JP2929448B2 - 車両用シートクッション - Google Patents

車両用シートクッション

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JP2929448B2
JP2929448B2 JP29910494A JP29910494A JP2929448B2 JP 2929448 B2 JP2929448 B2 JP 2929448B2 JP 29910494 A JP29910494 A JP 29910494A JP 29910494 A JP29910494 A JP 29910494A JP 2929448 B2 JP2929448 B2 JP 2929448B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車両用シー
トクッションに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9及び図10は自動車に搭載された従
来シート装置の要部構造を示す概略断面図である。同図
のシート装置51は、シートクッション52とシートバ
ック53とで構成されている。
【0003】前記シートクッション52は、フレーム5
4と、このフレーム54上に配設されたスプリング55
と、このスプリング55を介してフレーム54上に配設
されたクッションパッド56と、このクッションパッド
56を覆う表皮材57とで構成されている。
【0004】クッションパッド56と表皮材57とは、
クッションパッド56を発泡成形するときに一体化さ
れ、クッションパッド56の外側表面を表皮材57で覆
った状態となっている。また、クッションパッド56
は、メインパッド部56aと、メインパッド部56aの
両側にあってその下部がメインパッド部56aより下方
へ突出しているサイドパッド部56bとを一体に有し、
また裏面側にスプリング55及びフレーム54を受け入
れるための凹所58が形成されている。なお、メインパ
ッド部56aとサイドパッド部56bを覆っている表皮
材57は、サイドパッド部56bの下端よりさらに延ば
された状態でその端末部57aが一体に形成されてい
る。
【0005】以上の各部材を組み立てる場合は、まずス
プリング55及びフレーム54がクッションパッド56
の凹所58内に格納配置されて、クッションパッド56
がスプリング55を介してフレーム54上に配置され
る。次いで、表皮材57の端末部57aをフレーム54
の裏面側に引っ張り、この端末部57aをフレーム54
の下面にホックリング等のクリップ59を介して固定す
ると、フレーム54とスプリング55と表皮材57付き
のクッションパッド56が、一体化された状態で組み付
けられる。
【0006】このように構成されたシートクッション5
2では、乗員が座り、メインパッド部56a上に荷重が
加えられて押下されると、スプリング55の弾性変形を
伴いながらクッションパッド56が表皮材57と共に下
方に変位される。図10は、専らメインパッド部56a
に荷重が加えられた状態を示し、図9は荷重が加えられ
ていないときの状態を示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来構造のシートクッション52では、表皮材57の端末
部57aはフレーム54の裏面側に引っ張った状態で係
止される構造であることから、乗員が座り、図10の如
くメインパッド部56a上に荷重が加えられて押下され
ると、サイドパッド部56bには、下方向への外力が加
わるとともに、フレーム54側に近づく向きの外力が加
わる。このため、同図中の符号Aで示す下部分が強く圧
縮されることによってフレーム54との間で擦れて干渉
を起こし、その干渉に比例してクッション性を低下する
ことも多い。このように、サイドパッド部56のクッシ
ョン性が低下すると、メインパッド部56aにも影響
し、バネ感を無くしたり振動特性を悪化させて、全体の
クッション性を低下させて座り心地を悪くするという問
題点があった。
【0008】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的はフレームとクッションパッドのサ
イドパッド部との間の干渉を無くし、クッションパッド
の動きをスムースにしてクッション性を最大限有効に発
現できるようにし、乗り心地の良い車両用シートクッシ
ョンを提供することにある。さらに、他の目的は、以下
に説明する内容の中で順次明らかにして行く。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の目的は、本発明の
要部である、フレームと、前記フレーム上に配設された
スプリングと、前記スプリングを介してフレーム上に配
設されたメインパッド部および該メインパッド部の両側
に位置して前記フレームの外側面に沿って配置されるサ
イドパッド部を一体に有したクッションパッドと、前記
クッションパッドの外側表面を覆うとともに、その端末
部をフレーム側に係止させてなる表皮材とを備えた車両
用シートクッションにおいて、前記サイドパッド部にあ
って、前記フレームの側面と対向しているパッド部分を
相対的に硬く形成して剛性を付与することにより、前記
スプリングの弾発力に抗してクッションパッドが表皮材
と共に押下されたときに、前記サイドパッド部がフレー
ムの側面に沿って非干渉状態で下方に移動することによ
り、達成される。
【0010】また、本発明の他の要部である、フレーム
と、前記フレーム上に配設されたスプリングと、前記ス
プリングを介してフレーム上に配設されたクッションパ
ッドと、前記クッションパッドの外側表面を覆うととも
に、その端末部分をフレーム側に係止させてなる表皮材
とを備えた車両用シートクッションにおいて、前記クッ
ションパッドは、下面が略面一に形成されたメインパッ
ド部及びその両側に一体化されたサイドパッド部からな
るとともに、前記サイドパッド部が前記メインパッド部
よりも硬く形成されて剛性が付与されており、前記フレ
ームは、外側面に設けられた形状出し用ブラケットを有
し、前記クッションパッドのうち、前記メインパッド部
を前記スプリングを介して保持し、かつ前記表皮材の端
末部を前記ブラケットの外側を回ってフレーム裏面側に
係止していることにより、達成される。また、本発明の
さらに他の要部である、フレームと、前記フレーム上に
配設されたスプリングと、前記スプリングを介してフレ
ーム上に配設されたクッションパッドと、前記クッショ
ンパッドの外側表面を覆うとともに、その端末部分をフ
レーム側に係止させてなる表皮材とを備えた車両用シー
トクッションにおいて、前記クッションパッドは、メイ
ンパッド部及びその両側に一体化されて下面がメインパ
ッド部の下面より上側になるよう設けられたサイドパッ
ド部からなるとともに、前記サイドパッド部が前記メイ
ンパッド部よりも硬く形成されて剛性が付与されてお
り、前記フレームは、側面から上向きに略逆Uに設けら
れた形状出し用ブラケットを有し、前記クッションパッ
ドのうち、前記メインパッド部を前記スプリングを介し
て保持し、かつ前記表皮材の端末部を前記ブラケットの
対応部に係止していることにより、達成される。
【0011】
【作用】以上の構成によれば、スプリングの弾発力に抗
してクッションパッドが表皮材と共に押下されたとき
に、クッションパッドはサイドパッド部が部分的に剛性
を付与されて形状変位し難くなっていること、あるい
は、その下部側がメインパッド部の下面に対し下方に突
出しないよう切欠(下面が略面一又は、上側になるよう
設けられている)されていることにより、フレーム側と
の間で干渉することが構造的になくなることから、クッ
ションパッドの動きをスムースにして設計通りのクッシ
ョン性を容易に得られる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
詳細に説明する。図1及び図2は本発明の第1実施例で
ある車両用シート装置の要部構造を示す概略断面図であ
る。図1及び図2において、このシート装置1は、大き
くはシートクッション2とシートバック3とで構成され
ている。
【0013】このうち、シートクッション2は、枠状に
形成されたフレーム4と、このフレーム4上に配設され
たジグザグバネ等のスプリング5と、このスプリング5
を介してフレーム4上に配設された発泡ウレタン製のク
ッションパッド6と、このクッションパッド6上を覆っ
て配設された表皮材7とで構成されている。
【0014】クッションパッド6と表皮材7とは、クッ
ションパッド6を発泡成形するときに一体化され、クッ
ションパッド6の外側表面を表皮材7で覆った状態とな
っている。また、クッションパッド6は、スプリング5
上を覆って配置されるメインパッド部6aと、メインパ
ッド部6aの両側にあって、その下部がメインパッド部
6aより下方へ突出しているサイドパッド部6bとを一
体に有して、裏面側にスプリング5及びフレーム4を受
け入れるための凹所8が形成されている。加えて、サイ
ドパッド部6bの下端側には、凹所8を囲む状態にして
略枠状に屈曲形成されたインサートワイヤ10が一体に
挿入されており、このインサートワイヤ10でサイドパ
ッド部6bの下端側を相対的に硬くし部分的に剛性が付
与されている。なお、このインサートワイヤ10は、好
ましくはクッションパッド6を発泡成形するとき同時に
インサートされる。但し、これに限られず、例えばクッ
ションパッド成形時にインサート対応部に周回溝を形成
しておき、パッド成形後にその周回溝内にワイヤを装着
することも可能である。また、両サイドパッド部6a間
の距離は、フレーム4の両側面4a間よりも大きく設定
されており、図1の如く凹所58内にフレーム4を組み
込んだ状態で、サイドパッド部6bの内面と側面4aの
内面との間に隙間が形成されるようになっている。一
方、メインパッド部6a、サイドパッド部6bを覆って
いるた表皮材7は、サイドパッド部6bの下端よりさら
に延ばされた状態にして端末部7aが一体に形成されて
いる。
【0015】以上の各部材を組み立てる場合は、まずフ
レーム4上にスプリング5を設置した後、スプリング5
及びフレーム4がクッションパッド6の凹所8内に格納
される状態にして、クッションパッド6がスプリング5
を介してフレーム4上に配置される。次いで、表皮材7
の端末部7aをフレーム4の裏面側に引っ張って回し、
この端末部7aをフレーム4の下面にホックリング等の
クリップ9を介して複数箇所を固定操作する。すると、
フレーム4とスプリング5と表皮材7付きのクッション
パッド6とが、一体化されてシートクッション2が組み
付けられる。
【0016】このシートクッション2では、乗員が座
り、メインパッド部6a上に荷重が加えられて押下され
ると、スプリング5の弾性変形を伴いながらクッション
パッド6が表皮材7と共に下方に変位される。図2は、
このようにシートクッション2のメインパッド部6aに
荷重が加えられた状態を示し、図1は荷重が加えられて
いないときの状態を示している。
【0017】そして、この第1実施例の構造では、サイ
ドパッド部6bの下端側にインサートワイヤ10が挿入
されて、サイドパッド部6bの下端側に剛性が付与され
ているので、サイドパッド部6bに表皮材7側からフレ
ーム4側に近づく向きの外力が加わっても、これに屈す
ることなく表皮材7の端末部7aを下方に押し下げなが
らほぼ真っ直ぐ下方に変位され、フレーム4とサイドパ
ッド部6bとの間が擦れて干渉を起こすことがなくな
る。しかも、前述のように両サイドパッド部6a間の距
離は、サイドパッド部6bの内面と側面4aの内面との
間に隙間が形成されるように設定されているため、図1
0中の矢印方向の荷重が極めて大きい場合でも、サイド
パッド部6bの下部がフレーム4の側面4aに接触する
というようなことがないので、この部分での干渉が構造
的に起きないものとなる。したがって、第1実施例のシ
ートクッション2では、常にクッションパッド6の動き
をスムースに保持してクッション性を最大限有効に使用
することが可能になり、乗り心地の良い車両用シートク
ッションを得ることができる。
【0018】なお、このようなインサートワイヤ10の
選定は、サイドパッド部6bに表皮材7側からフレーム
4側へ近づく向きの外力が加わっても、これに屈するこ
となく表皮材7の端末部7aを下方に押し下げながらほ
ぼ真っ直ぐ下方に変位させることができる線材であり、
またサイドパッド部6bにおける挿入位置等が設計され
る。
【0019】図3及び図4は本発明の第2実施例である
車両用シート装置の要部断面図である。図3及び図4に
おいて図1及び図2と対応するものは図1及び図2と同
一の符号を付して説明する。図3及び図4において、シ
ートクッション2は、フレーム4と、フレーム4上に配
設されたスプリング5と、スプリング5を介してフレー
ム4上に配設された発泡ウレタン製のクッションパッド
6と、このクッションパッド6上を覆って配設された表
皮材7とで構成されている点、クッションパッド6は、
スプリング5上を覆って配置されるメインパッド部6a
と、このメインパッド部6aの両側にあって、その下部
がメインパッド部6aよりも下方へ突出しているサイド
パッド部6bとを一体に有して、裏面側にスプリング5
及びフレーム4を受け入れるための凹所8を形成してい
る点で第1実施例と同じくしている。
【0020】異なる構成は、クッションパッド6におい
て、サイドパッド部6bの下端側に位置し、凹所8を囲
む状態で一体に形成されたチップウレタン11を有して
いる点である。このチップウレタン11は、クッション
パッド6を発泡成形するときに、その成形型内に表皮材
7と共に予め配置されてインサート成形により設けられ
たものであり、チップウレタン11の存在によって他の
部分よりも硬質になっていて、サイドパッド部6bの下
端側に剛性を付与している。
【0021】以上のようなチップウレタン11は、第1
実施例のインサートワイヤ10と同様な作用効果をなす
ことは勿論であり、しかも、廃材を使用することも可能
なので安価であるという利点もある。なお、このよう
に、このチップウレタン11によりサイドパッド部6b
に付与される剛性の設定にあっては、サイドパッド部6
bに表皮材7側からフレーム4側に近づく向きの外力が
加わっても、これに屈することなく表皮材7の端末部7
aを下方に押し下げながらほぼ真っ直ぐ下方に変位させ
ることができるチップの大きさや目付け量のものが選定
される。
【0022】図5及び図6は本発明の第3実施例として
示す車両用シート装置の要部断面図である。図5及び図
6において図1乃至図4と対応するものは図1乃至図4
と同一の符号を付して説明する。図5及び図6におい
て、このシート装置1は、大きくはシートクッション2
とシートバック3とで構成されている。
【0024】このうち、シートクッション2は、フレー
ム4と、フレーム4上に配設されたジグザグバネ等のス
プリング5と、スプリング5を介してフレーム4上に配
設された発泡ウレタン製のクッションパッド6と、この
クッションパッド6上を覆って配設された表皮材7とで
構成されている。
【0025】また、フレーム4の側面4aには、フレー
ム前側から両側に亘って配置された形状出し用のブラケ
ット13を有しており、側面4a下端からブラケット1
3を外側へ突出している。このブラケット13は、屈曲
形成された所定の剛性を有するワイヤが用いられてお
り、該ワイヤの両端部を含む複数箇所を対応するフレー
ム4の側面4aを含む周囲に溶着した構成である。な
お、ブラケット13としては、所定の剛性を持つ片また
は板状部材であってもよく、要は表皮材7の下部側を所
定の形状に保持可能であればよいものである。
【0026】さらに、クッションパッド6と表皮材7と
は、クッションパッド6を発泡成形するときに一体化さ
れ、クッションパッド6の外側表面を表皮材7で覆った
状態となっている。ここで、クッションパッド6は、メ
インパッド部6cの両側にサイドパッド部6dを一体に
有している。また、図5に示す如くサイドパッド部6d
はその下部が欠如されていて、メインパッド部6の下面
と略面一になるよう設定されている。加えて、サイドパ
ッド部6dの外側近傍内には、インサートワイヤ12が
インサート成形により一体に挿入されており、インサー
トワイヤ12でサイドパッド部6dを相対的に硬くし剛
性が付与されている。このインサートワイヤ12は、両
サイドパッド部6dおよびメインパッド6cに挿入され
るよう屈曲形成された枠状部分を主体とし、この枠状部
分のサイド部略中間に略コ字の補助ワイヤ12aがその
両端を溶接することにより固定されたものである。ま
た、表皮材7には、クッションパッド6の各サイドパッ
ド部6d下端よりさらに延ばされる端末部7aが一体に
形成されている。
【0027】以上の各部材を組み立てる場合は、まずフ
レーム4上にスプリング5を設置した後、スプリング5
上にクッションパッド6を載置させ、次いで表皮材7の
端末部7aをブラケット13の外側からフレーム4の裏
面側に引っ張りながら回し、この端末部7aをフレーム
4の下面にホックリング等のクリップ9を介して複数箇
所で固定操作する。すると、フレーム4とスプリング5
と表皮材7付きのクッションパッド6とが一体化された
状態に組み付けられる。この状態では、クッションパッ
ド6がスプリング5に対し専らメインパッド部6cで保
持されており、少なくともサイドパッド6dの側部側の
下部が非保持状態になっている。
【0028】このようなシートクッション2では、乗員
が座り、クッションパッド6上に荷重が加えられて押下
されると、スプリング5の弾性変形を伴いながらクッシ
ョンパッド6が表皮材7と共に下方に変位される。図6
は、このようにシートクッション2上に荷重が加えられ
た状態を示し、図5は荷重が加えられていないときの状
態を示している。
【0029】そして、第3実施例の構造では、スプリン
グ5上に専らメインパッド部6cを載せ、サイドパッド
部6dの下部が欠如されてフレーム4の側面4aと対応
するパッド部分を持たないばかりか、表皮材7の端末部
7aをブラケット13の外側からフレーム4の裏面側に
引っ張って回し、この端末部7aをフレーム4の下面に
係止するようにしたので、シートクッション下部がブラ
ケット13の突出量に応じた外観形状を得ることができ
ることに加え、クッションパッド6が下方に変位されて
も、サイドパッド部6dとフレーム4との間は勿論のこ
と、端末部7aとフレーム4との間の干渉も生じない。
しかも、サイドパッド部6dは補助ワイヤ12a付きの
インサートワイヤ12の存在により形状保持性が補強さ
れているため、その下部がスプリング5などで保持され
ていなくとも、所定形状を維持している。したがって、
第3実施例のシートクッション2も、常にクッションパ
ッド6の動きをスムースに行わせて、この保持によりク
ッション性を設計通りに発現することが可能になり、乗
り心地の良い車両用シートクッションを得ることができ
るのである。
【0030】図7及び図8は本発明の第4実施例である
車両用シート装置の要部構造を示す概略断面図である。
図7及び図8において、図1乃至図6と対応するものは
図1乃至図6と同一の符号を付して説明する。この第4
実施例は、第3実施例に対してシートクッション2の下
部にあってフレーム4の外側にシートアジャスタ16を
設置したいような場合の例である。図7及び図8におい
て、このシート装置1は、大きくはシートクッション2
と図示せぬシートバックとで構成され、シートスライド
レール15に対しシートアジャスタ16を介して前後方
向にスライド調整自在に配設されている。なお、前記シ
ートバックは、シートアジャスタ16を介してシートク
ッション2側と連結されて、前後方向に傾動調整可能に
なっている。なお、このようなシートアジャスタ16
は、シートスライドレール15の可動側に取付ブラケッ
ト等を介在して固定される一方、フィニッシャ17によ
り外部から見えないよう処理される。
【0031】前記シートクッション2は、フレーム4
と、フレーム4上に配設されたスプリング5と、スプリ
ング5を介してフレーム4上に配設された発泡ウレタン
製のクッションパッド6と、このクッションパッド6上
を覆って配設された表皮材7とで構成されている。
【0032】フレーム4の側面4aには、フレーム前側
から両側に亘って配置された形状出し用のブラケット1
8を有しており、側面4aから斜め上向きに略逆U字状
に突出している。このブラケット18は、アジャスタ
の上端を内側に位置して乗り越える大きさをなし、屈
曲形成されて剛性を有するワイヤが用いられており、該
ワイヤの両端部を含む複数箇所を対応するフレーム4の
側面4aを含む周面に溶着した構成である。なお、ブラ
ケット18としては、所定の剛性を持つ片または板状部
材であってもよく、要は、フレーム4側からアジャスタ
16を下にして表皮材7の下部側に延び、その部分に表
皮材7の下端側を係止して表皮材7を所定の形状に保持
可能であればよい。
【0033】また、クッションパッド6は、ウレタン発
泡製であり、メインパッド部6eの両側にサイドパッド
部6fを一体に有している。また、図7に示す如くサイ
ドパッド部6fはその下部が大きく欠如されていて、メ
インパッド部6eの下面よりも上側に位置するよう設定
されている。なお、サイドパッド部6fは、ブラケット
18の突出部との間に隙間寸法Lだけ確保されている。
この寸法Lは、図8のようにクッションパッド6が下方
向への荷重を受けたときに、サイドパッド部6fの設計
上の最大下降を見込んだ値に設定されている。加えて、
前記サイドパッド部6fの外側近傍内には、インサート
ワイヤ12がインサート成形により一体に挿入されてお
り、インサートワイヤ12でサイドパッド部6fを相対
的に硬くし剛性が付与されている。このインサートワイ
ヤ12は、両サイドパッド部6fおよびメインパッド6
eに挿入されるよう屈曲形成された枠状部分を主体と
し、この枠状部分にあって各サイド部の略中間にコ字形
の補助ワイヤ12aがその両端を溶接することにより固
定されたものである。なお、符号7dは、メインパッド
部6eおよびサイドパッド部6fの下面に一体に設けら
れた裏打ち材である。
【0034】また、表皮材7は、クッションパッド6の
外表面を覆う袋状に縫製加工されたものであり、メイン
パッド部6eに対応するメイン部分7bに接合されて、
両サイドパッド部6fを覆うとともにサイドパッド部6
fの下端よりさらに延びる端末部7aを有している。な
お、符号7cは、メイン部分7bの裏面に一体に設けら
れたワディング7cである。
【0035】以上の各部材を組み立てる場合は、まずフ
レーム4上にスプリング5を設置し、また、クッション
パッド6を表皮材7の内部に入れた状態で、クッション
パッド6をスプリング5上にシート状部材20を介在し
て載置させる。このシート部材20は必要に応じて用い
られるもので、特になくても差し支えない。次いで、表
皮材7の端末部7aをブラケット18の対応部にホック
リング等のクリップ9を介して複数箇所を固定操作す
る。すると、フレーム4とスプリング5とクッションパ
ッド6と表皮材7とが一体化された状態で組み付けられ
る。この組み付け状態では、フレーム4の外側にサイド
パッド部6fおよび端末部7aが位置し、また、フレー
ム4と端末部7aとの間にあってブラケット18が略逆
U字状に突出している。
【0036】したがって、シートクッション2の下部に
あって、フレーム4の側面4aに沿ってシートアジャス
タ16を設置する場合等には、サイドパッド部6fの下
部を大きく欠如していること、シートアジャスタ16を
ブラケット18の内側に位置させることなどにより、シ
ートアジャスタ16用の配置空間を容易に確保できる。
そして、このシートクッション2では、乗員が座り、ク
ッションパッド6上に荷重が加えられて押下されると、
スプリング5の弾性変形を伴いながらクッションパッド
6が表皮材7と共に下方に変位される。図8は、そのよ
うにシートクッション2上に荷重が加えられた状態を示
している。この状態でも、サイドパッド部6fの下部が
欠如されているので、クッションパッド6が下方に変位
されても、サイドパッド部6fとフレーム4あるいはブ
ラケット18との間の干渉が構造的になくなるのであ
る。
【0037】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明にあって
は、スプリングの弾発力に抗してクッションパッドが表
皮材と共に押下されたときに、特にクッションパッドの
サイドパッド部がフレーム側と干渉することがないの
で、クッションパッドの動きをスムースにしてクッショ
ン性を最大限有効に使用することが可能になる。これに
より、乗り心地の良い車両用シートクッションを得るこ
とができる等の効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例として示す車両用シート
装置の要部構造断面図である。
【図2】 前記第1実施例装置における動作状態図であ
る。
【図3】 本発明の第2実施例として示す車両用シート
装置の要部構造断面図である。
【図4】 前記第2実施例装置における動作状態図であ
る。
【図5】 本発明の第3の実施例として示す車両用シー
ト装置の要部構造断面図である。
【図6】 前記第3実施例装置における動作状態図であ
る。
【図7】 本発明の第4実施例として示す車両用シート
装置の要部構造断面図である。
【図8】 前記第4実施例装置における動作状態図であ
る。
【図9】 従来におけるシート装置の要部構造を示す概
略断面図である。
【図10】 従来装置における動作状態図である。
【符号の説明】
2 シートクッション 4 フレーム 4a フレームの側面 5 スプリング 6 クッションパッド 6a,6c,6e メインパッド部 6b,6d,6f サイドパッド部 7 表皮材 7a 端末部 10,12 インサートワイヤ 11 チップウレタン 13,18 ブラケット

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレームと、前記フレーム上に配設され
    たスプリングと、前記スプリングを介してフレーム上に
    配設されたメインパッド部および該メインパッド部の両
    側に位置して前記フレームの外側面に沿って配置される
    サイドパッド部を一体に有したクッションパッドと、前
    記クッションパッドの外側表面を覆うとともに、その端
    末部をフレーム側に係止させてなる表皮材とを備えた車
    両用シートクッションにおいて、 前記サイドパッド部にあって、前記フレームの側面と
    しているパッド部分を相対的に硬く形成して剛性を付
    与することにより、前記スプリングの弾発力に抗してク
    ッションパッドが表皮材と共に押下されたときに、前記
    サイドパッド部がフレームの側面に沿って非干渉状態で
    下方に移動するようにしたことを特徴とする車両用シー
    トクッション。
  2. 【請求項2】 前記サイドパッド部が、前記フレームの
    側面と対向するパッド部分に挿入されたインサートワイ
    ヤにより部分的に剛性を付与されている請求項1に記載
    の車両用シートクッション。
  3. 【請求項3】 前記サイドパッド部が、前記フレームの
    側面と対向するパッド部分に一体に挿入された硬質のチ
    ップウレタンにより部分的に剛性を付与されている請求
    項1に記載の車両用シートクッション。
  4. 【請求項4】 フレームと、前記フレーム上に配設され
    たスプリングと、前記スプリングを介してフレーム上に
    配設されたクッションパッドと、前記クッションパッド
    の外側表面を覆うとともに、その端末部分をフレーム側
    に係止させてなる表皮材とを備えた車両用シートクッシ
    ョンにおいて、 前記クッションパッドは、下面が略面一に形成されたメ
    インパッド部及びその両側に一体化されたサイドパッド
    部からなるとともに、前記サイドパッド部が前記メイン
    パッド部よりも硬く形成されて剛性が付与されており、 前記フレームは、外側面に設けられた形状出し用ブラケ
    ットを有し、前記クッションパッドのうち、前記メイン
    パッド部を前記スプリングを介して保持し、か つ前記表
    皮材の端末部を前記ブラケットの外側を回ってフレーム
    裏面側に係止している ことを特徴とする車両用シートク
    ッション。
  5. 【請求項5】 フレームと、前記フレーム上に配設され
    たスプリングと、前記スプリングを介してフレーム上に
    配設されたクッションパッドと、前記クッションパッド
    の外側表面を覆うとともに、その端末部分をフレーム側
    に係止させてなる表皮材とを備えた車両用シートクッシ
    ョンにおいて、 前記クッションパッドは、メインパッド部及びその両側
    に一体化されて下面がメインパッド部の下面より上側に
    なるよう設けられたサイドパッド部からなるとともに、
    前記サイドパッド部が前記メインパッド部よりも硬く形
    成されて剛性が付与されており、 前記フレームは、側面から上向きに略逆Uに設けられた
    形状出し用ブラケットを有し、前記クッションパッドの
    うち、前記メインパッド部を前記スプリングを介して保
    持し、かつ前記表皮材の端末部を前記ブラケットの対応
    部に係止していることを特徴とする車両用シートクッシ
    ョン。
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