JP6180123B2 - キャスク、およびキャスク用衝撃吸収体 - Google Patents
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Description
E2=δσA
E1=E2より、
F=σA=mgh/δ ・・・式(1)
F:キャスクに生じる衝撃力[N]
m:キャスクの質量[kg]
A:衝撃力の受圧面積(衝撃吸収体の受圧面積)[m2]
σ:木材の圧縮応力[N/m2]
δ:木材の変形量[m]
h:落下距離[m]
g:重力加速度[m/s2]
α:キャスクに生じる衝撃加速度[m/s2]
図1および図3を参照しつつ、主衝撃吸収体5、補助衝撃吸収体7およびその周辺の構成について説明する。なお、主衝撃吸収体5、補助衝撃吸収体7の材料は、例示として木材としている。
主衝撃吸収体5の内側には補助衝撃吸収体7が配置されている。補助衝撃吸収体7は中実の柱形状とされている。なお、筒形状の補助衝撃吸収体7としてもよい。
なお、補助衝撃吸収体7の断面積を、主衝撃吸収体5の断面積よりもどの程度小さくするのかは、適宜、設計により決定される。ポイントは、主衝撃吸収体5と補助衝撃吸収体7とが同じ材質である場合に、補助衝撃吸収体7の断面積が主衝撃吸収体5の断面積よりも小さくされていることである。
主衝撃吸収体5および補助衝撃吸収体7は、金属製のカバープレート10で覆われている。カバープレート10は、主衝撃吸収体5および補助衝撃吸収体7をまとめて覆うカバープレート19と、主衝撃吸収体5の内周面を覆う筒形状のカバープレート20と、補助衝撃吸収体7の外周面を覆う筒形状のカバープレート21と、金属製プレート22、23とで構成されている。これら部材の材質は例えば炭素鋼或いはステンレス鋼である。
キャスク本体1の開口を閉止する蓋体は、相互に重ねられる円形の複数の蓋体で構成される。本実施形態では、一次蓋2、二次蓋3、および三次蓋4で構成されている。各蓋体(2、3、4)は、それぞれ、ボルト16、17、18でキャスク本体1に固定される。各蓋体(2、3、4)は、金属製である。なお、蓋体の枚数は、3枚に限定されるものではない。
補助衝撃吸収体7がある場合とない場合とで頭部垂直落下時の解析を行い、蓋の構造強度に与える影響を比較検討した。
<解析条件>
キャスクの形状:図1〜図3に示したとおり
主衝撃吸収体5の内径:約φ1600mm
主衝撃吸収体5の外径:約φ3500mm
主衝撃吸収体5の軸方向長さ(最長部):約1000mm
補助衝撃吸収体7の外径:約300mm
衝撃吸収体(5、7)の材質:レッドウッド
カバープレート10の材質:ステンレス鋼
内部収納物による遅れ落下の衝撃加速度:約200G
キャスク総重量:約132トン
本発明によると、主衝撃吸収体5よりも潰れやすい柱形状または筒形状の補助衝撃吸収体7を、主衝撃吸収体5の内側であって蓋体(例えば三次蓋4)の上面に取り付けることで、当該補助衝撃吸収体7により、頭部垂直落下の際の衝撃加速度を著しく大きくすることなく、内部収納物による遅れ落下衝撃に起因する反力を支持することができる。これにより、従来よりも蓋の曲げ変形を抑制することができ、衝撃により蓋に生じる曲げ応力を小さくすることができる。
図5を参照しつつ、補助衝撃吸収体7部分の変形例について説明する。なお、図5においては、図1〜3に示した部材と同様の部材については同一の符号を付している(図6においても同様)。
2:一次蓋
3:二次蓋
4:三次蓋
5:主衝撃吸収体
6:衝撃吸収体
7:補助衝撃吸収体
8:トラニオン
9:バスケット
10:カバープレート
100:キャスク
Claims (10)
- 放射性物質を収容する有底円筒形状のキャスク本体と、
前記キャスク本体の上端部に設けられた開口を閉止する蓋体と、
前記キャスク本体の上端部の周囲に取り付けられる環形状の主衝撃吸収体と、
前記主衝撃吸収体の内側であって前記蓋体の上面に取り付けられる、前記主衝撃吸収体よりも潰れやすい柱形状または筒形状の補助衝撃吸収体と、
を備え、
前記補助衝撃吸収体は、キャスクがその頭部から垂直落下した際に、前記主衝撃吸収体とともに床面と衝突する高さ寸法とされており、
前記補助衝撃吸収体の先端部が面取りされている、キャスク。 - 請求項1に記載のキャスクにおいて、
前記主衝撃吸収体と前記補助衝撃吸収体とは同じ材質であって、
前記主衝撃吸収体の軸方向と前記補助衝撃吸収体の軸方向とは同じ向きとされ、
前記補助衝撃吸収体の前記軸方向に直交する断面の面積が、前記主衝撃吸収体の前記軸方向に直交する断面の面積よりも小さくされていることで、前記補助衝撃吸収体は前記主衝撃吸収体よりも潰れやすくされている、キャスク。 - 請求項1に記載のキャスクにおいて、
前記補助衝撃吸収体の材質が前記主衝撃吸収体の材質よりも圧縮強度が小さい材質とされていることで、前記補助衝撃吸収体は前記主衝撃吸収体よりも潰れやすくされている、キャスク。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のキャスクにおいて、
前記蓋体は、相互に重ねられる複数の蓋体で構成されており、
複数の前記蓋体のうち中性子遮蔽材が収容される蓋体は、キャスクがその頭部から垂直落下した際に、前記キャスク本体側から前記補助衝撃吸収体へ衝撃荷重を伝達させるための衝撃伝達部材を内部に有している、キャスク。 - 請求項1〜4のいずれかに記載のキャスクにおいて、
前記蓋体は、相互に重ねられる複数の蓋体で構成されており、
重ねられた複数の前記蓋体同士の間の少なくとも1つの隙間には、不活性ガスが充填される空間が形成されており、
キャスクがその頭部から垂直落下した際に、前記キャスク本体側から前記補助衝撃吸収体へ衝撃荷重を伝達させるため、前記空間の両側に位置する前記蓋体のうちのいずれか一方の蓋体は、他方の蓋体に向かって凸の形状とされている、キャスク。 - 請求項1〜5のいずれかに記載のキャスクにおいて、
前記補助衝撃吸収体の周囲に、当該補助衝撃吸収体が倒れることを防止する複数の補強部材が設置されており、
複数の前記補強部材は、前記補助衝撃吸収体を中心にして前記補助衝撃吸収体から放射状に延在するように設置されている、キャスク。 - 請求項1〜6のいずれかに記載のキャスクにおいて、
前記主衝撃吸収体および前記補助衝撃吸収体は、カバープレートで覆われており、
前記主衝撃吸収体の先端部は、面取りされており、
前記カバープレートのうち、前記主衝撃吸収体の先端部および前記補助衝撃吸収体の先端部のうちの少なくともいずれか一方の、面取りされた角部を覆う部分は、床面との衝突側から前記キャスク本体側へ向けて湾曲した形状とされており、且つ、前記角部との間に空間を有するように形成されている、キャスク。 - 放射性物質を収容する有底円筒形状のキャスク本体の上端部の周囲に取り付けられる環形状の主衝撃吸収体と、
前記主衝撃吸収体の内側であって、前記キャスク本体の上端部に設けられた開口を閉止する蓋体の上面に取り付けられる、前記主衝撃吸収体よりも潰れやすい柱形状または筒形状の補助衝撃吸収体と、
を備え、
前記補助衝撃吸収体は、キャスクがその頭部から垂直落下した際に、前記主衝撃吸収体とともに床面と衝突する高さ寸法とされており、
前記補助衝撃吸収体の先端部が面取りされている、キャスク用衝撃吸収体。 - 請求項8に記載のキャスク用衝撃吸収体において、
前記補助衝撃吸収体の周囲に設置される、当該補助衝撃吸収体が倒れることを防止する複数の補強部材をさらに備え、
複数の前記補強部材は、前記補助衝撃吸収体を中心にして前記補助衝撃吸収体から放射状に延在するように設置される、キャスク用衝撃吸収体。 - 請求項8または9に記載のキャスク用衝撃吸収体において、
前記主衝撃吸収体および前記補助衝撃吸収体は、カバープレートで覆われており、
前記主衝撃吸収体の先端部は、面取りされており、
前記カバープレートのうち、前記主衝撃吸収体の先端部および前記補助衝撃吸収体の先端部のうちの少なくともいずれか一方の、面取りされた角部を覆う部分は、床面との衝突側から前記キャスク本体側へ向けて湾曲した形状とされており、且つ、前記角部との間に空間を有するように形成されている、キャスク用衝撃吸収体。
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