JP4566053B2

JP4566053B2 - シャッター及び小物入れ装置

Info

Publication number: JP4566053B2
Application number: JP2005111280A
Authority: JP
Inventors: 浩之中谷; 純一松原
Original assignee: Nifco Inc
Current assignee: Nifco Inc
Priority date: 2005-04-07
Filing date: 2005-04-07
Publication date: 2010-10-20
Anticipated expiration: 2025-04-07
Also published as: KR20060107366A; JP2006291510A

Description

本発明は、摺動方向に屈曲可能に形成されたシャッター及びそれを用いた小物入れ装置に関する。

図７は特許文献１に開示されている小物入れ装置を示している。この小物入れ装置２０は、開口部２１の両縁に設けられたガイド溝２２に沿って摺動されるシャッター１０を有している。該シャッター１０は、部分拡大図に示されるように、摺動方向に間隔を保って並設された複数の骨材（ロッド）１２、及び骨材１２の外面を覆った状態で骨材同士の間に屈曲用の薄板部１４ａを形成している被覆体（緩衝シート）１４と、被覆体１４の外面に張り付けられた装飾フィルム１６とで構成されている。符号１３は引出端側に設けられた把手である。以上のシャッター１０は、両端縁がガイド溝２２に嵌合されて、開口部２１を塞いだ閉状態から、把手１３を利用して開状態である図の左下側へ摺動される。また、以上のガイド溝２２は、通常、シャッター１０を装置側の邪魔にならない箇所へ摺動する関係で湾曲部２２ａを有している。このため、シャッター１０は、薄板部１４ａで屈曲して湾曲部２２ａの曲率に馴染むようにしているが、湾曲部２２ａの曲率が小円形に近づくほど摺動時の抵抗が大きくなり強い操作力が必要となる。

以上の対策としては、例えば、薄板部１４ａをより薄くして屈曲し易くすることもあるが、余り薄くすると剛性が維持できなくなる。また、図８は本出願人らが先に開発した特許文献２のものを示している。同図のシャッターは、薄板部１２を介し摺動方向に屈曲される本体１１と、該本体１１の両側に設けられた多数の突部１３とを一体に形成している。本体１１は、間隔を保って並設された複数の骨材（硬質樹脂部）、及び該骨材の外面を覆った状態で骨材同士の間に薄板部１２を形成している被覆体（軟質樹脂部）とからなる。突部１３は、略Ｌ形をなし、Ｌ形の垂直部１５ａに相当する分だけ本体１１に対し下側に変位している。Ｌ形の水平部１５ｂはガイド溝６と嵌合する部分である。この部分には、上下面に当接部１５，１６が設けられている。当接部１５は、外側に配置される上面に設けられて、ドーム状をなし弾性変形に富んでいる。当接部１６は、内側に配置される下面に設けられて円弧状となっている。以上の構造では、本体１１及び突部１３の相対的な位置関係、つまり突部１３を本体１１の側面に段差を持って下側に位置させ、ガイド溝６の湾曲部で屈曲される際の本体１１の屈曲ラインＲ2を前記段差によりガイド溝６の溝幅より上又は外側にずれるようにし、ガイド溝６の湾曲部の曲率が略小円形に近づいても、摺動特性を良好に維持可能にしたものである。これは、例えば、本体１１の屈曲ラインＲ2を突部１３同士で描く屈曲ラインＲ1より大きくすること等により、突部１３が本体１１の屈曲変形時の反力を受け難くなるからである。

特開平９−１９３９５２号公報特開２００３−９０１８６号公報

上記した特許文献１の構造は、シャッターの摺動特性をそれなりに改善できるものの、ガイド溝の湾曲部が本発明を適用した図２に示すような略小円形に近い曲率になるとシャッターを閉方向へ摺動するときの摺動抵抗が増し、大きな操作力が必要となる。このような問題は、小物入れ装置自体の使い勝手を悪くし信頼性を損ねる。そこで、本発明の目的は、以上の様な課題を解消し、比較的簡易な構成により、特に下向き荷重に対するシャッター全体の剛性を保って、かつ、ガイド溝を構成している湾曲部の曲率に関わらずシャッターの摺動特性を良好に維持できるようにし、それによって使い勝手及び信頼性を向上することにある。

上記目的を達成するため請求項１と２の各発明は、摺動方向に間隔を保って並設された複数の硬質樹脂製骨材、及び前記骨材の外面を覆った状態で骨材同士の間に屈曲用の薄板部を形成している軟質樹脂製の被覆体からなり、前記骨材の両側に配置されている突部を、装置側収容部の開口両縁に設けられてシャッター格納側に湾曲部を有するガイド溝に嵌合して該ガイド溝に沿って摺動されるシャッターを対象としている。そして、請求項１の発明要部は、前記ガイド溝の湾曲部が略渦巻き状ないしは略円形状であり、前記薄板部のうち、前記シャッターの引出端と反対側である終端側の薄板部の板幅寸法を他の薄板部（これは終端側の薄板部以外の薄板部を指す）より長くして曲がり易く形成していることを特徴としている。請求項２の発明要部は、前記ガイド溝の湾曲部が略渦巻き状ないしは略円形状であり、前記薄板部のうち、前記シャッターの引出端と反対側である終端側の薄板部の板厚寸法を他の薄板部（これは終端側の薄板部以外の薄板部を指す）より薄くして曲がり易く形成していることを特徴としている。
これに対し、請求項３の発明は、形状から特定したもので、前記被覆体が外面を加飾処理可能な平面に形成されている構成である。また、請求項４の発明は、用途から特定したもので、収容部及び該収容部の開口を開閉するシャッターを備えた小物入れ装置において、前記収容部が開口両縁に設けられるとともにシャッター格納側に湾曲部を有するガイド溝を有しているとともに、請求項１から３の何れかに記載のシャッターを前記ガイド溝に摺動自在に嵌合している構成である。

以上の各発明は、装置側のガイド溝がシャッターを格納する側に湾曲部を有している場合、シャッターが引出端と反対側である終端側の薄板部を他のものより長くしたり薄く形成して屈曲し易くなっていると、特にシャッターを閉から開状態に摺動するときに、従来の操作力に比べて小さな力で摺動操作できることを知見し完成されたものである。この現象は、前記ガイド溝の湾曲部が図２に例示した比較的小さな略円形状になっているような態様だと顕著となり、また、全ての薄板部を長くしたり薄くするとシャッター剛性を維持できなくなるが、終端側の薄板部（これには、終端にある薄板部だけの１つの態様、終端にある薄板部とその手前の薄板部の２つの態様を含む）を長くしたり薄くするためシャッター剛性の低下を最小限に抑えながら実施できる点で優れている。

・請求項１の発明では、シャッターを構成している薄板部のうち、終端側の薄板部の板幅寸法を他の薄板部より長くして屈曲し易くするだけでシャッター摺動時の操作力を弱くでき、それによりシャッターの摺動特性を良好にして使い勝手を向上できる。
・請求項２の発明では、シャッターを構成している薄板部のうち、終端側の薄板部の板厚寸法を他の薄板部より薄くして屈曲し易くするだけでシャッター摺動時の操作力を弱くでき、それによりシャッターの摺動特性を良好にして使い勝手を向上できる。
・請求項３の発明では、例えば、被覆体の表面が平面になっているため木目等を良好に印刷したり装飾フイルムを見栄えよく張り付けることができる。すなわち、この構造では、請求項１や２でシャッターの摺動操作力を弱くできたので、被覆体が表面形状として比較的曲がりにくい平面形状を採用可能にし、それにより図８に例示されるようなＶ形ノッチを介して屈曲される構成に比べ、表面に施される印刷（加飾）のゆがみなどが生じ難く外観特性も維持し易くなる。
・請求項４の発明では、小物入れ装置として、シャッターの摺動特性に優れたものを提供でき、それにより装置の使い勝手及び信頼性を向上できる。

以下、本発明の形態を添付図面を参照して説明する。図１〜図４は本発明の第１形態を示し、図５は第２形態、図６は第３形態を示している。以下の説明では、第１形態により発明特徴を明らかにした後、第２形態と第３形態の変更点に言及する。

（第１形態）図１は本発明のシャッターを適用した小物入れ装置の上面図、図２は図１のＡ−Ａ線断面図で、同（ａ）はシャッターの閉状態を示し、（ｂ）はシャッターの開状態を示している。図３（ａ），（ｂ）は前記シャッター単品を示す上面図と側面図である。図４（ａ），（ｂ）は図３のＡ部とＢ部の模式拡大図である。図に示す小物入れ装置は、ハウジング１が上開口した収容部１０と、収容部１０の後側（図の左側）に位置してシャッター２を引き込むための格納部１１とを一体に形成している。

前記収納部１０は、前壁１３ａ、後壁１３ｂ、両側壁１３ｃ及び底壁１３ｄにて前後に長い矩形立体として区画形成されている。格納部１１は、後壁１３ｂに隣設している前壁１４ａ、後壁１４ｂ、両側壁１３ｃの上側と接続している側壁１４ｃ及び底壁１４ｄにて収容部１０より小さな矩形立体として区画形成されている。両側壁１３ｃ及び両側壁１４ｃの上内面にはガイド溝１５が対向した状態に設けられている。両ガイド溝１５は、断面略凹状で、側壁１３ｃから側壁１４ｃの途中まで略直線状に延びているとともに、側壁１４ｃの途中から下向きに略渦巻き状ないしは略円形状に形成された湾曲部１５ａを有している。湾曲部１５ａの終端側には、溝側面から溝内に突出された小凸部１６ａと、小凸部１６ａの奥に位置して溝を閉じる係止部１６ｂとが設けられている。

これに対し、シャッター２は、図３に示されるように、摺動方向に間隔を保って並設された複数の略片状骨材３と、前側（引出端側）から１番目の骨材３と２番目の骨材３とに接続された状態に設けられている骨材３Ａと、各骨材３，３Ａの外面を覆った状態で骨材３同士の間に屈曲用の薄板部４ａ，４ｂを形成している被覆体４からなり、骨材３の両側に配置されている突部５を有している。符号７は把手である。把手７は、骨材３Ａ上に設けられている立壁６と、立壁６を軟質樹脂である被覆体４の対応部で被覆した状態に形成されている。なお、シャッター２は、特許文献２と同様に、２色成形法により成形されて、骨材３，３Ａが一次成形で形成されたＡＢＳ（アクリロニトリル・プタジェン・スチレン重合体）等の硬質樹脂部、被覆体４が二次成形されたポリエステル系エラストマー又はポリプロピレン系エラストマー等の軟質樹脂部である。

ここで、突部５は、略Ｌ形をなし、Ｌ形の垂直部５ａに相当する分だけ被覆体４の平板に対し下側に変位している。Ｌ形の水平部５ｂは、ガイド溝１５と嵌合する部分であり、図８の構成と同様に下側が骨材３の端部３ａで円弧状に形成され、その上が軟質樹脂でドーム状に形成されている。また、骨材３同士の間隔、つまり薄板部４ａ，４ｂの板幅寸法は図４（ａ），（ｂ）に示されるよう設定されている。すなわち、この形態では、少なくともシャッター２の引出端と反対側である終端から１番目及び２番目の薄板部４ｂの板幅寸法Ｌ2は、それ以外の薄板部４ａの板幅寸法Ｌ1より長く（この場合、板幅寸法Ｌ2は板厚寸法や弾性程度によって相違するものの、板幅寸法Ｌ1より少なくとも１．３倍程度以上長く設定することが好ましい）形成されていて、長くした分だけ屈曲変形し易くなっている。なお、この形態では、薄板部４ａと薄板部４ｂとはほぼ同じ板厚寸法Ｔ1に設定されている。

（作動）以上のシャッター２は、装置側のガイド溝１５に対し各突部５を嵌合した状態に組み込まれて、収容部１０の上開口を塞いだ図２（ａ）の閉状態から、把手７を利用して図２（ｂ）の開状態まで摺動される。また、シャッター２は、開状態に達する直前に、終端から１番目の突部５がガイド溝１５を構成している湾曲部１５ａ側の小凸部１６ａを弾性的に乗り越え係止部１６ｂに当たって係止される。ところで、この構造において、摺動操作は、ガイド溝１５の湾曲部１５ａが略小円形状に湾曲していても、従来品に比べてシャッター２の終端から１番目及び２番目の薄板部４ｂの板幅寸法（この点はシャッター２の終端から１番目の薄板部４ｂだけを長くしてもよい）を他の薄板部４ａより長くして終端側を屈曲変形し易くしているため弱い操作力で行える。これは、シャッター２の剛性を損なうことなく、特にシャッター２を閉状態から開状態に摺動するときに、終端側が屈曲変形し易く、湾曲部通過時の摩擦抵抗を大きく減じて、従来の操作力に比べて弱い力で摺動操作でき、摺動操作力を低くして使い勝手を向上できる。なお、この構造では、特許文献２と同様、突部５が被覆体４の平板に対しＬ形の垂直部５ａに相当する分だけ段差を持って配置されることによってもスムースな摺動特性を実現している。この点は次の第２、第３形態でも同じである。また、この構造では、図２に一点鎖線で示したように、ハウジング１のうち、格納部１１の後端上側がカバー材９や該カバー材に対応する板部分等により覆われて、荷重がシャッター２の後端部上に加わらないようになっているため、薄板部４ｂを他の薄板部４ａより長くしたり第２形態のように薄くして屈曲し易くしても剛性低下による不具合を生じない。

（第２形態）この形態では、図５（ａ），（ｂ）に示したように、少なくともシャッター２の引出端と反対側である終端側から１番目及び２番目の薄板部４ｃの板厚寸法Ｔ2は、それ以外の薄板部４ａの板厚寸法Ｔ1より薄く（この場合、板厚寸法Ｔ2は板幅寸法や弾性程度によって相違するものの、板厚寸法Ｔ1より少なくとも２／３以下の厚さに設定することが好ましい）形成されていて、薄くした分だけ屈曲変形し易くなっている。なお、この形態では、薄板部４ａと薄板部４ｃとはほぼ同じ板幅寸法Ｌ1に設定されている。この形態の摺動でも、第１形態の場合と同様に従来品に比べてシャッター２の終端から１番目及び２番目の薄板部４ｃの板厚寸法（この点はシャッター２の終端から１番目の薄板部４ｃだけを薄くしてもよい）を他の薄板部４ａより薄くして終端側を屈曲変形し易くしているため弱い操作力で行える。この構造でも、シャッター２の剛性を損なうことなく、特にシャッター２を閉から開状態に摺動するときに従来の操作力に比べて小さな力で摺動操作できるようにする。

（第３形態）この形態では、図６（ａ），（ｂ）に示したように、少なくともシャッター２の引出端と反対側である終端側から１番目及び２番目の薄板部４ｄの板厚寸法Ｔ3はそれ以外の薄板部４ａの板厚寸法Ｔ1より薄く（例えば、約２／３程度の厚さ）、かつ、終端から１番目及び２番目の薄板部４ｄの板幅寸法Ｌ3はそれ以外の薄板部４ａの板幅寸法Ｌ1より長く（例えば、約１．３倍程度の長さ）形成されていて、シャッター２に上から加わる荷重に耐える剛性を維持しながら、薄くかつ長くした分だけ屈曲変形し易くなっている。このように、本発明の要部は第１形態から第３形態の何れであってもよいものである。また、本発明は、請求項で特定される要件を除き、例えば、装置形態などについては特許文献１や２等を参照して種々変形可能なものである。

本発明の第１形態のシャッターを適用した小物入れ装置の上面図である。図１のＡ−Ａ線断面図で、（ａ）はシャッターの閉状態、（ｂ）はシャッターの開状態である。上記シャッターを単品で示す上面図と側面図である。（ａ）と（ｂ）は図３のＡ部とＢ部を模式的に拡大した図である。本発明の第２形態のシャッター要部を図４に対応させて示す図である。本発明の第３形態のシャッター要部を図４に対応させて示す図である。特許文献１に開示されている小物入れ装置要部を示す図である。特許文献２に開示されているシャッター要部を示す図である。

符号の説明

１…小物入れ装置（１０は収容部、１１はシャッター用格納部）
２…シャッター
３，３Ａ…骨材（３ａは端部、６は立壁）
４…被覆体
４ａ，４ｂは薄板部
４ｃ，４ｄは薄板部
５…突部（５ａは垂直部、５ｂは水平部）
７…把手
１５…ガイド溝（１５ａは湾曲部）

Claims

摺動方向に間隔を保って並設された複数の硬質樹脂製骨材、及び前記骨材の外面を覆った状態で骨材同士の間に屈曲用の薄板部を形成している軟質樹脂製の被覆体からなり、前記骨材の両側に配置されている突部を、装置側収容部の開口両縁に設けられてシャッター格納側に湾曲部を有するガイド溝に嵌合して該ガイド溝に沿って摺動されるシャッターにおいて、
前記ガイド溝の湾曲部が略渦巻き状ないしは略円形状であり、
前記薄板部のうち、前記シャッターの引出端と反対側である終端側の薄板部の板幅寸法を他の薄板部より長くして曲がり易く形成していることを特徴とするシャッター。
摺動方向に間隔を保って並設された複数の硬質樹脂製骨材、及び前記骨材の外面を覆った状態で骨材同士の間に屈曲用の薄板部を形成している軟質樹脂製の被覆体からなり、前記骨材の両側に配置されている突部を、装置側収容部の開口両縁に設けられてシャッター格納側に湾曲部を有するガイド溝に嵌合して該ガイド溝に沿って摺動されるシャッターにおいて、
前記ガイド溝の湾曲部が略渦巻き状ないしは略円形状であり、
前記薄板部のうち、前記シャッターの引出端と反対側である終端側の薄板部の板厚寸法を他の薄板部より薄くして曲がり易く形成していることを特徴とするシャッター。
請求項１又は２のシャッターにおいて、前記被覆体が外面を加飾処理可能な平面に形成されていることを特徴とするシャッター。
収容部及び該収容部の開口を開閉するシャッターを備えた小物入れ装置において、
前記収容部が開口両縁に設けられるとともにシャッター格納側に湾曲部を有するガイド溝を有しているとともに、請求項１から３の何れかに記載のシャッターを前記ガイド溝に摺動自在に嵌合していることを特徴とする小物入れ装置。