JP4566992B2 - エレベータ安全装置 - Google Patents

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Description

この発明は、エレベータの異常時にブレーキ装置を制動動作させてかごを停止させるためのエレベータ安全装置に関するものである。
来のエレベータ設備用の安全回路では、異常の検出に応じて動作する複数のスイッチが直列に接続されており、少なくとも1つのスイッチが動作すると、エレベータ制御のための信号が発生される(例えば、特許文献1参照)
特開2001−106446号公報
しかし、スイッチが長時間閉じたままとなり、接点に溶着が生じると、エレベータの異常が検出されたにも拘わらず、接点が開かず、異常に対する制御信号の出力が遅れたり、出力できなかったりする可能性があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、接点の異常を検出することができ、信頼性を向上させることができるエレベータ安全装置を得ることを目的とする。
この発明によるエレベータ安全装置は、かごを制動するためのブレーキ装置を制動動作させる安全リレー主接点を含む安全回路、及び通常運転時にかごが停止したとき、ブレーキ装置が制動動作する方向へ安全リレー主接点を動作させるための安全リレー指令信号を発生するとともに、安全リレー指令信号に応じて安全リレー主接点が動作したかどうかを検出する検出回路を備え、安全リレー主接点は、通常運転時には閉じられており、かつエレベータの異常時には開かれるようになっており、安全リレー主接点に対して並列に接続され、通常運転時には開かれているバイパスリレー主接点が安全回路に設けられており、検出回路は、安全リレー指令信号を発生する場合、その前にバイパスリレー主接点を閉じるためのバイパス指令信号を発生する。
以下、この発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
図1はこの発明の実施の形態の一例によるエレベータ安全装置(電子安全装置)を示す回路構成図である。安全装置は、エレベータの異常時にかご(図示せず)の走行を停止させる安全回路1と、エレベータの異常を検出する検出回路2とを有している。検出回路2は、エレベータの運転を制御するエレベータ制御装置3、及び各種センサ4に電気的に接続されている。
各種センサ4には、例えばかごの走行速度を検出する速度センサ(例えばエンコーダ)、及びかごの位置を検出する位置センサ等が含まれている。
かご及び釣合おもり(図示せず)は、巻上機(図示せず)の駆動力により昇降路内を昇降される。巻上機は、エレベータ制御装置3により制御されている。巻上機には、かご及び釣合おもりを吊り下げる主ロープが巻き掛けられた駆動シーブと、駆動シーブを回転させる巻上機モータと、駆動シーブの回転を制動するブレーキ装置とが設けられている。
安全回路1は、ブレーキ装置に電力を供給するためのブレーキ電源コンタクタコイル5と、巻上機モータに電力を供給するためのモータ電源コンタクタコイル6と、コンタクタコイル5,6への電圧の印加を入切するための安全リレー主接点7と、安全リレー主接点7に対して並列に接続されたバイパスリレー主接点8とを有している。
ブレーキ電源コンタクタコイル5、モータ電源コンタクタコイル6及び安全リレー主接点7は、電源に対して互いに直列に接続されている。安全リレー主接点7は、通常運転時には閉じられている。また、例えばかごの走行速度が予め設定された速度を超えた場合など、エレベータの異常時には、安全リレー主接点7が開かれる。バイパスリレー主接点8は、通常運転時には開かれている。
検出回路2は、検出回路本体9と、安全リレー主接点7を動作させる安全リレーコイル10と、バイパスリレー主接点8を動作させるバイパスリレーコイル11と、安全リレー主接点7に機械的に連動して開閉される安全リレーモニタ接点12と、バイパスリレー主接点8に機械的に連動して開閉されるバイパスリレーモニタ接点13とを有している。
安全リレーコイル11、バイパスリレーコイル12、安全リレーモニタ接点12及びバイパスリレーモニタ接点13は、検出回路本体9に対して互いに並列に接続されている。
安全リレー主接点7と安全リレーモニタ接点12とは、リンク機構(図示せず)により機械的に連結されている。従って、接点7,12のいずれか一方が溶着等により動作不能となった場合には、他方も動作不能となる。
バイパスリレー主接点8とバイパスリレーモニタ接点13とは、リンク機構(図示せず)により機械的に連結されている。従って、接点8,13のいずれか一方が溶着等により動作不能となった場合には、他方も動作不能となる。
検出回路本体9は、処理部14、記憶部15、入出力部16、安全リレーモニタ接点レシーバ回路17、バイパスリレーモニタ接点レシーバ回路18、安全リレードライバ回路19、及びバイパスリレードライバ回路20を有している。
処理部14としては、例えばCPUが用いられている。記憶部15としては、例えばRAM、ROM及びハードディスク装置等が用いられている。記憶部15には、例えばエレベータの異常を判断するためのデータや、安全リレー主接点7の動作試験を行うためのプログラム等が格納されている。
処理部14は、入出力部16を介して、エレベータ制御装置3及び各種センサ4と信号の送受信を行う。
安全リレーモニタ接点レシーバ回路17は、安全リレーモニタ接点12に直列に接続され、安全リレーモニタ接点12の開閉状態を検出する。バイパスリレーモニタ接点レシーバ回路18は、バイパスリレーモニタ接点13に直列に接続され、バイパスリレーモニタ接点13の開閉状態を検出する。
安全リレードライバ回路19は、安全リレーコイル10に直列に接続され、安全リレーコイル10の励磁・非励磁を切り換える。バイパスリレードライバ回路20は、バイパスリレーコイル11に直列に接続され、バイパスリレーコイル11の励磁・非励磁を切り換える。
安全リレーコイル10の励磁・非励磁の切換は、処理部14から安全リレードライバ回路19に安全リレー指令信号を出力することにより行われる。また、バイパスリレーコイル11の励磁・非励磁の切換は、処理部14からバイパスリレードライバ回路20にバイパス指令信号を出力することにより行われる。
レシーバ回路17,18及びドライバ回路19,20は、処理部14に対して互いに並列に接続されている。
なお、安全回路1及び検出回路2には、例えば48ボルトの電圧が印加される。
次に、動作について説明する。エレベータの運転中には、各種センサ4からの情報に基づいて、検出回路本体9によりエレベータの異常の有無が監視されている。処理部14によりエレベータの異常が検出されると、安全リレードライバ回路19により安全リレーコイル10のドライブが止められる。
これにより、安全リレー主接点7が開かれ、コンタクタコイル5,6への通電が遮断される。この結果、ブレーキ装置により駆動シーブの回転が制動されるとともに、巻上機モータへの通電が遮断され、かごが非常停止される。
次に、安全リレー主接点7の動作試験方法について説明する。図2は図1の安全リレー主接点7の動作試験方法を説明するためのフローチャートである。この実施の形態では、通常運転時にかごが停止階に停止する度に動作試験が実施される。従って、通常運転時には、処理部14は、各種センサ4からの情報によりかごの走行速度が0になったがどうかを監視している(停止検出ステップS1)。
かごの速度が0になり安全状態になったら、バイパスリレードライバ20によりバイパスリレーコイル11が励磁され、この後、予め設定された時間、ここでは100ms待機する(ステップS2)。そして、バイパスリレーモニタ接点13が閉じられたかどうかがバイパスリレーモニタ接点レシーバ回路18により確認される(ステップS3)。
バイパスリレーモニタ接点13が閉じられていなければ、バイパスリレー主接点8も閉じられていないことを意味するため、処理部14によりバイパスリレー故障と判断され、検出回路本体9からエレベータ制御装置3に異常検出信号が出力される(ステップS4)。
バイパスリレーモニタ接点13が正常に閉じられていることが確認されたら、安全リレードライバ回路19により安全リレーコイル10が非励磁状態にされ、この後、予め設定された時間、ここでは100ms待機する(試験指令ステップS5)。そして、安全リレーモニタ接点12が開かれたどうかが安全リレーモニタ接点レシーバ回路17により確認される(異常検出ステップS6)。
安全リレーモニタ接点12が開かれていなければ、溶着等の原因により安全リレー主接点7も開かれていないことを意味するため、処理部14により安全リレー故障と判断され、検出回路本体9からエレベータ制御装置3に異常検出信号が出力される(ステップS4)。
安全リレーモニタ接点12が正常に開かれたことが確認されたら、今度は安全リレーコイル10が励磁され、この後、予め設定された時間、ここでは100ms待機する(ステップS7)。そして、安全リレーモニタ接点12が閉じられたかどうかが安全リレーモニタ接点レシーバ回路17により確認される(ステップS8)。
安全リレーモニタ接点12が閉じられていなければ、処理部14により安全リレー故障と判断され、検出回路本体9からエレベータ制御装置3に異常検出信号が出力される(ステップS4)。
安全リレーモニタ接点12が正常に閉じられたことが確認されたら、バイパスリレーコイル11が非励磁状態にされ、この後、予め設定された時間、ここでは100ms待機する(ステップS9)。そして、バイパスリレーモニタ接点13が開かれたかどうかがバイパスリレーモニタ接点レシーバ回路18により確認される(ステップS10)。
バイパスリレーモニタ接点13が開かれていなければ、処理部14によりバイパスリレー故障と判断され、検出回路本体9からエレベータ制御装置3に異常検出信号が出力される(ステップS4)。
このようにして、安全リレー主接点7及びバイパスリレー主接点8の開閉動作の試験が終了したら、かごの走行速度が予め設定された設定値以上になるまで待機し(ステップS11)、次にかごが停止するまで走行速度が監視される(ステップS1)。そして、かごが停止する度に、上記の動作試験が実施され、安全回路1の健全性が確認される。
このようなエレベータ安全装置では、通常運転時にかごが停止したタイミングを利用して、安全リレー主接点7の動作試験を行うようにしたので、通常運転に支障を来すことなく、安全リレー主接点7の異常を検出することができ、信頼性を向上させることができる。
また、動作試験は、かごが停止する度に行うようにしたので、十分な頻度で安全リレー主接点7の動作を確認することができ、信頼性をさらに向上させることができる。
さらに、安全リレー主接点7の動作試験を行う際には、バイパスリレー主接点8を閉じるようにしたので、動作試験中に安全回路1への通電が遮断されるのを防止することができ、安全回路1を維持したまま、動作試験を実施することができる。
さらにまた、安全リレー主接点7及びバイパスリレー主接点8が正常に元に戻されたかどうかも確認するようにしたので、信頼性をさらに向上させることができる。
なお、上記の例では、安全リレー主接点7が開いたときにブレーキ装置が制動動作する場合を示したが、逆に、安全リレー主接点が閉じたときにブレーキ装置が制動動作することも可能であり、この場合も安全リレー主接点の動作試験を実施することができる。
また、上記の例では、巻上機に設けられたブレーキ装置を動作させるための安全リレー主接点について示したが、例えば主ロープを把持してかごを制動するロープブレーキや、かご又は釣合おもりに搭載された非常止め装置を動作させるための安全リレー主接点に対してもこの発明は適用できる。
さらに、上記の例では、かごが停止する度に動作試験を行うようにしたが、動作試験のタイミングはこれに限定されない。例えば、かごの停止回数をカウントするカウンタを検出回路本体に設け、予め設定された停止回数毎に動作試験を実施するようにしてもよい。また、検出回路本体にタイマを設け、予め設定された時間が経過してから最初にかごが停止したときに動作試験を実施するようにしてもよい。さらに、エレベータの通常運転を開始したとき(起動時)のみ、動作試験を実施するようにしてもよい。さらにまた、予め設定された階に停止したときのみ、動作試験を実施するようにしてもよい。
この発明の実施の形態の一例によるエレベータ安全装置を示す回路構成図である。 図1の安全リレー主接点の動作試験方法を説明するためのフローチャートである。

Claims (5)

  1. かごを制動するためのブレーキ装置を制動動作させる安全リレー主接点を含む安全回路、及び
    通常運転時に上記かごが停止したとき、上記ブレーキ装置が制動動作する方向へ上記安全リレー主接点を動作させるための安全リレー指令信号を発生するとともに、上記安全リレー指令信号に応じて上記安全リレー主接点が動作したかどうかを検出する検出回路
    を備え
    上記安全リレー主接点は、通常運転時には閉じられており、かつエレベータの異常時には開かれるようになっており、
    上記安全リレー主接点に対して並列に接続され、通常運転時には開かれているバイパスリレー主接点が上記安全回路に設けられており、
    上記検出回路は、上記安全リレー指令信号を発生する場合、その前に上記バイパスリレー主接点を閉じるためのバイパス指令信号を発生するエレベータ安全装置。
  2. 上記検出回路には、上記安全リレー主接点に機械的に連動して開閉される安全リレーモニタ接点が設けられており、上記検出回路は、上記安全リレーモニタ接点の状態から上記安全リレー主接点の状態を検出する請求項1記載のエレベータ安全装置。
  3. 上記検出回路には、上記バイパスリレー主接点に機械的に連動して開閉されるバイパスリレーモニタ接点が設けられており、上記検出回路は、上記バイパスリレーモニタ接点の状態から上記バイパスリレー主接点の状態を検出する請求項記載のエレベータ安全装置。
  4. 上記検出回路は、上記バイパス指令信号に応じてバイパスリレー主接点が動作したかどうかを検出する請求項記載のエレベータ安全装置。
  5. 上記検出回路は、上記安全リレー主接点の異常を検出したとき、エレベータの運転を制御するエレベータ制御装置に異常検出信号を出力する請求項1記載のエレベータ安全装置。
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