JP2004174984A - 記録装置 - Google Patents

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    • B41J19/00Character- or line-spacing mechanisms
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    • B41J19/205Position or speed detectors therefor
    • B41J19/207Encoding along a bar

Abstract

【課題】エンコーダーから得られる信号を用いて、キャリッジなどを制御する場合、速度や位置の精度を向上させようとした場合、速度の高低により安定した制御を行うことができない。
【解決手段】制御対象物の速度及び位置を検出するための検出信号を出力する検出手段と、所望される停止位置に応じて、前記検出信号を検出する条件を選択する選択手段と、選択した条件と、検出手段による検出信号とに基づいて、制御対象物を停止位置へ移動させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタやファクシミリ等の記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、モータ等の制御方法においてはモータや、モータに接続された制御対象の速度や位置等を検出し、この検出結果に応じてモータ等を制御する所謂「フィードバック制御」が広く知られている。このような制御により駆動されるモータを駆動源として使用する装置の例として記録装置があげられる。
【0003】
この記録装置として良く知られているものにプリンタ(インクジェット記録装置)がある。プリンタにおいては例えば記録ヘッドを搭載し、紙、フィルム等の記録媒体(以下「記録用紙」、「用紙」ともいう)の搬送方向と垂直な方向に往復走査するキャリッジを有し記録用紙を搬送しながらキャリッジを走査することにより記録を行う所謂シリアルタイプのものが構成の容易さなどの点から広く採用されている。
【0004】
一方、これら記録装置の記録ヘッドには種々の記録方式が用いられその方式としてワイヤードット方式、感熱方式、熱転写方式、インクジェット方式、電子写真方式等が広く知られているがなかでもインクジェット方式はカラー化、高解像度化、静粛化の観点から広く普及している。近年では、キャリッジにスキャナ等の情報入力手段を搭載し原稿等からの情報を読み込みが可能となるプリンタも実現されている。
【0005】
このようなシリアルタイプのプリンタでは、キャリッジの走査駆動が記録動作においても、又は、原稿の読み取り動作においても重要な技術的要素の一つで有る。キャリッジの駆動源としては入力信号のパルス数に応じた量だけ回転するステッピングモータやDCモータがある。
【0006】
DCモータはステッピングモータに比べて静粛性に優れるなどの理由から速度や位置を検出するエンコーダシステムと組み合わされてキャリッジなどの駆動源として多く使用されている。DCモータはエンコーダシステムによりキャリッジの走査速度や位置を検出し、指令速度や指令位置との誤差に応じてモータを制御するフィードバック制御方式により駆動されるのが一般的である。また、ステッピングモータを駆動源とする場合でも、エンコーダシステムを使用する場合もある。ここで指令速度とはキャリッジの速度が検出されたタイミングにおいて本来達成されるべき速度でありまた指令位置とはキャリッジの位置が検出されたタイミングで到達すべき位置である。
【0007】
このキャリッジの制御方法は、キャリッジの走査している位置や、記録動作の動作状況に応じて異なってくる。例えば、記録時においては、キャリッジは常におおよそ一定速度で走査していなければ記録媒体の適切な位置に記録を行うことが困難になり、その記録結果に支障をきたす事がある。一方、記録領域を過ぎた場合にはキャリッジは所定の位置に停止するため移動速度を減速していかなければならない。この減速の度合いが適切でなければ所定の位置に停止する事ができず、次の動作に支障をきたしてしまうこともありえる。
【0008】
このような観点から、キャリッジの加速状態と定速状態では適切な速度で走査するように速度に注目して制御し、減速状態では適切な位置に停止できるように位置に注目して制御するのが一般的である。
【0009】
上記のようなDCモータとエンコーダシステムとを用いてキャリッジの駆動制御を行う場合、次のようなフィードバック制御を行う場合が多い。
【0010】
まず、図7に基づいて、フィードバック制御のためキャリッジの位置や速度に関する情報を得るためのエンコーダシステムについて説明する。図7においてE0005はエンコーダスケールであって透明な樹脂上のフィルムなどに公知の写真製版技術などの方法によって、後述のエンコーダセンサE0004の検出光を透過する透過部E0005aと検出光を遮光する遮光部E0005bとが幅L2を有して所定のピッチL1で設けられている。
【0011】
このように設けられたエンコーダスケールE0005に対向してエンコーダセンサE0004を設けて、このエンコーダセンサを所定の速度で走査することによって、図7に示した信号がエンコーダセンサE0004から出力されるしくみになっている。
【0012】
また、エンコーダセンサE0004の不図示の検出部には互いに位相が90゜ずれた信号が出力されるように構成されており、この検出信号の一例を図7の下方に示した。ここで図7には左から右方向へエンコーダセンサE0004を移動した場合の信号を示している。
【0013】
ここで、A相信号においては、その立ち上がりエッジ(立ち上がり、または立ち上がり信号と表す)はエンコーダスケールE0005の遮光部E0005bの一方の端部に対応して発生され、立ち下がりエッジ(立ち下がり、あるいは立ち下がり信号と表す)は遮光部E0005bの他方の端部に対応して時間周期T2を有して発生される。またB相信号は前記A相信号から90゜位相が遅れて発生される。このようなエンコーダシステムにおいて、例えばA相信号の立ち上がりから次の立ち上がりまでの時間周期T1を検出し、キャリッジなどの速度を検出する。
【0014】
また、A相信号の立ち上がり信号の数をカウントする事でキャリッジのエンコーダスケールE0005に対する移動量が検出され、所定の基準位置にないするキャリッジの位置が検出される。
【0015】
さらに、エンコーダセンサE0004による検出信号を選ぶことでことでキャリッジの移動方向も検出することができる。このような方法によりキャリッジの位置や速度に関する情報を検出し、この情報に基づいてフィードバック制御を実施するのが一般的である。
【0016】
図9はフィードバック制御の一例を示すブロック図である。まずここでフィードバック制御処理は、所定の時間周期例えば1ms毎に行われるものとする。
【0017】
指令値算出処理部1は、あらかじめ要求されるキャリッジの到達位置及び到達速度に基づいて、制御タイミング毎にキャリッジが到達すべき速度や位置、すなわち指令速度と指令位置を算出する。ここでキャリッジの加速時の指令速度と指令位置の算出処理の一例について説明すると、指令値算出処理部1はあらかじめ設定された加速距離Lと定速時に到達すべき到達速度VTとさらにあらかじめ設定されている加速度αとから、各制御タイミングにおけるキャリッジの指令速度V(t)と指令位置X(t)を算出する。
【0018】
例えば加速度αを制御タイミング周期間での速度変化とすれば、指令速度V(t)は、式;V(t)=V(t−1)+αによって制御タイミングごとの値を求める。同様に指令位置X(t)は算出された指令速度V(t)から指令速度V(t)を制御タイミング毎に加算していくすなわち式;X(t)=V(t)+V(t−1)+・・によって算出する。従ってこの場合には指令速度V(t)は時間と共に直線的に定速時の到達速度まで増加する値となり指令位置X(t)は2次関数的に加速距離に相当する値まで増加する値となって算出される。尚、指令速度V(t)に関してはこのような算出をせずに定速域で到達すべき到達速度VTそのものを加速時の指令速度とする場合もある。この場合には指令速度V(t)は時間と共に変化しない固定の値となる。ここで添え字(t)は、所定の制御処理タイミングでの値をしめし、添え字(t−1)は前回の処理タイミングでの値を示している。
【0019】
位置制御処理部2は、エンコーダシステムの検出結果から実際のキャリッジの位置を求め、指令位置との誤差を算出しこれを基に速度制御量VC(t)を算出する。
【0020】
速度制御処理部3は指令速度V(t)と実際のキャリッジの速度v(t)から速度誤差VE(t)を算出し、この速度誤差VE(t)と位置制御処理による速度制御量VC(t)とをもとにして新たな速度制御量VC(t)を算出する。
【0021】
モータ制御処理部4はこの速度制御量VC(t)をその値に応じてモータに印加される制御量Mを算出し、このモータ制御量Mがモータに印加されることでモータの駆動が制御される。その結果指令速度や指令位置に追従してモータが駆動される。このようにして指令速度や指令位置に応じてモータや、モータと接続された制御対象の駆動が行われ到達するべき速度に到達しまた到達すべき位置へ移動し停止する。また到達すべき位置へ移動したか否かの判断を行うことも一般的に行われ、移動が達成された場合にはモータへの制御量(駆動量ともいう)の印加を停止する等し、次の動作に移行する事も一般的に行われている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のモータの制御方法およびこのモータの制御方法を用いた記録装置において次のような課題があった。
【0023】
すなわち前述のような指令値算出処理1による指令速度、指令位置に応じて到達すべき速度や位置に到達するようにモータやモータと接続されたキャリッジなどの制御対象を駆動した場合、特に到達すべき位置を上述したエンコーダスケールに設けられた透過部E0005aまたは遮蔽部E0005bの間隔を最小単位する事が一般的であるため、所望される停止位置の精度がエンコーダスケールに依存し高精度な位置精度が得られないという課題がある。
【0024】
さらに、フィードバック制御を実施する時間周期に比べてモータや制御対象の速度が遅い場合には、前回のフィードバック制御と今回のフィードバック制御との間に位置及び速度の情報が反映されない状況となり制御の安定性を損なうという課題もある。
【0025】
これらの課題のためモータやモータと接続された制御対象の制御においてその駆動モード全てをエンコーダセンサから検出される信号を加工し見かけ上の解像度をあげて制御する事や図7に示したように互いに90゜位相のずれた信号を使用して、見かけの解像度をあげて制御する事も考えられる。しかしながらこの場合には全ての駆動モードで解像度をあげて制御するので、処理時間がかかるという課題がある。また位置精度に高い精度が要求されない状況に置いても高精度な位置に停止させるためやはり無駄な時間を要するという課題があった。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の記録装置は、記録ヘッドを搭載するキャリッジを複数の駆動モードで移動させる移動手段を備えた記録装置であって、前記キャリッジの速度及び位置を検出するための検出信号を出力する検出手段と、前記キャリッジの移動に際、所望される停止位置に応じて、前記検出信号を検出する条件を選択する検出条件選択手段と、前記検出条件選択手段により選択された前記条件と、前記検出手段による検出信号とに基づいて、前記移動手段を前記停止位置へ移動させる制御手段とを備える。
【0027】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
以下、図面を参照し本発明にかかるモータの制御方法を記録装置に適用した場合について説明する。なお以下に説明する実施例では、インクジェット記録方式を用いたプリンタを例に挙げて説明する。
【0028】
[装置本体]
図1及び図2にインクジェット記録方式を用いたプリンタの概略構成を示す。図1において、この実施形態におけるプリンタの外殻をなす装置本体M1000は、下ケースM1001、上ケースM1002、アクセスカバーM1003及び排紙トレイM1004の外装部材と、その外装部材内に収容されたシャーシM3100(図2参照)とから構成される。
【0029】
シャーシM3100は、所定の剛性を有する複数の板状金属部材によって構成され、記録装置の骨格をなし、後述の各記録動作機構を保持するものとなっている。
【0030】
また、下ケースM1001は装置本体M1000の略下半部を、上ケースM1002は装置本体M1000の略上半部をそれぞれ形成しており、両ケースの組合せによって内部に後述の各機構を収容する収容空間を有する中空体構造をなし、その上面部及び前面部にはそれぞれ開口部が形成されている。
【0031】
さらに、前記排紙トレイM1004はその一端部が下ケースM1001に回転自在に保持され、その回転によって下ケースM1001の前面部に形成される前記開口部を開閉させ得るようになっている。このため、記録動作を実行させる際には、排紙トレイM1004を前面側へと回転させて開口部を開成させることにより、ここから記録シートが排出可能となると共に排出された記録シートPを順次積載し得るようになっている。また、排紙トレイM1004には、2枚の補助トレイM1004a,M1004bが収容されており、必要に応じて各トレイを手前に引きだし得るようになっている。
【0032】
アクセスカバーM1003は、その一端部が上ケースM1002に回転自在に保持され、上面に形成される開口部を開閉し得るようになっており、このアクセスカバーM1003を開くことによって本体内部に収容されている記録ヘッドカートリッジH1000あるいはインクタンクH1900等の交換が可能となる。
【0033】
また、上ケースM1002の後部上面には、電源キーE0018及びレジュームキーE0019が押下可能に設けられると共に、LED E0020が設けられており、電源キーE0018を押下すると、LED E0020が点灯し記録可能であることをオペレータに知らせるものとなっている。また、LED E0020は点滅の仕方や色の変化をプリンタの状態をオペレータに知らせる等種々の表示機能を有する。なお、トラブル等が解決した場合には、レジュームキーE0019を押下することによって記録が再開されるようになっている。
【0034】
次に、上記プリンタの装置本体M1000に収容、保持される本実施形態における記録動作機構について説明する。
【0035】
[記録動作機構]
次に、上記プリンタの装置本体M1000に収容、保持される本実施形態における記録動作機構について説明する。
【0036】
本実施形態における記録動作機構としては、記録シートPを装置本体内へと自動的に給送する自動給送部M2000と、自動給送部から1枚ずつ送り出される記録シートPを所望の記録位置へと導くと共に、記録位置から排出部M3050へと記録シートPを導く搬送部M3000と、搬送部M3000に搬送された記録シートPに所望の記録を行う記録部M4000と、前記記録部M4000等に対する回復処理を行う回復部M5000とから構成されている。
【0037】
次に、各機構部の構成を説明する。
【0038】
(自動給送部)
まず、図2に基づき自動給送部M2000を説明する。
【0039】
本実施形態における自動給送部M2000は、水平面に対して約30°〜60°の角度を持って積載された記録シートPを水平な状態で送り出し、不図示の給送口から略水平な状態を維持しつつ本体内へと記録シートを給送するものとなっている。
【0040】
すなわち、自動給送部M2000には、給送ローラM2001、可動サイドガイドM2002、圧板M2003、ASFベースM2004、不図示の分離爪、分離シートS等が備えられている。このうち前記ASFベースM2004は、自動給送部M2000の略外殻をなすものであり、また、サイドガイドM2002は一対のシートガイドM2002a及びM2002bで構成されており、一方のシートガイドM2002bは水平移動可能となっており、様々な記録シートの水平方向の幅に対応し得るようになっている。
【0041】
また、自動給送部M2000には複数の給紙ローラM2001が回復ユニットM5000のPGモータE0003から所定ギヤ列を介して回動可能に構成されている。そして、前記圧板M2003上に積載された記録シートPは、PGモータE0003の駆動により給送ローラM2001が回転し、前記分離爪や分離シートの分離作用によって積載された記録シートPの中の最上位の記録シートを順次1枚ずつ分離して送り出し、搬送部M3000へと搬送するようになっている。ここで自動給送部M2000から搬送部M3000に至る記録シートPの搬送経路内には、不図示のPEレバーが、装置本体M1000に固定されたシャーシM3100に軸着されており、自動給送部M2000から分離搬送された記録シートPが前記搬送経路を通過し、記録シートPの一端部が前記レバーをその一端部を押圧して回転させることにより、不図示のPEセンサが前記PEレバー回転を検知し、記録シートPが搬送経路内に侵入したことを検知するようになっている。
【0042】
(搬送部)
搬送部M3000は、前記LFローラM3001、ピンチローラM3002、及びプラテンM3003等を備えており、前記LFローラM3001は、前記シャーシM3100等によって回動自在に支持された駆動軸に固定されており、LFギヤ列M3004を介してLFモータE0002により回転駆動される構成になっている。また、前記ピンチローラM3002は、シャーシM3100に回動自在に支持されるピンチローラホルダM3002aの先端部に軸着されており、ピンチローラホルダM3002aを付勢する巻きばね状のピンチローラばねによって前記LFローラM3001に圧接しており、前記LFローラM3001の回転するとこれに従動して回転し、記録シートPをLFローラM3001との間で挟持し搬送させるものとなっている。
【0043】
また、プラテンM3003には搬送された記録シートを支持案内するプラテンリブM3003aと記録ヘッドの予備吐出のための予備吐出開口部M3003bが設けられている。
【0044】
このように構成された搬送部においては、自動給送部M2000の給紙ローラM2001による搬送動作が停止した後、一定時間が経過するとLFモータE0002の駆動が開始され、LFローラM3001とピンチローラMM3002のニップ部とに先端部が当接している前記記録シートPが、前記LFローラM3001の回転によって前記プラテンM3003上の記録開始位置まで搬送される。
【0045】
(排紙部)
次に排紙部M3050を説明する。
【0046】
排出部M3050は、前記LFモータE0002の駆動を所定のギヤ列を介して伝達され回転可能な不図示の排出ローラを有し、この排出ローラの回転に従動回転する拍車M3051が拍車ステイM3052に設けられて構成され、さらにこれら排出ローラと拍車M3051により排出される記録シートPを収容する排紙トレイM1004等を備えている。
【0047】
前記記録シートPへの記録が終了し、前記LFローラM3001とピンチローラM3002の間から前記記録シートPの後端が抜脱すると、排出ローラと拍車M3051のみによる記録シートPの搬送が行われ、前記記録シートPの排出は完了する。
【0048】
(記録部)
次に記録部M4000について説明する。
【0049】
記録部M4000はキャリッジ軸M4003によって移動可能に支持されたキャリッジM4001と、このキャリッジM4001に着脱可能に搭載されるヘッドカートリッジH1000とからなる。
【0050】
まず前記記録ヘッドカートリッジについて図3、4に基づき説明する。
【0051】
本例の記録ヘッドカートリッジH1000は、図3に示すようにインクを貯留するインクタンクH1900と、このインクタンクH1900から供給されるインクを記録情報に応じてノズルから吐出させる記録ヘッドH1001とを有し、記録ヘッドH1001は、後述するキャリッジM4001に対して着脱可能に搭載される、いわゆるカートリッジ方式を採るものとなっている。
【0052】
ここに示す記録ヘッドカートリッジH1000では、写真調の高画質なカラー記録を可能とするため、インクタンクとして、例えば、ブラック、ライトシアン、ライトマゼンタ、シアン、マゼンタ及びイエローの各色独立のインクタンクが用意されており、図4に示すように、それぞれが記録ヘッドH1001に対して着脱自在となっている。
【0053】
そして記録ヘッドH1001には、複数のインクを吐出する孔(吐出口、ノズルともいう)が形成されている記録素子基板H1100が図3及び図4の下方に開口して設けられ、記録ヘッドH1001がキャリッジM4001に装着された場合には記録装置の搬送部M3000に搬送された記録シートPに対向する構成になっている。ここで記録素子基板H1100には、複数のインク吐出口とともにそれぞれの吐出口に対応した電気熱変換体が設けられ、この電気熱変換体へ電力を共有するための電気配線が配設されている。この電気配線は記録ヘッドの背面に設けられたキャリッジM4001とのコンタクト部H1200と電気的に接続されキャリッジM4001に装着された場合に、記録装置のメインPCBから電力を供給される構成となっている。
【0054】
一方、インクタンクH1900と係合する記録ヘッドH1001のインクタンク側内部には、フィルターH1300が設けられており、外部からの塵埃の侵入を防止し得るようになっている。また、インクタンクH1900との係合部にはシールゴムH1400が装着され、前記係合部からのインクの蒸発を防止し得るようになっている。
【0055】
次に図2に基づきキャリッジM4001について説明する。
【0056】
図に示すように、キャリッジM4001はキャリッジ軸M4003とキャリッジレールM4004とに摺動可能に支持されると共に、キャリッジM4001と係合し記録ヘッドH1001をキャリッジM4001の装着位置に案内し記録ヘッドH1001を所定の装着位置にセットさせるよう押圧するヘッドセットレバーM4002とが設けられている。
【0057】
ヘッドセットレバーM4002はキャリッジM4001の上部に設けられ、その記録ヘッドH1001との係合部に不図示のばねを備えてこのばね力によって記録ヘッドH1001を押圧しながらキャリッジM4001に装着する構成となっている。
【0058】
キャリッジM4001の記録ヘッドH1001との別の係合部にはコンタクトフレキシブルプリントケーブル(以下、コンタクトFPCと称す)E0011が設けられ、コンタクトFPCE0011上のコンタクト部E0011aと記録ヘッドH1001に設けられたコンタクト部(外部信号入力端子)H1200とが電気的に接触し、記録のための各種情報の授受や記録ヘッドH1001への電力の供給などを行い得るようになっている。
【0059】
さらに前記コンタクトFPCE0011はキャリッジM4001の両側面部に引き出され、キャリッジM4001の背面に搭載されたキャリッジ基板E0013(図5)に接続されている。
【0060】
また、キャリッジ基板E0013はシャーシM3100に設けられている後述のメイン基板E0014(図5)とキャリッジフレキシブルフラットケーブル(キャリッジFFC)E0012により電気的に接続されている。キャリッジFFC E0012の他方の端部は、シャーシM3100にFFC押さえM4008によって固定されると共に、シャーシM3100に設けられた不図示の穴を介してシャーシM3100の背面側に導出され、前記メイン基板E0014に接続されている。
【0061】
キャリッジ基板E0013にはエンコーダセンサE0004(図5)が設けられ、シャーシM3100の両側面の間にキャリッジ軸M4003と平行に張架されたエンコーダスケールE0005上の情報を検出することにより、キャリッジM4001の位置や走査速度等を検出できるようになっている。例えばエンコーダセンサE0004は光学式の透過型センサであり、エンコーダスケールE0005はポリエステル等の樹脂製のフィルム上に写真製版などの手法によって、エンコーダセンサからの検出光を遮断する遮光部と検出光が透過する透光部とを所定のピッチで交互に印刷したものとなっている。
【0062】
従って、キャリッジ軸M4003に沿って移動するキャリッジM4001の位置は、キャリッジM4001の走査軌道上の端部に設けられたシャーシM3100の一方の側板にキャリッジを突き当て、その突き当て位置を基準とし、その後キャリッジM4001の走査に伴ないエンコーダセンサE0004によるエンコーダスケールE0005に形成されたパターン数を計数することにより随時検出し得るようになっている。
【0063】
また、キャリッジM4001は、アイドラプーリM4006とキャリッジモータプーリM4007との間にキャリッジ軸と略平行に張架されたキャリッジ軸M4003に固定されており、キャリッジモータE0001の駆動によってキャリッジモータプーリM4007を駆動させ、キャリッジM4001をキャリッジ軸M4003に沿って走査させ得るようになっている。また、前記キャリッジモータプーリM4007は、シャーシによって定位置に保持されているが、アイドラプーリM4006は、プーリホルダM4009と共にシャーシM3100に対して移動可能に保持され、前記モータプーリM4007から離間する方向へとばねによって付勢されているため、キャリッジ軸M4005には、常に適度な張力が付与され、弛みのない良好な架設状態が維持されるようになっている。
【0064】
(回復部)
次に図2に示した、記録ヘッドカートリッジH1000に対しての回復処理を行う回復部の説明を行う。
【0065】
この実施形態における回復部は、装置本体M1000に対し、独立して着脱を可能とする回復系ユニットM5000によって構成されており、この回復系ユニットM5000は、記録ヘッドH1001の記録素子基板H1100に付着した異物を除去するための清掃手段やインクタンクH1900から記録ヘッドH1001の記録素子基板1100に至るインクの流路)の正常化を図るための吸引手段等を備える。
【0066】
キャップM5001は記録ヘッドH1900の記録素子基板H1100に対向して設けられPGモータE0003と不図示のギヤ列とカム機構を介して接続され図中B方向に移動可能に構成されている。キャリッジM4001に装着された記録ヘッドの記録素子基板H1100がキャップM5001と対向する位置(キャッピング位置ともいう)へ移動後停止しこのときキャップM5001が図2中の鉛直上方へ駆動する事で記録素子基板H1100覆いキャッピング状態となる事ができる。この状態でPGモータと所定のギヤ列と接続された不図示のポンプ機構を動作すると記録ヘッドH1001のインクタンクH1900から記録素子基板H1100を通じてインクが吸引され排出される。
【0067】
また、回復ユニットM5000には記録素子基板H1100の清掃手段としてワイパーブレードM5002が設けられている。ワイパーブレードM5002は所定のギヤ列とリードスクリューM5003を介しPGモータE0003と接続され図中C方向に移動可能に構成されており、記録ヘッドH1001が装着されたキャリッジM4001が所定のワイピング位置へ移動後、停止し、ワイパーブレードM5002を図2の手前方向に駆動する。この動作によりワイパーブレードM5002が記録ヘッドH1001の記録素子基板H1100の表面に当接し清掃を行う。なおワイパーブレードM5002を動作させて記録素子基板H1100を清掃する場合には、キャップM5001は記録素子基板H1100から退避した位置に移動されている。
【0068】
ここで、回復ユニットM5000の動作に関わらない記録ヘッドH1001の回復動作として予備吐出処理がある。これは複数色のインクを吐出する記録ヘッドを用いて前述の吸引動作やワイピング動作を行うと、インクが混ざり合う問題が発生することがあり、この状態を回復するための処理である。
【0069】
このような現象は吸引動作時には吸引によってインク吐出口から吸い出されたインクが他の色のインク吐出口へ侵入してしまったり、ワイピング動作時にはインク吐出口周辺に付着している様々な色のインクをワイパーにより異なる色のインク吐出口へ押し込んでしまったりすることが原因であり、このような場合、次に記録を開始したときに、初期部分が変色(混色ともいう)となって画像が劣化してしまうおそれがある。この混色現象を解消するため、記録する直前に混色した分のインクを予め吐出しておくことを予備吐出といい、本実施形態においては図2に示すようにプラテンM3003の両端部近傍に予備吐出口M3003bが配置されており、所定のタイミングで記記録ヘッドの記録素子基板H1100をその予備吐出口M3003bに対向する位置へ移動させて実行する。このとき予備吐処理を行う予備吐口は所定の処理によって選択される。
【0070】
(電気的回路構成)
次に、本発明の実施形態における電気的回路構成を説明する。
【0071】
図5は、この実施形態における電気的回路の全体構成を概略的に示す図である。
【0072】
この実施形態における電気的回路は、主にキャリッジ基板(CRPCB)E0013、メインPCB(Printed Circuit Board)E0014、電源ユニットE0015等によって構成されている。
【0073】
ここで、前記電源ユニットE0015は、メインPCB E0014と接続され、各種駆動電源を供給するものとなっている。
【0074】
また、キャリッジ基板E0013は、キャリッジM4001(図2)に搭載され、コンタクトFPC E0011を通じて記録ヘッドとの信号の授受を行う他、キャリッジM4001の移動に伴ってエンコーダセンサE0004から出力されるパルス信号に基づき、エンコーダスケールE0005とエンコーダセンサE0004との位置関係の変化を検出し、その出力信号をフレキシブルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通じてメインPCB E0014へと出力する。
【0075】
さらに、メインPCBは記録装置の各部の駆動制御を司るプリント基板ユニットであり、紙端検出センサ(PEセンサ)E0006、ASFセンサE0009、カバーセンサE0022、パラレルI/F E0016、シリアルI/F E0017、リジュームキーE0019、LED E0020、電源キーE0018、ブザーE0021等に対するI/Oポートを基板上に有し、さらにCRモータE0001、LFモータE0002、PGモータE0003と接続されてこれらの駆動を制御する他、PGセンサE0010、CRFFC E0012、電源ユニットE0015との接続インターフェイスを有する。
【0076】
ここでキャリッジ基板E0013に搭載されたエンコーダセンサE0004からのエンコーダ信号を検知してタイミング信号を生成し、この信号と所望される記録情報等に基づいて記録ヘッドカートリッジH1000とのインターフェイスをとり記録動作を制御とともに前記エンコーダ信号に基づいて後述するキャリッジの駆動が制御される。
【0077】
また、CPU E1001はASIC(Application Specific Integrated Circuit)E1002とともに記録装置の各部を駆動制御する。CRモータE0001、LFモータE0002、PGモータE0003はそれぞれCRモータドライバーE1004、LFモータドライバーE1003、PGモータドライバーE1003を介してCPU E1001の制御信号に基づいて制御される。なお本例の場合LFモータドライバーとPGモータドライバーとは同一の素子内に独立して設けられている。
【0078】
次に、上記のように構成された本発明の実施形態における記録装置の動作を図6のフローチャートに基づき説明する。
【0079】
AC電源に本装置が接続されると、まず、ステップS1では装置の第1の初期化処理を行う。この初期化処理では、本装置のROMおよびRAMチェック等、電気回路系のチェックを行い、電気的に本装置が正常に動作可能であるかを確認する。
【0080】
次にステップS2では、装置本体M1000の上ケースM1002に設けられた電源キーE0018がONされたかどうかの判断を行い、電源キーE0018が押された場合には、次のステップS3へと移行し、ここで第2の初期化処理を行う。
【0081】
この第2の初期化処理では、本装置の各種駆動機構及びヘッド系のチェックを行う。すなわち、各種モータの初期化やヘッド情報の読み込みを行うに際し、本装置が正常に動作可能であるかを確認する。
【0082】
次に、ステップS4ではイベント待ちを行う。すなわち、本装置に対して、外部インターフェース(I/F)からの指令イベント、ユーザ操作によるパネルキーイベントおよび内部的な制御イベントなどを監視し、これらのイベントが発生すると当該イベントに対応した処理を実行する。
【0083】
例えば、ステップS4で外部I/Fからの印刷指令イベントを受信した場合には、ステップS5へと移行し、同ステップでユーザ操作による電源キーイベントが発生した場合にはステップS10へと移行し、同ステップでその他のイベントが発生した場合にはステップS11へと移行する。
【0084】
ここで、ステップS5では、外部I/Fからの印刷指令を解析し、指定された紙種別、用紙サイズ、印刷品位、給紙方法などを判断し、その判断結果を表すデータを本装置内のRAMに記憶し、ステップS6へと進む。
【0085】
次いでステップS6ではステップS5で指定された給紙方法により給紙を開始し、用紙を記録開始位置まで送り、ステップS7に進む。
【0086】
ステップS7では記録動作を行う。この記録動作では、外部I/Fから入力された記録データを、一旦記録バッファに格納し、次いでCRモータE0001を駆動してキャリッジM4001の走査方向への移動を開始すると共に、プリントバッファに格納されている記録データを記録ヘッドH1001へと供給して1行の記録を行い、1行分の記録データの記録動作が終了するとLFモータE0002を駆動し、LFローラM3001を回転させて用紙を副走査方向へと送る。この後、上記動作を繰り返し実行し、外部I/Fからの1ページ分の記録データの記録が終了すると、ステップ8へと進む。
【0087】
ステップS8では、LFモータE0002を駆動し、不図示の排出ローラを駆動し、用紙が完全に本装置から送り出されたと判断されるまで紙送りを繰返し、終了した時点で用紙は排紙トレイM1004a上に完全に排紙された状態となる。
【0088】
次にステップS9では、記録すべき全ページの記録動作が終了したか否かを判定し、記録すべきページが残存する場合には、ステップS5へと復帰し、以下、前述のステップS5〜S9までの動作を繰り返し、記録すべき全てのページの記録動作が終了した時点で記録動作は終了し、その後ステップS4へと移行し、次のイベントを待つ。
【0089】
一方、ステップS10ではプリンタ終了処理を行い、本装置の動作を停止させる。つまり、各種モータやヘッドなどの電源を切断するために、電源を切断可能な状態に移行した後、電源を切断しステップS4に進み、次のイベントを待つ。
【0090】
また、ステップS11では、上記以外の他のイベント処理を行う。例えば、本装置の各種パネルキーや外部I/Fからの記録ヘッドの回復処理指令や内部的に発生する回復イベントなどに対応した処理を行う。なお、処理終了後にはステップS4に進み、次のイベントを待つ。
【0091】
次にこのような構成の記録装置における、キャリッジモータE0001及びキャリッジM4001の制御について説明する。
【0092】
前述のように、キャリッジM4001はASIC E1002からのCRモータ制御信号駆動されるキャリッジモータE0001を駆動源としている。
【0093】
図8は、キャリッジM4001の指令速度及び指令位置の時間に対する変化の様子を示したグラフである。キャリッジM4001の駆動状態は、停止している状態から所定の一定速度まで加速する加速状態と、キャリッジM4001に装着した記録ヘッドH1001からインク滴を吐出して記録装置のプラテンM2001に案内された記録シート上に記録を行う定速度状態と、所定の位置に停止するためキャリッジM4001が減速する減速状態の3つの状態に大きく分けられる。本例の場合加速状態での指令速度V(t)は時間に比例し増加する様に算出されている。ここでキャリッジM4001の駆動走査を行うための様々な処理はCPU E1001によって行われており、例えば1ms間隔の所定のタイミング毎に周期的に行われる。また図8で示したような加速状態を示す時間を加速時間、同様に減速状態を示す時間を減速時間とし、さらにキャリッジM4001の一回の走査で最終的に到達しなければならない位置を到達位置XT、また定速状態に送る走査速度を到達速度VTとしている。
【0094】
図9は、キャリッジモータE0001の制御の概略を示す図であり、本例の場合キャリッジモータE0001の制御は図に示すようにキャリッジM4001の速度及び位置情報に基づくフィードバック制御である。
【0095】
本例のフィードバック制御は大きくは、前記所定のタイミングごとにキャリッジM4001の速度と位置の指令値を算出する指令値算出処理部1と、キャリッジM4001の位置を制御する位置制御処理部2と、速度を制御する速度制御処理部3と、位置制御処理部2と速度制御処理部3により算出された算出値をキャリッジM4001の駆動源であるキャリッジモータM4001を駆動するためのCRモータドライバE1004の入力に適する値に変換するモータ制御処理部4とから構成されている。
【0096】
なお、本例ではキャリッジM4001の位置や速度の情報はエンコーダセンサE0004及びエンコーダスケールE0005に基づいて検出され、検出された情報が随時ASIC E1002内に設けられている不図示のDRAMに格納されるしくみになっている。また格納された情報をCPU E1001がフィードバック制御の処理タイミングごとに取得するしくみになっている。なお本例の場合図7に示したようにエンコーダセンサE0004から検出される信号は図のような互いに90゜位相のずれたA相、B相信号である。
【0097】
指令値算出処理部1は、図8に示したような、各処理タイミングに対する指令速度V(t)、指令位置X(t)を算出する。
【0098】
図10に指令値の算出処理の流れを示した。まず、CPU E1001はキャリッジM40001が加速、定速、減速状態のいずれで有るかをキャリッジM4001に装着されたエンコーダセンサE0004の測定結果から判断する(ステップS10)。
【0099】
加速状態で有った場合ステップS11に進み、あらかじめ設定されている定速状態で到達すべき到達速度VTと、加速度α1、及び初速度Vs等の値から本例の場合、式;指令速度V(t)=α1t+Vsに基づいて指令速度V(t)を算出する。
【0100】
ステップS10においてキャリッジM4001が定速状態と判断された場合には、ステップS12にすすみ指令速度V(t)を到達速度VTに等しい、すなわち、式;指令速度V(t)=到達速度VTとして算出する(ステップS12)。
【0101】
ステップS10において減速状態で有ると判断された場合には、ステップS13に進みあらかじめ設定されている到達速度VTと減速時の加速度α2から 指令速度V(t)=α2t+到達速度VTにより算出する。ここで減速時の加速度α2はマイナス(−)の値であるため直線的に減少する指令速度V(t)が算出される。これらキャリッジM4001の駆動状態に応じて指令速度V(t)を算出した後、ステップS14に進み指令速度V(t)を処理タイミングごとに加算していくことで指令位置を算出する。
【0102】
本例の場合、この処理タイミングは1msで有ることから、指令速度V(t)の単位時間が1msで有るのでこの指令速度V(t)をそのまま加算すれば移動距離すなわち位置が算出できるしくみになっている。尚、(t)は所定の処理タイミングにおける値を示すものとしている。
【0103】
次に、位置制御処理部2は指令値算出処理部1で求められた指令位置X(t)と、一連のフィードバック制御によって駆動されたキャリッジM4001の実際の位置x(t)との誤差すなわち位置誤差XE(t)を算出し、その位置誤差XEと、指令値算出処理で算出された指令速度V(t)とから速度制御量VC(t)を算出する。このときキャリッジM4001の実際の位置x(t)は位置制御処理を実施する前回のタイミングにおいて算出されたキャリッジモータE0001への出力に基づく結果とし、(t−1)加えて示すものとする。
【0104】
本例の場合、位置制御処理はキャリッジM4001が減速状態に移行した時点で実行される処理であって加速状態、定速状態においては実行されない構成になっている。ここで減速状態に移行したという判断はキャリッジM4001の位置により決定され、あらかじめ設定されている減速距離から減速を開始する位置を求めその減速開始位置にキャリッジが移動したことがエンコーダスケールE0005とエンコーダセンサE0004によって検出された場合に該当する。
【0105】
図11に位置制御処理部2の処理の流れを示した。まず指令値算出処理1で算出された指令位置X(t)からキャリッジM4001の実際の位置x(t−1)を減算し位置誤差XE(t)を算出する(ステップS21)。次にキャリッジM4001が減速を開始すべき位置にいるかあるいは減速状態の途中かどうか判断し(ステップS22)、その結果減速を開始すべき位置にいると判断された場合には位置誤差の制御手段であるCPU E1001によりステップS21において算出された位置誤差XEの値を「0」にリセットする(ステップS23)。キャリッジM4001の駆動が開始されてから減速状態に移行するまでの間指令位置X(t)と実際のキャリッジM4001の位置x(t)との間には通常の場合時間に対して誤差を有し実際のキャリッジの位置x(t)が指令位置X(t)より遅れて追従する状態となっている。
【0106】
その結果、キャリッジM4001が減速に移行したタイミングでは位置誤差XE(t)を有している。従って、減速開始位置ではいったん位置誤差XE(t)をリセットし、指令位置X(t)がこのタイミングで実際のキャリッジM4001の位置x(t)に等しいとする。次に位置誤差XE(t)を速度として扱うため位置制御処理を実施するタイミングの周期Tによって除算する。
【0107】
その後、位置制御定数Pを乗じた後、指令値算出処理で算出された指令速度V(t)を加え速度制御量Vc(t)を算出する(ステップS24)。ステップS22においてキャリッジM4001が減速開始して、減速状態であると判断された場合には位置誤差XE(t)はリセットされずに直ちにステップS24により速度制御量Vc(t)が算出される。
【0108】
次に、速度制御処理3はキャリッジM4001の走査中の速度を制御する処理をおこなう。この処理はキャリッジM4001の加速状態、及び定速度状態及び減速度状態において使用される処理である。なお、この処理は公知のPID制御処理であって、指令速度と実際の速度との誤差に基づいて処理を行っている。
【0109】
図12に速度制御処理部3の処理の流れをしめした。まずこの処理における入力は速度制御量Vc(t)である。ここで、本例の場合加速、定速度状態では、位置制御処理部2による結果を使用しないためこの速度制御量Vc(t)は指令値算出処理1において算出された指令速度V(t)に等しい。また減速状態では位置制御処理部2による速度制御量Vc(t)と速度制御処理3による速度制御量Vc(t)とが加算されて算出される。
【0110】
まず、指令値算出処理1により算出された指令速度V(t)を速度制御量Vc(t)とし、指令速度V(t)から実際のキャリッジM4001の速度v(t−1)を減算し速度誤差VE(t)を算出する(S31)。ここで、実際のキャリッジM4001の速度v(t−1)は、前回の処理によりキャリッジモータE0001が駆動された結果得られた速度である。従って前回の制御結果である(t−1)を添えて示している。
【0111】
次にステップS31において算出された速度誤差VE(t)に基づいて微分制御量Vd(t)、フィルタ制御量Vf(t)、積分制御量Vi(t)を算出する。微分制御量Vd(t)はステップS31において算出された速度誤差VE(t)と前回の速度制御処理で算出された速度誤差VE(t−1)との差を求め、この差にあらかじめ設定されている微分制御定数Kdを乗じて算出される(ステップS32)。すなわち微分制御量Vd(t)は速度誤差VE(t)の時間変化に応じた量である。またフィルタ制御量Vf(t)はステップS33に示したように前回の処理タイミングで算出されたフィルタ制御量Vf(t−1)からステップS31で算出された速度誤差VE(t)を減算し、その結果にフィルタ制御定数Kfを乗じ、さらにこの乗じた結果に速度誤差VE(t)を加算して算出する。ここでのフィルタ処理においてはあらかじめ設定されているフィルタ制御定数Kfの値に応じて速度誤差VE(t)に反映される周波数成分を変える事ができる。例えば本例の場合速度制御処理3を1msのタイミングで実施しているので該フィルタ処理を施さなければステップS31において算出される速度誤差VE(t)には1KHzまでの変化が反映され、フィルタ処理を施した場合にはフィルタ制御定数Kfの値によって反映される周波数を1KHz以下に設定できるようになっている。積分制御量Vi(t)の算出はステップS34に示した様にフィルタ処理S33で算出されたフィルタ制御量Vf(t)と前回の処理タイミングにおいてフィルタ処理S33により算出されたフィルタ制御量Vf(t−1)とを加算し、積分制御定数Kiを乗じて算出している。すなわち積分制御量Vi(t)はフィルタ制御量Vf(t)を処理タイミング毎に加算した値に応じた値である。
【0112】
このようにして求められた微分制御量Vd(t)と積分制御量Vi(t)とフィルタ制御量Vf(t)とを加算し、加算結果に対して比例制御定数Kp(t)を乗じて速度制御処理3の処理結果である速度制御量Vc(t)を算出する(ステップS35)。
【0113】
位置制御処理2及び速度制御処理3により求められた速度制御量Vc(t)はキャリッジモータE0001を駆動するためのキャリッジモータドライバーE1004に適した値となっていないためモータ制御処理部4によって該モータドライバーE1004に適したモータ制御量Mに換算し該モータドライバーE1004に速度制御量Vc(t)が入力されその結果キャリッジM4001が駆動走査される。
【0114】
このようにして、位置制御処理部2及び速度制御処理部3により速度制御量Vc(t)が求められ、モータ制御処理部4においてモータ制御量Mに変換され、CPU E1001の指令する指令に追従してキャリッジM4001が走査するように制御される。
【0115】
次に、上述したようにフィードバック制御されるキャリッジM4001についてさらに本例にかかる制御の流れについて図13及び図14について説明する。
【0116】
記録動作の命令がパラレルI/F E0016やシリアルI/F E0017を介してCPU E1001に指令され、所定のイニシャル処理や記録シートPの給送などを行った後、キャリッジM4001の駆動が指令される。キャリッジM4001の駆動が指令されるとまずステップS401においてパラレルI/FE0016やシリアルI/F E0017からの指令を解析し、所望される記録情報と共にキャリッジM4001の駆動モードと到達位置XTが読込まれる。ここでキャリッジM4001の駆動モードは、到達すべき到達速度VTと加速度、減速度αにより決定されるものである。
【0117】
次に、ステップS402において後述する前記指令された到達位置XTに応じてフィードバック制御時に使用するエンコーダ信号の選択処理が実施される。所定のエンコーダ信号が選択されると、このエンコーダ信号に基づいてキャリッジM4001の速度及び位置情報が検出され、キャリッジM4001のフィードバック処理が開始され、先の図9に示した処理に従いキャリッジの駆動走査が開始される(ステップS403)。
【0118】
フィードバック処理により、キャリッジM4001は加速を開始し、ステップS401で指令された所定の到達速度VTに到達するように制御され、到達位置XTに向かって駆動される。キャリッジM4001の駆動が開始されると、次にステップS404に進む。CPU E1001はエンコーダセンサE0004によるエンコーダ信号をフィードバック処理の処理タイミング毎に監視し、ステップS405によりキャリッジM4001が到達位置XTに到達したかどうか判断する。
【0119】
キャリッジM4001が到達位置XTに到達したと判断されると、ステップS406へ移行して次の指令すなわちイベントが指令されているか否かを判断する。ここで次のイベントとは、記録動作中であれば例えばキャリッジM4001の走査につづくLFモータE0002の駆動による記録シートPの搬送動作や、回復ユニットM5000を駆動し記録ヘッドH1001に対する回復動作などである。
【0120】
ステップS406において、次のイベントが指令された場合には直ちにステップS407へ移行し、次のイベントを実行し一連のキャリッジM4001に関する処理を終了する。ステップS406においてこれまでのキャリッジM4001の走査に続くイベントが直ちに指令されない場合には、ステップS408に進み所定時間経過するまで次のイベントを待つ。
【0121】
ステップS408において、所定時間経過しても次のイベントが指令されない場合にはキャリッジM4001を回復ユニットM5000のキャップM5001に対向する位置まで駆動し、その後キャッピング動作等を行い一連の動作を終了する終了処理を実施する。
【0122】
次に、本例にかかるステップS402でのエンコーダ信号の選択について図14に基づいて説明する。まずステップS51において指令されたキャリッジM4001の到達位置XTが、キャリッジM4001に搭載された記録ヘッドH1001の記録素子基板H1001と回復ユニットM5000のキャップM5001とが対向するキャッピング位置か、回復ユニットM500のワイパーブレードM5002に対向するワイピング位置か、記録ヘッドH1001による予備吐出を実施する予備吐口位置か、もしくはそれ以外の位置か否かを解析する。
【0123】
なお、本例の場合キャッピング位置とワイピング位置とは異なる構成としている。ステップS51において、指令された到達位置XTの解析が実施されると、その解析結果に応じてステップS52、ステップS53、ステップS54、ステップS55、に移行する。ここで到達位置XTがキャッピング位置及びワイピング位置であった場合にはステップS56へすすみ、フィードバック制御のために、エンコーダ信号1として、信号を検出する条件(検出すべき状態)が選択され、選択された条件の信号を検出して制御を行う。
【0124】
ここで、エンコーダ信号1とは、図7に示したA相、B相の信号のうち、A相の信号の立ち上がりエッジ、A相の信号の立ち下がりエッジ、B相の信号の立ち上がりエッジ、B相の信号の立ち上がりエッジの全てのエッジを位置検出のために使用することを意味する。
【0125】
キャリッジM4001の速度はA相の立ち上がりエッジから次の立ち上がりエッジまでの時間周期を計数し、エンコーダスケールE0005のピッチL1をこの時間周期で除算し求める。
【0126】
キャリッジM4001の位置は、A相の立ち上がりエッジ、A相の立ち下がりエッジ、B相の立ち上がりエッジ、B相の立ち上がりエッジの全てを計数してこの計数値にL2を乗じた結果を基準位置からの移動量として求める構成である。
【0127】
ここで、立ち上がりエッジは、信号がローレベルからハイレベルに切り替わる状態であり、いわゆる立ち上がり(立ち上がり信号)と言われる。また、立ち下がりエッジは、信号がハイレベルからローベルに切り替わる状態であり、いわゆる立ち下がり(立ち下がり信号)と言われる。
【0128】
ステップS54において指令された到達位置XTがプラテンM3003の予備吐口M3003bの位置すなわち予備吐口位置、あるいはそれ以外である場合には、ステップS57へ進み、フィードバック制御のために、エンコーダ信号2として、信号を検出する条件(検出すべき状態)が選択され、選択された条件の信号を検出して制御を行う。
【0129】
ここで、エンコーダ信号2とは、図7に示したエンコーダ信号のうち、A相の信号の立ち上がりエッジのみを使用することを意味する。この場合キャリッジM4001の速度はエンコーダ信号1の場合と同様にA相の立ち上がりから次の立ち上がりまでの時間周期を計数し、エンコーダスケールE0005のピッチL1をこの時間周期で除算して求める。キャリッジM4001の位置は、A相の立ち上がり信号の時間周期のみを計数して、この計数値にL1を乗じた結果を基準位置からの移動量として求める構成である。
【0130】
なお本例の場合、エンコーダ信号1が選択された場合も、エンコーダ信号2が選択された場合も、キャリッジM4001の移動方向の検出は図19に示した信号状態で行われる構成となっている。
【0131】
このようにして、キャリッジM4001に指令される到達位置XTに応じて、フィードバック制御に使用されるエンコーダ信号が選択される。ここで本例の場合到達位置XTがキャッピング位置やワイピング位置といったキャリッジM4001及びこれに搭載された記録ヘッドH1001と回復ユニットM5000のキャップM5001やワイパーブレードM5002との位置関係をきびしく管理するために、高い位置の検出解像度を有するエンコーダ信号1を使用する。
【0132】
また、予備吐出時のキャリッジM4001の位置管理は、これよりも低い解像度であるエンコーダ信号2を設定している。予備吐出時に求められる位置は、予備吐出口M3003bの大きさが記録ヘッドH1000の記録素子基板H1001の面積よりも大きく構成されているためである。さらにキャッピング位置、ワイピング位置、予備吐口位置以外の場合でも、きびしい位置管理が特に必要にないのでエンコーダ信号2使用する構成にしている。
【0133】
例えば、キャリッジM4001が記録動作のため図2の左右方向に往復走査している場合であって、この場合には到達位置XTに厳密に到達しなくても記録動作が達成できるためである。
【0134】
このようにして、キャリッジM4001の到達すべき到達位置に応じてキャリッジM4001のフィードバック制御に使用するエンコーダ信号を選択可能な構成としたので、フィードバック処理が効率的に行える。また高い位置精度を有して停止動作を行うと停止状態となるまでに低い位置精度の場合に比べて時間を要するのが一般的であるが、本例のようにフィードバック制御に使用するエンコーダ信号を選択的に設けたので効率的な制御が行えその結果として記録時間の短縮化ができる。
【0135】
(実施例2)
次に先の実施例においては、キャリッジM4001の駆動制御が開始されるのに先だってあらかじめキャリッジM4001の駆動モードが指令されるものとして説明したが、指令されるキャリッジM4001の到達位置XTに応じてキャリッジM4001の駆動モードを選択し、この選択された駆動モードに応じてキャリッジM4001のフィードバック制御に使用するエンコーダ信号を選択する構成について図15に基づいて説明する。なお図15において図13と同じ符号で示した各処理は図13に基づく処理と同様である。
【0136】
図15において、まずステップS4011において指令された到達位置XTを読み込む。次ステップS4012において指令された到達位置XTを解析する。このときの処理を図16に示した。
【0137】
図16において、まずステップS61において指令された到達位置XTを解析し、この到達位置がキャッピング位置、ワイピング位置、予備吐口位置及びそれ以外の位置かどうかを判断する。
【0138】
次にこの解析結果に応じて、ステップS62、ステップS63、ステップS64、ステップS65のいずれかに進み、キャッピング位置及びワイピング位置であった場合には、ステップS66により駆動モード1が選択され、予備吐口位置であった場合にはステップS67により駆動モード2が選択され、それ以外の位置であった場合にはステップS68により駆動モード3が選択される。
【0139】
ここで、駆動モードはキャリッジM4001が到達すべき到達速度VTと加速度、減速度αとにより決定される駆動モードであって本例の場合駆動モード1は駆動モード2に比べて小さい到達速度と加減速度で構成されている。駆動モード2は駆動モード3に比べて小さい到達速度と加減速度で構成されている。
【0140】
このように、指令される到達位置XTに応じた駆動モードがステップS4012により選択されると、ステップ4021において選択された駆動モードに応じて使用されるエンコーダ信号が選択される。
【0141】
ここでは、駆動モード1が選択された場合には図14で示したエンコーダ信号1が選択され、駆動モード2及び駆動モード3が選択された場合にはエンコーダ信号2が選択される。このようにしてフィードバック制御に使用されるエンコーダ信号が選択されるとこのエンコーダ信号を使用してステップS403によりキャリッジM4001の駆動制御が開始される。以下の処理は図13に示した処理と同様であるので、説明を省略する。
【0142】
このように、指令されるキャリッジM4001の到達位置に応じて、駆動モードが選択され、この駆動モードに応じてキャリッジM4001のフィードバック制御に使用されるエンコーダ信号が選択されるように構成し、さらには停止位置精度が必要な場合にキャリッジMの到達速度を低く設けたので、キャリッジM4001の到達位置における停止精度がより効率的に得られ、その結果として信頼性も高く記録時間の短縮化ができる。
【0143】
これまでの説明で、キャリッジM4001のフィードバック制御に使用されるエンコーダ信号の選択をキャリッジM4001の到達すべき位置や到達すべき位置に応じて駆動モードを選択し、この駆動モードに応じて行う構成としたが、キャリッジM4001の駆動走査に続く次の処理(イベントともいう)を常に監視し、このキャリッジM4001の駆動走査に続く次の処理に応じて前記フィードバック制御に使用されるエンコーダ信号を選択する構成も好適に適用できる。
【0144】
また、単純には指令される駆動モードを解析し、例えば到達速度が低い場合にはエンコーダ信号2を選択し、到達速度が高い場合にはエンコーダ信号2を選択する構成も考えられる。
【0145】
この場合について、図17に示した。到達速度が低い場合には、比較的停止状態に制定しやすいためエンコーダ信号の解像度を高くすることで高い位置精度を確保する。また、到達速度が高い場合には、比較的停止状態に制定しにくいためエンコーダ信号の解像度を低くする構成をとっても構わない。
【0146】
また、これまでの説明ではシリアル式インクジェット記録装置のキャリッジの駆動制御に適用した例を挙げて説明したが、これに限定されることなく例えばライン式記録装置における記録シートなどの記録媒体の搬送機構や、モータやモータに接続された対象物の制御にも適用できる。
【0147】
また、これまでの説明では、到達すべき位置に到達した場合に、停止判定を行うように構成したが、位置の代わりに、モータなどの場合には、到達すべき位置回転量もしくは回転角度を達成した場合に停止判定を行っても構わない。
【0148】
さらに、本発明ではモータとしてDCモータをあげて説明したがDCモータに限定されることなく適用できる。
【0149】
また、本発明は、キャリッジに対して、記録ヘッドの代わりにスキャナーユニットが装着可能であれば、スキャナーユニットの移動のための制御にも適用できる。この場合には、スキャナーユニットの待機位置や調整位置(白補正、黒補正等)への移動に適用できる。
【0150】
以上のように、本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0151】
[実施態様1]
複数の駆動モードで記録ヘッドを移動させる移動手段を備えた記録装置の制御方法であって、前記移動手段の速度及び位置を検出するための検出信号を出力する検出工程と、前記記録ヘッドの停止位置に応じて、前記検出信号を検出する条件を選択する検出条件選択工程と、前記検出条件選択工程により選択された条件の検出信号をカウントするカウント工程と、前記カウント工程にてカウントされた値を用いて、前記記録ヘッドを前記停止位置へ移動させる制御工程とを有する記録装置の制御方法。
【0152】
[実施態様2]
記録ヘッドを搭載するキャリッジを複数の駆動モードで移動させる移動手段を備えた記録装置であって、前記キャリッジの速度及び位置を検出するための検出信号を出力する検出手段と、前記キャリッジの移動に際、所望される停止位置に応じて、前記検出信号を検出する条件を選択する検出条件選択手段と、前記検出条件選択手段により選択された前記条件と、前記検出手段による検出信号とに基づいて、前記移動手段を前記停止位置へ移動させる制御手段とを備えることを特徴とする記録装置。
【0153】
[実施態様3]
前記駆動モードは、速度及び加減速度をパラメータとすることを特徴とする実施態様2に記載の記録装置。
【0154】
[実施態様4]
前記停止位置は、前記記録ヘッドの回復動作位置であることを特徴とする実施態様2に記載の記録装置。
【0155】
[実施態様5]
複数の駆動モードで記録ヘッドを移動させる移動手段を備えた記録装置であって、前記移動手段の速度及び位置を検出するための検出信号を出力する検出手段と、前記記録ヘッドの停止位置に応じて、前記検出信号を検出する条件を選択する検出条件選択手段と、前記検出条件選択手段により選択された条件の検出信号をカウントするカウント手段と、前記記録ヘッドの停止位置に応じて、前記複数の駆動モードの中から1つの駆動モードを選択する駆動モード選択手段と、前記カウント手段がカウントした値と前記駆動モード選択手段により選択された駆動モードを用いて、前記記録ヘッドを前記停止位置へ移動させる制御手段とを備えることを特徴とする記録装置。
【0156】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明を用いることにより、効率的なモータの制御やモータにて移動する記録ヘッドなどの制御ができ、精度の高い動作が行える記録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るインクジェット記録装置の斜視図である。
【図2】図1に示す記録装置の外装部材を取り外した構成を示した斜視図である。
【図3】本発明の実施例に係る記録ヘッドカートリッジの全体を示した斜視図である。
【図4】図3に示した記録ヘッドカートリッジをインクタンクとを示した分解斜視図である。
【図5】本発明の実施例に係るインクジェット記録装置の電気的回路の全体構成を示したブロック図である。
【図6】本発明の実施例に係るインクジェット記録装置の記録動作全体を説明したフローチャートである。
【図7】本発明の実施例に係るエンコーダ信号を説明した説明図である。
【図8】本発明の実施例に係るインクジェット記録装置のキャリッジの制御状態を示した説明図である。
【図9】本発明の実施例に係るインクジェット記録装置のキャリッジのフィードバック制御処理を示した説明図である。
【図10】図9に係る処理のうち指令値の算出を説明した説明図である。
【図11】図9に係る処理のうち位置の制御処理を説明した説明図である。
【図12】図9に係る処理のうち速度の制御処理を説明した説明図である。
【図13】本発明の実施例に係るインクジェット記録装置のキャリッジの制御処理の全体を示した説明図である。
【図14】本発明の実施例に係るエンコーダ信号の選択を説明した説明図である。
【図15】本発明の他の実施例に係るインクジェット記録装置のキャリッジの制御処理の全体を示した説明図である。
【図16】本発明の第2の実施例に係るインクジェット記録装置のキャリッジの駆動モードの選択を説明した説明図である。
【図17】従来のフィードバック制御におけるエンコーダ信号を説明した説明図である。
【図18】エンコーダ信号の移動方向による信号状態を説明した説明図である。
【符号の説明】
M1000 装置本体
M1001 下ケース
M1002 上ケース
M1003 アクセスカバー
M1004 排紙トレイ
M2000 自動給送部
M2001 給紙ローラ
M2002 サイドガイド
M2003 圧板
M2004 ASFベース
M3000 搬送部
M3001 LFローラ
M3002 ピンチローラ
M3003 プラテン
M3003−a プラテンリブ
M3003−b 予備口
M3004 LFギヤ列
M3050 排出部
M3051 拍車
M3052 拍車ステイ
M3100 シャーシ
M4000 記録部
M4001 キャリッジ
M4002 キャリッジレバー
M4003 キャリッジ軸
M4004 キャリッジレール
M4005 キャリッジベルト
M4006 アイドラプーリ
M4007 キャリッジモータプーリ
M5000 回復系ユニット
M5001 キャップ
M5002 ワイパーブレード
M5003 リードスクリュー
E0001 キャリッジモータ
E0002 LFモータ
E0003 PGモータ
E0004 エンコーダセンサ
E0005 エンコーダスケール
E0005a エンコーダスケール透過部
E0005b エンコーダスケール遮光部
E0007 PEセンサ
E0009 ASFセンサ
E0010 PGセンサ
E0011 コンタクトFPC(フレキシブルプリントケーブル)
E0012 CRFFC(フレキシブルフラットケーブル)
E0013 キャリッジ基板
E0014 メイン基板
E0015 電源ユニット
E0016 パラレルI/F
E0017 シリアルI/F
E0018 電源キー
E0019 リジュームキー
E0020 LED
E0021 ブザー
E0022 カバーセンサ
E1001 CPU
E1002 ASIC
E1003 LF/PGモータドライバ
H1000 記録ヘッドカートリッジ
H1001 記録ヘッド
H1900 インクタンク

Claims (1)

  1. 記録ヘッドを搭載するキャリッジを複数の駆動モードで移動させる移動手段を備えた記録装置であって、
    前記キャリッジの速度及び位置を検出するための検出信号を出力する検出手段と、
    前記キャリッジの移動の際、所望される停止位置に応じて、前記検出信号を検出する条件を選択する検出条件選択手段と、
    前記検出条件選択手段により選択された前記条件と、前記検出手段による検出信号とに基づいて、前記移動手段を前記停止位置へ移動させる制御手段とを備えることを特徴とする記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018176538A (ja) * 2017-04-12 2018-11-15 キヤノン株式会社 キャリッジ装置と、それを含む装置と、キャリッジ装置の制御方法

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