JP4573152B2 - プリント配線板製造用感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、感光性樹脂組成物に関し、特には、現像性に優れたプリント配線板製造用感光性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板は、基板の上に導体回路のパターンを形成し、そのパターンのはんだ付ランドに電子部品をはんだ付することにより搭載するためのものであり、そのはんだ付ランドを除く回路部分は永久保護皮膜としてのソルダーレジスト膜で被覆される。これにより、プリント配線板に電子部品をはんだ付する際にはんだが不必要な部分に付着するのを防止すると共に、回路導体が空気に直接曝されて酸化や湿度により腐食されるのを防止する。
従来、ソルダーレジスト膜は、基板上にその溶液組成物をスクリーン印刷法でパターン形成し、溶剤を除く乾燥をした後、紫外線または熱により硬化させることが主流とされてきた。
【0003】
ところが、最近、プリント配線基板の配線密度の向上(細密化)の要求にともないソルダーレジスト組成物(ソルダーレジストインキ組成物ともいう)も高解像性、高精度化が要求され、民生用基板、産業用基板を問わずスクリーン印刷法から、位置精度、導体エッジ部の被覆性に優れる液状フォトソルダーレジスト法(写真現像法)が提案されている。
これに対して、例えば、特公平1−54390号公報には、(A)ノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸との反応物と飽和又は不飽和多塩基酸無水物と反応せしめて得られる活性エネルギー線硬化性樹脂、(B)光重合開始剤、(C)希釈剤及び(D)一分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物からなる熱硬化性成分、を含んでなる希アルカリ溶液により現像可能な光硬化性及び熱硬化性の液状レジストインキ組成物が開示されている。
しかしながら、この液状レジストインキ組成物には、未硬化樹脂の粘度を増加し、作業を行う上で好ましい流動性、或いは、チクソトロピックな性質を得る、さらには、硬化収縮を少なくする、基材との密着性をよくするために、硫酸バリウム、酸化珪素、タルク、クレー、炭酸カルシウム等の無機顔料からなる充填剤が添加されているため、例えば、硫酸バリウムを添加した場合には、現像後に銅表面に薄い残渣が残り現像性が悪化する等の問題点があることが明らかになり、これらの問題点を解決した液状ソルダーレジスト組成物の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の課題、すなわち、無機顔料、特には、硫酸バリウムを添加した場合に現像後に銅表面に薄い残渣が残り現像性が悪化するという問題を解決しようとするものであり、本発明の目的は、現像性に優れた液状感光性樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、表面処理された無機顔料、特には表面処理された硫酸バリウムを充填剤として用いることにより、現像後に銅表面に薄い残渣が残ることがない現像性に優れた感光性樹脂組成物が得られることを見出した。
この知見に基づき、本発明は、
(1)(A)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂、(B)硬化剤、(C)光重合開始剤、(D)反応性希釈剤及び(E)エポキシ系熱硬化性化合物からなる感光性樹脂組成物に、(F)充填剤として、沈降性硫酸バリウム表面にSiO2 をコーティングするSi処理した沈降性硫酸バリウムを(A)成分100gに対し、50〜150gの割合で添加した感光性樹脂組成物であって、該感光性樹脂組成物をプリント配線板に塗布して80℃で40分、60分、80分乾燥した後に露光後1wt%の炭酸ナトリウムにて現像しても銅表面に薄い残渣が残ることがないことを特徴とするプリント配線板製造用感光性樹脂組成物、(2)Si処理した沈降性硫酸バリウムは沈降性硫酸バリウム表面にSiO 2 を4%コーティングした沈降性硫酸バリウムである上記(1)のプリント配線板製造用感光性樹脂組成物、(3)(A)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂、(B)硬化剤、(C)光重合開始剤、(D)反応性希釈剤及び(E)エポキシ系熱硬化性化合物からなる感光性樹脂組成物に、(F)充填剤として、沈降性硫酸バリウム表面にSiO2 をコーティングするSi処理と沈降性硫酸バリウム表面にAl 2 O 3 をコーティングするAl処理を施した沈降性硫酸バリウムを用いる感光性樹脂組成物であって、該感光性樹脂組成物をプリント配線板に塗布して80℃で40分、60分、80分乾燥した後に露光後1wt%の炭酸ナトリウムにて現像しても銅表面に薄い残渣が残ることがないことを特徴とするプリント配線板製造用感光性樹脂組成物、(4)Si処理とAl処理を施した沈降性硫酸バリウムは沈降性硫酸バリウム表面にSiO 2 を1%とAl 2 O 3 を2%コーティングした沈降性硫酸バリウムである上記(3)のプリント配線板製造用感光性樹脂組成物、
を提供する。
なお、「(1)(A)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂、(B)ジシアンジアミド、ジシアンジアミドの有機酸塩及びその誘導体の少なくとも1種、(C)光重合開始剤、(D)反応性希釈剤及び(E)エポキシ系熱硬化性化合物からなる感光性樹脂組成物に、(F)充填剤として、表面処理された無機顔料を用いることを特徴とする感光性樹脂組成物、(2)無機顔料が硫酸バリウムであることを特徴とする前記(1)の感光性樹脂組成物、を提供する。」とすることもできる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明において、「(A)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂」とは、例えば分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部にアクリル酸又はメタクリル酸等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させた後、生成した水酸基に多塩基酸又はその無水物を反応させたものなどを挙げることができる。
【0007】
上記多官能性エポキシ樹脂としては、2官能以上のエポキシ樹脂であればいずれでも使用可能であり、エポキシ当量の制限は特にないが、通常1,000以下、好ましくは100〜500のものを用いる。
例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物型エポキシ樹脂等をあげることができる。また、これらの樹脂にBr,Cl等のハロゲン原子を導入したものなども挙げられる。これらの内でも耐熱性を考慮すると、ノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。これらのエポキシ樹脂は単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
【0008】
これらのエポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させる。
エポキシ基とカルボキシル基の反応によりエポキシ基が開裂し水酸基とエステル結合が生成する。使用するラジカル重合性不飽和モノカルボン酸としては、特に制限は無く、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸などがあるが、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方(以下、(メタ)アクリル酸ということがある。)が好ましく、特にアクリル酸が好ましい。エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応方法に特に制限は無く、例えばエポキシ樹脂とアクリル酸を適当な希釈剤中で加熱することにより反応できる。希釈剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、などのアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等の酢酸エステル類等を挙げることができる。また触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのアミン類、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフェートなどのリン化合物類等を挙げることができる。
【0009】
上記のエポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の反応において、エポキシ樹脂が有するエポキシ基1当量あたりラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を0.7〜1.2当量反応させる事が好ましい。アクリル酸又はメタクリル酸の少なくとも一方を用いるときは、さらに好ましくは0.8〜1.0当量加えて反応させる。ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸が0.7当量未満であると、後続の工程の合成反応時にゲル化を起こすことがあったり、あるいは樹脂の安定性が低下する。また、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸が過剰であると未反応のカルボン酸が多く残存するため、硬化物の諸特性(例えば耐水性等)を低下させる恐れがある。エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の反応は、加熱状態で行うのが好ましく、その反応温度は、80〜140℃である事が好ましい。反応温度が140℃を超えるとラジカル重合性不飽和モノカルボン酸が熱重合を起こし易くなり合成が困難になることがあり、また80℃未満では反応速度が遅くなり、実際の製造上好ましくないことがある。
エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の希釈剤中での反応においては、希釈剤の配合量が反応系の総重量に対して、20〜50%である事が好ましい。エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の反応生成物は単離することなく、希釈剤の溶液のまま、次の多塩基酸類との反応に供する事ができる。
【0010】
上記エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応生成物である不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂に、多塩基酸又はその無水物を反応させる。多塩基酸又はその無水物としては、特に制限は無く、飽和、不飽和のいずれも使用できる。このような多塩基酸としては、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びジグリコール酸等が挙げられ、多塩基酸無水物としてはこれらの無水物が挙げられる。これらの化合物は単独で使用することができ、また2種以上を混合してもよい。
多塩基酸又は多塩基酸無水物は、上記のエポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応で生成した水酸基に反応し、樹脂に遊離のカルボキシル基を持たせる。反応させようとする多塩基酸の使用量は、エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応生成物が有する水酸基1モルに対し0.2〜1.0モルである事が望ましい。露光時に高感度の樹脂膜が得られる点からは、好ましくは0.3〜0.9モル、さらに好ましくは0.4〜0.8モルの割合で反応させる。0.2モル未満であると得られた樹脂の希アルカリ現像性が低下することがあり、また1.0モルを超えると最終的に得られる硬化塗膜の諸特性(例えば耐水性等)を低下させることがある。
多塩基酸は、上記の不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂に添加され、脱水縮合反応され、反応時生成した水は反応系から連続的に取り出すことが好ましいが、その反応は加熱状態で行うのが好ましく、その反応温度は、70〜130℃である事が好ましい。反応温度が130℃を超えると、エポキシ樹脂に結合されたものや、未反応モノマーのラジカル重合性不飽和基が熱重合を起こし易くなり合成が困難になることがあり、また70℃未満では反応速度が遅くなり、実際の製造上好ましくないことがある。多塩基酸無水物を使用する場合もこれに準ずる。
上記の多塩基酸又はその無水物と不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂との反応生成物である多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の酸価は、60〜300mgKOH/gが好ましい。反応させる多塩基酸又はその無水物の量により、反応生成物の酸価は調整できる。
【0011】
本発明においては、上記の多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂も感光性樹脂として使用できるが、上記の多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の有するカルボキシル基に、1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基を持つグリシジル化合物を反応させることにより、ラジカル重合性不飽和基を更に導入し、さらに感光性を向上させた感光性樹脂としてもよい。
この感光性を向上させた感光性樹脂は、最後のグリシジル化合物の反応によってラジカル重合性不飽和基が、その前駆体の感光性樹脂の高分子の骨格の側鎖に結合するため、光重合反応性が高く、優れた感光特性を持つことができる。1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基を持つ化合物としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリアクリレートモノグリシジルエーテル等が挙げられる。
なお、グリシジル基は1分子中に複数有していてもよい。これらの化合物は単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。
上記グリシジル化合物は、上記の多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の溶液に添加して反応させるが、その樹脂に導入したカルボキシル基1モルに対し、通常0.05〜0.5モルの割合で反応させる。得られる感光性樹脂を含有する感光性樹脂組成物の感光性(感度)や、上述した熱管理幅及び電気絶縁性等の電気特性などのことを考慮すると、好ましくは0.1〜0.5モルの割合で反応させるのが有利である。反応温度は80〜120℃が好ましい。このようにして得られるグリシジル化合物付加多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂からなる感光性樹脂は酸価が45〜250mgKOH/gである事が好ましい。
【0012】
【化1】
〔式中、Xは水素原子又はアルキル基又は下記一般式〔化2〕で表される置換基を示し、
【化2】
(但し、R1は水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、水酸基、アミノ基若しくは炭素数1〜3のアルキル置換アミノ基を表わし、nは0〜3の整数、mは0〜4の整数を表わす。)、
Yは下記一般式〔化3〕、〔化4〕又は〔化5〕で表される置換基を示す。
【化3】
(但し、R2は水素原子、又は炭素数1〜18のアルキル基、環状脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基のそれぞれにおいてカルボキシル基が未置換の1塩基酸残基若しくは少なくとも1個のカルボキシル基を置換した多塩基酸残基を表わし、カルボキシル基以外の他の置換基を有していてもよい。)
【化4】
(但し、R3は水素原子、又は炭素数1〜9のアルキル基、環状脂肪族炭化水素基を表わし、R4は水素原子又は炭素数1〜9のアルキル基を表わし、R3、R4においてはそれぞれアクロイル基若しくはメタクリロイル基で置換されていてもよい。)
【化5】
(但し、R5は水素原子、又は炭素数1〜18のアルキル基若しくは芳香族基を表わす。)
【0013】
本発明において、(B)ジシアンジアミド、ジシアンジアミドの有機酸塩及びその誘導体の少なくとも1種」としては、「(B)ジシアンジアミド、上記一般式〔化1〕で表されるジシアミジアミドの有機酸塩及びその誘導体の少なくとも1種」が挙げられる。この一般式〔化1〕におけるXが水素原子の場合は、ジシアミジアミドの有機酸塩であり、Xがアルキル基の場合には、N−置換ジシアンジアミド誘導体の有機酸塩(ジシアミジアミドの有機酸塩の誘導体ということもできる)ということができるが、通常炭素数1〜12の直鎖、分岐のいずれのアルキル基でもよい。アルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基などが挙げられる。また、一般式〔化2〕で表される置換基(アリール、アラルキル)としては、具体的には、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、4−フェニルブチル基が挙げられ、核置換基R1としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基などの炭素数1〜3の低級アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基などの炭素数1〜3の低級アルコキシル基、水酸基、アミノ基又はメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基などの炭素数1〜4の低級アルキル置換アミノ基が挙げられる。一般にN−置換ジシアンジアミド誘導体中の芳香族基における不活性置換基については、その数が0又は1〜3の範囲で変わっても、N−置換ジシアンジアミドの作用自体には影響がないので、上記のRの数は0〜3の範囲で適宜選ぶことができる。
【0014】
N−置換ジシアンジアミド誘導体を得る場合のアルカリジシアナミドとアミン化合物の塩は、一般に化学量論的割合で用いられる。また、反応溶媒としては、水や、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの炭素数2〜6のアルコール、好ましくは炭素数3〜5のアルコールであり、また、これらアルコールと水との混合液を用いることができる。また、ジメチルホルムアミド、スルホランなども用いることができる。
なお、N−置換ジシアンジアミド誘導体は、「ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサエテイ(J.Chem.Soc.)」4422(1956年)、特開昭64−71846号公報等に記載された方法によって容易に製造することができる。
【0015】
この(B)成分のジシアンジアミド、ジシアンジアミドの有機酸塩やその誘導体は単独で用いてもよいし、少なくとも2種(2種以上)を組み合わせて用いてもよい。また、その含有量は、それ自体の活性水素当量及び(E)成分のエポキシ系熱硬化性化合物の含有量やエポキシ当量などに左右されるが、一般的には、上記(A)成分100g当たり、0.1〜10gの範囲で選ばれる。この含有量が0.1g未満では熱硬化特性が十分に発揮されないおそれがあるし、10gを超えると本発明の感光性樹脂組成物のポットライフが短くなり易く、その塗膜のソルダーレジスト膜の特性低下の原因となることがある。熱硬化特性、組成物のポットライフ及びソルダーレジスト膜の特性などを考慮すると、この(B)成分の含有量は、特に1〜8gの範囲が好ましい。
【0016】
本発明において、「(C)光重合開始剤」としては、特に制限はなく、従来知られているものはいずれも使用できる。具体的には、代表的なものとしては例えば、ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、 2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、P−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらを単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0017】
光重合開始剤の使用量は、上記(A)成分の活性エネルギー線硬化性樹脂100gに対して、通常0.5〜50gである。0.5g未満では、この(A)成分の活性エネルギー線硬化性樹脂の光硬化反応が進行し難くなり、50gを超えるとその加える量の割には効果は向上せず、むしろ経済的には不利となったり、硬化塗膜の機械的特性が低下することがある。光硬化性、経済性、硬化塗膜の機械的特性などの点からは、その使用量は、好ましくは2.0〜30gである。
【0018】
本発明において、「(D)反応性希釈剤」は、上記(A)成分の感光性樹脂の光硬化をさらに十分にして、耐酸性、耐熱性、耐アルカリ性などを有する塗膜を得るために使用するもので、1分子中に二重結合を少なくとも2個有する化合物が好ましく用いられる。
その反応性希釈剤の代表的なものとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性燐酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の反応性希釈剤が挙げられる。
【0019】
上記の反応性希釈剤は単品又は複数の混合系のいずれにおいても使用可能である。この反応性希釈剤の添加量は、上記(A)成分の活性エネルギー線硬化性樹脂100g当たり、通常2.0〜40gの範囲で選ばれる。その添加量が2.0gより少ないと十分な光硬化が得られず、硬化塗膜の耐酸性、耐熱性等において十分な特性が得られず、また、添加量が40gを越えるとタックが激しく、露光の際アートワークフィルムの基板への付着が生じ易くなり、目的とする硬化塗膜が得られ難くなる。
光硬化性、硬化塗膜の耐酸性、耐熱性等、アートワークフィルムの基板への付着の防止の点からは、反応性希釈剤の添加量は、好ましくは4.0〜20gである。
【0020】
本発明において、「(E)エポキシ系熱硬化性化合物」は、本発明の感光性樹脂組成物において、ポストキュアー後において十分に強靭な塗膜を得るために加える。
このエポキシ系熱硬化性化合物の代表的なものとしては、1分子中に少なくとも1個のエポキシ基、好ましくは2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(エポキシオリゴマーを含む)が好適である。例えばビスフェノールAとエピクロルヒドリンとをアルカリの存在下に反応させて得られたビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAとホルマリンとを縮合反応させて得られた樹脂のエポキシ化物、これらの樹脂において、ノボラック樹脂にエピクロルヒドリンを反応させてグリシジルエーテル化したノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型やビスフェノールS型エポキシ樹脂、さらにシクロペンテンオキシド基などを有する脂環式エポキシ樹脂、フタル酸ジグリシジルエステルなどのグリシジルエステル樹脂、トリグリシジル−p−アミノフェノールなどのグリシジルアミン系樹脂、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル樹脂、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレートなどが挙げられる。これらの熱硬化性化合物は単独で用いてもよいし、複数併用してもよい。
【0021】
上記エポキシ系熱硬化性化合物は、さらに反応促進剤としてメラミン化合物、イミダゾール化合物、フェノール化合物等の公知のエポキシ硬化促進剤を併用して、塗膜をポストキュアーすることを促進することもできる。ジシアンジアミド、その誘導体(N−置換ジシアンジアミド誘導体)及びこれらの有機酸塩(多塩基カルボン酸、りん酸、硫酸等の有機酸塩)の少なくとも1種を用いてもよい。
この熱硬化性化合物の併用により、得られるレジスト皮膜の耐熱性、耐湿性、電気絶縁性、耐薬品性、耐酸性、耐溶剤性、密着性、可撓性、硬度などの諸特性を向上させることができ、プリント配線板用のソルダーレジストとして有用である。
【0022】
このエポキシ系熱硬化性化合物は、上記(A)成分の活性エネルギー線硬化性樹脂100gに対し、通常5〜100gの割合で添加される。この添加量が5g未満ではポストキュアー後において、所望の物性を有する塗膜が得られないことがあるし、100gを超えると(A)成分の光硬化性が低下することがある。ポスキキュアー後の塗膜物性及び(A)成分の光硬化性などの点から、この熱硬化性化合物の添加量は、好ましくは15〜60gである。
【0023】
本発明の最大の特徴である、「(F)」充填剤として、表面処理された無機顔料」は、上記(A)〜(E)の混合物に添加することにより、現像性に優れた液状感光性樹脂組成物とすることができる。
ここで、「表面処理」とは、Al処理、Si処理のことをいい、Al処理は主として親油性、耐候性の向上を目的とし、Si処理は主として親水性付与効果があり、低密度で多孔質なSi処理はレジストの隠ぺい力向上に、又、高密度で緻密なSi処理は、特に、耐候性に効果がある。この「耐候性」とは、プリント基板をレベラー処理、金めっき処理した場合に、レジスト表面の白濁、失沢のしにくさをいう。そして、Al処理とSi処理のバランスにより、体質顔料の親油性、親水性及びレジストインク中での分散安定性が決まる。
Si処理とは、例えば、硫酸バリウム(BaSO4)を珪酸ナトリウム(Na2SiO3)の溶液で処理することで、硫酸バリウム表面にSiO2をコーティングする処理のことである。又、Al処理とは、例えば、硫酸バリウムをアルミン酸ナトリウム(NaAlO2又はNa3AlO3)の溶液で処理することで、硫酸バリウム表面にAl2O3をコーティングする処理のことである。
又、上記のSi処理の他の例として、約1%〜0.5%のシランカップリング剤を水溶液中に十分撹拌しながら、加水分解させ、この溶液に硫酸バリウムを浸した後、濾過或いは圧搾して水を除き、120〜130℃で十分乾燥させるという処理方法でも良い。なお、これらの無機顔料からなる充填剤は、予めシランカップリング剤で処理しておくことが好ましいが、無機顔料とシランカップリング剤を予め表面処理することなく、別々に添加してもほぼ同等の効果が得られる。
本発明において、「Si処理」とは、これらの全ての態様を包含するものである。
一般的には、硫酸バリウムにSi処理を施してSiO2をコーティングした後、更に、Al処理を施して、Al2O3をコーティングする処理、すなわち、Si処理とAl処理が併用されているが、現像性を向上させるためには、Si処理を単独で施すことが、特に好ましい。
その理由は、明確ではないが、無機顔料、特には、沈降製硫酸バリウムが現像の際に二次凝集を起こして、銅箔表面にこびりついてしまうのを沈降性硫酸バリウムの表面を処理することで防止する効果とSi処理により沈降性硫酸バリウムの親水性が向上し、レジスト塗膜に現像液が溶け込みやすくなるという効果の両方の働きで、優れた現像性が得られるものと考えられる。
無機顔料の例としては、公知のものであれば特に限定はないが、硫酸バリウム、酸化珪素、タルク、クレー、炭酸カルシウム等が例示され、沈降性の硫酸バリウムが特に好ましい。
【0024】
この表面処理、特に、Si処理された無機顔料からなる充填剤は、上記(A)成分の活性エネルギー線硬化性樹脂100gに対し、通常25〜250gの割合で添加される。この添加量が25g未満では、充分なカバーリング性、はんだ耐熱性が得られない。250gを超えるとレベリング性の低下、現像性の低下がみられる。このSi処理された無機顔料からなる充填剤の添加量は、好ましくは50〜150gである。
【0025】
本発明の感光性樹脂組成物には、上記の成分のほかに、必要に応じて、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー等のフタロシアニン系、アゾ系等の有機顔料や二酸化チタン等の無機顔料の公知の着色顔料、消泡剤、レベリング剤等の塗料用添加剤などを含有させることができる。
【0026】
上述のようにして得られた本発明の感光性樹脂組成物は、例えば銅張り積層板の銅箔をエッチングして形成した回路のパターンを有するプリント配線板に所望の厚さで塗布し、60〜80℃程度の温度で15〜60分間程度加熱して溶剤を揮散させた後、これに上記回路のパターンのはんだ付ランド以外は透光性にしたパターンのネガフィルムを密着させ、その上から紫外線を照射させ、その後ネガフィルムを取り除き、そのはんだ付ランドに対応する非露光領域を希アルカリ水溶液で除去することにより塗膜が現像される。この際使用される希アルカリ水溶液としては0.5〜5%の炭酸ナトリウム水溶液が一般的であるが、他のアルカリも使用可能である。
次いで、140〜160℃の熱風循環式の乾燥機等で10〜60分間ポストキュアーを行うことにより目的とするソルダーレジスト皮膜を形成せしめることができる。このようにしてソルダーレジスト膜で被覆したプリント配線板が得られ、これに電子部品が噴流はんだ付方法や、リフローはんだ付方法によりはんだ付されることにより接続、固定されて搭載され、一つの電子回路ユニットが形成される。
【0027】
【実施例】
次ぎに、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
【0028】
実施例1
1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化樹脂溶液(エチルカルビトールアセテート中において、エポキシ当量が220のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基1モルに対し、アクリル酸を1モルの割合で反応させて得られた反応物に、無水テトラヒドロフタル酸を0.6モルの割合で反応させ、感光性樹脂を製造した。この得られた感光性樹脂溶液は、固形樹脂100重量部に対し、エチルカルビトールアセテート50重量部を含む粘ちょうな液体であり、感光性樹脂の酸価は63mgKOH/gであった。)100gに対し、(光重合開始剤)イルガキュア907(チバガイギー社製)10g、(反応希釈剤)DPHA(日本化薬社製)1g、(硬化剤)メラミン 3g、(消泡剤)KS−66(信越シリコーン社製)1g、(エポキシ系熱硬化性化合物)TEPIC−S(日産化学社製)20g、(充填剤)Si処理した沈降性硫酸バリウム(堺化学社製、SiO2:4%処理)100g、を3本ロールで混合分散させて、感光性樹脂組成物を調製した。
この感光性樹脂組成物の塗膜の特性について、後述の試験法によって調べた結果を表1に示す。
【0029】
実施例2
Si処理した沈降性硫酸バリウム100gに変え、沈降性硫酸バリウム30gとシランカップリング剤TSL−8370(東芝シリコーン社製)5gを別々に入れた以外は、実施例1と同様に行った。この結果を表1に示す。
【0030】
比較例1
Si処理をしていない沈降性硫酸バリウムを用いた以外は、実施例1と同様に行った。この結果を表1に示す。
【0031】
実施例3
Si処理とAl処理を施した沈降性硫酸バリウム(SiO2 :1%、Al2 O3 :2%)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。この結果を表1に示す。
【0032】
感光性樹脂組成物の塗膜特性の評価方法は、以下のとおりである。
(1)塗膜性能
予め面処理済みの基板(銅張り積層板)に、スクリーン印刷法により、上記実施例1及び比較例1の感光性樹脂組成物を35μmの厚さ(乾燥前)に塗工してそれぞれの塗工基板を作製し、それぞれの塗工基板を80℃、20分間乾燥した。この基板にネガフィルムを密着させ、露光後、1%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理してパターンを形成した。次に、この基板を150℃で60分間熱硬化して、硬化塗膜を有する試験片を作製し、塗膜性能の評価を行なった。
【0033】
(イ)密着性
JIS D−0202に準拠して、碁盤目試験により測定した。
◎:はがれが全くない。
○:切り傷の交点にわずかなはがれがあって、正方形の一目一目にはがれがなく、欠損部の面積は全正方形面積の5%以内。
△:切り傷の両側と交点にはがれがあって、欠損部の面積は全正方形面積の5〜35%
×:切り傷によるはがれの幅は広く、欠損部の面積は全正方形面積の35%以上。
(ロ)鉛筆硬度
JIS K−5400 6.14に準拠して測定した。
(ハ)耐熱性
硬化塗膜を有する試験片を、JIS C 6481の試験方法に従って、260℃のはんだ槽に30秒浸漬後、セロハンテープによるピーリング試験を1サイクルとし、計1〜3サイクルを行った後の塗膜状態を目視により評価した。
◎:3サイクル後も塗膜に変化がないもの
○:3サイクル後に僅かに変化しているもの
△:2サイクル後に変化しているもの
×:1サイクル後に剥離が生じているもの
【0034】
(2)レベラー白化
下記条件でレベラー処理し、湯洗後の外観を評価した。
はんだ温度:240℃、浸漬時間:4秒、ホットエアー温度220℃、圧力:0.38MPa、フラックス:ソルダーライト HL−201A、湯洗温度:70℃
◎:外観の変化なし。
○:塗膜表面がわずかに失沢している。
△:塗膜表面の一部がしみ状に白濁している。
×:塗膜全面がしみ状に白濁している。
(3)金めっき白化
市販品の無電解ニッケルめっき液及び無電解金めっき液を用いてニッケルめっきを5μm、金めっきを0.05μm行った後の塗膜の外観を評価した。
◎:外観の変化なし。
○:塗膜表面がわずかに失沢している。
△:塗膜表面の一部がしみ状に白濁している。
×:塗膜全面がしみ状に白濁している。
(4)現像性
パターン形成された銅張積層板上にスクリーン印刷にてレジストを全面塗布し各条件にて予備乾燥した後に1wt%の炭酸ナトリウムにて現像し、レジストの残さの有無を評価した。
○:レジスト残さ無し。
×:レジスト残さ有り。
【0035】
【表1】
【0036】
表1から明らかなように、本発明の感光性樹脂組成物は、現像性に優れ、特にSi処理した沈降性硫酸バリウムを使用した実施例1のもの、沈降性硫酸バリウムとシランカップリング剤を別々に添加して使用した実施例2のものは、レベラ白化及び金めっき白化特性を低下させることなく、現像性が優れているという効果があることが明らかである。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、Si処理あるいはSi処理とAl処理した沈降性硫酸バリウムを用いることにより、現像後に銅表面に薄い残渣が残ることがない現像性に優れた液状感光性樹脂組成物を提供することができ、特に、Si処理された沈降性硫酸バリウムを用いることにより、レベラ白化及び金めっき白化特性を低下させることなく、現像後に銅表面に薄い残渣が残ることがない現像性に優れたプリント配線板製造用液状感光性樹脂組成物を提供することができる。
Claims (4)
- (A)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂、(B)硬化剤、(C)光重合開始剤、(D)反応性希釈剤及び(E)エポキシ系熱硬化性化合物からなる感光性樹脂組成物に、(F)充填剤として、沈降性硫酸バリウム表面にSiO2 をコーティングするSi処理した沈降性硫酸バリウムを(A)成分100gに対し、50〜150gの割合で添加した感光性樹脂組成物であって、該感光性樹脂組成物をプリント配線板に塗布して80℃で40分、60分、80分乾燥した後に露光後1wt%の炭酸ナトリウムにて現像しても銅表面に薄い残渣が残ることがないことを特徴とするプリント配線板製造用感光性樹脂組成物。
- Si処理した沈降性硫酸バリウムは沈降性硫酸バリウム表面にSiO 2 を4%コーティングした沈降性硫酸バリウムである請求項1に記載のプリント配線板製造用感光性樹脂組成物。
- (A)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂、(B)硬化剤、(C)光重合開始剤、(D)反応性希釈剤及び(E)エポキシ系熱硬化性化合物からなる感光性樹脂組成物に、(F)充填剤として、沈降性硫酸バリウム表面にSiO2 をコーティングするSi処理と沈降性硫酸バリウム表面にAl 2 O 3 をコーティングするAl処理を施した沈降性硫酸バリウムを用いる感光性樹脂組成物であって、該感光性樹脂組成物をプリント配線板に塗布して80℃で40分、60分、80分乾燥した後に露光後1wt%の炭酸ナトリウムにて現像しても銅表面に薄い残渣が残ることがないことを特徴とするプリント配線板製造用感光性樹脂組成物。
- Si処理とAl処理を施した沈降性硫酸バリウムは沈降性硫酸バリウム表面にSiO 2 を1%とAl 2 O 3 を2%コーティングした沈降性硫酸バリウムである請求項3に記載のプリント配線板製造用感光性樹脂組成物。
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