JP4521945B2 - プリンタ - Google Patents

プリンタ Download PDF

Info

Publication number
JP4521945B2
JP4521945B2 JP2000223803A JP2000223803A JP4521945B2 JP 4521945 B2 JP4521945 B2 JP 4521945B2 JP 2000223803 A JP2000223803 A JP 2000223803A JP 2000223803 A JP2000223803 A JP 2000223803A JP 4521945 B2 JP4521945 B2 JP 4521945B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotation
drive unit
lever
cam
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000223803A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002036658A (ja
Inventor
敏則 佐藤
幸司 新田
恵 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHINKO MECHATROTECH CO., LTD.
Original Assignee
SHINKO MECHATROTECH CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHINKO MECHATROTECH CO., LTD. filed Critical SHINKO MECHATROTECH CO., LTD.
Priority to JP2000223803A priority Critical patent/JP4521945B2/ja
Publication of JP2002036658A publication Critical patent/JP2002036658A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4521945B2 publication Critical patent/JP4521945B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、印字媒体のスキュー補正、搬送補助ガイドの移動、印字ヘッドの昇降、スキャナーの昇降等の付随的動作を単一の駆動源を用いて行わせるプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
通帳又は単票用紙などの連続用紙以外の印字媒体(以下、単に媒体という。)に印字するプリンタにおいては、一般的に、後述する媒体の幅寄せ、搬送補助ガイドの移動、印字ヘッドの昇降、スキャナーの昇降等の付随的動作を行うようになっている。
(1)媒体のスキュー補正
媒体のスキュー(搬送方向に対する傾き)を矯正するために、搬送面を遮断するストッパを停止位置に移動させるとともに、媒体を駆動ローラに対して挟持する押えローラを離間させることにより行う。
(2)搬送補助ガイドの移動
一般的に、上部搬送ガイドには、印字ヘッド移動用空隙が形成されている。搬送により媒体の先端が通過するとき、その印字ヘッド移動用空隙が開放されたままであると、ジャムする恐れがあるので、その印字ヘッド移動用空隙を遮蔽するための搬送補助ガイドを設け、印字処理をしない期間は、その空隙を遮蔽する位置に移動し、印字処理をする期間は、その空隙を開放する位置に移動させるようにしている。
(3)印字ヘッドの昇降
所定の印字品質の確保の方法として、印字ヘッドを固定プラテンに対して押付けてなぞる方式を採用する場合は、印字処理を行なう期間は、印字ヘッドを下降させ、それ以外の期間は媒体搬送の安定性を確保するため、印字ヘッドを上昇させるようにしている。
(4)スキャナーの昇降
プリンタに挿入された媒体に対して処理を行なう前に、その媒体に記録されている識別情報、頁情報その他を光学的に読取るためのスキャナーを、搬送路を挟んで上下に対設する場合は、読取り処理を行なう期間以外は、媒体搬送の安定性を確保するため、上スキャナーを上昇させることが望ましい。
【0003】
従来のプリンタにおいては、上記各付随的動作毎に別個の駆動源、例えばソレノイド又はパルスモータ及び伝動機構を設けていたため、駆動源の数だけ製造コストが高くなり、消費電力が多くなり、また、複数の駆動源及び伝動機構を内蔵するので、プリンタ本体の小型化が困難であった。
これに鑑み、本出願人は、特願平5−289996号明細書及び特願平6−268425号の明細書において、上記媒体の幅寄せその他の付随的動作を単一の駆動源を用いて行うようにしたプリンタを開示した。
特願平5−289996号のものは、2層構造の作動板に揺動アームのガイドローラを挿通した構造であるために、部品点数が多く、従って構造も複雑であった。このため、部品コストの削減及びプリンタ本体の小型化が不十分であり、また、組立作業及び保守作業に手間がかかっていた。
特願平6−268425号の発明は、上記特願平5−289996号の発明の難点を解消して、一層のコスト低減及び小型化を図るとともに、組立作業及び保守作業を容易化するためになされた。
【0004】
特願平6−268425号(特許第2986349号)の発明は、回転軸を正逆回転し得る回転駆動源と、前記回転軸に連結され、その回転軸の回転角度に対応して複数の連動部材を回動させる運動変換部と、第1の連動部材の回動に応動して媒体を幅寄せする幅寄せ駆動部と、第2の連動部材の回動に応動して搬送ガイドに設けられている磁気ヘッド用開口部のシャッタを開閉するシャッタ駆動部と、第3の連動部材の回動に応動して媒体を案内する搬送補助ガイドを印字ヘッド移動用間隙に対して進退させる搬送補助ガイド駆動部とを有し、前記運動変換部は、複数個の所定形状のガイド孔が形成された、前記回転軸の回転角度に対応して直線往復運動する1枚の作動板と、各ガイド孔に挿通されたガイドローラを揺動自在に支持し、かつ、ガイドローラの揺動に連動して回動する連動部材とを有するものである。そして、各連動部材が運動変換部の1枚の作動板に設けられたガイド孔にならって回動することによって、幅寄せ駆動部、シャッタ駆動部及び搬送補助ガイド駆動部が駆動されるようになっている。
【0005】
上記特許発明の具体的構成を図8及び図9に基づいて説明すると、図8は、第2986349号特許発明のプリンタの要部側面図、図9は要部の構成を示す分解斜視図である。
このプリンタは、概括的には、回転駆動源100、運動変換部200、幅寄せ駆動部(不図示)、シャッタ駆動部(不図示)、搬送補助ガイド駆動部(不図示)及びプラテン移動部600を有している。
【0006】
回転駆動源100は、回転軸101aを正逆回転し得るモータ101と、モータ101を駆動制御する図示しないモータ制御手段によって構成されている。
運動変換部200は、概括的には、以下に詳述する回転揺動変換機構210、揺動直動変換機構240及び直動揺動変換機構250を有している。
【0007】
回転揺動変換機構210は、カム211、スライダ212、突出ピン212c、ガイドロッド213a,213b、従動ローラ215、揺動レバー217及び支点218によって構成されていて、回転駆動源100のモータ101の回転運動を揺動レバー217の矢印B方向(図8)の揺動運動に変換する。
カム211には、カムの回転角度でほぼ720度の範囲に亘って、渦巻状でかつ偏心したカム溝211aが形成され、回転軸211bにより回転軸101aに結合されている。スライダ212は、その長手方向に延びるように成形されたガイド孔212aに、プリンタ本体に一端を固着された2本のガイドロッド213a,213bを挿通することにより、矢印A方向に往復移動可能に支持されている。また、スライダ212の一端部に固着された従動ローラ215が、上記カム溝211aに摺動自在に嵌合され、カム溝211aをならって追動するようになっている。したがって、スライダ212は、カム溝211aの回転角度に応じて矢印A方向を往復移動する。
スライダ212の中間に設けられた突出ピン212cは、揺動レバー217の一端部に形成された切欠溝又は長孔216に挿入され、揺動レバー217の中間部は、プリンタ本体に固着された支点218を中心にして矢印B方向に揺動自在に支持されており、他端部には、ローラ219が設けられている。
【0008】
揺動直動変換機構240は、作動板241及びガイドロッド242a,242bによって構成されていて、揺動レバー217の矢印B方向の揺動往復運動を作動板241の矢印C方向の直線往復運動に変換するものである。
作動板241には、上、下部に隔てた位置に互いに平行な2本のガイド孔241a,241bが設けられた、これらのガイド孔にプリンタ本体に固着された合計3本のガイドロッド242a,242bが三角形の頂点に対応する位置においてそれぞれ挿通されている。また、作動板241の一端部に設けられた係合孔241cには、揺動レバー217のローラ219が挿入され係合されている。
従って、作動板241は、揺動レバー217の矢印B方向の揺動に伴って、ガイドロッド242a,242bに案内されて矢印C方向を直線往復運動する。
さらに、作動板241には、ガイドロッド242aの上側に中間部が山形に屈曲された第1のガイド孔243と、両ガイドロッド242a,242bの間に中間部が傾斜された第2のガイド孔244とが形成されている。
【0009】
なお、PD1は、作動板241の端部241を検知するように、プリンタ本体に固定された光学センサであるが、これについては後述する。
【0010】
直動回動変換機構250は、第1の連動部材251と、第2の連動部材252と、第3の連動部材255とから構成されている。
第1の連動部材251は、アーム251aの両端に互いに反対方向に突出する軸部251bとガイドローラ251cを設けてなり、軸部251bをプリンタ本体に回動自在に支持し、ガイドローラ251cを第1のガイド孔243に挿通してある。従って、作動板241の矢印C方向への移動に伴って、ガイドローラ251cが第1のガイド孔243をならって従動することにより、第1の連動部材251は、第1のガイド孔243の山形の形状に応じた角度分だけ矢印D1方向に回動する。
【0011】
第2の連動部材252は、互いに連繋されたほぼく字状のレバー253及び揺動アーム254から構成されている。レバー253は、その中間部において軸部253aによりプリンタ本体に回動自在に支持され、一端部に軸部253aと反対方向に突出するガイドローラ253bを有し、そのガイドローラ253bを第1のガイド孔243に挿通させてある。レバー253の他端部に係合溝253cが形成されている。
一方、揺動アーム254は、その一端において軸部254aによりプリンタ本体に回動自在に支持され、他端の軸部254aと反対方向に突出する係合突起254bがレバー253の係合溝253cに係合されている。
従って、作動板241の矢印C方向の移動に伴って、ガイドローラ253bが
第1のガイド孔243をならって従動することにより、レバー253が回動し、これに連繋された揺動アーム254は、レバー253とは反対方向に回動する。すなわち、第2の連動部材252の軸部254aは、第1のガイド孔243の山形の形状に応じた角度分だけ矢印D2方向に回動する。
【0012】
上述したように、第1の連動部材251と第2の連動部材252とは、それぞれ同一のガイド孔243の形状にならって回動するが、ガイドローラ251,253bのガイド孔243に挿通させている位置が異なるため、異なるタイミングで回動する。
【0013】
一方、第3の連動部材255は、アーム255aの一端において直角方向に延びる軸部255bをプリンタ1の本体に回動自在に支持させ、アーム255aの他端に、軸部255bと反対方向に突出するガイドローラ255cを設けて構成され、そのガイドローラ255cを第2のガイド孔244に挿通させてある。
従って、作動板241の矢印C方向の移動に伴って、第3の連動部材255は、ガイドローラ255cが第2のガイド孔244をならって追動することにより、第3の連動部材255は、第2のガイド孔244の傾斜に応じた角度分だけ矢印D3方向に回動する。
【0014】
上述のように、第1〜第3の連動部材251,252,255により構成される直動回動変換機構250は、1枚の作動板241の矢印C方向の直線往復運動を矢印D1〜D3方向の回動往復運動に変換する。従って、回転駆動源100の回転運動は、回転揺動変換機構210、揺動直動変換機構240及び直動回動変換機構250によって、最終的には各連動部材251,252,255の回動往復運動に変換される。
そして、第1の連動部材251は、幅寄せ駆動部の、媒体を搬送基準面に移動させる幅寄せローラを移動させる機構のアーム(不図示)に連結されており、第2の連動部材252は、シャッタ駆動部のシャッタを開閉させると同時に搬送補助ガイド移動部のガイドを移動させるためのリンク(不図示)に連結されており、さらに、第3の連動部材255は、幅寄せローラの移動と同期して媒体を送りローラに押圧して挟持する押えローラを昇降させる押えローラ昇降機構の昇降アーム(不図示)に連結されている。
【0015】
なお、プラテン602を昇降させるプラテン移動部600は、回転駆動源100のモータ101によりベルト601を介して回転されるプーリ605に電磁クラッチ606を介して結合されたカム604によりプラテン602を昇降させるようにしてある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許発明は、上記のように、揺動直動変換機構240が1枚の作動板241によって構成されているため、部品点数が減り、機構が簡素化されて、低コスト及び小型化が実現され、組立て作業及び保守作業が容易になるという利点を有するが、媒体の幅寄せ、搬送路のシャッター開閉、搬送補助ガイド移動のタイミング、すなわち、第1〜第3の各連動部材251,252,255の駆動タイミングは、作動板241のガイド孔243,244の形状によって決定される。そして、作動板241は直線往復移動するものであるため、媒体挿入から吸入搬送、印字位置での停止、印字及び排出搬送の工程をこの順序で行う際に、媒体の幅寄せ動作及びその復旧、搬送路のシャッター開閉、搬送補助ガイド移動及び復旧を所定の順序で行うためには、カム211の正転・逆転及び作動板241の前進・後退を複数回繰り返す必要がある。すなわち、動作処理ポイントが重複するため、一連の動作を行う際に各ポイントを行ったり来たりすることとなる。従って、回転駆動源の制御を複雑にするばかりでなく、媒体の印字処理に時間がかかるため、スループットを良くするには、さらなる改善が望まれる
【0017】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その課題は、一つの回転駆動源を用いて印字媒体のスキュー補正、搬送補助ガイドの移動、印字ヘッドの昇降、スキャナーの昇降等の付随的動作を行なうプリンタにおいて、動作処理ポイントを回転駆動源の一回転方向に重複せずに設定することを可能にし、従って、部品コストの低減、回転駆動源の制御の簡単化、媒体の印字処理の時間短縮、スループットの向上を可能にすることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、正転及び逆転が可能な一つの回転駆動源から動力を、搬送ローラのうちの押えローラを駆動ローラに対して昇降させる押えローラ昇降駆動部、媒体のスキュー補正用ストッパを停止位置と非停止位置との間において回動させるストッパ駆動部、搬送ガイドに開設された印字ヘッド移動用空隙を開閉するための搬送補助ガイドを閉鎖位置と開放位置との間において移動させる搬送補助ガイド駆動部、印字ヘッド昇降駆動部及びスキャナー昇降駆動部に、それぞれ伝達するようにしたプリンタにおいて、(a)前記回転駆動源は、一つの回転軸をほぼ360度の範囲で一回転させるものであること、(b)前記回転軸と前記押えローラ昇降駆動部との間に第1回転揺動変換機構を、前記回転軸と前記ストッパ駆動部との間に第2回転揺動変換機構を、前記回転軸と前記搬送補助ガイド駆動部との間に第3回転揺動変換機構を、前記回転軸と前記印字ヘッド昇降駆動部及びスキャナー昇降駆動部との間に第4回転揺動変換機構を、それぞれ設けたこと、(c)第1回転揺動変換機構は、前記回転軸に固着された第1カムと、前記押えローラ昇降駆動部の押えローラを支持し、前記第1カムに係合されていて、前記第1カムの回転に応じて揺動される第1レバーとからなり、前記回転軸の第1回転角度範囲において回転運動を揺動運動に変換して押えローラ昇降駆動部に伝えるものであり、(d)第2回転揺動変換機構は、前記回転軸に固着され、その回転軸の回転に応じて、前記ストッパ駆動部のスキュー補正用ストッパを停止位置と非停止位置との間を揺動させる第2カムからなり、前記回転軸の第2回転角度範囲において回転運動を揺動運動に変換して前記ストッパ駆動部に伝えるものであり、(e)第3回転揺動変換機構は、前記回転軸に固着された第3カムと、その第3カムに一端が係合され、他端が前記搬送補助ガイド駆動部に結合されている第3レバーとからなり、前記回転軸の第3回転角度範囲及び第5回転角度範囲において回転運動を揺動運動に変換して、前記搬送補助ガイド駆動部に伝えるものであり、(f)第4回転揺動変換機構は、前記回転軸に固着された第4カムと、駆動レバーと、従動レバーとからなるとともに、前記第4カムは、側面にほぼ360度に亘って伸びる螺旋状のカム溝を有し、前記駆動レバーはその一端が前記カム溝に摺動自在に嵌合され、かつ、中間において揺動自在に支持され、前記従動レバーはその自由端が前記駆動レバーの他端の上面に当接され、その従動レバーの上面に、キャリッジに昇降自在に支持された印字ヘッドに固着された作動軸が当接されていて、前記回転軸の第4回転角度範囲において回転運動を揺動運動に変換して、前記印字ヘッド昇降駆動部及びスキャナー昇降駆動部に伝えるものであること、を特徴としている
上記構成により、回転駆動源から与えられる回転駆動力により回転軸が360度の範囲で回転する間に、第1回転揺動変換機構は回転軸の第1回転角度範囲において回転運動を揺動運動に変換して押えローラ昇降駆動部に伝えるため、押えローラが開放位置から閉鎖位置に移動される。第2回転揺動変換機構は回転軸の第2回転角度範囲において回転運動を揺動運動に変換してストッパ駆動部に伝えるため、ストッパが停止位置から非停止位置に移動される。従って、搬送力を与えられ、停止位置のストッパに当てられてスキューを補正された媒体が搬送される。第3回転揺動変換機構は、回転軸の第3回転角度範囲及び第5回転角度範囲において回転運動を揺動運動に変換して、搬送補助ガイド駆動部に伝えるため、第3回転角度範囲において、それまで開放位置に保たれていた搬送補助ガイドが閉じられ、第5回転角度範囲において、閉鎖位置に保たれていた搬送補助ガイドが再び開けられる。第4回転揺動変換機構は、回転軸の第4回転角度範囲において回転運動を揺動運動に変換して、印字ヘッド昇降駆動部及びスキャナー昇降駆動部に伝えるため、それまで搬送面の上方に維持されていた印字ヘッド及び上スキャナーを搬送面まで下降させる。
【0019】
記構成において、第1回転揺動変換機構は、前記回転軸に固着された第1カムと、前記押えローラ昇降駆動部に結合され、前記第1カムに係合されていて、第1カムの回転に応じて揺動される第1レバーとからなり、第2回転揺動変換機構は、前記回転軸に固着され、その回転軸の回転に応じて、前記ストッパ駆動部を揺動させる第2カムからなり、第3回転揺動変換機構は、前記回転軸に固着された第3カムと、その第3カムに一端が係合され、他端が前記搬送補助ガイド駆動部に結合されている第3レバーとからなり、第4回転揺動変換機構は、前記回転軸に固着された第4カムと、その第4カムに一端が係合されている第4レバーと、その第4レバーの揺動と連動して揺動し、前記印字ヘッドの昇降駆動部及び上スキャナーの昇降駆動部を駆動させる補助レバーとからなっている。
上記構成により、各回転揺動変換機構は、カムとそのカムにより揺動されるレバーとの簡単な構成とすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図1ないし図6の図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係るプリンタの縦断面図、図2は本発明の要部を概念的に示す説明図、図3は要部の実際の構成を一部を省略して示す平面図、図4は第4回転揺動変換機構の構成及び当初作用を示す側面図、図5は同じく最終作用を説明する側面図、図6はスキャナー昇降駆動部の構成を示す分解斜視図、図7はモード切替用モータの所定回転角度における被駆動部の作用及び各処理のタイミングを説明するタイムチャートである。
【0021】
図1において、dr1〜dr3は媒体搬送面CLの下側に設けられた駆動ローラ、pr1〜pr3は媒体搬送面CLの上側に各駆動ローラdr1〜dr3に対設された押えローラであり、駆動ローラdr1〜dr3を回転駆動する搬送モータ(図示省略)とともに、媒体挿入口兼排出口1から挿入された媒体を搬送する媒体搬送手段を構成している。
媒体挿入口兼排出口1に最も近い位置に設けてある押えローラpr1は、挿入された媒体のスキュー(搬送方向に対する傾き)を補正するため、駆動ローラdr1に対して昇降させるための押えローラ昇降駆動部10に保持されている。押えローラ昇降駆動部10は、図2及び図3に例示するように、軸受11により回転自在に支持された支軸12に押えローラpr1を回転自在に保持する板バネ製の保持部材13の一端部を固着し、支軸12の両端部に第1レバー14を固着し、第1レバーの先端にカフォロワ15を設けて構成してあり、カフォロワ15に所定方向の力を加えることにより、押えローラpr1を駆動ローラdr1から上方に離間させることができるようになっている。
【0022】
また、媒体挿入口兼排出口1に最も近い位置に設けてある押えローラpr1と駆動ローラdr1のニップ部の直後において、押えローラを逃げるために切欠された櫛歯状のスキュー補正用ストッパ4が設けられ、スキュー補正用ストッパ4はこのストッパの先端を搬送面の媒体停止位置と非停止位置との間に移動させるためのスキュー補正用ストッパ駆動部20に連結されている。さらに詳述すると、スキュー補正用ストッパ4は、その中間点において固着された支軸5を軸受21に回転自在に支持させてあり、支軸の両端部に結合された第2レバー22の自由端にカムフォロワ23が設けてあり、そのカムフォロワ23に所定方向の力を加えると、常時は自重により先端が搬送面の媒体停止位置に付勢されているストッパ4が支軸5を中心に回動されて、ストッパ4の先端が搬送面よりも上方に、すなわち、媒体の通過を許容する非停止位置に移動されるようになっている。軸受21、第2レバー22及びカムフォロワ23がスキュー補正用ストッパ駆動部20を構成している。
【0023】
媒体搬送路を形成する上ガイド板2には、印字ヘッド8が媒体搬送方向と直角な方向に移動する領域において上ガイド板2を切除して開放された印字ヘッド移動用空隙2aが形成されているため、印字ヘッドが媒体搬送路の外側に退避される非印字期間は前記空隙2aを開放状態に放置すると、搬送される媒体の先端がその空隙2aにジャムする恐れがある。そこで、ジャム防止のため、非印字期間は前記空隙2aを遮蔽して媒体の搬送を補助する搬送補助ガイド6が、その一端部と上ガイド板2の空隙側端部に設けた支軸7を中心に回動自在に取り付けられ、かつ、印字期間は空隙2aを開放し、非印字期間は空隙2aを遮蔽するように搬送補助ガイド6を駆動する搬送補助ガイド駆動部30が設けられることが多い。
搬送補助ガイド駆動部30は、図2に例示するように、搬送補助ガイド6の他端部に枢着されたリンク31と、そのリンクの他端部に一端部が枢着され、中間部の支軸32により回転自在に支持された第3レバー33と、第3レバーの他端部に取り付けられたカムフォロワ34とから構成されている。そして、カムフォロワ34に所定方向の力を加えると、第3レバー33及びリンク31を介して、搬送補助ガイド6が空隙2aを遮蔽する位置に移動され、カムフォロワ34への力を除くと、空隙2aを開放する位置に復帰されるようになっている。
【0024】
印字ヘッド8は、媒体搬送方向と直角な方向に移動するための既知の印字ヘッド移動機構に支持されている。この機構は、プリンタ本体に固着された上下2本の水平なガイド軸81a,81bに沿って移動自在に保持された主キャリッジ82、この主キャリッジを所定方向に移動する歯付きベルト、そのベルトを支持する両側のプーリ、そのプーリを所定方向に回転するためのモータ、及びモータ制御部(いずれも図示省略)により構成されているが、印字位置に停止された媒体に対する印字品質を確保するため、媒体と印字ヘッド間に所定のギャップを確保する目的で印字期間中は印字ヘッドを搬送面に接近させ、また、非印字期間は媒体の搬送安定性を確保するため、印字ヘッドを搬送面よりも上方に移動させる印字ヘッド昇降駆動部40が備えられている。
印字ヘッド昇降駆動部40は、主キャリッジ82に昇降ガイド軸41を固着し、その昇降ガイド軸41に沿って一定範囲で昇降自在に保持されている副キャリッジ42に印字ヘッド8を固定するとともに、主キャリッジ82に固定された係止片82aと副キャリッジ42に固定された係止片42aとの間に引っ張りバネ43を取り付けて、印字ヘッド80をそのノーズが常に搬送面に接近するように付勢し、かつ、印字ヘッド8の後方に伸びる作動軸44を取付けて構成されている。好ましくは作動軸44の先端にコロ45が設けられている。
そして、コロ45に上向きの力を加えることにより、印字ヘッド8を搬送面よりも上方に移動させることができるようになっている。
【0025】
印字ヘッド8よりも下流側には、上下スキャナーSU,SLが搬送面を挟んで上下に対設してある。これらのスキャナーは、媒体に記録されている頁数字又は頁記号その他のイメージ情報を読み取るためのものである。下スキャナーSLには、その上面を搬送面とほぼ一致させて固定されているが、上スキャナーSUは、非読取り期間中は、媒体の搬送安定性を確保するため、その下面搬送面よりも上方に退避させ、読取り期間中のみ搬送面まで下降させるためのスキャナー昇降駆動部50が設けられている。
【0026】
スキャナー昇降駆動部50は、次のように構成されている。すなわち、図1及び図4に示すように、上スキャナーSUを保持するホルダ51の上面には、軸52が起立されている。搬送面よりも上方に媒体搬送方向に直角な軸線を有する水平な軸53が回転自在に支持され、その軸53に従動レバー54がその一端部において固着されている。従動レバー54の上板54aには長孔54bが形成されており、この長孔54に軸52が貫通され、その軸52の上端部はプリンタ本体に固定された係止部材55の孔に昇降自在に貫通されている。軸52の上端部には抜け止めストッパ52aが設けられている。そして、軸52には係止部材55と従動レバー54の上板54aの間において圧縮バネ56が巻装されている。
【0027】
従動レバー54は鞍状に形成されていて、両側の側板54cの間に前記上スキャナーSUのホルダ51が収容されている。そして、そのホルダ51の上面から起立する軸52の根元の周囲に、上面に凸面となる半球状の当接部材57が固着されている。そして、圧縮バネ56の作用により、軸52の上端部が従動レバー54の上面から離間される方向に付勢されているので、ホルダ51の当接部材57の上端部が従動レバー54の上板54aの下面に押し当てられている。
こうして、従動レバー54は、上スキャナーSU、ホルダ51及び軸52の荷重を受けて自重により、又は圧縮バネ56により、その上スキャナーSUが下スキャナーSLに当接する方向に付勢されている。
なお、ホルダ51の上面中央に設けられた半球状の当接部材57は、従動レバー54の傾斜角度の変化に関わらず、上スキャナーUSが常に水平状態を保持できるようにしたものである。
【0028】
従動レバー54には、その片側の側板54cの下端部外面にコロ58が回転自在に支持されている。そして、従動レバー54はその上板54aが印字ヘッド8の作動軸44の先端のコロ45の下方に位置させてある。
上記ホルダ51、軸52,53、従動レバー54、係止部材55、圧縮バネ56によりスキャナー昇降駆動部50が構成されている。
【0029】
上記押えローラ昇降駆動部10、スキュー補正用ストッパ駆動部20、搬送補助ガイド駆動部30、印字ヘッド昇降駆動部40及び上スキャナー昇降駆動部50を本発明に基づいて一つの回転駆動源により駆動させるために、次のような新規な構成が採用されている。すなわち、図1及び図2において、MMは好ましくはステッピングモータを用いる正逆回転可能な回転駆動源である。
回転駆動源MMは押えローラ昇降駆動部10による押えローラpr1の昇降、スキュー補正用ストッパ駆動部20によるスキュー補正用ストッパ4の昇降、搬送補助ガイド駆動部30による搬送補助ガイド6の開閉、印字ヘッド昇降駆動部40による印字ヘッド8の昇降、及びスキャナー昇降駆動部50による上スキャナーSUの昇降などの各モードを切替えるための回転駆動源であるので、以下には、モード切替モータという。モード切替モータMMは、回転制御部MCONからの制御信号により、所定角度正転又は逆転される。プリンタの好ましくは前部に一つの共通の回転軸CSが回転自在に設けられ、その回転軸CSは伝動ベルト71及びプーリ72〜74を介してモード切替モータMMの回転駆動力を与えられるようになっている。
そして、本発明においては、回転軸CSの回転運動を揺動運動に変換して上記各駆動部10,20,30,40及び50にそれぞれ伝える第1回転揺動変換機構ないし第4回転揺動変換機構10A,20A,30A,40Aが備えられている。以下に、各回転揺動変換機構について、詳細に説明する。
【0030】
回転軸CSの回転運動を揺動運動に変換して押えローラ昇降駆動部10に伝える第1回転揺動変換機構10Aは、図2及び図3に示すように、回転軸CSに固着された第1カム61と、前記押えローラ昇降駆動部10の第1レバー14と、第1レバーの先端に設けられて第1カム61の周面に当接されているカムフォロワ15とからなっている。
【0031】
回転軸CSの回転運動を揺動運動に変換してスキュー補正用ストッパ駆動部20に伝える第2回転揺動変換機構20Aは、図2及び図3に示すように、回転軸CSに固着された第2カム62と、前記スキュー補正用ストッパ駆動部20の第2レバー22と、第2レバーの先端に設けられて第2カム62の周面に当接されているカムフォロワ23とからなっている。
【0032】
回転軸CSの回転運動を揺動運動に変換して搬送補助ガイド駆動部30に伝える第3回転揺動変換機構30Aは、図2及び図3に示すように、回転軸CSに固着された第3カム63と、搬送補助ガイド駆動部30の第3レバー33と、その第3レバーの先端に設けられて第3カム63の周面に当接されるカムフォロワ34とからなっている。
【0033】
第4回転揺動変換機構40Aは、回転軸CSの回転運動を揺動運動に変換して印字ヘッド昇降駆動部40及び上スキャナー昇降駆動部50に伝える共通の運動変換機構であり、次のように構成されている。すなわち、図1及び図2に示すように、側面に360度に亘って延びる螺旋状のカム溝64aを有する第4カム64が、その中心において回転軸CSに固着され、また、中間点においてテンションプーリ74と共通の軸75により揺動自在に支持された駆動レバー65の一端部に設けられたピン66を第4カム64のカム溝64aに摺動自在に嵌合してある。また、駆動レバー65の他端部は、前記印字ヘッド昇降駆動部40及び上スキャナー昇降駆動部50の共通の構成部材である従動レバー54の下方まで延ばしてあり、従動レバー54のコロ58がその駆動レバー65の他端部上面に当接させてある。
【0034】
図5は、第4カム64がホームポジション(以下、HPという)に存在する時の第4回転揺動変換機構40A及び印字ヘッド昇降駆動部40及び上スキャナー昇降駆動部50のそれぞれの状態を示す。図示のように、駆動レバー65のピン66が第4カム64のカム溝64aの外端に嵌合しており、そのときの駆動レバー65の他端部は媒体搬送面よりも上側に保持されて、従動レバー54のコロ58を上方に押し上げ、従って、上スキャナーSUを上昇位置に移動させ、かつ、コロ45を介して作動軸44を押し上げて、印字ヘッド8を上昇位置に移動させて保持している。
【0035】
モード切替えモータMMにより回転軸CSが所定方向、例えば、図5において反時計方向に回転されるに連れて、図6に示すように、駆動レバー65のピン66が第4カム64のカム溝64aの内端方向に移動し、これに連れて駆動レバー65の他端部が媒体搬送面に近付き、上スキャナーSUが自重により又はバネ56により降下し、印字ヘッド8がバネ43の付勢力により降下する。印字ヘッド8が媒体搬送面よりもやや下側まで降下した後は、副キャリッジ42がガイド軸41の下限に到達してそれ以上は降下しないようにしてある。
【0036】
回転軸CSがさらに同一方向に所定角度回転されると、図6に示すように、駆動レバー65のピン66が第4カム64のカム溝64aの内端付近まで移動し、これに伴い駆動レバー65の他端部が媒体搬送面よりも下方まで下降し、これに伴い、従動レバー54が下方に回動するため、上スキャナーSUが下スキャナーSLに弾力的に当接する。印字ヘッド8は、上述のように、最低位置に保持されている。
【0037】
回転軸CSには、さらに、図2に示すように、上記各回転揺動変換機構がHPにあるか否かを検出するための、スリット板81と光電スイッチ82からなる既知の構成を有するHPセンサS1が設けてある。また、図1のS2は媒体が挿入兼排出口に挿入又は排出されたことを検知するための検知器、S3は媒体の先端検知器であり、先端検知信号は、その媒体に対する印字ヘッド8による印字動作開始基準及びスキャナーSU,SLによる読取り動作開始基準として、また、媒体の排出動作終止基準として用いられる。なお、印字ヘッド8には、挿入された媒体に対して処理を開始する前に、その媒体の幅を検知するための媒体幅センサS4が設けてある。さらに、図1において、90はプリンタの各部に電源を供給する電源部である。
【0038】
続いて、上記構成による作用を図7のタイムチャートを用いながら説明する。
プリンタへの電源投入当初の初期化動作により、回転軸CSが所定角度に復帰されてHPセンサS1がONの状態になる。そして、第4回転揺動変換機構40Aの駆動レバー65の先端ピン66は図5に示すように第4カム64のカム溝64aの外端に位置しているので、図7の丸1のタイミングで示されるように、印字ヘッド昇降駆動部40及び上スキャナー昇降駆動部50の従動レバー54は駆動レバー65により図5に示すように上昇されていて、印字ヘッド8は作動軸44を介して、また、上スキャナーSUはホルダ軸52を介して、それぞれ所定の上昇位置まで上昇されている。
【0039】
第1回転揺動変換機構10Aの第1カム61は、第1レバー14に設けてあるカムフォロワ15に作用しているため、押えローラ昇降駆動部10の押えローラ保持部材13を支軸12回りに回動させて、押えローラpr1を駆動ローラdr1から若干上方に離間した開放位置に保持している。
【0040】
第2回転揺動変換機構20Aの第2カム62は、スキュー補正用ストッパ駆動部20の第2レバー22に設けてあるカムフォロワ23に作用していないため、開放されているストッパ4は自重により図1において反時計方向に回動し、その先端が搬送面を閉鎖する下降位置に保持されている。
【0041】
第3回転揺動変換機構30Aの第3カム63は、第3レバー33に設けてあるカムフォロワ34に作用していないため、第3レバー33は復帰バネ(不図示)により退避位置に復帰され、これに伴い、リンク31を介して搬送補助ガイド6が印字ヘッド移動用空隙2aを開放する位置に保持されている。
【0042】
第4回転揺動変換機構40Aにおいては、図5を参照して説明したように、第4カム64の初期状態において駆動レバー65のピン66がカム溝64aの外端に位置されているため、従動レバー54及び作動軸44を介して印字ヘッド8及び上スキャナーSUがともに上昇位置に保持されている。
【0043】
検知器S2からの媒体挿入検知信号に基づき、搬送モータ及びモード切替えモータMMが始動されると、図7の最初の所定回転角度(t1)の回転の間は、第1回転揺動変換機構10Aの第1カム61がカムフォロワ15に作用しないので、挿入された媒体には駆動ローラdr1のみから搬送力が加わり、かつ、そのときは、ストッパ4が下降位置に保持されているので、その媒体にスキューがある場合は、先行している端部は停止され、後行する端部は進行されるので、そのスキューが自動的に補正される。すなわち、図7におけるt1のタイミングはスキュー補正のためのタイミングである。
【0044】
所定回転角度(t2)の回転の終点までの間は、第1回転揺動変換機構10Aの第1カム61がカムフォロワ15に作用するため、押えローラ昇降駆動部10が押えローラpr1を若干の時間を掛けて下降位置まで移動させる。従って、図7の丸2のタイミングにおいては、スキューのある媒体は確実にスキューを補正され、媒体が搬送ローラdr1,pr1に挟持されて吸引可能な状態になる。
【0045】
次の所定回転角度(t3)の回転の間は、押えローラpr1は完全に下降位置にあり、第2回転揺動変換機構20Aの第2カム62がスキュー補正用ストッパ駆動部20のカムフォロワ23に作用するため、ストッパ4が上昇位置に移動されて、搬送面を開放するので、媒体は印字位置に向けて吸引される。そして、次の所定回転角度(t4)の回転の間に先端検知器S3からの媒体先端検知信号が入力すると、キャリッジ82が図示されていないモータ(キャリッジモータ)によりHPから1往復され、その間(図7の丸4のタイミング)に、副キャリッジ42に設けられている幅検知用センサS4からの検知信号を、CPUを用いる処理部により処理して、媒体の幅検知が行われる。また、その間に、第3回転揺動変換機構30Aの第3カム63が、第3レバー33に設けてあるカムフォロワ34に作用するため、上昇位置に保持されていた搬送補助ガイド6が下降位置まで移動されて、印字ヘッド移動用空隙2aが遮蔽される。
【0046】
挿入された媒体が、幅検知の結果、単票であると判定された場合は、次の所定回転角度(t5)の回転の中間(丸4´のタイミング)に、第4回転揺動変換機構40Aが、駆動レバー65のピン66をカム溝64aの中間位置まで摺動させるため、従動レバー54及び作動軸44を介して印字ヘッド8を下降位置に移動させ、その媒体に対する印字処理を実行する。
【0047】
これに対して、挿入された媒体が、幅検知の結果、通帳であると判定された場合は、所定回転角度(t5)の回転の間に、第4回転揺動変換機構40Aが、駆動レバー65のピン66をカム溝64aの終点位置まで摺動させるため、従動レバー54及び作動軸44を介して印字ヘッド8及び上スキャナーSUをともに下降位置に移動させ、図7の丸5のタイミングに、その媒体に対する印字処理を実行し、さらに続く所定回転角度(t6)の回転の間(図7の丸6のタイミング)に所定記録欄からの読取り処理を実行する。
【0048】
印字処理及び読取り処理を終了すると、最後の所定回転角度(t7)の回転の間に、第3回転揺動変換機構30Aの第3カム63がカムフォロワ34に作用しなくなるため、下降位置に保持されていた搬送補助ガイド6が上昇位置まで復帰移動されて、印字ヘッド移動用空隙2aが開放される。そして、搬送モータが逆転されて、処理を終わった媒体が媒体挿入口兼排出口1に向けて排出され、その間に、また、必要に応じて下降位置に保持されている上スキャナーSU又は下スキャナーSLによりその媒体に対する印字後の読取り処理がされる。
【0049】
【発明の効果】
上述のように、発明によれば、印字媒体のスキュー補正、搬送補助ガイドの移動、印字ヘッドの昇降、スキャナーの昇降等の付随的動作を単一の駆動源を用いて行わせる場合に、押えローラ昇降駆動部、ストッパ駆動部、搬送補助ガイド駆動部、印字ヘッドの昇降駆動部及び上スキャナーの昇降駆動部に動力をそれぞれ伝達するために、回転駆動源により回転される共通の回転軸と各駆動部との間に、いずれも回転揺動変換機構を備えたので、動作処理ポイントを回転駆動源の一回転方向に重複せずに設定することが可能であり、従って、部品コストの低減、回転駆動源の制御の簡略化、媒体印字処理の時間短縮、スループットの向上が可能である。
【0050】
また、第1回転揺動変換機構から第4回転揺動変換機構までの全てが、共通の回転軸に固定されたカムと、そのカムに係合されていて、カムの回転に応じて揺動されるレバーとから構成されるので、構造が簡単であり、製造コスト及び組立コストの低減が可能である。
【0051】
そして、第4回転揺動変換機構が、側面にほぼ360度に亘って伸びる螺旋状のカム溝を有するカムと、一端部がそのカムのカム溝に嵌合された駆動レバーと、自由端が前記駆動レバーの他端部の上面に当接された従動レバーと、キャリッジに昇降自在に支持された印字ヘッドに固着され、前記従動レバーの上面に当接された作動軸とで構成されているので、回転駆動源の360度という限られた回転の中で、動作処理ポイントを回転駆動源の一回転方向に重複せずに、スキュー補正動作及び搬送補助ガイドの開閉動作のほかに、印字ヘッドと上スキャナーの所要タイミングにおける昇降動作をも実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るプリンタの縦断面図。
【図2】 本発明の要部を概念的に示す説明図。
【図3】 要部の実際の構成を一部を省略して示す平面図。
【図4】 第4回転揺動変換機構の構成及び当初作用を示す側面図。
【図5】 同じく最終作用を説明する側面図。
【図6】 スキャナー昇降駆動部の構成を示す分解斜視図。
【図7】 モード切替用モータの所定回転角度における被駆動部の作用及び各処理のタイミングを説明するタイムチャート。
【図8】 従来技術の一例を示す要部側面図。
【図9】 同じく分解斜視図。
【符号の説明】
10 押えローラ昇降駆動部
pr1 押えローラ
13 保持部材
14 第1レバー
15 カムフォロワ
20 スキュー補正用ストッパ駆動部
4 スキュー補正用ストッパ
22 第2レバー
23 カムフォロワ
30 搬送補助ガイド駆動部
6 搬送補助イド
31 リンク
33 第3レバー
34 カムフォロワ
40 印字ヘッド昇降駆動部
8 印字ヘッド
82 主キャリッジ
42 副キャリッジ
43 付勢手段(引っ張りバネ)
44 作動軸
50 キャナー昇降駆動部
SU 上スキャナー
54 従動レバー
56 付勢手段(圧縮バネ)
MM 回転駆動源(モード切替用モータ)
CS 回転軸
10A 第1回転揺動変換機構
61 第1カム
20A 第2回転揺動変換機構
62 第2カム
30A 第3回転揺動変換機構
63 第3カム
40A 第4回転揺動変換機構
64 第4カム
64a カム溝
65 駆動レバー

Claims (1)

  1. 正転及び逆転が可能な一つの回転駆動源から動力を、搬送ローラのうちの押えローラを駆動ローラに対して昇降させる押えローラ昇降駆動部、媒体のスキュー補正用ストッパを停止位置と非停止位置との間において回動させるストッパ駆動部、搬送ガイドに開設された印字ヘッド移動用空隙を開閉するための搬送補助ガイドを閉鎖位置と開放位置との間において移動させる搬送補助ガイド駆動部、印字ヘッド昇降駆動部及びスキャナー昇降駆動部に、それぞれ伝達するようにしたプリンタにおいて、
    前記回転駆動源は、一つの回転軸をほぼ360度の範囲で一回転させるものであること、
    前記回転軸と前記押えローラ昇降駆動部との間に第1回転揺動変換機構を、前記回転軸と前記ストッパ駆動部との間に第2回転揺動変換機構を、前記回転軸と前記搬送補助ガイド駆動部との間に第3回転揺動変換機構を、前記回転軸と前記印字ヘッド昇降駆動部及びスキャナー昇降駆動部との間に第4回転揺動変換機構を、それぞれ設けたこと、
    第1回転揺動変換機構は、前記回転軸に固着された第1カムと、前記押えローラ昇降駆動部の押えローラを支持し、前記第1カムに係合されていて、前記第1カムの回転に応じて揺動される第1レバーとからなり、前記回転軸の第1回転角度範囲において回転運動を揺動運動に変換して前記押えローラ昇降駆動部に伝えるものであり、
    第2回転揺動変換機構は、前記回転軸に固着され、その回転軸の回転に応じて、前記ストッパ駆動部のスキュー補正用ストッパを停止位置と非停止位置との間において揺動させる第2カムからなり、前記回転軸の第2回転角度範囲において回転運動を揺動運動に変換して前記ストッパ駆動部に伝えるものであり、
    第3回転揺動変換機構は、前記回転軸に固着された第3カムと、その第3カムに一端が係合され、他端が前記搬送補助ガイド駆動部に結合されている第3レバーとからなり、前記回転軸の第3回転角度範囲及び第5回転角度範囲において回転運動を揺動運動に変換して、前記搬送補助ガイド駆動部に伝えるものであり、
    第4回転揺動変換機構は、前記回転軸に固着された第4カムと、駆動レバーと、従動レバーとからなるとともに、前記第4カムは、側面にほぼ360度に亘って伸びる螺旋状のカム溝を有し、前記駆動レバーはその一端が前記カム溝に摺動自在に嵌合され、かつ、中間において揺動自在に支持され、前記従動レバーはその自由端が前記駆動レバーの他端の上面に当接され、その従動レバーの上面に、キャリッジに昇降自在に支持された印字ヘッドに固着された作動軸が当接されていて、前記回転軸の第4回転角度範囲において回転運動を揺動運動に変換して、前記印字ヘッド昇降駆動部及び前記スキャナー昇降駆動部に伝えるものであること、
    を特徴とするプリンタ。
JP2000223803A 2000-07-25 2000-07-25 プリンタ Expired - Fee Related JP4521945B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000223803A JP4521945B2 (ja) 2000-07-25 2000-07-25 プリンタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000223803A JP4521945B2 (ja) 2000-07-25 2000-07-25 プリンタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002036658A JP2002036658A (ja) 2002-02-06
JP4521945B2 true JP4521945B2 (ja) 2010-08-11

Family

ID=18717846

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000223803A Expired - Fee Related JP4521945B2 (ja) 2000-07-25 2000-07-25 プリンタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4521945B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5937942B2 (ja) * 2012-10-05 2016-06-22 株式会社沖データ 印刷装置
CN108769452B (zh) * 2018-07-31 2024-04-16 苏州格莱博扫描有限公司 一种按压式扫描仪升降结构
CN115626505B (zh) * 2022-12-08 2023-07-28 广州广电运通智能科技有限公司 推卡装置及发卡机

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0591242A (ja) * 1991-09-30 1993-04-09 Fujitsu General Ltd フアクシミリ装置
JPH08108596A (ja) * 1994-10-06 1996-04-30 Shinko Seisakusho Co Ltd プリンタ
JPH09123565A (ja) * 1995-11-06 1997-05-13 Casio Comput Co Ltd 印刷装置
JPH09141954A (ja) * 1995-11-24 1997-06-03 Mitsubishi Electric Corp プリンタ装置
JP2000151897A (ja) * 1998-11-13 2000-05-30 Nagano Japan Radio Co 複写機のリリース機構
JP2000168188A (ja) * 1998-12-09 2000-06-20 Nikon Corp プリンタ

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6420161A (en) * 1987-07-15 1989-01-24 Alps Electric Co Ltd Thermal printer

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0591242A (ja) * 1991-09-30 1993-04-09 Fujitsu General Ltd フアクシミリ装置
JPH08108596A (ja) * 1994-10-06 1996-04-30 Shinko Seisakusho Co Ltd プリンタ
JPH09123565A (ja) * 1995-11-06 1997-05-13 Casio Comput Co Ltd 印刷装置
JPH09141954A (ja) * 1995-11-24 1997-06-03 Mitsubishi Electric Corp プリンタ装置
JP2000151897A (ja) * 1998-11-13 2000-05-30 Nagano Japan Radio Co 複写機のリリース機構
JP2000168188A (ja) * 1998-12-09 2000-06-20 Nikon Corp プリンタ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002036658A (ja) 2002-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100656323B1 (ko) 화상 처리 장치
JP4521945B2 (ja) プリンタ
US6983931B2 (en) Sheet folding and binding apparatus and method
JP4463156B2 (ja) 磁気記録再生装置および磁気記録再生装置付き伝票プリンタと磁気記録再生方法
JPH10250181A (ja) 画像記録装置
JP2986349B2 (ja) プリンタ
JPH09290541A (ja) プリンタ
JP4269204B2 (ja) 感光材料の搬送装置
JP2898187B2 (ja) プリンタ
JP2021066595A (ja) シート搬送装置
JP3791820B2 (ja) 媒体処理装置
JP3809098B2 (ja) 頁めくり装置
JP4218647B2 (ja) 媒体処理装置
JPH08167966A (ja) 原稿読取り確認機構及びそれを組み込んだ原稿読取り装置
JP2899775B2 (ja) プリンタ
JPH11334121A (ja) プリンタ装置
JP2006137501A (ja) 原点位置検出装置、記録装置およびそれらの制御方法
JP3551377B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP3809248B2 (ja) シート搬送装置およびこれを備えた画像読取り装置、画像形成装置
JPS6141436B2 (ja)
JP2679341B2 (ja) 記録装置
JP3022265B2 (ja) プリンタの紙送り構造
JP4193071B2 (ja) 記録装置
JP4145626B2 (ja) スキャナ装置の搬送ローラ機構及びこれを用いたスキャナ装置
JP3991844B2 (ja) 印字機能付カード処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100316

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100421

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100525

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100525

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4521945

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130604

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130604

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140604

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees