JP4507724B2 - 印刷装置、コンピュータプログラム、印刷システム、及び、印刷方法 - Google Patents

印刷装置、コンピュータプログラム、印刷システム、及び、印刷方法 Download PDF

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この発明は、複数のインク吐出部を有する印刷装置、コンピュータプログラム、印刷システム、及び、印刷方法に関する。
従来、複数のインク吐出部群を有する印刷装置として、インクを吐出する印刷ヘッドを備え、吐出したインクにより媒体にドットを形成することにより印刷するインクジェットプリンタが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなインクジェットプリンタとして、大判の印刷用紙(例えばJIS規格のA列0番用紙やB列0番用紙やロール紙)に、複数の印刷ヘッドを用いて1つの画像を高速に印刷するような大型のインクジェットプリンタが考えられている。
このような大型のインクジェットプリンタにあっては、複数の印刷ヘッドが適宜間隔を隔てて搭載されたキャリッジを有し、キャリッジが所定の移動機構により移動されつつ、各印刷ヘッドから各々インクを吐出して1つの画像を印刷することが可能である。このため、所定の目標位置に向けて各印刷ヘッドから吐出されたインクにて形成されるドット同士の相対位置を調整する必要がある。例えば、キャリッジを往復移動させ、往路方向の移動と復路方向の移動とでそれぞれインクを吐出して印刷するいわゆる「双方向印刷」を行う際には、往路方向の移動と復路方向の移動とにて吐出されるインク滴により形成されるドットの位置を調整する必要がある。往路方向の移動と復路方向の移動とにて形成されるドットの位置を調整する方法としては、まず、調整量を決定するための印刷パターンを印刷し、印刷された印刷パターンに基づいてドットの位置を調整する。印刷パターンは、例えば、まず、往路方向の移動にて吐出されるインク滴にて、移動方向方向に一定の間隔を隔て、移動方向と直交する方向に延びる複数の縦ラインを、所定の印刷ヘッドを用いて印刷する。次に、復路方向の移動にて吐出されるインク滴にて、移動方向方向に所定の間隔を隔て、移動方向と直交する方向に延びる複数の縦ラインを、前記所定の印刷ヘッドと異なる印刷ヘッドを用いて印刷することにより、印刷パターンが印刷される。このとき、復路方向の移動にて印刷された縦ラインは、当該縦ラインが理想的な位置に印刷された場合に、往路方向の移動にて印刷された縦ラインと直線状に繋がるように印刷される。そして、復路方向の移動にて印刷された縦ラインは、縦ラインの理想的な位置を基準とし、往路方向の移動にて印刷された縦ラインに対するキャリッジ移動方向の相対位置を僅かずつ相違させて印刷される。また、このような印刷パターンを印刷する場合には、印刷に要する時間を短縮するために、往路方向の移動にて縦ラインを印刷した後に、復路方向の移動にて縦ラインを印刷するために、当該縦ラインを印刷すべき位置まで印刷用紙を一挙に搬送する。
特開平9−262992号公報
上述したように、印刷パターンでは、復路方向の移動にて縦ラインを印刷する際には印刷用紙が一挙に搬送され、また、往路方向の移動及び復路方向の移動にて形成される縦ラインは、いずれもキャリッジの1回の移動にて形成される。すなわち、印刷パターンの縦ラインは、搬送方向においてノズルピッチと同じ間隔にて形成されたドットにて構成されている。しかしながら、ドットの形成位置を適正に調整して印刷するような高画質の画像は、例えば、インターレース方式等にて印刷される場合が多く、ノズルピッチより細かいピッチのドットにて画像が形成されることになる。すなわち、キャリッジの1回目の移動により、移動方向に沿って形成される複数のドット列間に、その後のキャリッジの移動にて形成されるドット列が形成される。したがって、印刷パターンを印刷した際の、ドットの形成方法と、実際に印刷する際に画像を形成するドットの形成方法とが相違している。このため、従来の方法にて印刷した印刷パターンに基づいて、例えば往路方向の移動にて形成されたドットの移動方向における位置と、復路方向の移動にて形成されたドットの移動方向における位置とのずれ量を調整しても、適切に調整されない畏れがあるという課題がある。
この発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、複数の印刷ヘッドにて各々形成されるドットの、キャリッジ移動方向における形成位置を、より適切に調整することが可能な印刷装置、コンピュータプログラム、印刷システム、及び、印刷方法を提供することを目的とする。
主たる発明は、(a)インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するためのインク吐出部が吐出部列方向に複数並ぶ第1インク吐出部群と、前記インク吐出部が前記吐出部列方向に複数並ぶ第2インク吐出部群と、を有するインク吐出部群ユニットであって、前記第1インク吐出部群と前記第2吐出部群とが前記吐出部列方向に並ぶインク吐出部群ユニットと、(b)前記インク吐出部群ユニットを前記吐出部列方向と交差する方向である移動方向に沿って移動させるための移動部と、(c)前記インク吐出部ユニットと前記印刷媒体とを前記吐出部列方向に相対的に移動させる搬送部と、(d)前記インク吐出部群ユニットの前記移動方向における往路において前記第1インク吐出部群からインクを吐出させて第1のドットを形成し、前記搬送部に前記インク吐出部ユニットと前記印刷媒体とを相対移動させ、前記インク吐出部群ユニットの前記移動方向における復路において前記第2インク吐出部群からインクを吐出させて前記吐出部列方向について前記第1のドットの間に第2ドットを形成させる制御部であって、前記往路にて形成される前記第1ドットと前記復路にて形成される前記第2ドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のずれを調整する位置ずれ調整を実行するための印刷パターンを、前記インク吐出部群ユニットの前記往路の移動の際に、第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させ、前記復路の移動の際に、前記第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させることにより印刷させる制御部と、を有し、前記インク吐出部群ユニットは外力により移動し、前記第1インク吐出部群は、前記移動方向と交差する方向にて、前記外力が作用する部位と最も離れた位置に存在するインク吐出部群以外のインク吐出部群であり、前記インク吐出部群は各々、前記インク吐出部からインクを吐出させるための単一の基準吐出信号に基づいて駆動されており、前記第1インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを基準として、前記第2インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを調節することにより、前記位置ずれ調整を実行することを特徴とする印刷装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明確にする。
本明細書及び添付図面の記載により少なくとも次のことが明らかにされる。
(a)インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するためのインク吐出部を複数備えたインク吐出部群を少なくとも2つ有するインク吐出部群ユニットと、(b)前記インク吐出部群ユニットを所定の移動方向に沿って移動させるための移動部と、(c)各々の前記インク吐出部に割り付けられた領域に、前記各インク吐出部からインクを吐出させて、前記少なくとも2つのインク吐出部群にて、1つの画像を印刷させることを可能とする制御部であって、前記インク吐出部群ユニットの第1の移動にて形成されるドットと、前記インク吐出部群ユニットの第2の移動にて形成されるドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のずれを調整する位置ずれ調整を実行するための印刷パターンを、前記インク吐出部群ユニットの第1の移動の際に、第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させ、前記第2の移動の際に、前記第1インク吐出部群とは異なる第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させることにより印刷させることが可能な制御部と、(d)を有することを特徴とする印刷装置である。
このような印刷装置によれば、移動方向におけるドット形成位置のずれを調整する位置ずれ調整を実行するための印刷パターンは、インク吐出部群ユニットの第1の移動の際に、第1インク吐出部群のインク吐出部からインク滴を吐出して、また、第2の移動の際に、第2インク吐出部群のインク吐出部からインク滴を吐出させて形成される。このため、印刷された印刷パターンにに基づいて、位置ずれ調整を実行すると、第1インク吐出部群と、第2インク吐出部群とにて、インク吐出部群ユニットの異なる移動の際に形成されるドットの移動方向における位置のずれを調整することが可能である。また、印刷パターンは、第1及び第2インク吐出部群にて、1つの画像を形成する際と同様に、各々のインク吐出部に割り付けられた領域にインクを吐出させて形成される。このため、本印刷パターンに基づいて位置ずれ調整を実行すると、実際に画像を印刷する場合に、より適した調整が実行され、より正確な調整が実行されることにより、互いに異なる3つ以上のインク吐出部群を用いても良好な画像を印刷することが可能である。
かかる印刷装置において、前記第1インク吐出部群は、前記インク吐出部群ユニットの第1の移動の際に当該移動による振動を最も受けやすいインク吐出部群以外の前記インク吐出部群であることが望ましい。
このような印刷装置によれば、第1インク吐出部群は、移動による振動を最も受けやすいインク吐出部群以外のインク吐出部群なので、インク吐出部群ユニットの移動の際に、第1インク吐出部群の挙動が安定している。このため、第1インク吐出部群にて形成されるドットは、安定した位置に形成されるので、この第1インク吐出部群にて形成されるドットを基準として、位置ずれ調整を実行することにより、第2インク吐出部群にて形成されるドットの位置を精度良く調整することが可能である。
かかる印刷装置において、前記第1インク吐出部群は、前記第2インク吐出部群より、前記インク吐出部群ユニットの移動による振動を受け難いインク吐出部群であることが望ましい。
このような印刷装置によれば、第1インク吐出部群は、移動による振動を受け難いインク吐出部群なので、インク吐出部群ユニットの移動の際に、第1インク吐出部群の挙動がより安定している。すなわち、第1インク吐出部群にて形成されるドットは、より安定した位置に形成される。このため、第1インク吐出部群にて形成されるドットを基準として、位置ずれ調整を実行することにより、第2インク吐出部群にて形成されるドットの位置をより精度良く調整することが可能である。
かかる印刷装置において、前記インク吐出部群ユニットは外力により移動し、前記第1インク吐出部群は、前記移動方向と交差する方向にて、前記外力が作用する部位と最も離れた位置に存在するインク吐出部群以外のインク吐出部群であることが望ましい。
少なくとも2つのインク吐出部群を有するインク吐出ユニットの大きさは、各インク吐出部群と比較して大きいため、インク吐出ユニットに外力が作用する部位の近くに位置するインク吐出部群と、離れて位置するインク吐出部群が存在することになる。そして、インク吐出部群ユニットの移動時におけるインク吐出部の挙動は、移動方向と交差する方向にて、外力が作用する部位と最も離れた位置に存在するインク吐出部群が最も不安定となり振動しやすい。このため、第1インク吐出部群を、外力が作用する部位と最も離れた位置に存在するインク吐出部群以外のインク吐出部群とすることにより、少なくとも第1インク吐出部群では安定した状態にてドットを形成させることが可能である。そして、安定した状態にて第1インク吐出部群にて形成されたドットの位置は、ばらつきが小さいため、第1インク吐出部群にて形成されるドットと第2インク吐出部群にて形成されるドットとを、移動方向において適切な位置に調整することが可能である。
かかる印刷装置において、前記第1インク吐出部群は、前記移動方向と交差する方向にて、前記第2インク吐出部より、前記外力が作用する部位に近い位置に存在することが望ましい。
このような印刷装置によれば、第1インク吐出部群は、第2インク吐出部群より移動方向と交差する方向において外力が作用する部位に近い位置に存在するので、第1インク吐出部群にて形成されたドットを基準として、第2インク吐出部にて形成されるドットの位置を調整することにより、各々のインク吐出部群にて形成されるドットをより適切な位置に形成させることが可能である。
かかる印刷装置において、前記外力が作用する部位は2カ所あり、前記第1インク吐出部群は、前記第2インク吐出部より、前記外力が作用する前記2カ所の部位の中心に近い側に位置することが望ましい。
外力が作用する2カ所の部位の中心は、インク吐出部群ユニットにおいて、移動時の挙動が最も安定している。このため、第1インク吐出部群を、外力が作用する2カ所の部位の中心に近い側に位置するインク吐出部群とすることにより、印刷パターンを構成するドットに最も安定した状態にてインクを吐出するインク吐出部群にて形成されたドットを含ませることが可能である。このため、最も安定した状態にてインクを吐出する第1インク吐出部群にて形成されたドットの位置を基準とすることにより、第2インク吐出部群にて形成されるドットの位置を、最も適切な位置に調整することが可能である。このため、いずれのインク吐出部群にて形成されたドットであっても、より適切な位置に調整されるので、複数のインク吐出部群を用いて、良好な1つの画像を印刷することが可能である。
かかる印刷装置において、前記インク吐出部群は各々、前記インク吐出部からインクを吐出させるための単一の基準吐出信号に基づいて駆動されており、前記第1インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを基準として、前記第2インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを調節することにより、前記位置ずれ調整を実行することが望ましい。
このような印刷装置によれば、複数のインク吐出部群における基準吐出信号のタイミングを調節することにより、前記ドット形成位置が調整されるので、第1インク吐出部群にて形成されるドットと、第2インク吐出部群にて形成されるドットの位置ズレ調整を容易に且つ正確に実行することが可能である。
かかる印刷装置において、前記インク吐出部群ユニットは往復移動可能であり、前記第1の移動は、前記インク吐出部群ユニットの往路方向の移動であり、前記第2の移動は、前記インク吐出部群ユニットの復路方向の移動であることが望ましい。
このような印刷装置によれば、移動体が往復移動しつつ、往路方向の移動にて第1インク吐出部群から、また、復路方向の移動にて第2インク吐出部群から、各々インクを吐出して、1つの画像を印刷する際に、互いに異なるインク吐出部群に設けられ、各々のインク吐出部群から吐出したインクにて形成されるドット同士の位置ズレを適正に調整することが可能である。このため、第1インク吐出部群及び第2インク吐出部群を用いて、往復移動しつつ良好な1つの画像を印刷することが可能である。
かかる印刷装置において、前記インク吐出部群ユニットは往復移動可能であり、前記第1の移動は、前記インク吐出部群ユニットの往路方向又は復路方向の特定方向の移動であり、前記第2の移動は、前記第1の移動と異なるタイミングにて実行される前記特定方向の移動であることとしてもよい。
このような印刷装置によれば、移動体が所定方向に移動しつつ第1インク吐出部群から、また、異なるタイミングの所定方向の移動にて第2インク吐出部群から、各々インクを吐出して、1つの画像を印刷する際に、互いに異なるインク吐出部群に設けられ、各々のインク吐出部群から吐出したインクにて形成されるドット同士の位置ズレを適正に調整することが可能である。このため、第1インク吐出部群及び第2インク吐出部群を用いて、特定方向に移動しつつ良好な1つの画像を印刷することが可能である。
かかる印刷装置において、前記印刷パターンは、前記第1インク吐出部群と、前記第2インク吐出部群とからそれぞれ吐出されたインクにて形成される複数のサブパターンを有し、前記位置ずれ調整を実行するための複数の調整量を有し、前記各サブパターンにおける前記第1インク吐出部群にて形成されたドットと、前記第2インク吐出部群にて形成されたドットとのドット形成位置のずれ量は、前記サブパターン毎に異なる前記調整量であることが望ましい。
このような印刷装置によれば、印刷パターンが有する複数のサブパターンは各々、第1インク吐出部群と、第2インク吐出部群とからそれぞれ吐出されたインクにて形成されており、また、サブパターン毎にドット形成位置のずれ量が異なる調整量にて形成されている。このため、良好に印刷されたサブパターンを抽出し、抽出されたサブパターンを形成した際の調整量にて調整して、画像を印刷することにより、容易に良好な画像を印刷することが可能である。
かかる印刷装置において、前記第1インク吐出部群及び前記第2吐出部群は、無彩色インクを吐出する無彩色インク吐出部と、有彩色インクを吐出する有彩色インク吐出部とを各々有し、前記無彩色インクを吐出して無彩色印刷を実行する際と、前記有彩色インクを吐出して有彩色印刷を実行する際とで、各々異なる前記位置ずれ調整が可能であることが望ましい。
無彩色印刷を実行する際と、有彩色印刷を実行する際とでは、使用するインクは勿論のこと、使用するインク吐出部も異なる。このため、各インク色のドットは、それぞれ形成される位置が相違する。このため、無彩色印刷を実行する際と、有彩色印刷を実行する際とで、各々異なる位置ずれ調整を可能とすることにより、無彩色印刷時と有彩色印刷時とで各々適切な調整を行い、いずれも良好な画像を印刷することが可能である。
かかる印刷装置において、各々の前記インク吐出部群は前記有彩色インク吐出部を複数有し、各有彩色インク吐出部群は、互いに異なる色のインクを色ごとに吐出し、前記有彩色インクを使用してドットを形成する際に、前記位置ずれ調整を実行する場合には、前記複数の有彩色インクのうち、いずれかの色のインクにて前記印刷パターンを印刷するが望ましい。
このような印刷装置によれば、印刷パターンは、複数の有彩色インクのうちのいずれかの色のインクにて印刷されるので、すべての色のインクにて印刷するより短時間に印刷パターンを印刷し、調整量を設定することが可能である。よって、有彩色印刷を実行する際に、最も調整すべき色のインクにて印刷パターンを形成し、調整量を設定することにより、調整量を設定するために費やされる時間を短縮しつつ、良好な有彩色の画像を印刷することが可能である。
かかる印刷装置において、前記印刷パターンは、前記複数の有彩色インクのうち、画像の低階調部分を印刷する際に主に用いられる色のインクにて、印刷されることが望ましい。
有彩色インクを用いた印刷では、画像の特に低階調部分が画質に影響する。低階調部分とは、濃度が低い部分であり、いわゆるハイライト部分である。このような低階調部に主に用いられるインクにて印刷パターンを印刷し、印刷した印刷パターンに基づいて位置ずれ調整を実行すると、複数のインク吐出部群にて低階調部分に形成されるドットの移動方向における位置を、より適切に調整することが可能である。よって、より良好な有彩色インクを用いた画像を印刷することが可能である。
かかる印刷装置において、前記インク吐出部は、サイズが異なる複数種類のドットを形成可能であり、前記印刷パターンは、前記複数種類のドットのうちのいずれかのサイズのドットにて形成することが望ましい。
このような印刷装置によれば、印刷パターンは、複数種類のサイズのドットうちいずれかのサイズのドットにて印刷されるので、すべてのサイズのドットにて印刷するより短時間に印刷パターンを印刷し、調整量を設定することが可能である。
かかる印刷装置において、前記インク吐出部は、サイズが異なる複数種類のドットを形成可能であり、前記位置ずれ調整は、前記複数種類のドットにてそれぞれ形成した前記印刷パターンに基づいて取得された前記調整量の平均値を、前記位置ずれ調整を実行するための調整量とすることとしてもよい。
このような印刷装置によれば、複数種類のドットのうちのいずれかのサイズのドットにて形成された印刷パターンに基づいて、所定のサイズのドットのみ位置ズレ調整を実行する場合と比較して、いずれのサイズのドットも位置ズレ調整されるため、各サイズのドットの形成位置が、目標位置から大幅に外れることを抑えることが可能である。このため、各々のサイズのドットにて形成される画像を、いずれも比較的良好に印刷することが可能である。
また、(a)有彩色インクを吐出して印刷媒体に、サイズが異なる複数種類のドットを形成するための有彩色インク吐出部を備えたインク吐出部群を少なくとも2つ有するインク吐出部群ユニットと、(b)前記インク吐出部群ユニットの2カ所に作用する外力により、所定の移動方向に沿って往復移動させるための移動部と、(c)前記インク吐出部からインクを吐出させるための単一の基準吐出信号に基づいて駆動される各々の前記インク吐出部に割り付けられた領域に、前記各インク吐出部からインクを吐出させて、前記少なくとも2つのインク吐出部群にて、1つの画像を印刷させることを可能とする制御部であって、前記インク吐出部群ユニットの往路方向の移動にて形成されるドットと、前記インク吐出部群ユニットの復路方向の移動にて形成されるドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のずれを、第1インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを基準として、前記第1インク吐出部群とは異なる前記第2インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを調整量に基づいて調節することにより、前記有彩色インクを吐出して有彩色印刷を実行する際に、調整する位置ずれ調整を実行するための印刷パターンを、前記インク吐出部群ユニットの往路方向の移動の際に、前記外力が作用する前記2カ所の部位の中心に近い側に位置する前記第1インク吐出部群に備えられ、画像の低階調部分を印刷する際に主に用いられる色のインクを吐出するインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させて複数のサブパターンを形成し、前記復路方向の移動の際に、前記第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させて複数のサブパターンを、サブパターン毎に異なる前記調整量にて、前記複数種類のドットにてそれぞれ印刷させ、印刷されたサブパターンに基づいて取得された調整量の平均値にて前記位置ずれ調整を実行することが可能な制御部と、(d)を有することを特徴とする印刷装置である。
このような印刷装置によれば、既述のすべての効果を奏するため、本発明の目的が最も有効に達成される。
また、(a)インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するためのインク吐出部を複数備えたインク吐出部群を少なくとも2つ有するインク吐出部群ユニットと、(b)前記インク吐出部群ユニットを所定の移動方向に沿って移動させるための移動部と、(c)各々の前記インク吐出部に割り付けられた領域に、前記各インク吐出部からインクを吐出させて、前記少なくとも2つのインク吐出部群にて、1つの画像を印刷させることを可能とする制御部と、(d)を有する印刷装置に、前記インク吐出部群ユニットの第1の移動にて形成されるドットと、前記インク吐出部群ユニットの第2の移動にて形成されるドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のずれを調整する位置ずれ調整を実行するための印刷パターンを、前記インク吐出部群ユニットの第1の移動の際に、第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させ、前記第2の移動の際に、前記第1インク吐出部群とは異なる第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させることにより印刷させる機能を実現させるためのコンピュータプログラムも実現可能である。
また、(A)コンピュータ本体と、(B)前記コンピュータ本体に接続されて、以下の(a)〜(d)を有する印刷装置と、(a)インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するためのインク吐出部を複数備えたインク吐出部群を少なくとも2つ有するインク吐出部群ユニットと、(b)前記インク吐出部群ユニットを所定の移動方向に沿って移動させるための移動部と、(c)各々の前記インク吐出部に割り付けられた領域に、前記各インク吐出部からインクを吐出させて、前記少なくとも2つのインク吐出部群にて、1つの画像を印刷させることを可能とする制御部であって、前記インク吐出部群ユニットの第1の移動にて形成されるドットと、前記インク吐出部群ユニットの第2の移動にて形成されるドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のずれを調整する位置ずれ調整を実行するための印刷パターンを、前記インク吐出部群ユニットの第1の移動の際に、第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させ、前記第2の移動の際に、前記第1インク吐出部群とは異なる第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させることにより印刷させることが可能な制御部と、(C)を有することを特徴とする印刷システムも実現可能である。
また、インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するためのインク吐出部を複数備えたインク吐出部群を少なくとも2つ有するインク吐出部群ユニットの、所定の移動方向に沿った第1の移動の際に、第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させ、前記所定の移動方向に沿った第2の移動の際に、前記第1インク吐出部群とは異なる第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させることにより印刷パターンを印刷するステップと、前記印刷された印刷パターンに基づいて、前記インク吐出部群ユニットの第1の移動にて形成されるドットと、前記インク吐出部群ユニットの第2の移動にて形成されるドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のずれを調整し、前記少なくとも2つのインク吐出部群にて、各々の前記インク吐出部に割り付けられた領域に、前記各インク吐出部からインクを吐出させて、1つの画像を印刷させるステップと、を有することを特徴とする印刷方法も実現可能である。
===印刷装置の概略例===
図1は本発明の実施形態として、インク吐出部としてのノズル列からインクを吐出して印刷する印刷装置としてのカラーインクジェットプリンタ(以下、カラープリンタという)20の概要を示す斜視図である。このカラープリンタ20は、カラー画像の出力が可能なインクジェットプリンタであり、例えば、シアン系インクとしてのシアンインク(C)及びライトシアンインク(淡いシアンインク、LC)、マゼンタ系インクとしてのマゼンタインク(M)及びライトマゼンタインク(淡いマゼンタインク、LM)、イエローインク(Y)、ブラックインク(K)の6色の色インクを印刷用紙などの様々な媒体上に吐出してドットを形成することによって画像を印刷するインクジェット方式のプリンタである。なお、色インクは上記6色に限らず、例えばダークイエロー(暗いイエロー、DY)などを用いても良い。また、カラープリンタ20は、例えば印刷媒体としての印刷用紙をロール状に巻き付けたロール紙や、JIS規格のA列0番用紙やB列0番用紙といった比較的大型の単票状の印刷用紙にも対応している。図1の例においては、カラープリンタ20にロール紙(以下、印刷用紙という)が備えられている。
図示するようにカラープリンタ20は、インクを吐出して印刷用紙Pに印刷する印刷部3と、印刷用紙を所定の搬送方向に沿って搬送するための印刷用紙搬送部5とを有している。
印刷部3は、複数のインク吐出部としてのノズル列を備えたインク吐出部群としての印刷ヘッド36を少なくとも2つ保持するインク吐出部群ユニットとしてのキャリッジ28と、このキャリッジ28を、印刷用紙Pの搬送方向とほぼ直交する方向(以下、キャリッジ移動方向という)に移動させて往復移動させるためのキャリッジモータ30と、キャリッジモータ30と共に移動機構を構成しキャリッジモータ30により駆動されてキャリッジ28を移動させる金属製の牽引ベルト32と、キャリッジ28を案内するための2本のガイドレール34と、キャリッジ28に固定されたリニア式エンコーダ17及び紙を検出するための反射型光学式センサ13と、所定の間隔にスリットが形成されたリニア式エンコーダ用符号板19とを備えている。
ガイドレール34は、キャリッジ移動方向に沿って2本設けられ、搬送方向に互いに間隔を隔てて上下に配置され、左右の両端部側にて基台となるフレーム(図示せず)により支持されている。このとき、2本のガイドレール34は、下側のガイドレール341が上側のガイドレール342より手前に配置されている。このため、これら2本のガイドレール341,342に架け渡されるように配置されるキャリッジ28は、上部が後方に下部が前方に位置するように傾斜した状態にて移動する。
キャリッジ28が案内される上側のガイドレール342には、リニア式エンコーダ用符号板19がガイドレール342に沿って設けられている。このリニア式エンコーダ用符号板19は、ガイドレール34に沿って移動するキャリッジ28に固定されたリニア式エンコーダ17の検出部と対向するように配置されている。リニア式エンコーダ17については後述する。
牽引ベルト32は、キャリッジ28の左右端部に固定されて環状に形成されており、上下のガイドレール341,342の中間位置にて、ガイドレール341,342の長さとほぼ等しい間隔を隔てて配置された2つのプーリ44、45に架け渡されている。これらプーリ44,45のうち一方のプーリ44はキャリッジモータ30の軸に固定されている。
2本のガイドレール341,342に架け渡されるように配置されたキャリッジ28は、左右端部における上下方向のほぼ中央にて牽引ベルト32が固定されている。そして、カラープリンタ20は、キャリッジモータ30の動力が牽引ベルト32により伝達され、伝達された動力によりキャリッジ28が牽引ベルト32に牽引されてガイドレール34に沿ってキャリッジ移動方向に移動する。キャリッジ28の移動の際に、当該キャリッジ28に備えられた8つの印刷ヘッド36からインクを吐出することにより、印刷用紙搬送部5により紙送された印刷用紙Pに画像を印刷する。
本実施形態ではキャリッジ28に8つの印刷ヘッド36が設けられ、これら印刷ヘッド36はインクを吐出する複数のノズルnを有し、後述するヘッド制御ユニット63(図6参照)に制御されて所定のノズルnからインクを吐出する。印刷ヘッド36の印刷用紙Pと対向する面には、複数のノズルnが搬送方向に沿って列状に配置されたインク吐出部としてのノズル列Nを複数有し、これらノズル列Nはキャリッジ移動方向に沿って並べられている。印刷ヘッド36及びノズルnの配列については後述する。
印刷用紙搬送部5は、前記2本のガイドレール34の背面側に設けられている。印刷用紙搬送部5は、下側ガイドレール341より下方にて印刷用紙Pをホルダ27とともに回動自在に保持するロール紙保持部35と、上側ガイドレール342より上方にて印刷用紙Pを搬送するロール紙搬送部37と、それらロール紙保持部35とロール紙搬送部37との間にて搬送される印刷用紙Pが沿わされるプラテン26とを有している。このプラテン26は搬送される印刷用紙Pの全幅に亘る平面を有し、この平面が、傾斜した状態にて移動するキャリッジ28に搭載された各印刷ヘッド36と等間隔にて対向するように傾斜した状態で設けられている。
ホルダ27は、印刷用紙Pが保持された状態にて回動軸となる軸体27aを有し、軸体27aの両端部側には供給する印刷用紙Pの蛇行を防止するためのガイド円盤27bがそれぞれ設けられている。
ロール紙搬送部37は、印刷用紙Pを搬送するための紙搬送ローラ24と、これと対向して配置され紙搬送ローラ24との間に印刷用紙Pを挟持する挟持ローラ29と、紙搬送ローラ24を回動させるための搬送モータ31とを備えている。搬送モータ31の軸には駆動ギア40が、紙搬送ローラ24の軸には駆動ギア40と噛み合う中継ギア41がそれぞれ設けられ、搬送モータ31の動力は、駆動ギア40と中継ギア41とを介して紙搬送ローラ24に伝達される。すなわち、ホルダ27に保持された印刷用紙Pは、紙搬送ローラ24と挟持ローラ29との間に挟持され、搬送モータ31によって、印刷用紙Pはプラテン26に沿って搬送される。また、搬送モータ31の軸にはロータリー式エンコーダ16が設けられている。印刷用紙の搬送量は、このロータリー式エンコーダ16からの出力信号に基づいて制御される。
===エンコーダ===
次に、キャリッジ28に設けられたリニア式エンコーダ17について説明する。図2は、キャリッジ28に取付けられたリニア式エンコーダ17の構成を模式的に示した説明図である。
図2に示したリニア式エンコーダ17は、発光ダイオード17aと、コリメータレンズ17bと、検出処理部17cとを備えている。検出処理部17cは、複数(例えば4個)のフォトダイオード17dと、信号処理回路17eと、例えば2個のコンパレータ17fA、17fBとを有している。
発光ダイオード17aの両端に抵抗を介して電圧VCCが印加されると、発光ダイオード17aから光が発せられる。この光はコリメータレンズ17bにより平行光に集光されてリニア式エンコーダ用符号板19を通過する。リニア式エンコーダ用符号板19には、所定の間隔(例えば1/180インチ(1インチ=2.54cm))毎にスリットが設けられている。
リニア式エンコーダ用符号板19を通過した平行光は、図示しない固定スリットを通って各フォトダイオード17dに入射し、電気信号に変換される。4個のフォトダイオード17dから出力される電気信号は信号処理回路17eにおいて信号処理され、信号処理回路17eから出力される信号はコンパレータ17fA、17fBにおいて比較され、比較結果がパルスとして出力される。コンパレータ17fA、17fBから出力されるパルスENC−A、ENC−Bがリニア式エンコーダ17の出力となる。
図3Aは、キャリッジモータ正転時におけるリニア式エンコーダ17の2つの出力信号の波形を示したタイミングチャート、図3Bは、キャリッジモータ逆転時におけるリニア式エンコーダ17の2つの出力信号の波形を示したタイミングチャートである。
図3A、図3Bに示すように、キャリッジモータ正転時及び逆転時のいずれの場合も、パルスENC−AとパルスENC−Bとは位相が90度だけ異なっている。キャリッジモータ30が正転しているとき、即ち、キャリッジ28がキャリッジ移動方向に移動しているときは、図3Aに示すように、パルスENC−AはパルスENC−Bよりも90度だけ位相が進み、キャリッジモータ30が逆転しているときは、図3Bに示すように、パルスENC−AはパルスENC−Bよりも90度だけ位相が遅れる。そして、パルスENC−A及びパルスENC−Bの1周期Tは、キャリッジ28がリニア式エンコーダ用符号板19のスリット間隔を移動する時間に等しい。
本実施形態では、リニア式エンコーダ用符号板19のスリット(白部分)幅はカラープリンタ20の解像度の2倍、ここでは例えば360dpiに相当している。すなわち、キャリッジ28がキャリッジ移動方向に移動した際に、リニア式エンコーダ17からパルスが出力される毎に360dpiに相当する距離を移動したことが検出される。したがって、例えばカラープリンタ20を起動した際の初期動作において、キャリッジ28の待機位置となるべくあらかじめ設定されたホームポジションを認識し、その後リニア式エンコーダ17から出力されるパルスをカウントすることにより、キャリッジ28のキャリッジ移動方向の位置を検出することが可能となる。
また、リニア式エンコーダ17から出力されたパルスを等分割することにより、リニア式エンコーダ用符号板19のスリットより高い解像度にてキャリッジ28の位置を検出することが可能となる。例えば、リニア式エンコーダ17から出力されたパルスを4分割すると、1440dpiの精度にてキャリッジ28の位置を検出し、制御することが可能となる。
===印刷ヘッドの構成===
前記印刷ヘッド36の構成について、図1,図4,図5を用いて説明する。図4は、印刷ヘッド36が有するノズルの配列を説明するための説明図、図5は、隣接する複数の印刷ヘッド36の配置と、それら印刷ヘッド36が有するノズル列の位置関係を示す図である。
印刷ヘッド36は、図4に示すとおり、複数のノズルnが搬送方向に沿って一直線上に配列され、記録部位列としての6列のノズル列Nを有している。本実施形態においては、ノズル列Nは、ブラックノズル列Nk、シアンノズル列Nc、ライトシアンノズル列Nlc、マゼンタノズル列Nm、ライトマゼンタノズル列Nlm、イエローノズル列Nyというように吐出するインク色毎に列をなしているが、これに限るものではない。
ブラックノズル列Nkは、180個のノズルn1〜n180を有し、各ノズルnには、各ノズルnを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。ブラックノズル列Nkのノズルn1、・・・、n180は、搬送方向に沿って一定のノズルピッチk・Dで配置されている。ここで、Dは搬送方向のドットピッチであり、kは1以上の整数である。搬送方向のドットピッチDは、ドットがキャリッジ移動方向に配列された横ドット列(以下、ラスタラインともいう)のピッチとも等しい。以下では、ノズルピッチk・Dを表す整数kを、単に「ノズルピッチk」と呼ぶ。図4の例では、ノズルピッチkは4ドットである。但し、ノズルピッチkは、任意の整数に設定することができる。
また、上述した事項は、シアンノズル列Nc、ライトシアンノズル列Nlc、マゼンタノズル列Nm、ライトマゼンタノズル列Nlm、イエローノズル列Nyについても、同様である。すなわち、各ノズル列Nは、180個のノズルn1〜n180を有し、搬送方向に沿って一定のノズルピッチk・Dで配置されている。
そして、印刷時には、印刷用紙Pが印刷用紙搬送部5によって間欠的に所定の搬送量で搬送され、その間欠的な搬送の間にキャリッジ28がキャリッジ移動方向に移動して各ノズルnからインク滴が吐出される。但し、印刷方式によって、例えば自然画などを印刷するのインターレース方式などにて印刷する場合には、すべてのノズルnが常に使用されるとは限らず、一部のノズルnのみが使用される場合もある。
キャリッジ28に設けられた8つの印刷ヘッド36a〜36hは、4つずつの印刷ヘッド36が、搬送方向に沿わされると共に、互いに間隔を隔てて2列に配置されている。4つの印刷ヘッド36で構成される2つの印刷ヘッド列は、キャリッジ移動方向に並べて配置されている。2列に配置された印刷ヘッド列は、一方の印刷ヘッド列36b、36d,36f、36hが、他方の印刷ヘッド列36a、36c,36e、36gよりおよそ印刷ヘッド1個分の距離だけ搬送方向上流側に配置されている。すなわち、8つの印刷ヘッド36の各々が、キャリッジ移動方向において並ぶことがないように、前記一方の印刷ヘッド列の下流側から1番目に位置する印刷ヘッド36aと2番目に位置する印刷ヘッド36cとの間に、他の印刷ヘッド列の最下流側に位置する印刷ヘッド36bが配置されている。そして、一方の印刷ヘッド列の最下流側に位置する印刷ヘッド36aの180番ノズルと、他方の印刷ヘッド列の最下流側に位置する印刷ヘッド36bの1番ノズルとは、搬送方向において、ノズルピッチk・D分だけ離れるように配置されている。また、前記他方の印刷ヘッド列の最下流側に位置する印刷ヘッド36bの180番ノズルと、前記一方の印刷ヘッド列の下流側から2番目に位置する印刷ヘッド36cの1番ノズルとは、搬送方向においてノズルピッチk・D分だけ離れるように配置されている。このように、2列に配列された印刷ヘッド36は、搬送方向において互いに隣接する印刷ヘッド同士の1番ノズルと180番ノズルとが、それぞれノズルピッチk・D分だけ離れるように配置されている。すなわち、2列の印刷ヘッド列において最も下流側に位置する印刷ヘッド36aの1番ノズルから最も上流側に位置する印刷ヘッド36hの180番ノズルまでは、いずれも搬送方向においてノズルピッチk・D分だけ離れるように配置されている。このため、キャリッジ28の1回の移動において、例えば、8つの印刷ヘッド有する各ノズル列Nにて、印刷用紙Pに対するキャリッジ移動方向の同一位置にドットを形成すると、8つの印刷ヘッド36のノズル列Nにて形成したドットが等ピッチにて連続して形成される。
また、キャリッジ28に設けられた8つの印刷ヘッド36のうち、4つの印刷ヘッド36a〜36dは牽引ベルト32より上側に配置され、残り4つの印刷ヘッド36e〜36hは牽引ベルト32より下側に配置されている。これら4つずつの印刷ヘッド36間における位置関係は同様であるため、ここでは 上側の4つの印刷ヘッド36a〜36dにおける位置関係を例に説明する。
ところで、キャリッジ28が移動するための外力としてのキャリッジモータ30の動力(牽引力)は、キャリッジ28に牽引ベルト32が固定されている2カ所の部位、すなわち係合部S1,S2に作用する。そして、キャリッジ28において、外力が作用する部位としての係合部S1,S2を繋ぐ作用線SLに近い部分は、前記牽引力がより直接伝達されるために、キャリッジ28移動中の振動が小さく、作用線SLから離れるにしたがい振動が大きくなる。すなわち、キャリッジ28の移動による振動を最も受けやすい印刷ヘッド36は、作用線SLから最も離れた位置に配置された、印刷ヘッド36a、36hである。そして、作用線SLの中点46、すなわち、係合部S1,S2の中心に最も近い印刷ヘッド、さらには、係合部S1,S2の中心に最も近いノズル列Nが、キャリッジ28の移動による振動を最も受け難いことになる。また、異なる2つの印刷ヘッド36の間では、2つの印刷ヘッド36のうち作用線SLに近い側の一方の印刷ヘッド36が、他方の印刷ヘッド36よりキャリッジ28の移動による振動を受け難いことになる。
なお、図4においては、各ノズル列のインク色は、図面左側からブラックノズル列Nk、シアンノズル列Nc、ライトシアンノズル列Nlc、マゼンタノズル列Nm、ライトマゼンタノズル列Nlm、イエローノズル列Nyとしたが、これに限定されるものではなく、各ノズル列Nのインク色は、他の並び順で並んでいてもよい。
===印刷システムの全体構成例===
次に印刷システムの全体構成例について、図6及び図7を用いて説明する。図6は、前述したカラープリンタ20を備えた印刷システムの構成を示すブロック図である。図7は、画像処理ユニット38の構成を示すブロック図である。
この印刷システムは、コンピュータ90と、印刷装置の一例としてのカラープリンタ20と、を備えている。なお、カラープリンタ20とコンピュータ90とを含む印刷システムは、広義の「印刷装置」と呼ぶこともできる。また、このシステムは、上記コンピュータ90、上記カラープリンタ20、CRT21及び、図示しない、液晶表示装置等の表示装置、キーボードやマウス等の入力装置、フレキシブルドライブ装置、CD−ROMドライブ装置等のドライブ装置等から構築されている。
コンピュータ90では、所定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム95が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ91が組み込まれており、画像のレタッチなどを行うアプリケーションプログラム95は、処理対象の画像に対して所望の処理を行い、また、ビデオドライバ91を介してCRT21に画像を表示している。
カラープリンタ20は、アプリケーションプログラム95からの印刷データ等が入力され、画像処理ユニット38と、カラープリンタ20全体の動作を制御する制御部としてのシステムコントローラ54と、メインメモリ56と、EEPROM58とを備えている。システムコントローラ54には、さらに、キャリッジモータ30を駆動するキャリッジモータ駆動回路61と、搬送モータ31を駆動するための搬送モータ駆動回路62と、印刷ヘッド36を制御するヘッド制御ユニット63と、キャリッジ28の動作を検出するためのリニア式エンコーダ17と、印刷用紙の搬送量を制御するためのロータリー式エンコーダ16とが接続されている。
図1及び図6に示したとおり、前述したカラープリンタ20は複数の印刷ヘッド36を有する。本実施の形態においては、キャリッジ28に8つの印刷ヘッド36が上下方向及び左右方向にそれぞれ間隔を隔てて配置されており、各々の印刷ヘッド36は、プリンタ本体に対して着脱可能に構成されている。
さらに、各々の印刷ヘッド36は、当該印刷ヘッド36に備えられ印刷ヘッド36に供給されるインクを収容するためのインクタンク67を備えている。また、印刷ヘッド36は各々前述したヘッド制御ユニット63及び画像処理ユニット38を有しており、印刷ヘッド36毎に、基準となる駆動信号に基づいてそれぞれ制御することが可能である。
そして、アプリケーションプログラム95が印刷命令を発すると、カラープリンタ20に設けられた画像処理ユニット38が、画像データをアプリケーションプログラム95から受け取り、これを印刷データPDに変換する。図7に示すように、画像処理ユニット38の内部には、解像度変換モジュール97と、色変換モジュール98と、ハーフトーンモジュール99と、ラスタライザ100と、UIプリンタインターフェースモジュール102と、ラスタデータ格納部103と、色変換ルックアップテーブルLUTと、バッファメモリ50と、イメージバッファ52が備えられている。
解像度変換モジュール97は、アプリケーションプログラム95で形成されたカラー画像データの解像度を、画像データと共に受け取った印刷モード等の情報に基づいて、対応する印刷解像度に変換する役割を果たす。こうして解像度変換された画像データは、まだRGBの3つの色成分からなる画像情報である。色変換モジュール98は、色変換ルックアップテーブルLUTを参照しつつ、画素毎にRGB画像データを、カラープリンタ20が利用可能な複数のインク色の多階調データに変換する。
色変換された多階調データは、例えば256階調の階調値を有している。ハーフトーンモジュール99は、いわゆるハーフトーン処理を実行してハーフトーン画像データを生成する。ここでハーフトーンは、例えば画像を、画素を形成可能な複数の部位にて構成される所定領域毎に分割し、各領域における濃度を、その領域を構成する複数の部位に、大ドット、中ドット、小ドットのいずれかを形成するか否かにより各領域の濃度を表現するものとする。
このハーフトーン画像データは、ラスタライザ100により所望のデータ順に並べ替えられ、最終的な印刷データPDとしてラスタデータ格納部103に対して出力される。
一方、コンピュータ90に備えられたユーザインターフェース表示モジュール101は、印刷に関係する種々のユーザインターフェースウィンドウを表示する機能と、それらのウィンドウ内におけるユーザの入力を受け取る機能とを有している。例えば、ユーザは、印刷用紙の種類、サイズや印刷モード等をユーザインターフェース表示モジュール101に指示することが可能である。
また、UIプリンタインターフェースモジュール102は、ユーザインターフェース表示モジュール101とカラープリンタ20との間のインターフェースとしての機能を有している。ユーザがユーザインターフェースにより指示した命令を解釈して、システムコントローラ54等へ各種コマンドCOMを送信したり、逆に、システムコントローラ54等から受信したコマンドCOMを解釈して、ユーザインターフェースへ各種表示を行ったりする。例えば、ユーザインターフェース表示モジュール101により受け取られた印刷用紙の種類、サイズ等に係る前記指示は、UIプリンタインターフェースモジュール102へ送られ、UIプリンタインターフェースモジュール102は、指示された命令を解釈してシステムコントローラ54へコマンドCOMを送信する。
また、UIプリンタインターフェースモジュール102は、印刷モード設定部としての機能も有する。すなわち、UIプリンタインターフェースモジュール102は、ユーザインターフェース表示モジュール101により受け取られた印刷情報、すなわち印刷する画像の解像度、印刷に使用するノズルに係る情報、搬送方向送り量を示すデータに係る情報等に基づいて記録モードとしての印刷モードを決定し、この印刷モードに応じた印刷データPDがハーフトーンモジュール99やラスタライザ100により生成され、ラスタデータ格納部103へ出力する。すなわち、印刷する画像を構成する領域としての画素には、当該画素を形成するためのノズルが、印刷モードに応じて割り付けられおり、ハーフトーン処理後の画像データは、印刷モードに応じて各画素を形成すべきノズルにて印刷可能な印刷データとして並べ替えられる。
ラスタデータ格納部103に出力された印刷データPDは、一旦、バッファメモリ50に蓄えられ、ノズルに対応したデータに変換されてイメージバッファ52に格納される。カラープリンタ20のシステムコントローラ54は、UIプリンタインターフェースモジュール102により出力されたコマンドCOMの情報に基づいてキャリッジモータ駆動回路61、搬送モータ駆動回路62、ヘッド制御ユニット63等を制御し、イメージバッファ52のデータに基づいて印刷ヘッド36に設けられた各色のノズルを駆動して印刷する。ここで、印刷モードとしては、例えば、1つのラスタラインを形成するノズル数や断続的に搬送される印刷用紙の搬送量等を違えた各種インターレース方式を用いてドットを記録する高画質モード、当該方式を用いないでドットを記録する高速モードなどがある。また、インターレース方式であっても、1回に搬送する搬送量、1本のラスタラインを形成するために行われるキャリッジ移動回数、1本のラスタラインを形成するために使用されるノズル数等が異なる場合も、印刷モードとしては相違する。
===印刷ヘッドの駆動===
次に、印刷ヘッド36の駆動について、図8を参照しつつ説明する。
図8は、ヘッド制御ユニット63(図6)内に設けられた駆動信号発生部の構成を示すブロック図であり、図9は、駆動信号発生部の動作を示す原駆動信号ODRV、印刷信号PRT(i)、駆動信号DRV(i)のタイミングチャートである。図8において、駆動信号発生部200は、複数のマスク回路204と、原駆動信号発生部206と、駆動信号調整部230とを備えている。マスク回路204は、印刷ヘッド36のノズルn1〜n180をそれぞれ駆動するための複数のピエゾ素子に対応して設けられている。なお、図8において、各信号名の最後に付されたかっこ内の数字は、その信号が供給されるノズルの番号を示している。
原駆動信号発生部206は、ノズルn1〜n180に共通に用いられる原駆動信号ODRVを生成する。この原駆動信号ODRVは、一画素分のキャリッジ移動期間内に、第1パルスW1と第2パルスW2の2つのパルスを含む信号であり、各ノズルからインクを吐出させるための基準吐出信号である。すなわち、各印刷ヘッド36が有するすべてのノズルは、同一の基準吐出信号としての原駆動信号ODRVに基づいてインクを吐出する。そして、キャリッジ28が所定の位置に到達したことが、リニア式エンコーダ17の出力により検出されると、原駆動信号ODRVの出力が開始される。このため、各印刷ヘッド36の各ノズル列からインクを吐出して印刷用紙の同一の目標位置にドット列を形成した際に、それらドット列のキャリッジ移動方向の位置が一致するように、原駆動信号ODRVの出力タイミングが調整されている。すなわち、この調整がなされる前には、初期値として、前記所定の位置から印刷用紙の目標位置にインクを吐出するための理論上の値が、キャリッジ28と印刷用紙の相対位置、各印刷ヘッド間のキャリッジ移動方向における間隔、各印刷ヘッドが有するノズル列のキャリッジ移動方向における間隔等、に基づいて設定され、その設定された値がEEPROMに記憶されている。このように、予め設定された理論上の値に基づいて印刷用紙の目標位置にインクを吐出させた際に、本来形成されるべき位置とは、ずれた位置に形成されるドットの位置を、形成されるべき位置にドットが形成されるように調整することを位置ずれ調整という。
駆動信号調整部230は、マスク回路204が整形した駆動信号波形のタイミングを前後にずらすことにより、個々のドットが形成される位置を変更することを可能としている。
図8に示すように、入力されたシリアル印刷信号PRT(i)は、原駆動信号発生部206から出力される原駆動信号ODRVとともにマスク回路204に入力される。このシリアル印刷信号PRT(i)は、一画素当たり2ビットのシリアル信号であり、その各ビットは、第1パルスW1と第2パルスW2とにそれぞれ対応している。そして、マスク回路204は、シリアル印刷信号PRT(i)のレベルに応じて原駆動信号ODRVをマスクするためのゲートである。すなわち、マスク回路204は、シリアル印刷信号PRT(i)が1レベルのときには原駆動信号ODRVの対応するパルスをそのまま通過させて駆動信号DRVとしてピエゾ素子に供給し、一方、シリアル印刷信号PRT(i)が0レベルのときには原駆動信号ODRVの対応するパルスを遮断する。
図9示した通り、原駆動信号ODRVは、各画素区間T1、T2、T3において、第1パルスW1と第2パルスW2とを順に発生する。なお、画素区間とは、一画素分のキャリッジ移動期間と同じ意味である。
図9に示す通り、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『1、0』に対応しているとき、第1パルスW1のみが一画素区間の前半で出力される。これにより、ノズルから小さいインク滴が吐出され、被印刷体には小さいドット(小ドット)が形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『0、1』に対応しているとき、第2パルスW2のみが一画素区間の後半で出力される。これにより、ノズルから中サイズのインク滴が吐出され、被印刷体には中サイズのドット(中ドット)が形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『1、1』に対応しているとき、第1パルスW1と第2パルスW2とが一画素区間で出力される。これにより、ノズルから大きいインク滴が吐出され、被印刷体には大きいドット(大ドット)が形成される。以上説明したとおり、一画素区間における駆動信号DRV(i)は、印刷信号PRT(i)の3つの異なる値に応じて互いに異なる3種類の波形を有するように整形され、これらの信号に基づいて印刷ヘッド36は3種類のサイズのドットを形成することが可能である。
===各印刷ヘッドにて形成されるドットのキャリッジ移動方向の位置ずれ調整===
上述したカラープリンタ20は、8つの印刷ヘッド36a〜36hを有しており、各々の印刷ヘッド36にてそれぞれ別個の画像を印刷することは勿論、複数の印刷ヘッド36を用いて1つの画像を印刷することも可能である。複数の印刷ヘッド36を用いて1つの画像を印刷する際には、印刷された画像に、互いに異なる印刷ヘッド36が有するノズルから吐出したインクにて形成されるドットが混在することになる。このため、互いに異なる印刷ヘッド36が有するノズルから吐出したインクにて形成されるドットの位置を調整する必要がある。
各印刷ヘッド36が有するすべてのノズルは、印刷ヘッド毎に同一の出力タイミングにて出力される原駆動信号ODRVに基づいてインクを吐出する。このため、各印刷ヘッドにて、印刷用紙Pの同一の目標位置にドットを形成すべくインク滴を吐出させたときに、実際に形成されたドットのキャリッジ移動方向の位置が一致するように、各印刷ヘッド36を駆動するための原駆動信号ODRVの出力タイミングを調整する。このとき、1つの画像を、協働して形成するすべての印刷ヘッド36のうちの1つの印刷ヘッド36を基準とし、他の印刷ヘッドに出力する原駆動信号ODRVのタイミングを調整する。また、印刷ヘッド毎に同一の出力タイミングにて出力される原駆動信号ODRVに基づいてインクを吐出する場合には、無彩色のインクにより印刷するときと、有彩色のインクを用いて印刷するときとで、それぞれ適切な出力タイミングが相違するため、原駆動信号ODRVの出力タイミングの調整はそれぞれ行う。
基準とする印刷ヘッド36(以下、基準印刷ヘッドという)は、キャリッジ28の移動時の挙動が比較的安定し、形成されたドットの位置がばらつかないことが望ましいため、キャリッジ28に対し外力が作用する部位、すなわち前述した係合部S1,S2に、搬送方向において最も近い印刷ヘッド36とする。特に、キャリッジ28は、キャリッジ移動方向に往復移動するため、往路方向の移動時と、復路方向の移動時とでは、外力のキャリッジ28への作用の仕方が相違することにより、キャリッジ28の挙動が異なることになる。このため、往復移動のいずれにも挙動が比較的安定している印刷ヘッド36は、係合部S1,S2を繋ぐ作用線SLの中点46に近い印刷ヘッド36d,36eとなるので、より精度の良い調整を行うために、基準印刷ヘッドを印刷ヘッド36d,36eとする。すなわち、本実施形態では、キャリッジ28の中央に最も近い印刷ヘッド36d,36eに供給されるの原駆動信号ODRVの出力タイミングを基準として調整する。
以下で説明するドットの位置ずれ調整の方法は、1つの画像を2つの印刷ヘッドを用いて印刷する際に、第1の移動の際に一方の印刷ヘッド36にて形成されるドットと、第2の移動の際に他方の印刷ヘッド36にて形成されるドットの形成位置のずれが小さくなるように、第2の移動の際に前記他方の印刷ヘッド36のノズル列から吐出されるインク滴の吐出タイミング、すなわち原駆動信号ODRVの出力タイミングを第2の移動全体で意図的にずらす、というものである。なお、第1の移動の際に一方の印刷ヘッド36のノズル列から吐出されるインク滴の吐出タイミングを第1の移動全体で意図的にずらしてもよい。ここで、第1の移動、及び、第2の移動をいずれも、キャリッジ28の往復移動における往路方向の移動、又は、復路方向の移動としてもよく、第1の移動、及び、第2の移動のいずれか一方を往路方向の移動とし、他方を復路方向の移動としてもよい。
原駆動信号ODRVの出力タイミングの調整は、キャリッジ28の往路方向の移動により、印刷用紙Pの所定の位置を目標位置として、前記一方の印刷ヘッド36のノズル列Nからインクを吐出して形成するドットと、他方の印刷ヘッド36のノズル列Nからインクを吐出して形成するドットとにて構成される印刷パターン10を印刷し、印刷された印刷パターン10に基づいて最適な出力タイミングを決定する。このとき、印刷用紙Pとのキャリッジ28とのキャリッジ移動方向における相対位置は、リニア式エンコーダ17の出力に基づいて検出される。
ところで、実際に画像を印刷する際には、印刷モード等に応じて画像を構成する各画素(領域)にドットを形成するためのノズルが割り付けられている。そして、キャリッジ移動方向におけるドットの位置ずれ調整をするための印刷パターンは、実際に画像を印刷する印刷モードにて印刷される。すなわち、実際に印刷される画像において、印刷パターンを構成するドットが形成される領域に相当する画素にドットを形成するノズルとして割り付けられたノズルからインクが吐出されて印刷パターンが形成される。
<印刷する画像を構成する領域にドットを形成するノズルの割り付け>
前述したように、印刷する画像を構成する領域としての画素には、当該画素にドットを形成するためのノズルがそれぞれ割り付けられている。各画素に割り付けられるノズルは、印刷モード、すなわち、間欠的に搬送される印刷用紙の搬送量、1つのラスタラインを形成するために用いるノズルの数等に応じて設定されている。
本実施形態では、たとえば2つの印刷ヘッド36が各々有するノズルからそれぞれインクを吐出して形成されたドットにて1本のラスタラインを形成する印刷モード(以下、2パスオーバーラップ印刷モードという)にて印刷する際における、キャリッジ移動方向のドットの位置ずれ調整について説明する。ここでは、まず2パスオーバーラップ印刷モードにて印刷する画像を構成する画素と、各画素に割り付けられたノズルについて説明する。ここで、実際に印刷される画像は画像データに基づいてドットが形成されるため、必ずしも画像領域の全画素がドットにて埋め尽くされるわけではないが、使用するノズルを説明する便宜上、ここでは、画像領域の全画素にドットを有する画像を印刷するものとする。
図10は、2パスオーバーラップ印刷モードにて画像を印刷する際におけるノズルと印刷用紙の相対位置、及び、印刷される画像を構成するドットを形成すべく割り付けられたノズルについて説明するための図である。図10の左側は2パスオーバーラップ印刷モードにて印刷する際のノズルと印刷用紙との相対位置を示し、右側は2パスオーバーラップ印刷モードにて印刷される画像のドットを形成するノズルを示している。図10では、各印刷ヘッドが有するノズル列は各々7個のノズルを有しており、各印刷ヘッドが有するノズル列のうち1つのノズル列が搬送方向に沿って直線状に配置されているとみなして説明する。また、図10では、印刷用紙Pが停止し、印刷ヘッド36が移動しているように示しているが、実際の印刷動作では印刷用紙Pが搬送されることにより、印刷ヘッド36と印刷用紙Pとの相対位置が変化する。以下の説明では、搬送方向下流側に位置する印刷ヘッド36を第1印刷ヘッド、上流側に位置する印刷ヘッドを第2印刷ヘッドという。また、第1印刷ヘッドは、上述したカラープリンタ20の最下流側から3番目の印刷ヘッド36cとし、第2印刷ヘッドは、最下流側から4番目の印刷ヘッド36dとする。また、各印刷ヘッド36が有するノズルは、搬送方向下流側に位置するノズルから順に第1ノズル〜第7ノズルという。
また、図10以降の図において、第1印刷ヘッド36cにて形成されるドットは○及び●にて示し、第2印刷ヘッド36dにて形成されるドットは△及び▲にて示している。さらに、黒い記号(●及び▲)はキャリッジ28の往路方向の移動にて形成され、白い記号(○及び△)はキャリッジ28の復路方向の移動にて形成されることを示している。そして、最下流側に形成されるラスタラインを第1ラスタラインとし、図10では第24ラスタラインまでを示している。各ラスタラインの右側に示した数字は、各々のドットが形成されるパス数、印刷ヘッドの番号、ノズルの番号を示している。例えば第1ラスタラインの▲3−2−2は、▲の画素は、キャリッジ28の3回目の移動(3パス目、往路)にて第2印刷ヘッド36dの第2ノズルからインクが吐出されて形成されることを示している。すなわち、第1ラスタラインの▲にて示された領域には、この領域にドットを形成するノズルとして、3パス目における第2印刷ヘッド36dの第2ノズルが割り付けられていることになる。
2パスオーバーラップ印刷モードにて画像を印刷する際には、キャリッジ28がキャリッジ移動方向に往復移動する際の最初の往路方向の移動(1パス目)にて、第2印刷ヘッド36dに設けられた印刷用紙と対向するノズルからインクを吐出する。図10の例では、第2印刷ヘッド36dの第6,第7ノズルからインクが吐出され、各々のノズルに割り付けられた領域にそれぞれドットが形成される。このとき、第3ラスタラインと第7ラスタラインとを構成する複数のドット(以下、ドット列という)がキャリッジ移動方向に沿ってそれぞれ形成される。これらのドット列が有する各ドットは互いに1ドット分の間隔が隔てられている。
次に印刷用紙Pが7ドット分搬送され、キャリッジ28が復路方向に移動(2パス目)され、第2印刷ヘッド36dの第4〜第7ノズルからインクが吐出されてドットが形成され、各々のノズルに割り付けられた領域にそれぞれドットが形成される。すなわち、第2ラスタライン、第6ラスタライン、第10ラスタライン、第14ラスタラインを構成するドット列がキャリッジ移動方向に沿ってそれぞれ形成される。このとき形成されるドット列も隣り合うドット同士は互いに1ドット分の間隔が隔てられている。そして、復路方向の移動にて形成されたドット列は、往路方向の移動にて形成されたドット列と、搬送方向において隣接する位置に形成される。また、復路方向の移動にて形成されたドット列を構成するドットは、キャリッジ移動方向において、往路方向の移動にて形成された各ドットの間に位置している。
次に、再び印刷用紙Pが7ドット分搬送され、キャリッジ28が往路方向に移動(3パス目)され、第2〜第7ノズルからインクが吐出されて、各ノズルに割り付けられた領域にドットが形成される。すなわち、第1ラスタライン、第5ラスタライン、第9ラスタライン、第13ラスタライン、第17ラスタライン、第21ラスタラインを構成するドット列がキャリッジ移動方向に沿ってそれぞれ形成される。このとき形成されるドット列もキャリッジ移動方向に隣り合うドット同士が互いに1ドット分の間隔が隔てられている。そして、2回目の往路方向の移動にて形成されたドット列は、前記復路方向の移動にて形成されたドット列と、搬送方向において隣接する位置に形成される。また、2回目の往路方向の移動にて形成されたドット列を構成するドットは、キャリッジ移動方向において、最初の往路方向の移動にて形成された各ドットと復路方向の移動にて形成されたドットとの間に形成されている。このように、印刷用紙Pをドット7個分ずつ搬送した後に、キャリッジ28を移動させると共に所定のノズルからインクを吐出して、互いのドット間隔が1ドット分の隔てられたドット列を形成する動作を繰り返す。このような印刷動作を実行すると、図示するように、キャリッジ28の往路方向の移動にて形成されるドットと、復路方向の移動にて形成されるドットが、各領域に割り付けられたノズルにて形成されることにより画像が印刷されることになる。
<無彩色のインクにて印刷する際のドットのキャリッジ移動方向における位置ずれ調整>
上述した2パスオーバーラップ印刷モードにて無彩色のインク、所謂ブラックインクにて画像を印刷する無彩色印刷としてのモノクロ印刷の際における、キャリッジ移動方向におけるドット形成位置の位置ずれ調整について説明する。すなわち、キャリッジの第1の移動としての往路方向の移動にて第1インク吐出部群としての第2印刷ヘッド36dから、第2の移動としての復路方向の移動にて第1印刷ヘッド36cからそれぞれ吐出されるインク滴にて1つの画像が形成される。
図11は、2パスオーバーラップ印刷モードにてブラックインクを用いて画像を印刷する際に、キャリッジ移動方向におけるドット形成位置の調整に用いる印刷パターンについて説明するための図である。図11の左側の図は、図10にて示した画像イメージを示し、中央の図は、左側の画像領域に印刷パターンを形成する例を示した図であり、右側の図は、2ドットの罫線により印刷パターンを形成する例を示した図である。
図11では、キャリッジ28の往路方向の移動で第2印刷ヘッド36dにて、キャリッジ移動方向において所定の間隔を隔てた5つの目標位置にドットを形成して、搬送方向に沿った縦罫線を印刷し、復路方向の移動で第1印刷ヘッド36cにて同様に5つの目標位置にそれぞれドットを形成して、搬送方向に沿った縦罫線を印刷している。このとき、往路方向の移動にて形成するドットは、一定の周期にて原駆動信号ODRVを出力しているが、復路方向の移動にて形成するドットは、往路の出力周期に対し、所定の調整量ずつタイミングをずらして出力する。すなわち、図11に示す印刷パターンは、往路方向の移動にて形成される5本の縦罫線と、復路方向の移動にて形成される5本の縦罫線とのそれぞれ1本ずつが対をなして形成される5つのサブパターンが、キャリッジ移動方向に間隔を隔てて並べられている。そして、これら5つのサブパターンは、復路方向の移動にてドットを形成させるために出力される原駆動信号ODRVの出力タイミングを、往路に対し所定の調整量ずつ順次相違させることにより、往路方向の移動にて形成される縦罫線と、復路方向の移動にて形成される縦罫線との相対位置が異なっている。すなわち、往路方向の移動にて第2印刷ヘッド36dにより形成される縦罫線を基準として、復路方向の移動にて第1印刷ヘッド36cにより形成される縦罫線のキャリッジ移動方向における位置を相違させて印刷パターンを形成する。ここで、第2印刷ヘッド36dにより形成される縦罫線を基準としたのは、前述したように、第1印刷ヘッド36cと、第2印刷ヘッド36dとでは、第2印刷ヘッド36dの方が、牽引力が作用する係合部S1,S2の中心、すなわち、係合部S1,S2を繋ぐ作用線SLの中点46に近い側に位置し、キャリッジ28移動中の振動が小さいからである。
図12は、無彩色のインクにて印刷する際のドットの形成位置を調整するための印刷パターンを形成する方法を説明するための図である。
この印刷パターン10の印刷方法は、まず印刷用紙Pを、図10に示すように、実際に画像を印刷する際と同様に予め設定されている搬送量(既定搬送量:7ドット分)ずつ間欠的に2回搬送し、実際に画像を印刷する際と同様の位置に、印刷用紙Pの先端が位置するように配置する(S101)。このとき、一度に14ドット分の距離を搬送しないのは、実際に画像を印刷する場合の搬送方法と同じくするためである。すなわち、同じように搬送モータ31を駆動しても、1回の搬送量が大きい場合には誤差を含みやすく、1回の搬送量が小さい方が精度良く搬送される傾向があるため、実際に画像を印刷する際と同じ搬送方法としている。このように、実際に画像を印刷する際の動作と、印刷パターン10を印刷する際の動作を合わせることにより、より正確にドット形成位置を調整することが可能である。また、このとき、ロール紙がキャリッジと対向する部分の全域に渡って配置されている場合には、この動作を必要としない。ここで、印刷パターン10を印刷する印刷用紙Pは、実際に画像を印刷する際に用いる印刷用紙が望ましい。この例では、2パスオーバーラップ印刷モードは、比較的高画質の画像を印刷するための印刷モードなので、印刷用紙としては例えば写真用紙等が用いられる。
印刷用紙Pが搬送されると、キャリッジ28の最初の移動(1パス目)を実行し、第2印刷ヘッド36dの第5,第6,第7ノズルから、所定のタイミングにてインクを吐出させてドットを形成する(S102)。このとき、印刷パターンを印刷する際におけるキャリッジ28最初の移動における印刷用紙と、印刷ヘッドとの相対位置は、実際に画像を印刷する際の3回目の移動(3パス目)における印刷用紙と、印刷ヘッドとの相対位置である。
次に、印刷用紙Pを、間欠的に7ドット分ずつ2回搬送する(S103)。また、印刷用紙Pを搬送すると同時に、すべてのノズルからインクを吐出することなくキャリッジ28を復路方向に移動させ、キャリッジ28を往路方向の移動におけるスタート位置に配置する。その後、キャリッジ28を往路方向に移動させつつ、第2印刷ヘッド36dの第2,第3ノズルから所定のタイミングにてそれぞれインクを吐出させてドットを形成する(S104)。このとき、印刷パターンを印刷する際におけるキャリッジ28の2回目の移動における印刷用紙と、印刷ヘッドとの相対位置は、実際に画像を印刷する際の5回目の移動(5パス目)における印刷用紙と、印刷ヘッドとの相対位置である。このような、キャリッジ28の往路方向の移動により、第2印刷ヘッド36dにより5本の縦罫線が、キャリッジ移動方向に間隔を隔てて形成される。
次に、予め設定されている搬送量にて、印刷用紙Pを7ドット分の距離だけ移動させる(S105)。その後、キャリッジ28を復路方向に移動させつつ、第1印刷ヘッド36cの第5,第6ノズルからそれぞれインクを吐出させてドットを形成する(S106)。このとき、第1印刷ヘッド36cにて形成されるドットと、往路方向の移動にて第2印刷ヘッド36dにより形成されたドットとの相対位置が、サブパターン毎に僅かに相違するように目標位置が設定されてインクが吐出される。すなわち、各サブパターンは、第1印刷ヘッド36cにて形成されるドットと、往路方向の移動にて第2印刷ヘッド36dにより形成されるドットとがキャリッジ移動方向の同じ位置に形成されるように設定されたタイミングと、そのタイミングから所定の調整量ずつ異なる位置に形成されるように設定されたタイミングとで形成されている。たとえば、5段階に調整可能な各調整量が「−2」〜「+2」の5段階の調整値にて設定可能な場合には、最も左のサブパターンは、第1印刷ヘッド36cにて形成されるドットと、往路方向の移動にて第2印刷ヘッド36dにより形成されたドットとが、調整値「−2」にて示される調整量だけずらした位置に形成されるタイミングにてインクが吐出される。また、中央のサブパターンは、第1印刷ヘッド36cにて形成されるドットと、往路方向の移動にて第2印刷ヘッド36dにより形成されたドットとが、調整値「0」にて示される調整量、すなわち、ずれのない位置に形成されるタイミングにてインクが吐出される。このとき、調整量は、例えば、1段階変わると、往路方向の移動にて第2印刷ヘッド36dにより形成されたドットに対し、第1印刷ヘッド36cにて形成されるドットの位置が、キャリッジ移動方向において制御可能な最小距離だけ変化するように設定されている。
次に、印刷用紙Pを、7ドット分ずつ間欠的に2回搬送する(S107)。また、印刷用紙Pを搬送すると同時に、すべてのノズルからインクを吐出することなくキャリッジ28を往路方向に移動させ、キャリッジ28を復路方向の移動におけるスタート位置に配置する。その後、キャリッジ28を復路方向に移動させつつ、第1印刷ヘッド36cの第1,第2,第3ノズルから前記所定のタイミングに対し順次ずらしたタイミングにてそれぞれインクを吐出させてドットを形成する(S108)。このとき、印刷パターンを印刷する際におけるキャリッジ28の4回目の移動における印刷用紙と、印刷ヘッドとの相対位置は、実際に画像を印刷する際の8回目の移動(8パス目)における印刷用紙と、印刷ヘッドとの相対位置である。このような、キャリッジ28の往路方向の移動により、第2印刷ヘッドにより5本の縦罫線が、キャリッジ移動方向に間隔を隔てて形成される。
図11の中央の図に示した印刷パターンでは、調整値「0」にて印刷された中央に位置するサブパターンにおいて、往路方向の移動にて形成された縦罫線と、復路方向の移動にて形成された縦罫線とが1本の直線状に印刷されているので、2パスオーバーラップ印刷モードにてブラックインクを用いて画像を印刷する際には、調整値「0」が設定される。
本実施形態では、縦罫線としてキャリッジ移動方向が1ドットの罫線について説明したが、図11の右側の図に示すように、2ドットの罫線としたり、それ以上のドット数にて形成される罫線としてもよい。
<有彩色のインクを用いて印刷する際のドットのキャリッジ移動方向の位置ずれ調整>
有彩色のインクを用いる有彩色印刷としてのカラー印刷では、主に自然画等の画像が印刷される。このため、印刷ヘッドから吐出される各複数色のインクにより形成されるドットの位置を調整する必要がある。ところが、印刷ヘッド毎に原駆動信号ODRVの出力タイミングが同じである場合には、複数色のインクにより形成されるすべてのドットの位置を合わせるように調整することは難しい。このため、カラー印刷の場合には、特に自然画等の画質に影響しやすい画像の低階調部分、いわゆるハイライト部分を主に構成するシアンインク及びライトマゼンタインクにて形成されるドットのキャリッジ移動方向の位置を、基準となる印刷ヘッド36により形成されるドットの位置に対して調整する。また、自然画等にて画質に影響しやすいハイライト部分に形成されるドットは、主に小ドットである。前述したように、本実施形態のカラープリンタは、小ドットと中ドットを形成するタイミングが異なるため、形成するドットのサイズによりドットが形成される位置が僅かながら相違する。このため、カラー印刷に用いる印刷パターンは小ドットにて形成することにより、画像により適した調整を行うこととする。
カラー印刷の場合も、2パスオーバーラップ印刷モードにて印刷されるものとする。ここでは、キャリッジ28の往路方向及び復路方向の移動のうち、往路方向を特定の方向とし、キャリッジ28の第1の移動としての往路方向の移動にて第2印刷ヘッド36dにより形成されるライトシアンの小ドットと、第1の移動と異なるタイミングの第2の移動としての往路方向の移動にて第1印刷ヘッド36cにより形成されるライトシアンの小ドットとのキャリッジ移動方向の位置ずれ量、及び、キャリッジ28の第1の移動としての往路方向の移動にて第2印刷ヘッド36dにより形成されるライトマゼンタの小ドットと、異なるタイミングの第2の移動としての往路方向の移動にて第1印刷ヘッド36cにより形成されるライトマゼンタの小ドットとのキャリッジ移動方向の位置ずれ量が均等となるように、第1印刷ヘッド36cの原駆動信号ODRVの出力タイミングを調整する。
図13は、2パスオーバーラップ印刷モードにて有彩色インクを用いて画像を印刷する際に、キャリッジ移動方向におけるドットの位置ずれ調整に用いる印刷パターンについて説明するための図である。図13に示す印刷パターンは、左右方向に5列、上下方向に2段に配置された10個のパッチを有している。そして、上段の5個がライトシアンインクにて形成されたパッチ、下段の5個がライトマゼンタにて形成されたパッチを示している。上下に配置された2個のパッチは、対をなし、同じ調整値にて形成されている。ここで、印刷パターンを印刷する際には、左右方向がキャリッジ移動方向に相当し、上下方向が搬送方向に相当する。
図14は、有彩色インクを用いて画像を印刷する際に、キャリッジ移動方向におけるドット形成位置の調整に用いる印刷パターンの形成方法を説明するための図である。図14では、前述した10個のパッチを有する印刷パターンのうち、上下に配置された一対のパッチにて構成される1つのサブパターンのみに注目して、形成方法を示している。そして、図14にて5列2段に並べられた四角がパッチの形成領域を示しており、上下1対のパッチは、左から順にパッチの形成方法を時系列的に示している。すなわち、左から右に向かって1パス目に形成されるドットから5パス目に形成されるドットを、時系列的に示している。ここで、パッチの形成領域は、図10に示した、画像イメージにおける左上角の縦横11画素の領域に相当し、この領域にドットを形成するノズルとして割り付けられたノズルからインクを吐出して、印刷パターンを形成するものとする。
この印刷パターンは、例えば縦横11画素四方のパッチを、キャリッジ28の往路方向の移動にて第2印刷ヘッド36dによりライトシアンインクを吐出して、割り付けられた領域に小ドットを形成し、前記往路方向の移動と異なるタイミングの往路方向の移動にて第1印刷ヘッド36cによりライトシアンドットを割り付けられた領域に小ドットを形成することにより印刷される。このとき、前述した無彩色のインクにて印刷する際の出力タイミングの調整と同様に、第2印刷ヘッド36dにて所定の目標位置に複数の小ドットを印刷し、第1印刷ヘッド36cでは、吐出タイミングを順次微少時間ずつ変更して複数の小ドットを形成することにより複数のパッチを印刷する。また、ライトマゼンタインクでも同様の方法にて、複数のパッチを印刷する。本実施形態においても、調整値は5段階に設定されており、パッチはライトシアンインク及びライトマゼンタインクとにてそれぞれ5個ずつ形成されるものとする。以下、前述した無彩色のインクにて印刷する際の出力タイミングの調整と共通する点については、詳細な説明を省略して述べる。
この印刷パターン10の印刷方法は、図10に示すように、まず印刷用紙Pの先端が第2印刷ヘッドの第6ノズルより十分に下流側に位置するところまで、印刷用紙Pを搬送する。
印刷用紙Pが搬送されると、キャリッジ28の最初の移動(1パス目)を実行し、第2印刷ヘッド36dのライトシアンノズル列の第6,第7ノズルから、所定のタイミングにてライトシアンインクを吐出させて小ドットを形成する(図14(1))。図14では、1つのパッチ領域のみ示しているが、5個のパッチを形成すべく、キャリッジ移動方向に間隔を隔てて5つの領域に小ドットを形成する。
次に、印刷用紙Pを間欠的に7ドット分ずつ2回搬送するとともに、すべてのノズルからインクを吐出することなくキャリッジ28を復路方向に移動させ、キャリッジ28を往路方向の移動におけるスタート位置に配置する。その後、キャリッジ28を往路方向に移動(2パス目)させつつ、第2印刷ヘッド36dのライトシアンノズル列の第2,第3,第4ノズルから所定のタイミングにてライトシアンインクを、また、第2印刷ヘッド36dのライトマゼンタノズル列の第5,第6,第7ノズルから所定のタイミングにてライトマゼンタインクをそれぞれ吐出させて小ドットを形成する(図14(2))。このとき、印刷パターンを印刷する際におけるキャリッジ28の2回目の移動における印刷用紙と、印刷ヘッドとの相対位置は、実際に画像を印刷する際の3回目の移動(3パス目)における印刷用紙と、印刷ヘッドとの相対位置である。
そして、さらに印刷用紙Pを間欠的に7ドット分ずつ2回搬送するとともに、すべてのノズルからインクを吐出することなくキャリッジ28を復路方向に移動させ、キャリッジ28を往路方向の移動におけるスタート位置に配置する。その後、キャリッジ28を往路方向に移動(3パス目)させつつ、第2印刷ヘッド36dのライトシアンノズル列の第1ノズル及び第2印刷ヘッド36dのライトマゼンタノズル列の第2,第3,第4ノズルから所定のタイミングにてライトマゼンタインクインクを吐出させて小ドットを形成する(図14(3))。また、第1印刷ヘッド36cのライトシアンノズル列の第6,第7ノズルからライトシアンインクを吐出する(図14(3))。このとき、第1印刷ヘッド36cからライトシアンインクを吐出させるタイミングは、5個のパッチにおいて、第1印刷ヘッド36cにて形成されたライトシアンドットと、第2印刷ヘッド36dにより形成されたライトシアンドットとが、キャリッジ移動方向において、5段階の調整値にて示される調整量に基づいて各々相違するようなタイミングに設定されている。この印刷パターンを印刷する際におけるキャリッジ28の3回目の移動における印刷用紙と、印刷ヘッドとの相対位置は、実際に画像を印刷する際の5回目の移動(5パス目)における印刷用紙と、印刷ヘッドとの相対位置である。
次に、印刷用紙Pを間欠的に7ドット分ずつ2回搬送するとともに、すべてのノズルからインクを吐出することなくキャリッジ28を復路方向に移動させ、キャリッジ28を往路方向の移動におけるスタート位置に配置する。その後、キャリッジ28を往路方向に移動(4パス目)させつつ、第1印刷ヘッド36cのライトシアンノズル列の第2,第3,第4ノズル及び第1印刷ヘッド36cのライトマゼンタノズル列の第5,第6,第7ノズルからインクを吐出させて小ドットを形成する(図14(4))。このときも、第1印刷ヘッド36cからライトシアンインクを吐出させるタイミングは、5個のパッチにおいて、第1印刷ヘッド36cにて形成された小ドットと、第2印刷ヘッド36dにより形成された小ドットとが、キャリッジ移動方向において、5段階の調整値に基づいて各々相違するようなタイミングに設定されている。この印刷パターンを印刷する際におけるキャリッジ28の4回目の移動における印刷用紙と、印刷ヘッドとの相対位置は、実際に画像を印刷する際の7回目の移動(7パス目)における印刷用紙と、印刷ヘッドとの相対位置である。
さらに、印刷用紙Pを間欠的に7ドット分ずつ2回搬送するとともに、すべてのノズルからインクを吐出することなくキャリッジ28を復路方向に移動させ、キャリッジ28を往路方向の移動におけるスタート位置に配置する。その後、キャリッジ28を往路方向に移動(5パス目)させつつ、第1印刷ヘッド36cのライトシアンノズル列の第1ノズル及び第1印刷ヘッド36cのライトマゼンタノズル列の第2,第3,第4ノズルからインクを吐出させて小ドットを形成する(図14(5))。このときも、第1印刷ヘッド36cからインクを吐出させるタイミングは、5個のパッチにおいて、第1印刷ヘッド36cにて形成された小ドットと、第2印刷ヘッド36dにより形成された小ドットとが、キャリッジ移動方向において、5段階の調整値に基づいて各々相違するようなタイミングに設定されている。この印刷パターンを印刷する際におけるキャリッジ28の5回目の移動における印刷用紙と、印刷ヘッドとの相対位置は、実際に画像を印刷する際の9回目の移動(9パス目)における印刷用紙と、印刷ヘッドとの相対位置である。
このようにして、ライトシアンのパッチ5個とライトマゼンタのパッチ5個とを有する印刷パターンが形成される。各色の5個のパッチは、それぞれ最も左側のパッチが調整値「−2」に基づいて形成され、最も右側のパッチが調整値「+2」に基づいて形成されて、それらの調整値が順次変化するように配置されている。そして、第1印刷ヘッド36cと、第2印刷ヘッド36dとにて形成された小ドットが、それぞれ適正な位置に配置されている場合には、パッチの領域内に、ドットがほぼ均等に配置されることになり、適正でない場合には、いずれかの印刷ヘッド36にて形成された小ドットが、他方の印刷ヘッド36にて形成されたドットに近接または重なって印刷されることになる。すなわち、第1印刷ヘッド36cと、第2印刷ヘッド36dとにて形成された小ドットが、それぞれ適正な位置に配置されていない場合には、パッチの領域内の余白部が多くなりパッチの濃度が低くなり、ドットが適正な位置に配置されている場合には、パッチの濃度が高くなる。このため、第1印刷ヘッドからインクを吐出されるタイミングは、5個のパッチのうち最も濃度が高いパッチを印刷した際の調整値に設定する。
本実施形態の場合には、ライトマゼンタとライトシアンとの2色のインクにてそれぞれ5個ずつのパッチを印刷したので、各色のパッチの濃度が最も高いパッチを形成した際の調整値の平均値を第1印刷ヘッド36cからインクを吐出するタイミングとする。図13の例では、ライトシアンのパッチでは、左から2番目の調整値「−1」にて印刷されたパッチの濃度が高く、ライトマゼンタのパッチでは、右から2番目の調整値「+1」にて印刷されたパッチの濃度が高い。このため、カラープリンタ20にて、2パスオーバーラップ印刷モードにて有彩色インクを用いて画像を印刷する際の調整値としては、平均値の「0」が設定される。
ところで、最も濃度の高いパッチの選択は、ユーザー等が目視にて行いカラープリンタ20に入力することとしてもよいが、たとえば、カラープリンタ20のキャリッジ28に設けられて用紙の有無等の検出に用いられる反射型光学式センサ13にてパッチを読み取り、読み取った結果に基づいてシステムコントローラ54の処理にて実行されることとしてもよい。
上記実施形態においては、ブラックインクにて印刷する際の印刷パターンを、キャリッジの往復移動時におけるドットの位置ずれ調整用の印刷パターンとし、有彩色インクを用いて印刷する際の印刷パターンを、キャリッジの一方向移動時におけるドットの位置ずれ調整用の印刷パターンとして説明したが、これに限るものではない。また、往路方向の移動にて形成されるドットと復路方向の移動にて形成されるドットとの位置ずれ調整用印刷パターンとして、10個のパッチを有する印刷パターンを用いてもよいし、往路方向の移動に形成されるドット同士の位置ずれ調整用印刷パターンとして、罫線を有する印刷パターンを用いてもよい。
本実施形態のカラープリンタ20によれば、キャリッジ移動方向におけるドット形成位置のずれを調整する位置ずれ調整を実行するための印刷パターンは、印刷ヘッド36の第1の移動の際に、基準となる第2印刷ヘッド36dのノズルからインク滴を吐出して、第2の移動の際に、調整の対象となる第1印刷ヘッド36cのノズルからインク滴を吐出させて形成される。このため、印刷された印刷パターンにに基づいて、位置ずれ調整を実行すると、第1印刷ヘッド36cと、第2印刷ヘッド36dとにて、キャリッジ28の異なる移動の際に形成されるドットの移動方向における位置のずれを調整することが可能である。また、印刷パターンは、第1及び第2印刷ヘッドにて、1つの画像を実際に印刷する際と同様に、各々のノズルに割り付けられた領域にインクを吐出させて印刷される。このため、本印刷パターンに基づいて位置ずれ調整を実行すると、実際に画像を印刷する場合に、より適した調整が実行され、より適切な調整が実行されることにより、互いに異なる3つ以上の印刷ヘッド36を用いて良好な画像を印刷することが可能である。
また、基準となる第2印刷ヘッド36dは、移動による振動を最も受けやすい印刷ヘッド36以外の印刷ヘッド36なので、第2印刷ヘッド36dにて形成されるドットが、目標位置から大きくずれた位置に形成される畏れは少ない。このため、第2印刷ヘッド36dにて形成されたドットを基準として、位置ずれ調整を実行することにより、第1印刷ヘッド36cにて形成されるドットを、目標位置に近い位置に形成することが可能である。
特に、本実施形態においては、基準となる印刷ヘッド36を、外力が作用する2カ所の部位としての係合部S1,S2を繋ぐ作用線SLの中点46に近い側に位置する第2印刷ヘッド36dとしている。外力が作用する2カ所の係合部S1,S2を繋ぐ作用線SLの中点46は、キャリッジ28において、振動を受けにくく移動時の挙動が最も安定しているので、印刷パターンを構成するドットに最も安定した状態にてインクを吐出する第2印刷ヘッド36dにて形成されたドットを含ませることが可能である。このため、最も安定した状態にてインクを吐出する第2印刷ヘッド36dにて形成されたドットの位置を基準とすることにより、第1印刷ヘッド36cにて形成されるドットの位置を、より適切な位置に調整することが可能である。このため、いずれの印刷ヘッド36にて形成されたドットであっても、より適切な位置に形成されるので、複数の印刷ヘッド36を用いて、良好な1つの画像を印刷することが可能である。
また、複数の印刷ヘッド36における原駆動信号ODRVのタイミングを調節することにより、ドット形成位置が調整されるので、第1印刷ヘッド36cにて形成されるドットと、第2印刷ヘッド36dにて形成されるドットの位置ズレ調整を容易に且つ正確に実行することが可能である。
また、印刷パターンが有する複数のサブパターンは各々、サブパターン毎にドット形成位置のずれ量が異なる調整値に基づいて形成されている。このため、良好に印刷されたサブパターンを抽出し、抽出されたサブパターンを形成した際の調整値にて調整して、画像を印刷することにより、容易に良好な画像を印刷することが可能である。
ところで、モノクロ印刷を実行する際と、カラー印刷を実行する際とでは、使用するインクは勿論のこと、使用するインク吐出部も異なる。このため、各インク色のドットは、それぞれ形成される位置が相違する。このため、モノクロ印刷を実行する際と、カラー印刷を実行する際とで、各々異なる位置ずれ調整を可能とすることにより、モノクロ印刷時とカラー印刷時とで各々適切な調整を行い、いずれも良好な画像を印刷することが可能である。
特に、カラー印刷時の位置ずれ調整用の印刷パターンは、複数のカラーインクのうちのライトマゼンタとライトシアンとのインクにて印刷されることとしたので、すべての色のインクにて印刷するより短時間に印刷パターンを印刷し、調整値を設定することが可能である。すなわち、カラー印刷を実行する際に、最も調整すべき色のインクにて印刷パターンを形成し、調整値を設定することにより、調整値を設定するために費やされる時間を短縮しつつ、良好なカラー画像を印刷することが可能である。さらに、カラー印刷にて、画像の特に画質に影響し易いハイライト部分に主に用いられるライトマゼンタとライトシアンとにて、また、ハイライト部分に主に用いられる小ドットにて印刷パターンを印刷し、印刷した印刷パターンに基づいて位置ずれ調整を実行することとしたので、複数の印刷ヘッド36にてハイライト部分に形成されるドットの移動方向における位置を、適切に調整することが可能である。よって、より良好なカラー画像を印刷することが可能である。また、印刷パターンを小ドットのみにて印刷することとしたので、すべてのサイズのドットにて印刷するより短時間に印刷パターンを印刷し、調整値を設定することが可能である。
また、本実施形態においては、印刷パターンを小ドットにて形成する例について説明したが、これに限らず、中ドットや、大ドットであってもかまわず、また、大、中、小ドットをパッチ領域内に分散させて印刷パターンを印刷してもよい。さらに、大ドット、中ドット、小ドットにて調整値が異なる5つのパッチから調整値を求めても良い。図15は、印刷パターンを各ドットサイズにて形成した場合の調整値の設定方法について説明するための図である。この場合には、まず、各ドットサイズにて、上述したような5列2段の印刷パターンを形成する(S201)。次に、各サイズのドットにて形成されたライトシアン、ライトマゼンタの各々5つのパッチのうち、最も濃度が高いパッチを抽出する(S202)。抽出したライトシアン、ライトマゼンタのパッチを形成した際の調整値の平均値をドットサイズ毎に求める(S203)。求めたドットサイズ毎の平均値の平均値を求め(S204)、求めた前ドットサイズの平均値をカラー印刷する際における、キャリッジ移動方向のドット形成位置の位置ずれ調整の調整値として記憶する(S205)。
この場合には、いずれのサイズのドットもドット形成位置が調整される。このため、3種類のドットのうちのいずれかのサイズのドットにて形成された印刷パターンに基づいて、所定のサイズのドットのみドット形成位置の調整を実行する場合と比較して、各サイズのドットの形成位置が、目標位置から大幅に外れることを抑えることが可能である。このため、各々サイズのドットにて形成される画像を、いずれも比較的良好に印刷することが可能である。
===その他の実施形態===
本発明は上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
(2)本発明は、一般にインク滴を吐出するタイプの印刷装置に適用可能であり、カラーインクジェットプリンタ以外の種々の印刷装置に適用可能である。例えば、インクジェット方式のファクシミリ装置やコピー装置にも適用可能である。
(3)上記実施形態においては、印刷システムを、カラープリンタ20、コンピュータ90、表示装置、入力装置、及び、ドライブ装置等にて構成した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、印刷システムが、コンピュータ90とカラープリンタ20とから構成されても良く、印刷システムが表示装置、入力装置及びドライブ装置のいずれかを備えていなくても良い。
また、例えば、カラープリンタ20が、コンピュータ90、表示装置、入力装置、及び、ドライブ装置のそれぞれの機能又は機構の一部を持っていても良い。一例として、カラープリンタ20が、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等を有する構成としても良い。
また、上述した実施形態における、プリンタを制御するコンピュータプログラムが、プリンタコントローラのメモリに記憶されており、プリンタコントローラがこのコンピュータプログラムを実行することにより、上述した実施形態のプリンタ動作を達成してもよい。
このようにして実現された印刷システムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
本発明にかかるカラープリンタの構成の一例を示す斜視図。 リニア式エンコーダ17の構成を模式的に示した説明図。 図3Aは、キャリッジモータ正転時におけるリニア式エンコーダ17の2つの出力信号の波形を示したタイミングチャート、図3Bは、キャリッジモータ逆転時におけるリニア式エンコーダ17の2つの出力信号の波形を示したタイミングチャート。 印刷ヘッドが有するノズルの配列を説明するための説明図。 隣接する複数の印刷ヘッドの配置と、それら印刷ヘッドが有するノズル列の位置関係を示す図。 カラープリンタを備えた印刷システムの構成を示すブロック図。 画像処理ユニットの構成を示すブロック図。 ヘッド制御ユニット(図6)内に設けられた駆動信号発生部の構成を示すブロック図。 駆動信号発生部の動作を示す原駆動信号ODRV、印刷信号PRT(i)、駆動信号DRV(i)のタイミングチャート。 2パスオーバーラップ印刷モードにて画像を印刷する際におけるノズルと印刷用紙の相対位置、及び、印刷される画像を構成するドットを形成すべく割り付けられたノズルについて説明するための図。 2パスオーバーラップ印刷モードにてブラックインクを用いて画像を印刷する際に、キャリッジ移動方向におけるドット形成位置の調整に用いる印刷パターンについて説明するための図。 無彩色のインクにて印刷する際のドットの形成位置を調整するための印刷パターンを形成する方法を説明するための図。 2パスオーバーラップ印刷モードにて有彩色インクを用いて画像を印刷する際に、キャリッジ移動方向におけるドット形成位置の調整に用いる印刷パターンについて説明するための図。 有彩色インクを用いて画像を印刷する際に、キャリッジ移動方向におけるドット形成位置の調整に用いる印刷パターンの形成方法を説明するための図。 印刷パターンを各ドットサイズにて形成した場合の調整値の設定方法について説明するための図。
符号の説明
3 印刷部,5 印刷用紙搬送部,10 印刷パターン,13 反射型光学式センサ,16 ロータリー式エンコーダ,17 リニア式エンコーダ,17a ダイオード,17b コリメータレンズ,17c 検出処理部,17d フォトダイオード,17e 信号処理回路,17fA コンパレータ,17fB コンパレータ,19 リニア式エンコーダ用符号板,20 カラープリンタ,21 CRT,24 紙搬送ローラ,26 プラテン,27 ホルダ,27a 軸体,27b 円盤,28 キャリッジ,29 挟持ローラ,30 キャリッジモータ,31 搬送モータ,32 牽引ベルト,34 ガイドレール,341 下側のガイドレール,342 上側のガイドレール,35 ロール紙保持部,36 印刷ヘッド,36a〜36h 印刷ヘッド,37 ロール紙搬送部,38 画像処理ユニット,40 駆動ギア,41 中継ギア,44 プーリ,45 プーリ,46 作用線の中点,50 バッファメモリ,52 イメージバッファ,54 システムコントローラ,56 メインメモリ,58 EEPROM,61 キャリッジモータ駆動回路,62 搬送モータ駆動回路,63 ヘッド制御ユニット,67 インクタンク,90 コンピュータ,91 ビデオドライバ,95 アプリケーションプログラム,97 解像度変換モジュール,98 色変換モジュール,99 ハーフトーンモジュール,100 ラスタライザ,101 ユーザインターフェース表示モジュール,102 UIプリンタインターフェースモジュール,103 ラスタデータ格納部,200 駆動信号発生部,204 マスク回路,206 原駆動信号発生部,230 駆動信号調整部,Nc シアンノズル列,Nk ブラックノズル列,Nlc ライトシアンノズル列,Nlm ライトマゼンタノズル列,Nm マゼンタノズル列,Ny イエローノズル列,P 印刷用紙,P1〜P11 サブパターン,T1 各画素区間,W1 パルス,W2 パルス,n ノズル,LUT ルックアップテーブル,ODRV 原駆動信号

Claims (18)

  1. (a)インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するためのインク吐出部が吐出部列方向に複数並ぶ第1インク吐出部群と、前記インク吐出部が前記吐出部列方向に複数並ぶ第2インク吐出部群と、を有するインク吐出部群ユニットであって、前記第1インク吐出部群と前記第2吐出部群とが前記吐出部列方向に並ぶインク吐出部群ユニットと、
    (b)前記インク吐出部群ユニットを前記吐出部列方向と交差する方向である移動方向に沿って移動させるための移動部と、
    (c)前記インク吐出部ユニットと前記印刷媒体とを前記吐出部列方向に相対的に移動させる搬送部と、
    (d)前記インク吐出部群ユニットの前記移動方向における往路において前記第1インク吐出部群からインクを吐出させて第1のドットを形成し、前記搬送部に前記インク吐出部ユニットと前記印刷媒体とを相対移動させ、前記インク吐出部群ユニットの前記移動方向における復路において前記第2インク吐出部群からインクを吐出させて前記吐出部列方向について前記第1のドットの間に第2ドットを形成させる制御部であって、
    前記往路にて形成される前記第1ドットと前記復路にて形成される前記第2ドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のずれを調整する位置ずれ調整を実行するための印刷パターンを、前記インク吐出部群ユニットの前記往路の移動の際に、前記第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させ、前記復路の移動の際に、前記第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させることにより印刷させる制御部と、
    を有し、
    前記インク吐出部群ユニットは外力により移動し、前記第1インク吐出部群は、前記移動方向と交差する方向にて、前記外力が作用する部位と最も離れた位置に存在するインク吐出部群以外のインク吐出部群であり、
    前記インク吐出部群は各々、前記インク吐出部からインクを吐出させるための単一の基準吐出信号に基づいて駆動されており、
    前記第1インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを基準として、前記第2インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを調節することにより、前記位置ずれ調整を実行することを特徴とする印刷装置。
  2. (a)インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するためのインク吐出部が吐出部列方向に複数並ぶ第1インク吐出部群と、前記インク吐出部が前記吐出部列方向に複数並ぶ第2インク吐出部群と、を有するインク吐出部群ユニットであって、前記第1インク吐出部群と前記第2吐出部群とが前記吐出部列方向に並ぶインク吐出部群ユニットと、
    (b)前記インク吐出部群ユニットを前記吐出部列方向と交差する方向である移動方向に沿って移動させるための移動部と、
    (c)前記インク吐出部ユニットと前記印刷媒体とを前記吐出部列方向に相対的に移動させる搬送部と、
    (d)前記インク吐出部群ユニットの前記移動方向における往路の第1の移動において前記第1インク吐出部群からインクを吐出させて第1のドットを形成し、前記搬送部に前記インク吐出部ユニットと前記印刷媒体とを相対移動させ、前記インク吐出部群ユニットの前記移動方向における往路の第2の移動において前記第2インク吐出部群からインクを吐出させて前記移動方向について前記第1のドットの間に第2ドットを形成させる制御部であって、
    前記第1の往路にて形成される前記第1ドットと前記第2の往路にて形成される第2ドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のずれを調整する位置ずれ調整を実行するための印刷パターンを、前記インク吐出部群ユニットの前記往路の第1の移動の際に、前記第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させ、前記往路の第2の移動の際に、前記第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させることにより印刷させる制御部と、
    を有し、
    前記インク吐出部群ユニットは外力により移動し、前記第1インク吐出部群は、前記移動方向と交差する方向にて、前記外力が作用する部位と最も離れた位置に存在するインク吐出部群以外のインク吐出部群であり、
    前記インク吐出部群は各々、前記インク吐出部からインクを吐出させるための単一の基準吐出信号に基づいて駆動されており、
    前記第1インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを基準として、前記第2インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを調節することにより、前記位置ずれ調整を実行することを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項1又は2に記載の印刷装置において、
    前記第1インク吐出部群は、前記インク吐出部群ユニットの移動の際に当該移動による振動を最も受けやすいインク吐出部群以外の前記インク吐出部群であることを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記第1インク吐出部群は、前記第2インク吐出部群より、前記インク吐出部群ユニットの移動による振動を受け難いインク吐出部群であることを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記第1インク吐出部群は、前記移動方向と交差する方向にて、前記第2インク吐出部より、前記外力が作用する部位に近い位置に存在することを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記外力が作用する部位は2カ所あり、
    前記第1インク吐出部群は、前記第2インク吐出部群より、前記外力が作用する前記2カ所の部位の中心に近い側に位置することを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記印刷パターンは、前記第1インク吐出部群と、前記第2インク吐出部群とからそれぞれ吐出されたインクにて形成される複数のサブパターンを有し、
    前記位置ずれ調整を実行するための複数の調整量を有し、
    前記各サブパターンにおける前記第1インク吐出部群にて形成されたドットと、前記第2インク吐出部群にて形成されたドットとのドット形成位置のずれ量は、前記サブパターン毎に異なる前記調整量であることを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記第1インク吐出部群及び前記第2吐出部群は、無彩色インクを吐出する無彩色インク吐出部と、有彩色インクを吐出する有彩色インク吐出部とを各々有し、
    前記無彩色インクを吐出して無彩色印刷を実行する際と、前記有彩色インクを吐出して有彩色印刷を実行する際とで、各々異なる前記位置ずれ調整が可能であることを特徴とする印刷装置。
  9. 請求項8に記載の印刷装置において、
    各々の前記インク吐出部群は前記有彩色インク吐出部を複数有し、各有彩色インク吐出部群は、互いに異なる色のインクを色ごとに吐出し、
    前記有彩色インクを使用してドットを形成する際に、前記位置ずれ調整を実行する場合には、前記複数の有彩色インクのうち、いずれかの色のインクにて前記印刷パターンを印刷することを特徴とする印刷装置。
  10. 請求項に記載の印刷装置において、
    前記印刷パターンは、前記複数の有彩色インクのうち、画像の低階調部分を印刷する際に主に用いられる色のインクにて、印刷されることを特徴とする印刷装置。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記インク吐出部は、サイズが異なる複数種類のドットを形成可能であり、
    前記印刷パターンは、前記複数種類のドットのうちのいずれかのサイズのドットにて形成することを特徴とする印刷装置。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記インク吐出部は、サイズが異なる複数種類のドットを形成可能であり、
    前記位置ずれ調整は、前記複数種類のドットにてそれぞれ形成した前記印刷パターンに基づいて取得された前記調整量の平均値を、前記位置ずれ調整を実行するための調整量とすることを特徴とする印刷装置。
  13. (a)インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するためのインク吐出部が吐出部列方向に複数並ぶ第1インク吐出部群と、前記インク吐出部が前記吐出部列方向に複数並ぶ第2インク吐出部群と、を有するインク吐出部群ユニットであって、前記第1インク吐出部群と前記第2吐出部群とが前記吐出部列方向に並ぶインク吐出部群ユニットと、
    (b)前記インク吐出部群ユニットを前記吐出部列方向と交差する方向である移動方向に沿って移動させるための移動部と、
    (c)前記インク吐出部ユニットと前記印刷媒体とを前記吐出部列方向に相対的に移動させる搬送部と、
    (d)前記インク吐出部群ユニットの前記移動方向における往路において前記第1インク吐出部群からインクを吐出させて第1のドットを形成し、前記搬送部に前記インク吐出部ユニットと前記印刷媒体とを相対移動させ、前記インク吐出部群ユニットの前記移動方向における復路において前記第2インク吐出部群からインクを吐出させて前記吐出部列方向について前記第1のドットの間に第2ドットを形成させる制御部と、
    を備え、前記インク吐出部群ユニットは外力により移動し、前記第1インク吐出部群は、前記移動方向と交差する方向にて、前記外力が作用する部位と最も離れた位置に存在するインク吐出部群以外のインク吐出部群であり、前記インク吐出部群は各々、前記インク吐出部からインクを吐出させるための単一の基準吐出信号に基づいて駆動されている印刷装置に、
    前記往路にて形成される前記第1ドットと前記復路にて形成される前記第2ドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のずれを調整する位置ずれ調整を実行するための印刷パターンを、前記インク吐出部群ユニットの前記往路の移動の際に、第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させ、前記復路の移動の際に、前記第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させることにより印刷させ、
    前記印刷された印刷パターンに基づいて、前記第1インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを基準として、前記第2インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを調節することにより、前記インク吐出部群ユニットの前記往路の移動にて形成される前記第1のドットと、前記インク吐出部群ユニットの前記復路の移動にて形成される前記第2のドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のずれを調整し、前記第1インク吐出部群及び前記第2インク吐出部群にて、各々の前記インク吐出部に割り付けられた領域に、前記各インク吐出部からインクを吐出させて、1つの画像を印刷させる機能を実現させるためのコンピュータプログラム。
  14. (a)インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するためのインク吐出部が吐出部列方向に複数並ぶ第1インク吐出部群と、前記インク吐出部が前記吐出部列方向に複数並ぶ第2インク吐出部群と、を有するインク吐出部群ユニットであって、前記第1インク吐出部群と前記第2吐出部群とが前記吐出部列方向に並ぶインク吐出部群ユニットと、
    (b)前記インク吐出部群ユニットを前記吐出部列方向と交差する方向である移動方向に沿って移動させるための移動部と、
    (c)前記インク吐出部ユニットと前記印刷媒体とを前記吐出部列方向に相対的に移動させる搬送部と、
    (d)前記インク吐出部群ユニットの前記移動方向における往路の第1の移動において前記第1インク吐出部群からインクを吐出させて第1のドットを形成し、前記搬送部に前記インク吐出部ユニットと前記印刷媒体とを相対移動させ、前記インク吐出部群ユニットの前記移動方向における往路の第2の移動において前記第2インク吐出部群からインクを吐出させて前記移動方向について前記第1のドットの間に第2ドットを形成させる制御部と、を備え、前記インク吐出部群ユニットは外力により移動し、前記第1インク吐出部群は、前記移動方向と交差する方向にて、前記外力が作用する部位と最も離れた位置に存在するインク吐出部群以外のインク吐出部群であり、前記インク吐出部群は各々、前記インク吐出部からインクを吐出させるための単一の基準吐出信号に基づいて駆動されている印刷装置において、
    前記第1の往路にて形成される前記第1ドットと前記第2の往路にて形成される第2ドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のずれを調整する位置ずれ調整を実行するための印刷パターンを、前記インク吐出部群ユニットの前記往路の第1の移動の際に、前記第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させ、前記往路の第2の移動の際に、前記第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させることにより印刷させ、
    前記印刷された印刷パターンに基づいて、前記第1インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを基準として、前記第2インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを調節することにより、前記インク吐出部群ユニットの前記往路の第1の移動にて形成される前記第1のドットと、前記インク吐出部群ユニットの前記往路の第2の移動にて形成される前記第2のドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のずれを調整し、前記第1インク吐出部群及び前記第2インク吐出部群にて、各々の前記インク吐出部に割り付けられた領域に、前記各インク吐出部からインクを吐出させて、1つの画像を印刷させる機能を実現させるためのコンピュータプログラム。
  15. (A)印刷装置であって、
    (a)インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するためのインク吐出部が吐出部列方向に複数並ぶ第1インク吐出部群と、前記インク吐出部が前記吐出部列方向に複数並ぶ第2インク吐出部群と、を有するインク吐出部群ユニットであって、前記第1インク吐出部群と前記第2吐出部群とが前記吐出部列方向に並ぶインク吐出部群ユニットと、
    (b)前記インク吐出部群ユニットを前記吐出部列方向と交差する方向である移動方向に沿って移動させるための移動部と、
    (c)前記インク吐出部ユニットと前記印刷媒体とを前記吐出部列方向に相対的に移動させる搬送部と、
    (d)前記インク吐出部群ユニットの前記移動方向における往路において前記第1インク吐出部群からインクを吐出させて第1のドットを形成し、前記搬送部に前記インク吐出部ユニットと前記印刷媒体とを相対移動させ、前記インク吐出部群ユニットの前記移動方向における復路において前記第2インク吐出部群からインクを吐出させて前記吐出部列方向について前記第1のドットの間に第2ドットを形成させる制御部であって、
    前記往路にて形成される前記第1ドットと前記復路にて形成される前記第2ドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のずれを調整する位置ずれ調整を実行するための印刷パターンを、前記インク吐出部群ユニットの前記往路の移動の際に、前記第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させ、前記復路の移動の際に、前記第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させることにより印刷させる制御部と、を有し、
    前記インク吐出部群ユニットは外力により移動し、前記第1インク吐出部群は、前記移動方向と交差する方向にて、前記外力が作用する部位と最も離れた位置に存在するインク吐出部群以外のインク吐出部群であり、
    前記インク吐出部群は各々、前記インク吐出部からインクを吐出させるための単一の基準吐出信号に基づいて駆動されており、
    前記第1インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを基準として、前記第2インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを調節することにより、前記位置ずれ調整を実行する印刷装置と、
    (B)前記印刷装置に接続されるコンピュータ本体と、
    を有する印刷システム。
  16. (A)印刷装置であって、
    (a)インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するためのインク吐出部が吐出部列方向に複数並ぶ第1インク吐出部群と、前記インク吐出部が前記吐出部列方向に複数並ぶ第2インク吐出部群と、を有するインク吐出部群ユニットであって、前記第1インク吐出部群と前記第2吐出部群とが前記吐出部列方向に並ぶインク吐出部群ユニットと、
    (b)前記インク吐出部群ユニットを前記吐出部列方向と交差する方向である移動方向に沿って移動させるための移動部と、
    (c)前記インク吐出部ユニットと前記印刷媒体とを前記吐出部列方向に相対的に移動させる搬送部と、
    (d)前記インク吐出部群ユニットの前記移動方向における往路の第1の移動において前記第1インク吐出部群からインクを吐出させて第1のドットを形成し、前記搬送部に前記インク吐出部ユニットと前記印刷媒体とを相対移動させ、前記インク吐出部群ユニットの前記移動方向における往路の第2の移動において前記第2インク吐出部群からインクを吐出させて前記移動方向について前記第1のドットの間に第2ドットを形成させる制御部であって、
    前記第1の往路にて形成される前記第1ドットと前記第2の往路にて形成される第2ドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のずれを調整する位置ずれ調整を実行するための印刷パターンを、前記インク吐出部群ユニットの前記往路の第1の移動の際に、前記第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させ、前記往路の第2の移動の際に、前記第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させることにより印刷させる制御部と、を有し、
    前記インク吐出部群ユニットは外力により移動し、前記第1インク吐出部群は、前記移動方向と交差する方向にて、前記外力が作用する部位と最も離れた位置に存在するインク吐出部群以外のインク吐出部群であり、
    前記インク吐出部群は各々、前記インク吐出部からインクを吐出させるための単一の基準吐出信号に基づいて駆動されており、
    前記第1インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを基準として、前記第2インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを調節することにより、前記位置ずれ調整を実行する印刷装置と、
    (B)前記印刷装置と接続するコンピュータ本体と、
    を有する印刷システム。
  17. (a)インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するためのインク吐出部が吐出部列方向に複数並ぶ第1インク吐出部群と、前記インク吐出部が前記吐出部列方向に複数並ぶ第2インク吐出部群と、を有するインク吐出部群ユニットであって、前記第1インク吐出部群と前記第2吐出部群とが前記吐出部列方向に並ぶインク吐出部群ユニットと、
    (b)前記インク吐出部群ユニットを前記吐出部列方向と交差する方向である移動方向に沿って移動させるための移動部と、
    (c)前記インク吐出部ユニットと前記印刷媒体とを前記吐出部列方向に相対的に移動させる搬送部と、
    (d)前記インク吐出部群ユニットの前記移動方向における往路において前記第1インク吐出部群からインクを吐出させて第1のドットを形成し、前記搬送部に前記インク吐出部ユニットと前記印刷媒体とを相対移動させ、前記インク吐出部群ユニットの前記移動方向における復路において前記第2インク吐出部群からインクを吐出させて前記吐出部列方向について前記第1のドットの間に第2ドットを形成させる制御部と、
    を備え、前記インク吐出部群ユニットは外力により移動し、前記第1インク吐出部群は、前記移動方向と交差する方向にて、前記外力が作用する部位と最も離れた位置に存在するインク吐出部群以外のインク吐出部群であり、前記インク吐出部群は各々、前記インク吐出部からインクを吐出させるための単一の基準吐出信号に基づいて駆動されている印刷装置において、
    前記往路にて形成される前記第1ドットと前記復路にて形成される前記第2ドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のずれを調整する位置ずれ調整を実行するための印刷パターンを、前記インク吐出部群ユニットの前記往路の移動の際に、前記第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させ、前記復路の移動の際に、前記第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させることにより印刷させるステップと、
    前記印刷された印刷パターンに基づいて、前記第1インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを基準として、前記第2インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを調節することにより、前記インク吐出部群ユニットの前記往路の移動にて形成される前記第1のドットと、前記インク吐出部群ユニットの前記復路の移動にて形成される前記第2のドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のずれを調整し、前記第1インク吐出部群及び前記第2インク吐出部群にて、各々の前記インク吐出部に割り付けられた領域に、前記各インク吐出部からインクを吐出させて、1つの画像を印刷させるステップと、
    を有する印刷方法。
  18. (a)インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するためのインク吐出部が吐出部列方向に複数並ぶ第1インク吐出部群と、前記インク吐出部が前記吐出部列方向に複数並ぶ第2インク吐出部群と、を有するインク吐出部群ユニットであって、前記第1インク吐出部群と前記第2吐出部群とが前記吐出部列方向に並ぶインク吐出部群ユニットと、
    (b)前記インク吐出部群ユニットを前記吐出部列方向と交差する方向である移動方向に沿って移動させるための移動部と、
    (c)前記インク吐出部ユニットと前記印刷媒体とを前記吐出部列方向に相対的に移動させる搬送部と、
    (d)前記インク吐出部群ユニットの前記移動方向における往路の第1の移動において前記第1インク吐出部群からインクを吐出させて第1のドットを形成し、前記搬送部に前記インク吐出部ユニットと前記印刷媒体とを相対移動させ、前記インク吐出部群ユニットの前記移動方向における往路の第2の移動において前記第2インク吐出部群からインクを吐出させて前記移動方向について前記第1のドットの間に第2ドットを形成させる制御部と、を備え、前記インク吐出部群ユニットは外力により移動し、前記第1インク吐出部群は、前記移動方向と交差する方向にて、前記外力が作用する部位と最も離れた位置に存在するインク吐出部群以外のインク吐出部群であり、前記インク吐出部群は各々、前記インク吐出部からインクを吐出させるための単一の基準吐出信号に基づいて駆動されている印刷装置において、
    前記第1の往路にて形成される前記第1ドットと前記第2の往路にて形成される第2ドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のずれを調整する位置ずれ調整を実行するための印刷パターンを、前記インク吐出部群ユニットの前記往路の第1の移動の際に、前記第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させ、前記往路の第2の移動の際に、前記第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部に割り付けられた領域に当該インク吐出部からインク滴を吐出させることにより印刷させるステップと、
    前記印刷された印刷パターンに基づいて、前記第1インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを基準として、前記第2インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを調節することにより、前記インク吐出部群ユニットの前記往路の第1の移動にて形成される前記第1のドットと、前記インク吐出部群ユニットの前記往路の第2の移動にて形成される前記第2ドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のずれを調整し、前記第1インク吐出部群及び前記第2インク吐出部群にて、各々の前記インク吐出部に割り付けられた領域に、前記各インク吐出部からインクを吐出させて、1つの画像を印刷させるステップと、
    を有する印刷方法。
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