JP4523881B2 - シートの組立方法 - Google Patents
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Description
このシートS′は、図7(a)に示すように、一例として、シートクッション受け部材3′の後端と、バッククッション受け部材6′の下端とが、左右一対のリンク部材8′,8′で連結されている。この場合には、図7(b)に示すように、シートクッション受け部材3′が下方移動するのに伴いバッククッション受け部材6′が斜め前方下方へ移動して、背中に対するサポートが自動調整される。
例えば、特許文献2に記載のエアバッグ装置は、図8に示すように、エアバッグ91′およびガス発生器を一つの独立したエアバッグユニット9′としてまとめ、それをバッククッション5′のサイドサポート部51′のサイドパネル4′に取り付けるものである。かかる装置では、パッドおよび表皮カバーが存在しない領域にエアバッグユニットを嵌装するため、パッドや表皮カバーに影響を与えることがなく、シートの製造作業性が向上する。
参照する図面において、図1は本発明の実施形態に係る自動車用シートの外観を示す斜視図であり、図2は本発明の実施形態に係る自動車用シートの全体の構成を説明するための分解斜視図であり、図3は図2の要部拡大斜視図であり、図4は図2のX−X線の部分断面図であり、図5は本発明の実施形態に係る自動車用シートの側面図である。そして、図6は本発明の実施形態に係る自動車用シートの作用を説明するための説明図であり、(a)は通常時の状態を示し、(b)は走行中の自動車の振動により、シートクッション受け部材が下方へ移動した状態を示す。
なお、自動車用シートSは、図示しない自動車の車室フロアにシートレールSRを介して固着されている。
背もたれ部Bは骨格となるバックフレーム4と、バックフレーム4に載置されるバッククッション5と、バッククッション5を支持するバッククッション受け部材6と、シートクッション受け部材3とバッククッション受け部材6とを連結する連結部材8と、エアバッグユニット9およびエアバッグベース10と、を備えている。
シートクッション受け部材3は、平面視で連続したS字を形成するように鋼線を成形した長さの異なるS字ばね31a,31bをクッションフレーム1の前後にわたり、横並びに配列して構成されている。詳細には、長さの短いS字ばね31a,31aが外側に、長さの長いS字ばね31b,31bが内側に配列され、各S字ばね31a,31a,31b,31bの前端側は、端部を揃えてクッションフレーム1のフロントフレーム12にかしめて固定され、各S字ばね31a,31a,31b,31bの後端側は端部をロの字ワイヤ32にかしめて結合されている。
なお、本実施形態においては、S字ばねは、長さの異なるものを組み合わせたが、これに限定されるものではなく、同じ長さであってもよい。
連結ばね33にはコイルばねが使用され、このコイルばね33の前端をロの字ワイヤ32の後端側のコーナ部32bに係合させ、後端を対面するリアフレーム13に連結して、シートクッション受け部材3がクッションフレーム1に弾性支持されている。
なお、本実施形態においては、ロの字ワイヤ32の後端側の一辺の中央部32aをリアフレーム13に結合したが、これに限定されることはなく、コイルばねで連結してもよいし、連結しなくてもよい。つまり、ロの字ワイヤ32をリアフレーム13にどのように固定するかは、シートの用途やばね剛性等を考慮して適宜決定される。
ここで、サイドフレーム41,41は、断面視で内側に開口した略コの字形をなし、前後方向に伸びた側部41aと、側部41aの前端に短く形成された前部フランジ41bと、側部41aの後端に長く形成された後部フランジ41cとを備えている。
サイドサポート部51は、図4に示すように、バックフレーム4のサイドフレーム41,41とアッパーフレーム42の形状に沿った逆U字形に形成され(図2参照)、サイドパッド511と、サイドパッド511の表面を覆う表皮512とを備えている。そして、サイドサポート部51には、左右のサイドフレーム41,41の側部41aにエアバッグベース10を介してエアバッグユニット9が装着されている。
サイドパッド511は、図4に示すように、断面視でバックフレーム(41,41、42)の内側から外側へ向けて開いた4分の1の円弧状に形成され、サイドフレーム41の内側に位置する内周部511aとサイドフレーム41の前方に位置する前部511bからなり、内周部511aはサイドフレーム41の後部フランジ41cと側部41aに当接して支持され、前部511bはエアバッグベース10のサイドパッド支持部10bで支持されている。
エアバッグユニット9は、エアバッグベース10を介して、サイドフレーム41に固定されている。具体的には、エアバッグユニット9の上部は係合部9a(図2参照)でエアバッグベース10に係止され、エアバッグユニット9の下部はケース91内に固定されたボルト9bをエアバッグベース10の貫通孔10eを通過させて、ボルト9bにサイドフレーム41の裏側からナット9cを螺着させて固定している(図4参照)。
なお、センタサポート部52は、座る人の背中の上部から腰椎の下部までを好適にサポートできるように逆S字形の断面形状を備えるとともに、図示しないランバーサポート等で腰部の支持点P1の形状を調整できるようにしている(図1参照)。
バッククッション受け部材6は、コイルばね61を介して左右のサイドフレーム41に連結され、弾性支持されている(図2参照)。具体的には、左右のサイドフレーム41,41の上部では、対面する位置にコイルばね61,61が配置され、その2つのコイルばね61,61をリンク61aで連結し、リンク61aでバッククッション受け部材6の上部を係止して弾性支持している。左右のサイドフレーム41,41の下部では、バッククッション受け部材6の下部に設けられた左右のフック6bにコイルばね61,61の一端を係合させて、他端をサイドフレーム41,41に連結させて、バッククッション受け部材6の下部を弾性支持している。
連結部材8は、シートクッション受け部材3の後端とバッククッション受け部材6の下端とを連結し、シートクッション受け部材3との第1連結部81,81は固着連結され、バッククッション受け部材6との第2連結部82は回転自由に連結されている。
具体的には、第1連結部81,81はシートクッション受け部材3の矩形状のロの字ワイヤ32の後端側の一辺と連結部材8の2つの脚8a,8aの下端部とをかしめて結合され、第2連結部82は連結部材8の上端部を下向きのU溝状にカールして、そのカールの内側にバッククッション受け部材6の下端の鋼線を巻き込んで回転自在に連結している。
本実施形態に係る自動車用シートSにおいては、図2に示すように、バッククッション5はサイドサポート部51とセンタサポート部52に分割して構成され、サイドサポート部51はバックフレーム4に固定されているが、センタサポート部52は、シートクッション受け部材3の移動に追従してサイドサポート部51とは独立して上下動可能にバックフレーム4に支持されている。したがって、センタサポート部52は、シートクッション受け部材3の下方移動に対して、より円滑に追従することができる。
一方、エアバッグユニット9は、バックフレーム4のサイドフレーム41に固定されたエアバッグベース10に固定されているため、安定して確実に固定されている。
かかる構成により、自動車の走行時の振動によって、例えば人体が下方へ移動すると、それに伴ってシートクッション受け部材3も下方へ移動する。このとき、連結部材8において、第1連結部81は固着連結されているため、シートクッション受け部材3の下方への移動に連動して連結部材8もシートクッション受け部材3と一体に下方へ移動する。また、バッククッション受け部材6も、同様にコイルばね61,61,61,61によりバックフレーム4に弾性支持されているため、連結部材8の下方への移動に連動して円滑に下方へ移動する(図5(a),(b))。
このため、シートクッション受け部材3の変位に連動してバッククッション受け部材6も相対的位置関係を保持しながら変位し、臀部の支持点P1と腰部の支持点P1の互いの位置関係が変動することなく振動を吸収することができ(図4参照)、サポート性を損なうことがない。また、座る人は、支持点P1,P2が体からずれないので、違和感を感じることがなく、乗り心地を向上させることができる。
なお、ここでは、自動車の振動による人体の振動を、一例として下方であるとしたが、水平方向や回転方向であっても同様である。
そして、エアバッグベース10でサイドパッド511の前部511bを支持するように構成することで、サイドパッド511のサポート性を向上させながら、サイドパッド511の前部511bの厚みを薄くしている。このように、エアバッグベース10は、1つの部品で種々の役割を担っている。
なお、エアバッグユニット9が装着されない場合でも、エアバッグベース10を設けることで、サイドフレーム41の角部41eを覆いながら、サイドパッド511を支持することが可能である。
まず、図2に示すように、サイドフレーム41の側部41aにエアバッグベース10を2箇所のビスで固定する。次に、図4に示すように、バックフレーム4(41,41,42)の内側にサイドサポート部51のサイドパッド511を装着し、サイドパッド511に表皮512を被せて、表皮512の端部512a,512bを係合部10d,41dに係合させてサイドパッド511をバックフレーム4(41,41,42)に固定する。
そして、エアバッグユニット9の上部の係合部9aをエアバッグベース10に係合させて、下部のボルト9bをエアバッグベース10の貫通孔10eに通し、さらにサイドフレーム41の貫通孔に通してサイドフレーム41の裏側からナット9cで締結して、エアバッグユニット9をサイドフレーム41に取り付ける。
この工程において、センタサポート部52が装着されていないため、エアバッグユニット9をバックフレーム4としてのサイドフレーム41の側方から押し当てながら、サイドフレーム41に装着されたサイドパッド511の内周部511aをめくってナット9cを締めることができる。このため、ナット9cを後側に向けて配置する必要がないから(図8参照)、締め付け作業性を犠牲にすることなく、背もたれ部Bを薄くすることができる。
最後に、センタサポート部52をバッククッション受け部材6に取り付ける。
例えば、本実施形態においては、エアバッグユニット9を装着した場合について説明したが、これに限定されることはなく、エアバッグユニット9を装着しない場合であっても適用ができる。そして、エアバッグユニット9を装着しない場合には、ケース91と樹脂カバー92のみをエアバッグベース10に装着して、エアバッグ装着車と非装着車とのデザインに差異が生じないようにすることができる。また、エアバッグベース10を設けなくともよいし、エアバッグユニット9とエアバッグベース10をユニット化したものであってもよい。
なお、エアバッグ91bを装着しない場合には、エアバッグ91b等を収納するケース91の形状を変更して、他の収納ケースとして利用することもできる。
B 背もたれ部
C 腰掛部
1 クッションフレーム
2 シートクッション
3 シートクッション部材
4 バックフレーム
41 サイドフレーム
41e 角部
5 バッククッション
51 サイドサポート部
511 サイドパッド
512 表皮
52 センタサポート部
6 バッククッション受け部材
8 連結部材
9 エアバッグユニット
91 ケース
92 樹脂カバー
10 エアバッグベース
Claims (1)
- 腰掛部と背もたれ部とから構成され、
前記背もたれ部は、骨格となるバックフレームと、このバックフレームに設置され、座る人の上体をサポートするバッククッションとを備え、
前記バッククッションは、
前記バックフレームに固定されたサイドサポート部と、
このサイドサポート部とは独立して上下動可能に前記バックフレームに支持されたセンタサポート部と、に分割して構成され、
前記センタサポート部を支持するとともに、前記バックフレームに弾性支持されたバッククッション受け部材と、
前記腰掛部のシートクッションを弾性支持するシートクッション受け部材と、
前記シートクッション受け部材の後端と前記バッククッション受け部材の下端とを連結する連結部材と、を備え、
前記サイドサポート部にエアバッグユニットが装着されるシートの組立方法であって、
前記サイドサポート部を装着する工程と、
前記センタサポート部が装着されていない状態で、前記エアバッグユニットを前記バックフレームの側方から押し当てながら、前記バックフレームに配設された前記サイドサポート部のパッドの内周部を内側からめくって前記サイドサポート部の側方裏側から締結具を締め付けて前記エアバッグユニットを前記バックフレームに取り付ける工程と、
を含むことを特徴とするシートの組立方法。
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