JP2006168108A - 記録装置 - Google Patents

記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006168108A
JP2006168108A JP2004362403A JP2004362403A JP2006168108A JP 2006168108 A JP2006168108 A JP 2006168108A JP 2004362403 A JP2004362403 A JP 2004362403A JP 2004362403 A JP2004362403 A JP 2004362403A JP 2006168108 A JP2006168108 A JP 2006168108A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
carriage
scanning
speed
scanning speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004362403A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Takahashi
誠二 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2004362403A priority Critical patent/JP2006168108A/ja
Publication of JP2006168108A publication Critical patent/JP2006168108A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)
  • Character Spaces And Line Spaces In Printers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】 従来の例で示されている構成や方法によりキャリッジの走査に伴い発生する振動に起因して発生する画像への弊害を防止する。
【解決手段】 キャリッジの走査速度をあらかじめ複数備え、この複数の走査速度から1つを選択して所定の記録パターンを記録し次にこれとは別の走査速度を選択して該所定の記録パターンを記録する記録モードと、前記記録モードによる記録を指示する指示手段と、前記記録モードによる記録結果に基づいて、キャリッジの走査速度を変更するよう設定する設定手段と、キャリッジ走査速度の前記設定手段によって設定されたキャリッジの走査速度に基づいて記録装置を制御する制御手段とを備えた。
【選択図】 図9

Description

本発明は、プリンタなどの記録装置とその制御方法に関し、詳しくは記録ヘッドを搭載しキャリッジを走査しながら記録を行う記録装置において、画像弊害のない最適な記録を行うためのキャリッジ走査速度や記録方向を含む走査モードの調整方法に関し、さらにはこの調整方法を適用した記録装置に関する。
従来から記録装置として良く知られているものにプリンタがある。プリンタにおいては例えば記録ヘッドを搭載し、紙、フィルム等の記録媒体(以下「記録シート」、「紙」、「用紙」ともいう)の搬送方向と垂直な方向に往復走査するキャリッジを有し、記録用紙を搬送しながらキャリッジを走査し、その走査とともに記録ヘッドにより記録を行う所謂シリアル式のものが構成の容易さなどの点から広く知られている。
ここでキャリッジは例えばDCモータなどの駆動源と無端状のタイミングベルトなどで接続され、記録動作に伴って一方に向かって駆動され徐々に速度が増加する加速状態から一定の速度で走査する定速度状態へ移行してこの定速度状態で記録媒体に対して記録を行い、記録が終了すると徐々に速度が減少する減速状態へ移行して所定の位置に停止する様に制御され、その後用紙を所定量搬送した後、続いて記録動作を行う場合には先とは逆の他方へ同様に走査するように駆動制御されるのが一般的である。
一方このような記録装置では、近年記録される画像の高品位化が求められており、これを達成するためキャリッジの走行安定性を向上させる事が特に重要となっている。キャリッジは駆動源であるモータの回転を発生源とする振動をタイミングベルトやキャリッジを記録装置に支持する部材などを介して伝達されながら走査しているのが一般的である。記録ヘッドを搭載したキャリッジが著しく振動しながら走査し記録が行われるとその振動周波数に起因した所定のピッチで濃度ムラなどが発生し、画像弊害をもたらす可能性があった。また、モータの回転により発生する振動の周波数はモータの構成とモータの回転数にほぼ対応しており例えば、2極のマグネットと3相のコイルで構成される一般的なDCモータでは、一回転あたり6回の振動が顕著に発生する。したがってこのようなモータを一秒あたり10回転する速度で駆動した場合には、モータの発生する代表的な振動周波数は略60Hzとなり、さらにモータを一秒あたり20回転する速度で駆動した場合には、モータの発生する代表的な振動周波数は例えば120Hzとなる。しかしながらモータのこれらの特性は個々のモータによってばらつきを有しているのが一般的であり同一構成のモータであって一秒あたり10回転する速度で駆動した場合であっても例えば60Hzの1/2の約30Hzが顕著に発生するモータや60Hzの2倍の約120Hzが顕著なモータなども発生する振動周波数がバラツキを有していることも一般的である。
一方キャリッジの振動は、例えば後に説明する図1に示したような記録装置の外殻をなすケースや、ケース内に設けられたシャーシやシャーシに支持されキャリッジの走査を案内支持する軸やレールによって構成される支持されるため装置全体の振動的特性の影響を受ける。例えば、キャリッジを含めた記録装置全体の共振周波数が、モータの回転にともなって発生する振動周波数に近い場合には、キャリッジの走行状態での振動が顕著になる。加えてキャリッジ自身の共振周波数とモータの回転に伴う振動周波数とが近い場合でも同様であることが知られている。このような記録装置全体やキャリッジの共振周波数においても記録装置を構成する部品などに起因してバラツキを有している。なかでもキャリッジにおいてはタイミングベルトの弾性特性や、タイミングベルトを張架するバネの弾性特性や、キャリッジにインクタンクを搭載する場合には搭載されるインク量などによっても共振周波数はバラツキを有することが多い。
従って高品位な画像形成を達成するためキャリッジの走行安定性の向上をはかるため、例えばキャリッジとタイミングベルトとの間にダンパーなどの弾性体を設けるなどしてモータからタイミングベルトを介してキャリッジへ伝達される振動を減衰させる構成が知られている。(例えば特許文献1参照)
またキャリッジの走行安定性の向上をはかるため、キャリッジの走査速度の変動に着目し、速度変動とは逆位相となるようにキャリッジの駆動源であるステッピングモータの回転速度を1スキャン内で変動させて制御する方法も開示されている。(例えば特許文献2参照)
特開2003−80786(第10頁、図6) 特開平08−084230(第11頁、図7)
しかしながらこのような従来の例で示されている構成や方法によりキャリッジの走査に伴い発生する振動に起因して発生する画像への弊害を防止する場合に、
例えば特許文献1に開示されているようにキャリッジとタイミングベルトとを弾性体を介して設けた場合には、
1) 弾性体での振動の減衰効果の弱い振動周波数がモータなどのバラツキによって発生した場合には、その減衰効果が弱まってしまい結果として減衰効果があまり得られずに伝達されてしまう可能性がある。
2) また、どのような振動周波数にも減衰効果を得るために弾性率の著しく低い弾性体を使用することも考えられるが、モータとキャリッジとの間で構成される伝達系での位相遅れが著しく大きくなってしまいモータを介してキャリッジを正確に制御することがむずかしくなる。
また特許文献2に開示さているようにキャリッジを走査するモータをキャリッジ走査速度の変動に基づいて逆位相となるように回転制御する場合には、
3) モータからキャリッジまでの伝達系による位相遅れなどを考慮する必要があり、さらには装置によって位相の遅れ具合も異なるため装置に応じてモータを制御する必要があり、具体的にはモータの所定の時間や位置に対応した回転速度を算出するのが複雑になり記録装置の制御手段であるCPUなどへの負荷も大きく、容易ではない。
4) さらには、キャリッジの走査速度の変動周期がモータからキャリッジまでの伝達系で決定される機械的時定数よりも短い場合には、モータの回転制御を行ったとしてもキャリッジはモータの制御に反応できず結果として、走査速度の変動を低減するのが困難という課題もある。
そこで本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、キャリッジを走査するためのモータの回転に起因する画像の弊害を最小限に抑える方法に関し、記録装置の装置毎に最適なキャリッジの走査状態を設定する方法であり、またこのような方法を用いることで信頼性の高い記録装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明は、所望される記録情報に基づいて記録媒体に記録を行う記録ヘッドを搭載し、キャリッジを所定の速度で走査しながら記録を行う記録装置において、キャリッジの走査速度をあらかじめ複数備え、この複数の走査速度から1つを選択して所定の記録パターンを記録し次にこれとは別の走査速度を選択して該所定の記録パターンを記録する記録モードと、前記記録モードによる記録を指示する指示手段と、前記記録モードによる記録結果に基づいて、キャリッジの走査速度を変更するよう設定する設定手段と、キャリッジ走査速度の前記設定手段によって設定されたキャリッジの走査速度に基づいて記録装置を制御する制御手段とを備えたことを特徴とし、また、所望される記録情報に基づいて記録媒体に記録を行う記録ヘッドを搭載し、キャリッジを所定の速度で走査しながら記録を行う記録装置において、キャリッジの走査速度と、記録時の走査方向を各々あらかじめ複数備え、この複数の走査速度と、複数の記録時の走査方向とから1つを選択して所定の記録パターンを記録し、次にこれとは別の走査速度と、別の記録走査方向を選択して該所定の記録パターンを記録する記録モードと、前記記録モードによる記録を指示する指示手段と、前記記録モードによる記録結果に基づいて、キャリッジの走査速度ないしは走査方向を変更するよう設定する設定手段と、キャリッジ走査速度と走査方向の前記設定手段によって設定されたキャリッジの走査速度と走査方向に基づいて記録装置を制御することを特徴とする。
さらにはこれに加えて、請求項1及び2に記載の構成に加えて、前記キャリッジに前記所定の記録パターンの濃度を検出する検出手段を設け、前記検出手段に前記所定の記録パターンを対向させてキャリッジを走査して前記検出手段による検出を実施すると共に前記検出手段による検出結果に基づいて、前記所定の記録パターン内の濃度変化量を算出する算出手段を設け前記設定手段は、前記算出による算出結果に基づいてキャリッジの走査速度ないしは走査方向を変更するよう設定する事を特徴とする。
本発明によれば、記録装置のキャリッジ走査のためモータの回転による振動に起因する画像弊害を最小限にするキャリッジの走査速度や走査方向を設定可能にすることにより、画像弊害の少ない信頼性の高い記録装置を提供することができる。
(第1の実施の形態)
まず、本発明にかかるキャリッジの走査モードを設定可能に構成した記録装置について説明する。なお以下に説明する実施例では、インクジェット記録方式を用いたプリンタを例に挙げて説明する。
[装置本体]
図1、図2及び図3にインクジェット記録方式を用いたプリンタの概略構成を示す。図1において、この実施形態におけるプリンタの外殻をなす装置本体M1000は、下ケースM1001、上ケースM1002、アクセスカバーM1003及び排紙トレイM1004の外装部材と、その外装部材内に収容されたシャーシM3100(図2参照)とから構成される。
前記シャーシM3100は、所定の剛性を有する複数の板状金属部材によって構成され、記録装置の骨格をなし、後述の各記録動作機構を保持するものとなっている。前記排紙トレイM1004には、2枚の補助トレイM1004a,M1004bが収容されており、必要に応じて各トレイを手前に引きだし得るようになっている。
アクセスカバーM1003は、その一端部が上ケースM1002に回転自在に保持され、上面に形成される開口部を開閉し得るようになっており、このアクセスカバーM1003を開くことによって本体内部に収容されている記録ヘッドカートリッジH1000あるいはインクタンクH1001等の交換が可能となる。
また、上ケースM1002の後部上面には、電源キーE0018及びレジュームキーE0019が押下可能に設けられると共に、LED E0020が設けられており、電源キーE0018を押下すると、LED E0020が点灯し記録可能であることをオペレータに知らせるものとなっている。また、LED E0020は点滅の仕方や色の変化をプリンタの状態をオペレータに知らせる等種々の表示機能を有する。
[記録動作機構]
次に、上記プリンタの装置本体M1000に収容、保持される本実施形態における記録動作機構について説明する。
本実施形態における記録動作機構としては、記録シートPを装置本体内へと自動的に給送する自動給送部M2000と、自動給送部から1枚ずつ送り出される記録シートPを所望の記録位置へと導くと共に、記録位置から排出部M3050へと記録シートPを導く搬送部M3000と、搬送部M3000に搬送された記録シートPに所望の記録を行う記録部M4000と、前記記録部M4000等に対する回復処理を行う回復部M5000とから構成されている。
次に、各機構部の構成を説明する。
(自動給送部)
まず、図2に基づき自動給送部M2000を説明する。
本実施形態における自動給送部M2000は、水平面に対して約30°〜60°の角度を持って積載された記録シートPを水平な状態で送り出し、不図示の給送口から略水平な状態を維持しつつ本体内へと記録シートを給送するものとなっている。
すなわち、自動給送部M2000には、給送ローラM2001、可動サイドガイドM2002、圧板M2003、不図示の分離爪、分離シート等が備えられている。サイドガイドM2002は一対のシートガイドM2002a及びM2002bで構成されており、一方のシートガイドM2002bは水平移動可能となっており、様々な記録シートの水平方向の幅に対応し得るようになっている。
そして、前記圧板M2003上に積載された記録シートPは、不図示のASFモータの駆動により給送ローラM2001が回転し、前記分離爪や分離シートの分離作用によって積載された記録シートPの内最上位の記録シートを順次1枚ずつ分離して送り出し、搬送部M3000へと搬送するようになっている
(搬送部)
搬送部M3000は、LFローラM3001、ピンチローラM3002、及びプラテンM3003等を備えており、前記LFローラM3001は、前記シャーシM3100等によって回動自在に支持された駆動軸に固定されており、LFギヤ列M3004を介してLFモータE0002により回転駆動される構成になっている。また、前記ピンチローラM3002は、シャーシM3100に回動自在に支持されるピンチローラホルダM3002aの先端部に軸着されており、ピンチローラホルダM3002aを付勢する巻きばね状のピンチローラばねによってLFローラM3001に圧接しており、LFローラM3001が回転するとこれに従動して回転し、記録シートPをLFローラM3001との間で挟持しプラテンにM3003に支持されながら搬送させるものとなっている。
このように構成された搬送部においては、自動給送部M2000の給紙ローラM2001による搬送動作が停止した後、一定時間が経過するとLFモータE0002の駆動が開始され、LFローラM3001とピンチローラM3002のニップ部とに先端部が当接している前記記録シートPが、前記LFローラM3001の回転によって前記プラテンM3003上の記録開始位置まで搬送される。
(排紙部)
次に排紙部M3050を説明する。排出部M3050は、前記LFモータE0002の駆動を所定のギヤ列を介して伝達され回転可能な図2に示した排出ローラM3051を有し、この排出ローラの回転に従動回転する拍車M3053が拍車ステイM3052に設けられて構成され、さらにこれら排出ローラと拍車M3053により排出される。
前記記録シートPへの記録が終了し、前記LFローラM3001とピンチローラM3002の間から前記記録シートPの後端が抜脱すると、排出ローラと拍車M3051のみによる記録シートPの搬送が行われ、前記記録シートPの排出は完了する。
(記録部)
次に記録部M4000について説明する。記録部M4000は主として、キャリッジ軸M4003と、その上部にスライダーM4004を介してキャリッジレールM4005とによって移動可能に支持されたキャリッジM4001と、このキャリッジM4001に着脱可能に搭載される記録ヘッドカートリッジH1000とからなる。ここで記録ヘッドカートリッジH1000には不図示の記録ヘッド部へインク供給するインクタンクH1001が交換可能に構成されている。
キャリッジM4001には図2に示すように、キャリッジM4001と係合し記録ヘッドカートリッジH1000をキャリッジM4001の装着位置に案内し所定の装着位置にセットさせるよう押圧するヘッドセットレバーM4002が設けられている。キャリッジM4001の上部にはスライダーM4004が設けられ、図2のキャリッジレールM4005の内側とスライダーM4004に設けられた不図示の摺動面とが当接しキャリッジM4001の重量により付勢されてながら摺動する。またキャリッジM4001は、アイドラプーリM4009とキャリッジモータプーリM4010との間にキャリッジ軸M4003と略平行にコイルバネを介して張架されたキャリッジベルトM4011の下側に固定されており、キャリッジモータE0001の駆動によってキャリッジモータプーリM4010を駆動させることで、キャリッジM4001をキャリッジ軸M4003とキャリッジレールM4005とに沿って走査させ得るようになっている。さらに、キャリッジM4001の側面部には、後述の印刷パターン検出用の反射型光センサからなる検出センサM4012が取り付けられている。この検出用センサは構成される発光素子より発光し、その反射光を受光し反射光量を検出することで、印刷パターンの濃度の均一性を検出することができる。
キャリッジM4001の記録ヘッドカートリッジH1000との係合部には図3に示したコンタクト部E0011が設けられ、コンタクト部E0011上のピンとヘッドカートリッジH1000に設けられた不図示のコンタクト部(外部信号入力端子)とが電気的に接触し、記録のための各種情報の送受信や記録ヘッドカートリッジH1000のインク吐出部への電力の供給などを行い得るようになっている。さらに前記コンタクト部E0011はキャリッジM4001の背面に搭載されたキャリッジ基板E0013(CRPCB、図3)に装着され、キャリッジフレキシブルフラットケーブル(キャリッジFFC)E0012によりキャリッジM4001の側面部に引き出されメイン基板E0014(図3)と接続されている。またキャリッジ基板E0013には、先のパターン検出用センサ−m4012が電気的に接続されるとともにエンコーダセンサE0004(図3)が設けられ、シャーシM3100の両側面の間にキャリッジ軸M4003と平行に張架されたエンコーダスケールE0005上の情報を検出することにより、キャリッジM4001の位置や走査速度等を検出できるようになっている。例えばエンコーダセンサE0004は光学式の透過型センサであり、エンコーダスケールE0005はポリエステル等の樹脂製のフィルム上に写真製版などの手法によって、エンコーダセンサからの検出光を遮断する遮光部と検出光が透過する透光部とを所定のピッチで交互に印刷したものとなっている。従って、キャリッジ軸M4003に沿って移動するキャリッジM4001の位置は、キャリッジM4001の走査軌道上の端部に設けられたシャーシM3100の右側板M3100bにキャリッジM4001を突き当て、その突き当て位置を基準(ホームポジション)とし、その後キャリッジM4001の走査にともないエンコーダセンサE0004によるエンコーダスケールE0005に形成されたパターン数を計数することにより随時検出し得るようになっている。
(回復部)
次に記録ヘッドカートリッジH1000に対しての回復処理を行う回復部の説明をする。
この実施形態における回復部は、記録ヘッドカートリッジH1000の不図示のインク吐出部に付着した異物を除去するための清掃手段やインクタンクH1001からインク吐出部に至るインクの流路の正常化を図るための吸引手段等を備えている。
キャップM5001は記録ヘッドカートリッジH1000のインク吐出部に対向して設けられPGモータE0003と不図示のギヤ列とカム機構を介して接続され図中B方向に移動可能に構成されている。キャリッジM4001に装着された記録ヘッドカートリッジH1000のインク吐出部がキャップM5001と対向する位置(キャッピング位置ともいう)へ移動後停止しこのときキャップM5001が図2中の鉛直上方へ駆動する事でインク吐出部を覆いキャッピング状態となる事ができる。この状態でPGモータと所定のギヤ列と接続された不図示のポンプ機構を動作するとインクタンクH1001からインク吐出部を通じてインクが吸引され排出される。また回復部M5000にはインク吐出部の清掃手段としてワイパーブレードM5002が設けられている。ワイパーブレードM5002は所定のギヤ列を介しPGモータE0003と接続され図中C方向に移動可能に構成されており、記録ヘッドカートリッジH1000が装着されたキャリッジM4001が所定のワイピング位置へ移動後、停止し、ワイパーブレードM5002を図2の手前方向に駆動する。この動作によりワイパーブレードM5002が記録ヘッドカートリッジH1000のインク吐出部の表面に当接し清掃を行う。
(電気的回路構成)
次に、本発明の実施形態における電気的回路構成を説明する。
図3及び図4は、この実施形態における電気的回路の全体構成を概略的に示す図である。
この実施形態における電気的回路は、主にキャリッジ基板(CRPCB)E0013、メインPCB E0014、電源ユニットE0015等によって構成されている。ここで、前記電源ユニットE0015は、メインPCB E0014と接続され、各種駆動電源を供給するものとなっている。
また、キャリッジ基板E0013は、キャリッジM4001(図2)に搭載され、コンタクト部E0011を通じて記録ヘッドカートリッジH1000との信号の授受を行う他、キャリッジM4001の移動に伴ってエンコーダセンサE0004から出力されるパルス信号に基づき、エンコーダスケールE0005とエンコーダセンサE0004との位置関係の変化を検出し、その出力信号をフレキシブルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通じてメインPCB E0014へと出力する。
さらに、メインPCBは記録装置の各部の駆動制御を司るプリント基板ユニットであり、紙端検出センサ(PEセンサ)E0006、ASFセンサE0009、カバーセンサE0021、パラレルI/F E0016、シリアルI/F E0017、リジュームキーE0019、LED E0020、電源キーE0018、等に対するI/Oポートを基板上に有し、さらにCRモータE0001、LFモータE0002、PGモータE0003、ASFモータE0008と接続されてこれらの駆動を制御する他、PGセンサE0010、CRFFC E0012、電源ユニットE0015との接続インターフェイスを有する。
またCPU E1001はASIC(Application Specific Integrated Circuit)E1002とともに記録装置の各部を駆動制御する。また記録装置のCRモータE0001、LFモータE0002、PGモータE0003、ASFモータE0008はそれぞれCRモータドライバーE1003、LFモータドライバーE1004、PGモータドライバーE1004、ASFモータドライバーE1005を介してCPU E1001の制御信号に基づいて制御される。
次に、上記のように構成された本発明の実施形態における記録装置の概略動作を図5のフローチャートに基づき説明する。
AC電源に本装置が接続されると、まず、ステップS1では装置の第1の初期化処理を行う。この初期化処理では、本装置のROMおよびRAMチェックなどの電気回路系のチェックを行い、電気的に本装置が正常に動作可能であるかを確認する。
次にステップS2では、装置本体M1000の上ケースM1002に設けられた電源キーE0018がONされたかどうかの判断を行い、電源キーE0018が押された場合には、次のステップS3へと移行し、ここで第2の初期化処理を行う。
この第2の初期化処理では、本装置の記録装置の各駆動機構及びヘッドカートリッジなどのチェックを行う。すなわち、各種モータの初期化やヘッド情報の読み込みを行うに際し、本装置が正常に動作可能であるかを確認する。キャリッジの位置の基準を決めるためのホームポジション取得の動作はこの初期化処理2の中で実施される。
次にステップS4ではイベント待ちを行う。すなわち、本装置に対して、外部I/Fからの指令イベント、ユーザ操作によるパネルキーイベントおよび内部的な制御イベントなどを監視し、これらのイベントが発生すると当該イベントに対応した処理を実行する。
例えば、ステップS4で外部I/Fからの印刷指令イベントを受信した場合には、ステップS5へと移行し、同ステップでユーザ操作による電源キーイベントが発生した場合にはステップS10へと移行し、同ステップでその他のイベントが発生した場合にはステップS11へと移行する。
ここで、ステップS5では、外部I/Fからの印刷指令を解析し、指定された紙種別、用紙サイズ、印刷品位、給紙方法などを判断し、その判断結果を表すデータを本装置内のRAMに記憶し、ステップS6へと進む。
次いでステップS6ではステップS5で指定された給紙方法により給紙を開始し、用紙を記録開始位置まで送り、ステップS7に進む。
ステップS7では記録動作を行う。この記録動作では、外部I/Fから送信されてきた記録データを、一旦記録バッファに格納し、次いでCRモータE0001を駆動してキャリッジM4001の走査方向への移動を開始すると共に、プリントバッファに格納されている記録データを記録ヘッドカートリッジH1000へと供給して1行の記録を行い、1行分の記録データの記録動作が終了するとLFモータE0002を駆動し、LFローラM3001を回転させて用紙を副走査方向へと送る。この後、上記動作を繰り返し実行し、外部I/Fからの1ページ分の記録データの記録が終了すると、ステップS8へと進む。
ステップS8では、LFモータE0002を駆動し、不図示の排出ローラを駆動し、用紙が完全に本装置から送り出されたと判断されるまで紙送りを繰返し、終了した時点で用紙は排紙トレイM1004a上に完全に排紙された状態となる。
次にステップS9では、記録すべき全ページの記録動作が終了したか否かを判定し、記録すべきページが残存する場合には、ステップS5へと復帰し、以下、前述のステップS5〜S9までの動作を繰り返し、記録すべき全てのページの記録動作が終了した時点で記録動作は終了し、その後ステップS4へと移行し、次のイベントを待つ。
一方、ステップS10ではプリンタ終了処理を行い、本装置の動作を停止させる。つまり、各種モータやヘッドなどの電源を切断するために、電源を切断可能な状態に移行した後、電源を切断しステップS4に進み、次のイベントを待つ。
また、ステップS11では、上記以外の他のイベント処理を行う。例えば、本装置の各種パネルキーや外部I/Fからの記録ヘッドの回復処理指令や内部的に発生する回復イベントなどに対応した処理を行う。なお、処理終了後にはステップS4に進み、次のイベントを待つ。
次にこのような構成の記録装置における、キャリッジモータE0001及びキャリッジM4001の制御の一例としてフィードバック制御よる方法について図6及び図7を参照しながら説明する。
前述のように、キャリッジM4001はASIC E1002からのCRモータ制御信号により駆動されるキャリッジモータE0001を駆動源としている。
次に図6及び図7本例にかかるキャリッジのフィードバック制御の概略を示した。図6は、後述するフィードバック処理によって算出されるキャリッジが示すべきキャリッジM4001の指令速度及び指令位置の時間に対する変化の様子を示したグラフである。キャリッジM4001の駆動状態は、停止している状態から所定の一定速度まで加速する加速状態と、キャリッジM4001に装着した記録ヘッドカートリッジH1000のインク吐出部からインク滴を吐出して記録装置のプラテンM3001に案内された記録シート上に記録を行う定速度状態と、所定の位置に停止するためキャリッジM4001が減速する減速状態の3つの状態に大きく分けられる。本例の場合加速状態での指令速度V(t)は時間と共に増加する様に算出されている。ここでキャリッジM4001の駆動走査を行うための様々な処理はCPU E1001によって行われており、例えば1ms間隔の所定のタイミング毎に周期的に行われ、指令速度V(t)や指令位置X(t)もこのタイミング毎に算出される構成となっている。また図6で示したような加速状態を示す時間を加速時間、同様に減速状態を示す時間を減速時間とし、さらにキャリッジM4001の一回の走査で最終的に到達しなければならない指令位置を特に到達目標位置XT、また定速状態での走査速度を到達目標速度VTとしている。
図7は、キャリッジモータE0001、及びキャリッジM4001の制御の流れを示した図であり、図に示すようにキャリッジM4001の速度及び位置情報に基づくフィードバック制御である。ここに示した処理は、本例の場合1msごとに実施される。図7において添え字tは現在のタイミングでの値を示し、添え字(t−1)は前回の処理タイミング(本例の場合1ms前の状態)での値を示している。大きくは、前記所定タイミング(本例の場合1ms)ごとのキャリッジM4001の速度と位置の指令値を算出する指令値算出処理部1と、キャリッジM4001の指令位置X(t)と実際のキャリッジの位置x(t−1)との位置誤差XE(t)に基づいて制御量を算出する位置制御処理部2と、キャリッジM4001の指令速度V(t)と、実際のキャリッジの速度v(t−1)との速度誤差VE(t)などに基づいて制御量を算出する速度制御処理部3と、これら位置制御処理部2と速度制御処理部3により算出された算出値をキャリッジM4001の駆動源であるキャリッジモータM4001から駆動力を発生させためCRモータドライバE1003の入力に適する値モータ制御量Mに変換するモータ制御処理部4と、このモータ制御処理部4で算出されるモータ制御量Mにもとづいて駆動制御されるモータやこれと接続されたキャリッジなどの制御対象5と、から構成されている。ここでモータ制御量Mは、モータの発生する駆動力に比例し、モータ制御量Mが大きいほどモータも大きい駆動力を発生する。尚本例ではキャリッジM4001の位置や速度の情報はエンコーダセンサE0004及びエンコーダスケールE0005に基づいて検出され該検出された情報が随時ASIC E1002内に設けられている不図示のDRAMに格納される構成でありまた格納された情報をCPU E1001がフィードバック制御の処理タイミングごとに取得するしくみになっている。
次にこのようにして駆動制御されて走査するキャリッジの走査速度と画像弊害との関係について説明する。ここで画像弊害の指標となる性質として記録ヘッドより吐出されたインク滴の用紙上の位置すなわち着弾位置を使って説明する。ここで着弾位置とは本来紙面上で形成されるべき理想の位置であり、記録装置はこの位置にインク滴が形成されるようにインクを吐出する。例えばキャリッジの走査方向の位置については先のエンコーダセンサE0004とエンコーダスケールE0005との検出結果によって決定し、用紙の搬送方向の位置は、紙端検出センサ(PEセンサ)E0006とLFモータE0002の回転量とによって検出して決定する。しかしながら先に説明したようなキャリッジ自身の走査中の振動などに起因しインク滴の着弾位置が理想とする位置より微小にずれた位置に着弾する。この着弾ズレの量が所定の量よりも大きい場合に濃度ムラなどの画像弊害が生じる。この着弾位置のズレは、振動に起因して発生するためキャリッジM4001の走査方向と用紙搬送方向ともにずれているのが一般的であって、また記録装置で形成する際のインク滴の配置ピッチが例えば21μmすなわち1インチあたり1200ドット(1200DPI)の場合、約20μm以上の着弾ズレ量が生じた場合には、別のインク滴が着弾すべき位置に着弾することになるので画像弊害が顕著に現れることが考えられる。一方キャリッジM4001の走査中の振動は先に説明したようにモータの回転に伴って発生する振動と、キャリッジM4001自身や記録装置全体の固有振動とに関係する。このような観点からキャリッジM4001の走査速度すなわちモータの回転速度を変化させた場合のインク滴の着弾ズレ量を変化の様子を実験により求めた結果を図8にしめした。図8は横軸にキャリッジM4001の走査速度を示し縦軸に先の着弾ズレ量を示している。図中、キャリッジの走査速度がAからBの間とGからHの間では他のキャリッジ走査速度に比べてインク滴の着弾ズレ量が大きい値を示しているため、画像弊害が発生する可能性が大きいことを示している。このようにキャリッジM4001の走査速度によってはインクの着弾ズレ量が変化しまた記録装置の個体やキャリッジM4001に搭載されるインク量さらには例えば使用期間などの記録装置の使用状態などによっても変化することがわかっている。
次にこのような記録装置において、本例にかかる画像弊害の少ないキャリッジの走査速度を設定可能にした記録装置の制御方法について図9を参照して説明する。
まず本例の場合、記録装置の使用者がより最適な画像を得たい場合に、記録装置と接続されているPC(パーソナルコンピュータ)などのホスト機器から記録装置対して指示可能なプリンタドライバから後述のキャリッジM4001の走査速度の調整モードの実行を指示することで行われる。
使用者によりキャリッジM4001の走査速度の調整が指示されると、調整を行うべきキャリッジM4001の速度モードを指定するように使用者に報知し、使用者による速度モードの指示をまつ(ステップS100)。ここで本例の記録装置の場合、キャリッジM4001の記録をともなう速度モードはモード1とモード2の2種類を有しており、モード1はモード2に比べて遅い走査速度であってかつ高品位な画像を得られるように設定されている。またモード2はモード1に比べて速い走査速度であってモード1でキャリッジM4001が駆動された場合よりも速い印刷時間が得られるように設定されている。ステップS100において、記録装置の使用者からの指示は、モード1またはモード2のどちらか一方だけの調整を実行するか、もしくはモード1及びモード2の全てを実行するかを指示可能に設けている。
ここでモード1の調整が選択された場合にはステップS101に進み続いてステップS104においてモード1でのキャリッジ走査速度を初期設定値に設定する。ここで初期設定速度とは、使用者が記録装置を購入した直後であれば、記録装置の製造出荷時に設定された値であり、また使用者がキャリッジ走査速度を調整した後であれば最後に調整を実施して得られたのキャリッジM4001の走査速度である。次いでステップS106へ移行しまずステップS104で設定された速度でキャリッジM4001を走査駆動し所定の調整用パターンを印刷する。ここでの印刷方法を図10に模式的に示した。調整用パターンは、5回のキャリッジ走査と5回のLF動作により実施される。まず、記録装置内に給紙された用紙をキャリッジM4001に搭載された記録ヘッドに対向する所定の位置までLFローラM3001を駆動し(図中(1))、キャリッジM4001を一方の方向に走査しながら記録を実施(図中(2))する。次いでLFローラM3001を所定量駆動し改行動作を行う(図中(3))。その後キャリッジM4001を先とは逆方向に走査し記録を実施し(図中(4))再び記録を実施する。次に再度LFローラM3001を駆動した(図中(5))後、キャリッジM4001を再度先とは逆方向に駆動する(図中(6))。このキャリッジM4001の互いに異なる方向への3回の走査と3回のLFローラM3001の駆動によって図10に示した領域aの記録がまず完成し、この動作を順次繰り返すことで領域b、領域cを記録し調整用パターンの記録が完成する構成となっている。ステップS106においてこのような調整用パターンの記録の後、ステップS107へ移行しこの記録した調整用パターンの領域a部が図2において説明したキャリッジM4001の側面部に設けられた検出センサM4012に対向するようにまずLFローラM3001を駆動する。すなわちこの場合LFローラM3001は記録時の駆動方向とは逆方向に駆動される。次に検出センサM4012を検出可能状態にしたのちキャリッジM4001を走査し(ステップS108)、キャリッジM4001の走査と共に検出センサM4012の出力値を取得し不図示のRAMへ格納する(ステップS109)。ここで検出センサM4012による検出は、先の図6で説明したキャリッジM4001を駆動するためのフィードバック制御のタイミングすなわち本例の場合1ms周期ごとに実施される。よってキャリッジM4001が調整パターンの領域を走査するのに500ms要した場合には、500個の検出センサM4012による出力値が得られることになる。ここでステップS108とステップS109の処理は調整用記録パターンの領域aにつづいて領域b、領域cにおいてもキャリッジM4001とLFローラM3001を走査駆動して実施し、その結果例えば検出センサM4012による1500個の出力値を取得格納する。ここまでの処理で初期設定されたキャリッジM4001の走査速度での調整用パターンの記録と検出センサM4012による記録結果に対する反射光量の検出が終了する。次にステップS110へ移行しキャリッジM4001の走査速度をステップS104で設定した値よりも1段階遅い速度に設定する。ここでキャリッジM4001の走査速度は図11に示したテーブルから選択される様に構成され例えば、初期設定値がモード1のno.1のAであった場合には、Aよりも5%遅いno.2のテーブルが選択される。次にステップS111では、ステップS104でのキャリッジ走査速度よりも遅い走査速度で調整用パターンの記録が規定回数実施されたかどうか確認し規定回数に達していなければステップS106へ戻りステップS110で設定されたキャリッジ走査速度により新たな調整用パターンの記録を実施しする。ついでステップS107からステップS109までの処理により検出センサM4012により調整用パターンの記録結果について反射光量の検出を実施する。本例の場合ステップS111及び後述するステップS113での規定回数は2回に設定している。その後再びステップS110でさらに一段階遅い速度を設定する。この場合、設定されるキャリッジ走査速度は図11に示したno.3のテーブルである。ステップS111で規定回数の記録が実施された後はステップS112へ移行し,今度は初期設定値より1段階速い走査速度を図11のテーブルより選択し設定する。ここでは、初期設定値Aよりも5%速いno.4のテーブルが選択される。ついでステップS106へ戻りキャリッジ走査速度の初期設定値よりも速い走査速度で記録が実施され、その処理を規定回数に達するまで図11に示したテーブルからキャリッジ走査速度を選択しながら調整用パターンの記録と記録結果に対する反射光量の検出を実施する。このようにして調整用パターンを記録した様子を図12に示した。初期設定速度と初期設定速度より遅い2種類のキャリッジ走査速度と初期設定速度より速い2種類のキャリッジ走査速度で合計5種類のパターンが印刷されている。次にこれらの処理に続いてステップS114に移行してステップS109で取得した検出センサM4012の検出値を処理する。ここでステップS114での処理の詳細を図13に示した。ステップS114での処理はサブルーチン処理であって実際には図13に示した処理が実施される。図13において各キャリッジ走査速度によって記録された調整用記録パターンに対する検出値のうち最大を示した検出値から20個の検出値を取得する。すなわち検出値を大きい順に並べた場合の大きい側の20個を取得する(ステップS201)。ついでここで取得された大きい側20個の検出値のうちさらに大きい側の5個を捨て(ステップS202)、残った15個の検出値の平均値を算出しこの値をDnmaxとする(ステップS203)。ここで本例の場合図10で示した各領域、領域a、領域b、領域cそれぞれで500個の検出値が得られるので合計1500個の検出値が処理の対象となっている。例えば図12で示したキャリッジの走査速度が初期設定値で記録された調整用記録パターンの場合にはD1maxとする。次に各キャリッジ走査速度によって記録された調整用記録パターンに対する検出値のうち最小を示した検出値から小さい側の20個の検出値を取得する(ステップS204)。ついでここで取得された小さい側20個の検出値のうちさらに小さい側の5個を捨て(ステップS205)、残った15個の検出値の平均値を算出しこの値をDnminとする(ステップS206)。例えば図12で示したキャリッジの走査速度が初期設定値で記録された調整用記録パターンの場合にはD1minとする。こうして各キャリッジ走査速度による調整用記録パターンに対しDnmaxとDnminを算出し次いでステップS207において各キャリッジ走査速度による調整用記録パターン応じたDnmaxとDnminとの差すなわちΔDnを求める。ここで本例の場合キャリッジの走査速度は5種類であるので5種類のΔDn(ΔD1、ΔD2、ΔD3、ΔD4、ΔD5)が算出される。次にステップS209へ移行しステップS208で算出された全てのΔDnを比較し最小のΔDを示した調整用記録パターンを記録したキャリッジ走査速度を新たなキャリッジ走査速度して設定し終了する。この処理の後図9に示したステップS115へ移行し、記録装置の使用者が例えば全てのモードについて調整を実施する様に指示した場合(ステップS103)にはステップS105へ戻りモード2に応じた調整を実施する様に構成している。ここで図13のステップS202で最大の5個を、ステップS205で最小の5個を捨てるのは、ノイズ的な検出値を除去し検出結果の信頼性を向上させる目的で実施している。ここでΔDnを説明する模式図を図14及び図15にしめした。図14は、図15の場合にくらべて図中上部に示した調整用記録パターンの記録結果に濃度の均一性が乏しく、濃度の濃い部分と濃度の薄い部分とが明確になった状態を示しており、このような記録パターンを検出センサM4012で検出した際のセンサ出力値すなわち反射光量を図中下部にしめした。ΔDnは、調整用記録パターンに対する検出センサM4012の検出結果から、記録パターンの濃度の変動量を示しており、図15に示したΔDnが小さい記録パターンの方が大きい記録パターンよりも濃度の均一性に優れることを意味している。したがって図15の調整用記録パターンの記録を行ったキャリッジ走査速度の方が図14の場合に比べてより高品位な記録ができることを示している。
ここまでの説明で、例えばキャリッジM4001に検出用センサM4012を設けて自動的に調整用記録パターンの記録結果について濃度の均一性を検出し、キャリッジ走査速度を設定する構成としたが、検出センサを設けることなく記録装置の使用者が直接的に目視で調整用記録パターンの記録結果を判断し、その判断結果を記録装置に接続されたホスト機器などを介して指示するような構成であっても適用できる。
また、検出センサM4012による検出結果に基づいて図13に示した濃度の変動量ΔDnを算出する処理は適宜変更してもよく濃度の変動量が定量化できればかまわない。
さらには、調整用パターンの記録の後にLFローラM3001を駆動して検出センサM4012による検出を実施するように設けたが、例えば図10に示した図中(5)のキャリッジ走査による記録時に検出センサM4012が領域aに対向する位置に設けて図中(5)のキャリッジ走査での記録動作と共に領域aの記録結果の検出が可能となる構成も好適である。
このようにして、キャリッジM4001の走査速度を変化させながら、調整用記録パターンを記録しその記録結果を検出用センサで検出し、濃度の均一性が最も得られるキャリッジの走査速度を選択できる構成と設けたことにより、記録装置の個体差や記録装置の使用状態などによらず最適なキャリッジの走査速度を選択でき、その結果高品位な画像弊害の少ない記録を行うことができる。
また、これまでの説明では調整用記録パターンの記録結果をキャリッジM4001に設けた検出センサM4012により自動的に検出するようにしたので使用者の調整のための操作が容易にできる。
(第2の実施の形態)
次に先の例では、これまで説明したようにキャリッジM4001の走査速度のみを変化させながら調整を実施する構成としたが、キャリッジM4001の走査速度に加えて記録を行う場合のキャリッジM4001の走査方向をも設定できるように設けた場合について説明する。ここでキャリッジは、図2に示したようにモータプーリM4010とアイドラプーリM4009との間に張架されたキャリッジベルトM4011に接続されており図2の右から左方向へ走査される場合には、モータプーリM4010から送り出される方向であり図2の左から右方向へ走査される場合にはモータプーリM4010に引っ張られる方向である。このようなキャリッジの走査方向と先の実施例でも触れたインク滴の着弾位置ズレ量との関係を実験的に求めた様子を図19に示した。図19において横軸は図8と同様にキャリッジM4001の走査速度であり縦軸はインク滴の着弾ズレ量である。図中実線は、先の図2で示した右から左への走査によって記録した場合のものであり、図中点線は図2の左から右へ向かう方向で記録を行った場合である。この図からわかるように記録時のキャリッジM4001の走査方向によっても着弾ズレ量は異なり、キャリッジの走査速度によっては例えば図2の右から左方向への走査の方がより着弾ズレ量が少ないなどの場合がある。
そこで本例の場合先の図10に示した記録方法とは異なり、調整用パターンの記録を往復走査だけではなく図18に示したような片方向のみの走査によって記録をも実施するように構成した。さらに片方向の走査であっても一方の方向とは逆方向での記録も行うように構成されている。
このように例えば3種類の記録方向で調整用パターンを記録し、最適なキャリッジの走査速度と走査方向を設定する場合の処理の流れを図16に示した。大きな処理の流れは先の図9の場合と同様である。
記録装置の使用者が調整を行うキャリッジM4012の速度モードを指示すると指示されたモードに応じて調整を実施する(ステップS100からステップ103)。例えばモード1の調整が支持された場合には図9と同様にステップS104移行してモード1のキャリッジ走査速度を設定する。ついでステップS106aに進みまず先の図10に示した方法で調整用パターンの記録を実施する。つぎにステップs106bにすすみ図18の上部にしめした片方向(1方向)での記録を実施しさらにステップS106cにおいて図18の下部に示した先とは逆の片方向での記録を実施する。このようにして調整用パターンの記録結果の例を図17にしめした。これらまず初期のキャリッジ走査速度での記録を実施した後、ステップS107へ進みLFローラM3001を調整用パターンが検出センサM4012に対向するよう駆動しその後図9と同様な処理を実施する。本例の場合先の実施例と同様に5種類のキャリッジ走査速度について調整用パターン記録を実施し、さらにこれら各キャリッジ走査速度について往復方向、片方向、これとは逆方向の片方向の3種類の記録方向での調整用パターンの記録を実施する。従ってモード1での調整の指示がされた場合には15種類の方法で調整用パターンの記録が実施される。このようにして15種類の方法で記録を行いステップS107、ステップS108、ステップS109で検出センサによる記録結果にたいする検出を実施する。その後ステップS114'で各調整用パターンに対するΔDnを算出し算出された全てのΔDのうち最も小さい値を示したキャリッジ走査速度と記録方向を新たに設定し終了する。
このようにキャリッジM4001の走査速度に加えて記録を行う際のキャリッジM4001の走査方向も設定できるように構成したため、キャリッジの走査方向によってインク滴の着弾ズレ量が変化する場合にも、高品位な画像を行うためのキャリッジの走査速度と走査方向を最適に設定できる。
本発明の実施形態にかかるインクジェット記録装置の外観をしめした外観図である。 本発明の実施形態にかかるインクジェット記録装置の主要な内部構成をしめした斜視図である。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の電気的回路の全体構成を示したブロック図である。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の電気的回路の全体構成を示した別のブロック図である。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の記録動作全体を説明したフローチャートである。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置のキャリッジの制御状態を説明した説明図である。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置のキャリッジのフィードバック制御を説明した説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るインク滴の着弾ズレ量とキャリッジ速度との関係を説明した説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る処理の流れを説明した説明図である。 本発明の第1の実施形態にかかる調整用パターンの記録方法を説明した説明図である。 本発明の第1の実施形態にかかるキャリッジの走査速度を説明した説明図である。 本発明の第1の実施形態にかかる調整用パターンの記録結果を説明した説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る処理の流れを説明した別の説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る調整パターンの濃度の均一性を説明した説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る調整パターンの濃度の均一性を説明した別の説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る処理の流れを説明した説明図である。 本発明の第2の実施形態にかかる調整用パターンの記録結果を説明した説明図である。 本発明の第2の実施形態にかかる調整用パターンの記録方法を説明した説明図である。 本発明の第2の実施形態に係るインク滴の着弾ズレ量とキャリッジ速度との関係を説明した説明図である。
符号の説明
M1000 装置本体
M1001 下ケース
M1002 上ケース
M1003 アクセスカバー
M1004 排紙トレイ
M2000 自動給送部
M3001 LFローラ
M3002 ピンチローラ
M3003 プラテン
M3050 排出部
M3051 排紙ローラ
M3053 拍車
M3100 シャーシ
M3100a シャーシ突き当て部
M3100b シャーシ右側板
M4000 記録部
M4001 キャリッジ
M4004 紙間切替えレバー
M4005 キャリッジレール
M4007 突出部
M4009 アイドラプーリ
M4010 キャリッジモータプーリ
M4011 キャリッジベルト
M4012 検出センサ
M5000 回復系ユニット
E0001 キャリッジモータ
E0004 エンコーダセンサ
E0005 エンコーダスケール
E0011 コンタクト部
E0012 CRFFC(フレキシブルフラットケーブル)
E0013 キャリッジ基板
E0014 メイン基板
E0022 加速度センサ
E1001 CPU
E1002 ASIC
E1003 CRモータドライバー
H1000 記録ヘッドカートリッジ
H1001 インクタンク

Claims (3)

  1. 所望される記録情報に基づいて記録媒体に記録を行う記録ヘッドを搭載し、キャリッジを所定の速度で走査しながら記録を行う記録装置において、
    キャリッジの走査速度をあらかじめ複数備え、この複数の走査速度から1つを選択して所定の記録パターンを記録し次にこれとは別の走査速度を選択して該所定の記録パターンを記録する記録モードと、
    前記記録モードによる記録を指示する指示手段と、
    前記記録モードによる記録結果に基づいて、キャリッジの走査速度を変更するよう設定する設定手段と、
    キャリッジ走査速度の前記設定手段によって設定されたキャリッジの走査速度に基づいて記録装置を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする記録装置。
  2. 所望される記録情報に基づいて記録媒体に記録を行う記録ヘッドを搭載し、キャリッジを所定の速度で走査しながら記録を行う記録装置において、
    キャリッジの走査速度と、記録時の走査方向を各々あらかじめ複数備え、この複数の走査速度と、複数の記録時の走査方向とから1つを選択して所定の記録パターンを記録し、次にこれとは別の走査速度と、別の記録走査方向を選択して該所定の記録パターンを記録する記録モードと、
    前記記録モードによる記録を指示する指示手段と、
    前記記録モードによる記録結果に基づいて、キャリッジの走査速度ないしは走査方向を変更するよう設定する設定手段と、
    キャリッジ走査速度と走査方向の前記設定手段によって設定されたキャリッジの走査速度と走査方向に基づいて記録装置を制御することを特徴とする記録装置
  3. 請求項1及び2に記載の構成に加えて、前記キャリッジに前記所定の記録パターンの濃度を検出する検出手段を設け、
    前記検出手段に前記所定の記録パターンを対向させてキャリッジを走査して前記検出手段による検出を実施すると共に
    前記検出手段による検出結果に基づいて、前記所定の記録パターン内の濃度変化量を算出する算出手段を設け
    前記設定手段は、前記算出による算出結果に基づいてキャリッジの走査速度ないしは走査方向を変更するよう設定する事を特徴とする記録装置。
JP2004362403A 2004-12-15 2004-12-15 記録装置 Withdrawn JP2006168108A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004362403A JP2006168108A (ja) 2004-12-15 2004-12-15 記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004362403A JP2006168108A (ja) 2004-12-15 2004-12-15 記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006168108A true JP2006168108A (ja) 2006-06-29

Family

ID=36669359

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004362403A Withdrawn JP2006168108A (ja) 2004-12-15 2004-12-15 記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006168108A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008183777A (ja) * 2007-01-29 2008-08-14 Brother Ind Ltd 設定方法及び画像形成装置
US7914112B2 (en) 2006-09-12 2011-03-29 Seiko Epson Corporation Printing apparatus with switchover section that switches over patterns of velocity data
JP2014104716A (ja) * 2012-11-29 2014-06-09 Ricoh Co Ltd 画像形成装置、プログラム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7914112B2 (en) 2006-09-12 2011-03-29 Seiko Epson Corporation Printing apparatus with switchover section that switches over patterns of velocity data
JP2008183777A (ja) * 2007-01-29 2008-08-14 Brother Ind Ltd 設定方法及び画像形成装置
JP2014104716A (ja) * 2012-11-29 2014-06-09 Ricoh Co Ltd 画像形成装置、プログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4574141B2 (ja) プリント装置および調整方法
US7914112B2 (en) Printing apparatus with switchover section that switches over patterns of velocity data
US7931414B2 (en) Printing apparatus and printing method
EP1614544B1 (en) Device, system, and method for discharging liquid
US7699416B2 (en) Printing device
JP2022014359A (ja) インクジェット記録装置及びその制御方法
US7219977B2 (en) Printing apparatus, liquid ejecting apparatus, method of adjusting positions of liquid droplet marks, and liquid ejecting system
JP3673745B2 (ja) 制御装置及びその方法、記録装置及びその制御方法
US8454154B2 (en) Ink jet recording device and method of conveying recording medium in the same
US7766445B2 (en) Inkjet recording apparatus
JP2006168108A (ja) 記録装置
JP4560336B2 (ja) 記録装置
JP2004025549A (ja) モータの制御装置及び制御方法
JP4136484B2 (ja) モータの制御装置及び制御方法
JP2009241605A (ja) 液体吐出装置、液体吐出方法及び印刷システム
JP2005074955A (ja) 液体吐出装置、液体吐出方法及び印刷システム
JP4507724B2 (ja) 印刷装置、コンピュータプログラム、印刷システム、及び、印刷方法
JP2005242893A (ja) モータの制御装置及び制御方法
JP4419471B2 (ja) 液体吐出装置、及び液体吐出方法
JP2000188894A (ja) モ―タ加速制御方法
JP6031865B2 (ja) 記録装置
JP2004174984A (ja) 記録装置
JP2009119752A (ja) 記録装置及びその装置に用いる制御方法
JP4329458B2 (ja) 液体吐出装置
JP2002340116A (ja) ベルト駆動装置及び該ベルト駆動装置を用いる記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080304