JP4599890B2 - 印刷装置、コンピュータプログラム、及び、ドット形成位置のズレ補正方法 - Google Patents

印刷装置、コンピュータプログラム、及び、ドット形成位置のズレ補正方法 Download PDF

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Description

この発明は、複数のインク吐出部を有する印刷装置、コンピュータプログラム、印刷システム、及び、印刷方法に関する。
従来、複数のインク吐出部群を有する印刷装置として、インクを吐出する印刷ヘッドを備え、吐出したインクにより媒体にドットを形成することにより印刷するインクジェットプリンタが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなインクジェットプリンタでは、大判の印刷用紙(例えばJIS規格のA列0番用紙やB列0番用紙やロール紙)に、複数の印刷ヘッドを用いて1つの画像を高速に印刷するような大型のインクジェットプリンタが考えられている。このような大型のインクジェットプリンタにあっては、印刷する用紙のサイズに対応すべく印刷ヘッドが適宜間隔を隔てて搭載されたキャリッジを有し、キャリッジが所定の移動機構により移動されつつ、複数の印刷ヘッドから各々インクを吐出して1つの画像を印刷することが可能である。このため、同一の目標位置に向けて各印刷ヘッドから吐出されたインクにて形成されるドットの位置を、各印刷ヘッドに対して調節する必要がある。例えば、キャリッジを往復移動させ、往路と復路とでそれぞれインクを吐出して印刷するいわゆる「双方向印刷」を行う際には、往路と復路とにて吐出されるインク滴によるドットの形成位置を補正する必要がある。往路と復路とにて吐出されるインク滴によるドットの形成位置を補正する方法としては、例えば、まず、往路にて吐出されるインク滴にて、移動方向方向に一定の間隔を隔て、移動方向と直交する方向に延びる複数の縦ラインを、所定の印刷ヘッドを用いて印刷する。次に、復路にて出力されるインク滴にて、移動方向方向に一定の間隔を隔て、移動方向と直交する方向に延びる複数の縦ラインを、前記所定の印刷ヘッドと異なる印刷ヘッドを用いて印刷する。このとき、復路にて印刷された縦ラインは、理想位置に印刷された場合には、往路にて印刷された縦ラインと直線状に繋がる縦ラインを基準とし、前記補正量が増える方向、及び、減る方向にそれぞれ違えた補正量を用いて複数の縦ラインを印刷する。このようにして得られた印刷パターンの、往路の印刷による縦ラインと、復路の印刷による縦ラインとが、直線状に印刷されたところをユーザ等が目視で確認した結果に基づいて、ドットの形成位置を調節する。
特開平9−262992号公報
移動機構によりキャリッジが移動される際には、キャリッジの所定の部位に外力が作用する。このため、キャリッジが移動する際には、外力が作用する部位に近い側に位置する印刷ヘッドと、遠い側に位置する印刷ヘッドとでは挙動が相違する。この挙動の相違により、各印刷ヘッドから吐出されたインクにより印刷用紙に形成されるドットの位置が当初の目標位置、すなわち理想位置と異なり、画質が低下する畏れがあるという課題がある。
また、複数の印刷ヘッドにより形成されるドットの形成位置を調節する際に、上述したような2本の縦ラインが直線状に並んでいるか、ズレが生じているかを目視で判断することは難しく、ユーザ等が誤った調節をしてしまう虞がある。さらに印刷ヘッドを複数有していると、ドットの形成しなければならない印刷ヘッド同士、インク吐出部群同士が多いため作業が繁雑であるという課題がある。
この発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、複数の印刷ヘッドにて各々形成されるドットの形成位置を容易に、且つ、より適切に調節することが可能な印刷装置、コンピュータプログラム、印刷システム、及び、印刷方法を提供することを目的とする。
主たる発明は、インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するためのインク吐出部を備えたインク吐出部群を複数有し、所定の移動方向に沿って移動される移動体を具備し、前記移動体を複数回移動させつつ前記インク吐出部からインクを吐出して形成される印刷パターンに基づいて、前記移動体の第1の移動にて形成されるドットと、前記移動体の第2の移動にて形成されるドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のズレを補正する位置ズレ補正を実行する印刷装置において、前記印刷パターンに向けて光を照射するための発光部と、前記印刷パターンに照射された前記光を受け、受けた光に基づいて情報を出力するための受光部とを有し、前記移動体の第1の移動の際に、当該移動による振動を最も受けやすいインク吐出部群以外の第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部からインクを吐出し、前記第2の移動の際に、前記第1インク吐出部群とは異なる第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部からインクを吐出して印刷パターンを形成し、形成された前記印刷パターンに向けて前記光を前記発光部にて照射した際における前記受光部の出力に基づいて、前記位置ズレ補正を実行し、前記第1インク吐出部群は、前記第2インク吐出部群より、前記移動による振動を受け難いインク吐出部群であり、前記インク吐出部群は各々、前記インク吐出部からインクを吐出させるための単一の基準吐出信号に基づいて駆動されており、前記第1インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを基準として、前記第2インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを調節することにより、前記ドット形成位置を補正することを特徴とする印刷装置である。
また、インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するためのインク吐出部を備えたインク吐出部群を複数有し、所定の移動方向に沿って移動される移動体を具備し、前記移動体を複数回移動させつつ前記インク吐出部からインクを吐出して形成される印刷パターンに基づいて、前記移動体の第1の移動にて形成されるドットと、前記移動体の第2の移動にて形成されるドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のズレを補正する位置ズレ補正を実行する印刷装置において、前記印刷パターンに向けて光を照射するための発光部と、前記印刷パターンに照射された前記光を受け、受けた光に基づいて情報を出力するための受光部とを有し、前記移動体の第1の移動の際に、当該移動による振動を最も受けやすいインク吐出部群以外の第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部からインクを吐出し、前記第2の移動の際に、前記第1インク吐出部群とは異なる第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部からインクを吐出して印刷パターンを形成し、形成された前記印刷パターンに向けて前記光を前記発光部にて照射した際における前記受光部の出力に基づいて、前記位置ズレ補正を実行し、前記移動体は外力により移動され、前記第1インク吐出部群は、前記移動方向と交差する方向にて、前記第2インク吐出部群より、前記外力が作用する部位に近い側に位置し、前記インク吐出部群は各々、前記インク吐出部からインクを吐出させるための単一の基準吐出信号に基づいて駆動されており、前記第1インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを基準として、前記第2インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを調節することにより、前記ドット形成位置を補正することを特徴とする印刷装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明確にする。
本明細書及び添付図面の記載により少なくとも次のことが明らかにされる。
インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するためのインク吐出部を備えたインク吐出部群を複数有し、所定の移動方向に沿って移動される移動体を具備し、前記移動体を複数回移動させつつ前記インク吐出部からインクを吐出して形成される印刷パターンに基づいて、前記移動体の第1の移動にて形成されるドットと、前記移動体の第2の移動にて形成されるドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のズレを補正する位置ズレ補正を実行する印刷装置において、前記印刷パターンに向けて光を照射するための発光部と、前記印刷パターンに照射された前記光を受け、受けた光に基づいて情報を出力するための受光部とを有し、前記移動体の第1の移動の際に、当該移動による振動を最も受けやすいインク吐出部群以外の第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部からインクを吐出し、前記第2の移動の際に、前記第1インク吐出部群とは異なる第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部からインクを吐出して印刷パターンを形成し、形成された前記印刷パターンに向けて前記光を前記発光部にて照射した際における前記受光部の出力に基づいて、前記位置ズレ補正を実行することを特徴とする印刷装置である。
このような印刷装置によれば、複数のインク吐出部群を有する移動体の第1の移動にて形成されるドットと、第2の移動にて形成されるドットにて印刷した印刷パターンに、発光部が発した光を照射した際の受光部の出力に基づいて、位置ズレ補正を実行するので、目視にて実行する場合と比較して、精度良く且つ安定して確実な補正を実行することが可能である。また、発光部と受光部とを用い、受光部の出力に基づいて位置ズレ補正を実行するので、複数のインク吐出部群に対する煩雑な位置ズレ補正を効率よく実行することが可能である。
かかる印刷装置において、前記第1インク吐出部群は、前記第2インク吐出部群より、前記移動による振動を受け難いインク吐出部群であることが望ましい。
このような印刷装置によれば、移動による振動を受け難い第1インク吐出部群により形成されたドットは、移動時の挙動による影響を受けにくいので、ほぼ目標位置に形成される。ドットの位置ズレ補正に用いる印刷パターンは、第1インク吐出部群と第2インク吐出部群とからそれぞれ吐出されたインクにて印刷されるので、この印刷パターンを用いて位置ズレ補正を実行することにより、第2インク吐出部群からインク滴を吐出して、目標位置にドットを形成することが可能である。
かかる印刷装置において、前記移動体は外力により移動され、前記第1インク吐出部群は、前記移動方向と交差する方向にて、前記外力が作用する部位と最も離れた位置に存在するインク吐出部群以外のインク吐出部群であることが望ましい。
複数のインク吐出部群を有する移動体の大きさは、各インク吐出部群と比較して大きいため、移動体に外力が作用する部位の近くに位置するインク吐出部群と、離れて位置するインク吐出部群が存在することになる。移動体が移動される際の挙動は、移動方向と交差する方向にて、外力が作用する部位と最も離れた位置に存在するインク吐出部群にて、最も不安定になるため、振動しやすい。このため、第1インク吐出部群を、外力が作用する部位と最も離れた位置に存在するインク吐出部群以外のインク吐出部群とすることにより、第2インク吐出部群からインク滴を吐出して適正な位置にドットを形成することが形成することが可能である。
かかる印刷装置において、前記第1インク吐出部群は、前記移動方向と交差する方向にて、前記第2インク吐出部群より、前記外力が作用する部位に近い側に位置することが望ましい。
このような印刷装置によれば、第2インク吐出部より、外力が作用する部位に近い側に位置する第1インク吐出部群にて形成されたドットの位置に、第2インク吐出部にて形成されるドットの位置を合わせることになる。このため、より安定した挙動にて移動する第1インク吐出部群にて形成されたドットを基準として、第2インク吐出部にて形成されるドットの位置が補正されるため、より適正な位置ズレ補正を実行することが可能である。
かかる印刷装置において、前記第1インク吐出部群は、前記第2インク吐出部群より、前記外力が作用する部位の中心に近い側に位置することが望ましい。
このような印刷装置によれば、例えば移動体が相反する方向に移動する場合であっても、そのいずれの方向への移動に対しても挙動が安定しているインク吐出部群にて形成されるドットの位置を基準として位置ズレ補正を実行することが可能である。
かかる印刷装置において、前記インク吐出部群は各々、前記インク吐出部からインクを吐出させるための単一の基準吐出信号に基づいて駆動されており、前記第1インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを基準として、前記第2インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを調節することにより、前記ドット形成位置を補正することが望ましい。
このような印刷装置によれば、複数のインク吐出部群における基準吐出信号のタイミングを調節することにより、前記ドット形成位置を補正するので、第1インク吐出部群にて形成されるドットと、第2インク吐出部群にて形成されるドットの位置ズレ補正を容易に且つ正確に実行することが可能である。
かかる印刷装置において、前記インク吐出部群は、各々少なくとも2つのインク吐出部を備え、同一の前記インク吐出部群に備えられた各インク吐出部は互いに異なる色のインクを前記インク吐出部毎に吐出し、前記移動体は往復移動可能であり、前記第1の移動は、前記移動体の往路方向の移動であり、前記第2の移動は、前記移動体の復路方向の移動であり、前記第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部と、前記第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部とから同色のインクを吐出して前記印刷パターンを印刷することが望ましい。
このような印刷装置によれば、移動体が往復移動しつつ、往路にて第1インク吐出部群から、また、復路にて第2インク吐出部群から、各々インクを吐出して、1つの画像を印刷する際に、互いに異なるインク吐出部群に設けられ、同色のインクを吐出するインク吐出部群から吐出したインクにて形成されるドット同士の位置ズレを適正に補正することが可能である。このため、第1インク吐出部群及び第2インク吐出部群を用いて、往復移動しつつ良好な1つの画像を印刷することが可能である。
かかる印刷装置において、前記インク吐出部群は、各々少なくとも2つのインク吐出部を備え、同一の前記インク吐出部群に備えられた各インク吐出部は互いに異なる色のインクを前記インク吐出部毎に吐出し、前記移動体は往復移動可能であり、前記第1の移動は、前記移動体の往路方向又は復路方向の特定方向の移動であり、前記第2の移動は、前記第1の移動と異なるタイミングにて実行される前記特定方向の移動であり、前記第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部と、前記第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部とから同色のインクを吐出して前記印刷パターンを印刷することとしてもよい。
このような印刷装置によれば、移動体が所定方向に移動しつつ第1インク吐出部群から、また、異なるタイミングの所定方向の移動にて第2インク吐出部群から、各々インクを吐出して、1つの画像を印刷する際に、互いに異なるインク吐出部群に設けられ、同色のインクを吐出するインク吐出部群から吐出したインクにて形成されるドット同士の位置ズレを適正に補正することが可能である。このため、第1インク吐出部群及び第2インク吐出部群を用いて、所定方向に移動しつつ良好な1つの画像を印刷することが可能である。
かかる印刷装置において、前記印刷パターンは、前記第1インク吐出部群と、前記第2インク吐出部群とからそれぞれ吐出されたインクにて形成される複数のサブパターンを有し、前記複数のサブパターンのうち、濃度においてピークを有する前記サブパターンに基づいて、前記位置ズレ補正を実行することが望ましい。
このような印刷装置によれば、例えば、サブパターンを印刷する際に往路における理想のドット形成位置と、復路における理想のドット形成位置とが同じ位置である場合には、往路におけるドット形成位置と復路におけるドット形成位置とにズレが生じていないときに、往路のドットと復路のドットとが重なり、ズレが生じたときにそれらのドットが異なる位置に印刷される。よって、ズレが生じていないときには、被印刷体の表面を占めるインクの量が少なく濃度は低くなり、ズレが生じたときには、被印刷体の表面を占めるインクの量が多く濃度は高くなる。また、往路と復路とにおける理想のドット形成位置が、ドット間距離の半分だけずれた位置である場合には、往路におけるドット形成位置と復路におけるドット形成位置とにズレが生じていないときに、往路のドット間の中央に復路のドットが印刷され濃度が高くなり、ズレが生じたときにそれらのドット間の距離にばらつきが生じて濃度が低下する。このため、往路におけるドット形成位置と復路におけるドット形成位置とのズレ量がサブパターンの濃度差となって現れる。すなわち、ズレが生じていない場合のサブパターンの濃度は、最も高いピークとなるか、又は、最も低いピークとなる。このため、濃度においてピークを有する前記サブパターンに基づいて、前記位置ズレ補正を実行することにより、高精度な補正を行うことが可能となる。
かかる印刷装置において、前記印刷パターンは、前記第1インク吐出部群と、前記第2インク吐出部群とからそれぞれ吐出されたインクにて形成される複数のサブパターンを有し、前記複数のサブパターンのうち、濃度においてピークを有する2つ以上のサブパターンに基づいて、前記位置ズレ補正を実行することが望ましい。
このような印刷装置によれば、複数のサブパターンのうち、濃度においてピークを有する2つ以上のサブパターンに基づいて、前記位置ズレ補正を実行するので、ピークを有するサブパターンが1つの場合と比較して、より高精度な補正を実行することが可能である。
かかる印刷装置において、前記位置ズレ補正を実行するための複数の補正量を有し、前記各サブパターンにおける前記第1インク吐出部群にて形成されたドットと、前記第2インク吐出部群にて形成されたドットとのドット形成位置のズレ量は、前記サブパターン毎に異なる前記補正量であることが望ましい。
このような印刷装置によれば、ドット形成位置とのズレ量は、サブパターン毎に異なる補正量とするので、適正な補正量を、濃淡において濃度検知性のよい印刷パターンによって認識することが可能となる。
かかる印刷装置において、前記印刷パターンは、前記補正量が前記移動方向に沿って順次変化するように配置されており、前記印刷パターンの前記移動方向における濃度分布において突出する2つのサブパターンを抽出し、抽出したサブパターンの補正量の中央値を、前記位置ズレ補正を実行するための補正量とすることが望ましい。
このような印刷装置によれば、印刷パターンは、移動方向に沿って濃淡の変化が周期的に現れることになる。このサブパターンの濃度によって補正量を選択する場合、間違って隣のサブパターンを選択してしまったとしても、補正量が移動方向に沿って順次変化するように並べられた印刷パターンの移動方向の濃度分布に基づいて二つのサブパターンを抽出し、抽出したサブパターンの補正量の中央値を、位置ズレ補正を実行するための補正量とすることによって、サブパターンの検出ミスによる誤差を半分にすることが可能となる。
かかる印刷装置において、前記第1インク吐出部群及び前記第2インク吐出部群は、無彩色インクを吐出する無彩色インク吐出部と、有彩色インクを吐出する有彩色インク吐出部とを各々有し、前記無彩色インク吐出部からインクを吐出してドットを形成する際と、前記有彩色インクを使用してドットを形成する際とに応じて前記位置ズレ補正を実行することが望ましい。
無彩色インクは、主としてテキスト等の印刷に用いられ単色であるため、この無彩色インクにて形成されるドット同士の位置ズレを補正することが望ましい。一方、有彩色インクは主として写真等の自然画などを印刷のために複数色のインクが用いられるため、これら複数色のインクにて形成されるドット同士の位置ズレを補正することが望ましい。すなわち、上記印刷装置によれば、無彩色インク吐出部からインクを吐出してドットを形成する際と、有彩色インクを使用してドットを形成する際とに、それぞれ応じた位置ズレ補正を実行するので、無彩色インクにて画像を印刷する場合、及び、有彩色インクを使用して画像を印刷する場合のいずれの場合においても、良好な画像を印刷することが可能である。
かかる印刷装置において、各々の前記インク吐出部群は前記有彩色インク吐出部を複数有し、各有彩色インク吐出部は、互いに異なる色のインクを色ごとに吐出し、前記有彩色インクを使用してドットを形成する際に応じて前記位置ズレ補正を実行する場合には、前記有彩色インクのうち、画像の低階調部分を印刷する際に主に用いられる色のインクにて、前記印刷パターンを形成することが望ましい。
上述したように、有彩色インクを使用して印刷される主として写真等の自然画などは特に高画質が求められる。また、自然画が有する低階調部分を構成するドットの形成位置にズレが生じると画質が低下する畏れがある。このため、画像の低階調部分を印刷する際に主に用いられる色のインクにて印刷パターンを印刷し、この印刷パターンに基づいてドットの位置ズレ補正を実行することにより、自然画等をより高画質に印刷することが可能である。
かかる印刷装置において、前記インク吐出部は、サイズが異なる複数種類のドットを形成可能であり、前記印刷パターンは、前記複数種類のドットのうちのいずれかのサイズのドットにて形成されることが望ましい。
このような印刷装置によれば、複数種類のすべてのサイズのドットにて印刷パターンを印刷し、各々にてドットに対する位置ズレ補正用の補正値を設定する場合より、短時間に補正値を設定することが可能である。
かかる印刷装置において、前記インク吐出部は、サイズが異なる複数種類のドットを形成可能であり、前記位置ズレ補正は、前記複数種類のドットにてそれぞれ形成した前記印刷パターンに基づいて取得された前記補正量の平均値を、前記位置ズレ補正を実行するための補正量とすることとしてもよい。
このような印刷装置によれば、複数種類のドットのうちのいずれかのサイズのドットにて形成された印刷パターンに基づいて、所定のサイズのドットのみ位置ズレ補正を実行する場合と比較して、いずれのサイズのドットも位置ズレ補正されるため、各サイズのドットの形成位置が、目標位置から大幅に外れることを抑えることが可能である。このため、各々サイズのドットにて形成される画像を、いずれも比較的良好に印刷することが可能である。
また、インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するための少なくとも2つのインク吐出部を備えたインク吐出部群を複数有し、所定の移動方向に沿って移動される移動体を具備し、前記移動体を複数回移動させつつ前記インク吐出部からインクを吐出して形成される印刷パターンに基づいて、前記移動体の第1の移動にて形成されるドットと、前記移動体の第2の移動にて形成されるドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のズレを補正する位置ズレ補正を実行する印刷装置において、前記印刷パターンに向けて光を照射するための発光部と、前記印刷パターンに照射された前記光を受け、受けた光に基づいて情報を出力するための受光部とを有し、各々前記インク吐出部群が備える少なくとも2つのインク吐出部は、サイズが異なる複数種類のドットを形成可能であり、無彩色インクと、有彩色インクとを各々含み、互いに異なる色のインクをインク吐出部毎に吐出し、前記位置ズレ補正を実行するための複数の補正量を有し、前記移動体は往復移動可能であり、前記インク吐出部群は各々、前記インク吐出部からインクを吐出させるための単一の基準吐出信号に基づいて駆動されており、前記移動体は外力により移動され、前記移動体の往路方向の移動の際に、前記第2インク吐出部群より、前記外力が作用する部位の中心に近い側に位置する第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部と、復路方向の移動の際に、前記第1インク吐出部群とは異なる第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部とから、同色のインクを吐出して、前記第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部と、前記第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部とからそれぞれ吐出されたインクにて形成され、前記第1インク吐出部群にて形成されたドットと、前記第2インク吐出部群にて形成されたドットとのドット形成位置のズレ量が、互いに異なる前記補正量である複数のサブパターンを有する印刷パターンを形成し、前記印刷パターンは、前記補正量が前記移動方向に沿って順次変化するように配置されており、形成された前記印刷パターンに向けて前記光を前記発光部にて照射した際における前記受光部の出力に基づき、前記印刷パターンの前記移動方向における濃度分布において突出する2つのサブパターンを抽出し、抽出したサブパターンの補正量の中央値を、前記位置ズレ補正を実行するための補正量として、前記第1インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを基準として、前記第2インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを調節することにより、前記無彩色インク吐出部からインクを吐出してドットを形成する際と、前記有彩色インクを使用してドットを形成する際とに応じて、前記位置ズレ補正を実行し、前記有彩色インクを使用してドットを形成する際に応じて前記位置ズレ補正を実行する場合には、前記有彩色インクのうち、画像の低階調部分を印刷する際に主に用いられる色のインクにて、前記印刷パターンを形成し、前記印刷パターンは、前記複数種類のドットのうちのいずれかのサイズのドットにて形成され、前記位置ズレ補正は、前記複数種類のドットにてそれぞれ形成された前記印刷パターンに基づいて取得された前記補正量の平均値を、前記位置ズレ補正を実行するための補正量とすることを特徴とする印刷装置である。
このような印刷装置によれば、既述のすべての効果を奏するため、本発明の目的が最も有効に達成される。
また、インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するための少なくとも2つのインク吐出部を備えたインク吐出部群を複数有し、所定の移動方向に沿って移動される移動体を具備し、前記移動体を複数回移動させつつ前記インク吐出部からインクを吐出して形成される印刷パターンに基づいて、前記移動体の第1の移動にて形成されるドットと、前記移動体の第2の移動にて形成されるドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のズレを補正する位置ズレ補正を実行し、前記印刷パターンに向けて光を照射するための発光部と、前記印刷パターンに照射された前記光を受け、受けた光に基づいて情報を出力するための受光部とを有する印刷装置に、前記移動体の第1の移動の際に、当該移動による振動を最も受けやすいインク吐出部群以外の第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部からインクを吐出し、前記第2の移動の際に、前記第1インク吐出部群とは異なる第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部からインクを吐出して印刷パターンを形成させ、形成された前記印刷パターンに向けて前記光を前記発光部にて照射した際における前記受光部の出力に基づいて、前記位置ズレ補正を実行させる機能を実現させるためのコンピュータプログラムも実現可能である。
また、コンピュータ本体、及び、このコンピュータ本体に接続され、インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するための少なくとも2つのインク吐出部を備えたインク吐出部群を複数有し、所定の移動方向に沿って移動される移動体を具備し、前記移動体を複数回移動させつつ前記インク吐出部からインクを吐出して形成される印刷パターンに基づいて、前記移動体の第1の移動にて形成されるドットと、前記移動体の第2の移動にて形成されるドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のズレを補正する位置ズレ補正を実行する印刷装置、を有する印刷システムにおいて、前記印刷パターンに向けて光を照射するための発光部と、前記印刷パターンに照射された前記光を受け、受けた光に基づいて情報を出力するための受光部とを有し、前記移動体の第1の移動の際に、当該移動による振動を最も受けやすいインク吐出部群以外の第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部からインクを吐出し、前記第2の移動の際に、前記第1インク吐出部群とは異なる第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部からインクを吐出して印刷パターンを形成し、形成された前記印刷パターンに向けて前記光を前記発光部にて照射した際における前記受光部の出力に基づいて、前記位置ズレ補正を実行することを特徴とする印刷システムも実現可能である。
また、インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するための少なくとも2つのインク吐出部を備えたインク吐出部群を複数有し、所定の移動方向に沿って移動される移動体の第1の移動の際に、当該移動による振動を最も受けやすいインク吐出部群以外の第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部からインクを吐出し、前記移動体の第2の移動の際に、前記第1インク吐出部群とは異なる第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部からインクを吐出して印刷パターンを形成するステップと、形成された前記印刷パターンに向けて光を照射し、前記印刷パターンに照射された前記光に基づいて情報を出力するステップと、出力された前記情報に基づいて、前記移動体の第1の移動にて形成されるドットと、前記移動体の第2の移動にて形成されるドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のズレを補正するステップと、を有するドット形成位置のズレ補正方法も実現可能である。
===印刷装置の概略例===
図1及び図2は本発明の実施形態として、インク吐出部としてのノズル列からインクを吐出して印刷する印刷装置としてのカラーインクジェットプリンタ(以下、カラープリンタという)20の概要を示す斜視図である。このカラープリンタ20は、カラー画像の出力が可能なインクジェットプリンタであり、例えば、シアン系インクとしてのシアンインク(C)及びライトシアンインク(淡いシアンインク、LC)、マゼンタ系インクとしてのマゼンタインク(M)及びライトマゼンタインク(淡いマゼンタインク、LM)、イエローインク(Y)、ブラックインク(K)の6色の色インクを印刷用紙などの様々な媒体上に吐出してドットを形成することによって画像を印刷するインクジェット方式のプリンタである。なお、色インクは上記6色に限らず、例えばダークイエロー(暗いイエロー、DY)などを用いても良い。また、カラープリンタ20は、例えば被印刷媒体としての印刷用紙をロール状に巻き付けたロール紙や、JIS規格のA列0番用紙やB列0番用紙といった比較的大型の単票状の印刷用紙にも対応している。図1及び図2の例においては、カラープリンタ20にロール紙(以下、印刷用紙という)が備えられており、図1と、図2とでは、カラープリンタ20に設けられたキャリッジ28の位置が異なっている。キャリッジ28については後述する。
図示するようにカラープリンタ20は、インクを吐出して印刷用紙Pに印刷する印刷部3と、印刷用紙を搬送するための印刷用紙搬送部5とを有している。
印刷部3は、複数のインク吐出部としてのノズル列を備えたインク吐出部群としての印刷ヘッド36を一体に保持する移動体としてのキャリッジ28と、このキャリッジ28を、印刷用紙Pの搬送方向とほぼ直行する方向(以下、キャリッジ移動方向という)に移動させて往復移動させるためのキャリッジモータ30と、キャリッジモータ30と共に移動機構を構成しキャリッジモータ30により駆動されてキャリッジ28を移動させる金属製の牽引ベルト32と、キャリッジ28を案内するための2本のガイドレール34と、キャリッジ28に固定されたリニア式エンコーダ17と、所定の間隔にスリットが形成されたリニア式エンコーダ用符号板19とを備えている。
ガイドレール34は、キャリッジ移動方向に沿って2本設けられ、搬送方向に互いに間隔を隔てて上下に配置され、左右の両端部側にて基台となるフレーム(図示せず)により支持されている。このとき、2本のガイドレール34は、下側のガイドレール341が上側のガイドレール342より手前に配置されている。このため、これら2本のガイドレール341,342に架け渡されるように配置されるキャリッジ28は、上部が後方に下部が前方に位置するように傾斜した状態にて移動する。
キャリッジ28が案内される上側のガイドレール342には、リニア式エンコーダ用符号板19がガイドレール342に沿って設けられている。このリニア式エンコーダ用符号板19は、ガイドレール34に沿って移動するキャリッジ28に固定されたリニア式エンコーダ17の検出部と対向するように配置されている。リニア式エンコーダ17については後述する。
牽引ベルト32は、環状に形成されており、上下のガイドレール341,342の中間位置にて、ガイドレール341,342の長さとほぼ等しい間隔を隔てて配置された2つのプーリ44、45に架け渡されている。これらプーリ44,45のうち一方のプーリ44にはキャリッジモータ30が繋がれている。
2本のガイドレール341,342に架け渡されるように配置されたキャリッジ28は、上下方向のほぼ中央にて牽引ベルト32が固定された係合部46を有している。そして、カラープリンタ20は、キャリッジ28がキャリッジモータ30により駆動される牽引ベルト32に牽引されて、ガイドレール34に沿ってキャリッジ移動方向に移動し、このキャリッジ28に備えられた8つの印刷ヘッド36からインクを吐出することにより、印刷用紙搬送部5により紙送された印刷用紙Pに印刷する。このとき、キャリッジ28は牽引ベルト32によって伝達されるキャリッジモータ30の動力により移動する。すなわち、キャリッジ28が移動するための外力が作用するキャリッジ28における部位とは係合部46となる。
本実施形態ではキャリッジ28に8つの印刷ヘッド36が設けられ、これら印刷ヘッド36はインクを吐出する複数のノズルnを有し、後述するヘッド制御ユニット63(図7参照)に制御されて所定のノズルnからインクを吐出する。印刷ヘッド36の印刷用紙Pと対向する面には、複数のノズルnが搬送方向に沿って列状に配置されたインク吐出部列としてのノズル列Nを複数有し、これらノズル列Nはキャリッジ移動方向に沿って平行に並べられている。印刷ヘッド36及びノズルnの配列については後述する。
印刷用紙搬送部5は、前記2本のガイドレール34の背面側に設けられている。印刷用紙搬送部5は、下側ガイドレール341より下方にて印刷用紙Pをホルダ27とともに回動自在に保持するロール紙保持部35と、上側ガイドレール342より上方にて印刷用紙Pを搬送する印刷用紙搬送部37と、それらロール紙保持部35と印刷用紙搬送部37との間にて搬送される印刷用紙Pが沿わされるプラテン26とを有している。このプラテン26は搬送される印刷用紙Pの全幅に亘る平面を有し、この平面が、傾斜した状態にて移動するキャリッジ28に搭載された各印刷ヘッド36と等間隔にて対向するように傾斜して設けられている。
ホルダ27は、印刷用紙Pが保持された状態にて回動軸となる軸体27aを有し、軸体27aの両端部側には供給する印刷用紙Pの蛇行を防止するためのガイド円盤27bがそれぞれ設けられている。
印刷用紙搬送部37は、印刷用紙Pを搬送するための紙搬送ローラ24と、これと対向して配置され紙搬送ローラ24との間に印刷用紙Pを挟持する挟持ローラ29と、紙搬送ローラ24を回動させるための搬送モータ31とを備えている。搬送モータ31の軸には駆動ギア40が、紙搬送ローラ24の軸には駆動ギア40と噛み合う中継ギア41がそれぞれ設けられ、搬送モータ31の動力は、駆動ギア40と中継ギア41とを介して紙搬送ローラ24に伝達される。すなわち、ホルダ27に保持された印刷用紙Pは、紙搬送ローラ24と挟持ローラ29との間に挟持され、搬送モータ31によって、印刷用紙Pはプラテン26に沿って搬送される。
===エンコーダ===
次に、キャリッジ28に設けられたリニア式エンコーダ17について説明する。図3は、キャリッジ28に取付けられたリニア式エンコーダ17の構成を模式的に示した説明図である。
図3に示したリニア式エンコーダ17は、発光ダイオード17aと、コリメータレンズ17bと、検出処理部17cとを備えている。検出処理部17cは、複数(例えば4個)のフォトダイオード17dと、信号処理回路17eと、例えば2個のコンパレータ17fA、17fBとを有している。
発光ダイオード17aの両端に抵抗を介して電圧VCCが印加されると、発光ダイオード17aから光が発せられる。この光はコリメータレンズ17bにより平行光に集光されてリニア式エンコーダ用符号板19を通過する。リニア式エンコーダ用符号板19には、所定の間隔(例えば1/180インチ(1インチ=2.54cm))毎にスリットが設けられている。
リニア式エンコーダ用符号板19を通過した平行光は、図示しない固定スリットを通って各フォトダイオード17dに入射し、電気信号に変換される。4個のフォトダイオード17dから出力される電気信号は信号処理回路17eにおいて信号処理され、信号処理回路17eから出力される信号はコンパレータ17fA、17fBにおいて比較され、比較結果がパルスとして出力される。コンパレータ17fA、17fBから出力されるパルスENC−A、ENC−Bがリニア式エンコーダ17の出力となる。
図4Aは、キャリッジモータ正転時におけるリニア式エンコーダ17の2つの出力信号の波形を示したタイミングチャート、図4Bは、キャリッジモータ逆転時におけるリニア式エンコーダ17の2つの出力信号の波形を示したタイミングチャートである。
図4A、図4Bに示すように、キャリッジモータ正転時及び逆転時のいずれの場合も、パルスENC−AとパルスENC−Bとは位相が90度だけ異なっている。キャリッジモータ30が正転しているとき、即ち、キャリッジ28がキャリッジ移動方向に移動しているときは、図4Aに示すように、パルスENC−AはパルスENC−Bよりも90度だけ位相が進み、キャリッジモータ30が逆転しているときは、図4Bに示すように、パルスENC−AはパルスENC−Bよりも90度だけ位相が遅れる。そして、パルスENC−A及びパルスENC−Bの1周期Tは、キャリッジ28がリニア式エンコーダ用符号板19のスリット間隔を移動する時間に等しい。
本実施形態では、リニア式エンコーダ用符号板19のスリット(白部分)幅はカラープリンタ20の解像度の2倍、ここでは例えば360dpiに相当している。すなわち、キャリッジ28がキャリッジ移動方向に移動した際に、リニア式エンコーダ17からパルスが出力される毎に360dpiに相当する距離を移動したことが検出される。したがって、例えばカラープリンタ20を起動した際の初期動作において、キャリッジ28の待機位置となるべくあらかじめ設定されたホームポジションを認識し、その後リニア式エンコーダ17から出力されるパルスをカウントすることにより、キャリッジ28のキャリッジ移動方向の位置を検出することが可能となる。
また、リニア式エンコーダ17から出力されたパルスを等分割することにより、リニア式エンコーダ用符号板19のスリットより高い解像度にてキャリッジ28の位置を検出することが可能となる。例えば、リニア式エンコーダ17から出力されたパルスを4分割すると、1440dpiの精度にてキャリッジ28の位置を検出し、制御することが可能となる。
===印刷ヘッドの構成===
前記印刷ヘッド36の構成について、図1,図5,図6を用いて説明する。図5は、印刷ヘッド36が有するノズルの配列を説明するための説明図、図6は、隣接する複数の印刷ヘッド36の配置と、それら印刷ヘッド36が有するノズル列の位置関係を示す図である。
印刷ヘッド36は、図5に示すとおり、複数のノズルnが搬送方向に沿って一直線上に配列され、記録部位列としての6列のノズル列Nを有している。本実施形態においては、ノズル列Nは、ブラックノズル列Nk、シアンノズル列Nc、ライトシアンノズル列Nlc、マゼンタノズル列Nm、ライトマゼンタノズル列Nlm、イエローノズル列Nyというように吐出するインク色毎に列をなしているが、これに限るものではない。
ブラックノズル列Nkは、180個のノズルn1〜n180を有し、各ノズルnには、各ノズルnを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。ブラックノズル列Nkのノズルn1、・・・、n180は、搬送方向に沿って一定のノズルピッチk・Dで配置されている。ここで、Dは搬送方向のドットピッチであり、kは1以上の整数である。搬送方向のドットピッチDは、ドットがキャリッジ移動方向に配列された横ドットライン(ラスタライン)のピッチとも等しい。以下では、ノズルピッチk・Dを表す整数kを、単に「ノズルピッチk」と呼ぶ。図5の例では、ノズルピッチkは4ドットである。但し、ノズルピッチkは、任意の整数に設定することができる。
また、上述した事項は、シアンノズル列Nc、ライトシアンノズル列Nlc、マゼンタノズル列Nm、ライトマゼンタノズル列Nlm、イエローノズル列Nyについても、同様である。すなわち、各ノズル列Nは、180個のノズルn1〜n180を有し、搬送方向に沿って一定のノズルピッチk・Dで配置されている。
そして、印刷時には、印刷用紙Pが印刷用紙搬送部5によって間欠的に所定の搬送量で搬送され、その間欠的な搬送の間にキャリッジ28がキャリッジ移動方向に移動して各ノズルnからインク滴が吐出される。但し、印刷方式によって、例えば自然画などを印刷するのインターレース方式などにて印刷する場合には、すべてのノズルnが常に使用されるとは限らず、一部のノズルnのみが使用される場合もある。
キャリッジ28に設けられた8つの印刷ヘッド36のうち、4つの印刷ヘッド36は牽引ベルト32より上側に配置され、残り4つの印刷ヘッド36は牽引ベルト32より下側に配置されている。これら4つずつの印刷ヘッド36間における位置関係は同様であるため、ここでは 上側4つの印刷ヘッド36における位置関係を例に説明する。
4つの印刷ヘッド36は、キャリッジ28が移動するための外力が作用する部位、すなわち係合部46に遠い側に位置する上段側の印刷ヘッド36a,36bと、係合部46に近い側に位置する下段側の印刷ヘッド36c,36dとが、上下方向に2つずつ配置されている。ここで、上段の2つの印刷ヘッド36a,36b及び下段の2つの印刷ヘッド36c、36dは、左右方向に印刷ヘッド36の幅とほぼ等しい間隔を隔てて配置されている。上段の右側に位置する印刷ヘッド36bは、キャリッジ28の右端に位置し、下段の左側に位置する印刷ヘッド36cは、キャリッジ28の左端に位置している。
すなわち、4つの印刷ヘッド36a,36b,36c,36dのうち、左側に位置する2つの印刷ヘッド36a,36c及び右側に位置する2つの印刷ヘッド36b,36dが対をなし、それぞれ対をなす2つの印刷ヘッド36のうち左側に位置する印刷ヘッド36c,36dが下段に位置し、右側に位置する印刷ヘッド36a、36bが上段側に位置して千鳥状に配置されている。ここで、牽引ベルト32より下側に配置された4つの印刷ヘッドも上下に方向に2段に2つずつ配置されているが、下側の4つの印刷ヘッドでは、当然のことながら、上段側の印刷ヘッド36e,36fが、搬送方向において係合部46に近い側に位置し、下段側の印刷ヘッド36g,36hが、搬送方向において係合部46に遠い側に位置することになる。
ところで、キャリッジ28が移動するための動力は、牽引ベルト32によって伝達されるため、キャリッジ28の移動時における振動は、牽引ベルト32とキャリッジ28との係合部46が最も小さく、係合部46から離れるにしたがい大きくなる。このため、上記8つの印刷ヘッド36を有する印刷装置の場合には、最上段と最下段の印刷ヘッド36a,36b,36g,36hが最も振動を受けやすい印刷ヘッド36となる。また、係合部46の上側に位置する4つの印刷ヘッドでは、上段の2つの印刷ヘッド36a,36bの方が下段の2つの印刷ヘッド36c,36dより振動が大きく、係合部46の下側に位置する4つの印刷ヘッドでは、下段の2つの印刷ヘッド36g,36hの方が上段の2つの印刷ヘッド36e,36fより振動が大きいことになる。
また、図6に示すように、牽引ベルト32の上側に配置された4つの印刷ヘッド36は、上段の印刷ヘッドに設けられたノズル列Nの最下端のノズルn180と、下段の印刷ヘッドに設けられたノズル列Nの最上端のノズルn1とのピッチが、それらノズル列Nのノズルピッチと等しくなるように配置されている。すなわち、左側に配置された2つの印刷ヘッド36a,36cの間では、右上に配置された印刷ヘッド36aが有するノズル列Nの最下端側ノズルn180(用紙搬送方向の最後端側ノズル)と、左下の印刷ヘッド36cが有するノズル列Nの最上端側ノズルn1(用紙搬送方向の最先端側ノズル)との間隔が上下方向に、ノズルピッチk・Dとなるように配置されている。また、右側に配置された2つの印刷ヘッド36b,36dの間では、右上の印刷ヘッド36bが有するノズル列Nの最下端側ノズルn180と、左下の印刷ヘッド36dが有するノズル列Nの最上端側ノズルn1との間隔が上下方向に、ノズルピッチk・Dとなるように配置されている。このため、キャリッジの1回の移動において、例えば、左側に位置する2つの印刷ヘッド36a,36cと、右側に位置する2つの印刷ヘッド36b,36dをそれぞれ1つの印刷ヘッド群として扱い、各印刷ヘッド群が有する各ノズル列Nにて、印刷用紙Pに対するキャリッジ移動方向の同一位置にドットを形成すると、群をなす2つの印刷ヘッド36のノズル列Nにて形成したドットが等ピッチにて連続して形成される。
なお、図5においては、各ノズル列のインク色は、図面左側からブラックノズル列Nk、シアンノズル列Nc、ライトシアンノズル列Nlc、マゼンタノズル列Nm、ライトマゼンタノズル列Nlm、イエローノズル列Nyとしたが、これに限定されるものではなく、各ノズル列Nのインク色は、他の並び順で並んでいてもよい。
また、キャリッジ28の上部側には、印刷用紙等の先端位置や紙幅等を検知するための反射型光学式センサ33が設けられている。この反射型光学式センサ33は、印刷時に用紙等が搬送される搬送方向において、すべての印刷ヘッド36より下流側に位置するように配置されている。この反射型光学式センサ33は、印刷されたパターン等の濃度を検出するための濃度検出部としても用いられる。
===印刷システムの全体構成例===
次に印刷システムの全体構成例について、図7及び図8を用いて説明する。図7は、前述したカラープリンタ20を備えた印刷システムの構成を示すブロック図である。図8は、画像処理ユニット38の構成を示すブロック図である。
この印刷システムは、コンピュータ90と、印刷装置の一例としてのカラープリンタ20と、を備えている。なお、カラープリンタ20とコンピュータ90とを含む印刷システムは、広義の「印刷装置」と呼ぶこともできる。また、このシステムは、上記コンピュータ90、上記カラープリンタ20、CRT21及び、図示しない、液晶表示装置等の表示装置、キーボードやマウス等の入力装置、フレキシブルドライブ装置、CD−ROMドライブ装置等のドライブ装置等から構築されている。
コンピュータ90では、所定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム95が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ91が組み込まれており、画像のレタッチなどを行うアプリケーションプログラム95は、処理対象の画像に対して所望の処理を行い、また、ビデオドライバ91を介してCRT21に画像を表示している。
カラープリンタ20は、アプリケーションプログラム95からの印刷データ等が入力され、画像処理ユニット38と、カラープリンタ20全体の動作を制御するシステムコントローラ54と、メインメモリ56と、EEPROM58とを備えている。システムコントローラ54には、さらに、キャリッジモータ30を駆動するキャリッジモータ駆動回路61と、搬送モータ31を駆動するための搬送モータ駆動回路62と、印刷ヘッド36を制御するヘッド制御ユニット63と、キャリッジ28の動作を検出するリニア式エンコーダ17とが接続されている。
図1、図2、及び図7に示したとおり、前述したカラープリンタ20は複数の印刷ヘッド36を有する。本実施の形態においては、キャリッジ28に8つの印刷ヘッド36が搭載され、各印刷ヘッド36はキャリッジ28上にて上下方向と左右方向とにそれぞれ間隔を隔てて配置、各々の印刷ヘッド36は、プリンタ本体に対して着脱可能に構成されている。
さらに、各々の印刷ヘッド36は、当該印刷ヘッド36に備えられた印刷ヘッド36に供給されるインクを収容するためのインクタンク67を備えている。また、印刷ヘッド36は各々前述したヘッド制御ユニット63及び画像処理ユニット38を有し、印刷ヘッド36毎に、基準となる駆動信号に基づいてそれぞれ制御することが可能である。
そして、アプリケーションプログラム95が印刷命令を発すると、カラープリンタ20に設けられた画像処理ユニット38が、画像データをアプリケーションプログラム95から受け取り、これを印刷データPDに変換する。図8に示すように、画像処理ユニット38の内部には、解像度変換モジュール97と、色変換モジュール98と、ハーフトーンモジュール99と、ラスタライザ100と、UIプリンタインターフェースモジュール102と、ラスタデータ格納部103と、色変換ルックアップテーブルLUTと、バッファメモリ50と、イメージバッファ52が備えられている。
解像度変換モジュール97は、アプリケーションプログラム95で形成されたカラー画像データの解像度を、画像データと共に受け取った印刷モード等の情報に基づいて、対応する印刷解像度に変換する役割を果たす。こうして解像度変換された画像データは、まだRGBの3つの色成分からなる画像情報である。色変換モジュール98は、色変換ルックアップテーブルLUTを参照しつつ、画素毎にRGB画像データを、カラープリンタ20が利用可能な複数のインク色の多階調データに変換する。
色変換された多階調データは、例えば256階調の階調値を有している。ハーフトーンモジュール99は、いわゆるハーフトーン処理を実行してハーフトーン画像データを生成する。ここでハーフトーンは、例えば画像を、画素を形成可能な複数の部位にて構成される所定領域毎に分割し、各領域における濃度を、その領域を構成する複数の部位に、大ドット、中ドット、小ドットのいずれかを形成するか否かにより各領域の濃度を表現するものとする。
このハーフトーン画像データは、ラスタライザ100により所望のデータ順に並べ替えられ、最終的な印刷データPDとしてラスタデータ格納部103に対して出力される。このとき、画像の中間調の部分を印刷するためのドットを形成する信号は、前述した牽引ベルト32に近い側に位置する印刷ヘッド36に割り当てられている。
一方、コンピュータ90に備えられたユーザインターフェース表示モジュール101は、印刷に関係する種々のユーザインターフェースウィンドウを表示する機能と、それらのウィンドウ内におけるユーザの入力を受け取る機能とを有している。例えば、ユーザは、印刷用紙の種類、サイズや印刷モード等をユーザインターフェース表示モジュール101に指示することが可能である。
また、UIプリンタインターフェースモジュール102は、ユーザインターフェース表示モジュール101とカラープリンタ20との間のインターフェースとしての機能を有している。ユーザがユーザインターフェースにより指示した命令を解釈して、システムコントローラ54等へ各種コマンドCOMを送信したり、逆に、システムコントローラ54等から受信したコマンドCOMを解釈して、ユーザインターフェースへ各種表示を行ったりする。例えば、ユーザインターフェース表示モジュール101により受け取られた印刷用紙の種類、サイズ等に係る前記指示は、UIプリンタインターフェースモジュール102へ送られ、UIプリンタインターフェースモジュール102は、指示された命令を解釈してシステムコントローラ54へコマンドCOMを送信する。
また、UIプリンタインターフェースモジュール102は、印刷モード設定部としての機能も有する。すなわち、UIプリンタインターフェースモジュール102は、ユーザインターフェース表示モジュール101により受け取られた印刷情報、すなわち印刷する画像の解像度、印刷に使用するノズルに係る情報、搬送方向送り量を示すデータに係る情報等に基づいて記録モードとしての印刷モードを決定し、この印刷モードに応じた印刷データPDがハーフトーンモジュール99やラスタライザ100により生成され、ラスタデータ格納部103へ出力する。ラスタデータ格納部103に出力された印刷データPDは、一旦、バッファメモリ50に蓄えられ、ノズルに対応したデータに変換されてイメージバッファ52に格納される。カラープリンタ20のシステムコントローラ54は、UIプリンタインターフェースモジュール102により出力されたコマンドCOMの情報に基づいてキャリッジモータ駆動回路61、搬送モータ駆動回路62、ヘッド制御ユニット63等を制御し、イメージバッファ52のデータに基づいて印刷ヘッド36に設けられた各色のノズルを駆動して印刷する。ここで、印刷モードとしては、例えば、いわゆるインターレース方式を用いてドットを記録する高画質モード、当該方式を用いないでドットを記録する高速モードなどがある。
===印刷ヘッドの駆動===
次に、印刷ヘッド36の駆動について、図9を参照しつつ説明する。
図9は、ヘッド制御ユニット63(図7)内に設けられた駆動信号発生部の構成を示すブロック図であり、図10は、駆動信号発生部の動作を示す原駆動信号ODRV、印刷信号PRT(i)、駆動信号DRV(i)のタイミングチャートである。図9において、駆動信号発生部200は、複数のマスク回路204と、原駆動信号発生部206と、駆動信号補正部230とを備えている。マスク回路204は、印刷ヘッド36のノズルn1〜n180をそれぞれ駆動するための複数のピエゾ素子に対応して設けられている。なお、図9において、各信号名の最後に付されたかっこ内の数字は、その信号が供給されるノズルの番号を示している。
原駆動信号発生部206は、ノズルn1〜n180に共通に用いられる原駆動信号ODRVを生成する。この原駆動信号ODRVは、一画素分のキャリッジ移動期間内に、第1パルスW1と第2パルスW2の2つのパルスを含む信号であり、各ノズルからインクを吐出させるための基準吐出信号である。すなわち、各印刷ヘッド36が有するすべてのノズルは、同一の原駆動信号ODRVに基づいてインクを吐出する。そして、キャリッジ28が所定の位置に到達したことが、リニア式エンコーダ17の出力により検出されると、原駆動信号ODRVの出力が開始される。このため、各印刷ヘッド36の各ノズル列からインクを吐出して印刷用紙の同一の目標位置にドット列を形成した際に、それらドット列のキャリッジ移動方向の位置が一致するように、原駆動信号ODRVの出力タイミングが調節されている。すなわち、この調整がなされる前には、初期値として、前記所定の位置から印刷用紙の目標位置にインクを吐出するための理論上の値が、キャリッジ28と印刷用紙の相対位置、各印刷ヘッド間のキャリッジ移動方向における間隔、各印刷ヘッドが有するノズル列のキャリッジ移動方向における間隔等、に基づいて設定され、その設定された値がEEPROMに記憶されている。各印刷ヘッドにより形成されるドット列の位置の、原駆動信号ODRVの出力タイミングによる調整方法については後述する。
駆動信号補正部230は、マスク回路204が整形した駆動信号波形のタイミングを前後にずらすことにより、個々のドットが形成される位置を変更することを可能としている。この駆動信号波形のタイミングをずらすことにより、各印刷ヘッドに供給される原駆動信号ODRVの出力タイミングを調整する際に用いる印刷パターン10の印刷が可能となる。印刷パターン10及び、印刷パターンの印刷方法は後述する。
図9に示すように、入力されたシリアル印刷信号PRT(i)は、原駆動信号発生部206から出力される原駆動信号ODRVとともにマスク回路204に入力される。このシリアル印刷信号PRT(i)は、一画素当たり2ビットのシリアル信号であり、その各ビットは、第1パルスW1と第2パルスW2とにそれぞれ対応している。そして、マスク回路204は、シリアル印刷信号PRT(i)のレベルに応じて原駆動信号ODRVをマスクするためのゲートである。すなわち、マスク回路204は、シリアル印刷信号PRT(i)が1レベルのときには原駆動信号ODRVの対応するパルスをそのまま通過させて駆動信号DRVとしてピエゾ素子に供給し、一方、シリアル印刷信号PRT(i)が0レベルのときには原駆動信号ODRVの対応するパルスを遮断する。
図10示した通り、原駆動信号ODRVは、各画素区間T1、T2、T3において、第1パルスW1と第2パルスW2とを順に発生する。なお、画素区間とは、一画素分のキャリッジ移動期間と同じ意味である。
図10に示す通り、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『1、0』に対応しているとき、第1パルスW1のみが一画素区間の前半で出力される。これにより、ノズルから小さいインク滴が吐出され、被印刷体には小さいドット(小ドット)が形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『0、1』に対応しているとき、第2パルスW2のみが一画素区間の後半で出力される。これにより、ノズルから中サイズのインク滴が吐出され、被印刷体には中サイズのドット(中ドット)が形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『1、1』に対応しているとき、第1パルスW1と第2パルスW2とが一画素区間で出力される。これにより、ノズルから大きいインク滴が吐出され、被印刷体には大きいドット(大ドット)が形成される。以上説明したとおり、一画素区間における駆動信号DRV(i)は、印刷信号PRT(i)の3つの異なる値に応じて互いに異なる3種類の波形を有するように整形され、これらの信号に基づいて印刷ヘッド36は3種類のサイズのドットを形成することが可能である。
===各印刷ヘッドにより形成されるドット列の位置ズレ補正方法===
本実施形態では、各印刷ヘッド36が有するすべてのノズルは、印刷ヘッド毎に同一の出力タイミングにて出力される原駆動信号ODRVに基づいてインクを吐出する。このため、各印刷ヘッドにて、印刷用紙Pの同一の目標位置にドットを形成すべくインク滴を吐出させたときに、実際に形成されたドットのキャリッジ移動方向の位置が一致するように、各印刷ヘッド36を駆動するための原駆動信号ODRVの出力タイミングを調節する。このとき、すべての印刷ヘッド36を、基準となる一つの印刷ヘッド36に対して出力される原駆動信号ODRVに対し調節する。また、印刷ヘッド毎に同一の出力タイミングにて出力される原駆動信号ODRVに基づいてインクを吐出する場合には、無彩色のインクにより印刷するときと、有彩色のインクを用いて印刷するときとで、それぞれ適切な出力タイミングが相違するため、原駆動信号ODRVの出力タイミングの調節はそれぞれ行う。
基準とする印刷ヘッド36(以下、基準印刷ヘッドという)は、キャリッジ28の移動時の挙動が比較的安定し、形成されたドットの位置がばらつかないことが望ましい。特にキャリッジは、移動の際に振動する場合があり、この振動は動力が作用する部位、すなわちキャリッジ28と牽引ベルト32との係合部46に近い位置では小さく、離れた位置で大きくなる。すなわち、キャリッジ28移動時の振動は、係合部46を中心に、キャリッジ28の上側の部分と下側の部分とは、左右方向の相反する方向に互いに変位して発生する。このため、基準印刷ヘッドは、キャリッジ28の移動による振動を最も受けやすい印刷ヘッド以外の印刷ヘッド、すなわち、搬送方向において係合部46と最も離れた位置に存在する印刷ヘッド以外の印刷ヘッドに備えられたノズル列とする。例えば、係合部46に最も近い位置に存在するノズル列であり、本実施形態の例では、キャリッジ28の上側の4つの印刷ヘッドのうち、下段に位置する2つの印刷ヘッド36c、36d及び下側の4つの印刷ヘッドのうち、上段に位置する2つの印刷ヘッド36e、36fである。
ところで、キャリッジ28は、キャリッジ移動方向に往復移動するため、往路方向の移動時と、復路方向の移動時とでは、係合部46への外力の作用の仕方が相違することにより、キャリッジ28の挙動が異なることになる。このため、往復移動のいずれにも挙動が比較的安定している印刷ヘッド36は、係合部46の中心46a(図6)に近い印刷ヘッド36d,36eとなる。ここで、係合部46の中心46aとは、キャリッジ28の左右端部における牽引ベルト32の幅方向の中央S1,S2を結ぶ線、すなわち牽引力の作用線SL上の中点である。このため、より精度の良い調整を行うために、印刷ヘッド36d,36eを基準印刷ヘッドとする。すなわち、本実施形態では、キャリッジ28の中央に最も近い印刷ヘッド36d,36eに供給されるの原駆動信号ODRVの出力タイミングを基準として調節する。ところで、8つの印刷ヘッド36は、牽引ベルト32の上下にて同様に配列されているため、ここでは上側4つの印刷ヘッドについて説明する。
===反射型光学式センサの構成例===
図11は、反射型光学式センサ33の一例を説明するための模式図である。反射型光学式センサ33は、例えば発光ダイオードから構成される発光部47と、例えばフォトトランジスタから構成される正反射受光部48及び拡散反射受光部49とを有している。
この反射型光学式センサ33は、発光部47が発した光が媒体としての例えば印刷用紙に対し所定の角度をなして光を照射するように設定されており、正反射受光部48は、印刷用紙に照射された反射光の主に正反射成分が入射される位置に配設されている。また、拡散反射受光部49は、発光部47と、正反射受光部48との中間位置、即ち印刷用紙Pの照射位置に対して鉛直上に配置され、これら発光部47と、正反射受光部48と、拡散反射受光部49とは搬送方向に並べて配置されている。そして、これら正反射受光部48と、拡散反射受光部49とに受光された入射光は、電気信号に変換され、受光した反射光の光量に応じた反射型光学式センサ33の出力値として、電気信号の大きさが測定される。このとき、光沢紙等にて反射した光は正反射受光部48の出力が大きくなり、普通紙等にて反射した光は拡散反射受光部49の出力が大きくなることにより、紙種を判別することが可能である。そして、反射型光学式センサ33は、発光部47が発した光が用紙にて反射した際における受光部48,49の出力と、プラテン26にて反射した際における受光部48,49の出力との違いにて、用紙の先端位置、及び、紙幅を検出する。また、反射型光学式センサ33は、発光部47が発した光が用紙の印刷されていない部位にて反射した際における受光部48,49の出力、印刷されている部位にて反射した際における受光部48,49の出力に基づいて、印刷されている部位の濃度を検出することが可能である。すなわち、濃度が高い場合には、所定領域内に吐出されたインク量が多いため、吐出されたインクにて形成されたドットの占有面積が大きくなる。このため、ドットのない白紙部分が小さくなるため、反射光による受光部48,49の出力が低くなる。一方、濃度が高い場合には、所定領域内に吐出されたインク量が少ないため、吐出されたインクにて形成されたドットの占有面積が小さくなる。このため、ドットのない白紙部分が大きくなるため、反射光による受光部48,49の出力が高くなる。このような受光部48,49の出力の違いに基づいて印刷パターンの濃度を検出することが可能である。
なお、上記においては、図に示されるように、発光部47と正反射受光部48と拡散反射受光部49とを一体として反射型光学式センサ33とする構成としたが、発光機器と2つの受光機器のように各々別個の機器として構成してもよい。
また、上記においては、受光した反射光の光量を得るために、反射光を電気信号に変換した後に電気信号の大きさを測定することとしたが、これに限定されるものではなく、受光した反射光の光量に応じた受光センサの出力値を測定することができればよい。
===ドットの形成位置ズレ補正に用いる印刷パターンの概要===
次に、図12を参照しつつ、キャリッジ移動方向のドットの位置ズレ補正の概要について説明する。図12は、印刷パターンに基づいてズレ調整の補正値を決定する方法の概略を説明するための図であり、図12Aは印刷パターンの概念図、図12Bは各サブパターンの濃度の検出結果を説明するための図である。ここでは、キャリッジの第1の移動としての往路にて第1インク吐出部群としての印刷ヘッド36d(以下、第1印刷ヘッドという)から吐出されるインク滴と、第2の移動としての復路にて第2インク吐出部群としての印刷ヘッド36b(第2印刷ヘッドという)から吐出されるインク滴とにて1つの画像を形成することとし、まず、各々の印刷ヘッドに備えられ、無彩色インクとしてのブラックインクを吐出するブラックノズル列にて形成されるドットの位置ズレ補正を実行する場合について説明する。
以下で説明するドットの位置ズレの補正の方法は、往路にて第1印刷ヘッド36dにて形成されるドットと、復路にて第2印刷ヘッド36bにて形成されるドットの形成位置のズレが目立たなくなるように、復路にて第2印刷ヘッド36bのブラックノズル列から吐出されるインク滴の吐出タイミングを復路全体で意図的にずらす、というものである。なお、往路にて第1印刷ヘッド36dのブラックノズル列から吐出されるインク滴の吐出タイミングを往路全体で意図的にずらしてもよく、また、往路及び復路におけるインク滴の吐出タイミングを各ノズル列の往路及び復路全体でそれぞれ意図的にずらしてもよい。
この印刷パターン10は、図12Aに示すように、例えば11個のサブパターンP1〜P11を有している。各サブパターンP1〜P11は、キャリッジ28を前記移動方向に往復移動させ、往路にて第1印刷ヘッド36dのブラックノズル列からインク滴を吐出させ、所定量だけ印刷用紙Pを搬送した後に、復路にて第2印刷ヘッド36bのブラックノズル列からインク滴を吐出させることにより、印刷用紙P上にドットを形成させて印刷したものである。
往路においては、第1印刷ヘッド36dのブラックノズル列から、印刷用紙P上に同一間隔(=1/180 インチ)にて、例えば大ドットを形成するためのインク滴を吐出する。一方、復路においては、第2印刷ヘッド36bのブラックノズル列から同様に同一間隔(=1/180 インチ)にて、インク滴を吐出するが、サブパターンP1〜P11毎に、吐出タイミングを変化させ、キャリッジ28の移動方向にその変化量が順次変化するように並べて印刷する。このとき、吐出タイミングの変化量は、補正量を選択するために仮に設定した単位補正量ずつ、往路のドットと復路のドットとのズレ量が変化するように設定する。ここでは単位補正量を、キャリッジ移動方向の理想ドット間距離(=1/180 インチ)を、例えば8等分に分割した距離、即ち、(1/180 インチ)÷8=1/1440 インチずつずれるように、復路にて第2印刷ヘッド36bのブラックノズル列からインクを吐出する吐出タイミングをずらしてサブパターンP1〜P11を形成している。
例えば、サブパターンP1とサブパターンP2についてみれば、サブパターンP1における、往路にて第1印刷ヘッド36dのブラックノズル列からの吐出タイミングと、復路にて第2印刷ヘッド36bのブラックノズル列からの吐出タイミングとのズレをΔP1とし、サブパターンP2における、往路にて第1印刷ヘッド36dのブラックノズル列からの吐出タイミングと復路にて第2印刷ヘッド36bのブラックノズル列からの吐出タイミングとのズレをΔP2とした場合、|ΔP1−ΔP2|=1/1440 インチ分、となっている。また、1/180 インチは、8/1440 インチに等しいので、サブパターンP1と8つ隣のサブパターンP9における、往路の吐出タイミングと復路の吐出タイミングとのズレをΔP9とすると、|ΔP1|=|ΔP9|となっている。
ここで、印刷パターン10を構成するサブパターンの数を11個としたのは、印刷パターン10の中に濃度においてピークを有するサブパターンが2個以上含まれるようにしたものである。例えば、単位補正量を、キャリッジ移動方向の理想ドット間距離の1/8としたので、最初のサブパターンを形成する往路のドットと復路のドットとが重なっている場合、サブパターン毎に、単位補正量を整数倍して順次大きくすると、最初のサブパターンから数えて8番目のサブパターンで、再び往路にて第1印刷ヘッド36dにより形成されたドットと復路にて第2印刷ヘッド36bにより形成されたドットとが重なるサブパターンが印刷される。即ち、8パターン毎に濃淡が周期的に発生する印刷パターン10が印刷される。このため、サブパターンの数は、キャリッジ移動方向の理想ドット間距離を等分割した分割数より多く設定することが必要である。
このようにして形成されたサブパターンP1〜P11において、往路にて第1印刷ヘッドにより印刷用紙P上に形成されたドットと、復路にて第2印刷ヘッドにより印刷用紙P上に形成されたドットとの重なりが大きいほど、サブパターンは薄くなり、往路にて第1印刷ヘッド36dにより印刷用紙P上に形成されたドットと、復路にて第2印刷ヘッド36bにより印刷用紙P上に形成されたドットとの重なりが小さいほど、サブパターンは濃くなる。図12Bは、各サブパターンの濃度を●印にて示し、●印のデータに基づいて補間して曲線で示したものであるが、図12Aに示した印刷パターン10においては、サブパターンP6において最も薄く、サブパターンP2及びサブパターンP10において最も濃くなり、サブパターンP6、サブパターンP2、及び、サブパターンP10は濃度においてピークを有している。図12Bでは、●印のピークと、曲線のピークとが一致しているが、●印のデータに基づいて補間することにより、離散したデータを連続したデータとして捉えることができ、より精度を向上させることが可能となる。
===印刷パターンを用いた補正量の選択方法===
本実施の形態では、図12Aに示した各サブパターンの濃度を反射型光学式センサ33によって読み取って電気信号に変換し、濃度情報としての前記電気信号に基づいて、濃度においてピークを有するサブパターンが、システムコントローラ54によって二つ抽出される。抽出された二つのサブパターンの中央に位置するサブパターンを印刷した際の復路にて第2印刷ヘッド36bのブラックノズル列からインクを吐出した吐出タイミングで、復路の実際の印刷を行う。
すなわち、キャリッジ移動方向に並べられた複数のサブパターンの端部に位置するサブパターンを基準とし、前記濃度においてピークを有するサブパターンが基準から何番目と、何番目とに位置するかを検出する。検出したサブパターンの中央に位置するサブパターンを特定し、特定したサブパターンを印刷した際の復路にて第2印刷ヘッド36bのブラックノズル列からインク滴を吐出した吐出タイミングを補正値として記憶し、復路全体におけるインク滴の吐出タイミングを補正値分だけ意図的にずらすことにより、ドットの形成位置を補正する。このとき、二つのサブパターンの中央がサブパターンの境界となる場合には、境界をなす二つのサブパターンの吐出タイミングの中央値を補正値とする。また、検出した両サブパターンの吐出タイミングの中央値を補正値としてもよい。
なお、反射型光学式センサ33にて測定した結果に基づいて、最も濃度が低いサブパターンを特定し、特定したサブパターンの形成条件を最適値とする方法もあるが、精度の面では、前述したように、濃度が高いピークを有するサブパターンを二つ選択し、それら二つのサブパターンを印刷した際の復路にて第2印刷ヘッドのブラックノズル列からインク滴を吐出した吐出タイミングの中央値を最適値とする方が好ましい。その理由は次の通りである。
反射型光学式センサ33にて測定した結果に基づいて、最も濃度が低いサブパターンを特定して、そのサブパターンの形成条件を最適値とする方法の場合、間違って隣のサブパターンを特定してしまうと、復路の吐出タイミングが最適値から1/1440 インチ分ずれてしまう。
これに対して、濃度が高いピークを有するサブパターンを二つ選択し、それら二つのサブパターンの中間に位置するサブパターンの形成条件を最適値とする方法の場合も、間違って隣のサブパターンを選択してしまうケースは生じるが、間違ってP2の隣のサブパターンP1とP10の隣のサブパターンP11を選択した場合、又は、間違ってP2の隣のサブパターンP3とP10の隣のサブパターンP9を選択した場合であっても、二つのサブパターンの復路の吐出タイミングの中央値は最適値になる。本実施形態においては、濃度が高いピークを有するサブパターンを選択する例を示したが、往路に対する復路の理想のドット形成位置を、理想ドット間距離の半分だけずらして設定した場合には、濃度が低いピークを有するサブパターンを2つ選択することになる。
また、サブパターンP2を正しく選択したがもう一つのサブパターンは間違ってサブパターンP11を選択した場合、又は、サブパターンP10を正しく選択したがもう一つのサブパターンは間違ってサブパターンP1を選択した場合であっても、二つのサブパターンの復路の吐出タイミングの中央値は、最適値から1/1440インチの半分ずれるだけである。
なお、この補正方法においては、必ずしもノズル列のすべてのノズルを使って印刷を行う必要はない。すなわち、この補正方法においては、各サブパターンの濃度を反射型光学センサにて測定できれば良いので、その条件を満たす限り、ノズル列のうちの一部のノズルでサブパターンの印刷を行うこととしてもよい。たとえば、ノズル列の端部や中央部のノズルのみにインク滴を吐出させて、サブパターンを形成することとしてもよい。そのようにすれば、印刷パターン10の印刷に要するインクを節約することができる。
印刷パターン10が有する複数のサブパターンから、濃度においてピークを有する二つ以上のサブパターンを抽出する方法として、上記例では濃度分布において濃度の高い側でピークをなすサブパターンを二つ選択した例を示したが、これに限らず以下のような方法でもよい。
例えば、印刷パターン10のキャリッジ移動方向の濃度分布において最も突出するサブパターン、すなわち、最も濃度が高い、又は、低いサブパターンを選択し、選択したサブパターンから、サブパターン8個(キャリッジ移動方向の理想ドット間距離を等分割した分割数)分だけ離れて位置するサブパターンと、前記選択したパターンとを抽出してもよい。
また、前記印刷パターン10のうち、所定のサブパターンと、サブパターン8個分だけ離れて位置するサブパターンとをサブパターン対とし、一方のサブパターンを印刷パターン10の端部のサブパターンから順次変更して、複数のサブパターン対となし、各サブパターン対の平均濃度において最も突出するサブパターン対を抽出してもよい。このとき、平均濃度において最も突出するサブパターン対が複数存在した場合には、それらサブパターン対の中央に位置するそれぞれのサブパターンを抽出し、この二つのサブパターン対の中央に位置するサブパターンを印刷した際の復路にて第2印刷ヘッド36bのブラックノズル列からインク滴を吐出した吐出タイミングで、復路の実際の印刷を行うとしてもよいし、各サブパターン対を構成するサブパターンのうち、最も突出する濃度を有するサブパターンを含むサブパターン対の中央に位置するサブパターンを印刷した際の復路にて第2印刷ヘッド36bのブラックノズル列からインク滴を吐出した吐出タイミングで、復路の実際の印刷を行うとしてもよい。
さらに、印刷パターン10が有する複数のサブパターンから、濃度においてピークを有する二つ以上のサブパターンの抽出を試みたが、ピークをなす二つのサブパターンが存在せず抽出できなかった場合には、キャリッジ移動方向の端に位置し、補正量の基準となるサブパターンの補正量を変更して、新たな印刷パターンを印刷し、新たな印刷パターンから濃度においてピークを有する二つ以上のサブパターンを抽出する。このとき、補正量の基準となるサブパターンに対する、前記ピークをなすサブパターンの位置に応じて、補正量の基準となるサブパターンの補正量を変更し、新たな印刷パターンを印刷する。例えば、最も濃度が高いサブパターンが基準から何番目に位置するかを認識し、そのサブパターンの補正量に、基準となるサブパターンの補正量を変更して印刷すると、濃度においてピークをなす二つのサブパターンを有する印刷パターンを印刷することができる。
ここでは、第1印刷ヘッド36dと第2印刷ヘッド36bとにより形成されるドットの位置を補正するための補正値を設定する方法を示したが、キャリッジ28に搭載された印刷ヘッドすべてに対し、それぞれ補正値を設定する。本実施形態では、8個の印刷ヘッドが設けられているため、例えば、キャリッジ28の上側に位置する4個の印刷ヘッド36a〜36dに対しては、往路にて印刷ヘッド36dを用いて印刷し、復路にて印刷ヘッド36a〜36cのうち1つの印刷ヘッドを用いて印刷することにより、各印刷ヘッドに対応した印刷パターンをそれぞれ印刷する。そして、各印刷ヘッドにて印刷した印刷パターンに基づいて、各印刷ヘッドに対応する補正値を設定する。また、例えば、キャリッジ28の下側に位置する4個の印刷ヘッド36e〜36hに対しては、往路にて印刷ヘッド36eを用いて印刷し、復路にて印刷ヘッド36f〜36hのうち1つの印刷ヘッドを用いて印刷することにより、各印刷ヘッドに対応した印刷パターンをそれぞれ印刷する。そして、各印刷ヘッドにて印刷した印刷パターンに基づいて、各印刷ヘッドに対応する補正値を設定する。
また、1つの画像を、2つの印刷ヘッドを用いてそれぞれ印刷する場合には、2つの印刷ヘッドのうち係合部46の中心46aに近い側の印刷ヘッドを基準として、他の印刷ヘッドにて形成されるドットの位置を合わせるための補正値を求める。このため、例えば、印刷ヘッド33cと印刷ヘッド36aとにて1つの画像を形成する場合には、往路にて印刷ヘッド36cからインクを吐出し、復路にて印刷ヘッド36aからインクを吐出して印刷パターンを形成する。また、印刷ヘッド33fと印刷ヘッド36hとにて1つの画像を形成する場合には、往路にて印刷ヘッド36fからインクを吐出し、復路にて印刷ヘッド3hからインクを吐出して印刷パターンを形成する。さらに、印刷ヘッド33eと印刷ヘッド36gとにて1つの画像を形成する場合も同様に印刷パターンを印刷し、各印刷パターンに基づいて、補正値を設定することにより、2つの印刷ヘッドにて良好な画像を印刷することが可能となる。
===有彩色インクを使用して印刷する際の補正量の選択方法===
有彩色インクを使用して印刷する場合には、特に写真等の自然画を印刷する場合が多い。そして、自然画等の画像には、低階調の濃度の低い部分、所謂、ハイライト部が存在し、このハイライト部においてドットの形成位置にずれが生じると、粒状性が悪化し画質が低下する。このため、有彩色インクを使用し、複数の印刷ヘッドを用いて1つの画像を印刷する場合には、ハイライト部にて主に使用されるインクにて補正用の印刷パターンを印刷する。ここで、ハイライト部にて主に使用されるインクとは、例えば淡色系のインクであり、ライトシアン、ライトマゼンタ、イエローなどである。
ここでは、キャリッジの第1の移動としての往路にて第1インク吐出部群としての印刷ヘッド36d(以下、第1印刷ヘッドという)から吐出されるインク滴と、第1の移動と異なるタイミングにて実行される第2の移動としての往路にて第2インク吐出部群としての印刷ヘッド36b(第2印刷ヘッドという)から吐出されるインク滴とにて1つの画像を形成することとし、まず、各々の印刷ヘッドに備えられ、有彩色インクとしてのライトシアンインクを吐出するライトシアンノズル列にて形成されるドットの位置ズレ補正を実行する場合について説明する。
以下で説明するドットの位置ズレの補正の方法は、往路にて第1印刷ヘッド36dにて形成されるドットと、異なるタイミングにて実行される往路にて第2印刷ヘッド36bにて形成されるドットの形成位置のズレが目立たなくなるように、第2印刷ヘッド36bのライトシアンノズル列から吐出されるインク滴の吐出タイミングを全体で意図的にずらす、というものである。ここで、ドットが形成される移動をいずれも往路としたが、往路にて第1印刷ヘッドからインクを吐出し、復路にて第2印刷ヘッドからインクを吐出する際の位置ズレを補正しても良い、すなわち、有彩色インクを使用した印刷が、往路のみでインクを吐出して実行されることを示しているわけではなく、有彩色インクを使用する印刷、及び無彩色インクにより印刷のいずれであっても、往復移動時にインクを吐出し、また、往路、又は復路のいずれかのみにてインクを吐出して印刷することは可能であり、それぞれの印刷方法に応じてドットの位置ズレ補正を実行することが望ましい。
有彩色インクを使用する本実施形態の印刷パターン10も、図12Aに示すように、11個のサブパターンP1〜P11を有している。各サブパターンP1〜P11は、キャリッジ28を前記移動方向に往復させ、最初の往復移動の際の往路にて第1印刷ヘッドのライトシアンノズル列からインク滴を吐出させ、所定量だけ印刷用紙Pを搬送するとともに、キャリッジを復路方向に移動させた後、2回目の往復移動における往路にて第2印刷ヘッドのライトシアンノズル列からインク滴を吐出させることにより、印刷用紙P上にドットを形成させて印刷したものである。
すなわち、ライトシアンインクを用いた印刷パターン10は、まず1回目のキャリッジの往復移動の際に往路において、第1印刷ヘッドのライトシアンノズル列から、印刷用紙P上に同一間隔(=1/180 インチ)にて、例えば大ドットを形成するためのインク滴を吐出する。そして、所定量だけ印刷用紙Pを搬送するとともに、キャリッジを復路方向に移動させる。次に、2回目のキャリッジの往復移動の往路において、第2印刷ヘッド36bのライトシアンノズル列から同様に同一間隔(=1/180 インチ)にて、インク滴を吐出するが、サブパターンP1〜P11毎に、吐出タイミングを変化させ、キャリッジの移動方向にその変化量が順次変化するように並べて印刷する。このとき、吐出タイミングの変化量は、補正量を選択するために仮に設定した単位補正量ずつ、往路のドットと復路のドットとのズレ量が変化するように設定することはブラックインクの印刷パターン10と同様である。
このようにして形成されたサブパターンP1〜P11を用いて、補正量を選択する方法も上述したブラックインクの印刷パターン10を用いた場合と同様のため、説明を省略する。
本実施形態では、有彩色インクを使用して印刷する場合に、ライトシアンインク、一色にて形成されるドットのみ、位置ズレ補正を実行する例について説明したが、複数色のインクにて印刷パターン10をそれぞれ印刷し、複数の印刷パターン10に基づいて補正量を設定しても良い。例えば、ライトシアンインクにて形成されるドットのみでなく、ライトマゼンタインクにて形成されるドットの位置ズレも抑えたい場合には、ライトシアンインクの印刷パターン10と、ライトマゼンタの印刷パターン10をそれぞれ印刷する。そして、各印刷パターン10に基づいて、適切な補正量を、上述した方法にて各々特定する。そして、ライトシアンインクに適した補正量と、ライトマゼンタに適した補正量との平均値を、有彩色インクを使用して印刷する場合の補正量として設定する。このように、2色分の印刷パターン10に基づいて補正量を設定することにより、ライトシアン及びライトマゼンタにて形成されるドットの位置ズレをいずれも小さくし、全体として良好な画像を印刷することが可能である。
===ドット形成位置の補正処理===
次に、図13、図14を参照しつつ、ドット形成位置の補正処理について説明する。図13は、ドット形成位置の補正処理を説明するためのフローチャートである。図14は、ユーザが印刷ズレ調整を指示するためのUIウィンドウの一例を示した概略図である。
例えば、ユーザが双方向印刷における画質劣化を察知した際等に、キャリッジ移動方向の往路及び復路におけるドット形成位置のズレを調整するためのドット位置ズレ補正を行う旨の指令を図14に示すようなUIウィンドウから行う(ステップS2)。かかる調整を指示する画面はプリンタのプロパティのユーティリティ等に存在し、ユーザはドット位置ズレ補正に相当するボタン(図の左上に示される正方形のボタン)をマウスでクリックする等して、ドット位置ズレ補正を開始させる。
ユーザによるドット位置ズレ調整の指令は、カラープリンタ20へコマンドとして送信される。カラープリンタ20は、受信したコマンドに基づいて、搬送モータ駆動回路62により搬送モータ31を駆動させる等して、印刷用紙Pの給紙を行う(ステップS4)。
続いて、カラープリンタ20は、キャリッジモータ駆動回路61,搬送モータ駆動回路62,ヘッド制御ユニット63により、キャリッジモータ30、搬送モータ31を駆動させる等して、印刷パターン10の印刷を行う。
まず、印刷ヘッド36d、36bのブラックインクノズル列からインク滴を吐出して図12Aに示した印刷パターン10、すなわち、サブパターンP1〜P11を印刷する(ステップS6)。
次に、反射型光学式センサ33の発光部47からの光を各々のサブパターンP1〜P11に照射し、反射された反射光を受光部48,49にて受光し、受光した反射光の強さに応じた受光部48,49の出力値に基づいて各サブパターンP1〜P11の濃度を検知する(ステップS8)。検知した濃度のデータを補間して図12Bに示す濃度分布から濃度においてピーク値をなす2つのサブパターンを抽出する(ステップS9)。
次に、サブパターンP1〜P11において、濃さのピーク値を有するサブパターンが二つあるか否かをシステムコントローラ54にて判断する(ステップS10)。
サブパターンP1〜P11において、濃さのピーク値を有するサブパターンが二つある場合には、それら二つのサブパターンの中央に位置するサブパターンを特定し(ステップS12)、特定したサブパターンを印刷した際の、第2の移動における第2印刷ヘッドの吐出タイミングを補正値として記憶する(ステップS13)。
サブパターンP1〜P11において、濃さのピーク値を有するサブパターンが一つしか存在しなかった場合には、濃さのピーク値を有するサブパターンが二つ存在するように、復路におけるインク吐出タイミングを全体的に適宜変更し(ステップS14)、新たな印刷パターン10を印刷する(ステップS6)。このとき、反射型光学式センサ33によって検出されたピーク値を有する一つのサブパターンが、印刷パターン10の端部から何番目に位置するかを認識し、ピーク値を有するサブパターンの補正量によって印刷されるサブパターンと、このサブパターンから数えて8番目に位置するサブパターンが、印刷パターン10の中に含まれるように、印刷パターン10の端部に位置するサブパターンの補正量を変更すると、その後印刷パターン10が繰り返し印刷されることなく、インクの浪費を防止することが可能となる。
最後に、カラープリンタ20は、搬送モータ駆動回路62により搬送モータ31を駆動させる等して、印刷用紙Pを排紙する(ステップS16)。
本実施形態においては、キャリッジ28に係合部46を挟んで上下に2段ずつ印刷ヘッドが設けられている例について説明したが、これに限らず複数の印刷ヘッドは上下各々3段以上、又は、上下に分かれることなく全体に配置されていてもよい。この場合であっても、基準印刷ヘッドは、係合部46に最も近い側に位置する印刷ヘッド、又は、補正対象とする複数の印刷ヘッドのうち、最も係合部46に近い側に位置する印刷ヘッドとすることが望ましい。
===その他の実施形態===
本発明は上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
(2)本発明は、一般にインク滴を吐出するタイプの印刷装置に適用可能であり、カラーインクジェットプリンタ以外の種々の印刷装置に適用可能である。例えば、インクジェット方式のファクシミリ装置やコピー装置にも適用可能である。
(3)上記実施形態においては、印刷システムを、カラープリンタ20、コンピュータ90、表示装置、入力装置、及び、ドライブ装置等にて構成した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、印刷システムが、コンピュータ90とカラープリンタ20とから構成されても良く、印刷システムが表示装置、入力装置及びドライブ装置のいずれかを備えていなくても良い。
また、例えば、カラープリンタ20が、コンピュータ90、表示装置、入力装置、及び、ドライブ装置のそれぞれの機能又は機構の一部を持っていても良い。一例として、カラープリンタ20が、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等を有する構成としても良い。
また、上述した実施形態における、プリンタを制御するコンピュータプログラムが、プリンタコントローラのメモリに記憶されており、プリンタコントローラがこのコンピュータプログラムを実行することにより、上述した実施形態のプリンタ動作を達成してもよい。
このようにして実現された印刷システムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
本発明にかかるカラープリンタの構成の一例を示す斜視図。 図1におけるカラープリンタにてキャリッジを移動した状態を示す斜視図。 リニア式エンコーダ17の構成を模式的に示した説明図。 図4Aは、キャリッジモータ正転時におけるリニア式エンコーダ17の2つの出力信号の波形を示したタイミングチャート、図4Bは、キャリッジモータ逆転時におけるリニア式エンコーダ17の2つの出力信号の波形を示したタイミングチャート。 印刷ヘッドが有するノズルの配列を説明するための説明図。 隣接する複数の印刷ヘッドの配置と、それら印刷ヘッドが有するノズル列の位置関係を示す図。 カラープリンタを備えた印刷システムの構成を示すブロック図。 画像処理ユニットの構成を示すブロック図。 ヘッド制御ユニット(図7)内に設けられた駆動信号発生部の構成を示すブロック図。 駆動信号発生部の動作を示す原駆動信号ODRV、印刷信号PRT(i)、駆動信号DRV(i)のタイミングチャート。 反射型光学式センサ33の一例を説明するための模式図。 図12Aは印刷パターンの概念図、図12Bは各サブパターンの濃度の検出結果を説明するための図。 ドット形成位置の補正処理を説明するためのフローチャート。 ユーザが印刷ズレ調整を指示するためのUIウィンドウの一例を示した概略図。
符号の説明
3 印刷部,5 印刷用紙搬送部,10 印刷パターン,17 リニア式エンコーダ,17a ダイオード,17b コリメータレンズ,17c 検出処理部,17d フォトダイオード,17e 信号処理回路,17fA コンパレータ,17fB コンパレータ,19 リニア式エンコーダ用符号板,20 カラープリンタ,21 CRT,24 紙搬送ローラ,26 プラテン,27 ホルダ,27a 軸体,27b 円盤,28 キャリッジ,29 挟持ローラ,30 キャリッジモータ,31 搬送モータ,32 牽引ベルト,33 反射型光学式センサ,34 ガイドレール,341 下側のガイドレール,342 上側のガイドレール,35 ロール紙保持部,36 印刷ヘッド,36a〜36h 印刷ヘッド,37 印刷用紙搬送部,38 画像処理ユニット,40 駆動ギア,41 中継ギア,44 プーリ,45 プーリ,46 係合部,46a 係合部の中心,47 発光部,48正反射受光部,49拡散反射受光部,50 バッファメモリ,52 イメージバッファ,54 システムコントローラ,56 メインメモリ,58 EEPROM,61 キャリッジモータ駆動回路,62 搬送モータ駆動回路,63 ヘッド制御ユニット,67 インクタンク,90 コンピュータ,91 ビデオドライバ,95 アプリケーションプログラム,97 解像度変換モジュール,98 色変換モジュール,99 ハーフトーンモジュール,100 ラスタライザ,101 ユーザインターフェース表示モジュール,102 UIプリンタインターフェースモジュール,103 ラスタデータ格納部,200 駆動信号発生部,204 マスク回路,206 原駆動信号発生部,230 駆動信号補正部,Nc シアンノズル列,Nk ブラックノズル列,Nlc ライトシアンノズル列,Nlm ライトマゼンタノズル列,Nm マゼンタノズル列,Ny イエローノズル列,P 印刷用紙,P1〜P11 サブパターン,T1 各画素区間,W1 パルス,W2 パルス,n ノズル,LUT ルックアップテーブル,ODRV 原駆動信号

Claims (17)

  1. インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するためのインク吐出部を備えたインク吐出部群を複数有し、所定の移動方向に沿って移動される移動体を具備し、
    前記移動体を複数回移動させつつ前記インク吐出部からインクを吐出して形成される印刷パターンに基づいて、前記移動体の第1の移動にて形成されるドットと、前記移動体の第2の移動にて形成されるドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のズレを補正する位置ズレ補正を実行する印刷装置において、
    前記印刷パターンに向けて光を照射するための発光部と、前記印刷パターンに照射された前記光を受け、受けた光に基づいて情報を出力するための受光部とを有し、
    前記移動体の第1の移動の際に、当該移動による振動を最も受けやすいインク吐出部群以外の第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部からインクを吐出し、前記第2の移動の際に、前記第1インク吐出部群とは異なる第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部からインクを吐出して印刷パターンを形成し、
    形成された前記印刷パターンに向けて前記光を前記発光部にて照射した際における前記受光部の出力に基づいて、前記位置ズレ補正を実行し、
    前記第1インク吐出部群は、前記第2インク吐出部群より、前記移動による振動を受け難いインク吐出部群であり、
    前記インク吐出部群は各々、前記インク吐出部からインクを吐出させるための単一の基準吐出信号に基づいて駆動されており、
    前記第1インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを基準として、前記第2インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを調節することにより、前記ドット形成位置を補正することを特徴とする印刷装置。
  2. インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するためのインク吐出部を備えたインク吐出部群を複数有し、所定の移動方向に沿って移動される移動体を具備し、
    前記移動体を複数回移動させつつ前記インク吐出部からインクを吐出して形成される印刷パターンに基づいて、前記移動体の第1の移動にて形成されるドットと、前記移動体の第2の移動にて形成されるドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のズレを補正する位置ズレ補正を実行する印刷装置において、
    前記印刷パターンに向けて光を照射するための発光部と、前記印刷パターンに照射された前記光を受け、受けた光に基づいて情報を出力するための受光部とを有し、
    前記移動体の第1の移動の際に、当該移動による振動を最も受けやすいインク吐出部群以外の第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部からインクを吐出し、前記第2の移動の際に、前記第1インク吐出部群とは異なる第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部からインクを吐出して印刷パターンを形成し、
    形成された前記印刷パターンに向けて前記光を前記発光部にて照射した際における前記受光部の出力に基づいて、前記位置ズレ補正を実行し、
    前記移動体は外力により移動され、
    前記第1インク吐出部群は、前記移動方向と交差する方向にて、前記第2インク吐出部群より、前記外力が作用する部位に近い側に位置し、
    前記インク吐出部群は各々、前記インク吐出部からインクを吐出させるための単一の基準吐出信号に基づいて駆動されており、
    前記第1インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを基準として、前記第2インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを調節することにより、前記ドット形成位置を補正することを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項2に記載の印刷装置において、
    前記第1インク吐出部群は、前記第2インク吐出部群より、前記外力が作用する部位の中心に近い側に位置することを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項1乃至請求項のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記インク吐出部群は、各々少なくとも2つのインク吐出部を備え、同一の前記インク吐出部群に備えられた各インク吐出部は互いに異なる色のインクを前記インク吐出部毎に吐出し、
    前記移動体は往復移動可能であり、前記第1の移動は、前記移動体の往路方向の移動であり、前記第2の移動は、前記移動体の復路方向の移動であり、
    前記第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部と、前記第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部とから同色のインクを吐出して前記印刷パターンを印刷することを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項1乃至請求項のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記インク吐出部群は、各々少なくとも2つのインク吐出部を備え、同一の前記インク吐出部群に備えられた各インク吐出部は互いに異なる色のインクを前記インク吐出部毎に吐出し、
    前記移動体は往復移動可能であり、前記第1の移動は、前記移動体の往路方向又は復路方向の特定方向の移動であり、前記第2の移動は、前記第1の移動と異なるタイミングにて実行される前記特定方向の移動であり、
    前記第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部と、前記第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部とから同色のインクを吐出して前記印刷パターンを印刷することを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項1乃至請求項のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記印刷パターンは、前記第1インク吐出部群と、前記第2インク吐出部群とからそれぞれ吐出されたインクにて形成される複数のサブパターンを有し、
    前記複数のサブパターンのうち、濃度においてピークを有する前記サブパターンに基づいて、前記位置ズレ補正を実行することを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項1乃至請求項のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記印刷パターンは、前記第1インク吐出部群と、前記第2インク吐出部群とからそれぞれ吐出されたインクにて形成される複数のサブパターンを有し、
    前記複数のサブパターンのうち、濃度においてピークを有する2つ以上のサブパターンに基づいて、前記位置ズレ補正を実行することを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項または請求項のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記位置ズレ補正を実行するための複数の補正量を有し、
    前記各サブパターンにおける前記第1インク吐出部群にて形成されたドットと、前記第2インク吐出部群にて形成されたドットとのドット形成位置のズレ量は、前記サブパターン毎に異なる前記補正量であることを特徴とする印刷装置。
  9. 請求項に記載の印刷装置において、
    前記印刷パターンは、前記補正量が前記移動方向に沿って順次変化するように配置されており、
    前記印刷パターンの前記移動方向における濃度分布において突出する2つのサブパターンを抽出し、抽出したサブパターンの補正量の中央値を、前記位置ズレ補正を実行するための補正量とすることを特徴とする印刷装置。
  10. 請求項1乃至請求項のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記第1インク吐出部群及び前記第2インク吐出部群は、無彩色インクを吐出する無彩色インク吐出部と、有彩色インクを吐出する有彩色インク吐出部とを各々有し、
    前記無彩色インク吐出部からインクを吐出してドットを形成する際と、前記有彩色インクを使用してドットを形成する際とに応じて前記位置ズレ補正を実行することを特徴とする印刷装置。
  11. 請求項10に記載の印刷装置において、
    各々の前記インク吐出部群は前記有彩色インク吐出部を複数有し、各有彩色インク吐出部は、互いに異なる色のインクを色ごとに吐出し、
    前記有彩色インクを使用してドットを形成する際に応じて前記位置ズレ補正を実行する場合には、前記有彩色インクのうち、画像の低階調部分を印刷する際に主に用いられる色のインクにて、前記印刷パターンを形成することを特徴とする印刷装置。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記インク吐出部は、サイズが異なる複数種類のドットを形成可能であり、
    前記印刷パターンは、前記複数種類のドットのうちのいずれかのサイズのドットにて形成されることを特徴とする印刷装置。
  13. 請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記インク吐出部は、サイズが異なる複数種類のドットを形成可能であり、
    前記位置ズレ補正は、前記複数種類のドットにてそれぞれ形成した前記印刷パターンに基づいて取得された前記補正量の平均値を、前記位置ズレ補正を実行するための補正量とすることを特徴とする印刷装置。
  14. インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するためのインク吐出部を備えたインク吐出部群を複数有し、所定の移動方向に沿って移動される移動体を具備し、
    前記移動体を複数回移動させつつ前記インク吐出部からインクを吐出して形成される印刷パターンに基づいて、前記移動体の第1の移動にて形成されるドットと、前記移動体の第2の移動にて形成されるドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のズレを補正する位置ズレ補正を実行し、
    前記印刷パターンに向けて光を照射するための発光部と、前記印刷パターンに照射された前記光を受け、受けた光に基づいて情報を出力するための受光部とを有し、
    前記インク吐出部群は各々、前記インク吐出部からインクを吐出させるための単一の基準吐出信号に基づいて駆動される印刷装置に、
    前記移動体の第2の移動の際に、第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部からインクを吐出し、前記移動体の第1の移動の際に、当該移動による振動を最も受けやすいインク吐出部群以外のインク吐出部群であり、前記第インク吐出部群とは異なり、前記第2インク吐出部群よりも前記移動による振動を受け難い第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部からインクを吐出して印刷パターンを形成させる機能と
    形成された前記印刷パターンに向けて前記光を前記発光部にて照射した際における前記受光部の出力に基づいて、前記第1インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを基準として、前記第2インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを調節することにより、前記ドット形成位置を補正させ、前記位置ズレ補正を実行させる機能と、
    を実現させるためのコンピュータプログラム。
  15. インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するためのインク吐出部を備えたインク吐出部群を複数有し、所定の移動方向に沿って移動される移動体を具備し、前記インク吐出部群は各々、前記インク吐出部からインクを吐出させるための単一の基準吐出信号に基づいて駆動される印刷装置を用いて、前記移動体の第2の移動の際に、第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部からインクを吐出し、前記移動体の第1の移動の際に、当該移動による振動を最も受けやすいインク吐出部群以外のインク吐出部群であり、前記第インク吐出部群とは異なり、前記第2インク吐出部群よりも前記移動による振動を受け難い第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部からインクを吐出して印刷パターンを形成するステップと、
    形成された前記印刷パターンに向けて光を照射し、前記印刷パターンに照射された前記光に基づいて情報を出力するステップと、
    出力された前記情報に基づいて、前記第1インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを基準として、前記第2インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを調節することにより、前記移動体の第1の移動にて形成されるドットと、前記移動体の第2の移動にて形成されるドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のズレを補正するステップと、
    を有するドット形成位置のズレ補正方法。
  16. インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するためのインク吐出部を備えたインク吐出部群を複数有し、所定の移動方向に沿って移動される移動体を具備し、
    前記移動体を複数回移動させつつ前記インク吐出部からインクを吐出して形成される印刷パターンに基づいて、前記移動体の第1の移動にて形成されるドットと、前記移動体の第2の移動にて形成されるドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のズレを補正する位置ズレ補正を実行し、
    前記印刷パターンに向けて光を照射するための発光部と、前記印刷パターンに照射された前記光を受け、受けた光に基づいて情報を出力するための受光部とを有し、
    前記移動体は外力により移動され、
    前記インク吐出部群は各々、前記インク吐出部からインクを吐出させるための単一の基準吐出信号に基づいて駆動される印刷装置に、
    前記移動体の第2の移動の際に、第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部からインクを吐出し、前記移動体の第1の移動の際に、当該移動による振動を最も受けやすいインク吐出部群以外のインク吐出部群であり、前記第インク吐出部群とは異なり、前記移動方向と交差する方向にて前記第2インク吐出部群より前記外力が作用する部位に近い側に位置する第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部からインクを吐出して印刷パターンを形成させる機能と、
    形成された前記印刷パターンに向けて前記光を前記発光部にて照射した際における前記受光部の出力に基づいて、前記第1インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを基準として、前記第2インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを調節することにより、前記ドット形成位置を補正させ、前記位置ズレ補正を実行させる機能と、
    を実現させるためのコンピュータプログラム。
  17. インク滴を吐出して印刷媒体にドットを形成するためのインク吐出部を備えたインク吐出部群を複数有し、外力により所定の移動方向に沿って移動される移動体を具備し、前記インク吐出部群は各々、前記インク吐出部からインクを吐出させるための単一の基準吐出信号に基づいて駆動される印刷装置を用いて、前記移動体の第2の移動の際に、第2インク吐出部群に備えられたインク吐出部からインクを吐出し、前記移動体の第1の移動の際に、当該移動による振動を最も受けやすいインク吐出部群以外のインク吐出部群であり、前記第インク吐出部群とは異なり、前記移動方向と交差する方向にて前記第2インク吐出部群より前記外力が作用する部位に近い側に位置する第1インク吐出部群に備えられたインク吐出部からインクを吐出して印刷パターンを形成するステップと、
    形成された前記印刷パターンに向けて光を照射し、前記印刷パターンに照射された前記光に基づいて情報を出力するステップと、
    出力された前記情報に基づいて、前記第1インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを基準として、前記第2インク吐出部群の前記基準吐出信号のタイミングを調節することにより、前記移動体の第1の移動にて形成されるドットと、前記移動体の第2の移動にて形成されるドットとの、前記移動方向におけるドット形成位置のズレを補正するステップと、
    を有するドット形成位置のズレ補正方法。
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