JP4566017B2 - 始動制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、遠隔操作用端末から受信した信号に基づいて、もしくは自律的に車両の始動制御を行なう始動制御装置に関し、特に異常停止が発生した場合にその内容を簡易に出力可能な始動制御装置に関するものである。
近年、車両の暖機や空調を事前に行うべく、運転者が車外にいる状態でエンジンを遠隔に、もしくはタイマー等を用いて予め定めた時刻に(即ち自律的に)始動する始動制御装置が実用化されている。この始動制御装置は、例えば、運転者が所持する遠隔操作端末(リモートキー)からのエンジン始動要求を受信した場合に、鍵による始動操作が行なわれた場合と同様の操作を実行する。すなわちスタータモータを稼動する。これにより、エンジン制御装置が燃料の噴霧を実行する。
この始動制御装置は、車両の販売後に追加される場合があるが、鍵の認証に成功した場合にのみエンジンの始動禁止を解除する、いわゆるイモビライザを搭載した車両に始動制御装置を追加する際には、イモビライザによる始動禁止を解除するため、認証用のコードを始動制御装置に登録し、始動制御を行う前にイモビライザに認証用のコードを送信して始動禁止を解除することが必要となる(たとえば特許文献1および2参照。)。
特許第3365716号公報 特許第3365717号公報
ところで、始動制御装置は運転者もしくは使用者が近くに居ない状況でエンジン(もしくは他の動力機関)を動作させるので、車両の状態に変化があった場合、例えばドアが開けられた場合やエンジン回転数に異常が発生した場合には安全確保や盗難防止のために使用者の意図に関係なくエンジン等の動力系の停止制御を行なう必要がある。
従来より、さまざまな車両用制御装置では、センサやアクチュエータなどの故障診断を行い、異常箇所を記憶して後日その異常箇所を出力表示する、いわゆるダイアグ表示が行われているが、始動制御装置における前記エンジンの停止制御は必ずしも故障によるものではないため、ダイアグ表示の対象とされていなかった。そのため、使用者の意図に関係なく動力系の停止制御が行なわれた場合、使用者は車両にいないため、その原因を知ることができなかった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、使用者の意図によらず動力系が停止した場合に、停止の理由がわかるようにした始動制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に係る始動制御装置は、遠隔操作用端末から受信した信号に基づいて、もしくは自律的に車両のエンジンの始動制御を行なう始動制御装置であって、前記遠隔操作用端末から受信したエンジンの停止要求に対応するエンジン停止条件または前記車両の各部の異常状態に対応するエンジン停止条件のうち、いずれかが成立した場合に、前記エンジンの停止制御を行う停止制御手段と、前記停止制御手段によって前記エンジンの停止制御が行われた場合に、成立している前記エンジン停止条件が前記停止要求に対応する前記エンジン停止条件か否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記停止要求に対応する前記エンジン停止条件でないと判定された場合、成立している前記エンジン停止条件に対応する前記車両の各部の異常状態を、前記エンジンが使用者の意図によらず停止した異常終了の原因として記憶する記憶手段と、所定の操作が実行された場合に前記記憶手段が記憶した前記異常終了の原因を出力する出力処理手段と、を備えたことを特徴とする。
この請求項1の発明によれば始動制御装置は、動力系が運転者の意図によらず停止する異常終了が発生した場合にその原因を記憶し、所定の操作が実行された場合に記憶した原因を出力する。
また、請求項2の発明に係る始動制御装置は、請求項1の発明において、前記所定の操作は、特定の設定が行われ、かつ特定の運転操作が行われることであることを特徴とする。
この請求項2の発明によれば始動制御装置は、動力系の異常終了が発生した場合に当該異常終了の原因を記憶し、その後、特定の設定が行われ、かつ特定の運転操作が実行された場合に記憶した異常終了の原因を出力する。
また、請求項3の発明に係る始動制御装置は、請求項2の発明において、前記特定の設定は、所定の端子のレベルを接地または天絡することであることを特徴とする。
この請求項3の発明によれば始動制御装置は、動力系の異常終了が発生した場合に当該異常終了の原因を記憶し、その後、所定の端子のレベルが接地もしくは天絡され、かつ特定の運転操作が実行された場合に記憶した異常終了の原因を出力する。
また、請求項4の発明に係る始動制御装置は、請求項2または3の発明において、前記所定の運転操作は、車両に備えられた運転用操作部材の操作であることを特徴とする。
この請求項4の発明によれば始動制御装置は、動力系の異常終了が発生した場合に当該異常終了の原因を記憶し、その後、特定の設定が行われ、かつ車両に備えられた運転用操作部材の操作が実行された場合に記憶した異常終了の原因を出力する。
また、請求項5の発明に係る始動制御装置は、請求項1〜4のいずれか一つの発明において、前記出力処理手段は、既存の車載装置の制御によって前記異常終了の原因を出力することを特徴とする。
この請求項5の発明によれば始動制御装置は、動力系の異常終了が発生した場合に当該異常終了の原因を記憶し、その後、所定の操作が実行された場合に記憶した異常終了の原因を既存の車載装置を利用して出力する。
また、請求項6の発明に係る始動制御装置は、請求項5の発明において、前記出力処理手段は、ハザード点滅によって前記異常終了の原因を出力することを特徴とする。
この請求項6の発明によれば始動制御装置は、動力系の異常終了が発生した場合に当該異常終了の原因を記憶し、その後、所定の操作が実行された場合に記憶した異常終了の原因をハザード点滅によって出力する。
また、請求項7の発明に係る始動制御装置は、請求項1〜6のいずれか一つの発明において、前記出力処理手段は、前記異常終了の原因の出力中に再度前記所定の操作または前記特定の運転操作が行われた場合に、当該運転操作に基づく出力処理の実行を抑止することを特徴とする。
この請求項7の発明によれば始動制御装置は、動力系の異常終了が発生した場合に当該異常終了の原因を記憶し、その後、所定の操作または運転操作が実行され、かつ出力処理を実行中で無い場合に記憶した異常終了の原因を出力する。
請求項1の発明によれば始動制御装置は、動力系が運転者の意図によらず停止する異常終了が発生した場合にその原因を記憶し、所定の操作が実行された場合に記憶した原因を出力するので、使用者の意図に関係なく動力系が停止した場合に、その理由を出力可能な始動制御装置を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項2の発明によれば始動制御装置は、動力系の異常終了が発生した場合に当該異常終了の原因を記憶し、その後、特定の設定が行われ、かつ特定の運転操作が実行された場合に記憶した異常終了の原因を出力するので、簡易な操作でダイアグ情報を出力する始動制御装置を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項3の発明によれば始動制御装置は、動力系の異常終了が発生した場合に当該異常終了の原因を記憶し、その後、所定の端子のレベルが接地もしくは天絡され、かつ特定の運転操作が実行された場合に記憶した異常終了の原因を出力するので、簡易な設定と操作でダイアグ情報を出力する始動制御装置を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項4の発明によれば始動制御装置は、動力系の異常終了が発生した場合に当該異常終了の原因を記憶し、その後、特定の設定が行われ、かつ車両に備えられた運転用操作部材の操作が実行された場合に記憶した異常終了の原因を出力するので、簡易かつ安全にダイアグ情報を出力する始動制御装置を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項5の発明によれば始動制御装置は、動力系の異常終了が発生した場合に当該異常終了の原因を記憶し、その後、所定の操作が実行された場合に記憶した異常終了の原因を既存の車載装置を利用して出力するので、後付が容易で、かつ簡易な操作でダイアグ情報を出力する始動制御装置を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項6の発明によれば始動制御装置は、動力系の異常終了が発生した場合に当該異常終了の原因を記憶し、その後、所定の操作が実行された場合に記憶した異常終了の原因をハザード点滅によって出力するので、簡易な操作で確実にダイアグ情報を出力する始動制御装置を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項7の発明によれば始動制御装置は、動力系の異常終了が発生した場合に当該異常終了の原因を記憶し、その後、所定の操作または特定の設定が行われ、特定の運転操作が実行され、かつ出力処理を実行中で無い場合に記憶した異常終了の原因を出力するので、詳細なダイアグ情報を確実かつ簡易に出力する始動制御装置を得ることができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る始動制御装置の好適な実施の形態である車載システムについて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例にかかる車載システムの概要構成を示す概要構成図である。同図に示すように、車載システム1は、アンテナ11、リモートキーチューナ21、ボディECU(Electrical Control Unit)22、EFI用ECU(燃料噴射制御装置)23、リモートスタートECU24、イモビライザECU25、キーシリンダ26およびイモビライザアンプ27を有する。
リモートキーチューナ21はアンテナ11を介し、アンテナ12を備えたリモートキー2との通信を行なう。リモートキー2は、ユーザが所持する遠隔操作端末であり、エンジン始動要求や停止要求を車載システム1に対して送信する。また、ドアの施錠要求や解錠要求などをさらに送信する構成としても良い。一方、キー3は、ユーザが直接エンジンの始動操作を行なう際に使用するものであるが、リモートキー2の機能をこのキー3に持たせても良い。
ボディECU22は、車体の状態の制御を行う制御装置であり、車速、エンジンルームのフードの開閉状態、ドアの開閉状態、ドアの施錠状態、シフト(変速機)の状態、ブレーキの状態などを取得する。これらの状態は車速センサ、フードスイッチ、ドア開閉スイッチ、ドアロックスイッチ、シフトスイッチ、ブレーキスイッチとボディECU22の端子とが接続されており、これらのスイッチのクローズ、オープン状態を検出することによって判別することができる。また、ボディECU22は、リモートキーチューナ21およびバスネットワーク20に接続し、入力した情報をバスネットワーク20に出力するとともに、バスネットワーク20を介してEFI用ECU23およびリモートスタートECU24と通信する。
EFI用ECU23は、エンジンの動作を電子制御する制御装置である。具体的にはEFI用ECU23は、イグニッションライン(IG)の接続に対応して動作を開始し、スタータライン(ST)の接続に対応して図示しないスタータモータが回転を始めたことを検出するとエンジンへの燃料噴射と点火制御を行ってエンジンを始動・稼動させる。また、イグニッションライン(IG)が開放された場合には燃料噴射を終了してエンジンを停止する。
ここでEFI用ECU23は、エンジンの状態に関する情報、例えばエンジン回転数などを取得し、エンジンの制御に使用する。また、EFI用ECU23はバスネットワーク20に接続し、このバスネットワーク20を介してボディECU22およびリモートスタートECU24と通信を行ない、各ECUの出力情報を受信し、またEFI用ECU23の入力情報を送信する。
さらに、EFI用ECU23はイモビライザECU25と接続している。このイモビライザECU25は、車両の鍵(ここではキー3)に認証用の情報(コード)を持たせることで車両の盗難を防止する装置であり、鍵のキーシリンダ26への挿入検知時にコードを読み出して認証を行なう。そして認証に失敗した場合にはエンジンの始動を禁止し、認証が成功した場合にのみ始動禁止を解除することで不正なエンジン始動による車両の盗難を防止する。
イモビライザECU25によるエンジンの始動禁止を解除する場合の手順を図2に示す。同図に示すように、まず、キーシリンダ26がキー3の挿入を検知してイモビライザECU25に通知する(手順1)。通知を受けたイモビライザECU25は、イモビライザアンプ27に対してキーコード送信要求を行う(手順2)。そして、イモビライザアンプ27は、キー3と無線通信を行ない、キー3に内蔵されたトランスポンダが記憶するキーコードを読み取ってイモビライザに送信する(手順3)。イモビライザECU25は、イモビライザアンプ27から受信したキーコードと自身が予め記憶したキーコードとの一致判定を行い、一致した場合に認証成功としてEFI用ECU23に始動許可を与えることで、エンジンの始動禁止を解除する(手順4)。
したがって、ユーザがキー3をキーシリンダ26に挿入した場合にはイモビライザECU25は自動的にエンジンの始動禁止を解除し、ユーザはキー3の回動操作によってイグニッションラインやスタータライン、また車載機器への電源供給を管理するアクセサリーライン(ACC)を操作してエンジンを始動することができる。
リモートスタートECU24は、キー3がキーシリンダ2bに挿入されていない、すなわちユーザが車外に居る状態で、エンジンを始動する処理を行う。この時、イモビライザECU25によるエンジンの始動禁止を解除するため、リモートスタートECU24はキー3が保持するキーコードと同様の機能を有する認証用の情報をイモビライザコードとして不揮発性メモリであるイモビライザコードメモリ24aに記憶している。
このリモートスタートECU24によるエンジン始動時の手順を図3に示す。まず、リモートキー2が送信したエンジン始動要求をリモートキーチューナ21が受信し、ボディECU22、バスネットワーク20を介してリモートスタートECU24に通知する(手順1)。リモートスタートECU24は、この始動要求を受けてイモビライザECU25に解除要求を行う(手順2)。イモビライザECU25は、解除要求を受けてリモートスタートの認証を行ない、認証が成功したならばEFI用ECU23に始動許可を与えるとともに、リモートスタートECU25に始動禁止を解除したことを通知する(手順3)。その後、リモートスタートECU24は、アクセサリーライン、イグニッションライン、スタータラインを操作して夫々擬似信号を出力することによりエンジンの始動制御を行う(手順4)。
ところで、リモートスタートECU24によるエンジン始動は、ユーザが近くに居ない状態で実行することを想定しているので、エンジンを始動しても安全であるか否かをリモートスタートECU24が判定する必要がある。
そこで、リモートスタートECU24は、ボディECU22から車速、エンジンルームのフードの開閉状態、ドアの開閉状態、ドアの施錠状態、シフト(変速機)の状態、ブレーキの状態などを取得する。そして「車速が0」「フードが閉じている」「全てのドアが閉じている」「ドアが施錠されている」「シフトがパーキングに入っている」「パーキングブレーキがかかっている」「メインブレーキが操作されていない」などの始動許可条件が全て成立し、安全性が確認された場合にのみエンジンの始動を行う。
また、エンジン始動後であってもこれらの条件のいずれかが不成立となった場合や、エンジン回転数に異常が生じた場合、チェックエンジンランプが点灯した場合などには、エンジンを停止する。なおこれらの条件は、必要に応じて追加、削除可能である。
そして、リモートスタートECU24内部の診断処理部24bは、このような異常停止、すなわちリモートキー2からの停止要求以外の原因による停止が発生した場合には、その原因をダイアグメモリ24cに記憶する。
さらに診断処理部24bは、所定の条件が成立した場合にダイアグメモリ24cの記憶内容を出力する。具体的には、所定の操作、例えばリモートスタートECU24に設けた専用端子であるダイアグ端子を接地した状態(設定)で、または天絡した状態で、かつ車両に既設された運転操作部材としてのブレーキペダルが踏まれた(操作された)場合に、診断処理部24bはウインカーランプを制御し、停止原因に対応した回数のハザード点滅を行う。尚、運転操作部材は、ブレーキペダルに限るものではなく、シフトレバーによるシフトポジションやヘッドライト等のライトスイッチ等、運転において使用するものであればよい。また、運転操作部材の代わりにドアのロックスイッチやドアの開閉を検出するカーテシスイッチ等の車両の既設スイッチでもよく、更にはリモートキー2の所定のボタンを使用してもよい。
このようにブレーキペダルをダイアグ出力条件として使用した場合、ブレーキペダルの操作のみでダイアグ情報を出力するので、運転席から移動することなく、簡易な操作で診断を行なうことができる。
また、ダイアグ端子の接地をダイアグ出力の条件としているので接続が簡単であり、ダイアグ端子が接地したままであるとブレーキ操作の度にハザードが点滅するので、診断終了後にダイアグ端子の接続解除を忘れることなく実施させることができる。
なお、ダイアグ出力時にはハザード点滅の回数がエンジンの停止原因を示すこととなるので、ダイアグ出力中に再度ブレーキペダルが操作された場合には、その操作を無視し、規定の回数のハザード点滅が終了した時点でダイアグ出力を終了する。もしくは、最初のダイアグ出力が完了した後、充分な時間をおいて再度規定の回数のハザード点滅を行う。
つぎに、診断処理部24bの処理動作について説明する。図4は診断処理部24bのメインルーチンを示すフローチャートであり、診断処理部24bはこの処理フローを繰り返し実行する。
同図に示すように診断処理部24bは、まずボディECU22やEFI用ECU23等からバスネットワーク20を介して入力された、あるいはバスネットワーク20を介さず入力された車両各部の状態やリモートキーからの停止要求(これらの情報はリモートスタートECU24のメモリに記憶される)に基づき、エンジン停止条件が成立したか否かを判断する(ステップS99)。エンジン停止条件としては、リモートキー2からの停止要求、ドア開放、ドア解錠、エンジン回転数が所定以上、車速が所定以上、等がある。ステップS99では、1つのステップで停止条件成立かを判断しているが、具体的には、メモリに記憶した情報に基づき、各停止条件を一つずつチェックしている。停止条件のいずれかが成立すると、ACC、IGラインの擬似信号の出力を停止してエンジンを停止させる(ステップS100)。次いで、自車両のエンジンが停止したか否かを判定する(ステップS101)。その結果、エンジンが停止しているならば(ステップS102,Yes)、メモリに記憶されているリモートキー2からの停止要求フラグをチェックし、そのエンジン停止がリモートキー2からの停止要求によるものであるか否かを判定する(ステップS102)。
そして、停止要求フラグが立っていなければ、エンジン停止がリモートキー2による停止要求によるものでは無いと判断し(ステップS102,No)、診断処理部24bは停止原因記録処理を実行する(ステップS103)。
停止原因記録処理(ステップS103)の終了後、もしくはリモートキー2からの停止要求に従って停止した場合(ステップS102,Yes)、診断処理部24bは、つぎにダイアグ端子が接地されているか否かを判定する(ステップS104)。
ダイアグ端子か接地されていれば(ステップS104,Yes)、診断処理部24bは、ダイアグ出力処理を実行中であるか否かを判定し(ステップS105)、ダイアグ出力処理を実行中でなければ(ステップS05,No)、さらにブレーキペダル操作が行われているか否かを判定する(ステップS106)。
そして、ブレーキペダルの操作が行われてれば(ステップS106,Yes)、診断処理部24bは、ハザード点滅によるダイアグ出力処理を実行して(ステップS107)処理を終了する。
一方、エンジンが停止していない場合(ステップS101,No)、ダイアグ端子が接地されていない場合(ステップS104,No)、ダイアグ出力処理を実行中である場合(ステップS105,Yes)、ブレーキペダルが操作されていない場合(ステップS106,No)には、診断処理部24bはダイアグ出力を行なわずに処理を終了する。
つづいて、図4に示した停止原因記録処理(ステップS103)について、図5のフローチャートを参照して詳細に説明する。同図に示すように、診断処理部24bは、まずエンジン停止の原因がドアの開放か否かを判定する。即ち、メモリに記憶されたドア開情報をチェックし、ドア開であれば、ドア開放が原因であると判断し(ステップS201,Yes)、ドアの開放を停止原因として記録し(ステップS211)、処理を終了する。
エンジン停止の原因がドアの開放でない場合(ステップS201,No)、診断処理部24bは、つぎにエンジン停止の原因がドアの解錠か否かを判定する。即ちメモリに記憶されたドアの解錠情報をチェックし、ドアが解錠であれば、ドア解錠が原因であると判断し(ステップS202,Yes)、ドアの解錠を停止原因として記録し(ステップS212)、処理を終了する。
エンジン停止の原因がドアの解錠でない場合(ステップS202,No)、診断処理部24bは、つぎにエンジン停止の原因がフードの開放か否かを判定する。即ち、メモリに記憶されたフード開放情報をチェックし、フードが開放であれば、フード開放が原因であると判断し(ステップS203,Yes)、フード開放を停止原因として記録し(ステップS213)、処理を終了する。
エンジン停止の原因がフード開放でない場合(ステップS203,No)、診断処理部24bは、つぎにエンジン停止の原因がシフト状態(「パーキング」以外の位置に入っている状態)であるか否かを判定する。即ち、メモリに記憶されたシフト情報をチェックし「パーキング」以外であれば、シフト状態が原因であると判断し(ステップS204,Yes)、シフト状態を停止原因として記録し(ステップS214)、処理を終了する。
エンジン停止の原因がシフト状態でない場合(ステップS204,No)、診断処理部24bは、つぎにエンジン停止の原因がブレーキ操作の発生か否かを判定する。即ちメモリに記憶されたブレーキスイッチの情報をチェックし、ブレーキオンであればブレーキ操作が原因であると判断し(ステップS205,Yes)、ブレーキ操作を停止原因として記録し(ステップS215)、処理を終了する。
エンジン停止の原因がブレーキ操作でない場合(ステップS205,No)、診断処理部24bは、つぎにエンジン停止の原因がチェックエンジンランプ点灯であるか否かを判定する。即ち、メモリに記憶されたチェックエンジンランプの状態をチェックし、点灯であればチェックエンジンランプ点灯が原因であると判断し(ステップS206,Yes)、チェックエンジンランプ点灯を停止原因として記録し(ステップS216)、処理を終了する。
エンジン停止の原因がチェックエンジンランプ点灯でない場合(ステップS206,No)、診断処理部24bは、つぎにエンジン停止の原因がエンジン回転数の異常であるか否かを判定する。即ちメモリに記憶されたエンジン回転数が所定の回転数以上であればエンジン回転数異常が原因であると判断し(ステップS207,Yes)、エンジン回転数異常を停止原因として記録し(ステップS217)、処理を終了する。
エンジン停止の原因がエンジン回転数異常でない場合(ステップS207,No)、診断処理部24bは、つぎにエンジン停止の原因が車速の発生であるか否かを判定する。即ち、メモリに記憶された車速が所定車速以上であれば車速の発生が原因であると判断し(ステップS208,Yes)、フード開放を停止原因として記録し(ステップS218)、処理を終了する。一方、車速の発生がエンジン停止の原因では無い場合、診断処理部24bはそのまま、もしくは「原因不明」と記録して、処理を終了する。
ここで、ダイアグメモリ24cに記憶されたエンジンの停止原因の具体例を図6に示す。同図では、ダイアグメモリ24cは、過去4回分の異常停止の原因を記録可能であり、最新の異常停止原因「ドア解錠」と、その前の異常停止原因「エンジン回転数異常」を記憶している。
そして、この状態でダイアグ端子が接地され、ブレーキペダルが操作されたならば、診断処理部24bは「ドア解錠」に対応する回数のハザード点滅を行なうこととなる。なお、このダイアグメモリ24cは、たとえばEEPROMなどによって実現することが望ましい。
上述してきたように、本実施例にかかる車載システムでは、リモートスタートECU24がエンジンを遠隔で(もしくは自律的に)始動した後、エンジンが異常終了したならば診断処理部24bが停止の原因をダイアグメモリ24cに記憶し、その後、ダイアグ端子が接地され、かつブレーキペダルの操作がおこなわれた場合にハザード点滅によって最新の異常停止原因を出力する。
そのため、運転席から移動することなく、簡易な操作でダイアグ情報を取得し、安全かつ確実に診断を行なうことができる。また、診断終了後にダイアグ端子の接続解除を忘れることなく実施させることができる。
なお、本実施例では、ブレーキペダルの操作状態をボディECU22からバスネットワーク20を介して取得しているが、リモートスタートECU24がブレーキペダルの状態を直接取得する構成とすれば、バスネットワーク20に障害が発生している場合であってもダイアグ情報を出力可能となる。
この他、本発明はその思想の範囲内で適宜変更して実施することが可能である。例えば本実施例では、ハザード点滅を利用してダイアグ出力を行なっているが、ホーンによる出力や車内スピーカを用いた音声出力、ヘッドランプ、室内灯などを用いた光学出力、ディスプレイを用いた表示出力であってもよい。また、エンジンに限らず、他の動力源であっても同様に本発明を適用可能である。
以上のように、本発明にかかる始動制御装置は、車両の始動制御に有用であり、特に、ダイアグ出力の操作成向上に適している。
本発明の実施例にかかる遠隔始動装置の概要構成を示す概要構成図である。 エンジンの始動禁止を解除する場合の手順を説明する説明図である。 リモートスタートECUによるエンジン始動時の手順を説明する説明図である。 図1に示した診断処理部24bの処理動作を説明するフローチャートである。 図4に示した停止原因記録処理について説明するフローチャートである。 図1に示したダイアグメモリの具体例を説明する説明図である。
符号の説明
1 遠隔始動装置
2 リモートキー
3 キー
11,12 アンテナ
20 バスネットワーク
21 リモートキーチューナ
22 ボディECU
23 EFI用ECU
24 リモートスタートECU
24a イモビライザコードメモリ
24b 診断処理部
24c ダイアグメモリ
25 イモビライザECU
26 キーシリンダ
27 イモビライザアンプ

Claims (7)

  1. 遠隔操作用端末から受信した信号に基づいて、もしくは自律的に車両のエンジンの始動制御を行なう始動制御装置であって、
    前記遠隔操作用端末から受信したエンジンの停止要求に対応するエンジン停止条件または前記車両の各部の異常状態に対応するエンジン停止条件のうち、いずれかが成立した場合に、前記エンジンの停止制御を行う停止制御手段と、
    前記停止制御手段によって前記エンジンの停止制御が行われた場合に、成立している前記エンジン停止条件が前記停止要求に対応する前記エンジン停止条件か否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段によって前記停止要求に対応する前記エンジン停止条件でないと判定された場合、成立している前記エンジン停止条件に対応する前記車両の各部の異常状態を、前記エンジンが使用者の意図によらず停止した異常終了の原因として記憶する記憶手段と、
    所定の操作が実行された場合に前記記憶手段が記憶した前記異常終了の原因を出力する出力処理手段と、
    を備えたことを特徴とする始動制御装置。
  2. 前記所定の操作は、特定の設定が行われ、かつ特定の運転操作が行われることであることを特徴とする請求項1に記載の始動制御装置。
  3. 前記特定の設定は、所定の端子のレベルを接地または天絡することであることを特徴とする請求項2に記載の始動制御装置。
  4. 前記所定の運転操作は、車両に備えられた運転用操作部材の操作であることを特徴とする請求項2または3に記載の始動制御装置。
  5. 前記出力処理手段は、既存の車載装置の制御によって前記異常終了の原因を出力することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の始動制御装置。
  6. 前記出力処理手段は、ハザード点滅によって前記異常終了の原因を出力することを特徴とする請求項5に記載の始動制御装置。
  7. 前記出力処理手段は、前記異常終了の原因の出力中に再度前記所定の操作または前記特定の運転操作が行われた場合に、当該運転操作に基づく出力処理の実行を抑止することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の始動制御装置。
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