以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、放射性物質収納容器の一部裁断概略図である。
図1および図2に示すように、放射性物質収納容器としてのキャスク11は、胴部12と蓋部13とから構成されている。胴部12は、容器本体21を有している。容器本体21は、筒状(本実施形態では円筒形状)の上端に開口部22が形成され、下端が閉塞して形成されている。容器本体21は、内部にキャビティ23を有し、このキャビティ23にバスケット24が設けられている。バスケット24は、放射性物質(例えば、使用済燃料集合体)を個々に収納可能な複数のセル25が設けられている。容器本体21は、γ線遮蔽機能を有する炭素鋼製の鍛造品となっているが、炭素鋼の代わりにステンレス鋼を用いることもできる。また、球状黒鉛鋳鉄や炭素鋼鋳鋼などの鋳造品を用いることもできる。
胴部12は、容器本体21の外周面に所定の隙間を開けて外筒26が配設されている。容器本体21の外周面と外筒26の内周面との間に、熱伝導を行う銅製の伝熱フィン27が周方向に複数設けられている。容器本体21と外筒26と伝熱フィン27とで囲まれる空間部に、水素を多く含有する高分子材料であって中性子遮蔽機能を有するボロンまたはボロン化合物を含有したレジン(中性子遮蔽体)28が設けられている。
胴部12は、容器本体21の閉塞された下端の下側に突出する底部29が設けられている。底部29は、容器本体21の外径よりも小さく形成され、容器本体21の閉塞された下端とで囲まれる空間部を有し、この空間部にレジン(中性子遮蔽体)が設けられている。
胴部12は、容器本体21にキャスク11を吊上げるためのトラニオン30が設けられている。トラニオン30は、容器本体21から外筒26を貫通して設けられ、キャスク11において最も外周に突出する。
蓋部13は、容器本体21の開口部22に設けられ、開口部22を閉塞して容器本体21(胴部12)を密閉する。蓋部13は、一次蓋31と二次蓋32とを含んで構成される。一次蓋31は、γ線を遮蔽する炭素鋼やステンレス鋼を材料として円盤形状に形成される。二次蓋32は、一次蓋31を覆ってキャスク11の外側に表れるもので、一次蓋31と同様に、γ線を遮蔽する炭素鋼やステンレス鋼を材料として円盤形状に形成される。一次蓋31と二次蓋32との間は、レジン(中性子遮蔽体)28が設けられていてもよい。
一次蓋31は、容器本体21の開口部22に形成された第一段部22aに対し、炭素鋼やステンレス鋼を材料とするボルト(図示せず)により固定されて容器本体21に取り付けられる。二次蓋32は、容器本体21の開口部22に形成された第二段部22bに対し、炭素鋼やステンレス鋼を材料とするボルト(図示せず)により固定されて容器本体21に取り付けられる。図には明示しないが、一次蓋31と第一段部22aとの間、および二次蓋32と第二段部22bとの間には、金属ガスケットが設けられる。これら、金属ガスケットにより、一次蓋31と第一段部22aとの間、および二次蓋32と第二段部22bとの間の密封性が確保される。
また、胴部12において、容器本体21の開口部22には、二次蓋32の周りを囲み、キャスク11の外側に表れる筒状の上端縁22cが形成されている。上端縁22cは、その上面が二次蓋32の表面よりも高い位置にあって、二次蓋32の周りを囲む。上端縁22cの上面には、キャスク11を輸送する際に用いられる緩衝体や、本実施形態の緩衝蓋1,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111が取り付けられるボルト穴33が周方向に複数設けられている。
図2は、実施形態の緩衝蓋を示す平面図である。図3は、実施形態の緩衝蓋を示す側断面図である。
図2および図3に示すように、緩衝蓋1は、保護部材2と、緩衝部材3と、を有する。
保護部材2は、剛体からなる。剛体とは、所定の荷重を受け止めて変形を抑制されているもので、例えば、鋼材からなり、鋼板や、ボックスやパイプで構成される。保護部材2は、剛体を構成するうえで中実の鋼材からなることが好ましい。この保護部材2は、第一保護部材2Aと、第二保護部材2Bと、を含む。
第一保護部材2Aは、キャスク11の蓋部13であって外側に表れる二次蓋32の表面に沿って配置される。図2および図3に示す第一保護部材2Aは、二次蓋32の表面および容器本体21の上端縁22cの表面を覆うように構成される。第一保護部材2Aは、上端縁22cに設けられたボルト穴33に取り付けられるボルト(図示せず)により、容器本体21に固定される。第一保護部材2Aは、本実施形態では胴部12の外形に合わせて形成され円形状に形成されている。
第二保護部材2Bは、第一保護部材2Aの外周に一体に設けられている。第二保護部材2Bは、第一保護部材2Aの外周から径方向外側に延びて設けられている。第二保護部材2Bは、蓋部13よりも径方向外側に配置され胴部12よりも径方向外側に突出して設けられる。本実施形態では、第二保護部材2Bは、胴部12の上端縁22cの外側を囲むように配置されていることで、蓋部13よりも径方向外側に配置され胴部12よりも径方向外側に突出して設けられる。第二保護部材2Bは、本実施形態では胴部12の外形に合わせて形成され円形状に形成されている。第二保護部材2Bは、第一保護部材2Aに対して溶接やボルト締結により取り付けられる。
ここで、径方向とは、胴部12の中心を通り開口部22と底部29を貫く中心軸CLを設け、この中心軸CLに交差する方向を言い、ある位置より中心軸CLから遠ざかる方向を径方向外側と言い、ある位置より中心軸CLに近づく方向を径方向内側と言う。なお、中心軸CLに沿う方向を軸方向と言い、中心軸CLの周りを囲む方向(中心軸CLを中心とする周り方向)を周方向と言う。また、軸方向は、胴部12が中心軸CLに沿って連続する胴部長手方向とも言う。
緩衝部材3は、保護部材2の径方向外側に設けられている。緩衝部材3は、第二保護部材2Bの径方向外側に設けられている。従って、緩衝部材3は、蓋部13よりも径方向外側に配置され胴部12よりも径方向外側に突出して設けられる。緩衝部材3は、所定の荷重により変形することで衝撃を吸収する。緩衝部材3は、発砲金属、木材、保護部材2よりも薄い薄板金属、薄板金属で形成されたボックスやパイプで構成される。緩衝部材3は、保護部材2(第二保護部材2B)の径方向外側を囲むように配置されている。緩衝部材3は、本実施形態では胴部12の外形に合わせて形成され円環状に形成されている。緩衝部材3は、中心軸CLを中心として径方向外側に突出し周方向で断続または凹凸して設けられる放射状に形成されていてもよい。緩衝部材3は、保護部材2に対して、溶接やボルト締結により取り付けられる。
図4は、実施形態の緩衝蓋の作用効果を示す側断面図である。図4は、キャスク11を床Fに立てた保管状態とし、このキャスク11に上方(軸方向)から落下物35が落下した場合と、転倒した場合のキャスク11’を示している。
まず、蓋部13を上に向けて床Fに立てた保管状態のキャスク11に上方から落下物35が落下した場合、キャスク11に取り付けられた緩衝蓋1は、保護部材2の第一保護部材2Aが蓋部13(二次蓋32)の表面に沿って配置されている。このため、落下物35は、蓋部13(二次蓋32)に至らず保護部材2に衝突する。保護部材2は、所定の荷重を受け止めて変形を抑制されていることから、所定の荷重を想定する落下物35の落下の荷重として設計すれば、落下物35が衝突しても、変形することがない。従って、落下物35による蓋部13(二次蓋32)への直接衝突を防ぐことができる。また、保護部材2は、蓋部13(二次蓋32)の周りを囲む上端縁22cにボルトで取り付けられている。従って、落下物35による荷重は、胴部12に伝わり、蓋部13(二次蓋32および一次蓋31)への伝達を緩和できる。
次に、床Fに立てた保管状態からキャスク11’のように転倒した場合、緩衝蓋1は、保護部材2の径方向外側に設けられた緩衝部材3が、床Fに当たって変形することで転倒エネルギーを吸収し、キャスク11’に掛かる荷重を緩和する。
また、緩衝蓋1は、保護部材2が胴部12よりも径方向外側に突出しているため、緩衝部材3が変形した後に、胴部12を支えてキャスク11’が床Fに衝突することを防ぐ。ここで、床Fに立てたキャスク11における重心G1の高さH1に対し、緩衝蓋1を設けて床Fに転倒したキャスク11’の重心G2の高さH2と、緩衝蓋1を設けず床Fに転倒した二点鎖線で示すキャスク11”の重心G3の高さH3とを比較する。キャスク11の重心G1の高さH1に対するキャスク11’の重心G2の高さH2の距離L1は、キャスク11の重心G1の高さH1に対するキャスク11”の重心G3の高さH3の距離L2のほうが大きい。このため、重心G1が重心G2まで移動する転倒エネルギーは、重心G1が重心G3まで移動する転倒エネルギーよりも小さい。従って、緩衝蓋1は、保護部材2が胴部12を支えキャスク11’が床Fに衝突することを防ぐことで、緩衝蓋1を設けないことと比較して転倒エネルギーを小さく抑えることができる。また、緩衝蓋1は、第二保護部材2Bが胴部12の上端縁22cの外側を囲むように配置されているため、転倒した場合の床Fからの反力を胴部12で受けるように構成されている。このため、蓋部13の表面に沿う第一保護部材2Aの部材を小さく(薄く)できる。
本実施形態の緩衝蓋1は、胴部12を密閉する蓋部13の表面に沿って配置され胴部12よりも径方向外側に突出して設けられる剛体からなる保護部材2と、保護部材2の径方向外側に設けられ変形することで衝撃を吸収する緩衝部材3と、を備える。
また、本実施形態の緩衝蓋1では、保護部材2は、蓋部13の表面に沿って配置される第一保護部材2Aと、第一保護部材2Aと一体に設けられて蓋部13よりも径方向外側に配置され胴部12よりも径方向外側に突出して設けられる第二保護部材2Bと、を有し、緩衝部材3は、第二保護部材2Bの径方向外側に設けられる。
従って、このように構成された緩衝蓋1によれば、保管時における蓋部13への直接衝突を防止し、かつ転倒時の衝撃を緩和することができる。
また、本実施形態の緩衝蓋1では、胴部12(容器本体21)と保護部材2と緩衝部材3との剛性が、緩衝部材3<胴部12≦保護部材2の関係を有する。好ましくは、緩衝部材3<胴部12<保護部材2の関係を有する。すなわち、緩衝蓋1は、保護部材2が緩衝部材3よりも剛性の高い剛部として機能し、緩衝部材3が保護部材2よりも剛性の低い柔部として機能する。
従って、このように構成された緩衝蓋1によれば、緩衝部材3が変形することで転倒エネルギーを吸収してキャスク11に掛かる荷重を緩和し、保護部材2が胴部12を支えてキャスク11が床Fに衝突することを防ぐことを実現できる。この結果、保管時における蓋部13への直接衝突を防止し、かつ転倒時の衝撃を緩和することができる。なお、容器本体と保護部材と緩衝部材との剛性の関係は、後述する緩衝蓋101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111においても含まれる。
また、本実施形態の放射性物質収納容器であるキャスク11の保護装置は、胴部12と、胴部12を密閉する蓋部13と、緩衝蓋1と、を備える。なお、本実施形態のキャスク11は、緩衝蓋1に換えて後述する緩衝蓋101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111を含む。
従って、本実施形態のキャスク11の保護装置によれば、保管時における蓋部13への直接衝突を防止し、かつ転倒時の衝撃を緩和することができる。
図5は、放射性物質収納容器の保護方法を示す概略図である。図6は、実施形態の放射性物質収納容器の他の保管状態を示す側断面図である。
放射性物質収納容器であるキャスク11は、原子力発電設備において、例えば、使用済燃料集合体が容器本体21のバスケット24のセル25収納され、蓋部13によって密閉される。このキャスク11は、例えば、原子力発電設備から貯蔵設備に輸送される。輸送にかかり、キャスク11は、輸送用緩衝体36が取り付けられる。輸送用緩衝体36は、国際原子力機関(IAEA:International Atomic Energy Agency)の安全基準、放射性物質安全輸送規則において、事故時の輸送条件に耐える能力(密閉性、遮蔽性、未臨界性の維持)を実証するための落下試験として、高さ9mからの落下事象(落下試験I)や、直立した直径15cmの丸棒上への高さ1mからの落下事象(落下試験II)が課せられている。落下事象は、例えば(1)中心軸CLを垂直方向に向けた垂直落下、(2)中心軸CLを水平方向に向けた水平落下、(3)中心軸CLを斜めに向けた角部落下、がある。この輸送用緩衝体36は、胴部12の上端縁22cおよび底部29にそれぞれ被さるように配置される。上端縁22cに被さる輸送用緩衝体36は、上端縁22cに設けられたボルト穴33に取り付けられるボルト(図示せず)により、胴部12に固定される。輸送中、輸送用緩衝体36が取り付けられたキャスク11は、図5に示すように中心軸CLを水平方向に向けた横置き状態で輸送される。
そして、貯蔵場所である貯蔵設備に輸送されたキャスク11は、輸送用緩衝体36が外され、蓋部13を上に向けて床Fに立てた保管状態とされ、本実施形態の緩衝蓋1が取り付けられる。また、保管時、キャスク11は、底部29が架台37に嵌められて転倒をし難くされてもよい。
なお、キャスク11は、図6に示すように、中心軸CLを水平方向に向けた横置き状態で架台38にトラニオン30を支持された保管状態もある。この場合も、キャスク11は、蓋部13の部分に本実施形態の緩衝蓋1が取り付けられる。また、底部29に緩衝蓋と同様の構成の緩衝体を取り付けてもよい。
このように、本実施形態の放射性物質収納容器の保護方法は、胴部12と、胴部12を密閉する蓋部13と、を備える放射性物質収納容器であるキャスク11の輸送時に輸送用緩衝体36により蓋部13の周囲を保護する工程と、キャスク11を貯蔵場所に輸送した後、輸送用緩衝体36を外す工程と、貯蔵場所においてキャスク11の保管時に緩衝蓋1を取り付ける工程と、を含む。なお、本実施形態の放射性物質収納容器の保護方法は、緩衝蓋1に換えて後述する緩衝蓋101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111を含む。
従って、本実施形態の放射性物質収納容器の保護方法によれば、輸送時には輸送用緩衝体36を用いて輸送の安全基準を確保し、保管時には本実施形態の緩衝蓋1を用いて蓋部13への直接衝突を防止し、かつ転倒時の衝撃を緩和できる。このように、本実施形態の放射性物質収納容器の保護方法は、輸送時と保管時でそれぞれ安全を確保できる。
図7は、実施形態の緩衝蓋の他の例を示す側断面図である。
図7に示す緩衝蓋101は、保護部材201と、緩衝部材301と、を有する。
保護部材201は、剛体からなる。剛体とは、所定の荷重を受け止めて変形を抑制されているもので、例えば、鋼材からなり、鋼板やボックスやパイプで構成される。保護部材201は、剛体を構成するうえで中実の鋼材からなることが好ましい。この保護部材201は、第一保護部材201Aと、第二保護部材201Bと、を含む。
第一保護部材201Aは、キャスク11の蓋部13であって外側に表れる二次蓋32の表面に沿って配置される。第一保護部材201Aは、二次蓋32の表面および胴部12の上端縁22cの表面を覆うように構成されている。第一保護部材201Aは、上端縁22cに設けられたボルト穴33に取り付けられるボルト(図示せず)により、胴部12に固定される。第一保護部材201Aは、本実施形態では胴部12の外形に合わせて形成され円形状に形成されている。
第二保護部材201Bは、第一保護部材201Aの外周に一体に設けられている。第二保護部材201Bは、第一保護部材201Aの外周から径方向外側に延びて設けられている。第二保護部材201Bは、蓋部13よりも径方向外側に配置され胴部12よりも径方向外側に突出して設けられる。本実施形態では、第二保護部材201Bは、第一保護部材201Aから連続して径方向外側に延びて設けられる。第二保護部材201Bは、本実施形態では胴部12の外形に合わせて形成され円形状に形成されている。第二保護部材201Bは、第一保護部材201Aと溶接やボルト締結により一体に取り付けられてもよく、第一保護部材201Aと同一部材にて一体に構成されていてもよい。
緩衝部材301は、保護部材201の径方向外側に設けられている。緩衝部材301は、第二保護部材201Bの径方向外側に設けられている。従って、緩衝部材301は、蓋部13よりも径方向外側に配置され胴部12よりも径方向外側に突出して設けられる。緩衝部材301は、所定の荷重により変形することで衝撃を吸収する。緩衝部材301は、発砲金属、木材、保護部材201よりも薄い薄板金属、薄板金属で形成されたボックスやパイプで構成される。緩衝部材301は、保護部材201(第二保護部材201B)の径方向外側を囲むように配置されている。緩衝部材301は、本実施形態では胴部12の外形に合わせて形成され円形状に形成されている。緩衝部材301は、中心軸CLを中心として径方向外側に突出し周方向で断続または凹凸して設けられる放射状に形成されていてもよい。緩衝部材301は、保護部材201に対して、溶接やボルト締結により取り付けられる。
このように本実施形態の緩衝蓋101は、胴部12を密閉する蓋部13の表面に沿って配置され胴部12よりも径方向外側に突出して設けられる剛体からなる保護部材201と、保護部材201の径方向外側に設けられ変形することで衝撃を吸収する緩衝部材301と、を備える。
また、本実施形態の緩衝蓋101では、保護部材201は、蓋部13の表面に沿って配置される第一保護部材201Aと、第一保護部材201Aと一体に設けられて蓋部13よりも径方向外側に配置され胴部12よりも径方向外側に突出して設けられる第二保護部材201Bと、を有し、緩衝部材301は、第二保護部材201Bの径方向外側に設けられる。
従って、このように構成された緩衝蓋101によれば、上述した緩衝蓋1と同様に保管時における蓋部13への直接衝突を防止し、かつ転倒時の衝撃を緩和することができる。なお、緩衝蓋101は、第二保護部材201Bが蓋部13の表面に沿う第一保護部材201Aの径方向外側に連続して配置されているため、転倒した場合の床Fからの反力を自身および胴部12に取り付けるボルトで受けるように構成されている。このため、上述した緩衝蓋1と比較して構成を単純化できる。
図8および図9は、実施形態の緩衝蓋の他の例を示す側断面図である。
図8および図9に示す緩衝蓋102,103は、上述した緩衝蓋1に組み合わせて構成される。また、図には明示しないが、緩衝蓋102,103は、上述した緩衝蓋101に組み合わせて構成される。図8に示す緩衝蓋102は、緩衝蓋1,101の緩衝部材3,301を第一緩衝部材3とし、さらに第二緩衝部材302を備える。また、図9に示す緩衝蓋103は、緩衝蓋1,101の緩衝部材3,301を第一緩衝部材3とし、さらに第二緩衝部材303を備える。
図8に示す緩衝蓋102において、第一緩衝部材3は、上述したように蓋部13よりも径方向外側に配置され胴部12よりも径方向外側に突出して設けられる保護部材2(第二保護部材2B)の径方向外側に設けられ、これにより、第一緩衝部材3は、蓋部13よりも径方向外側に配置されている。第二緩衝部材302は、第一緩衝部材3と同様に、所定の荷重により変形することで衝撃を吸収する。第二緩衝部材302は、発砲金属、木材、保護部材2よりも薄い薄板金属、薄板金属で形成されたボックスやパイプで構成される。第二緩衝部材302は、蓋部13よりも上側に配置されるように、第一緩衝部材3の上側に配置されている。第二緩衝部材302は、第一緩衝部材3の円形状に沿って円環状に形成され、径方向内側に設けられた支持部材4に取り付けられている。支持部材4は、保護部材2(第一保護部材2A)に対して着脱可能に設けられている。従って、第二緩衝部材302は、保護部材2(第二保護部材2B)や第一緩衝部材3に対して着脱可能に設けられている。なお、第二緩衝部材302は、支持部材4を有さず、保護部材2や第一緩衝部材3に対して着脱可能に設けられてもよい。
また、図9に示す緩衝蓋103において、第二緩衝部材303は、第一緩衝部材3と同様に、所定の荷重により変形することで衝撃を吸収する。第二緩衝部材303は、発砲金属、木材、保護部材2よりも薄い薄板金属、薄板金属で形成されたボックスやパイプで構成される。第二緩衝部材303は、蓋部13よりも上側に配置されるように、第一緩衝部材3の上側に配置されている。第二緩衝部材303は、第一緩衝部材3の円環状に沿って円形状に形成されている。すなわち、第二緩衝部材303は、第一緩衝部材3および保護部材2(第一保護部材2A、第二保護部材2B)の上側に配置される。第二緩衝部材303は、保護部材2および第一緩衝部材3に対してボルト締結などにより着脱可能に設けられている。なお、第二緩衝部材303は、図8に示す第二緩衝部材302のように支持部材4を介して保護部材2および第一緩衝部材3に対してボルト締結などにより着脱可能に設けられてもよい。
このように、本実施形態の緩衝蓋102,103では、緩衝部材は、蓋部13よりも径方向外側に配置される第一緩衝部材3と、蓋部13よりも上側に配置される第二緩衝部材302,303と、を有し、第二緩衝部材302,303が保護部材2や第一緩衝部材3から着脱自在に設けられる。
従って、本実施形態の緩衝蓋102,103によれば、必要に応じて第二緩衝部材302,303を設けて緩衝機能を向上することができる。
図10は、実施形態の緩衝蓋の他の例を示す平面図である。図11は、実施形態の緩衝蓋の他の例を示す側断面図である。
図10および図11に示すように、緩衝蓋104は、保護部材204と、緩衝部材304と、を有する。
保護部材204は、剛体からなる。剛体とは、所定の荷重を受け止めて変形を抑制されているもので、例えば、鋼材からなり、鋼板やボックスやパイプで構成される。保護部材204は、剛体を構成するうえで中実の鋼材からなることが好ましい。この保護部材204は、上述した緩衝蓋1の保護部材2や、緩衝蓋101の保護部材201を用いることができる。すなわち、保護部材204は、第一保護部材2A,201Aに相当する第一保護部材204Aと、第二保護部材2B,201Bに相当する第二保護部材204Bと、を有する。
緩衝部材304は、突出部材304Aを含む。突出部材304Aは、胴部12よりも径方向外側に突出して設けられた保護部材204(第二保護部材204B)の径方向外側に突出し、周方向に間隔をおいて複数設けられている。突出部材304Aは、所定の荷重により変形することで衝撃を吸収する。突出部材304Aは、保護部材204よりも薄い薄板金属やアルミやアルミ合金やステンレスや炭素鋼などの鋼材のように経年劣化による性能低下の防止を実現できる材料で構成されている。突出部材304Aは、図11で示すように、中心軸CLに沿う面を有して板状に形成されている。突出部材304Aは、保護部材204に対して、溶接やボルト締結により取り付けられる。この突出部材304Aは、変形することで転倒エネルギーを吸収してキャスク11に掛かる荷重を緩和する。なお、各突出部材304Aは外気に触れ、各突出部材304Aの間は外気が通過可能である。このため、突出部材304Aは、伝熱性能が高い材料(銅やアルミなど)を使うことでキャスク11の放熱機能を向上できる。また、各突出部材304Aの間に樹脂など充填して、緩衝機能を向上してもよい。
また、緩衝部材304は、環状部材304Bを含んでもよい。環状部材304Bは、突出部材304Aの突出端を連結するように環状(リング状)に形成されている。環状部材304Bは、所定の荷重により変形することで衝撃を吸収する。環状部材304Bは、保護部材204よりも薄い薄板金属やアルミやアルミ合金やステンレスや炭素鋼などの鋼材のように経年劣化による性能低下の防止を実現できる材料で構成されている。環状部材304Bは、図11で示すように、中心軸CLに沿う面を有して板状に形成されている。また、環状部材304Bは、胴部12の外形に沿って円形状に形成されている。環状部材304Bは、突出部材304Aに対して、溶接やボルト締結により取り付けられる。この環状部材304Bは、変形することで転倒エネルギーを吸収してキャスク11に掛かる荷重を緩和する。
また、緩衝部材304は、板片部材304Cと、板状部材304Dとを含んでもよい。板片部材304Cは、蓋部13の表面に沿う保護部材204(第一保護部材204A)の表面から軸方向に突出して設けられている。板片部材304Cは、所定の荷重により変形することで衝撃を吸収する。板片部材304Cは、保護部材204よりも薄い薄板金属やアルミやアルミ合金やステンレスや炭素鋼などの鋼材のように経年劣化による性能低下の防止を実現できる材料で構成されている。板片部材304Cは、図10で示すように、中心軸CLに沿う面を有して板状に形成され、かつ中心軸CLを中心に径方向に延び、周方向に間隔をおいて複数設けられている。また、板片部材304Cは、胴部12の上端縁22cおよび蓋部13の一部の上に掛かるように設けられている。板状部材304Dは、板片部材304Cの突出端を連結するように板状に形成されている。板状部材304Dは、所定の荷重により変形することで衝撃を吸収する。板状部材304Dは、保護部材204よりも薄い薄板金属やアルミやアルミ合金やステンレスや炭素鋼などの鋼材のように経年劣化による性能低下の防止を実現できる材料で構成されている。板状部材304Dは、図10で示すように、中心軸CLに交差して設けられ、胴部12の上端縁22cおよび蓋部13の上を覆うように設けられている。板片部材304Cは、保護部材204(第一保護部材204A)に対して、溶接やボルト締結により取り付けられる。また、板状部材304Dは、胴部12の円形状に沿って円形状に形成されている。板状部材304Dは、板片部材304Cに対して、溶接やボルト締結により取り付けられる。板片部材304Cおよび板状部材304Dは、蓋部13に向かって落下する落下物35(図4参照)における落下エネルギーを吸収してキャスク11に掛かる荷重を緩和する。なお、板片部材304Cおよび板状部材304Dは外気に触れ、板片部材304C間や板状部材304Dとの間は外気が通過可能である。このため、板片部材304Cおよび板状部材304Dは、伝熱性能が高い材料(銅やアルミなど)を使うことでキャスク11の放熱機能を向上できる。また、板片部材304C間や板状部材304Dとの間に樹脂など充填して、緩衝機能を向上してもよい。
従って、このように構成された緩衝蓋104によれば、上述した緩衝蓋1と同様に保管時における蓋部13への直接衝突を防止し、かつ転倒時の衝撃を緩和することができる。
図12は、実施形態の緩衝蓋の他の例を示す側断面図である。
図12に示す緩衝蓋105は、上述した緩衝蓋104に対し、突出部材304Aに換わる突出部材305Aの構成が異なる他は同様である。従って、緩衝蓋105については、突出部材305A以外は緩衝蓋104と同一の符号を付して説明を省略する。
突出部材305Aは、胴部12よりも径方向外側に突出して設けられた保護部材204(第二保護部材204B)の径方向外側に突出し、周方向に間隔をおいて複数設けられている。突出部材305Aは、所定の荷重により変形することで衝撃を吸収する。突出部材305Aは、保護部材204よりも薄い金属やアルミやアルミ合金やステンレスや炭素鋼などの鋼材のように経年劣化による性能低下の防止を実現できる材料で構成されている。突出部材305Aは、図12で示すように、棒状に形成され、軸方向に複数(本実施形態では2個)設けられている。突出部材305Aは、保護部材204に対して、溶接やボルト締結により取り付けられる。この突出部材305Aは、変形することで転倒エネルギーを吸収してキャスク11に掛かる荷重を緩和する。なお、環状部材304Bは、突出部材305Aの突出端を連結するように環状に形成されている。なお、各突出部材305Aは外気に触れ、各突出部材305Aの間は外気が通過可能である。このため、突出部材305Aは、伝熱性能が高い材料(銅やアルミなど)を使うことでキャスク11の放熱機能を向上できる。また、各突出部材305Aの間に樹脂など充填して、緩衝機能を向上してもよい。
この緩衝蓋105によれば、上述した緩衝蓋1と同様に保管時における蓋部13への直接衝突を防止し、かつ転倒時の衝撃を緩和することができる。
図13は、実施形態の緩衝蓋の他の例を示す平面図である。図14は、実施形態の緩衝蓋の他の例を示す側断面図である。
図13および図14に示すように、緩衝蓋106は、保護部材206と、緩衝部材306と、を有する。
保護部材206は、剛体からなる。剛体とは、所定の荷重を受け止めて変形を抑制されているもので、例えば、鋼材からなり、鋼板やボックスやパイプで構成される。保護部材206は、剛体を構成するうえで中実の鋼材からなることが好ましい。この保護部材206は、上述した緩衝蓋1の保護部材2や、緩衝蓋101の保護部材201を用いることができる。すなわち、保護部材206は、第一保護部材2A,201Aに相当する第一保護部材206Aと、第二保護部材2B,201Bに相当する第二保護部材206Bと、を有する。
緩衝部材306は、突出部材306Aを含む。突出部材306Aは、胴部12よりも径方向外側に突出して設けられた保護部材206(第二保護部材206B)の径方向外側に突出し、周方向に間隔をおいて複数設けられている。突出部材306Aは、所定の荷重により変形することで衝撃を吸収する。突出部材306Aは、保護部材206よりも薄い薄板金属やアルミやアルミ合金やステンレスや炭素鋼などの鋼材のように経年劣化による性能低下の防止を実現できる材料で構成されている。突出部材306Aは、図14で示すように、中心軸CLに沿う面を有して板状に形成されている。また、突出部材306Aは、保護部材206の表面よりも軸方向に延びて形成されている。突出部材306Aは、保護部材206に対して、溶接やボルト締結により取り付けられる。この突出部材306Aは、変形することで転倒エネルギーを吸収してキャスク11に掛かる荷重を緩和する。なお、各突出部材306Aは外気に触れ、各突出部材306Aの間は外気が通過可能である。このため、突出部材306Aは、伝熱性能が高い材料(銅やアルミなど)を使うことでキャスク11の放熱機能を向上できる。また、各突出部材306Aの間に樹脂など充填して、緩衝機能を向上してもよい。
また、緩衝部材306は、放射状部材306Bを含んでもよい。放射状部材306Bは、蓋部13の表面に沿う保護部材206(第一保護部材206A)の表面から軸方向に突出し、蓋部13の中央である中心軸CLから径方向外側に延びて周方向に複数設けられている。すなわち、放射状部材306Bは、全体として中心軸CLを中心とする放射状に設けられている。放射状部材306Bは、所定の荷重により変形することで衝撃を吸収する。放射状部材306Bは、保護部材206よりも薄い薄板金属やアルミやアルミ合金やステンレスや炭素鋼などの鋼材のように経年劣化による性能低下の防止を実現できる材料で構成されている。放射状部材306Bは、図14で示すように、中心軸CLに沿う面を有して板状に形成されている。また、放射状部材306Bは、胴部12の上端縁22cおよび蓋部13の上に掛かるように設けられている。また、放射状部材306Bは、その一部が、突出部材306Aの保護部材206の表面よりも軸方向に延びた部分に連続して形成されている。放射状部材306Bは、保護部材206(第一保護部材206A)に対して、溶接やボルト締結により取り付けられる。この放射状部材306Bは、変形することで転倒エネルギーを吸収してキャスク11に掛かる荷重を緩和する。また、放射状部材306Bは、蓋部13に向かって落下する落下物35(図4参照)における落下エネルギーを吸収してキャスク11に掛かる荷重を緩和する。なお、放射状部材306Bは外気に触れ、放射状部材306Bの間は外気が通過可能である。このため、放射状部材306Bは、伝熱性能が高い材料(銅やアルミなど)を使うことでキャスク11の放熱機能を向上できる。また、放射状部材306Bの間に樹脂など充填して、緩衝機能を向上してもよい。
この緩衝蓋106によれば、上述した緩衝蓋1と同様に保管時における蓋部13への直接衝突を防止し、かつ転倒時の衝撃を緩和することができる。
図15は、実施形態の緩衝蓋の他の例を示す平面図である。図16は、実施形態の緩衝蓋の他の例を示す側断面図である。
図15および図16に示すように、緩衝蓋107は、保護部材207と、緩衝部材307と、を有する。
保護部材207は、剛体からなる。剛体とは、所定の荷重を受け止めて変形を抑制されているもので、例えば、鋼材からなり、鋼板やボックスやパイプで構成される。保護部材207は、剛体を構成するうえで中実の鋼材からなることが好ましい。この保護部材207は、上述した緩衝蓋1の保護部材2や、緩衝蓋101の保護部材201を用いることができる。すなわち、保護部材207は、第一保護部材2A,201Aに相当する第一保護部材207Aと、第二保護部材2B,201Bに相当する第二保護部材207Bと、を有する。
緩衝部材307は、突出部材307Aを含む。突出部材307Aは、胴部12よりも径方向外側に突出して設けられた保護部材207(第二保護部材207B)の径方向外側に突出し、保護部材207の周りを囲むように周方向に連続して設けられている。突出部材307Aは、所定の荷重により変形することで衝撃を吸収する。突出部材307Aは、アルミやアルミ合金やステンレスや炭素鋼などの鋼材のように経年劣化による性能低下の防止を実現できる材料で構成されている。突出部材307Aは、中心軸CLに交差する面を有して環状の板として形成されてこの板に複数の孔307Aaが貫通して設けられた板部材からなる。孔307Aaは図15および図16では板厚方向(軸方向)に形成した例を示しているが、板厚方向又は板厚方向と直交する方法の2方向、またはいずれか1方向に設ける。また、突出部材307Aは、胴部12の外形に沿って円形状に形成されている。突出部材307Aは、保護部材207に対して、溶接やボルト締結により取り付けられる。この突出部材307Aは、変形することで転倒エネルギーを吸収してキャスク11に掛かる荷重を緩和する。なお、突出部材307Aは外気に触れ、孔は外気が通過可能である。このため、突出部材307Aは、伝熱性能が高い材料(銅やアルミなど)を使うことでキャスク11の放熱機能を向上できる。
また、緩衝部材307は、環状部材307Bを含んでもよい。環状部材307Bは、突出部材307Aの突出端に沿って環状に形成されている。環状部材307Bは、所定の荷重により変形することで衝撃を吸収する。環状部材307Bは、保護部材207よりも薄い薄板金属やアルミやアルミ合金やステンレスや炭素鋼などの鋼材のように経年劣化による性能低下の防止を実現できる材料で構成されている。環状部材307Bは、図16で示すように、中心軸CLに沿う面を有して板状に形成されている。また、環状部材307Bは、突出部材307Aの外形に沿って円形状に形成されている。環状部材307Bは、突出部材307Aに対して、溶接やボルト締結により取り付けられる。この環状部材307Bは、変形することで転倒エネルギーを吸収してキャスク11に掛かる荷重を緩和する。なお、環状部材307Bをパンチングメタルとして構成してもよい。環状部材307Bをパンチングメタルとした場合、環状部材307Bは外気に触れ、孔は外気が通過可能である。このため、環状部材307Bは、伝熱性能が高い材料(銅やアルミなど)を使うことでキャスク11の放熱機能を向上できる。
この緩衝蓋107によれば、上述した緩衝蓋1と同様に保管時における蓋部13への直接衝突を防止し、かつ転倒時の衝撃を緩和することができる。
図17は、実施形態の緩衝蓋の他の例を示す平面図である。図18は、実施形態の緩衝蓋の他の例を示す側断面図である。
図17および図18に示すように、緩衝蓋108は、保護部材208と、緩衝部材308と、を有する。
保護部材208は、剛体からなる。剛体とは、所定の荷重を受け止めて変形を抑制されているもので、例えば、鋼材からなり、鋼板やボックスやパイプで構成される。保護部材208は、剛体を構成するうえで中実の鋼材からなることが好ましい。この保護部材208は、上述した緩衝蓋1の保護部材2や、緩衝蓋101の保護部材201を用いることができる。すなわち、保護部材208は、第一保護部材2A,201Aに相当する第一保護部材208Aと、第二保護部材2B,201Bに相当する第二保護部材208Bと、を有する。
緩衝部材308は、管状部材からなる。緩衝部材308は、保護部材208(第二保護部材208B)の径方向外側に向く管(パイプ)で構成されている。緩衝部材308は、所定の荷重により変形することで衝撃を吸収する。緩衝部材308は、保護部材208よりも薄い薄板金属やアルミやアルミ合金やステンレスや炭素鋼などの鋼材のように経年劣化による性能低下の防止を実現できる材料で構成されている。緩衝部材308は、本実施形態では、図18で示すように、緩衝部材308は、胴部12の外形に沿って放射状に配置されるように、径方向外側に向く管として形成されている。緩衝部材308は、保護部材208に対して、溶接やボルト締結により取り付けられる。この緩衝部材308は、変形することで転倒エネルギーを吸収してキャスク11に掛かる荷重を緩和する。なお、緩衝部材308の管をパンチングメタルとして構成してもよい。
この緩衝蓋108によれば、上述した緩衝蓋1と同様に保管時における蓋部13への直接衝突を防止し、かつ転倒時の衝撃を緩和することができる。
図19は、実施形態の緩衝蓋の他の例を示す側断面図である。
図19に示すように、緩衝蓋109は、保護部材209と、緩衝部材309と、を有する。
保護部材209は、剛体からなる。剛体とは、所定の荷重を受け止めて変形を抑制されているもので、例えば、鋼材からなり、鋼板やボックスやパイプで構成される。保護部材209は、剛体を構成するうえで中実の鋼材からなることが好ましい。この保護部材209は、上述した緩衝蓋1の保護部材2や、緩衝蓋101の保護部材201を用いることができる。すなわち、保護部材209は、第一保護部材2A,201Aに相当する第一保護部材209Aと、第二保護部材2B,201Bに相当する第二保護部材209Bと、を有する。
緩衝部材309は、フィン部材309Aからなる。フィン部材309Aは、保護部材209(第二保護部材209B)の径方向外側に配置され、保護部材209(第二保護部材209B)の周りを囲む板体が、軸方向に間隔をおいて複数設けられて構成されている。緩衝部材309は、所定の荷重により変形することで衝撃を吸収する。緩衝部材309は、保護部材209よりも薄い薄板金属やアルミやアルミ合金やステンレスや炭素鋼などの鋼材のように経年劣化による性能低下の防止を実現できる材料で構成されている。緩衝部材309は、本実施形態では、胴部12の外形に沿って円形状の外形に形成されている。緩衝部材309は、保護部材209に対して、溶接やボルト締結により取り付けられる。この緩衝部材309は、変形することで転倒エネルギーを吸収してキャスク11に掛かる荷重を緩和する。なお、緩衝部材309は外気に触れ、各フィン部材309Aの間は外気が通過可能である。このため、緩衝部材309は、伝熱性能が高い材料(銅やアルミなど)を使うことでキャスク11の放熱機能を向上できる。また、緩衝部材309は、フィン部材309Aをパンチングメタルとして構成してもよく、この場合も伝熱性能が高い材料(銅やアルミなど)を使うことでキャスク11の放熱機能を向上できる。
この緩衝蓋109によれば、上述した緩衝蓋1と同様に保管時における蓋部13への直接衝突を防止し、かつ転倒時の衝撃を緩和することができる。
図20は、実施形態の緩衝蓋の他の例を示す平面図である。図21は、実施形態の緩衝蓋の他の例を示す側断面図である。
図20および図21に示すように、緩衝蓋110は、保護部材210と、緩衝部材310と、を有する。
保護部材210は、剛体からなる。剛体とは、所定の荷重を受け止めて変形を抑制されているもので、例えば、鋼材からなり、鋼板やボックスやパイプで構成される。保護部材210は、剛体を構成するうえで中実の鋼材からなることが好ましい。この保護部材210は、上述した緩衝蓋1の保護部材2や、緩衝蓋101の保護部材201を用いることができる。すなわち、保護部材210は、第一保護部材2A,201Aに相当する第一保護部材210Aと、第二保護部材2B,201Bに相当する第二保護部材210Bと、を有する。
緩衝部材310は、所定の荷重により変形することで衝撃を吸収する。緩衝部材310は、上述した緩衝蓋1,101,102,103,104,105,106,107,108,109の緩衝部材3,301,304,305,306,307,308,309を用いることができる。
緩衝蓋110が用いられるキャスク11は、軸方向を上下方向に向けて胴部12を立てた保管状態で、底部29が架台37に嵌められて転倒をし難くされている。架台37は、本実施形態では、図20に示すように、軸方向から視た平面視で四角形状に形成され、周囲が4つの辺37Aを有している。このため、万一、キャスク11が転倒する場合、各辺37Aが向く矢印Tで示す4方向が倒れる方向となる。また、キャスク11は、トラニオン30が、中心軸CLの周り90度ごとに配置されている。従って、架台37は、各辺37Aを90度ごとに向けた四角形として構成し、トラニオン30を矢印Tで示す4方向から外して(例えば、中心軸CLの周り45度外す)キャスク11を載置する。このようにすることで、倒れる方向からトラニオン30を外すことができ、万一キャスク11が転倒してもトラニオン30が損傷することなく、トラニオン30を立て起こす作業に用いることができる。このように、架台37により胴部12が倒れる方向が限定される。
本実施形態の緩衝蓋110は、胴部12よりも径方向外側に突出して設けられた保護部材210、および当該保護部材210の径方向外側に設けられた緩衝部材310を少なくとも胴部12が倒れる方向に配置する。つまり、胴部12よりも径方向外側に突出して設けられた保護部材210、および当該保護部材210の径方向外側に設けられた緩衝部材310は、キャスク11が倒れる方向である矢印Tで示す4方向に配置され、そのほかの部分には配置されない。このようにしても、この緩衝蓋110によれば、キャスク11の倒れる方向が決まっているので、上述した緩衝蓋1と同様に保管時における蓋部13への直接衝突を防止し、かつ転倒時の衝撃を緩和することができる。しかも、本実施形態の緩衝蓋110は、胴部12の外形に合わせて円形の保護部材210および緩衝部材310とすることと比較して、部材の使用量を少なくすることができ、製造コストを低減できる。また、本実施形態の緩衝蓋110は、図20に示すように、軸方向から視た平面視で四角形状にし、直線状の外形を有することで、未使用時に直線状の部分を合わせて他の緩衝蓋110と共に保管することで、円形状の外形と比較し、保管領域を低減できる。
図22は、実施形態の緩衝蓋の他の例を示す側断面図である。
図22に示す緩衝蓋111は、保護部材211と、緩衝部材311と、を有する。
保護部材211は、剛体からなる。剛体とは、所定の荷重を受け止めて変形を抑制されているもので、例えば、鋼材からなり、鋼板やボックスやパイプで構成される。保護部材211は、剛体を構成するうえで中実の鋼材からなることが好ましい。この保護部材211は、上述した緩衝蓋1の保護部材2や、緩衝蓋101の保護部材201を用いることができる。すなわち、保護部材211は、第一保護部材2A,201Aに相当する第一保護部材211Aと、第二保護部材2B,201Bに相当する第二保護部材211Bと、を有する。
緩衝部材311は、所定の荷重により変形することで衝撃を吸収する。緩衝部材311は、上述した緩衝蓋1,101,102,103,104,105,106,107,108,109の緩衝部材3,301,304,305,306,307,308,309を用いることができる。
この緩衝部材311も、胴部12よりも径方向外側に突出して設けられた保護部材211、および当該保護部材211の径方向外側に設けられた緩衝部材311を少なくとも胴部12が倒れる方向に配置する。緩衝部材311の場合、軸方向から視た平面視で十字形状にし、飛び出る4か所の部分をキャスク11の倒れる方向である矢印Tで示す4方向に配置向けて配置する。この緩衝蓋111によれば、キャスク11の倒れる方向が決まっているので、上述した緩衝蓋1と同様に保管時における蓋部13への直接衝突を防止し、かつ転倒時の衝撃を緩和することができる。なお、緩衝部材311は、軸方向から視た平面視で十字形状にて飛び出る4か所以外の内角部分の4か所に緩衝部材311を設けてもよい。