JP4530380B2 - スパークプラグ用絶縁体及びそれを備えるスパークプラグ - Google Patents

スパークプラグ用絶縁体及びそれを備えるスパークプラグ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関における混合気への着火源として使用されるスパークプラグと、それに使用されるスパークプラグ用絶縁体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車エンジン等の内燃機関に使用されるスパークプラグにおいて、そのスパークプラグを構成するスパークプラグ用絶縁体(以下、単に「絶縁体」ともいう)は、一般的にアルミナ(Al)系の絶縁材料を焼成したアルミナ基焼結体により形成されている。その理由としては、アルミナセラミックスが耐熱性、機械的強度、耐電圧特性等に優れていることが挙げられる。特に、スパークプラグ用絶縁体は、内燃機関の燃焼室内にて生じる火花放電に起因する高温の燃焼ガス(約2000℃〜3000℃)の影響により、500〜700℃程度の熱間に曝されるものであり、室温から上記高温にわたる範囲内で耐電圧特性に優れることが重要となる。なお、このような絶縁体(アルミナ基焼結体)としては、従来より、焼成温度の低減及び焼結性の向上を目的として、例えば酸化珪素(SiO)−酸化カルシウム(CaO)−酸化マグネシウム(MgO)からなる三成分系を焼結助剤として用いて構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記三成分系の焼結助剤を単に用いて形成された絶縁体(アルミナ基焼結体)にあっては、三成分系の焼結助剤(主にSi成分)が、焼結後にアルミナ結晶粒子の粒界に低融点ガラス相として存在してしまう。そのために、絶縁体が700℃近傍の熱間に曝されると、その温度の影響から低融点ガラス相が軟化して、耐電圧特性の低下につながることがある。そこで、低融点ガラス相を減少させる目的として、単にこれらの焼結助剤の添加量を低減して絶縁体を形成することも考えられるが、絶縁体の緻密化が進行しなかったり、あるいは一見緻密化が進行していてもアルミナ結晶粒子により構成される粒界に多数の気孔が残留してしまい、これらが原因で耐電圧特性の低下につながることがある。
【0004】
そこで、絶縁体の緻密化を目的として、特開昭62−100474号公報では、アルミナ粉末と上記三成分系の焼結助剤とからなる原料粉末を所定の粒径に造粒した原料組成物に対して、その原料粉末の未造粒である原料組成物を配合して焼結することにより、アルミナ基焼結体の粒界に存在する残留気孔を減少させることが提案されている。また、特開昭62−143866号では、粒径の異なる二種類のアルミナ粉末と上記三成分系の焼結助剤とからなる原料粉末を焼結することにより、アルミナ基焼結体の粒界に存在する残留気孔を減少させることが提案されている。
【0005】
また、アルミナ結晶粒界に存在するガラス相の耐熱性向上を目的として、例えば、特公平7−17436号公報では、Y、La相及びZrOといった焼結助剤を用いてアルミナ基焼結体を形成することにより、残留気孔を減少させつつ、アルミナ粒子粒界に存在するガラス相の融点の向上を図ることが提案されている。さらに、特許第2564842号公報では、主成分であるアルミナ粉末に有機金属化合物及びアルミニウム化合物を添加して原料粉末を調製して、均一なアルミナ結晶粒子の三重点部分にYAl相を均一に分散させ、アルミナ基焼結体の耐電圧特性の向上を図ることが提案されている。
【0006】
ところで、近年、内燃機関の高出力化やエンジンの小型化に伴い、燃焼室内における吸気及び排気バルブの占有面積が大型化してきており、スパークプラグは小型化される傾向にある。そのために、スパークプラグを構成する絶縁体についてもその肉厚を薄肉化することが要求され、より一層の耐電圧特性に優れる絶縁体が要求されるようになってきている。しかしながら、このような要求の中で、上述した各公報技術のアルミナ基焼結体により絶縁体を構成したとしても、700℃近傍といった高温下においては、十分なレベルにまで耐電圧特性を満足することが困難であり、そのために絶縁体の絶縁破壊が起こってしまうことがある。
【0007】
本発明の課題は、絶縁体を構成するアルミナ基焼結体中の粒界に存在する残留気孔や粒界における低融点ガラス相の影響による絶縁破壊の発生を抑制し、アルミナを主成分としつつ、従来の材料と比較して700℃近傍といった高温下での耐電圧特性に一層優れた絶縁体を有するスパークプラグと、そのスパークプラグに使用される絶縁体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
前記課題を解決するためになされた本発明の請求項1に記載のスパークプラグ用絶縁体は、Al(アルミナ)を主成分とし、Ca(カルシウム)成分、Sr(ストロンチウム)成分、Ba(バリウム)成分から選ばれる少なくとも1種以上の成分(以下、E.成分と表す)を含有するアルミナ基焼結体からなり、そのアルミナ基焼結体の少なくとも一部には、前記E.成分とAl(アルミニウム)成分とを少なくとも含む粒子であって、E.成分を酸化物換算した含有量に対するAl成分を酸化物換算した含有量のモル比が4.5〜6.7の範囲内となる化合物を含む粒子が存在しており、さらに、相対密度が90%以上であるアルミナ基焼結体からなり、前記アルミナ基焼結体は、Si(ケイ素)成分を含有すると共に、該Si成分及び前記E.成分を酸化物換算した含有量のモル比が、
0.08≦SiO /(SiO +E.O)≦0.62
の関係式を満たすことを特徴とする。
【0009】
本発明にて最も注目すべき点は、アルミナを主成分とするアルミナ基焼結体の少なくとも一部において、E.成分を酸化物換算した含有量に対するAl成分を酸化物換算した含有量のモル比(Al/E.O)が、4.5〜6.7の範囲内となる化合物を含む粒子が存在している点にある。
【0010】
上述したような特定の成分及びモル比からなる化合物については高融点を示す化合物であると推察されることから、この化合物を含む粒子がアルミナ基焼結体に存在した上でスパークプラグ用絶縁体が構成されることによって、従来からのアルミナを主成分とする絶縁体と比較して、700℃近傍といった高温下において非常に優れた耐電圧特性を得ることができる。なお、上記モル比(Al/E.O)が4.5〜6.7の範囲内となる化合物としては、例えば、BaAl9.214.8(モル比=4.6、このときのE.成分=Ba成分)、BaAl13.220.8(モル比=6.6、このときのE.成分=Ba成分)等が挙げられるが、ヘキサアルミネート及びヘキサアルミネート類似構造以外の化合物でもよい。
【0011】
ここでいう「粒子」とは、絶縁体(アルミナ基焼結体)の切断面をとったときに、その切断面にて観察されるアルミナ粒子以外の粒子のことをいうものとする。この粒子は、絶縁体(アルミナ基焼結体)の切断面を鏡面研磨した後、SEM観察すれば容易にその存在を確認することができる。なお、必要に応じてTEM観察にてその存在を確認してもよい。ついで、かかる粒子をEDS分析にかかることにより、E.成分とAl成分が当該粒子に存在することを確認することができる。
【0012】
ついで、上記粒子中に含まれる「化合物」については、種々の測定方法でその存在を確認することができる。一例としては、SEM観察及びEDS分析にて、E.成分とAl成分とを含む粒子の存在が確認された絶縁体を粉砕し、その粉末をX線回折することによって、上記モル比(Al/E.O)が4.5〜6.7の範囲内となる化合物に相当するスペクトルが存在するか否かを測定し、該化合物に相当するスペクトルが存在する場合に当該化合物が存在するものと判断する手法が挙げられる。なお、このX線回折では、例えばE.成分がBa成分である場合、BaAl9.214.8(モル比=4.6)、BaAl1219(モル比=6.0)、BaAl13.220.8(モル比=6.6)といったそれぞれのX線回折チャートに対して非常に近似したスペクトルが得られることがあり、どの化合物が存在しているかを断定することができないケースもある。しかしながら、上記いずれの化合物が存在するケースにあっても、上記モル比(Al/E.O)が4.5〜6.7の範囲内であれば、700℃近傍といった高温下における耐電圧特性の向上の効果を得ることが可能である。なお、X線回折以外の方法(例えば、EPMA分析等)で上記化合物の存在を確認することもできる。但し、測定方法の違いにより、同じ絶縁体でも得られるモル比の値に差異が生じることもある。しかしながら、いずれの測定方法であっても、上記モル比(Al/E.O)が所定の範囲内であれば、700℃近傍といった高温下における耐電圧特性の向上の効果を得ることは可能である。
【0013】
かかる粒子の存在箇所としては特には限定されず、絶縁体(アルミナ基焼結体)の内部に存在することが好ましく、アルミナの二粒子粒界及び/又は三重点に存在することが好ましい。さらに、かかる粒子は、アルミナ基焼結体中に均一に万遍なく存在する必要はなく、耐電圧特性が要求される部位に集中的に存在することで耐電圧特性の向上の効果は得られるものである。また、この粒子の形状については特に限定されるものではない。
【0014】
なお、上記モル比(Al/E.O)が4.5未満になる場合、もしくは6.7を越える場合については、理由の詳細については定かでないが、かかる特定の成分からなる化合物の構造に欠陥が生じ易くやすいと推察され、700℃近傍といった高温下における耐電圧特性が低いものとなることがある。
【0015】
さらに、本発明によれば、絶縁体(アルミナ基焼結体)に、E.成分を酸化物換算した含有量に対するAl成分を酸化物換算した含有量のモル比(Al/E.O)が4.5〜6.7の範囲内となる化合物を含む粒子が存在するだけでなく、絶縁体の相対密度が90%以上であることも重要な点である。絶縁体の相対密度が90%未満である場合には、電界が集中し易い残留気孔が絶縁体(アルミナ基焼結体)中に多く存在することになり、700℃近傍といった高温下における耐電圧特性の向上が低下するおそれがある。ここでいう「相対密度」とは、アルキメデス法によって測定された焼結体密度の理論密度に対する比率を百分率で表したものである。また、ここでいう「理論密度」とは、焼結体に含まれる各元素の含有量を酸化物換算し、各酸化物換算した含有量から混合則によって計算される密度のことをいう。なお、この相対密度は数値が大きいほど、焼結体が緻密化されていることを示し、それより残留気孔の存在が少なく耐電圧特性が向上することになる。
【0016】
以上のように、本発明によれば、従来のスパークプラグと比較して700℃近傍といった高温下における絶縁体の耐電圧特性に優れ、ひいては小型で絶縁体の厚みが薄いスパークプラグに適用した場合や、あるいは燃焼室内の温度が高い高出力内燃機関用のスパークプラグに適用した場合において、絶縁破壊(火花貫通)等のトラブルを効果的に防止できるようになる。
【0017】
ここで、本発明のスパークプラグ用絶縁体にあっては、上述したようにE.成分を酸化物換算した含有量に対するAl成分を酸化物換算した含有量のモル比(Al/E.O)が所定の範囲内にあれば、耐電圧特性の向上に寄与する化合物を有する粒子が生成されているものとし、アルミナ基焼結体中におけるAl成分とE.成分の含有量自体は特に限定されない。但し、700℃近傍といった高温下において良好な耐電圧特性を得る上では、アルミナ基焼結体100重量%中に、Al成分が酸化物換算にて80.0〜99.7重量%(より好ましくは91.0〜99.7重量%)の範囲内で、また、E.成分が酸化物換算にて0.2〜10重量%の範囲内で含有していることが好ましい。
また、本発明のスパークプラグ用絶縁体は、ケイ素(Si)成分を含有してもよい。そして、その場合には、ケイ素成分及び前記E.成分を酸化物換算した含有量のモル比が、0.08≦SiO /(SiO +E.O)≦0.62の関係式を満たす。
Si成分は、焼成時に溶融して液相を生じ易く、絶縁体(アルミナ基焼結体)の緻密化を促進する焼結助剤として機能することから、それにより絶縁体の緻密化の向上(相対密度の向上)を有効に図ることができる。
ところで、上記Si成分にあっては緻密化を促進する焼結助剤として機能する一方で、アルミナ結晶粒子の粒界に低融点ガラス相として存在するものである。但し、本発明にあっては、絶縁体中にE.成分を酸化物換算した含有量に対するAl成分を酸化物換算した含有量のモル比(Al /E.O)が4.5〜6.7の範囲内となる化合物を含む粒子が存在することにより、耐電圧特性の向上の効果が有効に得られるものであって、アルミナ基焼結体中の粒界相に上述した特性を有する粒子が存在することで、粒界相の融点が低融点ガラス相のみの場合と比較して向上することになる。なお、Si成分の割合については、上記関係式のように調整することが重要となる。Si成分の割合を上記関係式のように調整することにより、焼成時において粒界相に上述の特性を有する粒子を効果的に生成させることが可能となるからである。その結果、700℃近傍といった高温下における絶縁体の耐電圧特性の向上の効果を有効に図ることができる。
【0018】
次に、本発明のスパークプラグ用絶縁体にあっては、上記粒子に含まれる化合物が、請求項2に記載のように、E.Al1219相であることが好ましい。このE.Al1219相は、X線回折スペクトルでいうと、JCPDSカード番号で38−0470、26−0976、26−0135に類似のチャートが得られることでも確認することができる。ここで、38−0470はCaAl1219相、26−0976はSrAl1219相、26−0135はBaAl1219相をそれぞれ示す。
【0019】
このようにE.Al1219相の結晶相を含む粒子がアルミナ基焼結体の少なくとも一部に存在することにより、絶縁体の耐電圧特性が向上する理由の詳細については定かでないが、このE.Al1219相の結晶相はいわゆるヘキサアルミネートの結晶構造のうち理想的な結晶構造であって、他の欠陥を有する結晶構造のアルミネートと比較して結晶相の融点が高く、700℃近傍といった高温下における耐電圧特性が向上するものと推察される。なお、絶縁体(アルミナ基焼結体)の少なくとも一部に存在する粒子が、E.Al1219相のみからなる場合であっても、E.Al1219相以外に他の結晶を含んでいる場合であっても、耐電圧特性の向上の効果を得ることが可能である。
【0023】
また、本発明のスパークプラグは、請求項に記載のように、軸状の中心電極と、その中心電極の径方向周囲に配置される主体金具と、その主体金具の一端に固着されて前記中心電極と対向するように配置された接地電極と、中心電極と主体金具との間において前記中心電極の径方向周囲を覆うように配置されると共に、請求項1ないしのいずれかに記載のスパークプラグ用絶縁体を備えることによって、700℃程度の高温下において耐電圧特性に優れ、絶縁破壊(火花貫通)を起こしにくい絶縁体を有するスパークプラグを構成することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の幾つかの実施の形態を図面を用いて説明する。
図1に示す本発明の一例たるスパークプラグ100は、軸状に延びる中心電極3と、この中心電極3の径方向周囲を覆うように配置された絶縁体2と、その絶縁体2を保持する主体金具4とを有する。この主体金具4は例えば炭素鋼(JIS−G3507)により形成され、先端側4aの一端に接地電極5の一端5aが溶接等により固着されている。そして、この接地電極5の他端側は、中心電極先端側3aに向かって延び、略L字状に曲げ返され、中心電極3(先端側中心電極3a)と所定の火花放電ギャップgを形成している。
【0025】
本発明の主要部である絶縁体2には、自身の中心軸線O方向に沿って貫通孔6が形成されており、その一方の端部側に端子電極7が挿入・固定され、同じく他方の端部側に中心電極3が挿入・固定されている。また、この貫通孔6内において端子電極7と中心電極3との間に抵抗体8が配置されている。この抵抗体8の両端部は、導電性ガラス層9、10を介して中心電極3と端子電極7とにそれぞれ電気的に接続されている。なお、抵抗体8は、ガラス粉末と導電材料粉末(及び必要に応じてガラス粉末以外のセラミック粉末)とを混合して、ホットプレス等により焼結して得られる抵抗体組成物により形成される。また、この抵抗体8を省略して、一層の導電性ガラスシール層により中心電極3と端子電極7とを一体化した構成としてもよい。
【0026】
絶縁体2は、内部に自身の中心軸線O方向に沿って中心電極3を嵌め込むための貫通孔6を有し、全体が本発明の絶縁材料により構成されている。ここで、絶縁材料はアルミナ(Al)を主成分として構成されており、E.成分(即ち、カルシウム(Ca)成分、ストロンチウム(Sr)成分、バリウム(Ba)成分から選ばれる少なくとも1種)を含有しているアルミナ基焼結体から構成されている。
【0027】
さらに、絶縁体2を詳細にみると、図1に示すように、絶縁体2の軸方向中間には、周方向外向きに突出する突出部2eが例えばフランジ状に形成されている。そして、絶縁体2には、中心電極3の先端に向かう側を前方側として、その突出部2eよりも後方側がこれよりも細形に形成された本体部2bとされている。一方、突出部2eの前方側にはこれよりも細径の第一軸部2gと、その第一軸部2gよりもさらに細径の第二軸部2iがこの順序で形成されている。なお、本体部2bの外周面には釉薬2dが施され、当該外周面の後端部にはコルゲーション2cが形成されている。また、第一軸部2gの外周面は略円筒状とされ、第二軸部2iの外周面は先端に向かうほど縮径する略円錐状とされている。
【0028】
ついで、絶縁体2の貫通孔6は、中心電極3を挿通させる略円筒状の第一部分6aと、その第一部分6aの後方側(図中上方側)においてこれよりも大径に形成される略円筒状の第二部分6bとを有する。図1に示すように、端子電極7と抵抗体8は第二部分6b内に収容され、中心電極3は第一部分6a内に挿通される。中心電極3の後端部には、その外周面から外向きに突出して電極固定用凸部3bが形成されている。そして、この貫通孔6の第一部分6aと第二部分6bとは、第一軸部内において互いに接続しており、その接続位置には、中心電極3の電極固定用凸状部3bを受けるための凸部受け面6cがテーパ面あるいはR面状に形成されている。
【0029】
また、第一軸部2gと第二軸部2iとの接続部2hの外周面は段付部とされ、これが主体金具4の内面に形成された主体金具側係合部としての凸状部4cと環状の板パッキン11を介して係合することにより、絶縁体2の軸方向の抜止めがなされている。他方、主体金具4の後方側開口部内面と、絶縁体2の外面との間には、フランジ状の突出部2eの後方側周縁と係合する環状の線パッキン12が配置され、そのさらに後方側には粉末滑石13を介して環状の線パッキン14が配置されている。そして、絶縁体2を主体金具4に向けて前方側に押し込み、その状態で主体金具4の開口縁を線パッキン14に向けて内側にR状にカシメることにより、カシメ部4bが形成され、主体金具4が絶縁体2に対して固定されることになる。
【0030】
図2(a)及び図2(b)は、絶縁体2の幾つかの例を示すものである。その各部の寸法は、以下に例示する。
全長L1:30〜75mm。
・第一軸部2gの長さL2:0〜30mm(但し、突出部2eとの接続部2fを含まず、第二軸部2iとの接続部2hを含む)。
・第二軸部2iの長さL3:2〜27mm。
・本体部2bの外径D1:9〜13mm。
・突出部2eの外径D2:11〜16mm。
・第一軸部2gの外径D3:5〜11mm。
・第二軸部2iの基端側外径D4:3〜8mm。
・第二軸部2iの先端部外径D5(但し、先端面外周縁にRないし面取りが施される場合は、中心軸線Oを含む断面において、そのR部ないし面取り部の基端位置における外径を指す):2.5〜7mm。
・貫通孔6の第二部分6bの内径D6:2〜5mm。
・貫通孔6の第一部分6aの内径D7:1〜3.5mm。
・第一軸部2gの肉厚t1:0.5〜4.5mm。
・第二軸部2iの基端部肉厚t2(中心軸線Oと直交する向きにおける値):0.3〜3.5mm。
・第二軸部2iの先端部肉厚t3(中心軸線Oと直交する向きにおける値;但し、先端面外周縁にRないし面取りが施される場合は、中心軸線Oを含む断面において、該R部ないし面取り部の基端位置における肉厚を指す):0.2〜3mm。
・第二軸部2iの平均肉厚tA((t2+t3)/2):0.25〜3.25mm。
【0031】
なお、図2(a)に示す絶縁体2における前記各部の寸法は、例えば以下の通りである:L1=約60mm、L2=約10mm、L3=約14mm、D1=約11mm、D2=約13mm、D3=約7.3mm、D4=5.3mm、D5=約4.3mm、D6=3.9mm、D7=2.6mm、t1=1.7mm、t2=1.3mm、t3=0.9mm、tA=1.1mm。
【0032】
また、図2(b)に示す絶縁体2は、第一軸部2g及び第二軸部2iがそれぞれ、図2(a)に示すものと比較してやや大きい外径を有している。各部の寸法としては、例えば以下の通りである:L1=約60mm、L2=約10mm、L3=約14mm、D1=約11mm、D2=約13mm、D3=約9.2mm、D4=6.9mm、D5=約5.1mm、D6=3.9mm、D7=2.7mm、t1=3.3mm、t2=2.1mm、t3=1.2mm、tA=1.65mm。
【0033】
ついで、この絶縁体2は、例えば下記のような方法で製造される。まず、原料粉末として、アルミナ(Al)粉末と、ケイ素(Si)成分、場合によってはマグネシウム(Mg)成分、E.成分の各無機系粉末とを添加した上で配合し、親水性結合剤(例えば、ポリビニルアルコール)と溶媒としての水とを添加・混合して成形用素地スラリーを調製する。
【0034】
原料粉末の主成分であるアルミナ粉末は、その平均粒径が2.0μm以下のものを使用するのがよい。平均粒径が2.0μmを超えると、焼結体自体の緻密化を十分に進行させることが困難となりがちで、絶縁体の耐電圧特性の低下につながってしまうことがある。なお、原料粉末を構成するアルミナ粉末は、焼成後のアルミナ基焼結体中に、Al成分の酸化物換算にて、80.0〜99.7重量%の範囲内となるように、より好ましくは91.0〜99.0重量%の範囲内となるように適宜調製することが、良好な耐電圧特性を得る上で好ましい。
【0035】
E.成分、Si成分、Mg成分の各成分については、それら成分の酸化物(複合酸化物でもよい)の他、水酸化物、炭酸塩、塩化物、硫酸塩、硝酸塩等、リン酸塩等の各種無機系粉末を使用することができる。例えば、E.成分であるCa成分またはBa成分は、CaCO粉末またはBaCO粉末、Si成分はSiO粉末、Mg成分はMgO粉末の形態で配合できる。但し、これら無機系粉末は、いずれも大気中高温の焼成により酸化されて酸化物に転化できるものを使用する必要がある。
【0036】
添加される無機系粉末のうち、E.成分のものについては、その平均粒径が1.0μm以下のものを使用するのがよい。平均粒径が1.0μmを超えると、Al成分との反応が十分に進行せず、E.成分を酸化物換算した含有量に対するAl成分を酸化物換算した含有量のモル比が4.5〜6.7の範囲内となる化合物を含む粒子が良好に生成されないことが考えられる。なお、E.成分は、焼成後のアルミナ基焼結体中に、E.成分の酸化物換算にて、0.2〜10.0重量%の範囲内となるように適宜調製することが、良好な耐電圧特性を得る上で好ましい。
【0037】
また、添加される無機系粉末のうち、Si成分については、このSi成分及び前記E.成分を酸化物換算した含有量のモル比が、0.08≦SiO/(SiO+E.O)≦0.62の関係式を満たすように適宜調整され、添加される必要がある。Si成分の酸化物換算した含有量は、上述したE.成分の酸化物換算した含有量に対応して算出することができ、Al成分及びE.成分を酸化物換算した含有量の合計を考慮した上で適宜調整して、添加することができる。また、Mg成分については、アルミナ基焼結体中に、酸化物換算した含有量にて5重量%以下、より好ましくは3重量%以下となるように適宜調整することが、良好な耐電圧特性を得る上で好ましい。なお、Si成分及びMg成分の各無機系粉末の好適な平均粒径としては1μm以下とするとよい。
【0038】
成形用素地スラリーを調整する際の溶媒としての水には特に制限がなく、従来の絶縁体を製造する場合と同様の水を使用することができる。また、バインダーには、例えば親水性有機化合物を使用することができ、例えばポリビニルアルコール(PVA)、水溶性アクリル樹脂、アラビアゴム、デキストリン等を挙げることができる。これの中でもPVAが最も好ましい。また、成形用素地スラリーを調整する方法には、特に制限がなく、原料粉末、バインダー及び水を混合して成形用素地スラリーを形成することができればどのような混合方法であってもよい。バインダー及び水の配合量は、原料粉末を100重量部とした場合に、バインダーは0.1〜5重量部、特に0.5〜3重量部の割合で、水は40〜120重量部、特に50〜100重量部の割合で配合される。
【0039】
成形用素地スラリーは、スプレードライ法等により噴霧乾燥されて球状の成形用素地造粒物に調製される。この造粒物の平均粒径としては、30〜200μmがよく、特に好ましくは50〜150μmである。そして、得られた成形用素地造粒物をラバープレス成形することにより、絶縁体の原形となるプレス成形体を作る。得られたプレス成形体は、その外側をレジノイド砥石等にて切削加工されて、図2に対応した外形形状に仕上げられ、ついで大気雰囲気下において焼成温度1500℃〜1700℃の範囲内で、かつ1〜8時間の焼成時間の焼成時間により成形体を焼成し、その後、釉薬をかけて仕上焼成されて、絶縁体2が完成される。なお、成形体を前記焼成温度範囲内にて成形体を保持するにあたり、前記温度範囲内の任意の温度を一定に維持させながら所定時間保持させてもよいし、前記温度範囲内において所定の加熱パターンに従って温度を変動させつつ所定時間保持させてもよい。
【0040】
以下、スパークプラグ100の作用について説明する。即ち、スパークプラグ100は、主体金具4に形成されたネジ部4dによりエンジンブロックに取り付けられ、燃焼室内に導入される混合気への着火源として使用される。ここで、スパークプラグ100に使用されている絶縁体2は本発明の絶縁体で構成されていることで、700℃程度の高温下での耐電圧特性が向上し、燃焼室内が高温となる高出力エンジンに使用された場合でも、絶縁破壊(火花貫通)を起こしにくく、高い信頼性を確保することができる。
【0041】
例えば、図2(a)及び(b)に示すように、絶縁体2において、係合用突出部2eよりも前方側に、これよりも小径で径方向の厚さが薄肉である軸部(この場合、第一軸部2gと第二軸部2iとを合わせた部分)が形成される場合、その軸部、例えば第二軸部2iにおいて絶縁破壊(火花貫通)が生じ易くなる。従って、このような絶縁体2においては、本発明の絶縁体が特に有用となる。例えば、図4(a)の絶縁体では、第二軸部2iの平均肉厚tAが1.1mmとされているが、中心電極3の周囲にこのような肉厚の薄い部分が形成されていても、本発明の絶縁体を適用することにより、絶縁破壊(火花貫通)等のトラブルの発生を効果的に防止ないし抑制することができる。
【0042】
本発明の絶縁体が適用可能なスパークプラグは図1に示すタイプのものに限らず、例えば、複数の接地電極の先端を中心電極の側面と対向させてそれらの間に火花放電ギャップを形成したものであってもよい。この場合には、絶縁体の先端部を中心電極の側面と接地電極の先端面との間に進入させたセミ沿面タイプのスパークプラグとして構成してもよい。この構成では、絶縁体の先端部の表面を沿う形態の火花放電がなされるので、気中放電タイプのスパークプラグと比べて燻り等に対する耐汚損性が向上する。
【0043】
【実施例】
本発明の効果を確認するために、以下の実験を行った。
まず、表1に示すように、平均粒径が0.4μm(純度99.8%以上)のアルミナ粉末に対して、E.成分として、平均粒径0.8μm(純度99.9%)のCaCO粉末、平均粒径1.0μm(純度99.9%)のBaCO粉末、平均粒径0.8μm(純度99.9%)のSrCO粉末から選ばれる少なくとも1種以上の粉末を、そして場合によっては平均粒径0.6μmのSiO粉末(純度99.9%)又は/及び平均粒径0.3μmのMgO粉末(純度99.9%)を、表1に示すような量比となるように秤量した上で添加して、原料粉末を調製した。
【0044】
そして、これらの原料粉末総量を100重量部として、親水性結合剤としてPVA2重量部と、溶媒としての水70重量部を配合し、アルミナ製ボールを用いたボールミルにて湿式混合することにより、成形用素地スラリーを調製する。ついで、この成形用素地スラリーをスプレードライ法等により噴霧乾燥して球状の成形用素地造粒物を調製し、篩により粒径10〜355μmに整粒する。そして得られた成形用素地造粒物をラバープレス型内に投入し、貫通孔6形成用ラバープレスピンを挿入しつつ約100MPaの圧力にてラバープレス成形を行い、得られたプレス成形体の外側をレジノイド砥石にて切削加工して、所定の絶縁体形状の成形体に成形する。その後、大気雰囲気下において表1に示す焼成温度(最高焼成保持温度)にて2時間保持させて各成形体を焼成し、ついで釉薬をかけて仕上焼成し、図2(a)に示すような絶縁体2をそれぞれ製造した。
【0045】
そして、得られた各絶縁体について以下に示す評価を行った。まず、相対密度の測定については、アルキメデス法により各絶縁体の密度(相対密度)の測定を行い、混合則による理論密度に対する比を求めた。その結果を表2に示す。
【0046】
また、各絶縁体について化学分析による酸化物換算の組成分析を行った。また、組成分析の結果より、絶縁体(アルミナ基焼結体)中におけるケイ素成分及びE.成分を酸化物換算した含有量のモル比(SiO/(SiO+E.O))の値を算出した。これらの結果を表2に示す。
【0047】
ついで、SEMにより観察したアルミナ粒子の粒界に存在する粒子に対してEDS分析を行い、アルミナ基焼結体(絶縁体)中にAl成分とE.成分とを少なくとも含む粒子の有無の確認を行う。その結果を表3に示す。なお、SEM観察は、絶縁体(アルミナ基焼結体)の切断面をとり、その切断面を鏡面研磨して日本電子株式会社製JSM−840を用いて行った。
【0048】
そして、EDS分析後に上記粒子の存在が確認された際には、絶縁体(アルミナ基焼結体)の粉末X線回折を行い、Al成分の酸化物換算した含有量に対するE.成分の酸化物換算した含有量のモル比(Al/E.O)が4.5〜6.7の範囲内となる化合物が含まれているか否かを確認する。上記モル比(Al/E.O)が4.5〜6.7の範囲内となる化合物の有無についての結果を表3に示す。なお、粉末X線回折の結果、E.Al1219相の回折ピークが確認できれば、上記モル比(Al/E.O)で6.0の化合物(即ち、E.Al1219=6(Al)・(E.O))が粒子に含まれていると判断するものとする。また、粒子が十分な大きさを有する場合にあっては、その粒子に対してEPMA分析を行い、各含有成分を定量することにより酸化物換算して上記モル比(Al/E.O)を算出することも可能である。なお、本実施例における粉末X線回折は、絶縁体(アルミナ基焼結体)をアルミナ乳鉢にて300メッシュのふるいを通過する粒度まで粉砕した後、リガク社製X線発生装置RU−200T及びモノクロメータ付き広角ゴニオメータを用いて測定した(測定条件:管電流100mA、管電圧40kV、ステップ0.01°、スキャンスピード2°/分)。
【0049】
ついで、700℃における耐電圧値の測定を行った。本測定にあたっては、上述した同様の成形用素地造粒物を用いて、耐電圧値測定用のテストピースをそれぞれ作成した上で行った。詳細には、金型プレス成形(加圧力100MPa)により成形用素地造粒物を成形し、これを前記絶縁体と同じ条件にて焼成すると共に、Φ25mm×t(厚さ):0.65mmの円板状試験片を得た。そして、この各試験片20を、図3に示すように、電極21a、21b間に挟み込み、さらにアルミナ製碍筒22a、22b及び封着ガラス23により固定して、電熱ヒータ24にて加熱用ボックス25内を700℃に加熱した状態で、初期の絶縁抵抗値と、数十kV程度の高電圧を高電圧発生装置(CDI電源)26にて印加したときの絶縁破壊が発生したときの耐電圧値を測定した。その結果を表3に示す。
【0050】
さらに、各絶縁体を用いて、図1に示すスパークプラグ100を形成し、実機耐電圧テストについても評価を行った。ここで、本実施例におけるスパークプラグ100の主体金具4のねじ径は12mmとした。そして、そのスパークプラグ100を4気筒エンジン(排気量2000cc)に装着し、スロットル全開状態、エンジン回転数6000rpmにて、最高放電電圧を35kV及び38kVに設定しつつ、絶縁体の先端(図中下方)温度を700〜730℃の範囲内に設定して連続運転を行い、50時間経過後に絶縁体2に絶縁破壊(火花貫通)が生じたか否かを評価した。なお、50時間経過後に絶縁体に異常がみられなかったものについては○印、逆に50時間未満にて絶縁体に絶縁破壊が発生していたものについては×印で表3に示した。
【0051】
【表1】
Figure 0004530380
【0052】
【表2】
Figure 0004530380
【0053】
【表3】
Figure 0004530380
【0054】
表2及び表3の結果より、絶縁体を構成するアルミナ基焼結体に、E.成分とAl成分とを少なくとも含む粒子であって、E.成分を酸化物換算した含有量に対するAl成分を酸化物換算した含有量のモル比(Al/E.O)が4.5〜6.7の範囲内となる化合物を含む粒子が存在し、かつ、相対密度が90%以上である試料番号1〜10のものにあっては、700℃の耐電圧値がいずれも50kV/mm以上と良好な値を示していることがわかる。また、試料番号1〜10の絶縁体を用いて形成されたスパークプラグについては、実機耐電圧テストにおける最大放電電圧が35kV及び38kVの両条件にて、絶縁体の絶縁破壊がみられずに、スパークプラグとして優れた特性を有していることがわかる。
【0055】
なお、一部調合時には添加されていない成分が組成成分時に検出されているものもあるが、これは各原料に不純物として含まれていた成分が検出されたものと推察される。
【0056】
一方、絶縁体を構成するアルミナ基焼結体に、E.成分とAl成分とを少なくとも含む粒子が存在しない(換言すれば、E.成分を酸化物換算した含有量に対するAl成分を酸化物換算した含有量のモル比(Al/E.O)が4.5〜6.7の範囲内となる化合物を含む粒子が存在しない)比較例である試料番号11及び12については、700℃の耐電圧値が50kV/mmを下回っていることがわかる。なお、試料番号12における700℃の耐電圧値は、46kV/mmと低い値を示しており、E.成分であるBa成分が絶縁体(アルミナ基焼結体)に含有されていたとしても、Si成分及びE.成分を酸化物換算した含有量のモル比(SiO/(SiO+E.O))が0.62を超えるために、上記モル比(Al/E.O)が4.5〜6.7の範囲内となる化合物を含む粒子が効果的に生成しておらず、700℃近傍といった耐電圧特性が十分に得られていないことがわかる。
【0057】
また、絶縁体(アルミナ基焼結体)に、上記モル比(Al/E.O)が4.5〜6.7の範囲内となる化合物を含む粒子が存在しているものの、相対密度が90%を下回る試料番号13については、700℃の耐電圧値が25kV/mmと本実施例において最も劣る結果となった。これにより、絶縁体に上記モル比(Al/E.O)が4.5〜6.7の範囲内となる化合物を含む粒子が存在している場合でも、相対密度が90%以上でなければ、700℃近傍といった高温下における耐電圧特性の向上の効果が得られないことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパークプラグの一例を示す全体正面断面図である。
【図2】スパークプラグ用絶縁体の幾つかの実施形態を示す縦断面図である。
【図3】700℃における実施例の各試験片の耐電圧値を測定するために用いた装置を示す模式図である。
【符号の説明】
100 スパークプラグ
2 スパークプラグ用絶縁体(絶縁体)
3 中心電極
4 主体金具
5 接地電極

Claims (3)

  1. Al(アルミナ)を主成分とし、Ca(カルシウム)成分、Sr(ストロンチウム)成分、Ba(バリウム)成分から選ばれる少なくとも1種以上の成分(以下、E.成分と表す)を含有するアルミナ基焼結体からなり、そのアルミナ基焼結体の少なくとも一部には、前記E.成分とAl(アルミニウム)成分とを少なくとも含む粒子であって、E.成分を酸化物換算した含有量に対するAl成分を酸化物換算した含有量のモル比が4.5〜6.7の範囲内となる化合物を含む粒子が存在しており、さらに、相対密度が90%以上であるアルミナ基焼結体からなり、前記アルミナ基焼結体は、Si(ケイ素)成分を含有すると共に、該Si成分及び前記E.成分を酸化物換算した含有量のモル比が、
    0.08≦SiO /(SiO +E.O)≦0.62
    の関係式を満たすことを特徴とするスパークプラグ用絶縁体。
  2. 前記粒子に含まれる化合物が、E.Al1219相である請求項1に記載のスパークプラグ用絶縁体。
  3. 軸状の中心電極と、
    前記中心電極の径方向周囲に配置される主体金具と、
    前記主体金具の一端に固着されて前記中心電極と対向するように配置された接地電極と、
    前記中心電極と前記主体金具との間において該中心電極の径方向周囲を覆うように配置されると共に、請求項1または2に記載のスパークプラグ用絶縁体と、を備えたことを特徴とするスパークプラグ。
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