JP5485186B2 - キャスク用緩衝体 - Google Patents

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Description

本発明は、原子炉の炉心から発生する使用済燃料等の放射性物質を収納するキャスクに用いられるキャスク用緩衝体に関し、特に外殻内に充填される衝撃吸収部材の配列に関するものである。
一般に、使用済燃料は、原子力発電所内に設けられた冷却プールで、放射線量が一定レベル以下に低下するまで保管された後、遮へい機能および密封機能を有するキャスクに収められ、燃料処理施設等まで輸送される。キャスクは重量物であるため、輸送時および取扱い時の万一の落下事故に備え、キャスクの中心軸が垂直になる姿勢で落下する垂直落下(以下、単に垂直落下という)、キャスクの中心軸が水平になる姿勢で落下する水平落下(以下、単に水平落下という)、そしてキャスクの中心軸がある角度をもつ姿勢で落下するコーナー落下(以下、単にコーナー落下という)等の様々な角度での落下に対しても、所定の遮へい機能および密封機能を有することが義務付けられている。
そこで、輸送時および取扱い時には、通常、キャスクの上下端にキャスク用緩衝体を取り付け、万一の落下時の衝撃を十分に緩和させるという対応がとられている。
ところで、キャスク用緩衝体は、キャスクの燃料収納効率を高めるために、強度設計上、許容変形量内で落下時の加速度を極力抑えることが要求される。そのため衝撃を吸収する材料(衝撃吸収部材)には、圧縮応力が収縮の初期から終了まで一定値を示すものが望ましく、木材が最も多く使用されている。
従来のキャスク用緩衝体では、例えば、特許文献1に開示されているように、前記した水平落下による荷重、垂直落下による荷重およびコーナー落下による荷重を分担して吸収する衝撃吸収部材をそれぞれ配置することが提案されている。
このキャスク用緩衝体では、垂直落下による荷重を吸収する衝撃吸収部材が、キャスク端面部に接する内周側領域において強度を有する方向を軸方向に向けて配置され、また、水平落下による荷重を吸収する衝撃吸収部材が、キャスク側面に接する領域において強度を有する方向を半径方向に向けて配置され、さらに、コーナー落下による荷重を吸収する衝撃吸収部材が、キャスク端面部に接する外周側領域において強度を有する方向を半径方向に向けて配置されている。
このようなキャスク用緩衝体によれば、前記したような衝撃吸収部材の配置によって、キャスクの落下時における様々な姿勢の衝撃荷重を適度に吸収することが可能であり、衝撃加速度を低く抑えるとともに、変位量を低く抑えることが可能となっている。
また、特許文献2に開示されたキャスク用緩衝体では、緩衝体の内部が複数の領域に区画されており、一つの領域内において木目方向が同一方向に揃えられ、隣接する領域との関係においては木目方向が異なる方向に揃えられたものが提案されている。
このキャスク用緩衝体によれば、衝撃荷重による木材の変形力を隣接する木材に付勢することで衝撃を広い範囲で受けもち、吸収することができる。
特許第4111037号公報 特許第4410072号公報
ところで、前記した水平落下やコーナー落下等では、衝撃荷重がキャスクの蓋部に集中し易い。蓋部は、密封領域を構成する重要な部位であり、より一層の衝撃荷重の緩和が求められる部位でもある。
蓋部への衝撃荷重の対策として、キャスクに対して緩衝体の領域を大きくしたり、キャスクのフランジ部を厚く形成したりする等の手法が挙げられる。しかしながら、キャスクは、輸送する際の機器の制約上、最大外形寸法が定められており、前記のように緩衝体の領域を大きくしたり、キャスクのフランジ部を厚く形成したりすると、その分、燃料収納領域が減少してしまい、燃料収納効率が低下してしまう。このため、緩衝体の領域を変化させることなく衝撃吸収能力を向上させる手法が必要とされている。
ここで、特許文献1および特許文献2では、あらゆる方向からの衝撃に耐えることを目的として衝撃吸収部材の木目方向や配置を工夫し、キャスク全体への衝撃を緩和することを提案しているが、蓋部への衝撃荷重を緩和する手法は提案されていない。
本発明の目的は、キャスクの蓋部への衝撃荷重を好適に緩和することのできるキャスク用緩衝体を提供することにある。
前記した目的を達成するため、本発明では、略円柱形状をなすキャスクの少なくとも蓋部周りに外装され、外殻と、この外殻の内部に充填された衝撃吸収部材と、を備えてなる有底円筒状のキャスク用緩衝体であって、前記衝撃吸収部材の充填される領域は、少なくとも、前記蓋部の上面を覆う蓋部上面領域と、前記蓋部の外周面を覆う蓋部外周面領域と、に分けられており、前記蓋部外周面領域には、前記衝撃吸収部材として、第1の衝撃吸収部材と、この第1の衝撃吸収部材よりも圧縮強度の高い第2の衝撃吸収部材とが充填されており、前記第1の衝撃吸収部材は、前記蓋部の先端部の外周面を覆うように環状に配置されているとともに、前記第2の衝撃吸収部材は、前記キャスクの径方向外側から前記第1の衝撃吸収部材を覆うように、かつ、前記キャスクの軸方向に沿って前記蓋部上面領域のある側と反対側から前記第1の衝撃吸収部材を覆うように、環状に配置されていることを特徴とする。
この発明によれば、蓋部の先端部の外周面には、環状に配置された第1の衝撃吸収部材が覆うように配置されおり、この第1の衝撃吸収部材に対して、キャスクの径方向外側から覆うように、かつ、キャスクの軸方向に沿って蓋部上面領域のある側と反対側から覆うように第2の衝撃吸収部材が配置されているので、例えば、キャスクの水平落下時やコーナー落下時において、衝撃荷重が入力された直後に、圧潰応力のより小さな第1の衝撃吸収部材が変形し、その変形が大きくなるにつれて、蓋部付近に生じる衝撃荷重を第2の衝撃吸収部材がより多く受け持つようになる。これにより、第1の衝撃吸収部材が受け持つ衝撃荷重が減少して蓋部への衝撃を弱めることができる。つまり、第2の衝撃吸収部材に、より多くの衝撃荷重を受け持たせることができ、キャスクの蓋部の先端部に加わる衝撃荷重を、蓋部の先端部以外の構造材として丈夫である(強度を有する)部分に作用させて、これを緩和(吸収)することができる。
本発明によれば、キャスクの蓋部への衝撃荷重を好適に緩和することのできるキャスク用緩衝体が得られる。
本発明の第1実施形態に係るキャスク用緩衝体をキャスクに装着した状態を示す模式断面図である。 キャスク用緩衝体を示す模式拡大断面図である。 (a)(b)は蓋部外周面領域に充填される衝撃吸収部材の木目の方向を示す模式図である。 (a)(b)は蓋部外周面領域に充填される衝撃吸収部材の変形の様子を示す模式図である。 キャスク用下部緩衝体を示す模式拡大断面図である。 (a)(b)は本発明の第2実施形態に係るキャスク用緩衝体をキャスクに装着した状態を示す模式断面図である。 本発明の第3実施形態に係るキャスク用緩衝体を示す模式断面図である。 変形例のキャスク用緩衝体を示す模式断面図である。
次に、本発明のキャスク用緩衝体を適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態では、放射性物質として原子力発電所から発生する使用済燃料を収納するためのキャスク1について説明するが、使用済燃料の種類を限定する趣旨ではない。また、以下の説明において、「上」「下」は、キャスク1が立てられた状態(蓋部3が上側で胴部2の底部が下側となるようにキャスク1が立てられた状態)を基準とする。
図1に示すように、本実施形態のキャスク用緩衝体10は、略円柱形状をなすキャスク1の上部の蓋部3周りを覆うように外装されるものであり、輸送時および取扱い時の万一の落下事故に備え、垂直落下、水平落下、およびコーナー落下等の様々な角度での落下に対して蓋部3への衝撃荷重を緩和するものである。
なお、キャスク用緩衝体10は、キャスク1の上部に外装した場合を例にとって説明するが、キャスク1の下部に対して外装するものとして用いてもよい。
キャスク1は、略円柱形状をなし、原子力発電所において、使用済燃料集合体9を内部に収納して輸送するための容器である。キャスク1は、基本的に、有底円筒状の胴部2と、この胴部2の上部開口に取り付けられる蓋部3とを備えて構成されている。
胴部2は、使用済燃料集合体9を入れるバスケット(図示せず)が内部に収納される内筒4と、内筒4の外側に設けた中性子遮へい材5、中性子遮へい材5を囲む外筒6、キャスク1の吊上げ用および固定用として用いられるトラニオン7を備えて構成されている。そして、キャスク1の軸方向上側となる上端部にキャスク用緩衝体10が外装され、また、キャスク1の軸方向下側となる下端部にキャスク用下部緩衝体30が外装されるようになっている。
キャスク用緩衝体10およびキャスク用下部緩衝体30は、断面がそれぞれ略コ字形状の有底円筒状を呈しており、内筒4の上端部と下端部の外径に対応したキャスク端面部10a,30a(図2、図5参照)を有して、内筒4の上端部および下端部をそれぞれ覆うように装着される。なお、キャスク用緩衝体10およびキャスク用下部緩衝体30は、図示しないボルト等でキャスク1の上端部および下端部に対して固定される。
はじめに、キャスク用緩衝体10について説明し、後にキャスク用下部緩衝体30について説明する。
キャスク用緩衝体10は、図2に示すように、外殻11,12と、この外殻11,12の内部に充填された衝撃吸収部材20とを備えており、図1に示すように、キャスク1の蓋部3の上面3a、および蓋部3の先端部の外周面3b(蓋部3の先端部の外周面)を含むキャスク1の上端外周面を保護する。
図2に示した外殻11,12は、屋外で使用されることを考慮して耐食性のあるステンレス鋼や塗装した炭素鋼等の金属材料にて形成されており、その内部は、蓋部3の外側面となる上面3a(図1参照、以下同じ)を覆う蓋部上面領域21と、蓋部3(図1参照、以下同じ)の先端部の外周面3b(図1参照、以下同じ)を覆う蓋部外周面領域22と、に分けられている。
また、このうち、蓋部外周面領域22は、内部が2つの領域22a,22bに分けられている。つまり、外殻11,12の内部は、衝撃吸収部材20の充填される領域が3つの領域に分けられている。
なお、蓋部上面領域21と蓋部外周面領域22の領域22aとを同じ材料(後記する木材としてのバルサ材等)で構成する場合には、これらを一体的に構成してもよい。
ここで、蓋部外周面領域22の領域22aは、一端の断面が略四角形状とされた環状の領域であり、蓋部3の先端部の外周面3bを含む、キャスク1の上端外周面を覆うように配置されている。
また、領域22bは、一端の断面が略L字形状とされた環状の領域であり、前記した領域22aに対して、キャスク1の径方向外側から領域22aの側面22a1を覆う(図中矢印X1方向に接する)とともに、蓋部3の下面3c(図1参照、以下同じ)側から上面3a側に向かう方向において(蓋部上面領域21のある側と反対側から)領域22aの下面22b1を覆う(図中矢印Y1方向に接する)ように配置されている。
本実施形態では、蓋部上面領域21に、衝撃吸収部材20として小さい圧縮強度を有する材料が充填され、また、蓋部外周面領域22の領域22a,22bには、これらの領域22a,22b間において相互に異なる圧縮強度を有する材料(相互に異なる応力で変形する材料)がそれぞれ充填されている。
蓋部上面領域21は、キャスク用緩衝体10の上部にあたる部分であるので、キャスク1の軸方向からの衝撃荷重、およびキャスク1の軸方向と斜め方向からの衝撃荷重を緩和する構造強度が必要であり、充填される材料として木材を用いた場合に、例えば、バルサ材を採用することができる。
蓋部外周面領域22に充填される衝撃吸収部材20として、本実施形態では、領域22aに対して第1の衝撃吸収部材22Aが充填され、領域22bに対して第1の衝撃吸収部材22Aよりも圧縮強度の高い第2の衝撃吸収部材22Bが充填される構成としてある。
第1の衝撃吸収部材22Aは、圧縮強度が概ね10MPa程度かそれ以下の圧縮強度を有する材料からなり、第1の衝撃吸収部材22Aとしては、例えば、ポリウレタンフォーム材、発泡スチロール材やバルサ材を用いることができる。
また、第2の衝撃吸収部材22Bは、圧縮強度が概ね20〜40MPa程度の材料からなり、第2の衝撃吸収部材22Bとしては、例えば、アルミ管材、発泡金属材、ファープライウッド材、オーク材、レッドウッド材、米杉材、米ヒバ材を用いることができる。
ここで、圧縮強度とは、応力−歪み線図(荷重−変位曲線(不図示))で表され、例えば、圧縮時に発生する応力が大きいほど圧縮強度の高い材料であるといえる。
以下では、第1の衝撃吸収部材22Aおよび第2の衝撃吸収部材22Bに木材を用いた例(例えば、第1の衝撃吸収部材22Aとしてバルサ材を用い、第2の衝撃吸収部材22Bとしてレッドウッド材を用いた例)について説明する。
なお、木材に代えて、内部に同様の圧縮強度を有する木質ボードを充填するように構成してもよく、また、木材の集成材を用いてもよい。
第1の衝撃吸収部材22Aおよび第2の衝撃吸収部材22Bは、木材の木目である木材繊維方向が、図3(a)(b)に矢印で示すように、キャスク1の径方向となるようにそれぞれ配設されている。つまり、応力ひずみ特性の高い方位がキャスク1の軸方向に対して垂直となる方向に配設されている。
これは、木材が木材繊維方向と垂直な方向に圧縮応力を負荷した場合には、低い応力で降伏が起こり、塑性変形が大きくなるにつれて応力も増大することとなるが、木材繊維方向と平行な方向に圧縮応力を負荷した場合には、木材繊維方向と垂直な方向への圧縮と比べて大きな応力で降伏が起こり、略一定の応力で塑性変形するという異方性をもつことによる。
一般に、衝撃荷重の緩和には塑性変形時に一定の応力を示すものが望ましい。このため、蓋部3への衝撃荷重が問題となる水平落下やコーナー落下時に対応するように、荷重の働く方向である径方向に木材繊維方向を合わせることで、衝撃荷重を好適に低減することができる。
なお、木材の長さや幅は、衝撃力を大きく上げずに、かつ、予想される最大の衝撃荷重が入力された場合に、第1の衝撃吸収部材22Aがつぶれ過ぎない範囲に設定されている。
このように圧縮強度(圧潰応力)の異なる2つの第1の衝撃吸収部材22Aと第2の衝撃吸収部材22Bとを組み合わせることによって、キャスク用緩衝体10の蓋部外周面領域22が構成されているので、次のような作用効果が得られる。
すなわち、水平落下等によって蓋部外周面領域22に衝撃荷重が加わると、衝撃荷重の加わる初期段階において、第1の衝撃吸収部材22Aと第2の衝撃吸収部材22Bとが直列に配置される側(蓋部上面領域21側)にあっては、圧潰応力の小さい第1の衝撃吸収部材22A(のみ)が変形する。その後、第1の衝撃吸収部材22Aの圧潰応力が第2の衝撃吸収部材22Bの圧潰応力よりも大きくなると、第2の衝撃吸収部材22Bが変形し始める。
図4に第1の衝撃吸収部材22Aおよび第2の衝撃吸収部材22B(蓋部外周面領域22)における衝撃荷重負荷時の変形の概略図を示す。
水平落下の場合、衝撃荷重は、図4(a)に示すように、キャスク1の軸方向に垂直な方向に働く。衝撃荷重の入力直後は、圧潰応力の小さい第1の衝撃吸収部材22Aが変形することとなり、蓋部外周面領域22は、キャスク1の蓋部3に対応する側(第1の衝撃吸収部材22A側)が大きく変形する状態となる(図4(b)参照)。
このように変形が大きくなると、これにつれて、蓋部3の付近に生じる衝撃荷重を第2の衝撃吸収部材22Bがより多く受け持つようになる。このため、蓋部3への衝撃荷重を弱めることができるようになる。
また、これに加えて、図1に示すように、蓋部3の上面3aが、キャスク用緩衝体10の蓋部上面領域21で覆われているので、前記のように第1の衝撃吸収部材22Aの変形が大きくなると、蓋部上面領域21が受け持つ衝撃荷重がより大きくなり、これによって蓋部3への衝撃荷重を小さくすることができる。
また、コーナー落下についても、前記したような水平落下の場合と同様にして、第1の衝撃吸収部材22Aの変形により同様の効果を得ることが期待できる。
一方、キャスク用下部緩衝体30は、図5に示すように、外殻31,32と、この外殻31,32の内部に充填された衝撃吸収部材20とを備えており、図1に示すように、キャスク1の内筒4の下面4a、およびこの下面4aの側部外周面4bを含むキャスク下端外周面を保護する。
外殻31,32は、前記したキャスク用緩衝体10と同様にステンレス鋼や塗装した炭素鋼等の金属材料にて形成されており、その内部は、内筒4の下面4a(図1参照)を覆う内筒下面領域33と、内筒4の側部外周面4b(図1参照)を覆う内筒外周面領域34と、に分けられている。
なお、キャスク用下部緩衝体30の内部は、前記したキャスク用緩衝体10と同様に衝撃吸収部材20の充填される領域を3つに分けられた領域としてもよい。
内筒下面領域33は、キャスク用下部緩衝体30の下部にあたる部分であるので、キャスク1の軸方向からの衝撃荷重、およびキャスク1の軸方向と斜め方向からの衝撃荷重を緩和する構造強度が必要であり、キャスク用緩衝体10の蓋部上面領域21と同様に充填される材料として木材を用いた場合には、例えば、バルサ材を採用することができる。
また、内筒外周面領域34には、キャスク用緩衝体10で用いている第2の衝撃吸収部材22Bが充填されている。つまり、内筒外周面領域34は、内筒下面領域33よりも圧縮強度が高くなるように構成されている。
なお、内筒外周面領域34においても、木材の木目である木材繊維方向が、キャスク用緩衝体10において説明したものと同様に、キャスク1の径方向となるように配設されている。
以上説明した本実施形態のキャスク用緩衝体10によれば、蓋部3の先端部の外周面3bが、環状に配置された第1の衝撃吸収部材22Aで覆われ、この第1の衝撃吸収部材22Aに対して、キャスク1の径方向外側から覆うように、かつ、キャスク1の軸方向に沿って蓋部上面領域21のある側と反対側から(領域22aの下面22b1側から)覆うように、第2の衝撃吸収部材22Bが配置されているので、例えば、キャスク1の水平落下時やコーナー落下において、衝撃荷重が入力された直後に、圧潰応力のより小さな第1の衝撃吸収部材22Aが変形し、その変形が大きくなるにつれて、蓋部3付近に生じる衝撃荷重を第2の衝撃吸収部材22Bがより多く受け持つようになる。
これにより、第1の衝撃吸収部材22Aが受け持つ衝撃荷重が減少して蓋部3への衝撃を弱めることができる。つまり、第2の衝撃吸収部材22Bに、より多くの衝撃荷重を受け持たせることができ、キャスク1の蓋部3の先端部に加わる衝撃荷重を、蓋部3の先端部以外の構造材として丈夫である部分(例えば、蓋部3周りの内筒4や胴部2)に作用させて、これを緩和(吸収)することができる。
したがって、キャスク1の蓋部3への衝撃荷重を好適に緩和することのできるキャスク用緩衝体10が得られる。
(第2実施形態)
図6(a)(b)を参照して第2実施形態のキャスク用緩衝体について説明する。
本実施形態が前記第1実施形態と異なるところは、蓋部3が複数の蓋体から構成されている点である。
図6(a)に示すものは、蓋部3が2枚の一次蓋3Aと二次蓋3Bとから構成されている。
一次蓋3Aは、内筒4の開口を塞ぐ状態に、内筒4の上部開口縁に形成された上下二段からなる段部の下段41に載置され図示しないボルトによって取り付けられている。二次蓋3Bは、一次蓋3Aを覆う状態に段部の上段42に載置され図示しないボルトによって取り付けられている。
ここで、段部の下段41と一次蓋3Aとの間、段部の上段42と二次蓋3Bとの間、あるいは一次蓋3Aと二次蓋3Bとの間には、図示しないリング状のシール部材が配置される。
二次蓋3Bは、段部の上段42に載置された状態で、その先端部の外周面3bが、内筒4の上端開口縁部43の内面に嵌合するようになっている。これにより、二次蓋3Bの外周面3bは、この上端開口縁部43を介して(間に挟んで)、キャスク用緩衝体10の第1の衝撃吸収部材22Aで覆われるようになっている。つまり、二次蓋3Bと内筒4との接続部周辺に対応するように第1の衝撃吸収部材22Aが配置され、二次蓋3Bの先端部の外周面3bは、上端開口縁部43(および外殻12)を介して第1の衝撃吸収部材22Aによって保護されるようになっている。
図6(b)に示すものは、蓋部3が3枚の一次蓋3Aと二次蓋3Bと三次蓋3Cから構成されている。
一次蓋3A,二次蓋3Bは、前記と同様にして取り付けられており、三次蓋3Cは、二次蓋3Bを覆う状態に上端開口縁部43の先端部に載置されて、図示しないボルトによって取り付けられている。
本実施形態においては、第1の衝撃吸収部材22Aが、対応する蓋部3(二次蓋3Bまたは三次蓋3C)の厚さと同じ程度、あるいはそれ以上の厚さを有するものが好ましい。
本実施形態のキャスク用緩衝体10においても、前記第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
(第3実施形態)
図7を参照して第3実施形態のキャスク用緩衝体について説明する。
本実施形態が前記第1,第2実施形態と異なるところは、第1の衝撃吸収部材22Aの配置される領域22aが、第2の衝撃吸収部材22Bによって仕切られた空洞部25とされている点である。
空洞部25は、第2の衝撃吸収部材22Bの側壁24a,24bと、蓋部上面領域21に充填された衝撃吸収部材20の下面20cと、外殻12によって囲われた(仕切られた)空間により円環状に構成されている。本実施形態では、前記第1実施形態で説明した第1の衝撃吸収部材22Aの配置される領域22aを、空洞部25に置き換えたものである。
ここで、第2の衝撃吸収部材22Bは、特許請求の範囲に記載の「蓋部外周面領域に充填される衝撃吸収部材」に相当する。
このような空洞部25を有するキャスク用緩衝体10においても、キャスク1の蓋部3の先端部に加わる衝撃荷重を、蓋部3の先端部以外の構造材として丈夫である部分に作用させて、これを好適に緩和(吸収)することができる。この場合、空洞部25で衝撃荷重をまったく受け持たない状態となっても、空洞部25が領域22aに適切に配置されていれば、第2の衝撃吸収部材22Bが衝撃荷重を受け持ち、前記した第1実施形態と同様の効果が得られるようになる。
なお、図示しない隔壁を用いて領域22aを仕切り、空洞部25を形成するようにしてもよい。
図8は変形例のキャスク用緩衝体を示す図であり、この変形例では、領域22aの上面22c1にも第2の衝撃吸収部材22Bが充填される領域22bが配置されている。
領域22bは、一端の断面が略コ字形状とされた環状の領域であり、領域22aに対して、キャスク1の径方向外側から領域22aの側面22a1を覆うとともに、蓋部3の下面3c側から上面3a側に向かう方向において領域22aの下面22b1を覆い、さらに、蓋部3の上面3a側から領域22aの上面22c1を覆うように、第1の衝撃吸収部材22Aを三方向から囲っている。
この変形例においても、前記第1実施形態と同様の作用効果が得られる。また、第2の衝撃吸収部材22Bが蓋部3の上面3a側からも領域22aの上面22c1を覆っているので、その分、キャスク1の蓋部3の先端部に加わる衝撃荷重を、蓋部3の先端部以外の構造材として丈夫である部分に作用させて、これを好適に緩和(吸収)することができる。
なお、図8に一点鎖線で示すように、領域22bで囲われる外殻12の上面となる領域に、第2の衝撃吸収部材22Bと同様の部材からなる第2の衝撃吸収部材22B’を充填してもよい。
このように構成することによって、キャスク1の蓋部3の先端部に加わる衝撃荷重を、より一層効果的に緩和(吸収)することができる。
前記実施形態では、領域22aは、一端の断面が略四角形状であるものを示したが、これに限られることはなく、蓋部3(二次蓋3B等)の先端部の外周面3bを側方から覆うように構成されていれば、三角形状、多角形状、曲線部分を含む形状等、種々の形状を採用することができる。
また、衝撃吸収部材20(第1の衝撃吸収部材22A)としては、粒状のポリウレタンフォームや発泡スチロールを採用することもできる。
1 キャスク
3 蓋部
3a 上面
3b 外周面
4 内筒
10 キャスク用緩衝体
11,12 外殻
20 衝撃吸収部材
21 蓋部上面領域
22 蓋部外周面領域
22A 第1の衝撃吸収部材
22B 第2の衝撃吸収部材
22a 領域
22b 領域
25 空洞部

Claims (5)

  1. 略円柱形状をなすキャスクの少なくとも蓋部周りに外装され、外殻と、この外殻の内部に充填された衝撃吸収部材と、を備えてなる有底円筒状のキャスク用緩衝体であって、
    前記衝撃吸収部材の充填される領域は、少なくとも、
    前記蓋部の上面を覆う蓋部上面領域と、前記蓋部の外周面を覆う蓋部外周面領域と、に分けられており、
    前記蓋部外周面領域には、前記衝撃吸収部材として、第1の衝撃吸収部材と、この第1の衝撃吸収部材よりも圧縮強度の高い第2の衝撃吸収部材とが充填されており、
    前記第1の衝撃吸収部材は、前記蓋部の先端部の外周面を覆うように環状に配置されているとともに、
    前記第2の衝撃吸収部材は、前記キャスクの径方向外側から前記第1の衝撃吸収部材を覆うように、かつ、前記キャスクの軸方向に沿って前記蓋部上面領域のある側と反対側から前記第1の衝撃吸収部材を覆うように、環状に配置されていることを特徴とするキャスク用緩衝体。
  2. 略円柱形状をなすキャスクの少なくとも蓋部周りに外装され、外殻と、この外殻の内部に充填された衝撃吸収部材と、を備えてなる有底円筒状のキャスク用緩衝体であって、
    前記衝撃吸収部材は、
    前記蓋部の先端部の外周面を覆うように、または前記蓋部の外周面を覆うように、環状に配置された第1の衝撃吸収部材と、
    この第1の衝撃吸収部材よりも圧縮強度の高い部材で構成され、前記キャスクの径方向外側から前記第1の衝撃吸収部材を覆うように、かつ、前記キャスクの軸方向に沿って前記蓋部の上面となる側と反対側から前記第1の衝撃吸収部材を覆うように、環状に配置された第2の衝撃吸収部材と、を含んでなることを特徴とするキャスク用緩衝体。
  3. 請求項1または請求項2に記載のキャスク用緩衝体において、
    前記第1の衝撃吸収部材および前記第2の衝撃吸収部材は、応力ひずみ特性の異方性を有する部材で形成されており、この応力ひずみ特性の高い方位が前記キャスクの軸方向に対して垂直となる方向に配設されていることを特徴とするキャスク用緩衝体。
  4. 略円柱形状をなすキャスクの少なくとも蓋部周りに外装され、外殻と、この外殻の内部に充填された衝撃吸収部材と、を備えてなる有底円筒状のキャスク用緩衝体であって、
    前記衝撃吸収部材の充填される領域は、少なくとも、
    前記蓋部の上面を覆う蓋部上面領域と、前記蓋部の外周面を覆う蓋部外周面領域と、に分けられており、
    前記蓋部外周面領域には、前記蓋部の先端部の外周面を覆うように環状に区画された空洞部が形成されており、
    前記蓋部外周面領域に充填される前記衝撃吸収部材は、前記キャスクの径方向外側から前記空洞部を覆うように、かつ、前記キャスクの軸方向に沿って前記蓋部上面領域のある側と反対側から前記空洞部を覆うように、環状に配置されていることを特徴とするキャスク用緩衝体。
  5. 請求項4に記載のキャスク用緩衝体において、
    前記蓋部外周面領域に充填される前記衝撃吸収部材は、応力ひずみ特性の異方性を有する部材で形成されており、この応力ひずみ特性の高い方位が前記キャスクの軸方向に対して垂直となる方向に配設されていることを特徴とするキャスク用緩衝体。
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