JP2006090705A - キャスク用緩衝体 - Google Patents

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Abstract

【課題】
使用済燃料輸送貯蔵用のキャスクの衝撃緩衝体の落下時の衝撃加速度の緩和と変形量の抑制。
【解決手段】
衝撃緩衝体は、内部に木材もしくは木質ボードを充填し、外殻で囲んで構成される。水平落下荷重,垂直落下荷重,コーナー落下荷重それぞれに対応する端周囲部,中央部と中部,周囲角部を配置する。木材の材料特性に合わせて繊維方向を水平落下荷重用木材では半径水平方向,垂直落下およびコーナー落下荷重用木材では軸(垂直)方向とする。中部を円柱方向に2分割し、互いの比重の比率が4:3となるように材料を配する。
【選択図】図2

Description

本発明は、核燃料等を輸送もしくは貯蔵するキャスクを保護するキャスク用衝撃緩衝体に関する。
一般に、使用済み核燃料は、原子力発電所内に設けられた冷却プールで、放射線量が一定レベル以下に低下するまで保管されたのち、遮蔽機能及び密封機能を有する燃料輸送貯蔵キャスクに収められ、燃料処理施設まで輸送されるか、中間貯蔵施設まで輸送した後、キャスクに収納された状態で貯蔵される。
輸送時および取扱時の万一の事故に備え、キャスクは9m上方からの落下に対しても、所定の遮蔽機能と密封機能とを有することが義務づけられている。そこで、輸送時および取扱時には、通常、キャスクの上下端にキャスク用緩衝体を取付け、万一の落下時の衝撃を十分に緩和させる。
キャスク用緩衝体は、キャスクとの寸法の取合いから、いろいろな落下姿勢に対してキャスクの一部が着床するのを防ぐために、落下姿勢毎に許容変形量がある。そして、9m上方からの落下に対して許容変形量内で衝撃を吸収するために、落下姿勢に対応して変形する領域毎に所定の圧縮応力以上を発生する材料を緩衝材として配置している。
また、キャスクの燃料収納効率を高めるには、強度設計上、許容変形量内で落下時の加速度を極力抑えることができるキャスク用緩衝体が要求される。これに対応する緩衝材には、圧縮応力が収縮初期から終了まで一定値を示すものが望ましい。圧縮時にこのような特性を示すものとして、周囲を拘束した木材の繊維方向圧縮や金属パイプの軸方向圧縮,ハニカム構造材のセル角筒軸方向圧縮等、材料の座屈現象を利用したものが知られている。これらの中で、現在までのキャスク用緩衝体に最も適用例が多いのが木材である。
従来のキャスク用緩衝体は、特許文献1に開示されているように、キャスク本体の両端にキャスク用緩衝体を外装し、キャスクの軸方向に衝撃吸収能力が高い第1の材料を、キャスク直径を超えない範囲で、円盤状に配置し、その外側にキャスクの軸方向に衝撃吸収能力が高い第2の材料を円筒状に配置し、キャスクの軸に対して垂直な方向に衝撃吸収能力が高い第3の材料を円筒状に配置している。
また、第2の円筒状の材料をキャスクの軸方向に対して垂直な方向に衝撃吸収能力が高くなるように配置する、あるいは、第2,第3の円筒状の材料をキャスクの軸方向に対して垂直な方向に衝撃吸収能力が高くなるように配置する構造が提案されている。そして、衝撃吸収能力が高い材料として、バルサ材,レッドウッド,米杉,米ヒバ,ポリウレタンフォーム、あるいは発泡スチロールが挙げられている。
また、一般的にキャスク用緩衝体は、緩衝材を金属カバーで密封した構造であるが、金属カバーも衝突初期に座屈変形し、この時に大きな衝撃力のピークが現れる場合がある。これに対し、従来の衝撃緩衝体については、特許文献2に開示されているように、キャスク用緩衝体をひだ付きの緩衝体外装板により外装するものがある。
特開2001−83291号公報 実開平6−47897号公報
キャスク用緩衝体内部の緩衝材の配置については、あらゆる落下姿勢に対して衝撃加速度を低く抑えることができるように配慮されているが、木材もしくは木質ボードを用いた場合、キャスクの使用温度範囲内で強度が大きく変化するため、最低使用温度時の衝撃加速度が大きくなってしまい、キャスクの耐衝撃設計が厳しくなってしまう。
また、キャスク用緩衝体の固定方法として、キャスクの円柱方向外側からキャスク用緩衝体を貫通するようにボルトを通してキャスクに固定する場合、ボルトを通す貫通パイプをキャスク用緩衝体に備えることになるが、落下時の貫通パイプの座屈荷重により、衝撃加速度に大きなピークが現れ、キャスクの耐衝撃構造を強化しなければならなくなる場合がある。
本発明の目的は、温度変動によるキャスク用緩衝体の性能の変動を低く抑えることが可能なキャスク用緩衝体を提供することにある。
さらに本発明の他の目的は、貫通パイプの座屈荷重に起因する衝撃加速度のピークを低減することが可能なキャスク用緩衝体を提供することにある。
本発明の一実施態様であるキャスク用緩衝体は、略円柱形状であってその端部に前記略円柱形状の半径よりも小さい半径の突出部分を有するキャスクを保護するものであり、突出部分の周囲部と端面部とに形成され、略円柱形状の半径よりも大きい半径を有し、外殻が金属からなり、内部が緩衝材で充填され、突出部分の端面部に形成される緩衝材の少なくとも一部が、突出部分の軸方向に硬度の異なる二種類以上の緩衝材で形成されることを特徴とする。
また、突出部分の端面部に形成される緩衝材が、突出部分の軸中心から外側方向に向かって、第1部分(中央部),第2部分(中部),第3部分(周囲角部)に分割されていることが好ましい。
更に、第2部分(中部)の内側端部が、突出部分の軸中心から外側方向に向かって、その半径距離より外側にある場合、又は、その半径距離より内側にある場合がある。
そして、緩衝材が、木材又は木質ボードで形成されることが好ましい。
なお、第2部分(中部)の緩衝材が木材又は木質ボードで形成され、その木目が突出部分の軸方向に対して、略平行になるようにして配設されてもよい。
更に、第2部分(中部)の緩衝材が、突出部分の軸方向に対して垂直方向に、比重が互いに異なる二種類以上に分割されていることが好ましい。
突出部分の端面部に形成される緩衝材が、突出部分の軸方向に硬度の異なる二種類の木材又は木質ボードからなる緩衝材で形成され、緩衝材の比重の比率が、1.2倍〜1.6倍となっていること、緩衝材の降伏後の平均的な圧潰応力の比率が、1.2倍〜1.6倍となっていることが好ましい。
また、本発明の別の実施態様であるキャスク用緩衝体は、略円柱形状であってその端部に前記略円柱形状の半径よりも小さい半径の突出部分を有するキャスクを保護するものであって、突出部分の周囲部と端面部とに形成され、外殻が金属からなり、内部が緩衝材で充填され、突出部分の端面部に形成される緩衝材が、突出部分の軸中心から外側方向に向かって、第1部分(中央部),第2部分(中部),第3部分(周囲角部)に分割され、第2部分(中部)が突出部分の軸方向に硬度の異なる二種類以上の緩衝材で形成される。
また、本発明の別の実施態様であるキャスク用緩衝体は、キャスクを固定するボルトが形成されるための突出部分の軸方向に略平行に形成された貫通パイプを有し、貫通パイプの少なくとも一部が蛇腹構造であることを特徴とする。
本発明によれば、温度変動によるキャスク用緩衝体の性能の変動を低く抑えることが可能なキャスク用緩衝体を提供することができる。
さらに、貫通パイプの座屈荷重に起因する衝撃加速度のピークを低減することが可能なキャスク用緩衝体を提供することができる。
本発明の実施例を、図面を用いて説明する。
燃料輸送貯蔵のためのキャスクに適用される本発明の一実施例であるキャスク用緩衝体を図1,図2,図3を用いて説明する。
燃料輸送貯蔵のためのキャスク1は、略円柱形状をなし、原子力発電所で使用済みの燃料集合体8を内部に収納して輸送し、中間貯蔵施設で保管し、所定の期間保存後、再処理施設へ輸送するための機器である。
キャスク1は基本的には、内筒2,内筒2の内部に収納される使用済みの燃料集合体8を入れるバスケットとそれを支持するサポートシリンダ(いずれも図示せず)、内筒2の上部に取付けられる鉄等からなる一次蓋3,二次蓋4(一次蓋と二次蓋とを内筒に固定するボルトは省略。この部分が略円柱形状の半径よりも小さい半径の突出部分を形成。)、内筒2の外側に設けたレジン等からなる中性子遮蔽材5,中性子遮蔽材5を囲む鉄等からなる外筒6,キャスク1の吊り上げおよび固定用のトラニオン7で構成される。
キャスク1の軸方向両端には、下部の衝撃緩衝体9と上部の衝撃緩衝体10をボルトで固定する。
衝撃緩衝体9,10は、キャスク用緩衝体と呼称され、断面がコの字の軸対称形状である。突出部分の周囲部と端面部とを覆うように、略円柱形状の半径よりも大きい半径を有することになる。
そして、外殻21は金属、例えばステンレス鋼が、内部は緩衝材で充填され、例えば木材もしくは木質ボードが使用される。
下部の衝撃緩衝体9,上部の衝撃緩衝体10は、いずれも中央に内筒2の外径に合わせた窪み部20を形成しており、この窪み部20に内筒2を嵌めることによって、内筒下端部の側面および内筒上端部の側面を覆っている。
ここで、衝撃緩衝体9,10の平面形状及び断面形状を図4及び図5に示す。
外殻21は、断面がコの字形であって、軸対称形状のほぼ円筒形状である。その内側には円筒型のリブ22が溶接で取付けられており、リブ22と外殻(外装体)21との間には半径方向のリブ23が、周方向を8分割するかたちで放射状に溶接により取付けられている。
衝撃緩衝体9,10における内部の木材配置を、図2を用いて説明する。
下部の衝撃緩衝体9と上部の衝撃緩衝体10とは、各部の寸法は若干異なるものの、外形,内部のリブ構造、後述する充填木材の種類・配置・配向は同一である。衝撃緩衝体の役割は、キャスク落下衝突時の衝撃加速度を低減し、キャスク1の構造強度健全性および蓋部の密封を維持することにある。
衝撃緩衝体の剛性を軟らかくすれば衝撃加速度を小さくできるが、軟らかくしすぎると衝撃緩衝体でエネルギーを吸収しきれずに、キャスク1が地面等に衝突してしまうため、限られた緩衝体変形量内で衝撃加速度の増加を抑えて効率良くエネルギーを吸収することが要求される。
木材の一種としての木質ボードは、木材粉をボード状に固形化したものとして市販されており、ボードの板面と平行方向に木材と同様に木目があるものとして取扱うことができる。以下、木材を例にとって木材配置について説明する。
まず、木材配置としては、キャスクの落下姿勢に応じて木材を配置する必要がある。本実施例では、外殻21の内部は4領域に分けてある。
4領域は、キャスク1の端面部側において窪み部20と半径を合わせて面している中央部14(第1部分)、その外側の中部12(第2部分)、および最外周の周囲角部13
(第3部分)の3領域、並びにキャスク1の端部側面側において窪み部20に面し、かつキャスク1の円柱方向において周囲角部13,中部12、および中央部14に接する端周囲部11の1領域からなる。
なお、突出部分の端面部に形成される緩衝材は、本実施例では、3領域を示す。
また、リブ22は中央部14の内部に配置され外殻21に固着されている。
木材は、木材の木目である木材繊維方向が端面部に対して中央断面で中央部14では、矢印で示すように、水平方向になるようにして、中部12では垂直方向になるようにして、周囲角部13では水平方向になるようにして、かつ端周囲部11では水平方向になるようにして配設される。
このような構造において、水平落下に対しては端周囲部11が対応する。したがって、端周囲部11の木材の比重および円柱方向の厚みを調節することにより、水平落下衝突時にキャスク1が衝突しない条件で衝撃加速度を極力抑えた設計が可能となる。
垂直落下に対しては基本的には中部12が対応し、補助的に中央部14および周囲角部13が荷重を分担する。
コーナー落下に対しては基本的には中部12と周囲角部13が対応し、補助的に中央部14の一部が荷重を分担する。したがって、中部12の木材の比重および円柱方向の断面積を調節することにより、垂直およびコーナー落下衝突時にキャスク1が衝突しない条件で衝撃加速度を極力抑えた設計が可能となる。
さらに、中部12は、円柱方向に中部(A)12Aと中部(B)12Bとに、2分割され、上下の木材の比重が4:3となっている。この中部12の構造が本実施例の特徴の一つである。つまり、この実施例では中部12について示しているが、突出部分の軸方向に硬度の異なる二種類以上の緩衝材で形成されることを示している。
なお、緩衝材の降伏後の平均的な圧潰応力の比率は1.2倍〜1.6倍となる。
なお、中部(A)と中部(B)との位置関係は逆でもよい。木材は、含水率が6〜10%となるように調整されている。
中部12のように分割された材料を圧縮した時の応力の変化を、図6を用いて説明する。図6は、木材を繊維方向に圧縮した時の応力とひずみとの関係を示した模式図である。
図6(A)は、単一の木材を圧縮した場合であり、圧縮開始後まもなく降伏し、その後木材組織の空隙を埋めるように比較的平坦な塑性応力を示しながら収縮し、最終的に木材組織の空隙が埋まりきるとボトミングアップと呼ばれる急激な応力増加を示す。
図6(B)は、図2の中部12のように比重の異なる2つの木材を直列に並べて圧縮した場合であり、圧縮開始後まもなく比重の低い木材Bが降伏し、木材Bが塑性変形を開始する。木材Aは降伏応力に達していないので収縮することがなく、しばらく木材Bが選択的に収縮する。やがて木材Bが、ボトミングアップを起こすと応力が増加し、木材Aが降伏応力に達して塑性変形を開始し、最終的に木材Aがボトミングアップを起こす。結果として、比重の異なる木材を直列に並べた場合には、比重の低い方から順に塑性変形とボトミングアップを生じていく階段状の応力とひずみ関係を示す。
また、垂直およびコーナー落下時の衝撃加速度と緩衝体変形量との関係を図3に示す。図3(A)は垂直落下時であり、図3(B)はコーナー落下時である。
図中には、緩衝体に想定される最低温度−25℃と最高温度70℃とにおける衝撃加速度と緩衝体変形量との関係が示されている。
木材は、温度増加に伴い強度が線形的に減少する性質を有し、含水率6〜10%の木材の場合、−25℃と70℃とで、木材の強度の比率は概して2:1程度の開きがある。したがって、衝撃加速度は最も硬化する最低温度時が高くなり、緩衝体変形量は最も軟化する最高温度時が大きくなる。比較のため、中部12がすべて低比重側の中部(B)単一である場合の衝撃加速度と緩衝体変形量との関係もあわせて示す。中部分割の場合も中部単一の場合も、最高温度時の緩衝体変形量が、キャスク1が衝突しない範囲内で中部12の断面積を極力小さくし、最高温度時の衝撃加速度を抑えた設計がなされている。
垂直落下時には初期から緩衝体の端面全面が収縮するので、加速度が急激に立ち上がるのに対し、コーナー落下時には緩衝体の隅から徐々に収縮面が大きくなっていくので、加速度が次第に上昇していく。そして、衝撃加速度は垂直落下時の方がコーナー落下時より大きい。
図3(A)から最低温度時の衝撃加速度は中部分割の方が低く抑えられている。これは、中部12の断面積が分割の方が小さいためであり、分割の方は中部(A)の降伏前に変形終了している。
一方、最高温度時の変形量は分割と単一とでほとんど差がない。これは、分割は、最初は衝撃加速度が低くエネルギーの吸収度合いが単一より遅れるが、図6で説明したように、変形後半過ぎから中部(A)が収縮を開始するのでそれ以降衝撃加速度が単一より大きくなり、それまでのエネルギー吸収の遅れを挽回するからである。
図3(B)からコーナー落下時の最高温度時の変形量も、分割は前半衝撃加速度が低いが中部(A)が収縮開始すると単一より衝撃加速度が大きくなり、結果的に分割と単一とで、緩衝体変形量はほぼ同じになっている。
以上から、本発明の中部12を分割した場合の方が、最も加速度が高くなる最低温度時の垂直落下時の衝撃加速度を低く抑えられるので、キャスク1の構造強度設計および蓋部の密封設計をより合理化することが可能となる。
図2で、衝撃緩衝体9,10は、円柱方向外側から貫通パイプ30内にボルト31を通し、キャスク1端面にボルト固定される。貫通パイプ30は、ステンレス製であり蛇腹構造をしている。また、この貫通パイプの蛇腹構造が本実施例の特徴の一つである。
本構造によって、垂直落下およびコーナー落下時の貫通パイプ30の座屈荷重が低くなり、特に垂直落下時の初期に現れる貫通パイプの座屈荷重に起因する衝撃加速度のピークが低減されるので、木材と外殻21や貫通パイプ30等との金属部分の収縮荷重の合計で決まるキャスク1に加わる衝撃加速度の最大値を低くすることができ、キャスク1の構造強度設計および蓋部の密封設計をより合理化することが可能となる。
図7のように、中部12の内径が、窪み部20の下に入り込んでも本実施例と同様の衝撃加速度の低減効果を得ることができる。特に、内径をリブ22まで入り込ませた配置にした場合、緩衝体製作時の木材充填作業において、中部12とリブ22との間の環状領域の充填作業が省略できるので、作業工数を少なくできる利点がある。つまり、中部12の内側端部が、突出部分の軸中心から外側方向に向かって、その半径距離より内側にあることを示す。なお、中部12の内側端部が、突出部分の軸中心から外側方向に向かって、その半径距離と同等又は外側にあってもよい。
図8のように、中部12の一部に木材繊維方向が垂直方向ではないポケット領域16を設けても、本実施例と同様の衝撃加速度の低減効果を得ることができる。この場合、ポケット領域16は垂直方向の圧縮応力が低いので、垂直落下時に初期に選択的に収縮し、衝撃加速度の急上昇を抑えることになる。
したがって、落下エネルギーが充分小さいケースにおいては衝撃加速度を小さく抑えることが可能となるので、衝突後のキャスク1の取り扱いをより合理的にすることが可能となる。
図9のように、中央部14や、周囲角部13も2分割し、上下の木材の比重が4:3となるようにしても、本実施例と同様の効果を得ることができる。この場合、最高温度時における緩衝体変形後半の衝撃加速度の上昇量が若干増加するので、その分だけエネルギー吸収速度が速くなるので、中部12の断面積をより小さくでき、最低温度時の衝撃加速度をより小さくすることが可能となる。
なお、中央部14と周囲角部13のどちらかのみを2分割してもよい。
キャスク用緩衝体に限らず、衝撃吸収方向に対して直列に強度の異なる材料を組み合わせることで、使用環境温度の変化に対する衝撃吸収性能の変動幅を狭くすることが可能となる。本発明の思想は、産業上広い適用性を持っている。
本発明の実施例である衝撃緩衝体を取付けたキャスクの概略構造図。 本発明の実施例である衝撃緩衝体の構造図。 垂直およびコーナー落下時の衝撃加速度と緩衝体変形量の関係を示す特性図。 衝撃緩衝体の外殻と内部に設けるリブの配置を示す水平断面図。 衝撃緩衝体の外殻と内部に設けるリブの配置を示す垂直断面図。 木材の繊維方向に高速圧縮変形させた時の応力とひずみとの関係を示す特性図。 他の実施例の衝撃緩衝体の構造図。 他の実施例の衝撃緩衝体の構造図。 他の実施例の衝撃緩衝体の構造図。
符号の説明
1…キャスク、2…内筒、3…一次蓋、4…二次蓋、5…中性子遮蔽体、6…外筒、7…トラニオン、8…使用済の燃料集合体、9…下部の衝撃緩衝体、10…上部の衝撃緩衝体、11…端周囲部(領域)、12…中部(領域)、13…周囲角部(領域)、14…中央部(領域)、16…ポケット領域、20…窪み部、21…外殻、22…円筒状リブ、
23…放射状リブ、30…貫通パイプ、31…固定ボルト。


Claims (12)

  1. 略円柱形状であってその端部に前記略円柱形状の半径よりも小さい半径の突出部分を有するキャスクを保護するキャスク用緩衝体において、
    前記突出部分の周囲部と端面部とに形成され、前記略円柱形状の半径よりも大きい半径を有し、
    外殻が金属からなり、内部が緩衝材で充填され、
    前記突出部分の端面部に形成される前記緩衝材の少なくとも一部が、前記突出部分の軸方向に硬度の異なる二種類以上の緩衝材で形成されることを特徴とするキャスク用緩衝体。
  2. 請求項1記載のキャスク用緩衝体において、前記突出部分の端面部に形成される前記緩衝材が、前記突出部分の軸中心から外側方向に向かって、第1部分(中央部),第2部分(中部),第3部分(周囲角部)に分割されていることを特徴とするキャスク用緩衝体。
  3. 請求項2記載のキャスク用緩衝体において、前記第2部分(中部)の内周側面が、前記突出部分の軸中心から外側方向に向かって、その半径距離より外側にあることを特徴とするキャスク用緩衝体。
  4. 請求項2記載のキャスク用緩衝体において、前記第2部分(中部)の内周側面が、前記突出部分の軸中心から外側方向に向かって、その半径距離より内側にあることを特徴とするキャスク用緩衝体。
  5. 請求項1記載のキャスク用緩衝体において、前記緩衝材が、木材又は木質ボードで形成されることを特徴とするキャスク用緩衝体。
  6. 請求項2記載のキャスク用緩衝体において、前記第2部分(中部)の緩衝材が木材又は木質ボードで形成され、その木目が前記突出部分の軸方向に対して、略平行になるようにして配設されることを特徴とするキャスク用緩衝体。
  7. 請求項6記載のキャスク用緩衝体において、前記第2部分(中部)の緩衝材が、前記突出部分が軸方向に対して直列に分割され、比重が互いに異なる二種類以上に分割されていることを特徴とするキャスク用緩衝体。
  8. 請求項1記載のキャスク用緩衝体において、前記緩衝材が4領域から構成されることを特徴とするキャスク用緩衝体。
  9. 請求項1記載のキャスク用緩衝体において、前記突出部分の端面部に形成される前記緩衝材が、前記突出部分の軸方向に硬度の異なる二種類の木材又は木質ボードからなる緩衝材で形成され、前記緩衝材の比重の比率が1.2倍〜1.6倍となっていることを特徴とするキャスク用緩衝体。
  10. 請求項1記載のキャスク用緩衝体において、前記突出部分の端面部に形成される前記緩衝材が、前記突出部分の軸方向に硬度の異なる二種類の木材又は木質ボードからなる緩衝材で形成され、前記緩衝材の降伏後の平均的な圧潰応力の比率が1.2倍〜1.6倍となっていることを特徴とするキャスク用緩衝体。
  11. 略円柱形状であってその端部に前記略円柱形状の半径よりも小さい半径の突出部分を有するキャスクを保護するキャスク用緩衝体において、
    前記突出部分の周囲部と端面部とに形成され、
    外殻が金属からなり、内部が緩衝材で充填され、
    前記突出部分の端面部に形成される前記緩衝材が、前記突出部分の軸中心から外側方向に向かって、第1部分(中央部),第2部分(中部),第3部分(周囲角部)に分割され、
    前記第2部分(中部)が、前記突出部分の軸方向に硬度の異なる二種類以上の緩衝材で形成されることを特徴とするキャスク用緩衝体。
  12. 略円柱形状であってその端部に前記略円柱形状の半径よりも小さい半径の突出部分を有するキャスクを保護するキャスク用緩衝体において、
    前記キャスクを固定するボルトが形成されるための前記突出部分の軸方向に略平行に形成された貫通パイプを有し、前記貫通パイプの少なくとも一部が蛇腹構造であることを特徴とするキャスク用緩衝体。

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