合わせ装
置を示す略線図である。
【図6】この発明の第1の実施形態による貼り合わせ装
置におけるシート保持部を示す平面図である。
【図7】この発明の第1の実施形態による貼り合わせ装
置のディスク外周支持部の詳細を示す断面図である。
【図8】この発明の第2の実施形態による貼り合わせ装
置を示す略線図である。
【図9】この発明の第2の実施形態による貼り合わせ装
置におけるシート保持部を示す平面図である。
【図10】この発明の第2の実施形態による貼り合わせ
装置のディスク外周支持部の詳細を示す断面図である。
【図11】この発明の第3の実施形態による貼り合わせ
装置の固定ステージを示す側面図である。
【図12】この発明の第3の実施形態による貼り合わせ
装置の固定ステージを示す平面図である。
【図13】この発明の第3の実施形態による貼り合わせ
装置のプッシュリングを下げた状態における、図12の
A−A線に沿った断面図である。
【図14】この発明の第3の実施形態による貼り合わせ
装置のプッシュリングを上げた状態における、図12の
A−A線に沿った断面図である。
【図15】この発明の第3の実施形態による貼り合わせ
装置のプッシュリングを下げた状態における水平保持部
の詳細を示す、図12のB−B線に沿った断面図であ
る。
【図16】この発明の第3の実施形態による貼り合わせ
装置のプッシュリングを上げた状態における水平保持部
の詳細を示す、図12のB−B線に沿った断面図であ
る。
【図17】この発明の第3の実施形態による貼り合わせ
装置のディスク外周支持部の詳細を示す断面図である。
【図18】この発明の実施形態による貼り合わせ装置の
ディスク外周支持部を構成するピンの配置における他の
例を示す平面図である。
【図19】従来の弾性体パッドを用いて構成された貼り
合わせ装置を示す略線図である。
【図20】従来の弾性体パッドと外周ピンとを用いて構
成された貼り合わせ装置を示す略線図である。
【符号の説明】
1・・・ディスク基板、1a・・・レプリカ基板、1b
・・・センターホール、1c・・・情報信号部、2・・
・光透過層、2a・・・光透過性シート、2b・・・粘
着層、2c・・・貫通孔、3・・・クランプ領域、3a
・・・クランプ基準面、4・・・シート、10,20・
・・貼り合わせ装置、11,21,31・・・固定ステ
ージ、12,22・・・押圧部、12a,22a・・・
ブラケット、12b,22b・・・パッド、13,2
3,32・・・シート保持部、13a,23a,32a
・・・シート載置面、14,24,33・・・ディスク
基板保持部、14a,24a,33a・・・基板位置出
しピン、14b,24b,33b・・・ディスク基板載
置面、15,25,34・・・ディスク外周支持部、2
5a・・・テーパ面部、34a・・・ディスク外周支持
ピン、34b・・・ブッシュ、34c・・・スプリン
グ、16,26・・・コイルバネ、17,27・・・空
間、18,28・・・外周支持部移動機構、35・・・
プッシュリング、36・・・ピンシリンダー部、37・
・・水平保持部、37a・・・リニアシャフト、37b
・・・リニアブッシュ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 剛彦 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 阿部 光浩 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5D121 AA04 AA07 FF02 FF09 FF11 FF15 FF18 JJ04

Claims (75)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスク基板における、情報信号を記録
    可能および/または再生可能に構成された情報信号部が
    設けられた一主面を、少なくとも、上記情報信号の記録
    および/または再生に用いられるレーザ光を透過可能に
    構成された光透過性シートと、上記光透過性シートを上
    記ディスク基板の一主面に接着可能に構成されていると
    ともに上記レーザ光を透過可能に構成された接着層とか
    らなるシートに、上記接着層を介して貼り合わせ可能に
    構成された光ディスクの製造装置であって、 上記シートを保持可能に構成されたシート保持手段と、 上記ディスク基板を保持可能に構成されたディスク基板
    保持手段と、 上記ディスク基板を押圧可能に構成された押圧手段とを
    有し、 上記シート保持手段に、上記ディスク基板の外周部を支
    持可能に構成されたディスク基板支持部が設けられ、 上記ディスク基板支持部が、上記シート保持手段に対し
    て埋没可能および突出可能に構成されているとともに、
    上記ディスク基板支持部の突出方向が、上記ディスク基
    板保持手段寄りに傾斜していることを特徴とする光ディ
    スクの製造装置。
  2. 【請求項2】 上記シート保持手段と上記ディスク基板
    保持手段と上記押圧手段とが、減圧可能なチャンバ内に
    設置されていることを特徴とする請求項1記載の光ディ
    スクの製造装置。
  3. 【請求項3】 上記シート保持手段が、上記シートを平
    面状に維持しつつ固定可能に構成された平面ステージか
    らなることを特徴とする請求項1記載の光ディスクの製
    造装置。
  4. 【請求項4】 上記シート保持手段により保持された上
    記シートと、上記ディスク基板保持手段により保持され
    た上記ディスク基板とを互いにほぼ平行にすることがで
    きるように構成されていることを特徴とする請求項1記
    載の光ディスクの製造装置。
  5. 【請求項5】 上記ディスク基板保持手段が、上記ディ
    スク基板を、上記ディスク基板の中央の部分において保
    持可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載
    の光ディスクの製造装置。
  6. 【請求項6】 上記ディスク基板の中央に開口が設けら
    れ、上記ディスク基板保持手段が、上記開口に嵌合可能
    に構成され、上記開口を上記ディスク基板保持手段に嵌
    合させることにより、上記ディスク基板を保持可能に構
    成されていることを特徴とする請求項5記載の光ディス
    クの製造装置。
  7. 【請求項7】 上記シート保持手段に対して埋没可能お
    よび突出可能に構成された上記ディスク基板支持部を、
    押し込み可能に構成された支持部押圧手段を有すること
    を特徴とする請求項1記載の光ディスクの製造装置。
  8. 【請求項8】 上記支持部押圧手段が、上記ディスク基
    板支持部を上記シート保持手段に対して埋没させるよう
    に構成された同心円状のプッシュリング部と、上記プッ
    シュリング部を上記ディスク基板の貼り合わせ方向に沿
    った方向に移動させるシリンダー部と、上記プッシュリ
    ング部を上記シート保持手段に対してほぼ水平状態に保
    持可能に構成された水平保持部とを有することを特徴と
    する請求項7記載の光ディスクの製造装置。
  9. 【請求項9】 上記ディスク基板支持部が複数のピンか
    ら構成されていることを特徴とする請求項1記載の光デ
    ィスクの製造装置。
  10. 【請求項10】 上記複数のピンが、上記ディスク基板
    保持手段の中心と同心の仮想的な円周に沿って設けられ
    ていることを特徴とする請求項9記載の光ディスクの製
    造装置。
  11. 【請求項11】 上記複数のピンが、上記仮想的な円周
    に内接する正多角形の頂点の位置に設けられていること
    を特徴とする請求項10記載の光ディスクの製造装置。
  12. 【請求項12】 上記複数のピンが、上記ディスク基板
    の外周部を上記ピンの上端で支持可能に構成され、上記
    複数のピンにおける上記ディスク基板を支持する一端と
    上記シートの載置面との距離が、1.0mm以上5.0
    mm以下になるように構成されていることを特徴とする
    請求項9記載の光ディスクの製造装置。
  13. 【請求項13】 上記複数のピンが、少なくとも上記シ
    ート保持手段における上記シートを載置する載置面とほ
    ぼ同一面をなす位置まで、上記シート保持手段内に埋没
    可能に構成されていることを特徴とする請求項9記載の
    光ディスクの製造装置。
  14. 【請求項14】 上記シート保持手段内に、上記複数の
    ピンを引き込み可能に構成されたピン制御機構が設けら
    れ、上記ピン制御機構により上記ピンを、上記シート保
    持手段に対して突出可能および埋没可能に構成されてい
    ることを特徴とする請求項13記載の光ディスクの製造
    装置。
  15. 【請求項15】 上記シート保持手段に対して埋没可能
    および突出可能に構成された上記複数のピンを、押し込
    み可能および解除可能に構成されたピン制御手段を有す
    ることを特徴とする請求項9記載の光ディスクの製造装
    置。
  16. 【請求項16】 上記ピン制御手段が、上記ディスク基
    板保持部の中心と同心円状のプッシュリング部と、上記
    プッシュリング部を上記ディスク基板の貼り合わせ方向
    に平行な方向に移動可能に構成されたシリンダー部と、
    上記プッシュリング部を上記シート保持手段に対してほ
    ぼ水平状態に保持可能に構成された水平保持部とを有し
    て構成されていることを特徴とする請求項15記載の光
    ディスクの製造装置。
  17. 【請求項17】 上記複数のピンの上端によって上記デ
    ィスク基板を支持可能に構成され、上記複数のピンの上
    端が、上記ディスク基板の外周から、内周側に向けて
    0.3mm以上1.0mm以下までの領域を部分的に支
    持可能に構成されていることを特徴とする請求項9記載
    の光ディスクの製造装置。
  18. 【請求項18】 上記押圧手段が、上記ディスク基板の
    内周部から外周部に向けて順次押圧可能に構成されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の光ディスクの製造装
    置。
  19. 【請求項19】 上記押圧手段が、略円錐形状の弾性体
    からなるパッドを有し、上記パッドの曲面部分が上記シ
    ートの載置面に対向するように構成されていることを特
    徴とする請求項18記載の光ディスクの製造装置。
  20. 【請求項20】 上記弾性体のゴム硬度が、5度以上7
    0度以下であることを特徴とする請求項19記載の光デ
    ィスクの製造装置。
  21. 【請求項21】 上記シート保持手段が吸着部を有し、
    上記吸着部により、上記シートを上記シート保持手段に
    吸着固定可能に構成されていることを特徴とする請求項
    1記載の光ディスクの製造装置。
  22. 【請求項22】 上記吸着部が複数の吸引孔からなり、
    上記吸引孔の内部を減圧排気可能に構成されていること
    を特徴とする請求項21記載の光ディスクの製造装置。
  23. 【請求項23】 上記吸着部が、上記シートを真空吸着
    可能に構成されていることを特徴とする請求項22記載
    の光ディスクの製造装置。
  24. 【請求項24】 上記接着層が感圧性粘着剤からなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光ディスクの製造装置。
  25. 【請求項25】 上記シートが、上記光透過性シート
    と、上記接着層と、上記光透過性シートにおける上記接
    着層が設けられた側とは反対側の面に設けられた上記光
    透過性シートを保護する保護層とから構成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の光ディスクの製造装置。
  26. 【請求項26】 ディスク基板における、情報信号を記
    録可能および/または再生可能に構成された情報信号部
    が設けられた一主面を、少なくとも、上記情報信号の記
    録および/または再生に用いられるレーザ光を透過可能
    に構成された光透過性シートと、上記光透過性シートを
    上記ディスク基板の一主面に接着可能に構成されている
    とともに上記レーザ光を透過可能に構成された接着層と
    からなるシートに、上記接着層を介して貼り合わせ可能
    に構成された光ディスクの製造装置であって、 上記シートを保持可能に構成されたシート保持手段と、 上記ディスク基板を保持可能に構成されたディスク基板
    保持手段と、 上記ディスク基板を押圧可能に構成された押圧手段とを
    有し、 上記シート保持手段に、上記ディスク基板の外周端を支
    持可能に構成されたディスク基板支持部が設けられ、 上記ディスク基板支持部の上記ディスク基板を支持する
    部分がテーパ形状を有し、 上記ディスク基板支持部が、上記シート保持手段に対し
    て上記ディスク基板の外周外側の向きに移動可能に構成
    されていることを特徴とする光ディスクの製造装置。
  27. 【請求項27】 上記シート保持手段と上記ディスク基
    板保持手段と上記押圧手段とが、減圧可能なチャンバ内
    に設置されていることを特徴とする請求項26記載の光
    ディスクの製造装置。
  28. 【請求項28】 上記シート保持手段が、上記シートを
    平面状に維持しつつ固定可能に構成された平面ステージ
    からなることを特徴とする請求項26記載の光ディスク
    の製造装置。
  29. 【請求項29】 上記シート保持手段により保持された
    上記シートと、上記ディスク基板保持手段により保持さ
    れた上記ディスク基板とを互いにほぼ平行に維持可能に
    構成されていることを特徴とする請求項26記載の光デ
    ィスクの製造装置。
  30. 【請求項30】 上記ディスク基板保持手段が、上記デ
    ィスク基板を、上記ディスク基板の中央の部分において
    保持可能に構成されていることを特徴とする請求項26
    記載の光ディスクの製造装置。
  31. 【請求項31】 上記ディスク基板の中央に開口が設け
    られ、上記ディスク基板保持手段が、上記開口に嵌合可
    能に構成され、上記開口を上記ディスク基板保持手段に
    嵌合させることにより、上記ディスク基板を保持可能に
    構成されていることを特徴とする請求項30記載の光デ
    ィスクの製造装置。
  32. 【請求項32】 上記ディスク基板支持部が複数のピン
    から構成されていることを特徴とする請求項26記載の
    光ディスクの製造装置。
  33. 【請求項33】 上記複数のピンが、上記ディスク基板
    保持手段の中心と同心の仮想的な円周に沿って設けられ
    ていることを特徴とする請求項32記載の光ディスクの
    製造装置。
  34. 【請求項34】 上記複数のピンが、上記仮想的な円周
    に内接する正多角形の頂点の位置に設けられていること
    を特徴とする請求項33記載の光ディスクの製造装置。
  35. 【請求項35】 上記ピンの上部にテーパ形状の面部が
    設けられ、上記テーパ形状の面部によって、上記ディス
    ク基板の外周端を支持可能に構成されていることを特徴
    とする請求項32記載の光ディスクの製造装置。
  36. 【請求項36】 上記複数のピンにおける上記ディスク
    基板を支持する部分と上記シートの載置面との距離が、
    0.5mm以上1.0mm以下になるように構成されて
    いることを特徴とする請求項35記載の光ディスクの製
    造装置。
  37. 【請求項37】 上記複数のピンにおけるテーパ形状の
    面部が、シートが保持される側に突き出したかさ状の部
    分からなり、上記かさ状の部分の下端と、上記シート保
    持手段における上記シートを載置する面との間隔が、
    0.15mm以上0.30mm以下であることを特徴と
    する請求項35記載の光ディスクの製造装置。
  38. 【請求項38】 上記複数のピンが、上記シート保持手
    段に保持された上記シートの半径方向に沿って、上記シ
    ートの外周外側に向けて移動可能に構成されていること
    を特徴とする請求項32記載の光ディスクの製造装置。
  39. 【請求項39】 上記シート保持手段に、上記複数のピ
    ンを上記シートの半径方向に移動可能に構成されたピン
    制御機構が設けられていることを特徴とする請求項38
    記載の光ディスクの製造装置。
  40. 【請求項40】 上記押圧手段が、上記ディスク基板の
    中央部から外周部に向けて順次押圧可能に構成されてい
    ることを特徴とする請求項26記載の光ディスクの製造
    装置。
  41. 【請求項41】 上記押圧手段が、円錐形状の弾性体か
    らなるパッドを有し、上記パッドの曲面部分が上記シー
    トの載置面に対向するように構成されていることを特徴
    とする請求項40記載の光ディスクの製造装置。
  42. 【請求項42】 上記弾性体のゴム硬度が、5度以上7
    0度以下であることを特徴とする請求項41記載の光デ
    ィスクの製造装置。
  43. 【請求項43】 上記シート保持手段が吸着部を有し、
    上記吸着部により、上記シートを上記シート保持手段に
    吸着固定可能に構成されていることを特徴とする請求項
    26記載の光ディスクの製造装置。
  44. 【請求項44】 上記吸着部が複数の吸引孔からなり、
    上記吸引孔の内部を減圧排気可能に構成されていること
    を特徴とする請求項43記載の光ディスクの製造装置。
  45. 【請求項45】 上記吸着部が、上記シートを真空吸着
    可能に構成されていることを特徴とする請求項43記載
    の光ディスクの製造装置。
  46. 【請求項46】 上記接着層が感圧性粘着剤からなるこ
    とを特徴とする請求項26記載の光ディスクの製造装
    置。
  47. 【請求項47】 上記シートが、上記光透過性シート
    と、上記接着層と、上記光透過性シートの上記接着層が
    設けられた側とは反対側の面に設けられた上記光透過性
    シートを保護する保護層とから構成されていることを特
    徴とする請求項26記載の光ディスクの製造装置。
  48. 【請求項48】 ディスク基板の一主面上に、 情報信号を記録可能および/または再生可能に構成され
    た情報信号部と、 上記情報信号の記録および/または再生に用いられるレ
    ーザ光を透過可能に構成された光透過層とが順次積層さ
    れて設けられ、 上記光透過層が、少なくとも、上記レーザ光を透過可能
    な光透過性シートと、上記光透過性シートを上記ディス
    ク基板の上記一主面に接着させる上記レーザ光を透過可
    能な接着層とからなり、 上記ディスク基板を、少なくとも上記光透過性シートと
    上記接着層とからなるシートに押圧することにより、上
    記シートと上記ディスク基板とを貼り合わせる工程を有
    する光ディスクの製造方法であって、 シート保持手段により、上記シートを、上記シートの上
    記接着層側が表面になるように保持し、 上記ディスク基板を、ディスク基板保持手段により上記
    ディスク基板の一主面が上記シートの上記接着層側に対
    向するように保持するとともに、 上記ディスク基板の外周部を、上記シート保持手段に備
    えられた上記ディスク基板保持手段の中心寄りに傾斜し
    たディスク基板支持部により支持し、 押圧手段により、上記ディスク基板の上記一主面とは反
    対側の面を押圧することによって、上記貼り合わせを行
    うようにしたことを特徴とする光ディスクの製造方法。
  49. 【請求項49】 上記ディスク基板が平面円環形状を有
    するとともに、上記シートが平面円環形状を有し、上記
    ディスク基板を上記シートに押圧する際に、上記ディス
    ク基板の内周部より外周部に向かって順次接着させるよ
    うにしたことを特徴とする請求項48記載の光ディスク
    の製造方法。
  50. 【請求項50】 上記押圧手段により上記ディスク基板
    を押圧するのに伴って、上記ディスク基板支持手段が上
    記ディスク基板の外周側に移動し、上記ディスク基板を
    押圧終了前に上記ディスク基板支持手段による支持が解
    除されることを特徴とする請求項48記載の光ディスク
    の製造方法。
  51. 【請求項51】 上記押圧の開始時において、上記ディ
    スク基板の外周部と上記シートの外周部との間隔を、
    1.0mm以上5.0mm以下にすることを特徴とする
    請求項48記載の光ディスクの製造方法。
  52. 【請求項52】 上記シート保持手段により上記シート
    を吸着固定するようにしたことを特徴とする請求項48
    記載の光ディスクの製造方法。
  53. 【請求項53】 上記シートの吸着固定を真空吸着によ
    り行うようにしたことを特徴とする請求項48記載の光
    ディスクの製造方法。
  54. 【請求項54】 上記押圧手段により上記シートを上記
    ディスク基板の一主面の全面に貼り合わせた圧着状態
    を、1秒以上60秒未満の間維持するようにしたことを
    特徴とする請求項48記載の光ディスクの製造方法。
  55. 【請求項55】 上記押圧手段により上記シートを上記
    ディスク基板の一主面の全面に貼り合わせた圧着状態
    を、1秒以上40秒以下の間維持することを特徴とする
    請求項48記載の光ディスクの製造方法。
  56. 【請求項56】 上記押圧手段による上記ディスク基板
    の上記シートへの押圧力を、4.90×104Pa以上
    2.94×106Pa以下とすることを特徴とする請求
    項48記載の光ディスクの製造方法。
  57. 【請求項57】 上記接着層が感圧性粘着剤からなるこ
    とを特徴とする請求項48記載の光ディスクの製造方
    法。
  58. 【請求項58】 上記シートが、上記光透過性シート
    と、上記接着層と、上記光透過性シートの上記接着層が
    設けられた側とは反対側の面に設けられた上記光透過性
    シートを保護する保護層とから構成されていることを特
    徴とする請求項48記載の光ディスクの製造方法。
  59. 【請求項59】 少なくとも、上記シートと上記ディス
    ク基板との周辺における雰囲気の圧力を、4×102
    a以上2×104Pa以下とすることを特徴とする請求
    項48記載の光ディスクの製造方法。
  60. 【請求項60】 上記シートと上記ディスク基板との貼
    り合わせを、真空中で行うようにしたことを特徴とする
    請求項48記載の光ディスクの製造方法。
  61. 【請求項61】 上記シートを上記シート保持手段によ
    って保持する前に、上記シート保持手段に対して埋没可
    能および突出可能に構成された上記ディスク基板支持部
    を、支持部押圧手段により押し込むようにすることを特
    徴とする請求項48記載の光ディスクの製造方法。
  62. 【請求項62】 上記支持部押圧手段が、上記ディスク
    基板支持部を上記シート保持手段に対して埋没させるよ
    うに構成されたプッシュリング部と、上記プッシュリン
    グ部を上記ディスク基板の貼り合わせ方向に沿った方向
    に移動させるシリンダー部とを有して構成され、上記支
    持部押圧手段により上記ディスク基板支持部を上記シー
    ト保持手段に対して押し込むようにすることを特徴とす
    る請求項61記載の光ディスクの製造方法。
  63. 【請求項63】 ディスク基板の一主面上に、 情報信号を記録可能および/または再生可能に構成され
    た情報信号部と、 上記情報信号の記録および/または再生に用いられるレ
    ーザ光を透過可能に構成された光透過層とが順次積層さ
    れて設けられ、 上記光透過層が、少なくとも、上記レーザ光を透過可能
    な光透過性シートと、上記光透過性シートを上記ディス
    ク基板の上記一主面に接着させる上記レーザ光を透過可
    能な接着層とからなり、 上記ディスク基板を、少なくとも上記光透過性シートと
    上記接着層とからなるシートに押圧することにより、上
    記シートと上記ディスク基板とを貼り合わせる工程を有
    する光ディスクの製造方法であって、 シート保持手段により、上記シートを、上記シートの上
    記接着層側が表面になるように保持し、 ディスク基板保持手段により、上記ディスク基板を、上
    記ディスク基板の一主面が上記シートの上記接着層側に
    対向するように保持し、 上記ディスク基板保持手段に備えられた、上記ディスク
    基板を支持する部分がテーパ形状を有するとともに上記
    シート保持手段に対して上記ディスク基板の外周外側に
    向けて移動可能に構成されたディスク基板支持部によ
    り、上記ディスク基板の外周を支持し、 押圧手段により上記ディスク基板の上記一主面とは反対
    側の面を押圧することにより、上記貼り合わせを行うよ
    うにしたことを特徴とする光ディスクの製造方法。
  64. 【請求項64】 上記ディスク基板が平面円環形状を有
    するとともに、上記シートが平面円環形状を有し、上記
    ディスク基板を上記シートに押圧する際に、上記ディス
    ク基板の内周部より外周部に向かって順次接着させるよ
    うにしたことを特徴とする請求項63記載の光ディスク
    の製造方法。
  65. 【請求項65】 上記押圧手段により上記ディスク基板
    を押圧するのに伴って、上記ディスク基板の外周端によ
    って上記ディスク基板支持手段を上記ディスク基板の外
    周外側に向かって移動させ、上記ディスク基板に対する
    押圧終了前に、上記ディスク基板支持手段による支持が
    解除されるようにしたことを特徴とする請求項63記載
    の光ディスクの製造方法。
  66. 【請求項66】 上記押圧の開始時において、上記ディ
    スク基板の外周端と上記シートの外周端との間隔を、
    0.5mm以上1.0mm以下にすることを特徴とする
    請求項63記載の光ディスクの製造方法。
  67. 【請求項67】 上記シート保持手段により上記シート
    を吸着固定するようにしたことを特徴とする請求項63
    記載の光ディスクの製造方法。
  68. 【請求項68】 上記シートの吸着固定を、真空吸着に
    より行うようにしたことを特徴とする請求項67記載の
    光ディスクの製造方法。
  69. 【請求項69】 上記押圧手段により上記シートを上記
    ディスク基板の一主面の全面に貼り合わせた圧着状態
    を、1秒以上60秒未満の間維持するようにしたことを
    特徴とする請求項63記載の光ディスクの製造方法。
  70. 【請求項70】 上記押圧手段により上記シートを上記
    ディスク基板の一主面の全面に貼り合わせた圧着状態
    を、1秒以上40秒以下の間維持することを特徴とする
    請求項63記載の光ディスクの製造方法。
  71. 【請求項71】 上記押圧手段による上記ディスク基板
    の上記シートへの押圧力を、4.90×104Pa以上
    2.94×106Pa以下とすることを特徴とする請求
    項63記載の光ディスクの製造方法。
  72. 【請求項72】 上記接着層が感圧性粘着剤からなるこ
    とを特徴とする請求項63記載の光ディスクの製造方
    法。
  73. 【請求項73】 上記シートが、上記光透過性シート
    と、上記接着層と、上記光透過性シートの上記接着層が
    設けられた側とは反対側の面に設けられた上記光透過性
    シートを保護する保護層とから構成されていることを特
    徴とする請求項63記載の光ディスクの製造方法。
  74. 【請求項74】 少なくとも、上記シートと上記ディス
    ク基板との周辺における雰囲気の圧力を、4×102
    a以上2×104Pa以下とすることを特徴とする請求
    項63記載の光ディスクの製造方法。
  75. 【請求項75】 上記シートと上記ディスク基板との貼
    り合わせを、真空中で行うようにしたことを特徴とする
    請求項63記載の光ディスクの製造方法。
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JP2013099275A (ja) * 2011-11-08 2013-05-23 Dainippon Printing Co Ltd 機能性フィルムを移送するための負圧吸着ヘッドとそれを用いた機能性フィルムの移送方法
JP2019162758A (ja) * 2018-03-19 2019-09-26 株式会社エヌ・ピー・シー 真空貼り合わせ装置

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