JP4540733B2 - 車両用変圧器 - Google Patents
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Description
送油ポンプ34の駆動によって、変圧器本体32内の絶縁油は、接続管35を通り冷却装置33へ送られて冷却され、他方の接続管36を通って再び変圧器本体32内へ戻るように構成されている。すなわち、変圧器本体32内には、一方向に流れる絶縁油の流路(矢印)が形成されている(例えば、特許文献1参照)。
このように、従来の車両用変圧器では、変圧器本体32と冷却装置33の接続において、少なくとも一方は長い接続管36を必要とし、このため、接続管36の引き回しのためのスペースが必要であり、また、部品点数や配管内の絶縁油が増加し、接続作業にも時間を要するという問題点があった。
この発明の上記以外の目的、特徴、観点及び効果は、図面を参照する以下のこの発明の詳細な説明から、さらに明らかになるであろう。
図1は実施の形態1による車両用変圧器の内部構造を示す平面断面図であり、図1は車両の床面から地面側を見た内部構造図で、太矢印が車両の進行方向を示す。図2は図1の側面から見た中央部の断面を示す正面断面図である。車両用変圧器は、図2の正面断面図で、紙面に垂直方向が車両の進行方向となるように、車両の床下へ取り付けられている。以下、図によって構成を説明する。
鉄心1,巻線2からなる中身を収容するタンク3は、形状を中身の外形に合わせてフィットさせるように、巻線2の長軸方向に長い角形をしており、長手方向の一面には高圧巻線に接続される高圧ブッシング4が取り付けられ、他面には低圧巻線に接続される低圧ブッシング5が取り付けられている。タンク3内部には鉄心1と巻線2を冷却するための冷媒6が封入されている。冷媒6としては、絶縁性能の優れた絶縁油、例えば、シリコーン油が使用される。冷媒6を冷却するために、タンク3の外部の一面側に冷却装置7が配置されている。また、冷媒6を強制循環させるための循環ポンプ8が備えられている。なお、図の冷却装置7は、ファンにより強制冷却する風冷式を示している。
図1に示すように、タンク3の内部を2分するように仕切部材9を設け、この仕切部材9によって、巻線2の内部に流れる冷媒6の流路を第1の冷媒流路10と第2の冷媒流路11とに分割している。そして、タンク3の一端側で両冷媒流路10,11を、接続管を用いて連通させ、その接続管の途中に循環ポンプ8を介装している。
なお、冷媒流路は、冷媒6が鉄心窓を通過する方向に形成するのを基本とし、その冷媒流路を2分するように仕切部材9を設けている。従って、実施の形態1の場合はタンク3の長手方向で、且つ巻線を垂直方向に2分するように仕切部材9を設けている。
図3は巻線2のコイル板2a間に挿入する絶縁ワッシャ12の平面図である。図のように、絶縁ワッシャ12は、絶縁板13に複数のスペーサ14を貼り付けて構成している。スペーサ14は、コイル板2a間に働く電磁機械力に耐え、絶縁を保ち、且つ、冷媒6の流路を形成するように、材料,寸法,配列等を決めている。また、絶縁板13の長手方向の中心線上には、中央の長穴部を除く全長に、仕切スペーサ15(網掛け部)を貼り付けている。
このように構成した絶縁ワッシャ12を、コイル板2aの間に挟み、全てを積層して巻線2に仕上げると、仕切スペーサ15が垂直方向に一直線上に並び、これが巻線2内の流路を巻線2の長軸方向に仕切る仕切部材となる。冷媒6は、図中の矢印のように流れる。
巻線2の中央部には鉄心1の中央脚部が存在するので、この中央脚部が中央部の仕切の役目をする。
中身を平面から見た場合、図1に矢印で示すように、タンク3内部の冷媒6の流路は、仕切部材9によって大きく2分割され、冷却装置7側からタンク3の一端側、すなわち連通部側に流れる第1の冷媒流路10と、連通部側から冷却装置7側に向かう第2の冷媒流路11の、2つの大きな流路が形成されることになる。
図4は、実施の形態2による車両用変圧器の内部構造を示す平面断面図であり、図5は図4の中央部の断面を示す正面断面図である。
実施の形態2の車両用変圧器は、実施の形態1の車両用変圧器と仕切部材の挿入方向が異なる以外は、基本的に同等なので、同等部分は同一符号を付して説明は省略し、相違点を中心に説明する。
このように、実施の形態1の場合と同様に、仕切部材17で仕切られた巻線2の半分ずつを、冷媒6を循環させて、変圧器中身を冷却している。
図7は、実施の形態3による車両用変圧器の内部構造を示す平面断面図であり、図8は図7の中央部の断面を示す正面断面図である。
実施の形態1の図1及び図2と同等部分は同一符号を付して説明は省略し、相違点を中心に説明する。
実施の形態3の特徴部分は、実施の形態1又は2で、冷媒の流入,流出口を設けた側のタンク3の面を、冷却装置23を直接取り付ける取付面に兼用し、取付フランジ22を設けている点である。取付フランジ22には、第1の冷媒流路10に冷却装置23から冷媒6を流入させる流入口22aと、第2の冷媒流路11から冷却装置23側へ冷媒6を送り込む流出口22bとが形成されている。
なお、図はタンク壁面を取付フランジと兼用して一体の部材で構成したものを示したが、タンク壁面とフランジは別部材として溶接等で固着しても良い。
なお、仕切部材9の挿入方向は、実施の形態2のように水平方向であっても良い。
また、冷却装置23は、図のような自冷式ではなく、実施の形態1,2の冷却装置7のようにファン付きの風冷式のものでも良い。逆に、実施の形態1,又は実施の形態2において、風冷式の冷却装置に替えて自冷式の冷却装置を使用しても良い。
この発明の各種の変形または変更は、関連する熟練技術者が、この発明の範囲と精神を逸脱しない中で実現可能であり、この明細書に記載された各実施の形態には制限されないことと理解されるべきである。
Claims (4)
- 3脚の鉄心と、上記鉄心の中央脚に巻回された巻線と、上記鉄心及び上記巻線を収容したタンクと、上記タンクに充填した冷媒を冷却する冷却装置と、上記冷媒を強制循環させる循環ポンプとを備え、上記冷却装置と共に車両の床下に搭載された車両用変圧器において、
上記巻線の内部に流れる上記冷媒の流路を2分する仕切部材を設けることにより、上記鉄心の鉄心窓を通過して一方に流れる第1の冷媒流路と、他方に流れる第2の冷媒流路とを形成し、上記タンクの一端側で上記両冷媒流路を連通させてこの連通部に上記循環ポンプを設け、上記タンクの他端側に上記冷却装置を近接させて配置し、上記タンクの上記他端側で上記第1の冷媒流路と上記冷却装置の一端部、及び、上記第2の冷媒流路と上記冷却装置の他端部とを連通させ、上記冷媒が、上記第1の冷媒流路内を上記冷却装置側から上記タンクの上記一端側へ流れ、上記連通部を経由して上記第2の冷媒流路内を上記タンクの上記一端側から上記冷却装置側へ循環するようにしたことを特徴とする車両用変圧器。 - 請求項1記載の車両用変圧器において、上記仕切部材は、上記巻線を垂直方向に2分するように設けられていることを特徴とする車両用変圧器。
- 請求項1記載の車両用変圧器において、上記仕切部材は、上記巻線を水平方向に2分するように設けられていることを特徴とする車両用変圧器。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車両用変圧器において、上記冷却装置は、上記タンクの上記他端側の壁面に直付けされていることを特徴とする車両用変圧器。
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