JP4536855B2 - 防振装置、撮像装置、および、防振装置の制御方法 - Google Patents

防振装置、撮像装置、および、防振装置の制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置、防振装置及び防振方法に係り、特に、光学系により被写体の像を所定面に結像させて撮像する撮像装置、撮像装置の揺れに起因する撮影画像の揺れを軽減する防振装置及び防振方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のビデオカメラの多くは、防振機能(手ぶれ補正機能)を有する。防振機能には、光学式と電子式とがある。
【0003】
光学式の手ぶれ補正では、撮像素子に入射する光の光路の途中に、光軸を変位させるためのプリズムやレンズ部材を配置し、手ぶれに応じて光軸を変位させることによって手ぶれを補正する。光学式の手ぶれ補正には、手ぶれ検出部として振動ジャイロ等の角速度センサが用いられる。一般に、この角速度センサによりカメラの揺れ成分を直接検出し、検出信号を積分することによってカメラの角変位が検出される。
【0004】
一方、電子式の手ぶれ補正の1つの方式は、フィールド間での映像信号の変化からカメラの動き量を算出して、その算出結果を揺れ信号とする動きベクトル検出方式と併用される。そして、揺れが除去されるように、動きベクトル検出用のフィールドメモリの蓄積画像の一部を動きベクトルに応じて切り出すことによって手ぶれを補正する。また、電子式手ぶれ補正の別の方式では、センサにより揺れを検出し、撮像素子で撮像される画像の一部を検出結果に応じて切り出すことによって手ぶれを補正する。
【0005】
ところで、ビデオカメラによる撮影は、カメラを意図的に動かすパンニングやチルティング等のカメラワークを伴う場合がある。これらのカメラワークがなされる場合は、手ぶれ補正を制限することにより補正能力を低下させ、これにより、切り出すべき画像の領域が補正可能範囲(撮像領域)の端に突き当たって生じる撮影画像の乱れを防止したり、撮影者の意図する方向への素早い応答を可能にする技術が本発明者により提案されている。
【0006】
図5、図6、図7、図8は、本発明者により提案されているパンニング時の制限技術を説明するための図である。この技術は、焦点距離に拘らず、また、焦点距離の変化に伴って補正限界が変化する場合においても、手ぶれ補正を制限する制限量を簡単に設定することができる技術である。以下、この技術を光学式の手ぶれ補正に適用した例を説明する。
【0007】
図5は、手ぶれ補正用のシフトレンズを光軸に垂直に移動させることによって手ぶれを補正する機能を有する撮像装置の概略構成を示す図である。光学系を構成するレンズ群701〜705は、インナーフォーカスタイプの構成を有し、固定レンズ701、変倍レンズ702、絞り703、防振用シフトレンズ704、フォーカスレンズ705で構成されている。レンズ群を通った光は、CCD等の撮像素子706の撮像面に像を形成する。撮像素子706上の像は光電変換され、増幅器707で最適なレベルまで増幅された後にカメラ信号処理回路708に供給され、ここで標準テレビ信号に変換される。
【0008】
この撮像装置では、手ぶれ補正機能(防振)のON/OFFの切り換えは、スイッチ724の状態に応じて行われる。角速度センサ709(ピッチ方向)、710(ヨー方向)により撮像装置本体の揺れ角速度が検出され、検出信号(角速度信号)は増幅器711、712でそれぞれ増幅された後に制御マイコン716のA/Dコンバータ715a1、715a2でデジタル信号に変換され、ハイパスフィルタ715b1、715b2でDC成分がカットされ、積分部715d1、715d2で積分され角変位(揺れ角)に変換される。焦点距離補正部715e1、715e2は、積分部715d1、715d2で算出された揺れ角(θ)と光学系の焦点距離(f)とに基づいて補正信号(f×tan θ;撮像素子上の揺れによる像の移動量を示す信号)を生成する。
【0009】
補正系制御部715iは、焦点距離補正部715e1、715e2の出力信号である補正信号に基づいて、揺れによる像の移動方向と逆方向に像が移動するように、シフトレンズ704を光軸と直交したピッチ方向及びヨー方向に移動させることによって揺れの補正を行うための補正目標信号を生成する。
【0010】
シフトレンズ704の制御は、加算器716で、補正系制御部715iから出力される補正目標信号とシフトレンズ704の位置信号(エンコーダ713の検出信号を所定レベルまで増幅器714で増幅した位置信号)との差分を計算し、その差分をモータドライバ717で増幅した駆動信号をモータ718に出力しながら行う。これにより、差分が零になるように、即ちシフトレンズ704の位置が補正目標位置に一致するように、シフトレンズ704が位置決めされる。
【0011】
帯域制限用のハイパスフィルタ(HPC)715c1、715c2は、補正信号を補正量規格化部715h1、715h2で規格化した規格化補正量に応じて、制限処理制御部715g1、715g2によって制御され、これによりパンニング動作時の防振能力が制限される。
【0012】
また、防振制御マイコン715は、以上の他、変倍レンズ702及びフォーカスレンズ705も制御する。制御マイコン715は、押し圧により抵抗値が変化する回転操作タイプのズームスイッチユニット723から供給される信号に応じて、モータドライバ720を介してモータ719に駆動命令を送る。これによりズームレンズ702が駆動されて焦点距離が調整される。また、防振制御マイコン715は、カメラ信号処理回路708で処理された焦点信号(AF信号)が最大となるように、モータドライバ722を介してモータ721に駆動命令を送りる。これによりフォーカスレンズ705の位置が調整され、像の焦点位置が調整される。
【0013】
図6は、防振制御マイコン715によって実行される防振制御フローを説明する図である。この処理では、補正量は、焦点距離と最大補正限界で規格化されており、制限量は、規格化補正量に応じて所定特性に従って算出される。従って、1種類の特性を規定するデータを保持するだけで、あらゆる焦点距離に対応することができる。
【0014】
図6に示す処理は、定周期割込処理であり、例えば1kHzの周波数で実行される。割込みの起動要因は、例えば、クロックの分周信号に従ってアップ(若しくはダウン)カウントしているカウンタの値が1msecに相当する値になる都度発生する。
【0015】
なお、ここでは、A/Dコンバータ715a1、715a2の動作モードはスキャンモードであり、継続的にA/D動作を実行するものとする。
【0016】
まず、S801で、割込処理を開始し、A/Dコンバータ715a1、715a2により角速度信号をデジタル信号に変換する。S802では、A/Dコンバータ715a1、715a2によりデジタル信号に変換された角速度信号に対して、ハイパスフィルタ715b1、715b2によりハイパスフィルタ処理を施すことによってDC成分を除去する。
【0017】
S803では、AC成分の角速度信号の周波数帯域を制限する。具体的には、S803では、制限処理制御部715g1、715g2は、帯域制限用のHPF715c1、715c2にそれぞれカットオフ周波数を設定する。このカットオフ周波数を低域から高域まで変化させることにより、角速度信号の帯域を制限することができる。
【0018】
この撮像装置では、パンニング等のカメラワーク中は、カットオフ周波数を高くすることにより手ぶれ補正効果を低下させ、これによりシフトレンズ704の位置のセンタリング強度を強めて、円滑なカメラワークを実現し、一方、通常撮影時は、手ぶれ除去効果を高めるために、カットオフ周波数を低下させる。また、補正可能範囲の限界よりも大きなぶれを補正しようとして画面の端が補正可能範囲の端に衝突したときに生じる画面の不自然さを防止するためにも、帯域が制限される。
【0019】
次に、S804では、積分部715d1、715d2により、帯域が制限された角速度信号を積分し、これにより角変位を算出する。算出された角変位は、撮像装置本体の揺れ角に相当する。
【0020】
S805では、補正量を算出する。補正量(シフト目標量)は、f×tanθで与えられ、S804で得られた角変位(即ち、揺れ角θ)と光学系の焦点距離fとに基づいて算出される。
【0021】
S806では、S805で算出した補正量を最大補正限界(シフトレンズ704の移動限界)で規格化する。規格化補正量は以下の式で与えられる。
【0022】
ピッチ規格化補正量
=ピッチ補正量/ピッチ最大移動限界量/2×100(%) …(1)
ヨー規格化補正量
=ヨー補正量/ヨー最大移動限界量/2×100(%) …(2)
S807は、S806で算出された規格化補正量に基づいて補正能力に制限を加えるための制限量を算出する処理であり、制限処理制御部715g1、715g2により制御される。決定された制限量は、次回の割り込み処理のS803で反映される。ここで、制限量は、帯域制限処理S803で説明したカットオフ周波数に相当する。
【0023】
図7は、補正量に対する制限量、即ちカットオフ周波数の特性を示す図である。横軸は規格化補正量であり、最大移動限界量(マイナス側の最大シフト限界からプラス側の最大シフト限界までの幅)の1/2までシフトレンズをシフトさせて補正する際の補正量を100%とした場合における、現在の揺れを補正するために必要な補正量の割合である。縦軸は制限量のパラメータである帯域制限のカットオフ周波数である。この撮像装置では、補正量を制限する度合いは、階段状の関数に従って変化するのではなく、滑らかな関数に従って変化する。このため、カットオフ周波数を制御して通常撮影からパンニング動作に移行する場合においても、制御量が円滑に変化する。
【0024】
この制御量特性では、最大カットオフ周波数が6Hzであるが、これは、主となる手ぶれの周波数成分が5Hz以下であることによる。また、この制限量特性では、規格化補正量の2乗の関数に従ってカットオフ周波数が変化する。具体的には、補正量が大きいほど急唆にカットオフ周波数が高くなり、補正量が零近傍の場合にはカットオフ周波数が可能な限り低くなって高い防振効果を得ることができる。この防振効果が高い範囲(補正量が零近傍の範囲)を拡大するためには、例えば、制限量特性をより急峻に立上がらせればよい。
【0025】
ここで、最大移動限界は、図8に示すように決定される。図8(a)は、光学系の焦点距離と有効像円径との関係を示す図、図8(b)は、焦点距離と最大補正範囲との関係を示す図である。
【0026】
図8(a)の1001は、シフトレンズ704の機械的な最大移動限界量を有効像円(イメージサークル)径に換算した値である。また、図8(b)の1002は、焦点距離に対する有効像円径の変化であり、ワイド(W)側からテレ(T)側までの全ての焦点距離で、シフトレンズ704を機械的な最大移動限界まで移動させたとしても、撮影画面にはケラレが生じないことを示している。従って、1002に示す特性を有する光学系における最大補正範囲は、図8(b)の1005の様に一定値となる。一方、1003のように焦点距離1004よりテレ側でしか1001より大きな有効像円径にならない光学系においては、1004よりワイド側では、シフトレンズ704を機械的に最大移動限界まで移動させると、撮影画面の一部がケラれることを意味する。従って、1003に対する最大補正範囲は、1006のように、焦点距離1004よりワイドでは、減少することになる。
【0027】
一般には、1003のように光学系の設計がなされ、レンズの小型化が図られる場合が多い。この様に、最大補正範囲が焦点距離に応じて1006の様に変化する場合であっても、補正量は最大補正範囲で規格化されるので、焦点距離毎に制限特性を変更しなくとも(特性変更パラメータを多数持たなくとも)、有効像円の端への衝突の防止すると共に、円滑なパンニング動作への移行及び解除を実現することができる。
【0028】
図6に戻る。S807で決定されたカットオフ周波数は、次回の帯域制限処理で設定され、これにより角速度信号び帯域が制限される。例えば、力ットオフ周波数が大きい場合には、カットオフ周波数以下の周波数の揺れに対する補正効果が減少する。次に、S808で、S805で算出されたシフト目標量を加算器716に対して出力し、本処理を終了する(S809)。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来例では、角速度センサ709及び710の感度と、増幅器711及び712の増幅率と、A/D変換器715a1及び715a2の分解能及びダイナミックレンジとに従って、検出可能な揺れの最小振幅及び最大振幅が決定される。そして、従来は、良好な防振性能が得られる分解能を確保しつつ最もダイナミックレンジが大きくなるように、増幅器711及び712の増幅率が固定的に決定される。
【0030】
しかしながら、レンズ倍率(ズーム比)の高倍率化に伴って、最望遠では被写体像がより大きくなり、このために小さな手ぶれの影響が目立ち、良好な補正効果が得られないという問題が顕在化している。また、微小振幅の揺れの場合には、揺れを検出する際の分解能が不足し、揺れの連続性が損なわれて検出される場合が多い。この場合、揺れを補正するためのシフトレンズの補正目標量の制御も連続性に欠け、撮影される動画像も被写体が不連続的に動くものとなる。
【0031】
一方、望遠側の撮影時に微小振動でも除振可能なように、揺れを検出する際の分解能を高めると、検出可能な揺れのダイナミックレンジが狭くなり、大きな揺れへの補正効果や、広角側での防振効果が著しく低下する。
【0032】
また、撮影者が行うパンニング動作などのカメラワークは、補正量規格化部715h1及び715h2で生成される規格化補正量の大きさに基づいて判断されるが、タイナミックレンジが十分なほど、通常の手ぶれとパンニングとの判別が容易である。
【0033】
検出する揺れの「分解能」と「ダイナミックレンジ」のバランス取りは、「手ぶれ補正効果」と「パンニング時の円滑さ」とのバランス取りを意味する。例えば分解能を優先させると、パンニング時の画像の円滑性が損なわれ、自然なカメラワークに支障をきたしていた。
【0034】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、例えば、撮影状況に適した防振制御を可能にすることを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面は、被写体像を撮像面に結像させるための撮影光学系を有する防振装置に係り、前記撮影光学系は、焦点距離が可変の変倍光学系と、光軸に対して略垂直な方向に移動可能な補正光学系とを含み、前記防振装置は、前記防振装置に加わる揺れを検出する揺れ検出手段と、前記揺れ検出手段の出力を可変のゲインで増幅する増幅器と、前記増幅器の出力をデジタル信号に変換するA/Dコンバータと、前記A/Dコンバータの出力に対して利得補正を行う利得補正手段と、前記利得補正手段の出力に基いて前記補正光学系を駆動することで、前記撮像面に結像させる像の揺れを軽減する駆動手段と、前記焦点距離が望遠側の時は前記焦点距離が広角側の時よりも前記増幅器の前記ゲインを大きくするよう変更する制御手段とを有し、前記利得補正手段は、前記増幅器のゲインの変動が補正されるように前記利得補正手段のゲインを調整する。
本発明の第2の側面は、被写体像を撮像面に結像させるための撮影光学系を有する防振装置に係り、前記撮影光学系は、焦点距離が可変の変倍光学系と光軸に対して略垂直な方向に移動可能な補正光学系とを含み、前記防振装置は、前記防振装置に加わる揺れを検出する揺れ検出手段と、前記揺れ検出手段の出力を互いに異なるゲインでそれぞれ増幅する複数の増幅器と、前記複数の増幅器によって増幅された前記揺れ検出手段の出力をそれぞれ処理する複数の経路と、前記焦点距離が望遠側の時は、前記焦点距離が広角側の時よりも、前記複数の増幅器のうちゲインが大きい増幅器を選択する選択手段と、前記複数の増幅器のうち前記選択手段によって選択された増幅器からそれに対応する経路を介して供給される出力に基づいて前記補正光学系を駆動することで、前記撮像面に結像させる像の揺れを軽減する駆動手段とを有し、前記複数の経路は、それぞれ、前記複数の増幅器のうち対応する増幅器の出力をデジタル信号に変換するA/Dコンバータと、前記A/Dコンバータの出力を処理するハイパスフィルタとを含み、前記複数の経路のゲインは、前記増幅器とそれに対応する経路との全体のゲインが他の前記増幅器とそれに対応する経路との全体のゲインと同一になるように設定されている。
本発明の第3の側面は、被写体像を撮像面に結像させるための撮影光学系を有する防振装置の制御方法に係り、前記撮影光学系は、焦点距離が可変の変倍光学系と、光軸に対して略垂直な向に移動可能な補正光学系とを含み、前記防振装置は、前記防振装置に加わる揺れを検出する揺れ検出手段と、前記揺れ検出手段の出力を可変のゲインで増幅する増幅器と、前記増幅器の出力をデジタル信号に変換するA/Dコンバータとを有し、前記制御方法は、前記A/Dコンバータの出力に対して利得補正を行う利得補正工程と、前記利得補正工程で利得補正された結果に基いて前記補正光学系を駆動することで、前記撮像面に結像させる像の揺れを軽減する駆動工程と、前記焦点距離が望遠側の時は前記焦点距離が広角側の時よりも前記増幅器の前記ゲインを大きくするよう変更する制御工程とを有し、前記利得補正工程では、前記増幅器のゲインの変動が補正されるように前記利得補正工程におけるゲインを調整する。
本発明の第4の側面は、被写体像を撮像面に結像させるための撮影光学系を有する防振装置の制御方法に係り、前記撮影光学系は、焦点距離が可変の変倍光学系と光軸に対して略垂直な方向に移動可能な補正光学系とを含み、前記防振装置は、前記防振装置に加わる揺れを検出する揺れ検出手段と、前記揺れ検出手段の出力を互いに異なるゲインでそれぞれ増幅する複数の増幅器と、前記複数の増幅器によって増幅された前記揺れ検出手段の出力をそれぞれ処理する複数の経路とを有し、前記複数の経路は、それぞれ、前記複数の増幅器のうち対応する増幅器の出力をデジタル信号に変換するA/Dコンバータと、前記A/Dコンバータの出力を処理するハイパスフィルタとを含み、前記複数の経路のゲインは、前記増幅器とそれに対応する経路との全体のゲインが他の前記増幅器とそれに対応する経路との全体のゲインと同一になるように設定されており、前記制御方法は、前記焦点距離が望遠側の時は、前記焦点距離が広角側の時よりも、前記複数の増幅器のうちゲインが大きい増幅器を選択する選択工程と、前記複数の増幅器のうち前記選択工程で選択された増幅器からそれに対応する経路を介して供給される出力に基づいて前記補正光学系を駆動することで、前記撮像面に結像させる像の揺れを軽減する駆動工程とを有する。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0058】
以下で説明する撮像装置は、光学式防振機能を搭載したビデオカメラに関するが、本発明の撮像装置は、例えば、電子式防振機能を搭載した撮像装置や、光学式又は電子式防振機能を搭載した電子スティルカメラや銀塩スティルカメラ等の撮像装置にも適用することができる。また、本発明の防振装置は、撮像装置の他、例えば、レンズ交換式の撮像装置の交換レンズ単体(即ち、防振機能を搭載した交換レンズ)にも適用することができる。
【0059】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の好適な実施の形態に係る撮像装置の概略構成を示す図である。
【0060】
光学系を構成するレンズ群101〜105は、インナーフォーカスタイプの構成を有し、固定レンズ101、変倍レンズ102、統り103、シフトレンズ104、フォーカスレンズ105を含む。光学系を通った光は、CCD等の撮像素子106の撮像面上に像を形成する。撮像素子106の出力は、増幅器107で最適なレベルまで増幅された後にカメラ信号処理回路108に供給され、標準テレビ信号に変換される。
【0061】
この撮像装置では、手ぶれ補正機能(防振)のON/OFFの切り換えは、スイッチ124の状態に応じて行われる。角速度センサ109(ピッチ方向)、110(ヨー方向)により撮像装置本体の揺れ角速度が検出され、検出信号(角速度信号)は、ゲイン調整が可能な増幅器111、112でそれぞれ増幅された後に、防振制御マイコン115のA/Dコンバータ115a1、115a2でデジタル信号に変換され、ハイパスフィルタ(HPC)115b1、115b2でDC成分がカットされ、利得補正部115j1、115j2に供給される。利得補正部115j1、115j2は、供給された信号の利得補正を行う。この利得補正については図2を参照して後述する。
【0062】
利得補正がされた2つの角速度信号は、帯域制限用ハイパスフィルタ115c1、115c2を通して積分部115d1、115d2にそれぞれ供給され、これらにおいて角変位(揺れ角)に変換される。焦点距離補正部115e1、115e2は、積分部115d1、115d2で算出された揺れ角(θ)と光学系の焦点距離(f)とに基づいて補正信号(f×tanθ;撮像素子上の揺れによる像の移動量を示す信号)を生成する。
【0063】
補正系制御部115iは、焦点距離補正部115e1、115e2の出力信号である補正信号に基づいて、揺れによる像の移動方向と逆方向に像が移動するように、シフトレンズ104を光軸と直交したピッチ方向及びヨー方向に移動させることによって揺れを補正するための補正目標信号を生成する。
【0064】
シフトレンズ104の制御は、加算器116で、補正系制御部115iから出力される補正目標信号とシフトレンズ104の位置信号(エンコーダ113の検出信号を所定レベルまで増幅器114で増幅した位置信号)との差分を計算し、その差分をモータドライバ117で増幅した駆動信号をモータ118に出力しながら行う。これにより、差分が零になるように、即ちシフトレンズ104の位置が補正目標位置に一致するように、シフトレンズ104が位置決めされる。
【0065】
帯域制限用のハイパスフィルタ115c1、115c2は、補正信号を補正量規格化部115h1、115b2で規格化した規格化補正量に応じて、制限処理制御部115g1、115g2によって制御され、これによりパンニング時の防振能力が制限される。
【0066】
パンニング特性は、例えば、図7に示す特性と同様であり、規格化補正量に応じて帯域制限パラメータであるカットオフ周波数を制御することにより制限量を決定し、パンニング時の防振能力を制限する。この場合、規格化補正量は、パンニングがなされているか否かを示す尺度として使用される。
【0067】
利得制御部115f1、115f2は、現在の焦点距離とパンニング時の制限強度に応じて、それぞれ増幅器111、112のゲインを制御する。利得制御部で決定されたゲインは、次に増幅器111、112が角速度センサ109、110から供給される角速度信号を増幅する際のゲインである。
【0068】
利得補正部115j1、115j2では、それぞれ、角速度センサ111、112から積分部115d1、115d2までの全体のゲインが最適化されるように、即ち、増幅器111、112のゲイン変動が補正されるように、自己のゲインを調整する。
【0069】
例えば、増幅器111、112のゲインが前回の2倍になった場合は、利得補正部115j1、115j2では、自己のゲインを前回の1/2倍に設定し、全体のゲインを一定に維持する。この場合、A/Dコンバータ115a1、115a2で角速度信号をA/D変換する前に、角速度信号のレベルを高くするため、揺れの検出の分解能が高められる。即ち、微小振幅の角速度信号をA/D変換する前に高いゲインで増幅することにより、A/D変換後の角速度信号が離散的な荒いデータになることを防止し、より連続的なデータ(分解能が高いデータ)を得ることができる。これにより、揺れを補正した際に、自然で円滑な補正効果を得ることができる。
【0070】
また、防振制御マイコン115内での信号処理において、A/D変換後のデータをビット拡張することにより、利得補正部115j1、115j2で利得増加分を補正するための除算処理を行った場合においても、小数点以下のデータが保持されるため、揺れの検出分解能を最大限に利用することができる。
【0071】
防振制御マイコン115は、以上の他、ズームレンズ102やフォーカスレンズ105の制御も行う。防振制御マイコン115は、押し圧により抵抗値が変化する回転操作タイプのズームスイッチユニット118からの信号に応じて、モータドライバ120を介してモータ119に駆動信号を送ることにより、ズームレンズ102を移動させて焦点距離を変更する。また、防振制御マイコン115は、カメラ信号処理回路108で処理された焦点信号が最大となるように、モータドライバ122を介してモータ121に駆動信号を送ることにより、フォーカスレンズ105を移動させて被写体像の焦点位置を調節する。なお、この撮像装置では、レンズ駆動用モータとしてステッピングモータを使用し、ステッピングモータの駆動命令パルスを管理することによりレンズ位置を認識するオープンループ制御の構成を採用している。
【0072】
図2は、防振制御マイコン115によって制御される防振制御フローを示す図である。以下、図2を参照しながら防振制御フローを説明する。
【0073】
この実施の形態では、撮影状況に応じて揺れ検出部(角速度センサ、増幅器)の増幅器のゲイン(感度)を制御することにより、揺れの検出分解能と検出レンジを最適化し、これにより、円滑なパンニング動作と高い防振性能を実現する。例えば、光学系の焦点距離が望遠側の場合には、検出感度(増幅器のゲイン)を高くして、微小振動も精度良く検出することにより、望遠側での手ぶれ補正効果を高め、一方、広角側では、検出感度を低くして、大振幅の揺れのみを対象として補正する。これは、同一振幅の揺れが望遠画角では大きな画面変動を生じさせるのに対し、広角側では画面変動が少ないことに基づいている。即ち、望遠側と同様な画面変動を広角側で生じさせる揺れ振幅は、焦点距離の相違分だけ、望遠側での揺れ振幅よりも大きい。そこで、焦点距離の変化に応じて広角側では揺れ検出部の増幅器のゲインを小さくすることにより、望遠側と同一の揺れ補正処理で良好な補正効果を得ることができる。
【0074】
また、この実施の形態では、パンニング等のカメラワーク時、即ち、撮像装置が意図的に大きく動かされている場合は、揺れ検出部の増幅器のゲインを低めに設定し、広いダイナミックレンジが得られるようにし、一方、通常撮影時は、揺れ検出部の増幅器のゲインを高めに設定し、揺れ補正効果を高める。これにより、撮像装置が意図的に大きく動かされている場合と、通常撮影時の双方において、良好な撮影を行うことができる。
【0075】
図2に示す処理は、防振制御マイコン115で実行される定周期割込処理であり、例えば1kHzの周波数で実行される。割込みの起動要因は、例えば、発振クロックの分周信号に従ってアップ(若しくはダウン)カウントしているカウンタの値が、1msecに相当する値になる都度発生する。
【0076】
なお、ここでは、A/Dコンバータ115a1、115a2の動作モードはスキャンモードであり、継続的にA/D変換動作を実行するものとする。
【0077】
まず、S201では、割込処理を開始し、増幅器111、112で増幅された2つの角速度信号をA/Dコンバータ115a1、115a2でそれぞれデジタルデータに変換する。S202では、デジタルデータに変換された2つの角速度信号に対してハイパスフィルタ115b1、115b2でそれぞれハイパスフィルタ処理を施すことによってDC成分を除去する。この際、角速度信号としてのデジタルデータはビット拡張され、以下の処理で為されるフィルタリング等の処理による精度劣化が防止される。
【0078】
S203では、利得補正部115j1、115j2は、DC成分がカットされた2つの角速度信号を規格化する。具体的には、利得補正部115j1、115j2は、次式に示す除算処理を実行して角速度信号を規格化する。
【0079】
規格化角速度=角速度/利得変数 …(3)
ここで、利得変数については、S209の処理の説明の際に詳述するが、簡単に説明すると、利得変数は、撮影画角(焦点距離)とパンニング状態に応じて決定される変数であり、
利得変数=パンニングゲイン×焦点距離比率 …(4)
で与えられる。なお、この利得変数とテレ端での標準利得値とを乗算して得られる値が、実際の増幅器111、112のゲインとなる。パンニングゲインは、例えば、パンニング中は0.5、通常撮影時は1.0の値となり、焦点距離比率は、
焦点距離比率=現在の焦点距離/テレ端焦点距離
で与えられる。また、テレ端での標準利得値(テレ端標準利得)は、例えば、テレ端でのシフトレンズ104の位置制御分解能の1/10が揺れ検出分解能となるように設定され、微小振幅の揺れであっても、連続性を維持した揺れとして検出することができる。広角側での撮影時や、パンニング等のカメラワークのために撮影装置が意図的に動かされた時は、この利得変数は、望遠側での通常撮影時よりも小さい値になり、揺れ検出の最適分解能や最適ダイナミックレンジが決定される。
【0080】
S203(利得補正処理)の実行により、角速度センサ109、110から焦積分部115d1、115d2までの全体のゲインが一定値になるように制御され、S205で最終的に決定される揺れ角は、増幅器111、112のゲインに依存しない規格化されたデータになる。
【0081】
S204では、AC成分の角速度信号の周波数帯域を制限する。具体的には、S204では、制限処理制御部115g1、115g2は、帯域制限用のハイパスフィルタ115c1、115c2にそれぞれカットオフ周波数を設定する。このカットオフ周波数を低域から高域まで変化させることにより、角速度信号の帯域を制限することができる。
【0082】
この撮像装置では、パンニング等のカメラワーク中は、カットオフ周波数を高くすることにより手ぶれ補正効果を低下させ、これによりシフトレンズ104の位置のセンタリング強度を強めて、円滑なカメラワークを実現し、通常撮影時は、手ぶれ補正効果を高めるために、カットオフ周波数を低下させる。また、補正可能範囲の限界よりも大きな揺れを補正しようとして画面の端が補正可能範囲の端に衝突したときに生じる画面の不自然さを防止するためにも、帯域が制限される。
【0083】
次に、S205では、積分部115d1、115d2で、帯域が制限された角速度信号を積分し、これにより角変位を算出する。算出された角変位は、撮像装置本体の揺れ角に相当する。
【0084】
S206では、焦点距離補正部115e1、115e2で補正量(シフト目標量)を算出する。補正量は、f×tanθで与えられ、S205で得られた角変位(即ち、揺れ角θ)と光学系の焦点距離fとに基づいて算出される。
【0085】
S207は、S206で算出した補正量を最大補正限界(シフトレンズ104の移動限界)で規格化する。規格化補正量は前述の(1)式及び(2)式で与えられる。
【0086】
S208では、S207で決定された規格化補正量に基づいて、補正能力に制限を加えるための制限量としてのカットオフ周波数を決定する。S208で決定されたカットオフ周波数は、次回の帯域制限処理(S204)で設定され、これにより角速度信号の帯域が制限される。例えば、決定した力ットオフ周波数が大きい場合には、カットオフ周波数以下の手ぶれ周波数の揺れに対する補正効果が減少する。
【0087】
次に、S209では、前述の(4)式で計算される利得変数と(5)式とに基づいて、次回の増幅器111、112のゲインが決定される。
【0088】
ゲイン=テレ端標準利得×利得変数 …(5)
ここで、利得変数とテレ端標準利得については、前述の通りである。利得変数を決定する1つの要素であるパンニングゲインは、例えば、S208で算出される制限量に基づいて決定してもよいし、S207で算出される規格化補正量に基づいて決定してもよい(例えば、規格化補正量が50%以上になったら、パンニング中であると判断してパタニングゲインの値を小さくする)。また、図7の制限特性のカーブに従って、パンニングゲインを変更してもよい。
【0089】
なお、パンニングゲインの変更に伴って増幅器111、112のゲインが変化するが、S204の処理で全体的なゲインが一定値に維持されるため、揺れ状態が同じであれば規格化補正量が変動することはない。
【0090】
次に、S210では、S206で算出された補正量(シフト目標量)を加算器116に出力し、本処理を終了する(S211)。
【0091】
以上のように、本発明の好適な実施の形態によれば、撮影状況に応じて、揺れ検出部の検出感度を最適化することにより、撮影画角やカメラワークに最適な揺れ検出分解能やダイナミックレンジを得ることができる。従って、画面変動を発生させる望遠画角での微小振幅の揺れを、連続性を維持したまま、検出することができるので、円滑で自然な防振効果を得ることができる。また、広角撮影の場合には、撮影画面の変動を伴うような大きな揺れを重点的に検出し補正することができるので安定した撮影画像を得ることができる。更に、パンニング等のカメラワーク時には、揺れ検出のダイナミックレンジが優先されるので、揺れ検出部の飽和が低減され、カメラワーク動作を確実に検出することができ、円滑な補正制限が可能となる。
【0092】
以上、本発明の好適な実施の形態として、シフトレンズを用いた光学式手ぶれ補正について説明したが、本発明は、これに限定されず、例えば電子式の手ぶれ補正に適用することもできる。例えば、フィールドメモリ中の画像から切り出す画像の位置を揺れに応じて制御することよって手ぶれを補正することもできるし、大型或いは超高画素タイプのCCDから切り出す画像の位置を制御することによって手ぶれを補正してもよい。
【0093】
また、上記の実施の形態は、揺れ検出部として角速度センサーを用いた例であるが、例えば、これを加速度センサに置き換えることもできる。この場合、検出される加速度を2回積分することにより揺れ角を算出することができる。
【0094】
また、上記の実施の形態では、揺れ角の算出は、ソフトウェアで行ってもよいし、ハードウェアで行ってもよい。
【0095】
また、制限すべき特性(例えば、HPFのカットオフ周波数)は、関数に従って決定してもよいし、ルックアップテーブルを参照することによって決定してもよいし、他の方法に従って決定してもよい。
【0096】
また、上記の実施の形態では、補正量を制限する方法として、ハイパスフィルタの通過帯域を制限する方法を挙げたが、揺れ補正系の動作を制限する方法であれば他の方法を採用することもできる。例えば、積分フィルタの積分時定数を制御して、積分フィルタ出力を制限する方法も好適である。
【0097】
また、上記の実施の形態では、利得変数(パタニングゲイン×焦点距離比率)をパラメータとして、増幅器のゲインの変化に応じて全体的なゲインを調節するが、焦点距離比率に応じた利得補正を行わなず、パンニングゲインの利得補正のみを行う場合には、S206において補正量を算出する際に焦点距離fを乗算する必要はない。
【0098】
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る撮像装置の概略構成を示す図である。第1の実施の形態では、揺れ検出部の増幅器のゲインが、撮影状況に応じて最適になるよう制御される。しかしながら、増幅器のゲインの切り替えによりA/D変換されるデータのレベルが変動することから、DC成分をカットするためのハイパスフィルタの出力信号に、ゲインの切り替えの影響が現れる。この出力信号の変動の影響が無くなるまで、補正動作を制限してもよいが、その場合、パンニング等の素早いカメラワークに対する応答性が悪化する。また、ゲイン切り替え後の揺れ角情報が有効となるには、角速度信号を積分する際の積分時定数以上の時間が経過しなければならず、ゲイン切り換えに対する応答性が悪い。
【0099】
第2の実施の形態は、そのような不具合を解消する技術を提供するものであり、増幅率の異なる複数の増幅器を備え、該複数の増幅器の出力信号のそれぞれについて、A/D変換から補正信号の算出までの信号処理を実行し、これにより得られる複数の補正信号から撮影状況に応じて最適な補正信号を選択する。
【0100】
なお、図3の構成において、図1中のブロックと同一のブロックには同一の符号が付されている。
【0101】
図3に示す撮像装置は、光学式防振機能を備えており、手ぶれ補正機能(防振)のON/OFFの切り換えは、スイッチ124の状態に応じて行われる。角速度センサ109(ピッチ方向)、110(ヨー方向)により撮像装置本体の揺れ角速度を検出される。角速度センサ109、110で検出された2つの角速度信号は、それぞれゲインの異なる複数の増幅器(ゲイン=A:111、112、ゲイン=B:301、302)で増幅された後に、防振制御マイコン115のA/Dコンバータ115a1、115a2でそれぞれデジタル信号に変換され、ハイパスフィルタ115b1、115b2でDC成分がカットされる。これらの角速度信号は、帯域制限用のハイパスフィルタ115d1、115d2を介して積分部115d1、115d2に供給され、積分されて角変位(揺れ角)に変換される。焦点距離補正部115e1、115e2は、積分部115d1、115d2で算出された揺れ角(θ)と光学系の焦点距離(f)とに基づいて補正信号(f×tanθ;撮像素子上の揺れによる撮影像の移動量を示す信号)を生成する。
【0102】
A/Dコンバータ115a1、ハイパスフィルタ115b1、ハイパスフィルタ115c1、積分器115e1及び焦点距離補正部115e1は、増幅器111から供給される信号を処理する経路と、増幅器301から供給される信号を処理する経路とを有する。また、A/Dコンバータ115a2、ハイパスフィルタ115b2、ハイパスフィルタ115c2、積分器115e2及び焦点距離補正部115e2は、増幅器112から供給される信号を処理する経路と、増幅器302から供給される信号を処理する経路とを有する。
【0103】
ハイパスフィルタ115b1、115c1、115b2、115c2のゲインは、複数の増幅器111、301、112、302の各ゲインに応じて個別に設定されており、具体的には、4つの経路の全てにおいて、角速度センサ109、110から積分部115d1、115d2までの全体的なゲインが同一の値になるように設定されている。
【0104】
揺れ信号選択部303、304は、それぞれ、生成された2種類の補正信号の内、撮影状況に応じて、最適な補正信号を選択する。そして、揺れ信号選択部303、304は、それぞれ、選択した補正信号を補正系制御部115i及び補正量規格化部115h1、補正系制御部115i及び補正量規格化部115h2、に供給する。
【0105】
補正系制御部115iは、揺れ信号選択部303、304で選択された補正信号(撮像素子上の揺れによる像の移動分)に基づいて、揺れによる像の移動方向とは逆方向に像を移動させるように、シフトレンズ104を光軸と直交したピッチ方向及びヨー方向に移動させることにより揺れを補正するための補正目標信号を生成する。
【0106】
シフトレンズ104の制御は、加算器116で、補正系制御部115iから出力される補正目標信号とシフトレンズ104の位置信号(エンコーダ113の検出信号を所定レベルまで増幅器114で増幅した位置信号)との差分を計算し、その差分をモータドライバ117で増幅した駆動信号をモータ118に出力しながら行う。これにより、差分が零になるように、即ちシフトレンズ104の位置が補正目標位置に一致するように、シフトレンズ104が位置決めされる。
【0107】
帯域制限用のハイパスフィルタ115c1、115c2は、補正信号を補正量規格化部115h1、115b2で規格化した規格化補正量に応じて、制限処理制御部115g1、115g2によって制御され、これによりパンニング時の防振能力が制限される。パンニング特性は、例えば、図7に示す特性と同様であり、規格化補正量に応じて帯域制限パラメータであるカットオフ周波数を制御することにより制限量を決定し、パンニング時の防振能力を制限する。
【0108】
防振制御マイコン115は、以上の他、ズームレンズ102やフォーカスレンズ105の制御も行う。防振制御マイコン115は、押し圧により抵抗値が変化する回転操作タイプのズームスイッチユニット118からの信号に応じて、モータドライバ120を介してモータ119に駆動信号を送ることにより、ズームレンズ102を移動させて焦点距離を変更する。また、防振制御マイコン115は、カメラ信号処理回路108で処理された焦点信号が最大となるように、モータドライバ122を介してモータ121に駆動信号を送ることにより、フォーカスレンズ105を移動させて被写体像の焦点位置を調節する。なお、この撮像装置では、レンズ駆動用モータとしてステッピングモータを使用し、ステッピングモータの駆動命令パルスを管理することによりレンズ位置を認識するオープンループ制御の構成を採用している。
【0109】
図4は、防振制御マイコン115によって制御される防振制御フローを示す図である。以下、図4を参照しながら防振制御フローを説明する。
【0110】
この実施の形態では、揺れ検出部(角速度センサ、増幅器)の複数の増幅器111(112)、301(302)のうち検出分解能及び検出レンジが撮影状況に最も適合するようなゲインを有する増幅器を選択し、その増幅器の出力に基づいて揺れを補正することにより、円滑なパンニング動作と高い防振性能を得る。例えば、光学系の焦点距離が望遠側の場合には、微小振動を精度良く検出することができるゲインを有する増幅器の出力を選択することにより、望遠側での手ぶれ補正効果を高め、一方、広角側では、検出感度が低いがダイナミックレンジが広くなるゲインを有する増幅器の出力を選択することにより、大振幅の揺れを補正する。
【0111】
また、この実施の形態では、パンニング等のカメラワーク時、即ち、撮像装置が意図的に大きく動かされている場合は、揺れ検出部の複数の増幅器のうちゲインが低い増幅器、即ち広いダイナミックレンジが得られる増幅器の出力を選択し、一方、通常撮影時は、揺れ検出部の複数の増幅器のうちゲインが高い増幅器の出力を選択し、揺れ補正効果を高める。これにより、撮像装置が意図的に大きく動かされている場合と、通常撮影の場合の双方において、良好な撮影を行うことができる。
【0112】
図4に示す処理は、マイコン115で実行される定周期割込処理であり、例えば1kHzの周波数で実行される。割込みの起動要因は、例えば、発振クロックの分周信号に従ってアップ(若しくはダウン)カウントしているカウンタの値が、1msecに相当する値になる都度発生する。
【0113】
なお、ここでは、A/Dコンバータ115a1、115a2の動作モードはスキャンモードであり、継続的にA/D変換動作を実行するものとする。また、以下の説明において、ヨー角速度センサ110の出力信号を処理するブロックの符号は、括弧書きで示す。
【0114】
まず、S401で、割込処理を開始し、互いに異なるゲインの増幅器111(112)、301(302)で増幅された2つの角速度信号をA/Dコンバータ115a1(115a2)でデジタルデータに変換する。
【0115】
S402では、デジタルデータに変換された2つの角速度信号に対してハイパスフィルタ115b1(115b2)でハイパスフィルタ処理を施すことによってDC成分を除去する。この際、角速度信号のデジタルデータはビット拡張され、以降のフィルタリング等の処理による精度劣化が防止される。なお、ハイパスフィルタ115b1(115b2)は、増幅器111(112)で増幅された角速度信号を処理するためのハイパスフィルタ115b1−1(115b2−1)と、増幅器301(302)で増幅された角速度信号を処理するためのハイパスフィルタ115b1−2(115b2−2)とを含む。
【0116】
S403では、AC成分の角速度信号の周波数帯域を制限する。具体的には、S403では、制限処理制御部115g1(115g2)は、帯域制限用のハイパスフィルタ115c1(115c2)にカットオフ周波数を設定する。このカットオフ周波数を低域から高域まで変化させることにより、角速度信号の帯域を制限することができる。なお、ハイパスフィルタ115c1(115c2)は、増幅器111(112)で増幅された角速度信号を処理するためのハイパスフィルタ115c1−1(115c2−1)と、増幅器301(302)で増幅された角速度信号を処理するためのハイパスフィルタ115c1−2(115c2−2)とを含む。
【0117】
この撮像装置では、パンニング等のカメラワーク中は、カットオフ周波数を高くすることにより手ぶれ補正効果を低下させ、これによりシフトレンズ104の位置のセンタリング強度を強めて、円滑なカメラワークを実現し、通常撮影時は、手ぶれ補正効果をたかめるために、カットオフ周波数を低下させる。また、補正可能範囲の限界よりも大きな揺れを補正しようとして画面の端が補正可能範囲の端に衝突したときに生じる画面の不自然さを防止するためにも、帯域が制限される。
【0118】
ここで、増幅器111(112)及びハイパスフィルタ115b1−1(115b2−1)及び帯域制限ハイパスフィルタ115c1−1(115c2−1)の全体のゲインと、増幅器301(302)及びハイパスフィルタ115b1−2(115b2−2)及び帯域制限ハイパスフィルタ115c1−1(115c2−2)の全体のゲインとが一致するように各ハイパスフィルタのゲインが設定されている。
【0119】
次に、S404では、積分部115d1(115d2)で、帯域が制限された異なる検出感度の2つの角速度信号をそれぞれ積分して角変位を算出する。算出された角変位は、撮像装置本体の揺れ角に相当する。なお、積分部115d1(115d2)も、増幅器111(112)で増幅された角速度信号を積分するための積分器115d1−1(115d2−1)と、増幅器301(302)で増幅された角速度信号を積分する積分器115d1−2(115d2−2)とを有する。
【0120】
次に、S405では、焦点距離補正部115e1(115e2)で補正量(シフト目標量)を算出する。補正量は、f×tanθで与えられ、補正量はS404で得られた角変位(即ち、揺れ角θ)と光学系の焦点距離fとに基づいて算出される。なお、焦点距離補正部115e1(115e2)も、増幅器111(112)で増幅された角速度信号に係る角変位に基づいて補正量を算出する焦点距離補正部115e1−1(115e2−1)と、増幅器301(302)で増幅された角速度信号に係る角変位に基づいて補正量を算出する焦点距離補正部115e1−2(115e2−2)とを有する。
【0121】
S406では、揺れ信号選択部303(304)は、増幅器(ゲイン=A)111(112)の出力に基づいて決定された補正量又は増幅器(ゲイン=B)301(302)の出力に基づいて決定された補正量を、撮影状況に応じて選択する。なお、ここでは、A<Bの関係であるものとして説明する。
【0122】
撮影画角が望遠(テレ)側で、カメラワークなしの通常の撮影状況では、ゲインBの増幅に係る補正量(シフト目標量)を選択して(S406aでyes、S406bのno、S406c)、微小振幅の揺れの補正を可能にし、パンニング時や広角(ワイド側)側の撮影では、大振幅の揺れであっても検出信号が飽和しないように、ゲインAの増幅に係る補正量(シフト目標量)を選択する(S406aでno又はS406bでyes、S406d)。
【0123】
S407では、S406で選択した補正量を最大補正限界(シフトレンズ104の移動限界)で規格化する。規格化補正量は前述の(1)式、及び(2)式で与えられる。
【0124】
S408では、制限処理制御部115g1(114g2)は、S407で決定された規格化補正量に基づいて補正能力に制限を加えるための制限量としてのカットオフ周波数を決定する。S408で決定されたカットオフ周波数は、次回の帯域制限処理(S403)で設定され、これにより角速度信号の帯域が制限される。例えば、決定した力ットオフ周波数が大きい場合には、カットオフ周波数以下の手ぶれ周波数の揺れに対する補正効果が減少する。
【0125】
次に、S409では、S406で選択した補正量(シフト目標量)を加算器116に出力し、本処理を終了する(S410)。
【0126】
以上のように、本発明の第2の実施の形態によれば、ゲインの異なる複数の増幅器を備え、各増幅器で増幅された信号についてA/D変換から補正量の算出までの信号処理を実行し、このようにして得られる複数の補正量の中から撮影状況に応じた最適な補正量を選択することにより、撮影状況に応じたゲインの切り替えによる信号変動や応答遅れをなくすことができる。
【0127】
また、この実施の形態によれば、撮影画角やカメラワークに最適な揺れ検出分解能やダイナミックレンジを得ることができる。従って、画面変動を発生させる望遠画角での微小振幅の揺れを、連続性を維持したまま、検出することができるので、円滑で自然な防振効果を得ることができる。また、広角撮影の場合には、撮影画面の変動を伴うような大きな揺れを重点的に検出し補正することができるので安定した撮影画像を得ることができる。
【0128】
更に、パンニング等のカメラワーク時には、揺れ検出のダイナミックレンジが優先されるので、揺れ検出部の飽和が低減され、カメラワーク動作を確実に検出することができ、円滑な補正制限が可能となる。
【0129】
なお、この実施の形態は、各角速度センサについて2つの増幅器を設けた例であるが、この個数は2個に限定されるものではなく、3個以上でもよい。また、複数の増幅器の一部を第1の実施の形態のようにゲイン可変タイプの増幅器としてもよい。この場合において、パンニング時のように素早い応答性が要求されるような撮影状況では、複数の増幅器のうち最適なゲインを有する増幅器の出力を選択し、一方、焦点距離の変更のように、比較的応答性が要求されない状況では、焦点距離の調整が完了してからゲイン可変タイプの増幅器のゲインを適切に設定し、変更に伴う信号変動の影響が無くなるまで補正動作を制限することにより、大幅なコストアップを伴うことなく、各焦点距離に最適なゲインを設定することができる。
【0130】
[その他]
なお、本発明は、複数のユニット(例えば、撮像装置本体、レンズユニット)から構成される撮像装置に適用しても、一体的な構造を有する撮像装置(例えば、レンズ固定式の撮像装置)に適用してもよい。
【0131】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0132】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0133】
[実施の形態の効果]
本発明の好適な実施の形態によれば、撮影状況(例えば、焦点距離、カメラワーク)に応じて揺れ検出部の感度を変更し、揺れ検出の分解能とダイナミックレンジを適正化することにより、揺れの補正効果を向上させることができる。
【0134】
また、本発明の好適な実施の形態によれば、焦点距離に応じて揺れ検出部の感度を変更し、揺れ検出の分解能とダイナミックレンジを適正化することにより、広角側から望遠側までの全域で揺れの補正効果を得ることができる。例えば、望遠側では揺れ検出部の感度を高く設定することにより、光学系の高倍率化(高ズーム比化)に伴う望遠側での手ぶれの影響が抑制される他、検出分解能の不足に起因して動画像中で被写体が不連続に動くという問題が解決される。また、広角側では揺れ検出部の感度を低くすることにより、広いダイナミックレンジを確保し、撮影画像に影響を与えるような大きな揺れを補正することができる。このように、焦点距離に応じて揺れの検出感度を適正化することにより、撮影画像中に現れる手ぶれの影響のみを集中的に補正することができ、簡単な構成で揺れの補正効果を高めることができる。
【0135】
また、本発明の好適な実施の形態によれば、パンニング等のカメラワークに応じて揺れ検出部の感度を低くしてダイナミックレンジを広くすることにより、例えば、カメラワークに伴う撮像装置の動きを確実に検出することができ、揺れ補正の制限を円滑化することができる。
【0136】
また、本発明の好適な実施の形態によれば、感度(ゲイン)の異なる複数の増幅器及びその処理部を備え、撮影状況に応じた感度を有する増幅器の出力に基づいて揺れを補正することにより、感度変更時の応答の遅れを防止し、応答性の優れた防振機能を提供することができる。
【0137】
【発明の効果】
本発明によれば、例えば、撮影状況に適した防振制御が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置の概略構成を示す図である。
【図2】防振制御マイコンによって制御される防振制御フローを示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る撮像装置の概略構成を示す図である。
【図4】防振制御マイコンによって制御される防振制御フローを示す図である。
【図5】従来の撮像装置の概略構成を示す図である。
【図6】防振制御マイコンによって実行される防振制御フローを説明する図である。
【図7】補正量に対する制限量(カットオフ周波数)の特性を示す図である。
【図8】光学系の焦点距離と有効像円径との関係、及び、焦点距離と最大補正範囲との関係を示す図である。

Claims (7)

  1. 被写体像を撮像面に結像させるための撮影光学系を有する防振装置であって、前記撮影光学系は、焦点距離が可変の変倍光学系と、光軸に対して略垂直な方向に移動可能な補正光学系とを含み、
    前記防振装置は、
    前記防振装置に加わる揺れを検出する揺れ検出手段と、
    前記揺れ検出手段の出力を可変のゲインで増幅する増幅器と、
    前記増幅器の出力をデジタル信号に変換するA/Dコンバータと、
    前記A/Dコンバータの出力に対して利得補正を行う利得補正手段と、
    前記利得補正手段の出力に基いて前記補正光学系を駆動することで、前記撮像面に結像させる像の揺れを軽減する駆動手段と、
    前記焦点距離が望遠側の時は前記焦点距離が広角側の時よりも前記増幅器の前記ゲインを大きくするよう変更する制御手段とを有し、
    前記利得補正手段は、前記増幅器のゲインの変動が補正されるように前記利得補正手段のゲインを調整する、
    ことを特徴とする防振装置。
  2. 被写体像を撮像面に結像させるための撮影光学系を有する防振装置であって、前記撮影光学系は、焦点距離が可変の変倍光学系と光軸に対して略垂直な方向に移動可能な補正光学系とを含み、
    前記防振装置は、
    前記防振装置に加わる揺れを検出する揺れ検出手段と、
    前記揺れ検出手段の出力を互いに異なるゲインでそれぞれ増幅する複数の増幅器と、
    前記複数の増幅器によって増幅された前記揺れ検出手段の出力をそれぞれ処理する複数の経路と、
    前記焦点距離が望遠側の時は、前記焦点距離が広角側の時よりも、前記複数の増幅器のうちゲインが大きい増幅器を選択する選択手段と、
    前記複数の増幅器のうち前記選択手段によって選択された増幅器からそれに対応する経路を介して供給される出力に基づいて前記補正光学系を駆動することで、前記撮像面に結像させる像の揺れを軽減する駆動手段とを有し、
    前記複数の経路は、それぞれ、前記複数の増幅器のうち対応する増幅器の出力をデジタル信号に変換するA/Dコンバータと、前記A/Dコンバータの出力を処理するハイパスフィルタとを含み、
    前記複数の経路のゲインは、前記増幅器とそれに対応する経路との全体のゲインが他の前記増幅器とそれに対応する経路との全体のゲインと同一になるように設定されている、
    ことを特徴とする防振装置。
  3. 前記揺れ検出手段は、角速度センサであることを特徴とする請求項1又は2に記載の防振装置。
  4. 前記防振装置は、更に前記揺れ検出手段の出力に対して帯域制限をかける帯域制限手段を有し、
    前記制御手段は、前記揺れ補正装置がパンニング若しくはチルティング状態であると判定した場合は、防振効果を低下させるように前記帯域制限手段を設定する請求項1に記載の防振装置。
  5. 請求項1ないし4の何れか1項に記載の防振装置を備えた撮像装置。
  6. 被写体像を撮像面に結像させるための撮影光学系を有する防振装置の制御方法であって、前記撮影光学系は、焦点距離が可変の変倍光学系と、光軸に対して略垂直な方向に移動可能な補正光学系とを含み、
    前記防振装置は、
    前記防振装置に加わる揺れを検出する揺れ検出手段と、
    前記揺れ検出手段の出力を可変のゲインで増幅する増幅器と、
    前記増幅器の出力をデジタル信号に変換するA/Dコンバータとを有し、
    前記制御方法は、
    前記A/Dコンバータの出力に対して利得補正を行う利得補正工程と、
    前記利得補正工程で利得補正された結果に基いて前記補正光学系を駆動することで、前記撮像面に結像させる像の揺れを軽減する駆動工程と、
    前記焦点距離が望遠側の時は前記焦点距離が広角側の時よりも前記増幅器の前記ゲインを大きくするよう変更する制御工程とを有し、
    前記利得補正工程では、前記増幅器のゲインの変動が補正されるように前記利得補正工程におけるゲインを調整する、
    ことを特徴とする防振装置の制御方法。
  7. 被写体像を撮像面に結像させるための撮影光学系を有する防振装置の制御方法であって、前記撮影光学系は、焦点距離が可変の変倍光学系と光軸に対して略垂直な方向に移動可能な補正光学系とを含み、
    前記防振装置は、
    前記防振装置に加わる揺れを検出する揺れ検出手段と、
    前記揺れ検出手段の出力を互いに異なるゲインでそれぞれ増幅する複数の増幅器と、
    前記複数の増幅器によって増幅された前記揺れ検出手段の出力をそれぞれ処理する複数の経路とを有し、
    前記複数の経路は、それぞれ、前記複数の増幅器のうち対応する増幅器の出力をデジタル信号に変換するA/Dコンバータと、前記A/Dコンバータの出力を処理するハイパスフィルタとを含み、
    前記複数の経路のゲインは、前記増幅器とそれに対応する経路との全体のゲインが他の前記増幅器とそれに対応する経路との全体のゲインと同一になるように設定されており、
    前記制御方法は、
    前記焦点距離が望遠側の時は、前記焦点距離が広角側の時よりも、前記複数の増幅器のうちゲインが大きい増幅器を選択する選択工程と、
    前記複数の増幅器のうち前記選択工程で選択された増幅器からそれに対応する経路を介して供給される出力に基づいて前記補正光学系を駆動することで、前記撮像面に結像させる像の揺れを軽減する駆動工程とを有する、
    ことを特徴とする防振装置の制御方法。
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