JP2023076175A - 静止誘導器 - Google Patents

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Masato Takei
一 薦池
Hajime Komoike
正俊 式井
Masatoshi Shikii
岳良 真屋
Takeyoshi Maya
敬晃 竹岡
Takaaki Takeoka
泰弘 高橋
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Abstract

【課題】冷却性能を確保しつつ小型軽量化を図ることができる静止誘導器を提供する。【解決手段】実施形態の静止誘導器1は、冷媒の入口および出口が設けられているタンク2と、タンク2の内部に配置され、複数の脚部5aを有する鉄心5と、鉄心5の脚部5aに装着され、冷媒が流れる内部流路が形成されている複数のコイル6と、タンク2の内部を少なくとも一部において入口側と出口側とに仕切り、入口側に位置する内部流路と出口側に位置する内部流路とを冷媒が直列的に流れるように整流する整流部材としてのT型仕切り12と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、静止誘導器に関する。
従来、例えば特許文献1に示すように、鉄心にコイルを装着した変圧器などの静止誘導器が知られている。
特開2009-283757号公報
このような静止誘導器は、タンクの内部に例えば冷却油などの冷媒を循環させて冷却しているためある程度の大きさが必要になるが、近年では小型軽量化が求められている。
しかしながら、必要な冷却性能を確保するために流速を高めようとすると、ポンプ性能の強化が必要となり、ポンプの大型化つまりは静止誘導器全体としては大型化してしまうなどのおそれがある。
そこで、冷却性能を確保しつつ小型軽量化を図ることができる静止誘導器を提供する。
実施形態の静止誘導器は、冷媒の入口および出口が設けられているタンクと、タンクの内部に配置され、複数の脚部を有する鉄心と、鉄心の脚部に装着され、冷媒が流れる内部流路が形成されている複数のコイルと、タンクの内部を少なくとも一部において入口側と出口側とに仕切り、入口側に位置する内部流路と出口側に位置する内部流路とを冷媒が直列的に流れるように整流する整流部材と、を備える。
第1実施形態による静止誘導器の構成を模式的に示す図 鉄心およびコイルの構成を模式的に示す図 クランプの構成を模式的に示す図 T型仕切りの構成を模式的に示す図 タンク内の冷媒の流れを模式的に示す図 静止誘導器の作用効果を説明する図 第2実施形態による静止誘導器における冷媒の流れを模式的に示す図 還流部材の構成を模式的に示す図 還流部材の配置態様を模式的に示す図 第3実施形態による箱型仕切りの構成および配置態様を模式的に示す図 タンク内の冷媒の流れを模式的に示す図 第4実施形態による静止誘導器の構成例を模式的に示す図その1 静止誘導器の構成例を模式的に示す図その2 その他の実施形態による静止誘導器の構成例を模式的に示す図
以下、複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。また、各実施形態において実質的に共通する部位には同一符号を付すものとする。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態の静止誘導器1は、冷媒の入口および出口が設けられているタンク2と、冷媒を冷却する冷却器3と、タンク2と冷却器3との間で冷媒を循環させるポンプ4と、タンク2の内部に配置されている鉄心5と、鉄心5に装着されている複数のコイル6とを備えている。なお、図1では、説明のために、タンク2の内部を一部透過した状態で示している。
タンク2は、例えば鋼板などにより形成されていて、設置状態における上方から見た平面視、側面から見た側面視、および前方から見た正面視にて示すように、左右方向および前後方向の長さが上下方向の長さよりも長い扁平な矩形容器状に形成されている。以下、左右方向の長さを幅とも称し、左右方向を幅方向とも称し、前後方向の長さを奥行とも称し、前後方向を奥行方向とも称し、上下方向の長さを高さとも称し、上下方向を高さ方向とも称する。
タンク2の後面には、冷却器3との間を接続する配管であって、タンク2への冷媒の入口側となる入口配管7、およびタンク2からの冷媒の出口側となる出口配管8が接続されている。つまり、タンク2と冷却器3とを繋ぐ入口配管7および出口配管8は、タンク2の一面に集約されている。また、入口配管7および出口配管8は、配管が占有するスペースが、左右方向および上下方向において概ねタンク2の幅と高さの範囲内に収まるように配設されている。
冷却器3は、冷媒が流れる図示しないパイプと、そのパイプの表面に接続されている図示しない放熱フィンとにより構成されており、外気との熱交換によって配管を流れる冷媒から熱を奪うことで冷媒を冷却する。なお、ここで説明した冷却器3の構成は一例であり、他の方式で冷媒を冷却する構成を採用することができる。
本実施形態では冷媒として冷却油を想定している。そのため、ポンプ4は、例えば冷却油のような液体を循環可能なものが出口配管8の途中に設けられている。このポンプ4が駆動されると、冷媒は、タンク2の内部から吸い出されて出口配管8を通って冷却器3に流れ、冷却器3で冷却された後に入口配管7を通ってタンク2の内部に流入することで循環する。ただし、冷媒は、液体に限らず、例えば乾燥空気などの気体を用いることもできる。その場合、ポンプ4は、気体を循環可能なものが採用されることになる。つまり、冷媒は、いわゆる流体であればよい。
鉄心5は、図2にも示すように概ね環状に形成されており、コイル6が装着される2本の脚部5aと、脚部5a間を繋ぐ2つのヨーク部5bとを有している。なお、鉄心5は、周知のように薄板状の鋼板を積層して形成されており、製造時においては、コイル6を装着するために少なくとも1か所で切断された状態となっている。そして、コイル6を装着後、また、本実施形態の場合には後述する整流部材を装着し、鉄心を環状に成形する。
各コイル6は、導体を巻回することによって脚部5aを中心とする概ね円筒状に形成されている。以下、平面視における図示上下方向つまりは静止誘導器1の前後方向を軸方向とも称し、正面視における脚部5aを中心とした外向きを径方向とも称する。また、冷媒の入口側に配置されている図示右方側をコイル6Aと称し、出口側に配置されている図示左方側をコイル6Bと称するが、コイル6全般についての説明をする際にはA、Bを付さず、単にコイル6と称する。
本実施形態の場合、各コイル6は、正面視として示すように脚部5aの外周側に配置されている第1コイル61と、第1コイル61の外周側に所定のギャップ9を介して同心状に配置されている第2コイル62とにより構成されている。このギャップ9は、コイル6の軸方向の両端面に繋がっており、コイル6の内部を冷媒が流れる内部流路を構成している。このため、本実施形態では、コイル6Aのギャップ9が入口側に位置する内部流路となり、コイル6Bのギャップ9が出口側に位置する内部流路となる。
これらの鉄心5およびコイル6は、図1に示すように、クランプ10によってタンク2の内部の所定の位置に取り付けられている。このクランプ10は、図3に示すように、正面視にて示すように左右方向の長さがタンク2の幅よりの若干小さく、側面視にて示すように概ねU字状に形成されている。より具体的には、クランプ10は、鉄心5のヨーク部5bを上下方向から支える第1支持面10aと、第1支持面10aの図示下端側を屈曲させた態様で形成され、コイル6を軸方向の端面から支える第2支持面10bと、第1支持面10aの図示上端側を屈曲させた態様であって第1支持面10aの強度を確保するための補強面10cとを有している。また、詳細は後述するが、第2支持面10bには冷媒を通すための複数の貫通孔10dが形成されている。なお、補強面10cを、タンク2にクランプ10を固定する際の固定面として用いる構成とすることもできる。
これらのクランプ10は、配置態様として示すように、また、図1の側面視にて示すように、鉄心5の前端側と後端側において第1支持面10aによりヨーク部5bを上下から挟み込むとともに、第2支持面10bによりコイル6を軸方向に挟む態様で配置されている。このとき、各クランプ10は、第2支持面10bの左右の両端部が固定部材によってタンク2の内面に固定される。なお、前端側のクランプ10と後端側のクランプ10とを図示しない棒状連結部材によって互いに連結及び固定する構成とすることもできる。
また、静止誘導器1を設置した際に鉄心5を重力方向に沿って下方から支えることになるクランプ10には、第1支持面10aとタンク2の内面との間に支持部材11が設けられている。そのため、静止誘導器1を設置した状態では、支持部材11によって第1支持面10aが下方から支持されることで、鉄心5およびコイル6を確実に所定の位置に支持することが可能になる。ただし、ここに示したクランプ10の形状や固定構造は一例であり、鉄心5とコイル6とを所定の位置に固定できる固定構造であれば、異なる構造のものを採用することができる。
さて、静止誘導器1は、タンク2の内部においてコイル6の後端面側となる位置に、整流部材に相当するT型仕切り12が設けられている。T型仕切り12は、図4に平面視として示すように、前後方向に延びて形成されている第1壁部12aと、第1壁部12aの前端から左右方向に広がって形成されている第2壁部12bとを有している。つまり、T型仕切り12は、基本的には平板状の部材をT字状に接続した非常に簡単な構成となっている。なお、コイル6の前端面側には、複数のスペーサ13がクランプ10との間に設けられている。このスペーサ13は、ギャップ9を完全には塞がないように配置されている。
第1壁部12aは、前後方向が概ねコイル6の後端面からタンク2の後面までの長さに形成されおり、高さ方向が概ねタンク2の高さと等しい板状に形成されていて、第2壁部12bの左右方向における概ね中央に位置している。また、第1壁部12aは、側面視として示すように、ヨーク部5bおよび第1支持面10aを通すための開口12cと、その開口12cに繋がっていて第2支持面10bおよび補強面10cを通すためのスリット12dとが形成されている。
第2壁部12bは、図4に正面視として示すように、左右方向の長さが概ねタンク2の幅と等しく、上下方向の長さが概ねタンク2の高さと等しい板状に形成されている。つまり、第2壁部12bは、正面視において概ねタンク2の断面形状と等しい形状となるように形成されている。また、第2壁部12bには、鎖線にて示す鉄心5の脚部5aを通すための逃げ孔12eと、逃げ孔12eの周囲に周方向に沿って形成されている複数の案内孔12fが形成されている。この案内孔12fは、第2壁部12bを貫通しており、コイル6内に形成されている内部流路、つまりは、本実施形態では二点鎖線にて示すギャップ9に対応する位置に形成されている。
このT型仕切り12をタンク2の内部に配置した状態では、配置態様として示すように第1壁部12aがタンク2の左右のほぼ中央に位置するとともに、図1の平面視および側面視に示すように開口12cおよびスリット12dが鉄心5およびクランプ10によって塞がれる。その結果、タンク2の内部は、第1壁部12aによって冷媒の入口側の空間(R1)と出口側の空間(R2)とに仕切られる。
つまり、T型仕切り12は、タンク2の内部を少なくとも一部において入口側と出口側とに仕切っている。また、T型仕切り12は、第2壁部12bにより、タンク2の内部を第2壁部12bよりも後方側の空間と前方側の空間とに仕切っている。
この場合、タンク2の内部を流れて循環する冷媒は、図5に示すように、入口側においては案内孔12fによってコイル6Aの後端面から内部流路つまりはギャップ9に案内され、ギャップ9を経由してコイル6Aの前端面から吐出される。そして、コイル6Aのギャップ9から吐出された冷媒は、コイル6Bのギャップ9を経由して案内孔12fから出口側の空間に到達した後、出口配管8からタンク2外に流出する。なお、図5では、説明の簡略化のために要部のみを示しいている。
つまり、静止誘導器1の場合には、冷媒は、タンク2の内部において、入口側の空間(R1)、コイル6Aの内部流路、コイル6Bの内部流路、出口側の空間(R2)の順に各部を直列的に流れることになる。なお、本実施形態では、T型仕切り12の外縁は、タンク2の内面との間が図示しない封止部材によって封止されている。
次に、上記した静止誘導器1の作用について説明する。
前述のように、静止誘導器1は小型軽量化が求められている。なお、ここで言う小型軽量化とは、静止誘導器1として必要な性能を確保した上で、配管等を含めた静止誘導器1全体としての小型化や軽量化を意味している。
しかし、必要な冷却性能を確保するためにポンプ性能を強化すると、ポンプ4の大型化つまりは静止誘導器1全体としては大型化してしまうおそれがある。また、タンク2と冷却器3とを接続する配管の位置の制約が多いと設置スペースが大きくなり、静止誘導器1全体としては大型化してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、上記したT型仕切り12をタンク2の内部に設けている。T型仕切り12は、上記したようにタンク2の内部の少なくとも一部を入口側の空間と出口側の空間とに仕切り、冷媒が内部流路を経由しつつ仕切られた空間を直列的に流れるように整流する整流部材として機能する。
そして、このT型仕切り12を設けることによって、静止誘導器1を効率的に冷却することが可能になっている。以下、図6に比較例として示す従来の一般的な構成のものを便宜的に従来型静止器101と称し、タンク2への冷媒の入口をIN、タンク2からの冷媒の出口をOUTで示すものとする。また、図6は、説明の簡略化のために、静止誘導器1および従来型静止器101の構成を概略的に示すものとして提示しており、一部の符号は省略している。
この図6に比較例(構成)として示すように、従来型静止器101は、タンク2の内部に鉄心5およびコイル6を備えている。なお、比較のために、従来型静止器101のタンク2、鉄心5、コイル6、ポンプ4、および冷却器3は、静止誘導器1と同じであるものとする。ただし、従来型静止器101の場合には、タンク2の内部に配置されているコイル6Aとコイル6Bの双方が冷媒の流路になることから、例えばタンク2の後面側に入口が設けられている場合には、入口に対向する例えばタンク2の前面に出口が設けられることになる。
さて、従来型静止器101の場合には、冷媒は、白抜きの矢印にて示すようにタンク2の内部に配置されているコイル6Aとコイル6Bの内部を並列に、また、概ね均等に流れて循環する。換言すると、従来型静止器101の場合、冷媒は、比較例(流路)としてその流れを模式的に示すように、流路の断面積を示す流路面積(S1)の空間を流速(V1)で流れる構成となっている。
これに対して、静止誘導器1の場合には、実施例(構成)として示すようにタンク2の内部の入口側の空間(R1)と出口側の空間(R2)とがT型仕切り12の第1壁部12aによって仕切られている。また、コイル6の後端よりも後方側(図示上方)の空間と、コイル6の後端よりも前方側(図示上方)の空間とが第2壁部12bによって仕切られている。そして、第2壁部12bには、内部流路に対応する位置に複数の案内孔12fが設けられている。
そのため、静止誘導器1の場合には、冷媒は、白抜きの矢印にて示すようにタンク2の内部の入口側の空間(R1)から案内孔12fを経てコイル6Aの内部流路に案内され、コイル6Aの内部を流れた後にタンク2の内部の前端側の空間に到達して折り返され、コイル6Bの内部流路を経由して出口側の空間(R2)まで案内される。つまり、静止誘導器1の場合、コイル6を冷却する冷媒は、実施例(流路)としてその流れを模式的に示すように、流路の断面積を示す流路面積(S2)の2つの空間を直列的に流れる構成となっている。
このとき、静止誘導器1と従来型静止器101のタンク2や鉄心5およびコイル6の構成が同じであるならば、静止誘導器1における流路面積(S2)は、従来型静止器101における流路面積(S1)の半分となる。そして、ベルヌーイの定理により、静止誘導器1における流速(V2)は、従来型静止器101の冷媒の流速(V1)よりも大きくなることが分かる。
ここで、コイル6の温度上昇の違いについて説明する。なお、ここで言うコイル6の温度上昇とは、例えば変圧器であれば日本工業規格JIS C 4304や電気規格調査会標準規格JEC-2200-2014などにおいて変圧器各部の測定温度と基準周囲温度との差として規定されているものである。
まず、比較例(温度上昇)にフラグG1として示すように、従来型静止器101における冷媒の温度が入口(P1)でT1であったとする。この場合、冷媒の温度は、冷媒の流れに沿ってコイル6の後端位置(P2)からコイル6の前端位置(P3)に向かって上昇し、最終的に出口(P4)において入口の温度(T1)よりもΔTo1だけ上昇したとする。そして、グラフG2として示すように、冷媒の温度からコイル6の温度が算出され、コイル6の温度上昇(ΔTc1)が求まる。
一方、実施例(温度上昇)にフラグG11として示すように、静止誘導器1における冷媒の温度が入口(P11)でT11であったとする。この場合、冷媒の温度は、冷媒の流れに沿ってコイル6Aの後端位置(P12)からコイル6Aの前端位置(P13)に向かって上昇し、冷媒が折り返される空間では温度がほぼ上昇せず、コイル6Bの前端位置(P14)から後端位置(P15)に向かって流れに沿って再度上昇し、出口(P16)において入口の温度(T11)よりもΔTo2だけ上昇したとする。そして、グラフG12として示すように、冷媒の温度に基づいてコイル6の温度が算出され、コイル6の温度上昇(ΔTc2)が求まる。
このとき、従来型静止器101と静止誘導器1とにおいて入口の温度(T1、T11)が同じであったとしても、静止誘導器1のほうが冷媒の流速が速いことから、静止誘導器1のコイル6の温度上昇(ΔTc2)は、従来型静止器101のコイル6の温度上昇(ΔTo1)よりも小さくなる。換言すると、T型仕切り12を設けることにより、冷媒の流路面積を相対的に小さくすることができ、実質的な冷却性能を向上させることができる。
そして、このように冷却性能を向上させることができれば、例えばタンク2を小型化して冷媒の流量が少なくなったとしても必要な冷却性能を確保することが可能になる。また、例えばタンク2や鉄心5あるいはコイル6等の構成が同じ場合には、ポンプ4の小型化が可能になる。また、冷却性能が高くなっていることから、タンク2の外形や鉄心5やコイル6を変えずに容量を拡大すること、つまりは、従来ではより大型のタンク2を必要としていた相対的に性能が高いものを小型のタンク2で実現することができる。
また、静止誘導器1の場合、冷媒をタンク2の内部で折り返すように循環させていることから、冷媒の入口となる入口配管7および出口となる出口配管8をタンク2の一面に集約することが可能になる。これにより、従来型静止器101のように入口と出口とが異なる面に形成されており、出口から冷却器3までの配管をタンク2の外周に配設したり、他の構造をよけて配設したりする必要があった構成と比べて配管を配設する際の制約が少なくなり、入口配管7および出口配管8の取り回しを容易にすることができるとともに、配設に必要となるスペースを削減することもできる。
以上説明した静止誘導器1によれば、次のような効果を得ることができる。
静止誘導器1は、冷媒の入口および出口が設けられているタンク2と、タンク2の内部に配置され、複数の脚部5aを有する鉄心5と、鉄心5の脚部5aに装着され、冷媒が流れる内部流路が形成されている複数のコイル6と、タンク2の内部を少なくとも一部において入口側と出口側とに仕切り、入口側となる内部流路と出口側となる内部流路とを冷媒が直列的に流れるように整流する整流部材とを備えている。
整流部材を設けることにより、タンク2の内部における冷媒の流路断面積は、従来のようにコイル6全体の断面積を流路とする場合に比べて小さくなる。そして、流路断面積が小さくなれば、相対的に流速が増加することから冷却性能を向上させることができる。これにより、例えばタンク2の形状が同じであればポンプ4に要求される性能が抑制され、ポンプ4を小型化することが可能になる。あるいは、従来では大型のタンク2が必要とされていた静止誘導器1を、より小型のタンク2で実現することができる。したがって、静止誘導器1の小型軽量化を図ることができる。
また、静止誘導器1では、それぞれのコイル6は、脚部5a側に配置される第1コイル61と、第1コイル61の外周側に内部流路として機能するギャップ9を介して同心状に配置される第2コイル62とによって構成されている。そして、整流部材としてのT型仕切り12は、タンク2の内部を冷媒の入口側の空間と出口側の空間とに仕切る第1壁部12aと、入口側および出口側となるそれぞれのコイル6の端面を覆う態様で第1壁部12aに接続されていて、ギャップ9に対応する位置に冷媒を案内するための複数の案内孔12fが設けられている第2壁部12bとにより形成されている。
これにより、概ね平板状の部材をT字状に組み合わせることで整流部材を容易に製造することができるとともに、タンク2の内部に複雑な構造を設けなくても冷媒を整流することができる。
また、スペーサ13の代わりに、第2壁部12bに相当する部材をコイル6の前端面側に設ける構成とすることができる。また、静止誘導器1は、車両に搭載されるものに限らず、一般的な電圧変換用の変圧器、電流変換用の変流器、インピーダンス変換用や絶縁用のものなどに適用することができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態で説明したT型仕切り12とは逆側に、冷媒を整流するための他の部材を配置した構成となっている。そのため、静止誘導器1の基本的な構成は第1実施形態と共通するため、必要に応じて第1実施形態の図面も参照しながら説明する。換言すると、第2実施形態は、第1実施形態と組み合わせることができる。
図7に概略的に示すように、本実施形態の静止誘導器1は、タンク2の内部において、コイル6を挟んでT型仕切り12とは逆側に還流部材20が配置されている。この還流部材20は、図8に示すように、全体として箱状に形成されており、コイル6側となる一面にて各コイル6の端面を覆うとともに、その一面にはギャップ9つまりは内部流路に対応する位置に冷媒が通過する複数の孔部20aと、鉄心5を通すための逃げ孔20bが形成されている。
また、還流部材20の内部にはクランプ10が配置されており、各クランプ10は、コイル6側になる第2支持面10bに貫通孔10dが形成されている。本実施形態では、還流部材20は、クランプ10によりタンク2の内面に固定される容積で形成されている。なお、図7では、説明の簡略化のために入口側のクランプ10の図示は省略している。また、クランプ10は異なる形状のものを採用することができる。
そして、この還流部材20をタンク2の内部に配置した場合には、図9に示すように、図示上方となるコイル6の後端側においてはT型仕切り12によって入口側の空間と出口側の空間とに仕切られるとともに、コイル6の前端側においては還流部材20によってコイル6Aのギャップ9から吐出された冷媒がコイル6Bのギャップ9に導かれる。換言すると、還流部材20は、コイル6Aのギャップ9から吐出された冷媒が、例えばコイル6間の空間などに拡散してしまうことを抑制している。
その結果、冷媒は、図7に示すように、コイル6Aの内部流路を通過した後、還流部材20によってコイル6B側に案内され、コイル6Bの内部流路に集中的に流れるようになる。すなわち、冷媒がコイル6Aの内部流路とコイル6Bの内部流路とを直列的に流れて循環する。これにより、冷媒の流速が低下すること、つまりは、冷却性能が低下することが抑制される。
このように、コイル6を挟んで整流部材としてのT型仕切り12とは逆側に配置され、箱状に形成されていて一面がそれぞれのコイル6の端面を覆うとともに内部流路に対応する位置に冷媒が通過する複数の孔部20aが形成されていて、入口側のコイル6の内部流路を経由した冷媒を出口側のコイル6の内部流路に向けて折り返す還流部材20を備える構成によっても、コイル6全体の断面を流路とする構成に比べて冷媒の流速を増加させることができ、静止誘導器1の小型軽量化を図ることができるなど、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第2実施形態の変形例であり、第1実施形態で説明したT型仕切り12の代わりに、箱状の整流部材を設ける構成となっている。また、静止誘導器1の基本的な構成は第1実施形態などとも共通するため、必要に応じて第1実施形態または第2実施形態で説明した図面も参照しながら説明する。換言すると、第3実施形態は、第1実施形態および第2実施形態と組み合わせることができる。
第3実施形態における整流部材としての箱型仕切り30は、図10に斜視図として示すように、基本的には第2実施形態で説明した還流部材20と同様の形状に形成されており、箱状に形成されていて、一面がコイル6の端面を覆うとともに、その一面において内部流路に対応する位置に冷媒が通過する複数の案内孔30aが形成されている。また、箱型仕切り30の入口側および出口側の他面には、箱型仕切り30の内部への冷媒の入口となる導入孔30bと、箱型仕切り30の内部からの冷媒の出口となる排出口30cとが形成されている。また、案内孔30aの内周側には、鉄心5が通る逃げ穴30dが形成されている。
また、箱型仕切り30の内部には、入口側と出口側とを仕切る内仕切り30eが設けられている。この内仕切り30eは、概ねT型仕切り12の第1壁部12aと同様の構成をしており、箱型仕切り30の内部を入口側と出口側とに仕切るとともに、ヨーク部5bおよび第1支持面10aを通すための開口が形成されている。なお、図10では、説明の簡略化のために内仕切り30eの外枠のみを図示している。
そして、配置態様として示すように、箱型仕切り30をタンク2の内部に配置した場合には、図示上方側のコイル6の後端面側が箱型仕切り30によって覆われ、図示下方側のコイル6の前端面側が還流部材20によって覆われることになる。その結果、図11に概略的に示すように、タンク2の内部に流入した冷媒の流れは箱型仕切り30によって入口側のコイル6Aの内部流路に向けられるとともに、出口側のコイル6Bの内部流路から吐出された冷媒は出口に向けて流れるように整流される。
これにより、冷媒は、箱型仕切り30からコイル6Aの内部流路に案内され、コイル6Aの内部流路を経由して還流部材20によってコイル6B側に案内され、コイル6Bの内部流路を経由して再び箱型仕切り30に到達した後、出口からタンク2の外部に流出することになり、コイル6Aの内部流路とコイル6Bの内部流路とを直列的に流れて循環する。
このような構成によっても、タンク2の内部全域を流路とする構成に比べて冷媒の流速を増加させることができ、静止誘導器1の小型軽量化を図ることができるなど、第1実施形態や第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では還流部材20と箱型仕切り30を区別して示しているが、導入孔30bや排出口30cを例えば板部材で塞ぐことにより、還流部材20と箱型仕切り30とに同じ基本構造のものを用いることができる。また、還流部材20として用いる場合にタンク2の内面に近い、あるいは、接しているようであれば、導入孔30bや排出口30cを塞がなくてもよい。
(第4実施形態)
以下、第4実施形態について説明する。第4実施形態では、主としてタンク2の外部に接続される部材の配置態様について説明する。また、静止誘導器1の基本的な構成は第1実施形態などとも共通するため、必要に応じて第1実施形態から第3実施形態で説明した図面も参照しながら説明する。換言すると、第4実施形態は、第1実施形態から第3実施形態と組み合わせることができる。
静止誘導器1は、例えば車両に搭載される場合には、その設置スペースの制約を受けることがある。例えば、内部に鉄心5およびコイル6を収容しているタンク2部分が最も重いため、タンク2を強固に固定可能な場所に設置した場合、タンク2と冷却器3との間の配管長を短くする必要があり、ポンプ4を設置できない場合が想定される。
そのため、図12に示すように、コイル6の軸方向の一方の端面に対向するタンク2の一面に冷媒の入口と出口とを集約した構成において、コイル6の他方の端面に対向するタンク2の他面に、入口側の内部流路を流れた冷媒をタンク2の外部の流出させる補助出口となる補助出口配管40と、補助出口配管40から流出した冷媒をタンク2の内部に流入させる補助入口となる補助入口配管41とを設け、タンク2の入口と出口との間に冷却器3を配置し、タンク2の補助出口配管40と補助入口配管41との間にポンプ4を配置する構成とすることができる。
具体的には、例えば構成例その1として示すように、入口側のコイル6と出口側のコイル6との間に配置され、タンク2の内部をほぼ全体的に入口側のコイル6側の空間と出口側のコイル6側の空間に仕切る整流部材としてのI型仕切り42と、コイル6の端部に設けられている平仕切43とを設けた構成において、補助出口配管40と補助入口配管41との間にポンプ4を配置する構成とすることができる。この平仕切43は、上記した第2壁部12bとほぼ共通した構成のものである。
これにより、冷媒は、入口側のコイル6Aの内部流路と、出口側のコイル6Bの内部流路を直列的に流れるようになり、冷却性能を向上させることができる。なお、平仕切43はI型仕切り42Aとともにタンク6内に配置可能なものであるため、例えばI型仕切り42を通す開口部分が設けられた形状、あるいは、I型仕切り42を挟んで図示左右に分割可能な形状に形成されている。なお、平仕切42Bは一体型に形成しておき、長さの異なるI型仕切り42Aを平仕切42Bの図示上下に配置する構成とすることもできる。
また、構成例その2として示すように、第1実施形態で説明したT型仕切り12をコイル6の軸方向の両端面側に設けた構成において、補助出口配管40と補助入口配管41との間にポンプ4を配置する構成とすることができる。これにより、冷媒は、入口側のコイル6Aの内部流路と、出口側のコイル6Bの内部流路を直列的に流れるようになり、冷却性能を向上させることができる。
また、構成例その3として示すように、第3実施形態で説明した箱型仕切り30をコイル6の両端面側にそれぞれ設け、補助出口配管40と補助入口配管41との間にポンプ4を配置する構成とすることができる。なお、構成例その3では、説明のために箱型仕切り30にハッチングを付して識別し易くしている。これにより、冷媒は、入口側のコイル6Aの内部流路と、出口側のコイル6Bの内部流路を直列的に流れるようになり、冷却性能を向上させることができる。なお、図示下方側の箱型仕切り30の代わりに、第2実施形態で説明した還流部材20を設ける構成とすることもできる。
また、構成例その4として示すように、構成例その1の変形例として、第1実施形態で説明したT型仕切り12をコイル6の軸方向の一端に設け、そのT型仕切り12の図示下方側をコイル6A側とコイル6B側とに仕切る短尺のI型仕切り42を設ける構成とすることができる。これにより、冷媒は、入口側のコイル6Aの内部流路と、出口側のコイル6Bの内部流路を直列的に流れるようになり、冷却性能を向上させることができる。
ところで、設置スペースの制約としては、配置可能な部材の大きさが制限されることも想定される。例えば、必要な冷却性能を確保できる大きさの冷却器3をタンク2の一方の側に配置できない状況が想定される。その場合、図13に示すように、タンク2の入口側の一面とは逆側に位置する他面に、入口側の内部流路を流れた冷媒をタンク2の外部の流出させる補助出口配管40と、補助出口配管40から流出した冷媒をタンク2の内部に流入させる補助入口配管41とを設け、タンク2の入口と出口との間に冷媒を循環させるポンプ4と冷媒を冷却する第1の冷却器3aとを配置し、タンク2の補助出口配管40と補助入口配管41との間に冷媒を冷却する第2の冷却器3bを配置する構成とすることができる。
具体的には、構成例その5として示すように、構成例その1で説明したI型仕切り42と平仕切43とを設けたタンク2に補助出口配管40および補助入口配管41を設け、補助出口配管40と補助入口配管41との間に、第1の冷却器3aだけでは不足する冷却性能を補う第2の冷却器3bを設ける構成とすることができる。
また、構成例その6として示すように、コイル6の両端面側にそれぞれT型仕切り12を配置したタンク2に補助出口配管40および補助入口配管41を設け、補助出口配管40と補助入口配管41との間に第2の冷却器3bを設ける構成とすることもできる。
また、構成例その7として示すように、コイル6の両端面側にそれぞれ箱型仕切り30を配置したタンク2に補助出口配管40および補助入口配管41を設け、補助出口配管40と補助入口配管41との間に第2の冷却器3bを設ける構成とすることもできる。
また、構成例その8として示すように、コイル6の軸方向の一端に設けられたT型仕切り12と、そのT型仕切り12の図示下方側をコイル6A側とコイル6B側とに仕切る短尺のI型仕切り42とを配置したタンク2に助出口配管40および補助入口配管41を設け、補助出口配管40と補助入口配管41との間に第2の冷却器3bを設ける構成とすることもできる。
これらのような構成により、例えば冷却器3の大きさの自由度を高めること、すなわち、設置スペースの制約を受けないようにすることができる。また、例えば冷却器3の大きさの自由度を高めること、すなわち、設置スペースの制約を受けないようにすることができる。勿論、タンク2の内部全域を流路とする構成に比べて冷媒の流速を増加させることができ、小型軽量化を図ることができるなど、第1実施形態から第3実施形態と同様の効果を得ることもできる。
(その他の実施形態)
各実施形態ではタンク2の内部を概ねコイル6A側とコイル6B側とに仕切る構成を例示したが、図14に示すように、タンク2の内部を他の態様で仕切る整流仕切板50を設け、各空間を冷媒が直列的に流れる構成とすることができる。
構成例その9として示すように、コイル6Aの半周分とコイル6Bの半周分とに相当する空間を、それぞれ入口側の空間および出口側の空間として仕切る構成とすることができる。この場合、第1実施形態で説明したT型仕切り12の構造を変更することにより、半周分ずつ仕切る整流仕切板50を構成することができる。
具体的には、第1実施形態では第1壁部12aはタンク2の内部を左右に仕切るために平面視においてT字状に形成したが、タンク2の内部を上下方向に仕切るように側面視においてT字状となるように形成することで、構成例その9のような冷媒の流れを形成することができる。
また、構成例その10として示すように、第1実施形態の構成と構成例その9に示した構成とを組み合わせ、冷媒が入口側のコイル6Aの半周分を紙面奥方に流れ、折り返されてコイル6Aの残りの半周分を紙面手前側に流れた後に出口側のコイル6Bの半周分側に流れ、コイル6Bの半周分を紙面奥方に流れた後に折り返されてコイル6Bの半周分を紙面手前側に流れることで、各空間を冷媒が直列的に流れる構成とすることができる。この場合、T型仕切り12に対して、構成例その9で説明したように、第1壁部12aの構成を、タンク2の内部を左右に仕切る平面視においてT字状、且つ、側面視においてT字状となるように形成することで、つまりは、正面視において十字状に形成することで、構成例その10のような冷媒の流れを形成することができる。
また、構成例その11として示すように、3個以上のコイル6が配置される構成においても、タンク2の内部を複数の空間に区分けし、冷媒が各空間を直列的に流れる構成とすることができる。この場合、構成例その9と構成例その10とを組み合わせる態様で、T型仕切り12の第2壁部12bを3個のコイル6A~6Cに対応した大きさに形成し、第1壁部12aを平面視においてT字状の部位と側面視においてT字状の部位とを組み合わせたり、正面視において十字状のものと組み合わせたりすることにより、構成例その11のような冷媒の流れを形成することができる。
このような構成であっても、コイル6全体の断面を流路とする構成に比べて冷媒の流速を増加させることができ、静止誘導器1の小型軽量化を図ることができる。また、第2実施形態の箱状仕切りの基本構成や第3実施形態と組み合わせることにより、冷媒の流れを調整することもできる。また、第4実施形態と組み合わせることにより、ポンプ4の大きさや冷却器3の大きさの自由度を高めることができ、設置スペースの制約を受けないようにすることもできる。
また、本実施形態に限らず、第1実施形態から第4実施形態においても、整流部材としてのT型仕切り12、箱型仕切り30あるいはI型仕切り42は、分割型の構成とすることができる。具体的には、T型仕切り12の場合であれば、第1壁部12aと第2壁部12bとを分割可能な構成としたり、第1壁部12aや第2壁部12bを側面視における前後方向の中央付近で分割可能にしたり、第2壁部12bを平面視における上下方向の中央で分割可能な構成としたりすることができる。
あるいは、箱状仕切りの場合であれば、孔部20aが形成されていてコイル6側となる一面と他の面とを分割可能な構成とすることができる。これにより、整流部材や還流部材20を取り付ける際の作業性を向上させることができる。
また、各実施形態ではギャップ9を内部流路とする構成を例示したが、コイル6を形成する巻回されている導体間に冷媒が流れる空間が形成されている場合には、その空間を内部流路に含めることもできる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図面中、1は静止誘導器、2はタンク、3は冷却器、3aは第1の冷却器、3bは第2の冷却器、4はポンプ、5は鉄心、5aは脚部、5bはヨーク部、6、6A、6B、6Cはコイル、61は第1コイル、62は第2コイル、7は入口配管(入口)、8は出口配管(出口)、9はギャップ(内部流路)、10はクランプ、12はT型仕切り(整流部材)、12aは第1壁部、12bは第2壁部、12fは案内孔、20は還流部材、20aは孔部、30は箱型仕切り(整流部材)、30aは案内孔、40は補助出口配管(補助出口)、41は補助入口配管(補助入口)、42はI型仕切り(整流部材)、43は平仕切43、50は整流仕切板(整流部材)を示す。

Claims (9)

  1. 冷媒の入口および出口が設けられているタンクと、
    前記タンクの内部に配置され、複数の脚部を有する鉄心と、
    前記鉄心の前記脚部に装着され、前記冷媒が流れる内部流路が形成されている複数のコイルと、
    前記タンクの内部を少なくとも一部において入口側と出口側とに仕切り、入口側に位置する前記内部流路と出口側に位置する前記内部流路とを前記冷媒が直列的に流れるように整流する整流部材と、
    を備える静止誘導器。
  2. それぞれの前記コイルは、前記脚部側に配置される第1コイルと、前記第1コイルの外周側に前記内部流路として機能するギャップを介して同心状に配置される第2コイルとによって構成されており、
    前記整流部材は、前記タンクの内部を前記冷媒の入口側の空間と出口側の空間とに仕切る第1壁部と、入口側および出口側となるそれぞれの前記コイルの端面を覆う態様で前記第1壁部に接続され、冷媒を案内するための案内孔が前記ギャップに対応する位置に複数設けられている第2壁部とによって形成されている請求項1記載の静止誘導器。
  3. 前記コイルを挟んで前記整流部材とは逆側に配置され、箱状に形成されていて一面がそれぞれの前記コイルの端面を覆うとともに前記内部流路に対応する位置に冷媒が通過する複数の孔部が形成されていて、入口側の前記コイルの内部流路を経由した冷媒を、出口側の前記コイルの内部流路に向けて折り返す還流部材を備える請求項1または2記載の静止誘導器。
  4. それぞれの前記コイルは、前記脚部側に配置される第1コイルと、前記第1コイルの外周側に前記内部流路として機能するギャップを介して同心状に配置される第2コイルとによって構成されており、
    前記整流部材は、箱状に形成されていて一面がそれぞれの前記コイルの端面を覆うとともに、当該一面に前記ギャップに対応する位置に冷媒が通過する複数の孔部が形成されていて、前記タンクの内部に流入した冷媒の流れを入口側の前記コイルの内部流路に向けるとともに、出口側の前記コイルの内部流路から吐出された冷媒の流れを出口に向ける請求項1記載の静止誘導器。
  5. 前記整流部材は、入口側の前記コイルと出口側の前記コイルとの間に配置され、前記タンクの内部を入口側の前記コイル側の空間と出口側の前記コイル側の空間とに仕切る請求項1記載の静止誘導器。
  6. 前記タンクの内部において前記コイルを挟んで前記整流部材とは逆側に設けられ、前記タンクの内面から前記コイルの少なくとも端部までの範囲において前記タンクの内部を入口側と出口側とに仕切る補助仕切板を備える請求項1から4のいずれか一項記載の静止誘導器。
  7. 前記冷媒の入口および出口は、前記コイルの軸方向の端面に対向する前記タンクの一面に集約されている請求項1から6のいずれか一項記載の静止誘導器。
  8. 前記タンクの前記一面とは逆側に位置する他面には、入口側の内部流路を流れた前記冷媒を前記タンクの外部の流出させる補助出口と、前記補助出口から流出した前記冷媒を前記タンクの内部に流入させる補助入口とが設けられており、
    前記タンクの入口と出口との間に、冷媒を冷却する冷却器を配置し、
    前記タンクの補助出口と補助入口との間に、前記冷媒を循環させるポンプを配置した請求項7記載の静止誘導器。
  9. 前記タンクの入口前記一面とは逆側に位置する他面には、入口側の内部流路を流れた前記冷媒を前記タンクの外部の流出させる補助出口と、前記補助出口から流出した前記冷媒を前記タンクの内部に流入させる補助入口とが設けられており、
    前記タンクの入口と出口との間に、前記冷媒を循環させるポンプと、前記冷媒を冷却する第1の冷却器とを配置し、
    前記タンクの補助出口と補助入口との間に、前記冷媒を冷却する第2の冷却器を配置した請求項7記載の静止誘導器。
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