JP4565629B2 - 記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プリンタや複写機などの記録装置に関し、さらに詳しくは、記録ヘッドを搭載可能なキャリッジの移動に起因して発生する振動を小さく抑えることができる記録装置に関するものである。特に、記録装置を机やラックなどの設置台に設置した場合に、その設置台やその設置台に設置された他の設置物の振動を小さく抑えることができる記録装置に関するものである。
従来から、記録装置として良く知られているものに、複写機やプリンタなどがある。プリンタにおいては、例えば、記録ヘッドを搭載して移動可能なキャリッジを有するシリアルスキャン方式のものがある。かかる方式のプリンタにおけるキャリッジは、紙やフィルム等の記録媒体(以下「記録シート」、「紙」、「用紙」ともいう)の搬送方向(副走査方向)と交差する方向(主走査方向)に往復移動する。記録ヘッドは、キャリッジと共に移動しながら記録走査する。このような記録走査と、記録媒体の搬送動作と、を繰り返すことによって、記録媒体上に画像を記録する。このようなシリアルスキャン方式のプリンタは、構成の簡素化が可能であるなどの理由から広く普及している。
キャリッジは、例えば、DCモータなどの駆動源、および無端状のタイミングベルトなどの動力伝達手段などを用いて、記録動作に伴って往復移動される。一般に、キャリッジは、一方の方向への移動開始後、徐々に移動速度が増加する加速状態となってから、一定の速度で移動する定速度状態へ移行し、この定速度状態において記録ヘッドが記録媒体に画像を記録する。このような一方向の記録走査の終了後、キャリッジは、徐々に移動速度が減少する減速状態へ移行してから、所定の位置に停止するように制御される。その後、用紙を所定量搬送してから、キャリッジは他方の方向への移動が開始され、一方向の記録走査時と同様に駆動制御されることによって、記録ヘッドが他方向の記録走査を行う。
一方、このようなプリンタを含む記録装置は、一般的に、机やラックなどの設置台に置かれて使用される。また、このような設置台には、所望の記録情報を記録装置に送信したり、所望の記録情報の作成や加工などを行うためのパソコン(PCともいう)や、このパソコンで取り扱う様々な情報を表示するモニタ装置などが設置される場合が多い。また、いわゆるラックなどにおいては、一般に、パソコンやモニタ装置などよりも高い位置に記録装置を設置するように構成されている。
このような机やラックなどに記録装置を設置して、その記録装置を動作させた場合には、記録装置内のキャリッジを駆動するモータなどの駆動源が発生する加速力や減速力などの反力や、キャリッジ自身の移動による記録装置の重心位置の移動などに起因して、机やラックなどが振動するおそれがある。さらには、このような机やラックなどに設置されたパソコンなどの設置物も振動してしまうおそれがある。例えば、机やラックなどに記録装置を設置して動作させた場合には、机やラックなどの設置台と、記録装置やパソコンなどの設置物と、を含めた全体の系の固有の振動周期に対して、キャリッジの往復移動周期が共振関係となるおそれがある。
図11は、机やラックなどが共振状態となった場合の説明図である。図11は、記録動作中におけるキャリッジ走査方向の加速度の時間変化と、記録装置が設置されたラックにおける記録装置近傍部分のキャリッジ走査方向の加速度の時間変化を示す。図11から、キャリッジの移動によってラックがほぼ正弦波に近い振動状態となって、キャリッジとラックとがほぼ共振の関係になっていることが分かる。このような状態になったときに、机やラックなどは大きく振動する。
このような大きな振動を防止する方法としては、振動の発生源であるプリンタなどの記録装置の振動を減衰させる機能を備えた防振台が知られている。このような防振台の構成は様々であり、例えば、弾性や粘性を用いたダンパーなどを備えたものや、円弧上のラックとピニオンとを用いてプリンタの発生する横揺れを吸収して制振するものなどがある(例えば、特許文献1参照)。
また、机やラックなどの揺れを検出する揺れ検出センサーを記録装置に備えた上、キャリッジの移動させる速度と、キャリッジの移動方向の反転時における停止時間と、をパラメータとして予め複数用意して、それらのパラメータに基づいてキャリッジを駆動する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法においては、記録動作に先立って、複数個のパラメータの内の所定のパラメータに基づいてキャリッジを往復移動させ、このときの設置台の揺れを揺れ検出センサーによって検出する。そして、その設置台の揺れが所定以上の場合には、複数個のパラメータの中から別のパラメータを選定して、その新たに選定したパラメータに基づいてキャリッジを往復移動させて、設置台の揺れを検出する。このようにして、設置台の揺れが所定以下となるようなパラメータを選定し、設定台の揺れが所定以下となったときのパラメータを固定的に使用して、キャリッジを駆動する。
特開平4―141480号公報 特開2000−071539号公報
しかしながら、このような従来の構成や方法によって、記録装置の動作に起因して発生する設置台や設置台に設置した設置物の振動を防止する場合には、次のような新たな課題が生じる。すなわち、記録装置の設置台などに防振機能を備えるためには、記録装置を設置する机やラックなどとは別に、防振機能を備える設置台を使用者が新たに購入する必要があり、安価に記録装置を使用することが困難となる。
また、特許文献2に示されているような構成においては、予め設定された複数のキャリッジの速度と往復反転時の停止時間とを用いて、記録装置の揺れが最小となるようなキャリッジの速度と停止時間を選択し、その後、その選択した速度と停止時間とを固定して使用することになる。そのため、キャリッジの移動範囲が様々に異なる記録結果が所望される場合には、キャリッジの往復時間も様々に異なってしまい、記録装置の揺れ防止効果が充分に発揮できなくなるおそれがある。
また、記録装置の揺れ防止効果を充分に発揮するためには、選択されたキャリッジの速度と往復反転時の停止時間とを固定にする必要がある。その結果、キャリッジの移動範囲(走査幅)が固定されて、キャリッジの1往復時間が固定されることになる。そのため、選択された速度によるキャリッジの移動範囲(走査幅)に比べて、実際の記録に要するキャリッジの移動範囲(走査幅)が小さい場合であっても、選択された速度による前者の移動範囲に渡ってキャリッジを移動させる必要がある。その結果、記録に要する時間が長くなってしまう。
本発明の目的は、所望される記録パターンなどが変化しても、キャリッジの移動に起因して発生する振動を小さく抑えることができる記録装置を提供することにある。
本発明の記録装置は、記録ヘッドを搭載し画像記録のために記録媒体に対して繰返し往復移動するキャリッジと、前記キャリッジの往復移動を駆動条件に基づいて制御する制御手段と、を有し、前記キャリッジの往復移動に起因して発生する、前記記録装置が設置された設置部の振動の大きさは、少なくとも前記往復移動の1往復周期および前記記録装置が設置された状態での前記設置部の固有振動数の関係により変化する記録装置であって、少なくとも前記往復移動における定速移動の領域での移動距離に応じて前記1往復周期がそれぞれ異なる予め用意された複数の駆動条件の中から、前記記録媒体に画像を記録するときの前記キャリッジの駆動条件を設定する設定手段と、前記キャリッジを往復移動させたときに発生する前記設置部の振動を加速度、変位または速度から検出するための検出手段とを備え、前記設定手段は、前記複数の駆動条件を前記1往復周期が小さいものから順に設定して前記キャリッジを往復移動させ、前記検出手段が所定の大きさを越えない振動を検出したときの駆動条件を1つまたは複数保持し、前記保持した駆動条件の中で前記移動距離が使用する記録媒体への記録に必用な記録幅よりも大きく且つ前記記録幅に最も近い駆動条件を、前記記録媒体に画像を記録するときの前記キャリッジの駆動条件として設定することを特徴とする。
本発明によれば、例えば、記録装置を机やラックなどの設置台に設置して使用する場合に、その記録装置におけるキャリッジの移動に起因して発生する振動を小さくするように、キャリッジの移動距離を設定することにより、所望される記録パターンなどが変化しても設置台の振動を小さく抑えることができる。
また、キャリッジの移動に起因して発生する振動を小さくするためのキャリッジの移動距離を複数用意し、それらを選択的に用いて記録動作をすることにより、スループットの低下を極力抑えることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態においては、インクジェット記録方式を用いたプリンタを例に挙げて説明する。インクジェット記録方式以外の種々の記録装置に対して、本発明が適用可能であることは勿論である。
(第1の実施形態)
まず、本実施形態におけるプリンタの[装置本体]および[記録動作機構]について説明する。
[装置本体]
図1、図2、および図3は、本例のインクジェット記録方式を用いたプリンタの概略構成を示す。
図1において、本例におけるプリンタの外殻をなす装置本体M1000は、下ケースM1001、上ケースM1002、アクセスカバーM1003、排紙トレイM1004の外装部材、および、その外装部材内に収容されたシャーシM3100(図2参照)によって構成される。シャーシM3100は、所定の剛性を有する複数の板状金属部材により構成されてプリンタの骨格をなし、後述の各記録動作機構を保持する。排紙トレイM1004には、2枚の補助トレイM1004a,M1004bが収容されており、必要に応じて、それらのトレイが手前に引き出されるようになっている。
アクセスカバーM1003は、その一端部が上ケースM1002に回転自在に保持されており、上ケースM1002の上面に形成される開口部を開閉可能である。このアクセスカバーM1003を開くことによって、装置本体の内部に収容されている記録ヘッドカートリッジH1000やインクタンクH1001等の交換が可能となる。また、上ケースM1002の後部上面には、電源キーE0018およびレジュームキーE0019が押下可能に設けられていると共に、LED E0020が設けられている。電源キーE0018を押下するとLED E0020が点灯し、記録可能であることをオペレータに知らせる。LED E0020は、点滅の仕方や色の変化に応じて、プリンタの状態をオペレータに知らせる等の種々の表示機能を有する。
[記録動作機構]
次に、プリンタの装置本体M1000に収容、保持される記録動作機構について説明する。
本実施形態における記録動作機構は、自動給送部M2000と、搬送部M3000と、記録部M4000と、回復部M5000とから構成されている。自動給送部M2000は、記録シートPを装置本体内へと自動的に給送する。搬送部M3000は、自動給送部M2000から1枚ずつ送り出される記録シートPを所望の記録位置へと導くと共に、記録位置から排出部M3050へと記録シートPを導く。記録部M4000は、搬送部M3000に搬送された記録シートPに所望の記録を行う。回復部M5000は、記録部M4000等に対する回復処理を行う。
次に、これらの機構部の構成について説明する。
(自動給送部)
まず、図2に基づき自動給送部M2000について説明する。
本実施形態における自動給送部M2000は、水平面に対して約30°〜60°の角度を持って記録シートPを積載する。そして、その記録シートPを水平な状態で送り出し、不図示の給送口から略水平な状態を維持しつつ本体内へと給送する。
自動給送部M2000には、給送ローラM2001、可動サイドガイドM2002、圧板M2003、不図示の分離爪、分離シート等が備えられている。サイドガイド M2002は、一対のシートガイドM2002aおよびM2002bによって構成されている。一方のシートガイドM2002bは水平移動可能となっており、様々な記録シートの水平方向の幅に対応できるようになっている。圧板M2003上に積載された記録シートPの内、最上位のものは、不図示のASFモータの駆動による給送ローラM2001の回転と、分離爪や分離シートの分離作用と、によって、順次1枚ずつ分離して送り出される。そして、その記録シートPは、搬送部M3000へと搬送される。
(搬送部)
搬送部M3000は、LFローラM3001、ピンチローラM3002、およびプラテンM3003等を備えている。LFローラM3001は、シャーシM3100等に回動自在に支持された駆動軸に取り付けられており、LFギヤ列M3004を介して、LFモータE0002により回転駆動される。ピンチローラM3002は、シャーシM3100に回動自在に支持されるピンチローラホルダM3002aの先端部に軸着されている。このピンチローラM3002は、ピンチローラホルダM3002aを付勢する巻きばね状のピンチローラばねによって、LFローラM3001に圧接されている。そしてピンチローラM3002は、LFローラM3001の回転に従動して回転し、記録シートPをLFローラM3001との間で挟持しつつ搬送する。その記録シートPは、プラテンM3003に支持されながら搬送される。
このように構成された搬送部においては、自動給送部M2000の給紙ローラM2001による搬送動作が停止した後、一定時間が経過するとLFモータE0002の駆動が開始される。そして、先端部がLFローラM3001とピンチローラM3002との間のニップ部に当接している記録シートPは、LFローラM3001の回転によって、プラテンM3003上の記録開始位置まで搬送される。
(排紙部)
次に、排紙部M3050について説明する。
排紙部M3050は、LFモータE0002の駆動力が所定のギヤ列を介して伝達される回転可能な排出ローラM3051を有する。拍車ステイM3052に設けられた拍車M3053は、この排出ローラM3051の回転に従動して回転する。これらの排出ローラM3051と拍車M3053によって、記録シートPを排出する。
記録シートPへの記録が終了して、その記録シートPの後端がLFローラM3001とピンチローラM3002との間から抜脱すると、その記録シートPは、排出ローラM3051と拍車M3051のみによって搬送される。この搬送によって、記録シートPの排出が完了する。
(記録部)
次に、記録部M4000について説明する。
記録部M4000には、主として、キャリッジ軸M4003、キャリッジM4001、および記録ヘッドカートリッジH1000が備えられている。キャリッジM4001は、キャリッジ軸M4003とキャリッジレールM4005とによって移動可能に支持されている。記録ヘッドカートリッジH1000は、キャリッジM4001に着脱可能に搭載されている。記録ヘッドカートリッジH1000には、不図示の記録ヘッド部へインク供給するためのインクタンクH1001が交換可能に備えられている。
記録ヘッド部は、インクタンクH1001から供給されたインクを吐出口から吐出する構成となっている。インクの吐出方式は、電気熱変換体(ヒーター)やピエゾ素子などを用いた種々の方式を採用することができる。電気熱変換体を用いた場合には、その電気熱変換体を駆動したときの発熱によりインクを発泡させ、その発泡エネルギーを利用して吐出口からインクを吐出させることができる。
キャリッジM4001には、図2に示すようなヘッドセットレバーM4002が設けられている。このヘッドセットレバーM4002は、キャリッジM4001と係合することによって、そのキャリッジM4001における所定の装着位置に、記録ヘッドカートリッジH1000を案内してセットさせるよう押圧する。ヘッドセットレバーM4002は、キャリッジM4001の上部に設けられ、また記録ヘッドH1001との係合部に不図示のばねを備えており、このばね力によって、記録ヘッドH1001を押圧しながらキャリッジM4001に装着する。
キャリッジM4001の上部には、キャリッジM4001に装着される記録ヘッドカートリッジH1000と、プラテンM3003と、の間の距離を変更するための紙間切替えレバーM4004が設けられている。この紙間切替えレバーM4004は、キャリッジM4001の上部に設けられた不図示の軸を中心として、ガイド部M4006にガイドされながら図2中の矢印A方向に回転する。ガイド部M4006の両端部には、紙間切替えレバーM4004の回転をラッチする一対の不図示のラッチ部が備えられている。紙間切替えレバーM4004を左方向に回転させた場合には、一方のラッチ部によって紙間切替えレバーM4004がラッチされて位置決めされる。一方、紙間切替えレバーM4004を右方向に回転させた場合には、他方のラッチ部によって紙間切替えレバーM4004がラッチされて位置決めされる。キャリッジレールM4005の内側と、紙間切替えレバーM4004に設けられた不図示の摺動面は、キャリッジM4001の重量により付勢されて摺動する。
記録ヘッドカートリッジH1000と係合するキャリッジM4001の係合部には、図3に示すようなコンタクト部E0011が設けられている。このコンタクト部E0011上のピンと、ヘッドカートリッジH1000に設けられた不図示のコンタクト部(外部信号入力端子)と、が電気的に接触することによって、記録のための各種情報の授受や、記録ヘッドカートリッジH1000のインク吐出部への電力の供給などが行われる。コンタクト部E0011は、キャリッジM4001の背面に搭載されたキャリッジ基板E0013(CRPCB、図3)に装着されている。そしてコンタクト部E0011は、キャリッジフレキシブルフラットケーブル(キャリッジFFC)E0012によってキャリッジM4001の側面部に電気的に引き出されてから、メイン基板E0014(図3)に接続されている。 キャリッジFFC E0012におけるメイン基板E0014寄りの端部は、FFC押さえM4008によってシャーシM3100に固定されると共に、シャーシM3100に設けられた不図示の穴を通してシャーシM3100の背面側に導出されて、メイン基板E0014に接続されている。
キャリッジ基板E0013にはエンコーダセンサE0004(図3)が設けられている。シャーシM3100の両側面の間には、キャリッジ軸M4003と平行にエンコーダスケールE0005が張架されている。エンコーダセンサE0004によってエンコーダスケールE0005上の情報を検出することにより、キャリッジM4001の移動位置や走査速度等を検出することができる。例えば、エンコーダセンサE0004は光学式の透過型センサであり、またエンコーダスケールE0005は、ポリエステル等の樹脂製のフィルム上に、写真製版などの手法によって遮光部と透光部が所定のピッチで交互に印刷されている。その遮光部は、エンコーダセンサE0004からの検出光を遮断する部分であり、透光部は、その検出光が透過する部分である。
キャリッジ軸M4003に沿って移動するキャリッジM4001の位置は、キャリッジM4001の軌道上の端部に設けられたシャーシM3100の右側板M3100bに、キャリッジM4001を突き当てたときの位置を基準(ホームポジション)にして検出される。すなわち、キャリッジM4001を右側板M3100bに突き当てた後、キャリッジM4001の移動に伴い、エンコーダスケールE0005に形成された遮光部と透光部のパターンをエンコーダセンサE0004が検出する。そして、その検出したパターン数を計数することにより、キャリッジM4001の移動位置を随時検出することができる。
アイドラプーリM4009とキャリッジモータプーリM4010との間には、キャリッジ軸M4003と略平行にキャリッジベルトM4011が掛け渡されており、このキャリッジベルトM4011の下側にキャリッジM4001が連結されている。キャリッジモータE0001によってキャリッジモータプーリM4010を回転させることにより、キャリッジM4001をキャリッジ軸M4003に沿って移動させることができる。
(回復部)
次に、記録ヘッドカートリッジH1000に対しての回復処理を行う回復部M5000について説明する。
この実施形態における回復部M5000には、記録ヘッドカートリッジH1000における不図示のインク吐出部に付着した異物を除去するための清掃手段や、インクタンクH1001からインク吐出部に至るインクの流路の正常化を図るための吸引手段等が備えられている。
キャップM5001は、記録ヘッドカートリッジH1000のインク吐出部に対向するように設け、かつ不図示のギヤ列とカム機構を介してPGモータE0003と接続されて、図中2中の矢印B方向に移動可能とされている。キャリッジM4001に装着された記録ヘッドカートリッジH1000がキャリッジM4001と共に移動して、そのインク吐出部がキャップM5001と対向する位置(「キャッピング位置」ともいう)にて停止したときに、キャップM5001が図2中の鉛直上方へ移動することによって、それがインク吐出部を覆ってキャッピング状態となる。このキャッピング状態において、所定のギヤ列を介してPGモータに接続された不図示のポンプ機構を動作させることにより、インクタンクH1001からインク吐出部を通してインクが吸引排出される。
回復部M5000には、インク吐出部の清掃手段としてワイパーブレードM5002が設けられている。ワイパーブレードM5002は、所定のギヤ列を介しPGモータE0003に接続されており、図中C方向に移動可能とされている。記録ヘッドカートリッジH1000を装着したキャリッジM4001が所定のワイピング位置へ移動して停止した後、ワイパーブレードM5002が図2の手前方向に移動する。これにより、ワイパーブレードM5002が記録ヘッドカートリッジH1000のインク吐出部の表面に当接して、そのインク吐出部を清掃する。
(電気回路の構成)
次に、本発明の実施形態における電気回路の構成について説明する。図3および図4は、本実施形態における電気回路全体の概略構成図である。
この実施形態における電気回路は、主にキャリッジ基板(CRPCB)E0013、メインPCB E0014、電源ユニットE0015等によって構成されている。電源ユニットE0015はメインPCB E0014に接続されて、各種の駆動電力を供給する。
キャリッジ基板E0013はキャリッジM4001(図2)に搭載され、コンタクト部E0011を通して記録ヘッドカートリッジH1000と間にて信号の授受を行う。さらにキャリッジ基板E0013は、キャリッジM4001の移動に伴ってエンコーダセンサE0004から出力されるパルス信号に基づき、エンコーダスケールE0005とエンコーダセンサE0004との位置関係の変化を検出する。その検出信号は、フレキシブルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通してメインPCB E0014へ出力される。
メインPCB E0014は記録装置の各部の駆動制御を司るプリント基板ユニットであり、その基板上には、紙端検出センサ(PEセンサ)E0006、ASFセンサE0009、カバーセンサE0021、パラレルI/F E0016、シリアルI/F E0017、リジュームキーE0019、LED E0020、電源キーE0018、等に対するI/Oポートが設けられている。またメインPCB E0014は、CRモータE0001、LFモータE0002、PGモータE0003、ASFモータE0008と接続されて、これらを駆動制御する。さらにメインPCB E0014は、PGセンサE0010、CRFFC E0012、電源ユニットE0015との接続用のインターフェイスを有する。
CPU E1001は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)E1002と共に、記録装置の各部を駆動制御する。記録装置におけるCRモータE0001、LFモータE0002、PGモータE0003、ASFモータE0008は、それぞれCRモータドライバーE1003、LFモータドライバーE1004、PGモータドライバーE1004、ASFモータドライバーE1005を介して、CPU E1001の制御信号に基づいて制御される。
(動作の概略)
次に、この実施形態における記録装置の動作の概略を図5のフローチャートに基づいて説明する。
この記録装置(以下、「本装置」ともいう)がAC電源に接続されると、まず、ステップS1において本装置の第1の初期化処理(初期化処理1)を行う。この第1の初期化処理では、本装置のROMやRAMなどを含む電気回路系をチェックし、電気的に本装置が正常に動作可能であるか否かを確認する。
次のステップS2では、装置本体M1000の上ケースM1002に設けられた電源キーE0018がONされたか否かを判断する。その電源キーE0018が押されてONとされた場合には、次のステップS3へと移行して第2の初期化処理(初期化処理2)を行う。この第2の初期化処理では、本装置の各駆動機構およびヘッドカートリッジなどをチェックする。すなわち、各種モータの初期化やヘッド情報の読み込みを行うに際し、本装置が正常に動作可能であるか否かを確認する。キャリッジの位置の基準を決めるためのホームポジション情報の取得動作は、この第2の初期化処理において実施される。
次のステップS4ではイベント待ちを行う。すなわち、本装置に対する外部I/Fからの指令イベント、ユーザ操作によるパネルキーイベント、および内部的な制御イベントなどを監視し、これらのイベントが発生すると、それらのイベントに対応した処理を実行する。例えば、ステップS4において外部I/Fからの記録指令イベントを受信した場合には、ステップS5へと移行する。また、同ステップS4においてユーザ操作による電源キーイベントが発生した場合にはステップS10へ移行し、また同ステップS4においてその他のイベントが発生した場合にはステップS11へ移行する。
ステップS5では、外部I/Fからの記録指令を解析して、指定された紙種別、用紙サイズ、記録品位、給紙方法などを判断する。そして、その判断結果を表すデータを本装置内のRAMに記憶して、ステップS6へ進む。次のステップS6では、ステップS5にて指定された給紙方法によって給紙を開始し、用紙を記録開始位置まで送ってからステップS7に進む。
次のステップS7では記録動作を行う。この記録動作では、まず、外部I/Fから送信されてきた記録データを一旦記録バッファに格納する。次いで、CRモータE0001を駆動してキャリッジM4001の走査方向への移動を開始すると共に、プリントバッファに格納されている記録データを記録ヘッドカートリッジH1000へ供給することによって、1行分の記録を行う。この1行分の記録データの記録が終了すると、LFモータE0002によってLFローラM3001を回転させることにより、用紙を副走査方向へ所定量搬送する。その後、このような記録動作と用紙の搬送動作とを繰り返す。そして、外部I/Fから送信された1ページ分の記録データの記録が終了すると、ステップS8へ進む。
ステップS8では、LFモータE0002によって不図示の排出ローラを駆動し、用紙が完全に本装置から送り出されたと判断されるまで紙送りを繰返する。その紙送りが終了した時点においては、用紙が排紙トレイM1004a上に完全に排紙された状態となる。
次のステップS9では、記録すべき全ページの記録動作が終了したか否かを判定し、記録すべきページが残存する場合には、ステップS5へ戻ってステップS5〜S9の動作を繰り返す。また、記録すべき全てのページの記録動作が終了したときは、記録動作の終了後にステップS4へ移行して、次のイベントを待つ。
一方、ステップS10ではプリンタ終了処理を行い、本装置の動作を停止させる。つまり、各種モータやヘッドなどの電源を切断するために、電源の切断が可能な状態に移行してから、電源を切断する。その後、ステップS4に進んで次のイベントを待つ。
また、ステップS11では、上記以外の他のイベント処理を行う。例えば、本装置の各種パネルキーや外部I/Fからの記録ヘッドの回復処理指令や、内部的に発生する回復イベントなどに対応した処理を行う。そのような処理の終了後は、ステップS4に進んで次のイベントを待つ。
(キャリッジの制御例)
次に、キャリッジモータE0001およびキャリッジM4001の制御の一例としてのフィードバック制御について、図6および図7を参照しながら説明する。キャリッジM4001の駆動源であるキャリッジモータE0001は、ASIC E1002からのCRモータ制御信号により駆動される。
図6は、後述するフィードバック処理におけるキャリッジM4001の指令速度および指令位置の変化を示すグラフである。キャリッジM4001の駆動状態は、加速状態と、定速度状態と、減速状態との3つに大きく分けられる。加速状態は、停止している状態から所定の一定速度まで加速する状態である。定速度状態は、キャリッジM4001に装着した記録ヘッドカートリッジH1000のインク吐出部からインク滴を吐出して、記録装置のプラテンM3001に案内された記録シート上に記録を行う状態である。減速状態は、所定の位置に停止するためにキャリッジM4001が減速する状態である。本例の場合、加速状態における指令速度V(t)は、時間と共に増加する。
キャリッジM4001を移動させるための様々な処理は、CPU E1001によって行われる。例えば、1ms(ミリ秒)間隔の所定のタイミング毎に周期的に行われ、このタイミング毎に、指令速度V(t)や指令位置X(t)が算出される。また図6において、加速状態の時間を加速時間とし、また減速状態の時間を減速時間とする。さらに、キャリッジM4001の1回の移動によって最終的に到達しなければならない指令位置を特に到達目標位置XTとし、また定速状態における移動速度(走査速度)を到達目標速度VTとする。
図7は、キャリッジモータE0001およびキャリッジM4001のフィードバック制御系の説明図である。
図7に示すように、キャリッジM4001は、移動速度および位置情報に基づいてフィードバック制御される。本例の場合、この図7の処理は1ms毎に実施される。図7において、添え字tは現在の処理タイミングにおける値を示し、添え字(t−1)は前回の処理タイミング(本例の場合1ms前の状態)における値を示している。本例の処理系は、指令値算出処理部1と、位置制御処理部2と、速度制御処理部3と、モータ制御処理部4と、制御対象5と、から概ね構成されている。
指令値算出処理部1は、所定タイミング(本例の場合1ms)毎に、キャリッジM4001の速度と位置の指令値を算出する。位置制御処理部2は、キャリッジM4001の指令位置X(t)と、キャリッジM4001の実際の位置x(t−1)と、の差、つまり位置誤差XE(t)に基づいて制御量を算出する。速度制御処理部3は、キャリッジM4001の指令速度V(t)と、実際のキャリッジM4001の実際の速度v(t−1)と、の差、つまり速度誤差VE(t)などに基づいて制御量を算出する。モータ制御処理部4は、位置制御処理部2と速度制御処理部3により算出された算出値を、CRモータドライバーE1003の入力に適するモータ制御量Mに変換する。CRモータドライバーE1003は、キャリッジM4001の駆動源であるキャリッジモータM4001から駆動力を発生させる。制御対象5は、モータ制御処理部4にて算出されるモータ制御量Mに基づいて駆動制御されるモータや、これに接続されるキャリッジなどである。
モータ制御量Mはモータが発生する駆動力に比例し、モータ制御量Mが大きいほどモータも大きい駆動力を発生する。本例において、キャリッジM4001の位置や速度の情報は、エンコーダセンサE0004およびエンコーダスケールE0005を用いて検出され、その検出された情報が随時ASIC E1002内に設けられている不図示のDRAMに格納される。CPU E1001は、その格納された情報をフィードバック制御の処理タイミング毎に取得する。
(防振のための制御)
次に、このような図7の処理に基づいて、本例の記録装置における防振のための制御を図8、図9、および図10を参照して説明する。
本例の場合、防振のための制御は、第1、第2、および第3の処理を含む。第1の処理は、記録装置のキャリッジを往復動作させて、記録装置を設置した机やラックなどの振動が最小になるときのキャリッジの1往復周期を検出するための処理である。第2の処理は、第1の処理において検出された振動が最小となる1往復周期と、パソコンなどのホスト機器から送信される記録情報と、に基づいて、実際の記録走査時におけるキャリッジの1往復時間を決定するための処理である。第3の処理は、第2の処理において決定された1往復時間に基づいて、実際に記録を実施するための処理である。
以下、これら第1、第2、および第3の処理について説明する。
(第1の処理)
まず、種々の駆動条件に基づいてキャリッジを往復動作させて、机やラックなどの振動が最小になるときのキャリッジの1往復周期を検出するための第1の処理について説明する。
第1の処理は、机やラックなどの振動が最小になるキャリッジの1往復周期の測定モードである。すなわち、図8に示すような種々の駆動条件下において、キャリッジM4001を所定回数ずつ往復動作させ、それらの往復動作時に生じる振動を記録装置に備えた加速度センサE0022によって計測する。そして、その計測値が所定の加速度値以下のなるときのキャリッジM4001の駆動条件を検出する。
図8は、キャリッジM4001を移動させるための各種の駆動条件を格納するテーブル(テーブル番号0,1,2,3・・・n)を示す。本例のテーブルは、キャリッジを一定の速度VTで移動させる定速距離Ln(n=0,1,2,3・・・)と、キャリッジを停止状態から一定の速度VTまで加速させるために要する加速時間Aと、キャリッジを一定の速度VTで定速距離Ln移動させるために要する定速時間Bn(n=0,1,2,3・・・)と、キャリッジを一定の速度VTから減速して停止させるために要する減速時間Cと、これらの駆動条件Ln,A,Bn,Cにおいてキャリッジが移動する距離(移動距離)Dn(n=0,1,2,3・・・)と、が格納されている。一定の速度VTは、図6および図7における到達目標速度VTに等しく、固定の値として設定されている。
本例において、加速時間Aと減速時間Cは固定の値として設定されており、テーブル毎の定速距離Ln(n=0,1,2,3・・・)は所定の距離lずつ大きくなるように設定されている。そのため、それぞれのテーブル毎に、キャリッジの1往復周期(1往復時間)は長くなる。
例えば、加速時間A、減速時間Cをそれぞれ70ms、一定の走査速度VTを400mm/s、所定距離lを5mmに設定して、図8のようなテーブルを40個(テーブル番号0,1,2,3・・・39)備える。また、各テーブル毎の駆動条件下におけるキャリッジM4001の往復移動回数は、例えば3回に設定する。したがって、各テーブル毎の駆動条件下においてキャリッジM4001を往復移動させた場合、キャリッジM4001の1往復に要する時間(周期)Tn(n=0,1,2,3・・・39)は、約300ms(ミリ秒)から約25msずつ長くなって、約1.03s(秒)までの長さとなる。
より具体的には、図9からも明らかなように、テーブル番号0の駆動条件によってキャリッジを往復移動させた場合には、1往復に要する時間(1往復時間)T0は、{(A+B0+C)×2}の式によって、下記のように求められる。
T0={(70(ms)+(5(mm)/400(mm/s))+70(ms)}×2
≒300(ms)
同様に、テーブル番号39の駆動条件によってキャリッジを往復移動させた場合には、1往復に要する時間(1往復時間)T39は下記のように求められる。
T39={(70(ms)+(5(mm)×40)/400(mm/s))+70(ms)}×2
≒1.3(s)
記録装置を机やラックに設置して、図8に示したような駆動条件下においてキャリッジM4001を往復移動させた場合、キャリッジの加速度と、机やラックの加速度は、図10および図11のように変化する。
これらの図10および図11においては、記録装置を設置したときのラックの固有振動数が約3.4Hz(固有周期は294ms)であり、そのラックに記録装置を設定してキャリッジM4001を往復移動させた。これらの図において、横軸の尺度は同一であり、また縦軸の尺度も同一である。図10の場合は、キャリッジの駆動条件として、加速時間Aおよび減速時間Cのそれぞれを70ms、定速距離Lnを180mm、一定の速度VTを400mm/sに設定した。このときのキャリッジM4001の1往復時間は約1.18sである。また図11は、加速時間Aおよび減速時間Cのそれぞれを70ms、定速距離Lnを120mm、一定の速度VTを400mm/sに設定した。このときのキャリッジM4001の1往復時間は約0.88sである。
図11の場合、ラックは、キャリッジM4001の往復移動と同期的に振動する共振関係となった。このとき、記録装置を設置したラックは大きく揺れ、それは固有振動数3.4Hzで揺れる。一方、図10の場合、ラックは、キャリッジM4001の往復移動とは同期せずに、振幅の小さい振動状態となった。このとき、ラックの揺れはほとんど感じない状態となる。図10において、キャリッジM4001の1往復の周期はラックの固有周期の4倍となり、図11において、キャリッジM4001の1往復の周期はラックの固有周期の3倍となる。また、キャリッジM4001の駆動条件として、加速時間Aおよび減速時間Cのそれぞれを70ms、定速走査距離Lnを60mm、一定の速度VTを400mm/sに設定して、キャリッジM4001の1往復の周期が約0.58sとなるように往復移動させた。この場合にも、図10の場合と同様にラックが微小な振動状態となった。このとき、キャリッジM4001の1往復の周期は、ラックの固有周期の2倍となる。
このように、図8のようなキャリッジM4001の各駆動条件の組合せにおいては、机やラックの振動を微小な状態にする2つの駆動条件が存在していることになる。すなわち、記録装置を設定した机やラックの固有振動数が3.2Hzから6.5Hzのときは、前述したように、加速時間Aおよび減速時間Cのそれぞれを70ms、一定の速度VTを400mm/s、所定距離lを5mmに設定した40通りの駆動条件下においてキャリッジM4001を往復移動させた場合に、その机やラックなどの振動を微小にする駆動条件が2つ存在する。
図12は、前述したような駆動条件に基づいてキャリッジM4001を往復移動させて、記録装置を設置した机やラックなどの振動が最小になるときのキャリッジM4001の駆動条件の選定処理を説明するためのフローチャートである。本例の場合、このような駆動条件の選定処理は、記録装置に接続されたパソコンなどのホスト機器上のプリンタドライバーから、使用者が記録装置に指示することによって実施される。
使用者が処理の開始を指示すると、まず、キャリッジM4001は、図2に示すように走査方向の略中央部へ移動して停止し、それから振動が最小となるキャリッジの駆動条件の選定処理を開始する。
まず、ステップS101にて、キャリッジの駆動条件として図8のテーブル番号0を選択し、それをキャリッジM4001の最初の駆動条件として設定する。すなわち、加速時間Aおよび減速時間Cをそれぞれ70ms、一定速度VTでの走査距離L0を5mm、キャリッジM4001の一定速度VTを400mm/sに設定する。次のステップS102においては、このように設定した駆動条件に基づいて、図7に示したようなフィードバック制御を開始する。
このフィードバック制御が開始されると、図7の指令値算出処理部1は、ステップS101にて設定されたキャリッジM4001の駆動条件に基づいて、フィードバック処理タイミング毎に、キャリッジM4001の到達すべき指令速度V(t)と指令位置X(t)とを算出する(ステップS103)。図7のモータ制御処理部4は、これらの算出値に基づいて、キャリッジモータE0001を駆動するためのモータ制御量Mを算出する(ステップS104)。これにより、キャリッジM4001の移動が開始される。キャリッジM4001の移動が開始されると、ステップS105において、加速度センサE0022による振動の加速度測定を開始する。
次のステップS106においては、キャリッジM4001が到達すべき目標位置XTに達したか否かを判定する。到達目標位置XTは、キャリッジM4001が加速時間Aで移動する距離と、定速距離L0と、減速時間Cで移動する距離と、を加えた距離D0の1/2だけ、先に説明した走査方向の略中央部から往方向へ離れた位置に設定される。ここでは、まずテーブル番号0が選択されているため、到達目標位置XTは、記録装置の中央部(走査方向の略中央部)から往方向へ16.5mm離れた位置となる。本例の場合、加速時間Aおよび減速時間Cにおけるキャリッジの移動距離は、いずれも14mmである。
このステップS106において、キャリッジM4001が到達目標位置XTまで達したと判定された場合には、ステップS107へ移行して、キャリッジM4001の往復移動回数が予め設定された回数に達成したか否かを判定する。本例においては、その往復移動回数が3回に設定されている。ステップS107の判定において、キャリッジM4001の往復移動回数が3回に達していない場合には、ステップS102へ戻って、指令速度V(t)と指令位置X(t)を新たに設定する。このとき、キャリッジM4001の到達目標位置XTは、キャリッジM4001が加速時間Aで移動する距離と、定速距離L0と、減速時間Cで移動する距離と、を加えた距離D0の1/2だけ、記録装置の中央部(走査方向の略中央部)から復方向に離れた位置に設定される。ここでは、先の場合と同様にテーブル番号0が選択されているため、到達目標位置XTは記録装置の中央部から復方向へ16.5mm離れた位置となる。
その後、ステップS104へ移行することにより、キャリッジM4001は復方向に移動されることになる。そして、キャリッジM4001が到達目標位置XTへ到達すると、再びステップS107においてキャリッジM4001の往復移動回数が予め設定された回数を達したか否かを判定する。
このようなステップS102からS107の処理は、キャリッジM4001の往復移動回数が予め設定された回数に達するまで繰り返す。したがって、テーブル番号0が選択されている場合、キャリッジは、記録装置の中央部から往方向へ16.5mm離れた位置と、その中央部から復方向へ16.5mm離れた位置との間にて、往復移動することになる。
キャリッジM4001の往復移動回数が予め設定された回数に達したときには、加速度センサE0022による振動の加速度測定を一旦終了して次にステップS108に移行し、先のステップS105における加速度の測定結果が所定値以内であるか否かを判定する。本例の場合は、その所定値として0.3m/sが設定されており、加速度の測定結果がこの所定値以下の場合には、机やラックなどの振動が小さく、それらに置かれたパソコンなどの設置物の使用に支障がない状態となっている。振動の加速度測定は、キャリッジのフィードバック処理のタイミング毎に実施する。本例の場合は、1ms毎に実施する。
ステップS108の判定において、振動の測定結果が所定値よりも大きい場合にはステップS112へ移行し、キャリッジM4001の駆動条件を新たに設定するか否かを判断し、それを新たに設定すると判断した場合にはステップS101へ戻る。本例の場合、振動の測定結果が所定値よりも大きいときには、図8のようなテーブルの駆動条件をテーブル番号順に順次設定する。したがって、ここでは、ステップS101に戻って、次のテーブル番号1の駆動条件が設定されることになる。
このように、図8のようなキャリッジM4001の駆動条件にしたがって、所定回数だけキャリッジM4001を往復移動させながら、ステップS108において記録装置の振動の大きさを監視する。
ステップS108において記録装置の振動の大きさが所定値以下と判断された場合には、ステップS109に移行し、記録装置の振動の大きさが今回初めて所定値以下となったか否か、つまり後述する第1の駆動条件が既に設定されているか否かを判定する。記録装置の振動が今回初めて所定値以下となったときには、そのときのキャリッジM4001の駆動条件をキャリッジの第1の駆動条件として設定する。そして、その第1の駆動条件のテーブル番号に対応する移動距離Dnを第1の移動距離Dn1として設定し保持する。その後、再びステップS101へ戻り、図8に示したテーブルに基づいて、次の駆動条件を設定してキャリッジM4001の往復移動を開始する。
その後、同様にステップS108において記録装置の振動の大きさを監視し、それが所定値以下となるまで駆動条件を変更して、キャリッジM4001を往復移動させる。ステップS108において記録装置の振動の大きさが再び所定値以下となったときには、ステップS109に移行し、第1の駆動条件が設定されているか否かを判定する。ここでは、既に第1の駆動条件が設定されているためステップS111へ移行し、そのときのキャリッジM4001の駆動条件を第2の駆動条件として設定する。そして、その第2の駆動条件のテーブル番号に対応する移動距離Dnを第2の移動距離Dn2として設定し保持する。
このようにして、記録装置を設置した机やラックなどの振動の大きさが所定値以下となるときのキャリッジM4001の駆動条件を2組検出し、それらの駆動条件における移動距離Dnを第1,第2の移動距離Dn1,Dn2として設定して、図12の処理を終了する。
(第2および第3の処理)
次に、このように検出した2組のキャリッジM4001の駆動条件に基づいて、所望の記録動作を行うための処理を図13のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS201において記録命令を解析する。その記録命令は、記録装置によって所望の記録を行うために、記録装置に接続されたパソコンなどのホスト機器から、図4のパラレルI/F E0016やシリアルI/F E0017を通して記録装置に送信される。ステップS201においては、このような記録命令に基づいて、指定された用紙種別、用紙サイズ、記録品位、および図2に示した自動給送部M2000の駆動方法を含む給紙方法などを解析する。それらの解析結果の情報は、記録装置内のRAMに一旦記憶する。
次にステップS202へ移行し、先に指定された給紙方法に基づいて自動給送部M2000を駆動し、給紙動作を実施する。その後、ステップS2003にて図2のLFローラM3001を駆動し、用紙を記録の開始位置(記録開始位置)まで搬送する。その記録開始位置は、キャリッジM4001に装着されたヘッドカートリッジH1000の不図示のインク吐出部に対して、用紙が対向する位置である。
次にステップS204へ移行し、外部I/Fから送信されてきた記録データを一旦不図示のプリントバッファに格納する。さらに、そのプリントバッファに格納された記録データに基づいて、キャリッジM4001の2回の走査により記録する記録データの記録開始位置と記録終了位置を算出する。すなわち、1回目の一方向の走査により記録する記録データの記録開始位置と記録終了位置、および、その後の2回目の他方向の走査により記録する記録データの記録開始位置と記録終了位置を算出する。本例の場合は、このようにキャリッジの一方向と他方向の移動時に記録動作(双方向記録)が可能である。不図示のプリントバッファは、キャリッジM4001の2回の移動時に記録するデータ量の格納が可能であり、1回目の走査によって記録データが記録されたときは、その記録データに代わって、3回目の走査により記録する記録データが格納される。つまりプリントバッファには、これから記録すべき2走査分の記録データが順次格納されることになる。その記録データは、プリントバッファにおける格納位置に応じて、記録用紙上における記録位置が割り当てられる。記録開始位置や記録終了位置は1走査毎の記録データに基づいて算出されるため、ここでは、上記のように、2走査分の2組の記録開始位置と記録終了位置が算出される。
次のステップS205においては、このようにして算出された2回分の記録開始位置と記録終了位置に基づいて、先の回の記録走査時におけるキャリッジの移動距離Lxを算出する。
図14は、移動距離Lxの算出方法の一例を説明するための図である。PAおよびPBはキャリッジの移動限界位置であり、移動限界位置PAは原点位置ともいう。これらの位置PA,PBの間において、キャリッジは奇数回目には右方に移動し、また偶数回目には左方に移動する。Ps1,Pe1は1回目の記録開始位置および記録終了位置、Ps2,Pe2は2回目の記録開始位置および記録終了位置である。
まずは、キャリッジの1回目の移動距離Lxを下記のように算出する。
キャリッジの1回目の記録開始位置Ps1と記録終了位置Pe1から、キャリッジが定速移動する記録走査距離LP1を求める。さらに、その記録走査距離LP1に、加速時間Aおよび減速時間Cにおけるキャリッジの移動距離(加速距離および減速距離)LAおよびLCを加える。これにより、移動開始位置PS1から移動停止位置PE1までの間の距離L1が算出される。
次に、1回目の移動終了位置PE1と2回目の移動開始位置PS2とを比較し、それらの内、原点位置PAから遠い方の位置をキャリッジの停止位置とする。図14の例においては、位置PS2がキャリッジの停止位置となり、位置PS1から位置PS2までの間の距離がキャリッジの1回目の移動距離Lxとして算出する。
次にステップS206に移行し、ステップS205において記録データに基づいて算出した1回目の移動距離Lxと、先に検出した第1,第2の移動距離Dn1,Dn2と、を比較する。第1および第2の移動距離Dn1,Dn2は、前述したように、いずれも記録装置の振動の大きさが所定値以下となるときの移動距離である。
1回目の移動距離Lxが第1の移動距離Dn1以下のときは、キャリッジの1回目の移動距離Lを第1の移動距離Dn1に設定する(ステップS207A)。また、その1回目の移動距離Lxが第1の移動距離Dn1よりも大きく、かつ第2の移動距離Dn2以下のときは、キャリッジの1回目の移動距離Lを第2の移動距離Dn2に設定する(ステップS207B)。また、その1回目の移動距離Lxが第2の移動距離Dn2よりも大きいときは、その移動距離Lxをキャリッジの1回目の移動距離Lに設定する(ステップS208)。本例の場合は、図14(a)のように、1回目の移動距離Lが第1の移動距離Dn1に設定される。その結果、キャリッジは位置PS2からずれた位置PEまで移動する。
ステップS209においては、このようにして設定し移動距離LだけキャリッジM4001を一方向に移動させつつ、一方向の記録走査をする。すなわち、プリントバッファに格納された記録データに基づいて、キャリッジM4001に装着されたヘッドカートリッジH1000における不図示のインク吐出部に信号を送り、そのインク吐出部からインクを吐出することによって、一方向の記録走査をする。その後のステップS210においては、LFローラM3001による用紙の所定量の搬送が終了したか否かを判定する。
用紙の所定量の搬送が終了したときはS211へ移行し、記録すべき記録データの残りがあるか否かを確認する。記録すべき記録データが未だあるときには、ステップS204に戻って記録動作を繰返する。記録が終了したときにはステップS212へ移行し、LFローラM3001を駆動して用紙を排紙トレイM1004上に排紙し、一連の記録動作を終了する。
ここでは2回目の記録走査を行うために、ステップS204に戻る。そして、キャリッジの1回目の記録開始位置Ps1と記録終了位置Pe1に代わり、キャリッジの3回目の移動によって記録する記録データに基づいて、キャリッジの3回目の記録開始位置Ps3と記録終了位置Pe3を算出する。
その後のステップS205においては、キャリッジの2回目の移動距離Lxを下記のように算出する。
まず、キャリッジの2回目の記録開始位置Ps2と記録終了位置Pe2から、キャリッジが定速移動する記録走査距離LP2を求める。さらに、その記録走査距離LP2に、加速時間Aおよび減速時間Cにおけるキャリッジの移動距離(加速距離および減速距離)LAおよびLCを加える。これにより、移動開始位置PS2から移動停止位置PE2までの間の距離L2が算出される。次に、2回目の移動終了位置PE2と3回目の移動開始位置PS3とを比較し、それらの内、原点位置PAに近い方の位置をキャリッジの停止位置とする。図14の例においては、位置PS3がキャリッジの2回目の停止位置となり、その位置PS3と、キャリッジの1回目の停止位置PEと、の間の距離をキャリッジの2回目の移動距離Lxとする。
その後、前述した場合と同様に、2回目の移動距離Lxと、第1,第2の移動距離Dn1,Dn2と、を比較(ステップS206)、その比較結果に応じて、キャリッジの2回目の移動距離Lを設定する(ステップS207A,207B,208)。本例の場合は、図14(b)のように、2回目の移動距離Lが第2の移動距離Dn2に設定される。その結果、キャリッジは位置PS3からずれた位置PEまで移動する。
その後、3回目以降の記録走査を行う場合も同様である。
このように、記録データに基づいて算出した移動距離Lxと、記録装置を設置した机やラックなどの振動が所定値以下の大きさとなるときの第1および第2の移動距離Dn1,Dn2と、を比較して、キャリッジの移動距離Lを設定する。これにより、キャリッジM4001の往復移動に起因する振動を小さく抑えることができる。
また本例の場合は、前述したように、記録装置の振動が小さくなるときのキャリッジM4001の駆動条件として、少なくとも2つの駆動条件を設定する。そして、それらの駆動条件のいずれかに基づいてキャリッジM4001を往復移動させる。したがって、キャリッジM4001の駆動条件が1つに固定されず、記録データに応じてキャリッジの移動距離を2種類設定することができる。この結果、キャリッジの駆動条件を1つに固定した場合に比べて、記録時間を短縮することができる。
また、図12のステップS108の処理は、ステップS107の処理に先立って行うこともできる。このように構成した場合には、キャリッジM4001の設定回数分の移動中に、記録装置の振動の大きさが所定値以下となったときには、キャリッジM4001を必ずしも設定回数分移動させる必要がない。そのため、机やラックの振動の測定の処理を短縮化することができる。また本例の場合、図12のステップS107におけるキャリッジM4001の往復移動回数は3回としたが、特にこれに限定されるものではない。さらに本例の場合、図8のようなキャリッジM4001の駆動条件の設定テーブルは40個としたが、特にこれに限定されるものでもない。また本例の場合は、テーブル番号毎に、キャリッジの往復移動時間を25msずつ変化させるようにしたが、特にこれに限定されるものでもない。
一方向の走査時に記録するデータ量と、他方向の走査時に記録するデータ量と、が異なる場合には、キャリッジの一方向の移動距離Lと、それに続くキャリッジの他方向の移動距離と、が異なる距離に設定される可能性がある。しかし、この場合にも振動を小さく抑える効果はある。すなわち、前述した図10のように、往復走査時の移動距離が等しい場合は勿論のこと、往走査時と復走査時の移動距離Lを移動距離Dn1またはDn2に設定することによって、記録装置を設置した机やラックなどの共振を回避することができる。また、移動距離Lxが第2の移動距離Dn2を越えるときは、キャリッジM4001の移動距離Lを移動距離Lxに設定(ステップS208)することにより、少なくとも記録に必要なキャリッジの移動距離は確保することができる。
(第2の実施形態)
前述した第1の実施形態におけるキャリッジM4001の駆動条件は、キャリッジM4001の到達すべき一定の速度VTを一種類に設定した。本実施形態においては、図15のように、図8の駆動条件の場合とは異なる一定の速度VT2が設定されたテーブルをさらに備える。本例においては、キャリッジM4001が到達すべき一定の速度VT2を600mm/sとしている。
図15において、加速時間A2および減速時間C2は、それぞれ先の図8の場合と同様に70msとした。テーブル番号毎の定速距離Lnは、7.5mmの所定距離l2ずつ大きくなるように設定した。また、このようなテーブルは40個備えている。
このように駆動条件を設定した場合、キャリッジM4001の1往復移動の周期は、図8の場合と同様に、約0.3秒から約1.3秒までの間となる。したがって、先の実施形態において説明したように、記録装置を設置した机やラックの振動を小さくなるときのキャリッジの1往復移動の周期は、記録装置を設置した机やラックの固有周期に対して、2倍あるいは4倍の関係、つまり偶数倍の関係となる。そのため、図15のテーブルは、図8のテーブルと同様に、3.2Hzから6.4Hzまでの固有振動数を示す机やラックに対して有効なテーブルとなる。
図16は、このように図8と図15の駆動条件を設定したテーブルを用いた記録動作を説明するためのフローチャートである。なお、図15の駆動条件に基づいて、机やラックなどの振動が所定値以下となるときのキャリッジの第1,第2の駆動条件を検出するための処理は、先の実施形態における図12の処理と同様であるため、ここでは説明を省略する。図12の処理と同様に検出したキャリッジの第1,第2の駆動条件に基づいて設定する移動距離は、第1,第2の移動距離Dn3,Dn4とする。
まず記録装置は、パソコンなどのホスト機器から外部I/Fを介して記録命令を受信し、その記録命令の内容をステップS301において解析する。次のステップS302においては、その解析結果に基づいて、命令されたキャリッジM4001の移動速度が速度1または速度2のいずれであるかを判定する。移動速度1は、先の実施形態のような移動速度VT、つまり400mm/sであり、移動速度2は前述した移動速度VT2、つまり600mm/sである。移動速度2が命令されるときの記録は、例えば、所定のドットを間引いて形成するいわゆるドラフトモード(もしくは高速モード)である。ステップS302の判定において、記録速度1(400mm/s)が命令される記録の場合には、ステップS304へ移行して、前述した図13の処理を実行する。
一方、記録速度2(600mm/s)が命令された記録の場合には、ステップS303へ移行して給紙動作を開始する。その後、ステップS303へ移行して自動給送部M2000による給紙動作を開始し、次のステップS305において、記録用紙を記録開始位置まで搬送する。その後のステップS306からステップS314の処理は、前述した図13のステップS204からステップS212と同様であるため、それらの処理の説明は省略する。
このように本実施形態は、先の第1の実施形態における走査速度VTのみならず、それとは異なる走査速度VT2においても、机やラックの振動を小さくすることができる。したがって、机やラックなどの振動を小さくするときのキャリッジM4001の走査速度を固定する必要がなく、キャリッジM4001の走査速度に応じて机やラックなどの振動を小さくすることができる。
(第3の実施形態)
上述した実施形態においては、机やラックなどの振動を測定するために、図4に示した加速度センサE0022を用いた。しかし、このような加速度センサE0022は必ずしも用いる必要はない。
例えば、パソコンなどのホスト機器上から記録装置の動作の指示などが可能なプリンタドライバーを設け、このプリンタドライバーは、図8や図14に示したようなキャリッジの駆動条件に基づいてキャリッジを往復移動させるべく指示可能に構成する。記録装置の使用者は、キャリッジの往復移動を指示し、机やラックなどの振動を直接確認する。そして、その振動が小さいと判断したときのキャリッジの駆動条件を、プリンタドライバーを通して記録装置に送信する。記録装置は、その送信されたキャリッジの駆動条件に基づいて、前述した図13や図16のような処理をすることにより、振動の小さい記録動作を実施することができる。
(その他)
本発明は、インクジェット記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置に限定されるものではなく、感熱記録方式等の記録方式の記録ヘッドを用いる種々の記録装置に対しても広く適用可能である。
また、記録ヘッドの往復移動時に記録動作(双方向記録)をする場合には、それら往復移動時における目標速度(VT)を同じ大きさに設定できるため、前述した図10のように振動を小さく抑えるべく、キャリッジの1往復の周期と机やラックなどの固有周期とを関連付けやすくなる。その場合、キャリッジの一方向への移動を開始してから、それを停止するまでの一方向移動時の駆動条件と、またはキャリッジの他方向への移動を開始してから、それを停止させるまでの他方向移動時の駆動条件は、記録データなどに応じて異なってもよい。それらの駆動条件の内、少なくとも一方が振動を小さくできる駆動条件として設定できればよい。
また本発明は、記録ヘッドの一方向の移動時にのみ記録動作(片方向記録)をする場合にも有効である。片方向記録の場合には、通常、記録ヘッドが他方向に移動するときには、それが一方向に移動するとき、つまり記録動作するときよりも移動速度が速くなる。この場合にも、一方向移動時の駆動条件と他方向移動時の駆動条件の内、少なくとも一方が振動を小さくできる駆動条件として設定できればよい。
また本発明は、記録装置を必ずしも机やラックなどに設置する必要はなく、記録装置の種々の使用状態において、キャリッジの移動に起因する振動を小さく抑えることができる。また、振動の大きさは、変位、速度、および加速度によって表すことができる。したがって振動の大きさは、加速度のみならず、変位または速度、あるいはそれらの組み合わせによって判断することもできる。
また本発明は、振動を小さくできる駆動条件を必ずしも複数求める必要はない。要は、振動を小さく抑えるように、記録走査時におけるキャリッジの移動距離を変更することができればよい。
また本発明は、特に、振動を小さくできる同一の駆動条件に基づいて、キャリッジを繰り返し往復移動させる場合に、キャリッジの移動に起因する振動を効果的に小さく抑えることができる。そのため、各記録走査時におけるキャリッジの移動距離として、振動を小さくなるときのキャリッジの移動距離を共通に設定することによって、より効果的に振動を小さく抑えることができる。その場合、共通に設定するキャリッジの移動距離は、画像の記録に必要な各記録走査時のキャリッジの移動距離以上の距離であることは勿論である。例えば、所定サイズの記録用紙に画像を記録する場合に、キャリッジの移動距離として、その記録用紙の幅を越えた移動距離を設定することもできる。
本発明の第1の実施形態におけるインクジェット記録装置の外観斜視図である。 図1のインクジェット記録装置における主要な内部構成部分の斜視図である。 図1のインクジェット記録装置における電気的な回路構成を説明するためのブロック構成図である。 図3におけるメインPCBのブロック構成図である。 本発明の第1の実施形態におけるインクジェット記録装置の記録動作全体を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1の実施形態におけるインクジェット記録装置のキャリッジの制御形態の説明図である。 本発明の第1の実施形態におけるインクジェット記録装置のキャリッジのフィードバック制御の説明図である。 本発明の第1の実施形態における振動測定時のキャリッジの駆動条件の説明図である。 本発明の第1の実施形態における振動測定時のキャリッジの移動形態の説明図である。 本発明の第1の実施形態において、机やラックなどの振動が小さくなったときの加速度の変化の説明図である。 本発明の第1の実施形態において、机やラックなどの振動がキャリッジの走査と共振状態となったときの加速度の変化の説明図である。 本発明の第1の実施形態における振動の測定処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における記録動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1の実施形態におけるキャリッジの移動距離の設定例の説明図である。 本発明の第2の実施形態における振動測定時のキャリッジの駆動条件の説明図である。 本発明の第2の実施形態における記録動作を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
M1000 装置本体
M1004 排紙トレイ
M2000 自動給送部
M3001 LFローラ
M3002 ピンチローラ
M3003 プラテン
M3050 排出部
M3051 排紙ローラ
M4000 記録部
M4001 キャリッジ
M4010 キャリッジモータプーリ
M4011 キャリッジベルト
M5000 回復系ユニット
E0001 キャリッジモータ
E0004 エンコーダセンサ
E0005 エンコーダスケール
E0011 コンタクト部
E0013 キャリッジ基板
E0014 メイン基板
E0022 加速度センサ
E1001 CPU
E1002 ASIC
E1003 CRモータドライバー
H1000 記録ヘッドカートリッジ
H1001 インクタンク

Claims (3)

  1. 記録ヘッドを搭載し画像記録のために記録媒体に対して繰返し往復移動するキャリッジと、前記キャリッジの往復移動を駆動条件に基づいて制御する制御手段と、を有し、前記キャリッジの往復移動に起因して発生する、前記記録装置が設置された設置部の振動の大きさは、少なくとも前記往復移動の1往復周期および前記記録装置が設置された状態での前記設置部の固有振動数の関係により変化する記録装置であって、
    少なくとも前記往復移動における定速移動の領域での移動距離に応じて前記1往復周期がそれぞれ異なる予め用意された複数の駆動条件の中から、前記記録媒体に画像を記録するときの前記キャリッジの駆動条件を設定する設定手段と、
    前記キャリッジを往復移動させたときに発生する前記設置部の振動を加速度、変位または速度から検出するための検出手段とを備え、
    前記設定手段は、前記複数の駆動条件を前記1往復周期が小さいものから順に設定して前記キャリッジを往復移動させ、前記検出手段が所定の大きさを越えない振動を検出したときの駆動条件を1つまたは複数保持し、前記保持した駆動条件の中で前記移動距離が使用する記録媒体への記録に必用な記録幅よりも大きく且つ前記記録幅に最も近い駆動条件を、前記記録媒体に画像を記録するときの前記キャリッジの駆動条件として設定することを特徴とする記録装置。
  2. 前記駆動条件は、前記定速移動の領域での移動距離および移動速度が異なる複数の条件を含むことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記キャリッジが往方向と復方向のそれぞれに移動するときに前記記録媒体に画像を記録することを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
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