JP4523980B2 - キャスク用緩衝体 - Google Patents

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Description

本発明は、キャスクに取り付ける緩衝体に関するものである。
核燃料サイクルの終期にあって燃焼を終えた核燃料集合体を、リサイクル燃料という。リサイクル燃料は、FP等の高放射能物質を含み、また熱的に冷却する必要があるので、原子力発電所の冷却ピットで所定期間冷却される。その後、遮蔽容器であるキャスクに収納され、トラックや船舶等で再処理施設や中間貯蔵施設に搬送、貯蔵される。
キャスクが再処理施設や中間処理施設に搬送される場合、キャスク内には高放射能物質を含むリサイクル燃料が格納されている。このため、必要のない限りキャスクの遮蔽及び密封は維持されなければならない。このため、キャスクの搬送中においては、キャスク本体の両端部をキャスク用緩衝体によって覆うことにより保護されており、万一キャスクが落下等した場合であっても、キャスクの遮蔽及び密封が破られることがないようにしてある。このようなキャスク用緩衝体には、例えば特許文献1に、内部に木材を充填したキャスク用緩衝体が開示されている。
特開2003−315493号公報
ところで、特許文献1に開示されているキャスク用緩衝体は、衝撃エネルギを吸収する衝撃吸収体に木材を用い、木材が圧潰することにより衝撃エネルギを吸収するものが多い。木材は天然材料であるとともに、繊維の集合体であるため、圧潰挙動の再現性が乏しく、安定した衝撃吸収性能を発揮させることが困難であった。この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、安定して衝撃吸収性能を発揮させることのできるキャスク用緩衝体を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るキャスク用緩衝体は、リサイクル燃料を格納するキャスクに取り付けられ、変形することにより前記キャスクに対する衝撃を吸収するとともに、衝撃吸収特性を調整するための空間が設けられている衝撃吸収体を備えることを特徴とする。
このキャスク用緩衝体では、緩衝体を構成する衝撃吸収体に衝撃吸収特性を調整するための空間を設けて、衝撃吸収体の衝撃吸収特性を調整する。これにより、衝撃吸収特性を揃えて、安定した衝撃吸収性能を発揮させることができる。ここで、衝撃吸収特性とは、衝撃吸収体の圧縮量に対する衝撃エネルギ吸収特性である。
次の本発明に係るキャスク用緩衝体のように、前記空間は、前記衝撃吸収体に穿設される穴としてもよい。これにより、この穴を基点として衝撃吸収体のせん断、亀裂、圧潰を発生させ、衝撃吸収体による衝撃エネルギの吸収を促進させることができる。さらに、前記空間によって衝撃吸収体全体の剛性を低下させることができるので、衝撃吸収体のロックアップ、すなわち衝撃吸収体の反力が急激に上昇することを遅らせることができる。
また、次の本発明に係るキャスク用緩衝体のように前記穴の断面形状は、角部を有することを特徴としてもよい。ここで、穴の断面形状は、この穴の穿設方向に直交する断面内の形状をいう。
次の本発明に係るキャスク用緩衝体は、前記キャスク用緩衝体において、前記衝撃吸収体に入力される衝撃の方向に向かって、前記穴の面積が変化することを特徴とする。
これにより、衝撃吸収体に衝撃が入力した直後は、衝撃吸収体を迅速に圧潰させて衝撃エネルギを十分に吸収し、圧潰が進行するにしたがって、衝撃吸収体を潰れ難くすることで、キャスクの運動を効果的に停止させることができる。
また、次の本発明に係るキャスク用緩衝体のように、前記空間はくさび状の切り欠きであり、少なくとも前記衝撃吸収体の前記衝撃が入力される側に前記切り欠きが設けられるようにしてもよい。
次の本発明に係るキャスク用緩衝体のように、前記空間は、前記衝撃吸収ブロックに形成される切り込みとしてもよい。
次の本発明に係るキャスク用緩衝体は、前記キャスク用緩衝体において、前記衝撃吸収体は、木材の衝撃吸収ブロックを複数組み合わせて構成されることを特徴とする。
このキャスク用緩衝体は、緩衝体を構成する衝撃吸収体を、複数の木材の衝撃吸収ブロックを組み合わせて構成するとともに、この衝撃吸収ブロックに空間を設けて、衝撃吸収体の衝撃吸収特性を調整する。これにより、特に木材のように、衝突の瞬間に過大な初期応力が発生したり、圧潰挙動そのものが再現性に乏しい材料で衝撃吸収体を構成したりする場合であっても、衝撃吸収特性を揃えて、安定した衝撃吸収性能を発揮させることができる。
次の本発明に係るキャスク用緩衝体は、前記キャスク用緩衝体において、前記衝撃吸収体は、木材の衝撃吸収ブロックを環状に複数組み合わせて環状の衝撃吸収体を形成するとともに、前記環状の衝撃吸収体の外周部へ形成した周方向へ向かう溝へブロック拘束手段を巻きつけることで前記衝撃吸収ブロックを一体化させて構成されることを特徴とする。
キャスク用緩衝体を構成する衝撃吸収ブロックをこのように拘束すれば、ブロック拘束手段の張力によって強固に各衝撃吸収ブロックを固定することができる。また、溝を基点として衝撃吸収ブロックのせん断、亀裂、圧潰を発生させ、衝撃吸収ブロックによる衝撃エネルギの吸収を促進させることができる。
次の本発明に係るキャスク用緩衝体は、前記キャスク用緩衝体において、前記衝撃吸収体は、木材の衝撃吸収ブロックを環状に複数組み合わせて構成される環状の衝撃吸収体であり、前記衝撃吸収ブロックは、径方向外側の面積が径方向内側の面積よりも小さい衝撃吸収ブロックAと、径方向外側の面積が径方向内側の面積よりも大きい衝撃吸収ブロックBとで構成され、さらに前記衝撃吸収ブロックAの圧縮強度は、前記衝撃吸収ブロックBの圧縮強度よりも高いことを特徴とする。
このように、圧縮強度の高い材料(例えばオーク)で構成される衝撃吸収ブロックAを、径方向外側の面積が径方向内側の面積よりも小さくすることにより、衝撃荷重が加わった場合には、衝撃吸収ブロックA内の反力は緩やかに増加する。衝撃吸収ブロックBにより、衝撃吸収体の周方向に向かう衝撃吸収ブロックAの動きを抑制できる。その結果、衝撃初期に生じやすいピーク荷重を小さく抑えて、所定の潰れ代で衝撃荷重を吸収することができる。
次の本発明に係るキャスク用緩衝体は、前記キャスク用緩衝体において、前記衝撃吸収ブロックを構成する木材の繊維を分断又は貫通するように前記空間が設けられることを特徴とする。
このように、木材の圧潰特性に影響の大きい繊維の形成方向を分断あるいは貫通するように空間を設けるので、衝撃吸収特性を揃えて、安定した衝撃吸収性能を発揮させることができる。
次の本発明に係るキャスク用緩衝体は、前記キャスク用緩衝体において、前記衝撃吸収ブロックを構成する木材の繊維と略平行に前記空間が設けられることを特徴とする。
このように、木材の繊維の方向に対して平行に空間を設けるので、圧縮荷重に対して、衝撃吸収ブロックの圧潰を起こさせやすくすることがきる。これによって、衝撃荷重が圧縮荷重として作用する場合、衝撃荷重をより吸収しやすくすることができる。
次の本発明に係るキャスク用緩衝体のように、前記空間は、前記衝撃吸収体に穿設される穴としてもよい。これにより、この穴を基点として衝撃吸収体のせん断、亀裂、圧潰を発生させ、衝撃吸収体による衝撃エネルギの吸収を促進させることができる。
次の本発明に係るキャスク用緩衝体は、前記キャスク用緩衝体において、前記穴の断面形状は、角部を有することを特徴とする。
このキャスク用緩衝体は、穴の有する角部を基点として木材で構成される衝撃吸収体のせん断、亀裂、圧潰を発生させ、衝撃吸収体による衝撃エネルギの吸収を促進させることができる。
次の本発明に係るキャスク用緩衝体は、前記キャスク用緩衝体において、前記角部は、前記衝撃吸収体に対する衝撃の入力側に形成されることを特徴とする。
このように、角部が衝撃吸収体に対する衝撃の入力側に形成されるので、この角部を基点として木材で構成される衝撃吸収体のせん断、亀裂、圧潰を効果的に発生させ、衝撃吸収体による衝撃エネルギの吸収を促進させることができる。
次の本発明に係るキャスク用緩衝体は、前記キャスク用緩衝体において、前記空間はくさび状の切り欠きであり、少なくとも前記衝撃吸収体の前記衝撃が入力される側に前記切り欠きが設けられるとともに、前記切り欠きの頂部が前記衝撃吸収体に対する衝撃の入力方向に向くように形成されることを特徴とする。
このように、切り欠きの頂部が衝撃吸収体に対する衝撃の入力方向に向くように形成されるので、この切り欠きの頂部を基点として木材で構成される衝撃吸収体のせん断、亀裂、圧潰を効果的に発生させ、衝撃吸収体による衝撃エネルギの吸収を促進させることができる。
次の本発明に係るキャスク用緩衝体は、前記キャスク用緩衝体において、前記空間は、前記衝撃吸収体に対する衝撃の入力方向に向かって設けられる切り込みであることを特徴とする。
この切り込みによって、衝撃吸収体のみかけの断面積を低減して、衝撃の作用時における初期ピーク荷重を低減できる。
次の本発明に係るキャスク用緩衝体は、前記キャスク用緩衝体において、前記空間は、前記木材の繊維方向に直交して設けられる切り込みであることを特徴とする。
この切り込みによって、衝撃吸収体全体の剛性を低下させることができるので、衝撃吸収体のロックアップ、すなわち衝撃吸収体内部の反力が急激に上昇することを遅らせることができる。
次の本発明に係るキャスク用緩衝体は、前記キャスク用緩衝体において、前記衝撃吸収体は、木材の繊維の方向が衝撃の入力方向と平行になるように衝撃吸収ブロックが組み合わされて、前記キャスクの端面と平行方向の衝撃を吸収するとともに、第1の材料で構成される第1の衝撃吸収体群と、前記第1の材料よりも圧縮強度が低く、前記キャスクの端面に直交する方向、又は斜め方向の衝撃を吸収する第2の材料で構成される第2の衝撃吸収体群と、前記第2の材料よりも圧縮強度が低く、前記キャスクの端面に直交する方向の衝撃を吸収する第3の材料で構成される第3の衝撃吸収体群と、で構成されるとともに、少なくとも前記第1の衝撃吸収体群には前記空間を設けることを特徴とする。
このキャスク用緩衝体は、最も圧縮強度が高い第1の材料(木材)で構成される第1の衝撃吸収体群に穴、切り欠きその他の空間を設ける。これにより、第1の衝撃吸収体群の衝撃吸収特性を調整して、安定して衝撃吸収性能を発揮させることができる。
この発明に係るキャスク用緩衝体では、安定して衝撃吸収性能を発揮させることができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。なお、本発明は、キャスク用緩衝体の衝撃吸収体に木材を用いる場合に特に好適であるが、本発明の適用対象はこれに限られるものではない。例えば、キャスク用緩衝体の衝撃吸収体に金属材料やFRP(Fiber Reinforced Plastics)等を用いる場合にも本発明は適用できる。あるいは、第2の衝撃吸収体群を構成する木材の繊維の方向が、キャスクの斜め落下方向と平行又は直交する場合にも本発明は適用できる。
図1は、実施例1に係るキャスクの構成を示す説明図である。キャスク1は、内部にリサイクル燃料を格納して、これを輸送したり貯蔵したりするために用いられる。キャスク1の胴本体1b内には、キャビティ(1c)と呼ばれる空間が形成されており、このキャビティ1cにバスケット2が格納される。バスケット2は、例えば、断面内外形状が正方形の角パイプを束ねて構成され、複数の格子状のセルを備える。そして、リサイクル燃料集合体5は、バスケット2が備える前記格子状のセルに格納される。
胴本体1bは、γ線遮蔽機能を有する炭素鋼製の鍛造品である。なお、炭素鋼の代わりにステンレス鋼を用いることもできる。リサイクル燃料集合体5を収納したバスケット2をキャビティ1c内に格納したら、一次蓋3及び二次蓋4を胴本体1bの開口部に取り付けて、キャビティ1cを密封する。このとき、密封性能を確保するため、胴本体1bと一次蓋3との間、及び胴本体1bと二次蓋4との間には、ガスケットを設けておく。なお、キャスクの種類によっては、さらに三次蓋を有する場合がある。
図2−1、図2−2は、輸送時におけるキャスクの形態を示す斜視図である。図3は、キャスクを列車で輸送する場合の一例を示す説明図である。図2−1、図2−2に示すように、キャスク1を輸送する際には、キャスク1の両端部にキャスク用緩衝体(以下緩衝体という)6を取り付け、輸送中における万一の落下や衝突等に備える。キャスク1を列車で輸送する際には、緩衝体6を両端部に取り付けたキャスク1を輸送架台9に載せて専用貨車50に搭載する。そして、キャスク1に設けられるトラニオン8を輸送架台9に固定し、輸送する。緩衝体6は、図2−1に示す正方形の角部を円弧で形成したものの他、図2−2に示す緩衝体6'のように円形のものも用いられる。さらには、キャスク1の仕様に応じて様々な形状の緩衝体を用いることができる。
図4−1は、キャスクの中心軸の定義を示す説明図である。実施例1において、キャスク1の中心軸Zは、キャスク1の長手方向(すなわち、キャスク1内に格納された状態におけるリサイクル燃料の長手方向)に平行な軸であり、キャスク1の端面1tpに直交する軸である。そして、中心軸Zは、キャスクの長手方向に垂直な断面内の中心を通る。次に、キャスク1の落下あるいは衝突の形態について説明する。図4−2〜図4−4は、キャスクの落下あるいは衝突の形態を示す説明図である。
キャスク1の落下あるいは衝突の形態には、主として3個の形態がある。図4−2に示す落下あるいは衝突の形態は、水平落下あるいは水平衝突である。これは、キャスク1の中心軸が、地面Lあるいは衝突面に対して略平行となって落下、あるいは衝突する形態である。図4−3に示す落下あるいは衝突の形態は、垂直落下あるいは垂直衝突であり、キャスク1の中心軸が、地面Lあるいは衝突面に対して略直交して落下、あるいは衝突する形態である。図4−4に示す落下あるいは衝突の形態は、斜め落下あるいは斜め衝突であり、キャスク1の中心軸が、地面Lあるいは衝突面に対して傾いて落下、あるいは衝突する形態である。このときの傾き角はθであり、傾き角θが略90度の時には垂直落下あるいは垂直衝突となり、傾き角θが略0度の時には水平落下あるいは水平衝突となる。
図5−1は、実施例1に係る緩衝体の全体正面図である。図5−2は、実施例1に係る緩衝体の全体側面図である。図5−1、図5−2に示すように、実施例1に係る緩衝体6は、ステンレスや炭素鋼等の板で作られた外板6w内に、後述する衝撃吸収体を格納して構成される。実施例1に係る緩衝体6は、正面、すなわち緩衝体6の中心軸(以下緩衝体中心軸)Z1と平行な方向から見た場合、4個の円弧と4本の直線とで構成された円板状の形状となっている。すなわち、正方形の4個の角を円弧とした形状である。これにより、対向する辺同士の距離を対向する円弧同士の距離よりも小さくして、緩衝体6の外形寸法を小さくできる。ここで、緩衝体中心軸Z1はキャスク1の中心軸Zと等しく、図5−2に示すキャスクの端面1tp(ここでは二次蓋端面4tp)と直交する。なお、本発明は、図5−1に示す緩衝体6に限られず、緩衝体中心軸Z1と平行な方向から見た場合の形状が円形のものの他、キャスク1の仕様に応じた様々な形状の緩衝体に適用できる。また、緩衝体中心軸Z1と平行な方向から見た場合における緩衝体6の形状は上記形状には限られない。例えば、緩衝体中心軸Z1と平行な方向から見た場合における緩衝体6の形状が円形である他、一部直線部分を有する(すなわち平坦な面を有する)形状等、キャスク1の仕様に応じた様々な形状とすることができる。
図5―1に示すように、実施例1に係る緩衝体6には、緩衝体中心軸Z1と平行な取り付け穴7が、緩衝体中心軸Z1を中心とした円周上に複数設けられている。図5−1、図5−2に示すように、実施例1に係る緩衝体6には開口部6oが設けられており、この開口部6oをキャスクの端部1t(ここでは二次蓋4)に覆い被せる。そして、前記取り付け穴7へ締結手段(例えばボルト)を挿入してキャスクの端部1tにねじ込むことにより、緩衝体6をキャスクの端部1tに取り付ける。なお、実施例1では緩衝体6を二次蓋4に締結するが、キャスク1の胴本体1bに緩衝体6を締結あるいは固定してもよい。また、緩衝体6は、締結手段によって直接キャスクの端部1tに取り付ける他、例えば取り付け板のような取り付け部材を介在させて、キャスク1へ取り付けてもよい。また、キャスク1の端部1tの外側と緩衝体6の開口部6oの内側との間にシムを介して、両者の隙間をできるだけ小さくして緩衝体6を取り付けてもよい。次に、実施例1に係る緩衝体の内部構造について説明する。
図6は、実施例1に係る緩衝体の内部構造を示す説明図である。図7は、図6のX−X断面図である。図8は、図7のA−A断面図である。図9は、図7のB−B断面図である。図10は、図7のC−C矢視図である。実施例1に係る緩衝体6は、衝撃吸収材として木材を使用する。また、図6〜図10中の矢印は、衝撃吸収材を構成する木材の繊維の方向を示している。
図7、図8から分かるように、実施例1に係る緩衝体6は、外板(図5−1、図5−2)の内部に、キャスクが落下や衝突したときの衝撃を吸収する衝撃吸収体が配置されている。上述した通り、実施例1に係る緩衝体6では、木材で衝撃吸収体を構成するとともに、衝撃吸収体の種類や繊維の方向を変更して配置することにより、キャスク1の緩衝体として要求される機能を発揮できるようにしてある。
図7に示すように、緩衝体6は、第1衝撃吸収体B1と、第2衝撃吸収体B2と、第3衝撃吸収体B3と、第4衝撃吸収体B4と、第5衝撃吸収体B5と、第6衝撃吸収体B6と、第7衝撃吸収体B7と、第8衝撃吸収体B8とを組み合わせて構成される。ここで、実施例1においては、第1衝撃吸収体B1が「第1衝撃吸収体群」に相当し、第2〜第4衝撃吸収体B2〜B4が「第2衝撃吸収体群」に相当し、第5〜第8衝撃吸収体B5〜B8が「第3衝撃吸収体群」に相当する。これらの衝撃吸収体は、複数の衝撃吸収ブロックを組み合わせることにより構成される。また、緩衝体6は、取り付け穴7に締結手段であるボルト50を挿入し、キャスク1に設けられるボルト穴に前記ボルト50をねじ込むことで、緩衝体6をキャスク1の両端部、又はキャスク1の端板1p(図1参照)に取り付ける。キャスク1に設けられるボルト穴は、例えば、キャスク1の胴本体1b(図1参照)や、キャスク1の端面1tp(図7では二次蓋端面4tp)に設けられる。
図11−1は、取り付け穴の拡大断面図である。図11−2は、取り付け穴の他の構成を示す拡大断面図である。両図ともに、図7の領域Dを示している。実施例1に係る緩衝体6の取り付け穴7は、緩衝体中心軸Z1方向に伸縮できるように、蛇腹7sで構成される。この蛇腹7sにより、キャスク1が垂直落下あるいは垂直衝突したときに、取り付け穴7は緩衝体中心軸Z1方向へほとんど抵抗なく変形する。そして、キャスク1の垂直落下時あるいは垂直衝突時において緩衝体6が変形を開始するときに、取り付け穴7の変形による衝撃荷重が急激に増加することを抑制できる。その結果、キャスク1の垂直落下時あるいは垂直衝突時において、一次蓋3及び二次蓋4と胴本体1b(図1参照)との間に介在する一次蓋3及び二次蓋4を固定するボルトに過大な力が作用することを抑制し、ガスケットによる密封を維持できる。なお取り付け穴7は、図11−2に示すように、径の異なる2個の円筒部材7s1、7s2を、それぞれの端部が嵌り合うようにして構成し、緩衝体中心軸Z1方向の荷重により取り付け穴7の全長が短くなるようにしてもよい。
第1衝撃吸収体B1は、キャスク1が水平落下あるいは衝突したときの衝撃を吸収する。キャスク1が水平落下あるいは衝突したときには、緩衝体6の外周部の一部で地面等と衝突するため、衝撃吸収に寄与する第1衝撃吸収体B1の面積は小さくなる。このため、第1衝撃吸収体B1は、実施例1に係る緩衝体6を構成するすべての第1〜第8衝撃吸収体B1〜B8の中で、最も圧縮強度が高い第1の材料で製造される。木材を用いる場合、例えばオーク(樫)を用いる。ここで圧縮強度とは、衝撃吸収体を圧縮した際のヤング係数や圧縮強さ等である。
第2〜第4衝撃吸収体B2〜B4は、キャスク1が垂直落下もしくは衝突、又は斜め落下もしくは衝突したときの衝撃を吸収する。垂直落下等においては、緩衝体中心軸Z1に垂直な面で垂直落下等の衝撃を吸収する。すなわち、垂直落下の場合、前記水平落下に比べて広い面積で緩衝体6が地面等に衝突し、衝撃を吸収するので、衝撃吸収に寄与する第2〜第4衝撃吸収体B2〜B4の面積は、第1衝撃吸収体B1よりも大きくなる。このため、第2〜第4衝撃吸収体B2〜B4は、第1衝撃吸収体B1よりも圧縮強度が低い第2の材料で製造される。木材を用いる場合、例えばレッドセダー(米杉)を用いる。
第5〜第8衝撃吸収体B5〜B8は、キャスク1が垂直落下もしくは衝突、又は斜め落下もしくは衝突したときの衝撃を吸収し、一次蓋3及び二次蓋4(図1参照)へ伝達される衝撃力を十分に緩和する。一次蓋3及び二次蓋4と胴本体1b(図1参照)との間には、ガスケットが介在してキャスク1の密封を維持するが、キャスク1の垂直落下等によってこの密封が破壊されないように、第5〜第8衝撃吸収体B5〜B8によって落下等の衝撃を十分に緩和する。このため、第5〜第8衝撃吸収体B5〜B8は、第2〜第4衝撃吸収体B2〜B4よりも圧縮強度が低い第3の材料で製造される。木材を用いる場合、例えばバルサを用いる。ここで、第1〜第3の材料に木材以外のもの、例えば、樹脂材料や金属材料を用いる場合でも、第1の材料の圧縮強度>第2の材料の圧縮強度>第3の材料の圧縮強度の関係を満たしていればよい。次に、各衝撃吸収体について説明する。
まず、第2の材料で構成される衝撃吸収体について説明する。第2、第3及び第4衝撃吸収体B2、B3及びB4が、第2の材料で構成される。図7に示すように、第3衝撃吸収体B3及び第4衝撃吸収体B4は、緩衝体中心軸Z1方向であって衝撃荷重(衝撃)入力側、すなわち緩衝体中心軸Z1方向であって開口部6oの反対側に配置される。第3衝撃吸収体B3及び第4衝撃吸収体B4は、図6に示すように、緩衝体中心軸Z1に近い方から第4衝撃吸収体B4、第3衝撃吸収体B3の順に、前記中心軸Z1の周囲に配置される。また、図7、図8に示すように、第2衝撃吸収体B2は、緩衝体中心軸Z1に垂直な断面内で見た場合、前記中心軸Z1の周囲であって、前記緩衝体6の最外周に配置される。また、第2衝撃吸収体B2は、第1衝撃吸収体B1、第3及び第4衝撃吸収体B3、B4との間に配置される。
第2衝撃吸収体B2は第2衝撃吸収ブロック11を複数組み合わせて、第3衝撃吸収体B3は第3衝撃吸収ブロック12を複数組み合わせて、第4衝撃吸収体B4は第4衝撃吸収ブロック13を複数組み合わせて構成される。これらの衝撃吸収ブロックは、例えば木材を重ね合わせて作られる。図6、図7に示すように、第2、第3及び第4衝撃吸収体B2、B3及びB4は、繊維の方向が緩衝体中心軸Z1と直交するように配置される。そして、キャスク1が垂直落下あるいは垂直衝突した場合には、繊維の方向に対して垂直に衝撃荷重が第2、第3及び第4衝撃吸収体B2、B3及びB4へ入力する。この衝撃荷重は、第2、第3及び第4衝撃吸収体B2、B3及びB4が繊維の方向に対して垂直方向に圧潰することによって吸収される。
次に、第3の材料で構成される衝撃吸収体について説明する。第5〜第8衝撃吸収体B5〜B8が、第3の材料で構成される。図7に示すように、第5衝撃吸収体B5及び第6衝撃吸収体B6は、緩衝体中心軸Z1方向であって衝撃荷重入力側、すなわち緩衝体中心軸Z1方向であって開口部6oの反対側に配置される。第5衝撃吸収体B5及び第6衝撃吸収体B6は、緩衝体中心軸Z1に近い方から第6衝撃吸収体B6、第5衝撃吸収体B5の順に、前記中心軸Z1の周囲に配置される。図7に示すように、第5衝撃吸収体B5は、繊維の方向が緩衝体中心軸Z1と平行になるように配置され、第6衝撃吸収体B6は、例えば、繊維の方向が緩衝体中心軸Z1と直交するように配置される。また、第5衝撃吸収体B5及び第6衝撃吸収体B6は、例えば、いずれも扇形形状とした第5及び第6衝撃吸収ブロック14、15を複数組み合わせて構成することができる。
図7に示すように、緩衝体6に対する衝撃荷重入力方向、すなわち緩衝体6の荷重入力側から開口部6oに向かって、第7衝撃吸収体B7、第8衝撃吸収体B8の順に配置される。図7、図8、図9に示すように、第7衝撃吸収体B7及び第6衝撃吸収体B6は、緩衝体中心軸Z1を中心とした円筒形状である。図7、図8に示すように、第7衝撃吸収体B7は、繊維の方向が緩衝体中心軸Z1と直交するように配置される(なお、図8において第7衝撃吸収体B7は図示していない)。また、図7、図9に示すように、第8衝撃吸収体B8は、繊維の方向が緩衝体中心軸Z1と並行になるように配置される(なお、図9において第8衝撃吸収体B8は図示していない)。また、図8、図9に示すように、第7衝撃吸収体B7及び第8衝撃吸収体B8は、いずれも扇形形状の第7及び第8衝撃吸収ブロック16、17を複数組み合わせて構成される。
キャスク1が垂直落下あるいは垂直衝突した場合には、その衝撃荷重が第5〜第8衝撃吸収体B5〜B8へ入力する。この衝撃荷重は、第5〜第8衝撃吸収体B5〜B8が衝撃加重の入力方向へ圧潰することによって吸収される。これによって、キャスク1の胴本体1bと一次蓋3及び二次蓋4との間の密封を維持する。
続いて、第1の材料で構成される衝撃吸収体について説明する。第1衝撃吸収体B1が、第1の材料で構成される。図7、図9、図10に示すように、第1衝撃吸収体B1は、緩衝体中心軸Z1方向であって、緩衝体6の開口部6o側に配置される。また、第1衝撃吸収体B1は、図7、図9、図10に示すように、緩衝体6の開口部6o側から見た場合、緩衝体中心軸Z1の周囲であって、前記緩衝体6の最外周に配置される。これによって、第1衝撃吸収体B1が、キャスクの端部1t(図7、図10では二次蓋4)と重なり合うように配置される。このように第1衝撃吸収体B1を配置することにより、キャスク1が水平落下あるいは水平衝突した場合の衝撃を第1衝撃吸収体B1によって吸収する。
図10に示すように、第1衝撃吸収体B1は、第1衝撃吸収ブロック10を複数組み合わせて構成される。これらの衝撃吸収ブロックは、例えば木材を重ね合わせて作られる。図7、図9、図10に示すように、第1衝撃吸収体B1は、繊維の方向が緩衝体中心軸Z1と直交するように配置される。キャスク1が水平落下あるいは水平衝突した場合には、第1衝撃吸収体B1の繊維の方向に対して平行に衝撃荷重が入力する。この衝撃荷重は、第1衝撃吸収体B1が繊維の方向に対して平行方向に圧潰することによって吸収される。
キャスク1が水平落下あるいは水平衝突する場合、そのときの衝撃荷重は、図10に示す緩衝体中心軸Z1に対して直交する方向から入力される。この場合、図10から明らかなように、衝撃吸収に寄与できる第1衝撃吸収体B1は、キャスク1の端部1tの周囲に環状に配置される第1衝撃吸収体B1の一部であることが分かる。したがって、第1衝撃吸収体B1は、すべての衝撃吸収体の中で最も圧縮強度の高い第1の材料で構成されるとともに、繊維の方向が衝撃荷重の入力方向と平行になるように配置して、キャスク1が水平落下あるいは水平衝突した場合に、一部の第1衝撃吸収体B1で衝撃荷重を十分に吸収できるようになっている。
次に、木材を重ね合わせて衝撃吸収体を構成する衝撃吸収ブロックを構成する場合について説明する。図12−1は、木材を重ね合わせて構成した第1衝撃吸収ブロックの一例を示す説明図である。図12−2は、木材を重ね合わせて構成した第2衝撃吸収ブロックの一例を示す説明図である。両図の矢印方向が繊維方向である。
実施例1に係る第1衝撃吸収ブロック10は、図12−1に示すように、板片10s同士を接着、重ね合わせて製造した単板10pをさらに3枚接着、重ね合わせて製造される。このとき、重ね合わせる板片10s同士の繊維方向がそれぞれ平行になるように配列してある。実施例1に係る第2衝撃吸収ブロック11は、図12−2に示すように、板片11s同士を3枚接着、重ね合わせて製造される。このとき、重ね合わせる板片11s同士の繊維方向がそれぞれ平行になるように配列してある。なお、第3、第4衝撃吸収ブロック12、13も、第2衝撃吸収ブロック11と同様に製造される。このように、緩衝体6の場所に応じて、木材の重ね合わせ形態を変更することにより、緩衝体6の仕様に応じた衝撃吸収特性を得ることができる。
第1衝撃吸収ブロック10は、板片10sの重ね合わせ方向に向かって環状に配列され、第1衝撃吸収体B1を構成する。したがって、第1衝撃吸収ブロック10を構成する板片10sは、第1衝撃吸収体B1の周方向Co(図12−1、図10参照)に向かって重ね合わされることになる。第1衝撃吸収ブロック10には、繊維方向と略平行に衝撃荷重が入力されて、板片10sの重ね合わせを剥離する方向(第1衝撃吸収体B1の周方向Co)の力が第1衝撃吸収ブロック10に作用する。実施例1に係る第1衝撃吸収体B1では、板片10sの重ね合わせを剥離する方向の力が、隣接して配置される第1衝撃吸収ブロック10によって抑えられるので、第1衝撃吸収ブロック10に衝撃荷重が入力されても、重ね合わされた板片10sの剥離を抑えることができる。
図13は、木材における応力−ひずみの関係の一例を示す応力−ひずみ線図である。なお、図13の応力σは圧縮応力である。図14−1、図14−2は、衝撃吸収ブロックに対する穴の設け方の一例を示す説明図である。第1衝撃吸収ブロック10を構成する木材は、繊維の集合体である。このように衝撃吸収ブロック10を木材で構成した場合、木材の繊維がせん断、あるいは局所的に圧潰することにより、衝撃荷重のエネルギを吸収する。これによって、木材は、図13に示すように、ひずみが大きくなるにともなって、応力σが上昇する圧潰挙動を示す。
具体的には、応力σが増加するとともにひずみεが増加すると、あるひずみの値εcを境に急激に応力σが増加する(図13中の一点鎖線)。また、衝撃荷重が作用した瞬間に、過大な初期応力が発生する(図13中の点線で示す部分)。このように、衝撃荷重が作用したときに、均一な圧潰(ひずみ)挙動を示さないと、緩衝体6に必要な衝撃吸収特性が得られないことになり、キャスク1に対して過大な衝撃荷重が作用することがある。
また、キャスク1は全長が数メートルに及ぶため、キャスク1の落下あるいは衝突試験においては、キャスク1及び緩衝体6のスケールダウンモデルを用いる。このとき、緩衝体の衝撃吸収体に木材を用いると、緩衝体のスケールダウンモデルと実際の緩衝体6とでは、衝撃吸収体の繊維の幅は同一で、衝撃吸収体の寸法のみ異なる。すなわち、緩衝体のスケールダウンモデルの衝撃吸収体は、実際の緩衝体6の衝撃吸収体と比較して相対的に繊維の幅が大きくなる。
実施例1に係る第1衝撃吸収ブロック10には、繊維と交差するように、空間としての穴20が複数設けられている。この穴20により、第1衝撃吸収ブロック10に衝撃荷重が入力された場合、第1衝撃吸収ブロック10の全域で、第1衝撃吸収ブロック10を安定して圧潰させることができる。その結果、第1衝撃吸収ブロック10を木材で構成した場合であっても、均質な材料として取り扱うことができる。また、穴20を設けた場合、第1衝撃吸収ブロック10が圧潰するときの応力(図13の実線における×印)を、穴20を設けない場合の圧潰応力(図13の一点鎖線における×印)よりも小さくできるので、衝撃荷重吸収時において、キャスク1に対して過大な衝撃荷重が作用することを抑制できる。また、寸法の異なる緩衝体(例えば緩衝体のスケールダウンモデルとスケールアップモデル)においても、衝撃吸収性能の再現性を十分確保できる。
これらの作用により、緩衝体6の寸法を大きくすることにより緩衝体の衝撃吸収性能に過大な余裕を持たせる必要はないので、緩衝体6の寸法を必要最小限の大きさにし、かつ衝撃加速度を小さくできる。その結果、キャスク1本体への耐衝撃性能を無闇に大きくする必要がなくなるので、キャスク1に格納するリサイクル燃料の格納本数を増加させることができる。さらに、緩衝体6は、必要最小限の寸法で十分な衝撃吸収性能を発揮できるので、キャスク1の輸送に対する寸法制限が厳しい場合でも適用できる。
また、緩衝体6のスケールダウンモデルと実際の緩衝体6とで、木材の圧潰特性に影響の大きい繊維方向における穴のピッチPt(図14−1)を保存することにより、第1衝撃吸収ブロック10全体における衝撃吸収特性を、緩衝体6のスケールダウンモデルと実際の緩衝体6とで揃えることができる。これにより、寸法の違いによる木材の特性の違いを低減できるので、緩衝体6のスケールダウンモデルにより得られた衝撃吸収特性から、実際の緩衝体6における衝撃吸収特性を容易に予測できる。これにより、実際の緩衝体6の設計が容易になるとともに、設計した通りの衝撃吸収性能を緩衝体6に発揮させることができる。さらに、異なる緩衝体においても、衝撃吸収性能の再現性を十分確保できる。
なお、実施例1では、最も圧縮強度の高い第1の材料で構成される第1衝撃吸収ブロック10にのみ穴20を設けている。これは、実施例1で第1の材料として用いるオーク材は圧縮強度が高く、衝突の瞬間に過大な初期応力が発生する(図13の点線部分)ことが多いため、これを回避するとともに、潰れを生じる領域全域で安定して圧潰させるためである。第2、第3衝撃吸収体B2、B3等の要求する衝撃吸収性能によっては、これらを構成する第2、第3衝撃吸収ブロック11、12等に対して穴を設けてもよい。
第1衝撃吸収ブロック10に対して穴20を設けるにあたっては、木材の圧潰特性に影響の大きい繊維方向を考慮することが必要である。このため、図14−1に示すように、繊維を分断するように穴20を設けることが好ましい。また、図14−2に示すように、第1衝撃吸収ブロック10の内部で繊維を分断するように穴20を設けてもよい。さらに、両者を組み合わせてもよい。また、緩衝体6の仕様に応じて、穴20の個数やピッチPtを組み合わせてもよい。
次に、実施例1に係る衝撃吸収ブロックの他の例を説明する。なお、次の説明では、第1衝撃吸収体B1を構成する第1衝撃吸収ブロック10を例とするが、第2、第3衝撃吸収体B2、B3等を構成する第2、第3衝撃吸収ブロック11、12に対しても、次の例は適用できる(以下同様)。図15−1〜図15−8は、衝撃吸収ブロックに設ける空間として、穴を設ける例を示す説明図である。図中の矢印の方向は繊維方向であり、また、Pは第1衝撃吸収ブロックに入力される衝撃荷重である。
図15−1に示す第1衝撃吸収ブロック10aは、繊維を分断し、かつ衝撃荷重Pの入力方向に対して直交するように、第1衝撃吸収ブロック10aを貫通する穴20を設けたものである。これにより、第1衝撃吸収ブロック10aの強度、剛性を調整することができる。また、第1衝撃吸収ブロック10aに穴20を設けることによって、穴20を基点として第1衝撃吸収ブロック10aのせん断の亀裂、圧潰を発生させ、第1衝撃吸収ブロック10aによる衝撃エネルギの吸収を促進させることができる。
図15−2に示す第1衝撃吸収ブロック10bは、繊維を分断するように、かつ衝撃荷重Pの入力方向と平行になるように第1衝撃吸収ブロック10bを貫通する穴20を設けたものである。これにより、第1衝撃吸収ブロック10bの強度、剛性を調整することができる。また、穴20により、第1衝撃吸収ブロック10bのみかけの断面積を減少させ、衝撃荷重Pが第1衝撃吸収ブロック10bに入力した直後に第1衝撃吸収ブロック10bへ発生する初期応力を低減させることができる。
図15−3に示す第1衝撃吸収ブロック10cは、図15−2に示す第1衝撃吸収ブロック10bの穴20を、第1衝撃吸収ブロック10cを貫通しない底付穴21とした点が異なる。このようにしても、図15−2に示す第1衝撃吸収ブロック10bと同様の作用、効果を得ることができる。また、底付穴21の深さを調整することにより、第1衝撃吸収ブロック10cの強度、剛性を調整することができる。
図15−4に示す第1衝撃吸収ブロック10dは、繊維を分断し、かつ衝撃荷重Pの入力方向に対して直交する第1穴201と、繊維を分断するように、かつ衝撃荷重Pの入力方向と平行になる第2穴202とを設けたものである。これにより、第1穴201を基点として第1衝撃吸収ブロック10dのせん断の亀裂、圧潰を発生させ、第1衝撃吸収ブロック10dによる衝撃エネルギの吸収を促進させることができる。同時に、第2穴202により、第1衝撃吸収ブロック10dのみかけの断面積を減少させ、衝撃荷重Pが第1衝撃吸収ブロック10dに入力した直後に第1衝撃吸収ブロック10dへ発生する初期応力を低減させることができる。この例では、第1穴201と第2穴202とは、互いにねじれの位置にあるが、第1穴201と第2穴202とが、互いに交差してもよい。また、第1穴201又は第2穴202の少なくとも一方は、底付穴としてもよい。なお、第1穴201、第2穴202の直径dは、緩衝体6の仕様によって適宜変更する。
図15−5、図15−6に示す第1衝撃吸収ブロック10e、10fは、繊維を分断するように、かつ衝撃荷重Pの入力方向と平行になるように第1衝撃吸収ブロック10e又は10fを貫通する穴22又は23が設けられるとともに、衝撃荷重Pの入力方向に向かって前記穴22又は23の断面積が小さくなるようにしてある(d1 2/4>d2 2/4)。これにより、第1衝撃吸収ブロック10e、10fに衝撃荷重が入力した直後は迅速に圧潰して衝撃エネルギを十分に吸収し、圧潰が進行するにしたがって潰れ難くなってキャスク1の運動を効果的に停止させることができる。なお、図15−5に示す穴22のように、衝撃荷重Pの入力方向に向かって断面積を徐々に小さくしてもよいし、図15−6に示す穴23のように、衝撃荷重Pの入力方向に向かって断面積を段階的に小さくしてもよい。後者のようにすれば、穴23を比較的容易に形成することができる。
図15−7に示すに示す第1衝撃吸収ブロック10gは、図15−1に示す第1衝撃吸収ブロック10aと同様であるが、角部を有する穴(この実施例では四角形の穴)24が設けられる点が異なる。このように、円形の穴に代えて、角部を有する穴24を設けてもよい。これにより、角部を有する穴24の角部24tを基点として第1衝撃吸収ブロック10gのせん断の亀裂、圧潰を発生させ、第1衝撃吸収ブロック10gによる衝撃エネルギの吸収を促進させることができる。かかる観点から、角部を有する穴24の角部24tは、衝撃荷重Pの入力側に形成されることが好ましい。
図15−8に示す第1衝撃吸収ブロック10hは、図15−7に示す第1衝撃吸収ブロック10gと同様であるが、断面略三角形状の溝24sを備える板材10h1、10h2、10h3を接着、重ね合わせ、前記溝24sを組み合わせて角部を有する穴24を形成する。図15−7に示す第1衝撃吸収ブロック10gに設けられる角部を有する穴24は、専用の工具によって形成してもよいが、図15−8に示す第1衝撃吸収ブロック10hのように、予め溝24sを形成した板材10h1等を接着、重ね合わせて形成してもよい。
図15−9、図15−10は、衝撃吸収ブロックに設ける空間として、切り込みを設ける例を示す説明図である。なお、いずれの第1衝撃吸収ブロック10i、10jも、衝撃荷重Pの作用方向と繊維方向とが平行になっている。図15−9に示す第1衝撃吸収ブロック10iは、繊維の方向と平行に切り込み25が設けてある。これにより、第1衝撃吸収ブロック10iの強度、剛性を調整するとともに、第1衝撃吸収ブロック10iのみかけの断面積を低減して、衝撃荷重Pの作用時における初期応力を低減できる。切り込み25は、繊維に対して平行に形成してもよいし、繊維を切るように形成してもよいが、後者のようにすれば、衝撃荷重Pの作用時における初期応力を低減効果がより大きくなる。図15−10に示す第1衝撃吸収ブロック10jは、繊維の方向と直交するように切り込み25が設けてある。これにより、第1衝撃吸収ブロック10iの強度、剛性を調整するとともに、第1衝撃吸収ブロック10j全体の剛性を低下させることによって、ロックアップを遅らせることができる。これにより、第1衝撃吸収ブロック10jに衝撃エネルギを安定して吸収させることができる。
図15−11、図15−12は、衝撃吸収ブロックに設ける空間として、くさび状の切り欠きを設ける例を示す説明図である。なお、図中の矢印が繊維を示す。図15−11に示す第1衝撃吸収ブロック10kは、衝撃荷重Pの入力側に、かつくさびの頂部(切り欠きの頂部)が衝撃荷重Pの作用方向に向くように、くさび状の切り欠き26が形成されている。これにより、第1衝撃吸収ブロック10kの強度、剛性を調整するとともに、第1衝撃吸収ブロック10kのみかけの断面積を低減して、衝撃荷重Pの作用時における初期応力を低減できる。また、溝26の頂部を基点として第1衝撃吸収ブロック10kのせん断の亀裂、圧潰を発生させ、第1衝撃吸収ブロック10kによる衝撃エネルギの吸収を促進させることができる。なお、溝26は、第1衝撃吸収ブロック10kの衝撃荷重入力側の一部に設けてもよいし、図15−11に示すように、衝撃荷重入力側の全体に設けてもよい。
また、図15−12に示す第1衝撃吸収ブロック10k'は、図15−11に示す第1衝撃吸収ブロック10k'と同様に、衝撃荷重Pの入力側に、くさび状の切り欠き26が形成されている。さらに、隣接する切り欠き26の間には平面部26fが形成されている。このように、前記平面部26fを設けることにより、第1衝撃吸収ブロック10k'は、少ない潰れ代で確実に衝撃を吸収できる。
図15−13〜図15−17は、異なる形状を組み合わせて第1衝撃吸収ブロック空間を設けた例を示す説明図である。図15−13に示す第1衝撃吸収ブロック10lは、穴20と、繊維に直交する切り込み25とを設けてある。これにより、第1衝撃吸収ブロック10lの強度、剛性を調整することができる。また、穴20を基点として第1衝撃吸収ブロック10lのせん断の亀裂、圧潰を発生させ、第1衝撃吸収ブロック10lによる衝撃エネルギの吸収を促進させることができるとともに、第1衝撃吸収ブロック10lのみかけの断面積を低減して、衝撃荷重Pの作用時における初期応力を低減できる。
図15−14に示す第1衝撃吸収ブロック10mは、穴20と、くさび状の切り欠き26とを設けてある。くさび状の切り欠き26は、衝撃荷重Pの入力側に、かつくさびの頂部が衝撃荷重Pの作用方向となるように形成してある。これにより、第1衝撃吸収ブロック10mの強度、剛性を調整することができる。また、穴20を基点として第1衝撃吸収ブロック10mのせん断の亀裂、圧潰を発生させ、第1衝撃吸収ブロック10mによる衝撃エネルギの吸収を促進させることができるとともに、第1衝撃吸収ブロック10mのみかけの断面積を低減して、衝撃荷重Pの作用時における初期応力を低減できる。
図15−15に示す第1衝撃吸収ブロック10nは、繊維に平行な切り込み25を設けた第1ブロック10n1と、繊維に直交する切り込み25を設けた第2ブロック10n2とを重ね合わせて構成してある。これにより、第1衝撃吸収ブロック10nの強度、剛性を調整することができる。また、第1衝撃吸収ブロック10nのみかけの断面積を低減して、衝撃荷重Pの作用時における初期応力を低減できるとともに、第1衝撃吸収ブロック10n全体の剛性を低下させることによって、ロックアップを遅らせることができる。
このとき、切り込み25、25のピッチ又は深さのうち、少なくとも一方を変化させてもよい。例えば、第2ブロック10n2に設ける繊維に直交する切り込み25の深さを、衝撃荷重Pの作用方向に向かって、すなわち第1衝撃吸収体B1(図10参照)の外周側から内周部に向かって順次小さくする。この構成の衝撃吸収ブロックは、第1衝撃吸収ブロックに、衝撃荷重Pの作用方向に向かって断面積が小さくなる穴を設ける場合と比較して(図15−5、図15−6参照)、より簡単に製造できる。したがって、衝撃荷重Pの作用方向に向かって断面積が小さくなる穴を第1衝撃吸収ブロックに設ける場合と同等の作用、効果を、より簡単に得ることができる。
図15−16に示す第1衝撃吸収ブロック10sは、穴20を設けた第1ブロック10s1と、繊維に直交する切り込み25を設けた第2ブロック10s2とを重ね合わせて構成してある。これにより、第1衝撃吸収ブロック10sの強度、剛性を調整することができる。また、穴20を基点として第1衝撃吸収ブロック10sのせん断の亀裂、圧潰を発生させ、第1衝撃吸収ブロック10sによる衝撃エネルギの吸収を促進させることができるとともに、第1衝撃吸収ブロック10s全体の剛性を低下させることによって、ロックアップを遅らせることができる。なお、2個のブロックを重ね合わせなくとも、1個のブロックでこの第1衝撃吸収ブロック10sを構成してもよい。
図15−17に示す第1衝撃吸収ブロック10oは、くさび状の切り欠き26を設けた第1ブロック10o1と、繊維に直交する切り込み25を設けた第2ブロック10o2とを重ね合わせて構成してある。これにより、第1衝撃吸収ブロック10oの強度、剛性を調整することができる。また、第1衝撃吸収ブロック10oのみかけの断面積を低減して、衝撃荷重Pの作用時における初期応力を低減できるとともに、第1衝撃吸収ブロック10o全体の剛性を低下させることによって、ロックアップを遅らせることができる。なお、2個のブロックを重ね合わせなくとも、1個のブロックでこの第1衝撃吸収ブロック10oを構成してもよい。
図15−18〜図15−20は、衝撃荷重の入力方向に向かって、第1衝撃吸収ブロックに設ける穴の種類や数、あるいは面積を変化させる例を示す説明図である。いずれの図でも、繊維の方向は、衝撃荷重Pの入力方向(矢印Xで示す方向)と平行である。図15−18に示す第1衝撃吸収ブロック10pは、衝撃荷重Pの入力方向に向かって、単位面積当たりの穴20の個数を少なくしてある。図15−19に示す第1衝撃吸収ブロック10qは、衝撃荷重Pの入力側における穴20aの断面積を、衝撃荷重Pの入力とは反対側における穴20bの断面積よりも大きくしてある。図15−20に示す第1衝撃吸収ブロック10rは、衝撃荷重Pの入力側における穴20は貫通穴とし、衝撃荷重Pの入力とは反対側における穴は底付穴21としている。これにより、第1衝撃吸収ブロック10p、10q、10rの強度、剛性を調整することができる。また、第1衝撃吸収ブロック10p、10q、10rに衝撃荷重が入力した直後は迅速に圧潰して衝撃エネルギを十分に吸収し、圧潰が進行するにしたがって潰れ難くなってキャスク1の運動を効果的に停止させることができる。
図15−21、図15−22は、木目に平行に溝穴を設けた第1衝撃吸収ブロックの一例を示す説明図である。図15−22は、図15−21を矢印D方向から見た状態を表している。この第1衝撃吸収ブロック10tは、第1衝撃吸収ブロックを構成する木材の繊維の方向と略平行に、空間である溝穴27が設けられる。ここで、繊維の方向は、(図15−21中、両端に矢印が付いた実線で示す方向である。なお、衝撃荷重Pの入力方向は、図15−21、図15−22中、矢印Xで示す方向である。
この第1衝撃吸収ブロック10tでは、木材の繊維の方向に対して平行に溝穴27を設けるので、圧縮荷重に対してせん断破壊を起こさせやすくすることができる。これによって、衝撃荷重Pが圧縮荷重として作用する場合において、圧縮強度の高い材料を用いた場合でも、衝撃荷重Pをより確実に吸収しやすくなるので、キャスク1の落下あるいは衝突時においては、確実にキャスク1を保護できる。
ここで、溝穴27は、図15−22に示すように、第1衝撃吸収ブロック10tを貫通していてもよいし、貫通していなくてもよい。また、第1衝撃吸収ブロック10tを貫通する溝穴と貫通しない溝穴とを混在させてもよい。木材の繊維の方向に対する溝穴27の長さや、木材の繊維の方向と直交する溝穴27の幅、あるいは溝穴27の数は、第1衝撃吸収ブロック10tの材料や、キャスク用緩衝体の仕様等に応じて適宜変更することができる。さらに、上記第1衝撃吸収ブロック10a、10b等の構成と、この第1衝撃吸収ブロック10tの構成とを組み合わせてもよい。
以上、実施例1によれば、緩衝体を構成する衝撃吸収体に穴や切り欠きその他の空間を設けて、衝撃吸収体の衝撃吸収特性を調整する。これにより、特に木材のように、衝突の瞬間に過大な初期応力が発生したり、圧潰挙動そのものが再現性に乏しい材料で衝撃吸収体を構成したりする場合あっても、衝撃吸収特性を揃えて、安定した衝撃吸収性能を発揮させることができる。
また、緩衝体を構成する木材の衝撃吸収体に穴や切り欠きその他の空間を設けることにより、木材の衝撃吸収体全域で圧潰させることができるので、衝撃吸収体を均質な材料として取り扱うことができる。その結果、衝撃荷重を受けた直後における過大な初期応力の発生を抑制できるとともに、再現性のある安定した衝撃吸収性能を発揮させることができる。なお、実施例1では、第1衝撃吸収体及び第1衝撃吸収ブロックを中心として説明したが、他の衝撃吸収体及び衝撃吸収ブロックに対しても同様である。
実施例2では、第1、第2衝撃吸収ブロック10、10a、11等を組み合わせて第1、第2衝撃吸収体B1、B2等を構成する際のブロック組み合わせ構造について説明する。なお、次の説明では、第1衝撃吸収体B1を構成する第1衝撃吸収ブロック10を例とするが、第2、第3衝撃吸収体B2、B3等を構成する第2、第3衝撃吸収ブロック11、12に対しても、次の例は適用できる。図16は、ずれ防止部材を用いて第1衝撃吸収ブロックを組み合わせる例を示す説明図である。このブロック組み合わせ構造では、第1衝撃吸収ブロック10に溝Hを設け、第1衝撃吸収ブロック10同士を組み合わせた際には、この溝Hにずれ防止部材30を組み込んで、第1衝撃吸収ブロック10のずれを防止する。このとき、ずれ防止部材30に第1衝撃吸収ブロック10と同種の材料を使用すれば、衝撃吸収時におけるずれ防止部材30の挙動を第1衝撃吸収ブロック10と同様にすることができる。
図17−1は、ずれ防止部材を用いて第1衝撃吸収ブロックを組み合わせる他の例を示す説明図である。図17−2は、図17−1のE−E断面図である。図17−3は、図17−1の他のE−E断面を示す断面図である。このブロック組み合わせ構造では、第1衝撃吸収ブロック10に凹部H1を設ける。そして、第1衝撃吸収ブロック10同士を組み合わせた際には、この凹部H1に、板状のずれ防止部材31を取り付け、固定手段であるくぎ32やボルトでさらにずれ防止部材31を第1衝撃吸収ブロック10同士に固定して、第1衝撃吸収ブロック10のずれを防止する。このとき、ずれ防止部材31に鉄板やアルミ板等の金属板を用いれば、ずれ防止部材31の厚さを薄くしても十分に剛性を確保できる。これにより、第1衝撃吸収ブロック10に形成する凹部H1の深さを浅くして、第1衝撃吸収ブロック10に対する影響を最小限に抑えることができる。なお、図17−3に示すように、凹部H1の深さは、固定手段であるくぎ32やボルトの頂部、及びずれ防止部材31が第1衝撃吸収ブロック10の外周面よりも突出しない深さとすることが好ましい。これにより、キャスク1の落下あるいは衝突時に、固定手段であるくぎ32やボルトの頂部、及びずれ防止部材31によって、第1衝撃吸収ブロック10に発生する初期の衝撃値が高くなることを抑制できる。
図18−1〜図18−3は、第1衝撃吸収ブロック自体にずれ防止部分を形成して組み合わせる例を示す説明図である。この第1衝撃吸収ブロック10xは、両側面に凸部33tと凹部33vとが交互に形成されている。凸部33tと凹部33vとは、衝撃荷重Pの入力方向に対して直交するように形成される。そして、第1衝撃吸収ブロック10x同士を組み合わせた際には、互いの凸部33tと凹部33vとが組み合わされて、第1衝撃吸収ブロック10x同士のずれを防止する。このとき、図18−3に示すように、第1衝撃吸収ブロック10xに形成した溝にずれ防止部材30を組み込む。そして、第1衝撃吸収ブロック10xが凸部33t及び凹部33vの形成方向に対してずれることを抑制することが好ましい。
図19−1、図19−2は、第1衝撃吸収ブロック自体にずれ防止部分を形成して組み合わせる他の例を示す説明図である。この第1衝撃吸収ブロック10yは、片方の側面に突起部34が形成され、これと対向する側面には、前記突起部34と組み合わされる溝部35が形成されている。突起部34と溝部35とは、衝撃荷重Pの入力方向に対して平行に形成される。そして、第1衝撃吸収ブロック10y同士を組み合わせた際には、互いの突起部34と溝部35とが組み合わされて、第1衝撃吸収ブロック10y同士のずれを防止する。このとき、突起部34及び溝部35の形成方向に対して交差する方向に溝H1'、溝H2'を形成し、この溝にずれ防止部材30''を組み込んで、第1衝撃吸収ブロック10yが突起部34及び溝部35の形成方向に対してずれることを抑制することが好ましい。
図20−1〜図20−3は、第1衝撃吸収ブロック自体にずれ防止部分を形成して組み合わせる他の例を示す説明図である。この第1衝撃吸収ブロック10zは、片方の側面に凸部36tが形成され、これと対向する側面には、前記凸部36tと組み合わされる凹部36vが形成されている。凸部36tと凹部36vとは、衝撃荷重Pの入力方向に対して平行に形成される。そして、第1衝撃吸収ブロック10z同士を組み合わせた際には、互いの凸部36tと凹部36vとが組み合わされて、第1衝撃吸収ブロック10z同士のずれを防止する。このとき、図20−3に示すように、凸部36t及び凹部36vの形成方向に対して交差する方向に溝を形成し、この溝にずれ防止部材30''を組み込んで、第1衝撃吸収ブロック10zが突起部34及び溝部35の形成方向に対してずれることを抑制することが好ましい。
図21は、固定部材を用いて第1衝撃吸収ブロックを組み合わせる他の例を示す説明図である。このブロック組み合わせ構造では、第1衝撃吸収ブロック10同士を組み合わせた後、第1衝撃吸収ブロック10同士を固定部材であるコの字くぎ37を用いて固定する。このブロック組み合わせ構造では、簡単な構成により、第1衝撃吸収ブロック10同士のずれを防止できる。
図22−1、図22−2は、ブロック締結手段を用いるブロック組み合わせ構造を示す説明図である。このブロック組み合わせ構造では、複数(この例では3個)の第1衝撃吸収ブロック10を貫通する貫通穴hを設ける。そして、複数の第1衝撃吸収ブロック10を組み合わせた後、この貫通穴hに締結手段であるボルト38を挿入して、複数の第1衝撃吸収ブロック10を固定する。この構造では、締結手段により第1衝撃吸収ブロック10同士を強固に固定できる。このとき、締結手段であるボルト38の強度が高すぎると、中央の第1衝撃吸収ブロック10の変形を、その両側の第1衝撃吸収ブロック10が受け止めて、中央の第1衝撃吸収ブロック10の圧潰が不十分となるおそれがある。このため、締結手段にボルトを使用する場合、あまり太いボルトは避けたり、変形しやすい材料のボルトを用いたりすることが好ましい。また、例えば自在継ぎ手構造の締結手段や、ワイヤーのように、締結手段が途中で曲がる構造として、中央の第1衝撃吸収ブロック10の圧潰の拘束を抑制することが好ましい。
図23−1は、ブロック拘束手段を用いるブロック組み合わせ構造を示す説明図である。図23−2は、図23−1のF−F断面図である。図23−3は、他の例に係る図23−1のF−F断面を示す断面図である。このブロック組み合わせ構造では、第1衝撃吸収ブロック10'の外周部に溝sを形成する。そして、複数の第1衝撃吸収ブロック10'を環状に組み合わせて第1衝撃吸収体B1を形成したら、前記溝sにブロック拘束手段であるワイヤー39を、第1衝撃吸収体B1の全周にわたって巻き付けて、各第1衝撃吸収ブロック10'を拘束し、固定する。この構造では、ワイヤー39の張力によって強固に各第1衝撃吸収ブロック10'を固定することができる。
前記溝sは、上記実施例1で説明した、第1衝撃吸収ブロック10'に設ける「空間」に相当する。このように、このブロック組み合わせ構造では、第1衝撃吸収ブロック10'に溝sによる空間を形成する。これにより、溝sを基点として第1衝撃吸収ブロック10'のせん断の亀裂、圧潰を発生させ、第1衝撃吸収ブロック10'による衝撃エネルギの吸収を促進させることができる。このとき、溝sの大きさや形状を変化させれば、第1衝撃吸収ブロック10'のせん断の亀裂、圧潰の速度を調整することもできる。また、図23−3に示す第1衝撃吸収ブロック10''のように、「空間」に相当する断面がくさび状の溝s'を形成し、ここにワイヤー39を巻きつけてもよい。このようにすれば、ワイヤー39のずれを抑制できるとともに、第1衝撃吸収ブロック10''の強度、剛性を調整することができる。さらに、第1衝撃吸収ブロック10''のみかけの断面積を低減して、衝撃荷重Pの作用時における初期応力を低減できる。また、溝s'の頂部を基点として第1衝撃吸収ブロック10''のせん断の亀裂、圧潰を発生させ、第1衝撃吸収ブロック10''による衝撃エネルギの吸収を促進させることができる。
図24−1〜図24−4は、第1衝撃吸収ブロックの組み合わせ構造例を示す説明図である。図25−1、は、径方向外側の面積が大きい第1衝撃吸収ブロックを組み合わせた場合の組み合わせ構造が、衝撃荷重を受けたときの応力変化を示す説明図である。図25−1、図25−2は、径方向外側の面積が小さい第1衝撃吸収ブロックと、径方向外側の面積が大きい第1衝撃吸収ブロックとを組み合わせた場合の組み合わせ構造が、衝撃荷重を受けたときの応力変化を示す説明図である。
上述したように、第1衝撃吸収体B1(図7参照)を構成する第1衝撃吸収ブロックは、最も圧縮強度が高い第1の材料で製造される。木材を用いる場合、例えばオーク(樫)を用いる。オークは圧縮強度が高いため、緩衝体が変形して第1衝撃吸収ブロックが潰れる際には、ロックアップを起こしやすい。例えば、図25−1に示す第1衝撃吸収ブロック10Cは、略扇形形状であり、径方向外側Oの面積が径方向内側Iの面積よりも大きい。このような形状の第1衝撃吸収ブロック10Cをオークのような圧縮強度の高い材料で製造して組み合わせた構造では、衝撃荷重Pが加わると、ロックアップにより、第1衝撃吸収ブロック10Cを内の反力Fが、ある歪(εc)から急激に大きくなる。その結果、ロックアップが発生した後は、衝撃荷重を十分に吸収できないおそれがある。
そこで、この第1衝撃吸収ブロックの組み合わせ構造では、オークのような圧縮強度の高い材料で、径方向内側Iの面積が径方向外側Oの面積よりも大きい衝撃吸収ブロックA(以下第1衝撃吸収ブロック10A)を構成する(図24−1、図24−2)。そして、径方向外側Oの面積が径方向内側Iの面積よりも大きい衝撃吸収ブロックB(以下第1衝撃吸収ブロック10B)は、第1衝撃吸収ブロック10Aを構成する材料よりも圧縮強度の低い材料で構成する(図24−1、図24−3)。このとき、第1衝撃吸収ブロック10Aは、例えば、荷重の作用方向と繊維の方向とを略平行にすることにより、荷重の作用方向に対して剛性を高くする。そして、第1衝撃吸収ブロック10Bは、荷重の作用方向と繊維の方向とを略直交させることにより、荷重の作用方向に対して剛性を低く、周方向に対して剛性を高くする。これによって、衝撃荷重Pが第1衝撃吸収ブロック10Aに加わった場合に、第1衝撃吸収ブロック10Aの横倒れ(第1衝撃吸収ブロックの組み合わせ構造の周方向に向かう動き)を抑制できる。なお、第1衝撃吸収ブロック10Aにオークを用いた場合、第1衝撃吸収ブロック10Bには、オーク、米杉、松、トウヒ等の材料を用いる。また、衝撃吸収ブロックB(第1衝撃吸収ブロック10B)の表面には、上記図15−9等に示す切り込み、切り欠きを設けてもよい。
図24−4に示す第1衝撃吸収ブロックの組み合わせ構造では、オークのような圧縮強度の高い材料で、径方向内側Iの面積が径方向外側Oの面積よりも大きい衝撃吸収ブロックA(以下第1衝撃吸収ブロック10A')を構成する(図24−4)。そして、径方向外側Oの面積が径方向内側Iの面積よりも大きい衝撃吸収ブロックB(以下第1衝撃吸収ブロック10B')は、第1衝撃吸収ブロック10A'を構成する材料よりも圧縮強度の低い材料で構成する(図24−4)。そして、第1衝撃吸収体B1(図7参照)の径方向内側Iで、第1衝撃吸収ブロック10A'、10B'同士が所定の面積で接している。このように、材料の硬さと緩衝体の要求性能とによっては、図24−4に示すように、第1衝撃吸収体B1の径方向内側Iで、第1衝撃吸収ブロック10A'、10B'同士が所定の面積で接していてもよい。
このような第1衝撃吸収ブロックの組み合わせ構造に衝撃荷重Pが加わった場合(図25−2参照)、歪εの増加とともに、第1衝撃吸収ブロック10A内の反力Fは緩やかに増加する。また、ロックアップの発生を遅らせることもできる。その結果、衝撃荷重を効果的に吸収することができるので、キャスク1の落下あるいは衝突時においては、確実にキャスク1を保護できる。ここで、この第1衝撃吸収ブロックの組み合わせ構造においては、第1衝撃吸収ブロック10A、10Bに、上記実施例で説明したような木材の繊維を分断する空間や、木材の繊維と平行な溝穴等を設けてもよい。なお、前記空間や前記溝穴等を設けない場合でも、衝撃吸収ブロック内の応力を緩やかに増加させるとともに、ロックアップの発生を遅らせることができるので、衝撃荷重を効果的に吸収することができる。
以上、実施例2によれば、衝撃吸収ブロックにずれ防止部分等を設けることにより、衝撃吸収体同士のずれが抑制できるので、衝撃吸収ブロックを組み立てて、衝撃吸収体を製造する作業が容易になる。また、緩衝体の外板に、組み立てた衝撃吸収体を組み込む作業も容易になる。さらに、衝撃吸収体を構成する衝撃吸収ブロックのずれが抑制されるので、落下あるいは衝突による衝撃が緩衝体に作用したときには、所期の衝撃吸収性能を発揮できる。
以上のように、本発明に係るキャスク用緩衝体は、リサイクル燃料を格納するキャスクの保護に有用であり、特に、安定して衝撃吸収性能を発揮させることに適している。
実施例1に係るキャスクの構成を示す説明図である。 輸送時におけるキャスクの形態を示す斜視図である。 輸送時におけるキャスクの形態を示す斜視図である。 キャスクを列車で輸送する場合の一例を示す説明図である。 キャスクの中心軸の定義を示す説明図である。 キャスクの落下あるいは衝突の形態を示す説明図である。 キャスクの落下あるいは衝突の形態を示す説明図である。 キャスクの落下あるいは衝突の形態を示す説明図である。 実施例1に係る緩衝体の全体正面図である。 実施例1に係る緩衝体の全体側面図である。 実施例1に係る緩衝体の内部構造を示す説明図である。 図6のX−X断面図である。 図7のA−A断面図である。 図7のB−B断面図である。 図7のC−C矢視図である。 取り付け穴の拡大断面図である。 取り付け穴の他の構成を示す拡大断面図である。 木材を重ね合わせて構成した第1衝撃吸収ブロックの一例を示す説明図である。 木材を重ね合わせて構成した第2衝撃吸収ブロックの一例を示す説明図である。 木材における応力−ひずみの関係の一例を示す応力−ひずみ線図である。 衝撃吸収ブロックに対する穴の設け方の一例を示す説明図である。 衝撃吸収ブロックに対する穴の設け方の一例を示す説明図である。 衝撃吸収ブロックに設ける空間として、穴を設ける例を示す説明図である。 衝撃吸収ブロックに設ける空間として、穴を設ける例を示す説明図である。 衝撃吸収ブロックに設ける空間として、穴を設ける例を示す説明図である。 衝撃吸収ブロックに設ける空間として、穴を設ける例を示す説明図である。 衝撃吸収ブロックに設ける空間として、穴を設ける例を示す説明図である。 衝撃吸収ブロックに設ける空間として、穴を設ける例を示す説明図である。 衝撃吸収ブロックに設ける空間として、穴を設ける例を示す説明図である。 衝撃吸収ブロックに設ける空間として、穴を設ける例を示す説明図である。 衝撃吸収ブロックに設ける空間として、切り込みを設ける例を示す説明図である。 衝撃吸収ブロックに設ける空間として、切り込みを設ける例を示す説明図である。 衝撃吸収ブロックに設ける空間として、くさび状の切り欠きを設ける例を示す説明図である。 衝撃吸収ブロックに設ける空間として、くさび状の切り欠きを設ける例を示す説明図である。 異なる形状を組み合わせて第1衝撃吸収ブロック空間を設けた例を示す説明図である。 異なる形状を組み合わせて第1衝撃吸収ブロック空間を設けた例を示す説明図である。 異なる形状を組み合わせて第1衝撃吸収ブロック空間を設けた例を示す説明図である。 異なる形状を組み合わせて第1衝撃吸収ブロック空間を設けた例を示す説明図である。 異なる形状を組み合わせて第1衝撃吸収ブロック空間を設けた例を示す説明図である。 衝撃荷重の入力方向に向かって、第1衝撃吸収ブロックに設ける穴の種類や数、あるいは面積を変化させる例を示す説明図である。 衝撃荷重の入力方向に向かって、第1衝撃吸収ブロックに設ける穴の種類や数、あるいは面積を変化させる例を示す説明図である。 衝撃荷重の入力方向に向かって、第1衝撃吸収ブロックに設ける穴の種類や数、あるいは面積を変化させる例を示す説明図である。 木目に平行に溝穴を設けた第1衝撃吸収ブロックの一例を示す説明図である。 木目に平行に溝穴を設けた第1衝撃吸収ブロックの一例を示す説明図である。 ずれ防止部材を用いて第1衝撃吸収ブロックを組み合わせる例を示す説明図である。 ずれ防止部材を用いて第1衝撃吸収ブロックを組み合わせる他の例を示す説明図である。 図17−1のE−E断面図である。 図17−1の他のE−E断面を示す断面図である。 第1衝撃吸収ブロック自体にずれ防止部分を形成して組み合わせる例を示す説明図である。 第1衝撃吸収ブロック自体にずれ防止部分を形成して組み合わせる例を示す説明図である。 第1衝撃吸収ブロック自体にずれ防止部分を形成して組み合わせる例を示す説明図である。 第1衝撃吸収ブロック自体にずれ防止部分を形成して組み合わせる他の例を示す説明図である。 第1衝撃吸収ブロック自体にずれ防止部分を形成して組み合わせる他の例を示す説明図である。 第1衝撃吸収ブロック自体にずれ防止部分を形成して組み合わせる他の例を示す説明図である。 第1衝撃吸収ブロック自体にずれ防止部分を形成して組み合わせる他の例を示す説明図である。 第1衝撃吸収ブロック自体にずれ防止部分を形成して組み合わせる他の例を示す説明図である。 固定部材を用いて第1衝撃吸収ブロックを組み合わせる他の例を示す説明図である。 ブロック締結手段を用いるブロック組み合わせ構造を示す説明図である。 ブロック締結手段を用いるブロック組み合わせ構造を示す説明図である。 ブロック拘束手段を用いるブロック組み合わせ構造を示す説明図である。 図23−1のF−F断面図である。 他の例に係る図23−1のF−F断面を示す断面図である。 第1衝撃吸収ブロックの組み合わせ構造例を示す説明図である。 第1衝撃吸収ブロックの組み合わせ構造例を示す説明図である。 第1衝撃吸収ブロックの組み合わせ構造例を示す説明図である。 第1衝撃吸収ブロックの組み合わせ構造例を示す説明図である。 径方向外側の面積が大きい第1衝撃吸収ブロックを組み合わせた場合の組み合わせ構造が、衝撃荷重を受けたときの応力変化を示す説明図である。 径方向外側の面積が小さい第1衝撃吸収ブロックと、径方向外側の面積が大きい第1衝撃吸収ブロックとを組み合わせた場合の組み合わせ構造が、衝撃荷重を受けたときの応力変化を示す説明図である。
符号の説明
1 キャスク
1t 端部
1tp 端面
1b 胴本体
4tp 二次蓋端面(まれに三次蓋端面)
6w 外板
6 緩衝体
6o 開口部
7 取り付け穴
10p 単板
10h1 板材
10s 板片
10、10a、10b、10c、10d、10e、10f、10g、10h、10i、10j、10k、10k'、10l、10m、10n、10o、10p、10q、10r、10s(10s1、10s2)、10t、10x、10y、10z、10A、10B 第1衝撃吸収ブロック
11 第2衝撃吸収ブロック
12 第3衝撃吸収ブロック
13 第4衝撃吸収ブロック
14 第5衝撃吸収ブロック
15 第6衝撃吸収ブロック
16 第7衝撃吸収ブロック
17 第8衝撃吸収ブロック
20、22、23 穴
21 底付穴
24 角部を有する穴
25 切り込み
26 溝
27 溝穴
B1 第1衝撃吸収体
B2 第2衝撃吸収体
B3 第3衝撃吸収体
B4 第4衝撃吸収体
B5 第5衝撃吸収体
B6 第6衝撃吸収体
B7 第7衝撃吸収体
B8 第8衝撃吸収体

Claims (3)

  1. リサイクル燃料を格納するキャスクに取り付けられ、変形することにより前記キャスクに対する衝撃を吸収する衝撃吸収体を備えるキャスク用緩衝体であり、
    前記衝撃吸収体は、
    木材の衝撃吸収ブロックが環状に組み合わされて構成されるとともに、前記衝撃吸収ブロックには、衝撃吸収特性を調整するための空間が設けられ、
    さらに、複数の前記衝撃吸収ブロックを貫通する貫通孔を設け、前記貫通孔に締結手段であるボルトを挿入して、複数の前記衝撃吸収ブロックを固定することを特徴とするキャスク用緩衝体。
  2. リサイクル燃料を格納するキャスクに取り付けられ、変形することにより前記キャスクに対する衝撃を吸収する衝撃吸収体を備えるキャスク用緩衝体であり、
    前記衝撃吸収体は、
    木材の繊維の方向が衝撃の入力方向と平行になるように木材の衝撃吸収ブロックが組み合わされて、前記キャスクの端面と平行方向の衝撃を吸収するとともに、第1の材料で構成される第1の衝撃吸収体群と、
    前記第1の材料よりも圧縮強度が低く、前記キャスクの端面に直交する方向、又は斜め方向の衝撃を吸収する第2の材料で構成される第2の衝撃吸収体群と、
    前記第2の材料よりも圧縮強度が低く、前記キャスクの端面に直交する方向の衝撃を吸収する第3の材料で構成される第3の衝撃吸収体群と、
    で構成されるとともに、少なくとも前記第1の衝撃吸収体群には、衝撃吸収特性を調整するための空間が設けられ、
    さらに、前記第1の衝撃吸収体群を構成する複数の前記衝撃吸収ブロックを貫通する貫通孔を設け、前記貫通孔に締結手段を挿入して、複数の前記衝撃吸収ブロックを固定することを特徴とするキャスク用緩衝体。
  3. 前記締結手段は、途中で曲がる構造であることを特徴とする請求項1又は2に記載のキャスク用緩衝体。
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