JP4521907B2 - ラベルプリンタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はラベルプリンタに係り、特にラベルに一枚ずつ異なるデータを印字するラベルプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
医療分野などで使用されるラベルは、一枚ずつ異なるデータが印字されて商品に貼り付けられる。このラベルを印字するラベルプリンタは、スキャナでバーコードをスキャンすると、そのデータに応じてパソコンやホストコンピュータから送信された血液型や採血日等をラベルに印字し、印字したラベルの先端を取り出し口から外部に突出させる。したがって、作業者は、スキャナによってデータの入力作業をした後、取り出し口のラベルを商品に貼り付けることによって、その商品に対応したデータが印字されたラベルを商品に正しく貼り付けることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、データの入力作業と、ラベルの貼り付け作業を交互に繰り返していくうちに、小休止などの際に取り出し口からラベルを取り忘れることがある。取り出し口にラベルが存在する状態で印字データを入力すると、間違って同じデータを2度連続して印字した場合に、そのラベルを廃棄せずに商品に貼り付けるおそれがあった。即ち、従来のラベルプリンタは、通常と異なる操作をした際に、ラベルと商品とが対応しない危険性があり、セキュリティ面で問題があった。
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ラベルを間違って貼り付けることを防止できるラベルプリンタを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は前記目的を達成するために、バーコード読み取るスキャナで入力されたデータに応じて、印字手段によってラベルに所定の印字を行うとともに、印字されたラベルを搬送手段で搬送してその先端部を台紙から剥離して取り出し口から外部に突出させるラベルプリンタにおいて、前記取り出し口のラベルの存在を検知する検知手段と、前記取り出し口のラベルを前記印字手段まで逆送りする逆送り手段と、有し、前記検知手段が前記取り出し口のラベルを検知していない状態で前記スキャナからデータが入力された際に、前記逆送り手段によって次に印字させるラベルを前記印字手段まで逆送りし、該印字手段によって前記スキャナからデータを前記ラベルに印字してから再び前記取り出し口に搬送するようにし、前記検知手段が前記取り出し口のラベルを検知している状態で前記スキャナからデータが入力された際に、前記逆送り手段によって前記取り出し口のラベルを前記印字手段まで逆送りし、該印字手段によって使用不可を表す指標を前記ラベルに印字してから再び前記取り出し口に搬送するように前記逆送り手段、前記印字手段及び前記搬送手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項1記載の発明によれば、取り出し口にラベルが存在する状態でスキャナから印字データが入力された際に、ラベルを印字手段に逆送りし、該印字手段で使用不可を示す指標を印字する。したがって、取り出し口に再び送られたラベルには、前記指標が表示されているので、印字されたラベルが使用不可であることが分かり、ラベルを間違って商品に貼り付けることを防止することができる。
【0007】
請求項2記載の発明によれば、取り出し口に送られたラベルの後端部が台紙に仮着された状態であるので、台紙を逆方向に移送することによってラベルを印字手段まで逆送りすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って、本発明に係るラベルプリンタの好ましい実施の形態について詳説する。
【0009】
図1は、本実施の形態のラベルプリンタ10の要部構成を示す概略構成図である。
【0010】
同図に示すように、ラベルプリンタ10は、取り出し口12の内側に、センサ14、剥離部16、印字部18、供給部20が順に配置されており、供給部20からラベル用紙22が取り出し口12に向けて供給される。このラベル用紙22は、帯状の台紙26に、一枚ずつ切り込まれた複数のラベル24が連続的に仮着されている。
【0011】
前記印字部18は、サーマルヘッド28とプラテン30とを対向配置して構成されている。供給部20から供給されたラベル用紙22は、サーマルヘッド28とプラテン30との間に供給され、サーマルヘッド28によって印字される。プラテン30は、正逆両方向に回転が可能であり、正方向(矢印38方向)に回転させることによってラベル用紙22を取り出し口12に向けて送ることができ、逆方向(矢印39方向)に回転させることによってラベル用紙22を供給部20に向けて逆送りすることができる。
【0012】
前記剥離部16は、印字部18と取り出し口12との間に設けられ、台紙26の走行方向を転向することによりラベル24と台紙26との剛性の違いを利用してラベル24を台紙26から剥離するように構成される。この剥離部16は、剥離部16と取り出し口12との間隔が、ラベル24のピッチ(走行方向の長さ)よりも小さくなるように配置される。これにより、ラベル24を取り出し口12に送ると、ラベル24の後端部が剥離部16上で仮着した状態で、ラベル24の先端部が取り出し口12から突出される。なお、ラベル24から剥離した台紙26は、回収部34に回収される。
【0013】
剥離部16と取り出し口12の間には、一対のセンサ14、14が上下に対向配置されている。センサ14、14は、一方が発光素子、他方が受光素子になっており、一対のセンサ14間にラベル24が存在すると、これを検知して制御装置32にその検知信号を出力する。
【0014】
ラベルプリンタ10の本体の外部には、スキャナ36が設けられ、このスキャナ36によってバーコードがスキャンされてデータが入力される。また、スキャナ36は、前記制御装置32に接続されており、スキャナ36から入力されたデータが制御装置32に出力される。
【0015】
制御装置32は、前記スキャナ36から信号が出力されると、その信号に応じて図示しないパソコンやホストコンピュータから印字データを受信する。そして、そのデータを解析、編集した後、サーマルヘッド28を制御して、ラベル24にデータを印字させる。
【0016】
また、制御装置32は、前記センサ14やスキャナ36から信号が出力されたタイミングによって、プラテン30やサーマルヘッド28を制御する。例えば、スキャナ36からデータを入力した時にセンサ14がラベル24を検知していた場合、プラテン30を逆回転させて取り出し口12のラベル24を印字部18まで逆送りし、印字部18でラベル24に指標を印字する。この指標は、ラベル24の印字データが間違っていることが分かる指標であればよく、例えば、図2(a)に示すように「×」や、図2(b)に示すように「NG」を、既に印字されたデータに重ねて、はっきりと印字することのよって使用不可能にする。
【0017】
また、スキャナ36からデータを入力した時にセンサ14がラベル24を検知していない場合、制御装置32は、プラテン30を逆回転させて、次に印字させるラベル24の先端が印字部18に合うようにラベル24を逆送りし、前記入力したデータをラベル24に印字する。
【0018】
次に上記の如く構成されたラベルプリンタ10の作用について図3のフローチャートに基づいて説明する。
【0019】
まず、ラベル用紙22の送り速度やラベル24のピッチ長さなど、ラベルプリンタ10の初期設定を行う(ステップ1)。次に、スキャナ36からバーコードをスキャンして、パソコンやホストコンピュータからデータを受信する(ステップ2)。そして、ラベル24一枚分のデータを受信し終えた際に(ステップ3)、この印字データを制御装置32で解析及び編集する(ステップ4)。次いで、印字部18のプラテン30を正方向に回転させてラベル用紙22を送りながら、サーマルヘッド28でラベル24に印字する(ステップ5)。
【0020】
次に、プラテン30を正方向に回転させてラベル用紙22を走行させ、印字されたラベル24を取り出し口12まで送る(ステップ6)。このとき、ラベル24の後端部が剥離部16上で台紙26に仮着された状態で、ラベル24の先端が取り出し口12から外部に突出するようにする。作業者は、このラベル24の先端部を持って剥離させることによってラベル24を取り出し(ステップ7)、商品に貼り付ける(ステップ8)。これにより、入力されたデータが正しく印字されたラベル24を商品に貼り付けることができ、さらに、取り出し口12にラベル24が無くなるので次のラベル24の印字が可能となる。
【0021】
ところで、取り出し口12のラベル24を取り出さずに(ステップ7)、スキャナ36からデータを新たに入力してラベル24のデータを受信した場合(ステップ9)、プラテン30を逆方向に回転させ、ラベル用紙22を逆方向にラベル24一枚分走行させる(ステップ10)。このとき、取り出し口12のラベル24の後端部が台紙26に仮着された状態であるので、ラベル用紙22が逆方向に走行すると、ラベル24が印字部18に逆送りされる。
【0022】
次いで、印字部18のサーマルヘッド28によって前述した指標をラベル24に重ね印字する(ステップ11)。これにより、ラベル24には、使用不可であることが一目で分かるようになる。次に、ラベル24を再び取り出し口12まで送り(ステップ12)、このラベル24を取り出し口12から剥離して廃棄する(ステップ13、ステップ14)。
【0023】
新たに送信されたデータは、ラベル24一枚分のデータを受信し終えた後(ステップ2、ステップ3)、解析及び編集され(ステップ4)、次のラベル24に印字される(ステップ5)。これにより、新たに送信されたデータが印字されたラベル24が取り出し口12に送られるので(ステップ6)、正しいデータが印字されたラベル24を商品に貼り付けることができる(ステップ8)。
【0024】
このように、本実施の形態のラベルプリンタ10は、取り出し口12にラベル24が存在する状態で新たに印字データが入力されると、取り出し口12のラベル24をバックフィードして指標を重ね印字するので、印字されたラベル24が使用不可であることが一目で分かり、ラベル24を間違って貼り付けることを防止することができる。
【0025】
また、ラベルプリンタ10は、ラベル24の搬送手段であるプラテン30を逆方向に回転させることによってラベル24を逆送りし、さらに、データを印字する印字部18で指標を印字している。したがって、ラベルプリンタ10は、装置の構成部材を増やさずに、ラベル24に指標を印字することができる。
【0026】
なお、上述した実施の形態では、取り出し口12にラベル24が存在する時にデータが新たに入力された際にラベル24に指標を印字するようにしたが、同じデータが2回連続で入力された場合には、新たに入力されたデータを削除し、指標や2回目の印字が行われないようにしてもよい。
【0027】
また、上述した実施の形態では、ラベル24を一枚分逆送りして指標を印字したがこれに限定するものではなく、指標を印字する分だけ逆送りしてもよい。
【0028】
また、上述した実施の形態では、スキャナ36でデータを読み取り、このデータに基づいてパソコンやホストコンピュータから印字データを制御装置32に送信したが、これに限定するものではなく、制御部32に印字データを蓄積しておいてもよい。
【0029】
さらに、上述した実施の形態では、スキャナ36でバーコードを読み取る例で説明したが、これに限定するものではなく、商品を識別できる信号を入力できる装置であればよい。例えば、キーボート等によってデータを入力してもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のラベルプリンタによれば、取り出し口のラベルを取り出さずにスキャナでデータを入力した際に、ラベルを印字手段に逆送りして指標を印字するので、印字されたラベルが使用不可であることが分かり、ラベルを間違って商品に貼り付けることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のラベルプリンタの要部構成を示す概略構成図
【図2】ラベルに重ね印字される誤認指標の一例を示す図
【図3】タグプリンタの使用手順を示すフローチャート
【符号の説明】
10…ラベルプリンタ、12…取り出し口、14…センサ、16…剥離部、18…印字部、24…ラベル、28…サーマルヘッド、30…プラテン、32…制御装置、36…スキャナ

Claims (2)

  1. バーコード読み取るスキャナで入力されたデータに応じて、印字手段によってラベルに所定の印字を行うとともに、印字されたラベルを搬送手段で搬送してその先端部を台紙から剥離して取り出し口から外部に突出させるラベルプリンタにおいて、
    前記取り出し口のラベルの存在を検知する検知手段と、
    前記取り出し口のラベルを前記印字手段まで逆送りする逆送り手段と、有し、
    前記検知手段が前記取り出し口のラベルを検知していない状態で前記スキャナからデータが入力された際に、前記逆送り手段によって次に印字させるラベルを前記印字手段まで逆送りし、該印字手段によって前記スキャナからデータを前記ラベルに印字してから再び前記取り出し口に搬送するようにし、
    前記検知手段が前記取り出し口のラベルを検知している状態で前記スキャナからデータが入力された際に、前記逆送り手段によって前記取り出し口のラベルを前記印字手段まで逆送りし、該印字手段によって使用不可を表す指標を前記ラベルに印字してから再び前記取り出し口に搬送するように前記逆送り手段、前記印字手段及び前記搬送手段を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とするラベルプリンタ。
  2. 前記取り出し口に送られたラベルの後端部は、前記台紙に仮着されていることを特徴とする請求項1記載のラベルプリンタ。
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