JP4551591B2 - 構造部品連結装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造部品を連結するための装置に関する。この装置は、一方の構造部品に配置された基部と、基部とねじ係合しておりかつ一端が他方の構造部品にて支持されているスペーサと、スペーサに摩擦係合により挿入された連結ねじとを含む。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
このタイプの知られた装置は、EP-B-O 176 663号に記載されており、特定の距離を隔てて配置された2つの構造部品を、連結ねじを補助として、連結ねじを締め付けるときに構造部品を歪ませずに連結するために用いられている。例えば、連結ねじを、スペーサにて支持されることになる一方の構造部品を通して挿入し、次いで、基部と連結された他方の構造部品の内ねじにねじ込む。このねじ込み動作の間、スペーサは摩擦により移動される。スペーサと構造部品との間のねじは左ねじであり、それゆえ、スペーサはさらに基部から回し外され、連結ねじの頭部により保持された構造部品に、この構造部品が最終的にスペーサの前面と接触するまで近づく。
【0003】
しかし、連結されるべき構造部品間の距離がスペーサの最大調節距離よりも大きい場合には、連結ねじをねじ込むと、スペーサは基部から完全に外れてしまう。この場合のスペーサに触れること困難であるため、スペーサと基部とのねじ係合を回復することは困難である。
【0004】
連結ねじが配設される状態において、スペーサは通常、基部に完全にねじ込まれている。実際の使用から、連結装置は、この位置にあるスペーサが止め部と接触し、さらに、ばね付きラッチにより所定の位置に保持されていることが知られる。しかし、連結ねじがねじ込まれているときにラッチの抵抗を克服することが可能であるはずである。したがって、不適切な操作またはきしみにより、連結装置を用いる前にスペーサが基部から完全に外れ、それにより連結装置の一部が脱落して喪失することも有り得る。
【0005】
【課題を解決するための手段】
安定性のためには、基部およびスペーサは金属から構成されるべきである。しかしこの場合、互いに連結されるべき構造部品が組立時に、基部から突出するスペーサにより引っ掻かれる危険がある。この問題は、例えば、車両の組立において、かかる2つの連結装置を補助としてクロス部材が、車両の塗装済の2つの車体部品の間に固定されるときに生じる。
【0006】
したがって本発明の目的は、上記のタイプの装置であって、連結される構造部品の一方に対するスペーサによる損傷を回避する装置を提供することにある。
【0007】
本発明に従えば、この目的は、以下の本発明により達成される。
【0008】
すなわち、本発明に従えば、構造部品(10,12)を連結するための装置であって、一方の構造部品(10)に配置された基部(16,116)と、基部(16,116)とねじ係合しておりかつ一端が他方の構造部品(12)にて支持されているスペーサ(18,118)と、スペーサ(18,118)に摩擦係合により挿入された連結ねじ(20)とを含み、スペーサ(18)が、柔軟な材料、好ましくはプラスチックから製造されたジャケット(32)と、ジャケット(32)に取り囲まれた、より硬質なコア(30)を有しており、スペーサのジャケット(32)は、少なくとも、スペーサおよび基部を併せた軸方向の寸法が最小である場合に、スペーサのより硬質のコア(30)の前面よりも突出していることを特徴とする連結装置が提供される。
【0009】
本発明の連結装置において、スペーサのジャケット(32)が、スペーサ(18)の、より硬質のコア(30)の外周に堅固に着座し、かつ基部(16)に重なり、止め部(42,44)がこのスペーサのジャケット(32)および基部(16)に配置されて、基部およびスペーサの、ねじ戻し運動を制限し得る。ここで、スペーサのジャケット(32)および基部(16)が、基部とスペーサとのねじ込み運動を制限するさらなる止め部の対(40,42)を有し得る。また、止め部(42、44)の一方及び/又は、さらなる止め部(40,44)の一方が、スペーサ(18)の調節範囲内での回転中に互いを超えて移動し、かつ、スペーサがその回転方向における端位置に到達したときにのみ接触位置に移動されるように前記止め部(42、44)及び/または前記更なる止め部(40、44)が配置され得る。さらに、止め部のうちの一つが螺旋状のリブ(44)により形成されており、リブのピッチが、基部(16)とスペーサ(18)との間のねじ(36)のピッチと同一であり、リブ(44)の両対向端が、周方向において、対応する止め部(40,42)の一つを該両端の間に収容することができる距離を有して互いに隔てられていてもよい。リブ(44)がスペーサのジャケット(32)に形成されていてもよい。また、ジャケット(32)がプレス嵌めまたは留め金によりスペーサ(18)のコア(30)上に保持されていてもよい。
【0010】
本発明の連結装置において、基部(16)が、スペーサのジャケット(32)の内部に延在しているコア(24)、およびスペーサのジャケット(32)を取り囲む別のジャケット(26)を有し得る。ここで、基部の止め部(40,42)の少なくとも一つ基部のジャケット(26)の内周に配置され得る。また、基部のジャケット(26)がプレス嵌めまたは留め金により基部(16)のコア(24)に保持されていてもよい。
【0011】
本発明の連結装置において、基部はジャケットを有しており、基部のジャケット(126)が基部(116)に堅固に着座していてもよい。ここで、スペーサ(118)の基部(116)に対する一方向の移動が、スペーサのねじ部の端部に形成されかつ基部の止め部(138,154)に突き当たるショルダ(134)により制限され、基部の止め部(138,154)は、スペーサ(118)および基部(116)が組み立てられた後にのみ有効となり得る。また、前記基部の止め部がばね要素(138)により形成され、ばね要素(138)は、スペーサ(118)がねじ込まれているときには撓み、次いで、ショルダ(134)を超えてロックを形成し得る。また、基部(116)が、プラスチックの基部のジャケット(126)に取り囲まれた金属製のねじ付きブッシュ(124)を有し、かつ、ばね要素(138)は、ばね付きラッチであり、ばね付きラッチ(138)が基部のジャケット(126)に形成され得る。
【0012】
基部(116)は、プラスチック製の基部のジャケット(126)内にプレス嵌めにより保持された金属製のねじ付きブッシュ(124)を有し、かつ、基部の止め部(154)が基部のジャケット(126)に堅固に形成されていてもよい。
【0013】
スペーサ(118)が半径方向に突出したフランジ(140)を、ショルダ(134)に面する端部に有し、フランジ(140)から延びている突出部(142,160)が、基部(116)に形成された止め部(144,162)と共に、スペーサ(118)の基部(116)に対する端位置における回転運動を制限し得る。フランジ(140)がその外周縁に凹み(156)を有し、凹み(156)は、ショルダ(134)と協働する基部の止め部(154)と相補的にすることができる。
【0014】
実行可能な具体例は、スペーサが、基部と重なるジャケットを有し、止め部が、ジャケットおよび基部に配置され、該止め部が、基部およびスペーサのねじ戻し運動を制限することを特徴とする。この場合、保護ジャケットはスペーサの一部である。
【0015】
異なる具体例において、ジャケットは基部上に着座している。この装置は、組立作業を開始する前の元の状態において軸方向寸法が最小に調節されているため、連結される構造部品が所定の位置に運ばれて連結ねじがねじ込まれるまでスペーサはジャケット内に保護されている。
【0016】
以下に、本発明の例を、図面を用いてさらに詳細に記載する。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1に、互いに所定の距離を有して連結装置14により連結される2つのプレート状構造部品10,12を示す。連結装置14は、構造部品10にて固定された基部16、基部16にねじ込まれたスペーサ18、および連結ねじ20により形成されている。連結ねじ20は、構造部品を12を通ってスペーサ18の中央穴に挿入されており、前記構造部品の前記連結の達成時に構造部品10のねじ穴22にねじ込まれる。
【0018】
基部16は、構造部品10にて支持された金属コア24を有し、金属コア24はその外周部に、プラスチックのジャケット26が押し付けられる刻み付きカラーを有する。ジャケット26は、基部16が構造部品10に対して回転しないように構造部品に固定される2つのクロー(爪)28を形成している。
【0019】
スペーサ18もまた金属コア30を有し、金属コア30はプラスチックジャケット32に取り囲まれている。ジャケット32は、コア30の刻み付きカラー34に押し付けられ、基部16のコア24とジャケット26との間の環状のスペースに保持されている。
【0020】
基部のコア24とスペーサのコア30とは、左ねじ36により互いに係合している。スペーサ18の中央穴において、ロックワッシャ38が押し付けられ、これが、連結ねじ20の外ねじとの非積極的(ノンポジティブ)な連結を生じさせる。
【0021】
連結ねじ20が構造部品10のねじ穴22にねじ込まれるときに、スペーサ18は回転方向に沿って運ばれるが、基部16はクロー28により、回転しないように保持される。したがって、左ねじ36により、スペーサ18は基部16から回し外され、それによりスペーサ18は構造部品12に向かって軸方向に移動し、そして構造部品12が連結ねじ20の頭部によりスペーサ18に対して押し付けられる。
【0022】
基部16の外側ジャケット26の対向端部に、2つの歯状の止め部40,42が形成されている。止め部40,42は互いに180度ずらして配置され、ジャケット26から内側に向かって突出し、スペーサ18のジャケット32の外周部上のリブ44により形成されたさらなる止め部と共に、このスペーサのねじ込み方向およびねじ外し方向における調節通路を限定する。図2および3に明瞭に見られるように、リブ44は、左螺旋の形状を有し、ジャケット32の自由端にて、ジャケットの周りをほぼ完全に囲っている。この螺旋のピッチは左ねじ36のピッチと同一である。リブ44の対向端46,48は、止め部40及び42の外周長さよりもわずかに大きい距離を隔てて互いに対向している。
【0023】
図1および2に示した状態において、リブ44の端部46は止め部40に突き当たっており、それゆえ、スペーサ18のさらなる左回転を防止する。このようにしてスペーサのねじ込み運動が制限される。しかし、スペーサ18が連結ねじ20により右に回転されれば、リブの反対端48が止め部40を超えて移動することができる。連結ねじが完全に回転すると、スペーサ18は基部16から左ねじ36のねじピッチの長さだけ突出し、それにより、リブ44の端部46が止め部40を超えて移動することができる。
【0024】
連結ねじ20をさらにねじ込むと、図4に示した、スペーサ18が基部16からある距離だけ既に移動した中間の状態になる。連結ねじ20をまたさらにねじ込むと、構造部品12は連結ねじの頭部とスペーサ18の端部との間で堅固にクランプされ、それにより、構造部品10と12との間に安定した連結が達成される。
【0025】
もし、構造部品間の距離がより長く、連結ねじ20がより長いならば、スペーサ18がさらに外側に移動され得るであろう。しかし、スペーサを回し外す運動は、図5に示すようにリブ44の端部48が止め部42に突き当たるということによって制限される。このようにして、スペーサ18が基部16から完全に外れることが防止される。
【0026】
図1および4に見られるように、スペーサのジャケット32はコア30を超えて幾分突出しており、ジャケット32の端部は構造部品12と面している。それゆえ、スペーサが構造部品12に突き当たるときに、ジャケット32と構造部品12との摩擦接触が生じる。ジャケット32はプラスチックから形成されているため、構造部品12の面への損傷は回避される。しかし、スペーサ18を構造部品12にてさらに安定して支持することが望ましいならば、スペーサ18が金属コア30によっても構造部品12にて支持されるように、ジャケット32の端部を後ろにずらしてコア30と面一の位置に位置付けることもできる。
【0027】
上記連結装置を形成するための手順は以下のようにし得る。スペーサのコア30を基部16のコア24に、これらの金属部品が関連するプラスチックジャケットと連結される前にねじこむ。したがって、ねじ込みは、止め部40,42およびリブ44により妨害されない。ねじ込み深さは、スペーサのカラー34と基部のコア24の前面との間の空間に適切なゲージを挿入することにより特定の値に調節することができる。
【0028】
次いでジャケット32を図1の左側から基部のコア24の上に押し、スペーサのカラー34に押し付ける。次いで、基部のジャケット26を再び図1の左側からジャケット32の上に押し付ける。
【0029】
同時に、ジャケット26が、止め部40がリブ44の端部46と48の間の空間に入ることができる角度位置に保持される。この位置において、ジャケット26は、その前面がコア24の前面と面一になるまでコア24に押し付けられる。
【0030】
図1に示したねじ込み位置において、スペーサ18の端位置をこのようにして正確に画定することができる。スペーサの調節通路は、止め部40および42の位置により画定される。これらの止め部は、示された例において完全に対向しているため、スペーサの調節通路は、(n+1/2)回転に対応し、したがって、左ねじ36のピッチの(n+1/2)倍の長さになる(nは整数)。この調節通路はまた、止め部40と42との角度ずれを変化させることにより無段階に変化させることができる。
【0031】
ねじ込み位置におけるスペーサ18の端位置は、構造部品10に面するスペーサ18の前面が基部16の前面からわずかに窪むように選択される。これらの手段により、基部16が構造部品10に押し付けられるときにスペーサ18が押しつぶされることが防止される。
【0032】
図6は、異なる具体例の連結装置114を示す。連結装置114は、構造部品10にて保持される基部116、基部116にねじ込まれるスペーサ118、および連結ねじ20により形成されている。連結ねじ20は、構造部品を12を通してスペーサ118の中央穴に挿入され、連結達成時に構造部品10のねじ穴22にねじ込まれる。
【0033】
基部116はねじ付き金属ブッシュ124を有する。金属ブッシュ124は構造部品10にて支持されており、外周部に、プラスチックジャケット126が押し付けられるミルドエッジを有する。ジャケット126は、基部116を構造部品10に対して回転しないように固定する2つのクロー128を形成している。
【0034】
スペーサ118は完全に金属から形成されている。基部のねじ付きブッシュ124とスペーサが左ねじ130により係合している。連結ねじ20の外ねじとノンポジティブ連結を達成するロックワッシャ132がスペーサ118の中央穴内に押し込まれている。
【0035】
連結ねじ20が構造部品10のねじ穴22にねじ込まれるときに、スペーサ118は回転方向に沿って運ばれるが、基部116はクロー128により、回転しないように保持される。したがって、左ねじによりスペーサ118は基部116から回し外され、それによりスペーサ118は軸方向に移動して構造部品12上に到達する。構造部品12は、連結ねじ20の頭部によりスペーサに対して押し付けられる。
【0036】
スペーサ118の左ねじ130の一端は図6の右手側のショルダ134により拘束されている。ジャケット126は内周縁にて環状カラー136を形成している。環状カラー136にて、ねじ付きブッシュ124の一端が支持される。弾性ラッチ138がカラー136の外周上の少なくとも1つの場所にてカラー136から内側に突出している。このラッチ138は止め部を形成している。この止め部は、ショルダ134と相互作用し、このようにして、スペーサ118の最大延び通路を制限する。
【0037】
スペーサ118は、構造部品12に面する端部に、半径方向に突出したフランジ140を有する。フランジ140は、構造部品10および12が連結ねじ20によりクランプされるときに構造部品12のための止め面を形成する。図6に示した、スペーサ118がまだ基部116内に完全に引き込まれている状態において、フランジ140の外面はジャケット126の前面と面一になる。突出部142が、フランジ140のエッジから半径方向に延在し、基部116の、内側に突出する止め部144に至ってる。こうして止め部144は、スペーサ118が連結ねじ20のねじ込み方向において左に回転することを防止する。したがって、スペーサ118は、図6に示した位置を超えて構造部品10の方向に移動することができない。しかし、連結ねじ20を右に回してねじ付きブッシュ124にねじ込むとき、突出部142が止め部144から解放されるため、スペーサ118はねじに沿って図面右側に回転することができる。スペーサ118を完全に回転させたとき、突出部142は既に、止め部144を超えて基部の外側に移動できる程度まで基部116から突出している。
【0038】
したがって、示された例において、スペーサ118が基部116から一方向または他方の方向に回し外れることがないことが保証される。
【0039】
しかし、連結装置を組み立てるために、スペーサ118を、図6の右側から基部のねじ付きブッシュ124にねじ込むことができる。このようにすると、弾性ラッチ138は最初に内側に曲げられ、それにより、スペーサ118への通路をもたらす。スペーサをさらにねじ込むと、ラッチ138はスペーサの外ねじに沿ってスライドし、最後にショルダ134の上にスライドし、それによりラッチ138は、ショルダ134のための止め部として働く元の位置に跳ね戻ることができる。
【0040】
図7および8は、連結装置のさらなる例である装置146を示す。連結装置146においては、連結ねじ20が反対端からねじ込まれる。この場合、構造部品10は、クロー128を収容するための半径方向に対向した2つの突出部150を有する鍵穴状の開口部148を有する。開口部148の円形の内部は、ディスク152によりカバーされており、ディスク152に、連結ねじ20の頭部と基部116のねじ付きブッシュ124とが支持されている。
【0041】
この場合、ねじ付きブッシュ124およびスペーサ118は右ねじを有し、それによりスペーサ118は、連結ねじ20が右に回転するときに、構造部品12の方向に、図7の右側に向かって移動する。
【0042】
図7は、既に伸張状態にあるスペーサ118を示す。この状態において、ショルダ134は既に止め位置にほぼ到達している。しかしこの場合、ジャケット126における止め部は硬質の突出部154により形成され、弾性ラッチにより形成されるのではない。フランジ140は、スペーサ118に形成され、この場合、より小さい直径を有し、その外周の1つの場所にて、突出部154を軸方向に通過させることができる凹み156を有する。
【0043】
連結装置146の組み立てにおいて、最初に、ねじ付きブッシュ124とスペーサとを共に、ねじ付きブッシュ124をジャケット126に押し込む前に回す。それゆえ、スペーサ118を、図7における右側からねじ付きブッシュ124に、図7に示したねじ込み位置にほぼ到達するまでねじ込むことができる。次いで、スペーサ118とねじ付きブッシュ114とを共に、図7の左側からジャケット126内に挿入する。そのようにすると、スペーサ118は、突出部154が凹み156を通過することができる角度位置に保持される。挿入移動の最終段階において、ねじ付きブッシュ124を、その外周ミルドエッジによりジャケット126内に押し込む。最後に、スペーサ118を、スペーサ118の対向端面が、基部116およびジャケット126の対応する面とそれぞれ面一になるまでねじ付きブッシュ124内により深くねじ込む。
【0044】
連結装置が最小限の軸方向寸法を有する状態において、基部116は構造部品10に固定され、連結ねじ20は、スペーサ118が再び伸張することができるように挿入されかつねじ込まれている。
【0045】
図8は、フランジ140の前面の一部、および、ジャケット126にて形成されかつフランジ140を取り囲むカラー158の一部を示す。図8に示したこの状態において、フランジ140のエッジに形成された凹み156は基部の突出部154に対してねじれている。図8の凹み156の左フランクに、フランジ140のエッジから外側に向かって半径方向に突出する突出部160が形成されている。内側に向かって突出する止め部162とブリッジ状止めばね164とが、カラー158の内周面に一体的に形成されている。図7に示したようにフランジ140が基部16の軸方向に外側に延在する限り、スペーサ118を右に回転することができ、それにより、基部116に、より深くねじ込むことができる。最小軸方向寸法が得られる直前の最後の回転のときに、フランジ140はカラー158に入る。突出部160は、最初、ある程度の抵抗を克服し、ロックばね164の上をスライドし、そして止め部162と接触する。このようにして、スペーサ118のさらなるねじ込み移動が制限される。スペーサは、止めばね164により、最小軸方向寸法により到達された位置に保持され、かつ振動による移動を防止される。しかし、止めばね164の力は、連結ねじ20がねじ込まれているときに連結ねじ20とスペーサとの摩擦抵抗により克服することができる大きさである。ねじ込み移動の間、スペーサ118は図8の左側に回転し、それにより突出部160が止め部162から離れる。
【0046】
【発明の効果】
以上に記載したように、本発明により、連結時にスペーサによる損傷を生じない連結装置が提供される。
【0047】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、連結装置、および連結される2つの構造部品の軸方向断面図である。
【図2】図2は、連結装置に属する2つのジャケットの、図1の面II−IIにおける断面図である。
【図3】図3は、ジャケットの一方の側面図である。
【図4】図4は、図1の連結装置が連結を達成している状態を示す。
【図5】図5は、連結される構造部品を有さない連結装置の、軸方向に最大の寸法を有する状態の側面図である。
【図6】図6は、連結装置の異なる具体例の軸方向断面図である。
【図7】図7は、連結装置のさらなる具体例を示す。
【図8】図8は、図7の連結装置の一部の正面図である。
【符号の説明】
10,12 構造部品
14 連結装置
16 基部
18 スペーサ
20 連結ねじ
26,32 ジャケット
30 金属コア
36 ねじ
40 止め部
44 リブ

Claims (17)

  1. 構造部品を連結するための装置であって、一方の構造部品に配置された基部と、前記基部とねじ係合しておりかつ一端が他方の構造部品にて支持されているスペーサと、前記スペーサに摩擦係合により挿入された連結ねじとを含み、
    前記スペーサが、柔軟な材料から製造されたジャケットと、前記ジャケットに取り囲まれた、より硬質なコアを有しており、
    前記スペーサのジャケットは、少なくとも、スペーサおよび基部を併せた軸方向の寸法が最小である場合に、前記スペーサのより硬質のコアの前面よりも突出していることを特徴とする連結装置。
  2. 前記スペーサのジャケットが、前記スペーサの、より硬質のコアの外周に堅固に着座し、かつ前記基部に重なり、
    止め部が該スペーサのジャケットおよび前記基部にそれぞれ配置されて、前記基部および前記スペーサのねじ戻し運動を制限する請求項1に記載の装置。
  3. 前記スペーサのジャケットおよび前記基部が、前記基部と前記スペーサとのねじ込み運動を制限するさらなる止め部の対を有する請求項2に記載の装置。
  4. 前記止め部の一方及び/または前記さらなる止め部の一方が、前記スペーサの調節範囲内での回転中に、前記止め部の他方及び/または前記さらなる止め部の他方を超えて移動し、かつ、前記スペーサがその回転方向における端位置に到達したときにのみ接触位置に移動されるように、前記止め部及び/または前記更なる止め部が配置されている請求項2または3に記載の装置。
  5. 前記止め部のうちの一つが螺旋状のリブにより形成されており、前記リブのピッチが、前記基部と前記スペーサとの間のねじのピッチと同一であり、
    前記リブの両対向端が、周方向において、対応する止め部の一つを該両対向端の間に収容することができる距離を有して互いに隔てられている請求項4に記載の装置。
  6. 前記リブが前記スペーサのジャケットに形成されている請求項5に記載の装置。
  7. 前記スペーサのジャケットがプレス嵌めまたは留め金により前記スペーサのコア上に保持されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
  8. 前記基部が、前記スペーサのジャケットの内部に延在しているコア、およびスペーサのジャケットを取り囲む別のジャケットを有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
  9. 前記基部の止め部の少なくとも一つ、前記基部のジャケットの内周に配置された請求項8に記載の装置。
  10. 前記基部のジャケットがプレス嵌めまたは留め金により基部のコアに保持されている請求項8または9に記載の装置。
  11. 前記基部はジャケットを有しており、前記基部のジャケットが基部に堅固に着座している請求項1に記載の装置。
  12. 前記スペーサの前記基部に対する一方向の移動が、前記スペーサのねじ部の端部に形成されかつ基部の止め部に突き当たるショルダにより制限され、
    前記基部の止め部は、スペーサおよび基部が組み立てられた後にのみ有効となる請求項11に記載の装置。
  13. 前記基部の止め部がばね要素により形成され、ばね要素は、スペーサがねじ込まれているときには撓み、次いで、前記ショルダの裏側に移動して、ロックを形成する請求項12に記載の装置。
  14. 前記基部が、プラスチックの前記基部のジャケットに取り囲まれた金属製のねじ付きブッシュを有し、かつ、前記ばね要素は、ばね付きラッチであり、該ばね付きラッチが前記基部のジャケットに形成された請求項13に記載の装置。
  15. 前記基部が、前記基部のジャケット内にプレス嵌めにより保持された金属製のねじ付きブッシュを有し、かつ、前記基部の止め部が前記基部のジャケットに堅固に形成された請求項12に記載の装置。
  16. 前記スペーサが半径方向に突出したフランジを、前記ショルダに面する端部に有し、前記フランジから延びている突出部が、前記基部に形成された止め部と共に、前記スペーサの前記基部に対する端位置における回転運動を制限する請求項12〜15のいずれか一項に記載の装置。
  17. 前記フランジがその外周縁に凹みを有し、前記凹みは、前記ショルダと協働する前記基部の止め部と相補的である請求項16に記載の装置。
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