JP4568990B2 - ガス遮断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はガス遮断装置より下流におけるガス使用の安全性を図るガス遮断装置に関し、特に地震の際にガス通路を閉栓するガス遮断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のガス遮断装置は図12に示されているように、低ガル検出部1は地震の揺れを検知し揺れ方に応じてオン・オフ信号の地震パルスAを出力し、地震判定部2は低ガル検出部1の地震パルスAを受け取ると地震パルスAのオン・オフパターンを判定しオン・オフパターンが予め保持されているパターンに一致したとき地震と判定し、予め保持されている遮断/警報の選択に基づき遮断許可信号Bまたは警報信号Kを出力する。また弁閉駆動部3は地震判定部2の遮断許可信号Bを受け取ると弁閉信号Cを出力し、弁4は弁閉駆動部3の弁閉信号Cを受け取るとガス通路を閉栓しガスの使用を停止させ、外部から復旧操作を受け付けると復帰信号Pを出力し、漏れ判定部7は弁4の復帰信号Pを受け取るとある一定期間内にガスの漏れがないかを検知しガス漏れがあると遮断許可信号Bを出力し、弁閉駆動部3は漏れ判定部7の遮断許可信号Bを受け取ると弁閉信号Cを出力し、警報報知部11は地震判定部2の警報信号Kを受け取ると外部に警報報知する。そして地震により発生した地震パルスを予め保持しているオン・オフパターンで判定してオン・オフパターンに合致すれば地震であると認識し、必ずガス通路を閉栓するか、あるいは必ず外部に警報報知するかのどちらかの動作をするものとなっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のガス遮断装置では地震の大小を区別できないため、地震が発生した場合にガス通路の閉栓を選択していても、大震災(例えば震度7)よりも比較的被害の少ない地震(例えば震度5)が多く発生することより、大地震(例えば震度7)が発生したときにたとえガス通路の開栓を禁止したくても、ガス使用者の利便性を考慮すると一旦地震によりガス通路を閉栓しても、ガス使用者にガス通路を開栓させる事を許さねばならなかった。
【0004】
このため大震災(例えば震度7)発生時にガス使用者にガス通路を開栓させることが本意でなくてもガス使用者がガス通路を開栓する事ができ、地震により生じたガス通路の損傷による微少なガス漏れ(漏れ判定部で判定できないような微小なガス漏れ)に気づかずに開栓してしまい不安全な状態でガスが使用されるという課題を有していた。
【0005】
また、例えば飲食店等のガスを使用して商売をしている所のガス通路を不用意に閉栓させると、ガス使用者がガス通路の開栓方法を知らない場合には、ガス事業者が開栓作業をせねばならず。ガス事業者がガス通路を開栓するまでガス使用者はガスが使えなくなるために商売ができなくなってしまう。
【0006】
このため比較的被害の少ない地震(例えば震度5)を想定してガス通路を閉栓するのではなく警報報知させるように選択している場合がある。したがって大震災(例えば震度7)が発生しても警報報知を選択しているためにガス通路を閉栓できないという課題を有していた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、多段階で地震の震度を判定する事により、地震の大きさに応じてガス使用者によるガス通路の開栓の可否を決める事ができ、大震災(例えば震度7)が発生した場合にはガス事業者がガス通路内の微少なガス漏れの有無を測定してからガス通路を開栓することができ、比較的被害の少ない地震(例えば震度5)では閉栓してもガス利用者が開栓できるため、利便性を損なわず安全性を向上させる事ができると共に、地震を検出する低ガル検出部または高ガル検出部の出力矛盾を判定することにより、低ガル検出部が断線等により故障し感震パルスの出力が出なくなった場合や、地震が発生していないのに高ガル検出部がショートして強地震信号を常時出力した場合等々のどちらかが異常な状態になったことを検出し報知することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のガス遮断装置は、地震の揺れを検知し揺れ方に応じてオン・オフ信号の地震パルスを出力する低ガル検出部と、前記地震パルスを受け取ると前記地震パルスのオン・オフパターンを判定しオン・オフパターンが予め保持されているパターンに一致したとき地震と判定し遮断許可信号と地震遮断成立信号を出力する地震判定部と、地震の揺れが任意の加速度に達した場合に強地震信号を出力する高ガル検出部と、前記地震判定部の地震遮断成立信号の有無を判定し地震遮断成立信号がありかつ前記高ガル検出部の強地震信号の有無を判定し強地震信号があれば弁開禁止信号を出力し、前記低ガル検出部の地震パルスの有無を判定し前記地震パルスがないのに前記高ガル検出部の前記強地震信号の有無を判定し強地震信号が任意の回数あれば震度異常信号を出力する震度判定部と、前記震度判定部の震度異常信号を受け取ると外部に異常を報知する検出部異常通知部と、復旧開始信号を受け取るとある一定期間内にガスの漏れがないかを検知しガス漏れがあると前記遮断許可信号を出力する漏れ判定部と、外部からのガス復旧操作を検知すると弁開許可信号を出力する弁開入力部と、外部より弁開禁止復旧操作を受け取ると弁開禁止解除信号を出力する弁開解除入力部と、前記遮断許可信号を受け取ると弁閉信号を出力する弁閉駆動部と、前記弁開禁止信号を受け取ると前記弁開許可信号の受付を停止し、前記弁開禁止解除信号を受け取ると前記弁開許可信号の受付を再開し、前記弁開許可信号を受け取ると弁開信号と前記復旧開始信号を出力する弁開駆動部と、前記弁閉信号を受け取るとガス通路を閉栓しガスの使用を停止させ、前記弁開信号を受け取るとガス通路を開栓しガスの使用を再開する弁とを備えたものである。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0010】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1のガス遮断装置の機能ブロック図である。また図2は実施例1のプログラムフロー図である。図1において、低ガル検出部1のセンサーは地震の揺れを検知し揺れ方に応じてオン・オフ信号の地震パルスAを出力する。
【0011】
地震判定部2は低ガル検出部1の地震パルスAを受け取ると地震パルスAのオン・オフパターンを判定しオン・オフパターンが予め保持されているパターン(例えば図3(A))の低ガル検出信号に示す様に震度5以上の地震を検出するために数十ミリ秒のオン・オフパターンの繰り返しを判定している)に一致したとき地震と判定し遮断許可信号Bと地震遮断成立信号Gを出力する。
【0012】
弁閉駆動部3は地震判定部2の遮断許可信号Bを受け取ると弁閉信号Cを出力する。
【0013】
弁4(例えば、磁石で吸着している弁を電磁石にて離脱させるソレノイド弁や駆動パルスを与えることで動作するモーター弁等)は弁閉駆動部3の弁閉信号Cを受け取るとガス通路を閉栓しガスの使用を停止させる。
【0014】
弁開入力部5は外部からのガス復旧操作(例えばプッシュスイッチ等のスイッチ類でもよいし、公共の電話回線を利用した通信《例えば、電話回線のノーリンギング通信を利用してNCU装置を用いて変調させている信号を復調して行われる通信。またケーブルネットワーク網や無線通信網等を利用したり、中間に位置する網を介在させずにガス遮断装置と接触または非接触で通信しても同等の効果が得られる》でもよい)を検知すると弁開許可信号Dを出力する。弁開駆動部6は弁開入力部5の弁開許可信号Dを受け取ると弁開信号Eと復旧開始信号Fを出力する。
【0015】
弁4は弁開駆動部6の弁開信号Eを受け取るとガス通路を開栓しガスの使用を再開する。漏れ判定部7は弁開駆動部6の復旧開始信号Fを受け取るとある一定期間内にガスの漏れ(例えば流量センサー《ガス通路内を流れているガスが一定流量流れる毎に信号を出力[例えばガス通路をガスが流れるとダイヤフラムのアームが回転しアーム部に取り付けられた磁石をリードスイッチが1回転したかを検知しガス流量を計量する。あるいはガス通路の上流側と下流側に送受信できるセンサーを取り付け音の伝搬時間の差により計量したり、ガスの流れる流量に応じて変化する熱電対の抵抗値の違いで計量しても同等の効果が得られる]》によりガス流量の積算値で判定してもよいし、ガス流量の瞬間値で判定してもよいし、ガス通路内のガス圧をリニアに取得する圧力センサーによりガス圧力値の変動で判定しても同等の効果が得られる)がないかを検知しガス漏れがあると遮断許可信号Bを出力する。弁閉駆動部3は漏れ判定部7の遮断許可信号Bを受け取ると弁閉信号Cを出力する。
【0016】
高ガル検出部8のセンサーは地震の揺れが任意の加速度に達した場合(例えば震度7に相当する地震が発生した場合に、図3(A)の高ガル検出信号に示す様に任意の期間または強制的にオフされるまでラッチ出力するセンサーまたは電子回路)に強地震信号Hを出力する。震度判定部9は図3(A)および図3(B)に示す様に地震判定部2の地震遮断成立信号G(オン・オフパターン成立=低地震成立)の有無を判定し地震遮断成立信号Gがありかつ高ガル検出部8の強地震信号Hの有無を判定し強地震信号Hがあれば弁開禁止信号Iを出力する。
【0017】
弁開駆動部6は震度判定部9の弁開禁止信号Iを受け取ると弁開入力部5からの弁開許可信号Dの受付を停止する。
【0018】
弁開解除入力部10は外部より弁開禁止復旧操作(例えばプッシュスイッチ等のスイッチ類でもよいし、公共の電話回線を利用した通信《例えば、電話回線のノーリンギング通信を利用してNCU装置を用いて変調させている信号を復調して行われる通信。またケーブルネットワーク網や無線通信網等を利用したり、中間に位置する網を介在させずにガス遮断装置と接触または非接触で通信しても同等の効果が得られる》でもよい)を受け取ると弁開禁止解除信号Jを出力する。弁開駆動部6は弁開解除入力部10の弁開禁止解除信号Jを受け取ると弁開入力部5からの弁開許可信号Dの受付を再開するように設けられている。
【0019】
以上の様に構成されたガス遮断装置について、以下にその動作、作用について説明する。図2において上記実施例のプログラムフローを処理T1から処理T14に示す。今、処理開始から処理終了までのフローはそれぞれインターバルカレンダ等により周期的に処理されるものとする。
【0020】
ガス遮断装置の低ガル検出部1において処理T1は地震を検知して地震があれば地震パルスAを出力して処理T2へ移行し、地震がなければ処理T5へ移行する。
【0021】
地震判定部2において処理T2は地震パルスAのオン・オフパターンを判定しオン・オフパターンが予め保持されているパターン(例えば図3(A)の低ガル検出信号に示す様に震度5以上の地震を検出するために数十ミリ秒のオン・オフパターンの繰り返しを判定している)に一致したときは地震遮断成立信号Gを出力し処理T3へ移行し、一致していないときは処理T5へ移行する。
【0022】
弁閉駆動部3において処理T3は弁閉信号Cを出力して処理T4に移行し、弁4において処理T4はガス通路を閉栓して処理T5へ移行する。
【0023】
高ガル検知部8において処理T5は地震の揺れが任意の加速度に達した場合(例えば震度7に相当する地震が発生した場合に、図3(A)の高ガル検出信号に示す様に任意の期間または強制的にオフされるまでラッチ出力するセンサーまたは電子回路)に強地震信号Hを出力し処理T6へ移行し、任意の加速度に達しなかった場合は処理T8へ移行する。
【0024】
震度判定部9において処理T6は地震遮断成立信号Gの有無を判定し、地震遮断成立信号Gがあれば処理T7へ移行し、地震遮断成立信号Gがなければ処理T8へ移行する。処理T7は弁開禁止信号Iを出力して処理T8へ移行する。
【0025】
弁開解除入力部10において処理T8は外部より弁開禁止復旧操作の有無を判定し、弁開禁止復旧操作があれば処理T9へ移行し、弁開禁止復旧操作がなければ処理T10へ移行する。処理T9は弁開禁止信号Iを解除して処理T10へ移行する。
【0026】
弁開駆動部6において処理T10は弁開禁止信号Iの有無を判定し、弁開禁止信号Iがあれば処理を終了し、弁開禁止信号Iがなければ処理T11へ移行する。弁開入力部5において処理T11は外部からのガス復旧操作の有無を判定し、ガス復旧操作があれば処理T12へ移行し、ガス復旧操作がなければ処理を終了する。
【0027】
弁開駆動部6において処理T12は弁開信号Eを出力して処理T13に移行し、弁4において処理T13はガス通路を開栓して処理T14へ移行する。
【0028】
漏れ判定部7において処理T14は一定時間内のガス漏れの有無を判定し、(例えば流量センサー《ガス通路内を流れているガスが一定流量流れる毎に信号を出力[例えばガス通路をガスが流れるとダイヤフラムのアームが回転しアーム部に取り付けられた磁石をリードスイッチが1回転したかを検知しガス流量を計量する。あるいはガス通路の上流側と下流側に送受信できるセンサーを取り付け音の伝搬時間の差により計量したり、ガスの流れる流量に応じて変化する熱電対の抵抗値の違いで計量しても同等の効果が得られる]》によりガス流量の積算値で判定してもよいし、ガス流量の瞬間値で判定してもよいし、ガス通路内のガス圧をリニアに取得する圧力センサーによりガス圧力値の変動で判定しても同等の効果が得られる)ガス漏れがあれば処理T3へ移行し、ガス漏れがなければ処理を終了する。
【0029】
以上の様に、本実施例におけるガス遮断装置は電池により10年間動作させるもので、その性格上極力電池消耗を抑える必要があり、そのためマイコンは数+kHzの水晶での動作が必須となっている。従って地震をガス遮断装置が有しているマイコンで判定する場合、数十ミリ秒のオン・オフパターンとして判定せねばならぬことより1つの震度判定に専念せねばならず、多段階の地震をそれぞれ独立して正確に判断することは処理速度の関係上困難であったが、低ガル検出部1による地震パルスA(比較的被害の少ない地震《例えば震度5》)と高ガル検出部8による強地震信号H(大震災《例えば震度7》)を検知する2部構成にすることにより、1つのマイコンで多段階の震度検知を可能とし、震度に合わせた処理すなわちガス使用者によるガス通路の開栓の許可・不許可の選別を電池消耗を抑えたまま実施することができる。
【0030】
また本実施例ではガス通路の開栓の許可・不許可の選択を行っているが、比較的被害の少ない地震(例えば震度5)ではガスの使用の有無によりガス通路の開栓・閉栓を選択したり(ガスの使用中であれば地震による火災等を防止するために閉栓し、ガスが使用中でなければ開栓のままとする)、大震災(例えば震度7)ではガスの使用の有無に係わらず即時にガス通路を閉栓することで安全性と利便性の向上を図ることもできる。
【0031】
また本実施例ではガス通路の開栓の許可・不許可の選択を行っているが、微細な地震(例えば震度4)ではガスの使用の有無によりガス通路の開栓・閉栓を選択したり、比較的被害の少ない地震(例えば震度5)ではガスの使用の有無に係わらず即時にガス通路を閉栓したり、大震災(例えば震度7)ではガス通路を閉栓し、ガス使用者によるガス通路の開栓を禁止する様に3段階以上の多段階処理にすることでさらに木目細かくでき安全性と利便性の向上を図ることもできる。
【0032】
(参考例1)
図4は本発明の参考例1のガス遮断装置の機能ブロック図である。また図5は参考例1のプログラムフロー図である。なお実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0033】
実施例1と異なる点は、図5の機能ブロック図において、地震判定部2は低ガル検出部1の地震パルスAを受け取ると地震パルスAのオン・オフパターンを判定しオン・オフパターンが予め保持されているパターン(例えば図3(A)の低ガル検出信号に示す様に震度5以上の地震を検出するために数十ミリ秒のオン・オフパターンの繰り返しを判定している)に一致したとき地震と判定し警報信号Kと地震遮断成立信号Gを出力する。
【0034】
震度判定部9は図3(A)および図3(B)に示す様に地震判定部2の震遮断成立信号G(オン・オフパターン成立=低地震成立)の有無を判定し地震遮断成立信号Gがありかつ高ガル検出部8の強地震信号Hの有無を判定し強地震信号Hがあれば弁開禁止信号Iと遮断許可信号Bを出力する。
【0035】
弁閉駆動部3は震度判定部9の遮断許可信号Bを受け取ると弁閉信号Cを出力する。警報報知部11は地震判定部2の警報信号Kを受け取ると、公共の電話回線を利用した通信(例えば、電話回線のノーリンギング通信を利用してNCU装置を用いて変調させている信号を復調して行われる通信。またケーブルネットワーク網や無線通信網等を利用したり、中間に位置する網を介在させずにガス遮断装置と接触または非接触で通信しても同等の効果が得られる)によりガス遮断装置を監視している集中監視センタに通報したり、ガスの使用者やガス料金の算出を実施する検針員等にLED表示(例えば、LCD等による表示や音声等による報知を行っても同等の効果が得られる)にて警報報知するところである。
【0036】
以上の様に構成されたガス遮断装置について、以下にその動作、作用について説明する。図5において上記参考例のプログラムフローを処理T1から処理T15に示す。今、処理開始から処理終了までのフローはそれぞれインターバルカレンダ等により周期的に処理されるものとする。なお実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0037】
ただし、処理T7は処理終了後に処理T3へ移行し、処理T4は処理終了後に処理T8に移行するものとする。
【0038】
地震判定部2において処理T2は地震パルスAのオン・オフパターンを判定しオン・オフパターンが予め保持されているパターン(例えば図3(A)の低ガル検出信号に示す様に震度5以上の地震を検出するために数十ミリ秒のオン・オフパターンの繰り返しを判定している)に一致したときは地震遮断成立信号Gを出力し処理T15へ移行し、一致していないときは処理T5へ移行する。
【0039】
警報報知部11において処理T15は公共の電話回線を利用した通信(例えば、電話回線のノーリンギング通信を利用してNCU装置を用いて変調させている信号を復調して行われる通信。またケーブルネットワーク網や無線通信網等を利用したり、中間に位置する網を介在させずにガス遮断装置と接触または非接触で通信しても同等の効果が得られる)によりガス遮断装置を監視している集中監視センタに通報したり、ガスの使用者やガス料金の算出を実施する検針員等にLED表示(例えば、LCD等による表示や音声等による報知を行っても同等の効果が得られる)して警報報知して処理T5へ移行する。
【0040】
以上の様に、本参考例においては低ガル検出部1による地震パルスA(比較的被害の少ない地震《例えば震度5》)と高ガル検出部8による強地震信号H(大震災《例えば震度7》)を検知する2部構成にすることにより、多段階の震度検知を可能とし、震度に合わせた処理すなわち比較的被害の少ない地震(例えば震度5)の場合は警報報知を、大震災(例えば震度7)の場合はガス通路を閉栓しかつガス通路の開栓をガス使用者に許可しない様にする選別を実施することができる。
【0041】
(実施例2)
図6は本発明の実施例2のガス遮断装置の機能ブロック図である。また図7は実施例2のプログラムフロー図である。なお実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0042】
実施例1と異なる点は、図6の機能ブロック図において、震度判定部9は地震判定部2の地震遮断成立信号Gの有無を判定し地震遮断成立信号Gがありかつ高ガル検出部8の強地震信号Hの有無を判定し強地震信号Hがあれば弁開禁止信号Iを出力する。また図3−Cに示すように低ガル検出部1の地震パルスAの有無を判定し地震パルスAがないのに高ガル検出部8の強地震信号Hの有無を判定し強地震信号Hが任意の回数(例えば地震パルスAが強地震信号H発生の前後5分以内になく、強地震信号Hのみが連続3回検出された場合。任意の回数は非連続トータル回数《例えば一定時間以内[例えば60分間]に2回連続検出が3回分検出された》であっても同等の効果が得られる。
【0043】
また強地震信号Hが常時オン《例えば5分間連続》になっている場合においては1回のみの検知としてもよいし、一定間隔《例えば1分間隔》にて任意の回数の検知をして判定しても同等の効果が得られる。あるいは地震パルスAと強地震信号Hのオン・オフ出力が逆の場合、例えば地震パルスAが常時オンのとき強地震信号Hがない状態が一定時間《例えば5分間。地震パルスAが5分以上連続してオン状態であればガス遮断装置が転倒している可能性があり、転倒していれば強地震信号Hも出力される》続いているかを判定しても同等の効果が得られる)あれば震度異常信号Lを出力する。
【0044】
検出部異常通知部12は震度判定部9の震度異常信号Lを受け取ると公共の電話回線を利用した通信(例えば、電話回線のノーリンギング通信を利用してNCU装置を用いて変調させている信号を復調して行われる通信。またケーブルネットワーク網や無線通信網等を利用したり、中間に位置する網を介在させずにガス遮断装置と接触または非接触で通信しても同等の効果が得られる)によりガス遮断装置を監視している集中監視センタに通報するところである。
【0045】
以上の様に構成されたガス遮断装置について、以下にその動作、作用について説明する。図7において上記実施例のプログラムフローを処理T1から処理T17に示す。今、処理開始から処理終了までのフローはそれぞれインターバルカレンダ等により周期的に処理されるものとする。なお実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。ただし処理T15は欠番とする。なお処理T6は地震遮断成立信号Gがない場合は処理T16へ移行する。
【0046】
震度判定部9において処理T16は低ガル検出部1の地震パルスAの有無を任意の回数(例えば地震パルスAが強地震信号H発生の前後5分以内になく、強地震信号Hのみが連続3回検出された場合。任意の回数は非連続トータル回数《例えば一定時間以内[例えば60分間]に2回連続検出が3回分検出された》であっても同等の効果が得られる。また強地震信号Hが常時オン《例えば5分間連続》になっている場合においては1回のみの検知としてもよいし、一定間隔《例えば1分間隔》にて任意の回数の検知をして判定しても同等の効果が得られる。あるいは地震パルスAと強地震信号Hのオン・オフ出力が逆の場合、例えば地震パルスAが常時オンのとき強地震信号Hがない状態が一定時間《例えば5分間。地震パルスAが5分以上連続してオン状態であればガス遮断装置が転倒している可能性があり、転倒していれば強地震信号Hも出力される》続いているかを判定しても同等の効果が得られる)判定し地震パルスAがない場合は震度異常信号Lを出力して処理T17へ移行し、地震パルスAがある場合は処理T8へ移行する。
【0047】
検出部異常通知部12において処理T17は公共の電話回線を利用した通信(例えば、電話回線のノーリンギング通信を利用してNCU装置を用いて変調させている信号を復調して行われる通信。またケーブルネットワーク網や無線通信網等を利用したり、中間に位置する網を介在させずにガス遮断装置と接触または非接触で通信しても同等の効果が得られる)によりガス遮断装置を監視している集中監視センタに通報して処理T8へ移行する。
【0048】
以上の様に、本実施例においては地震を検出する低ガル検出部1または高ガル検出部8の出力矛盾を判定することにより、低ガル検出部1が故障し感震パルスAの出力が出なくなった場合や、地震が発生していないのに高ガル検出部8が強地震信号Hを常時出力した場合等々のどちらかが異常な状態になったことを検出し報知することができる。
【0049】
(参考例2)
図8は本発明の参考例2のガス遮断装置の機能ブロック図である。また図9は参考例2のプログラムフロー図である。なお実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0050】
実施例1と異なる点は、図8の機能ブロック図において、超高ガル検出部13は地震の揺れがガス遮断装置(あるいはガス通路)を破壊する危険性のある加速度に達した場合(例えば震度9を検出するセンサーでもよいし、地震パルスAと強地震信号Hがともに常時オン状態《例えば5分間》であることを判定しても同等の効果が得られる)に超強地震信号Mを出力する。
【0051】
超高震度判定部14は地震判定部2の地震遮断成立信号Gの有無を判定し地震遮断成立信号Gがありかつ超高ガル検出部13の超強地震信号Mの有無を判定し超強地震信号Mがあれば弁開禁止復旧禁止信号Nを出力する。
【0052】
弁開解除入力部10は超高震度判定部14の弁開禁止復旧禁止信号Nを受け付けていないときには外部からの弁開禁止復旧操作を受け取ると弁開禁止解除信号Jを出力し、超高震度判定部14の弁開禁止復旧禁止信号Nを受け取ると外部からの弁開禁止復旧操作を受け付けないところである。
【0053】
以上の様に構成されたガス遮断装置について、以下にその動作、作用について説明する。図9において上記参考例のプログラムフローを処理T1から処理T21に示す。今、処理開始から処理終了までのフローはそれぞれインターバルカレンダ等により周期的に処理されるものとする。なお実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。ただし処理T15からT17は欠番とする。なお処理T5は地震の揺れが任意の加速度に達しなかった場合は処理T18へ移行し、処理T6は地震遮断成立信号Gがない場合は処理T18へ移行し、処理T7は処理終了後に処理T18へ移行する。
【0054】
超高ガル検出部13において処理T18は地震の揺れがガス遮断装置(あるいはガス通路)を破壊する危険性のある加速度に達した場合(例えば震度9でもよいし、地震パルスAと強地震信号Hがともに常時オン状態《例えば5分間》であることを判定しても同等の効果が得られる)に超強地震信号Mを出力し処理T19へ移行する。
【0055】
超高震度判定部14において処理T19は地震遮断成立信号Gの有無を判定し、地震遮断成立信号Gがあれば処理T20へ移行し、地震遮断成立信号Gがなければ処理T21へ移行する。処理T20は弁開禁止復旧禁止信号Nを出力して処理T21へ移行する。
【0056】
弁開解除入力部10において処理T21は弁開禁止復旧禁止信号Nの有無を判定し弁開禁止復旧禁止信号Nがあれば処理を終了し、弁開禁止復旧禁止信号Nがなければ処理T8へ移行する。
【0057】
以上の様に、本参考例においては地震によりガス遮断装置(あるいはガス通路)が致命的に損傷している可能性の有ることを、超高ガル検出部13と超高震度判定部14により検知し判定することにより、超大震災後のガス遮断装置に対してガス通路を開栓させるプッシュスイッチ等による弁開禁止復旧操作を禁止し、致命的に損傷している可能性の有るガス遮断装置の再使用を防止することができる。
【0058】
(参考例3)
図10は本発明の参考例3のガス遮断装置の機能ブロック図である。なお実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0059】
実施例1と異なる点は、図10の機能ブロック図において、自動復帰部15は地震判定部2の地震遮断成立信号Gを受け取ると、弁開駆動部6に弁開許可信号Dを出力してガス通路を開栓し任意の時間後(例えば10秒後)に弁閉駆動部3に遮断許可信号Bを出力して再びガス通路を閉栓する。その後、漏れ判定部7に復旧開始信号Fを出力し、一定時間以内(例えば60秒)に漏れ有り信号Oを受け取らなければ、再び弁開駆動部6に弁開許可信号Dを出力する。
【0060】
漏れ判定部7は漏れがある(例えば圧力センサーによりガス通路内の圧力を検知し、圧力降下が任意の基準以上であれば漏れ有りとしてもよいし、流量センサーによりガス流量の積算値で判定してもよいし、ガス流量の瞬間値で判定しても同等の効果が得られる)と弁閉駆動部3に遮断許可信号Bを自動復帰部15に漏れ有り信号Oを出力するところである。
【0061】
以上の様に構成されたガス遮断装置について、以下にその動作、作用について説明する。自動復帰部15は弁開駆動部6に弁開許可信号Dを出力してガス通路を開栓し任意の時間後(例えば10秒後)に弁閉駆動部3に遮断許可信号Bを出力して再びガス通路を閉栓することでガス供給圧力にまで戻し、その後漏れ判定部7に復旧開始信号Fを出力し、一定時間以内(例えば60秒)に漏れ有り信号Oを受け取らなければ、再び弁開駆動部6に弁開許可信号Dを出力してガスの使用を許可する。
【0062】
漏れ判定部7は漏れがある(例えば圧力センサーによりガス通路内の圧力を検知し、圧力降下が任意の基準以上であれば漏れ有りとしてもよいし、流量センサーによりガス流量の積算値で判定してもよいし、ガス流量の瞬間値で判定しても同等の効果が得られる)と弁閉駆動部3に遮断許可信号Bを自動復帰部15に漏れ有り信号Oを出力するところである。
【0063】
以上の様に、本参考例においては比較的被害の少ない地震(例えば震度5)の発生後にガス遮断装置が自動的にガス通路を開栓し、ガス使用者によるガス通路の開栓作業を省略しガス使用の利便性と安全性の両立を図ることができる。
【0064】
(参考例4)
図11は本発明の参考例4のガス遮断装置の機能ブロック図である。なお実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0065】
実施例1と異なる点は、図11の機能ブロック図において、漏れ判定部7は震度判定部9の弁開禁止信号Iを受け取ると弁開解除入力部10の弁開禁止解除信号Jの有無を判定し、弁開禁止解除信号Jを受け取ると弁開禁止信号Iを解除する。弁4からの復帰信号Pを受け取ると弁開禁止信号Iが解除されていれば漏れ判定(例えば一定時間以内にガス流量の積算値)を実施し漏れがあれば遮断許可信号Bを出力し、弁開禁止信号Iが解除されていなければ直ちに遮断許可信号Bを出力するところである。
【0066】
以上の様に構成されたガス遮断装置について、以下にその動作、作用について説明する。漏れ判定部7は震度判定部9の弁開禁止信号Iを受け取ると弁開解除入力部10の弁開禁止解除信号Jの有無を判定し、弁開禁止解除信号Jを受け取るとガス通路の開栓が許可されたので弁開禁止信号Iを解除する。
【0067】
弁4からの復帰信号P(例えば弁4を直接閉栓状態から開栓状態に押し開けることで、弁4の電磁コイルに発生する起電力を弁4が開栓された復帰時の信号として使用する)を受け取ると弁開禁止信号Iが解除されていれば漏れ判定を実施し漏れがあれば遮断許可信号Bを出力し、弁開禁止信号Iが解除されていなければガス通路の開栓が許されていないことより直ちに遮断許可信号Bを出力する。
【0068】
以上の様に、本参考例においては弁開入力部5や弁開駆動部6を排除することができ、ガス遮断装置の安全性を確保したままで弁開入力部5や弁開駆動部6で消費されていた電池消耗を排除することができる。
【0069】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば地震を検出する低ガル検出部または高ガル検出部の出力矛盾を判定することにより、低ガル検出部が断線等により故障し感震パルスの出力が出なくなった場合や、地震が発生していないのに高ガル検出部がショートして強地震信号を常時出力した場合等々のどちらかが異常な状態になったことを検出し報知することができる。このことによりガス遮断装置の信頼性の向上を図ることができるという有利な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1のガス遮断装置の機能ブロック図
【図2】 同装置のプログラムフロー図
【図3】 (A)高地震成立の場合の地震パルスの動作タイミングチャート
(B)低地震成立の場合の地震パルスの動作タイミングチャート
(C)検出異常成立の場合の地震パルスの動作タイミングチャート
【図4】 本発明の参考例1のガス遮断装置の機能ブロック図
【図5】 同装置のプログラムフロー図
【図6】 本発明の実施例2のガス遮断装置の機能ブロック図
【図7】 同装置のプログラムフロー図
【図8】 本発明の参考例2のガス遮断装置の機能ブロック図
【図9】 同装置のプログラムフロー図
【図10】 本発明の参考例3のガス遮断装置の機能ブロック図
【図11】 本発明の参考例4のガス遮断装置の機能ブロック図
【図12】 従来のガス遮断装置の機能ブロック図
【符号の説明】
1 低ガル検出部
2 地震判定部
3 弁閉駆動部
4 弁
5 弁開入力部
6 弁開駆動部
8 高ガル検出部
9 震度判定部
10 弁開解除入力部
11 警報報知部
12 検出部異常通知部
13 超高ガル検出部
14 超高震度判定部
15 自動復帰部
Claims (1)
- 地震の揺れを検知し揺れ方に応じてオン・オフ信号の地震パルスを出力する低ガル検出部と、前記地震パルスを受け取ると前記地震パルスのオン・オフパターンを判定しオン・オフパターンが予め保持されているパターンに一致したとき地震と判定し遮断許可信号と地震遮断成立信号を出力する地震判定部と、地震の揺れが任意の加速度に達した場合に強地震信号を出力する高ガル検出部と、前記地震判定部の地震遮断成立信号の有無を判定し地震遮断成立信号がありかつ前記高ガル検出部の強地震信号の有無を判定し強地震信号があれば弁開禁止信号を出力し、前記低ガル検出部の地震パルスの有無を判定し前記地震パルスがないのに前記高ガル検出部の前記強地震信号の有無を判定し強地震信号が任意の回数あれば震度異常信号を出力する震度判定部と、前記震度判定部の震度異常信号を受け取ると外部に異常を報知する検出部異常通知部と、復旧開始信号を受け取るとある一定期間内にガスの漏れがないかを検知しガス漏れがあると前記遮断許可信号を出力する漏れ判定部と、外部からのガス復旧操作を検知すると弁開許可信号を出力する弁開入力部と、外部より弁開禁止復旧操作を受け取ると弁開禁止解除信号を出力する弁開解除入力部と、前記遮断許可信号を受け取ると弁閉信号を出力する弁閉駆動部と、前記弁開禁止信号を受け取ると前記弁開許可信号の受付を停止し、前記弁開禁止解除信号を受け取ると前記弁開許可信号の受付を再開し、前記弁開許可信号を受け取ると弁開信号と前記復旧開始信号を出力する弁開駆動部と、前記弁閉信号を受け取るとガス通路を閉栓しガスの使用を停止させ、前記弁開信号を受け取るとガス通路を開栓しガスの使用を再開する弁とを備えたガス遮断装置。
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